説明

チャージポンプ回路及びその動作制御方法

【課題】1つのフライングコンデンサで入力電圧よりも小さい出力電圧と入力電圧よりも大きい出力電圧を同時に得ることができ、しかも両出力電圧の設定が可能であると共に負荷変動による出力電圧の変動を小さくすることができるチャージポンプ回路及びその動作制御方法を得る。
【解決手段】降圧比例電圧Vfb1、昇圧比例電圧Vfb2、第1参照電圧Vr1及び第2参照電圧Vr2を使用して、出力電圧検出回路3におけるコンパレータ21及び22によって、降圧電圧Vbuck及び昇圧電圧Vboostと、それぞれの目標電圧である第1参照電圧Vr1及び第2参照電圧Vr2との電圧比較を行い、制御回路4は、該比較結果に応じて電圧変換回路2における各スイッチS1〜S8のスイッチングを制御して、降圧出力コンデンサC1と昇圧出力コンデンサC2の充電周期を制御するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の異なる電圧を生成して出力するチャージポンプ回路に関し、特に、入力電圧よりも小さい降圧電圧と入力電圧よりも大きい昇圧電圧をそれぞれ生成して出力するチャージポンプ回路及びその動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チャージポンプ回路の第1の従来例では、フライングコンデンサを入力電圧で充電し、該フライングコンデンサに充電された電圧に該入力電圧を加算した電圧で出力端子に接続された出力コンデンサを充電することにより、前記入力電圧の2倍の電圧を生成していた(例えば、特許文献1参照。)。更に大きい電圧を生成する場合は、前記入力電圧で充電されたフライングコンデンサの電圧を、該入力電圧の2倍の電圧に充電された前記出力端子の電圧に更に加算して、前記入力電圧の3倍の出力電圧を得ていた。同様の操作を繰り返すことにより、前記入力電圧のN倍の出力電圧を得ることができた。
【0003】
また、チャージポンプ回路の第2の従来例では、入力電圧と同電圧を第1のコンデンサに生成する第1のスイッチング手段と、入力電圧よりも小さい電圧を第2のコンデンサに生成する第2のスイッチング手段とを備えている(例えば、特許文献2参照。)。前記第1及び第2の各コンデンサと前記入力電圧とを組み合わせて接続することにより、前記入力電圧よりも小さい電圧から大きい電圧まで6種類の出力電圧を生成していた。
更に、チャージポンプ回路の第3の従来例では、1つのフライングコンデンサで、入力電圧よりも小さい出力電圧と、該入力電圧よりも大きい出力電圧を出力するようにしていた(例えば、特許文献3参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記第1の従来例では、出力電圧が入力電圧のN倍になり、入力電圧よりも小さい出力電圧を生成することができず、また、入力電圧の整数倍以外の任意の出力電圧を得ることもできなかった。更に、前記第1の従来例では、入力電圧が変動すると出力電圧も変動してしまい、負荷変動に対してもなんら対策がされておらず出力電圧の安定性がよくなかった。
【0005】
また、前記第2の従来例では、入力電圧よりも小さい出力電圧を得ることができるが、専用のフライングコンデンサが必要であるため、入力電圧よりも大きい電圧を同時に得ようとするとフライングコンデンサが2個必要であった。また、前記第1の従来例と同様、前記第2の従来例では、任意の出力電圧を得ることができず、入力電圧変動や負荷変動に対しても出力電圧の安定性がよくなかった。
【0006】
また、前記第3の従来例では、1つのフライングコンデンサで、入力電圧よりも大きい出力電圧と小さい出力電圧の両方を出力することができ、スイッチ手段のオンデューティサイクルを変えることにより出力電圧を変更することも可能であった。しかし、前記第3の従来例では、個々の出力電圧に対してスイッチ手段のオンデューティサイクルを変えることができなかったため、制御できる出力電圧は1つに限られていた。また、前記第3の従来例では、負荷変動に対する対策がされておらず、出力電圧の安定性がよくないという問題があり、更に、インダクタが必要であるためIC化を図ることが困難であった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、1つのフライングコンデンサで入力電圧よりも小さい出力電圧と入力電圧よりも大きい出力電圧を同時に得ることができ、しかも両出力電圧の設定が可能であると共に負荷変動による出力電圧の変動を小さくすることができるチャージポンプ回路及びその動作制御方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るチャージポンプ回路は、入力端子から入力された入力電圧を降圧して降圧出力電圧として降圧出力端子から出力すると共に、該入力電圧を昇圧して昇圧出力電圧として昇圧出力端子から出力するチャージポンプ回路において、
前記入力電圧で充電されるフライングコンデンサと、
前記降圧出力端子と接地電圧との間に接続された降圧出力コンデンサと、
前記昇圧出力端子と接地電圧との間に接続された昇圧出力コンデンサと、
前記入力電圧で前記フライングコンデンサを充電させる第1接続回路部と、
前記フライングコンデンサに充電された電圧で前記降圧出力コンデンサを充電させる第2接続回路部と、
前記フライングコンデンサに充電された電圧に前記入力電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第3接続回路部と、
前記降圧出力コンデンサに充電された電圧に、前記フライングコンデンサに充電された電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第4接続回路部と、
前記降圧出力コンデンサに充電された電圧に、前記フライングコンデンサに充電された電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第4接続回路部と、
