説明

タービンエンジン用シールに関する方法、システム、及び/又は装置

【課題】ホイールスペース吸込み及び/又はパージ空気使用量を低減する。
【解決手段】タービンブレードの一つタービンロータブレード(126)を含み、他のタービンブレードがタービンステータブレード(128)を含み、第1のタービンブレードが第2のタービンブレードと円周方向で整列したときに、該第1のタービンブレード及び第2のタービンブレード間にトレンチキャビティ(150)及びシールが形成され、シールが、第1のタービンブレード及び第2のタービンブレードの一方上に位置付けられた軸方向に延びる剛体歯を含むカッタ歯(160)及び第1のタービンブレード及び第2のタービンブレードの他方上に位置付けられたアブレイダブル材料を含むハニカム部(162)を備え、カッタ歯(160)及びハニカム部(162)が、トレンチキャビティ(150)にわたって各々が互いに対向するように位置付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全体として、特に指定されない限り本明細書で使用されるように、タービンエンジン、航空機エンジン、蒸気タービンエンジン、及びその他を含む全てのタイプのタービン又は回転エンジンを含むことが意図される、タービンエンジンの効率及び/又は動作を改善するための方法、システム、及び/又は装置に関する。より具体的には、限定ではないが、本出願は、タービンエンジン用のシールの改善に関連する方法、システム、及び/又は装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガスタービンエンジン(以下に記載するように、本発明の例示的な応用を示すのに用いることができる)は、圧縮機、燃焼器、及びタービンを含む。圧縮機及びタービンは一般に、各段で軸方向又は円周方向にスタックされたタービン列を含む。各段は、円周方向に離間して固定されるステータブレードの列と、中心軸又はシャフトの回りを回転するロータブレードの列とを含む。作動中、一般に、圧縮機ロータは、シャフトの回りを回転し、ステータブレードと協働して空気流を加圧する。次いで、燃焼器内で供給加圧空気を使用して供給燃料を燃焼させる。次に、燃焼により結果として生じた高温膨張ガスの流れ、すなわち作動流体は、エンジンのタービンセクションを通って膨張する。タービンを通る作動流体の流れはロータブレードを回転させる。ロータブレードは、中心シャフトに接続され、該ロータブレードの回転によりシャフトが回転するようになる。このようにして、燃料に含まれるエネルギーは回転シャフトの機械エネルギーに変換され、この機械エネルギーは、例えば、燃焼に必要な供給加圧空気を生成するように圧縮機のロータブレードを回転させ、更に、電力を発生する発電機のコイルを回転させるのに使用することができる。
【0003】
作動時には、高温ガス通路の過度の温度に起因して作動又は性能に損傷を与えるか、又は劣化させることになる温度にまで構成部品が達するのを防ぐよう十分に注意する必要がある。当業者には理解されるように、過度な温度に対し損傷を受けやすい1つの区域は、高温ガス通路の半径方向内向きのスペースである。この区域は、多くの場合、内側ホイールスペース又はタービンのホイールスペースと呼ばれ、回転ロータブレードが取り付けられる複数のタービンホイール又はロータを含む。ロータブレードは、高温ガス通路の過度な温度に耐えるように設計されているが、ロータはそのように設計されておらず、従って、高温ガス通路の作動流体がホイールスペースに流入するのを防ぐことが必要とされる。しかしながら、回転ブレードと周囲の固定部品との間には軸方向ギャップが必然的に存在し、これらのギャップを通って作動流体がホイールスペースに接近する。加えて、エンジンの暖機及び熱膨張係数の違いに起因して、これらのギャップは、エンジンが作動している様態に応じて拡大及び縮小する可能性がある。この大きさの変動によって、これらのギャップを適切にシールすることが困難になる。
【0004】
一般に、このことは、高温のガス吸込みを回避するためにタービンホイールスペースをパージする必要があることを意味する。パージを行うには、ホイールスペース内の圧力を作動流体の圧力よりも高いレベルに維持する必要がある。典型的には、これは、圧縮機からの空気をブリードしてホイールスペースに直接送ることにより達成される。これが行われるとパージ空気の流出(すなわち、ホイールスペースから高温ガス通路へのパージ空気の流れ)が生じ、ギャップを通るこの流出が作動流体の流入を阻止する。これにより、ホイールスペース内の構成部品は作動流体の過度の温度から保護される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,334,983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、パージシステムは、エンジンの製造及びメンテナンスコストを増大させ、ホイールスペースキャビティ内の圧力を所望のレベルに維持することに関して不正確であることが多い。加えて、ホイールスペースのパージは高コストである。当業者には理解されるように、パージ流は、タービンエンジンの性能及び効率に悪影響を及ぼす。すなわち、パージ空気のレベルが増大すると、エンジンの出力及び効率が低下する。よって、パージ空気の使用量は最低限に抑えるべきである。