チェックアウト端末
【課題】商品の不正な持ち出しに対する有効な解決策を提供する。
【解決手段】商品に付されたコードシンボルを光学的に読み取り商品コードにデコードして出力する商品コード読取装置(例えば、バーコードスキャナ203)と、コードシンボルが読み取られる商品が位置付けられる領域の画像を撮像して撮像データを出力する撮像部(例えば、監視カメラ205)とが設けられ、バーコードスキャナ203がコードシンボルを読み取ると、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理を実行し、抽出処理に基づいて得られる第1のデータとバーコードスキャナ203からの出力に基づいて得られる第1のデータに整合すべき第2のデータとの整合性を判定し、整合性がないと判定した場合に商品販売データ処理の進行を停止する。
【解決手段】商品に付されたコードシンボルを光学的に読み取り商品コードにデコードして出力する商品コード読取装置(例えば、バーコードスキャナ203)と、コードシンボルが読み取られる商品が位置付けられる領域の画像を撮像して撮像データを出力する撮像部(例えば、監視カメラ205)とが設けられ、バーコードスキャナ203がコードシンボルを読み取ると、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理を実行し、抽出処理に基づいて得られる第1のデータとバーコードスキャナ203からの出力に基づいて得られる第1のデータに整合すべき第2のデータとの整合性を判定し、整合性がないと判定した場合に商品販売データ処理の進行を停止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客によるセルフチェックアウトを可能にするセルフチェックアウト端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品販売データ処理を実行するための各種ユーザインターフェースを顧客による操作と顧客への情報提供と顧客へのレシート発行とが可能な位置に配置し、顧客によるセルフチェックアウトを可能にしたセルフチェックアウト端末の開発が進められている(特許文献1参照)。各種ユーザインターフェースとしては、例えばバーコードリーダ等のような商品コード読取装置、情報を表示する表示部、情報を入力する入力部、例えば硬貨及び紙幣の入出金装置のような決済を可能とする決済部、及びレシートプリンタ等が用意される。
【0003】
また、セルフチェックアウト端末では、不正行為を防止するために、顧客が持ち帰ることができる商品を、商品コード読取装置で商品コードを読み取られた商品、換言すると、商品販売データ処理の対象となる購入商品だけに限るようにするための対策が必要となる。そのための対策として、例えば、特許文献2に記載されているように、商品コード読取装置で商品コードを読み取られた商品の重量をチェックし、不正行為を防止するようにした技術が提案されている。重量チェックの手法として、特許文献2に記載されているものは、商品コード読取装置で読み取った商品コードに基づいてPLUファイルから当該商品の重量データを取得し、商品コードを読み取った後の商品の重量を計量し、重量データによって特定される重量と実際に計量された重量との同一性をもって重量チェックを行う、という手法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような重量チェックという手法を採用することが妥当でなかったり、重量チェックという手法をそもそも採用し得なかったりすることがある。その理由を、次に述べる。
【0005】
商品の重量は一定ではなく、例えば10kg単位の重量が重い商品から、数グラム程度の軽量な商品まで様々である。商品の重量を計量するには、例えば秤装置の秤皿を構成している載置台に商品を載せなければならないのに対して、重量が重い商品を載置台に載せさせるのは顧客に大きな負担を与えるために適当ではない。したがって、そのような重量が重い商品については、重量チェックという手法を採用することが妥当ではない。
【0006】
また、秤装置には正確な計量が可能な最大限範囲と最小限範囲とがその秤装置の計量能力として設定されているのに対して、そのような秤装置の計量能力を超えて重量が重い商品や重量が軽い商品については、正確な計量をなし得ない。したがって、秤装置の計量能力を超える商品については、重量チェックという手法を採用し得ない。
【0007】
このようなことから、重量チェックという手法を採用することが妥当でなかったり、重量チェックという手法をそもそも採用し得なかったりする商品が生じ得る。このような商品については、何らかの操作ミスや不正行為によって、商品販売データ処理をすることなく店外に持ち出されたとしても、その検証が極めて困難であるか、又は不可能である。
【0008】
本発明の目的は、商品の不正な持ち出しに対する有効な解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のチェックアウト端末は、読取面を有し、前記読取面の前方の読取空間に位置付けられる商品に付された当該商品を特定する商品コードをシンボル化したコードシンボルを光学的に読み取り商品コードにデコードして出力する商品コード読取装置と、前記商品コード読取装置の前記読取面の奥に配置され、前記読取空間に位置付けられる商品の画像を撮像して撮像データを出力する撮像部と、前記商品コード読取装置がコードシンボルを読み取った場合、個々の商品コードに対応させて単価を記憶する商品データファイルから対応する単価を検索して商品販売データ処理を実行する手段と、前記撮像部が出力した撮像データから前記商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理を実行する手段と、前記抽出処理に基づいて得られる第1のデータと、前記商品コード読取装置からの出力に基づいて得られる前記第1のデータに整合すべき第2のデータとの整合性を判定する手段と、前記第1のデータと前記第2のデータとの間に整合性がないと判定された場合には前記商品販売データ処理の進行を停止する制御手段と、を具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮像部が出力した撮像データから抽出される商品の外観上の特徴に基づく商品の不正な持ち出し確認を実行することができるので、商品の不正な持ち出しに対する有効な解決策を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の一形態として、全体のシステム構成を示す模式図である。
【図2】セルフチェックアウトシステムでの各部の配置状態を示す平面図である。
【図3】セルフチェックアウト端末を示す斜視図である。
【図4】秤装置を示す斜視図である。
【図5】保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図である。
【図6】決済端末の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】(a)は商品データファイルを構成するPLUファイルの一例を示す模式図、(b)は商品データファイルを構成する重量データファイルの一例を示す模式図である。
【図8】秤装置の電気的なハードウェア構成を示す模式図である。
【図9】セルフチェックアウト端末でのセルフチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】セルフチェックアウト端末でのセルフチェックアウト処理実行時における画面遷移例を示す模式図である。
【図11】一時置き台に載置すべき商品についての基本画面及び読取確認画面を例示する模式図である。
【図12】第1の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第1の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。
【図14】第2の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】第2の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。
【図16】第3の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】第3の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。
【図18】重量チェック処理に含まれている秤装置からの重量データ受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】(a)は重量チェック対象外商品についての基本画面及び読取確認画面(商品載置場所が載置台)を例示する模式図、(b)は重量チェック対象外商品についての基本画面及び読取確認画面(商品載置場所が床面)を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の一形態を図1ないし図19に基づいて説明する。
【0013】
本実施の形態の説明は、次の項目に沿ってなされる。
【0014】
1.システム構成
(1)システム構成の概要
(2)セルフチェックアウト端末
2.セルフチェックアウト処理
(1)セルフチェックアウト処理の基本的ルーチン
(2)セルフチェックアウト処理時の画面遷移
(3)形態チェック処理
(4)重量チェック処理
(一)重量チェック処理の処理内容
(二)重量チェック処理のスキップ
(5)画面入力による商品情報登録
(6)決済
以下、上記項目の順に説明する。
1.システム構成
(1)システム構成の概要
図1は、全体のシステム構成を示す模式図である。本実施の形態のシステムは、複数のセルフチェックアウトシステム11と、複数台のPOS端末21と、ストアコントローラ31とが通信ネットワーク41を介して接続されて構築されている。
【0015】
セルフチェックアウトシステム11は、複数台のセルフチェックアウト端末101に一台のアテンダント端末501が割り当てられて構成されている。セルフチェックアウト端末101は、決済端末201と秤装置301とから構成されている。
【0016】
図2は、セルフチェックアウトシステム11での各部の配置状態を示す平面図である。本実施の形態のセルフチェックアウトシステム11は、四台のセルフチェックアウト端末101に対して一台のアテンダント端末501が割り当てられている。セルフチェックアウト端末101は、一対のセルフチェックアウト端末101が顧客通路121に沿って平行に並べられ、これらの一対のセルフチェックアウト端末101が顧客通路121を介して正面側を対面させるように配置されている。
【0017】
顧客通路121の突き当りにはアテンダント端末501が配置されている。アテンダント端末501は、その外観上、本体部502と表示部としてのディスプレイ503とキーボード504と操作部としてのポインティングデバイス505とを有するパーソナルコンピュータ形態を有しており、アテンダントテーブル601に載置されている。
【0018】
顧客は、顧客通路121を通ってどのセルフチェックアウト端末101に対してもアクセス可能となっている。例えば、図2中の右上方、顧客から見ると進行方向左奥側に位置するセルフチェックアウト端末101を使用しようとする場合、顧客通路121を通ってそのセルフチェックアウト端末101の前に立ち、セルフチェックアウトの終了後にはアテンダントテーブル601の前で左側又は右側に回りこんで立ち去ることになる。
(2)セルフチェックアウト端末
図3は、セルフチェックアウト端末101を示す斜視図である。セルフチェックアウト端末101は、決済端末201と秤装置301とから構成されている。
【0019】
決済端末201は、顧客が購入しようとする商品を入れた籠(図示せず)を載置するための商品籠載置台102が左脇から突出したハウジング202を有している。商品籠載置台102の上面には、籠を位置決めするための突部103がL字形状に突出形成されている。
【0020】
決済端末201のハウジング202は、床面に設置されるベースハウジング202aと、このベースハウジング202aの上面に載置される小振りな上部ハウジング202bとによって構成されている。ベースハウジング202aの前面は、下方に向かうほどベースハウジング202aの投影面積を狭めるように傾斜している。これにより、ベースハウジング202aは、下方に向かうほど奥側にオフセットした形状となっている。
【0021】
上部ハウジング202bには、各種ユーザインターフェースが設けられている。つまり、上部ハウジング202bには、左側に商品コード読取装置(データコードスキャナ)としてのバーコードスキャナ203が配置され、右側にプリンタカバー204が配置されている。バーコードスキャナ203とプリンタカバー204との間には決済部としてのカード読取部206及びテンキー207が配置されている。
【0022】
バーコードスキャナ203は、アクリル板やガラス板によって形成されている読取面203aを有し、この読取面203aの前面に位置する読取空間に所定パターンのレーザ光パターンを照射する商品コード読取装置として機能する縦型スキャナである。バーコードスキャナ203は、読取空間に商品が位置付けられてその商品に付されたバーコードが読取面203aに向けられると、バーコードからの反射光を受光素子(図示せず)で受光する。そして、バーコードスキャナ203は、受光素子の出力信号に基づくバーコードの受光信号をデコードし、そのバーコードが表現している商品コードをコードデータとして取得し、決済端末201の制御部253に出力する。
【0023】
バーコードスキャナ203には、読取面203aの奥に監視カメラ205が装着されている。監視カメラ205は、2次元配列されたCCDセンサ、CCDセンサに焦点画像を導く複数枚のレンズ、及びCCDセンサの出力を取り込んで撮像データを生成し出力する制御回路(いずれも図示せず)によって構成されるデジタルカメラの構造を有している。このような監視カメラ205は、バーコードスキャナ203によってコードシンボルが読み取られる商品が位置付けられる領域、つまり前述した読取空間の画像を撮像可能な位置に配置されている。したがって、監視カメラ205は、そのような画像を撮像して撮像データを出力する撮像部を構成する。
【0024】
プリンタカバー204には、レシート発行口208が設けられている。プリンタカバー204の奥側にはレシートプリンタ251(図6参照)が上部ハウジング202bに内蔵され、このレシートプリンタ251によって印字される図示しないレシートは、レシート発行口208から発行されるように構成されている。プリンタカバー204は、上部ハウジング202bに対して開閉自在に取り付けられ、フラップ209の引っ張り操作で開放される。
【0025】
カード読取部206は、図示しない非接触ICカードと無線通信を確立し、非接触ICカードに対して情報を読み書きする。非接触ICカードは、一例として現金と等価な価値を有する電子マネーを記憶保存することが可能であり、別の一例として、引き落し銀行口座を特定するための識別番号を記憶保存し、決済に際して利用される。図1中、丸印の中に「CARD」と記されている部分の奥側に図示しないアンテナが内蔵され、このアンテナを介して非接触ICカードとの間の無線通信が確立される。テンキー207は、非接触ICカードでの決済に際して、暗証番号の入力のために用いられる。
【0026】
上部ハウジング202bには、液晶表示パネルを有する表示部としてのLCD210が取り付けられている。このLCD210は、その表示面に入力部としてのタッチパネル211を有し、右側方にカード読取溝212を有する。カード読取溝212の内部には、決済部としてのカードリーダライタ252(図6参照)が内蔵されている。カードリーダライタ252は、クレジットカード等の磁気カードに記録された情報、例えばカード番号や暗証番号を読み取る。
【0027】
ベースハウジング202aには、硬貨と紙幣との入出金装置221(図6参照)が内蔵されている。入出金装置221の一部として、ベースハウジング202aの中央上面には硬貨投入口213が配置され、その左側には硬貨払出口214が配置されている。また、ベースハウジングの前面右上方位置には、紙幣投入口215と紙幣払出口216とが配置されている。このような入出金装置221は、貨幣及び紙幣の取扱いを可能にする機構部とこの機構部を制御する制御部とを有している(いずれも図示せず)。このような機構部の構造及び制御部での処理手順等については、その内容が周知なので、説明を省略する。
【0028】
さらに、ベースハウジング202aの背面からは、セルフチェックアウト端末101の現在の状態を表示する警報装置としての表示ポール217が立設されている。この表示ポール217は、先端部に青色と赤色とに選択的に発光する発光部218を有する。
【0029】
図4は、秤装置301を示す斜視図である。秤装置301は、秤ハウジング302の上部に秤皿303が設けられ、この秤皿303に袋保持具304が取り付けられて構成されている。秤皿303は、その上面に載置台303aを有する。袋保持具304は載置台303aに取り付けられている。したがって、袋保持具304からすると、秤皿303は台座を構成する。つまり、載置台303aの後方中央部にはポール形状のアーム支持部305が立設され、このアーム支持部305の上端には品物を載置するための一時置き台306が固定されている。一時置き台306は、上面が平坦面となっており、決済端末201のバーコードスキャナ203でバーコードを読み取った後の商品を一時的に置く用途で用いられる台である。載置台303a及び一時置き台306は、共に、商品コードが入力された商品を載置するための載置部としての役割を担っている。
【0030】
このような一時置き台306の下面には、一対の保持アーム307とフック308とが取り付けられている。つまり、一時置き台306の下面両端位置には、アーム取付具309が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、それらのアーム取付具309のそれぞれには、保持アーム307が埋設されている。また、一時置き台306の下面中央位置には、フック取付具310が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、フック取付具310には、フック308が埋設されている。
【0031】
図5は、保持アーム307に収納袋としてのレジ袋401が保持されている状態を示す斜視図である。保持アーム307は、例えばスーパーマーケット等で顧客に提供するビニール袋等のレジ袋401、つまり、開口部402とこの開口部402から突出する一対の把手403とを有してこれらの把手403が両側に位置付けられるように折り畳まれたレジ袋401を保持するために、一対の把手403を串刺し状態で保持する。このような保持状態を実現するために、把手403にはスリット404が形成されている。また、レジ袋401には、一対の把手403の間に位置させてミシン目405で脱落可能な一対の耳部406が形成されており、これらの耳部406には引掛け穴407が形成されている。フック308は、引掛け穴407を挿通し、これによってレジ袋401を保持アーム307と共に保持する。
【0032】
図6は、決済端末201の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。決済端末201は、内部に情報処理部としての制御部253を有する。制御部253は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、RAM254等に動作プログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであっても良い。ここでは、マイクロコンピュータ構成の制御部253を紹介する。
【0033】
制御部253の中核をなすのはCPU255である。CPU255には、固定データを固定的に記憶するROM256と、可変データを書き換え自在に記憶するRAM254と、LCD210に表示する表示画像を生成するVRAM257と、HDD258とがシステムバス259を介して接続されている。一例として、HDD258には、動作プログラム、各種表示フレーム、PLUファイルPF(図7(a)参照)、部門ファイル、重量データファイルWDF(図7(b)参照)、画像ファイル、売上ファイル等の各種ファイル等(PLUファイルPF及び重量データファイルWDF以外は全て図示せず)が記憶保存されており、これらの動作プログラム、各種表示フレーム、各種ファイル及び各種規則情報等は、その全部又は一部が決済端末201の起動時にRAM254に移されて使用される。そして、それらのPLUファイルPF、重量データファイルWDF、部門ファイル、画像ファイル、売上ファイル等の各種ファイル等は、商品データファイルを構成する。
【0034】
商品データファイルを構成するPLUファイルPFは、各商品を特定する商品コードに対応させて、単価の他に、商品表示、割引商品の別、割引金額、M&M(ミックス・アンド・マッチ)情報等を書き換え自在に記憶する。商品表示は、商品コードによって特定される商品の商品名称のテキストデータと、その商品の画像データとを含む。
【0035】
商品データファイルを構成する部門ファイルは、PLUファイルPFに記憶されない各商品についての部門コードに対応させて、その単価、商品表示、割引商品の別、割引金額、M&M(ミックス・アンド・マッチ)情報等を書き換え自在に記憶する。商品表示は、部門コードによって特定される商品の商品名称のテキストデータと、その商品の画像データとを含む。
【0036】
図7(a)は、商品データファイルを構成するPLUファイルPFの一例を示す模式図である。PLUファイルPFは、商品コードに対応させて、商品表示と単価と画像データとを記憶している。商品表示は、対応する商品の商品名称に相当するテキストデータである。画像データは、対応する商品の画像データである。このようなPLUファイルPFは、別の一例として、部門ファイルを含んでいてもよい。
【0037】
図7(b)は、商品データファイルを構成する重量データファイルWDFの一例を示す模式図である。重量データファイルWDFは、商品コードに対応させて、設定重量(g)、重量チェック実行有無定義、商品載置場所定義(袋詰めスキップ)、許容値タイプ定義、上限許容値、下限許容値、及び重量更新フラグを記憶している。このような重量データファイルWDFは、別の一例として、PLUファイルPF、部門ファイルに含ませても良い。
【0038】
設定重量(g)には、商品コードで特定される商品の重量の設定値が記憶されている。
【0039】
重量チェック実行有無定義は、前述したように、重量チェック実行の別を各商品コードに対応付けて記憶する定義情報である。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量チェック実行有無定義中、「0」は重量チェックしない、「1」は重量チェックすると解釈する。重量チェックをしない商品は、一例として、軽すぎて秤装置301による計量に馴染まない商品、あるいは、重すぎて秤装置301の載置台303aまで移動させにくい商品である。このような重量チェック実行有無定義は、別の一例として、PLUファイルPFに含ませても良い。
【0040】
