説明

テレビドアホン装置

【課題】訪問者の録画及び伝言録音を行うテレビドアホン装置では、訪問者が伝言を残したいときだけ、伝言を記録することができず、自動録音・録画動作による不要な録音で録音メモリを浪費や、玄関子機に伝言録音用の特別なボタンを備える必要があった。
【解決手段】玄関子機101と室内親機102との間で通信線を介して通話と映像モニター表示が可能なテレビドアホン装置100において、玄関子機101は、訪問者が、呼出ボタン105を押下後、再度、呼出ボタン105を再押下すると、伝言録音要求信号生成部106では伝言録音要求信号を生成して、室内親機102に送信し、室内親機102は、玄関子機101から伝言録音要求信号を受信して、伝言録音要求検出部129で伝言録音要求を検出し、訪問者の伝言の録音を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、訪問者を撮像するカメラ及び音声を入力するマイクを有する玄関子機と、撮像した訪問者の映像表示機能及び録音、録画機能を有する室内親機を備え、前記玄関子機と室内親機との間の通話及び訪問者のモニター表示、伝言録音、録画を実現するテレビドアホン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般家庭用のテレビドアホン装置において、ドアホン子機にカメラを備え、ドアホン親機にあっては、ドアホン子機から送信されてくる来訪者の映像の録画・再生機能と、音声の録音・再生機能を備え、留守設定時には、訪問者がドアホン子機の呼出ボタンで呼出をすると、伝言を受ける旨のメッセージを発生し、自動的に訪問者の映像を録画すると共に、伝言メッセージを録音する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、インターホンシステムにおいて、ドアホン子機に呼出ボタンに加え、ドアホン親機に伝言メッセージの録音指令信号を送出する伝言スイッチを備え、訪問者が伝言スイッチを操作して、ドアホン親機がドアホン子機のマイクを通じ送られてきた伝言メッセージを録音する技術が知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−271781号公報
【特許文献2】特開平5−276257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、テレビドアホン装置が外出モード設定されている場合、訪問者が呼出ボタンを押下すると、訪問者の意志に関わらず、自動的にドアホン子機のマイクから入力された音声が伝言メッセージとして録音される。このため、訪問者が伝言を残す必要がない時も、録音動作状態となるため、録音用のメモリ容量を浪費することになり、本当に必要な訪問者の伝言メッセージの録音が必要なときに、メモリが満杯で、伝言メッセージの録音ができないという課題がある。
【0005】
また、上記特許文献2に記載の技術では、ドアホン子機に呼出ボタンに加えて、別途、伝言スイッチを備えており、装置のコストアップとなるとともに、訪問者が呼出ボタンと伝言スイッチの区別がつかず、誤った操作によって、的確に伝言メッセージを録音できなくなることがおこりうるという課題がある。
【0006】
そこで、本発明はこれら従来の課題を解決するものであり、玄関子機に特別なボタンを備えることなく、訪問者が伝言録音の誤操作することなく、かつ、不要な録音で録音メモリを浪費してしまうことなく、訪問者が伝言を残す必要がある場合のみ、伝言メッセージを録音若しくは録画することができるテレビドアホン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、玄関子機と室内親機との間で通信線を介して通話と映像モニター表示が可能なテレビドアホン装置であって、前記室内親機が利用者による「留守設定」されている場合に、前記室内親機は、訪問者による前記玄関子機の呼出ボタンの押下を検知して「呼出ボタンの再押下」のメッセージを訪問者に通知し、前記玄関子機は、訪問者の前記呼出ボタンの再押下動作に基づいて、伝言録音要求信号生成部では、伝言録音要求信号を生成して、カメラの映像信号とマイクからの音声信号と共に室内親機に送信し、前記室内親機は、前記伝言録音要求信号を伝言録音要求検出部で検出して、制御部で、音声録音部、若くは、映像録画部を動作させ、前記玄関子機から送られてきた映像信号もしくは音声信号を記録することとした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、室内親機は、訪問者による前記玄関子機の呼出ボタンの押下を検知して「呼出ボタンの再押下」のメッセージを訪問者に通知し、前記玄関子機は、訪問者の前記呼出ボタンの再押下動作に基づいて、伝言録音要求信号を生成して、カメラの映像信号とマイクからの音声信号と共に室内親機に送信し、前記室内親機は、前記伝言録音要求信号を伝言録音