説明

テクスチャ電極に基づくエネルギー貯蔵デバイスの作製方法

本方法は、エネルギー貯蔵構成要素におけるポリアニリンおよび他の導電性ポリマーのナノワイヤまたはナノテクスチャ形態の使用を可能にする。これらの非常に高い表面積の物質の繊細な性質は、連続的な電気化学合成、乾燥、溶媒適用および物理的組み立ての間に維持される。本発明はまた、従来の炭素系リチウムイオン負電極よりも安全かつ軽量であるエッチングされたリチウム付加アルミニウムから構成される負電極に関する。本発明は、負電極および正電極を作製するための改善された方法、ならびにそれらを含むエネルギー貯蔵デバイスを提供する。本発明は、先行技術の方法では一般に不首尾であった有機溶媒および電解液中で充分な安定性を提供する。本発明はさらに、反復充放電の間の安定性を提供する。本発明はまた、エネルギー貯蔵デバイスに使用される新規の微小構造保護支持膜を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2009年11月30日に出願された米国仮特許出願第61/265,167号および2010年6月10日に出願された米国仮特許出願第61/353,500号の利益を主張する。前記出願の全教示は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
1986年に、Alan MacDiarmidは導電性ポリマーにおける仕事に関してノーベル賞を受賞した。彼の米国特許第4,940,640号において、MacDiarmidは、ポリアニリンの化学的性質および5つの起こり得る酸化の状態を開示した。その際に、化学経路によりポリアニリンを合成し、次いで電気化学により種々の電気的状態に刺激した。1990年代初期に、V. GuptaおよびM. Pasqualiなどの研究者は、塩酸、硫酸および過塩素酸などの酸中の電気化学的合成による、ポリアニリンおよびポリピロールの導電性ナノワイヤの構築を公表した。これらのフィルムは非常に高い電解性能を有したが、物理的および電気的にかなり不安定であり、使用中に分解した。それから数年にわたり、スルホン酸などのドープ剤ドナーを含ませることにより、化学的安定性の徐々の増加が達成された。この場合、電極の成長が遅いかまたは電極での付着が乏しいということが犠牲となるが、RSO3-アニオンからポリアニリンを合成し、より安定な物質が作製される。最初の仕事以来、電気化学および化学合成に関する多くの論文が公表されたが、「ブラシ」様特徴の繊細な性質のために、導電性ポリマーの最も有用な形態は、明らかに実行されていない。ゆるい繊維またはナノテクスチャは、組み立ての際に、反対側の電極に絡まる(mat down)ことがあり、有用表面積のほとんどが減少する(reduce)。研究用の現在の集電器は、主に貴金属であり費用がかかったため、商業適用に制限された。主に酸化のために他の高価でない金属への付着が欠如することもそれらの使用を制限した。そのため、導電性ポリマーの商業適用は、バルク化学(bulk chemical)(顆粒)合成経路を経由し、利用可能な比表面積は、より繊細な電気化学的に成長させたナノテクスチャと比べると10倍ほど小さい。
【0003】
したがって、非貴金属電極上にナノテクスチャ導電性ポリマーを作製する方法であって、これらの非常に高い表面積の物質の繊細な性質が、連続的な電気化学的合成、乾燥、溶媒適用および物理的組み立てならびに反復的な充電および放電の間に維持される、方法を提供することが、本発明の課題である。
【発明の概要】
【0004】
発明の概要
本発明は、非貴金属電極上への導電性ポリマーの合成に関する。高出力かつ高エネルギー有機ナノワイヤウルトラコンデンサ(ultracapacitors)(超コンデンサ(supercapacitors))または電池は、低コスト物質から作製され、自動連続シートプロセス(continuous sheet process)により作製される。製造の連続的な方法としては電気化学的技術が挙げられ、ある技術は、良好な付着および電気特性を有する導電性ポリマーを成長させるための好ましいシード層またはテンプレートを開始させるために特に適合され、別の技術は、好ましい形態および電気的特性を広げながら、シード層またはテンプレート上の迅速な成長を提供する。本発明はまた、従来の炭素ベースリチウムイオン負電極よりも安全かつ軽量のエッチングされたリチウム付加(lithiated)アルミニウムで構成される負電極に関する。本発明は、負電極および正電極を作製する改善された方法ならびにそれらを含むエネルギー貯蔵デバイスを提供する。本発明は、先行技術の方法では一般的に不首尾であった、有機溶媒および電解液中で充分な安定性を提供する。本発明はさらに、反復的な充電および放電の際に安定性を提供する。本発明はまた、エネルギー貯蔵デバイス中で使用される支持膜を保護する新規の微小構造を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
前述およびその他の本発明の課題、特徴および利点は、添付の図面に図示されるように、以下の本発明の好ましい態様のより具体的な説明から明らかであろう。図面において、同様の参照記号は異なる図を通して同じ部分を言及する。図面は必ずしも同じ縮尺である必要はなく、発明の原理の説明に重点が置かれる。
【図1】図1は、金属リボンである。
【図2】図2は、電極積層構造である。
【図3】図3は、電気化学的合成槽である。
【図4】図4は、ナノワイヤ製品の電子顕微鏡画像である。
【図5】図5は、ナノワイヤ電極のCV周期試験である。
【図6】図6は、製造スキームである。
【図7】図7A〜7Cは、スペーサー/層正電極および負電極である。
【図8A】図8Aは、交流電極およびスペーサー層のスタックである。
【図8B−C】図8B〜8Cは、交流電極およびスペーサー層のスタックである。
【図9】図9は、pHおよびドープ剤レベルの関数としてのウルトラコンデンサの性能である。
【図10】図10AおよびBは、放電曲線である。
【図11】図11は、2.5mA/cm2の定電流での放電曲線である。
【図12】図12は、4ミクロンの基板の厚さの適切さを示す熱モデルである。
【図13】図13は、ベース金属電極上のポリアニリンのサイクル試験である。
【図14】図14は、グラファイトで擦ったアルミニウム(graphite scrubbed Aluminum)1145上に電気化学的に合成した、ポリアニリンの半電池配置(half cell arrangement)の性能を示す。
【図15】図15は、実施例1で作製されたNi/4-APA/PANi電極のサイクリックボルタンメトリー、低pH水溶液中の応答の図示である。
【図16】図16は、実施例2で作製されたNi/C/PANi電極のサイクリックボルタンメトリー、低pH水溶液および非水溶液中の20Cフィルムの応答の図示である。
【図17】図17は、実施例2で作製されたNi/C/PANi電極のサイクリックボルタンメトリー、低pH水溶液および非水溶液中の20Cフィルムの応答の図示である。
【図18】図18は、水性成長(aqueous growth)の総クーロンの関数としての、Ni/C/PANi電極の非水放電容量(mAh)の図示である。
【図19】図19は、誘導ローラー上で引っ張られるフィルムを伴う本発明の誘導ローラーの図示である。張力のラインを好ましい流体ギャップと共に図示する。
【図20】図20は、処理中のせん断力を最小にするために使用され得る目打ちのある(perforated)ローラーの図示である。
【図21】図21は、5層の電極プレート(1層あたり3つ)が、各層にフィルムを方向付けるための誘導ローラーと共に組み立てられたアセンブリを図示する。
【図22】図22は、本発明の好ましい乾燥トンネルを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の詳細な説明
本発明は、支持体、リンカー層および支持体の1つ、2つまたはそれ以上の面上の導電性ポリマーを含む、図2に示される改良された電極に関する。該電極は、好ましくは導電性リボンまたは両面に導電性ポリマーを有する同様のシートの形状であり得る。本発明の方法は、改良された電極を所望の場合は連続または半連続的に作製し、基板の両面に同時に適用され得る化学的かつ電気化学的な処理工程を介した電極の作製を可能にするために使用され得る。
【0007】
本発明はまた、高エネルギー密度(高表面形態)の一体化、商品金属(commodity metal)での成功裡の合成、および有機電極への成功裡の移送により低コストの高密度エネルギー貯蔵を可能にする化学の革新に関する。
【0008】
本発明はさらに、改良されたエネルギー貯蔵の製造に関する。エネルギー貯蔵の製造における基本的な革新は、ナノテクスチャの物質を、連続的な非接触方法で合成できる能力である。非接触電気化学的合成により非接触方法に必要な力および張力が低くなるために、非常に薄い基板の使用が可能になる。このような薄い基板を交互に使用することは、電気経路の長さおよび対応する抵抗を最小にする手段としての積層された設計による最適化に役立つ。軽量で商品として値段が付けられた(commodity-priced)金属をごく少量使用することにより、低コストかつ高い比エネルギーが達成される。
【0009】
電極は、支持体、リンカーまたは二官能性剤および非常に高い表面積を有する導電性ポリマーを含む。電極は、任意の形状または大きさであり得る。しかしながら、電極は、好ましくは薄いシートまたはプレートである。長さが幅を大きく超える薄い電極のリボンは、効率的な連続加工が容易であるために特に好ましい。この態様において、幅は、完成された製品の幅に対応するように選択される。その後、リボンは、最終的な組み立てのために完成された製品の長さに容易に切断され得る。図1はこのようなリボンを図示する。図1における態様は、リボンの長さに沿った任意のスプロケット穴を示す。
【0010】
支持体は、デバイスに有意義な支持および耐久性を提供して、それにより屈曲および折り曲げにより生じ得る物理的ストレスからポリマー構造を保護するような充分な厚さであるべきである。しかしながら、支持体は、企図される使用について不当一な重さであるほど厚くないべきである。多くの適用において、支持体の厚さは、約100ミクロン未満、好ましくは約50ミクロン未満、より好ましくは約10ミクロン未満(less)であり得る。さらに、支持体は、一般的には約4ミクロンより大きくあり得る。
【0011】
支持体は、多くの種類の物質で作製され得る。支持体は導電性の物質または金属を含むことが理解される。代替的な態様において、導電性物質は、例えば、ポリマー、プラスチック、セルロース性物質、樹脂、ガラス、セラミックス、金属、グラファイト等の基板(導電性である必要はない)を被覆し得る。ポリマー支持体は、ポリエチレンテレフタレート、PETなどのポリエステルであり得る。
【0012】
電極は、導電性金属、例えばチタン、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、スズ、金および白金で作製され得るか、これらを含み得るかまたはこれらで被覆され得る。低コストのために非貴金属が好ましい。低コストおよび入手可能性のためにアルミニウムが好ましい。低コストおよび表面の比較的な化学的安定性のためにニッケルが好ましい。
【0013】
この例において、金属の厚さは、4ミクロン以上の厚さのポリエステルなどのポリマーシートの各面に、約2000オングストローム厚である。処理されたBOPP(二軸延伸ポリプロピレン)などの他のポリマーを使用することができるが、ポリエステルは、蒸着金属に関して良好〜優れた天然の接着特性を有する。スプロケット穴は、方法による移送を容易にするために、リボンの一方または両方の長さに沿って組み込まれ得る。
【0014】
本発明の一態様において、該方法は、蒸発させた導電性金属を基板上に堆積するかまたは電気めっきして支持体を作製する工程を含む。かかる方法は当該技術分野において周知である。好ましくは、導電性物質の薄層フィルムまたはホイルが好ましい。
【0015】
本発明の好ましい態様において、グラファイトまたはグラフェン(graphene) (cgg)などの導電性かつ剥離性(シートは摩擦によりはがされ得る)形態の炭素で、電極基板またはベース金属電極ベースの表面を擦る(scrub)か、または研磨(buff)する。剥離性の炭素は、電極基板に埋め込まれ、電気化学的に合成されたポリマーのために導電性かつ化学的に安定な(金属とポリアニリンまたはPANiを連結するための)支持体を提供する。導電性ポリマーは、硬質の磨かれた炭素基板上に合成されていたが、本発明では、導電性ポリマーは、貴金属基板上で成長したフィルムの電気的性能を維持したままベース金属上のグラファイト微小粒子上に電気化学的に合成され得ることが見出される。グラファイト微小粒子は、ベース金属とPANiフィルム間の連結を作製し、今日までは非水環境では達成することが非常に困難であると証明されていたPANiを表面に接着する方法が提供される。
