説明

チタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法

【課題】微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスの有効利用を図り、BET比表面積が小さく、また粉末状に解砕した場合に細孔容量が小さいチタン酸アルミニウム系セラミックスの提供。
【解決手段】微粒チタン酸アルミニウム系セラミックス、チタニア源およびアルミナ源、場合によりマグネシア源やシリカ源とも混合した前駆体混合物を、または微粒チタン酸アルミニウム系セラミックス粉末自体を、好ましくは成形して、粉末状態或いは成形体の状態で焼成することによりチタン酸アルミニウム系セラミックスを製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン酸アルミニウムやチタン酸アルミニウムマグネシウムに代表されるチタン酸アルミニウム系セラミックスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チタン酸アルミニウム系セラミックスは耐熱性に優れたセラミックスとして知られており、例えば特許文献1〔WO2005/105704号公報〕には、粉末状のチタニア源およびアルミナ源などを混合し、得られた前駆体混合物を焼成する方法が開示されている。かかる方法により得られるチタン酸アルミニウム系セラミックスは通常、塊状であるが、これを解砕することにより粉末にすることができる。得られたチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末は、水などの液体成分を加えて粘土状としたのち、押出成形法などの方法により成形体に成形することができる。成形に用いるチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末としては、細孔容量が小さく、チタン酸セラミックス系セラミックスのBET比表面積が小さいことが好ましい。
【0003】
しかし、チタン酸アルミニウム系セラミックスは、解砕の際に微細化し易いことから、解砕により得られたチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末には、多くの微粒成分が含まれている。このため、解砕後のチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末は通常、篩い分けなどの分級操作により微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスを取り除いてから成形に用いられている。取り除かれた微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスは、そのままでは成形に用いることができず、全て無駄になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2005/105704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明者は、微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスの有効利用を図るべく鋭意検討した結果、これをそのまま焼成するか、或いはチタニア源、アルミナ源およびマグネシア源と混合して前駆体混合物とし、焼成することにより、塊状のチタン酸アルミニウム系セラミックスを再び得ることができることを見出し、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明は、微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスを焼成することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法を提供するものである。
【0007】
また本発明は、微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスをチタニア源およびアルミナ源と混合して前駆体混合物を得、得られた前駆体混合物を焼成することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法によれば、微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスの粉末から、塊状のチタン酸アルミニウム系セラミックスを得ることができる。
【0009】
また、本発明の製造方法によれば、BET比表面積が小さいチタン酸アルミニウム系セラミックスが得られる。またこれを粉末状に解砕した場合、細孔容量が小さいチタン酸セラミックス系セラミックス粉末が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の製造方法に適用される微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスは、チタン酸アルミニウム系セラミックスの微細な粉末であって、その最大粒子径は通常60μm以下、好ましくは40μm以下であり、質量基準の累積百分率10%相当粒子径(D10)は通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上である。さらにはD50の値が20μm以下、かつD90の値が40μm以下であるものを用いることが好ましい。
