テレビジョン装置および電子機器
【課題】放熱効率を向上させるテレビジョン装置および電子機器を提供する。
【解決手段】実施形態のテレビジョン装置及び電子機器は、筐体と、前記筐体に収容された回路基板と、前記回路基板側に位置された第1面と、この第1面とは反対側に位置された第2面とを含み、シリコン部材が内蔵された電子部品と、を備え、前記電子部品は、前記第1面側に設けられるとともに、前記回路基板と電気的に接続された電極部と、前記第1面側に設けられるとともに、前記シリコン部材と前記回路基板との間に位置され、前記回路基板の表面とは離間された突出部と、を有した。
【解決手段】実施形態のテレビジョン装置及び電子機器は、筐体と、前記筐体に収容された回路基板と、前記回路基板側に位置された第1面と、この第1面とは反対側に位置された第2面とを含み、シリコン部材が内蔵された電子部品と、を備え、前記電子部品は、前記第1面側に設けられるとともに、前記回路基板と電気的に接続された電極部と、前記第1面側に設けられるとともに、前記シリコン部材と前記回路基板との間に位置され、前記回路基板の表面とは離間された突出部と、を有した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明実施形態は、テレビジョン装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体パッケージ等の電子部品構造体とこの電子部品構造体が実装された基板とを備え、電子部品構造体のグランド用の電極部が半田部によって基板に半田付けされた電子機器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−311417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレビジョン装置および電子機器では、放熱効率の向上が望まれる。
本発明実施形態は、放熱効率を向上させるテレビジョン装置および電子機器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のテレビジョン装置および電子機器は、筐体と、前記筐体に収容された回路基板と、前記回路基板側に位置された第1面と、この第1面とは反対側に位置された第2面とを含み、シリコン部材が内蔵された電子部品と、を備え、前記電子部品は、前記第1面側に設けられるとともに、前記回路基板と電気的に接続された電極部と、前記第1面側に設けられるとともに、前記シリコン部材と前記回路基板との間に位置され、前記回路基板の表面とは離間された突出部と、を有した。
【0006】
実施形態のテレビジョン装置および電子機器は、筐体と、前記筐体に収容された回路基板と、前記回路基板側に位置された第1面と、この第1面とは反対側に位置された第2面とを含む発熱体と、前記第1面と前記回路基板と電気的に接続された電極部と、前記第1面から突出され、前記回路基板と離間された突出部と、を有した。
【0007】
実施形態のテレビジョン装置および電子機器は、筐体と、前記筐体に収容された回路基板と、前記回路基板側に突出されて該回路基板と電気的に接続された第1突出部と、前記回路基板側に突出されて該回路基板と電気的に接続されていない第2突出部と、を有した電子部品と、を有した。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置の正面図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかる電子部品構造体としての半導体パッケージの実装状態を示す縦断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかる半導体パッケージの基板への実装過程を模式的に示す図である。
【図4】図4は、第2実施形態にかかる第1変形例の半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図5】図5は、第2実施形態にかかる第2変形例の半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図6】図6は、第3実施形態にかかる第1変形例の半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図7】図7は、第3実施形態にかかる第2変形例の半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図8】図8は、第3実施形態にかかる第2変形例の半導体パッケージの構成を他の角度から見た場合の図である。
【図9】図9は、第3実施形態にかかる第3変形例の半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図10】図10は、第4実施形態にかかる半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図11】図11は、第5実施形態にかかる半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図12】図12は、第6実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータの斜視図である。
【図13】図13は、第7実施形態にかかる電子機器としての磁気ディスク装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下の複数の実施の形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0010】
<第1実施形態>
まずは、第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置1は、前方(表示画面側)から見た正面視(前面に対する平面視)で、長方形状の外観を呈している。このテレビジョン装置1は、筐体2と、筐体2の前面2aに設けられた開口部2bから前方に露出する表示画面3aを有した表示装置(ディスプレイ)としてのディスプレイパネル3(例えばLCD(Liquid Crystal Display)等)と、電子部品構造体の一例としての半導体パッケージ4(パッケージ、発熱体、電子部品、収容部品、部品、BGA、ボールグリッドアレイ、半導体等)等が実装された基板5(プリント基板、回路基板、プリント配線板、回路板等)と、を備えている。半導体パッケージ4は、基板5側を向いた面であり該基板5と電気的に接続される面(第1面)5aと、この面とは反対側の面(第2面)5bとを含む。ディスプレイパネル3及び基板5は、筐体2に、図示しないねじ等によって固定されている。
【0011】
ディスプレイパネル3は、前後方向(図1の紙面に垂直な方向)に薄い扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル3は、基板5に実装された半導体パッケージ4等で構成された制御回路に含まれる映像信号処理回路(いずれも図示せず)から映像信号を受け取り、その前面側の表示画面3aに、静止画や動画等の映像を表示させる。テレビジョン装置1の制御回路は、映像信号処理回路の他、いずれも図示しないチューナ部や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)信号処理部、AV(Audio Video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、音声信号処理回路等を有している。
【0012】