【0016】
研磨パッドにより、グラファイトまたはグラフェンを高速で薄い金属電極に、ランダム、円形または一方向のパターンのいずれかで適用することができる。例えば、移動ベルトまたは軌道研磨デバイスを(例えば4000〜11000rpm、1〜20psiで)使用し得る。1〜10秒間の適用でこのように作製される炭素層の厚さは、均一で、連続的で、10〜100ナノメートルの厚さであり得る。
【0017】
適切な研磨(buffering)処理の例は、参照により本明細書に援用される米国特許6,511,701号から適合され得る。該方法において、金属、好ましくはアルミニウムの表面に、乾燥炭素粒子を均一に適用し得る。本発明において、基板の面中、研磨パッドを基板の表面(1つまたは複数)に対して平行に移動し得る。本発明におけるパッドのランダムな軌道移動は、基板または網目(web)に対して垂直な回転軸に関して実行される。電極は縦方向に移動しているので、横方向は単純な直線または前後の移動でも充分である。コーティングは、本明細書に記載される加熱工程を必要としない。さらに、ユニットは、多数のユニットを互いの上に重ねることにより、基板の両面が被覆され得るようなモジュールであり得、ここで第1の面は、第1のユニットで被覆され、次いでフィルムは、反対側の面が被覆される第2のユニットに対して(上または下に)方向付けられる。硬化ステンレス鋼圧力板を使用して、均一かつ調節可能な圧力をフィルム/振動器パッド中間面にかける。モジュールユニットは密封されて陰圧下で維持され、グラファイト粉末が含まれたまま維持される。
【0018】
電気化学的に成長した重合は、アルミニウムなどの金属上で作製された表面上ですぐに開始される。セロハンテープ剥離試験(cellophane tape pull-off test)により測定される場合、この炭素付着表面上に合成されたポリマーのアルミニウム上への接着は良好であり、フィルムの電気的安定性は、非水電解質中で6500サイクルの間良好である。油非含有アルミニウムを受けた際には、炭素微小粒子(連続フィルムよりも少なく)が、形成されることが好ましい。アルミニウムを例えばリン酸または水酸化ナトリウムで洗浄することで、大量のアルミニウム酸化電流が生じるので、自然酸化物が変化し、合成開始時のフィルムの性能が変化する。アルミニウムが新しい場合(酸化物を何ら有さない場合)、蒸気、温風などの当該技術分野で公知の処理により制御された部分的な酸化を達成し得る。好ましくは、自然酸化物は、炭素の付着前に確立されるが、炭素付着後の第2の工程でアルミニウムを酸化することは可能である。好ましくは、アルミニウムは、コロナ放電への曝露により確実に油非含有になり得る。
【0019】
化学的リンカーを使用する場合、非貴金属上の導電性ポリマーの成長は、5つの工程として記載できる:1) 支持体の金属表面を剥ぎ取って、非酸化金属にする(または非酸化金属として提供する);2) 化学反応を容易にするためにヒドロキシル化を達成する;3) 二官能性剤(2つの官能基または結合部位を有するかまたは含む化学物質)を表面に結合させる;4) リンカーまたは二官能層上でポリマーの成長を開始させる;および5) ポリマーの成長を増加させる。貴金属適用についてはより少ない工程の組が望ましくあり得る。より詳細な説明を以下にする:
【0020】
1) 基板から裸の金属までを洗浄するため、機械的手段(例えばブラシがけまたは研磨)または水溶液中3:1の室温HCl:HN03を数秒間(例えば15秒)などの化学的手段のいずれかを行なう。5秒または200秒などの他の浸漬時間も可能であるが、時間が短すぎると酸化物が除去されず、時間が長すぎると金属が除去されすぎることがある。炭化水素物質を除去するためにコロナ放電も適用し得る。
【0021】
2) ニッケルをヒドロキシル化するために、例えば金属表面を、0.2〜0.5ボルト(参照Ag/AgCl)の間の数サイクル(例えば3〜10など2サイクル以上)のサイクリックボルタンメトリーサイクルで1モーラーのKOHに浸漬する。速度は、2M NaOH水溶液などの塩基性溶液中、20mV/秒で都合よく適用され得る。ニッケルをヒドロキシル化するには、例えば高温で塩基を使用する他の方法がある。過剰な酸化が起こる状態が回避されるので、CV法が好ましい。炭酸ナトリウム、金属水酸化物などの種々の塩基での処理により、アルミニウム、チタンおよび他の金属もヒドロキシル化し得る。所望の場合、ヒドロキシル化産物をリンスし得る。
【0022】
3) ポリマー成長に安定で好ましい表面を調製するために、フタル酸またはホスホン酸などのキレート剤または二官能性剤を含んだ溶液を使用し得る。二官能性剤としては、支持体と反応して、直接または間接的にモノマーと反応する化合物が挙げられる。フタル酸は、ポリアニリンが容易に成長し得る、共有結合した有機疎水性リンカーを生じる。工程2の金属ヒドロキシル化表面を、高温で数秒間または数分間、(プロトンの早発の消失を防ぐアセトニトリルなどの添加剤を含み得る)リンカー溶液に浸漬する(以下に詳述する)。この反応は、DMSOなどの乾燥有機溶媒中で行ない得る。適切な温度としては、例えば65℃で約10分間が挙げられる。許容され得る結果を伴う他の温度および反応時間も使用できる。このように、非貴金属基板の表面は、導電性ポリマーの沈着の準備がなされる。フィルムは有機溶媒中でリンスされ得、任意に乾燥され得る。フィルムはすぐに使用され得るか、または例えば乾燥剤付きの容器中で保存され得る。この後、pHまたはpKaが高すぎる場合はリンカーを層間剥離に供し得、リンカーは保持されなければならない。
【0023】
ポリアニリンは、cgg層電極または化学修飾電極のいずれかの上で成長し得る。ポリアニリンは、側表面被覆率(coverage)および垂直成長または連結(connected)成長の少なくとも二相で成長する(MacDiarmid)。基板の表面(好ましい場合はリンカー層)を覆うように最初に起こる化学反応は、完全成長相におけるものとは異なると考えられる。早期反応またはテンプレート相(templating phase)反応を駆動する電気化学ポテンシャルも異なり得る。良好な接着および高い表面積形態を刺激するために、CC(定電流)またはCV(サイクリックボルタンメトリー)工程を使用して、導電性ポリマーにシード層またはテンプレート層を確立し得る。
【0024】
上記で形成された良好なテンプレート層またはシード層のおかげで、高速成長が達成される。良好なテンプレート層の性質は、良好な接着、導電性および高い表面積形態成長を促進する表面を特徴とする。PS(定電圧)またはCC(定電流)成長状態は、他の方法と比べてほぼ2倍の速さであるので、PSまたはCC成長状態が選択され、より好ましくは、成長が基板の表面積に非依存的であるので、定電圧モードが好ましい。成長をさらに加速するために、段々に高くなる電圧では多数の定電圧成長領域が好ましくあり得る。この迅速な相成長のさらなる説明を以下にする。
【0025】
該方法は、定電圧(PS)、定電流(CC)、パルス定電圧(PP)、サイクリックボルタンメトリー(CV)から選択される電気化学的合成技術の組合せを使用してリボンまたは基板上に直接合成された高い表面積の導電性ポリマー、例えばポリアニリンの沈着を提供する。以下は、種々の方法の利点および欠点の考察である。
【0026】
PS成長は非常に速く、既存の形態を増加させるが、しばしば成長の開始の遅延を提供する。開始の遅延は、金属基板上の酸化表面、不充分な接着、およびナノワイヤと比較して望ましくない形態をもたらし得る。PS成長は、良好に同定された場合にエネルギーを所望の反応に向け得る。CV成長は、表面上で多くの異なる反応を刺激して、高い表面積のポリマー成長についての所望のテンプレートなどのPS成長により充分に画定されておらずかつPS成長により消失される好ましい反応の開始を補助し得る。CVはまた、PSまたはCCと比較した場合、全体の成長速度が遅い。CC成長は、反応の自己選択を可能にする、すなわち表面上の反応は、生じる電圧をかなりの程度まで決定する。PPはPSよりも遅いが、より高い瞬間的な電流を生じる。これは、パルスの電圧と時間範囲が好ましい反応を含む範囲にわたり変化する場合に有用であり得る。ある意味では、これはCV法と同様である。開示される全ての導電性ポリマーの成長は、これらの方法の1つ以上例えば2つ以上を利用して、製造適用に必要な高品質のシード層および持続的迅速成長を達成する。
【0027】
導電性物質は、インサイチュで作製されたポリマーである。導電性ポリマーとしては、ポリイソチアナフテン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびポリアニリン、ならびにそれらの置換または非置換誘導体が挙げられる。しかしながら、安価で取り扱いが容易であるため、本発明には、ポリピロール含有ポリマー、ポリチオフェン含有ポリマーおよびポリアニリン含有ポリマーならびにそれらの置換および非置換誘導体が好ましい。ポリアニリンが最も好ましい。本発明の焦点はポリアニリンである。しかしながら、ポリアニリンは、他のポリマーで代用され得る。
【0028】
開示される方法により、所望の成長の量および成長の状態に応じて、任意に基板または金属リボンの移動セグメントに応じて、約5〜90分以内の完全な成長が可能になり得る。
【0029】
物理的成長手順:
電気化学槽は、提示された電圧に応じて、イオンを電解液中に流し、電子を導電性電極および連結ワイヤ中に流すように誘導する。種々の電極間で生じる電圧電位は、液体中のIR消失のためにかなり局所的であるので、電極表面へのおよび電極表面からの電子およびイオンの流れを制御するために、別々の電極を使用して、異なる電位状態を定め得る。支持体またはリボン様の作業電極をPS、CC、PPもしくはCVが適用される第1の反応域(traction zone)または槽に通すか、または供する。次いで、任意に支持体を、PSもしくはCCが適用される第2の反応域または槽に通すか、または供する。その後、さらなる反応域を続けてもよい。支持体または作業電極は、予備電極に関して接地した状態に維持される。1つより多くのカウンター(counter)電極または予備電極は、流体槽に直接曝露されるか、または膜もしくはガラスフリットで隔てられるかのいずれかされる。予備電極の各々1つは、調製槽中に域を含む。CC、CVおよびPPは、成長の開始または成長の核形成(nucleating growth)、および非常に高い表面積を有する高度に望ましいナノテクスチャ形態の促進に有用であることが明らかにされている。CV法の少なくとも1サイクル、CC法の数秒またはPP法の少なくとも1パルスを使用して、高い効率で、改良された導電性ポリマー電極の成長の開始を行ない得る。移動リボン電極は、接地電位でまたはそれらの付近で維持され、合成槽中のカウンター電極に近いことによって生じる電圧電位(voltage potential)は、電解液のIR特性のためにかなり局所的であるので、単一の槽の複数の領域は異なる電位で維持され得、異なる成長結果を生じる。
【0030】
図3は、多数の電極配置により作製される成長域の例として示される。アプローチを精密にするために作製されたいくつかの域が存在し得る。層の第1の域(図3参照)は、少なくとも1つの作業電極、少なくとも1つのカウンター電極および少なくとも1つの参照電極を有する。作業電極および/またはカウンター電極は、それらの間で電圧電位を変更し得るように構成される。第1の域(開始)において、PSまたはCCまたはCVまたはPPが選択され得る。第2の域(成長)において、PSまたはCCが選択され得る。
【0031】