要求検出部で検出して、制御部で、音声録音部、若くは、映像録画部を動作させ、前記玄関子機から送られてきた映像信号もしくは音声信号を記録する構成により、訪問者が伝言を残したいときだけ、呼出ボタンの操作で、伝言を録音することができるので、玄関子機に特別なボタンを備えることなく、伝言録音の誤操作もなく、かつ、不要な録音で録音メモリを浪費してしまうことを防止するので、訪問者が伝言を残す必要がある場合のみ、伝言メッセージを録音若しくは録画することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本願の請求項1に記載の発明は、玄関子機と室内親機との間で通信線を介して通話と映像モニター表示が可能なテレビドアホン装置であって、前記室内親機が利用者による「留守設定」されている場合に、前記室内親機は、訪問者による前記玄関子機の呼出ボタンの押下を検知して「呼出ボタンの再押下」のメッセージを訪問者に通知し、前記玄関子機は、訪問者の前記呼出ボタンの再押下動作に基づいて、伝言録音要求信号生成部では、伝言録音要求信号を生成して、カメラの映像信号とマイクからの音声信号と共に室内親機に送信し、前記室内親機は、前記伝言録音要求信号を伝言録音要求検出部で検出して、制御部で、音声録音部、若くは、映像録画部を動作させ、前記玄関子機から送られてきた映像信号もしくは音声信号を記録する。
【0010】
これにより、訪問者が伝言を残したいときだけ、呼出ボタンの操作で、伝言を録音することができるので、玄関子機に特別なボタンを備えることなく、伝言録音の誤操作もなく、かつ、不要な録音で録音メモリを浪費してしまうことを防止するので、訪問者が伝言を残す必要がある場合のみ、伝言メッセージを録音若しくは録画することができるという効果を奏する。
【0011】
また、本願の請求項2に記載の発明は、上記請求項1の構成に加えて、前記伝言録音要求信号生成部は、所定の周波数の変調信号を発生させる変調信号発生部と、前記カメラからの映像信号のブランキング区間を検出するブランキング区間検出部と、前記変調信号を前記ブランキング区間内で、所定時間幅をドロップアウト区間として、0[V]の直流信号とする補正により前記伝言録音要求信号を生成する変調信号補正部とを備え、前記玄関子機は前記映像信号を前記伝言録音要求信号で変調して室内親機に送信する。
【0012】
これにより、上記請求項1の効果に加えて、玄関子機では呼出ボタン部が再押下されたときに伝言録音要求信号を、映像の変調信号に埋め込むという簡易な手段で実現し、また、室内親機でも伝言録音要求信号が簡易に検出できるので、設計に必要な部品の削減という経済的な効果を奏する。
【0013】
また、本願の請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2の構成に加え、前記伝言録音要求検出部は、前記玄関子機から変調された映像信号を入力し、前記ドロップアウト区間の発生回数をカウントするドロップアウト区間カウンタと、前記発生回数が所定の回数に達したことにより伝言録音要求の検出を行う検出部とを備える。
【0014】
これにより、上記請求項1または2の効果に加え、前記変調された映像信号が所定時間幅、0[V]の直流信号となる区間が複数回検出されることで呼出ボタンが再押下されたと検出するので、外部ノイズによる誤動作を抑制するという効果を奏する。
【0015】
また、本願の請求項4に記載の発明は、上記請求項1から3いずれか1項に記載の構成に加え、前記室内親機は、訪問者の映像信号の記録の開始にあわせ、玄関灯を点灯させる玄関灯制御部を備える。
【0016】
これにより、上記請求項1から3いずれか1項に記載の効果に加えて、撮像の際に被写体である訪問者が玄関灯で照らされ、より鮮明な映像の記録ができるという効果を奏する。
【実施例】
【0017】
以下、本発明の実施例におけるテレビドアホン装置について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施例におけるテレビドアホン装置100のブロック図である。
【0019】
テレビドアホン装置100は、玄関の外に配置されて訪問者を撮像し、音声を入出力する玄関子機101と、室内に配置され玄関子機101にて撮像した訪問者を映像表示し、音声を入出力する室内親機102を備え、玄関子機101と室内親機102が2線からなる通信線115で接続され、訪問者と室内利用者との間の通話及び訪問者の映像モニター機能を実現している。
【0020】
玄関子機101は、通信線115を介して室内親機102と信号の送受信を行う信号送受信部116と、訪問者が呼出をするための呼出ボタン105と、訪問者の音声を入力するマイク113と、室内親機102からの音声信号を出力するスピーカ104と、訪問者の映像を撮像し映像信号を出力するカメラ126と、訪問者を撮像した映像信号及び訪問者の発した音声信号を変調、多重化する変調部109と、室内親機102から受信した音声信号を復調する復調部108と、子機101全体の制御を行う子機側制御部107を備えて、室内の利用者と通話及び訪問者の映像を撮像し室内親機102に送信する玄関子機としての基本機能を実現している。