結果として、ギャップ/ホイールスペースキャビティを作動流体から良好にシールし、これによりホイールスペース吸込み及び/又はパージ空気使用量を低減する、改善された方法、システム、及び/又は装置に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本出願は、タービンエンジンのタービンにおいて、少なくとも2つのブレードである第1のタービンブレードと第2のタービンブレードとの間に形成されるシールを記載しており、タービンブレードの一方がタービンロータブレードを含み、タービンブレードの他方がタービンステータブレードを含み、第1のタービンブレードが第2のタービンブレードと円周方向で整列したときに、該第1のタービンブレード及び第2のタービンブレード間にトレンチキャビティ及びシールが形成され、該シールが、カッタ歯及びハニカム部を備え、カッタ歯が、第1のタービンブレード及び第2のタービンブレードの一方上に位置付けられた軸方向に延びる剛体歯を含み、ハニカム部が、第1のタービンブレード及び第2のタービンブレードの他方上に位置付けられたアブレイダブル材料を含み、第1のタービンブレードが第2のタービンブレードと円周方向で整列したときに、カッタ歯及びハニカム部が、トレンチキャビティにわたって各々が互いに対向するように位置付けられる。
【0008】
トレンチキャビティが、タービンの回転部品と固定部品との間を円周方向に延びる軸方向ギャップを含み、トレンチキャビティが、a)ロータブレードの後縁及びステータブレードの前縁、並びにb)ステータブレードの後縁及びロータブレードの前縁のうちの少なくとも一方間に形成される。カッタ歯は、タービンステータブレード及びタービンロータブレードの一方上に形成することができ、ハニカム部が、タービンステータブレード及びタービンロータブレードの他方上に形成することができる。カッタ歯及びハニカム部が、トレンチキャビティの軸方向幅を低減するよう構成することができる。
【0009】
幾つかの実施形態において、カッタ歯がロータブレードの後縁上に位置し、ハニカム部がステータブレードの前縁上に位置する。
【0010】
タービンロータブレードが、一般に、タービンの作動流体の高温ガス通路内に位置し且つ該作動流体と相互作用する翼形部と、ロータホイールにタービンロータブレードを取り付ける手段と、翼形部及び該取付手段との間のシャンクとを含む。タービンステータブレードが、一般に、タービンの作動流体の高温ガス通路内に位置し且つ該作動流体と相互作用する翼形部と、翼形部の半径方向内向きに作動流体の経路の内側境界を形成する内側側壁と、内側側壁の半径方向内向きに1つ又はそれ以上の回転構成部品と第2のシールを形成するダイアフラムとを含む。トレンチキャビティの一方の縁部がシャンクにより形成することができ、トレンチキャビティの他方の縁部が内側側壁及びダイアフラムの一方又は両方によって形成される。幾つかの実施形態では、カッタ歯が、シャンクの後縁上に位置することができ、ハニカム部が内側側壁の前縁上に位置することができる。
【0011】
タービンエンジンは、少なくとも複数の運転条件を含むことができ、トレンチキャビティが、運転条件の少なくとも1つの間に比較的狭い開口と、他の運転条件の少なくとも1つの間に比較的広い開口とを含むように、タービンエンジンが作動する運転条件に応じてトレンチキャビティの軸方向幅が変化することができる。幾つかの実施形態では、カッタ歯及びハニカム部の軸方向長さは、トレンチキャビティが最も狭いときに、カッタ歯の外側縁部がハニカム部の外面に実質的に隣接するように構成される。他の実施形態では、カッタ歯及びハニカム部の軸方向長さは、トレンチキャビティが最も狭いときに、カッタ歯の外側縁部がハニカム部の外面に切り込むように構成される。
【0012】
例示的な実施形態において、カッタ歯の長手方向軸線がシャンクの円周方向幅の部分に沿って円周方向に整列して延びており、カッタ歯部分が、シャンクの円周方向の全幅よりも小さい。シールは更に、シャンクの円周方向幅のほぼ残りの部分にわたって延び且つカッタ歯の同じ長手方向軸線に実質的に沿って延びる歯リッジを含むことができる。歯リッジは、カッタ歯が軸方向に延びる距離よりも短い距離を軸方向に延びる突出リッジとすることができる。タービンエンジンは、少なくとも複数の運転条件を含むことができる。トレンチキャビティが、運転条件の少なくとも1つの間に比較的狭い開口と、他の運転条件の少なくとも1つの間に比較的広い開口とを含むように、タービンエンジンが作動する運転条件に応じてトレンチキャビティの軸方向幅が変化することができる。カッタ歯、歯リッジ、及びハニカム部の軸方向長さは、トレンチキャビティがほぼ最も狭いときに、カッタ歯の外側縁部がハニカム部の外面に切り込み、歯リッジの外側縁部が、ハニカム部の外面に実質的に隣接するように構成することができる。
【0013】
幾つかの実施形態では、冷却空気チャンネルは、ハニカム部が取付られ且つブレードに取り付けられるハニカム部の表面に供給冷却空気を送給するよう構成されるタービンブレード内に形成することができる。ハニカム部及び冷却空気チャンネルは、運転中、トレンチキャビティ内への作動流体の少なくとも一部の吸込みを阻止するエアカーテンがトレンチキャビティ内に形成されるように構成される。カッタ歯は、冷却空気の流れをハニカム部からトレンチキャビティの開口に向かって且つ作動流体の流れ内に偏向するよう形成される。幾つかの実施形態でが、運転中に、ハニカム部から出る冷却空気の大きな割合がカッタ歯の外寄りに衝突し、これによりトレンチキャビティの開口に向けて且つ作動流体の流れ内に偏向されるように、カッタ歯の外側縁部が、ハニカム部の半径方向中心の内寄りにある半径方向位置に位置付けられる。