基板5は、筐体2内のディスプレイパネル3の後方(表示画面とは反対側)に収容されている。また、テレビジョン装置1は、音声出力用のアンプやスピーカ等(図示せず)も内蔵している。
【0013】
図2に示すように、基板5はガラス・エポキシ等の材料によって構成され、絶縁部(絶縁層、レジスト層、レジスト部等)6と、配線パターン(線路、パターン、非導電部、導電部、信号線等)7と、を有している。配線パターン7は、銅箔等の導体によって構成されている。配線パターン7は、基板5・配線パターン7と電気的に接続されている複数の電極パッド(突出部、めっき部、非導電部、導電部、接続部、突起等)7bが設けられている。
【0014】
半導体パッケージ4は、表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)であり、本実施形態では、一例として、インタポーザを有さないノンリードタイプとして構成されている。半導体パッケージ4は、図2に示すように、電子部品である半導体チップ(チップ、シリコン、シリコン部材、シリコン部品、発熱体、部品、半導体等)10と、半導体チップ10に対して積層状態で接続された突出部である第一電極部(部分、突出部、めっき部、導電部、接続部、突起等)11と、第一電極部11の周囲に配置された複数の第二電極部(部分、突出部、めっき部、導電部、接続部、突起等)12と、を備えている。
【0015】
第一電極部11は、半導体チップ10の一面10aに中間層13によって接続されている。一方、第二電極部12は、一面10aとは反対側に設けられた他の一面10bに接続された金属製の接続線14によって半導体パッケージ4に接続されている。半導体パッケージ4では、半導体パッケージ4を封止した樹脂製の封止部(樹脂材料、接続材料、接合部、接着部材等)15によって、半導体パッケージ4、第一電極部11、第二電極部12、中間層13及び接続線14が一体化されている。
【0016】
この半導体パッケージ4は、第二電極部12が基板5の電極パッド7bに第二半田部(半田ペースト、突出部、めっき部、導電部、接続部、突起等)17によって接合されることで、基板5に実装されている。
【0017】
第一電極部11及び第二電極部12は、導電性を有している。第一電極部11及び第二電極部12は、中間層13によって半導体チップ10に接続されたリードフレーム11a,12aと、リードフレーム11a,12aに積層されためっき層(めっき部、アンダーバンプメタル、導伝部、伝熱部等)11b,12bと、をそれぞれ有している。リードフレーム11a,12aは、銅合金やニッケル等によって構成されている。めっき層11b,12bは、本実施形態では、金めっき層である。また、中間層13は、導電性を有する接着剤などによって構成されている。
【0018】
図2に示すように、本実施形態では、第一半田部16は、基板5の表面と離間されて設けられている。第一半田部16は、印刷される半田の分量が第二半田部17と比較して少ない。即ち、第一半田部16は、半導体パッケージ4の基板5側の面5aから突出された高さが、第二半田部17と比較して低い。このように、本実施形態では、第一半田部16は、基板5・配線パターン7と物理的にも電気的にも離間されている。尚、本実施例の構成は、印刷される半田の分量を調整すること以外、第一半田部16が設けられる半田付け領域11dの面積を小さくすることでも対応可能である。
【0019】
このように、本実施形態では、第一半田部16が基板5・配線パターン7と電気的に接続されていない状態で、放熱効率の向上に貢献している。また、基板5に第一半田部16と接続するためのめっき等の領域を設ける必要がないため、第一半田部16と基板5との間の領域に他の電子部品・配線パターンを設計することができ、設計の自由度が向上する。
【0020】
第一電極部11は、第一半田部16を介して発熱体である半導体チップ10の熱を基板5に向けて伝達する。この伝熱により、半導体チップ10の熱が基板5から放出される。第一電極部11の電極面11cの面積は、他の電極部である第二電極部12の電極面12cの面積よりも大きくなっており、これにより、高い放熱性が確保されている。
【0021】
このような構成により、本実施例では、半導体パッケージ4で発生した熱を効率よく基板5に伝えることが可能となる。また、半導体チップからの熱を放熱する面の表面積を広く確保することができる。これにより、放熱効率の向上を実現できる。
【0022】
次に、以上の構成の半導体パッケージ4の基板5への実装工程について説明する。
図3に示すように、実装工程では、一例として半田ボールを形成する第一半田部16と第二半田部17とが第一電極部11と第二電極部12とに接合されている。ここでは、半導体パッケージ4の基板5側に位置された面5aに設けられたフィルム5cの開口部5dに半田ペーストが充填される方式を示している。
【0023】
次に、基板5と半導体パッケージ4とで第一半田部16及び第二半田部17を挟み、リフロー工程で、第一半田部16及び第二半田部17を加熱する。これにより第一半田部16及び第二半田部17が溶融し、ボール上の形状となる。この際、面5aに設けられたフィルム5cを除去し、基板5に半導体パッケージ4を載置する。ここで、めっき層11bは例えば金めっき層であるので、溶融状態の第一半田部16が第一電極部11の各半田付け領域11dの全体に良好に濡れ広がる。その後、第一及び第二半田部17が冷却によって凝固する。また、基板5と半導体パッケージ4との間にはアンダーフィルやNCF(Non Conductive Film)などの絶縁性の接合部材(接着部材、樹脂材料、接合部、固定部等)5eが設けられるこれにより、半導体パッケージ4が基板5に固定される。尚、っこでは、接合部材5eは、半田よりも伝熱効率が低い材料で構成されている。
【0024】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図4及び図5を参照して説明する。図4は、第2実施形態の第1変形例である。図5は、第2実施形態の第2変形例である。本実施形態は、基本的には、第1実施形態と同じであるが、半導体パッケージ4の第一半田部16の形状が第1実施形態に対して其々異なる。
【0025】
図4及び図5に示すように、本実施例の第一電極部11は、その先端が基板5のレジストで覆われた表面、またはレジストが部分的に突出されたレジスト突出部6aにとうせつされる。このように、本実施例では、第一半田部16からレジスト突出部6aを介して基板5・配線パターン7と接続されているため、基板5・配線パターン7と電気的に接続されていない。一方、第二電極部12は、第二半田部17から電極パッド7bを介して基板5・配線パターン7と接続されているため、基板5・配線パターン7と電気的に接続されている。即ち、半導体パッケージ4と基板5との間の信号のやりとりは、第二電極部12と第二半田部17と電極パッド7bとを介した経路のみで行なわれ、第一電極部11と第一半田部16とレジスト突出部6aとを介した経路は物理的に接触しているものの信号のやりとりは行なわれていない。
【0026】
以上説明したように、本実施形態においても、第一半田部16が基板5・配線パターン7と電気的に接続されていない状態で、放熱効率の向上に貢献している。また、基板5に第一半田部16と接続するためのめっき等の領域を設ける必要がないため、第一半田部16と基板5との間の領域に他の電子部品・配線パターンを設計することができ、設計の自由度が向上する。
