説明

ダンボール箱組立装置

【課題】本発明の目的は、リサイクルのダンボール箱であっても、簡易な構成で、かつ低コストでダンボール箱を組み立てることができるダンボール箱組立装置を提供することである。
【解決手段】第2回動機構720によりフラップ板部材401,〜,404が略直立姿勢から略水平姿勢に回動されることにより、ダンボール箱900の各片を押し倒し、第1回動機構710によりフラップ板部材401,〜,404が卍折りの各蓋の間から引き抜かれる。さらに、制御部701は、角度検出センサ721からの信号に応じてフラップ板部材401,402,403,404が所定角度回転しない、すなわち、フラップ板部材401,402,403,404がダンボール箱900に引っかかっている場合には、再度、第1回動機構710を矢印R3の方向に駆動させた後、矢印−R3の方向に駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンボール箱の箱形状を組み立てる場合に使用するダンボール箱組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を梱包して運搬するためにダンボール箱が使用されている。ダンボール箱は、梱包した商品への衝撃吸収および汚れ防止等に有効であり、多くの流通経路で使用されている。
【0003】
また、近年地球資源の有効活用のため、リサイクル活動が活発である。当該ダンボール箱においても、リサイクルを行うことができるように、ダンボール箱の端部の4片を卍状に折り畳んで運搬し、商品を取り出した後、再度ダンボール箱内に商品を梱包し、再度ダンボール箱の端部の4片を卍状に折り畳んで搬送することが行われている。例えば、特許文献1には、ダンボール箱の折り畳み装置について開示されている。
【0004】
この特許文献1記載のダンボール箱の折り畳み装置においては、ダンボール箱を所定の位置に搬送する搬送装置によりダンボール箱が所定の位置に運ばれ、第1の小フラップおよび第2の大フラップが同時に駆動される。この第1の小フラップが、ダンボール箱の底部となる1片の一端の角を押し、第2の大フラップが、ダンボール箱の底部となる他の1片の一端の角を押し、複数の真空吸引機で1片および他の1片の他の角を吸着することにより、ダンボール箱の卍状を形成するものである。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5352178号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載のダンボール箱の折り畳み装置においては、真空吸引機でダンボール箱の1片を保持しているため、リサイクル時のダンボールの卍状形成には、適さない。
【0007】
一般に、ダンボール箱のリサイクル時には、ダンボール箱が一度使用され、かつ運搬された後であるため、ダンボール箱の表面には、汚れが付着している。したがって、ダンボール箱の表面を真空吸引機で吸着させることは、真空吸引機の負担を増加させるとともに、ランニングコストが増加することとなる。
【0008】
また、数回リサイクルされたダンボール箱は、ダンボール箱の蓋部が変形している場合もあり、卍状を形成することは容易ではない。
【0009】
本発明の目的は、リサイクルされたダンボール箱であっても、簡易な構成で、かつ低コストでダンボール箱を組み立てることができるダンボール箱組立装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)
一局面に従うダンボール箱組立装置は、ダンボール箱の蓋部となる4片を互いに重ね折りして卍状蓋を形成するダンボール箱組立装置であって、ダンボール箱の蓋部となる4片の各一端側を弾性部材により係止する係止部材と、ダンボール箱の蓋部となる4片の各他端側をフラップ板部材により押し倒す重ね折り装置と、を含み、重ね折り装置は、フラップ板部材を略直立姿勢から略水平姿勢へ水平軸周りに回動させる第2回動装置と、フラップ部材を鉛直軸周りに回動させる第1回動装置と、第2回動装置および第1回動装置を駆動させる制御部と、第1回動装置の動作を検出する検出装置と、を含み、制御部は、第2回動装置を駆動させつつ、第1回動装置を駆動させ、検出装置からの信号に基づいて第1回動装置を逆方向に駆動させた後、第1回動装置を正方向に駆動させるものである。
【0011】
