説明

ターボ機械及びシール装置

【課題】フィンの摩耗状態等によらず、回転体と静止体との間からの作動流体の漏洩量の運転中の変動を抑制することができるターボ機械及びこれに用いるシール装置を提供する。
【解決手段】外周面の少なくとも一部に作動流体の流れ方向12の下流側に向かって径方向外側に拡径するカバー3を有する回転体100と、この回転体100の外周を覆う静止体200と、回転体100及び静止体200間の作動流体の漏洩を抑制するシール装置300とを備え、シール装置300は、回転体100のカバー3との対向部がカバー3に対応して形成されていて、カバー3とともにシール部を構成するシールフィン7と、静止体200の内周部に設けられ、シールフィン7を回転体200の軸方向に移動させる送り機構8とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気タービンやガスタービンを含むターボ機械及びこれに用いるシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービン、ガスタービンを含むターボ機械の効率は動翼を回転させる作動流体量に大きく依存する。ターボ機械では、動翼を通過しない蒸気漏洩量を減少させることが性能を向上させる上で重要であり、その意味では動翼先端と静止体との間を通過して動翼を通過しない作動流体量を抑制するシール装置は非常に重要な要素である。
【0003】
ターボ機械の性能向上を目的としたシール装置としては、ダイヤフラム・ケーシング(静止体)側とロータ(回転体)側の熱伸び差にシール間隙を対応させるため、形状記憶合金製のコイルスプリングを用いてラビリンスパッキンをロータの軸方向に移動させるものがある(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−70505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術を含め、従来の技術においては、フィンの経年劣化によるシール間隙の変化に応じてシール間隙を修正する手段、フィンの摩耗損傷を防ぐ手段がなく、フィンの経年劣化や摩耗に伴うシール性能の低下には対応することができなかった。
【0006】
本発明はこうした事情に鑑みてなされたものであり、フィンの摩耗状態等によらず、回転体と静止体との間からの作動流体の漏洩量の運転中の変動を抑制することができるターボ機械及びこれに用いるシール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、外周面の少なくとも一部に作動流体の流れ方向下流側に向かって径方向外側に拡径する面を有する回転体と、この回転体の外周を覆う静止体と、前記回転体及び前記静止体間の作動流体の漏洩を抑制するシール装置とを備え、前記シール装置は、前記回転体の拡径する面との対向部が当該拡径する面に対応して形成されていて、当該拡径する面とともにシール部を構成するシールフィンと、前記静止体の内周部に設けられ、前記シールフィンを前記回転体の軸方向に移動させる送り機構とを備えていることを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記回転体を構成する動翼翼列の後段でガスパスに接続するように前記静止体に設けられた抽気流路と、この抽気流路内の温度及び圧力の少なくとも一方を検出する検出手段と、この検出手段からの検出値に応じて前記送り機構を駆動して前記シールフィンの位置を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、前記検出手段の検出値に対して予め設定した基準値を記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、運転中、前記記憶手段に記憶された基準値に前記検出手段の検出値が近付くように前記シールフィンの位置を制御することを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、第2の発明において、運転開始時の前記検出手段の検出値である初期値を記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、運転中、前記記憶手段に記憶された初期値に前記検出手段の検出値が近付くように前記シールフィンの位置を制御することを特徴とする。
【0011】
