説明

ダンパースプリング及びシート部材

【課題】 コイルスプリングに対してシート部材を嵌め込み易くすることができ、これにより組立作業性を向上させることができると共に、嵌め合いの許容差を確保することができ、これにより組立効率を向上させることができ、それだけ製造コストを低減させることができるダンパースプリング及びシート部材を提供する。
【解決手段】 コイルスプリング110a,110bと、シート部材120a,120a’,120b,120b’とを備えたダンパースプリング100a,100bにおいて、前記シート部材は、筒状部121a,121a’,121b,121b’と、前記コイルスプリングの長手方向Xと直交する方向に延びるように、前記筒状部に一体形成されたシート面122a,122a’,122b,122b’とを有し、前記筒状部には、前記コイルスプリングへ向けて径方向へ突出する複数の突起123a,123a’,123b,123b’が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体伝動装置におけるダンパースプリング及び該ダンパースプリングを構成するシート部材に関する。
【背景技術】
【0002】
流体伝動装置の一つとして、周知の通り、エンジンの動力を、作動流体を媒体としてトランスミッションへ伝えることができるトルクコンバータがある。
【0003】
このトルクコンバータは、通常、エンジンによって回されるポンプと、該ポンプの回転により送り出される作動流体の動きを受けて回るタービンと、該タービンから出た作動流体の向きを変えてポンプへ導くステータとを備え、タービン及びステータが所定の角度をもって一定間隔で配列された複数枚のブレードを有しており、トルクコンバータ内に封入されている作動流体が、ポンプからその各ブレードを介して外周方向へ送り出され、トルクコンバータのケース内壁を伝い、タービンのブレードに当たって該タービンをポンプと同方向に回転させる働きをし、またタービンから送り出される作動流体は、ステータのブレードに当たってポンプの回転を助長する方向に流れ方向が変えられ、再び内周からポンプに流入するように構成されている。
【0004】
図6及び図7を参照しながら、以下にさらに詳しく説明する。図6は従来のトルクコンバータAの概略構成を示す断面図であり、図7は図6に示す従来のトルクコンバータAにおけるロックアップ機構の動作を説明するための模式的側面図であって、図7(A)はロックアップ作動時の状態を示しており、図7(B)はロックアップ解除時の状態を示している。図6及び図7において、A1はポンプ、A2はタービン、A3はクラッチプレート、A4はダンパースプリング、A5はフロントカバーをそれぞれ示している。
【0005】
このトルクコンバータAでは、エンジンEからの動力を得てフロントカバーA5が回転し、該フロントカバーA5と一体となっているポンプA1が回転し、さらに作動流体P(例えば、オイル)を媒介としてタービンA2が回転する。こうしてタービンA2の回転がタービンハブA6を介してトランスミッションTへ伝達され得る。ここで、ポンプA1の回転速度が低い場合には、タービンA2の回転を停止(例えば、車両を停止)することができる一方、ポンプA1の回転速度が高くなるに従ってタービンA2は回り始め、さらに高速になるに従ってタービンA2の回転速度はポンプA1の回転速度に近づく。このとき、ポンプA1からタービンA2への回転は作動流体Pを媒介とした回転であるため、このままではタービンA2の回転速度がポンプA1の回転速度と同一にはなり得ない(図7(B)の状態)。
【0006】
しかし、このトルクコンバータAでは、トルクコンバータ外殻A7内において、タービンA2のタービンハブA6に同軸を成して連結されたクラッチプレートA3が設けられていて、タービンA2の回転速度が所定の範囲を越えた場合には、該クラッチプレートA3が軸線方向フロントカバーA5側に移動して該フロントカバーA5に係合するように作動し得る(図7(A)の状態)。こうすることで、クラッチプレートA3は、外周部に設けられた摩擦材A8によって滑ることなくフロントカバーA5と同一の回転速度で回転することができ、ひいては、クラッチプレートA3と連結したタービンA2が、フロントカバーA5と一体のポンプA1と同一の回転速度で回転することができる。これにより、エンジンEからの動力をトランスミッションTへ、作動流体Pを介することによるロスを伴うことなくほぼ100%の高効率で伝達することができる。
【0007】
このようにトルクコンバータAでは、タービンA2の回転速度が高くなって、ある条件になった時に、クラッチプレートA3がフロントカバーA5に係合して、作動流体Pを媒体としないでポンプA1に対してタービンA2を直接回転駆動させることができるのであるが、クラッチプレートA3のフロントカバーA5への係合前(図7(B)の状態)は、タービンA2及びフロントカバーA5の回転速度は完全に同一ではなく、クラッチプレートA3がフロントカバーA5に係合することで(図7(A)の状態)、タービンA2の回転速度とフロントカバーA5の回転速度との速度差に基づく衝撃が発生する。例えば、タービンA2と共に同一の回転速度で回転しているクラッチプレートA3が僅かに速い回転速度で回転しているフロントカバーA5に係合する際に、クラッチプレートA3の回転速度は瞬間的に高くなってタービンA2をより速く回そうとする衝撃的トルクが作用する。
