説明

タンパク質捕獲用担体およびタンパク質捕獲処理方法

【課題】細胞等の生体から効率的、迅速にタンパク質を生産すること、また、細胞等の生体からタンパク質の生成を、自動的に一貫して行うことができるタンパク質捕獲担体およびタンパク質捕獲処理方法を提供する。
【解決手段】生体を捕獲可能な生体捕獲用分子と、生体に発現させた目的タンパク質を捕獲可能なタンパク質捕獲用分子と、前記生体捕獲用分子および前記タンパク質捕獲用分子を表面に有する粒子状担体とを有するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質捕獲用担体およびタンパク質捕獲処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、細胞、細菌等の生体を分離する処理、または、分離した生体にタンパク質を発現させ、タンパク質を発現した生体を培養し、培養した生体から、発現して分泌されたタンパク質を抽出することによって有用なタンパク質を生産するという技術が広く用いられるようになってきている(特許文献1、2、3)。
【0003】
しかし、生体中に発現したタンパク質は、必ずしも生体から完全に分泌されまたは分離されるとは限られず、また、分泌したタンパク質と生体との間で、特異的な反応によって結合しうることが知られている(特許文献3)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−73112号公報
【特許文献2】特表2004−520037号公報
【特許文献3】特表平8−504574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、発明者らは、従来のように、生体の分離処理とたんぱく質の分離処理とを別個に行うのではなく、これらの処理を同時に行うことで、タンパク質の生産効率を高めることができると思い至った。さらに、分離処理の自動化を図ることでより一層効率的にタンパク質の生産を行うことを目的としてなされたものである。
【0006】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、細胞等の生体から生産される微量のタンパク質を効率的に生産することができるタンパク質捕獲用担体およびタンパク質捕獲処理方法を提供することである。その第2の目的は、細胞等の生体からタンパク質の生成を、自動的に一貫して行うことができるタンパク質捕獲担体およびタンパク質捕獲処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、生体と結合可能な生体捕獲用分子と、該生体に発現させた目的タンパク質と結合可能なタンパク質捕獲用分子と、前記生体捕獲用分子および前記タンパク質捕獲用分子を表面に有する粒子状担体と、を有するタンパク質捕獲用担体である。
【0008】
ここで、「生体」とは、細菌、単細胞、多細胞、または、その他生体組織等の固体である。
前記「生体に発現させた目的タンパク質」とは、例えば、ヒト・リゾチーム(Human-Lysozyme)であり、発現はYip ベクター(Prs303)を用いて、前記タンパク質のプロモータ等を酵母(YPH501)に導入することで行う。
【0009】
なお、粒子状担体(固体)は、液体中で懸濁可能であって、生体(細胞を含む)程度の大きさまたはそれよりも小さく形成され、前記生体捕獲用分子とタンパク質捕獲用分子とについて、各々複数個を保持若しくは結合可能なものである。その大きさの下限は、例えば10nm程度以上、粒子状担体の調製の容易さを考えると、好ましくは、100nm程度以上、さらに好ましくは、数百nm以上である。また、大きさの上限は、生体または細胞の大きさ(1μmから数10μm程度)よりも小さいことが望ましいことを考慮すると100μmである。
【0010】
1の該粒子状担体が捕獲して保持可能な生体の個数または量は、その粒子状担体の大きさ、形状、生体の大きさ、形状、性質またはその濃度に依存し、その粒子状担体程度またはそれよりも大きい程度である。例えば、細菌、単細胞等の生体の1単位または1片ないし数単位または数片(例えば、10単位または10片未満)である。一方、前記タンパク質捕獲用分子は複数または多数個が保持可能であるので、そのタンパク質の性質、含有量、タンパク質捕獲用分子の個数等に依存するが、1の粒子状担体あたり、複数または多数のタンパク質分子を保持することができる。
【0011】
粒子状担体の材料としては、例えば、金属、半導体、半金属、酸化金属等の金属化合物、セラミックス、ガラス、シリカのような無機物質、ゴム、ラテックス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂、セルロース、ナイロン等の繊維物質等の高分子物質、絹等の天然繊維等の天然物質のような有機物質がある。より具体的には、例えば、繊維物質を例にとると、「ポリアミド系高分子」からなる、絹等、ナイロン(3−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、7−ナイロン、12−ナイロン等)、PPTA(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)等の全芳香族ポリアミド、や、へテロ環含有芳香族ポリマー等である。
