説明

ダイヤル式操作ノブの照明構造

【課題】ダイヤル式操作ノブの先端面部の照明色と該操作ノブの側面部の照明色との組合せの自由度を高め、該先端面部の照明と側面部の照明とを互いに異なる所望の照明色の組合せで行なうことができる照明構造を提供する。
【解決手段】ノブ内部空間15に、ノブ先端形成部材9に向かって開口するように配置された遮光性部材17と、ノブ先端形成部材9の光透過部を透過させる照明光を発光する光源として、遮光性部材17の内部に配置された第1光源21と、ノブ側面形成部材7の光透過部を透過させる照明光を発光する光源として、遮光性部材17の周囲でノブ内部空間15に配置され、第1光源21の照明光と異なる色の照明光を発光可能な第2光源23と、第2光源23が発光する照明光をノブ側面形成部材7の光透過部に導く部材として遮光性部材17の周囲でノブ内部空間15に配置された導光部材19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤル式操作ノブの照明を行なうための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載される各種機器の運転操作を行なうための操作ノブとして、例えば特許文献1に見られるように、照明のための構造を備えたダイヤル式操作ノブが従来より知られている。このダイヤル式操作ノブは、ユーザにより回転操作される回転操作部として機能する筒状のノブ側面形成部材(操作ノブの側面部を形成する部材)を有し、このノブ側面形成部材が、基板に搭載された筒状のロータリエンコーダの回転部に該回転部と一体に回転しするように連結される。また、操作ノブの先端面部(正面部)を形成する部材としてのノブ先端形成部材が、ノブ側面形成部材の基板と反対側の開口端部を覆うようにして設けられる。
【0003】
そして、ロータリエンコーダ及びノブ側面形成部材の内部に形成されるノブ内部空間(操作ノブの内部空間)には、基板に搭載された光源が配置され、この光源が発光する照明光(白色光)のうちの操作ノブの照明部に向かう照明光を、ノブ先端形成部材の表示部(光透過部)を透過させると共に、残余の照明光を導光部材を介して操作ノブの側面部の光透過部に導光し、さらに、該照明光を導光部材から透光性の有色部材を介してノブ側面形成部材の光透過部に入射して、該光透過部を透過させるようにしている。
【0004】
これにより、ノブ先端形成部材の表示部の照明を行なうと共に、ノブ側面形成部材の側壁外周面等を、ノブ先端形成部材の表示部の照明とは異なる有色光で照明するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−97713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に見られる如きダイヤル式操作ノブにおいて、その視認性や誘目性、加飾性をより一層高める上では、操作ノブの先端面部(ノブ先端形成部材)の照明色と、操作ノブの側面部(ノブ側面形成部材)の照明色との組合せの最適化を図り、あるいは、その組合せを複数種類に変更し得るようにすることが望まれる。
【0007】
しかるに、前記特許文献1に見られる如き従来のダイヤル式操作ノブでは、操作ノブの先端面部の照明用の色の光として光源から出射する光を透光性の有色部材に通すことで加色し、その加色した光を操作ノブの側面部の照明用の光として用いるようにしている。
【0008】
このため、操作ノブの先端面部の照明色と、操作ノブの側面部の照明色との組合せが限定され、その組合せの設定の自由度が低いものとなっていた。すなわち、操作ノブの側面部の照明色として実現可能な色の種類は、操作ノブの先端面部の照明色に依存した種類に限定されてしまう。また、操作ノブの先端面部の照明色を一定とした場合、操作ノブの側面部の照明色を複数種類の色に変更することができない。
【0009】
従って、特許文献1に見られる如き従来のダイヤル式操作ノブでは、操作ノブの先端面部の照明色と、操作ノブの側面部の照明色との組合せの設定の最適化を図ったり、その組合せを複数種類に変更することが困難なものとなっていた。
【0010】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、操作ノブの先端面部の照明色と操作ノブの側面部の照明色との組合せの自由度を高め、該先端面部の照明と側面部の照明とを互いに異なる所望の照明色の組合せで行なうことができるダイヤル式操作ノブの照明構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のダイヤル式操作ノブの照明構造は、上記目的を達成するために、基板に搭載された筒状のロータリエンコーダと、該ロータリエンコーダの回転部と一体に回転するように該回転部に連結された筒状の部材であり、その側壁部に、内周面側から外周面側に向かう照明光を透過させる光透過部を有するノブ側面形成部材と、該ノブ側面形成部材の前記基板と反対側の開口端を覆うようにして設けられた部材であり、該ノブ側面形成部材の内部に対向する部分に、該ノブ側面形成部材の内部側からノブ正面前方に向かう照明光を透過させる光透過部を有するノブ先端形成部材とを備え、前記ノブ側面形成部材の光透過部と前記ノブ先端形成部材の光透過部とから照明光を外部に出射するダイヤル式操作ノブの照明構造であって、