【0021】
また、玄関子機101には、変調信号発生部130と、変調信号補正部131と、ブランキング区間検出部132から構成される伝言録音要求信号生成分部106を備えている。伝言録音要求信号生成部106は、訪問者が、一度、呼出ボタン105が押下し、音声信号、映像信号が室内親機102との間で送受信されている状態で、再度、呼出ボタン105を押下することによって、伝言録音要求信号を生成して室内親機102へ供給する機能を実現している。
【0022】
室内親機102は、通信線115を介して玄関子機101と信号の送受信を行う信号送受信部121と、訪問者の呼出ボタン105の押下を検知する呼出検知部114と、訪問者の音声を出力するスピーカ117と、室内の利用者の音声を入力するマイク118と、玄関子機101のカメラで撮像された訪問者の映像をモニター表示する映像表示部112と、呼出を検知すると計時を開始し、室内からの応答がなければ所定時間でタイムアウトして待機状態にもどるための呼出タイマー機能及び伝言録音、録画時間の計時を行う録音・録画タイマー機能を有する計時部103と、玄関子機101から受信した映像信号成分及び音声信号成分を分離する分離部133と、分離された映像信号成分及び音声信号成分の復調を行う復調部123と、テレビドアホン装置100の機能設定を行う操作部111と、室内の利用者の音声および応答メッセージの信号を変調する変調部125と、室内親機全体の制御を行う親機側制御部124とを備えて、玄関の外の訪問者と通話し訪問者の映像を映像モニターする室内親機としての基本機能を実現している。
【0023】
また、室内親機102には、分離部133から変調された映像信号を入力して伝言録音要求の検出をする伝言録音要求検出部129と、訪問者の伝言を録音・再生する録音部122と、訪問者の映像を記録・再生する録画部110と、呼出に対して応答メッセージや応答音を生成する応答音生成部119と、訪問者の映像の記録にあわせ、玄関灯を点灯させる玄関灯制御部127を備え、訪問者が呼出ボタンを再押下することによる訪問者の伝言録音及び訪問者の映像の記録を実現する。なお、伝言録音要求検出部129では、伝言録音要求信号の検出のため、ドロップアウト区間カウンタ120と、検出部128を備える。
【0024】
なお、図中での記載は省略しているが、室内親機102は、商用電源を使用し、室内親機102を動作させるとともに、通信線115に直流電圧を重畳し、玄関子機101に給電している。また、玄関子機101、室内親機102それぞれの子機側制御部107、親機側制御部124の内部のソフトウェアが各構成部の動作を制御しているため、説明の便宜上、信号の経路は子機側制御部107または親機側制御部124を経由した構成で表している。
【0025】
次に、伝言録音要求信号生成部106の内部の構成と機能について図2を参照して説明する。図2は伝言録音要求信号の生成過程を示す波形図である。訪問者によって、一度、呼出ボタン105が押下されると、玄関子機101と室内親機102との間では音声信号と映像信号が送受信されている状態となっている。訪問者が、室内親機102からの応答メッセージに従い、再度、呼出ボタン105を押下すると、ブランキング区間検出部132は、呼出ボタン105からの呼出ボタン再押下信号(図2(a))、カメラ126からの映像信号(図2(b))を入力し、映像信号の垂直ブランキング区間内で20[usec]の時間幅、LOレベル(ドロップアウト区間)で、それ以外はHIレベルからなるドロップアウト信号(図2(c))を生成する。また、変調信号発生部130は、一定の周波数のFM変調信号(図2(d))を発生する。変調信号補正部131は、変調信号発生部130からFM変調信号を入力し、ブランキング区間検出部132からドロップアウト信号を入力し、FM変調信号をドロップアウト区間で、0[V]の直流信号とする補正処理を行い、伝言録音要求信号(図2(e))を生成する。
【0026】
以上の構成と機能によって、伝言録音要求信号生成部106は、訪問者の呼出ボタン105の再押下により伝言録音要求を伝言録音要求信号として生成する。
【0027】
次に、テレビドアホン装置100全体の動作を説明する。
【0028】
テレビドアホン装置100の使用に際しては、利用者はあらかじめ、外出あるいは居留守の事情により、訪問者の呼出に対して応答メッセージを送出し伝言を録音する外出モードを操作部111により親機側制御部124に設定しておく。また、計時部103の録音・録画タイマーの録音・録画時間を操作部111により、設定しておく。さらに、利用者の便宜と録画の記録媒体の容量に応じて、映像の記録フォーマットを、静止画、準動画(連続する静止画)、または動画(いわゆるビデオ映像)から操作部111により、選択し親機側制御部124に設定しておく。
