説明

ダイヤモンド研磨装置及びダイヤモンド研磨方法

【課題】被研磨物にコーティングされたダイヤモンドを短時間で効率よく研磨すること。
【解決手段】ダイヤモンド研磨装置1は、被研磨物のダイヤモンドコーティングDbと線接触あるいは面接触して該ダイヤモンドコーティングDbを研磨する研磨工具20と、研磨工具20に超音波を印加する超音波振動系30と、研磨工具20を一定荷重でダイヤモンドコーティングDbに押し付けるように制御する荷重制御機構35と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被研磨物にコーティングされたダイヤモンドを研磨する装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
耐摩耗性や潤滑性に優れたダイヤモンドを金型や工具など(以下では「金型等」という)に用いると、無潤滑でプレス加工、引抜き加工、打ち抜き加工、切削加工などが可能となるが、ダイヤモンドから金型等を作成することは容易ではない。化学蒸着法によれば金型等の必要部分だけにダイヤモンド膜を容易に形成できるが、コーティング後の表面粗さは大きく、表面を平滑に研磨しなければ使用することができない。
【0003】
コーティングされたダイヤモンド膜の研磨は、砥石や遊離砥粒を用いて機械的に行なわれていたが、高硬度のダイヤモンドの研磨は難しく、研磨に多くの時間が必要となることや、研磨精度が得られないなどの問題があった。
【0004】
この問題を解決するためにいくつかの方法が提案されてきた。例えば、下記特許文献1,2には、研磨用工具をダイヤモンド表面に高荷重で押付けると同時に高速回転させながら摺動させる方法が記載されている。また、下記特許文献3には、高温において金属と化学反応させることによりダイヤモンド膜の平滑化を行う方法が記載されている。更に、下記特許文献4には、ダイヤモンド結晶と反応しやすい金属を用いた研磨工具に超音波を印加し、その研磨工具を被研磨面に点接触させ押し付けながら研磨する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2001−198833号公報
【特許文献2】特開平8−217597号公報
【特許文献3】特開平7−328909号公報
【特許文献4】特開2005−231022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1,2に記載の円盤を高速回転させる方法では、装置が複雑になるばかりでなく、単純形状の金型等しか研磨できず、複雑形状や微少孔などを有する金型等を研磨できない。一方、上記特許文献4に記載されているような、超音波を印加しながら研磨する方法は、複雑形状や微少孔などを有する金型等の研磨を可能にする。しかし、ダイヤモンドと研磨工具とが点接触状態であったり、振動の周波数が低くその振幅が大きかったりすると、熱伝導率の大きなダイヤモンドの研磨に必要な熱化学反応を充分生じさせることができない。また、上述したいずれの方法も基本的には研磨用工具をダイヤモンド表面に押し付けるだけであり、研磨量の制御が困難である。加えて、それらの方法では金型として要求される研磨精度を得ることは到底できない。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、被研磨物にコーティングされたダイヤモンドを短時間で効率よく研磨することが可能なダイヤモンド研磨装置及びダイヤモンド研磨方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のダイヤモンド研磨方法は、超音波を印加した研磨工具を被研磨物のダイヤモンド表面に線接触あるいは面接触させ、一定荷重で押し付けるように制御することで、該ダイヤモンド表面を研磨することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のダイヤモンド研磨装置は、被研磨物のダイヤモンド表面と線接触あるいは面接触して該ダイヤモンド表面を研磨する研磨工具と、研磨工具に超音波を印加する印加手段と、研磨工具を一定荷重でダイヤモンド表面に押し付けるように制御する制御手段と、を備える。
【0010】