例えば、ポリアニリンを作製している場合、電圧電位は、Ag/AgCl (SCEまたはSHEも使用し得る)などの参照電極に対して約-0.2〜1.2ボルトの間で変化し得る。リボンがこの域を通過する際、例えば上述の範囲にわたって、約300mv/秒などの少なくとも約5mV/秒、好ましくは少なくとも約100mV/秒の速度で変化している電圧電位に曝露される。他の組み合わせも可能である。リボン基板の表面は、種々の酸化状態で本質的にすぐに、支持体金属の実質的な酸化を回避しながらポリアニリンの成長を開始する。したがって、本発明は、(好ましくは洗浄剤、ヒドロキシル化剤および/または二官能性剤で予め処理されているか、あるいはグラファイトまたはグラフェンなどの炭素で研磨され/擦られているかのいずれかされている)導電性金属を含む支持体と、多数の酸化状態を特徴とし、電圧電位または電流が1つ以上、例えば2つ以上の電圧状態の間で変化する少なくとも2つの電極の存在下で導電性ポリマーを作製し得るモノマーを含む溶液を接触させる工程を含む。この開始相において、CV、CCまたはPP法が最も良好に使用される。ポリアニリンがほぼ完全に酸化された状態で成長するAg/AgClに対して0.825ボルトでの定電圧成長とは対照的に、例えばCV法は、通常酸化によりポリマーの成長および接着が阻害される非貴金属支持体、特に先に記載されたような調製された表面上であっても、種々の基板上での成長の開始も補助する酸化還元状態の全範囲においてポリアニリンを成長させる。所望のナノテクスチャ形態は、CV、CCおよびPVを使用してより一定かつより迅速に形成され得る。反応は一般的に非常に早く完了し、約1〜100秒、例えば1〜60秒で支持体の完全なシーディングは完了し得る。
【0032】
一態様において、フィルムを、アニリンおよび例えばショウノウスルホン酸を含む低pH水溶液に浸漬し、リンカー末端上にポリアニリンの「芽(bud)」の成長を開始させる60秒間定電流パルスに、例えば1mA/cm2で供し得る。次いで、得られたNi/4-APA/PANiフィルムを、好ましくは低酸素条件下で乾燥させ、有機電解液に移し得る。
【0033】
次いで、シード支持体を、負荷電圧PSまたはCCの存在下でポリマーが成長を続ける第2の反応域または槽に供し得る。次いで、該方法を使用して、所望の形態を迅速に(CV法の約2倍早い)増加させ得る。これは製造コストの低減に重要である。この工程で、ポリマー成長を最適化するように、電圧および/または電流を維持する。アニリンの例において、電圧電位は、好ましくはAg/AgClに対して約0.8(例えば0.825)ボルトでアニリンが充分に酸化されるように維持される。該工程は、定電圧(PS)または定電流(CC)であり得る。
【0034】
別の態様において、cggフィルムを、作業電極の両面を覆うように配置された電極、例えばNiのカウンター電極を有する電気化学的セルに浸漬し得る。標準Ag/AgCl電極は、参照電極として使用し得る。ショウノウ-10-スルホン酸βまたは他のスルホン化化合物を成長溶液に添加し得、pHを調整し得る。1.3などの低pHが好ましく、硫酸を添加することで容易に達成され得る。カウンター電極と作業電極間の距離が約1cmとなるように、Al/C作業電極を、2つのNiのカウンター電極プレートの間の成長溶液中に配置する。定電位法を使用して、Ag/AgCl参照に対して、0.75VでポリアニリンフィルムをAl/C電極上で成長させ得る。この成長電圧が、白金または他の裸の金属の電極上での成長時よりも低い50mVであり得ることに注目すべきである。次いで、フィルムを真空で、もしくは非真空でリンスし得、および/または乾燥し得る。
【0035】
ポリマー成長工程は、所望の程度のポリマー成長が達成されるまで維持され得る。典型的に、反応は少なくとも約1分間、好ましくは少なくとも約2、3、4または5分以上から1時間以上までの間維持される。
【0036】
第1および第2の成長反応域は、同じ容器内にあり得るかまたは異なる容器内にあり得る。好ましくは、該域は、同じ容器中にあり、および/または流体連絡する。域が、1つの溶液を使用して同じ槽内にあることが特に有利である。
【0037】
槽内の溶液は、モノマーおよび溶媒を含む。溶媒は好ましくは水性である。モノマーは好ましくは置換または非置換アニリンまたはピロール、好ましくは非置換アニリンである。好ましくは、モノマーは、溶液に添加および/または維持され、好ましくは飽和に近づいているかまたは飽和である。例えば、アニリンは、約0.4Mの量で添加され得るかおよび/または維持され得る。
【0038】
溶液は任意に、限定されないがHCl、HF、硝酸、シュウ酸、硫酸またはスルホン酸を含む強酸などのさらなる酸を含む。ショウノウスルホン酸およびトルエンスルホン酸ならびにそれらの組合せを含むスルホン酸などのスルホン酸ドナーが好ましい。好ましくは、酸は、約0.5:1〜3:1の酸対モノマーのモル比で添加される。好ましくは酸は、モノマーと等量で添加される。
【0039】
さらに溶液は、任意に、マンガン、バナジウム、鉄またはコバルトの酸化物などの酸化物ドープ剤を含み得る。かかるさらなる物質は、ポリアニリンまたは他のポリマーのキャパシタンスおよび電圧範囲性能を改善するために電極の表面に組込まれ得る。マンガン、バナジウム、鉄、コバルト等の酸化物は、Aldrich、Wacoなどのから市販され、合成方法中、懸濁液内に配置され得る。酸化物の電解性能は、ポリアニリンの性能と部分的に重なるので、それらは一緒に作用し得る。ポリアニリンの導電能力は、その酸化還元能力を伴うので、リチウムイオン電池または他の超コンデンサに使用される炭素および/または可塑剤において見られるような死重量(dead weight)はない。この特徴により、比エネルギーの計算が改善され得る。例えば、それらの硫酸塩由来のマンガンおよびバナジウムなどの酸化物と共にポリアニリンまたはポリピロールなどの前駆体を共合成することも可能である。したがって電圧範囲の拡大は、両方の型の物質の酸化還元特性を重ねることによって達成され得る。典型的に、ポリマーは形態を確立し、酸化物はポリマーの表面上に形成される。
【0040】
反応は、室温、例えば約20℃で容易に完了され得るが、収量、反応時間の最適化またはポリマー成長の制御のために他の温度も選択され得る。溶液のpHは、一定に制御されるべきである。pHは、特定の反応について最適化され得、一般的に6.0未満である。一例において、約1.8のpHが使用され得る。一般的に、1.2〜1.8のpHが使用され得る。
【0041】
次いで、該方法により作製された製品を、最終製品の作製に直接使用し得るか、またはさらなる方法に供し得る。フィルムの酸化状態の保存が有利である。例えば、該方法はさらに、洗浄および/または乾燥工程を含み得る。洗浄は、支持体を、低pH水溶液、電解液または揮発性有機溶媒に通してフィルムプロトン化のレベルを保存することで達成され得る。非水性電解質中での操作のための好ましいフィルム作製方法は、ヒドラジンリンスを使用することである。このリンスは室温で生じ、充分に水素化された還元フィルムを提供しながら全ての成長に関連するアニオンの除去を引き起こす。このストラテジーにより、導電性ポリマーの非水電解液中での切換え可能な形態への最も効率的な変換が可能になる。これも純粋に化学的であり、電極の適用を必要としない。導電性ポリマーを新しい、例えばリチウム塩/PC溶液中でサイクルさせることにより、ポリマー系の内部に新しいアニオン系が確立し得る。乾燥も、約20〜200℃の対流熱または放射熱の制御された適用および非常に低い露点の乾燥空気へのまたは真空への曝露により達成され得る。
【0042】
好ましくは該方法は、連続的または半連続的になされ得る。かかる態様において、反応物を、溶液中に連続的または半連続的に満たし得る。第1および第2の反応域が流体連絡しているかまたは同じ槽内にある場合、溶液は均一であり得る。
【0043】
別の態様において、ポリアニリンナノワイヤ電極はベース金属上に合成され、非水系において安定性を示す。かかるポリアニリンナノワイヤ電極は、非水電解質系で試験した場合、1000F/gの活物質を示す(F=ファラド)。
【0044】
典型的な成長溶液および条件:
0.1Mショウノウスルホン酸;0.1M p-トルエンスルホン酸;DI水中0.45Mアニリン。成長は、Ag/AgCl参照に対してCV -.2〜1.2ボルト、1サイクルについて300mv/秒で、25℃で達成される。次いでAg/AgCl参照に対して.75ボルトで約2400秒間PSを行なう。作業電極は、チタン、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、銀、白金、または金であり得、グラファイト被覆アルミニウムが好ましい。カウンター電極はニッケル、ステンレス鋼、白金または金であり得、ステンレス鋼が好ましい。参照電極は、SHE、Ag/AgCl、SCE等であり得、Ag/AgClが好ましい。
【0045】
本明細書に記載される方法により、優れた特性および特徴を有するナノ多孔性成長がもたらされ得る。導電性ポリマー性ナノワイヤは、同等部のアニリンおよび強酸中で容易に成長され得る。開示される混合物中でより高い安定性が得られることが見出される:好ましい合成溶液は、フィルムの形態、酸化還元活性および安定性を最適化するために、CSAおよびp-TSAの合計に対して1部のアニリンを有する。選択される濃度は、水溶液中.45Mモノマー/.1M pTSA/.1M CSAである。別の好ましい溶液は、.2MのCSAおよび.45Mのアニリンのみを含む(.45Mのアニリンは実質的に飽和溶液である)。一例において、硝酸または別の強酸を使用して、溶液のpHを約1.3に調整し得る。CV/PS組合せも、その後の処理に重要な、より高い接着を提供する。
【0046】
製品特性:
該方法により形成された製品は、非常に高い表面積を有することを特徴とし得、以下の視覚的観察により証明されるように高度に多孔性である。ポリマーは、それにより形成された鎖のかなりの数(例えば、少なくとも約50%およびより好ましくは少なくとも約70%、例えば少なくとも約90%)の直径が1ミクロン未満、好ましくは500nm未満、より好ましくは200nm未満であるナノワイヤまたはナノ繊維である。ナノワイヤにより形成される孔および間隙は、繊維に比べると比較的大きく、その直径は、しばしば隣接する繊維の直径の4倍以上である。
【0047】
ポリマーは、電極の表面に対して導電性であり、良好〜優等な接着性能を有する。構造の表面積は、当該技術分野で公知なように窒素吸収を使用して測定し得、好ましくは少なくとも約200m2/g、例えば少なくとも約500m2/g、より好ましくは少なくとも約1000m2/gであり得る。表面積を最大化することで、ポリマーと電解液を接触させた場合のイオン捕捉が改善される。例えば、上述の方法により作製されたポリアニリン電極は、適切なリチウムまたはアルミニウムもしくはスズなどのリチウム付加金属電極の反対側に据え付けられた場合に、1Mリチウム塩を含む有機溶媒中で約4ボルトを生じ得る。水性電解液中で、セルの両側のポリアニリン電極により2ボルトのセルが作製され得る。
【0048】
図4は、製品のナノワイヤおよび高度に多孔性の性質を示す。
【0049】
良好な接着は、数千サイクルの使用を通して分解せずに作動し続けるフィルムとして定義される(分解せずに25000サイクルまでのポリアニリン作動を示す以下の作動曲線を参照)。
【0050】
比較のためのリチウム挿入コバルト、リン酸鉄、MnO2等の正電極を有するリチウムイオン電池を、30%分解まで数百から数千サイクル作動させ得る。上述のTEMは、安定化されたポリアニリンの繊細なナノ構造の典型である。
【0051】
本発明の製品は、良好〜優等なサイクル分解に対する耐性を有する。製品は、サイクリックボルタンメトリー試験に耐性である。抵抗性は、ポリアニリン試料を、50% PC/AN電解液中の1/2モーラーのリチウム塩、例えばLiBF4溶液に浸漬して、-0.2〜.9V(参照Ag/AgCl)のその作動電圧間で、1000mv/秒スキャン速度で5、10および20Kサイクルの間サイクルさせることにより測定され得る。本発明の製品は、50mV/秒、例えば100mV/秒または1,000mV/秒の電圧電位を印加する2,000(好ましくは5,000または10,000サイクル超)サイクル超での10%未満、好ましくは5%未満の分解または電流損失を特徴とする。分解パーセントは、ストレス試験を行う前後の曲線下面積の差の決定することにより計算され得る。
【0052】
本明細書に記載される製品の改善された性能は、部分的に、酸基、例えばスルホン酸基の、ポリマー構造に沿った均一な配置(deposition)のためである。したがって、本発明は、導電性物質を含む支持体および導電性ポリマーを含み、電極表面の1ミクロン以内(好ましくは0.5ミクロン以内)のスルホン酸濃度と本質的に同じである支持体表面の1ミクロン以内(好ましくは0.5ミクロン以内)のスルホン酸濃度を特徴とする電極を提供する。「本質的に同じ」濃度は、本明細書において、2箇所でのモノマーに対するスルホン酸の比が約50%以内にあることを意味することが意図される。したがって、表面でのスルホン酸対モノマーのモル比が約0.5:1である場合、支持体でのスルホン酸対モノマーのモル比は0.25:1〜1:1.5である。別の好ましい態様において、表面および支持体でのスルホン酸対モノマーの比(1ミクロン以内、好ましくは0.5ミクロン以内)は、共に約1:1である。
