説明

テープ印刷装置、テープ印刷プログラム及びテープカセット

【課題】ホストコンピュータから受信したデータを選別して所定の動作を実行できるテープ印刷装置、テープ印刷プログラム及びテープカセットを提供する。
【解決手段】PCからデータを受信し、それがフォントデータであった場合には、フォントの追加処理を実行する。受信したフォントデータが特別フォントでなければ(S1721:NO)、通常のフォントデータとして登録する(S1725)。特別フォントの場合には(S1721:YES)、特別フォントの登録許可が設定されているかどうかを判断する(S1722)。登録許可は、あらかじめ、テープの種類を検出したときに判断され、設定されている。特別フォントの登録許可がされていれば(S1722:YES)、受信した特別フォントを登録し(S1723)、許可されていない場合には(S1722:NO)、受信した特別フォントデータは破棄する(S1724)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープカセットに収納したテープに印刷を行うテープ印刷装置、テープ印刷プログラム及びテープ印刷装置に使用するテープカセットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テープ状のラベルを作成するテープ印刷装置が知られている。このテープ印刷装置では、テープカセットが着脱可能に構成されており、このテープカセット内に印字媒体としてのテープ及び印字リボンを収納し、サーマルヘッドによりテープに印字を行うようになっている。前記テープとしては幅や構造の異なる複数種類のテープを用いることができるので、それらの各テープに収納した複数種類のテープカセットが用意されている。そして、このように多種類のテープに対応した印刷対象データに対して、テープ種類毎の一括管理や一括処理をするための印刷装置の提案もなされている(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、近年のネットワーク化が進む中、このようなテープ印刷装置をホストコンピュータに複数台接続し、必要な印刷データをホストコンピュータからテープ印刷装置に配信して印刷させたいというニーズがある。また、印刷データに限らず、定型のレイアウトであるテンプレートや、印刷用フォント、プログラムのアップデートデータなどもホストコンピュータから配信したいという要望もある。
【特許文献1】特開2004−130682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ホストコンピュータに接続している全てのテープ印刷装置に一斉に印刷データを同報で送信すると、全てのテープ印刷装置で印刷がなされてしまい、個々のテープ印刷装置の必要に応じて印刷をしたい場合に対応できなかった。ホストコンピュータ側でテープ印刷装置を選んで印刷データ等を送信することも考えられるが、そのようなシステムは複雑で手間がかかる問題があった。
【0005】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、ホストコンピュータから受信したデータを選別して所定の動作を実行できるテープ印刷装置、テープ印刷プログラム及びテープカセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のテープ印刷装置は、着脱可能なテープカセットに内蔵されたテープに印刷を行うテープ印刷装置において、装着されている前記テープカセットの種類を検出する検出手段と、外部機器からデータを受信する受信手段と、前記検出手段により検出されたテープカセットの種類であるカセット種類が、前記受信手段により受信したデータに含まれる通常印刷以外の所定動作を許可するものであるか否かを判断する許可判断手段と、前記許可判断手段により許可されていると判断されている場合に、前記所定動作を可能とする動作制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載のテープ印刷装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、印刷用フォントを記憶したフォント記憶手段を備え、前記所定動作は、所定種類のフォントの前記フォント記憶手段への登録であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載のテープ印刷装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、定型の書式であるテンプレートを記憶したテンプレート記憶手段を備え、前記所定動作は、所定テンプレートの前記テンプレート記憶手段への登録であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記所定動作が、所定印刷データの印刷であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項5に記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記所定動作が、所定プログラムの登録であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項6に記載のテープ印刷プログラムは、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の各種処理手段としてコンピュータを機能させる。