第5の発明は、第2−第4のいずれかの発明において、前記回転体は複数段落の動翼翼列を有し、前記シールフィン、前記送り装置、前記抽気流路及び前記検出手段は各段落に設けられており、前記制御手段は、各段落の検出手段の検出値を入力し、入力した各検出信号に応じて各々対応する段落のシールフィンの位置を個別に制御することを特徴とする。
【0012】
第6の発明は、外周面の少なくとも一部に作動流体の流れ方向下流側に向かって径方向外側に拡径する面を有する回転体と、この回転体の外周を覆う静止体とを備えたターボ機械に設けられ、前記回転体及び前記静止体間の作動流体の漏洩を抑制するシール装置であって、前記回転体の拡径する面との対向部が当該拡径する面に対応して形成されていて、当該拡径する面とともにシール部を構成するシールフィンと、前記静止体の内周部に設けられ、前記シールフィンを前記回転体の軸方向に移動させる送り機構とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フィンの摩耗状態等によらず、回転体と静止体との間からの作動流体の漏洩量の運転中の変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るシール装置を設けたタービン段落の概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るシール装置の近傍を拡大して表した模式図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るターボ機械に備えられた制御装置によるシール間隙制御手順を表すフローチャートである。
【図4】シール間隙増加量と抽気圧力及び抽気圧力の上昇量との相関関係を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
本実施形態は、蒸気タービンやガスタービンを含むターボ機械において、動翼のプロフィル部を通過せずに、回転体と静止体の間、例えばダイヤフラムやケーシング等と動翼先端との間隙から漏洩する作動流体を抑制するシール装置に関するものであり、運転中の作動流体の温度、圧力等の変動を検出してシール間隙を制御するものである。
【0017】
図1は本発明の一実施形態に係るターボ機械のシール装置を設けたタービン段落の概略図である。
【0018】
本実施形態では、蒸気タービンをターボ機械の一例として本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
【0019】
本実施形態のターボ機械は、例えば、ボイラ等の蒸気発生手段(図示せず)からの作動流体(蒸気)の流体エネルギーを回転動力に変換するものであって、このターボ機械を通過した蒸気は復水器(図示せず)に送られて復水され、他の給水源からの液体とともに蒸気発生手段に送られる。
【0020】
図示したように、本実施形態のターボ機械は、作動流体の流体エネルギーを回転動力に変換する回転体100と、この回転体100の外周を覆う静止体200と、回転体100及び静止体200間の作動流体の漏洩を抑制するシール装置300と、作動流体の状態量に応じてシール装置300を制御する制御装置400(図2参照)とを備えている。
【0021】
回転体100は、外周面の少なくとも一部に作動流体の流れ方向(矢印12参照)の下流側に向かって径方向外側に拡径する面(適宜「拡径面」と記載する)を有する。本実施形態の場合、回転体100は、複数の段落を有するタービンロータであり、各段落においてはタービンホイール6の外周部に動翼2を周方向に複数配置して放射状の動翼翼列が構成されている。また、各段落において動力2の先端にはカバー3が設けられていて、周方向に隣接する動翼2同士でカバー3が連結している。但し、ここで言う「連結」とは、動翼のいわゆるアンツイスト又はプリツイストによる接触連結を言い、仮に停止時に隣接するカバー3同士が接触していなくても、少なくとも運転時には接触することを言う。本実施形態では、この動翼2の先端のカバー2が全体に作動流体の流れ方向12に向かって径方向外側に傾斜しており、先述した回転体100の外周の「拡径面」を構成している。
【0022】
なお、図のように回転体100の中心軸を含む断面で見た場合、拡径面は作動流体の流れ方向12の下流側に向かって径方向外側に傾斜していれば良く、直線的に傾斜した面であっても良いし、折れ曲がった面であっても良いし、或いは曲面であっても良い。
【0023】
