説明

テレビ受像装置

【課題】タイムシフト機能を有するテレビにおいて、タイムシフト録画用の記憶領域が少なくなった場合でも、録画できなくなることを低減する技術を提供する。
【解決手段】テレビ10において、タイムシフト録画中にタイムシフト用記憶部52の残容量が10%以下になったときに、タイムシフト外部機器制御部60は、CEC機能により外部レコーダ70の電源をオンに制御する。さらに、タイムシフト用記憶部52の残容量がなくなると、タイムシフト外部機器制御部60は、タイムシフト録画を停止させ、CEC機能により外部レコーダ70側で続きの録画を開始するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ受像装置に係り、特に、タイムシフト機能を有するテレビ受像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ受像装置(以下、単に「テレビ」という)において、視聴中の番組を録画し、時間をシフトして視聴可能とするタイムシフト機能は、テレビの前から席を外したときなどに、見たい場面を見逃さずに視聴できるなど便利な機能である。ここで、タイムシフトとは、テレビを視聴中に、リモコン等でタイムシフトモードに移行させると視聴中の番組(LIVE映像)を映したまま裏でその番組を録画し、再生キーを押すと前回再生が終了した時点から録画映像の再生を開始するというものである。
【0003】
一般に、タイムシフトモードを終了しない限りはLIVE映像の録画が続行される。また、録画映像の再生中に停止キーを押すとLIVE映像に戻るように構成されている。このとき、録画データは、テレビに設けられたフラッシュメモリ等に記録される。フラッシュメモリの残容量がなくなると、古いデータから順に上書きされるようになっている。
【0004】
そして、テレビの記録容量不足を補う技術が幾つか提案されており、例えば、接続された録画再生装置にリング録画及びタイムシフト再生を実行させることによって、記憶容量を確保する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−27533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここでタイムシフトの録画に関しては以下のような課題がある。
(1)録画用のフラッシュメモリの残容量がなくなったときは、録画済みの古いデータから順に上書きされ消えてしまう。
(2)再生中に、録画映像の平均ビットレートが再生映像のレートよりも高い場合や、録画した状態で再生映像を一時停止状態にしていると、メモリ上の録画位置が、再生位置を追い越してしまう。この場合、再生をキープすることを優先すれば録画を停止せざるを得ず、録画をキープすることを優先すれば再生したい映像が録画により上書きされることで正常に再生が行えなくなる。
【0007】
特許文献1に開示の技術では、外部接続機器の記録領域を利用するため、記憶容量については比較的余裕があるものの、操作性の観点から、外部接続機器の利用は極力抑えたいという要望があった。
【0008】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、タイムシフト機能を有するテレビにおいて、タイムシフト録画用の記憶領域が少なくなった場合でも、テレビの操作性を極力落とすことなく、録画を継続できなくなることを低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る装置は、タイムシフト機能を有するテレビ受像装置であって、タイムシフト用の録画処理を行っているときに、コンテンツを前記タイムシフト機能で利用する記憶領域の残容量を確認し、前記残容量が第1の所定値になったときに外部録画機器をオンし、前記残容量が第2の所定値になったときに、前記タイムシフト用の録画処理を前記外部録画機器へ移行させる外部録画機器制御手段を備える。
また、前記外部録画機器制御手段は、前記外部録画機器の録画予約状況を取得し、録画予約がなされている場合に、前記タイムシフト用の録画処理を前記外部録画機器へ移行させないよう制御してもよい。
また、前記外部録画機器制御手段は、前記外部録画機器の記録可能容量を取得し、前記記録可能容量が不足すると判断した場合に、前記タイムシフト用の録画処理を前記外部録画機器へ移行させないよう制御してもよい。