商品載置場所定義(袋詰めスキップ)は、バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られた商品の載置場所として、載置台303a(重量スキップしない)と一時置き台306(重量スキップする(計量))と床面(重量スキップする(重量))とのいずれにすべきかを個々の商品毎に定義する。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量チェック実行有無定義中、「0」は載置台303a(重量スキップしない)、「1」は一時置き台306(重量スキップする(計量))、「2」は床面(重量スキップする(重量))と解釈する。別の一例として、商品載置場所定義をPLUファイルPFに含ませることも可能である。更に別の一例として、商品の特性、例えば、割れ易い、壊れ易い、型崩れし易い、重い等の特性情報をPLUファイルPF等に記憶させておき、一例として、割れ易い、壊れ易い、型崩れし易いという特性を持つ商品については一時置き台306を載置場所として定義し、重いという特性を持つ商品については床面を載置場所として定義する。更に別の一例としては、重量データファイルWDFに記憶されている重量が規定重量より重い場合のバーコード読み取り後の商品の載置場所として、床面を定義する。
【0041】
許容値タイプ定義は、設定重量(g)に対する許容幅を割合とするか上限値及び下限値とするかを決定するための情報である。つまり、重量チェック処理に際しては、秤装置301による現実の計量重量と設定重量(g)に記憶されている重量との比較処理を実行することになるが、この際、設定重量(g)に対する許容幅を設定する。この許容幅は、許容値タイプ定義に記憶されている定義に従い、設定重量(g)に記憶されている重量値に対する割合で求められ、あるいは数値設定されている上限値及び下限値で求められる。
【0042】
上限許容値及び下限許容値は、設定重量(g)に対する許容幅を決定するための数値情報を記憶する。許容値タイプ定義が、設定重量(g)に記憶されている重量値に対する割合を許容幅とする場合には、上限許容値及び下限許容値に記憶される数値は%の数値となる。また、許容値タイプ定義が、設定重量(g)に記憶されている重量値に対する上限値及び下限値は具体的な数値となり、この場合、上限許容値及び下限許容値に記憶される数値は具体的な数値そのものとなる。
【0043】
そして、重量更新フラグは、重量登録処理の実行の有無を記憶する。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量更新フラグ中、「0」は未更新、「1」は自動更新済み、「2」は手動更新済み、「3」は個別更新済みと解釈する。未更新の場合にはデフォルト値となる。自動更新は、重量登録処理の実行によって行なわれる。手動更新は、手入力によって行なわれる。個別更新は、自動更新後に手入力で修正されることによって行なわれる。
【0044】
図6に示す決済端末201の電気的なハードウェア構成を示すブロック図の説明に戻る。制御部253には、バーコードスキャナ203、LCD210、タッチパネル211、カード読取部206、テンキー207(キーボード)、カードリーダライタ252、レシートプリンタ251、監視カメラ205、警報装置を構成する発光部218、入出金装置221との間でのデータ通信を媒介するインターフェース260がシステムバス259を介して接続され、制御部253による制御を受ける。制御部253は、それらの各部を制御し、検索処理と形態チェック処理と重量チェック処理と商品情報登録処理と決済処理とを含む商品販売データ処理を実行する。
【0045】
検索処理は、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた場合、このバーコードによって特定される商品コードを認識し、PLUファイルPF及び重量データファイルWDFを検索してその商品コードに対応する単価、重量及び商品表示を取得する。
【0046】
形態チェック処理は、バーコードスキャナ203の読取面203aの前面空間である読取空間を撮像する監視カメラ205の撮像画像に基づいて、その読取空間を通過した商品が、何らかの操作ミス又は不正行為によって、その商品に付されているバーコードの正しい読み取りがなされることなく購入商品として扱われてしまわないかどうかを判定する処理である。つまり、形態チェック処理では、制御部253が、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理を実行し、この抽出処理に基づいて第1のデータを取得する。制御部253は、バーコードスキャナ203の出力に基づいて第1のデータに整合すべき第2のデータを取得する。そして、制御部253は、取得した第1のデータと取得した第2のデータとの間に一致性がある場合には両データ間に整合性があると判定し、一致性がない場合には整合性がないと判定する。第1のデータと第2のデータとは整合すべきデータであるので、その整合性がないということは、例えば、(第1の状況)
バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られた商品と監視カメラ205によって撮像されたその商品の外観とが一致しない。
【0047】
(第2の状況)
バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られた商品の個数と監視カメラ205によって撮像された商品の個数とが一致しない。
【0048】
(第3の状況)
監視カメラ205によって商品が撮像されているにも拘らず、バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られていない。
というような状況が生じているものと推定される。これらの状況は、いずれも、監視カメラ205によって撮像された商品が何らかの操作ミス又は不正行為によってその商品に付されているバーコードが正しく読み取られることなく購入商品として扱われてしまう状況である。そこで、制御部253は、第1のデータと第2のデータとの間に整合性があると判定した場合には、監視カメラ205に撮像された商品に付されているバーコードが正しく読み取られると認識する。これに対して、制御部253は、第1のデータと第2のデータとの間に整合性がないと判定した場合には、監視カメラ205に撮像された商品に付されているバーコードが正しく読み取られていないと認識する。
【0049】
重量チェック処理は、バーコードの読み取り後に秤装置301によって計量されたバーコードが読み取られた商品の重量が、検索処理によって取得した重量と同一性を有しているかどうかを判定する処理である。同一性を有しているかどうかは、秤装置301による計量重量に基づいて得られる商品の重量が検索処理によって取得した重量の許容幅(例えば上限値と下限値との間)、つまり重量範囲に収まっているかどうかを判定することによってなされる。
【0050】
商品情報登録処理は、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた場合、このバーコードによって特定される商品コードと特定された商品コードに基づいて検索処理によって検索された単価とを含む取引情報をRAM254に一時登録する処理である。
【0051】
決済処理は、検索処理によって取得した単価に基づいて決済金額を算出し、その決済金額の決済を実行する処理である。決済金額は、タッチパネル211での締め操作に応じて必要な消費税計算等を含む売上合計金額を計算することによって算出され、RAM254等に仮登録するか、あるいは売上ファイルに登録する。決済処理では、算出した決済金額について、現金、クレジットカード等の磁気カード、電子マネー又は銀行口座特定用の識別番号を記憶保存する非接触ICカードを利用した決済を可能にする。現金の扱いは、ベースハウジング202aに設けられた入出金装置221で実行され、磁気カードの扱いは、カード読取溝212の内部に設けられたカードリーダライタ252によって実行され、非接触ICカードの扱いは、カード読取部206を介して実行される。
【0052】
本実施の形態では、商品販売データ処理という概念を、検索処理、形態チェック処理、重量チェック処理、商品情報登録処理及び決済処理等を含む広義の概念として用いている。そこで、このような広義の意味での商品販売データ処理を支援するために、決済端末201の制御部253は、LCD210に操作方法を表示し、顧客の便宜を図る。
【0053】
制御部253にはシステムバス259を介して通信インターフェース261も接続されている。通信インターフェース261は、通信ネットワーク41に接続され、アテンダント端末501及びストアコントローラ31とセルフチェックアウト端末101との間のデータ通信を実現させる。
【0054】
図8は、秤装置301の電気的なハードウェア構成を示す模式図である。秤装置301は、ロードセルユニット351を有する。ロードセルユニット351は、構造及び形状を図示しないロードセルの一端側をベース352に固定し、他端側に荷重受け部353を有する。荷重受け部353には秤フレーム354が固定されている。秤フレーム354は、平面から見てX字形状をしており、四隅に秤皿303を載置する。ロードセルユニット351の出力信号は、アンプ355で増幅され、アナログデジタル変換器(AD/C)356でデジタル信号に変換され、演算部357で解析される。演算部357では、ロードセルユニット351の出力信号に基づく重量解析がなされる。演算部357は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、RAM等に動作プログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであっても良い。演算部357は、解析結果である重量データを送信部358に送信し、送信部358を介して決済端末201に出力する。このような決済端末201への重量データの送信は、一例として、所定周期毎に定期的に実行され、別の一例として、ユーザによってセルフチェックアウト処理のスタートが指定された後に所定周期毎に定期的に実行される。この場合の周期は、例えば数μsec〜数百μsecというような短い周期であることが望ましい。
【0055】
このような構成において、セルフチェックアウト端末101は、セルフチェックアウトを可能にする。この際、決済端末201の制御部253及び秤装置301の演算部357は、各種演算処理や各部の駆動制御処理等を実行し、セルフチェックアウト処理を支援する。つまり、決済端末201では、そのLCD210に各種のユーザ支援画面を表示し、前述した検索処理、重量チェック処理及び商品販売データ処理を実行する。秤装置301は、決済端末201での重量チェック処理を支援するように、計量した重量の値を送信部358から決済端末201に送信出力する。以下、処理の流れを示すフローチャート、各種の画面例及び画面遷移例等を用いて、セルフチェックアウト処理の流れを説明する。
2.セルフチェックアウト処理
(1)セルフチェックアウト処理の基本的ルーチン
図9は、セルフチェックアウト端末101でのセルフチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品コードの入力有無判定に待機している(ステップS11)。商品コードの入力は、バーコードスキャナ203によるバーコードの読み取りの他、LCD210の表示に従ったタッチパネル211での入力操作によって行なわれる。
【0056】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品コードの入力を判定すると(ステップS11のY)、検索処理を実行する(ステップS12)。その結果、前述したとおり、入力された商品コードに対応する単価、重量及び商品表示が取得される。
【0057】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、検索処理に続いて、形態チェック処理を実行し(ステップS13)、続いて重量チェック処理を実行する(ステップS14)。形態チェック処理については、図12ないし図17を参照して後述する。
【0058】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、形態チェック処理及び重量チェック処理に続いて、商品情報登録処理を実行する(ステップS15)。つまり、形態チェック処理及び重量チェック処理を通過した場合には、商品コード及びその単価等の取引情報をRAM254に一時登録する。
【0059】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品情報登録処理に続いて、決済指定の有無を判定する(ステップS16)。決済指定は、LCD210での表示に従ったタッチパネル211での入力操作によって実行される。そして、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、決済指定ありの判定をすると(ステップS16のY)、前述した決済処理を実行する(ステップS17)。
(2)セルフチェックアウト処理時の画面遷移
図10は、セルフチェックアウト端末101でのセルフチェックアウト処理実行時における画面遷移例を示す模式図である。顧客は、購入しようとする商品を籠に入れてセルフチェックアウト端末101に持ち寄り、商品を籠ごとセルフチェックアウト端末101の商品籠載置台102に載せる。
【0060】
この際、決済端末201の制御部253は、図10に示すような初期ガイダンス画面A(左から第1列第1行目)を生成し、LCD210に表示させる。初期ガイダンス画面Aでは、顧客が持ち運んだ商品の取り扱い方法を案内する。案内される取り扱い方法は、二種類である。一方の取り扱い方法はバーコードスキャナ203を用いた商品コード入力であり、もう一つは、タッチパネル211からの入力指定である。前者のガイダンスとしては、「バーコードをガラス面にタッチしてください」という文字がその状態を示す絵柄と共に案内される。後者のガイダンスとしては、「バーコードのない商品は次の画面で登録します」という文字が次の画面を示す絵柄と共に案内される。
【0061】
この際、制御部253は、セルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、自機が待機中か商品スキャニング中かの稼働状況を示す稼働状況情報として、待機中であることを示す情報を、自機が割り当てられているアテンダント端末501に向けて出力する。
【0062】
初期ガイダンス画面Aでは、レジ袋を使用するかマイバスケットを使用するかの選択を、二つの選択ボタンA1とA2とによって可能とする。マイバスケットというのは、顧客自らが所持する買物籠を意味する。選択ボタンA1がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、レジ袋401でのセルフチェックアウト処理をスタートさせる。選択ボタンA2がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、マイバスケットでのセルフチェックアウト処理をスタートさせる。
【0063】
この際、制御部253は、セルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、自機が待機中か商品スキャニング中かの稼働状況を示す稼働状況情報として、稼動中であることを示す情報を、自機が割り当てられているアテンダント端末501に向けて出力する。
【0064】
図10は、選択ボタンA2がタッチパネル211によってタッチ指定され、マイバスケットでのセルフチェックアウト処理をスタートさせる例を示している(図10の左から第1列第2行目)。レジ袋401での処理とマイバスケットでの処理との相違は、秤装置301での0点設定である。マイバスケットでの処理を実行する場合、制御部253は、秤装置301の載置台303aに店舗側の籠を載せ、その中にマイバスケットを広げるべきことを示す画像を生成し、LCD210に表示して顧客に案内する。そして、マイバスケットが選択された後の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第2行目)には、セット完了ボタンA3と戻るボタンA4とが表示される。制御部253は、セット完了ボタンA3がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、0点設定を実行すべきことを秤装置301に伝達する。戻るボタンA4がタッチパネル211によってタッチ指定された場合には、最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)に戻る。
【0065】
初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行及び第2行目)には、その左下に中止ボタンYと呼出ボタンZとが表示される。中止ボタンYは、処理の中止を指示するためのボタンであり、呼出ボタンZは、案内係(アテンダント)の店員を呼び出すためのボタンである。制御部253は、それらの中止ボタンY及び呼出ボタンZを、セルフチェックアウト処理の一連の流れに従い遷移する各画面中、必要に応じて生成し、出現させる。
【0066】
最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)において選択ボタンA1又はA2がタッチパネル211によって選択指定された後の初期ガイダンス画面A(例えば、図10の左から第1列第2行目)において、セット完了ボタンA3がタッチパネル211によってタッチ指定されると、制御部253は、基本画面Bを生成し、LCD210に表示する(図10の左から第2列第1行目)。基本画面Bは、ガイダンス表示領域B1とユーザ領域B2とから構成されている。ガイダンス表示領域B1は上方位置、ユーザ領域B2はその下方位置にそれぞれ配列されている。ガイダンス表示領域B1は、セルフチェックアウトを進めるために必要な各種のガイダンスを表示する。ユーザ領域B2は、セルフチェックアウトを進めるために必要な各種の操作ボタン及び取引情報を表示する。
【0067】
商品に付されたバーコードの読み取りに待機する最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)におけるガイダンス表示領域B1には、「商品のバーコードをガラス面にタッチしてください」という表示がその状態を示す絵柄と共に表示される。
【0068】
商品に付されたバーコードの読み取りに待機する最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)におけるユーザ領域B2には、各種の操作ボタンとして、バーコードのない商品を指定するための商品指定ボタンB22が表示され、取引情報として、購入する商品の名称、点数、単価と、購入する商品の合計金額とを含む取引情報B21が表示される。図10に示す最初の基本画面B(左から第2列第1行目)の画面例では、今までに、ジュースが1点、牛乳が1点、コロッケが3点、それぞれ商品登録された状態を表わしている。購入点数が増えて表示しきれない場合には、取引情報B21中のスクロールボタンをタッチパネル211によってタッチ指定することによって、スクロール表示可能となっている。また、同画面中、ジュースとコロッケとにはその左側に丸割印が表示されている。これは、割引商品であることを示している。割引商品であるかどうかは、一例として、PLUファイルPFに割引情報を持たせることで表示可能となる。
【0069】
最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)のガイダンス表示領域B1に表示されているガイダンス表示に従い、顧客は、バーコードスキャナ203の前に商品をかざし、商品に付されたバーコードを読み取らせる。これにより、決済端末201の制御部253は、前述した検索処理を実行し、PLUファイルPF及び重量データファイルWDFから必要な情報を取得する。
【0070】
この際、制御部253は、LCD210に表示されている基本画面B中、ユーザ領域B2の明度を落とし、読取確認画面Cを生成し、生成した読取確認画面Cをユーザ領域B2に重ねて表示する(図10の左から第3列第1行目)。読取確認画面Cは、PLUファイルPFから検索されたバーコードが読み取られた商品の単価、割引金額、購入点数、購入金額という取引情報を含み、PLUファイルPFに記録されている商品表示から引用された当該商品の商品名称のテキストデータに基づく文字と当該商品の画像データに基づく絵柄とを含む。このような読取確認画面Cは、例えば、一般的なポップアップ表示技術を用いて表示しても良く、あるいは、基本画面Bに読取確認画面Cを重ねて表示するような表示フレームを用いる技術を用いても良い。つまり、結果的に、基本画面Bに読取確認画面Cが重なって表示されていれば良く、そのために採用する表示技術について制約はない。
【0071】
ここで重要なことは、読取確認画面Cは、基本画面B中のユーザ領域B2にのみ重ねて表示され、ガイダンス表示領域B1には重なって表示されない、ということである。これにより、顧客に対して、継続的にガイダンス表示領域B1でのガイダンス表示を実行することができる。図10に示す例では、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた場合、ガイダンス表示領域B1では、「商品のバーコードをガラス面にタッチしてください」という最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)でのガイダンスから、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」というガイダンスに表示が遷移している(図10の左から第3列第1行目)。図10には示さないが、制御部253は、文字のみならず、ガイダンス表示領域B1に表示する絵柄も商品をレジ袋又はマイバスケットに入れる作業を支援する絵柄に遷移させる。読取確認画面Cをガイダンス表示領域B1に重ねずに表示することにより、このようなガイダンス表示領域B1でのガイダンス表示及びその遷移を、顧客に容易く確認させることが可能となる。
【0072】
図11は、一時置き台306に載置すべき商品についての基本画面B及び読取確認画面Cを例示する模式図である。前述したように、決済端末201は、商品載置場所定義を持つ。そこで、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)において、商品載置場所定義として一時置き台306が定義されている商品のバーコードがバーコードスキャナ203によって読み取られた場合、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に「商品を一時置き台に置いてください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する図11に例示する画像を生成し、LCD210に表示する。
【0073】