前記降圧出力電圧と第1所定値との電圧比較を行うと共に、前記昇圧出力電圧と第2所定値との電圧比較を行い、該各比較結果を示すそれぞれの信号を生成して出力する出力電圧検出回路部と、
該出力電圧検出回路部から出力された各信号に応じて前記第1接続回路部、前記第2接続回路部、前記第3接続回路部及び前記第4接続回路部の動作制御を行う制御回路部と、
を備えるものである。
【0009】
具体的には、前記制御回路部は、所定のクロック信号の2サイクルを1つのステートとして該1つのステートを第1ステップから第4ステップの4つのステップに分割し、前半の2つのステップの間は前記第1接続回路部のみを作動させ、後半の2つのステップで、前記出力電圧検出回路部から出力された各信号に応じて、前記第1接続回路部から前記第4接続回路部のいずれか1つを作動させるようにした。
【0010】
また、前記制御回路部は、前記降圧出力電圧が前記第1所定値よりも大きく、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値よりも大きい場合は、前記1つのステートの間、前記第1接続回路部のみを作動させるようにした。
【0011】
また、前記制御回路部は、前記降圧出力電圧が前記第1所定値以下であり、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値よりも大きい場合は、前記後半の2つのステップの間、前記第2接続回路部のみを作動させるようにした。
【0012】
また、前記制御回路部は、前記降圧出力電圧が前記第1所定値よりも大きく、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値以下である場合は、前記後半の2つのステップの間、前記第4接続回路部のみを作動させるようにした。
【0013】
また、前記制御回路部は、前記降圧出力電圧が前記第1所定値以下であり、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値以下である場合は、第3ステップの間、前記第2接続回路部のみを作動させ、第4ステップの間、前記第3接続回路部を作動させるようにした。
【0014】
また、前記入力電圧で前記フライングコンデンサと前記昇圧出力コンデンサをそれぞれ充電させる第5接続回路部を備え、前記制御回路部は、前記出力電圧検出回路部から出力された各信号に応じて該第5接続回路部の動作制御を行うようにしてもよい。
【0015】
この場合、前記制御回路部は、動作開始直後に、前記第1接続回路部、前記第5接続回路部、前記第2接続回路部及び前記第3接続回路部の順にそれぞれ排他的に作動させるソフトスタート動作を行うようにした。
【0016】
また、前記制御回路部は、動作開始直後に、前記第5接続回路部、前記第2接続回路部及び前記第3接続回路部の順にそれぞれ排他的に作動させるソフトスタート動作を行うようにしてもよい。
【0017】
具体的には、前記入力端子と前記フライングコンデンサの一端との間に接続された第1スイッチと、
前記入力端子と前記フライングコンデンサの他端との間に接続された第2スイッチと、
前記フライングコンデンサの一端と前記降圧出力端子との間に直列に接続された第3スイッチ及び第6スイッチと、
前記フライングコンデンサの一端と前記昇圧出力端子との間に直列に接続された第4スイッチ及び第7スイッチと、
前記フライングコンデンサの他端と、前記第3スイッチ及び前記第6スイッチの接続部との間に接続された第5スイッチと、
前記フライングコンデンサの他端と接地電圧との間に接続された第8スイッチと、
を備え、
前記第1接続回路部は前記第1スイッチ及び第8スイッチで、前記第2接続回路部は前記第3スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第8スイッチで、前記第3接続回路部は前記第2スイッチ、前記第4スイッチ及び前記第7スイッチで、前記第4接続回路部は前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第7スイッチでそれぞれ構成され、前記制御回路部は、前記出力電圧検出回路部から出力された各信号に応じて前記第1スイッチから前記第8スイッチの各スイッチのスイッチング制御を行うようにした。
【0018】
また、前記第5接続回路部は、
前記入力端子と前記フライングコンデンサの一端との間に接続された第1スイッチと、
前記フライングコンデンサの一端と前記昇圧出力端子との間に直列に接続された第4スイッチ及び第7スイッチと、
前記フライングコンデンサの他端と接地電圧との間に接続された第8スイッチと、
で構成され、
前記制御回路部は、前記出力電圧検出回路部から出力された各信号に応じて前記第1スイッチ、前記第4スイッチ、前記第7スイッチ及び前記第8スイッチのスイッチング制御を行うようにした。
【0019】
また、前記出力電圧検出回路部は、
前記降圧出力電圧に比例した降圧比例電圧と、所定の第1参照電圧との電圧比較を行い、該比較結果に応じた第1信号を生成して前記制御回路部に出力する第1電圧比較回路部と、
前記昇圧出力電圧に比例した昇圧比例電圧と所定の第2参照電圧との電圧比較を行い、該比較結果に応じた第2信号を生成して前記制御回路部に出力する第2電圧比較回路部と、
を備えるようにした。
【0020】
また、この発明に係るチャージポンプ回路の動作制御方法は、入力端子から入力された入力電圧で充電されるフライングコンデンサと、
降圧出力端子と接地電圧との間に接続された降圧出力コンデンサと、
昇圧出力端子と接地電圧との間に接続された昇圧出力コンデンサと、
を備え、
前記入力電圧を降圧して降圧出力電圧として前記降圧出力端子から出力すると共に、前記入力電圧を昇圧して昇圧出力電圧として前記昇圧出力端子から出力するチャージポンプ回路の動作制御方法において、
