説明

テトラヒドロピリミジン−2−オン誘導体及びそれらの使用

清涼感を生じさせるための式[I]:
【化22】


[式中、
及びRは独立に、水素原子もしくはハロゲン原子;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、カルボニル基、スルホン基及びカルボキシ基;または、置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シロキシ基、エステル基及び複素環基から選択され、但し、Rが2−ヒドロキシフェニルであるときはRが3−ニトロフェニル以外である]
の化合物またはその塩の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの身体に接触したときに清涼感を生じさせ得る化合物に関する。このような化合物は多くの分野、特に口腔衛生製品及び身体衛生製品や食料品の分野に用途を有している。
【背景技術】
【0002】
テトラヒドロピリミジン−2−オン化合物が医薬調製物に有用であることは知られている。例えば、米国特許第3,821,221号は、多数のこのような化合物、及び、中枢神経系の興奮剤または抑制剤としてのそれらの効果を開示している。この化合物は有力な精神向性薬として治療的用途で重要であると言われている。
【0003】
これらのテトラヒドロピリミジン−2−オン誘導体に対する薬理学的研究の結果として、アイシリン(AG−3−5としても知られる、化学名は、1−[2−ヒドロキシフェニル]−4−[2−ニトロフェニル]−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン)が研究者の粘膜(外鼻孔、口唇及び眼瞼)に接触したときも、また、経口摂取したときも清涼感を生じさせることが知見された(Weiら,J.Pharm.Pharmacol.1983,35:110−112参照)。
【0004】
清涼感を生じさせる公知の化合物はメントール(2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキサノール)であり、これは、例えば食料品や口腔衛生製品の添加剤として広く使用されてきた。これは主として口内で清涼感を誘発するという理由、及び、爽快なハッカの風味及び香気を有しているという理由で使用されている。メントールの清涼効果は、温熱刺激及び寒冷刺激を検出する人体の神経終末にメントールが作用することによって生じる。より特定的には、メントールが神経終末の冷受容器を活性化すると考えられている。しかしながら、メントールはハッカ臭が強くまた比較的揮発性なのでその使用に制約がある。
【0005】
アイシリンがメントールと同じ清涼効果を生じさせ得ることが知見された。アイシリンはメントールに比べて多くの利点を有している。例えば、アイシリンは麻酔性を有していないので、効力がより高く、急性の毒性はより低い。アイシリンは薬理学的用途に特に有用な化合物であると考えられていた。その理由は、アイシリンにはメントールの風味と香気がなく、皮膚に容易に吸収されるからである。しかしながら、アイシリンが医薬以外の用途でメントールの代替物となることが開示されたことはない。
【発明の開示】
【0006】
本発明の第一の実施態様によれば、清涼感を生じさせるための式[I]:
【0007】
【化9】

[式中、
及びRは独立に、水素原子もしくはハロゲン原子;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、カルボニル基、スルホン基及びカルボキシ基;または、置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シロキシ基、エステル基及び複素環基から選択され、但し、Rが2−ヒドロキシフェニルであるときはRが3−ニトロフェニル以外である]
の化合物またはその塩の使用が提案される。
【0008】
本発明の第二の実施態様によれば、式[IV]:
【0009】
【化10】

[式中、Xは水素もしくはハロゲン原子、または、アルキルもしくはアルコキシ基であり、Yはヒドロキシまたはアルコキシであり、nは0、1、2または3であり、但し、nが1でYがヒドロキシであるときは、Xがアルキルまたはヒドロキシである]
の化合物またはその塩が提供される。
【0010】
本発明の第三の実施態様は、清涼感を生じさせるための式[I]:
【0011】
【化11】

[式中、
及びRは独立に、水素もしくはハロゲン原子;ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、メルカプト、カルボニル、スルホン及びカルボキシ基;または、置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アミノ、シロキシ、エステル及び複素環基から選択される]
の化合物またはその塩を含む組成物を提供する。
【0012】
本発明の第四の実施態様によれば、式[I]:
【0013】
【化12】

