説明

チャネル推定及び時間トラッキングに関するスタッガードパイロット送信

【課題】受信エンティティがオーバーヘッドを制限しながらより長いチャネル推定値を導き出すことを可能にする。
【解決手段】送信エンティティは、異なる時間間隔において異なるサブバンドグループでパイロットを送信する。システム内のNのサブバンドは、Mの互いに重なり合わないグループ内に配列される。前記送信エンティティは、各時間間隔において異なるサブバンドグループで前記パイロットを送信し、パイロットスタッガリングパターンに基づいてMの時間間隔でMの全サブバンドグループを選択する。受信エンティティは、1つのサブバンドグループで受信された前記パイロットに基づいてPのチャネルタップを有する最初のインパルス応答推定値を導き出し、データ検出および時間トラッキングに関して用いられる異なる長さの2つのより長いインパルス応答推定値を導き出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、本明細書において参照されることによって全体が本明細書に組み入れられている米国仮特許出願一連番号 60/568,324(出願日: 2004年5月4日) に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般的には、データ通信に関するものである。本発明は、より具体的には、多搬送波通信システムにおけるパイロット送信、チャネル推定、及び時間トラッキングに関するものである。
【背景技術】
【0003】
直交周波数分割多重(OFDM)は、システム全体の帯域幅を複数の直交周波数サブバンドに有効に分割する多搬送波変調技術である。これらのサブバンドは、トーン、副搬送波、ビン、及び周波数チャネルとも呼ばれる。OFDMにおいては、各サブバンドは、データを用いて変調することができる各々の副搬送波と関連づけられる。
【0004】
OFDMシステムにおいては、送信エンティティは、データを処理して変調シンボルを入手し、該変調シンボルに関するOFDM変調をさらに行ってOFDMシンボルを生成する。次に、送信エンティティは、前記OFDMシンボルのコンディショニングを行い、通信チャネルを介して送信する。受信エンティティは、典型的には、送信エンティティによって送信されたデータを復元するために相対的に正確なシンボルタイミングを得る必要がある。受信エンティティは、各OFDMシンボルが送信エンティティによって送信される時点及び通信チャネルによって導入される伝播遅延を知らないことがしばしばある。従って、受信エンティティは、受信されたOFDMシンボルに関する補完的OFDM復調を適切に行うために、通信チャネルを介して受信された各OFDMシンボルのタイミングを確認することが必要になる。さらに、受信エンティティは、送信エンティティによって送信された変調シンボルの適切な推定値を得るためのデータ検出を行うために通信チャネルの応答の適切な推定値も必要である。
【0005】
送信エンティティは、チャネル推定及び時間トラッキングをサポートするためにシステム資源を費やし、受信エンティティもこれらのタスクを実行するために資源を消費する。チャネル推定及び時間トラッキングのために送信エンティティ及び受信エンティティによって使用される資源はオーバーヘッドになる。従って、送信エンティティ及び受信エンティティの両方がこれらのタスクに関して消費する資源量を最小にすることが望ましい。
【0006】
従って、OFDMシステムにおけるチャネル推定及び時間トラッキングを効率的にサポートする技術が必要である。
【発明の概要】
【0007】
本明細書においては、多搬送波(OFDM、等)通信システムにおいて「スタッガード」(staggered)パイロット送信、チャネル推定、及び時間トラッキングを行う技術が説明される。パイロット送信のために費やされる資源量を制限しつつより受信エンティティがより長いチャネル推定値を導き出すことを許容するため、送信エンティティは、異なる時間間隔(例えば異なるシンボル時間)において異なるサブバンドグループでパイロットを送信することができる。システム内のNのサブバンドは、Mの互いに重なり合わないグループ内に配置することができる。各グループは、Nのサブバンド全体に渡って配分されるP−N/Mのサブバンドを含む。送信エンティティは、各時間間隔において異なるサブバンドグループでパイロットを送信することができる。送信エンティティは、パイロットスタッガリング(staggering)パターンに基づいてMの時間間隔においてMの全サブバンドグループを選択することができる。代替として、送信エンティティは、Mのサブバンドグループの多く又はほとんどを異なる時間間隔において使用することができるため、システム内での送信に関して使用可能な全サブバンドのうちの実質的な数が異なる時間間隔でのパイロット送信に関して使用される。該実質的なサブバンド数は、例えば、すべての使用可能なサブバンド、使用可能なサブバンドの3/4、使用可能なサブバンドの少なくとも1/2、又は使用可能なサブバンドのうちのその他の何らかの有意な割合であることができる。受信エンティティは、1つのサブバンドグループで受信されたパイロットに基づいてPのチャネルタップを有する最初のインパルス応答推定値を導き出すことができる。受信エンティティは、後述されるように、十分な数の異なるサブバンドグループに関して得られた最初のインパルス応答推定値をフィルタリングすることによって(最大でNのチャネルタップを有する)より長いインパルス応答推定値を導き出すことができる。
【0008】
受信エンティティは、2つの異なる長さL及びLを有する2個のより長いインパルス応答推定値を導き出すことができ、これらの推定値はデータ検出/復号及び時間トラッキングのためにそれぞれ使用することができる。ここで、L=S・P及びL=S・Pである。各々のより長いインパルス応答推定値は、S以上の異なるサブバンドグループに関して得られたS以上の最初のインパルス応答推定値をフィルタリングする異なる時間領域フィルタに基づいて導き出すことができ、ここで、SはS又はSである。各々のより長いインパルス応答推定値に関して、第1のPのチャネルタップは「主チャネル」に関するものであり、残りのチャネルタップは「余剰チャネル」に関するものである。各時間領域フィルタに関する係数は、様々な基準に基づいて選択することができる。例えば、主チャネルに関する係数は、(1)余剰チャネルを無効にする、(2)主チャネルの時間的変動を抑止する、(3)主チャネルのバイアスなし推定値を提供する、等のために選択することができる。フィルタリングに関する詳細が以下において説明される。さらに、本発明の様々な側面及び実施形態も以下においてさらに詳細に説明される。
【0009】
本発明の特長及び性質は、下記の詳細な説明と図面を併用することでさらに明確になる。同一のものについては図面全体に渡って同一の参照符号を付けることとする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】送信エンティティ及び受信エンティティのブロック図である。
【図2】インターレースサブバンド構造を示した図である。
【図3】1つのインターレースに関するインパルス応答推定値を示した図である。
【図4A】3つの異なるパイロットスタッガリングパターンを示した図である。
【図4B】3つの異なるパイロットスタッガリングパターンを示した図である。
【図4C】3つの異なるパイロットスタッガリングパターンを示した図である。
【図5】データ検出に関して用いられるチャネル推定値を導き出すプロセスを示した図である。
【図6A】タイミングの不確実性に起因するチャネルインパルス応答推定値のあいまいさを示した図である。
【図6B】タイミングの不確実性に起因するチャネルインパルス応答推定値のあいまいさを示した図である。
【図7】時間トラッキングを行うプロセスを示した図である。
【図8】チャネル推定器及び時間トラッキング装置を示した図である。
【図9】より長いインパルス応答推定値を導き出すためのフィルタを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書における「典型的」という表現は、「1つの例、事例、又は実例」であることを意味する。本明細書において「典型的実施形態」として記述されているいずれの実施形態も及びいずれの設計も、その他の実施形態及び設計よりも優先されるか又は有利であることを必ずしも意味するわけではない。
【0012】
図1は、OFDMシステム100における送信エンティティ110及び受信エンティティ150のブロック図である。送信エンティティ110は、基地局又は無線装置であることができ、受信エンティティ150も基地局又は無線装置であることができる。基地局は、一般的には固定局であり、基地局トランシーバシステム(BTS)、アクセスポイント、又はその他の何らかの用語で呼ばれることもある。無線装置は、固定型又は移動型のいずれでもよく、ユーザー端末、移動局、又はその他の何らかの用語で呼ばれることもある。
【0013】
送信エンティティ110においては、送信(TX)データ・パイロットプロセッ120は、異なる型のデータ(例えば、トラフィック/パケットデータ及びオーバーヘッド/制御データ)を受け取り、該データを処理(例えば、符号化、インターリービング、及びシンボルマッピング)してデータシンボルを生成する。本明細書において用いられる「データシンボル」は、データに関する変調シンボルであり、「パイロットシンボル」は、(送信エンティティ及び受信エンティティの両方によって事前に知られているデータである)パイロットに関する変調シンボルであり、変調シンボルは、変調方式(M−PSK、M−QAM、等)に関する信号配置内の1つの点に関する複素値である。プロセッサ120は、データシンボル及びパイロットシンボルをOFDM変調器130に提供する。
【0014】
OFDM変調器130は、データシンボル及びパイロットシンボルを適切なサブバンドに多重化し、これらの多重化されたシンボルに関するOFDM変調をさらに行ってOFDMシンボルを生成する。各シンボル時間に関して、OFDM変調器130は、Nの全サブバンドに関するNの多重化シンボルに対してNポイント逆高速フーリエ変換(IFFT)を行い、Nの時間領域サンプルを含む「変換された」シンボルを得る。各サンプルは、1つのサンプル時間において送信される複素値である。次に、OFDM変調器130は、各変換されたシンボルの一部分を繰り返し、N+Cのサンプルを含むOFDMシンボルを形成する。ここで、Cは、繰り返されるサンプル数である。繰り返された部分は、サイクリックプリフィックスとしばしば呼ばれ、周波数選択性フェージングに起因するシンボル間干渉(ISI)に対処するために使用される。OFDMシンボル時間(又は単純にシンボル時間)は1つのOFDMシンボルの継続時間であり、N+Cのサンプル時間に等しい。OFDM変調器130は、OFDMシンボルストリームを送信装置(TMTR)132に提供する。送信装置132は、OFDMシンボルストリームを処理(例えば、アナログへの変換、増幅、フィルタリング、及び周波数アップコンバージョン)して変調された信号を生成し、該変調された信号がアンテナ134から送信される。
【0015】
受信エンティティ150においては、送信エンティティ110から送信された信号がアンテナ152によって受信され、受信装置(RCVR)154に提供される。受信装置154は、受信信号を処理(例えば、フィルタリング、増幅、周波数ダウンコンバージョン、及びデジタル化)して入力サンプルストリームを提供する。OFDM復調器(Demod)160は、入力サンプルに関するOFDM復調を行い、受信されたデータシンボル及びパイロットシンボルを提供する。検出器170は、チャネル推定器172からのチャネル推定値を用いて受信データシンボルに関するデータ検出(例えば、等化又はマッチングされたフィルタリング)を行い、送信エンティティ110によって送信されたデータシンボルの推定値である検出されたデータシンボルを提供する。受信(RX)データプロセッサ180は、検出されたデータシンボルを処理(例えば、シンボルデマッピング、デインターリービング、及び復号)し、復号されたデータを提供する。一般的には、OFDM復調器160及びRXデータプロセッサ180による処理は、送信エンティティ110におけるOFDM変調器130及びTXデータ・パイロットプロセッサ120によるそれぞれの処理を補完するものである。
【0016】
チャネル推定器172は、OFDM復調器160からの受信パイロットシンボルに基づいてインパルス応答推定値を導き出し、検出器170によって用いられる周波数応答推定値をさらに導き出す。同期化装置162は、時間トラッキングを行い、チャネル推定器172からのインパルス応答推定値に基づいてシンボルタイミングを決定する。OFDM復調器160は、装置162からのシンボルタイミングに基づいてOFDM復調を行う。
【0017】
コントローラ140及び190は、送信エンティティ110及び受信エンティティ150における動作をそれぞれ指示する。メモリ装置142及び192は、コントローラ140及び190によって用いられるプログラムコード及びデータの格納場所を提供する。
【0018】
システム100では様々な方法でデータ及びパイロットを送信することができる。例えば、データ及びパイロットは、(1)周波数分割多重(FDM)を用いて同じシンボル時間に同時に送信すること、(2)時分割多重(TDM)を用いて異なるシンボル時間に順次送信すること、又は(3)FDMとTDMの組合せを用いて送信することができる。Nの全サブバンドもデータ及びパイロットの送信に関して様々な方法で使用することができる。典型的なデータ/パイロット送信方式が以下において説明される。
【0019】
図2は、システム100におけるデータ及びパイロットの送信に関して使用することができるインターレースサブバンド構造200を示した図である。システム100は、全体でBW MHzのシステム帯域幅を有しており、OFDMを用いてNの直交周波数サブバンドに分割される。各サブバンドは、BW/N MHzの帯域幅を有する。Nの全サブバンドのうちのUのサブバンドのみをデータ及びパイロットの送信に使用し、残りのG=N−Uのサブバンドは使用せずガードサブバンドとしての役割を果たすようにすることができる。ここで、U≦Nである。一具体例として、システム100は、合計N=4096の全サブバンド、U=4000の使用可能サブバンド、及びG=96のガードサブバンドを有するOFDM構造を利用することができる。説明を単純化するため、以下の説明は、Nのすべてのサブバンドをデータ及びパイロットの送信に関して使用できると仮定している。これらのNのサブバンドは、k=1 ...Nのインデックスが割り当てられる。
【0020】
Nの全サブバンドは、Mの「インターレース」内又は互いに分離されたサブバンドグループ内に配列させることができる。Nの全サブバンドの各々は1つのインターレース内のみに存在するという点で、Mのインターレースは互いに分離されている又は重なり合わない。各インターレースはPのサブバンドを含み、ここでP・M=Nである。Mのインターレースは、m=1...Mのインデックスが与えられ、各インターレースにおけるPのサブバンドは、p=1...Pのインデックスが与えられる。
【0021】
各インターレースに関するPのサブバンドは、Nの全サブバンドにおいて一様に配分されるため、該インターレースにおける連続するサブバンドは、Mのサブバンドだけ間隔をあけて配置される。各インターレースmは、以下のkのインデックスを有するPのサブバンドを含むことができ、ここでm=1...Mである。
【数1】