このようなダイヤモンド研磨装置及びダイヤモンド研磨方法によれば、研磨工具とダイヤモンド表面とが線または面で接触するので、ダイヤモンドを伝わって接触部分近傍に放散される熱量が相対的に減少する。また、研磨工具とダイヤモンドとが一定荷重で接触するので、接触部分において常に安定した状態で熱供給することが可能になる。これにより、超音波振動によりダイヤモンド表面と研磨工具との接触部分に生じる摩擦熱あるいは反応熱を安定して発生させ、且つ効率よく利用することができ、その結果、ダイヤモンドを短時間で効率よく研磨することができる。
【0011】
本発明のダイヤモンド研磨方法では、研磨工具とダイヤモンド表面との接触部分の面積が該ダイヤモンド表面の面積と略同一であることが好ましい。
【0012】
この場合、ダイヤモンド表面を伝わって接触部分近傍に放散される熱量が減少するので、研磨面を短時間で且つ精度良く滑らかにすることができる。
【0013】
本発明のダイヤモンド研磨方法では、ダイヤモンド表面を研磨する際に、研磨工具に形成された溝を介して研磨粉を排出する工程を含むことが好ましい。
【0014】
この場合、研磨粉が研磨工具の溝を介して排出されるので、研磨面付近で研磨粉が凝着するのを防止することができる。
【0015】
本発明のダイヤモンド研磨装置では、研磨工具及び被研磨物のうち少なくとも一つを移動させる移動手段を更に備えることが好ましい。
【0016】
この場合、研磨工具又は被研磨物の位置を変えることで、研磨面を短時間で滑らかにすることができる。
【発明の効果】
【0017】
このようなダイヤモンド研磨装置及びダイヤモンド研磨方法によれば、被研磨物にコーティングされたダイヤモンドを短時間で効率よく研磨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態に係るダイヤモンド研磨装置の構成を示す模式図である。
【図2】実施形態に係るダイヤモンド研磨装置の構成を示す模式図である。
【図3】図1に示す超音波振動系の平面図である。
【図4】図1に示す超音波振動系の側面図である。
【図5】研磨されたダイヤモンド表面を示す写真である。
【図6】図1に示すダイヤモンド研磨装置でパンチを研磨している状態を示す図である。
【図7】(a)は研磨前のダイヤモンド表面の粗さを示すグラフであり、(b)は研磨後のダイヤモンド表面の粗さを示すグラフである。
【図8】変形例に係るダイヤモンド研磨装置の構成を示す模式図である。
【図9】変形例に係るダイヤモンド研磨装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
まず、図1〜4を用いて、実施形態に係るダイヤモンド研磨装置1の構成を説明する。図1,2はダイヤモンド研磨装置1の構成を示す模式図である。図3,4はそれぞれ、図1に示す超音波振動系30の平面図及び側面図である。
【0021】
ダイヤモンド研磨装置1は、被研磨物の表面にコーティングされたダイヤモンドを研磨する装置である。例えば、ダイヤモンド研磨装置1は金型や工具などのダイヤモンド表面を研磨するが、被研磨物の種類は限定されず、ダイヤモンド研磨装置1は任意の部材のダイヤモンド表面を研磨することが可能である。
【0022】
ダイヤモンド研磨装置1は、テーブル(移動手段)10、研磨工具20、超音波振動系(印加手段)30及び振動系取付部(移動手段)40を備えている。
【0023】
テーブル10は、ダイヤモンドがコーティングされた被研磨物を支持及び固定する部材である。図2に示すように、テーブル10は駆動手段(図示せず)により回転及び傾斜することができる。なお、被研磨物を固定する手段はテーブル10に限定されず、例えばアームなどを用いてもよい。
【0024】
図1,2に示す例では、テーブル10は上下方向に貫通孔Daが形成されたダイスDを支持している。ここで、貫通孔Daの上部は上に向かってテーパ状に広がっており、該上部には、化学的蒸着法によりダイヤモンドコーティングDbが施されている。
【0025】
研磨工具20は、ダイヤモンドコーティング(ダイヤモンド表面)Dbを研磨する器具である。研磨工具20は、上下方向に延びる軸部21と、その軸部21の下端に取り付けられた円盤状の研磨部22とを備えている。研磨部22の側面には上下方向に延びる複数の溝23が一定間隔で形成されている。この溝23は研磨粉を排出するために設けられている。
