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ダイヤモンド粒子を含む非付着性被膜組成物および前記組成物が適用された基材
説明

ダイヤモンド粒子を含む非付着性被膜組成物および前記組成物が適用された基材

【課題】非付着性、耐摩耗性に優れた被覆材の提供。
【解決手段】比較的大きなサイズ、すなわち、1マイクロメートルより大きい、好ましくは10マイクロメートルより大きいダイヤモンド粒子と、フルオロポリマーとを含む非付着性被膜組成物を基材に適用することができる。さらに、基材と、前記基材に適用された下塗り被膜とを含む構造物であって、前記下塗り被膜が、耐熱性非フルオロポリマーポリマーバインダーとダイヤモンド粒子とを含むプライマー層と、場合により、同様にダイヤモンド粒子を含む中塗り被膜とを含む、構造物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非付着性被膜組成物の分野であり、このような組成物で被覆された基材に関する。特に、このような組成物がダイヤモンド粒子を含む。
【背景技術】
【0002】
すぐれた耐磨耗性および剥離の両方を有する金属基材上の耐久性非付着性被膜を達成することが長い間望ましかった。特に調理用具のための非付着性被膜は本技術分野に公知である。フルオロポリマー樹脂は、これらの樹脂が低い表面エネルギーならびに耐熱性および耐化学薬品性を有するので、しばしばこれらの被膜において用いられる。このようなポリマーは、調理された食品品目を剥離し、容易に清浄にされ、耐汚染性であると共に調理およびベーキング温度において有用である表面を製造する。しかしながら、フルオロポリマー樹脂だけをベースとした非付着性被膜は、金属基材への不十分な接着性を有する。従って、基材への良好な接着性、調理用途において食品粒子の良好な剥離、および被膜の表面の磨耗を限度以下にする良好な耐磨耗性を達成するために非付着性被膜を最適にすることは課題であった。
【0003】
特に、改良された耐磨耗性の分野において、この問題への解決は、米国特許公報(特許文献1)(トーマス(Thomas)ら)、米国特許公報(特許文献2)(トーマスら)、および米国特許公報(特許文献3)(タネンバウム(Tannenbaum))に提案されており、それらの開示は、非付着性被膜組成物および粘着性を生じさせるための基材へのそれらの適用、高い耐磨耗性被膜を記載する。これらの耐磨耗性被膜組成物は大きなセラミック粒子を混入し、被膜表面から研磨力をそらすことができる。
【0004】
また、耐磨耗性は(特許文献4)(ガゾ(Gazo)ら)に扱われており、そこでは、アルミニウム基材上で使用するための非付着性被膜には、アルミニウム表面上に堆積された耐磨耗性粒子を混入するセラミック基材があり、フルオロポリマー上塗り被膜がセラミック基材の上に堆積される。ダイヤモンド粒子が、耐磨耗性粒子の可能な候補として開示されている。金属上の非付着性被膜においてのダイヤモンド粒子の使用は、(特許文献5)(ホルト(Hort))に開示されている。ホルトにおいて、非付着性被膜を適用する前に金属基材に適用される、酸化アルミニウム/酸化チタンの硬質基層に、高い熱伝導率を有することが知られているダイヤモンド粒子を好ましくは混入して良好な熱伝導率を有する非常に硬質の被膜を生じる。また、PTFEのカバー層を適用する前に硬質基層上に適用される、事実上フルオロシランの層にダイヤモンド粒子を混入することが開示されている。ホルトは、このような構造物が基材と非付着性被膜との間の熱バリアを低減し、より均一な温度を、被覆された基材の表面上に達成することを可能にすることを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,291,054B1号明細書
【特許文献2】米国特許第6,592,977号明細書
【特許文献3】米国特許第6,761,964号明細書
【特許文献4】国際公開第00/56537号パンフレット
【特許文献5】欧州特許第1048751号明細書
【特許文献6】米国特許第4,014,834号明細書
【特許文献7】米国特許第5,079,073号明細書
【特許文献8】米国特許第5,250,356号明細書
【特許文献9】米国特許第4,380,618号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】シャッケルフォード(Shackelford)およびアレクサンダー(Alexander)著、CRC Materials Science and Engineering Handbook、フロリダ州、ボカラトン(BocaRaton FL)のCRC出版(CRC Press)、1991年
【非特許文献2】the Handbook of Chemistry、第77版、12−186、187ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非付着性被膜の耐磨耗性の増加を達成する系について記載する近年の開示における教示にもかかわらず、良好な剥離を維持したまま、被覆された基材の耐久性および耐摩耗性をさらに改良することが依然として望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
非付着性被膜中にダイヤモンド粒子を使用することによって被膜の耐磨耗性を増加させることが見出された。具体的には、多層系の層中のダイヤモンド粒子の選択および配置、ダイヤモンド粒子の粒径の選択および被膜組成物中のダイヤモンド粒子と無機充填剤フィルム硬化剤のセラミック粒子との組合せによって、先行技術系において確認されていないこのような被膜の耐磨耗度の改良を達成することができる。
【0009】
特に、ダイヤモンド粒子を非付着性被膜の下塗り被膜に、具体的にはプライマー、中塗り被膜に、またはプライマーおよび中塗り被膜の両方に配置することによって、特に良好な耐磨耗性を提供することが見出された。
【0010】
従って、本発明によって、基材と、前記基材に適用された非付着性被膜とを含む構造物が提供される。前記被膜は、下塗り被膜および上塗り被膜を含み、下塗り被膜は、基材に付着された非フルオロポリマー含有バインダーを含有するプライマーを含む。下塗り被膜はダイヤモンド粒子を含有する。下塗り被膜は、中塗り被膜をさらに含んでもよく、中塗り被膜はダイヤモンド粒子を含有する。
【0011】
さらに、本発明によって、フルオロポリマーを含有する液体組成物と、ダイヤモンド粒子とを含む非付着性組成物が提供され、そこでダイヤモンド粒子は、1マイクロメートルより大きい、好ましくは10マイクロメートルより大きい粒径を有する。このような組成物は、下塗り被膜組成物として特に有用である。
【0012】
また、耐磨耗性においての利点は、ダイヤモンド粒子を上塗り被膜中に置くことによって実現されている。従って、さらに本発明によって、基材と、前記基材に適用された非付着性被膜とを含む構造物が提供され、前記被膜が下塗り被膜と上塗り被膜とを含み、前記上塗り被膜がダイヤモンド粒子を含み、前記下塗り被膜が無機フィルム硬化剤のセラミック粒子を含み、無機フィルム硬化剤の前記セラミック粒子が、1200より大きいヌープ硬度を有する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明によって、非付着性被膜組成物が基材に付着される。基材は、金属およびセラミックなど、焼成温度に耐えることができるどんな材料であってもよい。本発明の非付着性被膜組成物は、下塗り被膜または上塗り被膜中に様々な形態においてダイヤモンド粒子を被膜組成物に混入することによってすぐれた耐磨耗性を達成する。「下塗り被膜」とは、プライマー(またはプライマー層)または1つまたは複数の中間(本明細書において中塗り被膜とも称される)層、または両方であってもよい表面被膜(上塗り被膜)の下のいずれかの被膜を意味する。具体的に、ダイヤモンド粒子は、プライマーまたは中塗り被膜のどちらか、好ましくはプライマーおよび中塗り被膜の両方において多層非付着性系の下塗り被膜に、または上塗り被膜に混入される。ダイヤモンド粒子が下塗り被膜にある好ましい実施態様において、無機フィルム硬化剤のセラミック粒子もまた、下塗り被膜に含有される。ダイヤモンド粒子が上塗り被膜に含有される実施態様において、無機フィルム硬化剤のセラミック粒子、特に炭化ケイ素がプライマーに含有される。
