説明

テキスト入力システム及びテキスト入力プログラム

【課題】 一連の文字列の入力・編集を容易に行うことができるテキストボックス入力システム及びテキストボックス入力プログラムを提供する。
【解決手段】 入力された文字列を解析して、所定の区切り文字又は文字列毎に分解し、分解された文字列毎に縦に並べて再配置を行い、再配置状態での編集を可能とすることにより、例えばブラウザで入力するURL(Universal Resource Locator)のように文字列が非常に長く、与えられたテキストボックスの幅内では、前文字列の一覧を見ることができないような場合であっても、区切り毎に縦に並んだ文字列を編集することによって、容易に文字列の入力・編集が可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一連の文字列を表示する文字入力枠に文字入力手段を用いて文字入力するテキストボックス入力システム及びテキストボックス入力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、パーソナルコンピュータにインストールされたブラウザを起動させ、パーソナルコンピュータのモニタに図4に示すようなブラウザ画面1を表示させ、そのURL入力部(文字入力枠)2にインターネット接続用のURLをキーボード等の文字入力手段を利用して入力することで所望のインターネット画像をブラウザ画面1の画像表示部3に表示している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
インターネット上に存在する公開情報としての文書や画像等の情報資源場所を指し示す記述方式であるURLは、プロトコル(例えば、http)等の情報種類、サーバの種類やホスト名(例えば、www)、ドメイン名(例えば、「xxxxx.go.jp」「xxxxx.ne.jp」)、フォルダ名(ディレクトリ名)、ファイル名(例えば、「xxxxx.html」・「xxxxx.jpg」・「xxxxx.pdf」)等で構成され、これら各種情報種類・サーバ種類・ドメイン名・フォルダ名・ファイル名等が所定の定型文字(例えば、「://」・「.」「/」等)で区切られている。
【特許文献1】特開2000−298543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述したブラウザにあっては、URL、特に、サーバに格納されている公開情報用のフォルダ名やファイル名が長い場合には、URL入力部2に長い文字列を入力する必要があり、直接URLをURL入力部2に入力したり、編集したりする際には、上述した定型文字や記号等の入力・編集を含め、その作業が非常に面倒であるという問題が生じていた。
【0005】
同様に、複数のフォルダ名(ディレクトリ名)を階層(下層)指定しないと所望の公開情報用のファイルが格納されていない場合においても、例えば、URLが「http://www.xxxxx.go.jp/cgi/tetuzuki/ryoukin/ryoukin_kaisei.htm」となっていた場合、所望するファイル“ryoukin_kaisei.htm”がフォルダ“cgi”の下層のフォルダ“tetuzuki”のさらに下層の“ryoukin”に格納されているため、長い文字列入力を余儀なくされるうえ、これら3層のフォルダ名を指定しなければならならず、それだけスペルミス等の誤入力をしてしまう可能性が高くなるという問題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、一連の文字列の入力・編集を容易に行うことができるテキストボックス入力システム及びテキストボックス入力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のテキスト入力システムは、文字列を入力する入力部と、前記入力部で入力された文字列を解析して所定の区切り文字又は文字列毎に分解する解析分解部と、前記解析分解部で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示する再配置表示部と、前記再配置表示部で表示された文字列を編集して表示する編集表示部と、前記編集表示部で編集された文字列を取得して出力する出力部とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のテキスト入力システムの前記再配置表示部は、前記入力部によって文字列が入力された後の所定の操作により、前記解析分解部で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示することを特徴としてもよい。
【0009】
また、本発明のテキスト入力システムの前記再配置表示部は、縦並び配置実行ボタンを有して、該縦並び配置実行ボタンが選択されると、前記解析分解部で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示することを特徴としてもよい。
【0010】
本発明のテキスト入力プログラムは、コンピュータを文字列を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された文字列を解析して所定の区切り文字又は文字列毎に分解する解析分解手段と、前記解析分解手段で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示する再配置表示手段と、前記再配置表示手段で表示された文字列を編集して表示する編集表示手段と、前記編集表示手段で編集された文字列を取得して出力する出力手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のテキスト入力システムは、文字列を入力する入力部と、前記入力部で入力された文字列を解析して所定の区切り文字又は文字列毎に分解する解析分解部と、前記解析分解部で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示する再配置表示部と、前記再配置表示部で表示された文字列を編集して表示する編集表示部と、前記編集表示部で編集された文字列を取得して出力する出力部とを有することを特徴とする。
【0012】