[式中、
及びRは独立に、水素原子もしくはハロゲン原子;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、カルボニル基、スルホン基及びカルボキシ基;または、置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シロキシ基、エステル基及び複素環基から選択され、但し、Rが2−ヒドロキシフェニルであるときはRが3−ニトロフェニル以外である]
の化合物を好ましくは経口的にヒトに投与する段階を含む、ヒトに清涼感を与える方法が提案される。
【0014】
以下の記載では、異なる指定がない限り、アルキルは、直鎖状または分枝状で好ましくは20個までの炭素原子を含有する線状または環状の飽和炭化水素を表す。同様に、アルケニルは、直鎖状または分枝状で好ましくは20個までの炭素原子を含有する線状または環状の不飽和炭化水素を表す。アルキル基が線状であるとき、アルキル基は好ましくは1−10個、より好ましくは1−6個の炭素原子を含有する。好適例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルとそれらの異性体である。例えば、Cの基は、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルの形態で存在できる。アルキル基が環状であるとき、アルキル基は好ましくは5−10個の炭素原子を含有し、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、デカリンまたはアダマンチルであろう。
【0015】
アルコキシ及びアルキルチオは、それぞれ酸素原子またはイオウ原子によって上記に定義のようなアルキル部分に結合しているアルキル基を表す。
【0016】
ハロアルキルは、少なくとも1個のハロゲン原子によって置換された上記に定義のようなアルキル基を表す。好ましくはアルキル基が1−6個の炭素原子を含んでおり、好ましくは1−6個のハロゲン原子、より好ましくは1−3個のハロゲン原子によって置換されている。典型例は、塩素、臭素及びフッ素から選択された1−6個のハロゲン原子によって置換されたメチル、エチル及びプロピルである。1−3個のこれらのハロゲン原子によって置換されたメチル基、例えばトリフルオロメチル及びトリクロロメチルが好ましい。
【0017】
アリールは、少なくとも1個の芳香環を含み、5−18個、好ましくは6−14個、より好ましくは6−10個、最も好ましくは6個の炭素原子を有し得る炭化水素を表す。典型的なアリール基としては、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アントラシル、インデニル、アズレニル、ビフェニレニル及びフルオレニル基がある。特に好ましいアリール基は、フェニル、ナフチル及びフルオレニルであり、フェニルが最も好ましい。
【0018】
アリールオキシ及びアリールチオは、それぞれ酸素原子またはイオウ原子によって上記に定義のようなアリール部分に結合されたアリール基を表す。
【0019】
アミノは、一般式−NR’R”を有している基を表し、式中のR’及びR”は独立に水素原子及びアルキル基から選択される。R’及びR”がアルキル基であるとき、それらは好ましくは1−10個、より好ましくは1−4個の炭素原子を有している。可能なアミノ基としては、−NH、メチルアミノ(即ち、−NHMe)、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ヘプチルアミノ、オクチルアミノ、ステアリルアミノ、ジメチルアミノ(即ち、−NMe)、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジ−sec−ブチルアミノ、ジ−tert−ブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、ジヘプチルアミノ、ジオクチルアミノ及びジステアリルアミノがある。混合ジアルキルアミノ基(即ち、R’とR”とが異なっている)も可能である。
【0020】
シロキシは、一般式−OSiRの基を表し、式中のR基の各々は独立に、水素原子とアルキル基とから成るグループから選択される。アルキル基は好ましくは1−6個、より好ましくは1−4個の炭素原子を有している。
【0021】
エステルという用語(アルコキシカルボニルとしても知られる)は、式−C(O)ORの基を表し、式中のRは水素原子またはアルキル基を表す。好ましくはアルキル基が1−6個、より好ましくは1−4個の炭素原子を有している。
【0022】
複素環という用語は、3−20個、より好ましくは3−10個の炭素原子を有しておりかつ1、2または3個の酸素、窒素またはイオウ原子を含む4、5、6または7員の飽和または不飽和の環を1個または複数個有している基を表す。飽和環を含んでいる複素環基としては、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロ−チオフェン、ジチオラン、オキサチオラン、オキサゾリジン、オキサジナン、オキサチアン、テトラヒドロ−チオピラン、テトラヒドロ−ピラン、ジオキソラン、ジオキサン、チアジナン、ジチアン、チアゾリジン、イミダゾリジン、ヘキサヒドロ−ピリミジン及びテトラヒドロ−フランを主体とする基がある。
【0023】
芳香環を含む複素環基(ヘテロアリール基)としては、チエニル、ベンゾチエニル、ナフトチエニル、チアントレニル、フリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメチル、キサンテニル、フェノキサチニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボンリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ピラジニル、アクリジニル、フェナジニル、フルルリル、イソチアゾリル、イソキクサゾリル、フェノキサジニル、ベンズチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ピラントレニル、オパレニル及びフェノキサジニルがある。
【0024】
ハロゲンという用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択されたハロゲン原子を表し、フッ素及び塩素が好ましい。
【0025】
上記の定義の基のいずれかが置換または未置換であると記述されている場合、置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、チオール、シアノ、アミノ、シリル、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキルオキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシル、カルボニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、スルフィニル、アルキルスルホニル、スルホナト、アルキルスルホナト、アリール、アリールアルキル、アルカリール、アリールオキシ、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルホナト、スルホンアミド、カルバモイル、カルバミド、アルキルアミド、アルケニル、アルケニルオキシ及びアルキニル、並びに、複素環基などである。場合によっては存在する好ましい置換基は、ハロゲン原子、及び、ニトロ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ及びカルボキシ基である。場合によっては存在する置換基がアルキル、ハロアルキルまたはアルコキシ基である場合、置換基のアルキル部分は好ましくは1−6個の炭素原子を有しており、好ましくは線状である。場合によっては存在する特に好ましい置換基は塩素原子、並びに、ニトロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、tert−ブチル及びメトキシ基である。
【0026】
本発明に開示された化合物及び組成物は、ヒトまたは動物の身体の皮膚及び/または粘膜に接触したときに清涼感を生じさせる能力を有している。本文中に使用した“清涼感”という用語は、ヒトまたは動物の身体によって知覚される冷涼な感覚を意味すると理解されたい。このような清涼感は、メントールのような化合物によって生じる感覚に類似しており、及び/または、McKemyら,Nature,Vol.416,2002,52−58,に挙げられているような冷感受容器が刺激されたときに誘発される感覚に類似している。
【0027】
清涼感は多数の様々な用途に望まれる特性である。例えば、本発明の化合物及び組成物は、身体衛生、口腔衛生及び食品用の多くの組成物に用途を有している。
【0028】
身体衛生用途には、ローション、シェービングクリーム、ポストシェービング調製物、シャンプー、コンディショナー、洗顔料、セッケン、浴用オイル及びフォーム、発汗抑制剤、体臭消去剤がある。口腔衛生用途には、練り歯磨き、口腔洗滌剤、デンタルフロス、チューインガム、口臭抑制剤がある。食料品用途には、飲料、スプレッド、アイスクリーム及び菓子類がある。清涼感が望まれるその他の用途としては、医薬品(例えば、咀嚼型医薬品または咽喉トローチ剤)、タバコ製品、昆虫忌避剤及び化粧品が考えられる。
【0029】
上述のように、本発明の第一の実施態様は、清涼感を生じさせるための式[I]の化合物の使用を提案する。但し、Rが2−ヒドロキシフェニルであるときはRが3−ニトロフェニル以外の基である。この実施態様では、好ましいR基が置換または未置換のアルキル基またはアリール基であることが知見された。アルキル基は、C1−10の脂肪族鎖のような線状の基でもよく、または、C3−10の環状炭化水素のような環状の基でもよい。Rはフェニルもしくはシクロヘキシル基のような置換または未置換のアリールまたは環状炭化水素基であるのが好ましい。
【0030】
好ましいR基は、水素原子、または、置換もしくは未置換のアルキルもしくはアリール基である。R基もまた、Rの場合と同様に線状脂肪族鎖または環状炭化水素でよい。好ましい基は置換または未置換のアリール及び環状炭化水素基であり、フェニル及びシクロヘキシルが特に有利である。あるいは、これらの環状基が水素原子、直鎖状アルキル基(例えば、C1−10アルキル基)または分枝状アルキル基(例えば、tert−ブチル基)のような別の基によって置換されるのが望ましい。
【0031】
第一の実施態様に包含される化合物の特に好ましいサブセットは、一般式[II]:
【0032】
【化13】