ダンボール箱組立装置においては、係止部材によりダンボール箱の蓋部となる4片の各一端側が弾性部材により係止される。また、重ね折り装置によりダンボール箱の蓋部となる4片の各他端側がフラップ板部材により押し倒される。
重ね折り装置は、第2回動装置と、第1回動装置と、検出装置とを含み、第2回動装置によりフラップ板部材を略直立姿勢から略水平姿勢へ水平軸周りに回動させ、第1駆動装置によりフラップ部材を鉛直軸周りに回動させ、検出装置の信号に応じて第1回動装置を逆方向に駆動させた後、第1回動装置を正方向に駆動させる。
【0012】
この場合、ダンボール箱の蓋の4片の各一端側が弾性部材により係止され、他端側が重ね折り装置により押し倒される。その結果、重ね折り装置によりダンボール箱の蓋部となる4片の各他端側を押し倒し始めた場合、係止部材の弾性部材の弾性力によりダンボール箱の蓋となる4片の各一端側が保持され、重ね折り装置によりダンボール箱の蓋部となる4片の各他端側が押し倒し続られ、係止部材の弾性部材の弾性力を超過した場合、ダンボール箱の蓋となる4片の各一端側が開放されるので、卍折りを行うことができる。
また、制御部は、第2回動装置によりフラップ板部材が略直立姿勢から略水平姿勢に回動されることにより、ダンボール箱の各片を押し倒し、第1回動装置によりフラップ板部材が卍折りの各蓋の間から引き抜かれる。さらに、制御部は、検出装置からの信号に応じてフラップ板部材が所定角度回転しない、すなわち、フラップ板部材がダンボール箱に引っかかっている場合には、再度、第1回動装置を逆方向に駆動させ、正方向に駆動させる。それにより、フラップ板部材を卍折りの各蓋の間から確実に引き抜くことができる。
【0013】
(2)
制御部は、第1回動装置を逆方向に駆動開始し、第2回動装置を逆方向に駆動させつつ、第1回動装置を正方向に駆動させてもよい。
【0014】
この場合、制御部は、第1回動装置を逆方向に駆動開始し、第2回動装置を逆方向に駆動させつつ、第1回動装置を正方向に駆動させるので、ダンボール箱の蓋にフラップ板部材が接触し、第1回動装置が完全に回動しない場合であっても、第1回動装置を一度逆方向に駆動開始し、フラップ板部材を略水平姿勢から略直立姿勢に近づく方向に徐々に回動させて、第1回動装置を正方向に駆動させることにより、ダンボール箱の蓋からフラップ板部材を確実に引き抜くことができる。
【0015】
(3)
第2回動装置および第1回動装置は、ダンボール箱の上下4片のうち互いに対向する一対の片に対して一の駆動源からなってもよい。
【0016】
この場合、2個の駆動源で互いに対向する一対の片を卍状に折り畳むことができる。その結果、4片に対して、個々に駆動源が不要となるので、コストダウンを図ることができる。また、一対の片のうち一方に関する重ね折り装置がダンボール箱にひっかかった場合でも、他方の重ね折り装置は、第2回動装置が駆動されているので、卍状蓋が形成された上方を移動するのみで、ダンボール箱を傷つけることを防止することができる。
【0017】
(4)
制御部は、検出装置からの信号に基づいて第1回動装置の逆方向の駆動および正方向の駆動を繰返してもよい。
【0018】
この場合、検出装置からの信号に基づいて、第1回動装置がダンボール箱から抜かれるまで、第1回動装置の逆方向および正方向の駆動が繰り返し行われるので、確実にフラップ板部材をダンボール箱から抜くことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、リサイクルされたダンボール箱であっても、簡易な構成で、かつ低コストでダンボール箱を組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一実施の形態に係る箱詰装置の具体例を示す模式的概略図
【図2】一実施の形態に係るダンボール箱組立装置の一例を示す外観図
【図3】ダンボール箱組立装置の内部構造を示す模式図
【図4】ダンボール箱の卍状蓋を形成する手法を説明するための模式図
【図5】ダンボール箱の卍状蓋を形成する手法を説明するための模式図
【図6】ダンボール箱の卍状蓋を形成する手法を説明するための模式図
【図7】ダンボール箱の卍状蓋を形成する手法を説明するための模式図
【図8】ダンボール箱の卍状蓋を形成する手法を説明するための模式図
【図9】ダンボール箱の卍状蓋を形成する手法を説明するための模式図
【図10】蓋起立装置の動作を説明するための模式的外観図
【図11】係止部材の動作の一例を説明するための模式的概略図