前記基板とノブ先端形成部材との間で前記ロータリエンコーダ及びノブ側面形成部材の内部に形成されたノブ内部空間に、前記ノブ先端形成部材に向かって開口するように配置された筒状又は容器状の遮光性部材と、
前記ノブ先端形成部材の光透過部を透過させる照明光を発光する光源として、該遮光性部材の内部に配置された第1光源と、
前記ノブ側面形成部材の光透過部を透過させる照明光を発光する光源として、前記遮光性部材の周囲で前記ノブ内部空間に配置され、前記第1光源の照明光と異なる色の照明光を発光可能な第2光源と、
前記第2光源が発光する照明光を該第2光源から前記ノブ側面形成部材の光透過部に導く部材として前記遮光性部材の周囲で前記ノブ内部空間に配置された導光部材とを備えることを特徴とする(第1発明)。
【0012】
かかる第1発明によれば、前記基板とノブ先端形成部材との間で前記ロータリエンコーダ及びノブ側面形成部材の内部に形成されたノブ内部空間(操作ノブの内部空間)には、前記遮光性部材が配置されており、この遮光性部材によって、前記ノブ内部空間が、遮光性部材の内部の空間と、その外側の空間とに画成される。なお、該遮光性部材は、照明光を透過しないか、もしくは、該照明光の透過量が十分に微小なものとなる部材を意味する。
【0013】
そして、前記ノブ先端形成部材(操作ノブの先端面部(正面部)を形成する部材)の光透過部を透過させる照明光を発光する光源としての前記第1光源は、前記遮光性部材の内部に配置される一方、前記ノブ側面形成部材(操作ノブの側面部を形成する部材)の光透過部を透過させる照明光を発光する光源としての前記第2光源は、前記遮光性部材の周囲で前記ノブ内部空間に配置される。
【0014】
このため、第1光源が発光した照明光は、ノブ内部空間において遮光性部材の内部から外部に透過することなく、該遮光性部材の内部を通って前記ノブ先端形成部材の光透過部に入射し、さらに該光透過部を透過してノブ内部空間の外部に出射する。これにより、ノブ先端形成部材が、その光透過部の箇所において、第1光源の照明光によって照明されることとなる。
【0015】
また、第2光源が発光した照明光は、ノブ内部空間において遮光性部材の外部から内部に透過することなく、該遮光性部材の周囲に配置された前記導光部材を通って前記ノブ側面形成部材の光透過部に入射し、さらに該光透過部を透過してノブ内部空間の外部に出射する。これにより、ノブ側面形成部材が、その光透過部の箇所において、第2光源の照明光によって照明されることとなる。この場合、前記第2光源として、第1光源の照明光と異なる色の照明光を発光可能な光源を採用することで、ノブ側面形成部材の光透過部での照明色を、ノブ先端形成部材の光透過部での照明色と異なる色にすることができる。
【0016】
従って、第1発明によれば、操作ノブの先端面部を形成するノブ先端形成部材の光透過部での照明色と、操作ノブの側面部を形成するノブ側面形成部材の光透過部での照明色とを相互に独立に(相互に依存関係を持たせることなく)選定でき、その結果、ノブ先端形成部材の光透過部での照明色と、ノブ側面形成部材の光透過部での照明色との組合せを、高い自由度で互いに異なる所望の照明色の組合せに選定できることとなる。
【0017】
よって、第1発明によれば、操作ノブの先端面部の照明色と操作ノブの側面部の照明色との組合せの自由度を高め、該先端面部の照明と側面部の照明とを互いに異なる所望の照明色の組合せで行なうことができるダイヤル式操作ノブを提供できることとなる。
【0018】
なお、第1発明において、前記ノブ先端形成部材の光透過部は、該ノブ先端形成部材の一部分でもよいが、該ノブ先端形成部材の全体もしくはほぼ全体であってもよい。このことは、前記ノブ側面形成部材の光透過部についても同様である。
【0019】
かかる第1発明では、第1光源と第2光源とは、それぞれ互いに異なる単一色の照明光を発光可能なものでもよいが、前記第1光源及び第2光源のうちの少なくともいずれか一方は、複数種類の色の照明光を発光可能な光源により構成されていることが好ましい(第2発明)。
【0020】
この第2発明によれば、ノブ先端形成部材の光透過部での照明色と、ノブ側面形成部材の光透過部での照明色との組合せを複数種類に変更することができる。これにより、ダイヤル式操作ノブの意匠性や誘目性を高めることができる。
【0021】
上記第1発明又は第2発明では、前記遮光性部材は、白色に着色された部材により構成されると共に、該遮光性部材の側壁部のうちの少なくとも前記ノブ先端形成部材寄りの部分の内周面と外周面とは、それぞれ、前記基板側から前記ノブ先端形成部材に向かって拡径するテーパ状の傾斜面として形成されていることが好ましい(第3発明)。
【0022】
この第3発明によれば、第1光源が発光する照明光のうち、前記遮光性部材の内周面に入射する照明光のうちの多くを、該内周面で反射させて前記ノブ先端形成部材に向かわせるようにすることができる。このため、第1光源から発光する照明光のうち、ノブ先端形成部材の光透過部を透過する光の量を多くすることができ、第1光源が発光する照明光を、効率よく(低損失で)ノブ先端形成部材の光透過部での照明に活用することができる。
【0023】