【0022】
図2に示されるように、インターレース1は、k=1、M+1、2M+1、等のインデックスを有するサブバンドを含み、インターレース2は、k=2、M+2、2M+2、等のインデックスを有するサブバンドを含み、インターレースMは、k=M、2M、3M、等のインデックスを有するサブバンドを含む。従って、各インターレースにおけるPのサブバンドは、その他のM−1のインターレースの各々におけるPのサブバンドがインターレースされる。さらに、各インターレースは、該インターレースにおける第1のサブバンドのインデックスkに相当するスタッガリング位相mとさらに関連づけられる。
【0023】
一般的には、システム100は、あらゆる数の全サブバンド、使用可能サブバンド、及びガードサブバンドを有するOFDM構造を利用することが可能である。さらに、あらゆる数のインターレースを形成させることができる。各インターレースは、あらゆる数のサブバンド及びNの全サブバンドのいずれか1つを含むことができる。各インターレースは、同じ数又は異なる数のサブバンドを含むことができる。説明を明確化するため、以下の説明は、図2に示されていてMのインターレースを有しさらに各インターレースにはPの一様に配分されたサブバンドを含むインターレースサブバンド構造を対象としている。このインターレースサブバンド構造は、幾つかの利点を提供する。第1に、各インターレースはシステム帯域幅全体からのサブバンドを含むため、周波数ダイバーシティが達成される。第2に、受信エンティティは、全NポイントFFTの代わりに部分的PポイントFFTを行うことによって所定のインターレースで送信されたデータ/パイロットシンボルを復元することができ、受信エンティティにおける処理を単純化することが可能である。
【0024】
OFDMシステム100における送信エンティティ110と受信エンティティ150との間の通信チャネルは、時間領域チャネルインパルス応答又は対応する周波数領域チャネル周波数応答が特徴である。本明細書において使用されておりさらに従来の用語とも一致する「チャネルインパルス応答」又は「インパルス応答」は、チャネルの時間領域応答であり、「チャネル周波数応答」又は「周波数応答」は、チャネルの周波数領域応答である。データがサンプリングされるシステムにおいては、チャネル周波数応答は、チャネルインパルス応答の離散フーリエ変換(DFT)である。この関係は、以下のように行列形で表すことができる。
【数2】

【0025】
ここで、
hN×1は、通信チャネルのインパルス応答に関するN×1ベクトルである。
【0026】
HN×1は、通信チャネルの周波数応答に関するN×1ベクトルである。
【0027】
WN×Nは、N×Nフーリエ行列である。
【0028】
"H"は、共役転置を表す。
【0029】
フーリエ行列WN×Nは、(l, n)番目のエントリWNl,nが次式のようになるように定義される。
【数3】

【0030】
ここで、lはローインデックスであり、nはカラムインデックスである。
【0031】
チャネルインパルス応答hN×1は、Nのチャネルタップを具備し、各チャネルタップhlは、特定のタップ遅延lにおけるゼロ又はゼロ以外の複素利得値によって定義される。チャネル周波数応答HN×1は、Nの全サブバンドに関するNのチャネル利得を具備し、各チャネル利得Hkは、特定のサブバンドkに関する複素利得値である。
【0032】
インターレースmにおいてPのサブバンドでパイロットシンボルが送信された場合は、このインターレースに関する受信されたパイロットシンボルは次式のように表すことができる。
【数4】

【0033】
ここで、
Xmは、インターレースmにおいてPのサブバンドで送信されたPのパイロットシンボルを有するP×1ベクトルである。
【0034】
Ymは、インターレースmにおけるPのサブバンドに関して受信エンティティによって得られたPの受信パイロットシンボルを有するP×1ベクトルである。
【0035】
Hmは、インターレースmに関する実際のチャネル周波数応答に関するP×1ベクトルである。
【0036】
Nmは、インターレースmにおけるPのサブバンドに関するP×1雑音ベクトルである。
【0037】
"o"は、アダマール積を表し、各要素ごとの積である。Ymのi番目の要素は、XmHmのi番目の要素の積である。
【0038】
ベクトルHmは、インターレースmにおけるPのサブバンドに関するベクトルHN×1のPのエントリのみを含む。説明を単純化するため、雑音Nmは、ゼロ平均及びσの分散を有する加法的白色ガウス雑音(AWGN)であると仮定されている。
【0039】
インターレースmに関する第1の周波数応答推定値は次式によって得ることができる。
【数5】

【0040】
ここで、
Ym/Xm = [ym,1/pm,1 … ym,p/pm,p]であり、ym,l及びpm,lはそれぞれ、インターレースmにおけるi番目のサブバンドに関する受信及び送信されたパイロットシンボルである。
【数6】