【0012】
また、本発明の請求項7に記載のテープカセットは、装着されているテープカセットの種類を検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたテープカセットの種類であるカセット種類が通常印刷以外の所定動作を許可するものであるか否かを判断する許可判断手段と、前記許可判断手段により許可されていると判断されている場合に、前記所定動作を可能とする動作制御手段とを備えたテープ印刷装置に使用され、当該テープ印刷装置に着脱可能に装着されるテープカセットであって、前記装着されたテープ印刷装置に前記所定動作を許可するか否かを識別する識別手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載のテープ印刷装置は、検出手段がテープカセットの種類を検出し、その結果から許可判断手段が、通常印刷以外の所定動作の可否を判断する。当該所定動作が許可されている場合にのみ、所定動作が可能とされるので、その所定動作を指示するデータが送信されてきた場合にも、許可されているかどうかを判別した上で、許可されている場合に動作を実行する。従って、データの送信側で送信先を選別する必要がなく、また、動作の実行の必要のないテープ印刷装置で動作させてしまう無駄をなくすことができる。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載のテープ印刷装置は、請求項1に記載の発明の効果に加え、予め決められた種類のフォントを登録するには、それを可能とする種類のテープカセットを装着する。特別な種類のフォントを特定のテープ印刷装置1に送信して登録させたい場合に便利である。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載のテープ印刷装置は、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、予め決められた種類のテンプレートを登録するには、それを可能とする種類のテープカセットを装着する。特別な種類のテンプレートを特定のテープ印刷装置1に送信して登録させたい場合に便利である。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、特定のデータを印刷するには、それを可能とする種類のテープカセットを装着する。特別なデータを特定のテープ印刷装置1に送信して印刷させたい場合に便利である。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加え、予め決められた種類のプログラムを登録するには、それを可能とする種類のテープカセットを装着する。特別な種類のプログラムを特定のテープ印刷装置1に送信して登録させたい場合に便利である。
【0018】
また、本発明の請求項6に記載のテープ印刷プログラムは、コンピュータに実行させることにより、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の各種処理手段としての作用効果を奏することができる。
【0019】
また、本発明の請求項7に記載のテープカセットは、検出手段を有するテープ印刷装置に装着すると、検出手段がテープカセットの種類を検出し、その結果から許可判断手段が、通常印刷以外の所定動作の可否を判断する。当該所定動作が許可されている場合にのみ、所定動作が可能とされるので、その所定動作を指示するデータが送信されてきた場合にも、許可されているかどうかを判別した上で、許可されている場合に動作を実行する。従って、データの送信側で送信先を選別する必要がなく、また、動作の実行の必要のないテープ印刷装置で動作させてしまう無駄をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、テープ印刷装置1は、キーボードから入力される文字や記号を印刷するほか、外部のコンピュータ(PC900。図6参照)に接続可能であり、PC900からデータを受信して印刷を実行することができる。PC900からは、印刷データの他、印刷用のフォントデータ、定型書式であるテンプレートのデータ、テープ印刷装置1のプログラムの更新用データ等も送信されることがある。まず、テープ印刷装置1の物理的構造について、図1を参照して説明する。図1はテープ印刷装置1のテープ収納部の蓋を取り去った状態を示す平面図である。
【0021】