静止体200は、筒状の外ケーシング14と、この外ケーシング14の内周部に筒状に設けた内ケーシング9と、内ケーシング9の内周部に設けた環状のダイヤフラム外輪5と、ダイヤフラム外輪5の内周部に周方向に複数設けた静翼1と、静翼1の内周部に設けた環状のダイヤフラム内輪4とを備えている。ダイヤフラム外輪5、ダイヤフラム内輪4、静翼1は、各段落毎において動翼翼列の上流に設けられていて、蒸気の流れ方向12の上流側の静翼1の翼列と直ぐ下流側の動翼2の翼列は同じ段落を構成する。
【0024】
このとき、外ケーシング14及び内ケーシング9には、動翼2の翼列の後段位置、具体的には動翼2と次の段落の静翼(図示せず)との間の位置において、ガスパス15に接続する抽気流路10を設けており、抽気流路10を介してガスパス15から作動流体の一部を抽気する構成としている。ガスパス15とは、作動流体の主流路であって静翼1や動翼2が配置された環状の流路を指す。抽気流路10の接続先は特に限定されないが、例えば抽気位置よりも下流側で復水器までの間の系統に適宜戻すことができる。
【0025】
抽気流路10には、抽気流路10内を流れる抽気13の温度及び圧力の少なくとも一方を検出する検出手段11が設けられている。検出手段11は、抽気温度を検出する温度センサ、抽気圧力を検出する圧力センサのいずれかを設置して温度又は圧力を検出する構成とすることもできるし、両方のセンサを設置して温度及び圧力を検出する構成とすることもできる。
【0026】
図2はシール装置300の近傍を拡大して表した模式図である。
【0027】
シール装置300は、シールフィン7と、シールフィン7によるシール間隙を調整する送り機構8とを備えている。ここで言う「シール間隙」とは、シールフィン7と回転体100の拡径面との間隙を言う。
【0028】
シールフィン7は、送り機構8を介して静止体200(本実施形態ではダイヤフラム外輪5)の内周部に取り付けられている。このシールフィン7は、回転体100の外周面(カバー3)に対向する環状の板状部材であって、回転体100の軸方向に複数枚設けられている。各シールフィン7は、作動流体の流れ方向12の下流側に設置したものほど内径が大きくなっていて、回転体100の拡径面(すなわちカバー3)との対向部が当該拡径面に対応して形成されている。すなわち、図のように回転体100の中心軸を通る断面で見た場合、各シールフィン7の内径部を結ぶ線が回転体100の拡径面の傾斜に沿うように構成されている。このような構成によって、シールフィン7は回転体100の当該拡径面とともにシール部を構成し、回転体100と静止体200との間隙を狭めて作動流体の漏洩を抑制する。
【0029】
送り機構8は、駆動装置によって各シールフィン7を保持した環状のリング16を回転体100の軸方向に移動させる機構であり、静止体200(ダイヤフラム外輪5)の内周部に設けられていて、リング16とともにシールフィン7を回転体100の軸方向に移動させることで、シール間隙を調整する。送り機構8に用いられる駆動装置には、ボールネジ等のネジをモータ(油圧モータ等)で回転駆動させることによってネジの軸方向にリング16を移動させるネジ送り機構を用いているが、シリンダ等の他の駆動装置や機構を適宜組み合わせた構成を適用することもできる。この送り機構8は、制御装置400から入力される指令信号によって駆動し、また送り機構8のストローク位置は制御装置400に出力される。
【0030】
制御装置400は、抽気流路10に設けた検出手段11からの検出値に応じて送り機構8を駆動してシールフィン7の位置を制御するものである。特に図示していないが、制御装置400には、検出手段11の検出値に対して予め設定した基準値を記憶する記憶手段が備えられており、制御装置400は、運転中、記憶手段に記憶された基準値に検出手段11の検出値が近付くようにシールフィン7の位置を制御する。
【0031】
図3は制御装置400によるシール間隙制御手順を表すフローチャートである。
【0032】
図3に示したように、運転が開始されたら、制御装置400は検出手段11からの検出値を入力し(ステップS101)、記憶手段から読み出した基準値と入力された検出値を比較し、その偏差の有無を判定する(ステップS102)。このステップS102においては、検出値が基準値に一致した場合にのみ“偏差無し”と判定することとすることもできるし、偏差に一定の許容の幅を持たせ、算出した偏差が許容値以内であれば“偏差無し”と判定することとすることもできる。偏差の幅は、例えば、作動流体の圧力・温度の変動による抽気圧力・抽気温度の変動や軸振動等によるシール間隙値の変動を考慮した上で決定する。