【0014】
(ダイヤモンド粒子)
8000〜8500kg/mm2の範囲のヌープ硬度を有するダイヤモンド粒子を添加することによって表面硬度を増加させ、従って、被膜の耐磨耗性を増加させる。ヌープ硬度は、凹みまたは引っ掻きに対する材料の耐性を記述するための尺度である。鉱物およびセラミックの硬度の値は、(非特許文献1)からの基準物質に基づいて、(非特許文献2)に記載されている。
【0015】
ダイヤモンド粒子は炭素結晶性材料である。本発明に用いられるダイヤモンド粒子は好ましくは単結晶である。これらの粒子は、よく制御された粒径、形状および表面性質を有する。「よく制御された粒径」とは、粒子が、狭い分布を有する狭い平均粒径を有することを意味する。このようなダイヤモンド粒子は典型的に、研磨適用において用いられる。
さらに好ましい粒子は、靭性であり破壊に耐える、良好な耐衝撃性を有する均一な塊状形状を有する。また、好ましい粒子は、きれいなダイヤモンド表面を特徴とする。
【0016】
好ましくは、ダイヤモンド粒子は、質量粒径中央値(D50)(本明細書において、単に粒径中央値と称されてもよい)が1マイクロメートルより大きく、好ましくは10マイクロメートルより大きい。前記粒子は約1〜60マイクロメートルの範囲、好ましくは約10〜60マイクロメートルの範囲およびより好ましくは約15〜50マイクロメートルの範囲である。固形分に基づいて好ましくは1〜10重量%のダイヤモンド粒子が本発明の被膜組成物において用いられる。望ましい表面硬度特性を提供するために十分なダイヤモンド粒子が被膜組成物中に用いられてもよいが、非常に多くて非経済的であるほどダイヤモンド粒子を含有しない。
【0017】
(フルオロポリマー)
本発明の被膜組成物は、フルオロポリマーをさらに含有してもよい。フルオロポリマーはフルオロカーボン樹脂である。被膜組成物は、プライマー、中塗り被膜および上塗り被膜を意味する各層のために用いられてもよい。プライマー中のフルオロポリマーの使用が好ましいが、本発明の実施のために必要ではない。概して、フルオロポリマーは、プライマーの10〜45重量%、中塗り被膜の少なくとも70重量%、および上塗り被膜の少なくとも90重量%を占める。これらの重量パーセンテージの全てが固形分に基づいている。
【0018】
本発明において非付着性被膜のために用いられるフルオロポリマーは、少なくとも1×107Pa・sの溶融粘度を有する非溶融加工性フルオロポリマーであってもよい。1つの実施態様は、380℃において少なくとも1×108Pa・sの溶融粘度を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、フルオロポリマーのうち最も高い熱安定性を有する。また、このようなPTFEは、焼成(溶融)中のフィルム形成能力を改良する少量のコモノマー改質剤を含有することができ、例えばペルフルオロオレフィン、特にヘキサフルオロプロピレン(HFP)またはペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル、特にアルキル基が1〜5個の炭素原子を含有するものが挙げられ、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)が好ましい。このような改質剤の量は、PTFEに溶融加工性を与えるために十分でなく、概して0.5モル%以下である。PTFEは、簡単にするためにも、通常少なくとも1×109Pa・sの単一溶融粘度を有することができるが、異なった溶融粘度を有するPTFEの混合物を用いて非付着性成分を形成することができる。
【0019】
また、フルオロポリマーは、PTFEを配合(ブレンド)されるかまたはその代わりの溶融加工性フルオロポリマーであってもよい。このような溶融加工性フルオロポリマーの例には、TFEと、コポリマーの融点をTFEホモポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の融点よりも実質的に低くする、例えば、315℃以下の融解温度に低下させるために十分な量においてポリマー中に存在する少なくとも1つのフッ素化共重合性モノマー(コモノマー)とのコポリマーがある。TFEとの好ましいコモノマーには、3〜6個の炭素原子を有するペルフルオロオレフィンおよびアルキル基が1〜5個の炭素原子、特に1〜3個の炭素原子を含有するペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)などの過フッ素化モノマーがある。特に好ましいコモノマーには、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)およびペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)などがある。好ましいTFEコポリマーには、FEP(TFE/HFPコポリマー)、PFA(TFE/PAVEコポリマー)、TFE/HFP/PAVE(PAVEはPEVEである)および/またはPPVEおよびMFA(TFE/PMVE/PAVE、PAVEのアルキル基が少なくとも2個の炭素原子を有する)などがある。溶融加工性テトラフルオロエチレンコポリマーの分子量は重要ではないが、ただし、フィルム形成性であり下塗り被膜適用において結合性を有するために成形形状を持続することができるのに十分である。典型的に、溶融粘度は、少なくともl×102Pa・sであり、ASTMD−1238によって372℃において定量された時に約60〜100×103Pa・sまでの範囲であってもよい。
【0020】
好ましい組成物は、1×107〜1×1011Pa・sの範囲の溶融粘度を有する非溶融加工性フルオロポリマーと、1×103〜1×105Pa・sの範囲の粘度を有する溶融加工性フルオロポリマーとのブレンドである。
【0021】
フルオロポリマー成分は概して、水中のポリマーの分散体として市販されており、適用の容易さおよび環境受入性のために本発明の組成物のために好ましい形である。「分散体」とは、フルオロポリマー樹脂粒子が水性媒体中に安定に分散され、その結果、粒子の沈降が、分散体が使用される時間内に起こらないことを意味する。これは、典型的に0.2マイクロメートルのオーダーのフルオロポリマー粒子の小さなサイズによって、および分散体の製造元によって水性分散体中の界面活性剤の使用によって達成される。このような分散体は、分散重合として公知の方法によって直接に、場合により、その後に、界面活性剤を濃縮および/またはさらに添加することによって得られる。
【0022】