前記降圧出力電圧と第1所定値との電圧比較を行うと共に、前記昇圧出力電圧と第2所定値との電圧比較を行い、
該各比較結果に応じて、
前記入力電圧で前記フライングコンデンサを充電させる第1接続動作と、
前記フライングコンデンサに充電された電圧で前記降圧出力コンデンサを充電させる第2接続動作と、
前記フライングコンデンサに充電された電圧に前記入力電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第3接続動作と、
前記降圧出力コンデンサに充電された電圧に、前記フライングコンデンサに充電された電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第4接続動作と、
前記降圧出力コンデンサに充電された電圧に、前記フライングコンデンサに充電された電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第4接続動作のいずれか1つの動作を行うようにした。
【0021】
具体的には、所定のクロック信号の2サイクルを1つのステートとして該1つのステートを第1ステップから第4ステップの4つのステップに分割し、
前半の2つのステップの間は前記第1接続動作を行い、
後半の2つのステップで、前記各比較結果に応じて、前記第1接続動作から前記第4接続動作のいずれか1つを行うようにした。
【0022】
また、前記降圧出力電圧が前記第1所定値よりも大きく、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値よりも大きい場合は、前記1つのステートの間、前記第1接続動作を行うようにした。
【0023】
また、前記降圧出力電圧が前記第1所定値以下であり、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値よりも大きい場合は、前記後半の2つのステップの間、前記第2接続動作を行うようにした。
【0024】
また、前記降圧出力電圧が前記第1所定値よりも大きく、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値以下である場合は、前記後半の2つのステップの間、前記第4接続動作を行うようにした。
【0025】
また、前記降圧出力電圧が前記第1所定値以下であり、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値以下である場合は、第3ステップの間、前記第2接続動作を行い、第4ステップの間、前記第3接続動作を行うようにした。
【0026】
また、前記各比較結果に応じて、前記入力電圧で前記フライングコンデンサと前記昇圧出力コンデンサをそれぞれ充電させる第5接続動作を行うようにしてもよい。
【0027】
この場合、動作開始直後に、前記第1接続動作、前記第5接続動作、前記第2接続動作及び前記第3接続動作の順に行うソフトスタート動作を行うようにした。
【0028】
また、動作開始直後に、前記第5接続動作、前記第2接続動作及び前記第3接続動作の順に行うソフトスタート動作を行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明のチャージポンプ回路及びその動作制御方法によれば、降圧出力電圧及び昇圧出力電圧を、それぞれの目標電圧である第1所定値及び第2所定値との電圧比較を行い、該各比較結果に応じて降圧出力コンデンサと昇圧出力コンデンサの充電周期を制御するようにしたことから、降圧出力電圧を接地電圧から入力電圧までの間で自由に設定することができると共に、昇圧出力電圧を入力電圧から入力電圧を2倍した電圧までの間で自由に設定することができる。また、フライングコンデンサも1つで済むため、回路の小型化を図ることができる。
【0030】
更に、ソフトスタート動作を行う期間を設け、しかもスイッチを使用した接続動作だけでソフトスタート動作を行うことができるため、新たな回路を追加することがなく回路規模の増加を抑制することができる。
また、インダクタが不要になるため、IC化した場合の外付け部品を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるチャージポンプ回路の回路例を示した図である。
【図2】電圧変換回路2における接続状態aを示した図である。
【図3】電圧変換回路2における接続状態bを示した図である。
【図4】電圧変換回路2における接続状態cを示した図である。
【図5】電圧変換回路2における接続状態dを示した図である。
【図6】電圧変換回路2における接続状態eを示した図である。
【図7】制御回路4の動作例を示した図である。
【図8】チャージポンプ回路1の動作例を示したタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるチャージポンプ回路の回路例を示した図である。
図1におけるチャージポンプ回路1は、電池又は定電圧回路等の直流電源10から入力端子INに入力された入力電圧Vinを降圧して降圧出力電圧Vbuckを生成し降圧出力端子OUT1から出力すると共に、入力電圧Vinを昇圧して昇圧出力電圧Vboostを生成し昇圧出力端子OUT2から出力する。
【0033】
チャージポンプ回路1は、入力電圧Vinから降圧出力電圧Vbuckと昇圧出力電圧Vboostをそれぞれ生成して降圧出力端子OUT1及び昇圧出力端子OUT2からそれぞれ出力する電圧変換回路2と、電圧変換回路2から出力された各出力電圧値の検出を行う出力電圧検出回路3と、出力電圧検出回路3の検出結果に応じて電圧変換回路2の動作制御を行う制御回路4と、所定のクロック信号CLKを生成して出力する発振回路5とを備えている。
電圧変換回路2は、制御入力端に入力された制御信号に応じてスイッチングを行うスイッチS1〜S8と、フライングコンデンサCFと、降圧出力コンデンサC1と、昇圧出力コンデンサC2とを備えている。