【0014】
本出願のこれら及び他の特徴は、図面及び添付の請求項を併用しながら以下の詳細な説明を精査すると明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本出願の実施形態を用いることができる例示的なガスタービンエンジンの概略図。
【図2】図1のガスタービンエンジンの圧縮機の断面図。
【図3】図1のガスタービンエンジンのタービンの断面図。
【図4】従来設計による例示的なタービンで構成されるロータ及びステータブレードの複数の列の半径方向内側部分の概略断面図。
【図5】本発明の例示的な実施形態による、カッタ歯/ハニカム部組立体の断面図。
【図6】本発明の代替の実施形態による、トレンチキャビティ及びカッタ歯/ハニカム部組立体の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のこれら及び他の特徴は、添付図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を詳細に検討することによって完全に理解され認識されるであろう。
【0017】
ここで各図を参照すると、図1は、本発明の例示的な応用を説明するのに使用される、ガスタービンエンジン100の概略図を示す。本発明はこの使用形態に限定されない点は、当業者であれば理解されるであろう。上記のように、本発明は、発電及び航空機で使用されるエンジンなどのガスタービンエンジン、蒸気タービンエンジン、及び他の形式の回転エンジンで使用することができる。一般に、ガスタービンエンジンは、加圧空気のストリームにおける燃料燃焼により生成される高温ガスの加圧流からエネルギーを抽出することによって作動する。図1に示すように、ガスタービンエンジン100は、共通シャフト又はロータにより下流側のタービンセクション又はタービン110に機械的に結合された軸流圧縮機106と、圧縮機106及びタービン110間に位置付けられる燃焼器112とを備えて構成することができる。
【0018】
図2は、図1のガスタービンエンジンで使用することができる例示的な多段軸流圧縮機118の図を示す。図示のように、圧縮機118は、複数の段を含むことができる。各段は、圧縮機ロータブレード120の列、続いて圧縮機ステータブレード122の列を含むことができる。従って、第1段は、中心シャフトの回りを回転する圧縮機ロータブレード120の列、続いて、作動中に静止している圧縮機ステータブレード122の列を含むことができる。圧縮機ステータブレード122は一般に、互いに円周方向に離間して配置され、回転軸線を中心として固定される。圧縮機ロータブレード120は、円周方向に離間して配置されてシャフトに取り付けられ、作動中にシャフトが回転するときに圧縮機ロータブレード120がシャフトの回りを回転する。当業者には理解されるように、圧縮機ロータブレード120は、シャフトの回りを回転するときに、圧縮機118を流れる空気又は流体に運動エネルギーを与えるように構成される。圧縮機118は、図2に示された段以外の他の段を有することができる。付加的な段は、円周方向に離間した複数の圧縮機ロータブレード120、続いて、円周方向に離間した複数の圧縮機ステータブレード122を含むことができる。
【0019】
図3は、図1のガスタービンエンジンにおいて使用することができる例示的なタービンセクション又はタービン124の部分図を示す。タービン124はまた、複数の段を含むことができる。例示的な3つの段が示されているが、より多く又はより少ない段がタービン124に存在することができる。第1の段は、作動中シャフトの回りを回転する複数のタービンバケット又はタービンロータブレード126と、作動中に静止している複数のノズル又はタービンステータブレード128とを含む。タービンステータブレード128は一般に、互いに円周方向に離間して配置され、回転軸線を中心として固定される。タービンロータブレード126は、シャフト(図示せず)の回りを回転するようタービンホイール(図示せず)上に装着することができる。タービン124の第2の段も示されている。第2の段も同様に、円周方向に離間して配置される複数のタービンステータブレード128と、続いて、円周方向に離間して配置される複数のタービンロータブレード126とを含み、これらはまた回転するようタービン上に装着される。第3の段も図示されており、同様に、複数のタービンステータブレード128及びロータブレード126を含む。タービンステータブレード128及びタービンロータブレード126がタービン124の高温のガス通路内にあることは理解される。高温ガス通路を通る高温ガスの流れ方向が矢印で示される。当業者には理解されるように、タービン24は、図3に示される段以外の他の段を有することができる。付加的な各段は、タービンステータブレード128の列、続いて、タービンロータブレード126の列を含むことができる。
【0020】
使用中、軸流圧縮機118内の圧縮機ロータブレード120の回転は、空気の流れを加圧することができる。燃焼器112において、加圧空気が燃料と混合されて点火されたときにエネルギーを放出することができる。結果として生じる燃焼器112からの高温ガスの流れは、作動流体と呼ぶことができ、その後、タービンロータブレード126を越えて配向され、該作動流体の流れがシャフトの回りのタービンロータブレード126の回転を誘起する。これにより、作動流体の流れのエネルギーが、回転ブレード並びにロータブレードとシャフト間の連結により回転シャフトの機械的エネルギーに変換される。次に、シャフトの機械的エネルギーを用いて、圧縮機ロータブレード120の回転を駆動することができ、その結果、必要な供給加圧空気が生成され、更に、例えば、発電機を駆動して電気を生成することができる。