【図12】係止部材の動作の一例を説明するための模式的概略図
【図13】係止部材の動作の一例を説明するための模式的概略図
【図14】ダンボール箱組立装置の制御部の動作の一例を示すフローチャート
【図15】ダンボール箱組立装置のフラップ板の動作を説明するための模式図
【図16】ダンボール箱組立装置のフラップ板の動作を説明するための模式図
【図17】各動作を示す模式的断面図
【図18】ダンボール箱組立装置のフラップ板の動作を説明するための模式図
【図19】各動作を示す模式的断面図
【図20】ダンボール箱組立装置のフラップ板の動作を説明するための模式図
【図21】各動作を示す模式的断面図
【図22】ダンボール箱組立装置のフラップ板の動作を説明するための模式図
【図23】各動作を示す模式的断面図
【図24】ダンボール箱組立装置のフラップ板の動作を説明するための模式図
【図25】各動作を示す模式的断面図
【図26】ダンボール箱組立装置のフラップ板の動作を説明するための模式図
【図27】箱詰装置の動作の詳細を説明するための模式図
【図28】箱詰装置の動作の詳細を説明するための模式図
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を用いて説明する。本実施の形態においては、まず、ダンボール箱組立装置を含む箱詰装置について概略を説明し、その後、ダンボール箱組立装置の具体例を挙げて説明を行う。また、ダンボール箱の蓋部分について説明を行うが、これに限定されず、ダンボール箱の底部分にも適用することが可能である。
【0022】
(一実施の形態)
図1は、一実施の形態に係る箱詰装置の具体例を示す模式的概略図である。図1に示すように、箱詰装置500は、下方にコンベア600を備え、コンベア600上に、箱開き装置101、箱詰装置102およびダンボール箱組立装置100の順に設けられる。
【0023】
図1に示すように、コンベア600上にダンボール箱900が載せられ、矢印H1の方向に搬送される。そして、箱開き装置101によりダンボール箱900の蓋が外側に開かれる。さらにコンベア600によりダンボール箱900が下流(矢印H1の方向)に移送され、箱詰装置102により商品がダンボール箱900内に収納される。さらにコンベア600によりダンボール箱900が下流に移送され、ダンボール箱組立装置100によりダンボール箱900の蓋が卍状に閉じられる。そして、箱詰装置500からダンボール箱900が矢印H1の方向に排出される。
【0024】
以下、図1に示したダンボール箱組立装置100について説明を行う。図2は、一実施の形態に係るダンボール箱組立装置100の一例を示す外観図であり、図3は、ダンボール箱組立装置100の内部構造を示す模式図である。
【0025】
図2に示すように、ダンボール箱組立装置100は、主に蓋起立装置201,202,203,204、係止部材301,302,303,304および卍状折り畳み機構441,442,443,444を含む。
【0026】
図2に示す蓋起立装置201,〜,204は、それぞれモータおよび棒状部材を有する。また、係止部材301,〜,304は、それぞれ所定の力が加わると係止が解除される機構を有する。この係止部材301,〜,304の動作については、後述する。同様に、卍状折り畳み機構441,442,443,444は、フラップ板部材401,〜,404(図10参照)、角度検出センサ721、第1回動機構710(図3参照)および第2回動機構720(図3参照)を有する。
【0027】
また、図3に示すように、ダンボール箱組立装置100は、主に制御部701、記録部702、第1回動機構710、第2回動機構720、角度検出センサ721、蓋起立装置730、入力部750およびコンベア760を含む。
【0028】
本実施の形態において、第1回動機構710、第2回動機構720、角度検出センサ721は、卍状折り畳み機構441,442,443,444にそれぞれ設けられている。角度検出センサ721は、第1回動機構710および第2回動機構720の回動を検出するセンサである。
また、蓋起立装置730は、蓋起立装置201,〜,204を統合して、または蓋起立装置201,〜,204の個々に設けられる。
【0029】
次に、図4から図9を用いてダンボール箱900の卍状蓋について説明を行う。図4から図9は、ダンボール箱900の卍状蓋を形成する手法を説明するための模式図である。
【0030】