【0041】
は、インターレースmに関する第1の周波数応答推定値に関するP×1ベクトルである。 H^mは、インターレースmにおけるPのサブバンドに関するPのチャネル利得推定値を含み、これらの推定値は、式(5)に示されるように、受信されたパイロットシンボルと送信されたパイロットシンボルのPの要素比に基づいて得ることができる。インターレースmが受信されたパイロットシンボルを有さない未使用サブバンドを含む場合は、これらの未使用サブバンドに関するチャネル利得を推定するために外挿、内挿、及び/又はその他の何らかの技術を用いることができる。
【0042】
インターレースmを用いるPタップインパルス応答推定値は、次式のように、第1の周波数応答推定値H^mに関してPポイントIFFTを行うことによって得ることができる。
【数7】

【0043】
ここで、
h^mは、インターレースmに関するインパルス応答推定値に関するP×1ベクトルである。
【0044】
Wp×pは、式(3)に示されるように定義された要素を有するP×Pフーリエ行列である。
【0045】
Wmは、p番目の対角要素に関するWN−m,pを含むP×P対角行列であり、p = 1 … Pで、その他の場合は0である。ここで、
【数8】

【0046】
ベクトルWHp×pH^mのPの要素内のチャネル成分は、hm,p = hp・WNm,pとして表すことができる位相ランプを含み、ここで、p = 1 … Pである。該位相ランプの傾きは、インターレースmのスタッガリング位相によって決定される。該位相ランプは、WHp×pH^m の各要素にWN−m,pを乗じてh^mの対応要素を得ることによって除去することができる。h^mのPの要素は次式のように表すことができる。
【0047】
hp = hm,p・WN−m,p ここで、p = 1 … P
h^mはPのチャネルタップを含み、インターレースmにおけるPのサブバンドに関するPのチャネル利得推定値が入ったH^mに基づいて得られる。実際のチャネルインパルス応答hN×1は、Nのチャネルタップを具備するため、最初のインパルス応答推定値h^mは、インターレースmのPのサブバンドによって周波数領域においてアンダーサンプリングされる。周波数領域におけるこのアンダーサンプリングは、時間領域においてチャネルインパルス応答hN×1のエイリアシングを引き起こす。最初のインパルス応答推定値h^mは、次式のように表すことができる。
【数9】

【0048】
ここで、
hN×1 = [h1T h2ThTM]Tは、全長の実際のチャネルインパルス応答である。
【0049】
hsは、s = 1 … Mであり、(s−1)・P+1乃至s・Pのタップインデックスを有するhN×1内にPのチャネルタップを含むP×1ベクトルである。
【0050】
nは、最初のインパルス応答推定値h^mに関する雑音のP×1ベクトルである。
【数10】

【0051】
"T"は、転置を表す。
【0052】
スタッガリング位相mに対応する「エイリアシングパターン」は、{WMs,m}として定義することができ、ここでs = 1 …Mであり、式(7)に関して用いられる係数を含む。全長の実際のチャネルインパルス応答hN×1は、Mのセグメントを具備する。各セグメントsは、hN×1内にPの連続するチャネルタップを含み、ベクトルhsによって表される。式(7)は、周波数領域においてアンダーサンプリング時にMのセグメントがエイリアシングして結合することを示しており、結合係数はエイリアシングパターンによって与えられる。
【0053】
図3は、1つのインターレースにおけるPのサブバンドで受信されたパイロットシンボルに基づいて得られるインパルス応答推定値300を示した図である。全長チャネルインパルス応答hN×1は、1乃至Nのインデックスを有するNのチャネルタップを具備する。hN×1内の第1のPのチャネルタップは、h1内に含まれ、主チャネルと呼ばれる。hN×1内の残りのN−Pのチャネルタップは、h2乃至hM内に含まれ、余剰チャネルと呼ばれる。これらの余剰チャネルタップは、周波数領域においてアンダーサンプリング時にエイリアシングが発生する。該エイリアシングが発生すると、P + l、2P + l, …,及び(M − 1)・P + lのインデックスにおける余剰チャネルタップがすべてタップインデックスlにおいて現れる。ここで、l = 1 … Pである。従って、h^m内のPのチャネルタップは、Pの主チャネルタップ及びN − Pの余剰チャネルタップを含む。各エイリアシングが発生した余剰チャネルタップは、対応する主チャネルタップの推定において誤差を生じさせる。
【0054】
複数のインターレースでパイロットシンボルを送信することによってPよりも多いチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値を得ることができる。各シンボル時間におけるパイロット送信に関して1つのインターレースを使用することができ、異なるシンボル時間におけるパイロット送信に関して異なるインターレースを使用することができる。パイロット送信に関して複数のインターレースを使用することは、性能を向上させることが可能なより長いチャネル推定値を受信エンティティが得ることを可能にする。Mのすべてのインターレースをパイロット送信のために使用することによって、Nのチャネルタップを有する全長チャネルインパルス応答全体を推定することが可能である。
【0055】
各OFDMシンボル時間におけるパイロット送信に関して使用する特定のインターレースは、パイロットスタッガリングパターンによって決定することができる。パイロット送信には様々なスタッガリングパターンを使用することができる。一実施形態においては、スタッガリングパターンは、次式に基づいて、各シンボル時間におけるパイロット送信に関して1つのインターレースを選択することができる。
【数11】

【0056】
ここで、tは、シンボル時間に関するインデックスである。
【0057】
Δmは、2つの連続するシンボル時間に関するインターレースインデックス間の差である。mtは、シンボル時間tにおけるパイロット送信に関して使用するインターレースである。 (x, y) = 1は、x及びyが互いに素数である(すなわち、x及びyの両方に関する最大公約数が1である)ことを意味する。
【0058】
式(8)における−1及び+1は、‘0’ではなく‘1’で始まるインターレースインデックス番号付与方式を考慮したものである。第1のシンボル時間に関して用いられるインターレースはm1であり、
【数12】

【0059】
である。Δmの異なる値を用いて異なる「完全な」スタッガリングパターンを形成することができる。完全なスタッガリングパターンは、例えばMのシンボル時間におけるパイロット送信に関してMのすべてのインターレースを選択するパターンである。一例として、Δm=1の場合は、Mのインターレースが順次で選択され、スタッガリングパターンは、{1,2,3,...,M}として表すことができる。M = 8の場合は、異なる完全なスタッガリングパターンを得るためにΔmに関して1、3、5、及び7の値を使用することができる。これらの4個の値のうちで、Δm = 1は1の増分でΔm = 7は1つの減分であるため、7は(性能の点で)1に相当し、同じ理由で5は3に相当する。
【0060】
図4Aは、パイロット送信に関して使用することができる完全なスタッガリングパターンを示した図である。縦軸は、インターレースインデックスであり、横軸は時間である。この例に関して、 M = 8であり、各シンボル時間におけるパイロット送信に関して1つのインターレースが使用される。スタッガリングパターン400は、式(8)においてΔm = 1で生成され、完全なスタッガリングパターンは、{1,2,3,4,5,6,7,8}として表すことができる。従って、パイロットは、シンボル時間1においてインターレース1で、シンボル時間2においてインターレース2で送信され、以下同様であり、シンボル時間8においてインターレース8で送信され、シンボル時間9においてインターレース1に戻り、以下同様である。8つのすべてのインターレースが、各8シンボル時間の継続中にパイロット送信に関して使用される。
【0061】
図4Bは、同じくパイロット送信に関して使用できる完全なスタッガリングパターン410を示した図である。この場合も同じく M = 8であり、各シンボル時間におけるパイロット送信に関して1つのインターレースが使用される。スタッガリングパターン410は、式(8)においてΔm = 3で生成され、完全なスタッガリングパターンは、{1,4,7,2,5,8,3,6}として表すことができる。従って、パイロットは、シンボル時間1においてインターレース1で、シンボル時間2においてインターレース4で、シンボル時間3においてインターレース7で送信され、以下同様である。この場合も同じく、各8シンボル時間の継続中に8つのすべてのインターレースでパイロットが送信される。3つのシンボル時間において、スタッガリングパターン410は、{1,4,7}の相対的オフセットを有するインターレースを選択し、スタッガリングパターン400は、{1,2,3}の相対的オフセットを有するインターレースを選択する。従って、スタッガリングパターン410は、スタッガリングパターン400よりも大きく「拡散」され、より良い性能を提供することができる。
【0062】
図4Cは、式(8)は満たしていないがパイロット送信に関して使用することができる完全なスタッガリングパターン420を示した図である。この完全なスタッガリングパターンは、{1,5,2,6,3,7,4,8}として表すことができる。パイロットは、各8シンボル時間の継続中に8つのすべてのインターレースで送信される。
【0063】
一般的には、パイロットは、各シンボル時間においてあらゆる数のインターレースで及びMのインターレースのうちのいずれか1つで送信することができる。各シンボル時間におけるパイロット送信に関して使用する特定のインターレースは、あらゆるスタッガリングパターンに基づいて選択することができ、これらのスタッガリングパターンのうちの3つが図4A乃至4Cに示されている。パイロットは、完全なスタッガリングパターンを用いてMのすべてのインターレースで送信すること又は「部分的」スタッガリングパターンを用いてMのインターレースの部分組で送信することができる。
【0064】
複数のインターレースに関して得られた複数のPタップの最初のインパルス応答推定値をフィルタリングすることによって、Lのチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値
【数13】