【0012】
また、粒子状担体の構造としては、剛体の場合のみならず柔軟体であっても良く、また、多孔質体、繊維状体、ゲル状体であっても良い。粒子状担体の形状としては、例えば、棒状、立方体状であっても良いが、生体表面に結合したときの流体から受ける抵抗が最も小さい球状である。
【0013】
「表面に有する」は、前記粒子状担体に、前記タンパク質捕獲用分子、および、前記生体捕獲用分子を何らかの方法で、直接的にまたは他の物質(分子、原子、イオン等)を介して間接的に結合または保持することをいう。表面に有する態様については、多孔質体、繊維状体、ゲル状態等の粒子状担体に直接的に結合または保持させる場合、または、粒子状担体が有する受容体またはリガンドと前記タンパク質捕獲用分子および前記生体捕獲用分子が有する前記受容体またはリガンドに結合性を有するリガンドまたは受容体によって、例えば、特異的反応物質の対、ストレプトアビジンとビオチン、または、抗His抗体とHis等を結合させることによって、または、粒子状担体の有する官能基と前記タンパク質捕獲用分子および前記生体捕獲用分子とが有する官能基との間を共有結合で直接結合することによって、または、水素結合、静電的結合で結合することによる結合等がある。
【0014】
ここで、「リガンド」とは、特定の受容体により認識、結合される分子であれば特に限定はなく、天然分子でも人工分子でも良く、例えば、核酸、糖、タンパク質、ペプチド等である。また、「受容体」とは、前記リガンドに結合性を示すものであれば良い。リガンドと当該リガンドに結合性を有する受容体とは相互に相補的である。リガンドの例としては、例えば、細胞膜受容体に対するアゴニストおよびアンタゴニスト、毒素、ウィルスエピトープ、ホルモン、ホルモン受容体、ペプチド酵素、酵素基質、レクチン、糖、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、核酸、オリゴサッカライド、タンパク質等が含まれる。また、受容体の例としては、天然分子でも人工分子でも良く、例えば、核酸、糖、タンパク質、ペプチド等である。
【0015】
受容体とリガンドの対の例としては、例えば、前述したように、前記特異的反応物質の対として、ストレプトアビジンと、ビオチンとの対であり、例えば、前記ストレプトアビジンは、前記磁性粒子に被覆されており、前記生体捕獲用分子および前記タンパク質捕獲用分子は前記ビオチンで標識化されている場合がある。
【0016】
また、前記粒子状担体表面に、前記タンパク質捕獲用分子、および前記生体捕獲用分子を発現させることによって設けるようにしている場合がある。
【0017】
第2の発明は、前記粒子状担体は、前記生体と同程度の大きさまたはそれよりも小さく、前記生体捕獲用分子およびタンパク質捕獲用分子を各々複数個有するタンパク質捕獲用担体である。
【0018】
第3の発明は、前記粒子状担体は磁性粒子であるタンパク質捕獲用担体である。
ここで、「磁性粒子」とは、磁性をもつ粒子であって、その大きさは、例えば、マイクロサイズであり、例えば、0.1μmから100μm程度である。該サイズ、質量、材料、構造(単一ドメイン、表面に種々の物質を被覆)、その性質(常磁性、超常磁性、強磁性等、フェリ磁性、磁力の大きさ)等は、その処理目的に応じて定めることができる。該材料としては、水酸化鉄、酸化鉄水和物、酸化鉄、混合酸化鉄、あるいは鉄、γ―Fe2O3, Fe3O4等からなる。磁性粒子は、例えば、磁性細菌によって菌体内に生産される磁性細菌粒子として得られ、または、前記材料に種々の物質を被覆することによって得られる。被覆物質としては、各種の官能基を生じさせる有機物質、磁場による凝集や沈澱を防ぐ表面安定化物質(脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ポリカルボン酸およびこれらの置換生成物および誘導体等)、特異的結合物質(リガンド、受容体等)、薬利的活性物質等がある。
【0019】
第4の発明は、前記生体捕獲用分子およびタンパク質捕獲用分子は、前記粒子状担体に受容体と、それに結合性を有するリガンドの対を用いて結合されているタンパク質捕獲用担体である。
【0020】
第5の発明は、前記生体捕獲用分子はレクチンであり、前記タンパク質捕獲用分子は抗体であるタンパク質捕獲用担体である。
【0021】
ここで、「レクチン」とは、細胞膜に作用し、様々な影響を及ぼす作用をもつ化学物質の総称であるが、特に、特異的な糖鎖構造を認識し結合する糖結合タンパク質をいう。レクチンの主な生理作用は、血液型特異的に赤血球を凝集し、ある種のガン細胞だけを特異的に凝集させ、リンパ球の分裂を促進し(マイトジェン活性)、細胞に対する毒性、肝臓などにおける老廃タンパク質の特異的な取り込みを行うことができる。マイトジェン活性を持つ代表的なレクチンは、タチナタマメ由来のコンカナバリンA(ConA)で、分子量10万4000の中性単純蛋白である。マンノース(Man)と結合した糖鎖を認識する。同様な活性をもつPWM(アメリカヤマゴボウのレクチン)、その他、小麦胚レクチンは、がん細胞を凝集させるレクチンであって分子量は3万6000の単純タンパク質である。