【0011】
微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスの組成は、チタニア〔TiO2〕換算のチタン含有量、アルミナ〔Al23〕換算のアルミニウム含有量およびその他金属含有する金属の酸化物換算の金属含有量の合計量100質量部あたり、通常、チタニア換算のチタン含有量が20質量部〜60質量部、アルミナ換算のアルミニウム含有量が30質量部〜70質量部であり、好ましくはチタニア換算のチタン含有量が30質量部〜50質量部、アルミナ換算のアルミニウム含有量が40質量部〜60質量部である。
【0012】
前記微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスの組成において、マグネシウムが含まれていてもよく、この場合、マグネシア換算のマグネシウム含有量は前記合計量100質量部あたり、通常0.1質量部〜10質量部であり、好ましくは0.5質量部〜5質量部である。
【0013】
前記微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスの組成において、ケイ素が含まれていてもよく、この場合、シリカ換算のケイ素含有量は前記合計量100質量部あたり、通常0.1質量部〜20質量部であり、好ましくは0.5質量部〜10質量部であり、さらに好ましくは1質量部〜5質量部である。なお微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスは、原料由来或いは製造工程で混入する不可避不純物を含むものであってもよい。
【0014】
本発明のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法では、かかる前記微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスをそのまま焼成する工程を含むか、または好ましくはチタニア源およびアルミナ源と混合して前駆体混合物を得、得られた前駆体混合物を焼成する工程を含む。さらには、前記微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスを、チタニア源およびアルミナ源の他、さらにマグネシア源および/またはシリカ源と混合して前駆体混合物を得、得られた前駆体混合物を焼成することが好ましい。さらに微粒チタン酸アルミニウム系セラミックそのもの、或いは前記前駆体混合物を成形して前駆体成形物を得、得られた前駆体成形物を焼成することが好ましい。
【0015】
チタニア源とは、チタン酸アルミニウム系セラミックスを構成するチタン成分となりうる化合物であり、例えば酸化チタンが挙げられる。酸化チタンとしては、例えば酸化チタン(IV)、酸化チタン(III)、酸化チタン(II)などが挙げられ、酸化チタン(IV)が好ましく用いられる。酸化チタン(IV)の結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型などが挙げられ、アモルファスであってもよく、より好ましくはアナターゼ型、ルチル型である。
【0016】
チタニア源として、これを単独で空気中で焼成することによりチタニア(酸化チタン)に導かれる化合物の粉末も挙げられる。かかる化合物としては、例えばチタニウム塩、チタニウムアルコキシド、水酸化チタニウム、窒化チタン、硫化チタン、チタン金属などが挙げられる。
【0017】
チタニウム塩として具体的には、三塩化チタン、四塩化チタン、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)、硫酸チタン(IV)などが挙げられる。チタニウムアルコキシドとして具体的には、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)t−ブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシドおよびこれらのキレート化物などが挙げられる。
【0018】
チタニア源として好ましくは酸化チタンである。なおチタニア源は、原料由来或いは製造工程で混入する不可避不純物を含むものであってもよい。
【0019】
アルミナ源とは、チタン酸アルミニウム系セラミックスを構成するアルミニウム成分となる化合物であり、例えばアルミナ(酸化アルミニウム)の粉末が挙げられる。アルミナの結晶型としては、γ型、δ型、θ型、α型などが挙げられ、アモルファスであってもよい。アルミナとして好ましくはα型のアルミナである。
【0020】
アルミナ源として、単独で空気中で焼成することによりアルミナに導かれる化合物も挙げられる。かかる化合物としては、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、金属アルミニウムなどが挙げられる。
【0021】