また、前記外部録画機器制御手段は、前記外部録画機器の記録可能容量を取得し、前記記録可能容量に応じて、前記タイムシフト用の録画処理を前記外部録画機器へ移行させたときの録画レートを制御してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、タイムシフト機能を有するテレビにおいて、タイムシフト録画用の記憶領域が少なくなった場合でも、テレビの操作性を維持しつつ、録画できなくなることを低減する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】発明の実施形態に係る、テレビの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】発明の実施形態に係る、外部レコーダを利用したタイムシフト録画の代替処理を示すフローチャートである。
【図3】発明の実施形態に係る、デジタル放送のライブ放送表示状態においてチャンネルコール部を表示させた画面の例を示す図である。
【図4】発明の実施形態に係る、タイムシフト再生が準備完了状態でライブ放送表示状態となっている画面の例を示す図である。
【図5】発明の実施形態に係る、タイムシフト再生が開始された状態の画面の例を示す図である。
【図6】発明の実施形態に係る、メニュー画面表示中にタイムシフト操作パネルを表示させた画面の例を示す図である。
【図7】発明の実施形態に係る、ホームメニュー表示中にタイムシフト再生を行っている状態を示した画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という。)を、図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
本実施形態では、HDMI(High Definition Multimedia Interface)連携機能を持つレコーダ機器を接続しておき、(1)タイムシフト録画用のフラッシュメモリの残容量がなくなる直前、及び(2)メモリ上で録画位置が再生位置を追い越してしまう直前に、レコーダ機器側で続きを録画できるようにする。このような構成によって、タイムシフトで録画する際に録画した映像が上書きされ消えることを極力防げるようになり、また再生中に録画が途中で止まることも極力防げるようになり、より充実したタイムシフトの録画機能を実現できる。
【0014】
本実施形態では、HDMI−CEC(HDMI-Consumer Electronics Control;以下、単に「CEC」)機能を用いる。CEC機能は、HDMI規格により提供されているリンク機能であり、このCEC機能を用いることで、HDMIインタフェイスで接続される機器同士が相互に連携することができ、相互連携する機器が市場に投入されている。
【0015】
ここで、HDMIインタフェイスについて簡単に説明する。HDMIインタフェイスは、例えばテレビと録画再生装置との間で信号伝送を行う手段の1つであり、HDMI規格に準拠した信号伝送手段である。このHDMIインタフェイスは、外観上1本にまとめられたHDMIケーブルによってデジタルの映像信号及び音声信号を同時に伝送でき、劣化のない信号伝送を実現している。なお、HDMIインタフェイスにおいて、映像信号及び音声信号を含む信号は、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)信号伝送ラインを通じて高速伝送される。また、HDMI規格は、さらにその中でCEC規格が規定されており、HDMIインタフェイスは、そのCEC規格に準拠した信号伝送ライン(以下、「CECライン」という)を内包した信号伝送手段として構成される。このCECラインを内包するHDMIインタフェイスは、TMDSラインを通じた映像信号及び音声信号の伝送に加え、CECラインを通じてその他の情報(制御情報など)を伝送することが可能である。なお、HDMIインタフェイスは、TMDSラインを通じた映像信号及び音声信号の伝送は一方向にのみ可能であるがが、CECラインを通じた情報伝送は双方向で可能である。以下、CEC機能を利用したタイムシフト機能における代替録画処理について詳細に説明する。
【0016】
まず、本実施形態に係るテレビ10における基本的なタイムシフト処理について説明する。図3は、デジタル放送のライブ放送表示状態においてチャンネルコール部F20を表示させた画面F10を示している。チャンネルコール部F20は、画面F10の右上に表示されており、選局動作直後やユーザの所定の操作後に、例えば4秒等の所定時間表示される。ここでは、チャンネルコール部F20は、放送局の名称が表示されている放送局表示部F21と、チャンネル番号が表示されるチャンネル番号部F22と、表示されている番組の番組情報等が表示される番組情報部F23が備わる。番組情報部F23の内容は、後述するTS(Transport Stream)に含まれるSI(Service Information)を元に構成される。