【0022】
前記生体捕獲用分子の前記レクチンおよび前記タンパク質捕獲用分子の前記抗体は、例えば、前記特異的反応物質の対の一方の物質で標識化されている。この場合には、前記生体は、例えば、細胞である。
【0023】
第6の発明は、生体に目的タンパク質を発現させる発現工程と、前記生体および発現した前記目的タンパク質の双方を捕獲可能な粒子状担体を、前記生体および目的タンパク質を発現した生体と接触させて前記粒子状担体に生体およびタンパク質の双方を捕獲させる捕獲工程と、捕獲した前記粒子状担体を分離する分離工程とを有するタンパク質捕獲処理方法である。
【0024】
前記発現工程には、該目的タンパク質を発現させた生体を培養して培養生産物を得る培養工程を含めることができる。
【0025】
第7の発明は、前記粒子状担体は、生体と結合可能な生体捕獲用分子と、該生体に発現させたタンパク質と結合可能なタンパク質捕獲用分子とを表面に有するタンパク質捕獲処理方法である。
【0026】
第8の発明は、前記粒子状担体は磁性粒子であり、前記分離工程は、前記粒子状担体を収容する容器またはピペットチップの外部から磁場を及ぼすことによって行われるタンパク質捕獲処理方法である。
【0027】
第9の発明は、前記生体捕獲用分子はレクチンであり、前記タンパク質捕獲用分子は抗体であるタンパク質捕獲処理方法である。
【0028】
第10の発明は、前記分離工程の後、分離された粒子状担体を光学的に測定する測定工程を有するタンパク質捕獲処理方法である。
【発明の効果】
【0029】
第1の発明、第2の発明、第6の発明または第7の発明によると、生体と生体に発現して生体から分泌されたタンパク質の双方を粒子状担体に捕獲することで、生体に残留しているタンパク質のみならず、生体と結合したタンパク質およびタンパク質が結合した生体を捕獲することで、タンパク質自体の捕獲効率を高めることができる。すなわち、粒子状担体のような固体支持体を用いているので、大きな表面積を利用して、生体捕獲用分子とタンパク質捕獲用分子とを複数個保持することが可能である。したがって、生体捕獲用分子とタンパク質捕獲用分子とを直接結合させた分子を作製する場合に比較し、1の生体表面あたり、より多くのタンパク質捕獲用分子が存在することになる。これによってタンパク質の捕獲効率が高められることになる。
【0030】
また、タンパク質捕獲用分子を必ずしも1種類に限定する必要がなく、2種類以上の異なるタンパク質捕獲用分子を用いることが容易である。したがって、2種類以上のタンパク質の捕獲処理を同時に行うことができる。
【0031】
第3の発明または第8の発明によれば、粒子状担体として磁性粒子を用いることで、生体およびタンパク質の分離を容易かつ確実に行うことができるとともに、一貫した処理の自動化を図ることができる。
【0032】
第4の発明によれば、受容体とそれに結合性を有するリガンドの対を用いることで、確実に生体捕獲用分子とタンパク質捕獲用分子とを前記粒子状担体に結合して信頼性の高い処理を行うことができる。
【0033】
第5の発明または第8の発明によれば、生体捕獲用分子としてレクチンおよびタンパク質捕獲用分子として抗体を用いることで、受容体とそれに結合性を有するリガンドとしての特異的反応を利用して、確実、かつ効率的に生体およびタンパク質を捕獲することができる。
【0034】
第10の発明によれば、光学的測定工程を含めることによって、処理の結果を確認することができるので、信頼性の高い処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、本発明の第1実施の形態に係るタンパク質捕獲用担体11を説明する。
図1に示すように、該第1の実施の形態に係るタンパク質捕獲用担体11は、分泌される目的タンパク質であるヒト・リゾチーム(Human-Lysozyme)と、該目的タンパク質を発現可能な細胞との双方とも捕獲できるように、該目的タンパク質と結合可能なタンパク質捕獲用分子としての抗ヒト・リゾチーム12と、生体としての前記細胞と結合可能な生体捕獲用分子であるコンカナバリンA(ConA)からなるレクチン13とを表面に多数有する磁性を帯びた粒子状担体としての磁気ビーズ14とを有するものである。前記磁気ビーズ14は、受容体としてアビジンまたはストレプトアビジンが表面に被覆されており、前記抗ヒト・リゾチーム12および前記レクチン13は、前記受容体に結合性を有するリガンドとしてのビオチン15によって標識化されている。このアビジンとビオチンとの間の特異的反応によって、前記磁気ビーズ14に前記抗ヒト・リゾチーム12及びレクチン13が多数結合されている。なお、図中、符号16は、前記抗ヒト・リゾチーム12と前記ビオチン15、またはレクチン13とビオチン15とを結ぶ炭素鎖等のスペーサ(分子)を模式的に表したものであり、図中の各物質の長さ比は必ずしも現実の長さ比に対応していない。