【0026】
超音波振動系30は、超音波を印加することで研磨工具20を振動させる装置である。超音波振動系30は、図3,4に示すように、上下方向に延びる支持部材(移動手段)51と、その支持部材51に取り付けられた水平方向に延びる台52とにより支持及び固定されている。支持部材51はX,Y,Z方向に移動可能である。本実施形態では超音波振動系30を固定したが、どこにも固定されない携帯型の超音波振動系を用いてもよい。
【0027】
超音波振動系30は、圧電セラミックス31aを有する超音波振動子31と、その超音波振動子31の下端にねじ止めされたコーン32と、そのコーン32の下端にねじ止めされたホーン33と、スリーブ34とを備えている。ホーン33の下端には研磨工具20がねじで連結されている。コーン32は、振幅を拡大するために段付きとなっており、また、支持を安定させるために二段連結されている。コーン32は、図示しないベアリングを介してスリーブ34に取り付けられている。スリーブ34は台52を貫通するようにその台52に固定されている。
【0028】
超音波振動系30は、台52上に取り付けられた荷重制御機構(制御手段)35により上下方向に移動し、これにより研磨工具20を所定の荷重でダイヤモンドコーティングDbに押し付ける。荷重制御機構35はアクチュエータ35a、運動伝達手段35b、ロードセル35c及びブランジャー35dを備えている。超音波振動系30は、アクチュエータ35aの直線運動が運動伝達手段35bを介して伝わることで上下方向に移動する。ダイヤモンドコーティングDbに加えられた荷重はロードセル35cにより検出され、その検出結果に基づいて、研磨工具20を一定荷重でダイヤモンドコーティングDbに押し付けるようにアクチュエータ35aの位置が変更される。ブランジャー35dはアクチュエータ35aとロードセル35cとの間に設けられ、アクチュエータ35aがロックするのを防止する。
【0029】
超音波は、超音波振動子31の圧電セラミックス31aの両端に高周波の電流を流すことによって発生し、研磨工具20に伝達される。すると、超音波振動によって研磨工具20とダイヤモンドコーティングDbとの間に摩擦熱が発生し、ダイヤモンドコーティングDbから炭素が分離する。超音波を用いるのは、ダイヤモンドコーティングDbから炭素を除去するための熱化学反応を効率よく生じさせることができるからである。なお、超音波を発生させる手段は限定されるものではなく、高周波の振動を得ることができる任意の装置を用いてよい。
【0030】
研磨工具20とダイヤモンドコーティングDbとの接触部分に加わるエネルギーは、印加される超音波の条件と次のような関係になると考えられる。超音波振動による単位時間あたりの運動エネルギーEは、E=μP・2πfξで表される。ここで、μは摩擦係数、Pは接触面に加わる垂直荷重、fは振動周波数、ξは振動振幅である。振幅ξで振動することによって生じる研磨工具20の掃引面積Sは、S=l・(d+2ξ)と表せる。ここで、lは接触面積の振動方向に垂直な部分の長さ、dは振動方向に平行な部分の長さである。dがξより大きければ、超音波振動中に研磨工具20とダイヤモンドコーティングDbとが常に接している部分が生じ、その面積Sは、S=l・(d−2ξ)となる。
【0031】
研磨工具20の運動エネルギーが全て熱エネルギーに変換されるとすると、超音波振動による熱化学反応に有効な単位時間あたりのエネルギーEは、E=kS・μP・2πfξ=2πklμPf(dξ−2ξ)となる。ここで、kS<1であり、kは接触面及びその周囲から放散する熱量に比例する係数である。
【0032】
すなわち、摩擦面に生ずる熱量は、押付け荷重や超音波の周波数が大きいほど大きくなり、振動振幅が研磨工具20とダイヤモンドコーティングDbとの接触面の振動方向に平行な部分の長さの1/2で最大となる。
【0033】
周波数が大きすぎると凝着が起きやすくなり適切ではない。周波数は、最大でも数メガヘルツ程度が好ましい。また、振幅が大きすぎると熱効率が悪くなり適切ではない。熱効率の最も良い振幅が好ましいが、振動周波数が高くなると凝着が起きやすくなるので、振幅は、研磨工具20とダイヤモンドコーティングDbとの接触面の振動方向に平行な部分の長さの1/2より小さくするのが好ましい。