【0021】
次に進む前に、本出願の発明を明確に伝えるために、タービンエンジンの特定の機械構成要素又は部品に言及し説明する用語を選択することが必要な場合がある点に留意されたい。当該業界で使用される用語は、可能な限り、一般的に受け入れられる意味と適合するように選択及び利用されることになる。しかしながら、この用語は広義に与えられ、本明細書で意図する意味及び添付の請求項の範囲が制限されるような狭義に解釈されないものとする。当業者であれば、特定の構成要素が複数の異なる名称で呼ばれる場合があることは理解されるであろう。加えて、本明細書で単一の要素として説明される事柄が、別の状況では、複数の構成要素を含み、又はそのように言及することができ、或いは、本明細書で複数の構成要素を含むものとして説明される事柄が、単一の要素に構築され、場合によっては単一の要素として言及することができる。従って、本明細書で記載される本発明の範囲を理解する際に、提供される用語及び説明にのみ留意するのではなく、構成要素の構造、構成、機能、及び/又は使用に対しても留意すべきである。
【0022】
加えて、幾つかの記述上の用語を本明細書で使用する場合がある。これらの用語の意味は、以下の定義を含むものとする。用語「ロータブレード」は、別途指定のない限り、圧縮機118又はタービン124の何れかの回転ブレードを指し、これらは共に、圧縮機ロータブレード120及びタービンロータブレード126を含む。用語「ステータブレード」は、別途指定のない限り、圧縮機118又はタービン124何れかの固定ブレードを指し、これらは共に、圧縮機ステータブレード122及びタービンステータブレード128を含む。用語「ブレード」は、本明細書において、何れかの形式のブレードを指すのに用いられることになる。従って、別途指定のない限り、用語「ブレード」は、圧縮機ロータブレード120、圧縮機ステータブレード122、タービンロータブレード126、及びタービンステータブレード128を含む、全ての形式のタービンエンジンブレードを含める。更に、本明細書で使用される「下流」及び「上流」は、タービンを通る作動流体の流れに対する方向を示す用語である。すなわち、用語「下流」とは、流れの方向を意味し、用語「上流」とは、タービンを通る流れの反対の方向を意味する。これらの用語に関連して、用語「後方」及び/又は「後縁」は、下流方向、下流端部、及び/又は説明される構成要素の下流端部の方向を指す。また、用語「前方」又は「前縁」は、上流方向、上流端部、及び/又は説明される構成要素の上流端部の方向を指す。用語「半径方向」は、軸線に垂直な動き又は位置を指す。この用語は、軸線に対して異なる半径方向位置にある部品を説明するのに必要となることが多い。この場合、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸線に接近して位置する場合、本明細書では、第1の構成要素は、第2の構成要素の「内寄り」又は「半径方向内向き」にあると表現することができる。反対に、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸線から遠くに位置する場合、本明細書では、第1の構成要素は、第2の構成要素の「外寄り」又は「半径方向外向き」にあると表現することができる。用語「軸方向」とは、軸線に平行な動き又は位置を指す。また、用語「円周方向」とは、軸線を中心とした動き又は位置を指す。
【0023】
再度各図を参照すると、図4は、従来設計による例示的なタービンで構成することができるブレードの複数の列の半径方向内向き部分の断面図を概略的に示している。当業者には理解されるように、本図は、ロータブレード126の2つの列と、ステータブレード128の2つの列とからなる半径方向内向きの特徴部を含む。各ロータブレード126は一般に、高温ガス通路内に位置し、タービンの作動流体と相互作用する翼形部130と、ロータブレード126をロータホイール134に取り付けるダブテール132と、翼形部130及びダブテール132間で通常はシャンク136と呼ばれるセクションとを含む。本明細書で使用されるシャンク136は、この場合はダブテール132である取り付け手段と翼形部130との間に位置するロータブレード126のセクションを指すことを意図している。各ステータブレード128は一般に、高温ガス通路内に位置して作動流体と相互作用する翼形部140と、翼形部140の半径方向内向きにある内側側壁142と、内側側壁142の半径方向内向きにあるダイアフラム144とを含む。通常、内側側壁142は、翼形部140と一体化され、高温ガス通路の内側境界を形成する。ダイアフラム144は通常、内側側壁142に取り付けられ(但し、一体的に形成してもよい)、半径方向内向きに延びて、回転機械に対するシール146を形成する。
【0024】