アルミニウム塩は、無機酸との無機塩であってもよいし、有機酸との有機塩であってもよい。アルミニウム無機塩として具体的には、例えば硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム硝酸塩、炭酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム炭酸塩などが挙げられる。アルミニウム有機塩としては、例えば蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
【0022】
アルミニウムアルコキシドとして具体的には、例えばアルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムsec-ブトキシド、アルミニウムtert-ブトキシドなどが挙げられる。
【0023】
水酸化アルミニウムの結晶型としては、例えばギブサイト型、バイヤライト型、ノロソトランダイト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型などが挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。アモルファスの水酸化アルミニウムとしては、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシドなどのような水溶性アルミニウム化合物の水溶液を加水分解して得られるアルミニウム加水分解物も挙げられる。
【0024】
アルミナ源として、好ましくはアルミナである。なおアルミナ源は、原料由来或いは製造工程で混入する不可避不純物を含むものであってもよい。
【0025】
マグネシア源とは、チタン酸アルミニウム系セラミックスを構成するマグネシウム成分となる化合物であり、例えばマグネシア(酸化マグネシウム)の粉末が挙げられる。
【0026】
マグネシア源としては、単独で空気中で焼成することによりマグネシアに導かれる化合物も挙げられる。かかる化合物としては、例えばマグネシウム塩、マグネシウムアルコキシド、水酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、金属マグネシウムなどが挙げられる。
【0027】
マグネシウム塩として具体的には、塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムなどが挙げられる。
【0028】
マグネシウムアルコキシドとして具体的にはマグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシドなどが挙げられる。
【0029】
マグネシア源として、マグネシア源とアルミナ源とを兼ねた化合物を用いることもできる。このような化合物としては、例えばマグネシアスピネル(MgAl24)が挙げられる。なおマグネシア源は、原料由来或いは製造工程で混入する不可避不純物を含むものであってもよい。
【0030】
チタニア源およびアルミナ源、好ましくはさらにマグネシア源を用いる場合、通常は粉末状のものが用いられ、その使用量は、それぞれチタニア〔TiO2〕換算のチタニア源の使用量、アルミナ〔Al23〕換算のアルミナ源の使用量およびマグネシア〔MgO〕換算のマグネシア源の使用量の合計量100質量部あたり通常、チタニア換算のチタニア源の使用量が20質量部〜60質量部、アルミナ換算のアルミナ源の使用量が30質量部〜70質量部、マグネシア換算のマグネシア源の使用量が0.1質量部〜10質量部であり、好ましくはチタニア換算のチタニア源の使用量が30質量部〜50質量部、アルミナ換算のアルミナ源の使用量が40質量部〜60質量部、マグネシア換算のマグネシア源の使用量が0.5質量部〜5質量部である。
【0031】
チタニア源、アルミナ源および好ましくはマグネシア源の合計使用量は、微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスの使用量に対して通常0.1質量倍〜100質量倍、好ましくは0.1質量倍〜20質量倍、さらに好ましくは0.2質量倍〜10質量倍である。
【0032】
本発明の製造方法では、微細チタン酸アルミニウム系セラミックスをチタニア源、アルミナ源および好ましくはマグネシア源と混合して前駆体混合物を得るが、さらにシリカ源と混合してもよい。シリカ源と混合することにより、得られるチタン酸アルミニウム系セラミックスは機械的強度および耐熱性に優れたものとなる。
【0033】
シリカ源は、シリコン成分となってチタン酸アルミニウム系セラミックスに含まれ得る化合物であって、例えば二酸化ケイ素、一酸化ケイ素などの酸化ケイ素(シリカ)が挙げられる。
【0034】
シリカ源としては、単独で空気中で焼成することによりシリカに導かれる化合物の粉末も挙げられる。かかる化合物としては、例えばケイ酸、炭化ケイ素、窒化ケイ素、硫化ケイ素、四塩化ケイ素、酢酸ケイ素、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、ガラスフリットなどが挙げられ、好ましくは、工業的に入手が容易である点で、ガラスフリットなどである。
【0035】
シリカ源として、アルミナ源を兼ねた化合物を用いることもできる。このような化合物としては、例えば長石が挙げられる。