図1に示すように、テープ印刷装置1の後部には、後述するテープカセット51(図2参照)を収納する凹部であるテープカセット収納部2が設けられている。また、テープ印刷装置1の前部には、文字や記号を入力するキーボード部3が設けられている。キーボード部3には、文字、記号及び機能のコマンドを入力するキー3Aが複数配列されている。また、テープカセット収納部2とキーボード部3との間には、液晶表示装置4が設けられ、キーボード部3で入力された文字、記号等が表示可能となっている。
【0022】
また、テープ印刷装置1のテープカセット収納部2内の右上隅(図1における)には、本発明の検出手段であるカセット検出部5が設けられ、カセット検出部5には、貫通孔19が複数設けられ、貫通孔19からは、検出センサ基板80(図5参照)上に設けられた検出スイッチ6(図5参照)のスイッチ端子軸6Aが突出している。検出スイッチ6は、後述するように、テープカセット51の検出孔66Aとの組み合わせにより、テープカセット収納部2に収納されたテープカセット51の種類を検出するためのものである。
【0023】
次に、図2〜図4を参照して、テープ印刷装置1のテープカセット収納部2に装着されるテープカセット51の構造を説明する。図2は、テープカセット51の斜視図である。図3は、テープカセット51の底面図である。図4は、上ケース52を取り外した状態の下ケース53の平面図である。
【0024】
図2に示すように、テープカセット51は上ケース52と下ケース53とから構成されている。テープカセット51には、後述する印字テープ67の離形紙を外側に向けて巻回したテープスプール68(図4参照)を回動可能に支持する支持孔57、サーマルヘッド11(図8参照)により印字テープ67上に文字等を印字する際にリボンスプール70(図4参照)からインクリボン69(図4参照)を引き出すとともに巻取るリボン巻取スプール71(図4参照)を支持する支持孔55が形成されている。
【0025】
尚、図2には、上ケース52に形成された各支持孔55、57のみしか図示されていないが、下ケース53についても同様に上ケース52の各支持孔に対向して支持孔55、57が形成されている。
【0026】
また、テープカセット51の前側(図2中下側)には、テープスプール68(図4参照)から引き出された印字テープ67、及び、リボンスプール70(図4参照)から引き出されたインクリボン69(図4参照)を案内し、開口58Aから送出するアーム部58が設けられており、かかるアーム部58の後方にはテープ印刷装置1のサーマルヘッド11が装着されるヘッド装着部59が設けられている。
【0027】
更に、ヘッド装着部59においてアーム部58と対向する壁部59Aにはテープカセット51の後方に向かって入り込んだ第1嵌合部60が形成され、また、ヘッド装着部59の左側側壁には第1嵌合部60と直交する方向(壁部59Aに沿った方向)に入り込んだ第2嵌合部61が形成されている。これらの各第1嵌合部60、第2嵌合部61は、サーマルヘッドを支持する図示外のヘッドホルダに形成された2つの各突起部に嵌合されて、ヘッド装着部59に対するサーマルヘッドの装着を各インクリボン69、印字テープ67に干渉することなく確実に行うためのものである。
【0028】
更に、各インクリボン69、印字テープ67の走行方向に関しヘッド装着部59の下流側において、テープ送りローラ62が支持孔63に回動可能に支持されている。かかるテープ送りローラ62は、それに対向する側からテープ送りローラ62に圧接される圧接ローラ(図示外)との協働により、テープスプール68から印字テープ67を引き出す。また、テープ送りローラ62の近傍位置には上下一対の規制部材64、65が設けられており、これらの各規制部材64、65は、サーマルヘッドの下流側にて文字等が印字された印字テープ67を幅方向に規制案内するものである。
【0029】
また、図3に示すように、テープカセット51の裏面の左後縁には、本発明の識別手段である識別部66が形成されており、この識別部66には、テープカセット51の種類(例えば、各印字テープ67の幅、テープの種類、特殊操作の許可・禁止の別(後述)等によりテープカセット51の種類が特定される)を検出するため所定のパターンをもって複数個の識別孔66Aが穿設されている。
【0030】
次に、テープカセット51の内部構成について図4に基づいて説明する。図4は上ケース52を取り外した状態の下ケース53の平面図であり、下ケース53内の後部(図4中上部)において印字テープ67を巻回したテープスプール68が前記支持孔57を介して回動可能に配置されている。また、下ケース53の前部(図4中下部)には、インクリボン69を巻回したリボンスプール70が回動可能に配置され、更に、リボンスプール70からインクリボン69を引き出すとともに、文字等の印字にて消費されたインクリボン69を巻き取るリボン巻取スプール71が、テープスプール68とリボンスプール70との間で前記支持孔55を介して回動可能に配置されている。
【0031】
