説明

ターゲット供給装置及び極端紫外光生成装置

【課題】ターゲット物質の帯電ターゲットを供給するターゲット供給装置の絶縁破壊を抑制する。
【解決手段】このターゲット供給装置は、ターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、ターゲット貯蔵部に貯蔵されたターゲット物質を出力するための貫通孔が形成されたターゲット出力部と、ターゲット出力部に対向して配置され、ターゲット物質が通過する貫通孔が形成された電極であって、ターゲット出力部に対向する面の一部に電気絶縁材料がコートされた電極と、ターゲット物質と電極との間に電圧を印加する電圧生成器とを備えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、極端紫外(EUV)光を生成するために、レーザ光が照射されるターゲットを供給する装置に関する。さらに、本開示は、そのようなターゲット供給装置を用いてEUV光を生成するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、例えば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度のEUV光を生成する極端紫外光生成装置と縮小投影反射光学系(reduced projection reflective optics)とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
極端紫外光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマを用いたLPP(Laser Produced Plasma:レーザ励起プラズマ)式の装置と、放電によって生成されるプラズマを用いたDPP(Discharge Produced Plasma)式の装置と、軌道放射光を用いたSR(Synchrotron Radiation)式の装置との3種類の装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7067832号明細書
【概要】
【0005】
本開示の第1の観点に係るターゲット供給装置は、ターゲット物質を供給するターゲット供給装置であって、少なくともターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、ターゲット貯蔵部に貯蔵されたターゲット物質を出力するための貫通孔が形成されたターゲット出力部と、ターゲット出力部に対向して配置され、ターゲット出力部から出力されるターゲット物質が通過する貫通孔が形成された電極であって、少なくともターゲット出力部に対向する面の一部に電気絶縁材料がコートされた電極と、少なくともターゲット物質と電極との間に電圧を印加する電圧生成器とを備えてもよい。
【0006】
本開示の第2の観点に係るターゲット供給装置は、ターゲット物質を供給するターゲット供給装置であって、少なくともターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、ターゲット貯蔵部に貯蔵されたターゲット物質を出力するための貫通孔が形成されたターゲット出力部と、ターゲット出力部に対向して配置され、ターゲット出力部から出力されるターゲット物質が通過する貫通孔が形成された電極であって、セレン(Se)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、金(Au)、炭素(C)、及び、コバルト(Co)の内の少なくとも1つを含む電極と、少なくともターゲット物質と電極との間に電圧を印加する電圧生成器とを備えてもよい。
【0007】
また、本開示の第1の観点に係る極端紫外光生成装置は、レーザ装置から出力されるレーザ光をターゲット物質に照射してターゲット物質をプラズマ化することにより極端紫外光を生成する極端紫外光生成装置であって、少なくともターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、ターゲット貯蔵部に貯蔵されたターゲット物質を出力するための貫通孔が形成されたターゲット出力部と、ターゲット出力部に対向して配置され、ターゲット出力部から出力されるターゲット物質が通過する貫通孔が形成された電極であって、少なくともターゲット出力部に対向する面の一部に電気絶縁材料がコートされた電極と、少なくともターゲット物質と電極との間に電圧を印加する電圧生成器と、電極の貫通孔を通過したターゲット物質に照射されるレーザ光を導入する貫通孔が形成されたチャンバとを備えてもよい。
【0008】
本開示の第2の観点に係る極端紫外光生成装置は、レーザ装置から出力されるレーザ光をターゲット物質に照射してターゲット物質をプラズマ化することにより極端紫外光を生成する極端紫外光生成装置であって、少なくともターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、ターゲット貯蔵部に貯蔵されたターゲット物質を出力するための貫通孔が形成されたターゲット出力部と、ターゲット出力部に対向して配置され、ターゲット出力部から出力されるターゲット物質が通過する貫通孔が形成された電極であって、セレン(Se)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、金(Au)、炭素(C)、及び、コバルト(Co)の内の少なくとも1つを含む電極と、少なくともターゲット物質と電極との間に電圧を印加する電圧生成器と、電極の貫通孔を通過したターゲット物質に照射されるレーザ光を導入する貫通孔が形成されたチャンバとを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図1】図1は、例示的なLPP式のEUV光生成装置の概略構成を示す図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係るEUV光生成装置の構成を示す一部断面図である。
【図3A】図3Aは、図2に示すターゲット生成器及びその周辺部を示す一部断面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示すターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図3C】図3Cは、図3Aに示すターゲット生成器の変形例の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】図4は、放電が起こる電圧に関するパッシェンの法則を説明するための図である。
【図5】図5は、各種の材料の仕事関数を示す図である。
【図6A】図6Aは、第2の実施形態におけるターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図6B】図6Bは、第2の実施形態におけるターゲット生成器の変形例の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図7】図7は、第3の実施形態におけるターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図8A】図8Aは、第4の実施形態におけるターゲット生成器及びその周辺部を示す一部断面図である。
【図8B】図8Bは、図8Aに示すターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図9】図9は、図8Aに示すターゲット生成器の第1の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】図10は、図8Aに示すターゲット生成器の第2の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【図11A】図11Aは、碍子構造を有する電気絶縁部材を用いるターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図11B】図11Bは、図11Aに示すターゲット生成器の一部の底面図である。
【図11C】図11Cは、図11Aに示す電気絶縁部材の碍子構造のバリエーションを示す断面図である。
【図12A】図12Aは、第5の実施形態におけるターゲット生成器及びその周辺部を示す一部断面図である。
【図12B】図12Bは、図12Aに示すターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図13】図13は、第6の実施形態におけるターゲット生成器及びその周辺部を示す一部断面図である。
【図14】図14は、偏向電極によるターゲットの方向制御を説明するための図である。
【実施形態】
【0010】
<内容>
1.概要
2.用語の説明
3.極端紫外光生成装置の全体説明
3.1 構成
3.2 動作
4.静電引出し型のターゲット生成器が搭載されたチャンバ
4.1 構成
4.2 動作
5.静電引出し型のターゲット生成器
5.1 構成
5.2 動作
5.3 作用
6.ターゲット生成器の高耐圧化(ノズルが電気伝導性を有する場合)
7.ターゲット生成器の高耐圧化(ノズルが電気絶縁性を有する場合)
8.加速電極を有するターゲット生成器
8.1 構成
8.2 動作
9.電気絶縁部材の構造
10.加速電極及び偏向電極を有するターゲット生成器
10.1 構成
10.2 動作
10.3 作用
11.コンティニュアスジェット方式のターゲット生成器
11.1 構成
11.2 動作
11.3 作用
12.偏向電極によるターゲットの方向制御
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示の一例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
1.概要