【0033】
ステップS102の手順で“偏差有り”と判定した場合、制御装置400は、ステップS103に手順を移してシールフィン7の位置を調整する。シールフィン7の位置調整の手順では、ステップS102で算出した偏差が基準値よりも大きければ、シールフィン7がカバー3に押し付けられない範囲で、偏差量に応じて作動流体の流れ方向12の下流側にシールフィン7を移動させ、シール間隙を狭める。反対に、ステップS102で算出した偏差が基準値よりも小さければ、偏差量に応じて作動流体の流れ方向12の上流側にシールフィン7を移動させ、シール間隙を広げる。
【0034】
ステップS103の手順を実行したら、制御装置400は、手順をステップS101に戻し、ステップS102で“偏差無し”と判定したら図3の手順を終了する。制御装置400は、運転中、この一連の手順を繰り返し実行し、適正なシール間隙の維持を図る。
【0035】
なお、本実施形態では、制御装置400の記憶部に予め設定した基準値を記憶しておき、運転中に検出手段11の検出値が基準値に近付くように制御することとしたが、予め設定した基準値の代わりに初期値を記憶手段に記憶しておき、運転中、制御装置400が記憶手段に記憶された初期値に検出手段11の検出値が近付くようにシールフィン7の位置を制御する構成としても良い。ここで言う「初期値」とは、運転開始時(例えば定常運転の開始時であって定常運転への移行時点)の検出手段11の検出値である。
【0036】
また、本実施の形態では1つの段落しか図示していないが、回転体100と静止体200の間のシール手段は各段落に同様に設置することが望ましい。そのうち、全段落のシール手段に本実施形態のシール装置300を適用することが望ましいが、部分的に適用する場合には、作動流体の温度が高く回転体100と静止体200の熱伸び差が大きくなり易い上流側の段落から優先適用することが望ましい。抽気流路10と検出手段11は、基本的にはシール装置300を設置した段落にそれぞれ設けることが望ましく、各段落でそれぞれ抽気13の状態量(圧力又は/及び温度)をモニタしつつ段落毎にシール間隙を独立して制御することが望ましい。但し、シール装置300を設けた複数の段落の全段又は一区分につき、抽気13の状態量を代表してモニタする段落を1つ定め、当該段落の抽気13の状態量を基に、全てのシール装置300又は当該段落を含む区分の複数のシール装置300を制御する構成とすることもできる。
【0037】
本実施形態の作用効果について説明する。
【0038】
本願発明者等は、上記のように抽気流路10を設けた場合、そこを流れる抽気13の圧力及び温度にはシール間隙量との間に相関関係が生じることを知見した。すなわち、シール間隙が拡大するとシール間隙を通過する作動流体の漏洩量が増加するので、直後に設けた抽気流路10に当該漏洩作動流体がそれだけ多く流入することになる。漏洩作動流体は、動翼2を通過していない(仕事をしていない)ため、圧力及び温度の低下が少ない。したがって、漏洩作動流体の流入量が増加すれば、抽気圧力及び抽気温度は上昇する。抽気温度の上昇量は、シール間隙からの漏洩作動流体の増加量と比例関係にあり、シール間隙からの漏洩作動流体の増加量はシール間隙の増加量に比例する。すなわち、図4に示すように、シール間隙の増加量と抽気温度の上昇量は比例関係となる。また、抽気温度と抽気圧力は比例関係にあるため、抽気圧力の上昇量もシール間隙の増加量に比例する(図4参照)。
【0039】
したがって、先に図3のフローチャートで説明したように、抽気温度や抽気圧力が上昇した場合には、シール間隙を狭め、シール部の作動流体漏洩量を抑制することができるので、シールフィン7が経年劣化しても一定のシール性能を発揮させることができる。また、抽気温度や抽気圧力が基準を下回り、シールフィン7が回転体100に近付き過ぎていることが想定される場合には、シール間隙が拡大されるので、シールフィン7の摩耗抑制の効果も得られ、製品寿命を延ばすことができる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、運転中の抽気圧力や抽気温度の変化からシール間隙の変化を算出するため、運転を停止することなくシールフィン7の位置を常時調整することが可能であり、シールフィン7の摩耗状態等によらず、回転体100と静止体200との間からの作動流体の漏洩量の運転中の変動を抑制することができる。