さらに、前記第2光源から前記導光部材を透過して前記遮光性部材の外周面に入射する照明光、あるいは、第2光源から該遮光性部材の外周面に直接的に入射する照明光のうちの多くを、該外周面で反射させて前記ノブ側面形成部材に向かわせるようにすることができる。このため、第2光源から発光する照明光のうち、ノブ側面形成部材の光透過部を透過する光の量を多くすることができ、第2光源が発光する照明光を、効率よく(低損失で)ノブ側面形成部材の光透過部での照明に活用することができる。
【0024】
上記第3発明では、前記遮光性部材が、その内周面及び外周面に白色の塗装が施されたものでもよいが、該遮光性部材は、添加された顔料により白色に着色された樹脂部材により構成されることが好ましい(第4発明)。この第4発明によれば、遮光性部材を安価に作製できる。
【0025】
なお、この第4発明では、遮光性部材の適切な剛性を確保しつつ、該遮光性部材による照明光の十分な遮光を行なう上では、該遮光性部材の厚さは、1mm以上の厚さであることが望ましい。
【0026】
上記第1〜第4発明では、前記第2光源として、前記遮光性部材の周囲に周方向に間隔を存して配置された複数の光源を備え、前記導光部材は、前記遮光性部材に外挿された筒状の部材により構成されると共に、該導光部材の前記基板側の端部には、各第2光源が発光する照明光を該導光部材に入射させる入射面が各第2光源に対向して設けられており、各入射面は、これに対向する第2光源から入射した照明光の配光を前記導光部材の周方向に拡散させるように形成されていることが好ましい(第5発明)。
【0027】
この第5発明によれば、前記遮光性部材の周囲に周方向に間隔を存して配置された複数の第2光源のそれぞれから、前記各入射面を介して導光部材に入射した照明光の配光は、前記導光部材の周方向に拡散する配光となる。ここで、前記導光部材の周方向に拡散する配光というのは、より詳しくは、導光部材に入射する照明光のうち、入射直後の進行方向が、入射直前の進行方向よりも、導光部材の周方向に近づくように偏向される照明光が相対的に多くなるような配光を意味する。
【0028】
このため、第5発明によれば、前記第2光源の個数がさほど多くなくても(例えば2個であっても)、前記ノブ側面形成部材の光透過部に入射する照明光の強度の、該ノブ側面形成部材の周方向での分布(該周方向での配光分布)を均一的な分布にすることが可能となる。その結果、ノブ側面形成部材の光透過部での照明を、周方向に均一的な照明強度で行なうように(ノブ側面形成部材の周方向での照明強度のばらつきが生じないように)することを、第2光源の少ない個数で実現することが可能となる。
【0029】
この第5発明では、前記導光部材の各入射面は、例えば、該導光部材の径方向に延在する交線で交差する一対の傾斜面により構成される(第6発明)。
【0030】
この第6発明によれば、前記導光部材に入射した照明光の前記配光を効果的に実現できる。なお、この第6発明では、例えば、前記第2光源の個数を2個として、それらの2個の第2光源を、周方向に180度もしくはほぼ180度の位相(角度間隔)をずらして配置した場合に、前記一対の傾斜面の間の角度(鋭角側の角度)は、45度以下に設定することが望ましい。
【0031】
また、上記第5発明又は第6発明では、前記遮光性部材と導光部材とは、その一方に形成された突起部を他方に形成された凹部又は孔部に係合させる係止構造によって連結されると共に、前記導光部材を前記基板に締結するためのねじを螺合させるねじ穴が該導光部材に設けられていることが好ましい(第7発明)。
【0032】
この第7発明によれば、前記遮光性部材と導光部材とを、上記係止構造によって連結すると共に、前記導光部材をそのねじ穴に螺合させるねじによって前記基板に締結することで、該導光部材を遮光性部材と共に、基板に取り付けることができる。
【0033】
また、この場合、導光部材にねじ穴を形成することで、遮光性部材の外径を極力小さくし、前記ノブ内部空間で、前記導光部材を配置し得る空間の容積を極力大きくすることができる。そのため、導光部材に入射した照明光を、効率よく(低損失で)前記ノブ側面形成部材の光透過部に導光し得る導光部材を容易に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1(a)は本発明の一実施形態におけるダイヤル式操作ノブを正面図、図1(b)は該ダイヤル式操作ノブの側面図、図1(c)は該ダイヤル式操作ノブの斜視図。
【図2】図1(a)のII−II線断面図。
【図3】図3(a)は実施形態のダイヤル式操作ノブに備えた遮光性部材の斜視図、図3(b)は該遮光性部材の正面図。
【図4】図4(a)は実施形態のダイヤル式操作ノブに備えた導光性部材の正面図、図4(b)は該導光性部材の背面図、図4(c)は図4(a)のIV−IV線断面図、図4(d)は該導光性部材の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、本発明の一実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
【0036】
図1(a)〜(c)を参照して、本実施形態のダイヤル式操作ノブ1(以下、単に操作ノブ1という)は、車載機器等の操作を行なうためのノブであり、基板3、ロータリエンコーダ5、ノブ側面形成部材7、及びノブ先端形成部材9を備える。