【0034】
また、出力電圧検出回路3は、コンパレータ21,22と、所定の第1参照電圧Vr1を生成して出力する第1参照電圧生成回路23と、所定の第2参照電圧Vr2を生成して出力する第2参照電圧生成回路24と、抵抗R1〜R4とを備えている。
なお、出力電圧検出回路3は出力電圧検出回路部を、制御回路4及び発振回路5は制御回路部をそれぞれなし、スイッチS1は第1スイッチを、スイッチS2は第2スイッチを、スイッチS3は第3スイッチを、スイッチS4は第4スイッチを、スイッチS5は第5スイッチを、スイッチS6は第6スイッチを、スイッチS7は第7スイッチを、スイッチS8は第8スイッチをそれぞれなす。また、コンパレータ21、抵抗R1,R2及び第1参照電圧生成回路23は第1電圧比較回路部をなし、コンパレータ22、抵抗R3,R4及び第2参照電圧生成回路24は第2電圧比較回路部をなす。
【0035】
直流電源10から、入力端子INには正側電源電圧をなす入力電圧が、接地端子GNDには負側電源電圧がそれぞれ入力されており、以下、負側電源電圧が接地電圧である場合を例にして説明する。
入力端子INと降圧出力端子OUT1との間にはスイッチS1、S3及びS6が直列に接続されており、スイッチS1及びS3の直列回路には、スイッチS2及びS5の直列回路が並列に接続されている。また、スイッチS1及びS3の接続部と昇圧出力端子OUT2との間にはスイッチS4及びS7が直列に接続されている。
【0036】
スイッチS1とスイッチS3との接続部と、スイッチS2とスイッチS5との接続部との間にはフライングコンデンサCFが接続され、スイッチS2とスイッチS5との接続部と接地電圧との間にはスイッチS8が接続されている。また、降圧出力端子OUT1と接地電圧との間には降圧出力コンデンサC1が、昇圧出力端子OUT2と接地電圧との間には昇圧出力コンデンサC2がそれぞれ接続されている。
【0037】
一方、降圧出力端子OUT1と接地電圧との間には抵抗R1及びR2が直列に接続され、抵抗R1とR2との接続部はコンパレータ21の反転入力端に接続されている。コンパレータ21の非反転入力端には第1参照電圧Vr1が入力され、コンパレータ21の出力端は制御回路4に接続されている。また、昇圧出力端子OUT2と接地電圧との間には抵抗R3及びR4が直列に接続され、抵抗R3とR4との接続部はコンパレータ22の反転入力端に接続されている。コンパレータ22の非反転入力端には第2参照電圧Vr2が入力され、コンパレータ22の出力端は制御回路4に接続されている。
【0038】
制御回路4には、クロック信号CLKが入力されており、コンパレータ21の出力信号Vo1、コンパレータ22の出力信号Vo2及びクロック信号CLKに基づいて、スイッチS1〜S8に対する制御信号SC1〜SC8をそれぞれ生成して、対応するスイッチS1〜S8の各制御入力端に出力する。スイッチS1〜S8は、対応して入力された制御信号SC1〜SC8に応じてスイッチング動作を行う。
【0039】
このような構成において、抵抗R1及びR2は、降圧出力電圧Vbuckを分圧して降圧比例電圧Vfb1を生成し、降圧比例電圧Vfb1はコンパレータ21の反転入力端に入力される。コンパレータ21は、降圧比例電圧Vfb1が第1参照電圧Vr1よりも大きい場合はハイレベルの出力信号Vo1を出力し、降圧比例電圧Vfb1が第1参照電圧Vr1以下である場合はローレベルの出力信号Vo1を出力する。また、抵抗R3及びR4は、昇圧出力電圧Vboostを分圧して昇圧比例電圧Vfb2を生成し、昇圧比例電圧Vfb2はコンパレータ22の反転入力端に入力される。コンパレータ22は、昇圧比例電圧Vfb2が第2参照電圧Vr2よりも大きい場合はハイレベルの出力信号Vo2を出力し、昇圧比例電圧Vfb2が第2参照電圧Vr2以下である場合はローレベルの出力信号Vo2を出力する。制御回路4は、入力されたクロック信号CLK、信号Vo1及びVo2に応じて、電圧変換回路2の各スイッチS1〜S8のオン/オフ制御を行う。
【0040】
電圧変換回路2のスイッチS1〜S8は、制御回路4によって、図2〜6で示した接続状態a〜接続状態eの5通りのオン/オフ状態になる。
図2は、接続状態aを示しており、この場合、スイッチS1及びS8がそれぞれオンして導通状態になると共にスイッチS2〜S7がそれぞれオフして遮断状態になり、フライングコンデンサCFは入力電圧Vinで充電される。
図3は、接続状態bを示しており、この場合、スイッチS3、S6及びS8がそれぞれオンして導通状態になると共にスイッチS1、S2、S4、S5及びS7がそれぞれオフして遮断状態になり、降圧出力コンデンサC1はフライングコンデンサCFに充電された電圧で充電される。
【0041】
図4は、接続状態cを示しており、この場合、スイッチS2、S4及びS7がそれぞれオンして導通状態になると共にスイッチS1、S3、S5、S6及びS8がそれぞれオフして遮断状態になり、昇圧出力コンデンサC2は、入力電圧VinにフライングコンデンサCFに充電された電圧を加算した電圧で充電される。
図5は、接続状態dを示しており、この場合、スイッチS4〜S7がそれぞれオンして導通状態になると共にスイッチS1〜S3及びS8がそれぞれオフして遮断状態になり、昇圧出力コンデンサC2は、降圧出力コンデンサC1に充電された電圧に、フライングコンデンサCFに充電された電圧を加算した電圧で充電される。
【0042】
図6は、接続状態eを示しており、この場合、スイッチS1、S4、S7及びS8がそれぞれオンして導通状態になると共にスイッチS2、S3、S5及びS6がそれぞれオフして遮断状態になり、フライングコンデンサCFと昇圧出力コンデンサはそれぞれ入力電圧Vinで充電される。
次に、図7は、制御回路4の動作例を示した図であり、図8は、チャージポンプ回路1の動作例を示したタイミングチャートである。図7及び図8を使用して図1のチャージポンプ回路1の動作について説明する。