LPP式のEUV光生成装置においては、ターゲット供給装置が、ターゲットをチャンバ内のプラズマ生成領域に供給する。ターゲットがプラズマ生成領域に到達した時にレーザ光がターゲットに照射され、ターゲット物質がプラズマ化することによって、EUV光が生成される。ターゲットをプラズマ生成領域に安定して供給するためには、ターゲット物質とターゲット供給装置に設けられた電極との間に高電圧を印加することにより帯電ターゲットを生成して、帯電ターゲットの軌道を制御する必要がある。
【0013】
しかしながら、チャンバ内にガスが存在する場合に、ターゲット物質と電極との間に耐電圧を超える高い電圧が印加されると、絶縁破壊(火花放電)が発生する。絶縁破壊が発生すると、チャンバ内の絶縁が破壊されてリーク電流が流れるようになり、ターゲット物質と電極との間の電圧が安定しなくなる。その結果、ターゲットに与えられる電荷が変動して、帯電ターゲットをプラズマ生成領域に安定して供給できなくなる。
【0014】
本開示の1つの観点によれば、ターゲットを供給するターゲット供給装置において、ガス圧とターゲット物質〜電極間距離との積が絶縁破壊電圧に及ぼす影響を考慮しながら、ターゲットを引き出すために必要な電位勾配を形成するように、例えば、ターゲット物質を出力するノズルと電極との間の距離等が所定の範囲に設定される。本開示の別の観点によれば、ターゲットの軌道の周囲に配置される電極の少なくとも表面の材料として、セレン(Se)又は白金(Pt)等の貴金属が用いられる。本開示のさらに別の観点によれば、ターゲットの軌道の周囲に配置される電極の表面の少なくとも一部に電気絶縁材料がコートされる。これにより、電極からの電子の放出が抑制されるので、絶縁破壊電圧を高くすることができる。その結果、絶縁破壊を抑制することができる。
【0015】
2.用語の説明
本願において使用される幾つかの用語を以下に説明する。「チャンバ」は、LPP式のEUV光生成装置において、プラズマの生成が行われる空間を外部から隔絶するための容器である。「ターゲット供給装置」は、EUV光を生成するために用いられる溶融スズ等のターゲット物質をターゲットとしてチャンバ内に供給する装置である。ターゲットは、ドロップレットの形態であってもよい。「EUV集光ミラー」は、プラズマから放射されるEUV光を反射してチャンバ外に出力するためのミラーである。「デブリ」は、チャンバ内に供給されたターゲット物質のうちプラズマ化されなかった中性粒子及びプラズマから放出される荷電粒子を含み、EUV集光ミラー等の光学素子を汚染又は損傷する原因となる物質である。
【0016】
3.極端紫外光生成装置の全体説明
3.1 構成
図1に、例示的なLPP式のEUV光生成装置(極端紫外光生成装置)1の概略構成を示す。EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザシステム3と共に用いてもよい。以下においては、EUV光生成装置1及びレーザシステム3を含むシステムを、EUV光生成システム(極端紫外光生成システム)11と称する。図1に示し、かつ、以下に詳細に説明するように、EUV光生成装置1は、チャンバ2を含んでもよい。チャンバ2は、密閉可能であってもよい。また、EUV光生成装置1は、ターゲット供給装置(例えば、ターゲット生成器26)をさらに含んでもよい。ターゲット供給装置は、例えば、チャンバ2の壁を貫通するように取り付けられていてもよい。ターゲット供給装置から供給されるターゲット物質の材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又は、それらの内のいずれか2つ以上の組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0017】
チャンバ2の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられていてもよい。その貫通孔には、ウインドウ21が設けられていてもよく、ウインドウ21をレーザシステム3から出力され進行方向制御装置34を経たレーザ光32が透過してもよい。チャンバ2の内部には、例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー23が配置されてもよい。EUV集光ミラー23は、第1の焦点及び第2の焦点を有する。EUV集光ミラー23の表面には、例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されていてもよい。EUV集光ミラー23は、例えば、その第1の焦点が、プラズマ発生位置又はその近傍(プラズマ生成領域25)に位置し、その第2の焦点が、外部装置(例えば、露光装置6)の仕様によって規定される所定の集光位置(中間集光点(IF)292)に位置するように配置されるのが好ましい。EUV集光ミラー23の中央部には、レーザ光33が通過することができる貫通孔24が設けられていてもよい。
【0018】
EUV光生成装置1は、EUV光生成制御システム5を含んでもよい。また、EUV光生成装置1は、ターゲットセンサ4を含んでもよい。ターゲットセンサ4は、ターゲットの存在、軌道、位置の内の少なくとも1つを検出してもよい。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有していてもよい。
【0019】
さらに、EUV光生成装置1は、チャンバ2の内部と露光装置6の内部とを連通する接続部29を含んでもよい。接続部29内部には、アパーチャ(aperture)が形成された壁291を設けてもよい。壁291は、そのアパーチャがEUV集光ミラー23の第2の焦点位置に位置するように配置されてもよい。
【0020】
さらに、EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御装置34、レーザ光集光ミラー22、ターゲット27を回収するターゲット回収器28等を含んでもよい。レーザ光進行方向制御装置34は、レーザ光の進行方向を制御するために、レーザ光の進行方向を規定する光学素子と、この光学素子の位置又は姿勢を調整するための振動子とを備えてもよい。
【0021】
3.2 動作
図1を参照すると、レーザシステム3から出力されたレーザ光31は、レーザ光進行方向制御装置34を経て、レーザ光32としてウインドウ21を透過してチャンバ2内に入射してもよい。レーザ光32は、少なくとも1つのレーザ光経路に沿ってチャンバ2内に進み、レーザ光集光ミラー22で反射されて、レーザ光33として少なくとも1つのターゲット27に照射されてもよい。レーザ光集光ミラー22は、レーザ光の集光位置を規定する光学素子と、この光学素子の位置または姿勢を調整するためのアクチュエータとを備えてもよい。
【0022】
ターゲット生成器26は、ターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力してもよい。ターゲット27には、レーザ光33に含まれる少なくとも1つのパルスが照射されてもよい。レーザ光が照射されたターゲット27はプラズマ化し、そのプラズマからEUV光251が放射されてもよい。EUV光251は、EUV集光ミラー23によって反射され集光されてもよい。EUV集光ミラー23によって反射されたEUV光252は、中間集光点292を通って露光装置6に出力されてもよい。なお、1つのターゲット27に、レーザ光33に含まれる複数のパルスが照射されてもよい。
【0023】
EUV光生成制御システム5は、EUV光生成システム11全体の制御を統括してもよい。EUV光生成制御システム5は、ターゲットセンサ4によって撮像されたターゲット27のイメージデータ等を処理してもよい。また、EUV光生成制御システム5は、例えば、ターゲット27を出力するタイミングの制御及びターゲット27の出力方向の制御の内の少なくとも1つを行ってもよい。さらに、EUV光生成制御システム5は、例えば、レーザシステム3によるレーザ発振タイミングの制御、進行方向制御装置34によるレーザ光32の進行方向の制御、及び、レーザ光集光ミラー22によるレーザ光33の集光位置の制御の内の少なくとも1つを行ってもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御を追加することもできる。
【0024】
4.静電引出し型のターゲット生成器が搭載されたチャンバ
4.1 構成
図2は、第1の実施形態に係るEUV光生成装置の構成を示す一部断面図である。図2に示すように、チャンバ2の内部には、レーザ光集光光学系22aと、EUV集光ミラー23と、ターゲット回収器28と、EUV集光ミラーホルダ41と、プレート42及び43と、レーザダンパ44と、レーザダンパ支持部材45とが設けられてもよい。
【0025】
チャンバ2は、電気伝導率が高い材料(例えば、金属材料)からなり電気伝導性を有する構造部材(導電性構造部材)を含んでいてもよい。さらに、チャンバ2は、電気絶縁性を有する構造部材を含んでもよい。その場合には、例えば、チャンバ2の外壁が導電性構造部材で構成され、外壁の内側に電気絶縁性を有する構造部材が配置されるようにしてもよい。チャンバ2には、プレート42が固定され、プレート42には、プレート43が固定されてもよい。EUV集光ミラー23は、EUV集光ミラーホルダ41を介してプレート42に固定されてもよい。
【0026】
レーザ光集光光学系22aは、軸外放物面ミラー221と、平面ミラー222と、それらのミラーのホルダとを含んでもよい。軸外放物面ミラー221及び平面ミラー222は、レーザ光がプラズマ生成領域25に集光するように、それぞれのホルダを介してプレート43に固定されてもよい。軸外放物面ミラー221及び平面ミラー222の設置位置及び角度は、レーザ光がプラズマ生成領域25に集光するように調節されてもよい。レーザダンパ44は、レーザダンパ支持部材45を介してチャンバ2に固定され、レーザ光の光路上に設置されてもよい。ターゲット回収器28は、プラズマ生成領域25のターゲット進行方向下流側(図中下側)において、ターゲットの軌道上に設置されてもよい。