【0037】
ロータリエンコーダ5は、筒状のものであり、その軸心方向を基板3(回路基板)の法線方向に向けて該基板3に搭載されている。このロータリエンコーダ5は、その構造の詳細な図示は省略するが、基板3に対して固定された固定部と該固定部に対して回転自在な回転部とを有し、その回転部の回転に応じてパルス信号を出力するように構成された公知の構造のものである。
【0038】
ノブ側面形成部材7は、操作ノブ1の側面部を形成する筒状の部材であり、ロータリエンコーダ5の先端部(基板3と反対側の端部)から、前方に突き出るようにして該ロータリエンコーダ5と同軸心に設けられている。
【0039】
このノブ側面形成部材7は、本実施形態では、操作ノブ1の基端寄り(ロータリエンコーダ5寄り)の側面部を形成する基端側側面形成部材11と、操作ノブ1の先端寄りの側面部を形成する先端側側面形成部材13とから構成される。
【0040】
基端側側面形成部材11は、図2に示すように、そのロータリーエンコーダ5側の端部が該ロータリエンコーダ5に同軸心に外挿されると共に、該ロータリエンコーダ5の回転部(図示省略)と一体に回転するように該回転部に連結されている。
【0041】
また、先端側側面形成部材13は、基端側側面形成部材11の先端部(ロータリーエンコード5と反対側の端部)に同軸心に外嵌され、基端側側面形成部材11と一体に回転するように該基端側側面形部材11に連結されている。
【0042】
本実施形態では、上記先端側側面形成部材13は、ABS樹脂等の樹脂材により構成され、その外面にメッキが施されている。このため、本実施形態では、ノブ側面形成部材7のうちの先端寄り側の部分を構成する先端側側面形成部材13は、照明光を透過しない部分(非透光性の部分)となっている。
【0043】
一方、基端側側面形成部材11は、本実施形態では、PC(ポリカーボネート)樹脂等の樹脂材により透光性を有する乳白色の色合いで構成され、照明光を透過することが可能となっている。このため、本実施形態では、ノブ側面形成部材7のうちの先端側側面形成部材13の基板3寄り側の端面と、ロータリエンコーダ5の先端側の端面との間の環状部分の全体が、その内周面側から外周面側に向う光を透過する光透過部として機能するようになっている。
【0044】
なお、例えば、基端側側面形成部材11の内周面又は外周面に、該基端側側面形成部材11が地肌が露出する部分を有する遮光性の塗装又はメッキを施し、該基端側側面形成部材11が露出する部分を光透過部として機能させるようにしてもよい。この場合の光透過部は、例えば、基端側側面形成部材11の周方向に連続した環状部分でもよいが、該周方向に離散的に配列されたような部分であってもよい。また、その光透過部は、装飾模様状に形成されていてもよい。
【0045】
また、基端側側面形成部材11と、先端側側面形成部材13とは一体に構成されていてもよい。
【0046】
ノブ先端形成部材9は、本実施形態では、円板状の部材であり、ノブ側面形成部材7の先端側の開口端部(先端側側面形成部材13の先端側の開口端部)を覆うようにして(概略閉蓋するようにして)、該開口端部にノブ側面形成部材7と同軸心に配置されている。このノブ先端形成部材9は、操作ノブ1の内部空間に設けられた後述の遮光性部材17に取付られており(図2を参照)、該遮光性部材17を介して基板3に対して固定されている。
【0047】
従って、ノブ先端形成部材9は、回転不能となっており、その周囲でノブ側面形成部材7がノブ先端形成部材9に対して相対的に回転するようになっている。
【0048】
そして、本実施形態では、ノブ先端形成部材9は、PMMA樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)等の透明な樹脂材により構成される一方、その裏面(ノブ側面形成部材7の内部に臨む面)のうちの文字形状もしくは装飾パターン形状の一部の部分(図示省略)を除く領域に遮光性の印刷(あるいは塗装もしくはメッキ)が付されている。これにより、ノブ先端形成部材9は、その文字形状や装飾パターン形状の部分で、操作ノブ1の内部側から正面前方に向かう照明光を透過することが可能となっている一方、他の部分では、該照明光を透過しないようになっている。
【0049】
なお、ノブ先端形成部材9は、例えばノブ側面形成部材7の先端側の開口端部よりも若干前方側の位置に配置されていてもよい。その場合、ノブ先端形成部材9は、その外径がノブ側面形成部材7の先端側の開口端部の内径よりも大きくてもよい。
【0050】
本実施形態の操作ノブ1にあっては、さらに、図2に示すように、前記ノブ先端形成部材9と基板3との間でノブ側面形成部材7及びロータリエンコーダ5の内部に形成されるノブ内部空間15に、遮光性部材17、導光部材19、第1光源21及び第2光源23が収容されている。
【0051】
遮光性部材17は、図2及び図3(a),(b)に示す如く、筒状の部材であり、本実施形態では、大略メガホン状の形状に形成されて、その両端の開口端部のうちの一方側が他方側よりも大径なものなっている。そして、遮光性部材17の大径側の開口端部と小径側の開口端部とをそれぞれノブ先端形成部材9、基板3に当接させた状態で、該ノブ先端形成部材9と基板3との間にノブ側面形成部材7と同軸心に配置されている。