図10に基づく説明に戻る。バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた後、制御部253は、形態チェック処理を実行する。形態チェック処理の処理内容の詳細については図12ないし図17に基づいて後述する。制御部253は、形態チェック処理の結果、監視カメラ205によって撮像された商品が何らかの操作ミス又は不正行為によってその商品に付されているバーコードが正しく読み取られることなく購入商品として扱われてしまったと認識した場合、商品販売データ処理の進行を停止し、警告報知のための処理を実行する。つまり、制御部253は、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更し、何らかの操作ミスか又は不正が行われたことを、例えば案内係(アテンダント)の店員等に向けて報知する。商品販売データ処理の進行を停止する結果、LCD210の表示画面としては、読取確認画面Cが表示されたままの状態となり、顧客には、処理が進行しないことが示される。
【0074】
制御部253は、形態チェック処理を実行した後、重量チェック処理に待機している。そのために、商品に付されたバーコードが読み取られた後のガイダンス表示領域B1には、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に示すガイダンスを表示する(図10の左から第3列第1行目)。あるいは、図11に例示するように、商品載置場所定義として一時置き台306が定義されている場合には、ガイダンス表示領域B1には、「商品を一時置き台に置いてください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に示すガイダンスを表示する。そこで、これらのガイダンスに従い、顧客は、バーコードスキャナ203によってバーコードを読み取らせた商品をレジ袋401又はマイバスケットに入れ、あるいは一時置き台306に置く。これにより、レジ袋401に詰められた商品及び一時置き台306に載置された商品は、秤装置301の秤皿303に荷重をかけることになり、その荷重がロードセルユニット351によって計量されることになる。ロードセルユニット351による計量結果は、前述したように、送信部358を介して決済端末201に出力される。決済端末201は、ロードセルユニット351による計量結果を受信し、重量チェック処理を実行する。前述したように、重量チェック処理は、バーコードの読み取り後に秤装置301によって計量されたバーコードが読み取られた商品の重量が、検索処理によって重量データファイルWDFから取得した重量と同一性を有しているかどうかを判定する処理である。同一性を有しているかどうかは、前述したように、秤装置301による計量重量に基づいて得られる商品の重量が検索処理によって取得した重量の許容幅(例えば上限値と下限値との間)、つまり重量範囲に収まっているかどうかを判定することによってなされる。
【0075】
重量チェック処理の結果、両重量間に同一性がないと判定された場合は、何らかの操作ミスか又は不正が行われたことになる。そこで、この場合、制御部253は、商品販売データ処理の進行を停止し、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更し、何らかの操作ミスか又は不正が行われたことを、例えば案内係(アテンダント)の店員等に向けて報知する。商品販売データ処理の進行を停止する結果、LCD210の表示画面としては、読取確認画面Cが表示されたままの状態となり、顧客には、処理が進行しないことが示される。
(3)形態チェック処理
ここでは、図12ないし図17に基づいて、形態チェック処理の処理内容について説明する。セルフチェックアウト端末101は、三種類の形態チェック処理を実行する。これらの三種類の形態チェック処理は、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理と、抽出処理に基づいて得られる第1のデータとバーコードスキャナ203からの出力に基づいて得られる第1のデータに整合すべき第2のデータとの整合性を判定する処理と、第1のデータと第2のデータとの間に整合性がないと判定した場合に、商品販売データ処理の進行を停止し、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更して警報を発生する処理と、によって実行される点では共通性を有している。これに対して、三種類の形態チェック処理では、第1のデータと第2のデータとの整合性の判定処理について異なる処理を実行する。それぞれ異なる判定処理を、便宜上、第1の判定処理、第2の判定処理及び第3の判定処理と呼ぶ。これらの異なる判定処理は、第1のデータと第2のデータとの間の整合性が欠如する原因となる異なる三種類の状況に適合させたものである。つまり、これらの三種類の異なる状況は、前述したように、
(第1の状況)
バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られた商品と監視カメラ205によって撮像されたその商品の外観とが一致しない。
【0076】
(第2の状況)
バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られた商品の個数と監視カメラ205によって撮像された商品の個数とが一致しない。
【0077】
(第3の状況)
監視カメラ205によって商品が撮像されているにも拘らず、バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られていない。
の三種類である。第1の状況は、一例として、比較的定額な商品のバーコードラベルを剥がして比較的高額な商品のバーコード上に貼り、この比較的高額な商品をバーコードスキャナ203でスキャンしたような場合に発生する。第2の状況は、一例として、二つ以上の商品を同時にバーコードスキャナ203でスキャニング操作したような場合に発生する。とりわけ、比較的低額な商品と比較的高額な商品とを手に持ち、バーコードスキャナ203の読取面203aに対して、比較的低額な商品に付されたバーコードのみを向けてスキャニング操作したような場合に発生する。第3の状況は、一例として、バーコードスキャナ203の読取面203aに対して、商品に付されたバーコードを向けることなくスキャニング操作したような場合に発生する。これらはいずれも不正行為であるのに対して、このような不正行為は、例えばアテンダント端末501の位置に位置する店員からは認識困難である。形態チェック処理は、このような不正行為の発生の発見を容易にする。とりわけ、形態チェック処理に含まれている第1の判定処理は、上記第1の状況での整合性欠如を判定し、第2の判定処理は、上記第2の状況での整合性欠如を判定し、第3の判定処理は、上記第3の状況での整合性欠如を判定することができる。以下、三種類の形態チェック処理の処理内容を説明する。
【0078】
まず、第1の判定処理を含む形態チェック処理について説明する。第1の判定処理は、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理によって抽出された商品の外観上の特徴を第1のデータとして取得する処理と、バーコードスキャナ203が出力した商品コードに基づいて商品特徴データベース(図示せず)から対応する特徴データを第2のデータとして取得する処理と、取得した第1のデータと取得した第2のデータとの間に一致性がある場合には両データ間に整合性があると判定し、一致性がない場合には整合性がないと判定する処理と、によって実行される。
【0079】
このような第1の判定処理のために、ストアコントローラ31(図1参照)は、前述した商品特徴データベースを備えている。この商品特徴データベースは、商品コードに商品の外観上の特徴データを対応付けて格納している。特徴データは、商品の特徴的な色彩、形状、模様、文字などを特定するデータである。より詳細には、商品の特徴的な色彩、形状、模様、文字などを特徴量として数値化したデータが特徴データである。特徴データは、予め商品の製造元、取扱業者から提供されるデータの他、商品を撮影するなどして独自に作成することができる。
【0080】
図12は、第1の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。制御部253は、選択ボタンA1又はA2(図10中の左から第1列第1行参照)がタッチ指定されてセルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、監視カメラ205にON信号を出力する(ステップS101)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が起動する。撮像動作は、終了コマンドを判定するまで続行する(ステップS102)。制御部253は、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)中のユーザ領域B2(図10の左から第2列第1行目)に「お会計」と表示された会計ボタンB23がタッチ指定されると、終了コマンドを生成する。会計ボタンB23のタッチ指定は、締め指定を意味する。このことについては、後に詳述する。制御部253は、終了コマンドに従い(ステップS102のY)、監視カメラ205にOFF信号を出力する(ステップS103)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が終了する。
【0081】
制御部253は、終了コマンドを判定しなければ(ステップS102のN)、監視カメラ205が出力する撮像データをRAM254に取り込む(ステップS104)。そして、RAM254に取り込んだ撮像データから商品の特徴を特徴データとして抽出する(ステップS107)。抽出する商品の特徴データは、例えば商品の輪郭、商品パッケージの色彩、模様、文字、トレードマーク等の特徴を特徴量として数値化したデータである。これらの処理は、公知の画像処理技術を適用することにより行われる。こうして抽出した商品の特徴データは、第1のデータを構成する。
【0082】
制御部253は、特徴データの抽出処理(ステップS107)に続き、商品コードの取得有無判定、つまり、バーコードスキャナ203からの商品コード出力の有無判定に待機する(ステップS108)。制御部253は、バーコードスキャナ203からの商品コードの出力を判定すると(ステップS108のY)、通信インターフェース261を介して、バーコードスキャナ203が出力した商品コードを伴う特徴データの読み出し要求をストアコントローラ31に送信し、ストアコントローラ31から送信された特徴データを受信してRAM254に取り込む(ステップS109)。この際、ストアコントローラ31は、商品特徴データベースにアクセスし、受信した商品コードに対応付けられている商品の外観上の特徴データを検索する。こうして取得した特徴データは、第2のデータを構成する。
【0083】
制御部253は、ステップS107で抽出した商品の特徴データ(第1のデータ)とステップS109で取得した商品の外観上の特徴データ(第2のデータ)とを比較し、両データの一致性を判定する(ステップS110)。ここでの比較処理は、ステップS107で抽出した商品の特徴データ(第1のデータ)に含まれている特徴量と、ステップS109で取得した商品の外観上の特徴データ(第2のデータ)に含まれている特徴量との差が、予め決められている規定値よりも少ない場合には両データの間に一致性があると判定し、その差が規定値よりも多い場合には両データの間に一致性がないと判定する処理である。
【0084】
そして、制御部253は、ステップS107で抽出した商品の特徴データ(第1のデータ)とステップS109で取得した商品の外観上の特徴データ(第2のデータ)との間に一致性があると判定した場合には(ステップS111のY)、ステップS102にリターンし、ステップS102〜ステップS111の処理を繰り返す。これに対して、制御部253は、ステップS107で抽出した商品の特徴データ(第1のデータ)とステップS109で取得した商品の外観上の特徴データ(第2のデータ)との間に一致性がないと判定した場合には(ステップS111のN)、警告処理を実行する(ステップS112)。つまり、商品販売データ処理の進行を停止し、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更して警報を発生し、更に、通信インターフェース261を介して警報信号をアテンダント端末501に送信する。
【0085】
図13は、第1の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。図13に示す処理が図12に示す処理と相違する点は、商品コードの取得手法である。図13に示す処理では、形態チェック処理に使用する商品コードとして、バーコードスキャナ203が出力する商品コードを採用するのではなく、ステップS104でRAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データを利用する。
【0086】
制御部253は、RAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データに基づいてバーコード認識処理を実行する(ステップS105)。このバーコード認識処理は、例えばHDD258にインストールされてRAM254にコピーされたバーコードデータベースを参照することによって実行される。バーコードデータベースは、一例として、バーコードを特徴付けている各種の要素とコードとの関係を対応付けて記憶している。そこで、制御部253は、ステップS104でRAM254に取り込んだ撮像データに含まれているバーコードを解析してそのバーコードを特徴付けている各種の要素を抽出し、抽出された要素に対応付けられているコードをバーコードデータベースにアクセスして取得する。そして、制御部253は、取得したバーコードをデコードし、商品コードを取得する。
【0087】
制御部253は、商品コードを取得するためのデコード処理の完了を判定すると(ステップS106のY)、ステップS107の商品の特徴データの抽出処理を実行する。そして、ステップS105で商品コードを既に取得しているのであるから、バーコードスキャナ203による商品コードの出力有無判定のための処理(図12中のステップS108)を実行することなく、ステップS109の特徴データの読み出し処理に移行する。この際、制御部253は、ストアコントローラ31に送信する特徴データの読み出し要求に伴わせる商品コードとして、ステップS105で取得した商品コードを用いる。
【0088】
ステップS109以降の処理は、図12に示す処理と共通である。
【0089】
次に、第2の判定処理を含む形態チェック処理について説明する。第2の判定処理は、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理によって抽出された商品の外観上の特徴に基づいて外観上の特徴が抽出された商品の個数を第1のデータとして取得する処理と、バーコードスキャナ203が出力した商品コードの数を第2のデータとして取得する処理と、取得した第1のデータが特定する個数と取得した第2のデータが特定する個数とが一致する場合には両データの間に整合性があると判定し、不一致の場合には両データの間に整合性がないと判定する処理と、によって実行される。
【0090】
図14は、第2の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。制御部253は、選択ボタンA1又はA2(図10中の左から第1列第1行参照)がタッチ指定されてセルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、監視カメラ205にON信号を出力する(ステップS201)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が起動する。撮像動作は、終了コマンドを判定するまで続行する(ステップS202)。制御部253は、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)中のユーザ領域B2(図10の左から第2列第1行目)に「お会計」と表示された会計ボタンB23がタッチ指定されると、終了コマンドを生成する。会計ボタンB23のタッチ指定は、締め指定を意味する。このことについては、後に詳述する。制御部253は、終了コマンドに従い(ステップS202のY)、監視カメラ205にOFF信号を出力する(ステップS203)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が終了する。
【0091】
制御部253は、終了コマンドを判定しなければ(ステップS202のN)、監視カメラ205が出力する撮像データをRAM254に取り込む(ステップS204)。そして、RAM254に取り込んだ撮像データに基づいて、商品の個数を計数する処理を実行する(ステップS207)。つまり、制御部253は、RAM254に取り込んだ撮像データから商品の特徴を特徴データとして抽出する。抽出する商品の特徴データは、例えば商品の輪郭、商品パッケージの色彩、模様、文字、トレードマーク等の特徴を特徴量として数値化したデータである。これらの処理は、公知の画像処理技術を適用することにより行われる。そして、特徴データを抽出することができた商品の個数を計数する。こうして計数された商品の個数は、第1のデータを構成する。
【0092】
ここで重要なことは、第1のデータとして取得される商品の個数は、一取引中の規定時間内に監視カメラ205が出力する撮像データに基づいて取得されることである。この場合の規定時間は、一例として、一度のバーコードスキャニング動作によって二つ以上の商品がバーコードスキャナ203の読取面203aを通過するのに十分な程度の時間である。
【0093】
制御部253は、商品の個数の計数処理(ステップS207)に続き、商品コードの取得有無判定、つまり、バーコードスキャナ203からの商品コード出力の有無判定に待機する(ステップS208)。そして、制御部253は、バーコードスキャナ203からの商品コードの出力を判定すると(ステップS208のY)、ステップS207で採用されている規定時間内に取得された商品コードの個数を計測する処理を実行する(ステップS209)。こうして計数された商品コードの個数は、第2のデータを構成する。
【0094】
制御部253は、ステップS207で計数した商品の個数(第1のデータ)と、ステップS209で計数した商品コードの個数(第2のデータ)とを比較する個数比較処理を実行する(ステップS210)。個数比較処理で、制御部253は、第1のデータが特定する個数と第2のデータが特定する個数とが一致する場合には両データの間に整合性があると認識し、不一致の場合には両データの間に整合性がないと認識する。
【0095】
そして、制御部253は、ステップS207で計数した商品の個数(第1のデータ)と、ステップS209で計数した商品コードの個数(第2のデータ)とが一致していると判定した場合には(ステップS211のY)、ステップS202にリターンし、ステップS202〜ステップS211の処理を繰り返す。これに対して、制御部253は、ステップS207で計数した商品の個数(第1のデータ)と、ステップS209で計数した商品コードの個数(第2のデータ)とが一致していないと判定した場合には(ステップS211のN)、警告処理を実行する(ステップS212)。つまり、商品販売データ処理の進行を停止し、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更して警報を発生し、更に、通信インターフェース261を介して警報信号をアテンダント端末501に送信する。
【0096】
図15は、第2の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。図15に示す処理が図14に示す処理と相違する点は、商品コードの取得手法である。図15に示す処理では、形態チェック処理に使用する商品コードとして、バーコードスキャナ203が出力する商品コードを採用するのではなく、ステップS204でRAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データを利用する。
【0097】
制御部253は、RAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データに基づいてバーコード認識処理を実行する(ステップS205)。このバーコード認識処理は、例えばHDD258にインストールされてRAM254にコピーされたバーコードデータベースを参照することによって実行される。バーコードデータベースは、一例として、バーコードを特徴付けている各種の要素とコードとの関係を対応付けて記憶している。そこで、制御部253は、ステップS204でRAM254に取り込んだ撮像データに含まれているバーコードを解析してそのバーコードを特徴付けている各種の要素を抽出し、抽出された要素に対応付けられているコードをバーコードデータベースにアクセスして取得する。そして、制御部253は、取得したバーコードをデコードし、商品コードを取得する。
【0098】
制御部253は、商品コードを取得するためのデコード処理の完了を判定すると(ステップS206のY)、ステップS207の商品個数計測処理を実行する。そして、ステップS205で商品コードを既に取得しているのであるから、バーコードスキャナ203による商品コードの出力有無判定のための処理(図14中のステップS208)を実行することなく、ステップS209の商品コードの個数計測処理に移行する。この際、制御部253は、個数計測をする商品コードとして、ステップS205で取得した商品コードを用いる。
【0099】
ステップS210以降の処理は、図12に示す処理と共通である。
【0100】
次に、第3の判定処理を含む形態チェック処理について説明する。第3の判定処理は、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理によって商品の外観上の特徴が抽出されたことを第1のデータとして取得する処理と、バーコードスキャナ203が商品コードを出力したことを第2のデータとして取得する処理と、第1のデータの取得に同期して第2のデータを取得した場合には両データの間に整合性があると判定し、取得しない場合には両データの間に整合性がないと判定する処理と、によって実行される。
【0101】
図16は、第3の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。制御部253は、選択ボタンA1又はA2(図10中の左から第1列第1行参照)がタッチ指定されてセルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、監視カメラ205にON信号を出力する(ステップS301)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が起動する。撮像動作は、終了コマンドを判定するまで続行する(ステップS302)。制御部253は、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)中のユーザ領域B2(図10の左から第2列第1行目)に「お会計」と表示された会計ボタンB23がタッチ指定されると、終了コマンドを生成する。会計ボタンB23のタッチ指定は、締め指定を意味する。このことについては、後に詳述する。制御部253は、終了コマンドに従い(ステップS302のY)、監視カメラ205にOFF信号を出力する(ステップS303)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が終了する。
