説明

テープフィーダ

【課題】テープフィーダの横幅寸法の薄型化を実現する。
【解決手段】部品供給テープ12を部品吸着位置へピッチ送りするテープ通路部材15の上面側には、部品供給テープ12の幅方向の片側のみを保持する複数(例えば3個又はそれ以上)の横コ字型のガイド部材36〜38を、部品供給テープ12の幅方向の一方側と他方側に交互に千鳥状に配置する。複数のガイド部材36〜38を、それぞれ部品供給テープ12の幅方向内側に少しずつ寄せて配置することで、部品供給テープ12が僅かに幅方向に蛇行し又は斜めに傾いた状態に保持する。これにより、部品供給テープ12を部品吸着位置へ案内するガイド機構の横幅寸法を部品供給テープ12の横幅寸法とほぼ同じ寸法まで薄型化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の部品を所定ピッチで配列した部品供給テープを部品吸着位置へ案内するガイド機構を改良したテープフィーダに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
一般的なテープフィーダは、特許文献1(特開2010−109109号公報)に記載されているように、部品供給テープの側縁に沿って一定ピッチで形成されたスプロケット孔にスプロケットの歯を噛み合わせながら該スプロケットの回転により該部品供給テープを部品吸着位置へ向かってピッチ送りして、部品吸着位置で部品供給テープの部品を部品実装機の吸着ノズルで吸着するようにしている。
【0003】
このテープフィーダでは、部品供給テープを部品吸着位置へ案内するガイド機構は、特許文献2(特開2009−71207号公報)に記載されているように、テープフィーダにセットした部品供給テープの両側縁に沿って延びる2つのガイド片を形成し、2つのガイド片の間に部品供給テープを通すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−109109号公報
【特許文献2】特開2009−71207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のガイド機構では、テープフィーダにセットした部品供給テープの両側縁に沿って2つのガイド片が存在するため、テープフィーダの最小限必要な横幅寸法は、「2つのガイド片の厚み寸法」+「ガイド片と部品供給テープとの間のクリアランス」+「部品供給テープの横幅寸法」となり、これ以上のテープフィーダの横幅寸法の薄型化が不可能であった。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、テープフィーダの横幅寸法の薄型化を実現できるテープフィーダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、多数の部品を所定ピッチで配列した部品供給テープを部品吸着位置へ送るテープフィーダにおいて、前記部品供給テープを部品吸着位置へ案内する複数のガイド部材を備え、前記複数のガイド部材は、それぞれ前記部品供給テープの幅方向の片側のみを保持し、且つ前記部品供給テープの幅方向の一方側と他方側に交互に千鳥状に配置されていることを特徴とするものである。この構成では、部品供給テープの幅方向の片側のみを保持するガイド部材を、部品供給テープの幅方向の一方側と他方側に交互に千鳥状に配置する構成であるため、部品供給テープの両側縁に沿って2つのガイド片が存在する従来構造のものと比較して、テープフィーダの横幅寸法を薄型化することができる。
【0008】
具体的には、請求項2のように、複数のガイド部材を、それぞれ部品供給テープの幅方向内側に少しずつ寄せて配置することで、部品供給テープが僅かに幅方向に蛇行し又は斜めに傾いた状態に保持されるように構成すると良い。このようにすれば、部品供給テープを部品吸着位置へ案内するガイド機構の横幅寸法を部品供給テープの横幅寸法とほぼ同じ寸法まで薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は本発明の一実施例におけるテープフィーダ全体の斜視図である。
【図2】図2(a)はテープ通路の先端側部分の平面図、(b)は(a)のA−A線に沿って示す断面図、(c)は(a)のB−B線に沿って示す断面図、(d)は(a)のC−C線に沿って示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
まず、図1に基づいてテープフィーダの構成を説明する。
テープフィーダ11の前端側(図1において右側)には、部品供給テープ12が巻回されたテープリール13が脱着可能にセットできるようになっている。テープフィーダ11の上面部には、テープリール13から引き出した部品供給テープ12を部品吸着位置へ案内するためのテープ通路を形成するテープ通路部材15が取り付けられている。
【0011】
テープフィーダ11の奥側(図1において左側)には、テープ通路部材15にセットされた部品供給テープ12を部品吸着位置へピッチ送りするスプロケット16と、これを回転駆動するモータ(図示せず)とが取り付けられ、スプロケット16の回転中心の真上の位置が部品吸着位置となっている。
【0012】
部品供給テープ12の片方の側縁部には、一定ピッチでスプロケット孔17(図2参照)が形成され、このスプロケット孔17にスプロケット16の歯が順番に嵌まり込みながらスプロケット16が回転することで、部品供給テープ12がピッチ送りされるようになっている。
【0013】
テープフィーダ11の奥端面(図1において左端面)には、部品実装機側のコネクタ(図示せず)と接続される通信コネクタ18と、部品実装機に対する取付位置を決める位置決めピン19,20が設けられている。また、テープフィーダ11には、テープリール13から引き出した部品供給テープ12から引き剥がしたカバーテープ21(トップテープ)を送り出すためのカバーテープ送り出しローラ22〜24が設けられている。
【0014】
図2に示すように、テープ通路部材15の上面側には、部品供給テープ12の幅方向の片側のみを保持する複数(例えば3個又はそれ以上)の横コ字型のガイド部材36〜38が部品供給テープ12の幅方向の一方側と他方側に交互に千鳥状に配置され、部品供給テープ12を僅かに幅方向に蛇行させ(又は斜めに傾け)ながら部品供給テープ12を保持するように各ガイド部材36〜38を部品供給テープ12の幅方向内側に少しずつ寄せて配置することで、より少ない幅で部品供給テープ12を保持できるようになっている。
【0015】
以上説明した本実施例によれば、部品供給テープ12の幅方向の片側のみを保持するガイド部材36〜38を、部品供給テープ12の幅方向の一方側と他方側に交互に千鳥状に配置する構成であるため、部品供給テープ12の両側縁に沿って2つのガイド片が存在する従来構造のものと比較して、テープフィーダの横幅寸法を薄型化することができる。
【0016】
しかも、本実施例では、複数のガイド部材36〜38を、それぞれ部品供給テープ12の幅方向内側に少しずつ寄せて配置することで、部品供給テープ12が僅かに幅方向に蛇行し又は斜めに傾いた状態に保持されるように構成しているため、部品供給テープ12を部品吸着位置へ案内するガイド機構の横幅寸法を部品供給テープ12の横幅寸法とほぼ同じ寸法まで薄型化することができる。
【0017】
尚、本発明は、様々な構成のテープフィーダに対して広く適用して実施できる等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0018】
11…テープフィーダ、12…部品供給テープ、13…テープリール、15…テープ通路部材、16…スプロケット、17…スプロケット孔、21…カバーテープ、22〜24…カバーテープ送り出しローラ、36〜38…ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の部品を所定ピッチで配列した部品供給テープを部品吸着位置へ送るテープフィーダにおいて、
前記部品供給テープを前記部品吸着位置へ案内する複数のガイド部材を備え、
前記複数のガイド部材は、それぞれ前記部品供給テープの幅方向の片側のみを保持し、且つ前記部品供給テープの幅方向の一方側と他方側に交互に千鳥状に配置されていることを特徴とするテープフィーダ。
【請求項2】
前記複数のガイド部材は、それぞれ前記部品供給テープの幅方向内側に少しずつ寄せて配置されることで、前記部品供給テープが僅かに幅方向に蛇行し又は斜めに傾いた状態に保持されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のテープフィーダ。

【図1】
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【図2】
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