の化合物であり、式中の、1つまたは複数のX及びYの各々は独立に、ハロゲン原子、または、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、チオール、カルボキシ、ニトロ、スルホンアミド、スルホナト、スルホニル、アルコキシカルボニル、カルボニルまたはアミノ基を表し、m及びnは独立に0、1、2または3であるが、但し、nが1、mが1及びYがオルト位のヒドロキシ基であるときは、Xはメタ位のニトロ基以外の基である。置換基XまたはYがアルキル部分(例えば、ハロアルキルのアルキル部分)を有している場合、このアルキル部分は好ましくは1−6個の炭素原子を有している。アルケニル基の場合には、この基は好ましくは2−6個の炭素原子を有している。
【0033】
Xは上記に列挙した基のいずれかから選択できるが、水素及びハロゲン原子、並びに、ニトロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル及びC1−6アルコキシ基が好ましい。X置換基の数は0−3の範囲でよく、フェニル環の置換点も可変である。フェニル環に1個の置換基が存在するのが好ましい。即ち、mが1であるのが好ましい。この場合の置換基は、環状尿素基を含有している分子のフェニル環と残りの部分との結合点に対してオルト、メタまたはパラ位で存在できる。最適な結合点は、置換基の種類及びその電子供与効果または電子求引効果のようないくつかの要因に依存する。特に有用な化合物は、置換基がメタ位に存在する化合物である。
【0034】
同様に、Yは上記に列挙した基のいずれかから選択でき、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル及びC1−6アルコキシ基が好ましい。Y置換基の数は0−3の範囲であり、フェニル環の置換点は可変である。Y置換基が1つだけ存在する(即ち、nが1である)のが好ましく、この置換基は、環状尿素基を含有している分子のフェニル環と残りの部分との結合点に対してオルト、メタまたはパラ位で存在できる。特に有用な化合物は、唯一つのY置換基がオルト位に存在する化合物である。
【0035】
従って、本発明の第一の実施態様による特に好ましい化合物は、一般式[III]:
【0036】
【化14】

