説明

チェーンテンショナ

【課題】異なる種類のエンジンにおいても共通して使用することができるチェーンテンショナを提供する。
【解決手段】シリンダ9内にプランジャ10を摺動可能に挿入し、そのプランジャ10とシリンダ9とで囲まれた圧力室12内に作動油を導入する給油通路13を設け、その給油通路13の圧力室12側の端部にチェックバルブ14を設け、シリンダ9とプランジャ10の摺動面間にリーク隙間15を設け、プランジャ10を付勢するリターンスプリング16を設けたチェーンテンショナにおいて、プランジャ10のシリンダ9からの突出端部にプランジャ10の内外を連通するエア抜き用の第1オリフィス通路17を設け、シリンダ9の閉塞側の端部にシリンダ9の内外を連通するエア抜き用の第2オリフィス通路22を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車エンジンのカムシャフトを駆動するタイミングチェーンの張力保持に用いられるチェーンテンショナに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジンは、一般に、クランクシャフトの回転をタイミングチェーン(以下「チェーン」という)を介してカムシャフトに伝達し、そのカムシャフトの回転により燃焼室のバルブの開閉を行なう。ここで、チェーンの張力を適正範囲に保つために、支点軸を中心として揺動可能に設けたチェーンガイドと、そのチェーンガイドを介してチェーンを押圧するチェーンテンショナとからなる張力調整装置が多く用いられる。
【0003】
この張力調整装置に組み込まれるチェーンテンショナとして、一端が開放し、他端が閉じた筒状のシリンダ内にプランジャを軸方向に摺動可能に挿入し、そのプランジャをシリンダ内への挿入端が開口する有底筒状に形成し、そのプランジャと前記シリンダとで囲まれた圧力室内に作動油を導入する給油通路を設け、その給油通路の圧力室側の端部に、給油通路側から圧力室側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブを設け、前記シリンダとプランジャの摺動面間に圧力室内の作動油をシリンダの外側に流出させるリーク隙間を設け、前記プランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングを設けたものが知られている(特許文献1)。
【0004】
このチェーンテンショナは、エンジン作動中にチェーンの張力が大きくなると、そのチェーンの張力によって、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向(以下、「押し込み方向」という)に移動し、チェーンの緊張を吸収する。このとき、圧力室内の作動油が、プランジャとシリンダの摺動面間のリーク隙間を通って流出し、その作動油の粘性抵抗によってダンパ作用が生じるので、プランジャはゆっくりと移動する。
【0005】
一方、エンジン作動中にチェーンの張力が小さくなると、リターンスプリングの付勢力によって、プランジャがシリンダから突出する方向(以下、「突出方向」という)に移動し、チェーンの弛みを吸収する。このとき、チェックバルブが開いて、給油通路から圧力室に作動油が流入するので、プランジャは速やかに移動する。
【0006】
また、エンジンを停止すると、オイルポンプも停止するので、給油通路内の作動油の油面が下がり、給油通路内にエアが溜まる。そのため、エンジンを再始動したときに、給油通路から圧力室にエアが流入し、その流入したエアが圧力室から完全に排出されるまでの間、チェーンテンショナのダンパ作用が低下してしまうという問題がある。
【0007】
このダンパ作用の低下を抑制するため、上記チェーンテンショナにおいては、プランジャのシリンダからの突出端部に、プランジャの内外を連通するエア抜き通路が設けられている。ここで、上記チェーンテンショナは、シリンダからのプランジャの突出方向が斜め上向きとなる状態で使用され、この使用状態において、圧力室内のエアはプランジャのシリンダからの突出端部に溜まりやすいことから、エア抜き通路は、プランジャのシリンダからの突出端部に配置されている。
【0008】
また、特許文献2には、シリンダの閉塞側の端部に、シリンダの内外を連通するエア抜き通路を設けたチェーンテンショナが記載されている。このチェーンテンショナは、シリンダからのプランジャの突出方向が水平あるいは斜め下向きとなる状態で使用され、この使用状態において、圧力室内のエアはシリンダの閉塞端部に溜まりやすいことから、エア抜き通路は、シリンダの閉塞端部に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許3635198号公報
【特許文献2】特許3585655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、シリンダからのプランジャの突出方向が斜め上向きとなるか、水平となるか、斜め下向きとなるかは、エンジンの種類によって異なる。そして、従来においては、シリンダからのプランジャの突出方向に応じて、チェーンテンショナのエア抜き通路の位置を決定し、エア抜き通路の位置が異なるチェーンテンショナを製造していた。また、同一のエンジンであっても、エンジンを自動車等に搭載するときのエンジンの搭載角度が異なると、シリンダからのプランジャの突出方向が変わるので、この場合も、エンジンの搭載角度に応じてチェーンテンショナのエア抜き通路の位置を決定し、エア抜き通路の位置が異なるチェーンテンショナを製造していた。