【0017】
図4は、タイムシフト再生が準備完了状態でライブ放送表示状態となっている画面F11の例である。タイムシフトモードにおいて、タイムシフト録画状態となるとチャンネルコール部F20の放送局表示部F21の下側に「TIME SHIFT READY」と表記されるタイムシフト状態アイコンF31が表示される。その隣には、現在の表示状態として「ライブ放送」を表示中である旨を示す「LIVE」と表記されたライブ状態アイコンF32が表示される。また、画面F11の左下には、タイムシフトカウンタ部F40が表示される。これは、例えばユーザが、「カウンタ表示設定ON」を選択している場合に表示され、スポット表示時には隠れるようになっている。タイムシフトカウンタ部F40は、メモリの使用量(使用率)をバーの長さで示す使用状況表示バーF41と、再生位置を示すつまみ(アイコン)である再生位置表示部F42とを備える。なお、タイムシフト状態アイコンF31を含め、各種アイコンの形態は、図示の形態に限る趣旨ではない。例えば、タイムシフト状態アイコンF31を、録画状態を表示するために用いられる「四角の中に赤丸がある形態」としたアイコンとしてもよい。
【0018】
図5は、図4の状態からタイムシフト再生が開始された状態の画面F12の例である。ここでは、図4のライブ状態アイコンF32の代わりにタイムシフト再生アイコン部F33が表示される。また、通常は、タイムシフト再生時においては、タイムシフト再生している番組の番組情報の取得は出来ないため、図示のように、再生データから判別可能な情報に関して表示される。ただし、後述するようにタイムシフト録画中に番組情報を別途記録する処理がなされると、図8の番組情報部F23と同程度の内容がタイムシフト再生中であっても図9の番組情報部F23に表示が可能となる。なお、タイムシフト再生ではあるがタイムシフト録画中でない場合は、タイムシフト状態アイコンF31は表示されない。また、タイムシフト状態アイコンF31は、ユーザの操作内容に応じてアイコン形状が変化する。さらに、再生位置表示部F42は、タイムシフト状態アイコンF31と同様に、ユーザの操作内容に応じて表示形状等が変更されてもよい。再生中であればその旨を表す操作ボタンに付されているアイコンが表示され、一時停止中であれば、そのアイコンが表示される。
【0019】
図6は、メニュー画面表示中にタイムシフト操作パネルF70を表示させた画面F13の例である。本図において、タイムシフト操作パネルF70には、放送局表示部F21、タイムシフト状態アイコンF31と、タイムシフト再生アイコン部F33タイムシフトカウンタ部F45と、操作ボタンアイコン群F50とが表示されている。なお、タイムシフト操作パネルF70は、Menu表示中なので映像が縮小スケーリングされた右側に表示される。タイムシフトカウンタ部F45は、図4や図5のタイムシフトカウンタ部F40と同様であるが、ここでは、メモリ限界に達した(バーが右端に到達した)旨を示す「FULL」が表示されている。また、操作ボタンアイコン群F50では、一般的な再生操作ボタンに相当するアイコンと共に、再生位置を所定時間だけ前後にスキップする「10秒戻し」ボタンや「30秒送り」ボタンが設けられている。なお、リモコンの所定のボタン(例えば、「Display」キー)が押下されると、画面の左上に上述と同様の構成のチャンネルコール部F20が表示されるようにしてもよい。その場合、チャンネルコール部F20には、タイムシフト操作パネルF70に表示されているタイムシフト状態アイコンF31やタイムシフト再生アイコン部F33等のタイムシフト関連の情報は、重複表示を回避するために表示されない。また、また、画面F13の下段の領域F61には、ライブ放送の番組情報等が表示されてもよい。
【0020】
図7は、ホームメニュー(設定画面)表示中に図5と同様のタイムシフト再生を行っている状態を示した画面F14の例である。この画面F14では、画面右側に各種設定用の設定表示領域F60があり、画面左側にチャンネルコール部F20とタイムシフトカウンタ部F40が表示される。なお、ホームメニュー(設定画面)表示中には、図4と同様にタイムシフト再生が準備完了状態でライブ放送表示状態でも表示可能である。また、画面F14の下段の領域F61には、タイムシフト再生中であってもライブ放送の番組情報が表示される。ただし、タイムシフト再生中のコンテンツに関する番組情報が利用可能であれば、その番組情報が表示されてもよい。