図8から分かるように、チャージポンプ回路1の動作は、クロック信号CLKの2サイクルを1つのステートとしており、1つのステートをクロック信号CLKの半周期ごとに4つのステップに分割している。
【0043】
制御回路4は、各ステートの最初の第1ステップで、コンパレータ21及び22の各出力信号Vo1及びVo2の状態をそれぞれ確認し、該状態に応じて、第1ステップから第4ステップまでの各ステップにおける接続状態を、図7で示すように接続状態a〜dの中から選択して形成する。
図7において、信号Vo1及びVo2がそれぞれローレベルになると、制御回路4は、第1ステップから第4ステップまでそれぞれ接続状態aになるようにスイッチS1〜S8の動作を制御する。出力信号Vo1及びVo2が共にローレベルであるということは、降圧電圧Vbuckが第1参照電圧Vr1よりも大きく、昇圧電圧Vboostが第2参照電圧Vr2よりも大きいことを示しており、このステートでは、フライングコンデンサCFが充電されるだけで、降圧出力コンデンサC1と昇圧出力コンデンサC2への充電は行われない。
【0044】
次に、信号Vo1がハイレベルで信号Vo2がローレベルである場合、制御回路4は、第1ステップ及び第2ステップで接続状態aになりフライングコンデンサCFが充電される。この後、第3ステップ及び第4ステップでは、スイッチS3、S6及びS8がそれぞれオンして接続状態bになる。コンパレータ21の出力信号Vo1がハイレベルで、コンパレータ22の出力信号Vo2がローレベルである場合は、降圧電圧Vbuckが第1参照電圧Vr1以下になっており、昇圧電圧Vboostが第2参照電圧Vr2よりも大きくなっている。このため、降圧電圧Vbuckだけを上昇させるために、フライングコンデンサCFに充電された電圧で降圧出力コンデンサC1が充電される。また、昇圧電圧Vboostは第2参照電圧Vr2よりも大きいため、昇圧出力コンデンサC2への充電は行われない。
【0045】
次に、信号Vo1がローレベルで信号Vo2がハイレベルである場合、制御回路4は、第1ステップ及び第2ステップで接続状態aになりフライングコンデンサCFが充電される。この後、第3ステップ及び第4ステップで、スイッチS4〜S7がそれぞれオンして接続状態dになる。コンパレータ21の出力信号Vo1がローレベルで、コンパレータ22の出力信号Vo2がハイレベルである場合は、降圧電圧Vbuckが第1参照電圧Vr1よりも大きくなっており、昇圧電圧Vboostは第2参照電圧Vr2以下になっている。このようなことから、昇圧電圧Vboostを上昇させると共に降圧電圧Vbuckを低下させるために、降圧出力コンデンサC1に充電された電圧に、入力電圧Vinで充電されたフライングコンデンサCFの電圧を加算した電圧で昇圧出力コンデンサC1が充電される。この結果、降圧電圧Vbuckが低下し、昇圧電圧Vboostが上昇する。
【0046】
次に、信号Vo1及びVo2がそれぞれハイレベルである場合、制御回路4は、第1ステップ及び第2ステップで接続状態aになりフライングコンデンサCFが充電される。この後、第3ステップで、スイッチS3、S6及びS8がそれぞれオンして接続状態bになり、第4ステップで、スイッチS2、S4及びS7がそれぞれオンして接続状態cになる。コンパレータ21及び22の各出力信号Vo1及びVo2がそれぞれハイレベルであるということは、降圧電圧Vbuck及び昇圧電圧Vboostが、対応する第1参照電圧Vr1及び第2参照電圧Vr2以下であるということである。このようなことから、第3ステップでは、降圧電圧Vbuckを上昇させるために、フライングコンデンサCFに充電された電圧で降圧出力コンデンサC1が充電される。また、第4ステップでは、昇圧電圧Vboostを上昇させるため、入力電圧VinにフライングコンデンサCFの電圧を加算した電圧で昇圧出力コンデンサC2が充電される。この結果、降圧出力コンデンサC1及び昇圧出力コンデンサC2がそれぞれ充電される。
【0047】
次に、図8において、図1では図示していないが、ENはチャージポンプ回路1に対するイネーブル信号であり、イネーブル信号ENがハイレベルになるとチャージポンプ回路1は動作を開始する。また、図8では、クロック信号CLKに記したP1〜P19の符号は、動作説明を行うためのクロック番号を、ステートは前記のようにチャージポンプ回路1の各ステートをそれぞれ示しており、S1〜S8はスイッチS1〜S8のオン/オフ状態を示している。
イネーブル信号ENがハイレベルになると、チャージポンプ回路1が動作を開始して、発振回路5からクロック信号CLKが出力される。
【0048】
チャージポンプ回路1の動作開始直後は、昇圧出力コンデンサC2と降圧出力コンデンサC1にはそれぞれ電荷が蓄積されておらず、直ちにチャージポンプ動作を行うと、大きな突入電流が発生する。このような突入電流の発生を防止するためにソフトスタート期間を設けている。
該ソフトスタート期間では、まず、入力電圧VinでフライングコンデンサCFを充電するために接続状態aを形成する。フライングコンデンサCFが入力電圧Vinで充電された後、昇圧出力コンデンサC2を入力電圧Vinで充電するために接続状態eを形成する。
【0049】
昇圧出力コンデンサC2の電圧が入力電圧Vinまで上昇すると、降圧出力コンデンサC1を充電するために接続状態bを形成し、入力電圧Vinで充電されたフライングコンデンサCFで降圧出力コンデンサC1を充電する。次に、昇圧出力コンデンサC2を入力電圧Vin以上に昇圧するために、接続状態cを形成し、降圧出力コンデンサC1に充電を行って電圧が低下したフライングコンデンサCFの電圧に入力電圧Vinを加えた電圧で昇圧出力コンデンサC2を充電する。
【0050】
