チューニング可能なマイクロ波装置
本発明は、導波管装置と導波管装置に入力される電磁信号をチューニングするための複数のバラクタを含むチューニング素子を有するチューニング可能なマイクロ波装置(100)に関する。それは、基板(1)、少なくとも2つの導電層(2,3)と交互に配置される、少なくとも1つの誘電体層(4)を有する層状構造(20)を有する。層状構造は、第1の上記導電層(2)が基板(1)に最も近くなるように、基板(1)上に配置される。それはまた少なくとも1つの表面に取付けられる導波管(5)と、基板から最も離れ、表面に取り付けあれる導波管(5)の壁を形成するように構成され、壁が上記壁で生成される表面電流の制御を可能に配置され、従って導波管にチューニング可能で制御可能なインピーダンスをロードする上記チューニング素子と一体化した第2の導電層(3)と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導波管部と、チューニング素子とを有し、チューニング(tuning)素子は導波管部に入力される電磁信号をチューニングするための複数のバラクタからなる、チューニング可能な(tunable)マイクロ波装置(arrangements)に関する。本発明はまたそのようなチューニング可能なマイクロ波装置を提供するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波システムにとって、一般的にチューニング可能な装置又はコンポーネントは非常に重要である。チューニング可能な装置の一例として、共振器、フィルタ、移相器、及びアンテナが挙げられる。特に重要なのは、アジャイルなマイクロ波システムのためのチューニング可能なコンポーネント又は装置である。一般的に、チューニング可能なコンポーネントは、集中インダクタ及びキャパシタ(いわゆる集中LCデバイス)、及びバラクタ(制御可能なキャパシタ)がチューニング手段として用いられる送信ライン部の形状で実装される。バラクタは、様々な種類のものであってよい。例えばマイクロエレクトロメカニカルバラクタ(MEM)、或いは半導体バラクタ、例えばp−n接合からなるもの、MOS(Metal Oxide Semiconductors)バラクタ等。バラクタはまた強誘電体であってもよい。一般的に、バラクタは、送信ライン部及びLCデバイスがハイブリッドに構成され、モノリシック集積回路は、集中定数及び分散定数がマイクロストリップ、ストリップライン、または共平面構造を有する。製造コストを低く抑えながら品質係数を増大させるために、表面にマウントされるコンポーネントとして中空導波路を使用することが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それは、しかしながらチューニング可能な共振器、及び、比較的高い損失と関連づけられる、集中LC素子及びマイクロストリップ部、コプレナー導波管及びストリップラインに基づく、他の集積コンポーネントを有するような装置の問題である。これは主に、電流が放射する開放構造に集中するために、薄く、狭い金属ストリップに集中した高い電流に起因する。表面に取付けられる導波管が他のタイプの統合導波管よりも小さな損失を有するとしても、そのような導波管中を伝搬する電磁波のパラメータを、品質係数(Q-factor)を減少させることなく電気的にチューニングすることは難しい。製造コストを低く保つこともまた困難である。
【0004】
安価で、製造が容易であり、同時に高い損失の影響を受けない、改良されたチューニング可能なマイクロ波装置を提供することは、本発明の目的である。品質(Q)ファクターの大幅な低下なく、電気的にチューニングされ得るマイクロ波装置を提供することは、その他の目的である。特にマイクロ波装置の電気的なチューニングを容易にすることは、目的である。そのようなチューニング可能なマイクロ波装置の製造のための方法を提供することもまた、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、これらの問題の1つ又は複数を解決するために、導波管装置とバラクタからなるチューニング素子とを有するチューニング可能なマイクロ波装置が提供される。これは、基板と層状構造を有する。層状構造は、少なくとも2つの導電層と、交互に配列された、少なくとも1つの誘電体層を有する。層状構造は、第1の導電層が基板に最も近く位置するような方法で、基板上に積層される。導波管装置もまた、1又は複数の表面に取付けられる導波管を有する。基板から、最も離れた、又は最も遠くに積層される導電層は、表面に取付けられる導波管の壁を形成するように適応される。この導波管の壁は、一体化されるよう適合され、又はチューニング素子の形成を支援する。チューニング素子は、壁で生成され、導波管にチューニング可能な又は制御可能なインピーダンスをロードする表面電流を制御する、又は、に影響するように構成される。
【0006】
そのようなチューニング可能なマイクロ波装置を提供するための方法もまた提供される。方法に従えば、2又はそれ以上の導電層と少なくとも1つの誘電体層を含む層状構造が提供される。層状構造は、導電層のうちの1つが基盤に近く又は基板上に積層されるような方法で、基板上に提供される。基板上に位置する導電層から最も離れて位置する導電層のもう一方において、チューニング素子は、一体化又は提供される。導波管装置は、離れた導電層により形成される表面上に、この離れた層が表面に取付けられる導波管の表面の壁を形成するような方法で取付けられる。導波管装置に入力され、伝搬する電磁波をチューニングするために、チューニング電圧が層状構造に加えられ得る。壁中のチューニング素子は、電磁信号の入力により壁中で生成される表面電流のラインをカットするだろう。
【発明の効果】
【0007】
マイクロ波装置が安価に製造が容易に、そして同時に高いパフォーマンスを有して提供されることは、本発明の利点である。表面に取付けられたコンポーネントがチューニングされ得ること、すなわち、そのような導波管中で伝搬する電磁波のパラメータが、実質的にQ-ファクターに影響又は減少させることなく、電気的にチューニングされることもまた利点である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、次のように限定しない方法で、添付の図面を参照しながらさらに説明されるだろう。
【図1】図1は、第1の実施形態に係る表面に取付けられる導波管を含むチューニング可能な装置を示す。
【図2】図2は、マイクロ波信号の入力に起因して導波管の壁に生成される電流を示す、表面に取付けられる導波管のより大きなスケールの図である。
【図3】図3は、図2の表面に取付けられる導波管を下部の壁におけるチューニング可能な素子と共に示す。
【図4A】図4Aは、図1中のように装置の基板上に配置される、近接する導電層を示す。
【図4B】図4Bは、図4AのA−Aラインに沿った断面図であり、層状構造(ダッシュライン)のさらなる層を示す。
【図5】図5は、図1に示される装置の中空導波管共振器の壁を形成する、離れた導電層をより大きなスケールで示す。
【図6】図6は、図1に示される層状構造の下からの図1を示す。
【図7】図7は、図1のような装置の等価回路を示す回路図である。
【図8】図8は、チューニング可能なマイクロ波装置の第2の実施形態を示す。
【図9】図9は、チューニング可能なマイクロ波装置の第3の実施形態を示す。
【図10】図10は、フィルタを含むチューニング可能なマイクロ波装置の第4の実施形態を示す。
【図11】図11は、位相フィルタ又は遅延ラインを有する本発明の装置の第5の実施形態を示す。
【図12】図12は、第6の実施形態に係る、壁にチューニング素子を有する導波管を示す。