【0011】
ここで、本願発明の発明者は、シリンダからのプランジャの突出方向にかかわらず、圧力室内のエアを円滑に排出できるようにすれば、エンジンの種類や搭載角度が異なる場合においても、同一のチェーンテンショナを使用することが可能となり、チェーンテンショナの部品を共通化することができる点に気付いた。
【0012】
この発明が解決しようとする課題は、エンジンの種類や搭載角度が異なる場合においても共通して使用することができるチェーンテンショナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、一端が開放し、他端が閉じた筒状のシリンダ内にプランジャを軸方向に摺動可能に挿入し、そのプランジャをシリンダ内への挿入端が開口する有底筒状に形成し、そのプランジャと前記シリンダとで囲まれた圧力室内に作動油を導入する給油通路を設け、その給油通路の圧力室側の端部に、給油通路側から圧力室側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブを設け、前記シリンダとプランジャの摺動面間に圧力室内の作動油をシリンダの外側に流出させるリーク隙間を設け、前記プランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングを設けたチェーンテンショナにおいて、前記プランジャのシリンダからの突出端部にプランジャの内外を連通するエア抜き用の第1オリフィス通路を設け、前記シリンダの閉塞側の端部にシリンダの内外を連通するエア抜き用の第2オリフィス通路を設けた。
【0014】
このようにすると、シリンダからのプランジャの突出方向が斜め上向きとなる状態でチェーンテンショナを取り付けたときは、圧力室内に溜まったエアが、プランジャのシリンダからの突出端部に配置された第1オリフィス通路を通って排出される。また、シリンダからのプランジャの突出方向が水平あるいは斜め下向きとなる状態でチェーンテンショナを取り付けたときは、圧力室内に溜まったエアが、シリンダの閉塞側の端部に配置された第2オリフィス通路を通って排出される。このように、このチェーンテンショナは、シリンダからのプランジャの突出方向にかかわらず、圧力室内のエアを円滑に排出することができ、エンジンの種類や搭載角度が異なる場合においても共通して使用することが可能である。
【0015】
第1オリフィス通路と第2オリフィス通路は、同一条件下においてエア流量が同じとなるように形成することも可能であるが、このようにした場合、両オリフィス通路を通って圧力室から流出する作動油が過大となり、チェーンテンショナのダンパ作用が低下し、エンジンから異音が発生する可能性がある。そこで、同一条件下(具体的には、0.1MPa負荷条件下)における第2オリフィス通路のエア流量が、第1オリフィス通路のエア流量よりも小さくなるように第2オリフィス通路を形成すると好ましい。このようにすると、両オリフィス通路を通って圧力室から流出する作動油が過大となるのを防止することができる。
【0016】
ここで、第1オリフィス通路のエア流量を第2オリフィス通路のエア流量よりも小さくするのではなく、第2オリフィス通路のエア流量を第1オリフィス通路のエア流量よりも小さくしたのは、次の理由による。すなわち、シリンダからのプランジャの突出方向が水平あるいは斜め下向きとなる状態でチェーンテンショナを使用するときに、圧力室内のエアは第2オリフィス通路を通って排出されるほか、シリンダとプランジャの摺動面間のリーク隙間からも排出されるので、そのリーク隙間の分、第2オリフィス通路のエア流量を第1オリフィス通路のエア流量より小さくしても、エアの排出性能を確保することができるからである。
【0017】
前記第1オリフィス通路としては、例えば、前記プランジャのシリンダからの突出端部に形成された内周に螺旋溝を有する貫通孔と、その貫通孔に圧入された外周に円筒面を有するころ部材との間に形成された螺旋状の隙間を採用することができる。
【0018】
また、前記第1オリフィス通路としては、前記プランジャのシリンダからの突出端部に形成された内周に円筒面を有する貫通孔と、その貫通孔に圧入された外周に螺旋溝を有するころ部材との間に形成された螺旋状の隙間を採用することができる。
【0019】
また、前記第1オリフィス通路としては、前記プランジャのシリンダからの突出端部に形成されたねじ孔と、そのねじ孔にねじ込まれた雄ねじ部材との間に形成されたねじ隙間を採用することができる。このようにすると、雄ねじ部材の締め付けトルクを調節することによってねじ隙間の大きさを調節することができるので、第1オリフィス通路のエア流量を高精度に管理することが可能となる。
【0020】
また、前記第1オリフィス通路としては、前記プランジャのシリンダからの突出端部に形成した貫通孔に圧入した焼結部材の内部の連続気孔を採用することができる。
【0021】