【0021】
図1は、本実施形態に係るテレビ10の概略構成を示す機能ブロック図であり、このテレビ10は、タイムシフト機能を有すると共に、HDMIインタフェイスにより外部レコーダ70と接続する。テレビ10と外部レコーダ70は、上述したCEC機能によって相互に連携可能になっている。外部レコーダ70は、HDMIインタフェイスを有するDVDレコーダやBDレコーダ、HDDレコーダである。
【0022】
このテレビ10は、主制御部20と、ソース部30と、セレクタ14と、コンテンツ出力処理部16と、出力部18と、操作取得部26と、タイムシフト処理部50とを備えている。
【0023】
主制御部20は、テレビ10の各構成要素を統括的に制御する。この主制御部20や後述の視聴制限制御部40等の各構成要素は、例えば、CPU(中央演算装置)等のLSI(大規模集積回路)やメモリで構成され、そのメモリに記憶されたプログラムらが実行されることで、その機能が実現される。操作取得部26は、リモコン等の操作手段27によるテレビ10への操作を受け付けるユーザ・インタフェイスである。
【0024】
ソース部30は、コンテンツのソース機能として、チューナ32と、内蔵レコーダ34と、外部機器入出力部36とを備える。チューナ32は、アンテナに接続されており、例えば地上デジタル放送を受信し及び復調し、TS(Transport Stream)を出力する。
【0025】
内蔵レコーダ34は、例えば、BD(Blue-ray Disc)ドライブ、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を記録ディバイスとして利用した装置である。この内蔵レコーダ34は、チューナ32や外部レコーダ70から取得したコンテンツを記録したり、また、記録されているコンテンツを再生し、セレクタ14を介してコンテンツ出力処理部16に出力する。
【0026】
外部機器入出力部36は、DVDレコーダやBDレコーダ等の外部レコーダ70とHDMI接続する入出力インタフェイスである。また、外部機器入出力部36は、メモリカードやUSBメモリ等の外部メモリ75と接続する入出力インタフェイスとしても機能する。外部メモリ75は、タイムシフト機能の一部として機能させることもできる。
【0027】
外部機器入出力部36と外部レコーダ70は、HDMIケーブルによって双方向通信可能に接続されている。ここで、HDMIインタフェイスは、映像信号及び音声信号(いずれもデジタル信号)を伝送するTMDSラインと、CEC規格に準拠したCECラインを含んでいる。なお、TMDSラインは、複数本の信号ラインにより構成され、TMDSライン及びCECラインは、1本のHDMIケーブル80として構成されている。
【0028】
セレクタ14は、ソース部30からユーザの指定等のソースを選択し、そのソースのコンテンツをコンテンツ出力処理部16に出力する。また、外部レコーダ70とテレビ10を接続する場合には、外部機器入出力部36を対象ソースとして選択する。
【0029】
コンテンツ出力処理部16は、チューナ32から取得したTSを復号して画像データと音声データを抽出し、それらを同期させて出力部18に出力する。また、コンテンツ出力処理部16は、画像データを出力するときに、必要に応じてデータ放送の内容や、選択されているチャンネル番号、時刻などの表示を番組の画像データに追加したり加工したりする。
【0030】
また、出力部18は、画像データを表示する表示部や音声データを出力するスピーカを備える。なお、以降の説明では、コンテンツの出力として映像について例示するが、当然に音声についても同様の処理がなされる。
【0031】
タイムシフト処理部50は、フラッシュメモリ等のタイムシフト用記憶部52を備えており、一般的なタイムシフト処理を実現する機能を有すると共に、本実施形態において特徴的な機能を実現する構成として、タイムシフト外部機器制御部60を備える。
【0032】
タイムシフト外部機器制御部60は、以下に説明する処理を行い、タイムシフト録画量が多くなりタイムシフト用記憶部52の記憶可能容量が少なくなった場合に、外部レコーダ70を利用してタイムシフト録画を適正に継続させる。具体的には、タイムシフト用記憶部52の残容量が一定値以下(例えば、10%以下)になった時点、あるいはタイムシフト用記憶部52上の録画位置が再生位置に一定以上近づいた時点をトリガとして、タイムシフト外部機器制御部60は、CEC機能により外部レコーダ70の電源をオンに制御する。