【0027】
チャンバ2には、ウインドウ21と、静電引出し型のターゲット生成器26とが取り付けられてもよい。ターゲット生成器26の詳細については後で説明する。ターゲット物質としては、導電性を有する液体金属等が用いられてもよいが、各実施形態においては、融点が232℃であるスズ(Sn)が用いられる場合を一例として説明する。また、チャンバ2には、ガス供給装置46と、排気装置47と、圧力センサ48とが接続されてもよい。
【0028】
チャンバ2の外部には、ビームデリバリーシステム34aと、EUV光生成制御システム5とが設けられてもよい。ビームデリバリーシステム34aは、高反射ミラー341及び342と、それらのミラーのホルダ(図示せず)と、ホルダが配置される筐体(図示せず)とを含んでもよい。EUV光生成制御システム5は、EUV光生成制御装置51と、ターゲット制御装置52と、圧力調節器53と、不活性ガスボンベ54と、パルス電圧生成器55と、チャンバ圧力制御部56とを含んでもよい。なお、パルス電圧生成器55は、ターゲット生成器26の構成要素としてもよい。また、チャンバ圧力制御部56は、ガス供給装置46と、排気装置47と、圧力センサ48とに、信号ラインを介して接続されてもよい。
【0029】
4.2 動作
チャンバ2内には、ターゲット物質にレーザ光を照射した際に生成するデブリがEUV集光ミラー23に付着する量を減らすためのバッファガスや、EUV集光ミラー23等に付着したデブリをエッチングするためのエッチングガスが導入されてもよい。バッファガスとしては、例えば、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、ヘリウム(He)等が用いられる。また、エッチングガスとしては、例えば、水素(H)、臭化水素(HBr)、塩化水素(HCl)等が用いられる。なお、エッチングガスは、バッファガスとして機能する場合もある。
【0030】
ガス供給装置46は、例えば、水素ガスをEUV集光ミラー23の反射面に沿って流してもよい。その場合には、次式の反応によって、EUV集光ミラー23の表面に付着したスズ(Sn)をエッチングすることができる。
Sn(固体)+2H(気体)→SnH(気体)
【0031】
一方、排気装置47は、水素(H)及び水素化スズ(SnH)を排気してもよい。チャンバ圧力制御部56は、圧力センサ48から出力される検出信号に基づいてガス供給装置46及び排気装置47を制御することにより、バッファガス及び/又はエッチングガスのガス圧を所定の値に保つ。
【0032】
ターゲット生成器26は、ターゲット物質からなる帯電したドロップレットをターゲットとして生成し、生成されたターゲットをチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に供給してもよい。また、レーザシステム3から出力されるレーザ光は、ビームデリバリーシステム34aの高反射ミラー341及び342によって反射されて、ウインドウ21を介してレーザ光集光光学系22aに入射してもよい。レーザ光集光光学系22aに入射したレーザ光は、軸外放物面ミラー221によって集光され、平面ミラー222によって集光ビームとして反射されてもよい。
【0033】
EUV光生成制御装置51は、ターゲット制御装置52にターゲット出力信号を出力し、レーザシステム3にレーザ光出力信号を出力してもよい。これにより、ターゲット生成器26から出力されたターゲットがプラズマ生成領域25に到達すると、レーザ光の集光ビームがターゲットに照射され、ターゲット物質がプラズマ化して、EUV光が生成される。生成されたEUV光は、EUV集光ミラー23によってIF(中間集光点)292に集光され、露光装置に入射されてもよい。
【0034】
5.静電引出し型のターゲット生成器
5.1 構成
図3Aは、図2に示すターゲット生成器及びその周辺部を示す一部断面図である。図3Bは、図3Aに示すターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。図3Cは、図3Aに示すターゲット生成器の変形例の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【0035】
図3Aに示すように、ターゲット生成器26は、リザーバ(ターゲット貯蔵部)61と、ノズル(ターゲット出力部)62と、リザーバ内電極63と、ヒータ64と、電気絶縁部材65と、引出電極66とを含んでもよい。リザーバ61及びノズル62は、一体的に形成されてもよいし、別個に形成されてもよい。
【0036】
リザーバ61は、合成石英又はアルミナ等の電気絶縁体であってもよい。リザーバ61は、ターゲット物質である溶融したスズを内部に貯蔵してノズル62に供給してもよい。ヒータ64は、リザーバ61の周りに取り付けられて、スズが溶融状態を維持するようにリザーバ61を加熱してもよい。このように、リザーバ61に貯蔵されるターゲット物質は、液体であってもよい。また、ヒータ64は、リザーバ61の温度を検出するための図示しない温度センサ、ヒータ64に加熱用の電流を供給するヒータ電源、及び、温度センサによって検出された温度に基づいてヒータ電源を制御する温度制御器と共に用いられてもよい。
【0037】
ノズル62は、チャンバ内のプラズマ生成領域に向けてターゲット物質をターゲットとして出力してもよい。図3Bに示すように、ノズル62には、リザーバ61に貯蔵されたターゲット物質を出力するための貫通孔(オリフィス)が形成されていてもよい。また、ノズル62は、ターゲット物質に電界を集中させるために、出力側の面から突き出た先端部を有してもよい。
【0038】
ノズル62には、引出電極66を保持する電気絶縁部材65が固定されてもよい。電気絶縁部材65は、ノズル62と引出電極66との間を電気的に絶縁してもよい。引出電極66は、ノズル62のオリフィスからターゲット物質を引き出すために、ノズル62の出口側の面に対向して配置されてもよい。電気絶縁部材65及び引出電極66の各々には、ターゲット27を通過させるために一部に貫通孔が形成されていてもよい。
【0039】
再び図3Aを参照すると、圧力調節器53は、必要に応じて、不活性ガスボンベ54から供給される不活性ガスの圧力を調整して、ターゲット物質を加圧してもよい。ターゲット制御装置52は、EUV光生成制御装置51(図2)から与えられるタイミングでターゲット27が生成されるように、圧力調節器53及びパルス電圧生成器55を制御してもよい。
【0040】
パルス電圧生成器55の一方の出力端子に接続された配線は、リザーバ61に設けられた気密端子(フィードスルー)を介して、ターゲット物質に接触しているリザーバ内電極63に接続されていてもよい。また、パルス電圧生成器55の他方の出力端子に接続された配線は、例えば、チャンバ2に設けられたフィードスルーを介して、引出電極66に接続されていてもよい。パルス電圧生成器55は、ターゲット制御装置52の制御の下で、ターゲット物質に静電気力を作用させるための電圧信号を生成してもよい。これにより、ターゲット物質と基準電位との間に与える電圧信号V1、及び/又は、引出電極66と基準電位との間に与える電圧信号V2が生成されてもよい。
【0041】
例えば、パルス電圧生成器55は、基準電位(0V)よりも高い電位P1を生成し、基準電位と電位P1との間でパルス状に変化する電圧信号を生成してもよい。その場合には、生成された電圧信号がリザーバ内電極63を介してターゲット物質と基準電位との間に印加されると共に、基準電位が引出電極66に与えられてもよい。
【0042】
あるいは、パルス電圧生成器55は、基準電位(0V)よりも高い電位P1と、電位P1よりも高い電位P2とを生成し、電位P1と電位P2との間でパルス状に変化する電圧信号を生成してもよい。その場合には、生成された電圧信号がリザーバ内電極63を介してターゲット物質と基準電位との間に印加されると共に、電位P1が引出電極66に与えられてもよい。
【0043】
これにより、ターゲット物質の電位が電圧信号V1に従って変化し、引出電極66の電位が電圧信号V2に従って一定電位に維持されてもよい。このため、ターゲット物質と引出電極66との間に、電圧(V2−V1)が印加されてもよい。あるいは、リザーバ61又はノズル62が電気伝導性を有する材料で形成されている場合には、パルス電圧生成器55は、リザーバ61又はノズル62と引出電極66と間に電圧(V2−V1)が印加されてもよい。
【0044】
一般に、ターゲットの直径、出力タイミング、帯電量を安定させて生成するためには、電極間に印加される電圧が安定していることが好ましい。ところが、チャンバ内にバッファガスやエッチングガスが存在すると、電極間の耐電圧(絶縁耐圧)が低くなり、絶縁破壊が発生し易くなる場合がある。絶縁破壊が発生すると、電極間に印加される所定の電圧を維持し難くなる場合がある。その結果、ターゲットの直径、出力タイミング、帯電量の内の少なくとも1つのパラメータが不安定となることがある。あるいは、ターゲットそのものが出力されなくなることもある。
【0045】
図4は、放電が起こる電圧に関するパッシェンの法則を説明するための図である。一例として、電圧が印加される電極間に水素ガスが存在する場合について説明する。図4において、横軸は、水素ガスの圧力p(Torr)と電極間の距離d(cm)との積pd(Torr・cm)を表しており、縦軸は、放電が起こる電圧(絶縁破壊電圧)Vb(V)を表している。積pdと絶縁破壊電圧Vbとの関係は、電極の形状、材料やガスの種類によって異なるが、積pdが10(Torr・cm)となる周辺において、絶縁破壊電圧Vbが最低値Vbminをとる。
【0046】
火花放電は、電界によって放出されて加速された電子が、気体分子と衝突して気体を電離させることによって起こる。従って、気体が少なくなると衝突が起こり難くなり、逆に、気体が多くなると電子が衝突するまでに充分加速され難くなるので、絶縁破壊電圧Vbが最低値Vbminとなる積(pd)minが存在する。