また、前記プランジャのシリンダからの突出端部にリリーフバルブを組み込んだ場合、前記第1オリフィス通路としては、リリーフバルブのシート面に形成された溝を採用することができる。
【0022】
前記第2オリフィス通路としては、例えば、前記シリンダの閉塞側の端部に形成されたねじ孔と、そのねじ孔にねじ込まれた頭部付きの雄ねじ部材との間に形成されたねじ隙間を採用することができる。このようにすると、雄ねじ部材の締め付けトルクを調節することによってねじ隙間の大きさを調節することができるので、第2オリフィス通路のエア流量を高精度に管理することが可能となる。
【0023】
この場合、前記雄ねじ部材の頭部と前記シリンダとの間に、円周の一部を切り離した形状のスプリングワッシャを組み込むと、スプリングワッシャの円周の一部を切り離した部分を介して、ねじ隙間と外気の間の連通を確保することができる。
【0024】
また、前記シリンダの前記雄ねじ部材の頭部が接触する座面部に、前記ねじ孔から延びる通気溝を設けても、その通気溝を介して、ねじ隙間と外気の間の連通を確保することができる。
【0025】
この発明は、例えば、次のチェーンテンショナに適用することができる。
1)前記シリンダの内周に形成された環状の収容溝内に前記プランジャの外周を弾性的に締め付けるレジスタリングを収容し、そのレジスタリングを、プランジャの外周に軸方向に一定の間隔をおいて形成された円周溝に係合させ、その各円周溝内には、前記プランジャをシリンダから突出させる方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリングを拡径させてプランジャの移動を許容するテーパ面と、前記プランジャをシリンダ内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリングを係止してプランジャの移動を制限するストッパ面とが設けられているリング式のチェーンテンショナ。
2)前記プランジャの内周に形成した雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するスクリュロッドを設け、そのスクリュロッドの前記プランジャからの突出端を前記シリンダ内に設けたロッドシートに当接させ、前記雄ねじと雌ねじは、プランジャをシリンダ内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランクのフランク角が、遊び側フランクのフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている鋸歯ねじ式のチェーンテンショナ。
【発明の効果】
【0026】
この発明のチェーンテンショナは、エア抜き用の2箇所の通路が反対側に配置されているので、シリンダからのプランジャの突出方向にかかわらず、圧力室内のエアを円滑に排出することができる。そのため、エンジンの種類や搭載角度が異なる場合においても、同一のチェーンテンショナを使用することが可能であり、チェーンテンショナの部品を共通化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の第1実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す正面図
【図2】図1に示すチェーンテンショナの拡大断面図
【図3】図2の第2オリフィス通路近傍の拡大断面図
【図4】図2の第1オリフィス通路近傍の拡大断面図
【図5】図4に示す第1オリフィス通路の他の例を示す拡大断面図
【図6】図4に示す第1オリフィス通路の更に他の例を示す拡大断面図
【図7】図4に示す第1オリフィス通路の更に他の例を示す拡大断面図
【図8】図4に示す第1オリフィス通路の更に他の例を示す拡大断面図
【図9】図3に示す雄ねじ部材の頭部が接触する座面部に通気溝を設けた例を示す拡大断面図
【図10】この発明の第2実施形態のチェーンテンショナを示す拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に、この発明の第1実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、カムシャフト4に固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されており、そのチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)の開閉を行なう。
【0029】
チェーン6には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触しており、チェーンテンショナ1は、そのチェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
【0030】
チェーンテンショナ1は、一端が開放し、他端が閉じた筒状のシリンダ9と、シリンダ9内に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャ10とを有する。シリンダ9は、ボルト11でエンジンブロック(図示せず)の側面に固定されている。図において、シリンダ9からのプランジャ10の突出方向は水平であるが、エンジンを自動車等に搭載するときに、図に示す状態に対して傾斜してエンジンを搭載する場合があり、このときのエンジンの搭載角度に応じて、シリンダ9からのプランジャ10の突出方向は斜め下向きまたは斜め上向きとなる。