【図13】図13は、チューニング可能なマイクロ波装置を提供するための本発明に係る方法を描くフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、マイクロ波装置100を示す。これは、例えばFR−4など、又はシリコン(SiGe)、GaAsなどの基板であるプリント基板(PCB:Printed Circuit Board)であってよい、基板1を有する。基板1上に、層状構造20が配置される。層状構造20は、ここで第1の、また近接したと言われる導電層2と、第2の、離れた、導電層3とを有する。導電層2及び導電層3の間に、誘電体層4が配される。誘電体層4は、例えば液晶、強誘電体、又はパイロクロア複合酸化物のような酸化金属複合体を有する。離れた導電層3は、好ましくは、チューニング素子(不図示)を形成する又は含む領域を有する所定のパターンである。また、第1の、近接した導電層2は、所定のパターンであってよい。複合酸化金属からなる誘電体層4は、特に、少なくとも導電層3又は複数の層においてチューニング素子を形成する又は含む所定パターンの領域に対応する領域においては、所定のパターンであってよい。誘電体層4の誘電率は、電界を利用することによってチューニングすることができる。
【0010】
階層構造の最上層において、表面に取付けられる導波管5は、離れた又は最上層の導電層3に接続される。導電層3は、導波管5の底壁として提供されるだろう。有利な実施形態において、表面に取付けられる導波管5は、中空である。他の実施形態において、それは中空でない。これは、例えば、金属化された側又は導電層3上に配置されているものを除いた表面にdielectricumを含むかもしれない。dielectricumは、そして好ましくは、低損失のdielectricumである。
【0011】
図1中のSIN、SOUTは、電磁信号の入力と出力とを示している。それは、従来の方法において、ループ、プローブ、又は虹彩(irises)を含んでよいカップリング手段によって、in/outがカップリングされている。カップリング手段は、導波管に接続されている。
【0012】
図2は、導電層3が底壁として機能する中空導波管共振器5を概略的に示す。図中において、入力電磁信号により生成される電流が示される。中空導波管5はここで長方形であり、本発明がいかなる特定の形状を有する、表面に取付けられる導波管に限定されないことは明らかであり、それはまた正方形、円形、又は他の適切ないかなる形状であってもよい。
【0013】
表面に取付けられる導波管5の底壁、すなわち、最上層の導電層3上にスロットが図3を参照して詳述されるように提供される。入力/出力カップリング手段は、図2中に示されないが、上述のように、入力/出力カップリングは、プローブ又はループ、虹彩などによって提供されるだろう。マイクロ波信号が入力されるとき、表面電流が生成される。それらは、最上層の壁から底壁3の中心に向かって垂直壁I7,I7’,I7’’,I7’’’,i6,i6’,i6’’,i6’’’に沿って流れる。
【0014】
図3は、図2と類似の図だが、電流I6’’とI6とのパスを選択的にカットするために抑えて開けられた、底壁(導電層3)中に提供されるスロット8,8’を示す。代わりの実施形態において、スロットは、電流I6’’及びI6’’’をカットするために提供されてもよい。可変キャパシタ又はバラクタ9,9’がスロット8,8’中に、制御可能な範囲内で、電流がそれらを介して流れるように、それぞれ提供又は接続される。これらのキャパシタ9,9’は、チップ、例えばMEM(Micro−electro mechanical)又は半導体デバイスなどを含んでもよい。他の実装において、キャパシタは、層状構造、例えば図1の層状構造20の一体化した要素として形成される。かくして、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で、一体化、又は、別々の独立したコンポーネントとして、バラクタのいくつかの異なる実装がある。
【0015】
図4、4A、及び5は、層状構造の層と、一体化したキャパシタの1つの特定の実装をそれぞれ有する層状構造を示す。
【0016】
図4は、第1の近接した導電層2とそのような一体化されたキャパシタを提供するためのパターニングを示す。図4は、それぞれ中央で他の長方形の開口と交差する第1及び第2部11,11’を有する長方形の開口からなる十字型の凹部又は開口部を含み、パターニングされた導電層2の上面図である。この実施形態において、その中央は第1の長方形の開口がその中央において交差する。第1の長方形の開口部の幅は、好ましくは第2の長方形状の開口部の幅よりも大きい。第2の開口は、好ましくは、入力及び出力カップリング手段が第1の又は近接する金属導電層3と接続されてよい、しかし必ずしも必要ではない側と直交する層2のそれぞれの外郭のより近くで終わる。層2の外郭と面し、それぞれ延長された外端部10,10’を有する2つの金属導電ストライプ10A、10A’が第2の長方形の開口部中に提供される。これらは、整列しているが、相互接続されておらず、それらの間には少し距離がある。バイアス制御又はチューニング電圧は、上記外端部10,10’に加えられてよい。
【0017】
図4Aは、図4のA−Aラインに沿った断面図である。第1の導電層2は、誘電体層4及び第2の又は離れた導電層3の下に配置されるだろう。後者(3,4)は、ここで破線で示されている。また、表面に取付けられる導波管5は、その底壁を形成する導電層3の上面に取付けられるだろう。誘電体層4は、導電層2上に配置され、誘電体物質は、開口11,11’中に配置されるだろう。半田(Solder)パッド17,17’は、図5を参照してよりじっくりと説明されるように、導電層3の上部表面上に積層される。半田パッドは、中空導波管5を自己整合(self alignment)を貫いて導電層3上に配置又は設置するための手助けの具体的な利点を提供する。図4Aは非常に概略的であることは明らかであり、それゆえ、層の厚み及びサイズの間の関係に関する限りも、それらの絶対値に関する限りも、制限的効果を有しない。
【0018】
図5は、第2の、離れた、導電層3及び第1の有利な実施形態に従って、それがどのようにパターニングされるかを概略的に描く。すなわちチューニング可能なマイクロ波装置へ及びからのマイクロ波信号のカップリングのために、ここではリゾネータは、似ているがより小さいサイズのストリップ14,14’中で互いに向き合うT字形のスロット13,13’により形成される、マイクロ波信号のための入力及び出力カップリング手段は、カップリング手段として動作する共平面導波管を形成するように配置される。本明細書中において上述されたように生成された表面電流をカットするように、2つの細長い開口部又は凹部8,8’が、図3中に概略的に描かれるように、T字形のスロットと垂直に配置される。T字形のスロット13,13’は、図4中に示されるように、第1の導電層2中の開口部又は凹部11,11’のそれぞれの外側の部分の位置と実質的に対応する位置に提供される。開口部12A,12A’中に、それぞれ接続される金属ストリップ12,12’は位置する。開口部12,12A’は、長方形であって、層2のより薄いクロスレッグス開放部の外縁と実質的に対応する位置に、T字形のスロット13,13’と直角に配置される。導電層3は、メイン導電部3A、及び、開口部又は凹部12A,12A’及び少し大きいT字形の凹部13,13’中に配置されるT字形のストリップ14,14’中のストリップ12,12’からなるといわれる。メイン部3A中ではまた、電流制限(regulating)又は電流カッティング開口部8,8’が表面電流がカットされるのに応じて適した方法で提供される。2つの半田パッド17,17’(例えば図4A)は、中空導波管5の位置あわせにおけるセルフアラインメントを助けるために、金属層3の表層上に積層される。
【0019】
図6は、導電層2,3を含む層状構造の、下からの、即ち基板1から見た概略的なビューである。金属ビア15,15’(図5参照)は、第1及び第2の導電層2,3と直流的に接続するために、ストリップ12,12’(層3)及び拡張部10,10’(層2中の)と対応する位置に提供される。強誘電体バラクタ16,16’、16’’、16’’’は、ストリップ10A,10A’、(層2)及び層3中でストリップが開口部又は凹部8,8’と交差するメイン部3Aによって金属層2,3が重なり合う表面に形成される。