【0102】
制御部253は、終了コマンドを判定しなければ(ステップS302のN)、監視カメラ205が出力する撮像データをRAM254に取り込む(ステップS304)。そして、RAM254に取り込んだ撮像データから商品の特徴を特徴データとして抽出する(ステップS305)。抽出する商品の特徴データは、例えば商品の輪郭、商品パッケージの色彩、模様、文字、トレードマーク等の特徴を特徴量として数値化したデータである。これらの処理は、公知の画像処理技術を適用することにより行われる。
【0103】
ステップS305で商品の特徴が抽出されたということは、バーコードスキャナ203に対して商品のスキャニング操作が行なわれたことを意味する。つまり、バーコードスキャナ203の読取面203aの前面空間である読取空間を商品が通過したことを意味する。そこで、制御部253は、ステップS305での商品の特徴抽出をもって、商品のスキャニング操作の実行を判定する(ステップS306)。このようなステップS305での商品の特徴抽出、換言すると、商品のスキャニング操作の実行があったことは、第1のデータを構成する。
【0104】
制御部253は、商品のスキャニング操作の実行を判定すると(ステップS306のY)、商品コードの取得有無判定、つまり、バーコードスキャナ203からの商品コード出力の有無判定に待機する(ステップS308)。この場合、バーコードスキャナ203が商品コードを出力したこと、つまり、バーコードスキャナ203からの商品コード出力を判定したことは、第2のデータを構成する。
【0105】
第1のデータと第2のデータとの関係について説明する。商品の付されたバーコードが正しくバーコードスキャナ203の読取面203aに正対した状態で商品のスキャニング操作がなされたならば、ステップS306での商品のスキャニング操作の実行の判定(第1のデータ)と、ステップS308でのバーコードスキャナ203からの商品コードの出力の判定(第2のデータ)とは、極めて瞬間的時間内に同期的に発生する。そこで、制御部253は、ステップS308でのバーコードスキャナ203からの商品コードの出力の判定(第2のデータ)がステップS306での商品のスキャニング操作の実行の判定(第1のデータ)に同期的に発生した場合には、第1のデータと第2のデータとの間に整合性があると認識し、同期的に発生しなかった場合には、両データの間に整合性がないと認識する。そこで、制御部253は、第1のデータと第2のデータとの間に整合性があると認識した場合には(ステップS308のY)、ステップS302にリターンし、ステップS302〜ステップS308の処理を繰り返す。これに対して、制御部253は、第1のデータと第2のデータとの間に整合性がないと認識した場合には(ステップS308のN)、警告処理を実行する(ステップS309)。つまり、商品販売データ処理の進行を停止し、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更して警報を発生し、更に、通信インターフェース261を介して警報信号をアテンダント端末501に送信する。
【0106】
図17は、第3の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。図17に示す処理が図16に示す処理と相違する点は、商品コードの取得手法である。図17に示す処理では、形態チェック処理に使用する商品コードとして、バーコードスキャナ203が出力する商品コードを採用するのではなく、ステップS304でRAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データを利用する。
【0107】
制御部253は、ステップS306で商品のスキャニング操作の実行を判定した後、ステップS304でRAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データに基づいてバーコード認識処理を実行する(ステップS307)。このバーコード認識処理は、例えばHDD258にインストールされてRAM254にコピーされたバーコードデータベースを参照することによって実行される。バーコードデータベースは、一例として、バーコードを特徴付けている各種の要素とコードとの関係を対応付けて記憶している。そこで、制御部253は、ステップS304でRAM254に取り込んだ撮像データに含まれているバーコードを解析してそのバーコードを特徴付けている各種の要素を抽出し、抽出された要素に対応付けられているコードをバーコードデータベースにアクセスして取得する。この場合に重要なことは、ステップS307のバーコード認識処理では、バーコードというコードシンボルをデコードして商品コードを取得することではなく、バーコードの存在そのものを認識するという点である。したがって、ステップS307でのバーコード認識処理で認識されるバーコードは、実際には商品コードを構成しないものであっても、商品コードであるとみなし得る。そして、ステップS304でRAM254に取り込んだ撮像データからバーコード(商品コードとみなすことができる商品コード)を抽出できたならば(ステップS308のY)、そのことが第2のデータを構成することになる。
【0108】
そこで、制御部253は、ステップS304でRAM254に取り込んだ撮像データからバーコード(商品コードとみなすことができる商品コード)を抽出できたならば(ステップS308のY)、第1のデータと第2のデータとの間に整合性があると認識し、抽出できなければ、両データの間に整合性がないと認識する。この場合におけるステップS308でのバーコード抽出判定(第2のデータ)は、図16に示す処理の場合と同様に、ステップS306での商品のスキャニング操作の実行の判定(第1のデータ)と同期的である必要があることは言うまでもない。
【0109】
ステップS308以降の処理は、図16に示す処理と共通である。
(4)重量チェック処理
(一)重量チェック処理の処理内容
図18は、重量チェック処理に含まれている秤装置301からの重量データ受信処理の流れを示すフローチャートである。秤装置301は、ロードセルユニット351による計量結果を重量データとしてセルフチェックアウト端末101に送信する。そこで、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、図10に示す最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)中での選択ボタンA1のタッチパネル211によるタッチ指定等によってセルフチェックアウト処理のスタートが指定されると、重量データの受信に待機している(ステップS51)。
【0110】
前述したように、秤装置301から決済端末201への重量データの送信は、例えば数μsec〜数百μsecというような短い周期で定期的に実行される。図18に示すフローチャート中のステップS51の受信処理では、秤装置301から決済端末201への重量データの送信があれば、いつでも受信ありを判定する。
【0111】
決済端末201の制御部253は、重量データの受信を判定すると(ステップS51のY)、受信した重量データをRAM254に一時記憶する(ステップS52)。つまり、決済端末201の制御部253は、例えば数μsec〜数百μsecというような短い周期で定期的に送信されてくる秤装置301からの重量データをRAM254に一時記憶する(ステップS52)。
【0112】
制御部253は、重量チェック処理として、図18中のステップS52でRAM254に一時記憶した重量データによって特定される重量値から、その直前までRAM254に一時記憶していた重量データによって特定される重量値を減じ、増加分の重量値を得る。この際、制御部253は、その直前に検索処理(図9中のステップS12)を実行しているはずである。つまり、制御部253は、バーコードスキャナ203が出力する商品コードに基づいてPLUファイルPF及び重量データファイルWDF(図7(a)、図7(b))を検索し、その商品コードに対応する単価、重量の許容幅(例えば上限値と下限値との間)及び商品表示を取得しているはずである。そこで、制御部253は、図18中のステップS52でRAM254に一時記憶した重量データによって特定される重量値からその直前までRAM254に一時記憶していた重量データによって特定される重量値を減じて得た増加分の重量値が、検索処理(図9中のステップS12)によって取得した重量の許容幅(例えば上限値と下限値との間)、つまり重量範囲に収まっているかどうかを判定する。これにより、重量チェック処理が実行される。
【0113】
(二)重量チェック処理のスキップ
図19は、重量チェック対象外商品についての基本画面B及び読取確認画面Cを例示する模式図である。前述したように、決済端末201は、重量チェック実行有無定義を持つ。そこで、制御部253は、重量チェック実行有無定義を参照し、重量チェックをしないと定義付けられた商品については、図19に例示するように、読取確認画面Cに確定ボタンXを表示し、重量チェック処理をスキップする。そして、読取確認画面Cにおいて、確定ボタンXがタッチパネル211によってタッチ指定された場合、制御部253は、商品販売データ処理の進行を許容し、基本画面B中のユーザ領域B2の明度を元に戻し、読取確認画面Cを消去する。これにより、LCD210の表示は、基本画面B(図10の左から第2列第1行目)に復帰する。
【0114】
このように、重量チェック対象外商品については、重量チェック処理をスキップする。図19(a)に示すように、重量チェック処理をスキップするにも拘らず、商品に付されたバーコードが読み取られた後のガイダンス表示領域B1には、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れ、確定ボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に示すガイダンスを表示する。
【0115】
もっとも、図11に基づいて説明したように、制御部253は、重量データファイルWDFの商品載置場所定義(袋詰めスキップ)に従い、ガイダンス表示領域B1にバーコード読み取り後の商品の載置場所を表示する。そこで、図19(b)に例示するように、制御部253は、床面を載置場所として商品載置場所定義(袋詰めスキップ)に定義されている商品の場合、ガイダンス表示領域B1に「商品はレジ袋台の脇に置き、確定ボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示させる。
(5)画面入力による商品情報登録
図10に基づく説明に戻る。前述したように、最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)には、「バーコードのない商品は次の画面で登録します」という文字が「次の画面」を示す絵柄と共に案内される。これを受けて、制御部253は、バーコードのない商品を登録するための画像として、基本画面B(図10の左から第2列第1行目)中のユーザ領域B2に、「やさい」、「くだもの」、「そうざい」、「魚介」、「その他」、「詰合せ」の六種類のタッチボタンからなる商品指定ボタンB22を用意する。そこで、顧客は、購入しようとする商品にバーコードが付されていない場合、商品指定ボタンB22をタッチパネル211によってタッチ指定することになる。これらのいずれかの商品指定ボタンB22がタッチパネル211によってタッチ指定されると、基本画面B中のユーザ領域B2の取引情報B21が部門選択画面Eに切り替え表示される(図10の左から第2列第2行目)。
【0116】
図10に示す部門選択画面E(左から第2列第2行目)は、「そうざい」がタッチパネル211によってタッチ指定された一例を示している。この場合、部門選択画面Eとして、「そうざい」の範疇に含まれる各種の食品が4列4行の合計16種、スクロールボタンによってスクロール可能に表示される。部門選択画面Eには、戻るボタンE1も表示され、この戻るボタンE1がタッチパネル211によってタッチ指定された場合には、部門選択画面Eが取引情報B21に切り替え表示され、基本画面B(図10の左から第2列第1行目)の表示に復帰する。
【0117】
基本画面B中のユーザ領域B2の取引情報B21が部門選択画面Eに切り替え表示された場合(図10の左から第2列第2行目)、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に、「お持ちの商品のボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する。これにより、顧客は、次にどのような操作をすれば良いのかを知ることができる。
【0118】
そこで、そのガイダンスに従い、顧客が部門選択画面E(図10の左から第2列第2行目)から一つの食品をタッチパネル211によってタッチ指定すると、基本画面B中のユーザ領域B2に、その食品についての部門登録画面F(図10の左から第3列第2行目)が出現する。図10に示す部門登録画面F(左から第3列第2行目)は、「玉子トウフ」がタッチ指定された一例を示している。この場合、「玉子トウフ」についての部門登録画面Fが出現する。部門登録画面Fは、商品の単価、割引金額、購入点数、購入金額という取引情報を含み、当該商品の商品名称のテキストデータに基づく文字と当該商品の画像データに基づく絵柄とを含み、更に、テンキーを含む。テンキーは、デフォルト設定が1点である購入点数の変更入力を可能にする。これらの各種データは、一例として、決済端末201においてPLUファイルPFとは別個に設けられた部門ファイルに記録されている情報から引用される。また、部門登録画面Fには、取消しボタンF1と決定ボタンF2とが含まれている。取消しボタンF1がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、基本画面Bのユーザ領域B2に部門選択画面Eが表示された画面(図10の左から第2列第2行目)に復帰する。
【0119】
基本画面B中のユーザ領域B2に部門登録画面Fが表示された場合(図10の左から第3列第2行目)、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に、「点数を変更するときは数字キーから入力し、「決定」ボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する。これにより、顧客は、次にどのような操作をすれば良いのかを知ることができる。
【0120】
そこで、そのガイダンスに従い、部門登録画面F(図10の左から第3列第2行目)において、必要に応じてテンキーによって購入点数を変更入力した後、決定ボタンF2をタッチパネル211によってタッチ指定すると、デフォルト又はテンキーによって変更入力された購入点数分だけ、選択した食品、図10に示す例では「玉子トウフ」についての部門登録が完了する。そこで、制御部253は、LCD210に表示されている基本画面B中、ユーザ領域B2の明度を落とし、読取確認画面Cを生成し、生成した読取確認画面Cをユーザ領域B2に重ねて表示する(図10の左から第4列第2行目)。また、制御部253は、基本画面B中のガイダンス表示領域B1の表示を、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」というガイダンスに表示に遷移させる(図10の左から第4列第2行目)。図10には示さないが、制御部253は、文字のみならず、ガイダンス表示領域B1に表示する絵柄も商品をレジ袋又はマイバスケットに入れる作業を支援する絵柄に遷移させる。読取確認画面Cをガイダンス表示領域B1に重ねずに表示することにより、このようなガイダンス表示領域B1でのガイダンス表示及びその遷移を、顧客に容易く確認させることが可能となる。
【0121】
ここで、「やさい」、「くだもの」、「そうざい」、「魚介」、「その他」という五種類の商品指定ボタンB22がタッチパネル211によってタッチ指定されて部門登録がなされた場合、つまり、「詰合せ」以外の商品指定ボタンB22がタッチ指定されて部門登録がなされた場合には、基本画面B中のユーザ領域B2に読取確認画面Cを重ねて表示させた後の処理は、重量チェック処理である。つまり、既に説明したバーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードを読み取った場合の処理と共通性を有している。そこで、その後の処理については説明を省略する。
(6)決済
図10に基づく説明に戻る。基本画面B中のユーザ領域B2(図10の左から第2列第1行目)には、「お会計」と表示された会計ボタンB23が表示されている。この会計ボタンB23のタッチ指定は、締め指定を意味する。そこで、タッチパネル211により会計ボタンB23がタッチ指定されると、制御部253は、決済処理を実行する。つまり、制御部253は、会計画面Jを生成し、ユーザ領域B2に表示する(図10の左から第2列第3行目)。会計画面Jは、合計金額の表示と、支払方法の選択ボタンJ1〜J5と、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)に戻るための「明細画面に戻る」と表示された戻るボタンJ6とを含んでいる。選択ボタンJ1は現金、選択ボタンJ2はクレジット、選択ボタンJ3は電子マネー型の非接触ICカード、選択ボタンJ4は銀行口座引き落し型の非接触ICカード、選択ボタンJ5は商品券・クーポンをそれぞれ選択指定する。これにより、決済端末201では、顧客がタッチパネル211によって会計ボタンB23をタッチ指定することにより締め指定をすると、制御部253は、商品販売データ処理で算出した決済金額について、現金、クレジットカード等の磁気カード、電子マネー型の非接触ICカード、銀行引き落し型の非接触ICカードを利用した決済処理を実行する。
【符号の説明】
【0122】
203…バーコードスキャナ(商品コード読取装置、データコードスキャナ)、205…監視カメラ(撮像部)、206…カード読取部(ユーザインターフェース)、207…テンキー(ユーザインターフェース)、210…LCD(ユーザインターフェース)、211…タッチパネル(ユーザインターフェース)、217…表示ポール(警報装置)、252…カードリーダライタ(ユーザインターフェース)、301…秤装置、303a…載置台、306…一時置き台、PF…PLUファイル(商品データファイル)、WDF…重量データファイル(商品データファイル)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0123】
【特許文献1】特開2004−086728公報
【特許文献2】特開平09−245251号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客によるセルフチェックアウトを可能にするセルフチェックアウト端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品販売データ処理を実行するための各種ユーザインターフェースを顧客による操作と顧客への情報提供と顧客へのレシート発行とが可能な位置に配置し、顧客によるセルフチェックアウトを可能にしたセルフチェックアウト端末の開発が進められている(特許文献1参照)。各種ユーザインターフェースとしては、例えばバーコードリーダ等のような商品コード読取装置、情報を表示する表示部、情報を入力する入力部、例えば硬貨及び紙幣の入出金装置のような決済を可能とする決済部、及びレシートプリンタ等が用意される。
【0003】
また、セルフチェックアウト端末では、不正行為を防止するために、顧客が持ち帰ることができる商品を、商品コード読取装置で商品コードを読み取られた商品、換言すると、商品販売データ処理の対象となる購入商品だけに限るようにするための対策が必要となる。そのための対策として、例えば、特許文献2に記載されているように、商品コード読取装置で商品コードを読み取られた商品の重量をチェックし、不正行為を防止するようにした技術が提案されている。重量チェックの手法として、特許文献2に記載されているものは、商品コード読取装置で読み取った商品コードに基づいてPLUファイルから当該商品の重量データを取得し、商品コードを読み取った後の商品の重量を計量し、重量データによって特定される重量と実際に計量された重量との同一性をもって重量チェックを行う、という手法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような重量チェックという手法を採用することが妥当でなかったり、重量チェックという手法をそもそも採用し得なかったりすることがある。その理由を、次に述べる。
【0005】
商品の重量は一定ではなく、例えば10kg単位の重量が重い商品から、数グラム程度の軽量な商品まで様々である。商品の重量を計量するには、例えば秤装置の秤皿を構成している載置台に商品を載せなければならないのに対して、重量が重い商品を載置台に載せさせるのは顧客に大きな負担を与えるために適当ではない。したがって、そのような重量が重い商品については、重量チェックという手法を採用することが妥当ではない。
【0006】
また、秤装置には正確な計量が可能な最大限範囲と最小限範囲とがその秤装置の計量能力として設定されているのに対して、そのような秤装置の計量能力を超えて重量が重い商品や重量が軽い商品については、正確な計量をなし得ない。したがって、秤装置の計量能力を超える商品については、重量チェックという手法を採用し得ない。
【0007】
このようなことから、重量チェックという手法を採用することが妥当でなかったり、重量チェックという手法をそもそも採用し得なかったりする商品が生じ得る。このような商品については、何らかの操作ミスや不正行為によって、商品販売データ処理をすることなく店外に持ち出されたとしても、その検証が極めて困難であるか、又は不可能である。
【0008】
本発明の目的は、商品の不正な持ち出しに対する有効な解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のチェックアウト端末は、読取面を有し、前記読取面の前方の読取空間に位置付けられる商品に付された当該商品を特定する商品コードをシンボル化したコードシンボルを光学的に読み取り商品コードにデコードして出力する商品コード読取装置と、前記商品コード読取装置の前記読取面の奥に配置され、前記読取空間に位置付けられる商品の画像を撮像して撮像データを出力する撮像部と、前記商品コード読取装置がコードシンボルを読み取った場合、個々の商品コードに対応させて単価を記憶する商品データファイルから対応する単価を検索して商品販売データ処理を実行する手段と、前記撮像部が出力した撮像データから前記商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理を実行する手段と、前記抽出処理に基づいて得られる第1のデータと、前記商品コード読取装置からの出力に基づいて得られる前記第1のデータに整合すべき第2のデータとの整合性を判定する手段と、前記第1のデータと前記第2のデータとの間に整合性がないと判定された場合には前記商品販売データ処理の進行を停止する制御手段と、を具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮像部が出力した撮像データから抽出される商品の外観上の特徴に基づく商品の不正な持ち出し確認を実行することができるので、商品の不正な持ち出しに対する有効な解決策を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の一形態として、全体のシステム構成を示す模式図である。