【0029】
上述の設定による、外出モードでのテレビドアホン装置100の動作を以下に説明する。訪問者が、一度目の呼出ボタン105の押下により呼出をすると、玄関子機101は通信線115をショートする。室内親機102の信号呼出検知部114はショートによる電圧レベルの変化により、呼出を検知する。呼出検知部114で呼出が検知されると、親機側制御部124は応答音生成部119を制御して「ピンポーン」等の呼出音を生成し、スピーカ117から放音し、計時部103では、呼出タイマーが計時を開始する(所定時間でタイムアウトするとテレビドアホン100は待機状態に戻る)。
【0030】
マイク113から入力された訪問者の音声信号とカメラ126で撮像された映像信号は変調部109に入力される。変調部109では、音声信号はそのままベースバンド信号として変調され、映像信号はFM変調され、音声信号成分と映像信号成分は多重化されて、玄関子機102の出力信号として信号送受信部116から、室内親機102に送信される。
【0031】
室内親機102では、玄関子機101の出力信号は信号送受信部121で受信され、分離部133に入力される。分離部133では、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタで映像信号成分と音声信号成分が分離され、復調部132では、映像信号成分はFM変調信号で復調されて、映像表示部112に表示される。また、復調部132では、音声信号成分はベースバンド信号として復調され、スピーカ117から出力される。
【0032】
呼出の検知に応じて、応答音生成部119ではROM(図示省略)に格納された「ただいま出られません。御用の方はもう一度呼出ボタンを押し、発信音の後にメッセージをどうぞ」等の応答メッセージが読み出され、変調部125でベースバンド信号として変調され、室内親機102の出力信号として信号送受信部121から玄関子機101に送信される。
【0033】
玄関子機101では、室内親機102の出力信号は信号送受信部116で受信され、復調部108に入力される。復調部108では、応答メッセージはベースバンド信号として音声信号に復調され、スピーカ104に出力される。
【0034】
訪問者は、伝言を録音したい場合、応答メッセージに従い、呼出ボタン105を再押下する。一度、呼出ボタン105が押下されて、音声信号、映像信号が室内親機102との間で送受信されている状態(前述の呼出タイマーが動作中)であるため、信号送受信部116には通知されず、最初の呼出時のように通信線115をショートはしない。
【0035】
変調部109では、マイク113から入力されている音声信号はそのままベースバンド信号として変調され、カメラ126で撮像された映像信号は伝言録音要求信号生成部106で生成された伝言録音要求信号で変調され、変調された音声信号と映像信号は多重化されて、玄関子機102の出力信号として信号送受信部116から、室内親機102に送信される。
【0036】
室内親機102では、玄関子機101の出力信号は信号送受信部121で受信され、分離部133に入力される。分離部133では、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタで映像信号成分と音声信号成分が分離され、復調部123では映像信号成分はFM変調信号で復調される。伝言録音要求信号検出部129は、分離部133から映像信号成分を入力し、伝言録音要求の検出を行う。
【0037】
次に、伝言録音要求検出部129の構成及び動作の詳細について説明する。伝言録音要求検出部129は、内部に、伝言録音要求の検出のためのドロップアウト区間カウンタ120と検出部128を備える。
【0038】
ドロップアウト区間カウンタ120は、分離部133から復調前の映像信号成分を入力し、前記変調された映像信号から、20[usec]の時間幅、0[V]からなるドロップアウト区間を検出し、ドロップアウトの回数をカウントして検出部128に出力する。検出部128は、ドロップアウトの回数が所定の回数に達した場合、呼出ボタン105が再押下された(すなわち訪問者から伝言録音要求があった)と判断して検出信号を、親機側制御部124に出力する。
【0039】
ここで、伝言録音要求検出部129の動作についてフロー図を参照して説明を補足する。図3は、伝言録音要求検出部129の動作を示すフロー図である。
【0040】
分離部133で音声信号成分と映像信号成分がローパスフィルタとハイパスフィルタによって分離され、映像信号成分は、伝言録音要求信号検出部129に入力される(ステップS301)。
【0041】
ドロップアウト区間カウンタ120は、カウント値を初期化してN=0とする(ステップS302)。
【0042】
映像信号成分から20[usec]の時間幅の0[V]区間を検出する(ステップS303)。
【0043】