【0065】
を得ることができ、ここで、P < L ≦ Nである。この時間領域フィルタリングは、例えば有限インパルス応答(FIR)フィルタを用いて次式のように行うことができる。
【数14】

【0066】
ここで、
h^(t) = [h^1(t) h^2(t) … h^p(t)]Tは、インターレースmで受信されたパイロットに基づいてシンボル時間tに関して得られる最初のインパルス応答推定値である。
【0067】
h~s(t) = [h~s,1(t) h~s,2(t) … h~s,p(t)]Tは、シンボル時間tにおけるセグメントsに関するチャネルインパルス応答h~s(t)の推定値であるP×1ベクトルである。
【0068】
αs,l(i)は、セグメントsにおけるl番目のチャネルタップを導き出すために用いられるi番目のフィルタタップに関する係数である。
【0069】
Nfは、時間領域フィルタに関する非因果的(non-causal)タップ数である。
【0070】
Nbは、時間領域フィルタに関する因果的(causal)タップ数である。
【0071】
Lタップインパルス応答推定値h~L×1(t)はSのセグメントを具備し、h~L×1(t) = [h~1T(t) h~2T(t) … h~s T (t)]Tとして与えられ、ここで、S > 1及びL = S・Pである。s = 1 … Sである各セグメントsは、ベクトルh~s(t)内に含まれているPのチャネルタップを含む。h~s(t)は、セグメントsに関する実際のチャネルインパルス応答であるhs(t)の推定値である。
【0072】
式(9)は、Nf + Nbの異なるインターレースに関するNf + Nbのシンボル時間において得ることができるNf + Nbの最初のインパルス応答推定値h^(t + Nf)乃至h^(t − Nb + 1)をフィルタリングすることによって各セグメントsに関するPのチャネルタップが得られることを示している。現在のシンボル時間tに関する最初のインパルス応答推定値h^(t)は、フィルタタップi = 0において整合される。式(9)は、Nf + Nbのチャネルタップh^l(t − Nb + 1)乃至h^s(t + Nf)にNf + Nbの係数αs,l(Nb − 1)乃至αs,l(−Nf)をそれぞれ乗じさらにNf + Nbの合成積を結合させることによって、h~L×1(t)内の各チャネルタップh~s,l(t)が得られることを示している。
【0073】
一般的には、各セグメントsの各チャネルタップh~s,l(t)に関する係数は別々に選択することができる。さらに、Nf 及びNbは、各セグメントsの各チャネルタップに関して選択することができる。説明を単純化するため、各セグメント内のPのすべてのチャネルタップに関して一組のNf + Nbの係数を使用することができ、h~L×1(t)のSのセグメントに関してS組の係数を定義することができる。この場合は、各セグメントsに関する係数{αs(i)}は、チャネルタップインデックスlの関数ではない。
【0074】
時間領域フィルタリングは、無限インパルス応答(IIR)フィルタ等のその他の型のフィルタを用いて行うこともできる。時間領域フィルタリングは、因果的フィルタ(Nf = 0及びNb ≧ 1)、非因果的フィルタ(Nf ≧ 1)、又は因果的タップと非因果的タップの両方を有するフィルタを用いて行うこともできる。説明を明確化するため、以下の説明は、式(9)に示される時間領域フィルタを対象にしている。
【0075】
1.長さ2Pのチャネルインパルス応答推定値
L = 2Pのチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値h~2p×1を得るため、1つのインターレースに関するシンボル時間tにおいて得られる最初のインパルス応答推定値h^(t)は次式のように表すことができる。
【0076】
h^(t) = h1(t) + h2(t).WMml +n(t) 式(10)
ここで、
【数15】

【0077】
式(10)は、式(7)に基づいて導き出され、セグメント3乃至Mはゼロの大きさを有するチャネルタップを含むと仮定している。ベクトルh1(t)は、主チャネルに関してhN×1(t)内に第1のPのチャネルタップを含む。ベクトルh2(t)は、余剰チャネルに関してhN×1(t)内に次のPのチャネルタップを含む。
【0078】
主チャネル推定値h~1(t)に関する時間領域フィルタに関する係数は、以下のような様々な制約に基づいて選択することができる。
【数16】

【0079】
ここで、mt−iは、シンボル時間t − 1におけるパイロット送信に関して用いられるインターレースであり、i番目のフィルタタップに対応する。バイアスなし推定値は、(雑音に関する)該推定値の平均が完全なチャネル値に等しい推定値である。
【0080】
式(11b)は、低速及び/又は小さいNf + Nbにおける圧倒的成分になる、Nf + Nbのシンボル時間におけるチャネル変動の線形成分を無効にする。式(11a)における第1の制約は、余剰チャネルh2(t)からの貢献を無効にし、このため、h~1(t)は、ほとんどが主チャネルh1(t)からの成分を含む。式(11b)における第2の制約は、Nf + Nbのシンボル時間全体における主チャネルh1(t)の時間的変動を抑止する。式(11c)における第3の制約は、h1(t)のバイアスなし推定値を提供し、このため、h~1,l(t)の予想される大きさはh1,l(t)に等しい。式(11d)における第4の制約は、主チャネル推定値h~1(t)における雑音分散を最小にする。時間領域フィルタに関するタップ数(Nf + Nb)は、(1)係数を選択する自由度数及び(2)係数を選択する際に適用される制約数を決定する。
【0081】
余剰チャネルh~2(t)に関する時間領域フィルタに関する係数は、次式のように様々な制約に基づいて選択することができる。
【数17】

【0082】
式(12a)における第1の制約は、主チャネルh1(t)からの貢献を無効にし、このため、h~2(t)は、ほとんどが余剰チャネルh2(t)からの成分を含む。式(12b)における第2の制約は、主チャネルh1(t)の時間的変動を抑止する。式(12c)における第3の制約は、h2(t)のバイアスなし推定値を提供する。
【0083】
一具体例として、3つのシンボル時間に関するh^(t − 1)、h^(t)、及びh^(t + 1)に基づいてh~2p×1(t)内の2Pのチャネルタップを導き出すために3タップ時間領域フィルタを使用することができる。該3タップ時間領域フィルタは、次のように設計することができる。すなわち、式(10)を用いて、時間領域フィルタリング前にシンボル時間t − 1、t、及びt + 1におけるl番目のチャネルタップを次式のように表すことができる。
【数18】

【0084】
ここで、
h^l(t)、h1,l(t)、h2,l(t)、及びnl(t)は、それぞれh^(t)、h1(t)、h2(t)、及びn(l)のl番目の要素である。
【0085】
mt−1、mt、及びmt+1は、それぞれシンボル時間t − 1、t、及びt + 1におけるパイロット送信に関して用いられるインターレースである。
【0086】
図4Bに示されるスタッガリングパターン410に関する3タップ時間領域フィルタに関して、 M = 8、mt−1 = mt − 3、及びmt+1 = mt + 3である場合は、主チャネル推定値h~1(t)に関する係数を選択するために用いられる制約は、次式のように表すことができる。
【0087】
余剰チャネルを無効にする: α1(−1)・e−j3π/4 + α1(0) + α1(1)・ej3π/4
= 0
時間変動を抑止する: α1(−1) − α1(1) = 0
バイアスなし推定値を提供する: α1(−1) + α1(0) + α1(1) = 1
上記の(余剰チャネルを無効にするための)第1の方程式は、式(11a)からの方程式であってα1(−1)・W8mt+3 + α1(0)・W8mt + α1(1)・W8mt−3 = 0の形を有しており、次式のように簡約化することができる。
α1(−1)・W83 + α1(0) + α1(1)・W8−3 = 0 ここで、W83 = e−j3π/4及びW8−3 = e+j3π/4である。
【0088】
主チャネルに関する上記の方程式の組の解は、次式によって与えられる。
【数19】

【0089】
式(14)は、主チャネル推定値h~1(t)に関する係数がシンボル時間tから独立していることを示している。この係数の組は、主チャネルh1(t)の時間的変動を抑止するが、余
剰チャネルh2(t)の時間的変動は抑止しない。時間的変動誤差は、チャネルタップのエネルギーに比例し、典型的には、余剰チャネルに関しては小さく、送信エンティティ及び/又は受信エンティティが高速で移動中のときのみに有意である。従って、余剰チャネルh2(t)の時間的変動を抑止しないことは、性能を低下させるとしてもほんのわずかに低下させる可能性があるにすぎない。
【0090】
図4Bに示されるスタッガリングパターン410に関する3タップ時間領域フィルタの場合は、余剰チャネル推定値h~2(t)に関する係数を選択するために用いられる制約は、次式のように表すことができる。
【0091】
主チャネルを無効にする:α2(−1) +α2(0) + α2(1) = 0
時間的変動を抑止する: α2(−1) − α2(1) = 0
バイアスなし推定値を提供する:α2(−1)・e−j3π/4 + α2(0) + α2(1)・ej3π/4 = ej2π(mt−1)/8
上記の(バイアスなし推定値を提供するための)第3の方程式は、式(12c)からの方程式であって、α2(−1)・W8mt+3 + α2(0)・W8mt + α2(1)・W8mt−3 = 1の形を有しており、次式のように簡約化することができる。
α1(−1)・W83 + α1(0) + α1(1)・W8−3 = W8mt ここで、
【数20】