【0027】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について図6乃至図9を参照して説明する。本実施形態は、基本的には、第1実施形態と同じであるが、半導体パッケージ4の第一電極部11および第一半田部16の構成が第1実施形態に対して異なる。図6乃至図9に示すように、本実施形態では、第一半田部16が存在しない。
【0028】
図6は、第1変形例を示している。図7は、第2変形例を示している。図8は、第2変形例の構造を他の角度から見た図である。図9は、第3変形例を示している。
先ず、図6を参照しながら、本実施形態の第1変形例を説明する。
図6に示すように第1変形例では、第一電極部11が基板5側に突出した形状を有している。第一電極部11は、基板5の表面と離間されて設けられている。上述したとおり第一電極部11は、例えば導電性の材料で構成されている、即ち、接合部材5eよりも半導体パッケージ4の熱を放出する性能が高く、効率よく半導体パッケージ4から基板5への伝熱経路を構成可能である。また、第一電極部11は、導電性の材料で構成されているが、基板5とは離間されている。即ち、上述した第2実施形態の第一半田部16と同様、第一電極部11は、基板5・配線パターン7と物理的にも電気的にも離間されている。このような構成により、本変形例では、第1および第2実施形態と同様の効果を得ることができ、放熱効率を向上させることを実現できる。
【0029】
次に、図7および図8を参照しながら、本実施形態の第2変形例を説明する。
図7及び図8に示すように第2変形例では、第1変形例と同様、第一電極部11が基板5側に突出した形状を有している。ここで、第2変形例では、第一電極部11における基板5を向いた表面部11Aに凹部11B、凸部11Cが設けられている。これらの凹部11B、凸部11Cは、格子状に配列されており、第一電極部11における基板5を向いた表面部13aの面積を大きくしている。例えば、この表面部11Aは、めっき層によって構成されており、凹部11B、凸部11Cは、例えば、エッチングやプレス加工、切削加工等によって形成することができる。このような構成により、本変形例では、第1変形例と同様の効果を得ることができるとともに放熱面を広げることができ、より放熱効率を向上させることが実現できる。
【0030】
尚、ここでは、表面の凹部11B、凸部11Cを格子状に配列した例を挙げているが、放熱効率を高め得る構成であればよく、例えば、単に表面をシボ状に荒らしたような構成や、不規則に突出部や凹みを設けた構成であってもよい。またこれらの凹部の深さは、発熱量や、部品寸法などに応じて適宜調整可能である。
【0031】
次に、図9を参照しながら、本実施形態の第3変形例を説明する。
図9に示すように第3変形例では、基板5の第一電極部11と対向した領域(突出部、伝熱部)50に、半導体パッケージ4に向かって突出した突出部分(突出部、伝熱部)50Aを有している。該突出部分50Aは、半導体パッケージ4の表面と離間されて設けられている。突出部分50Aは、第一電極部11と同様、例えば金属製のシールやめっきなどの導電性材料で構成されている、即ち、接合部材5eよりも半導体パッケージ4の熱を放出する性能が高く、効率よく半導体パッケージ4から基板5への伝熱経路を構成可能である。また、突出部分50Aは、導電性の材料で構成されているが、半導体パッケージ4とは離間されている。即ち、上述した第2実施形態と同様、半導体パッケージ4と基板5・配線パターン7とは、物理的にも電気的にも離間されている。このような構成により、本変形例では、第1および第2実施形態と同様の効果を得ることができ、放熱効率を向上させることを実現できる。
【0032】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について図10を参照して説明する。本実施形態は、半導体パッケージ4の構造が第1実施形態に対して異なる。
図10に示すように、本実施形態では、半導体パッケージ4内に複数の半導体チップ10A,
10B, 10Cが重ねられた状態で設けられている。これらの半導体チップ10A, 10B, 10Cには、其々半田部10A1, 10B1, 10C1が複数設けられている。複数の半田部10A1のうち、少なくとも1つは、下に重ねられた半導体チップ10Bと電気的に接続され、この電気的に接続された半田部10A1とは異なる、他の半田部10A1のうち、少なくとも1つは下に重ねられた半導体チップ10Bと電気的および物理的な接続がなされていない。また、複数の半田部10B1のうち、少なくとも1つは、下に重ねられた半導体チップ10Cと電気的に接続され、この電気的に接続された半田部10B1とは異なる、他の半田部10B1のうち、少なくとも1つは下に重ねられた半導体チップ10Cと電気的および物理的な接続がなされていない。また、複数の半田部10C1のうち、少なくとも1つは、基板5と電気的に接続され、この電気的に接続された半田部10C1とは異なる、他の半田部10C1のうち、少なくとも1つは基板5と電気的および物理的な接続がなされていない。
【0033】
即ち、半導体チップ10A, 10B,
10Cの何れの構成においても、半田部などの突出部が複数設けられ、これらのうち、何れか少なくとも1つは信号経路として機能し、何れか少なくとも他の1つは放熱経路としての機能は果たすが、信号経路としては機能していない。このような構成により、本実施形態では、半導体チップ10A, 10B, 10Cで其々生じた熱を基板5まで伝える経路を形成することができ、放熱効率を向上させることを実現できる。尚、半導体チップ10A, 10B, 10Cの接続は、上述した実施例
【0034】
・変形例の構成を組み合わせて用いても好適である。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について図11を参照して説明する。本実施形態は、半導体パッケージ4の構造が第1実施形態に対して異なる。
図11に示すように、本実施形態では、半導体パッケージ4が基板5の表面に実装された表面実装部品ではなく、基板5などの他の電子部品内に内蔵される構成を有する。
【0035】
ここでは、半導体パッケージ4からの信号を基板5に伝えるための突出部である電極11aと、信号経路としては機能しないが、半導体パッケージ4からの熱を基板5または、基板5外に伝えるための突出部11bとが設けられている。このような構成により、本実施形態では、基板5などに埋め込まれ、熱が篭り易い発熱体の熱を好適に逃がすことが可能となり、高い放熱効率を実現させることが出来る。
【0036】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について図12を参照して説明する。
図12に示すように、本実施形態にかかる電子機器は、所謂ノート型のパーソナルコンピュータ20として構成されており、矩形状の扁平な第一の本体部22と、矩形状の扁平な第二の本体部23と、を備えている。これら第一の本体部22及び第二の本体部23は、ヒンジ機構24を介して、回動軸Ax回りに図5に示す展開状態と図示しない折り畳み状態との間で相対回動可能に、接続されている。
【0037】
第一の本体部22には、筐体22aの外面としての前面22b側に露出する状態で、入力操作部としてのキーボード25や、ポインティングデバイス26、クリックボタン27等が設けられている。一方、第二の本体部23には、筐体23aの外面としての前面23b側に露出する状態で、表示装置(部品)としてのディスプレイパネル28が設けられている。ディスプレイパネル28は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)として構成される。そして、パーソナルコンピュータ20の展開状態では、キーボード25や、ポインティングデバイス26、クリックボタン27、ディスプレイパネル28の表示画面28a等が露出して、ユーザが使用可能な状態となる。一方、折り畳み状態では、前面22b,23b同士が相互に近接した状態で対向して、キーボード25や、ポインティングデバイス26、クリックボタン27、ディスプレイパネル28等が、筐体22a,23aによって隠された状態となる。なお、ここでは、キーボード25のキー25aは一部のみ図示されている。