【0020】
図7は、本発明の装置の機能を説明する、シンプルな等価回路である。端部18,18’は、ストリップ14及びスロット13により分割される層3のメイン部3Aを示す。それに応じて、端部19及び19’は、ストリップ14’及びスロット13’により分割される導電層3のメイン部3Aを示す。端部18,18’および19,19’は、入力/出力ポート、即ちマイクロ波入力及び出力カップリング手段を形成する。図7中において、導波管装置100は、キャパシタ20によりロードされる2つの線の送信ラインの等価部として示される。キャパシタ20は、図6中のバラクタ16,16’、16’’、16’’’と対応する図3中のバラクタ9,9’を示す。入力カップリング手段における電磁波入力は、導波管装置中で伝搬し、伝搬する波のパラメータは、キャパシタ20のキャパシタンスを変更することによって制御され得る。キャパシタンスは、ストリップ12,12’及び導電層3のメイン部3A間のDC電圧を利用することによって制御可能であり、変更可能である。DC電圧は、特に導電層2、部分10,10’(例えば図4)に加えられる。これは、代わりに層3の適切な場所に加えられてもよい。
【0021】
図8は、その上に層状構造20Aが提供される基板1Aを有するマイクロ波装置200を示す代わりの実施形態の概略的な図である。またこの実施形態において、層状構造20Aは、3つの層、第1の近接する導電層2Aと第2の離れた導電層3Aと、これらの間に挟まれる誘電層4Aとを含む。離れた、ここでは表層の導電層3Aは、このケースにおいて円形の、表面に取付けられる中空導波管5Aの底壁を形成する。この実施形態は、本発明が正方形又は長方形の表面に取付けられる導波管に限られないことを示すために、概略的に説明される。
【0022】
図9は、本発明にかかる導波管装置300のさらに他の実装を示す。これは、その上に層状構造20Bが積層される基板1Bを有する。層状構造20Bは,ここでは基板上に積層される第1の近接する導電層2B1を有し、その上に誘電層4B1がが積層され、その表層に第1の離れた導電層3B2が積層される。その表層上に第2の誘電体層4B2があり、その上に、表面に取り付けられる導波管5Bの底壁を形成する第2の離れた導電層3B1がある。表面に取付けられる導波管は、いかなる他の適切な形状であってもよいが、ここでは正方形形状である。層状構造20B中に他のいかなる層が含まれてもよいことは明らかであり、他の実施形態のいずれについても同様である。
【0023】
図10は、フィルタ、特にマルチポールフィルタを有するマイクロ波装置400の他の実施形態を示す。基板1C上に、交互に配置される3又はより多くの層を有してもよい層状構造20Cが提供される。導電層は、基板1Cに隣接して提供される。他の導電層は、複数の、表面に取付けられる導波管又はカスケード接続されるリゾネータ5C1,5C2,5C3の底壁を形成する、層状構造の最上層として提供される。これらの表面に取付けられる導波管5C1,5C2,5C3は、ここで虹彩(irises)によって相互接続される。それらはまた、他の適切な方法で相互接続されてもよい。SIN’及びSOUT’は、マイクロ波信号の入力/出力を概略的に描く。チューニング素子(図10中において不図示)は、集中バラクタ(又は上述の通り、他の適切な方法のために提供されるバラクタ)によって提供される。チューニング素子は、上記最上層の導電層により形成される導波管の底壁中に提供される。本発明は、1または3の表面に取付けられた導波管のプロビジョニン具に限定されないことは明らかであるべきだ。2または他のいかなる適切な数もフィルタを形成するために段階的に配列されてよい。表面に取付けられる導波管の形状がここで示されるものと異なってもよいこともまた明らかであるべきだ。
【0024】
図11は、その表面に層状構造20Dが配置される基板1Dを有するチューニング可能なマイクロ波装置500のさらに他の実施形態を示す。単純のために層状構造20Dはここで表面に取付けられる導波管5Dの底壁を形成する、トップ又は離れた導電層3Dを含む、3つの層を有するように描かれる。導波管5Dは、その横方向の拡張部を大幅に上回る縦方向の拡張部を有し、複数のチューニング素子8D1,8D2,...,8D8は、通常上記縦方向の拡張部に配置される。チューニング素子は、上記(集中又は分散)に話し合われたようにトップの導電層/底壁中において提供されるバラクタ装置を有する。さらに他の実施形態において、バラクタを含む、より多くの又はより少ないチューニング素子があってもよい。もちろんそのような実施形態は、もしかなりの数のチューニング可能な素子が1つの方向に配置されると、その方向の長さは通常他の方向の長さを上回らざるを得ないけれども、横方向の拡張部をかなり上回る縦方向の拡張部に限定されない。導波管装置は、位相シフター又は遅延ラインを有してもよい。縦方向の導波管は、ここで周期的にバラクタと共にロードされる。入力及び出力カップリング手段は、描かれていないが、上述のようにいかなる適切な種類のものであってもよい。
【0025】
図12は、層状構造のトップ又は離れた導電層3E(概略的に示されているだけ)が底壁を形成する、表面に取付けられる導波管装置5Eをかなり概略的に描く。層状構造の他の層、基板及びその拡張部はこの図中で示されないが、これらの特徴は前の実施形態を参照して広く議論された。差異点は、図12中において、図中に示される電流をカットすることが意図された電流カッティング/遮断スロットは異なる方法で積層されていることである。スロット8E1,8E2は、長方形の導波管の横方向に平行に積層される。可変キャパシタ9E1,9E2は、導電層により形成される導波管の底壁中において、制御可能な量の電流がスロットを流れることを許可するスロットによって提供される。本明細書中において上述のように、スロットは、互いに直角であってもまた、異なる方法で異なる電流をカットするために積層されてもよい。
【0026】
全ての実施形態において、基板は、異なる物質で作られてもよく、例えばPCB(印刷回路基板)、例えばPVDF(ポリビニリデンフルオライド)又はポリマー、シリコン、又はGaAs基板を有してもよい。マイクロ波入力/出力手段は、異なる方法で提供されてもよい。離れた導電層に配置され、表面電流をカットすることを意図されるスロット又は開口部もまた、空洞の内部にバラクタをロード又は置く目的で、又は導波管をロードする目的で、異なる方法で配置されてもよい。
【0027】
スロットの、寸法(dimensions)、形状、及びサイズは、いかなる適切な方法で選択されてもよい。特定の実施形態において、スロット又はホールは、マイクロ波の波長の半分の長さλ/2より小さな長さlであって、a/2以下の幅を有する長方形である。ここでaは、例えば図3の導波管の幅である。一般的にこれらの寸法w,lは、一方Q−ファクターと、他方チューナビリティとのトレードオフである。一般的に、スロットが小さければ小さいほど、l又はw、Qファクターは高く、チューナビリティは低くなる一方、スロットが大きくなればなるほど、チューナビリティは高く、Q−ファクターは低くなる。かくして、寸法は、高いチューナビリティ又は高いQ−ファクターのいずれが最も重要かによって選択される。
【0028】
特定の実施形態において、誘電体層又は複数の層は、少なくともスロットが一するところにおいて、複合金属酸化物を含む。他の部分において、それは誘電体、例えば他の物質であるかもしれない。複合金属酸化物は、強誘電体、液晶、又はパイロクロア複合酸化物を含んでもよい。導電層は、電気的に分離されることが好ましい。
【0029】