の化合物であり、式中の、X及びYは独立に、ハロゲン原子、または、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、チオール、カルボキシ、ニトロもしくはアミノ基から選択され、但し、Yがヒドロキシ基であるとき、Xはニトロ基以外の基である。Xが水素もしくはハロゲン原子、または、ニトロ、ヒドロキシ、C1−6アルキルもしくはC1−6アルコキシ基であるのが好ましい。特に好ましい基は、ハロゲン原子、並びに、メチル、エチル、メトキシ及びエトキシ基である。好ましいハロゲン原子は塩素である。
【0037】
多くの化合物が合成され、清涼感を誘発する能力を示した。好ましい化合物は、1−(2’−メトキシフェニル)−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−フェニル−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−メトキシフェニル)−4−(3”−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−フェニル−4−(3”−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−メチルフェニル)−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−メトキシフェニル−4−(3”−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−フェニル−4−(3”−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−(3”−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−フェニル−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン及び1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、などである。特に、1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−(3”−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−フェニル−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン及び1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オンが優れた清涼効果を示した。
【0038】
化合物は単独で使用されてもよく、または、担体のような1種もしくは複数の別の物質に組合せて組成物として使用されてもよい。これらの追加物質の種類及び組成物の諸成分の相対的割合は、組成物の所期の用途のような幾つかの要因に左右されるであろう。組成物は上記に挙げたような様々な用途に使用され得る。特に好ましい用途には、体臭消去剤、シャワージェル及びスキンクリームのような身体衛生製品、練り歯磨き及び口腔洗滌剤のような口腔衛生製品、並びに、飲料、アイスクリーム、菓子類及びスプレッドのような食料品がある。
【0039】
本発明の第二の実施態様は、前出の一般式[IV]の化合物またはその塩を包含する。式中の、Xは水素もしくはハロゲン原子、または、ヒドロキシ、ニトロ、アルキルもしくはアルコキシ基であり、Yは水素、ヒドロキシ、ニトロまたはアルコキシであり、nは0、1、2または3である。但し、nが1でYがヒドロキシであるときはXがアルキルまたはヒドロキシである。nが1でYがヒドロキシであるとき、Xがハロゲン原子でないのが好ましい。この実施態様の1つの特徴に従って、nが1でYがヒドロキシであるとき、Xはアルキルまたはヒドロキシであるのが好ましい。この特徴では、Yがヒドロキシであることが特に好ましい。
【0040】
別の実施態様では、Yがハロアルキル、特にYがニトロであるときが好ましい。特に好ましいハロアルキルはハロメチル、最も好ましくはトリフルオロメチルである。
【0041】
置換基Yの数は0−3の範囲であり、置換基はどの位置に存在してもよい。しかしながら、置換基Yは1つだけ存在するのが好ましい。即ち、nが1であるのが好ましい。この置換基は、フェニル環と分子の残りの部分との結合点に対してオルト、メタまたはパラ位に存在し得る。置換基の最適な位置は、置換基の種類及びその電子供与効果もしくは電子求引効果のような幾つかの要因に依存するであろう。オルト位が好ましい。従って、第二の実施態様による特に好ましい化合物は一般式[V]:
【0042】
【化15】