【0038】
そして、第1実施形態で示した基板5と同様の基板21が、第一の本体部22の筐体22aまたは第一の本体部22の筐体22a内に(本実施形態では、筐体22a内のみに)収容されている。
【0039】
ディスプレイパネル28は、基板21に実装された半導体パッケージ4等で構成された制御回路から表示信号を受け取り、静止画や動画等の映像を表示する。また、パーソナルコンピュータ20の制御回路は、制御部、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、インタフェース回路、各種コントローラ等を有している。また、パーソナルコンピュータ20は、音声出力用のスピーカ等(図示せず)も内蔵している。
【0040】
基板21は、第1実施形態の基板5と同様の構成を有し、半導体パッケージ4は、第1ないし第6実施形態の半導体パッケージ4のいずれかである。即ち、本実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータ20は、基板21と、基板21に実装された電子部品構造体としての半導体パッケージ4と、を備える。したがって、本実施形態にかかるパーソナルコンピュータ20にあっても、上記第1ないし第6実施形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0041】
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について図13を参照して説明する。
図13に示すように、本実施形態にかかる電子機器は、磁気ディスク装置30として構成されている。磁気ディスク装置30は、磁気ディスク(図示せず)等の部品を収容する扁平な直方体状の筐体31と、筐体31にねじ32等の締結具によって取り付けられた基板(プリント基板)33と、を有している。
【0042】
また、基板33は、筐体31の上壁部31a上に配置されている。基板33と上壁部31aとの間には、フィルム状の絶縁シート(図示せず)が挟まれている。そして、本実施形態では、基板33の図6の視線での裏面、すなわち上壁部31aに対向する基板33の裏面(図示せず)が、半導体パッケージ4を含む複数の電子部品等が実装される主たる実装面となっている。基板33の表面及び裏面には、配線パターン(図示せず)が設けられている。なお、もちろん、基板33の表面にも電子部品を実装することができる。
【0043】
そして、本実施形態でも、基板33は、上記第1実施形態と同様の構成を有するとともに、この基板33に実装される半導体パッケージ4は、第1ないし第6実施形態の半導体パッケージ4のいずれかである。即ち、本実施形態にかかる電子機器としての磁気ディスク装置30は、基板33と、基板33に実装された電子部品構造体としての半導体パッケージ4と、を備える。したがって、本実施形態にかかる磁気ディスク装置30にあっても、上記第1ないし第6実施形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0044】
以上、説明したように、上記各実施形態によれば、基板に対して電極部を良好に半田付けすることができる電子部品構造体及び電子機器を提供することができる。尚、ここでは、テレビ、パーソナルコンピュータ、ハードディスクドライブを電子機器の例として
【0045】
なお、本発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0046】
1…テレビジョン装置(電子機器)
4…半導体パッケージ(電子部品構造体)
5,21,33…基板
10…半導体チップ(電子部品)
11…第一電極部(電極部)
11a…リードフレーム
11b…めっき層
11d,11dE…半田付け領域
11e…半田付け領域の周縁部
11f,11fA,11fB,11fC,11fD,11fE…規制部
11g…規制部の底面
11h…規制部の側面
11i…接続面
13…接続層
20…パーソナルコンピュータ(電子機器)
30…磁気ディスク装置(電子機器)
【技術分野】
【0001】
本発明実施形態は、テレビジョン装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体パッケージ等の電子部品構造体とこの電子部品構造体が実装された基板とを備え、電子部品構造体のグランド用の電極部が半田部によって基板に半田付けされた電子機器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−311417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレビジョン装置および電子機器では、放熱効率の向上が望まれる。
本発明実施形態は、放熱効率を向上させるテレビジョン装置および電子機器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のテレビジョン装置および電子機器は、筐体と、前記筐体に収容された回路基板と、前記回路基板側に位置された第1面と、この第1面とは反対側に位置された第2面とを含み、シリコン部材が内蔵された電子部品と、を備え、前記電子部品は、前記第1面側に設けられるとともに、前記回路基板と電気的に接続された電極部と、前記第1面側に設けられるとともに、前記シリコン部材と前記回路基板との間に位置され、前記回路基板の表面とは離間された突出部と、を有した。
【0006】
実施形態のテレビジョン装置および電子機器は、筐体と、前記筐体に収容された回路基板と、前記回路基板側に位置された第1面と、この第1面とは反対側に位置された第2面とを含む発熱体と、前記第1面と前記回路基板と電気的に接続された電極部と、前記第1面から突出され、前記回路基板と離間された突出部と、を有した。
【0007】
実施形態のテレビジョン装置および電子機器は、筐体と、前記筐体に収容された回路基板と、前記回路基板側に突出されて該回路基板と電気的に接続された第1突出部と、前記回路基板側に突出されて該回路基板と電気的に接続されていない第2突出部と、を有した電子部品と、を有した。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置の正面図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかる電子部品構造体としての半導体パッケージの実装状態を示す縦断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかる半導体パッケージの基板への実装過程を模式的に示す図である。
【図4】図4は、第2実施形態にかかる第1変形例の半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図5】図5は、第2実施形態にかかる第2変形例の半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図6】図6は、第3実施形態にかかる第1変形例の半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図7】図7は、第3実施形態にかかる第2変形例の半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図8】図8は、第3実施形態にかかる第2変形例の半導体パッケージの構成を他の角度から見た場合の図である。