まず、図4に示すように、ダンボール箱900は、図1の箱開き装置101により蓋部となる4個の片901,902,903,904がダンボール箱900の外側に開かれた状態で、かつ底を組み立てた状態で、コンベア600上を搬送され、箱詰装置102によりダンボール箱900の内部に商品が箱詰される。
【0031】
続いて、図5に示すように、本発明に係るダンボール箱組立装置100により、ダンボール箱900の片901,902,903,904が起立姿勢に整えられ、さらに互いに倒され始める。そして、図6に示すように、ダンボール箱900の片901の一部が片904の上に重ねられ、片902の一部が片901の上に重ねられ、片903の一部が片902の上に重ねられ、片904の一部が片903の上に重ねられる。図7は、図6のダンボール箱900を鉛直上方から視野した平面図であり、図6および図7に示すダンボール箱900の蓋部を卍状蓋と呼ぶ。
【0032】
また、片901,903は、同一形状からなり、片902,904は、同一形状からなる。ここで、片901,902,903,904について説明する。図8および図9は、ダンボール箱900の片を説明上仮定する状態を示す図である。
【0033】
図8に示すように、片901,903は、水平方向の長さL1に対して、長さ約0以上(L1)/3未満の長さの面積を領域AR1、長さ約(L1)/3以上2(L1)/3未満の長さの面積を領域AR2、長さ約2(L1)/3以上L1以下の長さの面積を領域AR3と仮定する。
【0034】
同様に、図9に示すように、片902,904は、水平方向の長さL2に対して、長さ約0以上L2/3未満の長さの面積を領域AR1、長さ約(L2)/3以上2(L2)/3未満の長さの面積を領域AR2、長さ約2(L2)/3以上L1以下の長さの面積を領域AR3と仮定する。この領域AR1,AR2,AR3は、各片に対する相対的な位置を示すもので、本発明に係るダンボール箱組立装置100の説明のために用いるものである。したがって、本発明に係るダンボール箱組立装置は、領域AR1,AR2,AR3を形成するものとしたが、これに限定されず、領域AR1および領域AR3のみからなってもよく、他の任意の分割方法で領域を定めてもよい。
【0035】
続いて、図10は、蓋起立装置201,202,203,204の動作を説明するための模式的外観図である。
【0036】
図10に示すように、蓋起立装置201,202,203,204は、制御部701からの指示に基づいて蓋起立装置730により、蓋起立棒211,212,213,214を矢印R1の方向に回転させる(図2および図10参照)。それにより、蓋起立棒211,212,213,214が図4に示した片901,902,903,904の外側に開かれた状態から片901,902,903,904を起立させた状態へ移行させる。それにより、片901,902,903,904が係止部材301,〜,304にそれぞれ保持される。
【0037】
次いで、図11から図13を用いて係止部材301,〜,304について説明を行う。なお、図11から図13においては、係止部材301を例に挙げて説明を行う。図11から図13は、係止部材301の動作の一例を説明するための模式的概略図である。
【0038】
図11に示すように、係止部材301は、保持部310,巻きバネ320および筐体330からなる。筐体330の内部に三角柱形状からなる保持部310が軸311により軸支され、保持部310および筐体330の間に巻きバネ320が設けられている。すなわち、係止部材301は、巻きバネ320の力により係止または係止解除を行うので、制御部701を用いて能動的に制御する必要がない。
【0039】
また、図11に示すように、ダンボール箱900の片901の領域AR1の端部を保持部310が保持する。続いて、図12に示すように、後述するフラップ板部材401により片901の領域AR3がダンボール箱900の内側に押し倒され始める。同時に、片901と隣接する片904の領域AR3も矢印Y1の方向に押し倒され始める。
【0040】
この場合、保持部310は、巻きバネ320の弾性力により回転されない。最後に、図13に示すように、さらにフラップ板部材401により片901の領域AR3が押された場合、片901の領域AR1の端部に力が加わり、巻きバネ320の弾性力を超過した場合、保持部310が筐体330に対して軸311を中心に矢印R2の方向に回転する。
【0041】