【図2】セルフチェックアウトシステムでの各部の配置状態を示す平面図である。
【図3】セルフチェックアウト端末を示す斜視図である。
【図4】秤装置を示す斜視図である。
【図5】保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図である。
【図6】決済端末の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】(a)は商品データファイルを構成するPLUファイルの一例を示す模式図、(b)は商品データファイルを構成する重量データファイルの一例を示す模式図である。
【図8】秤装置の電気的なハードウェア構成を示す模式図である。
【図9】セルフチェックアウト端末でのセルフチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】セルフチェックアウト端末でのセルフチェックアウト処理実行時における画面遷移例を示す模式図である。
【図11】一時置き台に載置すべき商品についての基本画面及び読取確認画面を例示する模式図である。
【図12】第1の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第1の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。
【図14】第2の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】第2の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。
【図16】第3の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】第3の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。
【図18】重量チェック処理に含まれている秤装置からの重量データ受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】(a)は重量チェック対象外商品についての基本画面及び読取確認画面(商品載置場所が載置台)を例示する模式図、(b)は重量チェック対象外商品についての基本画面及び読取確認画面(商品載置場所が床面)を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の一形態を図1ないし図19に基づいて説明する。
【0013】
本実施の形態の説明は、次の項目に沿ってなされる。
【0014】
1.システム構成
(1)システム構成の概要
(2)セルフチェックアウト端末
2.セルフチェックアウト処理
(1)セルフチェックアウト処理の基本的ルーチン
(2)セルフチェックアウト処理時の画面遷移
(3)形態チェック処理
(4)重量チェック処理
(一)重量チェック処理の処理内容
(二)重量チェック処理のスキップ
(5)画面入力による商品情報登録
(6)決済
以下、上記項目の順に説明する。
1.システム構成
(1)システム構成の概要
図1は、全体のシステム構成を示す模式図である。本実施の形態のシステムは、複数のセルフチェックアウトシステム11と、複数台のPOS端末21と、ストアコントローラ31とが通信ネットワーク41を介して接続されて構築されている。
【0015】
セルフチェックアウトシステム11は、複数台のセルフチェックアウト端末101に一台のアテンダント端末501が割り当てられて構成されている。セルフチェックアウト端末101は、決済端末201と秤装置301とから構成されている。
【0016】
図2は、セルフチェックアウトシステム11での各部の配置状態を示す平面図である。本実施の形態のセルフチェックアウトシステム11は、四台のセルフチェックアウト端末101に対して一台のアテンダント端末501が割り当てられている。セルフチェックアウト端末101は、一対のセルフチェックアウト端末101が顧客通路121に沿って平行に並べられ、これらの一対のセルフチェックアウト端末101が顧客通路121を介して正面側を対面させるように配置されている。
【0017】
顧客通路121の突き当りにはアテンダント端末501が配置されている。アテンダント端末501は、その外観上、本体部502と表示部としてのディスプレイ503とキーボード504と操作部としてのポインティングデバイス505とを有するパーソナルコンピュータ形態を有しており、アテンダントテーブル601に載置されている。
【0018】
顧客は、顧客通路121を通ってどのセルフチェックアウト端末101に対してもアクセス可能となっている。例えば、図2中の右上方、顧客から見ると進行方向左奥側に位置するセルフチェックアウト端末101を使用しようとする場合、顧客通路121を通ってそのセルフチェックアウト端末101の前に立ち、セルフチェックアウトの終了後にはアテンダントテーブル601の前で左側又は右側に回りこんで立ち去ることになる。
(2)セルフチェックアウト端末
図3は、セルフチェックアウト端末101を示す斜視図である。セルフチェックアウト端末101は、決済端末201と秤装置301とから構成されている。
【0019】
決済端末201は、顧客が購入しようとする商品を入れた籠(図示せず)を載置するための商品籠載置台102が左脇から突出したハウジング202を有している。商品籠載置台102の上面には、籠を位置決めするための突部103がL字形状に突出形成されている。
【0020】
決済端末201のハウジング202は、床面に設置されるベースハウジング202aと、このベースハウジング202aの上面に載置される小振りな上部ハウジング202bとによって構成されている。ベースハウジング202aの前面は、下方に向かうほどベースハウジング202aの投影面積を狭めるように傾斜している。これにより、ベースハウジング202aは、下方に向かうほど奥側にオフセットした形状となっている。
【0021】
上部ハウジング202bには、各種ユーザインターフェースが設けられている。つまり、上部ハウジング202bには、左側に商品コード読取装置(データコードスキャナ)としてのバーコードスキャナ203が配置され、右側にプリンタカバー204が配置されている。バーコードスキャナ203とプリンタカバー204との間には決済部としてのカード読取部206及びテンキー207が配置されている。
【0022】
バーコードスキャナ203は、アクリル板やガラス板によって形成されている読取面203aを有し、この読取面203aの前面に位置する読取空間に所定パターンのレーザ光パターンを照射する商品コード読取装置として機能する縦型スキャナである。バーコードスキャナ203は、読取空間に商品が位置付けられてその商品に付されたバーコードが読取面203aに向けられると、バーコードからの反射光を受光素子(図示せず)で受光する。そして、バーコードスキャナ203は、受光素子の出力信号に基づくバーコードの受光信号をデコードし、そのバーコードが表現している商品コードをコードデータとして取得し、決済端末201の制御部253に出力する。
【0023】
バーコードスキャナ203には、読取面203aの奥に監視カメラ205が装着されている。監視カメラ205は、2次元配列されたCCDセンサ、CCDセンサに焦点画像を導く複数枚のレンズ、及びCCDセンサの出力を取り込んで撮像データを生成し出力する制御回路(いずれも図示せず)によって構成されるデジタルカメラの構造を有している。このような監視カメラ205は、バーコードスキャナ203によってコードシンボルが読み取られる商品が位置付けられる領域、つまり前述した読取空間の画像を撮像可能な位置に配置されている。したがって、監視カメラ205は、そのような画像を撮像して撮像データを出力する撮像部を構成する。
【0024】
プリンタカバー204には、レシート発行口208が設けられている。プリンタカバー204の奥側にはレシートプリンタ251(図6参照)が上部ハウジング202bに内蔵され、このレシートプリンタ251によって印字される図示しないレシートは、レシート発行口208から発行されるように構成されている。プリンタカバー204は、上部ハウジング202bに対して開閉自在に取り付けられ、フラップ209の引っ張り操作で開放される。
【0025】
カード読取部206は、図示しない非接触ICカードと無線通信を確立し、非接触ICカードに対して情報を読み書きする。非接触ICカードは、一例として現金と等価な価値を有する電子マネーを記憶保存することが可能であり、別の一例として、引き落し銀行口座を特定するための識別番号を記憶保存し、決済に際して利用される。図1中、丸印の中に「CARD」と記されている部分の奥側に図示しないアンテナが内蔵され、このアンテナを介して非接触ICカードとの間の無線通信が確立される。テンキー207は、非接触ICカードでの決済に際して、暗証番号の入力のために用いられる。
【0026】
上部ハウジング202bには、液晶表示パネルを有する表示部としてのLCD210が取り付けられている。このLCD210は、その表示面に入力部としてのタッチパネル211を有し、右側方にカード読取溝212を有する。カード読取溝212の内部には、決済部としてのカードリーダライタ252(図6参照)が内蔵されている。カードリーダライタ252は、クレジットカード等の磁気カードに記録された情報、例えばカード番号や暗証番号を読み取る。
【0027】
ベースハウジング202aには、硬貨と紙幣との入出金装置221(図6参照)が内蔵されている。入出金装置221の一部として、ベースハウジング202aの中央上面には硬貨投入口213が配置され、その左側には硬貨払出口214が配置されている。また、ベースハウジングの前面右上方位置には、紙幣投入口215と紙幣払出口216とが配置されている。このような入出金装置221は、貨幣及び紙幣の取扱いを可能にする機構部とこの機構部を制御する制御部とを有している(いずれも図示せず)。このような機構部の構造及び制御部での処理手順等については、その内容が周知なので、説明を省略する。
【0028】
さらに、ベースハウジング202aの背面からは、セルフチェックアウト端末101の現在の状態を表示する警報装置としての表示ポール217が立設されている。この表示ポール217は、先端部に青色と赤色とに選択的に発光する発光部218を有する。
【0029】
図4は、秤装置301を示す斜視図である。秤装置301は、秤ハウジング302の上部に秤皿303が設けられ、この秤皿303に袋保持具304が取り付けられて構成されている。秤皿303は、その上面に載置台303aを有する。袋保持具304は載置台303aに取り付けられている。したがって、袋保持具304からすると、秤皿303は台座を構成する。つまり、載置台303aの後方中央部にはポール形状のアーム支持部305が立設され、このアーム支持部305の上端には品物を載置するための一時置き台306が固定されている。一時置き台306は、上面が平坦面となっており、決済端末201のバーコードスキャナ203でバーコードを読み取った後の商品を一時的に置く用途で用いられる台である。載置台303a及び一時置き台306は、共に、商品コードが入力された商品を載置するための載置部としての役割を担っている。
【0030】
このような一時置き台306の下面には、一対の保持アーム307とフック308とが取り付けられている。つまり、一時置き台306の下面両端位置には、アーム取付具309が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、それらのアーム取付具309のそれぞれには、保持アーム307が埋設されている。また、一時置き台306の下面中央位置には、フック取付具310が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、フック取付具310には、フック308が埋設されている。
【0031】
図5は、保持アーム307に収納袋としてのレジ袋401が保持されている状態を示す斜視図である。保持アーム307は、例えばスーパーマーケット等で顧客に提供するビニール袋等のレジ袋401、つまり、開口部402とこの開口部402から突出する一対の把手403とを有してこれらの把手403が両側に位置付けられるように折り畳まれたレジ袋401を保持するために、一対の把手403を串刺し状態で保持する。このような保持状態を実現するために、把手403にはスリット404が形成されている。また、レジ袋401には、一対の把手403の間に位置させてミシン目405で脱落可能な一対の耳部406が形成されており、これらの耳部406には引掛け穴407が形成されている。フック308は、引掛け穴407を挿通し、これによってレジ袋401を保持アーム307と共に保持する。
【0032】
図6は、決済端末201の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。決済端末201は、内部に情報処理部としての制御部253を有する。制御部253は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、RAM254等に動作プログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであっても良い。ここでは、マイクロコンピュータ構成の制御部253を紹介する。
【0033】
制御部253の中核をなすのはCPU255である。CPU255には、固定データを固定的に記憶するROM256と、可変データを書き換え自在に記憶するRAM254と、LCD210に表示する表示画像を生成するVRAM257と、HDD258とがシステムバス259を介して接続されている。一例として、HDD258には、動作プログラム、各種表示フレーム、PLUファイルPF(図7(a)参照)、部門ファイル、重量データファイルWDF(図7(b)参照)、画像ファイル、売上ファイル等の各種ファイル等(PLUファイルPF及び重量データファイルWDF以外は全て図示せず)が記憶保存されており、これらの動作プログラム、各種表示フレーム、各種ファイル及び各種規則情報等は、その全部又は一部が決済端末201の起動時にRAM254に移されて使用される。そして、それらのPLUファイルPF、重量データファイルWDF、部門ファイル、画像ファイル、売上ファイル等の各種ファイル等は、商品データファイルを構成する。
【0034】
商品データファイルを構成するPLUファイルPFは、各商品を特定する商品コードに対応させて、単価の他に、商品表示、割引商品の別、割引金額、M&M(ミックス・アンド・マッチ)情報等を書き換え自在に記憶する。商品表示は、商品コードによって特定される商品の商品名称のテキストデータと、その商品の画像データとを含む。
【0035】
商品データファイルを構成する部門ファイルは、PLUファイルPFに記憶されない各商品についての部門コードに対応させて、その単価、商品表示、割引商品の別、割引金額、M&M(ミックス・アンド・マッチ)情報等を書き換え自在に記憶する。商品表示は、部門コードによって特定される商品の商品名称のテキストデータと、その商品の画像データとを含む。
【0036】
図7(a)は、商品データファイルを構成するPLUファイルPFの一例を示す模式図である。PLUファイルPFは、商品コードに対応させて、商品表示と単価と画像データとを記憶している。商品表示は、対応する商品の商品名称に相当するテキストデータである。画像データは、対応する商品の画像データである。このようなPLUファイルPFは、別の一例として、部門ファイルを含んでいてもよい。
【0037】
図7(b)は、商品データファイルを構成する重量データファイルWDFの一例を示す模式図である。重量データファイルWDFは、商品コードに対応させて、設定重量(g)、重量チェック実行有無定義、商品載置場所定義(袋詰めスキップ)、許容値タイプ定義、上限許容値、下限許容値、及び重量更新フラグを記憶している。このような重量データファイルWDFは、別の一例として、PLUファイルPF、部門ファイルに含ませても良い。
【0038】
設定重量(g)には、商品コードで特定される商品の重量の設定値が記憶されている。
【0039】
重量チェック実行有無定義は、前述したように、重量チェック実行の別を各商品コードに対応付けて記憶する定義情報である。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量チェック実行有無定義中、「0」は重量チェックしない、「1」は重量チェックすると解釈する。重量チェックをしない商品は、一例として、軽すぎて秤装置301による計量に馴染まない商品、あるいは、重すぎて秤装置301の載置台303aまで移動させにくい商品である。このような重量チェック実行有無定義は、別の一例として、PLUファイルPFに含ませても良い。
【0040】
商品載置場所定義(袋詰めスキップ)は、バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られた商品の載置場所として、載置台303a(重量スキップしない)と一時置き台306(重量スキップする(計量))と床面(重量スキップする(重量))とのいずれにすべきかを個々の商品毎に定義する。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量チェック実行有無定義中、「0」は載置台303a(重量スキップしない)、「1」は一時置き台306(重量スキップする(計量))、「2」は床面(重量スキップする(重量))と解釈する。別の一例として、商品載置場所定義をPLUファイルPFに含ませることも可能である。更に別の一例として、商品の特性、例えば、割れ易い、壊れ易い、型崩れし易い、重い等の特性情報をPLUファイルPF等に記憶させておき、一例として、割れ易い、壊れ易い、型崩れし易いという特性を持つ商品については一時置き台306を載置場所として定義し、重いという特性を持つ商品については床面を載置場所として定義する。更に別の一例としては、重量データファイルWDFに記憶されている重量が規定重量より重い場合のバーコード読み取り後の商品の載置場所として、床面を定義する。
【0041】
許容値タイプ定義は、設定重量(g)に対する許容幅を割合とするか上限値及び下限値とするかを決定するための情報である。つまり、重量チェック処理に際しては、秤装置301による現実の計量重量と設定重量(g)に記憶されている重量との比較処理を実行することになるが、この際、設定重量(g)に対する許容幅を設定する。この許容幅は、許容値タイプ定義に記憶されている定義に従い、設定重量(g)に記憶されている重量値に対する割合で求められ、あるいは数値設定されている上限値及び下限値で求められる。
【0042】
上限許容値及び下限許容値は、設定重量(g)に対する許容幅を決定するための数値情報を記憶する。許容値タイプ定義が、設定重量(g)に記憶されている重量値に対する割合を許容幅とする場合には、上限許容値及び下限許容値に記憶される数値は%の数値となる。また、許容値タイプ定義が、設定重量(g)に記憶されている重量値に対する上限値及び下限値は具体的な数値となり、この場合、上限許容値及び下限許容値に記憶される数値は具体的な数値そのものとなる。
【0043】
そして、重量更新フラグは、重量登録処理の実行の有無を記憶する。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量更新フラグ中、「0」は未更新、「1」は自動更新済み、「2」は手動更新済み、「3」は個別更新済みと解釈する。未更新の場合にはデフォルト値となる。自動更新は、重量登録処理の実行によって行なわれる。手動更新は、手入力によって行なわれる。個別更新は、自動更新後に手入力で修正されることによって行なわれる。
【0044】
図6に示す決済端末201の電気的なハードウェア構成を示すブロック図の説明に戻る。制御部253には、バーコードスキャナ203、LCD210、タッチパネル211、カード読取部206、テンキー207(キーボード)、カードリーダライタ252、レシートプリンタ251、監視カメラ205、警報装置を構成する発光部218、入出金装置221との間でのデータ通信を媒介するインターフェース260がシステムバス259を介して接続され、制御部253による制御を受ける。制御部253は、それらの各部を制御し、検索処理と形態チェック処理と重量チェック処理と商品情報登録処理と決済処理とを含む商品販売データ処理を実行する。
【0045】
検索処理は、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた場合、このバーコードによって特定される商品コードを認識し、PLUファイルPF及び重量データファイルWDFを検索してその商品コードに対応する単価、重量及び商品表示を取得する。
【0046】
形態チェック処理は、バーコードスキャナ203の読取面203aの前面空間である読取空間を撮像する監視カメラ205の撮像画像に基づいて、その読取空間を通過した商品が、何らかの操作ミス又は不正行為によって、その商品に付されているバーコードの正しい読み取りがなされることなく購入商品として扱われてしまわないかどうかを判定する処理である。つまり、形態チェック処理では、制御部253が、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理を実行し、この抽出処理に基づいて第1のデータを取得する。制御部253は、バーコードスキャナ203の出力に基づいて第1のデータに整合すべき第2のデータを取得する。そして、制御部253は、取得した第1のデータと取得した第2のデータとの間に一致性がある場合には両データ間に整合性があると判定し、一致性がない場合には整合性がないと判定する。第1のデータと第2のデータとは整合すべきデータであるので、その整合性がないということは、例えば、(第1の状況)
バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られた商品と監視カメラ205によって撮像されたその商品の外観とが一致しない。
【0047】
(第2の状況)
バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られた商品の個数と監視カメラ205によって撮像された商品の個数とが一致しない。
【0048】
(第3の状況)
監視カメラ205によって商品が撮像されているにも拘らず、バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られていない。
というような状況が生じているものと推定される。これらの状況は、いずれも、監視カメラ205によって撮像された商品が何らかの操作ミス又は不正行為によってその商品に付されているバーコードが正しく読み取られることなく購入商品として扱われてしまう状況である。そこで、制御部253は、第1のデータと第2のデータとの間に整合性があると判定した場合には、監視カメラ205に撮像された商品に付されているバーコードが正しく読み取られると認識する。これに対して、制御部253は、第1のデータと第2のデータとの間に整合性がないと判定した場合には、監視カメラ205に撮像された商品に付されているバーコードが正しく読み取られていないと認識する。