【0008】
この係合時の衝撃を緩和し、さらには係合状態において、エンジンEのトルク変動を伝え難くするために、クラッチプレートA3とタービンA2との間には周方向に沿って配置された複数のダンパースプリングA4,A4…を備えたロックアップダンパA9が取り付けられていて、例えば、タービンA2のタービンハブA6に同軸を成して連結されているクラッチプレートA3が、ダンパースプリングA4,A4…の圧縮変形によって、タービンA2と位相差を生じることができるような構造となっており、従って、タービンA2と共に同一の回転速度で回転しているクラッチプレートA4が僅かに速い回転速度で回転しているフロントカバーA5に係合する際に作用する衝撃的トルクをダンパースプリングA4,A4…が圧縮変形して吸収できるように構成されている。
【0009】
このようなロックアップダンパA9のロックアップ機構では、複数のダンパースプリングA4,A4…は、クラッチプレートA3又はタービンA2の何れか一方に固着されたダンパープレートA10に設けられるダンパースプリング保持部内において、一端部がクラッチプレートA3側に当接した状態で伸縮可能に且つ他端部がタービンA2側に当接した状態で伸縮可能に配設されている。このとき、ダンパースプリングA4,A4…は、コイルスプリングだけの状態では、該コイルスプリングの両端部において、クラッチプレートA3側又はタービンA2側に押圧される面積が狭くなってしまい、コイルスプリングが圧縮される方向に均等に力が加わり難いことから、圧縮される際にダンパースプリング保持部内で周辺の部材との摺動抵抗が大きくなり易く、ひいては振動吸収能力が低下し易い。そこで、ダンパースプリングA4,A4…の両端部にはそれぞれシート部材が該両端部と係合して取り付けられている。
【0010】
図8は従来のダンパースプリングA4を構成する部材を示す図であって、図8(A)は該ダンパースプリングA4を構成するコイルスプリングA41の概略側面図であり、図8(B)は該ダンパースプリングA4を構成するシート部材A42の概略側面図であり、図8(C)は該シート部材A42の概略平面図である。図8に示すように、従来のダンパースプリングA4では、シート部材A42が、コイルスプリングA41の長手方向(図中X方向)に延びると共にコイルスプリングA41の内径D1’と略同一の外径D2’を有し、コイルスプリングA41の山部Q1に係入される平面視円形状の第1係合部A421と、第1係合部A421の一方側端部からさらに長手方向Xに延びると共にコイルスプリングA41の内径D1’より大きい外径D3’を有し、コイルスプリングA41の谷部Q2に係入される平面視円形状の第2係合部A422と、第1係合部A421の他方側端部から径方向外方へ延びるシート面423とを備えたものである。
【0011】
ところで、ダンパースプリングA4では、シート部材A42の第2係合部A422の外径D3’からコイルスプリングA41の内径D1’を差し引いた直径締め代Dが比較的小さい場合にシート部材A42がコイルスプリングA41から外れ易くなると、シート部材としての意味がなく、また、直径締め代Dが比較的大きい場合にコイルスプリングA41に対してシート部材A42を嵌め込み難くなると、組立作業性が良くない。また、シート部材A42がコイルスプリングA41の両端部に係合される際には、シート部材A42の第2係合部A422がコイルスプリングA41の山部Q1を乗り越える必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記したような従来のダンパースプリングA4では、シート部材A42において、コイルスプリングA41の山部Q1を乗り越える第2係合部422がコイルスプリングA41の内径D1’より大きい径D3’を有する平面視円形状のものであり、実質的に弾性変形しないことから、コイルスプリングA41に対してシート部材A42を嵌め込み難く、ダンパースプリングA4の組立作業性が良くない。さらに、コイルスプリングA41に対するシート部材A42の抜け力が所定の基準値(規格値)以上となる直径締め代Dの最小許容値からコイルスプリングA41に対するシート部材A42の嵌め込み力が所定の基準値以下となる直径締め代Dの最大許容値までの嵌め合いの許容差があまりない構成となっているので、例えば、互いに異なる内径(具体的に言えば10mm、10.5mmといった内径)のコイルスプリングをその公差(具体的に言えば±0.15mm)を考慮して複数用意しておき、該複数のコイルスプリングの中からシート部材A42の外径に適合する内径のコイルスプリングA41を選択し、該選択されたコイルスプリングA41に対して該シート部材A42を嵌め込むといった作業を行う必要があり、ダンパースプリングA4の組立効率が悪く、ひいては製造コストが高くつく。