【0092】
である。
【0093】
余剰チャネルに関する上記の方程式の組の解は、次式によって与えられる。
【数21】

【0094】
式(15)は、余剰チャネルに関する係数がシンボル時間tにおけるパイロット送信に関して用いられるインターレースmtのスタッガリング位相miに従属することを示している。
【0095】
2.長さ3Pのチャネルインパルス応答推定値
L = 3Pのチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値h~3P×1(t)を得るために、1つのインターレースに関するシンボル時間tにおいて得られる最初のインパルス応答推定値h^(t)は、次式のように表すことができる。
【数22】

【0096】
式(16)は、式(7)に基づいて導き出され、セグメント4乃至Mはゼロの大きさのチャネルタップを含むと仮定している。ベクトルh1(t)、h2(t)、及びh3(t)は、hN×1(t)の第1のセグメント、第2のセグメント、及び第3のセグメントに関するPのチャネルタップをそれぞれ含む。
【0097】
3タップ時間領域フィルタは、3つのシンボル時間において得られるh^(t − 1)、h^(t)、及びh^(t + 1)に基づいてh~3P×1(t)の3Pの要素を導き出すために使用することもできる。式(16)を使用し、時間領域フィルタリング前のシンボル時間t − 1、t、及びt + 1におけるl番目のチャネルタップは、以下のように行列形で表すことができる。
【数23】

【0098】
ここで、
【数24】

【0099】
式(17)は、mt−1 = mt − Δm及びmt+1 = mt + Δmであると仮定している。3タップ時間領域フィルタは、h1(t)、h2(t)、又はh3(t)の時間的変動を抑止するための十分な自由度を有していない。従って、式(17)は、h1(t)、h2(t)、及びh3(t)は3つのシンボル時間t − 1、t、及びt + 1において一定であると仮定している。
【0100】
h1(t)、h2(t)、及びh3(t)の最小平方推定値は次のように得ることができる。
【数25】

【0101】
h1(t)、h2(t)、及びh3(t)に関する3タップ時間領域フィルタは、以下のように行列形で表すことができる。
【数26】

【0102】
図4Bに示されるスタッガリングパターン410に関して、M = 8及びΔm = 3である場合は、3タップ時間領域フィルタに関する係数は、式(18)に基づいて導き出すことができ、以下のようになる。
【数27】

【0103】
主チャネル推定値h~1(t)は、係数α1(1)、α1(0)、及びα1(−1)をh^(t − 1)、h^(t)、及びh^(t + 1)にそれぞれ当てはめることによって得ることができる。余剰チャネル推定値h~2(t)は、係数α2(1)、α2(0)、及びα2(−1)をh^(t − 1)、h^(t)、及びh^(t + 1)にそれぞれ当てはめることによって得ることができる。余剰チャネル推定値h~3(t)は、係数α3(1)、α3(0)、及びα3(−1)をh^(t − 1)、h^(t)、及びh^(t + 1)にそれぞれ当てはめることによって得ることができる。
【0104】
3タップ時間領域フィルタは、方程式の組(11)及び(12)に示される制約の多くを適用する十分な自由度を有してない。この時間領域フィルタに関する係数は、主チャネルh1(t)及び余剰チャネルh2(t)とh3(t)の時間的変動を抑止しない。上記の様々な制約は、4つ以上のタップを有する時間領域フィルタを用いて適用することができる。
【0105】
一般的には、各セグメントsに関するインパルス応答推定値h~s(t)に関する時間領域フィルタについて異なる一組の係数{αs(i)}を導き出すことができる。各セグメントsに関する係数は、その他のセグメントを無効にする、チャネルの時間的変動に起因する推定誤差を抑止する、hs(t)のバイアスなし推定値を提供する、h~s(t)における雑音分散を最小にする、等の様々な制約に基づいて選択することができる。時間領域フィルタに関するタップ数は、係数に適用できる制約数を決定する。これまでに幾つかの典型的な3タップ時間領域フィルタ設計が上述されている。上記の説明に基づいてその他の時間領域フィルタも設計可能であり、これらのその他の時間領域フィルタは本発明の適用範囲内である。
【0106】
一般的には、1つ以上のシンボル時間においてLの異なるサブバンドで受信されたパイロットシンボルに基づいて、Lのチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値を得ることができる。パイロットは、該パイロットに関するオーバーヘッド量を制限するために各シンボル時間において1つのインターレースで送信することができる。
【0107】
パイロットは、異なるシンボル時間においてスタッガードサブバンドを有する異なるインターレースで送信することができる。この送信は、Pよりも多いチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値を受信エンティティが得ることを可能にする。該パイロットが完全なスタッガリングパターンを用いてMのすべてのインターレースで送信された場合は、Nのすべてのチャネルタップを有する全長インパルス応答推定値を得ることができる。
【0108】
受信エンティティは、十分な数(S以上)の異なるインターレースに関して長さがPの最初のインパルス応答推定値h^をフィルタリングすることによって長さLのより長いインパルス応答推定値h~L×1(t)を導き出すことができる。パイロットが各シンボル時間において異なるインターレースで送信される場合は、h~L×1(t)を得るための十分な数(S以上)のシンボル時間において時間領域フィルタリングを行うことができる。より多くのシンボル時間にわたってフィルタリングすることによって漸進的により長いインパルス応答推定値を得ることができる。このため、より少ないシンボル時間における時間領域フィルタリングのほうがチャネルの変化のトラッキング性能が優れており、従ってドップラー効果に対してより強固であり、より短い長さを有するインパルス応答推定値を提供することが可能である。より多くのシンボル時間にわたる時間領域フィルタリングは、経時でのチャネルの変化に起因するh~L×1(t)内の誤差を増大させ、さらにドップラー効果に対する強固性がより低いが、より長い長さを有するインパルス応答推定値を提供することが可能である。
【0109】
より長いインパルス応答推定値は、余剰チャネルタップを含む。各チャネルタップは、該タップ位置における複素チャネル利得及び雑音を含むため、漸進的により長いインパルス応答推定値は、チャネルに関するより多くの情報を含むがより多くの雑音も含む。余剰チャネルタップからの雑音は、チャネル推定値の長さをPを超えて拡大させた結果生じる雑音エンハンスメントであるとみることができる。余剰チャネルエネルギーが相対的に小さい場合、又は余剰チャネルタップが必要ない場合は、より短いインパルス応答推定値(例えば、h~2P×1(t))を用いてより良い性能を達成させることができる。余剰チャネルエネルギーが相対的に大きい場合、又は余剰チャネルタップが適切である場合は、より長いインパルス応答推定値(例えば、h~3P×1(t))のほうが、雑音エンハンスメントを伴うがより良い性能を提供することができる。受信エンティティにおける異なる目的のために異なる長さを有するチャネル推定値を導き出して使用することができる。
【0110】
3.データ検出
データ検出に関しては、2Pのチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値h~2P×1(t)は、余剰チャネルからの追加雑音よりもより長いチャネル推定値を優先させることを正当化することができる。より長いチャネル推定値は、周波数領域のアンダーサンプリングに起因する式(7)の有害なエイリアシングを軽減させ、主チャネルh1(t)のより正確な推定値を提供し、余剰チャネルh2(t)の推定を可能にする。より長いインパルス応答推定値h~2P×1(t)は、上記の方法で導き出すことができる。
【0111】
図5は、データ検出および復号のために用いられるチャネル推定値を導き出すプロセス500の流れ図である。現在のシンボル時間tにおけるパイロット送信に関して用いられるインターレースmtのサブバンドに関して受信パイロットシンボルが得られる(ブロック512)。式(5)において示されるように、受信パイロットシンボルに基づいて第1の周波数応答推定値H^(t)が導き出される(ブロック514)。式(6)において示されように、第1の周波数応答推定値H^(t)に基づいて最初のインパルス応答推定値h^(t)が導き出される(ブロック516)。少なくともSのシンボル時間に関する最初のインパルス応答推定値が、少なくともS1のタップを有する時間領域フィルタでフィルタリングされて、L1のチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値h~L1×1(t)が得られ、ここで、L1 = S1・Pである(ブロック518)。
【0112】
チャネル推定性能をさらに向上させるためにh~L1×1内のL1のチャネルタップに関して後処理を行うことができる(ブロック520)。該後処理は、打ち切り、例えば余剰チャネル推定値に関するチャネルタップP + 1乃至L1を0に設定することを含めることができる。該後処理は、代替として又は追加として、しきい値設定、例えば所定のしきい値を下回るエネルギーを有する主チャネル及び/又は余剰チャネル推定値内のチャネルタップを0に設定すること、を含めることができる。次に、未処理の又は後処理されたより長いインパルス応答推定値h~L1×1(t)をゼロパディングによって長さNに拡大させ、長さNのベクトルh~N×1(t)を得ることができる(同じくブロック520)。次に、h~N×1(t)に関するNポイントFFTを行い、Nのすべてのサブバンドに関する周波数応答推定値H~N×1(t)を次式のように得ることができる(ブロック522)。
【数28】