【0047】
図4に示すパッシェン曲線(実線)において、図3Aに示すリザーバ内電極63と引出電極66との間に印加される電圧の最大値を10kVとすると、pd<0.15、又は、pd>400の条件を満足させることによって、絶縁破壊(火花放電)を抑制することができると考えられる。例えば、ガス圧pが0.075Torr(10Pa)の場合に、上記条件を満たす距離dの範囲は、d<2cm、又は、d>5333cmとなる。ここで、d>5333cmである場合には、電位勾配が小さくなるので、ターゲットを引き出すことが難しい。一方、d<2cmである場合には、ターゲットを引き出すことが可能であり、絶縁破壊(火花放電)も発生し難いと考えられる。
【0048】
そこで、絶縁破壊を抑制しながら、ターゲットを引き出すために必要な電位勾配を形成するように、図3Bに示すノズル62と引出電極66との間の距離dを小さく設定するとよい。加えて、距離dは、ターゲットの直径Dpよりも大きい方が望ましい。なお、パッシェン曲線は、電極の条件(平板と平板、球と球、陰極の材料)及びガスの条件(種類等)によって異なるので、ターゲット生成器26におけるノズル62及び引出電極66の形状及び材料と、ガスの種類及び圧力とに従って、計測により距離dを決定してもよい。
【0049】
距離dは、必ずしも図示する部位の寸法でなくともよく、例えば、ノズル62の先端外縁部と引出電極66の貫通孔縁部との間の最短距離であってもよい。ノズル62や引出電極66の形状によって電界が集中する部位が存在する場合には、電界シミュレーション等により最も絶縁耐圧が低い部位についての距離を距離dとしてもよい。なお、ガスの種類としては、例えば、溶融スズをターゲット物質とする場合には、スズをエッチングする性質を有する水素ガス(H)を用いてもよい。
【0050】
一方、例えば、引出電極66を陰極とする場合に、引出電極66の少なくとも表面を、電子を放出し難い材料で作製してもよい。これにより、図4に示すパッシェン曲線を、実線の特性から破線の特性にすることが可能であってもよい。仕事関数が高い材料は、電子を放出し難い性質を有するので、引出電極66の材料として好ましい。なお、仕事関数とは、物質の表面から1個の電子を無限遠まで取り出すのに必要な最小エネルギーのことである。
【0051】
図5は、各種の材料の仕事関数を示す図である。図5において、仕事関数の単位はエレクトロンボルト(eV)である。図5に示すように、セレン(Se)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、金(Au)、炭素(C)、コバルト(Co)等は、仕事関数が比較的高い材料であり、引出電極66及び/又は引出電極66表面の材料として好ましい。従って、引出電極66そのものを、仕事関数が高い材料で作製してもよい。あるいは、引出電極66の表面に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。例えば、少なくともノズル62に対向する引出電極66の面の一部に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。
【0052】
それに替えて、又は、それに加えて、図3Cに示すように、引出電極66の表面に電気絶縁材料66aをコートしてもよい。電気絶縁材料66aは、引出電極66とノズル62の先端との間で絶縁破壊(火花放電)が発生する可能性のある部分、例えば、引出電極66の少なくともノズル62に対向する面の一部にコートしてもよい。引出電極66の表面に電気絶縁材料66aをコートすることによって、引出電極66の表面から電子を出力し難くすることができてもよい。その結果、電気絶縁材料66aをコートしない場合と比較して、絶縁破壊電圧Vbを高くし、絶縁破壊を抑制することができてもよい。電気絶縁材料66aとしては、アルミナ(Al)、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)等の電気絶縁性の高いセラミック材料又はガラスを用いてもよい。
【0053】
5.2 動作
ターゲット生成器26は、オンデマンドでターゲットを生成する装置であってもよい。ヒータ64によって、スズ(Sn)が溶融する温度232℃以上の温度にリザーバ61が加熱されてもよい。これにより、リザーバ61の中にターゲット物質として溶融スズが貯蔵されるようにしてもよい。
【0054】
また、図2に示すターゲット制御装置52が、パルス電圧生成器55にターゲット生成信号を出力してもよい。パルス電圧生成器55は、ターゲット生成信号に従って、パルス状の電圧をターゲット物質と引出電極66との間に印加してもよい。これによって、ターゲット物質と引出電極66との間に静電気力が発生してもよい。静電気力により、ターゲット物質がノズル62の先端部から引き出されて分断され、ドロップレットが生成されてもよい。生成されたドロップレットは帯電していてもよく、これをターゲットとしてもよい。ターゲットは静電気力により、引出電極66の貫通孔を通過してもよい。引出電極66を通過したターゲットは、ターゲット生成器26から出力されてもよい。引出電極66の貫通孔を通過したターゲットがプラズマ生成領域25に到達すると、レーザ光の集光ビームがターゲットに照射されてもよい。これにより、ターゲット物質がプラズマ化してEUV光が生成されてもよい。
【0055】
5.3 作用
本実施形態によれば、引出電極66の絶縁耐圧を高くすることにより、引出電極66からの電子の放出を抑制して、絶縁破壊を抑制することができてもよい。その結果、引出電極66に印加される電圧が安定し、ターゲットを安定して供給することが可能となってもよい。また、図2に示すチャンバ圧力制御部56が、圧力センサ48の検出値に基づいて、チャンバ2内のガスの圧力が所定の値となるようにガス供給装置46及び排気装置47を制御してもよい。その結果、ガスの圧力変動による絶縁破壊が抑制されて、ターゲット生成器26から安定してターゲットが出力されてもよい。
【0056】
6.ターゲット生成器の高耐圧化(ノズルが電気伝導性を有する場合)
図6Aは、第2の実施形態におけるターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。図6Bは、第2の実施形態におけるターゲット生成器の変形例の一部を拡大して示す拡大断面図である。第2の実施形態においては、ノズル62が電気伝導性を有してもよく、引出電極67の中央部を周辺部よりもノズル62に近接させるようにしてもよい。
【0057】
ノズル62は、モリブデン(Mo)等の金属材料で作製されてもよい。また、引出電極67は、貫通孔の周囲の部分が周辺部よりもターゲットの進行方向上流側(図中上側)に位置するように、凸状の形状を有していてもよい。ターゲット径をDpとして、例えば、ガス圧pを10Paとした場合に、引出電極67とノズル62の先端との間の最小距離dが、Dp<d<2cmを満たすようにしてもよい。これにより、図4に示すパッシェン曲線(実線)において、絶縁破壊電圧Vbを10kV以上にすることができてもよい。また、引出電極67の中央部を周辺部よりもノズル62に近接させているので、引出電極67とノズル62との間の電界強度を保ったまま、引出電極67とノズル62との間に印加する電圧を低くすることが可能となってもよい。
【0058】
なお、引出電極67の一部に電界が集中することを防ぐために、引出電極67のノズル62に対向する開口周辺部分は、曲面形状を有することが望ましい。また、電気絶縁部材65aにおいて、ノズル62と引出電極67との間の空間に面する領域に複数の溝が形成されていてもよい。これにより、ノズル62と引出電極67との間に高電圧が印加される際に、電気絶縁部材65aの表面に沿った放電経路の長さが増加するので、沿面放電を抑制することができてもよい。
【0059】
さらに、引出電極67そのものを仕事関数が高い材料で作製してもよく、引出電極67の表面に仕事関数が高い材料をコートしてもよい。これにより、引出電極67の絶縁耐圧を高くすることができる。
【0060】
それに替えて、又は、それに加えて、図6Bに示すように、引出電極67の表面に電気絶縁材料67aをコートしてもよい。引出電極67の表面に電気絶縁材料67aをコートすることによって、引出電極67の表面から電子を出力し難くすることができてもよい。その結果、電気絶縁材料67aをコートしない場合と比較して、引出電極67の絶縁耐圧を高くすることができてもよい。なお、図6Aと同様に、ノズル62と引出電極67との間の空間に面する領域に複数の溝が形成されていてもよい。
【0061】
電気絶縁材料67aは、引出電極67とノズル62の先端との間で絶縁破壊が発生する可能性のある部分、例えば、少なくとも引出電極67のノズル62に対向する面の一部にコートしてもよい。電気絶縁材料67aとしては、アルミナ(Al)、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)等の電気絶縁性の高いセラミック材料又はガラスを用いてもよい。その他の点に関しては、第1の実施形態と同様であってもよい。
【0062】
7.ターゲット生成器の高耐圧化(ノズルが電気絶縁性を有する場合)
図7は、第3の実施形態におけるターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。第3の実施形態においては、ノズル62aが電気絶縁性を有しており、引出電極66が、スペーサ68を介してノズル62aに取り付けられていてもよい。なお、後述する図8A、図8B、図12A、図12B、及び、図13においても、ノズルを絶縁体としてもよい。
【0063】