【0031】
図2に示すように、プランジャ10は、シリンダ9内への挿入端が開口する有底筒状に形成されている。シリンダ9の閉塞側の端部には、シリンダ9とプランジャ10とで囲まれた圧力室12に連通する給油通路13が形成されている。給油通路13は、オイルポンプ(図示せず)に接続されており、そのオイルポンプから送り出された作動油を、圧力室12内に導入するようになっている。給油通路13の圧力室12側の端部には、給油通路13側から圧力室12側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブ14が設けられている。
【0032】
プランジャ10とシリンダ9の摺動面間には微小なリーク隙間15が形成されており、そのリーク隙間15を通って圧力室12内の作動油がシリンダ9の外側に流出するようになっている。
【0033】
圧力室12内には、プランジャ10を付勢するリターンスプリング16が組み込まれている。リターンスプリング16は、一端がチェックバルブ14で支持され、他端でプランジャ10のシリンダ9からの突出端部を押圧し、その押圧によってプランジャ10をシリンダ9から突出する方向に付勢している。
【0034】
プランジャ10のシリンダ9からの突出端部には、プランジャ10の内外を連通するエア抜き用の第1オリフィス通路17が設けられている。すなわち、図4に示すように、プランジャ10のシリンダ9からの突出端部に、圧力室12から外部に貫通する軸方向の貫通孔18が設けられ、この貫通孔18にころ部材19が圧入されている。そして、貫通孔18の内周には螺旋溝20が形成され、ころ部材19の外周には円筒面21が形成され、この貫通孔18ところ部材19の間に、第1オリフィス通路17として螺旋状の隙間が形成されている。この第1オリフィス通路17は、シリンダ9からのプランジャ10の突出方向が斜め上向きとなる状態で、プランジャ10のシリンダ9からの突出端部内に溜まったエアを導入して外気に排出する。第1オリフィス通路17は、断面寸法に対して長さが長い流体路であり、その流路抵抗によって作動油の通過は制限するが、作動油と比較して粘性が極めて小さいエアの通過は許容する。
【0035】
図2に示すように、シリンダ9の閉塞側の端部には、シリンダ9の内外を連通するエア抜き用の第2オリフィス通路22が設けられている。すなわち、図3に示すように、シリンダ9の閉塞側の端部に、シリンダ9の外側から圧力室12に貫通するねじ孔23が形成され、このねじ孔23に雄ねじ部材24がねじ込まれている。ねじ孔23の一端は、シリンダ9の内周面の閉塞側の端部に開口している。雄ねじ部材24は、外周に雄ねじが形成されたねじ軸部24Aと、ねじ軸部24Aの一端に設けられた頭部24Bとからなる。このねじ孔23とねじ軸部24Aの間に、第2オリフィス通路22としてねじ隙間が形成されている。この第2オリフィス通路22は、シリンダ9からのプランジャ10の突出方向が水平または斜め下向きとなる状態で、シリンダ9の閉塞側の端部内に溜まったエアを導入して外気に排出する。第2オリフィス通路22も、第1オリフィス通路17と同様、断面寸法に対して長さが長い流体路であり、その流路抵抗によって作動油の通過は制限するが、作動油と比較して粘性が極めて小さいエアの通過は許容する。
【0036】
頭部24Bは、ねじ軸部24Aよりも大径に形成されている。頭部24Bとシリンダ9の間には、円周の一部を切り離した形状のスプリングワッシャ25が組み込まれており、このスプリングワッシャ25の円周の一部を切り離した部分を介して、第2オリフィス通路22と外気とが連通している。
【0037】
ここで、第1オリフィス通路17は、第1オリフィス通路17の一端を大気に開放し、第1オリフィス通路17の他端に0.1MPaのエア圧を負荷したときに200〜900(cc/min)のエアが第1オリフィス通路17を流れるように設定され、第2オリフィス通路22は、第2オリフィス通路22の一端を大気に開放し、第2オリフィス通路22の他端に0.1MPaのエア圧を負荷したときに150〜400(cc/min)のエアが第2オリフィス通路22を流れるように設定され、さらに、0.1MPa負荷条件下における第2オリフィス通路22のエア流量が、同条件下における第1オリフィス通路17のエア流量よりも小さくなるように設定されている。
【0038】
第2オリフィス通路22のエア流量は、雄ねじ部材24の締め付けトルクを調節することによって管理することができる。雄ねじ部材24の締め付けトルクは、例えば0.3〜0.8(N・m)の範囲で設定することができる。
【0039】
シリンダ9の開放側の端部内周には、環状の収容溝26が形成され、その収容溝26内にレジスタリング27が軸方向に移動可能に収容されている。レジスタリング27は、円周の一部を欠いたリング形状であり、径方向に弾性変形可能となっている。このレジスタリング27は、プランジャ10の外周を弾性的に締め付けており、プランジャ10の外周に軸方向に一定の間隔をおいて形成された複数の円周溝28のいずれかに係合している。