このため、URLなどの長い文字列がテキストボックス中に全て表示不可能な場合であっても、縦方向に並べることにより表示が可能となり、そのため区切られた項目毎に選択、編集が容易となる。また、項目毎に区切られているために不要に意図していない編集箇所(隣接する項目等)を編集してしまう間違いを抑制可能である。
【0013】
また、本発明のテキスト入力システムの前記再配置表示部は、前記入力部によって文字列が入力された後の所定の操作により、前記解析分解部で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示することを特徴としてもよい。
【0014】
このため、縦に並べて再配置することをユーザの入力に起因して行うことが可能となり、ユーザに使いやすいインタフェースとなる。
【0015】
また、本発明のテキスト入力システムの前記再配置表示部は、縦並び配置実行ボタンを有して、該縦並び配置実行ボタンが選択されると、前記解析分解部で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示することを特徴としてもよい。
【0016】
このため、該縦並び配置実行ボタンというわかりやすいインタフェースにより、初めて操作するユーザでも簡単に操作が可能となる。
【0017】
本発明のテキスト入力プログラムは、コンピュータを文字列を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された文字列を解析して所定の区切り文字又は文字列毎に分解する解析分解手段と、前記解析分解手段で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示する再配置表示手段と、前記再配置表示手段で表示された文字列を編集して表示する編集表示手段と、前記編集表示手段で編集された文字列を取得して出力する出力手段として機能させることを特徴とする。
【0018】
このため、URLなどの長い文字列がテキストボックス中に全て表示不可能な場合であっても、縦方向に並べることにより表示が可能となり、そのため区切られた項目毎に選択、編集が容易となる。また、項目毎に区切られているために不要に意図していない編集箇所(隣接する項目等)を編集してしまう間違いを抑制可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
テキスト入力システム及びテキスト入力プログラムにおいて、所定の区切り文字や文字列で区切られた長い文字列の全てを表示したり、編集したりするのが困難であるという問題点を前記区切り文字又は文字列ごとに区切って縦に再配置して、表示・編集可能とする方法により解決した。
【実施例】
【0020】
本発明の一実施形態に係るテキスト入力システム及びテキスト入力プログラムについて、図面を参照して説明する。
【0021】
[構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るテキスト入力システム又はテキスト入力プログラムを備えたコンピュータの機能ブロック図である。
【0022】
コンピュータ10は、キーボード11、マウス12、制御部13、モニタ14、HDD(Hard Disk Drive)15、メモリ16を有し、本発明の最も本質的な機能部であるテキスト入力部20を有する。さらにテキスト入力部20は、入力部21、解析分解部22、再配置表示部23、編集表示部24、出力部25の各機能部を有する。
【0023】
キーボード11は、ユーザからの入力手段としてのキー入力を受け付ける。
【0024】
マウス12は、ユーザからの入力手段としてのカーソルの移動や項目の選択などの入力を受け付ける。
【0025】
制御部13は、CPU(Central Processor Unit)及び周辺回路からなり、コンピュータの制御全般を司ると共にテキスト入力部20との間で情報の授受を行い本発明の本質であるテキスト入力を実行する。
【0026】
モニタ14は、表示装置でありコンピュータの動作状態や本発明のテキストの入力、編集、出力を表示する。
【0027】
HDD(Hard Disk Drive)15は、回転磁気ディスク装置からなる二次記憶装置であり、コンピュータ10を駆動するためのオペレーティングシステム(OS)や、他のプログラムを保存する。また、本発明がプログラムによって実行されるときには、該プログラムを保存する。
【0028】
メモリ16は、半導体メモリからなる一次記憶装置であり、HDD15中のOSやプログラム等がロードされる。ロードされたOSやプログラムは、制御部13中のCPUによって実行される。プログラム実行のために必要なデータもメモリ16中に記憶される。
【0029】
入力部21は、前記キーボード11やマウス12からのユーザの文字列や文字、図形やアイコン等の選択の入力を受け付けて解析分解部22、再配置表示部23や編集表示部24に渡す。
【0030】
解析分解部22は、前記入力部21で入力された文字列を解析して所定の区切り文字又は所定の区切り文字列毎に分解する。
【0031】
ここで、所定の区切り文字又は区切り文字列とは、例えば入力されるテキストがURL(Universal Resource Locator)の場合は、プロトコルのホスト名を区切る"://"や、ホスト名とフォルダ名又はフォルダ名とフォルダ名又はフォルダ名とファイル名を区切る"/"などであるが、これに限らず例えば入力されるテキストがファイルパスの場合は、"/"や"\"などを区切り文字とすることであってもよい。
【0032】
また、ファイル名中の"."を区切り文字として、ファイルの先頭部分と拡張子を区切るとしてもよい。
【0033】
再配置表示部23は、前記解析分解部22で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示する。この際には、区切り文字又は文字列は表示しないとしてもよいし、表示するとしてもよい。
【0034】
編集表示部24は、前記再配置表示部で表示された文字列の編集を行う。ユーザからのキーボード11及びマウス12からの入力を入力部21を通して受け付けて、分解されて縦に並べられた文字列毎の編集を可能とさせる。
【0035】
出力部25は、前記編集表示部24で編集された結果の文字列を取得して出力する。出力された文字列は制御部13に渡され、それぞれのプログラム、例えばブラウザプログラムに渡される。
【0036】