【0052】
この場合、遮光性部材17は、上記のように大略メガホン状の形状であるので、該遮光性部材17の側壁部の内周面と外周面とは、それぞれ、基板3側からノブ先端形成部材9に向かって拡径するテーパ状の傾斜面となっている。
【0053】
また、遮光性部材17の大径側の開口端部(ノブ先端形成部材9に向って開口する開口端部)の外周部には、概略環状のフランジ25が形成されており、このフランジ25に、ノブ先端形成部材9の裏面周縁部を当接させた状態で、該ノブ先端形成部材9の周縁部がフランジ25に接着剤等により固着されている。
【0054】
なお、この場合、ノブ先端形成部材9の前記した光透過部は、遮光性部材17の内部に臨む位置に配置されている。
【0055】
さらに遮光性部材17の小径側の開口端部(基板3側の開口端部)には、図3(a)に示す如く複数(図示例では2つ)の位置決めピン27,27が突設されており、この各位置決めピン27を図2に示す如く基板3に挿入することで、基板3に対して遮光性部材17が位置決めされている。
【0056】
また、図2に示す如く、遮光性部材17の側壁部のうちの大径側の開口端部寄りの部分の外周面には、詳細を後述する導光部材19に遮光性部材17を連結するための係止構造29の構成要素として、複数(図示例では2つ)の突起部29a,29aが遮光性部材17の側壁部の径方向外方に若干張り出すようにして突設されている。本実施形態では、これらの突起29a,29aは、遮光性部材17の周方向に180度の角度間隔を存して配置されている。
【0057】
以上の構造の遮光性部材17は、本実施形態では、ABS樹脂、あるいは、ABS樹脂とPC樹脂との合成樹脂等の樹脂材により構成されている。但し、その樹脂材には、白色の顔料(例えば二酸化チタン)が添加されており、これにより、遮光性部材17は、白色に着色されていると共に、照明光を実質的に透過しないもの(透過量が十分に微小なものとなる場合を含む)ものとなっている。
【0058】
この場合、本実施形態では、遮光性部材17の十分な剛性と遮光性とを両立させるために、該遮光性部材17の側壁部は、1mm以上の厚さで形成されている。
【0059】
なお、本実施形態では、遮光性部材17の内周面及び外周面の傾斜角度(軸心方向に対する傾斜角度)は、図2に示し如く、小径側の開口端部寄りの部分と大径側の開口端部寄りの部分とで異なっているが、それらの傾斜角度は同じであってもよい。また、小径側の開口端部寄りの部分の内周面又は外周面は、遮光性部材17の軸心方向と平行な面であってもよい。
【0060】
第1光源21は、ノブ先端形成部材9の光透過部を透過させる照明光を発光する光源であり、本実施形態では、単一色、例えば白色の照明光を発光するLEDにより構成された光源である。この第1光源21は、遮光性部材17の軸心上(ノブ側面形成部材7の軸心上)で遮光性部材17の内部に配置され、基板3に装着されている。そして、該基板3に形成された配線(図示省略)を介して第1光源21に点灯用の電力が供給されるようになっている。
【0061】
第2光源23は、ノブ側面形成部材7の光透過部を透過させる照明光を発光する光源として、第1光源21と異なる色の照明光を発光可能な光源である。本実施形態では、3色LEDにより構成された複数、例えば2つの第2光源23,23を備える。各第2光源23を構成する3色LEDは、赤色、緑色及び青色の発光ダイオードを内蔵して、それらの混色の発光を行なうパッケージ構造の公知の発光素子であり、赤色、緑色及び青色の各色の発光輝度を制御することが可能となっている。このため、各第2光源23は、赤色、緑色及び青色を含めた任意の色の照明光を発光することが可能となっている。
【0062】
これらの2つの第2光源23,23は、ノブ内部空間15において、ノブ側面形成部材7と同軸心の円周上で遮光性部材17の周囲に配置され、基板3に装着されている。この場合、第2光源23,23は、遮光性部材17の周方向に180度の角度間隔(位相差)を有する位置、すなわち、該遮光性部材17の径方向で対向位置で基板3に装着されている。そして、第1光源21と同様に、基板3に形成された配線(図示省略)を介して各第2光源23に点灯用の電力が供給されるようになっている。
【0063】
導光部材19は、各第2光源23が発光する照明光を該第2光源23からノブ側面形成部材7の光透過部に導く部材であり、PC(ポリカーボネート)樹脂等の樹脂材によって構成されている。この導光部材19は、図2及び図4(a)〜(d)に示す如く、概略筒状に形成されており、ノブ内部空間15において、遮光性部材17に同軸心に外挿されて、該遮光性部材17の周囲に配置され、基板3側の開口端面が基板3に当接されている。
【0064】
この場合、導光部材19の基板3側の開口端部の内周面部には、第2光源23,23と同数の切欠き凹部31,31が、該第2光源23,23の配置と同じ角度間隔(導光性部材19の周方向の角度間隔)で形成されており、この各切欠き凹部31内に各第2光源23を収容するようにして、導光部材19が遮光性部材17の周囲に配置されている。
【0065】