【0053】
水性成長溶液から有機電解液への移動の際のフィルム電極中のドープ剤アニオンのレベルを維持するために、フィルムは充分に帯電した状態のままである。これは深緑色を特徴とし、完全な酸化を示す。放電の際に大きなアニオンがポリマーの静電的誘引を残すが、移送方法の際に偶然に洗浄されなければ、アニオンは物理的にトラップされる。充分に帯電したフィルムは、有機電解液に移されると非常に高いサイクル耐久性をもたらすことが見出された。別の最も好ましいストラテジーは、5%ヒドラジンリンスを使用して水素化のレベルを維持しながら、フィルムからアニオンを除去することである。この状況において、導電性ポリマーは、還元状態下で化学的に安定であり、白色またはクリーム色である。本発明では、高い割合の繰り返し単位は、非水電解液によりもたらされる新しいアニオン系で電気的に活性にするために利用可能である。
【0054】
製造の改良:
水性成長槽におけるポリアニリンの成長の際に、ナノワイヤ構造は脆弱であり、損傷を受けやすい。成長中のフィルムへの損傷のリスクを最小化するために、フィルムを成長槽を通過する際にフィルムの取り扱いに注意を払うべきである。フィルムに対して起こり得る損傷は、誘導(guiding)/回転(turning)ローラーとの接触、電極プレートのとの接触、フィルムに対する流体および通常の(圧)力から誘導される表面のせん断により生じ得る。好ましくは成長タンクの機械的な設計は、全操作範囲にわたってこれら全ての起こり得るフィルム損傷のモードの原因となる。通常の操作中に、フィルムは、10〜20cm/秒の速度で移動し得、また該設計は、フィルムを損傷することなくゼロ速度条件および開始/速度上昇および停止/速度低下の移行を制御し得る。これらの設計要件を適切にするために、多くの設計アプローチが好ましい。
【0055】
第1に、誘導ローラーまたは回転バーを使用して、成長槽中のフィルムの方向を変え得る。1層成長のために、水平または垂直の誘導ローラーのいずれかを使用して外部供給源から電極プレート経路を通して、成長媒体へとフィルムを方向付け、次いでフィルム出口へと戻される。成長媒体中の基本的な垂直配置には、少なくとも1つの誘導ローラーが使用され、成長媒体中の基本的な水平配置には、少なくとも2つの誘導ローラーが使用される。垂直および水平の両方の場合、タンク中へおよびタンクから外へのフィルムの外部経路決定にも、典型的には誘導ローラーが使用される。
【0056】
典型的なフィルムの張力は、2〜10N(.4〜2.2lbs)の範囲であり、この張力は、製造方法中には常におよび静止から最大速度までの全てのフィルム速度において維持され得る。フィルム張力は、コアシャフト、空気シャフトブレーキおよびクラッチ、張力感知ローラーおよび閉鎖ループ張力調節器などの、成長タンクの外部の部品により維持され得る。NimcorおよびMontalvoがかかる装置を提供する。通常処理速度の際に、フィルムをタンクに引き込み、誘導ローラーの周囲をまわって、電極場プレートを通って、タンクの外に戻され得る。本明細書に図示されるタンクの設計は水平場プレート間のフィルムの水平処理用であるが、垂直設計も同様に使用され得る。
【0057】
フィルムは誘導ローラーを回って引っ張られるが(図19)、ローラー表面に対するフィルムの横滑り接触(差異的移動(differential motion))によりフィルムの表面を損傷する危険がある。この種の損傷の危険を最小化するためにいくつかの方法がある。基板および成長構造は非常に薄いが、ローラーを回ってフィルムを引っ張る場合、屈曲のための中立軸がフィルムの中心の近くにあり、内表面(ローラーに面する表面)が加圧され、外表面に張力がかかる。直線の状態から曲線の状態へとフィルムを引っ張る際のこの加圧は、ローラー表面に対してフィルム表面のいくらかの相対的な移動を引き起こす。この移動は、ローラーの直径をフィルムの厚さに対して非常に大きくすることで最小化できる。典型的に、誘導ローラーは、75〜100mmの直径範囲であり、ローラー表面および中立フィルム軸に対するフィルム表面のこの相対的な移動を最小化するのに役立つ。差異的移動のより重要な供給源は、フィルムとローラーの表面速度の間の移動の差により生じる。ローラーの回転は、せん断応力によるフィルムの移動により駆動され得るか、またはローラーは、モーターなどの外部供給源により駆動され得る。ローラーが外部モーターにより駆動される場合、制御系および駆動系は、ローラー速度とフィルム速度を合わせるように構築され得るが、制御エラーによる小さな変動は、常に、特にフィルムをスピードアップまたはスローダウンするいずれかの速度変化期間に存在する。ローラーとフィルムが同じモータードライブにより駆動されたとしても、回転慣性と駆動バックラッシュ(drive backlash)状況により瞬間的に速度差が生じ得る。フィルムがローラー速度を駆動する場合、ローラー上の支圧(bearing)および流体抵抗(fluid drag)を超えるために必要なトルクを移すために、せん断力がフィルム表面に誘導され得る。速度変化の際に、フィルムとローラーの間のせん断力も、ローラーの回転慣性を超えることに寄与するはずである。フィルム表面上に誘導されるこの慣性的抵抗を最小限にするために非常に遅い加速および減速を使用することができるが、これにより、長い変化時間が生じ、場プレート(field plate)間の成長方法の制御が非常に困難になり得る。
【0058】
フィルム上の表面せん断を最小化するためおよび差異的横滑り移動の危険をなくすためのより良い解決手段は、フィルムとローラー表面の間に流体層を作ることである。図19。この流体層は、フィルムを支持し、ローラー表面との接触を防ぎ得、成長水溶液の粘度が低いためにフィルムとローラーの間の速度差がフィルム表面上に非常に小さいせん断力しか生じない。稼動速度で、ローラー上の同伴流体を使用してこの流体層を作ることが可能であり得るが、フィルム速度範囲の全操作にわたる保護のために、外部機構を使用して流体フィルムを維持する。ローラー表面を通してローラーの内径から外部へと流体をポンプ輸送する(pump)ことにより、フィルム速度がゼロであっても流体フィルムを維持し得る。また、これを行なうことによってポンプ輸送の速度を調節してフィルム張力の変化を適合させることができる。
【0059】
所定の線張力Tについて、流体ギャップを生じるのに好ましい圧力を、以下の等式:


(式中、Pは、局所的なギャップ圧力であり、wは、ページ(page)に対するフィルムの深さであり、rは、ローラーの半径である)を使用して推定し得る。単純な最初の計算のために、圧力は円周の周囲で一定であると仮定でき、等式は:
2・T=2・P・w・r
または


になる。
【0060】
したがって、75mmの直径のローラーに対してフィルムの幅が20cmである10Nの張力について、好ましい圧力は約667Pa(.1psi)である。これらの低い圧力は、フィルムの全域の(across)差異的圧力を確立し、最小化することも非常に容易である。
【0061】
目打ちされたローラーを駆動された中空シャフトと一体化したシステムが設計されている。回転接合管(rotary union)を通して流体を中空シャフトにポンプ輸送する。次いでこの流体はローラーの内径に進入し、ローラーシャフトの穴から排出される。このローラーの等測図を図20に示す。好ましい態様において、流体は反応媒体である。
【0062】
本明細書に記載される誘導ローラーは、もろいまたは薄い物質のシートを液体または溶液を通して移動させる他の方法に使用することができる。
【0063】
電気化学的成長タンクには、1つ以上の電位電極が使用され得る。好ましくは、該方法には、ポリアニリン構造を開始、成長および条件付けするための多数の電位を有するプレートが使用される。多電位電極を使用することで連続回転供給ホイルシステムが容易になる。図21。さらに、電極は連続的および/または積層して構築され得る。好ましくは、該方法には、垂直に積層された水平な電極の列が使用される。低せん断ローラー構造により、ホイルまたはフィルムを1つのタンク内で前後を被覆し、全直線長さを有意に低減することが可能になる。水平の組のそれぞれの電極は、同じまたは異なる電位であり得、それぞれの垂直の列も、同じまたは多数の電位を有し得る。
【0064】
バッチプロセスにおいて、所望の結果を得るために異なる電位または電流条件が適用され得る単一の電極がある。この場合、操作条件は、時間に伴って変化し得、定電圧、定電流および定電力操作を含み得る。連続ホイルプロセスを使用すると、単一の電極または電極の組に対して時間で変化する条件は最適でない。その代わり、好ましくは該システムでは、ホイルが引っ張られた異なる条件で、一連の電極が使用される。1つのプレートから次のプレートで条件を変化させることで、時間で変化する効果的な条件がフィルム上の任意の定点に適用され得る。
【0065】
図21は、1層あたり3つの別々の電極プレートの組が存在する電極の層を有するシステムを示す。それぞれのプレートの組は、フィルムの両面が同じ電位に曝されるような上部プレートおよび下部プレートからなる。好ましくは電極は、互いから電気的に分離される。同じ操作条件で作動されるために、電極は全て共に外部で連結され得るか、またはそれぞれの組は、独立した操作条件で作動され得る。図21には、インプットローラーから、第1の組の電極間、水平の列に構築された第2の組と第3の組の電極間の誘導ローラーを回ってフィルムが供給され得、第2の誘導ローラーの下および周りに電極が出、連続的に構築された3つの組の電極の組を通って戻るデバイスが図示される。これらの電極の組は、3つの電極の組の第1の列より上に垂直に構築される。次いで、フィルムは、アセンブリから第3の誘導ローラーの下および周りに出、3つの電極の組の第3の列などに戻り得る。5層の3つの電極の組を示す。図21にはまた、電極用のタンクおよびフレームも図示する。
【0066】
それぞれの電極の組の長さは、組の間で一定であり得るか、または組ごとに異なり得る。所定のホイル速度について、共に空間的に近くにある一連の短い電極の組は、迅速に時間変化する電圧または電流の条件を生じるために使用され得る。電気的に連結された長い電極の組または複数の組は、時間的に一定の電圧または電流の条件を生じるために使用され得る。組内の電極間のギャップの大きさは、フィルム速度、1つの層の大きさおよび長さに応じて変化し得る。所定のフィルム張力について、フィルムは電極と接触され得ず、そのため1つの層の長さが増加するか、またはタンク流体の密度が減少するか、またはフィルムの厚さが増加する場合、電極ギャップの大きさは、好ましくはフィルムの落下(dropping)の増加に適合するように増加する。一般的に、10mmのギャップで、全ての可能なフィルム/流体/張力操作条件が操作される。ギャップを非常に大きく作製することは、システム全体の大きさに負の影響を与え、成長流体中の電場の減少に関して電位電極の辺縁の問題を増大させる。
【0067】
連続した電極の組の間のギャップは、流体の特性(抵抗/長さ)および電極電位に依存する。流体の導電性が増加するか、または連続した組の間の静電電位が増加すると、電極の1つの組から別の組への過剰な漏れ効果を防止するために、組の間の最小許容ギャップは好ましくは増加される。電極に1つの電位が適用される条件についてさえ、該システムは、好ましくは独立して制御される独立した一連の電極の組にまで分離される。化学物質および塩の濃度が変化すると、局所的なフィルムと比較して、電極の組の有効電位は変化し得る。局所的な電極の組を適当な電位で維持するために、参照電極を使用して、流体条件の変化に寄与させ得る。特に、非常に長い層が1つの電位にある場合、有効電気電位に対する厳密な許容差を維持するために局所的な参照を使用し得、システムは、同様であるが厳密には同じでない電位を生じさせる独立した一連の電極の組に解体され得る。
【0068】