あるいは、フルオロポリマー成分は、PTFE極小粉末などのフルオロポリマー粉末であってもよい。この場合、典型的に有機液体がフルオロポリマーとポリマーバインダーとの完全な混合物を達成するために使用される。バインダーがその特定の液体に溶解するので、有機液体が選択されてもよい。バインダーが前記液体中に溶解されない場合、バインダーを微細にすることができ、液体中にフルオロポリマーと共に分散させることができる。得られた被膜組成物は、有機液体中に分散されたフルオロポリマーと、所望の完全な混合物を達成するために前記液体中に分散されるかまたは溶解されるかどちらかの、ポリマーバインダーとを含むことができる。有機液体の特性は、ポリマーバインダーの本性およびその溶液または分散体が望ましいかどうかに依存する。このような液体の例には、とりわけ、N−メチルピロリドン、ブチロラクトン、高沸点芳香族溶剤、アルコール、およびそれらの混合物などがある。有機液体の量は、特定の被覆作業のために望ましい流動特性に依存する。
【0023】
(ポリマーバインダー)
本発明の被膜組成物はまた、プライマーのために用いられるとき、耐熱性の、非フルオロポリマー含有ポリマーバインダーを含有する。バインダーは、溶融状態に加熱した時にフィルム形成性であり同じく熱安定性であるポリマーからなる。この成分は、フルオロポリマー含有プライマー層を基材に付着するためにおよびプライマー内およびその一部としてフィルム形成するために、非付着性仕上のためのプライマー適用において公知である。
フルオロポリマーそれ自体は、平滑な基材への接着力が実質的にない〜全くない、である。バインダーは概してフッ素を含有しておらず、そしてなおかつフルオロポリマーに付着する。好ましいバインダーは、水または水とバインダーのための有機溶剤との混合物中に可溶性であるかまたは可溶化されるバインダーであり、その溶剤は水と混和性である。この溶解性は、水性分散体の形でバインダーとフルオロポリマー成分とをブレンドするのを助ける。
【0024】
バインダー成分の例は、組成物を焼成した時にポリアミドイミド(PAI)に変換してプライマー層を形成するポリアミック酸塩である。ポリアミック酸塩を焼成することによって得られた完全にイミド化された形において、このバインダーは250℃を超える連続使用温度を有するので、このバインダーは好ましい。ポリアミック酸塩は概して、30℃においてN,N−ジメチルアセトアミド中の0.5重量%溶液として測定された時に少なくとも0.1のインヘレント粘度を有するポリアミック酸として入手可能である。米国特許公報(特許文献6)(コンキャノン(Concannon))により詳細に記載されているように、それはN−メチルピロリドンなどの融合助剤、およびフルフリルアルコールなどの粘度降下剤中に溶解され、第三アミン、好ましくはトリエチルアミンと反応させられて、水に可溶性である塩を形成する。次に、ポリアミック酸塩を含有する得られた反応媒体をフルオロポリマー水性分散体とブレンドすることができ、そして融合助剤および粘度降下剤が水に混和性であるので、ブレンディングは均一な被膜組成物を生じさせる。ブレンディングは、フルオロポリマー水性分散体の凝固を避けるために過剰な撹拌を使用せずに液体を一緒に簡単に混合することによって行われてもよい。本発明に使用するために適した他のバインダーの例には、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリーレン−エーテルケトン、ポリエーテルイミド、およびポリフェニレンオキシド(PPO)として一般に公知のポリ(1,4(2,6−ジメチレ(dimethyle)フェニル)オキシド)などがある。これらの樹脂の全てが少なくとも140℃の温度において熱的に安定している。ポリエーテルスルホンは、190℃までの持続的使用温度(熱安定性)および220℃のガラス転移温度を有する非晶質ポリマーである。ポリアミドイミドは、少なくとも250℃の温度において熱的に安定しており、少なくとも290℃の温度において溶融する。ポリフェニレンスルフィドは285℃において溶融する。ポリアリーレンエーテル−ケトンは、少なくとも250℃の温度において熱的に安定しており、少なくとも300℃の温度において溶融する。
【0025】
プライマー組成物が液体媒体(液体は水および/または有機溶剤である)として適用されるとき、接着力の性質は、プライマー層を、次いで適用されたフルオロポリマー層の焼成と一緒に乾燥および焼成して基材上に非付着性被膜を形成する時に明らかにされる。
【0026】
簡単にするために、1つだけのバインダーを用いて本発明において用いられるプライマーのバインダー成分を形成してもよい。しかしながら、多数のバインダーもまた、特に、可撓性、硬度、または防蝕などの特定の最終用途性質が望ましいとき、本発明においての使用が予想される。一般的な組合せには、PAI/PES、PAI/PPSおよびPES/PPSなどがある。
【0027】
フルオロポリマーとバインダーとの比率は、特に組成物が平滑な基材上のプライマーとして使用される場合、好ましくは、0.5〜2.0:1の重量比である。本明細書に開示された、フルオロポリマーのバインダーに対する重量比は、その基材に適用した後に組成物を焼成することによって形成された適用された層中のこれらの成分の重量に基づいている。焼成は、焼成する間にイミド結合が形成されるのでポリアミック酸塩の塩部分など、被膜組成物中に存在する揮発性材料を追い出す。便宜上、バインダーの重量は、それが焼成工程によってポリアミドイミドに変換されるポリアミック酸塩であるとき、出発組成物中のポリアミック酸の重量とされてもよく、それによってフルオロポリマーのバインダーに対する重量比を出発組成物中のフルオロポリマーおよびバインダーの量から定量することができる。本発明の組成物が好ましい水性分散体の形であるとき、これらの成分は、全分散体の約5〜50重量%を占める。
【0028】
(無機フィルム硬化剤)
本発明のプライマー、中塗り被膜、または両方が、無機フィルム硬化剤のセラミック粒子成分をさらに含んでもよい。用語セラミック粒子は本明細書中で用いられるとき、粒子が、非晶相および結晶相の混合物である焼結体であることを意味する。プライマー中の無機フィルム硬化剤成分は、組成物の他の成分に対して不活性でありフルオロポリマーおよびバインダーを溶融する最終焼成温度において熱的に安定している1つまたは複数の非金属充填剤タイプの材料である。フィルム硬化剤は水不溶性であり、その結果、典型的に均一に分散可能であるが、本発明の組成物の水性分散体の形で溶解されない。本発明のフィルム硬化剤のセラミック粒子は好ましくは、大きなおよび小さな粒子を含む。大きなセラミック粒子は、少なくとも14マイクロメートル、好ましくは少なくとも20マイクロメートル、より好ましくは少なくとも25マイクロメートルおよびさらにより好ましくは少なくとも35マイクロメートルの平均粒径を有する。
【0029】
無機フィルム硬化剤のセラミック粒子は好ましくは、少なくとも1200、より好ましくは少なくとも1500のヌープ硬度を有する。ダイヤモンド粒子に対して上に記載したように、ヌープ硬度は、凹みまたは引っ掻きに対する材料の耐性を記述するための尺度である。プライマーのフィルム硬化剤成分は、被膜表面に適用された研磨力をそらすことによっておよびフルオロポリマー上塗り被膜を貫通している鋭い物体の貫通を抑えることによって、基材上に被膜として適用された非付着性フルオロポリマー組成物に耐久性を与える。
【0030】
無機フィルム硬化剤の大きなセラミック粒子は好ましくは、2.5以下、より好ましくは1.5以下のアスペクト比を有する。アスペクト比とは、粒子の最も長い直径の、粒子の最も長い直径(主軸)に垂直に測定された寸法の最も大きな距離に対する比を意味する。アスペクト比は、好ましい粒子形状および配向を定量化する手段である。好ましくはより球形であり1のアスペクト比にもっと近づく本発明の好ましい粒子と異なり、高いアスペクト比を有する粒子は平らであるかまたは細長い。
【0031】