【0113】
プロセス500は、パイロット送信を伴う各シンボル時間に関して行うことができる。
【0114】
H~N×1(t)は、Nの全サブバンドに関するNのチャネル利得を含み、H~N×1(t) = [H~1T(t) H~2T(t) … H~MT (t)]Tとして表すことができ、ここで、H~m(t)は、インターレースmにおけるPのサブバンドに関するPのチャネル利得推定値を含む。Mのインターレースに関するMの周波数応答推定値H~m(t)は、パイロット送信に関して用いられる特定のスタッガリングパターンに依存して異なる雑音分散を有する。一般的には、より拡散されたスタッガリングパターン(例えば、スタッガリング410)は、Mのインターレースに関して、間隔がより接近しているスタッガリングパターン(例えば、スタッガリングパターン400)よりも、H~m(t)全体における雑音変動が小さくなる。
【0115】
4.時間トラッキング
受信エンティティは、異なるOFDMシンボル間におけるシンボルタイミングを推定及び追跡するための時間トラッキングを行う。該シンボルタイミングは、各受信OFDMシンボルに関するN + Cの入力サンプルのうちのNの入力サンプルのウィンドー(FFTウィンドーとしばしば呼ばれる)を取得するために用いられる。チャネル推定性能及びデータ検出性能の両方がFFTウィンドーの設置による影響を受けるため、正確なシンボルタイミングが直接関係する。各シンボル時間に関する受信されたOFDMシンボルのタイミングは、該シンボル時間に関するより長いインパルス応答推定値を導き出しさらに該当基準、例えばサイクリックプリフィックス内に入るエネルギーを最大にする等に基づいてタイミングに関する検出を行うことによって推定することができる。
【0116】
Lの異なるサブバンドにおいてパイロットシンボルを入手可能であり、タイミング基準が入手できない場合は、Lのチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値を導き出すことができるが、あいまいさがない状態で分解できるのはL/2のチャネルタップだけである。この理由は、負のタイミング誤差に起因して早期のチャネルタップエイリアシングが発生してインパルス応答推定値の最後に現れるためである。従って、インパルス応答推定値の最後のチャネルタップがのちのチャネルタップであるか(シンボルタイミングが正確である場合)又はエイリアシングか発生している以前のチャネルタップであるか(負のタイミング誤差が存在する場合)を決定するのは不可能である。Mの異なるインターレースに関する最初のインパルス応答推定値をフィルタリングすることによって、最大でNのチャネルタップを有するより長いチャネルインパルス応答推定値を得ることができる。このより長いインパルス応答推定値を用いることによって、通信チャネルの分解可能な長さが拡大される。
【0117】
図6A及び6Bは、タイミングが不確実であることに起因するチャネルインパルス応答推定値のあいまいさを示した図である。図6Aは、長さがL/2超のインパルス応答を有する実際のチャネルに関する長さLのチャネルインパルス応答推定値610を示した図である。図6Aにおいては、シンボルタイミングは正確であり、チャネルインパルス応答推定値610は、適切な位置における実際のチャネルの応答612及び614を適切に含む。
【0118】
図6Bは、他の実際のチャネルに関する長さがL/2超のインパルス応答620を示した図である。タイミング誤差が存在しない場合は、このチャネルに関するチャネルインパルス応答推定値は、図6Bに示される位置における応答622及び624を含むことになる。しかしながら、xのタイミング誤差が存在する場合は、応答622はエイリアシングが発生し、応答632として現れる。従って、xのタイミング誤差を有するこのチャネルに関するチャネルインパルス応答推定値は、図6Aのチャネルインパルス応答推定値610に類似することになる。
【0119】
図6A及び6Bは、(1)図6Aに示されタイミング誤差のないインパルス応答を有するチャネルに関して、又は(2)図6Bに示されxのタイミング誤差が存在するインパルス応答を有するチャネルに関してチャネルインパルス応答推定値610を得ることができ、さらにこれらの2つの事例は区別できないことを示している。しかしながら、このあいまいさ問題は、チャネル応答の長さはL/2未満であると常に仮定されている場合は発生しない。従って、図6Bの実際のチャネルが図6Aのチャネルと間違われるためには長さがL/2超でなければならないため、図6Aのチャネル応答推定値が真のチャネルに対応すると断定することが可能である。このため、長さLの第1の推定値は、タイミングが不確実な長さL/2のチャネルを分解することができる。従って、時間トラッキングに関してはより長いチャネルインパルス応答推定値が望ましい。
【0120】
このより長いチャネルインパルス応答推定値は、余剰チャネルタップに起因する追加の雑音、及びチャネルの時間的変動に起因するより大きな誤差を有する。しかしながら、時間トラッキングの最終目標は、各タップの複素チャネル利得ではなくチャネルエネルギーの一般的位置等の詳細度が低い情報を決定することであるため、時間トラッキングのほうが追加の雑音よって受ける影響度が低い見込みである。従って、チャネルの品質を犠牲にして長さを選択する方法は、データ検出および時間トラッキングに関する要求に合致する。具体的には、時間トラッキングに関しては、3Pのチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値h~3P×1(t)は、雑音エンハンスメントよりも分解可能なチャネル長を優先するのを正当化することができる。例えば、P = 512である場合は、h~3P×1(t)は1536のチャネルタップを含み、最大で768のチャネルタップをあいまいさなしで分解することができる。シンボルタイミングが判明した時点で、通信チャネルはデータ検出目的上長さが3P/2であると仮定することができる。3P/2タップチャネルは、2Pのチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値を得てさらに最後の256のチャネルタップを打ち切ることによって推定することができる。
【0121】
図7は、時間トラッキングを行うプロセス700の流れ図である。図7のブロック712、714、716、及び718は、図5のブロック512、514、516、及び518のそれぞれに関する上記の説明のとおりである。しかしながら、異なる長さLを有するより長いインパルス応答推定値h~L2×1(t)を時間トラッキングに関して使用することができ、少なくともSのチャネルタップを有する異なる時間領域フィルタを用いてh~L2×1(t)を導き出すことができる。ここで、L2 = S2・Pである。次に、チャネル推定値h~L2×1(t)が処理され、現在のシンボル時間tに関する受信されたOFDMシンボルのタイミングが決定される(ブロック720)。該タイミングを決定する一方法は次のとおりである。すなわち、長さL2/2のウィンドーを、左縁が最初にタップインデックス1の箇所にくるように設置する。該ウィンドー内に入る全チャネルタップのエネルギーが計算される。次に、該ウィンドーが、タップインデックスL2/2に達するまで、一度に1つのタップ位置ずつ右に移動される。チャネルタップエネルギーは、各タップ位置に関して計算される。次に、すべてのL2/2ウィンドー開始位置間におけるピークエネルギーが決定される。複数のウィンドー開始位置が同じピークエネルギーを有する場合は、ピークエネルギーを有する左端のウィンドー開始位置が識別される。ピークエネルギーを有する左端のウィンドー開始位置は、受信されたOFDMシンボルに関するFFTウィンドーを一意で決定する。タイミング検出は、その他の技術を用いて行うこともできる。いずれの場合においても、現在の受信されたOFDMシンボルに関して得られたタイミング情報を用いてシンボルタイミング推定値が更新される(ブロック722)。
【0122】
一般的には、同じ又は異なるインパルス応答推定値をデータ検出/復号及び時間トラッキングに関して使用することが可能である。同じインパルス応答推定値の使用は、受信エンティティにおける計算量を低減させることが可能である。この場合は、該インパルス応答推定値に関するチャネル長L及び時間領域フィルタは、データ検出および時間トラッキングの両方に関して優れた性能を提供するような長さL及び時間領域フィルタを選択することができる。データ検出/復号及び時間トラッキングの両方に関してより優れた性能を達成させるために異なるインパルス応答推定値をデータ検出/復号及び時間トラッキングに関して使用することも可能であり、さらに2つの時間領域フィルタを用いて導き出すことができる。各インパルス応答推定値に関するチャネルの長さ及び時間領域フィルタ係数は、データ検出又は時間トラッキングに関して優れた性能を提供するように選択することができる。
【0123】
図8は、受信エンティティ150におけるOFDM復調器160、チャネル推定器172、及び時間トラッキング装置162の一実施形態を示した図である。OFDM復調器160内において、サイクリックプリフィックス除去装置812は、時間トラッキング装置162によって提供されたシンボルタイミングに基づいて各受信OFDMシンボルに関するNの入力サンプルを取得する。FFT装置814は、各ウィンドーのNの入力サンプルに関してNポイントFFTを行い、Nのサブバンドに関するNの受信シンボルを得る。FFT装置814は、受信データシンボルを検出器170に提供し、受信パイロットシンボルをチャネル推定器172に提供する。検出器170は、チャネル推定器172から周波数応答推定値H~N×1(t)も受け取り、受け取られたデータシンボルに関するデータ検出を行い、検出されたデータシンボルを提供する。
【0124】
チャネル推定器172内において、パイロット検出器822は、受信パイロットシンボルに関する変調を除去し、さらに、現在のシンボル時間tにおけるパイロット送信に関して用いられるインターレースのPのサブバンドに関するPのチャネル利得を具備する第1の周波数応答推定値H^(t)を得るための外挿及び/又は内挿を行うことができる。IFFT装置824は、Pのチャネルタップを有する変調されたインパルス応答推定値h^m(t)を得るためにH^(t)に関するPポイントIFTTを行う。回転器826は、h^m(t)のPの要素内の位相ランプを除去し、最初のインパルス応答推定値h^(t)を提供する。時間領域フィルタ830は、S以上のシンボル時間において得られたS以上のインターレースに関して得られた最初のインパルス応答推定値h^(t)をフィルタリングし、Lのチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値h~L1×1(t)を提供する。ポストプロセッサ832は、h~L1×1(t)に関する後処理(打ち切り、しきい値設定、等)及びゼロ詰めを行い、Nのチャネルタップを有するベクトルh~N×1(t)を提供する。FFT装置834は、h~N×1(t)に関するNポイントFFTを行い、Nの全サブバンドに関する周波数応答推定値H~N×1(t)を得る。チャネル推定器172は、1つだけの又はそれよりも多くの選択されたインターレースに関する周波数応答推定値H~m(t)を導き出すことも可能である。