上記各切欠き凹部31は、それに収容される第2光源23の照明光の導光部材19への入射面として、図4(c)に示すように、互いに交差する一対の傾斜面31a,31aを備えている。そして、各切欠き凹部31に収容される第2光源23が前方(導光部材19の軸心と概略同方向)に向って発光する照明光は、これらの一対の傾斜面31a,31aを介して導光部材19に入射するようになっている。
【0066】
この場合、各切欠き凹部31の一対の傾斜面31a,31aは、これらを導光部材19の径方向で見たときに、一対の傾斜面31a,31aが、導光部材19の両開口端のうちの基板3側の開口端に向って末広がりとなる二等辺三角形状に傾斜し、導光部材19の径方向に延在する交線で交差するように形成されている。
【0067】
これにより、各第2光源23から導光部材19に入射する照明光の多くは、その入射直後の進行方向が入射直前よりも導光部材19の周方向に近づくように、該進行方向が上記一対の傾斜面31a,31aで偏向され、入射後の照明光の配光が導光部材19の周方向に拡散するようになっている。この場合、本実施形態では、導光部材19に入射した照明光の上記拡散を促進するために、傾斜面31a,31bの間の角度(鋭角側の角度)は、45度以下の角度に設定されている。
【0068】
また、導光部材19の内周面は、該内周面から出射する照明光を、遮光性部材17の外周面で効率よく反射させるために、該遮光性部材17の外周面に概ね沿った形状に形成されている。
【0069】
また、導光部材19の外周面は、各第2光源23から入射した照明光の多くを、ノブ側面形成部材7の光透過部(先端側側面形成部材13とロータリエンコーダ5との間で箇所)の内側の箇所に効率よく導き、その箇所から、ノブ側面形成分部材7の内周面に向って径方向に照明光を出射させるように形成されている。
【0070】
本実施形態では、導光部材19のうちのロータリーエンコーダ5の内側の部分の外周面は、ロータリエンコーダ5の内周面に概ね沿った形状に形成され、ノブ側面形成部材7の光透過部の内側の部分の外周面は、ノブ側面の箇所の内周面に概ね沿った形状に形成されている。
【0071】
また、導光部材19の基板3と反対側の開口端部には、図4(d)に示すように、前記遮光性部材17の突起29a,29aと同数(本実施形態では2つ)の突片33,33がノブ先端形成部材9に向って突設されている。これらの突片33,33は、導光部材19の周方向に180度の角度間隔を存して配置されており、各突片33の内周側の面に、各突起29aを係止させる凹部29bが前記係止構造29の構成要素として形成されている。
【0072】
そして、図2に示す如く、遮光性部材17に外挿される導光部材19の各凹部29bに遮光性部材17の各突起29aを嵌合させることで、該遮光性部材17と導光部材19とが連結されるようになっている。
【0073】
また、導光部材19の基板3側の開口端部には、図4(b)に示す如く、複数(図示例では2つ)のねじ穴35が周方向に間隔を存して穿設されている。そして、その各ねじ穴35に、図2に示す如く基板3を通してねじ37を螺合させることによって、導光部材19が基板3に締結され、これにより、該導光部材19がこれに前記係止構造29を介して連結された遮光性部材17と共に基板3に対して固定されるようになっている。
【0074】
なお、この場合、遮光性部材17と導光部材19は、遮光性部材17に設けた前記位置決めピン27,27を基板3の所定の孔に挿入することで、基板3に対して位置決めされることとなる。その位置決めピン27,27は、遮光性部材17に設ける代わりに、導光部材19に設けられていてもよい。
【0075】
以上が、本実施形態の操作ノブ1の構造である。
【0076】
次に、かかる本実施形態の操作ノブ1の照明に関する作動を説明する。夜間等において、第1光源21と各第2光源23とが点灯される。このとき、第1光源21は、白色の照明光を発光し、各第2光源23は、経時的に色が変化していくような照明光、あるいは、第1光源21の照明色と異なる所定色の照明光を発光する。なお、各第2光源23の照明光の色を経時的に変化させる場合、その色が一時的に、第1光源21の照明光の色と同じになってもよい。
【0077】
第1光源21が発光した光は、遮光性部材17の内部空間を伝播して、遮光性部材17のノブ先端形成部材9側の開口端から該ノブ先端形成部材9に入射する。そして、ノブ先端形成部材9の光透過部に入射した照明光が該光透過部を透過してノブ先端形成部材9の正面前方に向って出射する。これにより、ノブ先端形成部材9の光透過部での照明が第1光源21の照明光によってなされる。
【0078】
また、各第2光源22が発光した光は、その多くが該第2光源22が収容された前記切欠き凹部31の一対の傾斜面31a,31aを介して導光部材19に入射する。そして、その入射した照明光の多くが、該導光部材19の内周面や外周面での全反射あるいは遮光性部材17の外周面での反射を行いつつ、導光部材19の内部を伝播して、ノブ側面形成部材7の光透過部(先端側側面形成部材13とロータリエンコーダ5との間の箇所)の内側の部分に到達し、その部分からノブ側面形成部材7の光透過部に入射する。
【0079】
そして、ノブ側面形成部材7の光透過部に入射した照明光が該光透過部を透過して、該ノブ側面形成部材7の側方に出射する。これにより、ノブ側面形成部材7の光透過部での照明が第2光源23の照明光によってなされる。