【0013】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、コイルスプリングと、該コイルスプリングの端部に係合されたシート部材とを備えたダンパースプリング及び該ダンパースプリングを構成するシート部材であって、コイルスプリングに対してシート部材を嵌め込み易くすることができ、これによりダンパースプリングの組立作業性を向上させることができると共に、嵌め合いの許容差を確保することができ、これによりダンパースプリングの組立効率を向上させることができ、それだけ製造コストを低減させることができるダンパースプリング及びシート部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記課題を解決するため、次のダンパースプリング及びシート部材を提供する。
【0015】
(1)ダンパースプリング
コイルスプリングと、該コイルスプリングの端部に係合されたシート部材とを備えたダンパースプリングであって、前記シート部材は、前記コイルスプリングの端部に凹凸係合される筒状部と、前記コイルスプリングの長手方向と直交する方向に延びるように、前記筒状部に一体形成されたシート面とを有しており、前記筒状部には、前記コイルスプリングへ向けて径方向へ突出する複数の突起が設けられていることを特徴とするダンパースプリング。
【0016】
(2)シート部材
コイルスプリングの端部に係合されるシート部材であって、前記コイルスプリングの端部に凹凸係合される筒状部と、前記コイルスプリングの長手方向と直交する方向に延びるように、前記筒状部に一体形成されたシート面とを有しており、前記筒状部には、前記コイルスプリングへ向けて径方向へ突出する複数の突起が設けられていることを特徴とするシート部材。
【0017】
本発明に係るダンパースプリング及びシート部材では、前記コイルスプリングと前記シート部材とが係合されるにあたり、前記筒状部が前記コイルスプリングの端部に凹凸係合される。このとき、前記筒状部における前記複数の突起は、前記コイルスプリングへ向けて径方向へ突出しているので、該複数の突起が前記コイルスプリングの谷部に係入され、これにより、前記シート部材が前記コイルスプリングに係止される。
【0018】
このように本発明に係るダンパースプリング及びシート部材によれば、前記コイルスプリングの端部に凹凸係合される前記筒状部において、前記ダンパースプリング端部との係合が、前記コイルスプリングへ向けて径方向へ突出している前記複数の突起によって行われるので、前記コイルスプリングに対して前記シート部材を嵌め込み易くすることができ、これにより前記ダンパースプリングの組立作業性を向上させることができると共に、嵌め合いの許容差を確保することができ、これにより前記ダンパースプリングの組立効率を向上させることができ、それだけ製造コストを低減させることができる。
【0019】
本発明に係るダンパースプリングにおけるシート部材及び本発明に係るシート部材の具体的態様としては、次の外挿タイプのもの又は内挿タイプのものを例示できる。すなわち、
(a)外挿タイプ
前記筒状部が、前記コイルスプリングの端部に外挿されるように構成され、前記シート面が、前記筒状部の自由端部から径方向内方へ延びており、前記突起が、前記筒状部の内周面から径方向内方へ突出している態様、
(b)内挿タイプ
前記筒状部が、前記コイルスプリングの端部に内挿されるように構成され、前記シート面が、前記筒状部の自由端部から径方向内方及び外方へ延びており、前記突起が、前記筒状部の外周面から径方向外方へ突出している態様である。
【0020】
ところで、前記外挿タイプのシート部材を有するダンパースプリングでは、前記コイルスプリングが、前記筒状部が外挿される領域が中央領域と同径である場合には、前記筒状部の外径が前記コイルスプリングの前記中央領域の外径より外方に突出してしまう。そうすると、流体伝動装置(例えば、トルクコンバータ)において、前記コイルスプリングが圧縮される際にダンパースプリング保持部内で該筒状部外周面と周辺の部材との摺動抵抗が大きくなり易く、ひいては振動吸収能力が低下し易くなる。そこで、前記コイルスプリングは、前記筒状部が外挿される領域が中央領域よりも縮径されていることが好ましい。こうすることで、前記筒状部の外径が前記コイルスプリングの前記中央領域の外径と略同等にすることができ、これにより、前記コイルスプリングが圧縮される際の摺動抵抗を比較的小さくでき、ひいては振動吸収能力を向上させることができる。
【0021】
本発明に係るダンパースプリングにおけるシート部材及び本発明に係るシート部材において、前記突起は、前記筒状部に対して切り起こし形成されている第1の構成、及び前記突起は、前記筒状部に対して絞り形成されており、前記筒状部には、該筒状部の径方向への変形を許容する切断部が設けられている第2の構成を例示できる。
【0022】
前記第1構成のシート部材では、前記突起が前記筒状部に対して切り起こし形成されているので、前記コイルスプリングと前記シート部材とが係合されるにあたり、該切り起こし形成された突起が、前記コイルスプリングの山部に当接しつつ弾性変形して、前記コイルスプリングの谷部に係入され得る。かかる構成のシート部材によれば、前記コイルスプリングに対して前記シート部材を前記切り起こし形成された突起の弾性変形によって嵌め込み易くすることができ、これにより前記ダンパースプリングの組立作業性を向上させることができると共に、嵌め合いの許容差を良好に確保することができ、これにより前記ダンパースプリングの組立効率を向上させることができる。