【0036】
このタンパク質捕獲用担体11の製造方法について、以下に説明する。
直径1.0μmであるストレプトアビジンが被覆された磁気ビーズ14の0.2mg(20μl)を2×BWバッファ{10MmTris-HCl(pH7.5),1mM EDTA,2M NaCl}200μlで懸濁し、室温で30分間浸けて置く。生体である細胞と結合可能なビオチン15で標識されたレクチン13であるコンカナバリンA(生化学工業株式会社、濃度=1 mg/ml)70μlと前記細胞から分泌されるヒト・リゾチームを捕獲する為のビオチン15で標識された抗ヒト・リゾチーム12 (NORDIC 社)10μlを120μlの1×PBSバッファと一緒に1つのエッペンドルフチューブ内で混ぜて置く(コンカナバリンA13のみを磁気ビーズ14に付ける時は抗ヒト・リゾチーム12を添加しない代わりに1×PBSバッファの量を130μl にし、それ以外は全て同じに行う)。2×BWバッファに入った磁気ビーズ14 200μlと前記抗体等が入った混合液200μlを混ぜ、室温で30分間反応させることで磁気ビーズ14と抗体等とを結合させる。
【0037】
反応が終わったら、1×PBSバッファで3回洗い、最後に200μlの1×PBSバッファに懸濁させ、次の実験に使われるまで氷の中につけておく。
【0038】
続いて、第2の実施の形態に係るタンパク質捕獲処理方法について説明する。
該タンパク質捕獲処理方法は、ステップS1のヒト・リゾチーム発現ベクターを構築する工程と、ステップS2の生体としての細菌である酵母へ導入する工程と、ステップS3のヒト・リゾチーム発現を確認する工程と、ステップS4の第1の実施の形態に係るタンパク質捕獲用担体を用いてヒト・リゾチームを捕獲させて該タンパク質捕獲用担体を検出する工程と、ステップS5の前記ヒト・リゾチームを測定する工程とを有する。ここで、ステップS1乃至ステップS3は、前記発現工程に相当し、ステップS4は前記捕獲工程および分離工程に相当する。
【0039】
ステップS1のヒト・リゾチーム発現ベクターの構築について説明する。
図2に示すように、前記生体としての単細胞(真核生物)である酵母に、目的タンパク質であるヒト・リゾチームを発現させるために、enolase 1 (以下、「ENO1」という)プロモータ21(配列1)とイソ−1−チトクロームC(以下、「CYC1」という)ターミネータ22(配列2)を導入し、前記プロモータ21の下流側で、前記ターミネータ22の上流側にヒト・リゾチームをコードするDNAであるリゾチーム23を有するヒト・リゾチーム発現ベクター20を構築する。
【0040】
ENO1プロモータ21(550塩基対)は、サッカロミセス・セレヴィシアエ(Saccaromyces cerevisiae)のゲノムを鋳型とし、以下のPCR(polymerase chain reaction)条件で増幅して得られた。全量50μlの反応液で行ったPCRで、鋳型であるSaccaromyces cerevisiaeのゲノム(濃度=1.2mg/ml)は0.2μlを用いた。フォワード・プライマ(forward primer 20μM)2μl、リバース・プライマ(reverse prima 20μM)2μl、dNTP(デオキシヌクレオシド三リン酸 2.5Mm)5μl、10×ExTaq バッファ5μl、ExTaq 0.1μlおよび滅菌水35.7μlを用いた。94℃で1分間変性し、94℃(30秒)、72℃(2分)を30サイクル行い72℃で5分間伸長(extention)させ、4℃まで冷却し終了した。PCR産物はTAクローニングベクターであるpGEN T-easy ベクター(promega社)に入れ、プラスミドの生産に用いた。プラスミドはQIAGEN社のminiprep kitを用いて生産した。
CYC1(249塩基対)のターミネータ22の場合は鋳型としてpYES2ベクターを用いて、以上のPCR条件と同じく行い得られた。
【0041】
使用した全てのフォワード・プライマとリバース・プライマ(配列3〜6)にはYlpベクターに導入するための制限酵素サイトを入れデザインした。プロモータ用のプライマには、フォワード・プライマにSacllとリバース・プライマにXbalを入れ、ターミネータ用のプライマには、フォワード・プライマにClalとリバース・プライマにXholを入れて設計した。
【0042】
前記リゾチーム23(配列7)は全長をオリゴDNAの合成で得た。全長の配列はBamHl制限酵素サイト、スタートコドン、ニワトリのシグナル配列、ヒトのリゾチーム配列、ストップコドン、そしてEcoRl制限酵素サイトで構成されている。全配列は11の領域に分け(配列8〜18)、オリゴDNAを合成し、プライマとして使われる2つのオリゴDNA(5'側のHlysBamFPと3'側のHlysEcoRP)を除いた残り9つのオリゴDNAに対して、リン酸化処理(kination)、ライゲーション処理(ligation)、および、クレノウ酵素処理(klenow)を行った後に、PCRで増幅することで得られた。詳しい方法は以下の通りである。