電極を多数の組に分離することで利益となり得る別の要因は、導電性フィルムの接地要件である。フィルムはタンクを通って移動し、めっきされるかまたはその上に成長したポリアニリン構造を有するかいずれかなので、操作条件に応じて電流は、ホイル中にまたはホイルから外に通過する。この蓄積された電流は、駆動回路を完成させ、電極の組から反対側の電力供給端子へと伝導されなければならない。これには、フィルムから電力供給端子への規則的な機械的/電気的連結が必要である。電流がホイルを通ってこの共通の集電器の点(collector point)まで流れる際に、電流の流れはフィルム中に電圧電位を誘導する。連続的な集電器の点の間のフィルムに沿った距離が非常に長い場合、誘導された電圧の低下は、めっきまたは成長方法に影響を及ぼし始めるほどに充分に高くなり得る。例えば、1つの面あたり1mA/cm2の定電流状態に供されており、接地点の間の全長が1mである10ミクロンの厚さのアルミホイル(例えば1145合金)を有する場合、フィルムに沿った最大電位差は約7mVである。電流または長さが二倍になると、フィルムに沿った最大電位差は14mVとなる。該方法に10mVの電圧電位変動限界が要求される場合、第1の例は許容され得るが、第2の例は、電極を、組の間でフィルムが接地する多数の組に分離することが必要となる。
【0069】
電極を組に分けることの別の利益は、多数層のタンク構造が可能になるということである。めっきまたは成長電位におけるホイルの必要な滞留時間について、必要な電極の湿った長さ(wetted length)が、与えられる。例えば、10cm/秒で移動するフィルムに必要な2分の滞留時間は、12mの電極の湿った全長を必要とする。1層アプローチについて、これは12+メーターの長さのタンクを必要とする。電極を組に分け、組の多数の層を1つのタンク内で積層することにより、タンク全体の長さを有意に低減することができる。先の例を4層に分ける場合、層の全長は3メートルであり、タンクは合計で3.5〜4メートルであり得る。成長方法の間、水性状態でのポリアニリンの状態は非常に繊細であるために、上述の低せん断誘導ローラー/回転バーを使用することでこれは容易となり得る。
【0070】
上述のように合成されたポリマーから構成される2つの電極は互いに向かい合って設置され得、電解超コンデンサを作製するために、電解液および半透膜で分離され得る。例えば、リボン電極は組立てを容易にする形状に切断され得る。一例は、外側形状および電極接触孔またはスペーサーの形成を含むレーザー切断の使用である。穴あけされたスプロケット穴を含む物質は、トリミング後に保持され得るかまたは廃棄され得る。真空操作デバイスは、電極シートの小さな部分に対する接触を制限するために使用され得る。
【0071】
電極のシートが半透膜で分離されるアセンブリの例が含まれる。シートは、例えば空気非含有噴霧によりまたは電極を電解液に浸漬することにより、電解液混合物で湿らされる。空気非含有噴霧は、ナノ構造を傷つけ得る真空充填技術の使用を回避し得る。電解液は、半透膜を通過してポリマー電極を容易に湿らせ、過剰な流体が調節される。
【0072】
反対側にポリアニリン電極を有する製品の場合、水性電解液を使用し得る。かかる製品は、例えば0〜2ボルトで作動し得る。電解液は、イオン性液、例えば1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、硫酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸プロピレン、ジメトキシエタノール、炭酸ジエチルまたはアセトニトリルなどの室温イオン性液であり得る。さらなる例として、該液体は、LiClO4、NaClO4、LiAsF6、LiBF4または4級ホスホニウム塩を含み得る。
【0073】
高い破壊場操作(breakdown field operation)を必要とするポリアニリンおよびLi/Alを使用したより高い電圧操作(例えば4ボルト)の場合、炭酸プロピレンまたは炭酸エチレン/ジメトキシエタン(PC/DME、例えば50/50 PC/DME)などの電解質およびLiBF4などのリチウム塩を使用し得る。さらに、大きな負電位物質を、反対側の電極として選択し得る。リチウムイオン電池に典型的なように、リチウム系の負電極を使用し得る。リチウムイオンは、炭素またはグラファイトに挿入され得、約-3ボルトの電極をもたらす。リチウムイオン電池は、充電中に-3ボルトを超える状態を使用するために過熱およびしばしば爆発を問題としている。-3ボルトは、炭酸プロピレンおよび他の有機電解質について分解電圧に相当するので、可能ならば安全な負電極を見出すことが望ましい。
【0074】
本発明者らは、リチウムをアルミニウム電極に挿入することでより安全な負電極を作製し得ることを発見した。この態様において、アルミニウム合金の電位は約-2.7ボルトであり、充分に「安全な有機電解質操作ウィンドウ(window)」内にあるので、アルミニウムおよびその合金は、リチウムイオン挿入物質として選択され得る。好ましくは、アルミニウムはマグネシウム含有合金である。合金は、好ましくはLiSO4、LiBF4またはLiClO4などのリチウム塩を含む湿度非含有有機電解質中で還元電流(例えば5ma/cm2)が流れることによりリチウム付加される。好ましくは、リチウム塩は、少なくとも約0.5Mの溶液、好ましくは約1モーラーの溶液中で維持される。PC/DMEなどの上記の有機溶液を使用し得る。乾燥アルミニウムは、上述のように、またはFMC CorpのSLMP(安定化リチウム金属粉末)などの空気非反応性リチウム付加化合物を物理的に塗布することによりリチウム付加され得る。後者の場合、リチウムは、回転することまたは電解質溶媒と接触することによりアルミニウムと合金を形成する。Melendresにより米国特許第4,130,500号(参照により本明細書に援用される)で特定されるようにマグネシウムは、リチウム挿入および除去のそれぞれの膨張および収縮段階中にアルミニウムフィルムを物理的に安定化することを補助し得る。
【0075】
特に、約1、好ましくは約2原子%マグネシウム〜20原子%マグネシウムとアルミニウムの合金組成物を使用し得る。少なくとも3原子%マグネシウムは、リチウム原子が電解液に移動する場合の電気的放電の間の構造完全性の維持を補助し得る。具体的なアルミニウム合金の例としては、5083および5052が挙げられる。マグネシウムはセル反応に入らないので、マグネシウムは、リチウムが繰り返し充填され得るマトリクス構造を維持するための結合物質として、介在性または置換性の固体溶液中で機能するようである。マグネシウム濃度は好ましくは20原子%未満である。特に、約2原子%マグネシウム〜20原子%マグネシウムとアルミニウムの合金組成物を使用し得る。少なくとも3原子%マグネシウムは、リチウム原子が電解液に移動する場合の電気的放電の間の構造完全性の維持を補助し得る。具体的なアルミニウム合金の例としては、5083および5052が挙げられる。マグネシウムはセル反応に入らないので、マグネシウムは、リチウムが繰り返し充填され得るマトリクス構造を維持するための結合物質として、介在性または置換性の固体溶液中で機能するようである。マグネシウム濃度は好ましくは20原子%未満である。文献(たとえばSchleich et al, J. Power Sources, 2001)に記されるように、最も薄いアルミニウム試料は、電気化学的試験において損傷を受け難かった。エッチング(他の箇所に記載)の結果として形成される微小孔は、イオンのフィルムへの接近を改善させ、それによりLi/Al合金のサイクル容量を改善させることにより同様の結果を生じる。エッチングされたアルミニウムフィルムにおいて、より薄い壁(モノリシックなアルミニウムシートと比較して)によりアルミニウムが伸長し、損傷がより小さくなる。改善された性能の源は、電極内の濃度勾配の低下であると考えられる。
【0076】
リチウムをアルミニウム-マグネシウム合金に、約5〜50原子%の濃度で添加する。好ましくはリチウムは、マグネシウム-アルミニウム合金に電気化学的に添加される。これは、リチウムを負電極組成物に提供するために、例えばリチウム塩(sat)またはカルコゲニドなどの充分な反応産物を有する組み立てられたセル内の最初の充電としてなされ得る。リチウムおよびアルミニウムは、粉末形態でも混合され得、ホイル状に伸展され得、使用のために500℃で焼鈍され得る。
【0077】
カウンター電極として白金を使用し得る(有機電解液中の参照電極としてPC/DME中のAg/AgBF4が使用され得る)。過剰なリチウムをアルミニウムに挿入して、-2.7ボルトの電極を達成する(通常2〜50%モーラー含有量)。所望の最終電流について量を最適化し得る。
【0078】
リチウム合金化またはアマルガム化アルミニウムはリチウム金属よりも湿度に対する感受性が低いが、好ましくは、リチウム付加方法の後、露点-40℃空気または窒素ガスなどの低湿度条件が使用される。表面相互作用部位を増加するために、アルミニウムを電気化学的に粗くし得るか、または1M HCl、5%エチレングリコール中、室温で0.02A/cm2の酸化電流によりエッチングして、電流容量を増加する非常に高い比表面積の電極を形成し得る。代替的に、エッチングは、80℃で10〜30秒である。基板を弱くすることなく必要な表面積を提供するためには、室温で3分間が最も好ましい。ここで基板は80〜120℃の高温で、乾燥空気中で乾燥される。このように、ハイブリッド超コンデンサは、代表的な電極系について以下(図5)に示されるように4ボルト程度までの操作(例えば-2.7ボルトLi/AL+0.9ボルトポリアニリン=3.6ボルト操作)で作製され得る。
【0079】
別の態様において、高い表面積のリチウム-アルミニウム電極は、HCl-エチレングリコール溶液を使用してアルミニウム合金を電気化学的にエッチングすることにより調製される。アルミニウム合金の例としては、限定されないが0.3〜5.0%のマグネシウムを含む5xxxシリーズが挙げられる。
【0080】
リボン電極は、乾燥トンネルに通す前に、前処理、成長、エッチングまたはリチウム付加槽により、連続的に進められる。乾燥トンネルは、単に、20℃〜200℃の空気中の勾配熱を徐々に加えて、物質から水を取り除く。代替的に、乾燥は、有機溶媒に浸漬し、その後上述のように乾燥することにより行なわれ得る。単純な、リンスを行なわない乾燥により、ある有用なレベルの酸塩が、フィルムに対するドープ剤のさらなる供給源として、あとに残る。
【0081】
該方法の乾燥工程にも改良がなされた。入ってくる物質(+基板、-基板およびフィルム層)を乾燥することは、最終アセンブリ領域および最終パッケージへの湿気の導入を最小化するために重要である。ポリアニリン構造および負の基板の両方が水溶液中で処理されるので、フィルムを傷つけることなく除去される必要があるかなりの湿気がある。これを行なうために、好ましくはカウンターフローの乾燥空気/ガス流を備えた赤外線(IR)加熱オーブンに物質を通し得る。クロスフロー流を使用することもできる。長いIR(2〜10ミクロン)ヒーターを使用することで、可視光からの分解に感受性である成長したポリアニリン構造の損傷を防ぐことが補助される。また、エッチングされたアルミニウム基板を乾燥するために、長波長IRの使用により、長IRを高度に反射するアルミニウム表面よりも、残存水にエネルギーを集中する。カウンターフローの乾燥空気/ガスは、蒸発した水蒸気が最終アセンブリ領域に進入することを防ぐのに役立ち、周囲条件におけるIR加熱と比較して乾燥速度を増加する。ホイル周囲のギャップの大きさを低減することは、乾燥空気/ガスの必要な体積を最小化することに役立ち、所定の流速の空気に対してより高いカウンターフロー速度が生じる。
【0082】
一態様において、一組のIRランプを取り付け、それらの放射表面を小さなギャップ(10〜20mm)を挟んで互いに向かい合わせる。ランプは、外側にアルミニウムパネルを取り付けられたフレームアセンブリに取り付けて、ホイル物質の流入/排出のための1つまたは2つのいずれかの進入ギャップを有する密封された体積を作製する。トンネルの1つの面上で単一のギャップを使用する場合、物質の別々の区画が挿入、乾燥、次いで除去され得る。両方の面上のギャップが使用される場合、フィルムはトンネルを連続的に通過し得る。それぞれのIRヒーターは、埋め込まれた熱電対センサおよびそれ自体のPID温度制御器を有する。それぞれのヒーターの操作温度は独立して設定され得る。トンネルの面上には、乾燥空気/ガス進入を可能にするポートがある。
【0083】