【0125】
時間トラッキング装置162内において、時間領域フィルタ840は、S以上のシンボル時間において得られたS以上のインターレースに関する最初のインパルス応答推定値h^(t)をフィルタリングし、Lのチャネルタップを有するより長いインパルス応答推定値h~L2×1(t)を提供する。タイミング検出器842は、例えばh~L2×1(t)内のチャネルタップのエネルギーに基づいて現在の受信されたOFDMシンボルに関するタイミングを決定する。時間トラッキングループ844(ループフィルタであることができる)は、現在の受信OFDMシンボルに関して用いられるタイミングからシンボルタイミングを調整する。
【0126】
図9は、図8のフィルタ830及び840に関して使用することができる時間領域フィルタ830xのブロック図である。フィルタ830x内において、h^(t)内のl番目のチャネルタップがNf + Nb − 1の直列結合遅延素子912に提供される。各遅延素子912は、入力チャネルタップを1つのシンボル時間だけ遅延させる。Nf + Nb − 1の乗算器914は、Nf + Nb − 1の遅延素子の入力部に結合し、1つの乗算器914は、最後の遅延素子の出力部に結合する。Nf + Nbの乗算器は、各々のチャネルタップh^l(t + Nf)乃至h^l(t − Nb + 1)を受け取り、係数αs,l(−Nf)乃至αs,l(Nb − 1)をそれぞれ乗じる。各セグメント内のPの全チャネルタップに関して同じ係数を使用することができ、この場合は、これらの係数は、タップインデックスに関する下付き文字lを持たないαs(−Nf)乃至αs(Nb − 1)として表すことができる。加算器916は、Nf + Nbのすべての乗算器の出力を受け取って加算し、h~L×1(t)のセグメントs内のl番目のチャネルタップを提供する。Lは、データ検出の場合はL、時間トラッキングの場合はLに等しくすることができる。図9には、h~L×1(t)内の1つのチャネルタップのみに関するフィルタリングが示されている。h~L×1(t)内の残りのチャネルタップの各々に関するフィルタリングは、同様の方法で行うことができる。
【0127】
本明細書において説明されるパイロット送信技術、チャネル推定技術、及び時間トラッキング技術は、様々な手段で実装することができる。例えば、これらの技術は、ハードウェア内に実装すること、ソフトウェア内に実装すること、又はその組合せ内に実装することができる。ハードウェア内に実装する場合は、送信エンティティにおけるパイロット送信に関して用いられる処理装置は、本明細書において説明されている機能を果たすように設計された1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラミング可能な論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、その他の電子装置、又はその組合せの中に実装することができる。受信エンティティにおけるチャネル推定及び時間トラッキングに関して用いられる処理装置も、1つ以上のASIC、DSP、等の中に実装することができる。
【0128】
ソフトウェア内に実装する場合は、これらの技術は、本明細書において説明されている機能を果たすモジュール(例えば、手順、関数、等)とともに実装することができる。ソフトウェアコードは、メモリ装置(例えば、図1のメモリ装置142又は192)に格納し、プロセッサ(例えば、コントローラ140又は190)によって実行することができる。該メモリ装置は、プロセッサ内に実装すること又はプロセッサの外部に実装することができる。
【0129】
見出しは、参照を目的として及び一定の節を探し出しやすいようにすることを目的として本明細書に含められている。これらの見出しは、本明細書において説明されている概念の適用範囲を限定することを意図するものではなく、これらの概念は、本明細書全体のその他の節においても適用可能である。
【0130】
開示されている実施形態に関する上記の説明は、当業者が本発明を製造又は使用できるようにすることを目的とするものである。これらの実施形態に対する様々な修正が加えられた場合には、当業者は、該修正を容易に理解することが可能である。本明細書において定められている一般原理は、本発明の精神及び適用範囲を逸脱しない形でその他の実施形態に対しても適用することができる。以上のように、本発明は、本明細書において示されている実施形態に限定することを意図するものではなく、本明細書において開示されている原理及び斬新な特長に一致する限りにおいて最も広範な適用範囲が認められることになることを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多搬送波通信システムにおけるパイロット送信方法であって、
複数の時間間隔の各々に関してMの周波数サブバンドグループの中から1つの周波数サブバンドグループを選択することと、
各時間間隔に関して、前記時間間隔に関して選択された前記グループ内の前記周波数サブバンドにパイロットシンボルを多重化すること、とを具備し、各グループは、前記システムにおける送信に関して使用可能なNの周波数サブバンドの中から選択された異なる複数の周波数サブバンドを含み、M及びNは1よりも大きい整数であり、前記Mのグループは、前記Nの使用可能な周波数サブバンドをすべて又は実質的な数だけ含み、前記Mの周波数サブバンドグループは、前記複数の時間間隔において選択される、方法。
【請求項2】
前記Mのグループは、互いに重なり合わず、前記Nの使用可能な周波数サブバンドの各々は、前記Mのグループの1つに含まれている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記Mのグループは、等しい数の周波数サブバンドを含み、各グループ内の前記複数の周波数サブバンドは、前記Nの周波数サブバンド全体に渡って一様に配分される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記Mの周波数サブバンドグループ間における異なる周波数サブバンドグループは、異なる時間間隔で選択される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記Mの周波数サブバンドグループは、Mの時間間隔において、前記Mの時間間隔の各々に関して使用する特定のサブバンドグループを示すスタッガリングパターンに基づいて選択される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記Mの周波数サブバンドグループは、1乃至Mのインデックスが割り当てられ、各時間間隔に関して選択される前記周波数サブバンドグループは、以下のように決定される請求項5に記載の方法。
mt = [(mt−1 −1 + Δm) mod M] + 1
ここで、
tは、時間間隔に関するインデックスである。
mt−1は、時間間隔t − 1に関して選択される周波数サブバンドグループに関するインデックスである。
mtは、時間間隔tに関して選択される周波数サブバンドグループに関するインデックスである。
m1は、第1の時間間隔に関して選択される周波数サブバンドグループに関するインデックスである。
Δm及びMは、互いに素数である。
“mod M”は、モジュロ−M演算を表す。
【請求項7】
Δmは、M/2に最も近い整数値である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
各時間間隔は、1つのシンボル時間に対応する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記多搬送波通信システムは、直交周波数分割多重(OFDM)を利用する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
多搬送波通信システムにおける装置であって、
複数の時間間隔の各々に関してMの周波数サブバンドグループの中から1つの周波数サブバンドグループを選択するために動作可能なコントローラと、
各時間間隔に関して、前記時間間隔に関して選択された前記グループ内の前記周波数サブバンドにパイロットシンボルを多重化するために動作可能な変調器と、を具備し、各グループは、前記システムにおける送信に関して使用可能なNの周波数サブバンドの中から選択された異なる複数の周波数サブバンドを含み、M及びNは1よりも大きい整数であり、前記Mの周波数サブバンドグループは、前記複数の時間間隔において選択される、装置。
【請求項11】
前記Nの使用可能な周波数サブバンドの各々は、前記Mのグループの1つに含まれ、前記Mのグループは、等しい数の周波数サブバンドを含み、各グループ内の前記複数の周波数サブバンドは、前記Nの周波数サブバンド全体に渡って一様に配分される請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記Mの周波数サブバンドグループは、1乃至Mのインデックスが割り当てられ、Mの時間間隔において、前記Mの時間間隔の各々に関して1つの周波数サブバンドグループずつ選択され、各時間間隔に関して選択される前記周波数サブバンドグループは、以下のように決定される請求項10に記載の装置。
mt = [(mt−1 −1 + Δm) mod M] + 1
ここで、
tは、時間間隔に関するインデックスである。
mt−1は、時間間隔t − 1に関して選択される周波数サブバンドグループに関するインデックスである。
mtは、時間間隔tに関して選択される周波数サブバンドグループに関するインデックスである。
m1は、第1の時間間隔に関して選択される周波数サブバンドグループに関するインデックスである。
Δm及びMは、互いに素数である。
“mod M”は、モジュロ−M演算を表す。
【請求項13】
請求項10に記載の装置を具備する基地局。
【請求項14】
多搬送波通信システムにおける装置であって、
複数の時間間隔の各々に関してMの周波数サブバンドグループの中から1つの周波数サブバンドグループを選択する手段と、
各時間間隔に関して、前記時間間隔に関して選択される前記グループ内の前記周波数サブバンドにパイロットシンボルを多重化する手段と、を具備し、各グループは、前記システムにおける送信に関して使用可能なNの周波数サブバンドの中から選択された異なる複数の周波数サブバンドを含み、M及びNは1よりも大きい整数であり、前記Mのグループは、前記Nの使用可能な周波数サブバンドをすべて又は実質的な数だけ含み、前記Mの周波数サブバンドグループは、前記複数の時間間隔において選択される、装置。
【請求項15】
多搬送波通信システムにおいてチャネル推定及び時間トラッキングを行う方法であって、
複数の異なる周波数サブバンドグループに関する複数の最初のインパルス応答推定値を得ることであって、各グループは、前記システムにおいてNの周波数サブバンドの中から選択される異なる複数の周波数サブバンドを含み、Nは1よりも大きい整数であることと、