図13は、本発明に係るチューニング可能なマイクロ波装置を提供するための本発明にかかる方法を描く。導電層と強誘電体層とを交互に含む層状構造が、第1の導電層が基板101に最も近く積層されるように提供されるだろう。多層又は強誘電体層は、上述のお通り、少なくともチューニング素子が形成され又は提供される位置において、交互に液晶又パイロクロア複合酸化物又はより一般的な複合金属酸化物であってもよいことは明らかである。チューニング素子は、個別のチューニング素子として提供されてもよく、基盤102と離れた構造の他の導電層に集約されて提供されてもよい。そして導波管、特に、しかし必須ではないが、中空導波管が、離れた導電層が、導波管103の壁、底壁を形成する上記構造上に提供される。それゆえ組立てられた導波管装置にとって、製造方法自身の一部を形成するものではないために、破線で描かれた、導波管104を伝搬する電磁波を制御するために、チューニング電圧はチューニング素子に加えられる。本発明は、説明のために描かれた実施形態に限定されず、添付の請求の範囲の範囲を超えない限り多くの方法で変更できることは明らかである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、導波管部と、チューニング素子とを有し、チューニング(tuning)素子は導波管部に入力される電磁信号をチューニングするための複数のバラクタからなる、チューニング可能な(tunable)マイクロ波装置(arrangements)に関する。本発明はまたそのようなチューニング可能なマイクロ波装置を提供するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波システムにとって、一般的にチューニング可能な装置又はコンポーネントは非常に重要である。チューニング可能な装置の一例として、共振器、フィルタ、移相器、及びアンテナが挙げられる。特に重要なのは、アジャイルなマイクロ波システムのためのチューニング可能なコンポーネント又は装置である。一般的に、チューニング可能なコンポーネントは、集中インダクタ及びキャパシタ(いわゆる集中LCデバイス)、及びバラクタ(制御可能なキャパシタ)がチューニング手段として用いられる送信ライン部の形状で実装される。バラクタは、様々な種類のものであってよい。例えばマイクロエレクトロメカニカルバラクタ(MEM)、或いは半導体バラクタ、例えばp−n接合からなるもの、MOS(Metal Oxide Semiconductors)バラクタ等。バラクタはまた強誘電体であってもよい。一般的に、バラクタは、送信ライン部及びLCデバイスがハイブリッドに構成され、モノリシック集積回路は、集中定数及び分散定数がマイクロストリップ、ストリップライン、または共平面構造を有する。製造コストを低く抑えながら品質係数を増大させるために、表面にマウントされるコンポーネントとして中空導波路を使用することが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それは、しかしながらチューニング可能な共振器、及び、比較的高い損失と関連づけられる、集中LC素子及びマイクロストリップ部、コプレナー導波管及びストリップラインに基づく、他の集積コンポーネントを有するような装置の問題である。これは主に、電流が放射する開放構造に集中するために、薄く、狭い金属ストリップに集中した高い電流に起因する。表面に取付けられる導波管が他のタイプの統合導波管よりも小さな損失を有するとしても、そのような導波管中を伝搬する電磁波のパラメータを、品質係数(Q-factor)を減少させることなく電気的にチューニングすることは難しい。製造コストを低く保つこともまた困難である。
【0004】
安価で、製造が容易であり、同時に高い損失の影響を受けない、改良されたチューニング可能なマイクロ波装置を提供することは、本発明の目的である。品質(Q)ファクターの大幅な低下なく、電気的にチューニングされ得るマイクロ波装置を提供することは、その他の目的である。特にマイクロ波装置の電気的なチューニングを容易にすることは、目的である。そのようなチューニング可能なマイクロ波装置の製造のための方法を提供することもまた、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、これらの問題の1つ又は複数を解決するために、導波管装置とバラクタからなるチューニング素子とを有するチューニング可能なマイクロ波装置が提供される。これは、基板と層状構造を有する。層状構造は、少なくとも2つの導電層と、交互に配列された、少なくとも1つの誘電体層を有する。層状構造は、第1の導電層が基板に最も近く位置するような方法で、基板上に積層される。導波管装置もまた、1又は複数の表面に取付けられる導波管を有する。基板から、最も離れた、又は最も遠くに積層される導電層は、表面に取付けられる導波管の壁を形成するように適応される。この導波管の壁は、一体化されるよう適合され、又はチューニング素子の形成を支援する。チューニング素子は、壁で生成され、導波管にチューニング可能な又は制御可能なインピーダンスをロードする表面電流を制御する、又は、に影響するように構成される。
【0006】
そのようなチューニング可能なマイクロ波装置を提供するための方法もまた提供される。方法に従えば、2又はそれ以上の導電層と少なくとも1つの誘電体層を含む層状構造が提供される。層状構造は、導電層のうちの1つが基盤に近く又は基板上に積層されるような方法で、基板上に提供される。基板上に位置する導電層から最も離れて位置する導電層のもう一方において、チューニング素子は、一体化又は提供される。導波管装置は、離れた導電層により形成される表面上に、この離れた層が表面に取付けられる導波管の表面の壁を形成するような方法で取付けられる。導波管装置に入力され、伝搬する電磁波をチューニングするために、チューニング電圧が層状構造に加えられ得る。壁中のチューニング素子は、電磁信号の入力により壁中で生成される表面電流のラインをカットするだろう。
【発明の効果】
【0007】
マイクロ波装置が安価に製造が容易に、そして同時に高いパフォーマンスを有して提供されることは、本発明の利点である。表面に取付けられたコンポーネントがチューニングされ得ること、すなわち、そのような導波管中で伝搬する電磁波のパラメータが、実質的にQ-ファクターに影響又は減少させることなく、電気的にチューニングされることもまた利点である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、次のように限定しない方法で、添付の図面を参照しながらさらに説明されるだろう。
【図1】図1は、第1の実施形態に係る表面に取付けられる導波管を含むチューニング可能な装置を示す。
【図2】図2は、マイクロ波信号の入力に起因して導波管の壁に生成される電流を示す、表面に取付けられる導波管のより大きなスケールの図である。
【図3】図3は、図2の表面に取付けられる導波管を下部の壁におけるチューニング可能な素子と共に示す。
【図4A】図4Aは、図1中のように装置の基板上に配置される、近接する導電層を示す。
【図4B】図4Bは、図4AのA−Aラインに沿った断面図であり、層状構造(ダッシュライン)のさらなる層を示す。
【図5】図5は、図1に示される装置の中空導波管共振器の壁を形成する、離れた導電層をより大きなスケールで示す。
【図6】図6は、図1に示される層状構造の下からの図1を示す。
【図7】図7は、図1のような装置の等価回路を示す回路図である。
【図8】図8は、チューニング可能なマイクロ波装置の第2の実施形態を示す。
【図9】図9は、チューニング可能なマイクロ波装置の第3の実施形態を示す。
【図10】図10は、フィルタを含むチューニング可能なマイクロ波装置の第4の実施形態を示す。
【図11】図11は、位相フィルタ又は遅延ラインを有する本発明の装置の第5の実施形態を示す。
【図12】図12は、第6の実施形態に係る、壁にチューニング素子を有する導波管を示す。