この小さなトンネルは、実験室の試験および基本的な開発には充分であるが、真のカウンターフローの乾燥空気/ガス条件は提供しない。生産ラインについて、乾燥トンネルは、周囲操作条件と乾燥空気環境の境界である。乾燥空気環境は、周囲よりも高い圧力で維持されて、湿った空気および湿気が乾燥空気製造体積中に漏れて入ることを防ぎ得る。狭いギャップのIR乾燥トンネルは、任意に、フィルムをトンネルに入れるため、かつ維持のためにIRヒーター表面を洗浄するためのアクセスのための蝶番式の開口を有し得る配列で、上部および下部に多数のヒーター(例えば各上部および下部に2、3またはそれ以上)を有し得る。トンネルの長さに沿って多数のヒーターを配置することにより、フィルム温度の制御された傾斜が必要な場合、ヒーターは、種々の温度で設定され得る。湿ったポリアニリンフィルムの場合、水および基板の急速な加熱により、基板表面からのポリアニリンの剥離までを含むフィルムの損傷が引き起こされることがある。多数のヒーターにより、これを防ぐことに役立つフィルムへのエネルギー入力の制御された傾斜が可能になる。任意の入射エネルギーを反射/再放射するために、連続したヒーターの間に、高度に反射性の表面が使用される。典型的に、これらの表面は例えば1〜2mmの厚さの研磨されたアルミニウムまたはステンレス鋼シートであり得る。モジュール中のIRヒーターの位置は、融通がきき、種々のフィルムの乾燥を最適化するために配置され得る。めっきされておらずエッチングされたアルミニウムフィルムを乾燥させる必要がある場合、ヒーターは、フィルム進入口からできるだけ遠くに移動され得る。これにより、フィルム表面は、IRエネルギーに曝露される前に、カウンターフローの乾燥空気の期間に曝露される。乾燥空気のこの最初の領域は、残存水のいくらかを除去する。曝露されたアルミニウムの酸化速度は、スチーム蒸気(steam vapor)の存在により大きく影響を受けるので、アルミニウムの表面温度を上げ始める前に、可能な限り多くの水をフィルムから除去することが有利であり得る。ポリアニリンフィルムを乾燥させるために、温度を(up to)緩やかに傾斜させることが必要な場合があり、間隔を近くにした多数のIRヒーターがそれぞれの連続したヒーターがわずかに高い操作温度を有しているのが最適であり得る。カウンターフローの乾燥空気の体積を低減し、フィルムに対する空気の速度を上げるために、ギャップの大きさを最小限に維持することが重要である。空気速度が増加するにつれて、対流熱移動および質量移動の係数が増加し、乾燥方法に役立つ。また、乾燥トンネルに沿って乾燥空気が流れる際に、放射器、反射器および側壁から熱エネルギーが集められる。空気温度のこの上昇は、乾燥速度の増加に役立つ。図22に、かかるトンネルが図示される。
【0084】
乾燥空気および不活性ガスの両方が乾燥方法に使用され得る。フィルムが空気への曝露から酸化または分解に特に供され得るいくつかの場合、N2またはアルゴンなどの不活性ガスを使用して、フィルムの周囲に安定なガス層を維持し得る。ギャップの大きさを最小化することは、必要なガスの体積を低減することに役立つ。
【0085】
モジュール乾燥トンネルはまた、種々の条件についてより融通のきく乾燥ステーションを開発するために連続して積層され得る。モジュール乾燥システムは、該システムの前後に誘導ローラーアセンブリを有する、連続した一連の乾燥トンネルからなる。トンネルは、カウンターフローの乾燥空気に対して有効なガストンネルを維持するために直接接触して積層され得る。誘導ローラーを使用して、フィルムがトンネルの空気ギャップの中央に残ることを確実にする。必要に応じて、特に長いトンネルにおいて、誘導ローラーアセンブリは、乾燥トンネルシステムの中央に配置され得る。トンネルの出口にある誘導ローラーの最終の組は、最終製造乾燥空気体積と連結する(mate)乾燥空気エンクロージャ(enclosure)内に封入される(enclose)。この体積は周囲圧力よりも高い圧力で維持され、この圧力は、乾燥トンネルを通るカウンターフローの空気流を誘導する。中間誘導ローラーの組が使用される場合、これを乾燥空気エンクロージャ内に配置することも必要である。
【0086】
乾燥の後、リボン電極を、組み立てが容易な形状に切断する。例としては、レーザー切断、ならびに外形および電極接触孔またはスペーサーの形成を含む機械的切断の使用が挙げられる。穴あけされたスプロケット穴を含む物質は、トリミング後に廃棄され得る。真空操作デバイスは、電極シートの小さな部分だけに接触する。電極のシートが半透膜により分離されるアセンブリの例が含まれる。この場合組み立ての間、シートは電解液混合物で湿っている。ナノ構造を傷つけることがある通常の真空充填技術を回避するために、空気を含まない噴霧を使用して、構築の間にフィルムシートを湿らせる。電解液は、半透過性シートを容易に通過して、ポリマー電極を湿らせ、過剰な流体が制御され得る。反対側にポリアニリン電極を有する低電圧製品の場合、水性電解液が使用され得る。高い破壊場操作を必要とするポリアニリンおよびLi/Alを使用した高電圧操作の場合、PC/DMEなどの電解液およびLiBF4などのリチウム塩が使用される。
【0087】
Al基板は、左側からタンクに進入し、タンクの底に進み、次いで多数の分離された電極間で引っ張られながら、いくつかの層を越えて前後に進む。上部電極と下部電極の間のギャップは、本明細書では9〜10mmであると示され、電極は、基板経路に沿った水溶液の流れを誘導するためのポートを有する。この流体流は成長中のフィルムを支持し、電極との接触を防ぎ、成長中のナノワイヤ構造上のせん断力を排除する。同様に、基板が誘導ローラーを越えて移動する際にナノワイヤ構造上のせん断力は、任意の速度差を回避するライン速度でローラーを駆動することにより、および中空目打ちローラーによりに流体をポンプ輸送して、ローラーと基板の間に流体フィルムを維持することにより排除され得る。基板の張力は約8Nであり、ローラー表面と基板の間の流体ギャップを維持するために、わずか1.6kPa(0.24psi)の局所的な流体圧を必要とする。この流体圧は、駆動されたローラー上の同伴流体により、および水溶液を目打ちローラーによりポンプ輸送することにより容易に得られる。これらの工程は、成長中のナノワイヤ構造上の全てのせん断応力および不均一な通常の応力を最小化するために特に行なわれる。
【0088】
ナノワイヤ構造を有するフィルムは、成長タンクから出ると、漸増中間波長IRヒーターおよび加熱された乾燥空気(露点-40℃)を使用する乾燥トンネルを通して引っ張られ、湿気が除去される。乾燥されると、ナノワイヤ構造はより丈夫になり、傷つけることなく取り扱うことが容易になる。残りの工程および基板の取り扱い工程は、真空ベルトおよび真空グリッパーの使用を介する。非常に軽く、張力が低く、表面積が大きいため、非常に低いレベルの真空(<1.3kPa、<.2psi)が取り扱いの目的のために使用され得る。これらの非常に低く均一な圧力は、ナノワイヤ損傷の危険性を有意に低減する。
【0089】
2つの電極を電気的に分離するが、電極間のイオン(例えばLi+およびBF4-)の移動は可能であるように、半透膜を使用し得る。この方法により形成された合成ポリアニリンはブラシ様または枝分かれ様であるので、図7Aおよび7Bに示すように、セパレータは、フィルムを保護するために組み込まれた周期的な柱(pillars)またはスペーサーを有し得る。
【0090】
セパレータ膜の表面に組み込まれた柱(総面積の1〜2%)はフィルム(厚さ4ミクロン以上)に押し込められ、残り98%ほどのナノ構造およびそれらの酸化還元提供表面積を犠牲にすることなく支持を確立する。このように、力を使用して、ポリマーナノ構造フィルムの利用可能な表面積を押しつぶすまたは低下することなく、多層デバイスの種々の層を載せる。スペーサーの配列のために損失した面積は約1%であり、スペーサーは交差した線、球形もしくは正方形または離れて存在する能力を提供する他の形状であり得る。半透過性スペーサーまたはセパレータは、ポリプロピレン、テフロン、ポリカーボネート、セルロース系物質または他の物質で作製され得る。アプローチは限定されないが、これらは、プレス、エッチング、機械加工、削摩(ablate)または鋳造され得る。該物質は、例えば、Dupont、Celgard, LLC等から購入され得る。次いでフィルムを加熱下でプレスして、柱構造を形成し、次いで通常の方法で拡張して、イオン輸送能を提供する。柱または支持体を提供するための別の方法は、エポキシまたは他の適切な物質を、マイクログラビア印刷または直接インクジェット法を使用することによって透過性膜にドットまたは出っ張りを印刷することによる。透過性膜は、界面活性剤および当該技術分野で公知の他の添加剤で処理され得る。
【0091】
典型的なプレス条件は180℃で2000psiであり、正確な物質の融点に依存する。柱は面積のわずか1%に相当するので、25ミクロンの柱であっても1ミクロンのフィルムの厚さも損なうことなく作製され得る。ローラーまたはカレンダー技術において特徴を形成する。第2の技術は、当該技術分野で公知の化合物を含む電解質の外に柱またはスペーサーを有する作業セパレータを鋳造するための塩電解質/可塑剤/充填剤の使用である。第3の方法は、半透膜と別々に組み合わせたまたは取り付けられた別個のスペーサーデバイスを提供することである。典型的な化合物は、EC、PC、DME、PVDF、TFEであり、塩は、典型的にLiClO4、LiBF4等である。
【0092】
カソードおよびアノードの交互の層は、それぞれ連続したアノード層とカソード層の間の電気的に絶縁されているがイオン伝導性であるスペーサー層を伴って互いの上に積層される。配置は、全てのアノード層が積層の一方の側から伸長し、全てのカソード層が積層の異なる側から伸長するものである。図8Bには、カソード層およびアノード層が積層の反対の側から外に伸長するこの交互の積層配置を示す。スペーサー層は、アノードおよびカソードよりもわずかに広く、積層されたシートの端が互いに接触することを防ぐ。個々のアノード層は、溶接されるかまたは共に機械的に積層され、次いで同じ手段で接触器バーと連結される。同様に、カソード層は、共にカソード接触器バーに連結される。ここで、この積層された全アセンブリは、密封されたパッケージまたは接触器バーの末端が他の構成要素との外部連結のために該パッケージを貫通するケース内に配置される。この型の構築により、異なる電池容量および適用に価値のある可変層が可能になる。この型の構築はまた、充電および放電の際のオーム損失を最小化する。最終的なパッケージを図8Cに示す。アノード層およびカソード層のための連結器バーは、低電力系についていずれか一方の面で、またはより高い電力/より高い電流適用について両方の面で最終的なパッケージまたはケースを貫通し得る。連結器バーは、電池層に溶接され得るか、鋲留めされ(rivete)得るかまたは積層され得る。連結器バーの外側部分は、電気連結器またはケーブルなどの外部回路構成要素に容易に連結され得る。
【0093】
交互の電極およびスペーサー層の積層は、製造されて、陰極または端子および陽極または端子に(図8Aに示す対称デバイス)交互に連結される。電極の交互のシート上の切れ込み(nothc)または穴は、反対側の電極/アライメントピン(alignment pins)への接触を防ぐために切り取られる。
【0094】
別の態様において、低コスト超コンデンサ(ウルトラコンデンサ)または電池は、非常に高い比エネルギー、エネルギー密度、比電力、電力密度、キャパシタンスおよび/または電極表面積を有する。
【0095】
さらなる態様において、ウルトラコンデンサまたは電池は、交互の正電極および負電極と電極間の分離膜の層をなす積層からなる。正電極は、連結ストラテジーによりベース金属基板上に化学的に合成された有機ポリマーナノワイヤで作製される。正電極は、安価に自動化され得る電気化学的方法により成長される。負電極は、高い表面積のアルミニウム-リチウムアマルガムから構成され、連続電気化学方法により容易に作製される。
【0096】
さらに別の態様において、ウルトラコンデンサは、高エネルギー密度(高い表面形態)、日用品(commodity)金属上での成功裡の合成、および有機電解質への成功裡の移送の組合せを必要とする。
【0097】
セルの最終的な組み立ては、種々の物質と水の反応を防止するために好ましくは、乾燥環境下で生じる。典型的に、該環境は、露点-40℃以下でなければならない。この型の環境は、通常大きな乾燥空気乾燥システムを使用して生成される。組み立て方法を自動化して、製造領域において必要な乾燥空気体積を最小に維持することにより、乾燥システムの大きさおよび操作コストを最小化し得る。空気乾燥ユニットは、乾燥床を再生するために熱を使用するため、および気流の維持に大きな送風機を必要とするために、電力消費の非常に大きな原因である。体積が大きくヒトが操作することを必要とする室内環境で最終組み立て方法を行なう代わりに、方法を自動化し、体積を絶対的に最小に保つことにより、設備コストおよび操作コストが少なくなる。