の長さを有していてデータ検出と復号に関して用いられる第1のインパルス応答推定値を得るために前記複数の最初のインパルス応答推定値の中からの第1の組の最初のインパルス応答推定値を処理することであって、Lは1以上の整数であることと、
の長さを有していて時間トラッキングに関して用いられる第2のインパルス応答推定値を得るために前記複数の最初のインパルス応答推定値の中からの第2の組の最初のインパルス応答推定値を処理することであって、LはLよりも長いこと、とを具備する、方法。
【請求項16】
前記複数のグループの各々は、Pの周波数サブバンドを含み、Pは1よりも大きい整数である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各グループ内の前記Pの周波数サブバンドは、前記Nの周波数サブバンド全体に渡って一様に配分される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
はPのS倍に等しく、LはPのS倍に等しく、S及びSは、1よりも大きい整数であり、SはSよりも大きいか又はSと等しい請求項16に記載の方法。
【請求項19】
はPの2倍に等しく、LはPの3倍に等しい請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のインパルス応答推定値は、Sのセグメント内に配置されたLのチャネルタップを具備し、各セグメントは、Pの連続するチャネルタップを含み、各セグメント内のPのチャネルタップは、前記セグメントに関する一組のフィルタ係数に基づいて得られる請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のインパルス応答推定値に関するPのチャネルタップの第1のセグメントは、主チャネルに関するセグメントであり、前記第1のインパルス応答推定値に関する前記Sのセグメントうちの残りのセグメントは、余剰チャネルに関するセグメントである請求項20に記載の方法。
【請求項22】
Pのチャネルタップの前記第1のセグメントに関する前記フィルタ係数の組は、前記余剰チャネルからの貢献を無効にし、前記主チャネルの時間的変動を抑止し、前記主チャネルのバイアスなし推定値を提供し、前記フィルタ係数のノルム又はその組合せを最小にするように選択される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のインパルス応答推定値に関する前記Sのセグメントの残りのセグメントのうちの1つに関して、Pのチャネルタップの第2のセグメントに関する前記フィルタ係数の組は、前記余剰チャネルからの貢献を無効にし、前記主チャネルの時間的変動を抑止し、前記余剰チャネルの時間的変動を抑止し、Pのチャネルタップの前記第2のセグメントのバイアスなし推定値を提供し、前記フィルタ係数のノルム又はその組合せを最小にするように選択される請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の組は、Sの最初のインパルス応答推定値を含み、Sは、1よりも大きい整数であり、前記第1のインパルス応答推定値は、前記Sの最初のインパルス応答推定値に関するSのタップを有するフィルタを用いて導き出される請求項18に記載の方法。
【請求項25】
は2に等しい請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2のインパルス応答推定値は、Sのセグメント内に配置されたLのチャネルタップを具備し、各セグメントは、Pの連続するチャネルタップを含み、各セグメント内の前記Pのチャネルタップは、前記セグメントに関する一組のフィルタ係数に基づいて得られる請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記第2のインパルス応答推定値は、Sのセグメント内に配置されたLのチャネルタップを具備し、各セグメントは、Pの連続するチャネルタップを含み、各セグメント内の前記Pのチャネルタップは、前記セグメントに関する一組のフィルタ係数に基づいて得られ、前記第1のインパルス応答推定値に関して用いられる前記フィルタ係数は、前記第2のインパルス応答推定値に関して用いられる前記フィルタ係数と異なる請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のインパルス応答推定値は、Lのチャネルタップを具備し、前記第2のインパルス応答推定値は、前記第1のチャネルインパルス応答推定値のLのチャネルタップ及び(L−L)の追加のチャネルタップを具備する請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の組は、Sの最初のインパルス応答推定値を含み、Sは、1よりも大きい整数であり、前記第2のインパルス応答推定値は、前記Sの最初のインパルス応答推定値に関するSのタップを有するフィルタを用いて導き出される請求項15に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のインパルス応答推定値を処理して少なくとも1つの周波数サブバンドグループに関する周波数応答推定値を得ることをさらに具備する請求項15に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のインパルス応答推定値を前記処理することは、予め決められたしきい値よりも小さいエネルギーを有する前記第1のインパルス応答推定値内のチャネルタップを0に設定することを具備する請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第1のインパルス応答推定値を前記処理することは、前記第1のインパルス応答推定値内の予め決められた数の最新のチャネルタップを0に設定することを具備する請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記第2のインパルス応答推定値において圧倒的な量のエネルギーを有する瞬間を決定することと、
前記第2のインパルス応答推定値に関して決定された前記瞬間を用いてシンボルタイミングを導き出すこと、とをさらに具備する請求項15に記載の方法。
【請求項34】
前記複数の異なる周波数サブバンドグループに関する複数の最初の周波数応答推定値を得ることと、
前記複数の最初の周波数応答推定値の各々を処理して前記複数の最初のインパルス応答推定値のうちの対応する1つを得ること、とをさらに具備する請求項15に記載の方法。
【請求項35】
前記複数の最初の周波数応答推定値の各々を前記処理することは、
前記最初の周波数応答推定値を変換して変調されたインパルス応答推定値を得ることと、
前記変調されたインパルス応答推定値内のチャネルタップを回転させて前記対応する最初のインパルス応答推定値を得ること、とを具備する請求項34に記載の方法。
【請求項36】
多搬送波通信システムにおける装置であって、
複数の異なる周波数サブバンドグループに関する複数の最初のインパルス応答推定値を得るために動作可能な処理装置であって、各グループは、前記システム内のNの周波数サブバンドの中から選択された異なる複数の周波数サブバンドを含み、Nは1よりも大きい整数である処理装置と、
前記複数の最初のインパルス応答推定値からの第1の組の最初のインパルス応答推定値を処理してLの長さを有しデータ検出と復号に関して用いられる第1のインパルス応答推定値を得るために動作可能な第1のフィルタであって、Lは1以上の整数である第1のフィルタと、
前記複数の最初のインパルス応答推定値からの第2の組の最初のインパルス応答推定値処理してLの長さを有し時間トラッキングに関して用いられる第2のインパルス応答推定値を得るために動作可能な第2のフィルタであって、LはLよりも長い第2のフィルタと、を具備する装置。
【請求項37】
前記第1の及び第2のインパルス応答推定値の各々は、複数のセグメントを具備し、各セグメントは、Pの連続するチャネルタップを含み、各セグメント内の前記Pのチャネルタップは、前記セグメントに関する一組のフィルタ係数に基づいて導き出される請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記第1及び第2のインパルス応答推定値の各々の各セグメントに関する前記フィルタ係数の組は、前記複数のセグメントのうちの残りのセグメントからの貢献を無効にし、前記セグメントの時間的変動を抑止し、1つ以上の残りのセグメントの時間的変動を抑止し、前記セグメントのバイアスなし推定値を提供し、前記フィルタ係数のノルム又はその組合せを最小にするように選択される請求項36に記載の装置。
【請求項39】
前記第1のインパルス応答推定値を処理して少なくとも1つの周波数サブバンドグループに関する周波数応答推定値を得るために動作可能な変換装置をさらに具備する請求項36に記載の装置。
【請求項40】
前記第2のインパルス応答推定値において圧倒的な量のエネルギーを有する瞬間を決定するために動作可能なタイミング検出器と、
前記第2のインパルス応答推定値に関して決定された前記瞬間を用いてシンボルタイミングを導き出すために動作可能な時間トラッキングループと、をさらに具備する請求項36に記載の装置。
【請求項41】
請求項36に記載の装置を具備する無線デバイス。
【請求項42】
多搬送波通信システムにおける装置であって、
複数の異なる周波数サブバンドグループに関する複数の最初のインパルス応答推定値を得るための手段であって、各グループは、前記システム内のNの周波数サブバンドの中から選択された異なる複数の周波数サブバンドを含み、Nは1よりも大きい整数である手段と、
前記複数の最初のインパルス応答推定値からの第1の組の最初のインパルス応答推定値を処理してLの長さを有しデータ検出と復号に関して用いられる第1のインパルス応答推定値を得る手段であって、Lは1以上の整数である手段と、
前記複数の最初のインパルス応答推定値からの第2の組の最初のインパルス応答推定値を処理してLの長さを有し時間トラッキングに関して用いられる第2のインパルス応答推定値を得る手段であって、LはLよりも長い手段と、を具備する装置。
【請求項43】
前記第1及び第2のインパルス応答推定値の各々は、複数のセグメントを具備し、各セグメントは、Pの連続するチャネルタップを含み、各セグメント内の前記Pのチャネルタップは、前記セグメントに関する一組のフィルタ係数に基づいて導き出される請求項42に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−66902(P2011−66902A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−228508(P2010−228508)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【分割の表示】特願2007−511412(P2007−511412)の分割
【原出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】