【0049】
重量チェック処理は、バーコードの読み取り後に秤装置301によって計量されたバーコードが読み取られた商品の重量が、検索処理によって取得した重量と同一性を有しているかどうかを判定する処理である。同一性を有しているかどうかは、秤装置301による計量重量に基づいて得られる商品の重量が検索処理によって取得した重量の許容幅(例えば上限値と下限値との間)、つまり重量範囲に収まっているかどうかを判定することによってなされる。
【0050】
商品情報登録処理は、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた場合、このバーコードによって特定される商品コードと特定された商品コードに基づいて検索処理によって検索された単価とを含む取引情報をRAM254に一時登録する処理である。
【0051】
決済処理は、検索処理によって取得した単価に基づいて決済金額を算出し、その決済金額の決済を実行する処理である。決済金額は、タッチパネル211での締め操作に応じて必要な消費税計算等を含む売上合計金額を計算することによって算出され、RAM254等に仮登録するか、あるいは売上ファイルに登録する。決済処理では、算出した決済金額について、現金、クレジットカード等の磁気カード、電子マネー又は銀行口座特定用の識別番号を記憶保存する非接触ICカードを利用した決済を可能にする。現金の扱いは、ベースハウジング202aに設けられた入出金装置221で実行され、磁気カードの扱いは、カード読取溝212の内部に設けられたカードリーダライタ252によって実行され、非接触ICカードの扱いは、カード読取部206を介して実行される。
【0052】
本実施の形態では、商品販売データ処理という概念を、検索処理、形態チェック処理、重量チェック処理、商品情報登録処理及び決済処理等を含む広義の概念として用いている。そこで、このような広義の意味での商品販売データ処理を支援するために、決済端末201の制御部253は、LCD210に操作方法を表示し、顧客の便宜を図る。
【0053】
制御部253にはシステムバス259を介して通信インターフェース261も接続されている。通信インターフェース261は、通信ネットワーク41に接続され、アテンダント端末501及びストアコントローラ31とセルフチェックアウト端末101との間のデータ通信を実現させる。
【0054】
図8は、秤装置301の電気的なハードウェア構成を示す模式図である。秤装置301は、ロードセルユニット351を有する。ロードセルユニット351は、構造及び形状を図示しないロードセルの一端側をベース352に固定し、他端側に荷重受け部353を有する。荷重受け部353には秤フレーム354が固定されている。秤フレーム354は、平面から見てX字形状をしており、四隅に秤皿303を載置する。ロードセルユニット351の出力信号は、アンプ355で増幅され、アナログデジタル変換器(AD/C)356でデジタル信号に変換され、演算部357で解析される。演算部357では、ロードセルユニット351の出力信号に基づく重量解析がなされる。演算部357は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、RAM等に動作プログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであっても良い。演算部357は、解析結果である重量データを送信部358に送信し、送信部358を介して決済端末201に出力する。このような決済端末201への重量データの送信は、一例として、所定周期毎に定期的に実行され、別の一例として、ユーザによってセルフチェックアウト処理のスタートが指定された後に所定周期毎に定期的に実行される。この場合の周期は、例えば数μsec〜数百μsecというような短い周期であることが望ましい。
【0055】
このような構成において、セルフチェックアウト端末101は、セルフチェックアウトを可能にする。この際、決済端末201の制御部253及び秤装置301の演算部357は、各種演算処理や各部の駆動制御処理等を実行し、セルフチェックアウト処理を支援する。つまり、決済端末201では、そのLCD210に各種のユーザ支援画面を表示し、前述した検索処理、重量チェック処理及び商品販売データ処理を実行する。秤装置301は、決済端末201での重量チェック処理を支援するように、計量した重量の値を送信部358から決済端末201に送信出力する。以下、処理の流れを示すフローチャート、各種の画面例及び画面遷移例等を用いて、セルフチェックアウト処理の流れを説明する。
2.セルフチェックアウト処理
(1)セルフチェックアウト処理の基本的ルーチン
図9は、セルフチェックアウト端末101でのセルフチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品コードの入力有無判定に待機している(ステップS11)。商品コードの入力は、バーコードスキャナ203によるバーコードの読み取りの他、LCD210の表示に従ったタッチパネル211での入力操作によって行なわれる。
【0056】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品コードの入力を判定すると(ステップS11のY)、検索処理を実行する(ステップS12)。その結果、前述したとおり、入力された商品コードに対応する単価、重量及び商品表示が取得される。
【0057】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、検索処理に続いて、形態チェック処理を実行し(ステップS13)、続いて重量チェック処理を実行する(ステップS14)。形態チェック処理については、図12ないし図17を参照して後述する。
【0058】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、形態チェック処理及び重量チェック処理に続いて、商品情報登録処理を実行する(ステップS15)。つまり、形態チェック処理及び重量チェック処理を通過した場合には、商品コード及びその単価等の取引情報をRAM254に一時登録する。
【0059】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品情報登録処理に続いて、決済指定の有無を判定する(ステップS16)。決済指定は、LCD210での表示に従ったタッチパネル211での入力操作によって実行される。そして、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、決済指定ありの判定をすると(ステップS16のY)、前述した決済処理を実行する(ステップS17)。
(2)セルフチェックアウト処理時の画面遷移
図10は、セルフチェックアウト端末101でのセルフチェックアウト処理実行時における画面遷移例を示す模式図である。顧客は、購入しようとする商品を籠に入れてセルフチェックアウト端末101に持ち寄り、商品を籠ごとセルフチェックアウト端末101の商品籠載置台102に載せる。
【0060】
この際、決済端末201の制御部253は、図10に示すような初期ガイダンス画面A(左から第1列第1行目)を生成し、LCD210に表示させる。初期ガイダンス画面Aでは、顧客が持ち運んだ商品の取り扱い方法を案内する。案内される取り扱い方法は、二種類である。一方の取り扱い方法はバーコードスキャナ203を用いた商品コード入力であり、もう一つは、タッチパネル211からの入力指定である。前者のガイダンスとしては、「バーコードをガラス面にタッチしてください」という文字がその状態を示す絵柄と共に案内される。後者のガイダンスとしては、「バーコードのない商品は次の画面で登録します」という文字が次の画面を示す絵柄と共に案内される。
【0061】
この際、制御部253は、セルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、自機が待機中か商品スキャニング中かの稼働状況を示す稼働状況情報として、待機中であることを示す情報を、自機が割り当てられているアテンダント端末501に向けて出力する。
【0062】
初期ガイダンス画面Aでは、レジ袋を使用するかマイバスケットを使用するかの選択を、二つの選択ボタンA1とA2とによって可能とする。マイバスケットというのは、顧客自らが所持する買物籠を意味する。選択ボタンA1がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、レジ袋401でのセルフチェックアウト処理をスタートさせる。選択ボタンA2がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、マイバスケットでのセルフチェックアウト処理をスタートさせる。
【0063】
この際、制御部253は、セルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、自機が待機中か商品スキャニング中かの稼働状況を示す稼働状況情報として、稼動中であることを示す情報を、自機が割り当てられているアテンダント端末501に向けて出力する。
【0064】
図10は、選択ボタンA2がタッチパネル211によってタッチ指定され、マイバスケットでのセルフチェックアウト処理をスタートさせる例を示している(図10の左から第1列第2行目)。レジ袋401での処理とマイバスケットでの処理との相違は、秤装置301での0点設定である。マイバスケットでの処理を実行する場合、制御部253は、秤装置301の載置台303aに店舗側の籠を載せ、その中にマイバスケットを広げるべきことを示す画像を生成し、LCD210に表示して顧客に案内する。そして、マイバスケットが選択された後の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第2行目)には、セット完了ボタンA3と戻るボタンA4とが表示される。制御部253は、セット完了ボタンA3がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、0点設定を実行すべきことを秤装置301に伝達する。戻るボタンA4がタッチパネル211によってタッチ指定された場合には、最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)に戻る。
【0065】
初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行及び第2行目)には、その左下に中止ボタンYと呼出ボタンZとが表示される。中止ボタンYは、処理の中止を指示するためのボタンであり、呼出ボタンZは、案内係(アテンダント)の店員を呼び出すためのボタンである。制御部253は、それらの中止ボタンY及び呼出ボタンZを、セルフチェックアウト処理の一連の流れに従い遷移する各画面中、必要に応じて生成し、出現させる。
【0066】
最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)において選択ボタンA1又はA2がタッチパネル211によって選択指定された後の初期ガイダンス画面A(例えば、図10の左から第1列第2行目)において、セット完了ボタンA3がタッチパネル211によってタッチ指定されると、制御部253は、基本画面Bを生成し、LCD210に表示する(図10の左から第2列第1行目)。基本画面Bは、ガイダンス表示領域B1とユーザ領域B2とから構成されている。ガイダンス表示領域B1は上方位置、ユーザ領域B2はその下方位置にそれぞれ配列されている。ガイダンス表示領域B1は、セルフチェックアウトを進めるために必要な各種のガイダンスを表示する。ユーザ領域B2は、セルフチェックアウトを進めるために必要な各種の操作ボタン及び取引情報を表示する。
【0067】
商品に付されたバーコードの読み取りに待機する最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)におけるガイダンス表示領域B1には、「商品のバーコードをガラス面にタッチしてください」という表示がその状態を示す絵柄と共に表示される。
【0068】
商品に付されたバーコードの読み取りに待機する最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)におけるユーザ領域B2には、各種の操作ボタンとして、バーコードのない商品を指定するための商品指定ボタンB22が表示され、取引情報として、購入する商品の名称、点数、単価と、購入する商品の合計金額とを含む取引情報B21が表示される。図10に示す最初の基本画面B(左から第2列第1行目)の画面例では、今までに、ジュースが1点、牛乳が1点、コロッケが3点、それぞれ商品登録された状態を表わしている。購入点数が増えて表示しきれない場合には、取引情報B21中のスクロールボタンをタッチパネル211によってタッチ指定することによって、スクロール表示可能となっている。また、同画面中、ジュースとコロッケとにはその左側に丸割印が表示されている。これは、割引商品であることを示している。割引商品であるかどうかは、一例として、PLUファイルPFに割引情報を持たせることで表示可能となる。
【0069】
最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)のガイダンス表示領域B1に表示されているガイダンス表示に従い、顧客は、バーコードスキャナ203の前に商品をかざし、商品に付されたバーコードを読み取らせる。これにより、決済端末201の制御部253は、前述した検索処理を実行し、PLUファイルPF及び重量データファイルWDFから必要な情報を取得する。
【0070】
この際、制御部253は、LCD210に表示されている基本画面B中、ユーザ領域B2の明度を落とし、読取確認画面Cを生成し、生成した読取確認画面Cをユーザ領域B2に重ねて表示する(図10の左から第3列第1行目)。読取確認画面Cは、PLUファイルPFから検索されたバーコードが読み取られた商品の単価、割引金額、購入点数、購入金額という取引情報を含み、PLUファイルPFに記録されている商品表示から引用された当該商品の商品名称のテキストデータに基づく文字と当該商品の画像データに基づく絵柄とを含む。このような読取確認画面Cは、例えば、一般的なポップアップ表示技術を用いて表示しても良く、あるいは、基本画面Bに読取確認画面Cを重ねて表示するような表示フレームを用いる技術を用いても良い。つまり、結果的に、基本画面Bに読取確認画面Cが重なって表示されていれば良く、そのために採用する表示技術について制約はない。
【0071】
ここで重要なことは、読取確認画面Cは、基本画面B中のユーザ領域B2にのみ重ねて表示され、ガイダンス表示領域B1には重なって表示されない、ということである。これにより、顧客に対して、継続的にガイダンス表示領域B1でのガイダンス表示を実行することができる。図10に示す例では、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた場合、ガイダンス表示領域B1では、「商品のバーコードをガラス面にタッチしてください」という最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)でのガイダンスから、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」というガイダンスに表示が遷移している(図10の左から第3列第1行目)。図10には示さないが、制御部253は、文字のみならず、ガイダンス表示領域B1に表示する絵柄も商品をレジ袋又はマイバスケットに入れる作業を支援する絵柄に遷移させる。読取確認画面Cをガイダンス表示領域B1に重ねずに表示することにより、このようなガイダンス表示領域B1でのガイダンス表示及びその遷移を、顧客に容易く確認させることが可能となる。
【0072】
図11は、一時置き台306に載置すべき商品についての基本画面B及び読取確認画面Cを例示する模式図である。前述したように、決済端末201は、商品載置場所定義を持つ。そこで、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)において、商品載置場所定義として一時置き台306が定義されている商品のバーコードがバーコードスキャナ203によって読み取られた場合、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に「商品を一時置き台に置いてください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する図11に例示する画像を生成し、LCD210に表示する。
【0073】
図10に基づく説明に戻る。バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた後、制御部253は、形態チェック処理を実行する。形態チェック処理の処理内容の詳細については図12ないし図17に基づいて後述する。制御部253は、形態チェック処理の結果、監視カメラ205によって撮像された商品が何らかの操作ミス又は不正行為によってその商品に付されているバーコードが正しく読み取られることなく購入商品として扱われてしまったと認識した場合、商品販売データ処理の進行を停止し、警告報知のための処理を実行する。つまり、制御部253は、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更し、何らかの操作ミスか又は不正が行われたことを、例えば案内係(アテンダント)の店員等に向けて報知する。商品販売データ処理の進行を停止する結果、LCD210の表示画面としては、読取確認画面Cが表示されたままの状態となり、顧客には、処理が進行しないことが示される。
【0074】
制御部253は、形態チェック処理を実行した後、重量チェック処理に待機している。そのために、商品に付されたバーコードが読み取られた後のガイダンス表示領域B1には、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に示すガイダンスを表示する(図10の左から第3列第1行目)。あるいは、図11に例示するように、商品載置場所定義として一時置き台306が定義されている場合には、ガイダンス表示領域B1には、「商品を一時置き台に置いてください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に示すガイダンスを表示する。そこで、これらのガイダンスに従い、顧客は、バーコードスキャナ203によってバーコードを読み取らせた商品をレジ袋401又はマイバスケットに入れ、あるいは一時置き台306に置く。これにより、レジ袋401に詰められた商品及び一時置き台306に載置された商品は、秤装置301の秤皿303に荷重をかけることになり、その荷重がロードセルユニット351によって計量されることになる。ロードセルユニット351による計量結果は、前述したように、送信部358を介して決済端末201に出力される。決済端末201は、ロードセルユニット351による計量結果を受信し、重量チェック処理を実行する。前述したように、重量チェック処理は、バーコードの読み取り後に秤装置301によって計量されたバーコードが読み取られた商品の重量が、検索処理によって重量データファイルWDFから取得した重量と同一性を有しているかどうかを判定する処理である。同一性を有しているかどうかは、前述したように、秤装置301による計量重量に基づいて得られる商品の重量が検索処理によって取得した重量の許容幅(例えば上限値と下限値との間)、つまり重量範囲に収まっているかどうかを判定することによってなされる。
【0075】
重量チェック処理の結果、両重量間に同一性がないと判定された場合は、何らかの操作ミスか又は不正が行われたことになる。そこで、この場合、制御部253は、商品販売データ処理の進行を停止し、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更し、何らかの操作ミスか又は不正が行われたことを、例えば案内係(アテンダント)の店員等に向けて報知する。商品販売データ処理の進行を停止する結果、LCD210の表示画面としては、読取確認画面Cが表示されたままの状態となり、顧客には、処理が進行しないことが示される。
(3)形態チェック処理
ここでは、図12ないし図17に基づいて、形態チェック処理の処理内容について説明する。セルフチェックアウト端末101は、三種類の形態チェック処理を実行する。これらの三種類の形態チェック処理は、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理と、抽出処理に基づいて得られる第1のデータとバーコードスキャナ203からの出力に基づいて得られる第1のデータに整合すべき第2のデータとの整合性を判定する処理と、第1のデータと第2のデータとの間に整合性がないと判定した場合に、商品販売データ処理の進行を停止し、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更して警報を発生する処理と、によって実行される点では共通性を有している。これに対して、三種類の形態チェック処理では、第1のデータと第2のデータとの整合性の判定処理について異なる処理を実行する。それぞれ異なる判定処理を、便宜上、第1の判定処理、第2の判定処理及び第3の判定処理と呼ぶ。これらの異なる判定処理は、第1のデータと第2のデータとの間の整合性が欠如する原因となる異なる三種類の状況に適合させたものである。つまり、これらの三種類の異なる状況は、前述したように、
(第1の状況)
バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られた商品と監視カメラ205によって撮像されたその商品の外観とが一致しない。
【0076】
(第2の状況)
バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られた商品の個数と監視カメラ205によって撮像された商品の個数とが一致しない。
【0077】
(第3の状況)
監視カメラ205によって商品が撮像されているにも拘らず、バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られていない。
の三種類である。第1の状況は、一例として、比較的定額な商品のバーコードラベルを剥がして比較的高額な商品のバーコード上に貼り、この比較的高額な商品をバーコードスキャナ203でスキャンしたような場合に発生する。第2の状況は、一例として、二つ以上の商品を同時にバーコードスキャナ203でスキャニング操作したような場合に発生する。とりわけ、比較的低額な商品と比較的高額な商品とを手に持ち、バーコードスキャナ203の読取面203aに対して、比較的低額な商品に付されたバーコードのみを向けてスキャニング操作したような場合に発生する。第3の状況は、一例として、バーコードスキャナ203の読取面203aに対して、商品に付されたバーコードを向けることなくスキャニング操作したような場合に発生する。これらはいずれも不正行為であるのに対して、このような不正行為は、例えばアテンダント端末501の位置に位置する店員からは認識困難である。形態チェック処理は、このような不正行為の発生の発見を容易にする。とりわけ、形態チェック処理に含まれている第1の判定処理は、上記第1の状況での整合性欠如を判定し、第2の判定処理は、上記第2の状況での整合性欠如を判定し、第3の判定処理は、上記第3の状況での整合性欠如を判定することができる。以下、三種類の形態チェック処理の処理内容を説明する。