そして、保持部310が矢印R2の方向に回転した時点で、片901の領域AR1よりも片904の領域AR3が下側に配置されることとなる。この係止部材301は、片901のみならず、片902,片903,片904に個々に配置されているので、それぞれ、領域AR1よりも隣接する片の領域AR3が下側に配置されることとなる。
【0042】
続いて、図14は、ダンボール箱組立装置100の制御部701の動作の一例を示すフローチャートであり、図15、16、18、20、22、24、26は、ダンボール箱組立装置100のフラップ板部材401,〜,404の動作を説明するための模式図であり、図17、19、21、23、25は、図16、18、20、22、24の各動作を示す模式的断面図である。
【0043】
まず、図14に示すように、制御部701は、ダンボール箱900がコンベア600により搬送されたことをセンサ(図示せず)で検出し(ステップS1)、蓋起立部200を動作させる。続いて、図15に示すように、制御部701は、第1軸431を軸にして、フラップ板部材401および第2軸411を矢印R3の方向に第1回動させるようフラップ板駆動部421内の第1回動機構710に指示する(ステップS2(図14参照))。その結果、図16および図17に示すように、フラップ板部材401および第2軸411が、ダンボール箱900の片901の側方に移動する。
【0044】
続いて、図18および図19に示すように、制御部701は、第2軸411を軸にして、フラップ板部材401を矢印R4の方向(図19参照)に第2回動させるようフラップ板駆動部421内の第2回動機構720に指示する(ステップS3(図14参照))。その結果、ダンボール箱900の片901がフラップ板部材401に押し倒される。
【0045】
次に、図20および図21に示すように、制御部701は、第1軸431を軸にして、フラップ板部材401および第2軸411を矢印−R3の方向にフラップ板駆動部421内の第1回動機構710に逆第1回動するよう指示する(ステップS4(図14参照))。
【0046】
ここで、制御部701は、所定時間内に逆第1回動が終了したか否かを判定する(ステップS5(図14参照))。すなわち、図15から図21に示すように、ダンボール箱900の片901が変形していた場合、フラップ板部材401が当該片901の変形部(段差等)に接触し、フラップ板部材401が逆第1回動(矢印−R3の方向に回転)できない場合がある。そのため、制御部701は、所定時間内に、角度検出センサ721により逆第1回動が終了したか否かを検出し、検出された場合(ステップS5のYes)においては、処理を終了する。
【0047】
ここで、具体的には、角度検出センサ721により検出された場合(ステップS5のYes)とは、ダンボール箱900の卍状蓋からフラップ板部材401が抜けた状態(図26の状態)を示す。また、角度検出センサ721により所定時間内に逆第1回動が終了することを検出することとしたが、これに限定されず、角度検出センサ721により所定間隔で角度を検出し、当該角度のデータに基づいて逆第1回動が終了したか否かを判定してもよい。
【0048】
一方、所定時間内に、逆第1回動が終了しないと判定した場合、図22に示すように、制御部701は、フラップ板駆動部421内の第1回動機構710に対して、第1軸431を軸にして、第1回動を開始させるよう指示する(ステップS6(図14参照))。同時に、制御部701は、図23に示すように、フラップ板駆動部421内の第2回動機構720に対して第2軸411を軸にして矢印−R4の方向に逆第2回動を開始させるよう指示する(ステップS7(図14参照))。ここで、制御部701は、フラップ板駆動部421内の第2回動機構720に逆第2回動を行わせるが、第2回動の回転角度は、1度以上30度以下の範囲であることがこのましい。すなわち、一度形成した卍状蓋を再び開けることがない程度の角度であることがこのましい。
【0049】
続いて、図24および図25に示すように、制御部701は、フラップ板駆動部421内の第1回動機構710に第1軸431を軸にして、逆第1回動を開始させるよう指示する(ステップS8(図14参照))。その結果、ダンボール箱900の片901に変形部がある場合であっても、当該変形部と、片901との接触を回避することができ、図26に示すように、ダンボール箱900の卍状蓋から片901を引き抜くことができる。
【0050】
それにより、変形部のあるリサイクルのダンボール箱900であっても、確実にダンボール箱900の片901,902,903,904を卍状蓋を組み立てることができる。
