説明

テレビジョン装置、電子機器

【課題】標識の視認性を向上できるプリント配線板を有したテレビジョン装置を提供する。
【解決手段】テレビジョン装置は、ねじ孔が設けられたフレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板に接着されるとともに開口部が設けられた補強板と、を具備した。テレビジョン装置は、標識を具備し、標識は、前記フレキシブルプリント配線板の前記補強板と接着された面で前記開口部で露出された位置に設けられるとともに、前記ねじ孔の位置を示した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プリント配線板を備えたテレビジョン装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ等の電子機器には、剛性のあるプリント配線板および可撓性のあるフレキシブルプリント配線板がしばしば用いられる。フレキシブルプリント配線板には、基材の表面に導体のパターンが設けられている。この導体のパターンは、その入力側端部および出力側端部を残してカバーフィルムで被覆されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−198070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなフレキシブルプリント配線板に補強板を接着して、フレキシブルプリント配線板に強度を持たせたり、フレキシブルプリント配線板の取り扱い性を向上したりすることがある。一方、フレキシブルプリント配線板上に文字や記号などの情報を持たせることがある。しかしながら、上記のようにフレキシブルプリント配線板に補強板を接着すると、この文字や記号などの情報を視認することができなくなる。
【0005】
本発明は、標識の視認性を向上できるプリント配線板を有したテレビジョン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のテレビジョン装置は、ねじ孔が設けられたフレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板に接着されるとともに開口部が設けられた補強板と、前記フレキシブルプリント配線板の前記補強板と接着された面で前記開口部で露出された位置に設けられるとともに、前記ねじ孔の位置を示した標識と、を具備した。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態の電子機器の一例であるテレビジョン装置を示した正面図。
【図2】図1に示すテレビジョン装置を分解して内部を示した斜視図。
【図3】図2に示すテレビジョン装置のフレキシブルユニットを示した平面図。
【図4】第2の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータを示した斜視図。
【図5】図4に示すポータブルコンピュータの第2のユニットのカバーを取り外した状態を示した平面図。
【図6】図5に示すポータブルコンピュータのフレキシブルユニットを示した平面図。
【図7】第3の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータのフレキシブルユニットを示した平面図。
【図8】図7に示すF8−F8線に沿った断面図。
【図9】第4の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータのフレキシブルユニットを示した平面図。
【図10】図9に示すフレキシブルプリント配線板の標識周りを拡大して示した平面図。
【図11】第4の実施形態のフレキシブルプリント配線板の標識の第1の変形例を示した平面図。
【図12】第4の実施形態のフレキシブルプリント配線板の標識の第2の変形例を示した平面図。
【図13】第4の実施形態のフレキシブルプリント配線板の標識の第3の変形例を示しており、フレキシブルユニットの厚み方向に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1から図3を参照して、電子機器の第1の実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態にかかる電子機器の一例であるテレビジョン装置11は、長方形の外観を有した薄型の表示装置である。このテレビジョン装置11は、筐体12と、筐体12を支持する脚部13と、を備えている。
【0009】
図1、図2に示すように、テレビジョン装置11は、チューナ基板14と、テレビジョン装置11の各部を統括的に制御するいわゆるシステム基板であるプリント回路板15と、コネクタを介してプリント回路板15に接続されたフレキシブルユニット16と、平板状のディスプレイパネル17と、を筐体12の内部に備えている。ディスプレイパネル17は、例えば、液晶ディスプレイパネルで構成されているが、例えばプラズマディスプレイパネル等、他の種類のディスプレイパネルであってもよい。