【0023】
また、前記第2構成のシート部材では、前記突起が前記筒状部に対して絞り形成されており、前記筒状部には前記切断部が設けられているので、前記コイルスプリングと前記シート部材とが係合されるにあたり、該絞り形成された突起が、前記コイルスプリングの山部に当接する際に、前記筒状部における前記切断部によって該筒状部が弾性変形して、前記コイルスプリングの谷部に係入され得る。かかる構成のシート部材によれば、前記コイルスプリングに対して前記シート部材を前記絞り形成された突起及び前記切断部を有する前記筒状部の弾性変形によって嵌め込み易くすることができ、これにより前記ダンパースプリングの組立作業性を向上させることができると共に、嵌め合いの許容差を良好に確保することができ、これにより前記ダンパースプリングの組立効率を向上させることができる。
【0024】
本発明に係るダンパースプリングにおけるシート部材及び本発明に係るシート部材において、前記突起は、前記コイルスプリング端部との良好な係合状態を確保するという観点から、前記コイルスプリングにおける最外端に位置する巻き線の略中心位置と係合するような位置に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によると、コイルスプリングと、該コイルスプリングの端部に係合されたシート部材とを備えたダンパースプリング及び該ダンパースプリングを構成するシート部材であって、コイルスプリングに対してシート部材を嵌め込み易くすることができ、これによりダンパースプリングの組立作業性を向上させることができると共に、嵌め合いの許容差を確保することができ、これによりダンパースプリングの組立効率を向上させることができ、それだけ製造コストを低減させることができるダンパースプリング及びシート部材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係るダンパースプリングの一部断面を含む概略側面図であって、図1(A)は該ダンパースプリングの一例100aを示しており、図1(B)は該ダンパースプリングの他の例100bを示している。
【0027】
図1(A)に示すダンパースプリング100aは、コイルスプリング110aと、該コイルスプリング110aの両端部111aにそれぞれ係合された2個の外挿タイプのシート部材120a,120a’とを備えている。
【0028】
また、図1(B)に示すダンパースプリング100bは、コイルスプリング110bと、該コイルスプリング110bの両端部111bにそれぞれ係合された2個の内挿タイプのシート部材120b,120b’とを備えている。
【0029】
<外挿タイプのシート部材>
図2は図1(A)に示すダンパースプリング100aを構成するコイルスプリング110a及び外挿タイプの第1及び第2の構成のシート部材120a,120a’を説明するための図であって、図2(A)は該コイルスプリング110aの側面図であり、図2(B)は前記第1の構成のシート部材120aの断面図であり、図2(C)は該シート部材120aの平面図であり、図2(D)は前記第2の構成のシート部材120a’の断面図であり、図2(E)は該シート部材120a’の側面図であり、図2(F)は該シート部材120a’の平面図である。なお、図2(B)及び図2(D)中Dは、前記コイルスプリング110aの外径D1から前記シート部材120aの内径D3を差し引いた直径締め代である。
【0030】
前記第1及び第2の構成のシート部材120a,120a’は、図2(B)乃至図2(F)に示すように、前記コイルスプリング110aの端部111aに凹凸係合される筒状部121a,121a’と、前記コイルスプリング110aの長手方向(図2(A)中X方向)と直交する方向(図2(A)中Y方向)に延びるように、前記筒状部121a,121a’に一体形成されたシート面122a,122a’とを有している。また、前記筒状部121a,121a’は、前記コイルスプリング110aの端部111aに外挿されるように構成されており、該筒状部121a,121a’には、前記コイルスプリング110aへ向けて径方向内方へ突出する複数の(図示例では第1の構成で4箇所、第2の構成で3箇所の)突起123a,123a’が周方向に沿って均等間隔に並設されている。
【0031】
前記コイルスプリング110aは、図2(A)に示すように、前記筒状部121a,121a’が外挿される領域R1が中央領域R2よりも、前記筒状部121aの外径と前記コイルスプリング110aの前記中央領域R2の外径とが略同等になるように縮径されている。
【0032】
さらに説明すると、前記第1構成の前記シート部材120aでは、図2(B)及び図2(C)に示すように、前記シート面122aが、前記筒状部121aの自由端部124aから径方向内方へ延びており、前記突起123aが、前記筒状部121aの内周面125aから径方向内方へ突出するように、前記筒状部121aに対して一部を切断して押し出した切り起こし形成されている。
【0033】