【図13】図13は、チューニング可能なマイクロ波装置を提供するための本発明に係る方法を描くフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、マイクロ波装置100を示す。これは、例えばFR−4など、又はシリコン(SiGe)、GaAsなどの基板であるプリント基板(PCB:Printed Circuit Board)であってよい、基板1を有する。基板1上に、層状構造20が配置される。層状構造20は、ここで第1の、また近接したと言われる導電層2と、第2の、離れた、導電層3とを有する。導電層2及び導電層3の間に、誘電体層4が配される。誘電体層4は、例えば液晶、強誘電体、又はパイロクロア複合酸化物のような酸化金属複合体を有する。離れた導電層3は、好ましくは、チューニング素子(不図示)を形成する又は含む領域を有する所定のパターンである。また、第1の、近接した導電層2は、所定のパターンであってよい。複合酸化金属からなる誘電体層4は、特に、少なくとも導電層3又は複数の層においてチューニング素子を形成する又は含む所定パターンの領域に対応する領域においては、所定のパターンであってよい。誘電体層4の誘電率は、電界を利用することによってチューニングすることができる。
【0010】
階層構造の最上層において、表面に取付けられる導波管5は、離れた又は最上層の導電層3に接続される。導電層3は、導波管5の底壁として提供されるだろう。有利な実施形態において、表面に取付けられる導波管5は、中空である。他の実施形態において、それは中空でない。これは、例えば、金属化された側又は導電層3上に配置されているものを除いた表面にdielectricumを含むかもしれない。dielectricumは、そして好ましくは、低損失のdielectricumである。
【0011】
図1中のSIN、SOUTは、電磁信号の入力と出力とを示している。それは、従来の方法において、ループ、プローブ、又は虹彩(irises)を含んでよいカップリング手段によって、in/outがカップリングされている。カップリング手段は、導波管に接続されている。
【0012】
図2は、導電層3が底壁として機能する中空導波管共振器5を概略的に示す。図中において、入力電磁信号により生成される電流が示される。中空導波管5はここで長方形であり、本発明がいかなる特定の形状を有する、表面に取付けられる導波管に限定されないことは明らかであり、それはまた正方形、円形、又は他の適切ないかなる形状であってもよい。
【0013】
表面に取付けられる導波管5の底壁、すなわち、最上層の導電層3上にスロットが図3を参照して詳述されるように提供される。入力/出力カップリング手段は、図2中に示されないが、上述のように、入力/出力カップリングは、プローブ又はループ、虹彩などによって提供されるだろう。マイクロ波信号が入力されるとき、表面電流が生成される。それらは、最上層の壁から底壁3の中心に向かって垂直壁I7,I7’,I7’’,I7’’’,i6,i6’,i6’’,i6’’’に沿って流れる。
【0014】
図3は、図2と類似の図だが、電流I6’’とI6とのパスを選択的にカットするために抑えて開けられた、底壁(導電層3)中に提供されるスロット8,8’を示す。代わりの実施形態において、スロットは、電流I6’’及びI6’’’をカットするために提供されてもよい。可変キャパシタ又はバラクタ9,9’がスロット8,8’中に、制御可能な範囲内で、電流がそれらを介して流れるように、それぞれ提供又は接続される。これらのキャパシタ9,9’は、チップ、例えばMEM(Micro−electro mechanical)又は半導体デバイスなどを含んでもよい。他の実装において、キャパシタは、層状構造、例えば図1の層状構造20の一体化した要素として形成される。かくして、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で、一体化、又は、別々の独立したコンポーネントとして、バラクタのいくつかの異なる実装がある。
【0015】
図4、4A、及び5は、層状構造の層と、一体化したキャパシタの1つの特定の実装をそれぞれ有する層状構造を示す。
【0016】
図4は、第1の近接した導電層2とそのような一体化されたキャパシタを提供するためのパターニングを示す。図4は、それぞれ中央で他の長方形の開口と交差する第1及び第2部11,11’を有する長方形の開口からなる十字型の凹部又は開口部を含み、パターニングされた導電層2の上面図である。この実施形態において、その中央は第1の長方形の開口がその中央において交差する。第1の長方形の開口部の幅は、好ましくは第2の長方形状の開口部の幅よりも大きい。第2の開口は、好ましくは、入力及び出力カップリング手段が第1の又は近接する金属導電層3と接続されてよい、しかし必ずしも必要ではない側と直交する層2のそれぞれの外郭のより近くで終わる。層2の外郭と面し、それぞれ延長された外端部10,10’を有する2つの金属導電ストライプ10A、10A’が第2の長方形の開口部中に提供される。これらは、整列しているが、相互接続されておらず、それらの間には少し距離がある。バイアス制御又はチューニング電圧は、上記外端部10,10’に加えられてよい。
【0017】
図4Aは、図4のA−Aラインに沿った断面図である。第1の導電層2は、誘電体層4及び第2の又は離れた導電層3の下に配置されるだろう。後者(3,4)は、ここで破線で示されている。また、表面に取付けられる導波管5は、その底壁を形成する導電層3の上面に取付けられるだろう。誘電体層4は、導電層2上に配置され、誘電体物質は、開口11,11’中に配置されるだろう。半田(Solder)パッド17,17’は、図5を参照してよりじっくりと説明されるように、導電層3の上部表面上に積層される。半田パッドは、中空導波管5を自己整合(self alignment)を貫いて導電層3上に配置又は設置するための手助けの具体的な利点を提供する。図4Aは非常に概略的であることは明らかであり、それゆえ、層の厚み及びサイズの間の関係に関する限りも、それらの絶対値に関する限りも、制限的効果を有しない。
【0018】
図5は、第2の、離れた、導電層3及び第1の有利な実施形態に従って、それがどのようにパターニングされるかを概略的に描く。すなわちチューニング可能なマイクロ波装置へ及びからのマイクロ波信号のカップリングのために、ここではリゾネータは、似ているがより小さいサイズのストリップ14,14’中で互いに向き合うT字形のスロット13,13’により形成される、マイクロ波信号のための入力及び出力カップリング手段は、カップリング手段として動作する共平面導波管を形成するように配置される。本明細書中において上述されたように生成された表面電流をカットするように、2つの細長い開口部又は凹部8,8’が、図3中に概略的に描かれるように、T字形のスロットと垂直に配置される。T字形のスロット13,13’は、図4中に示されるように、第1の導電層2中の開口部又は凹部11,11’のそれぞれの外側の部分の位置と実質的に対応する位置に提供される。開口部12A,12A’中に、それぞれ接続される金属ストリップ12,12’は位置する。開口部12,12A’は、長方形であって、層2のより薄いクロスレッグス開放部の外縁と実質的に対応する位置に、T字形のスロット13,13’と直角に配置される。導電層3は、メイン導電部3A、及び、開口部又は凹部12A,12A’及び少し大きいT字形の凹部13,13’中に配置されるT字形のストリップ14,14’中のストリップ12,12’からなるといわれる。メイン部3A中ではまた、電流制限(regulating)又は電流カッティング開口部8,8’が表面電流がカットされるのに応じて適した方法で提供される。2つの半田パッド17,17’(例えば図4A)は、中空導波管5の位置あわせにおけるセルフアラインメントを助けるために、金属層3の表層上に積層される。
【0019】
図6は、導電層2,3を含む層状構造の、下からの、即ち基板1から見た概略的なビューである。金属ビア15,15’(図5参照)は、第1及び第2の導電層2,3と直流的に接続するために、ストリップ12,12’(層3)及び拡張部10,10’(層2中の)と対応する位置に提供される。強誘電体バラクタ16,16’、16’’、16’’’は、ストリップ10A,10A’、(層2)及び層3中でストリップが開口部又は凹部8,8’と交差するメイン部3Aによって金属層2,3が重なり合う表面に形成される。