軸方向ギャップは、高温ガス通路の半径方向内向き縁部に沿って存在することは理解される。一般的には、本明細書では「トレンチキャビティ150」とも呼ばれるこれらのギャップは、回転部品(すなわち、ロータブレード126)と固定部品(すなわち、ステータブレード128)との間に維持する必要があるスペースに起因して存在する。エンジンが暖機し、様々な負荷条件で動作し、更に、構成要素の熱膨張係数が異なることに起因して、トレンチキャビティ150の幅(すなわち、ギャップの軸方向距離)は一般に変化する。すなわち、トレンチキャビティ150は、エンジンが作動している様態に応じて拡大及び縮小する可能性がある。回転部品が固定部品と接して摩擦を生じることは極めて好ましくないので、エンジンは、全運転条件中にトレンチキャビティ150の場所に少なくとも幾らかのスペースが維持されるように設計する必要がある。一般的にはこのことによって、トレンチキャビティ150は、一部の運転条件中に相対的に狭い開口を有し、他の運転条件中に相対的に広い開口を有することになる。勿論、相対的に広い開口を有するトレンチキャビティ150は、タービンホイールスペースへのより多くの作動流体の吸込みを招くので好ましいものではない。トレンチキャビティ150は一般に、回転部品が固定部品と境界を接する高温ガス通路の半径方向内向きの境界に沿った各地点に存在する。すなわち、図示のように、トレンチキャビティ150は、ロータブレード126の後縁とステータブレード128の前縁との間、ステータブレード128の後縁とロータブレード126の前縁との間に形成される。通常、ロータブレード126に関しては、シャンク136は、トレンチキャビティ150の1つの縁部を定め、ステータブレード128に関しては、内側側壁142がトレンチキャビティ150の他の縁部を定める。多くの場合、トレンチキャビティ150内には、軸方向に突き出た突出部を構成することができる。図示のように、エンジェルウィング突出部又はエンジェルウィング152は、ロータブレード126のシャンク136上に形成することができる。各エンジェルウィング152は、ステータブレード128上に形成されたステータ突出部154と一致することができる。ステータ突出部154は、内側側壁142上、又は図示のようにダイアフラム144上に形成することができる。典型的には、エンジェルウィング152は、図示のように、ステータ突出部154の内寄りに形成される。1つよりも多くのエンジェルウィング152/ステータ突出部154のペアが存在してもよい。一般に、エンジェルウィング152の内寄りには、トレンチキャビティ150はホイールスペースキャビティ156に移行すると考えられる。
【0025】
上述のように、トレンチキャビティ150及びホイールスペースキャビティ156内で過度の温度が構成要素に損傷を及ぼす可能性があるので、高温ガス通路の作動流体がこの区域に流入するのを阻止することが望ましい。エンジェルウィング152及びステータ突出部154は、吸込みを制限するように形成される。しかしながら、トレンチキャビティ150開口幅が変化すること、及びエンジェルウィング152/ステータ突出部154の効果があまりないことに起因して、キャビティが、圧縮機からブリードされる加圧空気の比較的高いレベルでパージされない場合、作動流体は、規則的にホイールスペースキャビティ156に吸込まれることになる。上述のように、パージ空気はエンジンの性能及び効率に悪影響を及ぼすので、パージ空気の使用は最小限にすべきである。
【0026】
図5は、本発明の1つの実施形態による、カッタ歯160/ハニカム部162組立体の断面図を示す。一般に、本出願によれば、カッタ歯160/ハニカム部162組立体は、トレンチキャビティ150にわたるアブレイダブル材料に対向した軸方向に延びる剛体歯を含む。
【0027】
図示のように、幾つかの実施形態では、カッタ歯160は、ロータブレード126の後縁上に形成することができる。より具体的には、カッタ歯160は、シャンク136の後縁上に形成することができる。カッタ歯160は、一般に、軸方向に延びる剛体突起を含み、何れかの好適な材料で形成することができる。図示のように、カッタ歯160は、鋭利な縁部を形成するように三角形状とすることができるが、他の形状もまた可能である。カッタ歯160は、シャンク136の円周方向幅に沿って延びることができる。幾つかの好ましい実施形態では、カッタ歯160は、シャンク136の円周方向幅よりも短い円周方向距離まで延びることができる。この場合、カッタ歯160は、シャンク136の円周方向幅のほぼ中心に位置付けることができる。この形式の実施形態では、歯リッジ164(破線で示される)は、シャンク136の円周方向幅の残りの部分を超えて延びて、カッタ歯160の同じ長手方向軸線に沿って続くことができる。カッタ歯160及び/又は歯リッジ164は、各シャンク136の幅のほぼ全体に沿って延びて、ロータブレード126の列の回りにほぼ円を形成するようにすることができ、該円の中心は、タービンのシャフトと実質的に整列している。このリングは、実質的に連続とすることができ、当接するロータブレード126間の境界部に小ギャップが生じる。図示のように、カッタ歯160は、トレンチキャビティ150にわたって歯リッジ164よりも更に先の距離を延びることができる。加えて、カッタ歯160は、タービンロータブレード126と一体的に形成することができ、或いは、場合によっては、従来の方法によりタービンロータブレード126に取り付けることができる。
【0028】