ノズル62aは、アルミナ(Al)又は合成石英(SiO)等の電気絶縁材料で作製されてもよい。また、スペーサ68は、電気絶縁材料で作製されてもよい。スペーサ68は、所定の厚みを有し、引出電極66とノズル62aの先端との間の距離dを所定の値に調節するために用いられてもよい。ターゲット径をDpとして、例えば、ガス圧pを10Paとした場合に、引出電極66と、ノズル62aの先端部に導かれたターゲット物質の表面との間の距離dが、Dp<d<2cmを満たすようにしてもよい。これにより、図4に示すパッシェン曲線(実線)において、ターゲット物質の表面と引出電極66との間の絶縁破壊電圧Vbを10kV以上にすることができてもよい。
【0064】
さらに、引出電極66そのものを仕事関数が高い材料で作製するか、引出電極66の表面に仕事関数が高い材料をコートすることにより、絶縁耐圧を高くすることができてもよい。それに替えて、又は、それに加えて、引出電極66の表面に電気絶縁材料をコートすることにより、絶縁耐圧を高くすることができてもよい。その結果、絶縁破壊を抑制することができてもよい。
【0065】
ノズル62aが電気絶縁材料で作製されている場合には、ターゲット物質と引出電極66との間の沿面距離にノズル62aの出力側の面の一部を含めることができてもよい。これにより、沿面放電を抑制することができる。その他の点に関しては、第1の実施形態と同様であってもよい。
【0066】
8.加速電極を有するターゲット生成器
8.1 構成
図8Aは、第4の実施形態におけるターゲット生成器及びその周辺部を示す一部断面図である。図8Bは、図8Aに示すターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。第4の実施形態においては、図3A及び図3Bに示すターゲット生成器に対して、加速電極69が追加されていてもよい。
【0067】
また、ターゲット物質にDC(直流)電圧が印加され、引出電極66に電圧信号が印加されてもよい。そのために、ターゲット物質にDC電圧を印加するDC高圧電源95と、引出電極66に電圧信号を印加するパルス電圧生成器96とが設けられてもよい。
【0068】
加速電極69は、引出電極66のターゲット進行方向下流側(図中下側)に配置されていてもよい。加速電極69には、ターゲットが通過する貫通孔が形成されていてもよい。加速電極69は、ノズル62から出力されて引出電極66の貫通孔を通過したターゲット27に電界を作用させて加速するための電極であってもよい。加速電極69は、ワイヤ等の導電性接続部材によって、基準電位(0V)に接続されてもよい。
【0069】
リザーバ61は、導電性を有するモリブデン(Mo)等の金属材料で作製され、電気絶縁性を有するフランジ84を介してチャンバ2に設置されてもよい。また、DC高圧電源95は、リザーバ61を介してターゲット物質にDC電圧を印加してもよい。その他の点に関しては、第1〜第3の実施形態と同様であってもよい。
【0070】
図8Bは、ノズル62に固定された電気絶縁部材65によって保持された引出電極66及び加速電極69を示す。ここで、ノズル62、引出電極66、及び、加速電極69の内の1つと他の1つとの間に絶縁破壊が発生しないようにするとよい。
【0071】
そのためには、パッシェンの法則に従って、絶縁破壊が発生しない条件となるように、ガスの種類及び圧力、距離d及び距離d1〜d2を設定してもよい。例えば、印加電圧が10kVであり、ガス圧が10Paである場合に、ターゲットの直径をDpとして、Dp<d<2cm、及び、Dp<d1〜d2<2cmの条件を満足するように、ノズル62、引出電極66、及び、加速電極69を配置するようにしてもよい。なお、距離d及び距離d1〜d2は、電界シミュレーション等により最も絶縁耐圧が低い部位間の距離としてもよい。
【0072】
さらに、引出電極66及び/又は加速電極69そのものを、仕事関数が高い材料で作製してもよい。あるいは、引出電極66及び/又は加速電極69の表面に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。例えば、引出電極66の少なくとも加速電極69に対向する面の一部、及び、加速電極69の少なくとも引出電極66に対向する面の一部に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。好ましくは、引出電極66又は加速電極69の電界集中部表面に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。電界集中部は、電界シミュレーション等により特定しておくとよい。
【0073】
それに替えて、又は、それに加えて、図8Bに示すように、引出電極66又は加速電極69の表面に、電気絶縁材料71をコートしてもよい。例えば、引出電極66の少なくとも加速電極69に対向する面の一部、及び、加速電極69の少なくとも引出電極66に対向する面の一部に、電気絶縁材料71をコートしてもよい。好ましくは、引出電極66又は加速電極69の電界集中部表面に、電気絶縁材料71をコートしてもよい。電気絶縁材料71としては、アルミナ(Al)、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)等の電気絶縁性の高いセラミック材料又はガラスを用いてもよい。
【0074】
8.2 動作
図9は、図8Aに示すターゲット生成器の第1の動作例を説明するためのタイミングチャートである。図8Aに示すDC高圧電源95及びパルス電圧生成器96は、ターゲット物質と基準電位との間に与える電圧信号V1、引出電極66と基準電位との間に与える電圧信号V2、及び、加速電極69と基準電位との間に与える電圧信号を、例えば、以下のように制御してもよい。
【0075】
DC高圧電源95は、電圧信号V1を、基準電位(0V)に対して、基準電位(0V)よりも高い電位P2(例えば、10kV)に維持し、電圧(P2−0V)としてもよい。また、パルス電圧生成器96は、初期状態において、電圧信号V2を、基準電位(0V)に対して、基準電位(0V)よりも高く電位P2以下である電位P1に保持して、電圧(P1−0V)としてもよい。ターゲット物質を引き出す際に、パルス電圧生成器96は、電圧信号V2を、基準電位(0V)に低下させてもよい。このとき、電圧(P2−P1)は、ターゲット物質を引き出すための閾値電圧よりも小さく、電圧(P2−0V)は、ターゲット物質を引き出すための閾値電圧以上であるとよい。これによって、ターゲット物質と引出電極66との間の電圧(V1−V2)が、電圧(P2−P1)から電圧(P2−0V)となり、正に帯電したドロップレットがノズル62から引き出されてターゲットが生成されてもよい。
【0076】
ターゲットが引出電極66の貫通孔を通過した後は、パルス電圧生成器96は、引出電極66の電圧信号V2を、再び、基準電位(0V)に対して電位P1だけ高い電圧(P1−0V)に戻してもよい。さらに、加速電極69と基準電位との間に与える電圧信号を、チャンバ2の電位と同一の基準電位(0V)に維持してもよい。その結果、ターゲットが加速されてもよい。
【0077】
図10は、図8Aに示すターゲット生成器の第2の動作例を説明するためのタイミングチャートである。図8Aに示すDC高圧電源95及びパルス電圧生成器96は、ターゲット物質と基準電位との間に与える電圧信号V1、引出電極66と基準電位との間に与える電圧信号V2、及び、加速電極69と基準電位との間に与える電圧信号を、例えば、以下のように制御してもよい。
【0078】
DC高圧電源95は、電圧信号V1を、基準電位(0V)に対して、基準電位(0V)よりも高い電位P2(例えば、10kV)に維持して、電圧(P2−0V)としてもよい。また、パルス電圧生成器96は、初期状態において、電圧信号V2を、基準電位(0V)に対して電位P2に保持し、電圧(P2−0V)としてもよい。ターゲット物資を引き出す際に、パルス電圧生成器96は、電圧信号V2を、基準電位(0V)に対して、基準電位(0V)以上で電位P2よりも低い電位P1に低下させ、電圧(P1−0V)としてもよい。ただし、電圧(P2−P1)は、ターゲット物質を引き出すための閾値以上であるものとしてもよい。これによって、ターゲット物質と引出電極66との間の電圧(V1−V2)が電圧(P2−P2)から(P2−P1)となり、正に帯電したドロップレットがノズル62から引き出されてターゲットが生成されてもよい。
【0079】
ターゲットが引出電極66の貫通孔を通過した後は、パルス電圧生成器96は、電圧信号V2を、再び、電位P2に戻してもよい。さらに、加速電極69と基準電位との間に与える電圧信号を、チャンバ2の電位と同一の基準電位(0V)に維持してもよい。その結果、ターゲットが加速されてもよい。
【0080】
9.電気絶縁部材の構造
以上の実施形態及び他の実施形態において、電気絶縁部材の構造として碍子構造を採用してもよい。
図11Aは、碍子構造を有する電気絶縁部材を用いるターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。図11Bは、図11Aに示すターゲット生成器の一部の底面図である。図11Aに示すように、ノズル62には、電気絶縁部材98を介して引出電極66が取り付けられ、さらに、電気絶縁部材99を介して加速電極69が取り付けられてもよい。
【0081】
電気絶縁部材98及び99は、アルミナセラミックス等の電気絶縁材料で作製され、側面に複数の襞が設けられた円筒形状を有してもよい。これにより、ノズル62と引出電極66との間の絶縁耐圧、及び、引出電極66と加速電極69との間の絶縁耐圧を高めることができてもよい。電気絶縁部材98及び99における襞の数は、図11Cに示すように2つ又は3つでもよいし、それ以外でもよい。また、引出電極66及び加速電極69に接続される配線は、絶縁耐圧を高めるために、テフロン被覆線97としてもよい(「テフロン」は登録商標)。
【0082】