【0020】
図7は、本発明の装置の機能を説明する、シンプルな等価回路である。端部18,18’は、ストリップ14及びスロット13により分割される層3のメイン部3Aを示す。それに応じて、端部19及び19’は、ストリップ14’及びスロット13’により分割される導電層3のメイン部3Aを示す。端部18,18’および19,19’は、入力/出力ポート、即ちマイクロ波入力及び出力カップリング手段を形成する。図7中において、導波管装置100は、キャパシタ20によりロードされる2つの線の送信ラインの等価部として示される。キャパシタ20は、図6中のバラクタ16,16’、16’’、16’’’と対応する図3中のバラクタ9,9’を示す。入力カップリング手段における電磁波入力は、導波管装置中で伝搬し、伝搬する波のパラメータは、キャパシタ20のキャパシタンスを変更することによって制御され得る。キャパシタンスは、ストリップ12,12’及び導電層3のメイン部3A間のDC電圧を利用することによって制御可能であり、変更可能である。DC電圧は、特に導電層2、部分10,10’(例えば図4)に加えられる。これは、代わりに層3の適切な場所に加えられてもよい。
【0021】
図8は、その上に層状構造20Aが提供される基板1Aを有するマイクロ波装置200を示す代わりの実施形態の概略的な図である。またこの実施形態において、層状構造20Aは、3つの層、第1の近接する導電層2Aと第2の離れた導電層3Aと、これらの間に挟まれる誘電層4Aとを含む。離れた、ここでは表層の導電層3Aは、このケースにおいて円形の、表面に取付けられる中空導波管5Aの底壁を形成する。この実施形態は、本発明が正方形又は長方形の表面に取付けられる導波管に限られないことを示すために、概略的に説明される。
【0022】
図9は、本発明にかかる導波管装置300のさらに他の実装を示す。これは、その上に層状構造20Bが積層される基板1Bを有する。層状構造20Bは,ここでは基板上に積層される第1の近接する導電層2B1を有し、その上に誘電層4B1がが積層され、その表層に第1の離れた導電層3B2が積層される。その表層上に第2の誘電体層4B2があり、その上に、表面に取り付けられる導波管5Bの底壁を形成する第2の離れた導電層3B1がある。表面に取付けられる導波管は、いかなる他の適切な形状であってもよいが、ここでは正方形形状である。層状構造20B中に他のいかなる層が含まれてもよいことは明らかであり、他の実施形態のいずれについても同様である。
【0023】
図10は、フィルタ、特にマルチポールフィルタを有するマイクロ波装置400の他の実施形態を示す。基板1C上に、交互に配置される3又はより多くの層を有してもよい層状構造20Cが提供される。導電層は、基板1Cに隣接して提供される。他の導電層は、複数の、表面に取付けられる導波管又はカスケード接続されるリゾネータ5C1,5C2,5C3の底壁を形成する、層状構造の最上層として提供される。これらの表面に取付けられる導波管5C1,5C2,5C3は、ここで虹彩(irises)によって相互接続される。それらはまた、他の適切な方法で相互接続されてもよい。SIN’及びSOUT’は、マイクロ波信号の入力/出力を概略的に描く。チューニング素子(図10中において不図示)は、集中バラクタ(又は上述の通り、他の適切な方法のために提供されるバラクタ)によって提供される。チューニング素子は、上記最上層の導電層により形成される導波管の底壁中に提供される。本発明は、1または3の表面に取付けられた導波管のプロビジョニン具に限定されないことは明らかであるべきだ。2または他のいかなる適切な数もフィルタを形成するために段階的に配列されてよい。表面に取付けられる導波管の形状がここで示されるものと異なってもよいこともまた明らかであるべきだ。
【0024】
図11は、その表面に層状構造20Dが配置される基板1Dを有するチューニング可能なマイクロ波装置500のさらに他の実施形態を示す。単純のために層状構造20Dはここで表面に取付けられる導波管5Dの底壁を形成する、トップ又は離れた導電層3Dを含む、3つの層を有するように描かれる。導波管5Dは、その横方向の拡張部を大幅に上回る縦方向の拡張部を有し、複数のチューニング素子8D1,8D2,...,8D8は、通常上記縦方向の拡張部に配置される。チューニング素子は、上記(集中又は分散)に話し合われたようにトップの導電層/底壁中において提供されるバラクタ装置を有する。さらに他の実施形態において、バラクタを含む、より多くの又はより少ないチューニング素子があってもよい。もちろんそのような実施形態は、もしかなりの数のチューニング可能な素子が1つの方向に配置されると、その方向の長さは通常他の方向の長さを上回らざるを得ないけれども、横方向の拡張部をかなり上回る縦方向の拡張部に限定されない。導波管装置は、位相シフター又は遅延ラインを有してもよい。縦方向の導波管は、ここで周期的にバラクタと共にロードされる。入力及び出力カップリング手段は、描かれていないが、上述のようにいかなる適切な種類のものであってもよい。
【0025】
図12は、層状構造のトップ又は離れた導電層3E(概略的に示されているだけ)が底壁を形成する、表面に取付けられる導波管装置5Eをかなり概略的に描く。層状構造の他の層、基板及びその拡張部はこの図中で示されないが、これらの特徴は前の実施形態を参照して広く議論された。差異点は、図12中において、図中に示される電流をカットすることが意図された電流カッティング/遮断スロットは異なる方法で積層されていることである。スロット8E1,8E2は、長方形の導波管の横方向に平行に積層される。可変キャパシタ9E1,9E2は、導電層により形成される導波管の底壁中において、制御可能な量の電流がスロットを流れることを許可するスロットによって提供される。本明細書中において上述のように、スロットは、互いに直角であってもまた、異なる方法で異なる電流をカットするために積層されてもよい。
【0026】
全ての実施形態において、基板は、異なる物質で作られてもよく、例えばPCB(印刷回路基板)、例えばPVDF(ポリビニリデンフルオライド)又はポリマー、シリコン、又はGaAs基板を有してもよい。マイクロ波入力/出力手段は、異なる方法で提供されてもよい。離れた導電層に配置され、表面電流をカットすることを意図されるスロット又は開口部もまた、空洞の内部にバラクタをロード又は置く目的で、又は導波管をロードする目的で、異なる方法で配置されてもよい。
【0027】
スロットの、寸法(dimensions)、形状、及びサイズは、いかなる適切な方法で選択されてもよい。特定の実施形態において、スロット又はホールは、マイクロ波の波長の半分の長さλ/2より小さな長さlであって、a/2以下の幅を有する長方形である。ここでaは、例えば図3の導波管の幅である。一般的にこれらの寸法w,lは、一方Q−ファクターと、他方チューナビリティとのトレードオフである。一般的に、スロットが小さければ小さいほど、l又はw、Qファクターは高く、チューナビリティは低くなる一方、スロットが大きくなればなるほど、チューナビリティは高く、Q−ファクターは低くなる。かくして、寸法は、高いチューナビリティ又は高いQ−ファクターのいずれが最も重要かによって選択される。
【0028】
特定の実施形態において、誘電体層又は複数の層は、少なくともスロットが一するところにおいて、複合金属酸化物を含む。他の部分において、それは誘電体、例えば他の物質であるかもしれない。複合金属酸化物は、強誘電体、液晶、又はパイロクロア複合酸化物を含んでもよい。導電層は、電気的に分離されることが好ましい。
【0029】