印字テープ67は、前記したようにテープ送りローラ62と図示外の圧接ローラ(テープ印刷装置1側に設けられている)との協働により、テープスプール68から引き出され、アーム部58の開口58Aからヘッド装着部59の前側(図4下側)を通過した後、テープ排出部74からテープカセット51の外方へ排出される。また、インクリボン69は、リボンスプール70から引き出され、アーム部58の開口58Aからヘッド装着部59の前側(図4中下側)を通過した後、各規制部材64、65の内方に形成された案内部75に案内されてリボン巻取スプール71の周囲に巻き取られる。
【0032】
尚、リボン巻取スプール71の下部にはクラッチバネ76が取り付けられており、このクラッチバネ76はリボン巻取スプール71が逆転して巻き取ったインクリボン69が緩んでしまうことを防止するものである。
【0033】
尚、図4に示すように、下ケース53内の右後縁には前記識別部66に設けられた複数個の識別孔66Aが穿設されている。
【0034】
次に、識別部66と検出スイッチ6とによるテープカセット51の検出について図5を参照して説明する。図5は、識別部66と検出スイッチ6との関係を示す説明図である。識別部66に設けられた識別孔66Aの形成パターンは、各テープカセット51の種類に従って異なるパターンとされている。そして、各識別孔66Aには、テープ印刷装置1のカセット検出部5に配設された複数個の検出スイッチ6のスイッチ端子軸6Aが挿入される。識別孔66Aが設けられている箇所に対向した検出スイッチ6は、オフとなり、識別孔66Aが設けられていない箇所に対向した検出スイッチ6は、識別部66の基板によりスイッチ端子軸6Aが押し込まれることになるので、オンとなる。この複数個の検出スイッチ6のオン・オフの組合せに基づいてテープカセット51の種類が検出される。
【0035】
本実施形態においては、検出スイッチは10個が用意されている。1〜6の検出スイッチの組み合わせによって、テープの幅、種類(ラミネートテープ、レセプターテープ、布テープ等)、印刷エネルギーが特定される。
【0036】
そして、7〜10の検出スイッチにより、PC900(図6参照)から受信したデータの中に含まれる特殊操作の許可・禁止を特定している。本実施形態では、通常フォント以外の特別フォントの登録、通常テンプレート以外の特別テンプレートの登録、特別なデータの印刷、通常の更新プログラム以外の特別なプログラムの更新を特殊操作としている。これらの特殊操作を実行するためには、該当の検出スイッチにより許可されていることが必要になる。すなわち、第7スイッチがオフであれば、特別フォントの登録は禁止、オンであれば特別フォント登録許可となる。第8スイッチがオフであれば、特別テンプレートの登録は禁止、オンであれば特別テンプレート登録許可となる。第9スイッチがオフであれば、特別データの印刷は禁止、オンであれば特別データ印刷許可となる。第10スイッチがオフであれば、特別プログラムの更新は禁止、オンであれば特別プログラム更新許可となる。これらの特殊操作用スイッチがオンとなっているテープカセット51を装着しているテープ印刷装置1に対して、PC900から特殊操作を指示するデータが送信された場合のみ該当の特殊操作が当該テープ印刷装置1において行われる。その他のテープ印刷装置1に同様のデータを送信しても、当該特殊操作が許可されていないので、データは無視され、破棄されることとなる。
【0037】
尚、前記識別孔66Aは必ずしも孔形状でなくても良く、孔の変わりに、識別部66の外面をテープカセット51の幅方向の中心に向かって凹むように切欠いた切欠凹部を形成しても良い。要するに、孔の代わりに、対向する検出スイッチ6のスイッチ端子軸6Aが挿入されて検出スイッチ6がオフとなるような窪んだ形状であれば良い。
【0038】
次に、図6〜図8を参照して、テープ印刷装置1の電気的構成について説明する。図6は、テープ印刷装置1の制御構成を示すブロック図である。図7は、ROM102の構成を示す模式図である。図8は、RAM104の構成を示す模式図である。
【0039】
図6に示すように、テープ印刷装置1の制御構成は、制御基板上に形成される制御回路部100を核として構成されている。制御回路部100には、各機器を制御するCPU101と、このCPU101にデータバス106を介して接続された入出力インタフェース105、CGROM103、ROM102、RAM104とから構成されている。ここで、CGROM103には、多数のキャラクタの各々に関して、表示のためのドットパターンデータがコードデータに対応させて格納されている。
【0040】
また、入出力インタフェース105には、キーボード部3と、検出スイッチ6と、液晶表示装置4に表示データを出力するためのビデオRAM(図示外)を有するディスプレイコントローラ(以下、LCDCという)109と、サーマルヘッド11を駆動するための駆動回路107と、テープ送りモータ37を駆動するための駆動回路108と、外部のPC900と接続するためのUSBインタフェース110が各々接続されている。
【0041】