【0080】
このような照明時において、第2光源23の照明光は、遮光性部材17を透過できないので、該照明光が遮光性部材17の内部に侵入するのが防止される。このため、ノブ先端形成部材9の光透過部の照明の色は、実質的に、第1光源21の照明光の色によって規定され、該第1光源21の照明光の色でノブ先端形成部材9の光透過部の照明を行なうことができる。
【0081】
同様に、第1光源21の照明光は、遮光性部材17を透過できないので、該照明光が遮光性部材17の外側に侵入するのが防止される。このため、ノブ側面形成部材7の光透過部の照明の色は、実質的に、第2光源23の照明光の色によって規定され、該第2光源23の照明光の色でノブ側面形成部材7の光透過部の照明を行なうことができる。
【0082】
従って、ノブ先端形成部材9の光透過部での照明と、ノブ側面形成部材7の光透過部での照明とを互いに独立した所望の色の組み合わせで行なうことができる。このため、それらの照明を、操作ノブ1の誘目性や、意匠性に適した好適な組合せで行なうことができると共に、種々様々の色の組合せを実現できる。
【0083】
特に、本実施形態では、各第2光源23が3色LEDにより構成しているので、第2光源23の照明光の色の任意の色に変化させることができる。このため、ノブ先端形成部材9の光透過部での照明の色と、ノブ側面形成部材7の光透過部での照明の色との組み合せを種々様々な色の組合せに変化させることができる。
【0084】
また、本実施形態では、遮光性部材17は、添加された顔料によって白色に着色されていると共に、その内周面が前記した如くテーパ状の傾斜面となっているので、第1光源21が発光した照明光のうちの遮光性部材17の内周面に入射する照明光の多くを、遮光性部材17の内周面で反射させつつ、ノブ先端形成部材9の光透過部に入射させることができる。
【0085】
このため、第1光源21が発光した照明光の多くを効率よく(低損失)で、ノブ先端形成部材9の光透過部の照明に活用することができる。
【0086】
さらに、第1光源21が、遮光性部材17の軸心上に配置されているため、ノブ先端形成部材9のうちの遮光性部材17の内部に臨む部分の裏面に均一的に照明光を入射させることができ、ひいては、ノブ先端形成部材9の光透過部の各所での照明を均一的な照明強度で行なうことができる。
【0087】
また、遮光性部材17の外周面も、内周面と同様にテーパ状の傾斜面となっているので、各第2光源23から導光部材19に入射した照明光のうち、導光部材19の内周面から出射する照明光の多くを遮光性部材17の外周面で反射させつつ、ノブ側面形成部材7の光透過部に入射させることができる。
【0088】
これにより、第2光源23が発光した照明光の多くを効率よく(低損失)で、ノブ側面形成部材7の光透過部の照明に活用することができる。
【0089】
また、本実施形態では、各第2光源23から導光部材19への照明光の入射面が前記一対の傾斜面31a,31aとなっているため、該一対の傾斜面31a,31aを介して導光部材19に入射した照明光が、前記した如く導光部材19の周方向に拡散する。
【0090】
このため、ノブ側面形成部材7の光透過部の内側において、導光部材19の外周面から出射する照明光の強度の、該導光部材19の周方向での分布のばらつき少なくし、該分布を均一的なものとすることができる。その結果、ノブ側面形成部材7の光透過部から出射する照明光の強度が、周方向でばらつきを生じるのを防止することができ、ノブ側面形成部材7の周囲での見映えの良い照明を実現できる。
【0091】
また、本実施形態では、導光部材19と遮光性部材17とを前記係止構造29で連結し、導光部材19に形成したねじ穴35に螺合させるねじ37により該導光部材19を基板3に締結することで、導光部材19及び遮光性部材17を基板3に取り付けるようにしている。
【0092】
このため、遮光性部材17を基板3にねじ締めするためのねじ穴を形成するボスを遮光性部材17に設ける必要がなく、ひいては、ノブ内部空間15において、遮光性部材17が占める容積を必要最小限に留めることができる。その結果、遮光性部材17の周囲で導光部材19を配置し得る容積を十分に確保することができ、第3光源23の照明光を、ノブ側面形成分部材7の光透過部に効率よく導く上で、好適な形状の導光部材19を遮光性部材17の周囲に配置できる。
【0093】
なお、以上説明した実際形態では、遮光性部材17は筒状のものとしたが、ノブ先端形成部材9側の端部だけが開口する容器状のものであってもよい。その場合、第1光源21は、遮光性部材17の内部で該遮光性部材17の底面上に配置し、該遮光性部材17の底部に穿設した孔等を介して基板3に電気的に接続するようにすればよい。
【0094】
また、前記実施形態では、第2光源23の個数を2個としたが、それよりも多くの第2光源23を遮光性部材17の周囲に配置するようにしてもよい。さらに、例えば、ノブ側面形成部材7の光透過部が、一部分の領域であるような場合には、第2光源23の個数を1つとするようにしてもよい。
【0095】
また、前記実施形態では、第1光源21の照明光を単色とし、第2光源23の照明光を種々の色に変更可能なものとしたが、第1光源21の照明光の色を変更可能とすると共に、第2光源23の照明光を単色としてもよく、あるいは、第1光源21及び第2光源23の両者の照明光の色を変更可能とするようにしてもよい。