【0036】
シリカ源を用いる場合、通常は粉末状のものが用いられ、その使用量は、チタニア〔TiO2〕換算のチタニア源の使用量、アルミナ〔Al23〕換算のアルミナ源の使用量およびマグネシア〔MgO〕換算のマグネシア源の使用量の合計量100質量部の合計使用量100重量部に対して、シリカ〔SiO2〕換算の使用量で、通常0.1質量部〜20質量部、好ましくは0.5質量部〜10質量部、さらに好ましくは1質量部〜5質量部である。なおシリカ源は、原料由来或いは製造工程で混入する不可避不純物を含むものであってもよい。
【0037】
本発明の製造方法では、かかる微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスをチタニア源およびアルミナ源と混合し、好ましくはさらにマグネシア源やシリカ源とも混合して前駆体混合物を得ることが好ましい。混合は、乾式で行ってもよいし、湿式で行ってもよい。混合の順番は特に限定されるものではなく、微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスと、チタニア源およびアルミナ源、好ましくはさらにマグネシア源やシリカ源とを同時に混合してもよいし、チタニア源およびアルミナ源、好ましくはさらにマグネシア源やシリカ源を混合した混合物に、微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスを混合してもよい。
【0038】
乾式で混合するには、例えば微粒チタン酸アルミニウム系セラミックス、チタニア源およびアルミナ源、好ましくはさらにマグネシア源やシリカ源を溶媒中に分散させることなく混合すればよく、通常は、粉砕容器内で粉砕メディアと共に撹拌することにより、粉砕しながら混合する。
【0039】
粉砕容器としては通常、ステンレス鋼などの金属材料で構成されたものが用いられ、内表面がフッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などでコーティングされていてもよい。粉砕容器の内容積は、原料粉末および粉砕メディアの合計容積に対して通常1容量倍〜4容量倍、好ましくは1.2容量倍〜3容量倍である。
【0040】
粉砕メディアとしては、例えば直径1mm〜100mm、好ましくは5mm〜50mmのアルミナビーズ、ジルコニアビーズなどが挙げられる。粉砕メディアの使用量は、原料、すなわち微粒チタン酸アルミニウム系セラミックス、チタニア源およびアルミナ源、好ましくはさらにマグネシア源やシリカ源との合計使用量に対して通常1質量倍〜1000質量倍、好ましくは5質量倍〜100質量倍である。
【0041】
粉砕は、例えば粉砕容器内に原料および粉砕メディアを投入したのち、粉砕容器を振動させたり、回転させることにより行われる。粉砕容器を振動または回転させることにより、原料粉末が粉砕メディアと共に撹拌されて混合されると共に、粉砕される。粉砕容器を振動または回転させるためには、例えば振動ミル、ボールミル、遊星ミル、高速回転粉砕機などのピンミルなどのような通常の粉砕機を用いることができ、工業的規模での実施が容易である点で、振動ミルが好ましく用いられる。粉砕容器を振動させる場合、その振幅は通常2mm〜20mm、好ましくは12mm以下である。粉砕は、連続式で行ってもよいし、回分式で行ってもよいが、工業的規模での実施が容易である点で、連続式で行うことが好ましい。
【0042】
粉砕に要する時間は通常1分〜6時間、好ましくは1.5分〜2時間である。
【0043】
原料を乾式にて粉砕するにあたっては、粉砕助剤、解膠剤などの添加剤を加えてもよい。
【0044】
粉砕助剤としては、例えばメタノール、エタノールプロパノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類、トリエタノールアミンなどのアミン類、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸類、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素材料などが挙げられ、これらはそれぞれ単独または2種以上を組合わせて用いられる。
【0045】
添加剤を用いる場合、その合計使用量は、原料の合計使用量、すなわち微粒チタン酸アルミニウム系セラミックス、チタニア源およびアルミナ源、好ましくはさらにマグネシア源やシリカ源との合計使用量100質量部あたり通常0.1質量部〜10質量部、好ましくは0.5質量部〜5質量部、さらに好ましくは0.75質量部〜2質量部である。
【0046】
一方、湿式で混合するには、例えば、これらの原材料混合物を混合し、液体媒体中に分散させることで行うことができる。混合機としては通常の液体溶媒中で攪拌処理のみでもよいし、粉砕メディアの共存下に粉砕容器内で攪拌してもよい。
【0047】
粉砕容器としては通常、ステンレス鋼などの金属材料で構成されたものが用いられ、内表面がフッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などでコーティングされていてもよい。粉砕容器の内容積は、原材料混合物および粉砕メディアの合計容積に対して通常1容量倍〜4容量倍、好ましくは1.2容量倍〜3容量倍である。