また、図7に示すように、ROM102には、CGデータ記憶領域121,プログラム記憶領域122,その他のデータ領域123が設けられている。CGデータ記憶領域121には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタの各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に6種類(16、24、32、48、64、96のドットサイズ)の印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。また、グラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータも記憶されている。
【0042】
また、プログラム記憶領域122には、キーボード部3から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させてLCDC109を制御する表示駆動制御プログラム、プリントバッファ142(図8参照)のデータを読み出してサーマルヘッド11やテープ送りモータ37を駆動する印字駆動制御プログラム、本発明の動作制御プログラム、その他テープ印刷装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。そして、CPU101は、かかるROM102に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行うものである。
【0043】
また、図8に示すように、RAM104には、テキストバッファ141、プリントバッファ142、特別フォント登録許可フラグ領域143、特別テンプレート登録許可フラグ領域144、特別印刷許可フラグ領域145、特別プログラム登録許可フラグ領域146、その他データ領域147等が設けられている。テキストバッファ141には、キーボード部3から入力された文書データが格納される。また、プリントバッファ142には、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、サーマルヘッド11はかかるプリントバッファ142に記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。特別フォント登録許可フラグ領域143には、第7検出スイッチがオンの場合に、フラグがオンとされて記憶される。特別テンプレート登録許可フラグ領域144には、第8検出スイッチがオンの場合に、フラグがオンとされて記憶される。特別印刷許可フラグ領域145には、第9検出スイッチがオンの場合に、フラグがオンとされて記憶される。特別プログラム登録許可フラグ領域146には、第10検出スイッチがオンの場合に、フラグがオンとされて記憶される。
【0044】
以上の構成を有するテープ印刷装置1において、キーボード部3の文字キーを介して文字等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がRAM104のテキストバッファ141に順次記憶されていくとともに、ドットパターン発生制御プログラム及び表示駆動制御プログラムに基づいてキーボード部3を介して入力された文字等に対応するドットパターンが液晶表示装置4上に表示される。また、サーマルヘッド11は駆動回路107を介して駆動され、プリントバッファ142に記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期してテープ送りモータ37が駆動回路108を介してテープの送り制御を行う。ここで、サーマルヘッド11は、駆動回路107を介して発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されることによって、文字等をテープ上に印字する。
【0045】
次に、上記の構成を有するテープ印刷装置1の動作について図9〜図28を参照して説明する。図9は、テープ印刷装置1のメイン処理のフローチャートである。図10は、メイン処理で実行されるシステム初期化処理のフローチャートである。図11は、メイン処理で実行されるテープ種類検出処理のフローチャートである。図12は、メイン処理で実行されるキー入力処理のフローチャートである。図13は、キー入力処理の中で実行されるテンプレート選択処理のフローチャートである。図14は、キー入力処理の中で実行されるフォント選択処理のフローチャートである。図15は、キー入力処理の中で実行されるテキスト印刷処理のフローチャートである。図16は、メイン処理の中で実行される受信データ処理のフローチャートである。図17は、受信データ処理の中で実行されるフォント追加処理のフローチャートである。図18は、受信データ処理の中で実行されるフォント追加処理のフローチャートである。図19は、受信データ処理の中で実行される印刷処理のフローチャートである。図20は、受信データ処理の中で実行されるプログラム更新処理のフローチャートである。図21は、通常フォントデータの構成例を示す模式図である。図22は、特別フォントデータの構成例を示す模式図である。図23は、通常テンプレートデータの構成例を示す模式図である。図24は、特別テンプレートデータの構成例を示す模式図である。図25は、通常プログラムデータの構成例を示す模式図である。図26は、特別プログラムデータの構成例を示す模式図である。図27は、通常印刷データの構成例を示す模式図である。図28は、特別印刷データの構成例を示す模式図である。