【図9】図9は、第3実施形態にかかる第3変形例の半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図10】図10は、第4実施形態にかかる半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図11】図11は、第5実施形態にかかる半導体パッケージの構成を模式的に示す図である。
【図12】図12は、第6実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータの斜視図である。
【図13】図13は、第7実施形態にかかる電子機器としての磁気ディスク装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下の複数の実施の形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0010】
<第1実施形態>
まずは、第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置1は、前方(表示画面側)から見た正面視(前面に対する平面視)で、長方形状の外観を呈している。このテレビジョン装置1は、筐体2と、筐体2の前面2aに設けられた開口部2bから前方に露出する表示画面3aを有した表示装置(ディスプレイ)としてのディスプレイパネル3(例えばLCD(Liquid Crystal Display)等)と、電子部品構造体の一例としての半導体パッケージ4(パッケージ、発熱体、電子部品、収容部品、部品、BGA、ボールグリッドアレイ、半導体等)等が実装された基板5(プリント基板、回路基板、プリント配線板、回路板等)と、を備えている。半導体パッケージ4は、基板5側を向いた面であり該基板5と電気的に接続される面(第1面)5aと、この面とは反対側の面(第2面)5bとを含む。ディスプレイパネル3及び基板5は、筐体2に、図示しないねじ等によって固定されている。
【0011】
ディスプレイパネル3は、前後方向(図1の紙面に垂直な方向)に薄い扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル3は、基板5に実装された半導体パッケージ4等で構成された制御回路に含まれる映像信号処理回路(いずれも図示せず)から映像信号を受け取り、その前面側の表示画面3aに、静止画や動画等の映像を表示させる。テレビジョン装置1の制御回路は、映像信号処理回路の他、いずれも図示しないチューナ部や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)信号処理部、AV(Audio Video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、音声信号処理回路等を有している。
【0012】
基板5は、筐体2内のディスプレイパネル3の後方(表示画面とは反対側)に収容されている。また、テレビジョン装置1は、音声出力用のアンプやスピーカ等(図示せず)も内蔵している。
【0013】
図2に示すように、基板5はガラス・エポキシ等の材料によって構成され、絶縁部(絶縁層、レジスト層、レジスト部等)6と、配線パターン(線路、パターン、非導電部、導電部、信号線等)7と、を有している。配線パターン7は、銅箔等の導体によって構成されている。配線パターン7は、基板5・配線パターン7と電気的に接続されている複数の電極パッド(突出部、めっき部、非導電部、導電部、接続部、突起等)7bが設けられている。
【0014】
半導体パッケージ4は、表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)であり、本実施形態では、一例として、インタポーザを有さないノンリードタイプとして構成されている。半導体パッケージ4は、図2に示すように、電子部品である半導体チップ(チップ、シリコン、シリコン部材、シリコン部品、発熱体、部品、半導体等)10と、半導体チップ10に対して積層状態で接続された突出部である第一電極部(部分、突出部、めっき部、導電部、接続部、突起等)11と、第一電極部11の周囲に配置された複数の第二電極部(部分、突出部、めっき部、導電部、接続部、突起等)12と、を備えている。
【0015】
第一電極部11は、半導体チップ10の一面10aに中間層13によって接続されている。一方、第二電極部12は、一面10aとは反対側に設けられた他の一面10bに接続された金属製の接続線14によって半導体パッケージ4に接続されている。半導体パッケージ4では、半導体パッケージ4を封止した樹脂製の封止部(樹脂材料、接続材料、接合部、接着部材等)15によって、半導体パッケージ4、第一電極部11、第二電極部12、中間層13及び接続線14が一体化されている。
【0016】
この半導体パッケージ4は、第二電極部12が基板5の電極パッド7bに第二半田部(半田ペースト、突出部、めっき部、導電部、接続部、突起等)17によって接合されることで、基板5に実装されている。
【0017】
第一電極部11及び第二電極部12は、導電性を有している。第一電極部11及び第二電極部12は、中間層13によって半導体チップ10に接続されたリードフレーム11a,12aと、リードフレーム11a,12aに積層されためっき層(めっき部、アンダーバンプメタル、導伝部、伝熱部等)11b,12bと、をそれぞれ有している。リードフレーム11a,12aは、銅合金やニッケル等によって構成されている。めっき層11b,12bは、本実施形態では、金めっき層である。また、中間層13は、導電性を有する接着剤などによって構成されている。
【0018】
図2に示すように、本実施形態では、第一半田部16は、基板5の表面と離間されて設けられている。第一半田部16は、印刷される半田の分量が第二半田部17と比較して少ない。即ち、第一半田部16は、半導体パッケージ4の基板5側の面5aから突出された高さが、第二半田部17と比較して低い。このように、本実施形態では、第一半田部16は、基板5・配線パターン7と物理的にも電気的にも離間されている。尚、本実施例の構成は、印刷される半田の分量を調整すること以外、第一半田部16が設けられる半田付け領域11dの面積を小さくすることでも対応可能である。
【0019】
このように、本実施形態では、第一半田部16が基板5・配線パターン7と電気的に接続されていない状態で、放熱効率の向上に貢献している。また、基板5に第一半田部16と接続するためのめっき等の領域を設ける必要がないため、第一半田部16と基板5との間の領域に他の電子部品・配線パターンを設計することができ、設計の自由度が向上する。
【0020】
第一電極部11は、第一半田部16を介して発熱体である半導体チップ10の熱を基板5に向けて伝達する。この伝熱により、半導体チップ10の熱が基板5から放出される。第一電極部11の電極面11cの面積は、他の電極部である第二電極部12の電極面12cの面積よりも大きくなっており、これにより、高い放熱性が確保されている。
【0021】
このような構成により、本実施例では、半導体パッケージ4で発生した熱を効率よく基板5に伝えることが可能となる。また、半導体チップからの熱を放熱する面の表面積を広く確保することができる。これにより、放熱効率の向上を実現できる。