一方、前記第2構成の前記シート部材120a’では、図2(D)乃至図2(F)に示すように、前記シート面122a’が、前記筒状部121a’の自由端部124a’から径方向内方へ延びており、前記突起123a’が、前記筒状部121a’の内周面125a’から径方向内方へ突出するように、前記筒状部121a’に対して一部を窪ませた絞り形成されている。また、前記筒状部121a’には、該筒状部121a’の径方向への変形を許容する複数の(図示例では3箇所の)切断部126a’が前記複数の突起123a’間に周方向に沿って均等間隔に並設されている。
【0034】
<内挿タイプのシート部材>
図3は図1(B)に示すダンパースプリング100bを構成するコイルスプリング110b及び内挿タイプの第1及び第2の構成のシート部材120b,120b’を説明するための図であって、図3(A)は該コイルスプリング110bの側面図であり、図3(B)は前記第1の構成のシート部材120bの断面図であり、図3(C)は該シート部材120bの平面図であり、図3(D)は前記第2の構成のシート部材120b’の断面図であり、図3(E)は該シート部材120b’の側面図であり、図3(F)は該シート部材120b’の平面図である。なお、図3(B)及び図3(D)中Dは、前記シート部材120b,120b’の外径D3’から前記コイルスプリング110bの内径D1’を差し引いた直径締め代である。
【0035】
前記第1及び第2の構成のシート部材120b,120b’は、図3(B)乃至図3(F)に示すように、前記コイルスプリング110bの端部111bに凹凸係合される筒状部121b,121b’と、前記コイルスプリング110bの長手方向Xと直交する方向Yに延びるように、前記筒状部121b,121b’に一体形成されたシート面122b,122b’とを有している。また、前記筒状部121b,121b’は、前記コイルスプリング110bの端部111bに内挿されるように構成されており、該筒状部121b,121b’には、前記コイルスプリング110bへ向けて径方向外方へ突出する複数の(図示例では第1の構成で4箇所、第2の構成で3箇所の)突起123b,123b’が周方向に沿って均等間隔に並設されている。
【0036】
前記コイルスプリング110bは、図3(A)に示すように、長手方向Xに沿って略一定の外径を有している。
【0037】
さらに説明すると、前記第1構成の前記シート部材120bでは、図3(B)及び図3(C)に示すように、前記シート面122bが、前記筒状部121bの自由端部124bから径方向内方及び外方へ延びており、前記突起123bが、前記筒状部121bの外周面125bから径方向外方へ突出するように、前記筒状部121bに対して一部を切断して押し出した切り起こし形成されている。
【0038】
一方、前記第2構成の前記シート部材120b’では、図3(D)乃至図3(F)に示すように、前記シート面122b’が、前記筒状部121b’の自由端部124b’から径方向内方及び外方へ延びており、前記突起123b’が、前記筒状部121b’の外周面125b’から径方向外方へ突出するように、前記筒状部121b’に対して一部を窪ませた絞り形成されている。また、前記筒状部121b’には、該筒状部121b’の径方向への変形を許容する複数の(図示例では3箇所の)切断部126b’が前記複数の突起123b’間に周方向に沿って均等間隔に並設されている。
【0039】
また、図1(A)に示すダンパースプリング100a及び図1(B)に示すダンパースプリング100bにおいて、前記複数の突起123a,123a’,123b,123b’のうち何れか一つは、図2(A)及び図3(A)に示すように、前記コイルスプリング110a,110bにおける最外端に位置する巻き線の略中心位置F(換言すれば、前記コイルスプリング110a,110bにおける最先端Gから一周分の巻長さの半分の位置F)と係合するような位置に設けられている。
【0040】
以上説明したダンパースプリング100a,100b及びシート部材120a,120a’,120b,120b’では、前記コイルスプリング110a,110bと前記シート部材120a,120a’,120b,120b’とが係合されるにあたり、前記筒状部121a,121a’,121b,121b’が前記コイルスプリング110a,110bの端部111a,111bに凹凸係合される。このとき、前記筒状部121a,121a’,121b,121b’における前記複数の突起123a,123a’,123b,123b’は、前記コイルスプリング110a,110bへ向けて径方向へ突出しているので、該複数の突起123a,123a’,123b,123b’が前記コイルスプリング110a,110bの谷部Q2に係入され、これにより、前記シート部材120a,120a’,120b,120b’が前記コイルスプリング110a,110bに係止される。
【0041】