【0034】
図1に戻って、振動系取付部40は、超音波振動系30を支持する部分である。この振動系取付部40はX,Y,Z方向に移動可能である。
【0035】
次に、ダイヤモンド研磨装置1を用いて被研磨物のダイヤモンド表面を研磨する方法を説明する。まず、被研磨物をテーブル10に載せて固定し、テーブル10、振動系取付部40又は支持部材51を移動させて研磨工具20と被研磨物との相対位置を調整する。続いて、荷重制御機構35により超音波振動系30を下方に移動させることで、超音波が印加されている研磨工具20を被研磨物のダイヤモンド表面に線接触あるいは面接触させる。続いて、荷重制御機構35を制御して研磨工具20を一定荷重でダイヤモンド表面に押し付けて、ダイヤモンド表面を研磨する。このとき、研磨工具に形成された溝を介して研磨粉が排出される。
【0036】
以上説明したダイヤモンド研磨装置1によれば、研磨工具20とダイヤモンドコーティングDbとが線または面で接触するので、ダイヤモンドを伝わって接触部分近傍に放散される熱量が相対的に減少する。また、研磨工具20とダイヤモンドとが一定荷重で接触するので、接触部分において常に安定した状態で熱供給することが可能になる。これにより、超音波振動によりダイヤモンドコーティングDbと研磨工具20との接触部分に生じる摩擦熱あるいは反応熱を安定して発生させ、且つ効率よく利用することができ、その結果、ダイヤモンドを短時間で効率よく研磨することができる。また、金型や工具に必要な研磨精度を得ることができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、研磨粉は溝23を経由して排出されるので、研磨面付近で研磨粉が凝着するのを防止することができる。
【0038】
また、本実施形態では、研磨工具20又は被研磨物(例えばダイスD)の位置を変えることが可能なので、研磨面を短時間で滑らかにすることができる。
【実施例】
【0039】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。
【0040】
(実施例1)
図1に示すダイスDのダイヤモンドコーティングDbを研磨した結果を図5に示す。テーブル10に固定されたダイスDを回転及び傾斜させ、研磨工具20に一定荷重を加えながら研磨を行った。研磨条件は、周波数27kHz、振動振幅10μmp−p、押付け荷重50N、接触面積3mmとした。その結果、図5に示すように、ダイヤモンドコーティングDbが非常に滑らかに研磨された。一方、周波数、振動振幅及び押付け荷重を上記と同じとし、接触面積を小さくして点接触に近い状態で研磨を行ったところ、図5に示すような良好な結果を得ることはできなかった。
【0041】
(実施例2)
図6に示すように、パンチPの上面及び側面上部に施されたダイヤモンドコーティング(ダイヤモンド表面)Paを図1に示すダイヤモンド研磨装置1を用いて研磨した。研磨前後のダイヤモンドコーティングDbの粗さを図7(a)及び(b)に示す。図7の各グラフの縦軸は粗さ(μm)を示し、横軸はダイヤモンドコーティングPaの水平方向の範囲(μm)を示す。
【0042】
研磨前のダイヤモンドコーティングPaは、図7(a)のグラフが示すように非常に粗く、算術平均粗さRa=0.489μm、最大高さ粗さRz=3.079μmであった。このダイヤモンドコーティングPaを、周波数27kHz、振動振幅10μmp−p、押付け荷重50N、接触面積3mmという条件で研磨したところ、図7(b)に示すような良好な結果が得られた。具体的には、算術平均粗さRa=0.056μm、最大高さ粗さ=0.365μmとなり、ダイヤモンドコーティングPaを非常に滑らかにすることができた。一方、周波数、振動振幅及び接触面積を変更せずに押付け荷重を90Nとして研磨したところ、図7(b)に示すような良好な結果を得ることはできなかった。
【0043】
したがって、押付け荷重は、周波数27kHz且つ振動振幅10μmp−pの場合には、90N未満あるいは30×10N/m未満が好ましいと考えられ、例えば1〜85N、あるいは3×10N/m以上30×10N/m未満とすることが好ましい。最適な押付け荷重は、周波数や振動振幅によって変化する。