【0022】
次に、以上の構成の半導体パッケージ4の基板5への実装工程について説明する。
図3に示すように、実装工程では、一例として半田ボールを形成する第一半田部16と第二半田部17とが第一電極部11と第二電極部12とに接合されている。ここでは、半導体パッケージ4の基板5側に位置された面5aに設けられたフィルム5cの開口部5dに半田ペーストが充填される方式を示している。
【0023】
次に、基板5と半導体パッケージ4とで第一半田部16及び第二半田部17を挟み、リフロー工程で、第一半田部16及び第二半田部17を加熱する。これにより第一半田部16及び第二半田部17が溶融し、ボール上の形状となる。この際、面5aに設けられたフィルム5cを除去し、基板5に半導体パッケージ4を載置する。ここで、めっき層11bは例えば金めっき層であるので、溶融状態の第一半田部16が第一電極部11の各半田付け領域11dの全体に良好に濡れ広がる。その後、第一及び第二半田部17が冷却によって凝固する。また、基板5と半導体パッケージ4との間にはアンダーフィルやNCF(Non Conductive Film)などの絶縁性の接合部材(接着部材、樹脂材料、接合部、固定部等)5eが設けられるこれにより、半導体パッケージ4が基板5に固定される。尚、っこでは、接合部材5eは、半田よりも伝熱効率が低い材料で構成されている。
【0024】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図4及び図5を参照して説明する。図4は、第2実施形態の第1変形例である。図5は、第2実施形態の第2変形例である。本実施形態は、基本的には、第1実施形態と同じであるが、半導体パッケージ4の第一半田部16の形状が第1実施形態に対して其々異なる。
【0025】
図4及び図5に示すように、本実施例の第一電極部11は、その先端が基板5のレジストで覆われた表面、またはレジストが部分的に突出されたレジスト突出部6aにとうせつされる。このように、本実施例では、第一半田部16からレジスト突出部6aを介して基板5・配線パターン7と接続されているため、基板5・配線パターン7と電気的に接続されていない。一方、第二電極部12は、第二半田部17から電極パッド7bを介して基板5・配線パターン7と接続されているため、基板5・配線パターン7と電気的に接続されている。即ち、半導体パッケージ4と基板5との間の信号のやりとりは、第二電極部12と第二半田部17と電極パッド7bとを介した経路のみで行なわれ、第一電極部11と第一半田部16とレジスト突出部6aとを介した経路は物理的に接触しているものの信号のやりとりは行なわれていない。
【0026】
以上説明したように、本実施形態においても、第一半田部16が基板5・配線パターン7と電気的に接続されていない状態で、放熱効率の向上に貢献している。また、基板5に第一半田部16と接続するためのめっき等の領域を設ける必要がないため、第一半田部16と基板5との間の領域に他の電子部品・配線パターンを設計することができ、設計の自由度が向上する。
【0027】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について図6乃至図9を参照して説明する。本実施形態は、基本的には、第1実施形態と同じであるが、半導体パッケージ4の第一電極部11および第一半田部16の構成が第1実施形態に対して異なる。図6乃至図9に示すように、本実施形態では、第一半田部16が存在しない。
【0028】
図6は、第1変形例を示している。図7は、第2変形例を示している。図8は、第2変形例の構造を他の角度から見た図である。図9は、第3変形例を示している。
先ず、図6を参照しながら、本実施形態の第1変形例を説明する。
図6に示すように第1変形例では、第一電極部11が基板5側に突出した形状を有している。第一電極部11は、基板5の表面と離間されて設けられている。上述したとおり第一電極部11は、例えば導電性の材料で構成されている、即ち、接合部材5eよりも半導体パッケージ4の熱を放出する性能が高く、効率よく半導体パッケージ4から基板5への伝熱経路を構成可能である。また、第一電極部11は、導電性の材料で構成されているが、基板5とは離間されている。即ち、上述した第2実施形態の第一半田部16と同様、第一電極部11は、基板5・配線パターン7と物理的にも電気的にも離間されている。このような構成により、本変形例では、第1および第2実施形態と同様の効果を得ることができ、放熱効率を向上させることを実現できる。
【0029】
次に、図7および図8を参照しながら、本実施形態の第2変形例を説明する。
図7及び図8に示すように第2変形例では、第1変形例と同様、第一電極部11が基板5側に突出した形状を有している。ここで、第2変形例では、第一電極部11における基板5を向いた表面部11Aに凹部11B、凸部11Cが設けられている。これらの凹部11B、凸部11Cは、格子状に配列されており、第一電極部11における基板5を向いた表面部13aの面積を大きくしている。例えば、この表面部11Aは、めっき層によって構成されており、凹部11B、凸部11Cは、例えば、エッチングやプレス加工、切削加工等によって形成することができる。このような構成により、本変形例では、第1変形例と同様の効果を得ることができるとともに放熱面を広げることができ、より放熱効率を向上させることが実現できる。
【0030】
尚、ここでは、表面の凹部11B、凸部11Cを格子状に配列した例を挙げているが、放熱効率を高め得る構成であればよく、例えば、単に表面をシボ状に荒らしたような構成や、不規則に突出部や凹みを設けた構成であってもよい。またこれらの凹部の深さは、発熱量や、部品寸法などに応じて適宜調整可能である。
【0031】
次に、図9を参照しながら、本実施形態の第3変形例を説明する。
図9に示すように第3変形例では、基板5の第一電極部11と対向した領域(突出部、伝熱部)50に、半導体パッケージ4に向かって突出した突出部分(突出部、伝熱部)50Aを有している。該突出部分50Aは、半導体パッケージ4の表面と離間されて設けられている。突出部分50Aは、第一電極部11と同様、例えば金属製のシールやめっきなどの導電性材料で構成されている、即ち、接合部材5eよりも半導体パッケージ4の熱を放出する性能が高く、効率よく半導体パッケージ4から基板5への伝熱経路を構成可能である。また、突出部分50Aは、導電性の材料で構成されているが、半導体パッケージ4とは離間されている。即ち、上述した第2実施形態と同様、半導体パッケージ4と基板5・配線パターン7とは、物理的にも電気的にも離間されている。このような構成により、本変形例では、第1および第2実施形態と同様の効果を得ることができ、放熱効率を向上させることを実現できる。
【0032】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について図10を参照して説明する。本実施形態は、半導体パッケージ4の構造が第1実施形態に対して異なる。
図10に示すように、本実施形態では、半導体パッケージ4内に複数の半導体チップ10A,