図11Bに示すように、加速電極69は、ターゲットが通過する貫通孔が形成された円盤状の電極本体69aと、電極本体69aを支持する複数の支柱(ポール)69bとを含んでもよい。電極本体69a及び支柱69bは、モリブデン(Mo)等の金属材料で作製されてもよい。引出電極66の構造は、加速電極69の構造と同様でもよい。
【0083】
10.加速電極及び偏向電極を有するターゲット生成器
10.1 構成
図12Aは、第5の実施形態におけるターゲット生成器及びその周辺部を示す一部断面図である。図12Bは、図12Aに示すターゲット生成器の一部を拡大して示す拡大断面図である。第5の実施形態においては、図3A及び図3Bに示すターゲット生成器に対して、加速電極69及び複数の偏向電極70が追加されている。
【0084】
図12Aに示すように、ターゲット生成器26の主要な構成要素は、遮蔽カバー85と、遮蔽カバー85に取り付けられた蓋86とによって構成される遮蔽容器に封入されてもよい。遮蔽カバー85は、少なくとも電気絶縁部材65とプラズマ生成領域25との間に配置され、ターゲット27が通過する貫通孔が形成された遮蔽部材であってもよい。遮蔽カバー85は、プラズマ生成領域25において生成されるプラズマから放出される荷電粒子から電気絶縁部材65等の電気的な絶縁物を遮蔽してもよい。
【0085】
遮蔽カバー85は、電気伝導性を有する材料(例えば、金属材料)を含むことにより電気伝導性を有し、ワイヤ等の導電性接続部材によって、又は、直接的に、チャンバ2の導電性構造部材(例えば、外壁)に電気的に接続されていてもよい。チャンバ2の導電性構造部材は、パルス電圧生成器55の基準電位(0V)に電気的に接続されており、さらに、接地されるようにしてもよい。また、蓋86の材料としては、例えば、ムライト等の電気絶縁材料を用いることができる。
【0086】
ターゲット生成器26において、引出電極66のターゲット進行方向下流側(図中下側)に、加速電極69が配置されていてもよい。また、引出電極66のターゲット進行方向下流側に、複数の偏向電極70が配置されていてもよい。複数の偏向電極70は、加速電極69の貫通孔を通過したターゲット27に電界を作用させてその移動方向を偏向させてもよい。
【0087】
パルス電圧生成器55は、引出電極66と基準電位との間に与える電圧信号V2を、基準電位(0V)に対して所定の電位P1(例えば、10kV)に維持し、電圧(P1−0V)としてもよい。また、パルス電圧生成器55は、初期状態において、ターゲット物質と基準電位との間に与える電圧信号V1を、基準電位(0V)に対して電位P1に保持し、電圧(P1−0V)としてもよい。ターゲット物質を引き出す際に、パルス電圧生成器55は、電圧信号V1を、電位P1よりも高い電位P2(例えば、20kV)に上昇させて、電圧(P2−0V)としてもよい。このとき、電圧(P2−P1)は、帯電ターゲットを引き出すための閾値以上であるとよい。これによって、ターゲット物質と引出電極66との間の電圧(V1−V2)が閾値以上の正の電圧(P2−P1)となり、正に帯電したドロップレットがノズル62から引き出されてターゲットが生成されてもよい。
【0088】
その後、例えば、帯電ターゲットが引出電極66の貫通孔を通過した後に、パルス電圧生成器55は、電圧信号V1を、再び、基準電位(0V)に対して電位P1に戻し、電圧(P1−0V)としてもよい。さらに、加速電極69と基準電位との間に与える電圧信号を、チャンバ2の電位と同一の基準電位(0V)に維持してもよい。その結果、ターゲットが加速されてもよい。ここで、電位P1及びP2は、次の関係を満たすとよい。
0(チャンバの電位)<P1<P2
【0089】
図12Bは、遮蔽カバー85の内側において、ノズル62に固定された電気絶縁部材65によって保持された引出電極66、加速電極69、及び、複数の偏向電極70を示す。ここで、ノズル62、引出電極66、加速電極69、及び、偏向電極70の内の1つと他の1つとの間に絶縁破壊が発生しないようにするとよい。
【0090】
そのためには、パッシェンの法則に従って、絶縁破壊が発生しない条件となるように、ガスの種類及び圧力、距離d、及び、距離d1〜d4を設定してもよい。例えば、印加電圧が10kVであり、ガス圧が10Paである場合に、ターゲットの直径をDpとして、Dp<d<2cm、及び、Dp<d1〜d4<2cmの条件を満足するように、ノズル62、引出電極66、加速電極69、及び、偏向電極70を配置するようにしてもよい。なお、距離d及び距離d1〜d4は、電界シミュレーション等により最も絶縁耐圧が低い部位間の距離としてもよい。
【0091】
さらに、引出電極66、加速電極69、及び、偏向電極70の内の少なくとも1つを、仕事関数が高い材料で作製してもよい。あるいは、引出電極66、加速電極69、及び、偏向電極70の内の少なくとも1つの表面に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。例えば、引出電極66の少なくとも加速電極69に対向する面の一部、及び、加速電極69の少なくとも引出電極66に対向する面の一部に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。又は、複数の偏向電極70の少なくとも互いに対向する面の一部に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。好ましくは、引出電極66、加速電極69、及び、偏向電極70の内の少なくとも1つの電界集中部表面に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。電界集中部は、電界シミュレーション等により特定しておくとよい。
【0092】
それに替えて、又は、それに加えて、図12Bに示すように、引出電極66、加速電極69、及び、偏向電極70の内の少なくとも1つの表面に、電気絶縁材料71をコートしてもよい。例えば、引出電極66の少なくとも加速電極69に対向する面の一部、及び、加速電極69の少なくとも引出電極66に対向する面の一部に、電気絶縁材料71をコートしてもよい。又は、複数の偏向電極70の少なくとも互いに対向する面の一部に、電気絶縁材料71をコートしてもよい。好ましくは、引出電極66、加速電極69、及び、偏向電極70の内の少なくとも1つの電界集中部表面に、電気絶縁材料71をコートしてもよい。あるいは、遮蔽カバー85の内面に、電気絶縁材料71をコートしてもよい。電気絶縁材料71としては、アルミナ(Al)、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)等の電気絶縁性の高いセラミック材料又はガラスを用いてもよい。
【0093】
再び図12Aを参照すると、リザーバ61は、蓋86を介して遮蔽カバー85に取り付けられていてもよい。リザーバ61は、モリブデン(Mo)等の金属材料を含む電気伝導体、シリコンカーバイト(SiC)等の半導体、又は、合成石英やアルミナ等の電気絶縁体で構成されてもよい。ノズル62も、同様に、モリブデン(Mo)等の金属材料を含む電気伝導体、シリコンカーバイト(SiC)等の半導体、又は、合成石英やアルミナ等の電気絶縁体で構成されてもよい。
【0094】
ヒータ64は、リザーバ61の周りに取り付けられて、スズが溶融状態を維持するようにリザーバ61を加熱してもよい。このように、リザーバ64に貯蔵されるターゲット物質は、溶融スズのような液体であってもよい。また、ヒータ64は、リザーバ61の温度を検出するための温度センサ72、ヒータ64に加熱用の電流を供給するヒータ電源58、及び、温度センサ72によって検出された温度に基づいてヒータ電源58を制御する温度制御器59と共に用いられてもよい。
【0095】
引出電極66の配線及び偏向電極70の配線は、蓋86に設けられた中継端子90aを介して、パルス電圧生成器55及び偏向電極電圧生成器57にそれぞれ接続されてもよい。加速電極69の配線は、遮蔽カバー85に電気的に接続されてもよいし、図示しない配線及び中継端子90aを介して、パルス電圧生成器55に接続されてもよい。なお、偏向電極電圧生成器57は、ターゲット生成器26の構成要素としてもよいし、EUV光生成装置の構成要素としてもよい。
【0096】
また、ターゲット物質に電圧を印加するリザーバ内電極63の配線は、蓋86に設けられた中継端子90bを介して、パルス電圧生成器55に接続されてもよい。加熱用のヒータ64の配線及び温度センサ72の配線は、蓋86に設けられた中継端子90cを介して、ヒータ電源58及び温度制御器59にそれぞれ接続されてもよい。
【0097】
10.2 動作
ヒータ電源58がヒータ64に電流を流すことによって、リザーバ61が加熱されてもよい。温度制御器59は、温度センサ72から出力される検出信号を受信し、ヒータ電源58がヒータ64に流す電流値を制御してもよい。リザーバ61の温度は、スズ(Sn)の融点(232℃)以上に制御されてもよい。
【0098】
ターゲット制御装置52は、パルス電圧生成器55にターゲット生成信号を出力してもよく。これにより、ノズル62からターゲット物質が引き出されて、ターゲットとして引出電極66の貫通孔を通過してもよい。引出電極66の貫通孔を通過したターゲットは、基準電位(0V)が印加された加速電極69によってさらに加速され、加速電極69の貫通孔を通過してもよい。
【0099】
加速電極69の下流側には、ターゲットの軌道を偏向するために、例えば、2対の偏向電極70が配置されていてもよい。ターゲットを偏向することが必要な場合には、ターゲット制御装置52が、各対の偏向電極70の電位差を制御する制御信号を偏向電極電圧生成器57に出力してもよい。偏向電極電圧生成器57は、各対の偏向電極70に偏向電極電圧を出力してもよい。ターゲットの偏向は、EUV光生成制御装置51からの制御信号に基づいて行われてもよい。なお、EUV光生成制御装置51とターゲット制御装置52との間では、種々の信号を送受信してもよい。
【0100】