【0040】
各円周溝28内には、プランジャ10に突出方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリング27を拡径させてプランジャ10の移動を許容するテーパ面29と、プランジャ10に押し込み方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリング27を係止してプランジャ10の移動を制限するストッパ面30とが設けられている。
【0041】
次に、このチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
【0042】
エンジン作動中にチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ10が押し込み方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、リーク隙間15を通って圧力室12から流出する作動油の粘性抵抗によってダンパ力が発生するので、プランジャ10はゆっくりと移動する。
【0043】
エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなると、リターンスプリング16の付勢力によって、プランジャ10が突出方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、チェックバルブ14が開き、給油通路13から圧力室12に作動油が流入するので、プランジャ10は速やかに移動する。
【0044】
ここで、チェーン6の振動により、プランジャ10が前進と後退を繰り返すとき、レジスタリング27は、収容溝26内で前後に移動する。また、チェーン6の弛みによって、プランジャ10の突出方向への移動範囲が、レジスタリング27の収容溝26内での移動可能な範囲を超えると、円周溝28内のテーパ面29がレジスタリング27を拡径させて、プランジャ10の移動を許容する。このとき、レジスタリング27は、隣の円周溝28に係合する。
【0045】
エンジン停止時に、カムシャフト4の停止位置によってチェーン6の張力が大きくなる場合があるが、この場合、レジスタリング27と円周溝28の係合により、プランジャ10の押し込み方向への移動が防止される。そのため、エンジンを再始動するときに、チェーン6の弛みを生じにくく、円滑なエンジン始動が可能である。
【0046】
また、エンジンを停止すると、オイルポンプが停止して給油通路13内の作動油の油面が下がり、給油通路13内にエアが溜まる。そのため、エンジンを再始動したときに、給油通路13内のエアが圧力室12に流入するが、この場合、圧力室12内に流入したエアは、第1オリフィス通路17および第2オリフィス通路22を通じて圧力室12から排出される。そのため、圧力室12内のエアによるダンパ作用の低下が生じにくい。
【0047】
ここで、シリンダ9からのプランジャ10の突出方向が斜め上向きとなる状態でチェーンテンショナ1を取り付けたときは、圧力室12内に溜まったエアが、プランジャ10のシリンダ9からの突出端部に配置された第1オリフィス通路17を通って排出される。また、シリンダ9からのプランジャ10の突出方向が水平あるいは斜め下向きとなる状態でチェーンテンショナ1を取り付けたときは、圧力室12内に溜まったエアが、シリンダ9の閉塞側の端部に配置された第2オリフィス通路22を通って排出される。
【0048】
このように、このチェーンテンショナ1は、エア抜き用の2箇所の通路17,22が反対側に配置されているので、シリンダ9からのプランジャ10の突出方向にかかわらず、圧力室12内のエアを円滑に排出することができる。そのため、エンジンの種類や搭載角度が異なる場合においても、同一のチェーンテンショナを使用することが可能であり、チェーンテンショナの部品を共通化することができる。
【0049】
また、シリンダ9からのプランジャ10の突出方向が水平となる状態でチェーンテンショナ1をエンジンに取り付けた場合、車両の姿勢によって圧力室12内のエアが溜まる位置が変化する場合があるが、このような場合にも、上記チェーンテンショナ1は、圧力室12内のエアが溜まる位置にかかわらず、第1オリフィス通路17または第2オリフィス通路22を通じて圧力室12内のエアを円滑に排出することが可能である。
【0050】
第1オリフィス通路17と第2オリフィス通路22は、同一条件下においてエア流量が同じとなるように形成することも可能であるが、このようにした場合、両オリフィス通路17,22を通って圧力室12から流出する作動油が過大となり、チェーンテンショナ1のダンパ作用が低下し、エンジンから異音が発生する可能性がある。そこで、上記実施形態に示すように、同一条件下(具体的には、0.1MPa負荷条件下)における第2オリフィス通路22のエア流量が、第1オリフィス通路17のエア流量よりも小さくなるように第2オリフィス通路22を形成すると好ましい。このようにすると、両オリフィス通路17,22を通って圧力室12から流出する作動油が過大となるのを防止することができる。
【0051】