無機充填剤フィルム硬化剤の例には、少なくとも1200のヌープ硬度を有する無機酸化物、炭化物、ホウ化物および窒化物などがある。好ましいのは、ジルコニウム、タンタル、チタン、タングステン、ホウ素、アルミニウムおよびベリリウムの無機酸化物、窒化物、ホウ化物および炭化物である。特に好ましいのは炭化ケイ素および酸化アルミニウムである。好ましい無機組成物のための典型的なヌープ硬度値は、ジルコニア(1200)、窒化アルミニウム(1225)、ベリリア(1300)、窒化ジルコニウム(1510)、ホウ化ジルコニウム(1560)、窒化チタン(1770)、炭化タンタル(1800)、炭化タングステン(1880)、アルミナ(2025)、炭化ジルコニウム(2150)、炭化チタン(2470)、炭化ケイ素(2500)、ホウ化アルミニウム(2500)、ホウ化チタン(2850)である。
【0032】
好ましくはプライマーは、好ましくは大きなおよび小さな粒子の無機フィルム硬化剤のセラミック粒子を含有する。フィルム硬化剤の小さなセラミック粒子は好ましくは、10マイクロメートル未満の平均粒径、より好ましくは5マイクロメートル未満の平均粒径、さらにより好ましくは0.1〜1.0マイクロメートルの範囲の平均粒径である。好ましくはプライマー層は、無機フィルム硬化剤のセラミック粒子30重量%超、より好ましくは少なくとも35重量%を含有する。概して、無機フィルム硬化剤のセラミック粒子は、プライマー組成物の60重量%を超えない。
【0033】
中塗り被膜に対して、無機フィルム硬化剤は、プライマーに対して上に記載された無機フィルム硬化剤のいずれであってもよいが、ただし、中塗り被膜中のフィルム硬化剤のセラミック粒子の粒径は、このような層中に完全に含有されるように中塗り被膜の厚さ未満である。好ましくは中塗り被膜に用いられたフィルム硬化剤粒子のセラミック粒子のサイズは、プライマーのために好ましい小さな粒径である。好ましくは中塗り被膜は、少なくとも8重量%の無機フィルム硬化剤のセラミック粒子、より好ましくはその10〜30重量%を含有する。プライマーおよび中塗り被膜中のフィルム硬化剤のセラミック粒子の無機フィルム硬化剤の本性は、同一であるかまたは異なっていてもよく、プライマー中のフィルム硬化剤の大きなおよび小さなセラミック粒子の本性についても同じことが言える。
【0034】
(他の充填剤)
無機充填剤フィルム硬化剤の大きなセラミック粒子および小さなセラミック粒子の他に、本発明の非付着性被膜組成物は、1200未満のヌープ硬度値を有する他の充填剤材料を含有してもよい。適したさらに別の充填剤には、ガラスフレーク、ガラスビード、ガラス繊維、ケイ酸アルミニウムまたはケイ酸ジルコニウム、マイカ、金属フレーク、金属繊維、微細セラミック粉末、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、タルク等がある。
【0035】
(被膜の適用)
本発明において用いられた組成物を通常の手段によって基材に適用することができる。
各層を形成する吹き付けおよびローラーの適用は、被覆される基材に応じて、最も便利な適用方法である。浸漬およびコイル被覆などの他の公知の被覆方法は適している。中塗り被膜組成物を、その乾燥前にプライマーに従来の方法によって適用することができる。しかしながら、プライマーおよび中塗り被膜層組成物が水性分散体であるとき、好ましくは触れてみて乾燥した後にプライマーに中塗り被膜組成物を適用することができる。同じことが、中塗り被膜への上塗り被膜組成物の適用についても言える。組成物を有機溶剤から適用することによってプライマーを製造し、中塗り被膜を水性媒体から適用するとき、プライマーは、中塗り被膜を適用する前に全ての水不相溶な溶剤が除去されるように乾燥されるのがよい。
【0036】
得られた複合構造物を焼成して全ての被膜を同時に溶融し、非付着性被膜を基材上に形成することができる。フルオロポリマーがPTFEであるとき、例えば、5分間800°F(427℃)から出発して815°F(435℃)まで上昇する温度の、短時間の高い焼成温度が好ましい。下塗り被膜または上塗り被膜中のフルオロポリマーがPTFEおよびFEP、例えば、50〜70重量%のPTFEおよび50〜30重量%のFEPのブレンドであるとき、焼成温度は、780°F(415℃)に低下され、3分(全焼成時間)で800°F(427℃)まで上昇してもよい。
【0037】
本発明の被覆された基材は好ましくは、厚さ0.5ミル(13マイクロメートル)以下、より好ましくは厚さ0.4〜0.5ミル(10〜13マイクロメートル)であるプライマーを有する。好ましくは中塗り被膜はプライマーより厚く、より好ましくは少なくとも50%厚い。好ましくは中塗り被膜層は0.7〜0.9ミル(18〜23マイクロメートル)であり、上塗り被膜は厚さ0.3〜0.5ミル(8〜12マイクロメートル)である。本明細書に記載されたプライマーの厚さは、焼成後に渦流原理(ASTMB244)によって測定される。渦流値は、大きな粒子の高さおよび粒子間の谷の深さなど、基材全体にわたる値の平均を表す。また、プライマーの厚さは、パンを切断して走査電子顕微鏡(SEM)から得られた顕微鏡写真から厚さを測定することによって測定することができる。SEMを用いることによって、大きな粒子の高さと粒子間の谷の深さとの間の区別をすることができる。粒子間の谷のプライマーの厚さを記録するSEM値は、記録された渦流値の約50%である。本明細書に記載された中塗り被膜および上塗り被膜の厚さは、渦流原理によって測定される。
【0038】
本発明の基材は金属またはセラミックであってもよく、その例には、アルミニウム、陽極処理アルミニウム、冷間圧延鋼、ステンレス鋼、エナメル、ガラス、およびパイロセラムなどがある。基材は、平滑であってもよく、すなわち、イタリア、ミラノのアルパ・カンパニー(Alpa Co.,Milan,Italy)によって製造されたモデルRT60表面試験機によって測定された時に50マイクロインチ(1.25マイクロメートル)未満の表面プロファイルを有することができ、清浄である必要がある。パイロセラムおよび特定のガラスについては、改善された結果は、肉眼に見えない軽い化学エッチなどによる基材表面の活性化によって得られ、すなわち、表面はまだ平滑である。また、基材は、タネンバウム(Tannenbaum)に対する米国特許公報(特許文献7)に記載されているような、ポリアミック酸塩のミストコートなどの接着剤(adhesionagent)で化学処理されてもよい。
【0039】
本発明の非付着性仕上を有する製品には、調理用具、耐熱皿、炊飯器およびそれのための差込み、ウォーターポット、アイロンソールプレート、コンベヤー、シュート、ロール表面、切刃等がある。
【0040】
(試験方法)
(SBAR試験)
被覆された基材を、SBAR試験を用いて非付着性被膜の耐磨耗性について評価する。
この試験は、調理用具の英国標準規格仕様BS7069:1988に基づいており、そこで被膜系は相互水平運動を有する垂直アーム上に取り付けられた研磨パッドにかけられる。装置は、±10m/分の平均速度においてシリンダ中心から100mm±5mm(4インチ±0.25インチ)のアーム相互水平運動を行う。研磨パッド(3Mスコッチ・ブライト(Scotch−Brite)7447)は、フェノール樹脂および酸化アルミニウムを含浸されたランダムナイロンウェブであり、シリンダに固定され、負荷されて被膜上に±15N(アームの質量+死荷重=4.5kgまたは10ポンド)の全力を加える。試験試料は、実施例において説明されたように基材を被覆して指示通り乾燥および焼成することによって作製される。被覆された基材をきれいな水で洗浄し、試験する前にゆるやかに乾燥させた。以下に説明されたように試験は乾燥および湿潤基材上で行われる。
【0041】