【0048】
湿式混合に溶媒としては通常は水が用いられ、不純物が少ない点で、イオン交換水が好ましい。ただし、溶媒としてこれ以外にも例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類や、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類などの有機溶剤を用いることもできる。溶媒の使用量は、前記混合物量100質量部に対して通常20質量部〜1000質量部、好ましくは30質量部〜300質量部である。
【0049】
粉砕メディアとしては、例えば直径1mm〜100mm、好ましくは5mm〜50mmのアルミナボール、ジルコニアボールなどが挙げられる。粉砕メディアの使用量は、原材料混合物の使用量に対して通常1質量倍〜1000質量倍、好ましくは5質量倍〜100質量倍である。
【0050】
原材料混合物を湿式にて粉砕するにあたっては粉砕助剤を添加してもよく、粉砕は、例えば粉砕容器内に原材料混合物および粉砕メディアを投入したのち、粉砕容器を振動させたり、回転させたり、或いはその両方により行われる。粉砕容器を振動または回転させることにより、原材料混合物が粉砕メディアと共に撹拌されて混合されると共に、粉砕される。粉砕容器を振動または回転させるためには、例えば振動ミル、ボールミル、遊星ミルなどのような通常の粉砕機を用いることができ、工業的規模での実施が容易である点で、振動ミルが好ましく用いられる。粉砕容器を振動させる場合、その振幅は通常2mm〜20mm、好ましくは12mm以下である。粉砕は、連続式で行ってもよいし、回分式で行ってもよいが、工業的規模での実施が容易である点で、連続式で行うことが好ましい。
【0051】
湿式で混合するに際して溶媒には分散剤を添加してもよい。分散剤としては、例えば硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸、シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。分散剤を使用する場合、その使用量は溶媒100質量部あたり通常0.1質量部〜20質量部、好ましくは0.2質量部〜10質量部である。
【0052】
混合後、溶媒を除去することにより、均一に混合された前記混合物を得ることができる。溶媒の除去は通常、溶媒を留去することにより行われる。
【0053】
溶媒を除去するにあたり、室温にて風乾してもよいし、真空乾燥してもよいし、加熱乾燥をしてもよい。乾燥方法は静置乾燥でもよいし、流動乾燥でもよい。加熱乾燥をする際の温度は特に規定しないが、通常50℃以上250℃以下である。加熱乾燥に用いられる機器として、例えば棚段乾燥機、スラリードライヤー、スプレードライヤーなどが挙げられる。
【0054】
なお、湿式で混合するにあたり、用いたアルミナ源等の種類によっては溶媒に溶解することもあるが、溶媒に溶解したアルミナ源等は溶媒留去により、再び固形分となって析出する。
【0055】
このようにして微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスをチタニア源およびアルミナ源、好ましくはさらにマグネシア源やシリカ源と混合することにより前駆体混合物を得るが、この前駆体混合物は、焼成されることによりチタン酸アルミニウム系セラミックスに導かれるものである。チタニア源、アルミナ源、マグネシア源およびシリカ源は通常、粉末状で前駆体混合物中に含まれる。
【0056】
若しくは粉末状の前記前駆体混合物を成形して前駆体成形物としてから焼成してもよい。成形体としてから焼成を行うことで、チタン酸アルミニウムの生成を促進することができる。成形に用いる成形機としては、一軸押出成形機、一軸プレス機、打錠機、造粒機などが挙げられる。
【0057】
一軸押出成形機を用いる際には、前駆体混合物に造孔剤、バインダー、潤滑剤や可塑剤、分散剤、溶媒などを添加し、成形することができる。
【0058】
造孔剤としては、例えばグラファイトなどの炭素材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチルなどの樹脂類、でんぷん、ナッツ殻、くるみ殻、コーンなどの植物系材料、氷またはドライアイスなどが挙げられる。
バインダーとしては、例えばメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類、ポリビニルアルコールなどのアルコール類、リグニンスルホン酸塩などの塩、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどのワックス、EVA、ポリエチレン、ポリスチレン、液晶ポリマー、エンジニアリングプラスチックなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。なお、物質によっては造孔剤とバインダーの両方の役割を兼ねるものも存在する。成形時は粒子同士を接着して成形体を保形させることができ、その後の焼成時にそれ自身が燃焼して空孔を形成させることができる物質が該当し、具体的にはポリエチレンなどを挙げることができる。
【0059】