【0098】
設備は、ロボット式組み立てステーションの周囲で、好ましくは3つの物質流入供給ラインおよび第2の組み立てチャンバーと共に設計される。物質供給ラインは、切断ステーション、物質供給駆動装置、誘導ステーションおよびいくつかの場合は非水性溶液を含む物質処理タンクを含み得る処理設備の組からなる。各ラインは、流入物質を乾燥させ、流入物質により湿気が進入することを防ぐためのカウンターフローの乾燥トンネルを有し得る。
【0099】
設備を含むのに充分であるちょうどよい大きさで、乾燥ボックスグローブを有するアクセスパネルを有するエンクロージャを作製することで、必要な乾燥空気の体積が、製造設備中の種々の点へのアセクスの容易さを可能にしながらも、従来の組み立てスペースに必要なもの一部になり得る。乾燥空気エンクロージャは、アルミニウムフレーム内に取り付けられたアクリルパネルおよび/またはポリカーボネートパネルを有する突出した輪郭から作製されたアルミニウムフレーム構造を含む。それぞれのパネルは、内部機械構成要素へのアクセスのために取り除かれ得、乾燥ボックスグローブ(長い密封されたグローブ)の組も、頻度の高いアクセスまたは介入を必要とし得るいずれかのパネル内に取り付けられ得る。乾燥ボックスグローブにより、気密性で水蒸気気密性の密封を保持しながら、操縦者がアクセスすることが可能になる。好ましくは、方法設備は、操縦者が容易にアクセス可能なようにエンクロージャパネルに充分に近接している。これにより、乾燥空気体積内で人が作業する必要がなくなり、システムへの湿度負荷が低減される。第2のアセンブリ体積に、乾燥空気体積からの物質の挿入および除去を可能にするためのエアロックが構築される。このシステムに封入される総体積は、約24m3(850ft3)であり得る。これは、6m×6m×2.4m(20'x20'x8')組み立てルームの体積の4分の1であり、組み立て人員からの湿度負荷を除去するためのシステムへの負担はない。
【実施例】
【0100】
実施例
本発明の物質および方法は、以下の実施例と関連してより良好に理解されるが、該実施例は例示のみを意図し本発明の範囲の限定を意図しない。
【0101】
実施例1- PANi電極:Ni/4-APA/PANiの作製
連結剤(L)としてアニリン誘導体を使用して、ポリアニリンを金属(M)表面に固定し、M/L/PANi電極を作製する。まず、ニッケル表面を化学的技術または研磨技術により洗浄する。次いで、2M KOH水溶液中で0〜0.5V(Ag/AgClに対して)、20mV/秒の3種類のサイクリックボルタンメトリー掃引(sweeps)を使用して、表面をヒドロキシル化し、Ni-OH部分を形成する。フィルムをリンスし、DMSO溶液中で65℃で10分間加熱して、4-アミノフタル酸(4-APA、CAS# 5434-21-9)などのリンカーを含む溶液をNi-OH表面と反応させる。「湿気を含まない」有機溶媒中の熱の適用により、Ni-OH表面と4-APAリンカーのカルボン酸末端の間に共有結合が形成され、水の除去が起こる。得られたNi-4-APAフィルムを新しいDMSOでリンスし、室温に冷却して、すぐに使用するかまたは乾燥剤を含む容器中で貯蔵するかのいずれかする。「有機」「疎水性」リンカーがニッケル表面に共有結合すると、被覆された電極は、安定化されて、4-APAリンカーの反対側の末端のNH2基を使用して、ポリアニリン繊維を成長させるために水溶液中で使用し得ることに本発明者らは注目する。次いでポリアニリンは、ポリアニリンおよびショウノウスルホン酸などの他の化学物質を含む低pH水溶液中にフィルムを浸漬し、直後に、リンカー末端上でポリアニリンの「芽」の成長が開始する1mA/cm2で60秒間定電流パルスにフィルムを供する工程を含む、2工程手順を使用して、Ni/4-APA/フィルム上で成長される。この工程は高い表面積の成長を生じるために非常に重要であるようであることに本発明者らは気付く。次いで、得られたNi/4-APA/PANiフィルムを低酸素条件下で乾燥させ、有機電解液に移す。得られた電極のCVを図16に示す。
【0102】
実施例2- PANi電極:Al/C/PANiの作製
炭素系(炭素、グラファイトまたはグラフェン=cgg)連結剤(L)を使用して、ポリアニリンを金属(M)表面に固定して、M/L/PANi電極を作製する。まずAl表面を化学的技術で洗浄/エッチングする。オービタルサンダー(RYOBI Model # P400)により、グラファイト(TIMREX High Surface Graphite, HSAG 300)をAl上に付着させる。Alの一面につき、1分あたり11000軌道周回の速度で約2秒間グラファイト付着を行なう。ポリアニリンが作動電極の両面を被覆するように配置されたNiのカウンター電極を有する1区画の電気化学的セル中の3電極配置を使用して、ポリアニリンをAl/C電極上に電気重合させる。標準Ag/AgCl電極を参照電極として使用する。Niのカウンター電極を研磨および化学的技術により洗浄し、0.45Mアニリン(Sigma-Aldrich, CAS# 62-53-3)、0.2Mショウノウ-10-スルホン酸β(Sigma-Aldrich, CAS# 5872-08-2)を含む成長溶液に浸漬し、H2SO4を添加してpHを1.3に調整する。Al/C作業電極を、カウンター電極と作業電極間の距離が約1cmである2つのNiのカウンター電極プレート間の成長溶液中に入れる。定電位法を使用して、Ag/AgCl参照(MACCOR, model # series 4300)に対して0.75VでAl/C電極上でポリアニリンフィルムを成長させる。この成長電圧は、白金または他の裸の金属の電極上での成長よりも50mV低いことは注目すべきである。図17Aと17Bに、水溶液および非水溶液それぞれ中の典型的なCVを示す。次いでフィルムを、5%ヒドラジン(Sigma-Aldrich, CAS # 302-01-2)溶液中で、真空または非真空で5分間リンスする。次いで、得られたフィルムを、N2フローありまたはなしで5分間赤外線乾燥チャンバ(300℃)に移して乾燥させる。次いで、乾燥したポリアニリンフィルムを、アセトニトリル/炭酸プロピレン(50/50 V/V)非水溶液中の0.5M LiClO4に移す。非水溶液中の典型的なCVについては図5を参照。この溶液中、Princeton Applied Research Potentiostat (Model # 273)で、Ag/Ag+標準非水参照に対して-0.2Vおよび0.8Vの電位限界で、サイクリックボルタンメトリー実験を行なう。MACCORシステムで0.5mA電流速度で0.8Vまでフィルムを充電して、0.5mAの電流速度で-0.25Vまで放電する長寿試験(longevity tests)を行なう。図18に、Al/C/PANi電極の全水性クーロン成長に対して全容量のほぼ直線状の非水性挙動を示す。
【0103】
実施例3:負電極
高電圧リチウム系負電極の付近の共通の非水電解質混合物の不安定性のために、新規のわずかに低い電圧の電極が有利である。リチウムアルミニウム合金は、リチウム金属よりも0.3Vだけ値の小さい負である電気化学ポテンシャルを有し、即ち、これは、より重要なことには、炭酸プロピレン電解質溶媒の分解電圧である。アルミニウムは腐食に供され、生じた副生成物または電気化学的セルに存在する副生成物から保護されなければならない。以下の実施例は、リチウム系セル中での使用のための高容量、高電流、化学的に保護された負電極を達成するための新規の方法である。
【0104】
工程1. 5052もしくは他の適切なマグネシウムまたは他の厚さ20ミクロン程度の合金Alホイルを、室温脱気DI水中で5% EGを有する1MのHCl溶液中、20mA/cm2の酸化電流で3分間エッチングして、高い表面積基板を作製する。この型の電解エッチングにおいて、アルミニウムホイルの厚さは、多孔性が増加するが同じままである。この例における重量の損失は約40%であり得る。表面積は、裸のアルミニウムホイルと比べて100倍まで増加され得る。電流またはイオン流は、これらの流れを維持するための限定的な電圧低下により証明されるように、増加され得る。エッチングの前に、1cm2のサンプルあたり約0.25mAが通過され得る。エッチング後、同じ電圧の低下(任意に.3Vが選択された)のために、基板面積の1cm2あたり10maほど(エッチング増強には寄与しない)が通過し得る。微小にエッチングされる特徴は、リチウムに基づく膨張および収縮のためにひび割れを最小限にする。ここで、アルミニウムホイルを高電流Li+源負電極にすることは実用的である。次いで、ホイルをDI水中で約5分間リンスする。
【0105】
工程2. リチウムセルを充電および放電する場合、電解質中の痕跡量の水はリチウムドナー(donating)電極の表面で反応して、段階的な容量の損失を引き起こし得る。この損失を制限し、そうでなければアルミニウムホイルの表面を保護することが望ましい。このために、亜鉛、スズまたは他の容易に酸化される金属が新しくエッチングされたアルミニウムホイル上にめっきされ得る。めっき条件は、0.025mAHr/cm2程度の量で4mA/cm2の率で0.1M ZnCl2を有する、脱気DI水中1M NH4Clである。この思想は、酸化する金属でアルミニウムを被覆し、次いでリチウムで優先的および永続的に還元して、保護コーティングとして酸化リチウムを形成するというものである。めっきは、新しい金属の接着を促進するために、粗くするエッチングの後すぐに行なうべきである。「すぐに」は、新しい金属(Zn、Sn等)を成功裡にめっきし得るように、Al酸化成長を実質的に制限するほど充分に短い時間として定義される。次いでホイルを約5分間、DI水でリンスする。
【0106】
工程3. ホイルを焼鈍してIRオーブン中で乾燥させ、曝露された新しい金属を酸化して、全ての水を除去する。温度は、非水電解質中の処理についてホイルを作製するために、乾燥気体露点-40℃空気中100〜500℃、好ましくは100〜200℃またはである。金属酸化物のいくつかの単層のを表面上に形成するために、アルミニウムホイルをこの温度に第1の充電時のリチウムの不可逆的な損失を不必要に増加させない温度以下に曝露する。この時間は、乾燥空気中1分ほど短くあり得る。
【0107】
工程4. ここで、リチウムカウンター電極ありまたはなしで、リチウムの塩を含む非水電解液中で、ホイルをリチウム付加する。塩がPC中でAlCl3により錯体化されたLiClである場合、例えば非リチウムカウンター電極設定の唯一の副生成物はCl2ガスである。現在の例では、1:1のPCおよびアセトニトリルの混合物、AlCl3の1モーラー溶液ならびに4maの還元電流を有する.1モーラーLiClが使用される。この方法では、作製が続くにしたがって、追加のLiClだけを添加することが必要である。この方法は、乾燥空間の露点-40℃で起こる。最初のリチウム付加の間に、任意の金属(例えば亜鉛)酸化物がリチウムにより還元され、最初のリチウム物質は、Li2Oの保護層に酸化される。その後、Li+は、不溶性のLi2Oを浸透し、その下にあるアルミニウム(または他のLi活性物質、例えば亜鉛、スズ等)にリチウム付加する。ホイルがAg/AgCl参照電極に対して-2.7ボルトの電気化学ポテンシャルを帯びるように、ホイルを最小量までリチウム付加する。この量は、約0.25mAHr/cm2または約10%アルミニウム原子数に関する。不可逆的なLiの損失には、両方の最小アルミニウム%および少量のLi2O形成損失の両方が含まれる。還元電流は、4mAに設定されるが、Ag/AgClに対して-2.7〜-3.0ボルトにあるLi+挿入電圧を変えることなく10mA未満であり得るかまたは10mAほどの高さであり得る。
【0108】
ポリアニリンとアルミホイル電極を共に対にして、電気化学的セルを形成する場合、(有用なアニオンのほとんどが比較的不溶性であり、遠くに移動しないために)特にリチウムイオンを計算する必要がある。左側の模式図には、ポリアニリン正電極の荷電状態が、取り込まれたリチウムイオンのレベルをどのように決定するかが示される。右側の模式図には、約10〜50%のリチウム付加割合について-2.7ボルトでの「プラトー」を示す。そのため、ポリアニリンが、-0.2の荷電状態を有しており、最小レベルのリチウム付加を有する負電極に適合される場合、損傷を引き起こし得る負電極の過剰なリチウム付加を起こさずにリチウムの利用が最高になる。負電極が、グラフによる最小値までリチウム付加されない場合、最初の充電の間に生じたリチウムのいくつかは、アルミニウムの最初の不可逆的容量のために消失する。