【0051】
以上のように、本発明に係るダンボール箱組立装置100においては、ダンボール箱900の蓋の4片901,〜,904の各一端側が係止部材301,302,303,304により係止され、他端側が卍状折り畳み機構441,442,443,444により押し倒される。その結果、卍状折り畳み機構441,442,443,444のフラップ板部材401,〜,404によりダンボール箱900の蓋部となる4片901,〜,904の各他端側を押し倒し始めた場合、係止部材301,302,303,304の弾性部材の弾性力によりダンボール箱900の蓋となる4片901,〜,904の各一端側が保持され、卍状折り畳み機構441,442,443,444のフラップ板部材401,〜,404によりダンボール箱900の蓋部となる4片901,〜,904の各他端側が押し倒し続られ、係止部材301,302,303,304の弾性部材の弾性力を超過した場合、ダンボール箱900の蓋となる4片901,〜,904の各一端側が開放されるので、卍折りを行うことができる。
【0052】
また、制御部701は、第2回動機構720によりフラップ板部材401,〜,404が略直立姿勢から略水平姿勢に回動されることにより、ダンボール箱900の各片を押し倒し、第1回動機構710によりフラップ板部材401,〜,404が卍折りの各蓋の間から引き抜くことができる。さらに、制御部701は、角度検出センサ721からの信号に応じてフラップ板部材401,402,403,404が所定角度回転しない、すなわち、フラップ板部材401,402,403,404がダンボール箱900に引っかかっている場合には、再度、第1回動機構710を矢印R3の方向に駆動させ、矢印−R3の方向に駆動させる。それにより、フラップ板部材401,402,403,404を卍折りの各蓋の間から確実に引き抜くことができる。
【0053】
また、制御部701は、ダンボール箱900の蓋にフラップ板部材401,402,403,404が接触し、第1回動機構710が完全に回動しない場合であっても、第1回動装置710を一度矢印R3の方向に駆動開始し、さらに第2回動機構720によりフラップ板部材401,402,403,404を矢印−R4の方向に回動させて、第1回動機構710を矢印−R3の方向に駆動させることにより、フラップ板部材401,402,403,404が変形部に接触しないので、ダンボール箱900の蓋からフラップ板部材401,402,403,404を確実に引き抜くことができる。
【0054】
<変形例>
なお、本実施の形態においては、ダンボール箱900の片901,902,903,904の個々に、フラップ板駆動部421、第1回動機構710および第2回動機構720を設けることとしたが、これに限定されず、対角となる片901、903および片902、904のそれぞれを同じ駆動部に基づいて動作させてもよい。
【0055】
この場合、一方の片901のみのフラップ板部材401が変形部に接触した場合であっても、他方のフラップ板部材402,403,404は、正常に逆第1回動動作をしてから、逆第2回動動作を行うので、卍状蓋が形成された片903の上方向をフラップ板部材402,403,404が移動することとなるので、ダンボール箱900にフラップ板部材402,403,404が接触しない。したがって、コスト低減を行うとともに、制御の簡素化を行うことができる。
【0056】
(箱詰装置)
以下、本実施の形態に係る箱詰装置102の動作について説明を行う。図27および図28は、箱詰装置102の動作の一例を説明するための模式図である。
【0057】
まず、図27に示すように、複数の商品800が箱詰装置102に搬入され、第1保持板541、第2保持板542、第3保持板543および包装物移動装置の移動部材531に周囲を支持された状態において、下方の一対の開閉機構532,544が開閉動作を開始する。
【0058】
そして、板部材駆動装置520のモータ525が駆動され、支持部材523が鉛直下方向(矢印V1の方向)に移動される。それにより、支持部材523の端部に取り付けられた板部材521が矢印V1の方向に移動される。
【0059】
そして、複数の商品800が矢印V1の方向に自由落下を開始し、板部材駆動装置52の板部材521が当該複数の商品800の自由落下スピードよりも速い速度で矢印V1の方向に移動される。その結果、箱詰装置102の鉛直下方に搬送されたダンボール箱900の内部に複数の商品800が収納される。