ここで、第1オリフィス通路17のエア流量を第2オリフィス通路22のエア流量よりも小さくするのではなく、第2オリフィス通路22のエア流量を第1オリフィス通路17のエア流量よりも小さくしたのは、次の理由による。すなわち、シリンダ9からのプランジャ10の突出方向が水平あるいは斜め下向きとなる状態でチェーンテンショナ1を使用したときに、圧力室12内のエアは第2オリフィス通路22を通って排出されるほか、シリンダ9とプランジャ10の摺動面間のリーク隙間15からも排出されるので、そのリーク隙間15の分、第2オリフィス通路22のエア流量を第1オリフィス通路17のエア流量より小さくしても、エアの排出性能を確保することができるからである。
【0052】
上記実施形態では、第1オリフィス通路17として、内周に螺旋溝20を有する貫通孔18と、外周に円筒面21を有するころ部材19との間に形成された螺旋状の隙間を例に挙げて説明したが、図5に示すように、内周に円筒面31を有する貫通孔32と、その貫通孔32に圧入された外周に螺旋溝33を有するころ部材34との間に形成された螺旋状の隙間を採用してもよい。
【0053】
また、図6に示すように、第1オリフィス通路17として、プランジャ10のシリンダ9からの突出端部に形成されたねじ孔35と、そのねじ孔35にねじ込まれた雄ねじ部材36との間に形成されたねじ隙間を採用してもよい。このようにすると、雄ねじ部材36の締め付けトルクを調節することによってねじ隙間の大きさを調節することができるので、第1オリフィス通路17のエア流量を高精度に管理することが可能となる。
【0054】
図6において、雄ねじ部材36は、外周に雄ねじが設けられたねじ軸部36Aと、ねじ軸部36Aの一端に設けられた頭部36Bとからなる。雄ねじ部材36は、プランジャ10の内側からねじ込まれ、雄ねじ部材36の頭部36Bが圧力室12に臨むように組み付けられている。頭部36Bとプランジャ10の間には、円周の一部を切り離した形状のスプリングワッシャ37が組み込まれている。
【0055】
また、図7に示すように、第1オリフィス通路17として、プランジャ10のシリンダ9からの突出端部に形成した貫通孔38に圧入した焼結部材39の内部の連続気孔を採用してもよい。焼結部材39は、焼結金属または焼結樹脂からなる円柱体である。
【0056】
また、図8に示すように、プランジャ10のシリンダ9からの突出端部にリリーフバルブ40を組み込み、このリリーフバルブ40のシート面41に、第1オリフィス通路17として溝を形成することができる。
【0057】
図8において、プランジャ10のシリンダ9からの突出端部には、圧力室12から外部に貫通する軸方向の貫通孔42が設けられている。この貫通孔42は、プランジャ10の内側から外側に向かって順に大径部42aと小径部42bとを有し、大径部42a内に、圧力室12内の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに開くリリーフバルブ40が組み込まれている。
【0058】
リリーフバルブ40は、大径部42a内に嵌め込まれたバルブスリーブ43と、バルブスリーブ43内に収容された球状の弁体44と、バルブスリーブ43の圧力室12側の端部に設けられたバルブシート45と、弁体44をバルブシート45に向けて付勢するバルブスプリング46とを有する。リリーフバルブ40は、貫通孔42の圧力室12側の端部に圧入されたリテーナ47で貫通孔42から抜け止めされている。バルブシート45の弁体44が着座するテーパ状のシート面41には、第1オリフィス通路17として、シート面41の母線方向に延びる溝が形成され、この溝を通じて圧力室12内のエアが排出されるようになっている。
【0059】
上記実施形態では、第2オリフィス通路22と外気の間の連通を確保するために、雄ねじ部材24の頭部24Bとシリンダ9との間にスプリングワッシャ25を組み込んだが、図9に示すように、シリンダ9の雄ねじ部材24の頭部24Bが接触する座面部48に、ねじ孔23から頭部24Bの外側まで延びる通気溝49を設けてもよい。このようにすると、その通気溝49を介して、第2オリフィス通路22と外気の間の連通を確保することができるので、スプリングワッシャ25が不要となり、スプリングワッシャ25の付け忘れの問題を無くすことができる。この第2オリフィス通路22としての連通溝は、シリンダ9の鋳造と同時に金型で成形すると低コストである。
【0060】
図10に、この発明の第2実施形態のチェーンテンショナ50を示す。第1実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
プランジャ10は、シリンダ9内への挿入端が開放する有底筒状に形成されており、その内周に雌ねじ51が形成されている。プランジャ10内には、雌ねじ51にねじ係合する雄ねじ52を外周に有するスクリュロッド53が組み込まれている。スクリュロッド53は、一端がプランジャ10から突出しており、その突出端が、シリンダ9内に設けたロッドシート54に当接している。
【0062】
雄ねじ52と雌ねじ51は、プランジャ10をシリンダ9内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク55のフランク角が、遊び側フランク56のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。