10B, 10Cが重ねられた状態で設けられている。これらの半導体チップ10A, 10B, 10Cには、其々半田部10A1, 10B1, 10C1が複数設けられている。複数の半田部10A1のうち、少なくとも1つは、下に重ねられた半導体チップ10Bと電気的に接続され、この電気的に接続された半田部10A1とは異なる、他の半田部10A1のうち、少なくとも1つは下に重ねられた半導体チップ10Bと電気的および物理的な接続がなされていない。また、複数の半田部10B1のうち、少なくとも1つは、下に重ねられた半導体チップ10Cと電気的に接続され、この電気的に接続された半田部10B1とは異なる、他の半田部10B1のうち、少なくとも1つは下に重ねられた半導体チップ10Cと電気的および物理的な接続がなされていない。また、複数の半田部10C1のうち、少なくとも1つは、基板5と電気的に接続され、この電気的に接続された半田部10C1とは異なる、他の半田部10C1のうち、少なくとも1つは基板5と電気的および物理的な接続がなされていない。
【0033】
即ち、半導体チップ10A, 10B,
10Cの何れの構成においても、半田部などの突出部が複数設けられ、これらのうち、何れか少なくとも1つは信号経路として機能し、何れか少なくとも他の1つは放熱経路としての機能は果たすが、信号経路としては機能していない。このような構成により、本実施形態では、半導体チップ10A, 10B, 10Cで其々生じた熱を基板5まで伝える経路を形成することができ、放熱効率を向上させることを実現できる。尚、半導体チップ10A, 10B, 10Cの接続は、上述した実施例
【0034】
・変形例の構成を組み合わせて用いても好適である。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について図11を参照して説明する。本実施形態は、半導体パッケージ4の構造が第1実施形態に対して異なる。
図11に示すように、本実施形態では、半導体パッケージ4が基板5の表面に実装された表面実装部品ではなく、基板5などの他の電子部品内に内蔵される構成を有する。
【0035】
ここでは、半導体パッケージ4からの信号を基板5に伝えるための突出部である電極11aと、信号経路としては機能しないが、半導体パッケージ4からの熱を基板5または、基板5外に伝えるための突出部11bとが設けられている。このような構成により、本実施形態では、基板5などに埋め込まれ、熱が篭り易い発熱体の熱を好適に逃がすことが可能となり、高い放熱効率を実現させることが出来る。
【0036】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について図12を参照して説明する。
図12に示すように、本実施形態にかかる電子機器は、所謂ノート型のパーソナルコンピュータ20として構成されており、矩形状の扁平な第一の本体部22と、矩形状の扁平な第二の本体部23と、を備えている。これら第一の本体部22及び第二の本体部23は、ヒンジ機構24を介して、回動軸Ax回りに図5に示す展開状態と図示しない折り畳み状態との間で相対回動可能に、接続されている。
【0037】
第一の本体部22には、筐体22aの外面としての前面22b側に露出する状態で、入力操作部としてのキーボード25や、ポインティングデバイス26、クリックボタン27等が設けられている。一方、第二の本体部23には、筐体23aの外面としての前面23b側に露出する状態で、表示装置(部品)としてのディスプレイパネル28が設けられている。ディスプレイパネル28は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)として構成される。そして、パーソナルコンピュータ20の展開状態では、キーボード25や、ポインティングデバイス26、クリックボタン27、ディスプレイパネル28の表示画面28a等が露出して、ユーザが使用可能な状態となる。一方、折り畳み状態では、前面22b,23b同士が相互に近接した状態で対向して、キーボード25や、ポインティングデバイス26、クリックボタン27、ディスプレイパネル28等が、筐体22a,23aによって隠された状態となる。なお、ここでは、キーボード25のキー25aは一部のみ図示されている。
【0038】
そして、第1実施形態で示した基板5と同様の基板21が、第一の本体部22の筐体22aまたは第一の本体部22の筐体22a内に(本実施形態では、筐体22a内のみに)収容されている。
【0039】
ディスプレイパネル28は、基板21に実装された半導体パッケージ4等で構成された制御回路から表示信号を受け取り、静止画や動画等の映像を表示する。また、パーソナルコンピュータ20の制御回路は、制御部、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、インタフェース回路、各種コントローラ等を有している。また、パーソナルコンピュータ20は、音声出力用のスピーカ等(図示せず)も内蔵している。
【0040】
基板21は、第1実施形態の基板5と同様の構成を有し、半導体パッケージ4は、第1ないし第6実施形態の半導体パッケージ4のいずれかである。即ち、本実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータ20は、基板21と、基板21に実装された電子部品構造体としての半導体パッケージ4と、を備える。したがって、本実施形態にかかるパーソナルコンピュータ20にあっても、上記第1ないし第6実施形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0041】
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について図13を参照して説明する。
図13に示すように、本実施形態にかかる電子機器は、磁気ディスク装置30として構成されている。磁気ディスク装置30は、磁気ディスク(図示せず)等の部品を収容する扁平な直方体状の筐体31と、筐体31にねじ32等の締結具によって取り付けられた基板(プリント基板)33と、を有している。
【0042】
また、基板33は、筐体31の上壁部31a上に配置されている。基板33と上壁部31aとの間には、フィルム状の絶縁シート(図示せず)が挟まれている。そして、本実施形態では、基板33の図6の視線での裏面、すなわち上壁部31aに対向する基板33の裏面(図示せず)が、半導体パッケージ4を含む複数の電子部品等が実装される主たる実装面となっている。基板33の表面及び裏面には、配線パターン(図示せず)が設けられている。なお、もちろん、基板33の表面にも電子部品を実装することができる。
【0043】
そして、本実施形態でも、基板33は、上記第1実施形態と同様の構成を有するとともに、この基板33に実装される半導体パッケージ4は、第1ないし第6実施形態の半導体パッケージ4のいずれかである。即ち、本実施形態にかかる電子機器としての磁気ディスク装置30は、基板33と、基板33に実装された電子部品構造体としての半導体パッケージ4と、を備える。したがって、本実施形態にかかる磁気ディスク装置30にあっても、上記第1ないし第6実施形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0044】
以上、説明したように、上記各実施形態によれば、基板に対して電極部を良好に半田付けすることができる電子部品構造体及び電子機器を提供することができる。尚、ここでは、テレビ、パーソナルコンピュータ、ハードディスクドライブを電子機器の例として
【0045】
なお、本発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0046】
1…テレビジョン装置(電子機器)
4…半導体パッケージ(電子部品構造体)
5,21,33…基板
10…半導体チップ(電子部品)
11…第一電極部(電極部)
11a…リードフレーム
11b…めっき層
11d,11dE…半田付け領域
11e…半田付け領域の周縁部