【0010】
図3に示すように、フレキシブルユニット16は、プリント配線板の一例であるフレキシブルプリント配線板21と、フレキシブルプリント配線板21に接着された補強板22と、フレキシブルプリント配線板21に実装されたモジュール23と、フレキシブルプリント配線板21および補強板22をディスプレイパネル17に固定するねじ24と、を有している。本実施形態において、モジュール23は、例えば無線LANモジュールで構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば3G用の通信モジュールであってもよい。なお、本実施形態において、フレキシブルプリント配線板21および補強板22は、複数のねじ24によってディスプレイパネル17に固定されているが、筐体12に固定されていてもよい。
【0011】
補強板22は、フレキシブルプリント配線板21に接着され、モジュール23を実装したフレキシブルプリント配線板21に一定の強度を持たせている。補強板22は、互いに分離した第1の部分22Aおよび第2の部分22Bを有しており、これらはそれぞれフレキシブルプリント配線板21に接着されている。第1の部分22Aおよび第2の部分22Bは、それぞれガラスエポキシ樹脂で構成されており、絶縁性を有している。第1の部分22Aおよび第2の部分22Bには、ねじ24が通される第1のねじ孔25と、第1のねじ孔25の近傍に設けられた貫通孔26と、がそれぞれ設けられている。貫通孔26は、開口部の一例であり、円形に形成されている。貫通孔26は、後述するフレキシブルプリント配線板21上の標識32に対応する位置に設けられている。
【0012】
フレキシブルプリント配線板21は、例えば、ポリイミド製の基材に対して複数の配線層(銅箔)とポリイミド製の絶縁層とを交互に積層したもので構成されているが、これに限定されるものではない。フレキシブルプリント配線板21は、例えば基材の両面に配線層が1層ずつ設けられたものでもよいし、基材の片面に配線層が1層のみ設けられたものでもよい。フレキシブルプリント配線板21には、ねじ24が通される第2のねじ孔27が設けられている。また、フレキシブルプリント配線板21は、配線パターン31と、第2のねじ孔27の位置およびねじ24の種類を示した標識32と、を有している。
【0013】
標識32は、文字、図形、記号のうち少なくとも一つか、またはこれらを組み合わせたもので構成される。本実施形態では、標識32は、例えば「S3」などの文字でフレキシブルプリント配線板21上に表示されている。標識32は、第2のねじ孔27の近傍で、フレキシブルプリント配線板21の補強板22と接着された面に設けられている。標識32は、銅箔などの導体パターンによって基材或いは絶縁層上に形成されている。標識32は、貫通孔26によって外部に露出されており、貫通孔26を介して外部から作業者が視認できる。なお、「S3」の文字は、例えば、ねじ24の頭部が扁平で、軸部の直径が3mmのねじ24を標識32の近傍にある第2のねじ孔27に締結すべきことを意味している。
【0014】
作業者は、標識32に従って第1のねじ孔25および第2のねじ孔27にねじ24を締結することで、フレキシブルユニット16を簡単にディスプレイパネル17に固定することができる。
【0015】
第1の実施形態によれば、テレビジョン装置11は、ねじ孔が設けられたフレキシブルプリント配線板21と、フレキシブルプリント配線板21に接着されるとともに開口部が設けられた補強板22と、フレキシブルプリント配線板21の補強板22と接着された面で開口部で露出された位置に設けられるとともに、ねじ孔の位置を示した標識32と、を具備している。
【0016】
この構成によれば、フレキシブルプリント配線板21上に標識32が設けられているため、ねじ24を締結すべき箇所を作業者が見誤ることがなく、作業性を向上することができる。また、この標識32は、補強板22の開口部で露出された位置に設けられるため、標識32が補強板22で隠されてしまうことがなく、標識32の本来の機能を発揮することができる。
【0017】
続いて、図4から図6を参照して、電子機器の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ41は、外観が第1の実施形態のテレビジョン装置11とは異なっているが、主要な構成において概ね共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。なお、以下の実施形態では、手前側(即ちユーザ側)を前方向F、ユーザから見て奥側を後方向R、ユーザから見て左側を左方向、ユーザから見て右側を右方向、ユーザから見て上方を上方向、ユーザから見て下方を下方向と定義する。
【0018】
図4に示すように、ポータブルコンピュータ41は、同図中の前方向に位置した第1のユニット42と、同図中の後方向に位置した第2のユニット43と、第1のユニット42と第2のユニット43との間に位置するとともに、これらを回転可能に連結したヒンジユニット44と、を具備している。