このようにダンパースプリング100a,100b及びシート部材120a,120a’,120b,120b’によれば、前記コイルスプリング110a,110bの端部111a,111bに凹凸係合される前記筒状部121a,121a’,121b,121b’において、前記ダンパースプリング端部111a,111bとの係合が、前記コイルスプリング110a,110bへ向けて径方向へ突出している前記複数の突起123a,123a’,123b,123b’によって行われるので、前記コイルスプリング110a,110bに対して前記シート部材120a,120a’,120b,120b’を嵌め込み易くすることができ、これにより前記ダンパースプリング100a,100bの組立作業性を向上させることができると共に、前記コイルスプリング110a,110bに対する前記シート部材120a,120a’,120b,120b’の抜け力が所定の基準値(規格値)以上となる直径締め代Dの最小許容値から前記コイルスプリング110a,110bに対する前記シート部材120a,120a’,120b,120b’の嵌め込み力が所定の基準値以下となる直径締め代Dの最大許容値までの嵌め合いの許容差を確保することができ、これにより前記ダンパースプリング100a,100bの組立効率を向上させることができ、それだけ製造コストを低減させることができる。
【0042】
ところで、外挿タイプのシート部材を有するダンパースプリングでは、コイルスプリングが、図3(A)に示す如く、筒状部が外挿される領域が中央領域と同径である場合には、筒状部の外径がコイルスプリングの中央領域の外径より外方に突出してしまい、流体伝動装置(例えば、トルクコンバータ)において、コイルスプリングが圧縮される際にダンパースプリング保持部内で該筒状部外周面と周辺の部材との摺動抵抗が大きくなり易く、ひいては振動吸収能力が低下し易くなるところ、図1(A)に示す外挿タイプのシート部材120a,120a’では、図2(A)に示すように、前記コイルスプリング110aは、前記筒状部121a,121a’が外挿される領域R1が中央領域R2よりも縮径されており、さらに言えば、前記筒状部121a,121a’の外径が前記コイルスプリング110aの前記中央領域R2の外径と略同等にされているので、前記コイルスプリング110aが圧縮される際の摺動抵抗を比較的小さくでき、ひいては振動吸収能力を向上させることができる。
【0043】
また、前記第1構成のシート部材120a,120bでは、前記突起123a,123bが前記筒状部121a,121bに対して切り起こし形成されているので、前記コイルスプリング110a,110bと前記シート部材120a,120bとが係合されるにあたり、該切り起こし形成された突起123a,123bが、前記コイルスプリング110a,110bのQ1に当接しつつ弾性変形して、前記コイルスプリング110a,110bの谷部Q2に係入され得る。かかる構成のシート部材120a,120bによれば、前記コイルスプリング110a,110bに対して前記シート部材120a,120bを前記切り起こし形成された突起123a,123bの弾性変形によって嵌め込み易くすることができ、これにより前記ダンパースプリング100a,100bの組立作業性を向上させることができると共に、嵌め合いの許容差を良好に確保することができ、これにより前記ダンパースプリング100a,100bの組立効率を向上させることができ、それだけ製造コストを低減させることができる。
【0044】
また、前記第2構成のシート部材120a’,120b’では、前記突起123a’,123b’が前記筒状部121a’,121b’に対して絞り形成されており、前記筒状部121a’,121b’には前記切断部126a’,126b’が設けられているので、前記コイルスプリング110a,110bと前記シート部材120a’,120b’とが係合されるにあたり、該絞り形成された突起123a’,123b’が、前記コイルスプリング110a,110bの山部Q1に当接する際に、前記筒状部121a’,121b’における前記切断部126a’,126b’によって該筒状部121a’,121b’が弾性変形して、前記コイルスプリング110a,110bの谷部Q2に係入され得る。かかる構成のシート部材120a’,120b’によれば、前記コイルスプリング110a,110bに対して前記シート部材120a’,120b’を前記絞り形成された突起123a’,123b’及び前記切断部126a’,126b’を有する前記筒状部121a’,121b’の弾性変形によって嵌め込み易くすることができ、これにより前記ダンパースプリング100a,100bの組立作業性を向上させることができると共に、嵌め合いの許容差を良好に確保することができ、これにより前記ダンパースプリング100a,100bの組立効率を向上させることができ、それだけ製造コストを低減させることができる。
【0045】
さらに、図1(A)及び図1(B)に示すダンパースプリング100a,100bにおいて、前記突起123a,123a’,123b,123b’のうち何れか一つは、前記コイルスプリング110a,110bにおける最外端に位置する巻き線の略中心位置F(換言すれば、前記コイルスプリング110a,110bにおける最先端Gから一周分の巻長さの半分の位置F)と係合するような位置に設けられているので、前記コイルスプリング端部111a,111bとの良好な係合状態を確保することができる。
【0046】
本実施形態において、図1(A)及び図1(B)に示すダンパースプリング100a,100bにおける前記コイルスプリング110a,110bは、隣り合う巻き線間の距離が略等しくなるように構成されているが、前記シート部材120a,120a’,120b,120b’の嵌め込み性を容易にするという観点から次のように構成されていてもよい。