【0043】
プライマとして用いられる2つのオリゴDNA以外の9つのオリゴDNA(100μl)の1つのサンプルに対して、そのオリゴDNA10μlと10×キナーゼ(kinase)バッファ10μl、キナーゼ8μl、ATP(100Mm)1μl、DW(蒸留水)71lで、全量100μlの反応液を作り、37℃で1時間と、65℃で5分間の反応後、エタノール沈殿し、10μlのTEバッファで溶かした。残り8つのオリゴDNAに対しても以上と同じ反応を行った後、それぞれのサンプルから取った1μlとDW9μlで全量20μlの0反応液を作り、95℃で5分と室温で1時間反応後、さらに、T4DNAリガーゼ2μl、10×リガーゼ・バッファ2.5μl、DW0.5μlを添加し、室温の1時間でライゲーション(ligation)を行った。ライゲーションが終了したサンプルは65℃で5分間リガーゼの活性を死活させた後、エタノール沈澱し10μlのTEバッファで溶かし、以下のようにクレノウ反応を行った。
【0044】
ライゲーションが終わったサンプルから1μl取り、10×クレノウ・バッファ2μl、クレノウ2μl、dNTP(2.5Mm)2μl、DW13μlを混ぜ、37℃で1時間と70℃で10分間の反応を終え、次のPCR反応を行う前まで氷に入れておく。PCR反応は次のように行われる。
【0045】
全量50μlの反応液で行ったPCRで、鋳型であるクレノウサンプル2μlにフォワード・プライマ(20μM)2μl、リバース・プライマ(20μl)2μl、dNTP(2.5mM)5μl、10×ExTaqバッファ 5μl、ExTaq0.1μl、そして滅菌水34μlを使用した。94℃で1分間変性し、94℃(30秒)、55℃(30秒)、72℃(2分)を30サイクル行い、72℃で5分間伸長し、 4℃まで冷却し終了した。PCR産物は、TAクローニングベクターである pGEM T-easy ベクター(promega社)に入れ、プラスミドを生産に使用した。プラスミドは、QIAGEN社のminiprep kitを用いて生産した。
【0046】
図2に示すように、準備が終わったプロモータ21、ターミネータ22、ヒト・リゾチーム23のプラスミドは、このようにして制限酵素サイトを利用して、pRS303ベクターに導入し、前記ヒト・リゾチーム発現ベクター20を構築する。
【0047】
続いて、ステップS2の酵母への導入工程について説明する。ステップS1で構築したpRS303ベクターは、Frozen EZ Yeast transformation II(ZYMO Research社)のキットを用いて、酵母の反応能(competent)のある細胞(YPH501)に導入される。
【0048】
まず、反応能のある細胞を用意するために、酵母の細胞(YPH501)がOD600=0.8-1.0になるまで培養し、10mlを500×g(重力加速度)で4分間遠心し、上澄み液を除いたペレットをキットのEZ1溶液10mlで洗い、再び得られたペレットは、EZ2溶液 1ml で懸濁させ、反応能のある細胞として使用する。
【0049】
上記の反応能のある細胞から50μlを取り、予め制限酵素で1ヶ所を切って置いたDNA5μl(0.2-1.0μg)と混ぜ、更に500μlのEZ3溶液を添加し、良く混合して、30℃で1時間ぐらい培養する。
【0050】
上記の1時間培養したサンプルから150μlぐらいを取り、予め用意したSD-His選択培地プレートに蒔く。サンプルを蒔いたプレートは30℃で3日ぐらい培養し、コロニーができたら4℃で保管する。
【0051】
次に、ステップS3においてヒト・リゾチーム発現の確認を行う。酵母へ導入されたベクターにより目的のヒト・リゾチームがうまく発現されているかどうかをウェスタンブロット法(western blotting)によって確認する。培養条件は50mlのYPD培地で30℃、12時間の前培養が終わったものから1mlを採り、本培養用の100mlのYPD培地へ加え、さらに30℃で36時間培養する。分泌されるヒト・リゾチームの量が少ないため、細胞をガラスビーズ0.45mm-0.50mm)で破砕し、回収液からヒト・リゾチームの存在をウェスタンブロット法で確認する(図5)。ウェスタンブロット法は、15%のアクリルアミド・ゲルを用いて100Maで90分間転写を行い、HRP(セイヨウワサビ・ペロキシダーゼ)標識の抗ヒト・リゾチーム(NORDIC社)を用いて発光させる。
【0052】
リゾチームの蛋白量は単球菌リゾデイキチカス(Micrococcus lysodeikiticus)を用いた活性測定により換算することができる。図5に示すように、800μlの50Mmのリン酸ナトリウム・バッファ(Ph 6.4)で懸濁した単球菌リゾデイキチカスにサンプル200μlを添加し450nmで吸光度を測ると、0.02μg/mlのリゾチームが入っている場合、毎分0.001ずつ吸光度が下がる。