【0019】
第1のユニット42は、第1のケース45と、第1のケース45に取り付けられた第1のタッチパネル46と、第1のタッチパネル46の下方で第1のケース45の内側に設けられた第1のディスプレイ47と、を有している。第1のディスプレイ47は、例えば、液晶ディスプレイで構成されており、第1のタッチパネル46に隣接した位置に設けられている。また、第1のユニット42は、第1のタッチパネル46を間に挟んだ両側に一対の操作ボタン48を有している。
【0020】
図4に示すように、第2のユニット43は、第2のケース51と、第2のケース51に取り付けられた第2のタッチパネル52と、第2のタッチパネル52の下方で第2のケース51の内側に設けられた第2のディスプレイ53と、を有している。図4と図5に示すように、第2のケース51は、第2のタッチパネル52の前方を覆っているマスク54と、第2のディスプレイ53の背面を覆っているカバー55と、マスク54とカバー55との間に設けられたインナーフレーム56と、を含んでいる。カバー55、マスク54、およびインナーフレーム56は、互いにねじ止め等によって固定されている。図5は、カバー55を取り外した状態を示している。
【0021】
図5に示すように、第2のユニット43は、さらに、CPU等が実装されたシステム基板であるプリント回路板15と、プリント回路板15とは独立に設けられたフレキシブルユニット16と、CPU等の冷却を促進するためのヒートパイプ57およびファンユニット58と、を有している。
【0022】
図5、図6に示すように、フレキシブルユニット16は、プリント配線板の一例であるフレキシブルプリント配線板21と、フレキシブルプリント配線板21に接着された補強板22と、フレキシブルプリント配線板21に実装されたモジュール23と、フレキシブルプリント配線板21および補強板22をインナーフレーム56に固定するためのねじ24と、を有している。本実施形態において、モジュール23は、例えば無線LANモジュールで構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば3G用の通信モジュール等、他のモジュールであってもよい。
【0023】
図6に示すように、補強板22は、それぞれフレキシブルプリント配線板21に接着された第1の部分22Aおよび第2の部分22Bを有している。第1の部分22Aおよび第2の部分22Bは、それぞれガラスエポキシ樹脂で構成されている。補強板22の第1の部分22Aおよび第2の部分22Bには、ねじ24が通される第1のねじ孔25と、第1のねじ孔25の近傍に設けられた貫通孔26と、がそれぞれ設けられている。貫通孔26は、開口部の一例であり、例えば円形に形成されている。貫通孔26は、後述するフレキシブルプリント配線板21上の標識32に対応した位置に設けられている。
【0024】
フレキシブルプリント配線板21は、例えば、ポリイミド製の基材に対して複数の配線層とポリイミド製の絶縁層とを交互に積層して構成される。フレキシブルプリント配線板21は、例えば基材の両面に配線層を1層ずつ設けたものでもよいし、基材の片面に配線層を1層のみ設けたものでもよい。フレキシブルプリント配線板21には、ねじ24が通される第2のねじ孔27が設けられている。また、フレキシブルプリント配線板21は、配線パターン31と、第2のねじ孔27の位置およびねじ24の種類を示した標識32と、を有している。
【0025】
標識32は、文字、図形、記号のうち少なくとも一つか、またはこれらを組み合わせたものである。本実施形態では、標識32は、例えば「S3」などの文字でフレキシブルプリント配線板21上に表示される。標識32は、第2のねじ孔27の近傍で、フレキシブルプリント配線板21の補強板22と接着された面に設けられている。標識32は、銅などの導体パターンによって基材或いは絶縁層上に形成されている。標識32は、貫通孔26によって外部に露出されており、補強板22の貫通孔26を介して外部から視認できる。
【0026】
第2の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ41は、ねじ孔が設けられたプリント配線板と、プリント配線板に接着されるとともに開口部が設けられた補強板22と、プリント配線板の補強板22と接着された面で開口部で露出された位置に設けられるとともに、ねじ孔の位置を示した標識32と、を具備した。この構成によれば、フレキシブルプリント配線板21上に標識32が設けられているため、作業者がねじ24を締結すべき箇所を見誤ることがなく、組み立て時の作業性を向上できる。また、この標識32は、補強板22の開口部で露出された位置に設けられるため、標識32が補強板22で隠されてしまうことがなく、標識32の本来の機能を発揮することができる。また、近年、ハロゲンフリー等の基準を満たすために、透光性のある補強板を電子機器に利用できない場合があるので、そのような場合に本実施形態が特に有用である。