図13は、本発明に係るチューニング可能なマイクロ波装置を提供するための本発明にかかる方法を描く。導電層と強誘電体層とを交互に含む層状構造が、第1の導電層が基板101に最も近く積層されるように提供されるだろう。多層又は強誘電体層は、上述のお通り、少なくともチューニング素子が形成され又は提供される位置において、交互に液晶又パイロクロア複合酸化物又はより一般的な複合金属酸化物であってもよいことは明らかである。チューニング素子は、個別のチューニング素子として提供されてもよく、基盤102と離れた構造の他の導電層に集約されて提供されてもよい。そして導波管、特に、しかし必須ではないが、中空導波管が、離れた導電層が、導波管103の壁、底壁を形成する上記構造上に提供される。それゆえ組立てられた導波管装置にとって、製造方法自身の一部を形成するものではないために、破線で描かれた、導波管104を伝搬する電磁波を制御するために、チューニング電圧はチューニング素子に加えられる。本発明は、説明のために描かれた実施形態に限定されず、添付の請求の範囲の範囲を超えない限り多くの方法で変更できることは明らかである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波管部と、
前記導波管部に入力される電磁信号をチューニングするための複数のバラクタ(9,9’;9D1,...,D8;9E1,9E2)を含むチューニング素子と、
を備えるマイクロ波装置(100;200;300;400;500)であって、
基板(1;1A;1B;1C;1D)と、
交互に並べられた、少なくとも2層の導電層(2,3;2A,3A;2B1;2B1,3B1,3B2;3E)と、少なくとも1層の誘電体層(4;4A;4B1,4B2)とを含む積層構造(20;20A;20B;20C;20D)と、
を有し、
前記積層構造(20;20A;20B;20C;20D)は、第1の前記導電層(2;2A;2B1)が前記基板に最も近くなるように、前記基板(1;1A;1B;1C;1D)上に並べられ、
前記導波管部は、少なくとも1つの表面に取付けられた導波管(5;5A;5B;5C1,5C2,5C3;5D;5E)を含み、前記基板から最も離れた第2の前記導電層(3;3A;3B1;3E)は、前記表面に取付けられた導波管(5;5A;5B;5C1,5C2,5C3;5D;5E)の壁を形成するように構成され、
前記導波管の壁は、前記導波管の壁において生成される表面電流の制御を可能にし、チューニング可能であり、制御可能なインピーダンスを前記導波管(5;5A;5B;5C1,5C2,5C3;5D;5E)に加える、前記チューニング素子(9,9’;9D1,...,D8;9E1,9E2)を包含するように構成されることを特徴とする、マイクロ波装置。
【請求項2】
前記誘電体層(4;4A;4B1,4B2)は、前記導波管の壁を形成する、最も遠い前記第2の導電層(3;3A;3B1;3E)中において、前記チューニング素子(9,9’;9D1,...,D8;9E1,9E2)を形成する又は含む所定の領域と対応する領域において少なくとも複合金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項1に記載のチューイング可能なマイクロ波装置。
【請求項3】
前記複合金属酸化物は、強誘電体物質、液晶、又はパイロクロアを含むことを特徴とする、請求項2に記載のチューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項4】
前記最も遠い導電層(3;3A;3B1;3E)は、前記表面に取付けられた導波管の前記壁を形成し、前記電磁信号を入力することによって前記壁において生成される表面電流をカットする又は作用するように位置し形作られるスロット(8,8’;8D1,...,D8;9E1,9E2)を含み、
前記スロットは、前記チューニング素子(9,9’;9D1,...,D8;9E1,9E2)を含む又は前記チューニング素子の形成を助けるよう構成されることを特徴とする、請求項2または3のいずれかに記載の、チューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項5】
前記スロット(8,8’;8D1,...,8D8;8E1,8E2)は、電磁波を伝搬する前記導波管中における波長の長さ又は最大寸法l≦λ/2,λを有する、請求項4に記載の、チューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項6】
前記チューニング素子は、バラクタ(9,9’;9D1,...,D8;9E1,9E2)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のチューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項7】
前記導波管部は、表面に取付けられた複数の導波管又は直列に接続された共振器(5C1,5C2,5C3)を有し、チューニング素子は、前記上面又は遠い導電層により形成された導波管の底の壁においてそれぞれ提供され、フィルタを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の、チューニング可能なマイクロ波装置(400)。
【請求項8】
前記導波管(5D)は、横方向の拡張部を大幅に上回る縦方向の拡張部を有し、複数のチューニング素子は、前記縦方向の拡張部中に設けられ、前記導波管(5D)は位相シフター又は遅延線を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のチューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項9】
前記第1の導電層(2;2A;2B1)は、所定のパターンであり、十字の凹み又は2つのストリップ(10A,10A’)が、前記表面に取付けられた導波管を受け入れるように構成され、前記第2の、離れた、導電層と対応する位置に設けられた隙間を含み、前記第2の導電層は、前記表面に取付けられた導波管を受け入れるように構成され、前記導波管は、前記第2の導電層の前記導波管の壁を形成するよう構成される部分の寸法よりも少し小さい寸法を有し、加えられるバイアス電圧を受けるように構成される手段(101,10’)を含み、
バラクタ(16,16',16'',16''';9,9’)が、前記電流切断スロット(8,8’)の前記表面において、前記第1の層と前記第2の層(3)の前記ストリップ(10A,10A')の間の重なり合う領域に形成され、
前記第1及び第2の導電層は、バイアス(15,15’)などにより相互に接続される、少なくとも請求項4に記載のチューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項10】
導波管装置及び前記導波管中を伝搬する電磁波をチューニングするためのチューニング素子を有するマイクロ波装置を提供するための方法であって、
基板上に少なくとも2つの導電層及び少なくとも1つの誘電体層を含み、第1の前記導電層が前記基板に最も近接して配置される層状構造を提供するステップと、
第2の導電層は、前記基板から最も離れて位置し、前記構造の第2の導電層中又は前記第2の導電層を用いて前記チューニング素子をまとめ又は提供するステップと、
前記導波管装置の壁を形成する前記第2の、離れた、導電層により形成される表面上に導波管装置を取付けるステップと、
前記導波管を通して伝搬する入力電磁波をチューニングする前記層状構造に適するように電圧をチューニングすることを可能にする手段を提供するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記チューニング素子を提供するステップは、
伝搬する前記入力電磁波によって、前記壁を形成する前記導電層中に生成される表面電流を切断又は干渉するために、電流切断スロットを前記第2の、離れた、導電層中に設けるステップと、
前記スロット中に、又は前記スロットを用いて、又は前記第1及び第2の導電層の前記スロットにおける重なるを用いることによって、バラクタを提供するステップと、
前記スロットの寸法をチューニング性及び品質因子要求に応じて選択するステップと、
を含み、
それぞれのスロットの縦方向の拡張部は、前記伝搬する電磁波の波長λ/2,λ以下であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項1】