被覆された基材を固定支持体上に固定し、装填された研磨パッドを非付着性表面上に適用する。湿潤手順を行うために、表面は、1リットル(33オンス)の溶液中に5gの中位の洗剤を含有する皿洗い溶液50mlを添加することによって潤滑される。乾燥手順は洗剤溶液を添加せずに行われるが、全ての他の手順は同じままである。
【0042】
試料を固定された状態に維持し、研磨パッドアームをシリンダ中心点の両側で50mm±2.5mm(2インチ±0.1インチ)の距離について前後に移動させる。
【0043】
研磨パッドを250サイクル後にひっくり返し、さらに250サイクル後に取り替えた。この手順を金属が目に見えるまで続け、次いで被膜の突破のサイクル数を記録する。被膜の突破は試験の最終点である。
【0044】
(機械タイガー・ポー(Tiger Paw)磨耗試験(MTP磨耗試験))
被覆された基材は、基材を加熱してシェーカーテーブル上で前後に振動させる間、被覆された基材の表面上で3つの加重ボールペン先端を連続的に回転させることによって耐磨耗性について評価される。MTP磨耗試験を行なうために用いられた試験装置が示され、上記のタネンバウムに対する米国特許公報(特許文献3)の図1、2および3に記載されている。
【0045】
作業時に、被覆されたアルミニウム基材を有するフライパンを中位の洗剤中で洗浄して一切の夾雑物または油を除去した。試験パンを、中心ドライブシャフトに仮設置された取り外し可能なセンタリングロッドの助けによってホットプレート上に配置する。センタリングロッドは、ホットプレートの表面上のパンの配置のための下げ振り糸の機能をし、その後、センタリングロッドは取り外される。試験パンにタイガー・ポーヘッドの処置を行なう。タイガー・ポーヘッドは、使用前に損傷のない3つのボールペン替え芯を収納するチャネルを有するディスクである。各試験のために、各替え芯が回転ディスクの下部から下方に3/4インチ(1.9cm)延在するように3つの新しいペンの替え芯がタイガー・ポーヘッドのチャネル内に据付けられる。タイガー・ポーヘッドは、ドライブシャフトに取り付けられたドライブディスクから下に延在する浮動シャフトに取り付けられる。タイガー・ポーヘッドと浮動シャフトとの重量を調節する。米国特許公報(特許文献3)において例示された装置において、重量は約400gである。浮動シャフトおよびワッシャ(すべて約115g)、タイガー・ポーヘッド(約279g)、およびボールペン先端部(約10g)の総合重量は合計404gになる。また、釣合重りは合計約400gになる。
【0046】
ホットプレートをオンにし、試験基材(パン)を400°F±10°F(204℃±6℃)の温度に加熱する。基材表面の赤外線温度測定によって測定された時にパンが試験温度に達するとき、ペンの替え芯がパン上に下げされ、装置を作動してシェーカーテーブルの振動およびタイガー・ポーヘッドの回転を始める。従ってして、試験装置はペンを被覆された基材の表面に当てておよびその周りに回転させる。タイガー・ポーヘッド回転速度は、30回転/分において制御される。シェーカーテーブルの速度は30回の前後の振動/分に制御される。カウンタは、終えられたサイクル数を記録する。タイマーは、特定の方向の15分ごとのタイガー・ポーの回転を数える。データは、15分間隔で記録される。タイガー・ポーヘッドの回転は、15分経つ毎に逆にされる。定期的にペンの替え芯先端は被膜の堆積のために検査される。堆積被膜は、必要なとき除去される。
【0047】
基材(パン)上の被膜の破損は、ペンの替え芯の先端が被膜を貫通して無被覆金属基材に達する時に生じる楕円形の経路を観察することによってモニタされる。基材を加熱することによって、破損までの時間が加速される。破損までの時間が長くなればなるほど、非付着性被膜の耐久性がそれだけ良くなる。
【0048】
それぞれの15分のサイクルの終わりに、パンは、以下のMTP数的格付けに従って測定される。
10 − 新しいパン
9 − 被膜の溝
8 − (平滑な基材上の)金属への最初の切れ目
(グリットブラストされた基材の)表面の粗化
7 − 金属へのライン(外側および/または内側)
6 − 外側に生じる楕円形
5 − 完全な楕円形
【0049】
(タイガー・ポーによる促進調理試験(ATP))
フライパンなどの被覆された基材は、熱およびタイガー・ポーヘッドの手作業による回転を受ける間、被膜系を酸、塩および脂肪のサイクルにかけることによって調理性能および耐磨耗性について評価される。また、試験基材は、フードサイクルの間の多数の洗浄作業中に洗剤に暴露される。合成繊維の研磨パッド(Dobie)を清浄サイクルの間、使用する。
【0050】
各試験のために、コーテッドパンと対照用パンとが、全てのパンを同時に調理するために十分なバーナーを有する商用ガスストーブトップ上で試験される。対照用パンは、判断される標準的性質が何度も予め決められている公知の商用調理用具被膜系で被覆された標準パンである。試験のための温度は、基材表面上で接触高温計によって測定された時に374°F(190℃)〜401°F(205℃)に維持される。パンは、全てのバーナーの間で整然と回転される。試験の引掻き部分は、タイガー・ポーヘッドを用いて行なわれる。MTP試験について上に記載されたヘッドと同様、タイガー・ポーヘッドは、使用前に損傷のない3つのボールペン替え芯を収納するためのチャネルを有するディスクである。試験の前に、5つの食品品目を調理のために用意し、洗剤溶液を調製する。
品目1:ハンバーガー−挽肉をハンバーガーパテ中に成形し、片側に塩を沢山振る。
品目2:玉ネギ−大サジ16杯の塩を玉ネギの#10カンに加える。
品目3:トマトソース−大サジ8杯の塩を32オンスのトマトソースに加えて希釈し、1ガロンをもたらし、次に十分に混合する。
品目4:パンケーキ−調合済みのパンケーキバッターをパッケージ指示書に従って用意する。調合物1ガロン当たり大サジ4杯の塩を加える。
品目5:卵−4ダースの卵、1カップの水、大サジ4杯の塩をブレンダー内で混合する。
洗剤:3ガロンの温水中に液体洗剤3カップ。
【0051】
作業において、試験パン位置をバーナー上に置き、特定の温度内に加熱する。パンに5つの連続的な調理プロセスを実施する。
【0052】
調理1:大さじ2杯の植物油をパンの中心に置く。片側にたくさんの塩を振った予め作られたハンバーガーパッティーを油上に塩側を下にして置く。パッティーを5分間、調理する。次いで蓋をフライパン上に置き、蓋をつけてパッティーをさらに5分間、調理する。次に、パッティーをひっくり返し、蓋を付けてパッティーをさらに5分間、調理する。
【0053】
調理2:半カップの玉ネギを各パンに加え、5分間蓋なしで煮立たせる。必要ならば水を加えて成分が燃えないようにする。
【0054】
調理3:2カップ(16オンス)の準備されたトマトソース混合物を各パンに加え、蓋を取り替える。トマトソース混合物が全てのパンに加えられたとき、ハンバーガーパッティーを除去し、混合物を15分間、煮立たせる。この15分煮る間、引掻き酷使試験をタイガー・ポーヘッドを用いて行う。混合物を各パン内で、タイガー・ポーヘッドで円形パターンに時計回りの方向に25回転および反時計回りの方向にさらに25回転攪拌する。
15分煮たとき、パンをバーナーから取り出し、中味を空にし、各パンを洗剤溶液で十分に洗浄する。パンをきれいな水中で洗浄し、乾燥状態に拭き取る。
【0055】
調理4:次に、パンを回転された位置においてバーナーに戻し、特定の温度範囲内に加熱する。パンケーキバッターをパンの中心に流し込んで直径5〜6インチのパンケーキを形成する。十分に焼けるまで、パンケーキを調理し、そして次にひっくり返して他方の側を調理する。全てのパンケーキを取り除く。各パンを温水/洗剤溶液中で急冷し、十分に洗浄する。パンをすすぎ、次に乾燥させる。
【0056】