【0078】
まず、第1の判定処理を含む形態チェック処理について説明する。第1の判定処理は、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理によって抽出された商品の外観上の特徴を第1のデータとして取得する処理と、バーコードスキャナ203が出力した商品コードに基づいて商品特徴データベース(図示せず)から対応する特徴データを第2のデータとして取得する処理と、取得した第1のデータと取得した第2のデータとの間に一致性がある場合には両データ間に整合性があると判定し、一致性がない場合には整合性がないと判定する処理と、によって実行される。
【0079】
このような第1の判定処理のために、ストアコントローラ31(図1参照)は、前述した商品特徴データベースを備えている。この商品特徴データベースは、商品コードに商品の外観上の特徴データを対応付けて格納している。特徴データは、商品の特徴的な色彩、形状、模様、文字などを特定するデータである。より詳細には、商品の特徴的な色彩、形状、模様、文字などを特徴量として数値化したデータが特徴データである。特徴データは、予め商品の製造元、取扱業者から提供されるデータの他、商品を撮影するなどして独自に作成することができる。
【0080】
図12は、第1の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。制御部253は、選択ボタンA1又はA2(図10中の左から第1列第1行参照)がタッチ指定されてセルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、監視カメラ205にON信号を出力する(ステップS101)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が起動する。撮像動作は、終了コマンドを判定するまで続行する(ステップS102)。制御部253は、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)中のユーザ領域B2(図10の左から第2列第1行目)に「お会計」と表示された会計ボタンB23がタッチ指定されると、終了コマンドを生成する。会計ボタンB23のタッチ指定は、締め指定を意味する。このことについては、後に詳述する。制御部253は、終了コマンドに従い(ステップS102のY)、監視カメラ205にOFF信号を出力する(ステップS103)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が終了する。
【0081】
制御部253は、終了コマンドを判定しなければ(ステップS102のN)、監視カメラ205が出力する撮像データをRAM254に取り込む(ステップS104)。そして、RAM254に取り込んだ撮像データから商品の特徴を特徴データとして抽出する(ステップS107)。抽出する商品の特徴データは、例えば商品の輪郭、商品パッケージの色彩、模様、文字、トレードマーク等の特徴を特徴量として数値化したデータである。これらの処理は、公知の画像処理技術を適用することにより行われる。こうして抽出した商品の特徴データは、第1のデータを構成する。
【0082】
制御部253は、特徴データの抽出処理(ステップS107)に続き、商品コードの取得有無判定、つまり、バーコードスキャナ203からの商品コード出力の有無判定に待機する(ステップS108)。制御部253は、バーコードスキャナ203からの商品コードの出力を判定すると(ステップS108のY)、通信インターフェース261を介して、バーコードスキャナ203が出力した商品コードを伴う特徴データの読み出し要求をストアコントローラ31に送信し、ストアコントローラ31から送信された特徴データを受信してRAM254に取り込む(ステップS109)。この際、ストアコントローラ31は、商品特徴データベースにアクセスし、受信した商品コードに対応付けられている商品の外観上の特徴データを検索する。こうして取得した特徴データは、第2のデータを構成する。
【0083】
制御部253は、ステップS107で抽出した商品の特徴データ(第1のデータ)とステップS109で取得した商品の外観上の特徴データ(第2のデータ)とを比較し、両データの一致性を判定する(ステップS110)。ここでの比較処理は、ステップS107で抽出した商品の特徴データ(第1のデータ)に含まれている特徴量と、ステップS109で取得した商品の外観上の特徴データ(第2のデータ)に含まれている特徴量との差が、予め決められている規定値よりも少ない場合には両データの間に一致性があると判定し、その差が規定値よりも多い場合には両データの間に一致性がないと判定する処理である。
【0084】
そして、制御部253は、ステップS107で抽出した商品の特徴データ(第1のデータ)とステップS109で取得した商品の外観上の特徴データ(第2のデータ)との間に一致性があると判定した場合には(ステップS111のY)、ステップS102にリターンし、ステップS102〜ステップS111の処理を繰り返す。これに対して、制御部253は、ステップS107で抽出した商品の特徴データ(第1のデータ)とステップS109で取得した商品の外観上の特徴データ(第2のデータ)との間に一致性がないと判定した場合には(ステップS111のN)、警告処理を実行する(ステップS112)。つまり、商品販売データ処理の進行を停止し、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更して警報を発生し、更に、通信インターフェース261を介して警報信号をアテンダント端末501に送信する。
【0085】
図13は、第1の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。図13に示す処理が図12に示す処理と相違する点は、商品コードの取得手法である。図13に示す処理では、形態チェック処理に使用する商品コードとして、バーコードスキャナ203が出力する商品コードを採用するのではなく、ステップS104でRAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データを利用する。
【0086】
制御部253は、RAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データに基づいてバーコード認識処理を実行する(ステップS105)。このバーコード認識処理は、例えばHDD258にインストールされてRAM254にコピーされたバーコードデータベースを参照することによって実行される。バーコードデータベースは、一例として、バーコードを特徴付けている各種の要素とコードとの関係を対応付けて記憶している。そこで、制御部253は、ステップS104でRAM254に取り込んだ撮像データに含まれているバーコードを解析してそのバーコードを特徴付けている各種の要素を抽出し、抽出された要素に対応付けられているコードをバーコードデータベースにアクセスして取得する。そして、制御部253は、取得したバーコードをデコードし、商品コードを取得する。
【0087】
制御部253は、商品コードを取得するためのデコード処理の完了を判定すると(ステップS106のY)、ステップS107の商品の特徴データの抽出処理を実行する。そして、ステップS105で商品コードを既に取得しているのであるから、バーコードスキャナ203による商品コードの出力有無判定のための処理(図12中のステップS108)を実行することなく、ステップS109の特徴データの読み出し処理に移行する。この際、制御部253は、ストアコントローラ31に送信する特徴データの読み出し要求に伴わせる商品コードとして、ステップS105で取得した商品コードを用いる。
【0088】
ステップS109以降の処理は、図12に示す処理と共通である。
【0089】
次に、第2の判定処理を含む形態チェック処理について説明する。第2の判定処理は、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理によって抽出された商品の外観上の特徴に基づいて外観上の特徴が抽出された商品の個数を第1のデータとして取得する処理と、バーコードスキャナ203が出力した商品コードの数を第2のデータとして取得する処理と、取得した第1のデータが特定する個数と取得した第2のデータが特定する個数とが一致する場合には両データの間に整合性があると判定し、不一致の場合には両データの間に整合性がないと判定する処理と、によって実行される。
【0090】
図14は、第2の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。制御部253は、選択ボタンA1又はA2(図10中の左から第1列第1行参照)がタッチ指定されてセルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、監視カメラ205にON信号を出力する(ステップS201)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が起動する。撮像動作は、終了コマンドを判定するまで続行する(ステップS202)。制御部253は、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)中のユーザ領域B2(図10の左から第2列第1行目)に「お会計」と表示された会計ボタンB23がタッチ指定されると、終了コマンドを生成する。会計ボタンB23のタッチ指定は、締め指定を意味する。このことについては、後に詳述する。制御部253は、終了コマンドに従い(ステップS202のY)、監視カメラ205にOFF信号を出力する(ステップS203)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が終了する。
【0091】
制御部253は、終了コマンドを判定しなければ(ステップS202のN)、監視カメラ205が出力する撮像データをRAM254に取り込む(ステップS204)。そして、RAM254に取り込んだ撮像データに基づいて、商品の個数を計数する処理を実行する(ステップS207)。つまり、制御部253は、RAM254に取り込んだ撮像データから商品の特徴を特徴データとして抽出する。抽出する商品の特徴データは、例えば商品の輪郭、商品パッケージの色彩、模様、文字、トレードマーク等の特徴を特徴量として数値化したデータである。これらの処理は、公知の画像処理技術を適用することにより行われる。そして、特徴データを抽出することができた商品の個数を計数する。こうして計数された商品の個数は、第1のデータを構成する。
【0092】
ここで重要なことは、第1のデータとして取得される商品の個数は、一取引中の規定時間内に監視カメラ205が出力する撮像データに基づいて取得されることである。この場合の規定時間は、一例として、一度のバーコードスキャニング動作によって二つ以上の商品がバーコードスキャナ203の読取面203aを通過するのに十分な程度の時間である。
【0093】
制御部253は、商品の個数の計数処理(ステップS207)に続き、商品コードの取得有無判定、つまり、バーコードスキャナ203からの商品コード出力の有無判定に待機する(ステップS208)。そして、制御部253は、バーコードスキャナ203からの商品コードの出力を判定すると(ステップS208のY)、ステップS207で採用されている規定時間内に取得された商品コードの個数を計測する処理を実行する(ステップS209)。こうして計数された商品コードの個数は、第2のデータを構成する。
【0094】
制御部253は、ステップS207で計数した商品の個数(第1のデータ)と、ステップS209で計数した商品コードの個数(第2のデータ)とを比較する個数比較処理を実行する(ステップS210)。個数比較処理で、制御部253は、第1のデータが特定する個数と第2のデータが特定する個数とが一致する場合には両データの間に整合性があると認識し、不一致の場合には両データの間に整合性がないと認識する。
【0095】
そして、制御部253は、ステップS207で計数した商品の個数(第1のデータ)と、ステップS209で計数した商品コードの個数(第2のデータ)とが一致していると判定した場合には(ステップS211のY)、ステップS202にリターンし、ステップS202〜ステップS211の処理を繰り返す。これに対して、制御部253は、ステップS207で計数した商品の個数(第1のデータ)と、ステップS209で計数した商品コードの個数(第2のデータ)とが一致していないと判定した場合には(ステップS211のN)、警告処理を実行する(ステップS212)。つまり、商品販売データ処理の進行を停止し、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更して警報を発生し、更に、通信インターフェース261を介して警報信号をアテンダント端末501に送信する。
【0096】
図15は、第2の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。図15に示す処理が図14に示す処理と相違する点は、商品コードの取得手法である。図15に示す処理では、形態チェック処理に使用する商品コードとして、バーコードスキャナ203が出力する商品コードを採用するのではなく、ステップS204でRAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データを利用する。
【0097】
制御部253は、RAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データに基づいてバーコード認識処理を実行する(ステップS205)。このバーコード認識処理は、例えばHDD258にインストールされてRAM254にコピーされたバーコードデータベースを参照することによって実行される。バーコードデータベースは、一例として、バーコードを特徴付けている各種の要素とコードとの関係を対応付けて記憶している。そこで、制御部253は、ステップS204でRAM254に取り込んだ撮像データに含まれているバーコードを解析してそのバーコードを特徴付けている各種の要素を抽出し、抽出された要素に対応付けられているコードをバーコードデータベースにアクセスして取得する。そして、制御部253は、取得したバーコードをデコードし、商品コードを取得する。
【0098】
制御部253は、商品コードを取得するためのデコード処理の完了を判定すると(ステップS206のY)、ステップS207の商品個数計測処理を実行する。そして、ステップS205で商品コードを既に取得しているのであるから、バーコードスキャナ203による商品コードの出力有無判定のための処理(図14中のステップS208)を実行することなく、ステップS209の商品コードの個数計測処理に移行する。この際、制御部253は、個数計測をする商品コードとして、ステップS205で取得した商品コードを用いる。
【0099】
ステップS210以降の処理は、図12に示す処理と共通である。
【0100】
次に、第3の判定処理を含む形態チェック処理について説明する。第3の判定処理は、監視カメラ205が出力した撮像データから商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理によって商品の外観上の特徴が抽出されたことを第1のデータとして取得する処理と、バーコードスキャナ203が商品コードを出力したことを第2のデータとして取得する処理と、第1のデータの取得に同期して第2のデータを取得した場合には両データの間に整合性があると判定し、取得しない場合には両データの間に整合性がないと判定する処理と、によって実行される。
【0101】
図16は、第3の判定処理を含む形態チェック処理の流れを示すフローチャートである。制御部253は、選択ボタンA1又はA2(図10中の左から第1列第1行参照)がタッチ指定されてセルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、監視カメラ205にON信号を出力する(ステップS301)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が起動する。撮像動作は、終了コマンドを判定するまで続行する(ステップS302)。制御部253は、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)中のユーザ領域B2(図10の左から第2列第1行目)に「お会計」と表示された会計ボタンB23がタッチ指定されると、終了コマンドを生成する。会計ボタンB23のタッチ指定は、締め指定を意味する。このことについては、後に詳述する。制御部253は、終了コマンドに従い(ステップS302のY)、監視カメラ205にOFF信号を出力する(ステップS303)。これにより監視カメラ205による画像の撮像動作が終了する。
【0102】
制御部253は、終了コマンドを判定しなければ(ステップS302のN)、監視カメラ205が出力する撮像データをRAM254に取り込む(ステップS304)。そして、RAM254に取り込んだ撮像データから商品の特徴を特徴データとして抽出する(ステップS305)。抽出する商品の特徴データは、例えば商品の輪郭、商品パッケージの色彩、模様、文字、トレードマーク等の特徴を特徴量として数値化したデータである。これらの処理は、公知の画像処理技術を適用することにより行われる。
【0103】
ステップS305で商品の特徴が抽出されたということは、バーコードスキャナ203に対して商品のスキャニング操作が行なわれたことを意味する。つまり、バーコードスキャナ203の読取面203aの前面空間である読取空間を商品が通過したことを意味する。そこで、制御部253は、ステップS305での商品の特徴抽出をもって、商品のスキャニング操作の実行を判定する(ステップS306)。このようなステップS305での商品の特徴抽出、換言すると、商品のスキャニング操作の実行があったことは、第1のデータを構成する。
【0104】
制御部253は、商品のスキャニング操作の実行を判定すると(ステップS306のY)、商品コードの取得有無判定、つまり、バーコードスキャナ203からの商品コード出力の有無判定に待機する(ステップS308)。この場合、バーコードスキャナ203が商品コードを出力したこと、つまり、バーコードスキャナ203からの商品コード出力を判定したことは、第2のデータを構成する。
【0105】
第1のデータと第2のデータとの関係について説明する。商品の付されたバーコードが正しくバーコードスキャナ203の読取面203aに正対した状態で商品のスキャニング操作がなされたならば、ステップS306での商品のスキャニング操作の実行の判定(第1のデータ)と、ステップS308でのバーコードスキャナ203からの商品コードの出力の判定(第2のデータ)とは、極めて瞬間的時間内に同期的に発生する。そこで、制御部253は、ステップS308でのバーコードスキャナ203からの商品コードの出力の判定(第2のデータ)がステップS306での商品のスキャニング操作の実行の判定(第1のデータ)に同期的に発生した場合には、第1のデータと第2のデータとの間に整合性があると認識し、同期的に発生しなかった場合には、両データの間に整合性がないと認識する。そこで、制御部253は、第1のデータと第2のデータとの間に整合性があると認識した場合には(ステップS308のY)、ステップS302にリターンし、ステップS302〜ステップS308の処理を繰り返す。これに対して、制御部253は、第1のデータと第2のデータとの間に整合性がないと認識した場合には(ステップS308のN)、警告処理を実行する(ステップS309)。つまり、商品販売データ処理の進行を停止し、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更して警報を発生し、更に、通信インターフェース261を介して警報信号をアテンダント端末501に送信する。
【0106】
図17は、第3の判定処理を含む形態チェック処理の別の実施の形態の流れを示すフローチャートである。図17に示す処理が図16に示す処理と相違する点は、商品コードの取得手法である。図17に示す処理では、形態チェック処理に使用する商品コードとして、バーコードスキャナ203が出力する商品コードを採用するのではなく、ステップS304でRAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データを利用する。
【0107】
制御部253は、ステップS306で商品のスキャニング操作の実行を判定した後、ステップS304でRAM254に取り込んだ監視カメラ205が出力する撮像データに基づいてバーコード認識処理を実行する(ステップS307)。このバーコード認識処理は、例えばHDD258にインストールされてRAM254にコピーされたバーコードデータベースを参照することによって実行される。バーコードデータベースは、一例として、バーコードを特徴付けている各種の要素とコードとの関係を対応付けて記憶している。そこで、制御部253は、ステップS304でRAM254に取り込んだ撮像データに含まれているバーコードを解析してそのバーコードを特徴付けている各種の要素を抽出し、抽出された要素に対応付けられているコードをバーコードデータベースにアクセスして取得する。この場合に重要なことは、ステップS307のバーコード認識処理では、バーコードというコードシンボルをデコードして商品コードを取得することではなく、バーコードの存在そのものを認識するという点である。したがって、ステップS307でのバーコード認識処理で認識されるバーコードは、実際には商品コードを構成しないものであっても、商品コードであるとみなし得る。そして、ステップS304でRAM254に取り込んだ撮像データからバーコード(商品コードとみなすことができる商品コード)を抽出できたならば(ステップS308のY)、そのことが第2のデータを構成することになる。
【0108】
そこで、制御部253は、ステップS304でRAM254に取り込んだ撮像データからバーコード(商品コードとみなすことができる商品コード)を抽出できたならば(ステップS308のY)、第1のデータと第2のデータとの間に整合性があると認識し、抽出できなければ、両データの間に整合性がないと認識する。この場合におけるステップS308でのバーコード抽出判定(第2のデータ)は、図16に示す処理の場合と同様に、ステップS306での商品のスキャニング操作の実行の判定(第1のデータ)と同期的である必要があることは言うまでもない。
【0109】
ステップS308以降の処理は、図16に示す処理と共通である。
(4)重量チェック処理
(一)重量チェック処理の処理内容