【0044】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で以下のような様々な変形が可能である。
【0045】
例えば図8に示すように、上記実施形態におけるテーブル10、研磨工具20及び振動系取付部40に代えてテーブル15、研磨工具25及び振動系取付部45を備えたダイヤモンド研磨装置2を用いてもよい。テーブル15はX,Y方向に移動可能であり、振動系取付部45はZ方向に移動可能である。研磨工具25を構成する研磨部25aの径は、ダイスDの貫通孔Daの径と同一あるいは略同一である。図8には示していないが、研磨粉を排出するための溝を研磨部25aに設けてもよい。
【0046】
また、図9に示すように、ダイヤモンド研磨装置2の研磨工具25に代えて研磨工具26を備えたダイヤモンド研磨装置3を用いてもよい。研磨工具26の研磨部26aは、貫通孔Daの上部のほぼ全体と接することができるように加工されており、その結果、研磨工具26とダイヤモンドコーティングDbとの接触部分の面積がダイヤモンドコーティングDbの面積と略同一になっている。図9には示していないが、研磨粉を排出するための溝を研磨部26aに設けてもよい。
【0047】
このようなダイヤモンド研磨装置2あるいはダイヤモンド研磨装置3を用いれば、ダイヤモンドコーティングDbを伝わって接触部分近傍に放散される熱量が減少するので、研磨面を短時間で且つ精度良く滑らかにすることができる。
【0048】
上記ダイヤモンド研磨装置1では、超音波振動系30がX,Y,Z方向に移動可能であったが、被研磨物を支持する手段(例えばテーブルやアーム)をX,Y,Z方向に移動可能としてもよい。研磨工具とダイヤモンド表面との接触部分に一定の荷重を加えることができるならば、移動手段の構成は限定されない。
【符号の説明】
【0049】
1,2,3…ダイヤモンド研磨装置、10,15…テーブル(移動手段)、20,25,26…研磨工具、22,25a,26a…研磨部、23…溝、30…超音波振動系(印加手段)、31…超音波振動子、35…荷重制御機構(制御手段)、40,45…振動系取付部(移動手段)、D…ダイス(被研磨物)、P…パンチ(被研磨物)、Db,Pa…ダイヤモンドコーティング(ダイヤモンド表面)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を印加した研磨工具を被研磨物のダイヤモンド表面に線接触あるいは面接触させ、一定荷重で押し付けるように制御することで、該ダイヤモンド表面を研磨することを特徴とするダイヤモンド研磨方法。
【請求項2】
前記研磨工具と前記ダイヤモンド表面との接触部分の面積が該ダイヤモンド表面の面積と略同一である、請求項1に記載のダイヤモンド研磨方法。
【請求項3】
前記ダイヤモンド表面を研磨する際に、前記研磨工具に形成された溝を介して研磨粉を排出する工程を含む、請求項1又は2に記載のダイヤモンド研磨方法。
【請求項4】
被研磨物のダイヤモンド表面と線接触あるいは面接触して該ダイヤモンド表面を研磨する研磨工具と、
前記研磨工具に超音波を印加する印加手段と、
前記研磨工具を一定荷重で前記ダイヤモンド表面に押し付けるように制御する制御手段と、
を備えるダイヤモンド研磨装置。
【請求項5】
前記研磨工具及び前記被研磨物のうち少なくとも一つを移動させる移動手段を更に備える、請求項4に記載のダイヤモンド研磨装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−179394(P2010−179394A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24032(P2009−24032)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、経済産業省、地域イノベーション創出研究開発 委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(506209422)地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター (134)
【出願人】(509035565)有限会社ノンク (1)
【Fターム(参考)】