【0047】
即ち、図4(A)及び図4(B)は、それぞれ、図1(A)及び図1(B)に示すダンパースプリング100a,100bにおける前記コイルスプリング110a,110bの変形例110a’,110b’を示す図である。なお、図4(A)及び図4(B)では一方の端部について示しているが、他方の端部についても同様である。このコイルスプリング110a’,110b’では、最外端に位置する一巻き分の第1巻き線112a’,112b’と該第1巻き線112a’,112b’に隣接する該第1巻き線112a’,112b’から一巻き分の第2巻き線113a’,113b’とが密着されるように構成されている。かかる構成のコイルスプリング110a’,110b’を備えたダンパースプリング100a,100bでは、前記筒状部121a,121a’,121b,121b’が該コイルスプリング110a’,110b’の端部111a’,111b’に凹凸係合される際に、前記複数の突起123a,123a’,123b,123b’が、互いに密着される前記第1巻き線112a’,112b’と前記第2巻き線113a’,113b’との間の谷部Q2に係入され、これにより、前記シート部材120a,120a’,120b,120b’が前記コイルスプリング110a’,110b’に係止される。このようにコイルスプリング110a’,110b’が前記第1巻き線112a’,112b’と前記第2巻き線113a’,113b’とが密着されるように構成されることで、該コイルスプリング110a’,110b’の端部111a’,111b’でバネ力が強くなり、前記筒状部121a,121a’,121b,121b’を該端部111a’,111b’に安定した状態で係合することができ、これにより、前記シート部材120a,120a’,120b,120b’を前記コイルスプリング110a’,110b’に嵌め込み易くすることができる。
【0048】
(実施例)
次に、図1(A)に示す外挿タイプのシート部材120aを備えたダンパースプリング100aの実施例について以下に説明する。
【0049】
図5は前記コイルスプリング110aの外径D1から前記シート部材120a,120a’の内径D3を差し引いた複数種類の直径締め代D(即ち、0.4mm〜0.5mm付近の3個のサンプル、0.6mm付近の3個のサンプル、0.7mm〜0.8mm付近の6個のサンプル、0.9mm〜1mm付近の6個のサンプル及び1.1mm付近の1個のサンプルについての直径締め代D)に対して、前記コイルスプリング110aに対する前記シート部材120a,120a’の抜け力及び嵌め込み力を調べた結果を示すグラフである。なお、抜け力の所定の規格値は、40Nとしている。
【0050】
図5に示すように、前記コイルスプリング110aに対する前記シート部材120a,120a’の抜け力が所定の規格値(40N)以上となる直径締め代Dの最小許容値(0.4mm〜0.5mm付近)から前記コイルスプリング110aに対する前記シート部材120a,120a’の嵌め込み力が所定の基準値(例えば、略70N)以下となる直径締め代Dの最大許容値(1.1mm付近)までの嵌め合いの許容差が約0.4mm〜約1.1mmと良好に確保されていることがわかる。従って、従来のように、互いに異なる径(例えば10mm、10.5mmといった径)のコイルスプリングをその公差(例えば±0.15mm)を考慮して複数用意しておき、該複数のコイルスプリングの中からシート部材の径に適合する径のコイルスプリングを選択し、該選択されたコイルスプリングに対して該シート部材を嵌め込むといった作業を行うことなく、規定の抜け力を維持しつつ組立作業性良好に前記シート部材120a,120a’を前記コイルスプリング110aに係合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るダンパースプリングの一部断面を含む概略側面図であって、図1(A)は、該ダンパースプリングの一例を示しており、図1(B)は、該ダンパースプリングの他の例を示している。
【図2】図2は、図1(A)に示すダンパースプリングを構成するコイルスプリング及び外挿タイプの第1及び第2の構成のシート部材を説明するための図であって、図2(A)は、該コイルスプリングの側面図であり、図2(B)は、前記第1の構成のシート部材の断面図であり、図2(C)は、該シート部材の平面図であり、図2(D)は、前記第2の構成のシート部材の断面図であり、図2(E)は、該シート部材の側面図であり、図2(F)は、該シート部材の平面図である。
【図3】図3は、図1(B)に示すダンパースプリングを構成するコイルスプリング及び内挿タイプの第1及び第2の構成のシート部材を説明するための図であって、図3(A)は、該コイルスプリングの側面図であり、図3(B)は、前記第1の構成のシート部材の断面図であり、図3(C)は、該シート部材の平面図であり、図3(D)は、前記第2の構成のシート部材の断面図であり、図3(E)は、該シート部材の側面図であり、図3(F)は、該シート部材の平面図である。