潤滑剤としては、例えば、グリセリンなどのアルコール系潤滑剤、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラギン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸アルミニウムなどのステアリン酸金属塩などが挙げられる。かかる潤滑剤は、通常可塑剤としても機能する。
【0060】
溶媒は、通常イオン交換水の他、メタノール、エタノールなどのアルコール類が用いられる。
【0061】
前駆体混合物を焼成する際の焼成温度は通常1300℃以上、好ましくは1400℃以上であり、得られるチタン酸アルミニウム系セラミックスが解砕し易いものである点で、通常1600℃以下、好ましくは1550℃以下である。焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではなく、通常は1℃/時間〜500℃/時間である。均一性を向上させるために、焼成過程で同一温度にて保持をしてもよい。
【0062】
焼成は通常、大気中で行われるが、用いる原料粉末、すなわちチタニア源およびアルミナ源、好ましくはさらにマグネシア源やシリカ源の種類や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成してもよい。また雰囲気中の水蒸気分圧を低くして焼成してもよい。
【0063】
焼成は通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行われる。焼成は回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよい。また静置式で行ってもよいし、流動式で行ってもよい。
【0064】
焼成に要する時間は、前駆体混合物がチタン酸アルミニウム系セラミックスに遷移するに十分な時間であればよく、前駆体混合物の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、通常は10分〜24時間である。
【0065】
かくして焼成物として目的のチタン酸アルミニウム系セラミックスを得ることができる。焼成物は、通常塊状で得られる。
【0066】
本発明の製造方法で得られる焼成されたチタン酸アルミニウム系セラミックスは、BET比表面積が0.4m/g以下という小さなBET比表面積を持つ。ここにいうBET比表面積とは、BET1点測定法により求めた比表面積のことである。BET比表面積が小さいセラミックスでは、該セラミックス中のメソ孔容量が少なくなるため、セラミックス自体の強度向上や該セラミックスを用いた成形体を焼成する際における熱処理前後での収縮率の改善などが期待できる。なお得られたチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体は、原料由来或いは製造工程で混入する不可避不純物を含むものであってもよい。
【0067】
さらに、塊状の前記チタン酸アルミニウム系セラミックスの焼成物を解砕することにより、チタン酸アルミニウム系セラミックス粉末を得ることもできる。解砕は、例えば手解砕、乳鉢、ボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体撹拌ミル、ピンミル、ジェットミル、ハンマーミル、ロールミルなどの通常の解砕機を用いて行うことができる。解砕により得られたチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末は、通常の方法で分級してもよい。
【0068】
かくして得られたチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末には、解砕の際に生じた微粒分が含まれるが、これを篩い分けなどの方法により分級して微粒分を除去することができる。さらに、水などの液体を加えて粘土状としたのち、押出機からダイを通じて押し出して成形する押出成形法などの通常の方法で成形することもできる。
【0069】
かくして得られたチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末は、細孔容量が3.0×10−3cm/g以下と小さいものである。ここにいう細孔容量とは通常の水銀圧入法で測定した細孔容量のことをいう。細孔容量が小さいセラミックス粉末であれば、該粉末を用いた成形体を焼成する際に、熱処理前後での収縮率の改善などが期待できる。なお、得られたチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末は、原料由来或いは製造工程から混入する不可避不純物を含むものであってもよい。
【0070】
本発明の製造方法にて得られるチタン酸アルミニウム系セラミックスの用途としては、例えばルツボ、セッター、コウ鉢、炉材などの焼成炉用冶具、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンなどの内燃機関の排気ガス浄化に用いられるフィルターや触媒担体、発電装置の部品、基板、コンデンサーなどの電子部品などとして好適に用いることができる。
【実施例】