このように、ソフトスタート期間では各コンデンサを順次、段階的に充電するようにしたため、大きな突入電流の発生を抑制することができる。なお、直流電源10に余裕があれば、1点鎖線で示すようにソフトスタート期間の最初から接続状態eを形成してフライングコンデンサCFと昇圧出力コンデンサC2を同時に充電するようにしてもよい。また、図8では、説明を分かりやすくするためにソフトスタート期間をクロック信号CLKのクロックP1〜P4の間で行っているが、実際には、もっと多くのクロックサイクルが必要である。更に、直流電源10の電源容量や各コンデンサCF、C1及びC2のそれぞれの静電容量等に応じて前記各接続状態の期間を変更するようにすればよい。
【0051】
次に、クロック信号CLKのクロックP5からチャージポンプ回路1の通常の動作が行われる。クロックP5の立ち上がりでステートST1が開始し、このときのコンパレータ21及び22の各出力信号Vo1及びVo2は共にハイレベルである。すなわち、期間Aでは、降圧電圧Vbuck及び昇圧電圧Vboostが、それぞれ目標電圧である第1所定値及び第2所定値よりも低下している。このため、各ステップの接続状態は、図7における信号Vo1及びVo2がそれぞれハイレベルである場合になる。すなわち、第1ステップ及び第2ステップは接続状態aが形成され、第3ステップでは接続状態bが、第4ステップでは接続状態cがそれぞれ形成される。
【0052】
クロックP7から始まるステートST2においても、コンパレータ21及び22の各出力信号Vo1及びVo2はそれぞれハイレベルであるため、ステートST1と同じ動作を行う。しかし、ステートST2では、クロックP8の立ち下がり時点でコンパレータ21の出力信号Vo1がローレベルに変化し、降圧電圧Vbuckが目標電圧を超えたことを示している。なお、説明を分かりやすくするために、コンパレータ21の出力信号Vo1がクロック信号CLKに同期しているように説明したが、実際には非同期であり、以下の表記についても同様である。
【0053】
クロックP9から始まるステートST3では、コンパレータ21の出力信号Vo1がローレベルで、コンパレータ22の出力信号Vo2がハイレベルである。すなわち、期間Bは、昇圧電圧Vboostだけが目標電圧に達していない状態である。このため、各ステップの接続状態は、図7における出力信号Vo1がローレベルで出力信号Vo2がハイレベルである状態になる。すなわち、ステートST3において、第1ステップ及び第2ステップは接続状態aが形成され、後半の第3ステップ及び第4ステップは接続状態dが形成される。
【0054】
クロックP11から始まるステートST4でも同じ条件であるが、ステートST4では、クロックP12の立ち上がりでコンパレータ21の出力信号Vo1がハイレベルに戻り、クロックP12の立ち下がりでコンパレータ22の出力信号Vo2がローレベルに変化している。このため、クロックP13から始まるステートST5では、各ステップの接続状態は図7における出力信号Vo1がハイレベルで出力信号Vo2がローレベルである状態になる。すなわち、ステートST5において、第1ステップ及び第2ステップは接続状態aが形成され、後半の第3ステップ及び第4ステップは接続状態bが形成される。
【0055】
クロックP15から始まるステートST6においても、ステートST5と同様の動作を行うが、ステートST6では、クロックP16の立ち下がりでコンパレータ21の出力信号Vo1がローレベルになっている。このため、クロックP17から始まるステートST7では、各ステップの接続状態は図7における出力信号Vo1及びVo2がそれぞれローレベルである状態になる。すなわち、ステートST7において、4つの各ステップでそれぞれ接続状態aが形成され、降圧出力コンデンサC1と昇圧出力コンデンサC2への充電は行われない。
なお、前記説明では、図7における出力信号Vo1がローレベルで出力信号Vo2がハイレベルである状態の第3ステップ及び第4ステップで接続状態dを形成するようにしているが、昇圧電圧Vboostの設定値が大きく、降圧電圧Vbuckに入力電圧Vinを加えた電圧以上である場合は、接続状態cを使用するようにすればよい。
【0056】
このように、本第1の実施の形態におけるチャージポンプ回路は、降圧比例電圧Vfb1、昇圧比例電圧Vfb2、第1参照電圧Vr1及び第2参照電圧Vr2を使用して、降圧電圧Vbuck及び昇圧電圧Vboostを、それぞれの目標電圧である第1所定値及び第2所定値と電圧比較を行い、該比較結果に応じて、降圧出力コンデンサC1と昇圧出力コンデンサC2の充電周期を制御するようにしたことから、降圧電圧Vbuckを0Vから入力電圧Vinの間で自由に設定することができると共に、昇圧電圧Vboostを入力電圧Vinから2×Vinまでの間で設定することができる。
【0057】
また、フライングコンデンサCFが1つで済むため、回路の小型化を図ることができる。
更に、ソフトスタート期間を設け、しかも電圧変換回路2のスイッチ状態だけでソフトスタート動作を行うことができるため、新たな回路を追加することがなく回路規模の増加を抑制することができる。
更に、インダクタが不要になるため、IC化した場合の外付け部品を少なくすることができる。
【符号の説明】
【0058】
1 チャージポンプ回路
2 電圧変換回路
3 出力電圧検出回路
4 制御回路
5 発振回路
10 直流電源
21,22 コンパレータ
23 第1参照電圧生成回路
24 第2参照電圧生成回路
S1〜S8 スイッチ
CF フライングコンデンサ
C1 降圧出力コンデンサ
C2 昇圧出力コンデンサ
R1〜R4 抵抗
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開昭56−12859号公報
【特許文献2】実開昭61−120933号公報