【0053】
続いて、ステップS4において前記タンパク質捕獲用担体(抗体付磁気ビーズ)11を用いてヒト・リゾチームを捕獲、検出する。
【0054】
ENOプロモータが導入されているベクターの場合(以下、ENOLysと書く)、SD-Hisプレートよりコロニーを採り、20mlのYPD培地で30℃の12時間の前培養し、その前培養から、1mlを採り、20mlのYPD培地に入れ、30℃でリゾチームが分泌するまで24時間ぐらい本培養を行う。培養液から1mlを採り、OD600の吸光度で1.0になるように希釈あるいは濃縮する。OD600=1.0である1mlの培養液を遠心で細胞を集め200μlの1×PBSバッファに懸濁させ、その懸濁液と上記の抗体付磁気ビーズ11と4℃で30分間反応し、抗体付磁気ビーズ11に酵母の細胞を捕獲させて置く。そして、FACS(fluorescence-activated cellsorting:レーザ光照射による蛍光現象を応用し、細胞を生きた状態で分画収集する装置)を適用する際に、リゾチームを生産する細胞と見分ける為に組み換えていない細胞、つまりリゾチームを生産しない細胞も1:1で混ぜ、一緒に抗体付き磁気ビーズ11と結合させる。細胞が捕獲された抗体付磁気ビーズ11を20mlのYPD培地に入れ、30℃で90分の培養を行う。
【0055】
培養中の細胞の分裂は、細胞から抗体付磁気ビーズ11が離れる原因であることから、それを抑えるためにアルファ・メイティング・ファクタ(zymo research 社)を最終濃度が100mMになるよう最終のYPD培地に入れて行う。培養が終わったら、培養液に含まれている細胞と磁気ビーズ11の結合体を、例えば、図3に示す磁気トラッパー25(TOYOBO社)によって回収する。磁気トラッパー25は、複数個の挿入孔26が設けられ、各挿入孔26の所定位置には各々磁石27が設けられており、該挿入孔26に、前記抗体付磁気ビーズ11を含有する懸濁液29を収容した容器28を挿入することによって、前記抗体付磁気ビーズ11を該容器28の内壁に吸着させて分離することができるものである。
【0056】
続いて、ステップS5において、前記ヒト・リゾチームを測定する。測定は、ENOLysとネガティブ・コントロールのそれぞれのサンプルに対し3つの項目に分けられ行う。その3つの項目というのは、(i)コンカナバリンA(Con A)と抗ヒト・リゾチームと両方とも付けた抗体付磁気ビーズ11を入れて培養したもの、(ii)コンカナバリンAだけを付けた磁気ビーズを入れ培養したもの、(iii)培養後ビーズに捕獲されていない細胞の3つである。
【0057】
回収が終わった磁気ビーズと細胞のブロキング(遮断)は、0.15M NaClを含む0.1 Mマレイン酸バッファに1%になるようにブロキング(遮断)試薬(Blocking Reagents ロシュ社)を溶かした溶液を用い、室温で50分間行う。
【0058】
ブロキング後は、1×PBSバッファ(10×PBSバッファはNaCl 40g、KH2PO4 1g、Na2HPO4・7H2O 10.9g,KCl 1gを500mlのDWに溶かした溶液)で3回洗い、2μlのHRP標識の抗ヒト・リゾチーム(NORDIC社)が含まれている100μlの1×PBS又は20μlのFITC(fluorescein isothiocyanate イソチオシアン酸フルオレセイン)で標識化された抗ヒト・リゾチーム(NORDIC社)が含まれている100μlの1×PBSで懸濁し、50分間反応する。反応する間は光を遮断した上で行う。
【0059】
HRPまたはFITC標識の抗ヒト・リゾチームとの反応の後、再び1×PBSバッファで3回洗い、100μlの1×PBSバッファで懸濁し、ARGUS(微弱光イメージング装置)またはFACSで分析を行う。
【0060】
以下に24時間本培養した後にリゾチームが発現されているかどうかをウェスタンブロット法(western blotting)と活性測定で確認した図を示す。図4は、ウェスタンブロット法の結果を示す図であり、1,2レーンのようにHRP標識の抗ヒト・リゾチームによりリゾチームが検出された。Mレーンは分子量マーカであり、光っているのは、マーカに含まれている分子量14.5kDaの鶏由来のリゾチームである。
【0061】
図5は、単球菌リゾデイキチカス(Micrococcus lysodeikiticus)を用いて活性測定を行ったとき、450nmの吸光度で測った数字をグラフで示したものであり、1分あたり0.9ぐらいずつ減少していることが判る。「1分当たり0.001下がった場合、そのサンプルには0.02μg/mlのアイソザイム(isozyme)が含まれている」という精義により、ここでのサンプルは、1.8μg/mlの濃度のものであることがわかった。
【0062】
次に、前記抗体付磁気ビーズ11によりヒト・リゾチームの検出を行う。FACSを行う前に、細胞とヒト・リゾチームとがうまく抗体付磁気ビーズ11に捕獲されるか否かを、図6においては顕微鏡により、図7においてはアルガスを用いて確認した結果を以下に示す。