図示のように、幾つかの実施形態において、ハニカム部162は、ステータブレード128の前縁上に形成することができる。より具体的には、ハニカム部162は、内側側壁142の前縁上に形成することができる。ハニカム部162は、Hast−X、又は他の同様の材料などの何れかの好適な従来のアブレイダブル材料を含むことができ、従来の方法によりステータブレード128に取り付けることもできる。ハニカム部162は、図5に描かれるように、矩形形状とすることができ、矩形形状のほぼ中心がカッタ歯160の縁部の半径方向位置と半径方向で整列するように位置付けられる。他の形状も可能である。ハニカム部162は、各内側側壁142の幅のほぼ全体に沿って延びて、ハニカム部16がステータブレード128の列の回りにほぼ円を形成するようにすることができ、該円の中心は、タービンのシャフトと実質的に整列している。このリングは、実質的に連続とすることができ、当接するステータブレード128間の境界部に小ギャップが生じる。
【0029】
好ましい実施形態では、図示のように、カッタ歯160/ハニカム部162組立体は、カッタ歯160がロータブレード126のシャンク136の半径方向外向きの後縁上に位置付けられ、ハニカム部162がステータブレード128の内側側壁142の後縁上に位置付けられるように構成される。或いは、図示しないが、カッタ歯160/ハニカム部162組立体はまた、カッタ歯160がロータブレード126のシャンク136の前縁部分上に位置付けられ、ハニカム部162がステータブレード128の内側側壁142(又は、この場合、ダイアフラム144)の後縁上に位置付けることができるように構成することができる。
【0030】
更に、図5の好ましい実施形態において、カッタ歯160は、エンジェルウィング152の外寄りにあるように、シャンク上に位置付けることができる。この場合、ハニカム部162は、ステータ突出部154の外寄りにあるように位置付けることができる。或いは、図示しないが、カッタ歯160は、エンジェルウィング152の内寄りにあるように、シャンク上に位置付けることができる。この場合、ハニカム部162は、ステータ突出部154の内寄りにあるように位置付けることができる。加えて、幾つかの応用では、カッタ歯160/ハニカム部162組立体の複数のペアを単一のトレンチキャビティ150内で用いることができる。これによりシール特性を向上させることができる。
【0031】
カッタ歯160/ハニカム部162がトレンチキャビティ150をわたって延びる軸方向長さは、所望の結果に応じて種々の方法で構成することができる。例えば、幾つかの実施形態において、各々の軸方向長さは、トレンチキャビティ150開口がほぼ最も狭いときに、カッタ歯160の外側縁部がハニカム部162の外側面に実質的に隣接する軸方向位置にあるように構成することができる。
【0032】
カッタ歯160が歯リッジ164(上述のように)と結合される実施形態では、カッタ歯160、歯リッジ164、及び/又はハニカム部162の軸方向長さは、トレンチキャビティ150開口がほぼ最も狭いときに、カッタ歯160の外側縁部がハニカム部162の外面と重なり又は割り込む半径方向位置にあり、且つ歯リッジ164の外側縁部がハニカム部162の外側表面に実質的に隣接する半径方向位置にあるように構成することができる。
【0033】
好ましい実施形態では、図5に示すように、カッタ歯160は、ロータブレード126上に形成され、ハニカム部162は、ステータブレード128上に形成される。他の実施形態では、カッタ歯160は、ステータブレード128上に形成され、ハニカム部162は、ロータブレード126上に形成することができる。
【0034】
作動中、カッタ歯160/ハニカム部162組立体は、作動中に組立体がトレンチキャビティ150の開口幅(すなわち、軸方向ギャップ)を狭めるように構成することができる。すなわち、カッタ歯160/ハニカム部162組立体は、トレンチキャビティ150の開口の円周回りで軸方向に延びるシールを形成することができる。上述のように、カッタ歯160/ハニカム部162は、トレンチキャビティ150の開口の内寄りに配置することができる点に留意されたい。幾つかの実施形態では、カッタ歯160/ハニカム部162組立体は、特定の運転条件中に互いに接触するように構成することができる。特に、トレンチキャビティ150の開口が比較的狭い運転条件の1つでは、カッタ歯160/ハニカム部162組立体は、カッタ歯160がハニカム部162と接触/摩擦を生じるように構成することができる。この接触は、互いに対して硬質の表面を含む場合には極めて望ましくないが、剛性のある/鋭利なカッタ歯160がハニカム部162のアブレイダブル材料を通るチャンネル切り開くことができるようになる。チャンネルが形成されると、カッタ歯160は、特定の運転条件中にチャンネル内に存在することができるので、これにより作動流体のホイールスペースキャビティ156内への吸込みに対して効果的なシールがもたらされる。運転条件の変化によりトレンチキャビティ150の幅が広がったときでも、カッタ歯160は、依然としてチャンネル(深くはないが)内に位置し、吸込みに対する対象のシールをもたらすことができる。また、運転条件の別の変化により、トレンチキャビティが更に広がり、カッタ歯160が最早切り込みチャンネル内に存在しないようになった場合、カッタ歯160/ハニカム部162組立体は、依然としてトレンチキャビティ150の幅を狭め、幾らかの作動流体の吸込みを可能にする。トレンチキャビティ150でのこれらのシール特性の向上に関しては、当業者には理解されるように、吸込みを阻止するのに必要とされるパージ空気の量が大幅に低減される可能性がある。先に述べたように、この低減により、エンジン性能及び効率の改善が可能になる。
【0035】