【0096】
また、前記実施形態では、係止構造29を構成する突起部29aと凹部29bとをそれぞれ、遮光性部材17、導光部材19に設けたが、突起部を導光性部材19に設けると共に、凹部を遮光性部材17に設けるようにしてもよい。また、凹部の代わりに孔部を係止構造の構成要素として遮光性部材17又は導光部材19に形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1…ダイヤル式操作ノブ、3…基板、5…ロータリーエンコーダ、7…ノブ側面形成部材、9…ノブ先端形成部材、15…ノブ内部空間、17…遮光性部材、19…導光部材、21…第1光源、23…第2光源、29…係止構造、29a…突起部、29b…凹部、31a…傾斜面(入射面)、35…ねじ穴、37…ねじ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に搭載された筒状のロータリエンコーダと、該ロータリエンコーダの回転部と一体に回転するように該回転部に連結された筒状の部材であり、その側壁部に、内周面側から外周面側に向かう照明光を透過させる光透過部を有するノブ側面形成部材と、該ノブ側面形成部材の前記基板と反対側の開口端を覆うようにして設けられた部材であり、該ノブ側面形成部材の内部に対向する部分に、該ノブ側面形成部材の内部側からノブ正面前方に向かう照明光を透過させる光透過部を有するノブ先端形成部材とを備え、前記ノブ側面形成部材の光透過部と前記ノブ先端形成部材の光透過部とから照明光を外部に出射するダイヤル式操作ノブの照明構造であって、
前記基板とノブ先端形成部材との間で前記ロータリエンコーダ及びノブ側面形成部材の内部に形成されたノブ内部空間に、前記ノブ先端形成部材に向かって開口するように配置された筒状又は容器状の遮光性部材と、
前記ノブ先端形成部材の光透過部を透過させる照明光を発光する光源として、該遮光性部材の内部に配置された第1光源と、
前記ノブ側面形成部材の光透過部を透過させる照明光を発光する光源として、前記遮光性部材の周囲で前記ノブ内部空間に配置され、前記第1光源の照明光と異なる色の照明光を発光可能な第2光源と、
前記第2光源が発光する照明光を該第2光源から前記ノブ側面形成部材の光透過部に導く部材として前記遮光性部材の周囲で前記ノブ内部空間に配置された導光部材とを備えることを特徴とするダイヤル式操作ノブの照明構造。
【請求項2】
請求項1記載のダイヤル式操作ノブの照明構造において、
前記第1光源及び第2光源のうちの少なくともいずれか一方は、複数種類の色の照明光を発光可能な光源により構成されていることを特徴とするダイヤル式操作ノブの照明構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載のダイヤル式操作ノブの照明構造において、
前記遮光性部材は、白色に着色された部材により構成されると共に、該遮光性部材の側壁部のうちの少なくとも前記ノブ先端形成部材寄りの部分の内周面と外周面とは、それぞれ、前記基板側から前記ノブ先端形成部材に向かって拡径するテーパ状の傾斜面として形成されていることを特徴とするダイヤル式操作ノブの照明構造。
【請求項4】
請求項3記載のダイヤル式操作ノブの照明構造において、
前記遮光性部材は、添加された顔料により白色に着色された樹脂部材により構成されることを特徴とするダイヤル式操作ノブの照明構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイヤル式操作ノブの照明構造において、
前記第2光源として、前記遮光性部材の周囲に周方向に間隔を存して配置された複数の光源を備え、
前記導光部材は、前記遮光性部材に外挿された筒状の部材により構成されると共に、該導光部材の前記基板側の端部には、各第2光源が発光する照明光を該導光部材に入射させる入射面が各第2光源に対向して設けられており、各入射面は、これに対向する第2光源から入射した照明光の配光を前記導光部材の周方向に拡散させるように形成されていることを特徴とするダイヤル式操作ノブの照明構造。
【請求項6】
請求項5記載のダイヤル式操作ノブの照明構造において、
前記導光部材の各入射面は、該導光部材の径方向に延在する交線で交差する一対の傾斜面により構成されていることを特徴とダイヤル式操作ノブの照明構造。
【請求項7】
請求項5又は6記載のダイヤル式操作ノブの照明構造において、
前記遮光性部材と導光部材とは、その一方に形成された突起部を他方に形成された凹部又は孔部に係合させる係止構造によって連結されると共に、前記導光部材を前記基板に締結するためのねじを螺合させるねじ穴が該導光部材に設けられていることを特徴とするダイヤル式操作ノブの照明構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−146456(P2012−146456A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3233(P2011−3233)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】