の化合物であり、式中のYは上記の定義と同義である。Yはヒドロキシ基またはメトキシ基であるのが好ましい。Xは好ましくは、水素もしくはハロゲン原子、または、ヒドロキシ、C1−6アルキルもしくはC1−6アルコキシ基である。但し、Yがヒドロキシである場合、Xはアルキルまたはヒドロキシである。特に好ましいX基は、ハロゲン原子、並びに、メチル、エチル、メトキシ及びエトキシ基である。塩素原子及びメトキシ基が最も好ましい。
【0043】
清涼効果を示すことが判明したこの実施態様の化合物としては、第一の実施態様に関して上記に挙げた化合物があり、特に、1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−(3”−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−フェニル−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン及び1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オンが挙げられる。1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−(3”−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、及び、1−(2’−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オンが最も好ましい。
【0044】
本発明のこの第二の実施態様の化合物もまた上記に挙げたような様々な用途に使用され得る。より特定的には、本発明の第一の実施態様に関して上述した用途と同様の用途、例えば、体臭消去剤、シャワージェル及びスキンクリームのような身体衛生製品、口腔洗滌剤及び練り歯磨きのような口腔衛生製品、並びに、食品に使用し得る。化合物は、飲料、スプレッド、菓子類及びアイスクリームのような食料品に特に有用な用途を有している。
【0045】
本発明の第三の実施態様は本発明の化合物を含む新規な組成物を提供する。該組成物は清涼感が望まれる多くの用途に使用できる。上述のように、このような用途には、身体衛生製品の分野(ローション、シェービングクリーム、ポストシェービング調製物、シャンプー、コンディショナー、洗顔料、セッケン、浴用オイル及びフォーム、発汗抑制剤及び体臭消去剤、など);口腔衛生製品(練り歯磨き、口腔洗滌剤、デンタルフロス、チューインガム、口臭抑制剤、など);食品(飲料、スプレッド、アイスクリーム及び菓子類、など);及び、清涼感が望まれるその他の用途(咀嚼型医薬品または咽喉トローチ剤のような医薬品、タバコ製品、昆虫忌避剤及び化粧品、など)の分野を包含する。
【0046】
練り歯磨き、口腔洗滌剤、並びに、菓子類、飲料、スプレッド及びアイスクリームのような食品として使用するための組成物が特に好ましい。組成物の詳細な特性(例えば、追加成分の種類、諸成分の相対的割合及び組成物の物理的特性)は特定用途に左右されるであろう。
【0047】
第三の実施態様の第一の目的によれば、清涼感を生じさせるための式[I]:
【0048】
【化16】

[式中、
及びRは独立に、水素もしくはハロゲン原子;ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、メルカプト、カルボニル、スルホン及びカルボキシ基;または、置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アミノ、シロキシ、エステル及び複素環基から選択される]の化合物またはその塩を含む、練り歯磨き、口腔洗滌剤または食品組成物のような組成物が提供される。この場合、式[I]の化合物は、Rが2−ヒドロキシフェニル及びRが3−ニトロフェニルを表す化合物以外であるのが好ましい。
【0049】
式[I]の化合物は、R及びRが上記のリストから選択されたいかなる化合物でもよい。しかしながら、好ましい化合物は、前出の本発明の第一の実施態様に関して既に説明した化合物である。
【0050】
本発明のこの実施態様の第二の目的によれば、本発明の第二の実施態様に関して上記に説明したような式[IV]の化合物を含む、練り歯磨き、口腔洗滌剤または食品組成物のような組成物が提供される。
【0051】
いずれの目的においても、清涼感を生じさせ得る化合物が組成物の全重量を基準として0.0001−3重量%、例えば、0.001−3重量%の量で存在するのが好ましい。特に好ましい範囲は0.0001−0.3重量%である。化合物は0.0003−0.1重量%または0.003−0.1重量%の量で存在し得る。
【0052】
本発明のすべての実施態様で上記に開示した化合物は、反応図式1に示す全体的プロセスによって製造できる:
【0053】
【化17】