図6に示すような代替の実施形態において、冷却空気は、ステータブレードを通って冷却空気チャンネル166を通るハニカム部162の位置に提供することができる。当業者には理解されるように、アブレイダブルハニカム部162は、多孔性とすることができる。従って、ハニカム部162の取付面に冷却空気(従来の方法に従って)を送給することで、空気ストリーがハニカム部162を通り、一般的には、カッタ歯160に面する外面を通ってハニカム部162から出ることになる。このようにすると、冷却空気は少なくとも2つの運転上の利点を得ることができる。
【0036】
第1に、冷却空気は、ハニカム部162と、接着剤、ろう付け、その他など、ハニカム部162を内側側壁42に取り付けるのに用いられてきたあらゆる材料とを冷却する。この冷却は、ハニカム部162と内側側壁141との間の接合部の一体性を維持し、更に、ハニカム材料の寿命を延ばすのを助けることができる。
【0037】
第2に、冷却空気は、トレンチキャビティ150への作動流体の吸込みを阻止するのを助ける「エアカーテン」を生成することができる。すなわち、ハニカム部162からの冷却空気の流れは、一般に、対向する壁に衝突し、高温ガス通路に向かって偏向される。この流出は、作動流体を偏向し、該作動流体の吸込みを阻止することができる。幾つかの実施形態では、カッタ歯160の位置及びその三角形状は、ハニカム部162からのより多くの冷却空気がホイールスペースキャビティ156に向かうのではなく、作動流体に向かって偏向されるように操作することができる。これは、ハニカム部162の半径方向中心の内寄りにある半径方向位置にカッタ歯160/歯リッジ164を位置付けることによって達成することができる。この位置において、ハニカム部162から出るより多くの割合の冷却空気が、カッタ歯160/歯リッジ164の外寄りに衝突し、作動流体に向けて偏向されることになる。これにより、エアカーテンの有効性を高めることができる。
【0038】
当業者には理解されるように、複数の例示的な実施形態に関して上述した多くの様々な特徴及び構成は、本発明の他の可能な実施形態を形成するよう、更に選択的に適用することができる。
【0039】
簡潔にするため、及び当業者の能力を考慮して、各々の可能な繰り返しは本明細書で詳細には述べていないが、添付の複数の請求項によって包含される全ての組み合わせ及び可能な実施形態は、本出願の一部をなすものとする。加えて、本発明の複数の例示的な実施形態の上記の説明から、当業者であれば改善、変更、及び修正が理解されるであろう。当該技術分野の範囲内にあるこのような改善、変更、及び修正はまた、添付の請求項によって保護されるものとする。更に、上記のことは、本出願の好ましい実施形態にのみに関連しているが、添付の請求項及びその均等物によって定められる本出願の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの変更及び修正を本明細書において行うことができる点を理解されたい。
【符号の説明】
【0040】
100 ガスタービンエンジン
106 圧縮機
110 タービン
112 燃焼器
118 圧縮機
120 圧縮機ロータブレード
122 圧縮機ステータブレード
124 タービン
126 タービンロータブレード
128 タービンステータブレード
130 翼形部
131 矢印
132 ダブテール
134 ロータホイール
136 シャンク
140 翼形部
142 内側側壁
144 ダイアフラム
146 シール
150 トレンチキャビティ
152 エンジェルウィング
154 ステータ突出部
156 ホイールスペースキャビティ
160 カッタ歯
162 ハニカム部
164 歯リッジ
166 冷却空気チャンネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンエンジンのタービンにおいて、少なくとも2つのブレードである第1のタービンブレードと第2のタービンブレードとの間に形成されるシールであって、前記タービンブレードの一方がタービンロータブレード(126)を含み、前記タービンブレードの他方がタービンステータブレード(128)を含み、前記第1のタービンブレードが前記第2のタービンブレードと円周方向で整列したときに、該第1のタービンブレード及び第2のタービンブレード間にトレンチキャビティ(150)及び前記シールが形成され、前記シールが、
カッタ歯(160)及びハニカム部(162)を備え、
前記カッタ歯(160)が、前記第1のタービンブレード及び前記第2のタービンブレードの一方上に位置付けられた軸方向に延びる剛体歯を含み、前記ハニカム部(162)が、前記第1のタービンブレード及び前記第2のタービンブレードの他方上に位置付けられたアブレイダブル材料を含み、前記第1のタービンブレードが前記第2のタービンブレードと円周方向で整列したときに、前記カッタ歯(160)及び前記ハニカム部(162)が、前記トレンチキャビティ(150)にわたって各々が互いに対向するように位置付けられる、
シール。
【請求項2】
前記トレンチキャビティ(150)が、前記タービンの回転部品と固定部品との間を円周方向に延びる軸方向ギャップを含み、前記トレンチキャビティ(150)が、a)前記ロータブレード(126)の後縁及び前記ステータブレード(128)の前縁、並びにb)前記ステータブレード(128)の後縁及び前記ロータブレード(126)の前縁のうちの少なくとも一方間に形成され、前記カッタ歯(160)が、前記タービンステータブレード(128)及び前記タービンロータブレード(126)の一方上に形成され、前記ハニカム部(162)が、前記タービンステータブレード(128)及び前記タービンロータブレード(126)の他方上に形成され、前記カッタ歯(160)及び前記ハニカム部(162)が、前記トレンチキャビティ(150)の軸方向幅を低減するよう構成される、