【0063】
顕微鏡で確認したところ、図6で示すように、細胞と抗体付き磁気ビーズ11を結合させた直後(培養前)の細胞についている磁気ビーズ11の数に比べ、90分の培養を行った後の細胞に付いている磁気ビーズ11の数はかなり減っていることが分るが、細胞のまわりにいくつかの抗体付磁気ビーズ11が付いているのが見える。これはコンカナバリンA(ConA)と細胞表面の糖鎖との結合には問題がないことを示している。
【0064】
図7に示すように、丸付き数字3番(細胞のみ)が光らないことから細胞自体にHRPの分泌は無いことが分る。丸付き数字2番(コンカナバリンAだけを付けたビーズを入れ培養したもの)が光っていることは細胞の表面にリゾチームが留まり、それにHRP標識の抗ヒト・リゾチームが結合されたものであると考えられる。しかし、丸付き数字2番の光の強さより丸付き数字1番(コンカナバリンAと抗ヒト・リゾチームと両方とも付けた抗体付磁気ビーズ11を入れ培養したもの)の光がより強いことから(Scion社のScion Image Beta 4.02のソフトウェアを用い、光の強さを比較できる)、分泌されるリゾチームを抗体付磁気ビーズ11上に付いている抗ヒト・リゾチームが捕獲されて濃縮されたものと考えられる。
【0065】
以上の結果から、FACSを行うのに問題がないと判断され、同じサンプルを用いてFACSを行った。90分間の培養で細胞が分裂するリゾチームは近くの抗体付磁気ビーズ11の抗体に捕獲される。ARGUSを用いて測定する時と同様にブロキングステップ、蛍光標識抗体との反応ステップを行い、最終的にFITCで標識された抗体付磁気ビーズ11と細胞の合体物ができあがる。BD Biosciences社のフローサイトメータ(flow cytometer)を用い、実験を行った。その結果を図8に示す。図8(a)と図8(b)は、細胞が分泌するリゾチームを抗体付磁気ビーズ11で捕獲し、捕獲されたリゾチームに対するFITC標識抗リゾチームで蛍光を付け、フローサイトメータで測定した結果である。図8(c)、図8(d)は、細胞から完全に分泌されずに表面に留まっているリゾチームの有無を確認するため、抗体付磁気ビーズ11を用いずに、直接FITC標識抗リゾチームで細胞に蛍光を付け、フローサイトメータで測定した結果である。
【0066】
図8(a)および図8(c)は、散乱光であり細胞の表面積、大きさ、表面の性質、内部構造などに比例するものである。図8(b)および図8(d)は、蛍光に比例するものである。R2領域は、FITCで標識されていない細胞のグループであり、リゾチームを生産しない非組換え細胞と考えられる。R1領域はFITCで標識化された抗体付磁気ビーズ11と細胞の合体物であり、この領域の細胞がリゾチームを分泌するものと考えられ、磁気ビーズを用い細胞から分泌されるタンパク質を捕獲するのに問題がないことが解った。
【0067】
また、ビーズを使わずに抗体で直接検出を行った場合、蛍光度が下がり、標識されていない細胞集団と分離しがたくなった。さらに、ソーティング後に得られた細胞の活性測定からも解るように、図9(a)の磁気ビーズを用いた場合(50個の細胞中8個の非活性細胞)と比べ、図9(b)の抗体で直接検出を行った場合はリゾチームの活性がない細胞がより多く含まれていた(50個の細胞中15個の非活性細胞)。
【0068】
この結果から、細胞が分泌するタンパク質をビーズにより捕獲しFACSで分離するのが可能であると考えられ、もっと精度を高められれば、ある細胞集団から特定のタンパク質を分泌する細胞を精製することができると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、筺体に取付けたスイッチを用いて容易に左右の選択ができ、側端部に半透明フードを取付けることによって、輝度の大きい照明が必要かつ操作者による入力位置の直視が不可欠な用途にも適用できる。
【0070】
以上の実施の形態は、本発明をより良く理解させるために具体的に説明したものであって、別形態を制限するものではない。したがって、発明の主旨を変更しない範囲で変更可能である。例えば、以上の実施例では、受容体として、アビジンまたはストレプトアビジンのみの場合で、リガンドとしてビオチンについて説明したが、これらの組合せに限られるものではなく、種々の特異的な結合の組合せを利用することができる。