従来においては、そもそも運転中のシール間隙量の変化を捉えることが困難であったため、シール間隙をある程度一定に調整することが困難であったが、本実施形態では抽気流路11を設置することによってそれを実現することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、動翼2の先端と静止体200との間のシール部にシール装置300を設けた場合を例に挙げて説明したが、例えばダイヤフラム内輪4の内周部とタービンホイール6との間のシール部500(図1参照)等、回転体100と静止体200の間の他のシール部にシール装置300を適用することもできる。
【符号の説明】
【0042】
1 静翼
2 動翼
3 カバー
4 ダイヤフラム内輪
5 ダイヤフラム外輪
6 タービンホイール
7 シールフィン
8 送り機構
9 内ケーシング
10 抽気流路
11 検出手段
12 作動流体の流れ方向
13 抽気
14 外ケーシング
15 ガスパス
16 リング
100 回転体
200 静止体
300 シール装置
400 制御装置
500 シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面の少なくとも一部に作動流体の流れ方向下流側に向かって径方向外側に拡径する面を有する回転体と、
この回転体の外周を覆う静止体と、
前記回転体及び前記静止体間の作動流体の漏洩を抑制するシール装置とを備え、
前記シール装置は、
前記回転体の拡径する面との対向部が当該拡径する面に対応して形成されていて、当該拡径する面とともにシール部を構成するシールフィンと、
前記静止体の内周部に設けられ、前記シールフィンを前記回転体の軸方向に移動させる送り機構と
を備えていることを特徴とするターボ機械。
【請求項2】
請求項1のターボ機械において、
前記回転体を構成する動翼翼列の後段でガスパスに接続するように前記静止体に設けられた抽気流路と、
この抽気流路内の温度及び圧力の少なくとも一方を検出する検出手段と、
この検出手段からの検出値に応じて前記送り機構を駆動して前記シールフィンの位置を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とするターボ機械。
【請求項3】
請求項2のターボ機械において、
前記検出手段の検出値に対して予め設定した基準値を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、運転中、前記記憶手段に記憶された基準値に前記検出手段の検出値が近付くように前記シールフィンの位置を制御する
ことを特徴とするターボ機械。
【請求項4】
請求項2のターボ機械において、
運転開始時の前記検出手段の検出値である初期値を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、運転中、前記記憶手段に記憶された初期値に前記検出手段の検出値が近付くように前記シールフィンの位置を制御する
ことを特徴とするターボ機械。
【請求項5】
請求項2−4のいずれかのターボ機械において、
前記回転体は複数段落の動翼翼列を有し、
前記シールフィン、前記送り装置、前記抽気流路及び前記検出手段は各段落に設けられており、
前記制御手段は、各段落の検出手段の検出値を入力し、入力した各検出信号に応じて各々対応する段落のシールフィンの位置を個別に制御する
ことを特徴とするターボ機械。
【請求項6】
外周面の少なくとも一部に作動流体の流れ方向下流側に向かって径方向外側に拡径する面を有する回転体と、この回転体の外周を覆う静止体とを備えたターボ機械に設けられ、前記回転体及び前記静止体間の作動流体の漏洩を抑制するシール装置であって、
前記回転体の拡径する面との対向部が当該拡径する面に対応して形成されていて、当該拡径する面とともにシール部を構成するシールフィンと、
前記静止体の内周部に設けられ、前記シールフィンを前記回転体の軸方向に移動させる送り機構と
を備えていることを特徴とするシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−64171(P2011−64171A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217125(P2009−217125)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】