【0054】
反応図式1に必要なβ−アミノ−ケトン化合物は、任意の適当な方法、例えば、後出の実施例1及び2に記載の合成経路に従って、または、米国特許第3,821,221号に開示された合成経路を経由して製造できる。
【0055】
次に本発明の好ましい実施態様を実施例によって以下に記載する。本発明の範囲内のその他の変更は当業者に明らかであろう。
【実施例1】
【0056】
ジメチルアミノ−m−クロロプロピオフェノン塩酸塩の製造
窒素下、アセトニトリル(350ml)中のテトラメチルジアミノメタン(15.0ml,0.11mol)の溶液に、室温でアセトニトリル(7.83ml)中のアセチルクロリド(7.8ml,0.11mol)の溶液を滴下した。添加の終了後、撹拌を1時間継続し、次いで、3’−クロロアセトフェノン(20.0g,0.13mol)を5分間で添加した。反応混合物を2時間還流させ、室温に放冷し、形成された白色沈殿物を濾別し、低温アセトニトリルで洗浄し、真空下で乾燥した(22.9g,84%)。
【0057】
【化18】

【実施例2】
【0058】
β−(o−ヒドロキシアニリノ)−m−クロロプロピオフェノン塩酸塩の製造
ジメチルアミノ−m−クロロプロピオフェノン塩酸塩(74.9g,0.30mol)を50%水性エタノール(700ml)に還流下で溶解させた。次に2−アミノフェノール(32.9g,0.30mol)を添加し、生じた赤色溶液を更に2時間還流させた。反応混合物を室温に放冷し、次いで酢酸エチルで2回抽出した(2×100ml)。2つの層を効果的に分離させるためにここでブラインも添加したことに注目されたい。有機抽出物を集めて過剰量の濃塩酸(47ml)を添加した。溶液を真空中で濃縮し、次いで放冷した。形成された沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空中で乾燥すると、クリーム色の粉末(38.1g,40%)が得られた。
【0059】
【化19】

【実施例3】
【0060】
1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−(3”−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリミジン−2−オンの製造
β−(o−ヒドロキシアニリノ)−m−クロロプロピオフェノン塩酸塩(4.0g,0.013mol)を酢酸(50ml)に入れ、混合物を60℃に加熱した。シアン化カリウム(2.6g,0.032mol)を添加し、得られた反応混合物を60℃で更に30分間維持し、次いで室温に放冷した。次に水(100ml)を添加し、懸濁液を酢酸エチルで抽出し(3×30ml)、集めた有機抽出物を10%水酸化ナトリウム溶液(100ml)、10%塩酸(100ml)及びブライン(100ml)を順次に用いて洗浄した。有機抽出物を乾燥し(NaSO)、真空中で濃縮し、一夜放冷した。形成された沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄すると、クリーム色の粉末が得られた(1.6g,41%)。
【0061】
【化20】

【実施例4】
【0062】
本発明の種々の化合物の効力を、培養ニューロンを化合物に接触させ、細胞のCa2+レベルをモニターすることによってin vitro試験した。
【0063】
以下の一般式:
【0064】
【化21】

を有している複数の化合物を試験した。
【0065】
以下の特定化合物を試験し、比較例としてメントールも試験した。
【0066】
【表1】

【0067】
化合物を超音波処理によってDMSOに溶解して0.1M溶液を調製した。5μlのこの予製液を5mgのシクロデキストリン及び5mlの140Na−tyrodeに添加し、100μMの最終試験濃度にした。
ウイスター系ラットの三叉神経節から採取したニューロンを米国特許第5,811,256号に記載の手順で準備した。24時間の培養後、種々の化合物に対するニューロンの反応性を、McKemyら(Nature,Vol.416,2002,52−58)に記載された一般手順に従って測定した。McKemyによって記載された試験プロトコルを多少修正し、蛍光Ca2+指示薬Fura−2を使用した。細胞の蛍光シグナルの検出はビデオ顕微鏡分析によって行った。熱電対デバイスによってニューロンに冷刺激を与え、その後に、被験化合物を含有している溶液を超注入(superfusion)し、細胞のCa2+レベルを連続的にモニターしながら被験化合物に対する反応性を試験した。
【0068】
化合物1−3及びメントールに関する結果を記録し、化合物1(アイシリン)の活性に比較したパーセンテージとして以下の表に示す。
【0069】
【表2】

【0070】
本発明の化合物が、培養ニューロンと接触したときに清涼感を生じさせるために有効であることが理解されよう。化合物を人体(例えば、皮膚及び/または粘膜)に接触させたときにも上記の試験で示されたin vitro効力は発揮され、従って清涼感を与えるであろうと予測できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
清涼感を生じさせるための式[I]:
【化1】