0[V]区間が検知されなければステップS303に戻り、0[V]区間を検出したらステップS305に進む(ステップS304)。
【0044】
ドロップアウト区間カウンタをインクリメントする(N=N+1)(ステップS305)。
【0045】
N=6に達したか判定し(ステップS306)、達していなければステップS303に戻る。N=6に達していたらステップS307に進む。
【0046】
ドロップアウト区間カウンタ120は検出部128にドロップアウト区間のカウントが完了したことを通知する。検出部128は、伝言録音要求があったことを検出し、親機側制御部124に検出信号を出力する(ステップS307)。
【0047】
以上の伝言録音要求検出部129の動作により、室内親機102で伝言録音要求が検出されると、親機側制御部122の制御により応答音生成部119は、「ピー」音を生成し、応答メッセージと同じ信号経路で玄関子機101のスピーカ104から出力する。訪問者は「ピー」音を聞いて、伝言を話し始める。
【0048】
同時に、録音部122は、録音を開始し、録画部110は映像の記録を開始し、計時部103は録音・録画タイマーを開始する。
【0049】
玄関灯制御部127は、訪問者の録画を鮮明にするため、光源として玄関灯を点灯させる。訪問者の伝言の録音が終わり、計時部103は、録音・録画タイマーがタイムアウトすると、親機側制御部124に録音・録画タイマーの終了を通知する。
【0050】
応答音生成部119は、再度「ピー」音を生成し、応答メッセージと同じ信号経路で玄関子機101のスピーカ104から出力する。訪問者は「ピー」音を聞いて、伝言入力時間が終了したことを把握する。
【0051】
録音部122は録音を停止し、録画部110は録画を停止し、玄関灯制御部127は、玄関灯を消灯する。
【0052】
以上のテレビドアホン装置100の動作について、フロー図を参照して説明を補足する。
【0053】
図4は、テレビドアホン装置100の動作を示すフロー図である。
【0054】
テレビドアホン装置100は、訪問者の呼出ボタン105の押下による呼出が、呼出検知部114で検知されるまで待機する(ステップS401)。呼出が検知されると、「ピンポーン」等の呼出音がスピーカ117から放音される。計時部103は、呼出が検知されると、呼出タイマーで計時を開始する(所定時間でタイムアウトするとテレビドアホン100は待機状態に戻る)。
【0055】
カメラ126で撮像された訪問者の映像信号とマイク113から入力された訪問者の音声信号は、変調部109、信号送受信部116を経て、室内親機102に送信される。室内親機102では、信号送受信部121、分離部133、復調部123を経て、訪問者の映像は映像表示部112で表示され、訪問者の音声はスピーカ117から出力される(ステップS402)。
【0056】
応答音生成部119では、ROMに格納された「ただいま出られません。御用の方はもう一度呼出ボタンを押し、発信音の後にメッセージをどうぞ」等の応答メッセージを読み出し、変調部125、信号送受信部121を経て玄関子機101に出力する。玄関子機101では、信号送受信部116、復調部108を経てスピーカ104から前記応答メッセージを出力する(ステップS403)。
【0057】
訪問者は、伝言を録音したい場合、応答メッセージに従い、呼出ボタン105を再押下する(ステップS404)。呼出ボタンが再押下されなければ、呼出タイマーが終了し、待機状態のステップS401に戻る。
【0058】
呼出ボタン105が再押下された時、伝言録音要求信号生成部106は、伝言録音要求信号を生成する(ステップS405)。
【0059】
変調部109は、伝言録音要求信号で映像信号を変調し、音声信号をベースバンド信号として多重化し、室内親機102に送信する(ステップS406)。
【0060】
室内親機102の分離部133では、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタで映像信号成分と音声信号成分が分離され、映像信号成分は伝言録音要求検出部129に入力される。伝言録音要求検出部129は、ドロップアウト区間カウンタ120がドロップアウト区間をカウントし、伝言録音要求を検出する(ステップS407)。
【0061】
応答音生成部119は、「ピー」音を生成し、応答メッセージと同じ信号経路で玄関子機101のスピーカ104から、「ピー」音を出力し、訪問者に伝言入力を促す(ステップS408)。
【0062】
録音部122は、録音を開始し、録画部110は、録画を開始し、計時部103は、録音・録画タイマーを開始する。訪問者は、伝言を話し始める。玄関灯制御部127は、訪問者の映像を鮮明にするため、光源として玄関灯を点灯させる(ステップS409)。
【0063】
録音・録画タイマー終了まで、録音、録画を継続する(ステップS410)。
【0064】