【0071】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。
【0072】
なお、各実施例で得たチタン酸アルミニウム系セラミックスのチタン酸アルミニウム化率〔AT化率〕は、粉末X線回折スペクトルにおける2θ=27.4°の位置に現れるピーク〔チタニア・ルチル相(110)面に対応する〕の積分強度(IT)と、2θ=33.7°の位置に現れるピーク〔チタン酸アルミニウム相(230)面およびチタン酸アルミニウムマグネシウム相(230)面に対応する〕の積分強度〔IAT〕とから、式(1)により算出した。
AT化率(%)=100×IAT/(IAT +IT)・・・(1)
【0073】
チタン酸アルミニウム系セラミックスの形状は、走査型電子顕微鏡〔SEM〕により観察した。中心粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置〔日機装(株)製「MicrotracHRA(X−100)」〕により質量基準で累積百分率50%相当粒子径(D50)として求めた。このとき同時に質量基準で累積百分率90%相当粒子径(D90)を求めた。
【0074】
実施例1
微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスとして、チタン酸アルミニウムマグネシウムを解砕し、目開き33μmの篩を通過させて、最大粒子径33μm、中心粒子径(D50)16.3μm、累積百分率90%相当粒子径(D90)29.1μmのチタン酸アルミニウムマグネシウム粉末〔組成はTiO239質量%、Al2356質量%、MgO1.4質量%〕5gを得た。このチタン酸アルミニウムマグネシウム粉末を、酸化チタン(IV)粉末〔デュポン(株)、「R−900」〕17.6g、αアルミナ粉末〔住友化学(株)製、「AES−12」〕24.3g、炭酸マグネシウム粉末〔神島化学(株)、「金星」〕1.4g、粉末状長石〔特殊精礦(株)より入手した大平長石、型番「SS−300」、SiO2換算のシリコン含有量は67.1質量%、Al23換算のアルミニウム含有量は18.1質量%〕1.6gおよびアルミナビーズ〔直径15mm〕5kgと共にアルミナ製粉砕容器〔内容積3.3L〕に投入した。これら微粒チタン酸アルミニウムマグネシウム、酸化チタン粉末、αアルミナ粉末および長石の混合物の合計容積は約50cm3であった。その後、粉砕容器を振動ミルにより振幅5.4mm、振動数1760回/分、動力5.4kWにて2分間振動させることにより粉砕容器内の混合物を粉砕しながら混合し、前駆体混合物を得た。
【0075】
この前駆体混合物のうち5gをアルミナ製ルツボに入れ、大気中、箱型電気炉により昇温速度300℃/時間で1450℃まで昇温し、同温度を4時間保持することにより焼成した。その後、室温まで放冷して、焼成物を得た。この焼成物を乳鉢にて解砕して粉末を得た。粉末X線回折法により、前記粉末のX線回折スペクトルを得たところ、チタン酸アルミニウム系セラミックスの結晶ピークを示した。この粉末のAT化率を求めたところ、100%であった。また、この粉末の形状をSEMにて観察したところ、粉末を構成する粒子の殆どが概ね球形であった。
【0076】
実施例2
微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスとして、チタン酸アルミニウムを解砕し、目開き33μmの篩を通過させて、最大粒子径33μm、中心粒子径(D50)16.3μm、累積百分率90%相当粒子径(D90)29.1μmのチタン酸アルミニウム粉末〔組成はTiO239質量%、Al56質量%、MgO1.4質量%〕2000gを得た。この微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスを、酸化チタン粉末〔デュポン(株)、「R−900」〕3193g、αアルミナ粉末〔一次粒子径4μm、二次粒子径80μm〕4393g、マグネシア粉末〔宇部マテリアル(株)、「UC−95M」〕124gおよび粉末状長石〔特殊精礦(株)より入手した大平長石、型番「SS−300」〕291gを、アルミナビーズ〔直径15mm〕80kgと共にアルミナ製粉砕容器〔内容積50L〕に投入した。これら酸化チタン粉末、αアルミナ粉末および長石の混合物の合計容積は約10000cm3であった。その後、容器を振動ミルにより振幅10mm、振動数1200回/分、動力5.5kWにて30分間振動させることにより粉砕容器内の混合物を粉砕し、前駆体混合物を得た。この前駆体混合物のうち5gをアルミナ製ルツボに入れ、大気中、箱型電気炉により昇温速度300℃/時間で1500℃まで昇温し、同温度を4時間保持することにより焼成した。その後、室温まで放冷して、焼成物を得た。得られた焼成物のBET比表面積は0.29m/gであった。この焼成物を解砕してチタン酸アルミニウム粉末を得た。得られたチタン酸アルミニウム粉末の細孔容量の値は2.9×10−3cm/gであった。前記粉末のX線回折スペクトルを得たところ、チタン酸アルミニウムマグネシウムの結晶ピークを示した。
【0077】
比較例1