図18は、重量チェック処理に含まれている秤装置301からの重量データ受信処理の流れを示すフローチャートである。秤装置301は、ロードセルユニット351による計量結果を重量データとしてセルフチェックアウト端末101に送信する。そこで、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、図10に示す最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)中での選択ボタンA1のタッチパネル211によるタッチ指定等によってセルフチェックアウト処理のスタートが指定されると、重量データの受信に待機している(ステップS51)。
【0110】
前述したように、秤装置301から決済端末201への重量データの送信は、例えば数μsec〜数百μsecというような短い周期で定期的に実行される。図18に示すフローチャート中のステップS51の受信処理では、秤装置301から決済端末201への重量データの送信があれば、いつでも受信ありを判定する。
【0111】
決済端末201の制御部253は、重量データの受信を判定すると(ステップS51のY)、受信した重量データをRAM254に一時記憶する(ステップS52)。つまり、決済端末201の制御部253は、例えば数μsec〜数百μsecというような短い周期で定期的に送信されてくる秤装置301からの重量データをRAM254に一時記憶する(ステップS52)。
【0112】
制御部253は、重量チェック処理として、図18中のステップS52でRAM254に一時記憶した重量データによって特定される重量値から、その直前までRAM254に一時記憶していた重量データによって特定される重量値を減じ、増加分の重量値を得る。この際、制御部253は、その直前に検索処理(図9中のステップS12)を実行しているはずである。つまり、制御部253は、バーコードスキャナ203が出力する商品コードに基づいてPLUファイルPF及び重量データファイルWDF(図7(a)、図7(b))を検索し、その商品コードに対応する単価、重量の許容幅(例えば上限値と下限値との間)及び商品表示を取得しているはずである。そこで、制御部253は、図18中のステップS52でRAM254に一時記憶した重量データによって特定される重量値からその直前までRAM254に一時記憶していた重量データによって特定される重量値を減じて得た増加分の重量値が、検索処理(図9中のステップS12)によって取得した重量の許容幅(例えば上限値と下限値との間)、つまり重量範囲に収まっているかどうかを判定する。これにより、重量チェック処理が実行される。
【0113】
(二)重量チェック処理のスキップ
図19は、重量チェック対象外商品についての基本画面B及び読取確認画面Cを例示する模式図である。前述したように、決済端末201は、重量チェック実行有無定義を持つ。そこで、制御部253は、重量チェック実行有無定義を参照し、重量チェックをしないと定義付けられた商品については、図19に例示するように、読取確認画面Cに確定ボタンXを表示し、重量チェック処理をスキップする。そして、読取確認画面Cにおいて、確定ボタンXがタッチパネル211によってタッチ指定された場合、制御部253は、商品販売データ処理の進行を許容し、基本画面B中のユーザ領域B2の明度を元に戻し、読取確認画面Cを消去する。これにより、LCD210の表示は、基本画面B(図10の左から第2列第1行目)に復帰する。
【0114】
このように、重量チェック対象外商品については、重量チェック処理をスキップする。図19(a)に示すように、重量チェック処理をスキップするにも拘らず、商品に付されたバーコードが読み取られた後のガイダンス表示領域B1には、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れ、確定ボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に示すガイダンスを表示する。
【0115】
もっとも、図11に基づいて説明したように、制御部253は、重量データファイルWDFの商品載置場所定義(袋詰めスキップ)に従い、ガイダンス表示領域B1にバーコード読み取り後の商品の載置場所を表示する。そこで、図19(b)に例示するように、制御部253は、床面を載置場所として商品載置場所定義(袋詰めスキップ)に定義されている商品の場合、ガイダンス表示領域B1に「商品はレジ袋台の脇に置き、確定ボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示させる。
(5)画面入力による商品情報登録
図10に基づく説明に戻る。前述したように、最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)には、「バーコードのない商品は次の画面で登録します」という文字が「次の画面」を示す絵柄と共に案内される。これを受けて、制御部253は、バーコードのない商品を登録するための画像として、基本画面B(図10の左から第2列第1行目)中のユーザ領域B2に、「やさい」、「くだもの」、「そうざい」、「魚介」、「その他」、「詰合せ」の六種類のタッチボタンからなる商品指定ボタンB22を用意する。そこで、顧客は、購入しようとする商品にバーコードが付されていない場合、商品指定ボタンB22をタッチパネル211によってタッチ指定することになる。これらのいずれかの商品指定ボタンB22がタッチパネル211によってタッチ指定されると、基本画面B中のユーザ領域B2の取引情報B21が部門選択画面Eに切り替え表示される(図10の左から第2列第2行目)。
【0116】
図10に示す部門選択画面E(左から第2列第2行目)は、「そうざい」がタッチパネル211によってタッチ指定された一例を示している。この場合、部門選択画面Eとして、「そうざい」の範疇に含まれる各種の食品が4列4行の合計16種、スクロールボタンによってスクロール可能に表示される。部門選択画面Eには、戻るボタンE1も表示され、この戻るボタンE1がタッチパネル211によってタッチ指定された場合には、部門選択画面Eが取引情報B21に切り替え表示され、基本画面B(図10の左から第2列第1行目)の表示に復帰する。
【0117】
基本画面B中のユーザ領域B2の取引情報B21が部門選択画面Eに切り替え表示された場合(図10の左から第2列第2行目)、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に、「お持ちの商品のボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する。これにより、顧客は、次にどのような操作をすれば良いのかを知ることができる。
【0118】
そこで、そのガイダンスに従い、顧客が部門選択画面E(図10の左から第2列第2行目)から一つの食品をタッチパネル211によってタッチ指定すると、基本画面B中のユーザ領域B2に、その食品についての部門登録画面F(図10の左から第3列第2行目)が出現する。図10に示す部門登録画面F(左から第3列第2行目)は、「玉子トウフ」がタッチ指定された一例を示している。この場合、「玉子トウフ」についての部門登録画面Fが出現する。部門登録画面Fは、商品の単価、割引金額、購入点数、購入金額という取引情報を含み、当該商品の商品名称のテキストデータに基づく文字と当該商品の画像データに基づく絵柄とを含み、更に、テンキーを含む。テンキーは、デフォルト設定が1点である購入点数の変更入力を可能にする。これらの各種データは、一例として、決済端末201においてPLUファイルPFとは別個に設けられた部門ファイルに記録されている情報から引用される。また、部門登録画面Fには、取消しボタンF1と決定ボタンF2とが含まれている。取消しボタンF1がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、基本画面Bのユーザ領域B2に部門選択画面Eが表示された画面(図10の左から第2列第2行目)に復帰する。
【0119】
基本画面B中のユーザ領域B2に部門登録画面Fが表示された場合(図10の左から第3列第2行目)、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に、「点数を変更するときは数字キーから入力し、「決定」ボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する。これにより、顧客は、次にどのような操作をすれば良いのかを知ることができる。
【0120】
そこで、そのガイダンスに従い、部門登録画面F(図10の左から第3列第2行目)において、必要に応じてテンキーによって購入点数を変更入力した後、決定ボタンF2をタッチパネル211によってタッチ指定すると、デフォルト又はテンキーによって変更入力された購入点数分だけ、選択した食品、図10に示す例では「玉子トウフ」についての部門登録が完了する。そこで、制御部253は、LCD210に表示されている基本画面B中、ユーザ領域B2の明度を落とし、読取確認画面Cを生成し、生成した読取確認画面Cをユーザ領域B2に重ねて表示する(図10の左から第4列第2行目)。また、制御部253は、基本画面B中のガイダンス表示領域B1の表示を、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」というガイダンスに表示に遷移させる(図10の左から第4列第2行目)。図10には示さないが、制御部253は、文字のみならず、ガイダンス表示領域B1に表示する絵柄も商品をレジ袋又はマイバスケットに入れる作業を支援する絵柄に遷移させる。読取確認画面Cをガイダンス表示領域B1に重ねずに表示することにより、このようなガイダンス表示領域B1でのガイダンス表示及びその遷移を、顧客に容易く確認させることが可能となる。
【0121】
ここで、「やさい」、「くだもの」、「そうざい」、「魚介」、「その他」という五種類の商品指定ボタンB22がタッチパネル211によってタッチ指定されて部門登録がなされた場合、つまり、「詰合せ」以外の商品指定ボタンB22がタッチ指定されて部門登録がなされた場合には、基本画面B中のユーザ領域B2に読取確認画面Cを重ねて表示させた後の処理は、重量チェック処理である。つまり、既に説明したバーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードを読み取った場合の処理と共通性を有している。そこで、その後の処理については説明を省略する。
(6)決済
図10に基づく説明に戻る。基本画面B中のユーザ領域B2(図10の左から第2列第1行目)には、「お会計」と表示された会計ボタンB23が表示されている。この会計ボタンB23のタッチ指定は、締め指定を意味する。そこで、タッチパネル211により会計ボタンB23がタッチ指定されると、制御部253は、決済処理を実行する。つまり、制御部253は、会計画面Jを生成し、ユーザ領域B2に表示する(図10の左から第2列第3行目)。会計画面Jは、合計金額の表示と、支払方法の選択ボタンJ1〜J5と、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)に戻るための「明細画面に戻る」と表示された戻るボタンJ6とを含んでいる。選択ボタンJ1は現金、選択ボタンJ2はクレジット、選択ボタンJ3は電子マネー型の非接触ICカード、選択ボタンJ4は銀行口座引き落し型の非接触ICカード、選択ボタンJ5は商品券・クーポンをそれぞれ選択指定する。これにより、決済端末201では、顧客がタッチパネル211によって会計ボタンB23をタッチ指定することにより締め指定をすると、制御部253は、商品販売データ処理で算出した決済金額について、現金、クレジットカード等の磁気カード、電子マネー型の非接触ICカード、銀行引き落し型の非接触ICカードを利用した決済処理を実行する。
【符号の説明】
【0122】
203…バーコードスキャナ(商品コード読取装置、データコードスキャナ)、205…監視カメラ(撮像部)、206…カード読取部(ユーザインターフェース)、207…テンキー(ユーザインターフェース)、210…LCD(ユーザインターフェース)、211…タッチパネル(ユーザインターフェース)、217…表示ポール(警報装置)、252…カードリーダライタ(ユーザインターフェース)、301…秤装置、303a…載置台、306…一時置き台、PF…PLUファイル(商品データファイル)、WDF…重量データファイル(商品データファイル)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0123】
【特許文献1】特開2004−086728公報
【特許文献2】特開平09−245251号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取面を有し、前記読取面の前方の読取空間に位置付けられる商品に付された当該商品を特定する商品コードをシンボル化したコードシンボルを光学的に読み取り商品コードにデコードして出力する商品コード読取装置と、
前記商品コード読取装置の前記読取面の奥に配置され、前記読取空間に位置付けられる商品の画像を撮像して撮像データを出力する撮像部と、
前記商品コード読取装置がコードシンボルを読み取った場合、個々の商品コードに対応させて単価を記憶する商品データファイルから対応する単価を検索して商品販売データ処理を実行する手段と、
前記撮像部が出力した撮像データから前記商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理を実行する手段と、
前記抽出処理に基づいて得られる第1のデータと、前記商品コード読取装置からの出力に基づいて得られる前記第1のデータに整合すべき第2のデータとの整合性を判定する手段と、
前記第1のデータと前記第2のデータとの間に整合性がないと判定された場合には前記商品販売データ処理の進行を停止する制御手段と、
を具備するチェックアウト端末。
【請求項2】
前記第1のデータと前記第2のデータとの間の整合性の判定は、
前記抽出処理によって抽出された商品の外観上の特徴を前記第1のデータとして取得する処理と、
前記商品コード読取装置が出力した商品コードに基づいて、商品コードに商品の外観上の特徴データを対応付けて格納する商品特徴データベースから対応する特徴データを前記第2のデータとして取得する処理と、
前記取得した第1のデータと前記取得した第2のデータとの間に一致性がある場合には前記両データ間に整合性があると判定し、一致性がない場合には整合性がないと判定する処理と、
を含む第1の判定処理によって実行される、請求項1記載のチェックアウト端末。
【請求項3】
前記第1のデータに含まれている特徴量と前記第2のデータに含まれている特徴との差が規定値よりも少ない場合には前記両データの間に一致性があると判定し、前記差が前記規定値よりも多い場合には前記両データの間に一致性がないと判定する、請求項2記載のチェックアウト端末。
【請求項4】
前記第1のデータと前記第2のデータとの間の整合性の判定は、
前記抽出処理によって抽出された商品の外観上の特徴に基づいて前記外観上の特徴が抽出された商品の個数を前記第1のデータとして取得する処理と、
前記商品コード読取装置が出力した商品コードの数を前記第2のデータとして取得する処理と、
前記取得した第1のデータが特定する個数と前記取得した第2のデータが特定する個数とが一致する場合には前記両データの間に整合性があると判定し、不一致の場合には前記両データの間に整合性がないと判定する処理と、
を含む第2の判定処理によって実行される、請求項1ないし3のいずれか一記載のチェックアウト端末。
【請求項5】
前記第1のデータとして取得される商品の個数は、一取引中の規定時間内に前記撮像部が出力する撮像データに基づいて取得され、前記第2のデータとして取得される商品コードの数は、前記規定時間内に前記商品コード読取装置が出力した商品コードの数に基づいて取得される、請求項4記載のチェックアウト端末。
【請求項6】
前記第1のデータと前記第2のデータとの間の整合性の判定は、
前記抽出処理によって商品の外観上の特徴が抽出されたことを前記第1のデータとして取得する処理と、
前記商品コード読取装置が前記商品コードを出力したことを前記第2のデータとして取得する処理と、
前記第1のデータの取得に同期して前記第2のデータを取得した場合には前記両データの間に整合性があると判定し、取得しない場合には前記両データの間に整合性がないと判定する処理と、
を含む第3の判定処理によって実行される請求項1ないし5のいずれか一記載のチェックアウト端末。
【請求項7】
前記商品コード読取装置は、前記コードシンボルからの反射光を受光して当該コードシンボルを読み取るデータコードスキャナである、請求項1ないし6のいずれか一記載のチェックアウト端末。
【請求項8】
前記商品コード読取装置は、前記撮像部が撮像した商品の画像に含まれている前記コードシンボルを解析して商品コードにデコードする、請求項1ないし6のいずれか一記載のチェックアウト端末。
【請求項9】
前記コードシンボルが読み取られた後の商品を載置するための載置部を備え、当該載置部に載置された商品の重量を計量し、計量した重量値を前記チェックアウト端末に送信する秤装置を更に備え、
前記商品データファイルは、個々の商品コードに対応させて重量を記憶し、
前記商品コード読取装置によってコードシンボルが読み取られた場合、前記商品データファイルから対応する重量を検索し、前記秤装置から受信した重量値に基づいて前記検索された重量と前記載置部に載置された商品の重量との一致性を判定する重量チェック処理を実行し、
前記重量チェック処理の結果、前記検索された重量と前記載置部に載置された商品の重量との一致性が判定された場合にのみ商品登録処理を実行する、
請求項1ないし8のいずれか一記載のチェックアウト端末。
【請求項1】
読取面を有し、前記読取面の前方の読取空間に位置付けられる商品に付された当該商品を特定する商品コードをシンボル化したコードシンボルを光学的に読み取り商品コードにデコードして出力する商品コード読取装置と、
前記商品コード読取装置の前記読取面の奥に配置され、前記読取空間に位置付けられる商品の画像を撮像して撮像データを出力する撮像部と、
前記商品コード読取装置がコードシンボルを読み取った場合、個々の商品コードに対応させて単価を記憶する商品データファイルから対応する単価を検索して商品販売データ処理を実行する手段と、
前記撮像部が出力した撮像データから前記商品の外観上の特徴を抽出する抽出処理を実行する手段と、
前記抽出処理に基づいて得られる第1のデータと、前記商品コード読取装置からの出力に基づいて得られる前記第1のデータに整合すべき第2のデータとの整合性を判定する手段と、
前記第1のデータと前記第2のデータとの間に整合性がないと判定された場合には前記商品販売データ処理の進行を停止する制御手段と、
を具備するチェックアウト端末。
【請求項2】
前記第1のデータと前記第2のデータとの間の整合性の判定は、
前記抽出処理によって抽出された商品の外観上の特徴を前記第1のデータとして取得する処理と、
前記商品コード読取装置が出力した商品コードに基づいて、商品コードに商品の外観上の特徴データを対応付けて格納する商品特徴データベースから対応する特徴データを前記第2のデータとして取得する処理と、
前記取得した第1のデータと前記取得した第2のデータとの間に一致性がある場合には前記両データ間に整合性があると判定し、一致性がない場合には整合性がないと判定する処理と、
を含む第1の判定処理によって実行される、請求項1記載のチェックアウト端末。
【請求項3】
前記第1のデータに含まれている特徴量と前記第2のデータに含まれている特徴との差が規定値よりも少ない場合には前記両データの間に一致性があると判定し、前記差が前記規定値よりも多い場合には前記両データの間に一致性がないと判定する、請求項2記載のチェックアウト端末。
【請求項4】
前記第1のデータと前記第2のデータとの間の整合性の判定は、
前記抽出処理によって抽出された商品の外観上の特徴に基づいて前記外観上の特徴が抽出された商品の個数を前記第1のデータとして取得する処理と、
前記商品コード読取装置が出力した商品コードの数を前記第2のデータとして取得する処理と、
前記取得した第1のデータが特定する個数と前記取得した第2のデータが特定する個数とが一致する場合には前記両データの間に整合性があると判定し、不一致の場合には前記両データの間に整合性がないと判定する処理と、
を含む第2の判定処理によって実行される、請求項1ないし3のいずれか一記載のチェックアウト端末。
【請求項5】
前記第1のデータとして取得される商品の個数は、一取引中の規定時間内に前記撮像部が出力する撮像データに基づいて取得され、前記第2のデータとして取得される商品コードの数は、前記規定時間内に前記商品コード読取装置が出力した商品コードの数に基づいて取得される、請求項4記載のチェックアウト端末。
【請求項6】
前記第1のデータと前記第2のデータとの間の整合性の判定は、
前記抽出処理によって商品の外観上の特徴が抽出されたことを前記第1のデータとして取得する処理と、
前記商品コード読取装置が前記商品コードを出力したことを前記第2のデータとして取得する処理と、
前記第1のデータの取得に同期して前記第2のデータを取得した場合には前記両データの間に整合性があると判定し、取得しない場合には前記両データの間に整合性がないと判定する処理と、
を含む第3の判定処理によって実行される請求項1ないし5のいずれか一記載のチェックアウト端末。
【請求項7】
前記商品コード読取装置は、前記コードシンボルからの反射光を受光して当該コードシンボルを読み取るデータコードスキャナである、請求項1ないし6のいずれか一記載のチェックアウト端末。
【請求項8】
前記商品コード読取装置は、前記撮像部が撮像した商品の画像に含まれている前記コードシンボルを解析して商品コードにデコードする、請求項1ないし6のいずれか一記載のチェックアウト端末。
【請求項9】
前記コードシンボルが読み取られた後の商品を載置するための載置部を備え、当該載置部に載置された商品の重量を計量し、計量した重量値を前記チェックアウト端末に送信する秤装置を更に備え、
前記商品データファイルは、個々の商品コードに対応させて重量を記憶し、
前記商品コード読取装置によってコードシンボルが読み取られた場合、前記商品データファイルから対応する重量を検索し、前記秤装置から受信した重量値に基づいて前記検索された重量と前記載置部に載置された商品の重量との一致性を判定する重量チェック処理を実行し、
前記重量チェック処理の結果、前記検索された重量と前記載置部に載置された商品の重量との一致性が判定された場合にのみ商品登録処理を実行する、
請求項1ないし8のいずれか一記載のチェックアウト端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−48742(P2012−48742A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253647(P2011−253647)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【分割の表示】特願2007−134639(P2007−134639)の分割
【原出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【分割の表示】特願2007−134639(P2007−134639)の分割
【原出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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