【0027】
この場合、標識32は、プリント配線板上に設けられた導体パターンである。この構成によれば、配線パターン31を形成する際に一括して標識を導体パターンで形成でき、標識32を設けるために別途にシルク印刷等の工程を必要としない。このため、製造工程が複雑になることがなく、生産性を向上することができる。
【0028】
また、標識32は、ねじ孔に通されるねじ24の種類を示している。このため、ねじ孔に締結するねじ24の種類を作業者が誤ることがなく、作業性をより一層向上することができる。
【0029】
続いて、図7、図8を参照して、電子機器の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ41は、貫通孔26の形態が異なる点で第2の実施形態とは異なっているが、他の部分は第2の実施形態と共通している。このため、主として第2の実施形態と異なる部分について説明し、第2の実施形態と共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。第3の実施形態のポータブルコンピュータ41は、図4に示す第2の実施形態のものと同一の外観を有する。
【0030】
図7に示すように、フレキシブルユニット16は、フレキシブルプリント配線板21と、フレキシブルプリント配線板21に接着された補強板22と、フレキシブルプリント配線板21に実装されたモジュール23と、フレキシブルプリント配線板21および補強板22をインナーフレーム56に固定するためのねじ24と、を有している。本実施形態において、モジュール23は、例えば無線LANモジュールで構成されている。
【0031】
補強板22は、それぞれフレキシブルプリント配線板21に接着された第1の部分22Aおよび第2の部分22Bを有している。第1の部分22Aおよび第2の部分22Bは、それぞれガラスエポキシ樹脂で構成されている。第1の部分22Aおよび第2の部分22Bには、ねじ24が通される第1のねじ孔25と、第1のねじ孔25の近傍に設けられた第1の貫通孔61と、フレキシブルプリント配線板21と補強板22とを位置決めするための第2の貫通孔62と、フレキシブルプリント配線板21および補強板22をインナーフレーム56に位置決めするためのピンが通される第3の貫通孔63と、コネクタ28を位置決めするとともに固定するための第4の貫通孔64と、モジュール23とは大きさの異なる他のモジュールを固定するための第5の貫通孔65と、がそれぞれ設けられている。
【0032】
第1の貫通孔61は、開口部の一例であり、例えば、長円形や、方形の形状をなしている。第1の貫通孔61は、第2の実施形態の貫通孔26よりも大きく形成されている。図8に示すように、この第1の貫通孔61の内側に、モジュール23を固定するためのスタッド66が通されている。また、第4の貫通孔64の内側には、コネクタ28から一体に突出したピン67が通されている。図7に示すように、第1の貫通孔61および第4の貫通孔64は、後述するフレキシブルプリント配線板21上の標識32に対応した位置に設けられている。図7、図8に示すように、第2の貫通孔62には、例えばフレキシブルプリント配線板21から突出した凸68が嵌ることで、フレキシブルプリント配線板21と補強板22とが位置決めされる。
【0033】
図7に示すように、補強板22には、後述するフレキシブルプリント配線板21上の標識32を外部に露出するための切欠き71が設けられている。切欠き71は、開口部の一例であり、方形や長円形など様々な形状をとることができる。
【0034】
フレキシブルプリント配線板21には、ねじ24が通される第2のねじ孔27が設けられている。また、フレキシブルプリント配線板21は、配線パターン31と、ねじ24の締結位置およびねじ24の種類を示した標識32と、を有している。本実施形態では、標識32は、例えば「S3」などの文字でフレキシブルプリント配線板21上に表示される。標識32は、銅などの導体パターンによって基材或いは絶縁層上に形成されている。標識32は、第2のねじ孔27の近傍に設けられている。標識32は、第1の貫通孔61および第4の貫通孔64によって外部に露出されており、第1の貫通孔61および第4の貫通孔64を介して外部から視認できるようになっている。
【0035】
第3の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ41は、プリント配線板に実装されたモジュール23をさらに具備し、開口部は、貫通孔であり、この開口部に、モジュール23を固定するためのスタッド66が通されている。この構成によれば、スタッド66を通すための孔によって、標識32を外部に露出するための貫通孔を兼ねることができる。このため、スタッド66を通すための孔と標識32を外部に露出するための貫通孔とを個別に設ける場合に比して、構造を簡略化することができる。
【0036】
また、開口部のうちいくつかは、切欠き71で構成されている。このような構造であっても、標識32が補強板22で隠されることを防いで、標識32の本来の機能を発揮できる。