【特許文献3】特開平5−111243号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子から入力された入力電圧を降圧して降圧出力電圧として降圧出力端子から出力すると共に、該入力電圧を昇圧して昇圧出力電圧として昇圧出力端子から出力するチャージポンプ回路において、
前記入力電圧で充電されるフライングコンデンサと、
前記降圧出力端子と接地電圧との間に接続された降圧出力コンデンサと、
前記昇圧出力端子と接地電圧との間に接続された昇圧出力コンデンサと、
前記入力電圧で前記フライングコンデンサを充電させる第1接続回路部と、
前記フライングコンデンサに充電された電圧で前記降圧出力コンデンサを充電させる第2接続回路部と、
前記フライングコンデンサに充電された電圧に前記入力電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第3接続回路部と、
前記降圧出力コンデンサに充電された電圧に、前記フライングコンデンサに充電された電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第4接続回路部と、
前記降圧出力コンデンサに充電された電圧に、前記フライングコンデンサに充電された電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第4接続回路部と、
前記降圧出力電圧と第1所定値との電圧比較を行うと共に、前記昇圧出力電圧と第2所定値との電圧比較を行い、該各比較結果を示すそれぞれの信号を生成して出力する出力電圧検出回路部と、
該出力電圧検出回路部から出力された各信号に応じて前記第1接続回路部、前記第2接続回路部、前記第3接続回路部及び前記第4接続回路部の動作制御を行う制御回路部と、
を備えることを特徴とするチャージポンプ回路。
【請求項2】
前記制御回路部は、所定のクロック信号の2サイクルを1つのステートとして該1つのステートを第1ステップから第4ステップの4つのステップに分割し、前半の2つのステップの間は前記第1接続回路部のみを作動させ、後半の2つのステップで、前記出力電圧検出回路部から出力された各信号に応じて、前記第1接続回路部から前記第4接続回路部のいずれか1つを作動させることを特徴とする請求項1記載のチャージポンプ回路。
【請求項3】
前記制御回路部は、前記降圧出力電圧が前記第1所定値よりも大きく、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値よりも大きい場合は、前記1つのステートの間、前記第1接続回路部のみを作動させることを特徴とする請求項2記載のチャージポンプ回路。
【請求項4】
前記制御回路部は、前記降圧出力電圧が前記第1所定値以下であり、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値よりも大きい場合は、前記後半の2つのステップの間、前記第2接続回路部のみを作動させることを特徴とする請求項2又は3記載のチャージポンプ回路。
【請求項5】
前記制御回路部は、前記降圧出力電圧が前記第1所定値よりも大きく、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値以下である場合は、前記後半の2つのステップの間、前記第4接続回路部のみを作動させることを特徴とする請求項2、3又は4記載のチャージポンプ回路。
【請求項6】
前記制御回路部は、前記降圧出力電圧が前記第1所定値以下であり、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値以下である場合は、第3ステップの間、前記第2接続回路部のみを作動させ、第4ステップの間、前記第3接続回路部を作動させることを特徴とする請求項2、3、4又は5記載のチャージポンプ回路。
【請求項7】
前記入力電圧で前記フライングコンデンサと前記昇圧出力コンデンサをそれぞれ充電させる第5接続回路部を備え、前記制御回路部は、前記出力電圧検出回路部から出力された各信号に応じて該第5接続回路部の動作制御を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のチャージポンプ回路。
【請求項8】
前記制御回路部は、動作開始直後に、前記第1接続回路部、前記第5接続回路部、前記第2接続回路部及び前記第3接続回路部の順にそれぞれ排他的に作動させるソフトスタート動作を行うことを特徴とする請求項7記載のチャージポンプ回路。
【請求項9】
前記制御回路部は、動作開始直後に、前記第5接続回路部、前記第2接続回路部及び前記第3接続回路部の順にそれぞれ排他的に作動させるソフトスタート動作を行うことを特徴とする請求項7記載のチャージポンプ回路。
【請求項10】
前記入力端子と前記フライングコンデンサの一端との間に接続された第1スイッチと、
前記入力端子と前記フライングコンデンサの他端との間に接続された第2スイッチと、
前記フライングコンデンサの一端と前記降圧出力端子との間に直列に接続された第3スイッチ及び第6スイッチと、
前記フライングコンデンサの一端と前記昇圧出力端子との間に直列に接続された第4スイッチ及び第7スイッチと、
前記フライングコンデンサの他端と、前記第3スイッチ及び前記第6スイッチの接続部との間に接続された第5スイッチと、
前記フライングコンデンサの他端と接地電圧との間に接続された第8スイッチと、
を備え、
前記第1接続回路部は前記第1スイッチ及び第8スイッチで、前記第2接続回路部は前記第3スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第8スイッチで、前記第3接続回路部は前記第2スイッチ、前記第4スイッチ及び前記第7スイッチで、前記第4接続回路部は前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、前記第6スイッチ及び前記第7スイッチでそれぞれ構成され、前記制御回路部は、前記出力電圧検出回路部から出力された各信号に応じて前記第1スイッチから前記第8スイッチの各スイッチのスイッチング制御を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のチャージポンプ回路。