調理5:パンを再び、回転された位置においてバーナーに戻し、特定の温度範囲内に加熱する。次いで、各パンを約8オンスの溶き卵混合物で覆う。混合物を各パン内で、タイガー・ポーヘッドで円形パターンに時計回りの方向に25回転および反時計回りの方向にさらに25回転攪拌する。卵が完全に調理されると、パンがバーナーから除去され、中身を空にし、各パンを洗剤溶液で十分に洗浄する。パンを透明な水中ですすぎ、乾燥状態に拭う。
【0057】
5回の調理が終わるたびにパンを引掻きについて等級付けする。調理4の間、剥離による一切の問題を記録する。次に、パンを回転された位置においてバーナーに戻し、特定の温度範囲内に加熱する。試験を調理1(ハンバーガー)から再開する。パンが以下に記載された5の引掻き等級を有するのが確認されるまで試験を続け、その時に試験をやめる。
【0058】
引掻き(0〜10):引掻き等級は、10、9、7、5の特定の等級において標準試験基材の写真の視覚的な比較によって決定される。10の等級は、新しいパンについてであり、5の等級は、家事担当者がパンを廃棄するほど非常に多くの摩損があるパンを意味する。
【0059】
(機械磨耗および剥離試験(MAR))
フライパンなどの被覆された基材を耐磨耗性および剥離の両方について評価する。
【0060】
被覆された基材を、改良されたSBAR試験において非付着性被膜の耐磨耗性について評価する。研磨パッド(3Mスコッチ・ブライト(Scotch−Brite)7447)をシリンダに固定し、負荷して被膜上に±15N(アームの質量+死荷重=4.5kgまたは10ポンド)の全力を加える。試験は、洗剤溶液を用いる湿潤条件で行なわれる。
研磨パッドは1,000サイクル後にひっくり返され、さらに1,000サイクル後に取り替えられる。特定の数のサイクル後に、アームを停止し、試験パンを水で洗浄し、乾燥させる。次いで被膜のフィルム厚さを測定し、研磨パッドによって形成されたトラックの中心において剥離試験を行なう。以下に記載されたように、剥離試験は、非付着性被膜が卵を剥離する能力を定量する手段である。この手順は、金属が目に見えるまで続けられる。フィルム厚さは、後で記載されるフィルム厚さ計測器で測定される。磨耗は、磨耗サイクル数の関数としてのフィルム厚さの損失によって表される。
【0061】
(剥離試験)
パンを374°F(190℃)〜392°F(200℃)の範囲に加熱し、試験を通じて基材表面上で接触高温計によって測定された時にこの温度範囲に維持する。調味料を入れていないパン内で卵を焼く。試験を行なうために卵をパンの上で割り、3分間、調理する。卵をへらで持ち上げ、パンを傾けて卵を滑らせる。卵が滑る容易さが評価される。パンをバーナーに戻し、卵をひっくり返す。卵の卵黄をへらで壊し、卵をさらに2分間調理する。卵を再びへらで持ち上げ、卵が滑る容易さは、以下に記載された「剥離」と呼ばれる尺度に基づいて定量化される。
【0062】
剥離(0〜5):剥離等級は、卵がどれほど容易に滑るか、卵のどれだけがパンにくっつくかを評価することによって定量化される。
5 − すぐれた
4 − 非常に良い
3 − 良い
2 − 可
1 − 良くない
0 − 非常に良くない
【0063】
(AIHAT)
フライパンなどの被覆された基材を一般的な家庭金属調理用具(フォーク、へら、泡立て器、ナイフ)を用いて一連の高温調理サイクルにかける。試験の説明は、米国特許公報(特許文献8)(バザー(Batzar))第3欄、11〜64行目に記載されている。
試験は、一般的な調理酷使からの擦傷および引掻きの尺度である。
【0064】
(乾燥フィルム厚さ(DFT))
焼成された被膜の厚さは、渦流原理(ASTMB244)に基づいてフィルム厚さ計測器、例えば、フィッシャースコープ(Fisherscope)で測定される。
【0065】
(フルオロポリマー)
PTFE分散体:59〜61重量%の固形分および170〜210ナノメートルのRDPSを有するデュポンTFEフルオロポリマー分散体。 PTFEフルオロポリマー分散体グレード30は、デラウェア州、ウィルミントンのデュポンから入手可能である。
【0066】
FEP分散体:54.5〜56.5重量%の固形分および150〜210ナノメートルのRDPSを有するTFE/HFPフルオロポリマー分散体であり、前記樹脂はHFP含有量が9.3〜12.4重量%であり、米国特許公報(特許文献9)に記載されているように改良されたASTM D−1238の方法によって372℃において測定された溶融流量が11.8〜21.3g/10分である。
【0067】
PFA分散体:58〜62重量%の固形分および185〜245ナノメートルのRDPSを有するデュポンPFAフルオロポリマー分散体であり、前記樹脂はPPVE含有量が2.9〜3.6重量%であり、米国特許公報(特許文献9)に記載されているように改良されたASTM D−1238の方法によって372℃において測定された溶融流量が1.3〜2.7g/10分である。PFAフルオロポリマー分散体グレード335は、デラウェア州、ウィルミントンのデュポンから入手可能である。
【0068】
(ポリマーバインダー)
PAIは、トルロン(Torlon)(登録商標)AI−10ポリ(アミド−イミド)(ソルベイ・アドバンスト・ポリマーズ(Solvay advanced polymers))であり、残余のNMPを6〜8%含有する固体樹脂(ポリアミック塩に戻すことができる)である。
【0069】
ポリアミック酸塩は概して、30℃においてN,N−ジメチルアセトアミド中の0.5重量%溶液として測定された時に少なくとも0.1のインへレント粘度を有するポリアミック酸として入手可能である。米国特許公報(特許文献6)(コンキャノン)により詳細に記載されているように、それをN−メチルピロリドンなどの融合助剤、およびフルフリルアルコールなどの粘度降下剤中に溶解し、第三アミン、好ましくはトリエチルアミンと反応させて、水に可溶性である塩を形成する。
【0070】
(ダイヤモンド粒子)
合成単結晶超微粉砕ダイヤモンド粒子を様々なサイズおよび混合物において用いる。用いられる様々なサイズは以下の通りである。
60.24マイクロメートルの粒径中央値
37.82マイクロメートルの粒径中央値
28.93マイクロメートルの粒径中央値
17.49マイクロメートルの粒径中央値
8.61マイクロメートルの粒径中央値
1.26マイクロメートルの粒径中央値
【0071】
粒径分布および質量粒径中央値(d50)は、米国、ペンシルベニア州のマイクロトラック社(Microtrac Inc.PA,USA)から入手できるマイクロトラック(Microtrac)−X100レーザー回折&散乱粒径分析器によって測定される。
【0072】
(無機フィルム硬化剤)
(炭化ケイ素)
ドイツ、ミュンヘンのエレクトロシュメルツヴェルク・ケムプテン社(Elektroschmelzwerk Kempten GmbH)(ESK)によって供給される炭化ケイ素を使用する。
P600=25.8±1マイクロメートル平均粒径
平均粒径は、供給元によって提供された情報によってFEPA−Standard−43−GB 1984R 1993 resp.ISO 8486を用いて沈降によって測定される。
【0073】
(酸化アルミニウム)
酸化アルミニウム(小さな粒子)は、アメリカのアルミニウム・コーポレーション(Aluminum Corporation)によって供給される。0.35〜0.50マイクロメートルの平均粒径を有するグレードSGA−16。
【実施例】
【0074】
(実施例1)
本発明の代表的な3層非付着性系を、洗浄だけによって処理されてグリースを除去するが機械的に粗くされていない平滑なアルミニウムの試験パン上に吹き付ける。プライマー、中塗り被膜および上塗り被膜の水性分散体組成物をそれぞれ、表1、2および3に記載する。
【0075】
【表1】