導波管部と、
前記導波管部に入力される電磁信号をチューニングするための複数のバラクタ(9,9’;9D1,...,D8;9E1,9E2)を含むチューニング素子と、
を備えるマイクロ波装置(100;200;300;400;500)であって、
基板(1;1A;1B;1C;1D)と、
交互に並べられた、少なくとも2層の導電層(2,3;2A,3A;2B1;2B1,3B1,3B2;3E)と、少なくとも1層の誘電体層(4;4A;4B1,4B2)とを含む積層構造(20;20A;20B;20C;20D)と、
を有し、
前記積層構造(20;20A;20B;20C;20D)は、第1の前記導電層(2;2A;2B1)が前記基板に最も近くなるように、前記基板(1;1A;1B;1C;1D)上に並べられ、
前記導波管部は、少なくとも1つの表面に取付けられた導波管(5;5A;5B;5C1,5C2,5C3;5D;5E)を含み、前記基板から最も離れた第2の前記導電層(3;3A;3B1;3E)は、前記表面に取付けられた導波管(5;5A;5B;5C1,5C2,5C3;5D;5E)の壁を形成するように構成され、
前記導波管の壁は、前記導波管の壁において生成される表面電流の制御を可能にし、チューニング可能であり、制御可能なインピーダンスを前記導波管(5;5A;5B;5C1,5C2,5C3;5D;5E)に加える、前記チューニング素子(9,9’;9D1,...,D8;9E1,9E2)を包含するように構成されることを特徴とする、マイクロ波装置。
【請求項2】
前記誘電体層(4;4A;4B1,4B2)は、前記導波管の壁を形成する、最も遠い前記第2の導電層(3;3A;3B1;3E)中において、前記チューニング素子(9,9’;9D1,...,D8;9E1,9E2)を形成する又は含む所定の領域と対応する領域において少なくとも複合金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項1に記載のチューイング可能なマイクロ波装置。
【請求項3】
前記複合金属酸化物は、強誘電体物質、液晶、又はパイロクロアを含むことを特徴とする、請求項2に記載のチューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項4】
前記最も遠い導電層(3;3A;3B1;3E)は、前記表面に取付けられた導波管の前記壁を形成し、前記電磁信号を入力することによって前記壁において生成される表面電流をカットする又は作用するように位置し形作られるスロット(8,8’;8D1,...,D8;9E1,9E2)を含み、
前記スロットは、前記チューニング素子(9,9’;9D1,...,D8;9E1,9E2)を含む又は前記チューニング素子の形成を助けるよう構成されることを特徴とする、請求項2または3のいずれかに記載の、チューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項5】
前記スロット(8,8’;8D1,...,8D8;8E1,8E2)は、電磁波を伝搬する前記導波管中における波長の長さ又は最大寸法l≦λ/2,λを有する、請求項4に記載の、チューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項6】
前記チューニング素子は、バラクタ(9,9’;9D1,...,D8;9E1,9E2)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のチューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項7】
前記導波管部は、表面に取付けられた複数の導波管又は直列に接続された共振器(5C1,5C2,5C3)を有し、チューニング素子は、前記上面又は遠い導電層により形成された導波管の底の壁においてそれぞれ提供され、フィルタを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の、チューニング可能なマイクロ波装置(400)。
【請求項8】
前記導波管(5D)は、横方向の拡張部を大幅に上回る縦方向の拡張部を有し、複数のチューニング素子は、前記縦方向の拡張部中に設けられ、前記導波管(5D)は位相シフター又は遅延線を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のチューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項9】
前記第1の導電層(2;2A;2B1)は、所定のパターンであり、十字の凹み又は2つのストリップ(10A,10A’)が、前記表面に取付けられた導波管を受け入れるように構成され、前記第2の、離れた、導電層と対応する位置に設けられた隙間を含み、前記第2の導電層は、前記表面に取付けられた導波管を受け入れるように構成され、前記導波管は、前記第2の導電層の前記導波管の壁を形成するよう構成される部分の寸法よりも少し小さい寸法を有し、加えられるバイアス電圧を受けるように構成される手段(101,10’)を含み、
バラクタ(16,16',16'',16''';9,9’)が、前記電流切断スロット(8,8’)の前記表面において、前記第1の層と前記第2の層(3)の前記ストリップ(10A,10A')の間の重なり合う領域に形成され、
前記第1及び第2の導電層は、バイアス(15,15’)などにより相互に接続される、少なくとも請求項4に記載のチューニング可能なマイクロ波装置。
【請求項10】
導波管装置及び前記導波管中を伝搬する電磁波をチューニングするためのチューニング素子を有するマイクロ波装置を提供するための方法であって、
基板上に少なくとも2つの導電層及び少なくとも1つの誘電体層を含み、第1の前記導電層が前記基板に最も近接して配置される層状構造を提供するステップと、
第2の導電層は、前記基板から最も離れて位置し、前記構造の第2の導電層中又は前記第2の導電層を用いて前記チューニング素子をまとめ又は提供するステップと、
前記導波管装置の壁を形成する前記第2の、離れた、導電層により形成される表面上に導波管装置を取付けるステップと、
前記導波管を通して伝搬する入力電磁波をチューニングする前記層状構造に適するように電圧をチューニングすることを可能にする手段を提供するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記チューニング素子を提供するステップは、
伝搬する前記入力電磁波によって、前記壁を形成する前記導電層中に生成される表面電流を切断又は干渉するために、電流切断スロットを前記第2の、離れた、導電層中に設けるステップと、
前記スロット中に、又は前記スロットを用いて、又は前記第1及び第2の導電層の前記スロットにおける重なるを用いることによって、バラクタを提供するステップと、
前記スロットの寸法をチューニング性及び品質因子要求に応じて選択するステップと、
を含み、
それぞれのスロットの縦方向の拡張部は、前記伝搬する電磁波の波長λ/2,λ以下であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−510740(P2012−510740A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537856(P2011−537856)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066526
【国際公開番号】WO2010/063307
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066526
【国際公開番号】WO2010/063307
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
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