訪問者の伝言の録音が終了し、録音・録画タイマーが終了すると、応答音生成部119は、「ピー」音を生成し、玄関子機101のスピーカ104から、「ピー」音を出力し、訪問者に伝言入力時間の終了を通知する(ステップS411)。
【0065】
録音部122は、録音を停止し、録画部110は、録画を停止し、玄関灯制御部127は、玄関灯を消灯させ(ステップS412)、テレビドアホン装置100は待機状態であるステップS401に戻る。
【0066】
以上の通り、本発明のテレビドアホン装置は、玄関子機101では、呼出ボタンが再押下されたとき伝言録音要求信号を生成する伝言録音要求信号生成部106を備え、室内親機102は、玄関子機101からの伝言録音要求を検出する伝言録音要求検出部129を備え、訪問者が呼出ボタン105を押下すると、応答メッセージが出力され、訪問者が伝言を残したいときは再度、前記呼出ボタンを押下することで、伝言の録音を開始する。すなわち、訪問者が伝言を残したいときだけ、呼出ボタンの操作で、伝言を録音することができるので、玄関子機に特別なボタンを備えることなく、伝言録音の誤操作もなく、不要な録音で録音メモリを浪費してしまうことを防止することができ、操作性の向上と経済的な効果を生み出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のテレビドアホン装置は、訪問者が伝言を残す必要がある場合のみ、伝言を録音若しくは録画することができるため、例えば一戸建て住宅やマンション等の集合住宅等に配置したドアホン装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例のテレビドアホン装置のブロック図
【図2】本実施例の伝言録音要求信号の生成過程を示す波形図
【図3】伝言録音要求検出部の動作を示すフロー図
【図4】テレビドアホン装置の動作を示すフロー図
【符号の説明】
【0069】
100 テレビドアホン装置
101 玄関子機
102 室内親機
104 スピーカ
105 呼出ボタン
106 伝言録音要求信号生成部
110 録画部
112 映像表示部
113 マイク
114 呼出検知部
117 スピーカ
118 マイク
119 応答音生成部
120 ドロップアウト区間カウンタ
122 録音部
126 カメラ
129 伝言録音要求検出部
130 変調信号発生部
131 変調信号補正部
132 ブランキング区間検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関子機と室内親機との間で通信線を介して通話と映像モニター表示が可能なテレビドアホン装置であって、
前記室内親機が利用者による「留守設定」されている場合に、
前記室内親機は、訪問者による前記玄関子機の呼出ボタンの押下を検知して「呼出ボタンの再押下」のメッセージを訪問者に通知し、
前記玄関子機は、訪問者の前記呼出ボタンの再押下動作に基づいて、伝言録音要求信号生成部で、伝言録音要求信号を生成して、カメラの映像信号とマイクからの音声信号と共に室内親機に送信し、
前記室内親機は、前記伝言録音要求信号を伝言録音要求検出部で検出して、制御部で、音声録音部、若くは、映像録画部を動作させ、前記玄関子機から送られてきた映像信号もしくは音声信号を記録することを特徴とするテレビドアホン装置。
【請求項2】
前記伝言録音要求信号生成部は、所定の周波数の変調信号を発生させる変調信号発生部と、前記カメラからの映像信号のブランキング区間を検出するブランキング区間検出部と、
前記変調信号を前記ブランキング区間内で、所定時間幅をドロップアウト区間として、0[V]の直流信号とする補正により前記伝言録音要求信号を生成する変調信号補正部とを備え、
前記玄関子機は前記映像信号を前記伝言録音要求信号で変調して室内親機に送信することを特徴とする請求項1に記載のテレビドアホン装置。
【請求項3】
前記伝言録音要求検出部は、前記玄関子機から変調された映像信号を入力し、前記ドロップアウト区間の発生回数をカウントするドロップアウト区間カウンタと、
前記発生回数が所定の回数に達したことにより伝言録音要求の検出を行う検出部とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のテレビドアホン装置。
【請求項4】
前記室内親機は、訪問者の映像信号の記録の開始にあわせ、玄関灯を点灯させる玄関灯制御部を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のテレビドアホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−166477(P2007−166477A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363020(P2005−363020)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】