2対の偏向電極70の間を通過したターゲットは、遮蔽カバー85の貫通孔を通過してもよい。ターゲットがプラズマ生成領域25に到達すると、レーザ光がターゲットに照射され、ターゲットがプラズマ化して、EUV光が放射されてもよい。
【0101】
遮蔽容器には、遮蔽カバー85を冷却する熱媒体を循環させるための配管87が設けられていてもよい。その場合には、配管87が継ぎ手88を介してチラー89に接続されて、熱媒体が冷却されながら循環するようにしてもよい。プラズマからの輻射熱や、イオン及び電子等の荷電粒子に曝される遮蔽カバー85は、過熱しないように、チラー89によって冷却された熱媒体が配管87を循環することによって冷却されてもよい。その他の点に関しては、他の実施形態と同様であってもよい。
【0102】
10.3 作用
本実施形態によれば、引出電極66、加速電極69、及び、偏向電極70の内の少なくとも1つの絶縁耐圧を高くすることにより、引出電極66、加速電極69、及び、偏向電極70の内の少なくとも1つからの電子の放出を抑制して、絶縁破壊を抑制することができてもよい。その結果、ターゲット生成器26から安定してターゲットが出力されてもよい。
【0103】
また、ターゲット物質を貯蔵するリザーバ61及びターゲット物質を出力するノズル62の周囲における電気的な絶縁物が、遮蔽容器によってカバーされてもよい。従って、遮蔽容器によって、電気的な絶縁物がイオンや電子等の荷電粒子に曝されることを抑制できてもよい。また、遮蔽容器の遮蔽カバー85は、基準電位に接続されているのでイオンや電子等の荷電粒子によって帯電することを抑制できてもよい。それにより、ターゲットの軌道上における電位分布(電場)の変化が抑制されてもよい。その結果、帯電ターゲットの位置安定性が改善されてもよい。
【0104】
11.コンティニュアスジェット方式のターゲット生成器
11.1 構成
図13は、第6の実施形態におけるターゲット生成器及びその周辺部を示す一部断面図である。コンティニュアスジェット方式のターゲット生成器26aは、以下の点において静電引出し型のターゲット生成器26(図2等)と異なっていてもよい。
【0105】
図13に示すように、ターゲット生成器26aのノズル62の先端部の近傍に、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)等を含む圧電素子を用いた振動子73が設置されていてもよい。振動子73は、駆動信号に従って、所定周期の振動をノズル62に加えてもよい。また、ノズル62のターゲット進行方向下流側(図中下側)に、帯電電極75が設置されていてもい。帯電電極75は、ターゲット物質のジェットの先端部がターゲットに分離するときにターゲットを帯電させてもよい。
【0106】
ターゲット生成器26aは、リザーバ61と、ノズル62と、振動子73と、電気絶縁部材74と、帯電電極75と、加速電極76と、遮蔽板77とを含んでもよい。ノズル62に固定された電気絶縁部材74は、帯電電極75、加速電極76、及び、遮蔽板77を保持してもよい。電気絶縁部材74〜遮蔽板77の各々は、その一部にターゲット物質を通過させる貫通孔が形成されていてもよい。
【0107】
振動子駆動回路78は、振動子73に駆動信号を供給し、電極電源79は、帯電電極75及び加速電極76に所定の電位を与えてもよい。なお、電極電源79は、ターゲット生成器26aの構成要素としてもよいし、EUV光生成装置の構成要素としてもよい。遮蔽板77は、電気伝導性を有する材料を含み、導電性ワイヤ等の接続部材によって、チャンバ2の導電性構造部材(例えば、チャンバ2の外壁)に電気的に接続されてもよい。
【0108】
例えば、ターゲット物質(もしくはノズル62)及び加速電極76に基準電位(0V)を与え、帯電電極75に正又は負の電位を与えてもよい。帯電電極75に正の電位を与える場合には、ノズル62及び加速電極76が陰極となってよい。一方、帯電電極75に負の電位を与える場合には、帯電電極75が陰極となってよい。ここで、ノズル62と帯電電極75との間、及び、帯電電極75と加速電極76との間に絶縁破壊が発生しないようにするとよい。
【0109】
そのためには、パッシェンの法則に従って、絶縁破壊が発生しない条件となるように、ガスの種類及び圧力、ノズル62と帯電電極75と間の図示しない距離d5、及び、帯電電極75と加速電極76と間の図示しない距離d6を設定してもよい。例えば、印加電圧が10kVであり、ガス圧が10Paである場合に、ターゲットの直径をDpとして、Dp<d5<2cm、及び、Dp<d6<2cmの条件を満足するように、ノズル62、帯電電極75、及び、加速電極76を配置するようにしてもよい。なお、距離d5及び距離d6は、電界シミュレーション等により最も絶縁耐圧が低い部位間の距離としてもよい。
【0110】
さらに、電極そのものを、仕事関数が高い材料で作製してもよい。あるいは、電極の表面に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。例えば、帯電電極75の少なくともノズル62に対向する面の一部、又は、帯電電極75の少なくとも加速電極76に対向する面の一部に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。好ましくは、帯電電極75及びノズル62の電界集中部表面に、仕事関数が高い材料をコートしてもよい。
【0111】
それに替えて、又は、それに加えて、電極の表面に電気絶縁材料をコートしてもよい。例えば、帯電電極75の少なくともノズル62に対向する面の一部、又は、帯電電極75の少なくとも加速電極76に対向する面の一部に、電気絶縁材料をコートしてもよい。好ましくは、帯電電極75及びノズル62の電界集中部表面に、電気絶縁材料をコートしてもよい。電気絶縁材料としては、アルミナ(Al)、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)等の電気絶縁性の高いセラミック材料又はガラスを用いてもよい。
【0112】
11.2 動作
ターゲット制御装置52が圧力調整器53に加圧信号を出力すると、圧力調整器53は不活性ガスボンベ54から不活性ガスを所定圧でリザーバ61内に供給してもよい。その結果、ノズル62からターゲット物質のジェットが出力されてもよい。振動子73がノズル62を振動させると、ターゲット物質のジェットの先端部が周期的に分断されてドロップレットが生成されてもよい。帯電電極75は、ターゲット物質のジェットがドロップレットに分断される位置に配置されていてもよい。帯電電極75がドロップレットに電界を作用させることによって、ドロップレットが帯電してターゲットとなってもよい。
【0113】
ここで、帯電電極75の電位をターゲット物質の電位よりも低い電位に維持する場合には、ターゲットが正に帯電してもよい。一方、帯電電極75の電位をターゲット物質の電位よりも高い電位に維持する場合には、ターゲットが負に帯電してもよい。さらに、電極電源79が、加速電極69に所定の電位(例えば、基準電位(0V))を与えることによって、ターゲットを加速してもよい。ターゲットは、遮蔽板77の貫通孔を通過して、プラズマ生成領域25に到達してもよい。その他の点に関しては、他の実施形態と同様であってもよい。
【0114】
11.3 作用
本実施形態によれば、ノズル62、帯電電極75、又は、加速電極76の材料を選定することにより、ノズル62、帯電電極75、又は、加速電極76からの電子の放出を抑制して、絶縁破壊を抑制することができてもよい。その結果、ターゲット生成器26aから安定してターゲットが出力されてもよい。
【0115】
12.偏向電極によるターゲットの方向制御
図14は、偏向電極によるターゲットの方向制御を説明するための図である。ここでは、Z軸方向に移動しているターゲットの移動方向を、偏向電極として一対の対向する平板電極を用いて、X軸方向の電界によって偏向させる場合について説明する。
【0116】
電荷Qを有するターゲットは、電界Eによって、次式で表されるクーロン力Fを電界方向に受ける。
F=QE
ここで、電界Eは、平板電極70aに与えられる電位Paと平板電極70bに与えられる電位Pbとの間の電位差(Pa−Pb)と、それらの電極間のギャップ長Gとによって、次式で表される。
E=(Pa−Pb)/G
【0117】
ターゲットが初速度Vで電界中に入射すると、進行方向に直交する方向にクーロン力Fを受けることによって、ターゲットの進行方向が偏向する。ターゲットは、Z軸方向速度成分Vz(Vz=V)でZ軸方向に移動しながら、クーロン力FによってX軸方向に加速される。
F=ma (m:ターゲットの質量、a:加速度)
このクーロン力は、電界中を移動している間中受け続ける。
【0118】
ターゲットが電界から脱出するときの速度Vは、Z軸方向速度成分VzとX軸方向速度成分Vxとによって、次式で表される。
V=(Vz+Vx1/2
このように、電位差(Pa−Pb)を与えてターゲット軌道の一部に電界を作用させることによって、ターゲットの進行方向を偏向させることができる。また、電位差(Pa−Pb)を調節することによって、偏向量を制御することが可能である。電界から脱出したターゲットは、速度Vで移動して、レーザ光が照射されるレーザ光軸上の位置に到達するように制御できる。同様に、Y軸方向に関しても、Y軸方向に一対の対向する平板電極を配置することによって、ターゲットの進行方向を制御することが可能である。
【0119】
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0120】
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される修飾句「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0121】