例えば、FITC(フルオロセインイソチオシアネート)と抗FITC抗体、あるいはDIG(ジゴキシゲニン)と抗DIG抗体などを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る抗体付磁気ビーズを示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るタンパク質捕獲処理方法で用いるヒト・リゾチーム発現ベクターを示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るタンパク質捕獲処理方法で用いる磁気トラッパーを示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るタンパク質捕獲処理方法で用いるウェスタンブロッティング法による測定結果を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るタンパク質捕獲処理方法において測定したリゾチームの活性を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るタンパク質捕獲処理方法において測定した顕微鏡による細胞表面と磁気ビーズとの結合を示す測定図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るタンパク質捕獲処理方法においてARGUSを用いて検出したヒト・リゾチームを示す測定図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るタンパク質捕獲処理方法においてフローサイトメータによって得られた測定結果を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るタンパク質捕獲処理方法においてソーティング後に得られた細胞のリゾチーム活性測定を示すグラフである。
【符号の説明】
【0072】
11 抗体付磁気ビーズ(タンパク質捕獲用担体)
12 抗ヒト・リゾチーム(タンパク質捕獲用分子)
13 レクチン(生体捕獲用分子)
14 磁気ビーズ(粒子状担体)
15 ビオチン
16 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体と結合可能な生体捕獲用分子と、該生体に発現させた目的タンパク質と結合可能なタンパク質捕獲用分子と、前記生体捕獲用分子および前記タンパク質捕獲用分子を表面に有する粒子状担体と、を有するタンパク質捕獲用担体。
【請求項2】
前記粒子状担体は、前記生体と同程度の大きさまたはそれよりも小さく、前記生体捕獲用分子およびタンパク質捕獲用分子を各々複数個有する請求項1に記載のタンパク質捕獲用担体。
【請求項3】
前記粒子状担体は磁性体を有する請求項1または請求項2のいずれかに記載のタンパク質捕獲用担体。
【請求項4】
前記生体捕獲用分子およびタンパク質捕獲用分子は、受容体と、それに結合性を有するリガンドの対を用いて前記粒子状担体に結合されている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のタンパク質捕獲用担体。
【請求項5】
前記生体捕獲用分子はレクチンであり、前記タンパク質捕獲用分子は抗体である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のタンパク質捕獲用担体。
【請求項6】
生体に目的タンパク質を発現させる発現工程と、
前記生体および発現した前記目的タンパク質の双方を捕獲可能な粒子状担体を、前記生体および前記目的タンパク質を発現した生体と接触させて前記粒子状担体に生体およびタンパク質の双方を捕獲させる捕獲工程と、
捕獲した前記粒子状担体を分離する分離工程とを有するタンパク質捕獲処理方法。
【請求項7】
前記粒子状担体は、生体と結合可能な生体捕獲用分子と、該生体に発現させたタンパク質と結合可能なタンパク質捕獲用分子とを表面に有する請求項6に記載のタンパク質捕獲処理方法。
【請求項8】
前記粒子状担体は磁性粒子であり、前記分離工程は、前記粒子状担体を収容する容器、流路またはチップの外部から磁場を及ぼすことによって行われる請求項6または請求項7のいずれかに記載のタンパク質捕獲処理方法。
【請求項9】
前記生体捕獲用分子はレクチンであり、前記タンパク質捕獲用分子は抗体である請求項7ないし請求項8のいずれかに記載のタンパク質捕獲処理方法。
【請求項10】
前記分離工程の後、分離された粒子状担体を光学的に測定する測定工程を有する請求項6ないし請求項9のいずれかに記載のタンパク質捕獲処理方法。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図8】
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【図1】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−153821(P2007−153821A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352695(P2005−352695)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2005年11月25日 第28回日本分子生物学会年会組織委員会発行の「第28回日本分子生物学会年会講演要旨集」に発表
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(591081697)プレシジョン・システム・サイエンス株式会社 (10)
【Fターム(参考)】