請求項1に記載のシール。
【請求項3】
前記カッタ歯(160)が、前記ロータブレード(126)の後縁上に位置し、前記ハニカム部(162)が、前記ステータブレード(128)の前縁上に位置する、
請求項2に記載のシール。
【請求項4】
前記タービンロータブレード(126)が、前記タービンの作動流体の高温ガス通路内に位置し且つ該作動流体と相互作用する翼形部(130)と、ロータホイールに前記タービンロータブレード(126)を取り付ける手段と、前記翼形部(130)及び前記取付手段との間のシャンク(136)とを含み、
前記タービンステータブレード(128)が、前記タービンの作動流体の高温ガス通路内に位置し且つ該作動流体と相互作用する翼形部(130)と、前記翼形部(130)の半径方向内向きに前記作動流体の経路の内側境界を形成する内側側壁(142)と、前記内側側壁(142)の半径方向内向きに1つ又はそれ以上の回転構成部品と第2のシールを形成するダイアフラム(144)とを含む、
請求項1に記載のシール。
【請求項5】
前記トレンチキャビティ(150)の一方の縁部が前記シャンク(136)により形成され、前記トレンチキャビティ(150)の他方の縁部が前記内側側壁(142)及び前記ダイアフラム(144)の一方又は両方によって形成され、前記カッタ歯(160)が、前記シャンク(136)の後縁上に位置し、前記ハニカム部(162)が、前記内側側壁(142)の前縁上に位置する、
請求項4に記載のシール。
【請求項6】
前記タービンエンジンが少なくとも複数の運転条件を含み、前記トレンチキャビティ(150)が、前記運転条件の少なくとも1つの間に比較的狭い開口と、他の前記運転条件の少なくとも1つの間に比較的広い開口とを含むように、前記タービンエンジンが作動する前記運転条件に応じて前記トレンチキャビティ(150)の軸方向幅が変化する、
請求項1に記載のシール。
【請求項7】
前記カッタ歯(160)及び前記ハニカム部(162)の軸方向長さは、前記トレンチキャビティ(150)が最も狭いときに、前記カッタ歯(160)の外側縁部が前記ハニカム部(162)の外面に実質的に隣接するように構成される、
請求項6に記載のシール。
【請求項8】
前記カッタ歯(160)及び前記ハニカム部(162)の軸方向長さは、前記トレンチキャビティ(150)が最も狭いときに、前記カッタ歯(160)の外側縁部が前記ハニカム部(162)の外面に切り込むように構成される、
請求項6に記載のシール。
【請求項9】
前記カッタ歯(160)の長手方向軸線が前記シャンク(136)の円周方向幅の部分に沿って円周方向に整列して延びており、前記カッタ歯(160)部分が、前記シャンク(136)の円周方向の全幅よりも小さく、
前記シャンク(136)の円周方向幅のほぼ残りの部分にわたって延び且つ前記カッタ歯(160)の同じ長手方向軸線に実質的に沿って延びる歯リッジ(164)を更に備え、
前記歯リッジ(164)が、前記カッタ歯(160)が軸方向に延びる距離よりも短い距離を軸方向に延びる突出リッジを含む、
請求項4に記載のシール。
【請求項10】
前記タービンエンジンが少なくとも複数の運転条件を含み、前記トレンチキャビティ(150)が、前記運転条件の少なくとも1つの間に比較的狭い開口と、他の前記運転条件の少なくとも1つの間に比較的広い開口とを含むように、前記タービンエンジンが作動する前記運転条件に応じて前記トレンチキャビティ(150)の軸方向幅が変化し、前記カッタ歯(160)、前記歯リッジ(164)、及び前記ハニカム部(162)の軸方向長さは、前記トレンチキャビティ(150)がほぼ最も狭いときに、前記カッタ歯(160)の外側縁部が前記ハニカム部(162)の外面に切り込み、前記歯リッジ(164)の外側縁部が、前記ハニカム部(162)の外面に実質的に隣接するように構成される、
請求項9に記載のシール。
【請求項11】
前記ハニカム部(162)が取付られ、ブレードに取り付けられる前記ハニカム部(162)の表面に供給冷却空気を送給するよう構成された前記タービンブレード内に形成される冷却空気チャンネル(166)を更に備え、
前記ハニカム部(162)及び前記冷却空気チャンネル(166)が、運転中、前記トレンチキャビティ(150)内への作動流体の少なくとも一部の吸込みを阻止するエアカーテンが前記トレンチキャビティ(150)内に形成されるように構成され、前記カッタ歯(160)が、前記冷却空気の流れを前記ハニカム部(162)から前記トレンチキャビティ(150)の開口に向かって且つ前記作動流体の流れ内に偏向するよう形成され、運転中に、前記ハニカム部(162)から出る前記冷却空気の大きな割合が前記カッタ歯(160)の外寄りに衝突し、これにより前記トレンチキャビティ(150)の開口に向けて且つ前記作動流体の流れ内に偏向されるように、前記カッタ歯(160)の外側縁部が、前記ハニカム部(162)の半径方向中心の内寄りにある半径方向位置に位置付けられる、
請求項1に記載のシール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−242762(P2010−242762A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86630(P2010−86630)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】