【図4】図4は、図1(A)及び図1(B)に示すダンパースプリングにおけるコイルスプリングの変形例を示す図であって、図4(A)は、図1(A)に示すダンパースプリングにおけるコイルスプリングについて最外端に位置する第1巻き線と該第1巻き線に隣接する第2巻き線とが密着されるように構成した概略側面図であり、図4(B)は、図1(B)に示すダンパースプリングにおけるコイルスプリングについて最外端に位置する第1巻き線と該第1巻き線に隣接する第2巻き線とが密着されるように構成した概略側面図である。
【図5】図5は、コイルスプリングの外径からシート部材の内径を差し引いた複数種類の直径締め代に対して、コイルスプリングに対するシート部材の抜け力を調べた結果を示すグラフである。
【図6】図6は、従来のトルクコンバータの概略構成を示す断面図である。
【図7】図7は、図6に示す従来のトルクコンバータにおけるロックアップ機構の動作を説明するための模式的側面図であって、図7(A)は、ロックアップ作動時の状態を示しており、図7(B)は、ロックアップ解除時の状態を示している。
【図8】図8は、従来のダンパースプリングを構成する部材を示す図であって、図8(A)は、該ダンパースプリングを構成するコイルスプリングの概略側面図であり、図8(B)は、該ダンパースプリングを構成するシート部材の概略側面図であり、図8(C)は、該シート部材の概略平面図である。
【符号の説明】
【0052】
100a,100b…ダンパースプリング 110a,110b…コイルスプリング
111a,111b…コイルスプリングの端部
120a,120a’,120b,120b’…シート部材
121a,121a’,121b,121b’…筒状部
122a,122a’,122b,122b’…シート面
123a,123a’,123b,123b’…複数の突起
124a,124a’,124b,124b’…筒状部の自由端部
125a,125a’…筒状部の内周面 125b,125b’…筒状部の外周面
126a’,126b’…切断部 R1…コイルスプリングの筒状部が外挿される領域
R2…コイルスプリングの中央領域
F…コイルスプリングにおける最外端に位置する巻き線の略中心位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルスプリングと、該コイルスプリングの端部に係合されたシート部材とを備えたダンパースプリングであって、
前記シート部材は、前記コイルスプリングの端部に凹凸係合される筒状部と、前記コイルスプリングの長手方向と直交する方向に延びるように、前記筒状部に一体形成されたシート面とを有しており、
前記筒状部には、前記コイルスプリングへ向けて径方向へ突出する複数の突起が設けられていることを特徴とするダンパースプリング。
【請求項2】
前記筒状部は、前記コイルスプリングの端部に外挿されるように構成され、
前記シート面は、前記筒状部の自由端部から径方向内方へ延びており、
前記突起は、前記筒状部の内周面から径方向内方へ突出していることを特徴とする請求項1に記載のダンパースプリング。
【請求項3】
前記コイルスプリングは、前記筒状部が外挿される領域が中央領域よりも縮径されていることを特徴とする請求項2に記載のダンパースプリング。
【請求項4】
前記筒状部は、前記コイルスプリングの端部に内挿されるように構成され、
前記シート面は、前記筒状部の自由端部から径方向内方及び外方へ延びており、
前記突起は、前記筒状部の外周面から径方向外方へ突出していることを特徴とする請求項1に記載のダンパースプリング。
【請求項5】
前記突起は、前記筒状部に対して切り起こし形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のダンパースプリング。
【請求項6】
前記突起は、前記筒状部に対して絞り形成されており、
前記筒状部には、該筒状部の径方向への変形を許容する切断部が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のダンパースプリング。
【請求項7】
前記突起は、前記コイルスプリングにおける最外端に位置する巻き線の略中心位置と係合するような位置に設けられていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のダンパースプリング。
【請求項8】
コイルスプリングの端部に係合されるシート部材であって、
前記コイルスプリングの端部に凹凸係合される筒状部と、前記コイルスプリングの長手方向と直交する方向に延びるように、前記筒状部に一体形成されたシート面とを有しており、
前記筒状部には、前記コイルスプリングへ向けて径方向へ突出する複数の突起が設けられていることを特徴とするシート部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−24278(P2007−24278A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−210867(P2005−210867)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(000175722)サンコール株式会社 (96)
【出願人】(302042689)サンコールエンジニアリング株式会社 (10)
【出願人】(594079143)アイシン・エィ・ダブリュ工業株式会社 (119)
【Fターム(参考)】