11f,11fA,11fB,11fC,11fD,11fE…規制部
11g…規制部の底面
11h…規制部の側面
11i…接続面
13…接続層
20…パーソナルコンピュータ(電子機器)
30…磁気ディスク装置(電子機器)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容された回路基板と、
前記回路基板側に位置された第1面と、この第1面とは反対側に位置された第2面とを含み、シリコン部材が内蔵された電子部品と、
を備え、
前記電子部品は、
前記第1面側に設けられるとともに、前記回路基板と電気的に接続された電極部と、
前記第1面側に設けられるとともに、前記シリコン部材と前記回路基板との間に位置され、前記回路基板の表面とは離間された突出部と、
を有したことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記電子部品と前記回路基板とは、樹脂材料で接続され、
前記突出部は、前記樹脂材料内に位置されたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、
前記突出部は、前記樹脂材料よりも伝熱率の高い材料で構成され、対向する前記回路基板の表面部分とは電気的に接続されていないことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項4】
請求項3の記載において、
前記突出部と前記電極部とは、少なくとも一部がはんだペーストで構成されたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項5】
請求項3の記載において、
前記突出部は、前記シリコン部材の表面に対向しためっき層であることを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項6】
請求項3の記載において、
前記回路基板の前記電極部に対向する領域には、前記電極部に向けて突出され該電極部と電気的に接続された他の突出部が設けられたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項7】
請求項2の記載において、
前記シリコン部材に接続されたリードフレームと、前記リードフレームに積層されためっき層と、前記めっき層に設けられたはんだ部と、
を有しことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項8】
請求項2の記載において、
前記シリコン部材は、前記電子部品内で、前記回路基板側に寄った位置に内蔵されたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項9】
筐体と、
前記筐体に収容された回路基板と、
前記回路基板側に位置された第1面と、この第1面とは反対側に位置された第2面とを含む発熱体と、
前記第1面と前記回路基板と電気的に接続された電極部と、
前記第1面から突出され、前記回路基板と離間された突出部と、
を有したことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
筐体と、
前記筐体に収容された回路基板と、
前記回路基板側に突出されて該回路基板と電気的に接続された第1突出部と、前記回路基板側に突出されて該回路基板と電気的に接続されていない第2突出部と、を有した電子部品と、
を有したことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容された回路基板と、
前記回路基板側に位置された第1面と、この第1面とは反対側に位置された第2面とを含み、シリコン部材が内蔵された電子部品と、
を備え、
前記電子部品は、
前記第1面側に設けられるとともに、前記回路基板と電気的に接続された電極部と、
前記第1面側に設けられるとともに、前記シリコン部材と前記回路基板との間に位置され、前記回路基板の表面とは離間された突出部と、
を有したことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記電子部品と前記回路基板とは、樹脂材料で接続され、
前記突出部は、前記樹脂材料内に位置されたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、
前記突出部は、前記樹脂材料よりも伝熱率の高い材料で構成され、対向する前記回路基板の表面部分とは電気的に接続されていないことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項4】
請求項3の記載において、
前記突出部と前記電極部とは、少なくとも一部がはんだペーストで構成されたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項5】
請求項3の記載において、
前記突出部は、前記シリコン部材の表面に対向しためっき層であることを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項6】
請求項3の記載において、
前記回路基板の前記電極部に対向する領域には、前記電極部に向けて突出され該電極部と電気的に接続された他の突出部が設けられたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項7】
請求項2の記載において、
前記シリコン部材に接続されたリードフレームと、前記リードフレームに積層されためっき層と、前記めっき層に設けられたはんだ部と、
を有しことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項8】
請求項2の記載において、
前記シリコン部材は、前記電子部品内で、前記回路基板側に寄った位置に内蔵されたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項9】
筐体と、
前記筐体に収容された回路基板と、
前記回路基板側に位置された第1面と、この第1面とは反対側に位置された第2面とを含む発熱体と、
前記第1面と前記回路基板と電気的に接続された電極部と、
前記第1面から突出され、前記回路基板と離間された突出部と、
を有したことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
筐体と、
前記筐体に収容された回路基板と、
前記回路基板側に突出されて該回路基板と電気的に接続された第1突出部と、前記回路基板側に突出されて該回路基板と電気的に接続されていない第2突出部と、を有した電子部品と、
を有したことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−212979(P2012−212979A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76423(P2011−76423)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【特許番号】特許第5050111号(P5050111)
【特許公報発行日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【特許番号】特許第5050111号(P5050111)
【特許公報発行日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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