【0046】
テープ印刷装置1は、電源オンとされると、図9に示すメイン処理を開始する。まず、システム初期化処理を実行する(S1)。ここで、図10を参照して、システム初期化処理の詳細について説明する。システム初期化処理が開始されると、まず、ROM102に記憶されている各種のプログラムを読込み、起動する(S101)。次に、RAM104のテキストバッファ141をクリアして初期化する(S102)。次いで、フォント設定を初期化して既定値に戻す(S103)。次に、登録されているフォントの数を読み取り(S104)、登録されているテンプレートの数を読み取る(S105)。最後に、その他の各種初期処理を実行し(S106)、メイン処理(図9)に戻る。
【0047】
システム初期化処理が終了したら、次に、装着されているテープの種類を検出する(S3)。ここで、テープ検出処理について図11を参照して説明する。まず、検出スイッチ6からの入力により、現在装着されているテープの種類を読み取る(S31)。次に、読み取ったテープ種類から、その印刷領域を決定する(S32)。そして、初期設定として、特別フォントの登録許可フラグをオフ(禁止)に設定する(S33)。さらに、特別テンプレートの登録許可フラグをオフ(禁止)に設定する(S34)。次に、特別印刷の許可フラグをオフ(禁止)に設定する(S35)。また、特別プログラムの登録許可フラグをオフ(禁止)に設定する(S36)。
【0048】
次に、検出スイッチ6からの入力により、特別フォントの登録が許可されているテープか否かを判断する(S37)。特別フォント登録許可テープであれば(S37:YES)、特別フォント登録許可フラグをオン(許可)に設定する(S38)。特別フォント登録許可テープでなければ(S37:NO)、そのままS39に進む。このように設定されることにより、フォントデータをPC900から受信した際に、それが特別フォントデータであれば、フラグがオンに設定されているテープ印刷装置1では登録されることとなり、その他のテープ印刷装置1では特別フォントデータは廃棄され、登録されないように処理される(図17を参照して後述。)。
【0049】
次に、検出スイッチ6からの入力により、特別テンプレート登録許可テープか否かを判断する(S39)。特別テンプレート登録許可テープであれば(S39:YES)、特別テンプレート登録許可フラグをオン(許可)に設定する(S40)。特別テンプレート登録許可テープでなければ(S39:NO)、そのままS41に進む。このように設定されることにより、テンプレートデータをPC900から受信した際に、それが特別テンプレートデータであれば、フラグがオンに設定されているテープ印刷装置1では登録されることとなり、その他のテープ印刷装置1では特別テンプレートデータは廃棄され、登録されないように処理される(図18を参照して後述。)。
【0050】
次に、検出スイッチ6からの入力により、特別印刷許可テープであるか否かを判断する(S41)。特別印刷許可テープであれば(S41:YES)、特別印刷許可フラグをオン(許可)に設定する(S42)。特別印刷許可テープでなければ(S41:NO)、そのままS43に進む。このように設定されることにより、印刷データをPC900から受信した際に、それが特別データであれば、フラグがオンに設定されているテープ印刷装置1では印刷されることとなり、その他のテープ印刷装置1ではデータは廃棄され、印刷されないように処理される(図19を参照して後述。)。
【0051】
次に、検出スイッチ6からの入力により、特別プログラム登録許可テープであるか否かを判断する(S43)。特別プログラム登録許可テープであれば(S43:YES)、特別プログラム登録許可フラグをオン(許可)に設定する(S44)。そして、メイン処理に戻る。特別プログラム登録許可テープでなければ(S43:NO)、そのままメイン処理に戻る。このように設定されることにより、更新プログラムデータをPC900から受信した際に、それが特別プログラムデータであれば、フラグがオンに設定されているテープ印刷装置1では登録されることとなり、その他のテープ印刷装置1では特別プログラムデータは廃棄され、登録されないように処理される(図20を参照して後述。)。
【0052】
テープ検出処理が終了したら、次に、液晶表示装置4への表示処理を実行する(S5)。次いで、キーボード部3からの入力があったかどうかをチェックするキースキャン処理を実行する(S7)。そして、キー入力があったか否かを判断する(S9)。キー入力があった場合には(S9:YES)、入力されたキーに応じたキー入力処理を実行する。キー入力処理の詳細は、図12を参照して後述する。キー入力がなかった場合は(S9:NO)、そのままS13に進む。
【0053】