【0109】
エネルギー密度
ニッケル上に合成されたポリアニリン正電極およびAl-Li負電極を有するウルトラコンデンサセルは、実験的アプローチを使用して、徐々に最適化されている。以下のグラフに示すように、pHとドープ剤の組合せの微妙な変化は、電気的性能に対する変化を生じ得る。図9に示すものは、不充分、平均および有望として相対的に分類されたフィルムA〜Eである。フィルムEおよびFは、特定のpH(H2S04を用いて調整した)およびドープ剤(CSA)レベルで有望な結果を示す。相対的な結果を以下に説明する:
フィルムA: より高いpH、2xドープ剤レベル:より高いpHは成長を遅らせ、添加されたドープ剤は、より高密度のPANI繊維を成長させる。フィルムの結果:不充分な性能。
フィルムB: より低いpH、同じドープ剤レベル:より低いpHはフィルム成長を速めるが、充分なドープ剤が存在しないためにフィルムの形態に対して破壊的である(distructive)。フィルムの結果:不充分な性能。
フィルムC: より低いpH、2xドープ剤:より低いpHはフィルム成長を速め、より高いドープ剤はフィルムを保護する。フィルムの結果:平均的なフィルム性能。
フィルムD: より高いpH、同じドープ剤レベル:より高いpHは成長を遅らせる。結果:平均的なフィルム性能。
フィルムEおよびフィルムF: 同等のpHとドープ剤レベル。しかしながら、フィルムFではLi-Al電極が変化し、Eを超える改善された性能を示す。
【0110】
変数の範囲にわたり性能の変化が見られる。ドープ剤の酸(CSA)と一般的な電解質の酸(この一連の試験ではH2SO4)の間の競合は、形態および電気的性能(ならびに長寿性、示さず)に影響を及ぼす。合成電圧、温度および移動条件等の他のパラメーターは、重要であることが示される。
【0111】
これらの合成されたフィルムの性能特性は、リンスおよび乾燥された微量天秤重量およびマイクロメートル寸法の厚さに基づく。上述で報告されたフィルムの厚さは、10〜30ミクロン、例えば約11ミクロンであり、質量は約0.0009グラム/cm2である。重量および厚さのこれらの値は、成長変数の評価に使用される製造手順および試験手順に典型的である。
【0112】
上述の図9の放電曲線(F)上で測定されたキャパシタンスは、約0.91F/cm2であり、ポリアニリン1gあたり1000F超に相当する。好ましくはこの値は、白金上に、電解的に成長したポリアニリンナノワイヤのいくつかの実例と比較される。
【0113】
本明細書に示される電気的および物理的データは、以下に示す比エネルギー、エネルギー密度、比電力および電力のコンピューターモデルに使用される。他のパラメーターの中で、フィルムの厚さ、1平方センチメートル当たりのエネルギー密度および質量が、該モデルに入力される。
【0114】
速い放電速度での生データは、80%DODで30秒間の比電力および電力密度を計算するために使用され得る。
【0115】
2.5mA/cm2でのこの時間で行われた同様の定電流放電試験は、80%DODで開始する30秒間に送達可能な「最大」電力を計算するために使用され得る。
【0116】
80% DODで開始する30秒の間隔(5225〜5250秒)は、この時間の間の7mw/cm2の電力を示す。
【0117】
サイクル寿命の予備的な測定
白金基板を使用したポリアニリン電極における加速された寿命実験は、25,000の充電-放電サイクル後に物質の分解がないことを示す。以下の2つを重ね合わせたCV曲線は、前述の白金電極試験において5000および25000の作動サイクル後にほとんど分解がないことを示す。
【0118】
改変ベース金属基板を使用したポリアニリン電極における同様の加速された試験を行った。4mV/秒掃引速度で作動されるこのCV試験は、850サイクルを通じてほとんど分解がなかったことを示す。図12において、線は、50サイクル目と850サイクル目を比較する。この試験での電圧はAg/AgCl参照に対して示されることに注意。
【0119】
以下の図14は、グラファイトをこすり付けたアルミニウム1145上に電気化学的に合成されたポリアニリンの半電池配置の性能を説明する。掃引速度は、250サイクルの間大体15mv/秒と同等であり、次いで4mv/秒掃引速度と同等量で1サイクルであった。本明細書に示すように4000サイクル超の間この半電池試験を続けた。ピーク電流は容量に比例するので、ここで2つの充電速度および放電速度でフィルムの長寿性をモニターするためにピーク電流を使用した。この試験の経過の間、ピーク電流はほんの21%だけ低下した。性能の変化は試験期間の中心付近で起こり、これは同期間中の実験室の室温の変化に起因し得ることが認識される。3.7Vの完全セル平均電圧を生じるリチウム付加アルミニウムなどの適切な負電極に対し放電される場合、性能は.8mAhr/cm2まで増加した。エッチングされたリチウム付加アルミニウム5052が好ましい。(600を超える)最初のサイクル試験は、銀ワイヤ偽参照電極を有する半電池中で測定した。1mAhr/cm2容量の最初の測定値は、正電極の測定値を超え、本発明者らの全セル電圧仮説を支持するのに充分であると思われる。
【0120】
目下、本発明の好ましい態様であると思われるものが例示され、説明されるが、本発明の真の範囲を逸脱することなく、種々の変更および改変がなされ得、均等物がその構成要素に取って代わられ得ることが当業者に理解されよう。したがって、本発明は、開示される特定の態様に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲の範囲内にある全ての態様を含むことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a. 1つ以上の導電性金属表面を含む支持体を提供する工程;
b. 該支持体と、ショウノウスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびそれらの組合せから選択される酸を含む溶液とを、多数の酸化状態を特徴とするモノマーを含み、少なくとも1つの電極の存在下で導電性ポリマーを作製し得る第1の反応域中で接触させ、それによりPS、CV、PPまたはCC成長を含むポリマー成長を開始させる工程、ここで前記電極の電圧電位は、2つ以上の電圧状態の間で変化する;ならびに
c. 第2の反応域中、基板上でポリマー成長を持続させる工程、ここで電圧電位および/または電流は実質的に一定に維持される
を含むポリマー電極の合成方法。
【請求項2】
a. 炭素層で被覆された1つ以上の導電性金属表面を含む支持体を提供する工程;および
b. 該支持体と溶液を、多数の酸化状態を特徴とするモノマーを含み、少なくとも1つの電極の存在下で導電性ポリマーを作製し得る第1の反応域中で接触させ、それによりPS、CV、PPまたはCC成長を含むポリマー成長を開始させる工程、ここで前記少なくとも1つの電極の電圧電位は1つの電圧状態で維持されるか、または2つ以上の電圧状態の間で変化する
を含むポリマー電極の合成方法。
【請求項3】
強酸が、ショウノウスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびそれらの組合せから選択される酸などのスルホン酸である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
モノマーがアニリンである、請求項1〜3いずれか記載の方法。
【請求項5】
モノマー対強酸のモル比がほぼ等モルである、請求項4記載の方法。
【請求項6】
導電性金属がアルミニウムまたはニッケルである、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項7】
工程(a)の導電性金属と、リンカーまたは二官能性剤を反応させる工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
導電性金属とリンカーまたは二官能性剤を反応させる前に、導電性金属をヒドロキシル化する工程をさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
リンカーまたは二官能性剤が、4-アミノフタル酸である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
工程(b)および/または(c)の溶液が、マンガン、バナジウム、鉄またはコバルトの酸化物をさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
工程(b)および/または(c)の溶液のpHが、約1.0〜2.0、好ましくは1.2〜2.0、約1.3または約1.8に維持される、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項12】
溶液のpHが、硝酸、シュウ酸、硫酸または塩酸などの強酸の導入により調節される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
合成された導電性ポリマー電極が、有機電解質への移動前にフィルムを充分に帯電したままにすることにより操作中の分解から保護される、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項14】
合成された導電性ポリマー電極が、有機電解質への移動の前にフィルムを充分に還元および水素化したままにすることにより操作中の分解から保護される、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項15】
合成された導電性ポリマー電極が、有機電解質への移動中に低pHまたは低pKAを維持することにより操作上の分解から保護される、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項16】
前記請求項いずれか記載の方法により作製される電極。
【請求項17】
a. 導電性金属を含むエッチングされた支持体を提供する工程;および
b. 還元電流の存在下で、支持体と、リチウム塩を含む無水有機電解液を接触させる工程
を含む、リチウム負電極を作製する方法。
【請求項18】
導電性金属が、アルミニウムマグネシウム合金などのアルミニウム合金である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
アルミニウムマグネシウム合金が、1〜20原子%マグネシウムを含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
有機溶液がLiBF4、LiSO4またはLiClO4を含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
エッチングされた支持体が酸溶液中でエッチングされる、請求項17記載の方法。
【請求項22】
エッチングされた支持体が、酸化電流の存在下で導電性金属をHCl中で接触させることにより達成される、請求項17記載の方法。
【請求項23】
請求項17〜20のいずれかに記載の方法により作製される電極。
【請求項24】
請求項16および/または23から選択される少なくとも2つ以上の電極を含む、エネルギー貯蔵デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B−C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2013−512343(P2013−512343A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541229(P2012−541229)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/058420
【国際公開番号】WO2011/066569
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(512138976)ナノスケール コンポーネンツ,インコーポレイテッド (1)
【出願人】(511226580)ユニバーシティー オブ メイン システム ボード オブ トラスティーズ (2)
【Fターム(参考)】