上記テキスト入力部20の各機能部は、テキスト入力プログラムによるソフトウェアによって実現されてもよい。又、上記テキスト入力部20をハードウェアによって実現するとしてもよい。
【0037】
[フローチャート]
図2のユーザインタフェース画面及び図3のフローチャートを用いて動作の流れについて説明する。
【0038】
本発明のテキスト入力システムの実施例として、ブラウザプログラム上のURLに関してテキスト入力システムを応用した場合について説明する。
【0039】
S51:図2(A)に示すように、ブラウザプログラム上でURL2xの表示が行われる。図2(A)中のURL2xの表示ボックスの右横には、縦並び配置実行ボタン2pが配置されている。縦並び配置実行ボタン2pは、中央に縦下向き矢印が表示されていることにより、テキストの配置を縦並びに並び替えることを直感的に認識可能である。
【0040】
S53:ユーザの入力により縦並び配置実行ボタン2pが選択される。
【0041】
S55:テキスト入力部20の入力部21は、前記URLのテキストを受け取り、解析分解部22が受け取ったURLを解析して特定の区切り文字("://"や"/")で区切って分解する。
【0042】
S57:再配置表示部23は、前記分解されたURLを縦並びに再配置して図2(B)に示すように表示を行う。図2(B)中には、縦並びに再配置されたURL2y、及び縦並びのスクロールを行うスクロールボタン2q、さらにその右横には、元の横並び配置に戻すための横並び配置実行ボタン2rが並べられている。横並び配置実行ボタン2rは、中央に右向き矢印が表示されていることにより、テキストの配置を横並びに並び替えることを直感的に認識可能である。
【0043】
S59:編集表示部24は、ユーザからの項目選択、例えばマウスのクリック入力を受けて編集項目をハイライト化(図2(C)2z)して、編集を受け付ける。編集の終了後は、ユーザによる横並び配置実行ボタン2rの選択入力により図2(D)に示す横並び表示に戻すとする方法をとってもよいし、または、編集の終了をエンターキーの入力により確定して、それにより横並び配置2xに戻るとしてもよい。
【0044】
S61:編集が終了したのでテキスト入力部20の出力部25は、編集が終了したURLを制御部13に出力し、制御部13からブラウザプログラムに渡される。
【0045】
上記の動作中において、縦並び配置実行ボタン2p及び横並び配置実行ボタン2rの選択は、該ボタンをクリックすることによって行われてもよいし、該ボタン上にカーソルを重ねることにより選択されるとしてもよい。
【0046】
[実施例の効果]
本発明実施例のテキスト入力システム及びテキスト入力プログラムにより、以下のことが可能となった。
【0047】
本発明によれば、テキストボックスに長い文字列が入力されている場合に、全てを編集対象とすることなく迅速に所望の個所を編集することができる。
【0048】
[その他]
本発明実施例のテキスト入力システムの説明では、ブラウザプログラム上のURLのテキストについての応用についての説明を行ったが、本テキスト入力システムは、URLに限らず、所定の区切り文字によって区切られる文字列について有効でファイルパス等にも応用が可能であり、本発明の範囲は、それらのテキスト入力システム及びプログラムを包含することはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明実施例のテキスト入力システムの機能ブロック図である。
【図2】本発明実施例のテキスト入力システムの動作を示すユーザインタフェース画面である。
【図3】本発明実施例のテキスト入力システムのフローチャートである。
【図4】従来例のブラウザプログラムのユーザインタフェース画面である。
【符号の説明】
【0050】
2p 縦並び配置実行ボタン
2r 横並び配置実行ボタン
10 コンピュータ
11 キーボード
12 マウス
13 制御部
14 モニタ
15 HDD(Hard Disk Drive)
16 メモリ
20 テキスト入力部
21 入力部
22 解析分解部
23 再配置表示部
24 編集表示部
25 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字列を入力する入力部と、
前記入力部で入力された文字列を解析して所定の区切り文字又は文字列毎に分解する解析分解部と、
前記解析分解部で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示する再配置表示部と、
前記再配置表示部で表示された文字列を編集して表示する編集表示部と、
前記編集表示部で編集された文字列を取得して出力する出力部とを有する
ことを特徴とするテキスト入力システム。
【請求項2】
請求項1のテキスト入力システムであって、
前記再配置表示部は、前記入力部によって文字列が入力された後の所定の操作により、前記解析分解部で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示する
ことを特徴とするテキスト入力システム。
【請求項3】
請求項2のテキスト入力システムであって、
前記再配置表示部は、縦並び配置実行ボタンを有して、該縦並び配置実行ボタンが選択されると、前記解析分解部で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示する
ことを特徴とするテキスト入力システム。
【請求項4】
コンピュータを
文字列を入力する入力手段と、
前記入力部で入力された文字列を解析して所定の区切り文字又は文字列毎に分解する解析分解手段と、
前記解析分解部で分解された文字列毎に縦に並べて再配置して表示する再配置表示手段と、
前記再配置表示部で表示された文字列を編集して表示する編集表示手段と、
前記編集表示部で編集された文字列を取得して出力する出力手段として機能させる
ことを特徴とするテキスト入力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−79668(P2010−79668A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248227(P2008−248227)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】