【請求項11】
前記第5接続回路部は、
前記入力端子と前記フライングコンデンサの一端との間に接続された第1スイッチと、
前記フライングコンデンサの一端と前記昇圧出力端子との間に直列に接続された第4スイッチ及び第7スイッチと、
前記フライングコンデンサの他端と接地電圧との間に接続された第8スイッチと、
で構成され、
前記制御回路部は、前記出力電圧検出回路部から出力された各信号に応じて前記第1スイッチ、前記第4スイッチ、前記第7スイッチ及び前記第8スイッチのスイッチング制御を行うことを特徴とする請求項7記載のチャージポンプ回路。
【請求項12】
前記出力電圧検出回路部は、
前記降圧出力電圧に比例した降圧比例電圧と、所定の第1参照電圧との電圧比較を行い、該比較結果に応じた第1信号を生成して前記制御回路部に出力する第1電圧比較回路部と、
前記昇圧出力電圧に比例した昇圧比例電圧と所定の第2参照電圧との電圧比較を行い、該比較結果に応じた第2信号を生成して前記制御回路部に出力する第2電圧比較回路部と、
を備えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載のチャージポンプ回路。
【請求項13】
入力端子から入力された入力電圧で充電されるフライングコンデンサと、
降圧出力端子と接地電圧との間に接続された降圧出力コンデンサと、
昇圧出力端子と接地電圧との間に接続された昇圧出力コンデンサと、
を備え、
前記入力電圧を降圧して降圧出力電圧として前記降圧出力端子から出力すると共に、前記入力電圧を昇圧して昇圧出力電圧として前記昇圧出力端子から出力するチャージポンプ回路の動作制御方法において、
前記降圧出力電圧と第1所定値との電圧比較を行うと共に、前記昇圧出力電圧と第2所定値との電圧比較を行い、
該各比較結果に応じて、
前記入力電圧で前記フライングコンデンサを充電させる第1接続動作と、
前記フライングコンデンサに充電された電圧で前記降圧出力コンデンサを充電させる第2接続動作と、
前記フライングコンデンサに充電された電圧に前記入力電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第3接続動作と、
前記降圧出力コンデンサに充電された電圧に、前記フライングコンデンサに充電された電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第4接続動作と、
前記降圧出力コンデンサに充電された電圧に、前記フライングコンデンサに充電された電圧を加算した電圧で前記昇圧出力コンデンサを充電させる第4接続動作のいずれか1つの動作を行うことを特徴とするチャージポンプ回路の動作制御方法。
【請求項14】
所定のクロック信号の2サイクルを1つのステートとして該1つのステートを第1ステップから第4ステップの4つのステップに分割し、
前半の2つのステップの間は前記第1接続動作を行い、
後半の2つのステップで、前記各比較結果に応じて、前記第1接続動作から前記第4接続動作のいずれか1つを行うことを特徴とする請求項13記載のチャージポンプ回路の動作制御方法。
【請求項15】
前記降圧出力電圧が前記第1所定値よりも大きく、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値よりも大きい場合は、前記1つのステートの間、前記第1接続動作を行うことを特徴とする請求項14記載のチャージポンプ回路の動作制御方法。
【請求項16】
前記降圧出力電圧が前記第1所定値以下であり、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値よりも大きい場合は、前記後半の2つのステップの間、前記第2接続動作を行うことを特徴とする請求項14又は15記載のチャージポンプ回路の動作制御方法。
【請求項17】
前記降圧出力電圧が前記第1所定値よりも大きく、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値以下である場合は、前記後半の2つのステップの間、前記第4接続動作を行うことを特徴とする請求項14、15又は16記載のチャージポンプ回路の動作制御方法。
【請求項18】
前記降圧出力電圧が前記第1所定値以下であり、かつ前記昇圧出力電圧が前記第2所定値以下である場合は、第3ステップの間、前記第2接続動作を行い、第4ステップの間、前記第3接続動作を行うことを特徴とする請求項14、15、16又は17記載のチャージポンプ回路の動作制御方法。
【請求項19】
前記各比較結果に応じて、前記入力電圧で前記フライングコンデンサと前記昇圧出力コンデンサをそれぞれ充電させる第5接続動作を行うことを特徴とする請求項13、14、15、16、17又は18記載のチャージポンプ回路の動作制御方法。
【請求項20】
動作開始直後に、前記第1接続動作、前記第5接続動作、前記第2接続動作及び前記第3接続動作の順に行うソフトスタート動作を行うことを特徴とする請求項19記載のチャージポンプ回路の動作制御方法。
【請求項21】
動作開始直後に、前記第5接続動作、前記第2接続動作及び前記第3接続動作の順に行うソフトスタート動作を行うことを特徴とする請求項19記載のチャージポンプ回路の動作制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−30394(P2011−30394A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176197(P2009−176197)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】