【0076】
【表2】

【0077】
【表3】

【0078】
プライマーをアルミニウム基材上に吹き付け、5分間、150°F(66℃)において乾燥させる。次に、中塗り被膜を乾燥されたプライマー上に吹き付ける。上塗り被膜をウエット・オン・ウエットで中塗り被膜に適用する(吹き付ける)。被膜を10分間、300°F(149℃)において押込空気で乾燥させ、次いで5分間800°F(427℃)において硬化した。プライマー/中塗り被膜/上塗り被膜の乾燥被膜のフィルム厚さ(DFT)を渦流分析によって定量すると、0.4〜0.5ミル(10〜13マイクロメートル)/0.7〜0.9ミル(18〜23マイクロメートル)/0.3〜0.4ミル(7〜10マイクロメートル)である。
【0079】
以下に示された実施例は、被膜の異なった配置にダイヤモンド粒子の様々な量およびサイズを有する3層系の耐磨耗性を示す。試験パンにSBAR湿潤およびMTPを実施して耐磨耗性を評価する。
【0080】
(プライマー中のダイヤモンド粒子)
プライマー中にダイヤモンド粒子を有する3層系の磨耗試験の結果は表4に示される。
プライマー中のダイヤモンドの粒径は、乾燥フィルム中に2.9重量%の配合比において1〜60マイクロメートルの範囲で変化される。全ての粒径が、対照用パンよりも若干の改良を示す。38マイクロメートルのダイヤモンド粒子によって、SBAR湿潤性能は14,250サイクルにおいてずっと改良される。
【0081】
【表4】

【0082】
(中塗り被膜中のダイヤモンド粒子)
中塗り被膜中にダイヤモンド粒子を有する3層系の磨耗試験の結果は表5に示される。
中塗り被膜中のダイヤモンドの粒径は、乾燥フィルム中に1.6、3.1および6.0重量%の異なった配合比において1〜60マイクロメートルの範囲で変化される。全ての実施例が、対照用パンよりも改良された耐磨耗性を示す。すぐれた耐磨耗性は、実施例1−9および1−10において38および29マイクロメートルのダイヤモンド粒子についてSBAR湿潤およびMTPの両方によって示される。また、実施例1−17〜1−19に示されるようにダイヤモンド粒子の配合量を大きくすると良好な耐磨耗性を示す。
【0083】
【表5】

【0084】
【表6】

【0085】
(上塗り被膜中のダイヤモンド粒子)
上塗り被膜中にダイヤモンド粒子を有する3層系の磨耗試験の結果は表6に示される。
上塗り被膜中のダイヤモンドの粒径は、乾燥フィルム中に3.3重量%の配合比において1〜60マイクロメートルの範囲で変化される。9の等級を有する420分での高いMTP耐磨耗性がダイヤモンド粒子の全てのサイズにおいて示され、対照用パンよりも改良されたSBARの結果である。
【0086】
【表7】

【0087】
(実施例2)
実施例1と同様、3層非付着性系を平滑なアルミニウムの試験パン上に吹付ける。以下に示された実施例は、中塗り被膜およびプライマーの両方にダイヤモンド粒子の様々な量およびサイズを有する3層系の耐磨耗性を示す。試験パンにSBAR(湿潤および乾燥の両方)およびMTPを実施して耐磨耗性を評価する。
【0088】
結果を表7に示す。実施例2−2および2−3に示されるように、中塗り被膜と共にプライマー中にダイヤモンド粒子が存在すると、実施例1−3、1−10および1−11に示されるようなプライマー中または中塗り被膜中のどちらかだけのダイヤモンド粒子に比べてずっと改良されたSBAR湿潤およびMTP耐磨耗性を示す。中塗り被膜の適切な粒径を選択して被膜系を最適にする値は、38マイクロメートルの粒径を有する実施例2−1を9、17、および29マイクロメートルの粒径を有する実施例2−2〜2−7と比較する時に見られる。中塗り被膜中に加えられるダイヤモンドの粒径は、プライマー中に加えられるダイヤモンドの粒径および被膜の全フィルム厚さを考慮することによって決定されるのがよい。プライマーおよび中塗り被膜中の両方の粒径が全フィルム厚さに対して大きすぎる場合、下塗り被膜から上塗り被膜にわたるダイヤモンド粒子が試験装置の研磨パッドに捕らえられ、振動中に引き抜かれ、剥離特性を与えるフルオロポリマー被膜を固定することは最早できない。このような作用は、被覆された製品の研磨用途下で起こることをシミュレートする。
【0089】
中塗り被膜中に29マイクロメートルのダイヤモンド粒子6重量%の配合量によって、SBARおよびMTP耐磨耗性の両方が実施例1−18と比べて実施例2−5において示されるように改良される。
【0090】
特にSBAR性能は、ダイヤモンド粒子を全く用いない被膜と比べて、湿潤に対して約8倍および乾燥に対して約6倍(163,000サイクル)改良される。
【0091】
実施例2−7について、中塗り被膜の被膜中のダイヤモンド粒子は、3つのサイズ29、17、9の、それぞれ3.0、1.5、1.5重量%のブレンドである。異なった粒径をブレンドすることによって粒径分布が広くなることによりSBAR耐磨耗性の改良が減じ、狭い粒径分布が好ましいことを示す。本発明については、異なったサイズを有する粒子のブレンドではなく、単一サイズの粒子を使用することが好ましい。
【0092】
【表8】

【0093】
(実施例3)
実施例1と同様、3層非付着性系を平滑なアルミニウムの試験パン上に吹付ける。以下に示された実施例は、プライマー中にSiC粒子を用いないがプライマーまたは中塗り被膜のどちらかに3.1重量%の異なったサイズのダイヤモンド粒子を有する3層系の耐磨耗性を示す。SiCを用いない水性分散体プライマー組成物は、表8に記載される。試験パンにSBAR湿潤およびMTPを実施して耐磨耗性を評価する。
【0094】
【表9】

【0095】
(プライマー中にSiCを有さないがダイヤモンド粒子を有する)
プライマー中にSiCを有さないがダイヤモンド粒子を有する3層系の磨耗試験の結果が表9に示される。ダイヤモンドの粒径は、乾燥フィルム中に3.1重量%の一定配合比において1〜60マイクロメートルの範囲で変化される。
【0096】
実施例3−1〜3−3と実施例1−2〜1−7とのSBAR湿潤およびMTP耐磨耗性の比較は、プライマー中に目標サイズのダイヤモンド粒子があると適度な改良があり、SiC(無機フィルム硬化剤)のセラミック粒子が同様に存在する場合、耐磨耗性の改良が増すことを示す。
【0097】
【表10】