【0063】
シリンダ9とプランジャ10とで囲まれた圧力室12内には、リターンスプリング16が組み込まれている。リターンスプリング16は、一端がスクリュロッド53で支持され、他端がスプリングシート57を介してプランジャ10を押圧しており、その押圧によって、プランジャ10をシリンダ9から突出する方向に付勢している。
【0064】
第1実施形態と同様、プランジャ10のシリンダ9からの突出端部には、プランジャ10の内外を連通するエア抜き用の第1オリフィス通路17が設けられ、シリンダ9の閉塞側の端部には、シリンダ9の内外を連通するエア抜き用の第2オリフィス通路22が設けられている。
【0065】
このチェーンテンショナ50の動作例を説明する。
【0066】
エンジン作動中にチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ10が押し込み方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、スクリュロッド53は、チェーン6の振動により、雌ねじ51と雄ねじ52の間の軸方向隙間の範囲内で前進と後退を繰り返しながら、プランジャ10に対して回転する。また、プランジャ10とシリンダ9の摺動面間のリーク隙間15を通って圧力室12から流出する作動油の粘性抵抗によってダンパ力が発生するので、プランジャ10はゆっくりと移動する。
【0067】
エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなると、リターンスプリング16の付勢力によって、プランジャ10が突出方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、給油通路13から圧力室12に作動油が流入するので、プランジャ10は速やかに移動する。
【0068】
エンジン停止時に、カムシャフト4の停止位置によってチェーン6の張力が大きくなる場合があるが、この場合、チェーン6が振動しないので、プランジャ10の雌ねじ51がスクリュロッド53の雄ねじ52で受け止められ、プランジャ10の押し込み方向への移動が防止される。そのため、エンジンを再始動するときに、チェーン6の弛みを生じにくく、円滑なエンジン始動が可能である。
【0069】
エンジン始動時に、給油通路13を通って圧力室12に供給される作動油にエアが流入するが、この場合、圧力室12内に流入したエアは、第1オリフィス通路17および第2オリフィス通路22を通じて圧力室12から排出される。そのため、圧力室12内のエアによるダンパ作用の低下が生じにくい。
【0070】
このチェーンテンショナ50は、第1実施形態と同様、シリンダ9からのプランジャ10の突出方向にかかわらず、圧力室12内のエアを円滑に排出することができる。そのため、エンジンの種類や搭載角度が異なる場合においても、同一のチェーンテンショナを使用することが可能であり、チェーンテンショナの部品を共通化することができる。その他の効果も、第1実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0071】
1 チェーンテンショナ
9 シリンダ
10 プランジャ
12 圧力室
13 給油通路
14 チェックバルブ
15 リーク隙間
16 リターンスプリング
17 第1オリフィス通路
18 貫通孔
19 ころ部材
20 螺旋溝
21 円筒面
22 第2オリフィス通路
23 ねじ孔
24 雄ねじ部材
24B 頭部
25 スプリングワッシャ
26 収容溝
27 レジスタリング
28 円周溝
29 テーパ面
30 ストッパ面
31 円筒面
32 貫通孔
33 螺旋溝
34 ころ部材
35 ねじ孔
36 雄ねじ部材
38 貫通孔
39 焼結部材
43 リリーフバルブ
44 シート面
48 座面部
49 通気溝
50 チェーンテンショナ
51 雌ねじ
52 雄ねじ
53 スクリュロッド
54 ロッドシート
55 圧力側フランク
56 遊び側フランク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開放し、他端が閉じた筒状のシリンダ(9)内にプランジャ(10)を軸方向に摺動可能に挿入し、そのプランジャ(10)をシリンダ(9)内への挿入端が開口する有底筒状に形成し、そのプランジャ(10)と前記シリンダ(9)とで囲まれた圧力室(12)内に作動油を導入する給油通路(13)を設け、その給油通路(13)の圧力室(12)側の端部に、給油通路(13)側から圧力室(12)側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブ(14)を設け、前記シリンダ(9)とプランジャ(10)の摺動面間に圧力室(12)内の作動油をシリンダ(9)の外側に流出させるリーク隙間(15)を設け、前記プランジャ(10)をシリンダ(9)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(16)を設けたチェーンテンショナにおいて、