【0033】
続いて、タイムシフト用記憶部52の残容量がなくなる時点、あるいはタイムシフト用記憶部52上の録画位置が再生位置に重なる時点をトリガとし、タイムシフト外部機器制御部60は、タイムシフト録画を停止させ、CEC機能により外部レコーダ70側で続きの録画を開始するよう制御する。ただし外部レコーダ70側の記憶可能容量が少ない場合や、外部レコーダ70側で録画予約済みの番組の想定される総録画容量がディスク残容量を上回る場合、録画が行われない。また外部レコーダ70が録画中の場合も、録画は行われない。
【0034】
図2のフローチャートを参照して、タイムシフト録画中における処理を説明する。ここでは、残容量をトリガとする処理について説明する。タイムシフト録画機能がオンになると、タイムシフト外部機器制御部60は、タイムシフト用記憶部52のメモリ残容量、つまり、録画可能容量をチェックする(S11)。録画可能容量のチェックは、例えば、10秒間隔によって行われる。
【0035】
チェックの結果、残容量が10%を越えていれば(S12のN)、外部レコーダ70をオンする必要はないと判断し、残容量のチェックを継続する(S11)。10%以下である場合(S12のY)、タイムシフト外部機器制御部60は、外部レコーダ70をオンする信号を出力する(S13)。つまり、タイムシフト外部機器制御部60は、HDMIインタフェイスのCEC機能を用いて、外部機器入出力部36でHDMIケーブル80により接続する外部レコーダ70をオンする。
【0036】
外部レコーダ70をオンさせた後、タイムシフト外部機器制御部60は、さらにタイムシフト用記憶部52のメモリ残容量、つまり、録画可能容量をチェックするとともに(S14)、タイムシフトモードが継続しているか否かをチェックする(S15)。タイムシフトモードが終了していれば(S15のN)、タイムシフト外部機器制御部60は、HDMIインタフェイスのCEC機能を用いて、外部機器入出力部36でHDMIケーブル80により接続する外部レコーダ70をオフする(S16)。外部レコーダ70がオフになると、本フローによる処理は終了する。
【0037】
タイムシフトモードが継続中であれば(S15のY)、タイムシフト外部機器制御部60は、タイムシフト用記憶部52の残容量が0%になったか否かを判断する(S17)。ここで、残容量が0%とは、次の残容量チェックタイミング(例えば10秒後)までのタイムシフト録画が出来ない容量になったことを意味する。そして、残容量が0%でない場合(S17のN)、S14の処理に戻る。残容量が0%となった場合(S17のY)、タイムシフト外部機器制御部60は、外部レコーダ70に対して録画可能か否かを確認する(S18)。ここでは、タイムシフト外部機器制御部60は、CEC機能を用いて、外部レコーダ70からそのステータス情報を取得し、その情報を基に判断がなされる。つまり、外部レコーダ70において録画予約がなされているか否かや、外部レコーダ70の記録可能容量が所定以上残っているか否か等の判断に基づき、タイムシフト外部機器制御部60は、録画の可否を決定する。録画予約の基づく可否の判断時には、その録画予約に必要と想定される容量を考慮して、タイムシフト用の録画代替が可能か否かが判断されてもよい。
【0038】
外部レコーダ70で録画が可能なら(S18のY)、タイムシフト外部機器制御部60は、CEC機能によって外部レコーダ70に対して、テレビ10のタイムシフト録画の続き録画開始する指示を出力する(S19)。一方で、外部レコーダ70で録画が不可能なら(S18のN)、タイムシフト外部機器制御部60は、外部レコーダ70におけるタイムシフト用の録画代替処理を行わず、タイムシフト処理部50は、タイムシフト用記憶部52への上書き録画を行うか、または、タイムシフト録画の停止を行う(S20)。以上の処理によって、外部レコーダ70へのタイムシフト録画の代替処理がなされる。
【0039】
以上、本実施形態によると、タイムシフト録画中に、テレビ10のタイムシフト用記憶部52において、タイムシフト録画用の残容量が少なくなった場合や無くなった場合に、HDMインタフェイスで接続される外部レコーダ70にタイムシフト録画を代替させることができる。これによって、タイムシフトで録画する際に録画した映像が上書きされ消えることを極力防げるようになり、また再生中に録画が途中で止まることも極力防げるようになり、より充実したタイムシフトの録画機能を実現できる。
【0040】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0041】