【0037】
続いて、図9、図10を参照して、電子機器の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ41は、補強板22の性質が異なる点および補強板22に第1の貫通孔61が設けられていない点で第3の実施形態とは異なっているが、他の部分は第3の実施形態と共通している。このため、主として第3の実施形態と異なる部分について説明し、第3の実施形態と共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。第4の実施形態のポータブルコンピュータ41は、図4に示す第2の実施形態のものと同一の外観を有する。
【0038】
図9に示すように、フレキシブルユニット16は、フレキシブルプリント配線板21と、フレキシブルプリント配線板21に接着された補強板22と、フレキシブルプリント配線板21に実装されたモジュール23と、フレキシブルプリント配線板21および補強板22をインナーフレーム56に固定するためのねじ24と、を有している。本実施形態において、モジュール23は、例えば無線LANモジュールで構成される。
【0039】
補強板22は、それぞれフレキシブルプリント配線板21に接着された第1の部分22Aおよび第2の部分22Bを有している。第1の部分22Aおよび第2の部分22Bは、それぞれ透光性のある樹脂板で構成されている。ここで、「透光性のある樹脂板」とは、透明な樹脂板および半透明の樹脂板を含むものである。本実施形態では、第1の部分22Aおよび第2の部分22Bは、例えば、ポリカーボネートで形成されているが、この材料に限定されるものではなく、例えば、アクリルや塩化ビニールなど、透光性のあるものであればどのような材質でもよい。
【0040】
補強板22の第1の部分22Aおよび第2の部分22Bには、ねじ24が通される第1のねじ孔25と、フレキシブルプリント配線板21と補強板22とを位置決めするための第2の貫通孔62と、フレキシブルプリント配線板21および補強板22をインナーフレーム56に位置決めするための第3の貫通孔63と、モジュール23とは大きさの異なる他のモジュールを固定するための第5の貫通孔65と、がそれぞれ設けられている。
【0041】
フレキシブルプリント配線板21には、ねじ24が通される第2のねじ孔27が設けられている。また、フレキシブルプリント配線板21は、配線パターン31と、ねじ24の締結位置およびねじ24の種類を示した標識32と、を有している。本実施形態では、標識32は、例えば「S3」などの文字でフレキシブルプリント配線板21上に表示される。標識32は、銅などの導体パターンによって基材或いは絶縁層上に形成されている。標識32は、第2のねじ孔27の近傍に設けられている。標識32は、透光性のある補強板22を通して外部から視認することができる。
【0042】
図10に示すように、標識32は、例えば、基材或いは絶縁層の全面に銅箔を設けた、いわゆるベタパターン72中に白抜き部73を設け、この白抜き部73の中に導体パターンで形成される。なお、本実施形態では、白抜き部73に導体パターンで標識32を設けるようにしているが、例えば、図11に示すように、ベタパターン72に対して白抜き文字、白抜き図形、白抜き記号等で標識32を形成してもよい。
【0043】
第4の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ41は、ねじ孔が設けられたプリント配線板と、プリント配線板に接着されるとともに透光性を有した補強板22と、プリント配線板の補強板と接着された面に設けられるとともに、ねじ孔の位置を示した標識32と、を具備する。
【0044】
この構成によれば、補強板22が透光性を有しているため、標識32を外部に露出するために貫通孔26を補強板22に設ける必要がなく、補強板22の強度低下を防止するとともに補強板22の構造を簡略化できる。また、標識32は、プリント配線板上に設けられた導体パターンであるから、配線パターン31を形成する際に一括して標識32を導体パターンで形成できる。このため、製造工程が複雑になることがなく、生産性を向上することができる。
【0045】
続いて、図12、図13を参照して、第4の実施形態の変形例について説明する。図12に示すように、この変形例では、標識32は、ベタパターン72に対して白抜きで形成した矢印74と、白抜き部73内に導体パターンで設けた「S3」の文字75と、を組み合わせたもので構成される。この変形例によれば、補強板22に複数種類の貫通孔62、69が設けられる場合でも、作業者が第2のねじ孔27の位置を見誤ることがなく、作業効率を向上することができる。
【0046】