[式中、
及びRは独立に、水素原子もしくはハロゲン原子;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、カルボニル基、スルホン基及びカルボキシ基;または、置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シロキシ基、エステル基及び複素環基から選択され、但し、Rが2−ヒドロキシフェニルであるときはRが3−ニトロフェニル以外である]
の化合物またはその塩の使用。
【請求項2】
が置換または未置換のアルキル基またはアリール基である請求項1に記載の使用。
【請求項3】
が置換または未置換のアリール基または環状炭化水素基である請求項2に記載の使用。
【請求項4】
が水素原子、または、置換もしくは未置換のアルキルもしくはアリールである請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
が置換または未置換のアリール基または環状炭化水素基である請求項4に記載の使用。
【請求項6】
式[II]:
【化2】

[式中、1つまたは複数のX及びYの各々は独立に、ハロゲン原子、または、アルキル基、アルケニル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシ基、ニトロ基、スルホンアミド基、スルホナト基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルボニル基またはアミノ基を表し、m及びnは独立に0、1、2または3である]
の化合物の請求項5に記載の使用。
【請求項7】
1つまたは複数のXの各々が独立に、水素原子もしくはハロゲン原子、または、ニトロ基、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基またはC1−6アルコキシ基である請求項6に記載の使用。
【請求項8】
1つまたは複数のYの各々が独立に、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基である請求項6または7に記載の使用。
【請求項9】
mが1である請求項6から8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
nが1である請求項6から9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
式[III]:
【化3】

[式中、X及びYは請求項6の定義と同義]
の化合物の請求項10に記載の使用。
【請求項12】
清涼感を生じさせるための、1−(2’−メトキシフェニル)−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−フェニル−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−メトキシフェニル)−4−(3”−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−メチルフェニル)−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−フェニル−4−(3”−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−メトキシフェニル)−4−(3”−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−フェニル−4−(3”−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−(3”−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−(2’−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、1−フェニル−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オンまたは1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オンの使用。
【請求項13】
式[IV]:
【化4】

[式中、Xは水素もしくはハロゲン原子、または、ヒドロキシ、ニトロ、アルキルもしくはアルコキシ基であり、Yは水素、ヒドロキシ、ハロアルキル、ニトロまたはアルコキシであり、nは0、1、2または3であり、但し、nが1でYがヒドロキシであるときは、Xがニトロでない]
の化合物またはその塩。
【請求項14】
nが1でYがヒドロキシであるときは、Xがハロゲン原子でないという条件を満たす請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
Yはヒドロキシまたはアルコキシであり、但し、nが1でYがヒドロキシであるときは、Xがアルキルまたはヒドロキシである請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
nが1である請求項13から15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
nが1でYがヒドロキシである請求項13から16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
Yがハロアルキルである請求項13から16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
Yがトリフルオロメチルである請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
式[IV]:
【化5】

[式中、YはC1−6アルコキシである]
を有している請求項13に記載の化合物。
【請求項21】
Xが塩素原子またはメトキシ基である請求項13から20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
清涼感を生じさせるために式[I]:
【化6】

[式中、
及びRは独立に、水素原子もしくはハロゲン原子;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、カルボニル基、スルホン基及びカルボキシ基;または、置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シロキシ基、エステル基及び複素環基から選択される]
の化合物またはその塩を含んでいる練り歯磨き組成物。
【請求項23】
が2−ヒドロキシフェニルのとき、Rが3−ニトロフェニル以外であるという条件を満たす請求項22に記載の練り歯磨き組成物。
【請求項24】
更に請求項2から12のいずれか一項に記載の特徴を有している請求項22または23に記載の練り歯磨き組成物。
【請求項25】
請求項13から21のいずれか一項に記載の式[IV]の化合物を含んでいる練り歯磨き組成物。
【請求項26】
清涼感を生じさせるために式[I]:
【化7】

[式中、
及びRは独立に、水素原子もしくはハロゲン原子;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、カルボニル基、スルホン基及びカルボキシ基;または、置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シロキシ基、エステル基及び複素環基から選択される]
の化合物またはその塩を含んでいる口腔洗滌組成物。
【請求項27】
が2−ヒドロキシフェニルのとき、Rが3−ニトロフェニル以外であるという条件を満たす請求項26に記載の口腔洗滌組成物。
【請求項28】
更に請求項2から12のいずれか一項に記載の特徴を有している請求項26または27に記載の口腔洗滌組成物。
【請求項29】
請求項13から21のいずれか一項に記載の式[IV]の化合物を含んでいる口腔洗滌組成物。
【請求項30】
清涼感を生じさせるために式[I]:
【化8】