例えば、図2のフローチャートにおいて、外部レコーダ70で録画が可能であるか否かの判断を行うときに(S18)、その判断基準が残容量である場合に、残容量に応じて、録画のビットレート(画質等)を変更するようにしてもよい。このときに、変更したビットレートがタイムシフトカウンタ部F40において表示されてもよい。さらに、残容量を示す使用状況表示バーF41の色が残容量に応じて変更されてもよい。例えば、残容量が、500MB以上の時は、使用状況表示バーF41の色が緑とされ、残容量が500MB未満になったときは黄色に、残容量が200MB以下になったときは赤色とされる。
【0042】
さらに、タイムシフト録画中に、録画中の番組の残り時間、録画映像の平均ビットレート、バッファ(タイムシフト用記憶部52等)の残容量から録画中の番組を最後まで取りきれないと判断した場合は、タイムシフト処理部50は、自動的に録画のビットレートを残容量に合わせて落として、番組を最後まで取りきるようにしてもよい。
【0043】
また、外部レコーダ70での代替録が出来ずテレビ10でタイムシフト録画を継続する場合(S20)、録画時間を優先して、上書き処理において、録画のレート(画質等)を低くするように制御がなされてもよい。さらに、外部レコーダ70に録画予約がある場合に、タイムシフト外部機器制御部60は、その録画予約内容を取得し、その予約時刻にあわせて、タイムシフト用に録画されたデータを消去するように外部レコーダ70を制御してもよい。これは、外部レコーダ70に代替録画されたデータについては消去されることを許容して、録画予約を優先する設定とすることを可能にするものである。
【0044】
また、外部レコーダ70をHDMIケーブル80により接続しておき、タイムシフト処理部50は、タイムシフト録画した映像のうちユーザが選択した期間の映像を、外部レコーダ70にいわゆる「Move」処理や「Copy」処理してもよい。さらに、タイムシフト処理部50は、タイムシフト録画でタイムシフト用記憶部52に録画したデータを、タイムシフト動作中でないときに、そのデータを圧縮し、録画可能時間を伸ばすように動作してもよい。
【0045】
また、タイムシフトカウンタ部F40の使用状況表示バーF41が、タイムシフト用記憶部52用と外部レコーダ70用の2段で表示されてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 テレビ
14 セレクタ
16 コンテンツ出力処理部
18 出力部
20 主制御部
26 操作取得部
27 操作手段
30 ソース部
32 チューナ
36 外部機器入出力部
50 タイムシフト処理部
52 タイムシフト用記憶部
60 タイムシフト外部機器制御部
70 外部レコーダ
80 HDMIケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイムシフト機能を有するテレビ受像装置であって、
タイムシフト用の録画処理を行っているときに、コンテンツを前記タイムシフト機能で利用する記憶領域の残容量を確認し、前記残容量が第1の所定値になったときに外部録画機器をオンし、前記残容量が第2の所定値になったときに、前記タイムシフト用の録画処理を前記外部録画機器へ移行させる外部録画機器制御手段
を備えることを特徴とするテレビ受像装置。
【請求項2】
前記外部録画機器制御手段は、前記外部録画機器の録画予約状況を取得し、録画予約がなされている場合に、前記タイムシフト用の録画処理を前記外部録画機器へ移行させないよう制御することを特徴とする請求項1に記載のテレビ受像装置。
【請求項3】
前記外部録画機器制御手段は、前記外部録画機器の記録可能容量を取得し、前記記録可能容量が不足すると判断した場合に、前記タイムシフト用の録画処理を前記外部録画機器へ移行させないよう制御することを特徴とする請求項1に記載のテレビ受像装置。
【請求項4】
前記外部録画機器制御手段は、前記外部録画機器の記録可能容量を取得し、前記記録可能容量に応じて、前記タイムシフト用の録画処理を前記外部録画機器へ移行させたときの録画レートを制御することを特徴とする請求項1に記載のテレビ受像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−205478(P2011−205478A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71844(P2010−71844)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】