【0098】
(プライマー中のSiCを有さないが中塗り被膜中のダイヤモンド粒子を有する)
プライマー中にSiCを有さないが中塗り被膜中にダイヤモンド粒子を有する3層系の磨耗試験の結果が表10に示される。中塗り被膜中のダイヤモンドの粒径は、乾燥フィルム中に3.1重量%の一定配合比において1〜60マイクロメートルの範囲で変化される。実施例3−4〜3−9と実施例1−8〜1−13とのSBAR湿潤およびMTP耐磨耗性の比較は、特に目標粒径においてダイヤモンド粒子を中塗り被膜に添加する重要性を示す。
【0099】
【表11】

【0100】
(実施例4)
表11および12に示された実施例は、中塗り被膜中にダイヤモンド粒子を有する3層系の研磨サイクル数に対して、卵剥離等級および乾燥フィルム厚さの損失を示す。
【0101】
プライマー組成物は、ダイヤモンド粒子を用いない表1に示されたものと同じである。
中塗り被膜組成物は、表2に示されたように乾燥フィルム中に3.1重量%の38マイクロメートルのダイヤモンド粒子を有する。上塗り被膜組成物は表3に示される通りである。被膜の耐磨耗性および剥離は、機械磨耗および剥離試験プロトコルによって評価される。表11の実施例4−2は、中塗り被膜中に38マイクロメートルのダイヤモンド粒子を有する本発明の試験パンが良い卵剥離の等級を持ち続けることを示す。
【0102】
表12の実施例4−1に示されるように、その中にダイヤモンド粒子を有さない被膜の乾燥フィルム厚さの損失の測定値は不十分な耐磨耗性を示し、無被覆金属が7,000サイクルの直後に露出される。対照的に、実施例4−2の中塗り被膜中にダイヤモンド粒子を有する被膜は、28,000サイクル後でも磨耗によるフィルム厚さの損失が減少する明らかな証拠である。実施例4−2に示されるようなフィルム厚さの損失は、硬質ダイヤモンド粒子がフルオロポリマー被膜を固定し、それによって研磨力を抑えることを示す。
これは、ダイヤモンド粒子を有する被膜については良好な卵剥離がより長く続く理由である。
【0103】
【表12】

【0104】
【表13】

【0105】
実施例1−9および2−5に記載されたように中塗り被膜中にまたは中塗り被膜およびプライマーの両方にダイヤモンド粒子を有する3層系が、タイガー・ポーによる促進調理試験およびAIHAT試験による調理条件下で耐磨耗性について評価される。剥離試験は、乾燥SBAR破損後にパンを用いて行なわれる。結果を表13に示す。調理条件下の耐損傷性および耐引掻き性は、ダイヤモンド粒子を全く有さない被膜性能と比べて同じであるかずっと改良される。実施例4−4において示されるように、乾燥SBAR破損時の163,000の研磨サイクルの後でも良い卵剥離は依然として変わりない。
【0106】
【表14】

以下に本明細書に記載の発明につき列記する。
1.
基材と、前記基材に適用された非付着性被膜とを含む構造物であって、前記被膜が下塗り被膜と上塗り被膜とを含み、前記下塗り被膜が、前記基材に付着するプライマーを含み、前記プライマーが、非フルオロポリマー含有ポリマーバインダーを含み、前記下塗り被膜が、複数のダイヤモンド粒子をさらに含むことを特徴とする、構造物。
2.
前記下塗り被膜が中塗り被膜をさらに含有し、前記中塗り被膜がダイヤモンド粒子を含むことを特徴とする、前記1.に記載の構造物。
3.
前記プライマーがダイヤモンド粒子を含むことを特徴とする、前記2.に記載の構造物。
4.
前記上塗り被膜がフルオロポリマーを含むことを特徴とする、前記1.に記載の構造物。
5.
前記下塗り被膜がフルオロポリマーをさらに含むことを特徴とする、前記1.に記載の構造物。
6.
前記ダイヤモンド粒子が、1マイクロメートルより大きい粒径中央値を有することを特徴とする、前記1.に記載の構造物。
7.
前記ダイヤモンド粒子が、10マイクロメートルより大きい粒径中央値を有することを特徴とする、前記1.に記載の構造物。
8.
前記ダイヤモンド粒子が、約10〜60マイクロメートルの範囲の粒径中央値を有することを特徴とする、前記1.に記載の構造物。
9.
前記ダイヤモンド粒子が、約15〜50マイクロメートルの範囲の粒径中央値を有することを特徴とする、前記1.に記載の構造物。
10.
前記下塗り被膜が、無機フィルム硬化剤のセラミック粒子をさらに含み、前記無機フィルム硬化剤の前記セラミック粒子が、1200より大きいヌープ硬度を有することを特徴とする、前記1.に記載の構造物。
11.
無機フィルム硬化剤の前記セラミック粒子が炭化ケイ素粒子を含むことを特徴とする、前記10.に記載の構造物。
12.
基材と、前記基材に適用された非付着性被膜とを含む構造物であって、前記被膜が下塗り被膜と上塗り被膜とを含み、前記上塗り被膜がダイヤモンド粒子を含み、前記下塗り被膜が無機フィルム硬化剤のセラミック粒子を含み、無機フィルム硬化剤の前記セラミック粒子が、1200より大きいヌープ硬度を有することを特徴とする、構造物。
13.
前記ダイヤモンド粒子が、1マイクロメートルより大きい粒径中央値を有することを特徴とする、前記12.に記載の構造物。
14.
前記ダイヤモンド粒子が、約1〜60マイクロメートルの範囲の粒径中央値を有することを特徴とする、前記13.に記載の構造物。
15.
フルオロポリマーを含有する液体組成物と、1マイクロメートルより大きい粒径を有するダイヤモンド粒子とを含むことを特徴とする、非付着性組成物。
16.
前記粒径が10マイクロメートルより大きいことを特徴とする、前記15.に記載の非付着性組成物。
17.
前記粒径が約15〜50マイクロメートルの範囲であることを特徴とする、前記15.に記載の非付着性組成物。
18.
無機フィルム硬化剤のセラミック粒子をさらに含み、無機フィルム硬化剤の前記セラミック粒子が、1200より大きいヌープ硬度を有することを特徴とする、前記15.に記載の非付着性組成物。
19.
無機フィルム硬化剤の前記セラミック粒子が、炭化ケイ素および酸化アルミニウム粒子からなる群から選択されることを特徴とする、前記18.に記載の非付着性組成物。
20.
非フルオロポリマーバインダーをさらに含有することを特徴とする、前記15.に記載の非付着性組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材に適用された非付着性被膜とを含む構造物であって、前記被膜が下塗り被膜と上塗り被膜とを含み、前記上塗り被膜がダイヤモンド粒子を含み、前記下塗り被膜が無機フィルム硬化剤のセラミック粒子を含み、無機フィルム硬化剤の前記セラミック粒子が、1200より大きいヌープ硬度を有することを特徴とする、構造物。

【公開番号】特開2012−96540(P2012−96540A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238500(P2011−238500)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【分割の表示】特願2008−545784(P2008−545784)の分割
【原出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】