酸化チタン粉末〔デュポン(株)、「R−900」〕3991g、αアルミナ粉末〔一次粒子径4μm、二次粒子径80μm〕5491g、マグネシア粉末〔宇部マテリアル(株)、「UC−95M」〕154gおよび粉末状長石〔特殊精礦(株)より入手した大平長石、型番「SS−300」〕364gを、アルミナビーズ〔直径15mm〕80kgと共にアルミナ製粉砕容器〔内容積50L〕に投入した。これら酸化チタン粉末、αアルミナ粉末および長石の混合物の合計容積は約10000cm3であった。その後、容器を振動ミルにより振幅10mm、振動数1200回/分、動力5.5kWにて30分間振動させることにより粉砕容器内の混合物を粉砕し、前駆体混合物を得た。この前駆体混合物のうち5gをアルミナ製ルツボに入れ、大気中、箱型電気炉により昇温速度300℃/時間で1500℃まで昇温し、同温度を4時間保持することにより焼成した。その後、室温まで放冷して、焼成物を得た。得られた焼成物のBET比表面積は0.38m/gであった。この焼成物を解砕してチタン酸アルミニウム粉末を得た。得られたチタン酸アルミニウム粉末の細孔容量の値は3.3×10−3cm/gであった。粉末X線回折法により、前記粉末のX線回折スペクトルを得たところ、チタン酸アルミニウムマグネシウムの結晶ピークを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスを焼成することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項2】
前記微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスを成形して前駆体成形物を得、得られた前駆体成形物を焼成することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項3】
微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスをチタニア源およびアルミナ源と混合して前駆体混合物を得、得られた前駆体混合物を焼成することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項4】
微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスをチタニア源およびアルミナ源と混合して前駆体混合物を得、得られた前駆体混合物を成形して前駆体成形物を得、得られた前駆体成形物を焼成することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項5】
微粒チタン酸アルミニウム系セラミックスをチタニア源、アルミナ源粉末およびマグネシア源と混合して前駆体混合物を得る請求項3または4に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項6】
微粒チタン酸アルミニウム粉末をチタニア源、アルミナ源粉末、マグネシア源およびシリカ源と混合して前駆体混合物を得る請求項3または4に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項7】
前記シリカ源粉末が、長石またはガラスフリットである請求項6に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項8】
前記微粒チタン酸アルミニウム粉末の最大粒径が40μm以下である請求項1〜7いずれかの項に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項9】
前記微粒チタン酸アルミニウム粉末が、マグネシアおよび/またはシリカを含む請求項1〜8いずれかの項に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項10】
前記微粒チタン酸アルミニウムが、粒度分布のD50の値が20μm以下、かつD90の値が40μm以下のチタン酸アルミニウムであることを特徴とする請求項1〜9いずれかの項に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項11】
BET比表面積が0.4m/g以下であるチタン酸アルミニウム系セラミックス。
【請求項12】
請求項1〜10いずれかの項に記載の製造方法によりチタン酸アルミニウム系セラミックスを得、得られたチタン酸アルミニウム系セラミックス、または請求項11記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスを解砕することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末の製造方法。
【請求項13】
細孔容量が3.0×10−3cm/g以下であるチタン酸アルミニウム粉末。

【公開番号】特開2012−162455(P2012−162455A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−102985(P2012−102985)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【分割の表示】特願2008−282777(P2008−282777)の分割
【原出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】