【0060】
最後に、図28に示すように、モータ525が逆駆動され、支持部材523が鉛直上方向(矢印V1と逆方向)に移動される。そして、コンベア600により商品800が収納されたダンボール箱900が矢印H1の方向に移送される。
この場合、第3保持板543を矢印V2の方向(鉛直上方向(矢印V1と逆方向))に移動させる。それにより、ダンボール箱900内から浮き出た商品800があっても、後工程のダンボール箱組立装置100においてダンボール箱900内に商品800を収納することができる。また、第3保持板543を鉛直上方向に移動させることで、ダンボール箱900から少しだけ浮き出た商品800があっても、円滑に後工程に移送することができる。
【0061】
本実施の形態に係るダンボール箱組立装置100においては、ダンボール箱900がダンボール箱に相当し、片901,902,903,904が蓋部、4片、卍状蓋に相当し、ダンボール箱組立装置100がダンボール箱組立装置に相当し、係止部材301,302,303,304が係止部材に相当し、卍状折り畳み機構441,442,443,444が重ね折り装置に相当し、フラップ板部材401,402,403,404がフラップ部材に相当し、矢印R3または矢印−R3の方向が鉛直軸周りに回動に相当し、第1回動機構710が第1回動装置に相当し、矢印R4または矢印−R4の方向が水平軸周りに回動に相当し、第2回動機構720が第2回動装置に相当し、制御部701が制御部に相当し、角度検出センサ721が検出装置に相当し、矢印R3の方向が逆方向に相当し、矢印−R3の方向が正方向に駆動に相当する。
【0062】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0063】
100 ダンボール箱組立装置
301,302,303,304 係止部材
401,402,403,404 フラップ板部材
441,442,443,444 卍状折り畳み機構
701 制御部
710 第1回動機構
720 第2回動機構
721 角度検出センサ
900 ダンボール箱
901,902,903,904 片


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンボール箱の蓋部となる4片を互いに重ね折りして卍状蓋を形成するダンボール箱組立装置であって、
前記ダンボール箱の蓋部となる4片の各一端側を弾性部材により係止する係止部材と、
前記ダンボール箱の蓋部となる4片の各他端側をフラップ板部材により押し倒す重ね折り装置と、を含み、
前記重ね折り装置は、
前記フラップ部材を鉛直軸周りに回動させる第1回動装置と、
前記フラップ板部材を略直立姿勢から略水平姿勢へ水平軸周りに回動させる第2回動装置と、
前記第1回動装置および前記第2回動装置を駆動させる制御部と、
前記第1回動装置の動作を検出する検出装置と、を含み、
前記制御部は、
前記第2回動装置を駆動させつつ、前記第1回動装置を駆動させ、前記検出装置からの信号に基づいて前記第1回動装置を前記駆動と逆方向に駆動させた後、前記第1回動装置を正方向に駆動させる、ダンボール箱組立装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1回動装置を逆方向に駆動開始し、前記第2回動装置を逆方向に駆動させつつ、前記第1回動装置を正方向に駆動させる、請求項1記載のダンボール箱組立装置。
【請求項3】
前記第1回動装置および前記第2回動装置は、
前記ダンボール箱の上下4片のうち互いに対向する一対の片に対して一の駆動源からなる、請求項2記載のダンボール箱組立装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記検出装置からの信号に基づいて前記第1回動装置の逆方向の駆動および正方向の駆動を繰返す、請求項1から3のいずれか1項に記載のダンボール箱組立装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−115957(P2011−115957A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272916(P2009−272916)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】