前記プランジャ(10)のシリンダ(9)からの突出端部にプランジャ(10)の内外を連通するエア抜き用の第1オリフィス通路(17)を設け、前記シリンダ(9)の閉塞側の端部にシリンダ(9)の内外を連通するエア抜き用の第2オリフィス通路(22)を設けたことを特徴とするチェーンテンショナ。
【請求項2】
前記第2オリフィス通路(22)の0.1MPa負荷条件下におけるエア流量が、前記第1オリフィス通路(17)の0.1MPa負荷条件下におけるエア流量よりも小さくなるように第2オリフィス通路(22)を形成した請求項1に記載のチェーンテンショナ。
【請求項3】
前記第1オリフィス通路(17)は、前記プランジャ(10)のシリンダ(9)からの突出端部に形成された内周に螺旋溝(20)を有する貫通孔(18)と、その貫通孔(18)に圧入された外周に円筒面(21)を有するころ部材(19)との間に形成された螺旋状の隙間である請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
【請求項4】
前記第1オリフィス通路(17)は、前記プランジャ(10)のシリンダ(9)からの突出端部に形成された内周に円筒面(31)を有する貫通孔(32)と、その貫通孔(32)に圧入された外周に螺旋溝(33)を有するころ部材(34)との間に形成された螺旋状の隙間である請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
【請求項5】
前記第1オリフィス通路(17)は、前記プランジャ(10)のシリンダ(9)からの突出端部に形成されたねじ孔(35)と、そのねじ孔(35)にねじ込まれた雄ねじ部材(36)との間に形成されたねじ隙間である請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
【請求項6】
前記第1オリフィス通路(17)は、前記プランジャ(10)のシリンダ(9)からの突出端部に形成した貫通孔(38)に圧入した焼結部材(39)の内部の連続気孔である請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
【請求項7】
前記第1オリフィス通路(17)は、前記プランジャ(10)のシリンダ(9)からの突出端部に組み込まれたリリーフバルブ(43)のシート面(44)に形成された溝である請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
【請求項8】
前記第2オリフィス通路(22)は、前記シリンダ(9)の閉塞側の端部に形成されたねじ孔(23)と、そのねじ孔(23)にねじ込まれた頭部(24B)付きの雄ねじ部材(24)との間に形成されたねじ隙間である請求項1から7のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
【請求項9】
前記雄ねじ部材(24)の頭部(24B)と前記シリンダ(9)との間に、円周の一部を切り離した形状のスプリングワッシャ(25)を組み込んだ請求項8に記載のチェーンテンショナ。
【請求項10】
前記シリンダ(9)の前記雄ねじ部材(24)の頭部(24B)が接触する座面部(48)に、前記ねじ孔(23)から延びる通気溝(49)を設けた請求項8に記載のチェーンテンショナ。
【請求項11】
前記シリンダ(9)の内周に形成された環状の収容溝(26)内に前記プランジャ(10)の外周を弾性的に締め付けるレジスタリング(27)を収容し、そのレジスタリング(27)を、プランジャ(10)の外周に軸方向に一定の間隔をおいて形成された円周溝(28)に係合させ、その各円周溝(28)内には、前記プランジャ(10)をシリンダ(9)から突出させる方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリング(27)を拡径させてプランジャ(10)の移動を許容するテーパ面(29)と、前記プランジャ(10)をシリンダ(9)内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリング(27)を係止してプランジャ(10)の移動を制限するストッパ面(30)とが設けられている請求項1から10のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
【請求項12】
前記プランジャ(10)の内周に形成した雌ねじ(51)にねじ係合する雄ねじ(52)を外周に有するスクリュロッド(53)を設け、そのスクリュロッド(53)の前記プランジャ(10)からの突出端を前記シリンダ(9)内に設けたロッドシート(54)に当接させ、前記雄ねじ(52)と雌ねじ(51)は、プランジャ(10)をシリンダ(9)内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク(55)のフランク角が、遊び側フランク(56)のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている請求項1から10のいずれかに記載のチェーンテンショナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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