1…EUV光生成装置、11…EUV光生成システム、2…チャンバ、21…ウインドウ、22…レーザ光集光ミラー、221…軸外放物面ミラー、222…平面ミラー、22a…レーザ光集光光学系、23…EUV集光ミラー、24…貫通孔、25…プラズマ生成領域、251、252…EUV光、26、26a…ターゲット生成器、27…ターゲット、28…ターゲット回収器、29…接続部、291…壁、292…中間集光点、3…レーザシステム、31〜33…レーザ光、34…レーザ光進行方向制御装置、341、342…高反射ミラー、34a…ビームデリバリーシステム、4…ターゲットセンサ、41…EUV集光ミラーホルダ、42、43…プレート、44…レーザダンパ、45…レーザダンパ支持部材、46…ガス供給装置、47…排気装置、48…圧力センサ、5…EUV光生成制御システム、51…EUV光生成制御装置、52…ターゲット制御装置、53…圧力調節器、54…不活性ガスボンベ、55…パルス電圧生成器、56…チャンバ圧力制御部、57…偏向電極電圧生成器、58…ヒータ電源、59…温度制御器、6…露光装置、61…リザーバ、62、62a…ノズル、63…リザーバ内電極、64…ヒータ、65、65a、98、99…電気絶縁部材、66、67…引出電極、66a、67a…電気絶縁材料、68…スペーサ、69…加速電極、69a…電極本体、69b…支柱、70…偏向電極、70a、70b…平板電極、71…電気絶縁材料、72…温度センサ、73…振動子、74…電気絶縁部材、75…帯電電極、76…加速電極、77…遮蔽板、78…振動子駆動回路、79…電極電源、85…遮蔽カバー、86…蓋、87…配管、89…チラー、88…継ぎ手、90a、90b、90c…中継端子、95…DC高圧電源、96…パルス電圧生成器、97…テフロン被覆線、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット物質を供給するターゲット供給装置であって、
少なくともターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、
前記ターゲット貯蔵部に貯蔵されたターゲット物質を出力するための貫通孔が形成されたターゲット出力部と、
前記ターゲット出力部に対向して配置され、前記ターゲット出力部から出力されるターゲット物質が通過する貫通孔が形成された電極であって、少なくとも前記ターゲット出力部に対向する面の一部に電気絶縁材料がコートされた前記電極と、
少なくとも前記ターゲット物質と前記電極との間に電圧を印加する電圧生成器と、
を備えるターゲット供給装置。
【請求項2】
ターゲット物質を供給するターゲット供給装置であって、
少なくともターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、
前記ターゲット貯蔵部に貯蔵されたターゲット物質を出力するための貫通孔が形成されたターゲット出力部と、
前記ターゲット出力部に対向して配置され、前記ターゲット出力部から出力されるターゲット物質が通過する貫通孔が形成された電極であって、セレン(Se)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、金(Au)、炭素(C)、及び、コバルト(Co)の内の少なくとも1つを含む前記電極と、
少なくとも前記ターゲット物質と前記電極との間に電圧を印加する電圧生成器と、
を備えるターゲット供給装置。
【請求項3】
前記ターゲット出力部が電気伝導性を有し、
前記電極が、前記貫通孔の周囲の部分が周辺部よりもターゲット物質の進行方向上流側に位置するように凸状の形状を有する、請求項1記載のターゲット供給装置。
【請求項4】
前記ターゲット出力部が電気伝導性を有し、
前記電極が、前記貫通孔の周囲の部分が周辺部よりもターゲット物質の進行方向上流側に位置するように凸状の形状を有する、請求項2記載のターゲット供給装置。
【請求項5】
前記ターゲット出力部に固定されて前記電極を保持する電気絶縁部材であって、前記ターゲット出力部と前記電極との間の空間に面する領域に複数の溝が形成されている前記電気絶縁部材をさらに備える、請求項1記載のターゲット供給装置。
【請求項6】
前記ターゲット出力部に固定されて前記電極を保持する電気絶縁部材であって、前記ターゲット出力部と前記電極との間の空間に面する領域に複数の溝が形成されている前記電気絶縁部材をさらに備える、請求項2記載のターゲット供給装置。
【請求項7】
ターゲット物質が通過する貫通孔が形成され、電気的に接地され、前記ターゲット出力部から出力されて前記電極の貫通孔を通過したターゲット物質を加速するための加速電極をさらに備え、
前記電極の少なくとも前記加速電極に対向する面の一部、及び、前記加速電極の少なくとも前記電極に対向する面の一部に、電気絶縁材料がコートされている、請求項1記載のターゲット供給装置。
【請求項8】
ターゲット物質が通過する貫通孔が形成され、電気的に接地され、前記ターゲット出力部から出力されて前記電極の貫通孔を通過したターゲット物質を加速するための加速電極をさらに備え、
前記加速電極が、セレン(Se)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、金(Au)、炭素(C)、及び、コバルト(Co)の内の少なくとも1つを含む、請求項2記載のターゲット供給装置。
【請求項9】
前記ターゲット出力部から出力されて前記電極の貫通孔を通過したターゲット物質を偏向するための少なくとも1対の偏向電極と、
前記少なくとも少なくとも1対の偏向電極間に電圧を印加する偏向電圧生成器と、
をさらに備え、前記少なくとも1対の偏向電極の少なくとも互いに対向する面の一部に、電気絶縁材料がコートされている、請求項1記載のターゲット供給装置。
【請求項10】
前記ターゲット出力部から出力されて前記電極の貫通孔を通過したターゲット物質を偏向するための少なくとも1対の偏向電極と、
前記少なくとも少なくとも1対の偏向電極間に電圧を印加する偏向電圧生成器と、
をさらに備え、前記少なくとも1対の偏向電極の各々が、セレン(Se)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、金(Au)、炭素(C)、及び、コバルト(Co)の内の少なくとも1つを含む、請求項2記載のターゲット供給装置。
【請求項11】
レーザ装置から出力されるレーザ光をターゲット物質に照射してターゲット物質をプラズマ化することにより極端紫外光を生成する極端紫外光生成装置であって、
少なくともターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、
前記ターゲット貯蔵部に貯蔵されたターゲット物質を出力するための貫通孔が形成されたターゲット出力部と、
前記ターゲット出力部に対向して配置され、前記ターゲット出力部から出力されるターゲット物質が通過する貫通孔が形成された電極であって、少なくとも前記ターゲット出力部に対向する面の一部に電気絶縁材料がコートされた前記電極と、
少なくとも前記ターゲット物質と前記電極との間に電圧を印加する電圧生成器と、
前記電極の貫通孔を通過したターゲット物質に照射されるレーザ光を導入する貫通孔が形成されたチャンバと、
を備える極端紫外光生成装置。
【請求項12】
レーザ装置から出力されるレーザ光をターゲット物質に照射してターゲット物質をプラズマ化することにより極端紫外光を生成する極端紫外光生成装置であって、
少なくともターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、
前記ターゲット貯蔵部に貯蔵されたターゲット物質を出力するための貫通孔が形成されたターゲット出力部と、
前記ターゲット出力部に対向して配置され、前記ターゲット出力部から出力されるターゲット物質が通過する貫通孔が形成された電極であって、セレン(Se)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、金(Au)、炭素(C)、及び、コバルト(Co)の内の少なくとも1つを含む前記電極と、
少なくとも前記ターゲット物質と前記電極との間に電圧を印加する電圧生成器と、
前記電極の貫通孔を通過したターゲット物質に照射されるレーザ光を導入する貫通孔が形成されたチャンバと、
を備える極端紫外光生成装置。
【請求項13】
前記電圧生成器が、第1の電位と該第1の電位よりも高い第2の電位との間で変化する電圧信号を生成して、前記電極に該第1の電位を与え、前記ターゲット物質に該電圧信号を印加する、請求項11記載の極端紫外光生成装置。
【請求項14】
前記電圧生成器が、第1の電位と該第1の電位よりも高い第2の電位との間で変化する電圧信号を生成し、前記電極に該第1の電位を与え、前記ターゲット物質に該電圧信号を印加する、請求項12記載の極端紫外光生成装置。
【請求項15】
前記電圧生成器が、第1の電位と該第1の電位よりも高い第2の電位との間で変化する電圧信号を生成して、前記電極に電圧信号を印加し、前記ターゲット物質に第2の電位以上の電位を与える、請求項11記載の極端紫外光生成装置。
【請求項16】
前記電圧生成器が、第1の電位と該第1の電位よりも高い第2の電位との間で変化する電圧信号を生成して、前記電極に電圧信号を印加し、前記ターゲット物質に第2の電位以上の電位を与える、請求項12記載の極端紫外光生成装置。
【請求項17】
前記電圧生成器が、前記ターゲット物質に基準電位を与え、前記電極に負の電位を与える、請求項11記載の極端紫外光生成装置。
【請求項18】
前記電圧生成器が、前記ターゲット物質に基準電位を与え、前記電極に負の電位を与える、請求項12記載の極端紫外光生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−212655(P2012−212655A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−288039(P2011−288039)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】