また、上記各実施形態では、例えば、フレキシブルプリント配線板21の最も表層に近い位置に標識を設けるようにしているが、図13に示すようにフレキシブルプリント配線板21の内部の層に標識32を設けてもよい。この場合、図13に示すように、標識32よりも表面に近い層は、透光性を有し、且つ、標識32と重なる位置には導体パターン76を設けないようにして、標識32の視認性を阻害しないようにすることが好ましい。この構造によれば、図13に矢印で示す方向から作業者が標識32を視認できる。なお、「フレキシブルプリント配線板の補強板と接着された面」とは、この変形例のように、フレキシブルプリント配線板21の内部の層をも含んだ概念である。
【0047】
電子機器は、上記実施形態に示したテレビジョン装置11、ポータブルコンピュータ41に限らず、例えば携帯電話機のようなその他の電子機器に対しても当然に実施可能である。また、上記各実施形態では、フレキシブルプリント配線板を用いた場合を例に説明したが、上記実施形態の各構造を、剛性を有したいわゆるリジット基板に対しても当然に応用できる。
【0048】
また、上記各実施形態では、標識を構成する導体パターンは、配線を構成する配線パターン31とは別個に設けられているが、標識32を配線パターン31によって形成してもよい。さらに、標識32は、いわゆる第2のねじ孔27の位置およびねじ24の種類を示したものであるが、これに限らず、例えば、メーカ名やその他のロゴを表すものであってもよいし、第2のねじ孔27の位置を示した矢印のみであってもよい。また、上記各実施形態では、標識32を導体パターンで形成するようにしているが、フレキシブルプリント配線板21上や補強板22上にシルク印刷やスタンプ等を施して標識を形成してもよい。
【0049】
また、電子機器は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。さらに、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0050】
11…テレビジョン装置、21…フレキシブルプリント配線板、22…補強板、27…第2のねじ孔、32…標識、41…ポータブルコンピュータ、61…第1の貫通孔、71…切欠き、72…ベタパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ孔が設けられたフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に接着されるとともに開口部が設けられた補強板と、
前記フレキシブルプリント配線板の前記補強板と接着された面で前記開口部で露出された位置に設けられるとともに、前記ねじ孔の位置を示した標識と、
を具備したテレビジョン装置。
【請求項2】
ねじ孔が設けられたプリント配線板と、
前記プリント配線板に接着されるとともに開口部が設けられた補強板と、
前記プリント配線板の前記補強板と接着された面で前記開口部で露出された位置に設けられるとともに、前記ねじ孔の位置を示した標識と、
を具備した電子機器。
【請求項3】
前記標識は、前記プリント配線板上に設けられた導体パターンである請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記標識は、前記ねじ孔に通されるねじの種類を示した請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記プリント配線板に実装されたモジュールをさらに具備し、
前記開口部は、貫通孔であり、この開口部に、前記モジュールを固定するためのスタッドが通された請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記開口部は、切欠きである請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記標識は、前記ねじ孔の近傍に設けられた請求項5または請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
ねじ孔が設けられたプリント配線板と、
前記プリント配線板に接着されるとともに透光性を有した補強板と、
前記プリント配線板の前記補強板と接着された面に設けられるとともに、前記ねじ孔の位置を示した標識と、
を具備した電子機器。
【請求項9】
前記標識は、前記プリント配線板上に設けられた導体パターンである請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記標識は、前記ねじ孔に通されるねじの種類を示した請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記標識は、前記ねじ孔の近傍に設けられた請求項10に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−258816(P2011−258816A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133141(P2010−133141)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】