及びRは独立に、水素原子もしくはハロゲン原子;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、カルボニル基、スルホン基及びカルボキシ基;または、置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シロキシ基、エステル基及び複素環基から選択される]
の化合物またはその塩を含んでいる食品組成物。
【請求項31】
が2−ヒドロキシフェニルのとき、Rが3−ニトロフェニル以外であるという条件を満たす請求項30に記載の食品組成物。
【請求項32】
更に請求項2から12のいずれか一項に記載の特徴を有している請求項30または31に記載の食品組成物。
【請求項33】
請求項13から21のいずれか一項に記載の式[IV]の化合物を含んでいる食品組成物。
【請求項34】
食品が飲料である請求項30から33のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項35】
食品がアイスクリームである請求項30から33のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項36】
食品がスプレッドである請求項30から33のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項37】
食品が菓子類である請求項30から33のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項38】
式[IV]の化合物が0.0001から3重量%の量で存在する請求項22から37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
式[IV]の化合物が0.0003から0.1重量%の量で存在する請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
清涼感を生じさせるための式[I]の新規な化合物の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清涼感を生じさせるための、式[V]:
【化1】

[式中、
Xは、ニトロ、ハロゲン、アルキル及びアルコキシから独立に選択され、
Yは、ヒドロキシ及びハロアルキルから独立に選択され、
但し、YがヒドロキシであるときはXがニトロ以外である]
の化合物の使用。
【請求項2】
Yがヒドロキシである請求項1に記載の使用。
【請求項3】
Yがハロアルキルである請求項1に記載の使用。
【請求項4】
Yがトリフルオロメチルである請求項3に記載の使用。
【請求項5】
Xが塩素原子である請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
化合物が、
1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−(3”−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、
1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−(3”−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、
1−(2’−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3”−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、及び、
1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−(3”−メチルフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン、
から選択される請求項1に記載の使用。
【請求項7】
化合物が、1−(2’−ヒドロキシフェニル)−4−(3”−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オンである請求項1に記載の使用。
【請求項8】
清涼感を生じさせるための、式[V]:
【化2】

[式中、
Xは、ニトロ、ハロゲン、アルキル及びアルコキシから独立に選択され、
Yは、ヒドロキシ及びハロアルキルから独立に選択され、
但し、YがヒドロキシであるときはXがニトロ以外である]
の化合物を含む練り歯磨き組成物。
【請求項9】
式[V]の化合物が請求項2から7のいずれか一項に規定されている請求項8に記載の練り歯磨き組成物。
【請求項10】
清涼感を生じさせるための、式[V]:
【化3】

[式中、
Xは、ニトロ、ハロゲン、アルキル及びアルコキシから独立に選択され、
Yは、ヒドロキシ及びハロアルキルから独立に選択され、
但し、YがヒドロキシであるときはXがニトロ以外である]
の化合物を含む口腔洗滌組成物。
【請求項11】
式[V]の化合物が請求項2から7のいずれか一項に規定されている請求項10に記載の口腔洗滌組成物。
【請求項12】
清涼感を生じさせるための、式[V]:
【化4】

[式中、
Xは、ニトロ、ハロゲン、アルキル及びアルコキシから独立に選択され、
Yは、ヒドロキシ及びハロアルキルから独立に選択され、
但し、YがヒドロキシであるときはXがニトロ以外である]
の化合物を含む食品組成物。
【請求項13】
式[V]の化合物が請求項2から7のいずれか一項に規定されている請求項12に記載の食品組成物。
【請求項14】
食品が飲料である請求項12または13に記載の食品組成物。
【請求項15】
食品がアイスクリームである請求項12または13に記載の食品組成物。
【請求項16】
食品がスプレッドである請求項12または13に記載の食品組成物。
【請求項17】
食品が菓子類である請求項12または13に記載の食品組成物。
【請求項18】
式[V]の化合物が0.0001から3重量%の量で存在する請求項12から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
式[V]の化合物が0.0003から0.1重量%の量で存在する請求項18に記載の組成物。

【公表番号】特表2006−512294(P2006−512294A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−536964(P2004−536964)
【出願日】平成15年8月26日(2003.8.26)
【国際出願番号】PCT/EP2003/009566
【国際公開番号】WO2004/026840
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】