次に、インタフェース経由の受信処理を実行する(S13)。そして、受信があったか否かを判断する(S15)。受信があれば(S15:YES)、受信したデータに応じた受信データ処理を実行して(S17)、S3に戻る。受信がなければ(S15:NO)、そのままS3に戻る。以上のメイン処理を繰り返し実行する。
【0054】
次に、メイン処理のS11で実行するキー入力処理について図12を参照して説明する。まず、検出されたキー入力が、テンプレート選択キーか否かを判断する(S111)。テンプレート選択キーであれば(S111:YES)、テンプレート選択処理を実行する(S112)。そして、メイン処理に戻る。
【0055】
ここで、テンプレート選択処理について、図13を参照して説明する。まず、初期設定として、デフォルトのテンプレート候補を選択しておく(S1121)。次に、テンプレート選択キーにより選択された候補を表示する(S1122)。次いで、キー操作の有無を検出する(S1123)。キー操作がなければ(S1124:NO)、S1123に戻ってキー操作の検出を繰り返す。
【0056】
キー操作があれば(S1124:YES)、そのキー操作がテンプレートの確定操作であるかどうかを判断する(S1125)。テンプレート確定操作であれば(S1125:YES)、選択され・確定されたテンプレートをテキストバッファ141に読込み(S1126)、キー入力処理に戻る。
【0057】
テンプレート確定操作でなければ(S1126:NO)、次に、そのキー操作がテンプレート選択操作かどうかを判断する(S1127)。テンプレート選択操作であれば(S1127:YES)、現在の候補が最終候補か否かを判断する(S1128)。
【0058】
最終候補の場合には(S1128:YES)、次の候補として先頭の候補を選択し(S1129)、S1122に戻って選択された候補を表示する。最終候補でなければ(S1128:NO)、次の候補を選択し(S1130)、S1122に戻って選択された候補を表示する。以後、テンプレート確定操作がされるまで、上記の処理を繰り返し、確定後、テンプレートをテキストバッファ141に読込み(S1126)、キー入力処理に戻る。
【0059】
キー操作がテンプレート選択操作でなければ(S1127:NO)、その他の処理を実行し(S1131)、S1122に戻って選択された候補を表示する。以後、テンプレート確定操作がされるまで、上記の処理を繰り返し、確定後、テンプレートをテキストバッファ141に読込み(S1126)、キー入力処理に戻る。
【0060】
図12に戻ってキー入力処理の説明を継続する。検出されたキー入力が、テンプレート選択キーでない場合には(S111:NO)、次に、フォント選択キーか否かを判断する(S113)。フォント選択キーであれば(S113:YES)、フォント選択処理を実行する(S114)。そして、メイン処理に戻る。
【0061】
ここで、フォント選択処理について、図14を参照して説明する。まず、初期設定として、デフォルトのフォント候補を選択しておく(S1141)。次に、フォント選択キーにより選択された候補を表示する(S1142)。次いで、キー操作の有無を検出する(S1143)。キー操作がなければ(S1144:NO)、S1143に戻ってキー操作の検出を繰り返す。
【0062】
キー操作があれば(S1144:YES)、そのキー操作がフォントの確定操作であるかどうかを判断する(S1145)。フォント確定操作であれば(S1145:YES)、フォント設定を確定し(S1146)、キー入力処理に戻る。
【0063】
フォント確定操作でなければ(S1146:NO)、次に、そのキー操作がフォント選択操作かどうかを判断する(S1147)。フォント選択操作であれば(S1147:YES)、現在の候補が最終候補か否かを判断する(S1148)。
【0064】
最終候補の場合には(S1148:YES)、次の候補として先頭の候補を選択し(S1149)、S1142に戻って選択された候補を表示する。最終候補でなければ(S1148:NO)、次の候補を選択し(S1150)、S1142に戻って選択された候補を表示する。以後、フォント確定操作がされるまで、上記の処理を繰り返し、フォント設定を確定し(S1146)、キー入力処理に戻る。
【0065】
キー操作がフォント選択操作でなければ(S1147:NO)、その他の処理を実行し(S1151)、S1142に戻って選択された候補を表示する。以後、フォント確定操作がされるまで、上記の処理を繰り返し、フォント確定後、(S1146)、キー入力処理に戻る。
【0066】
図12に戻ってキー入力処理の説明を継続する。検出されたキー入力が、フォント選択キーでない場合には(S113:NO)、次に、文字入力キーか否かを判断する(S115)。文字入力キーであれば(S115:YES)、テキスト編集処理を実行する(S116)。そして、メイン処理に戻る。
【0067】
検出されたキー入力が、文字入力キーでない場合には(S115:NO)、次に、印刷キーか否かを判断する(S117)。印刷キーであれば(S117:YES)、テキスト印刷処理を実行する(S118)。そして、メイン処理に戻る。また、検出されたキー入力が、印刷キーでない場合には、その他の処理を実行し(S119)、メイン処理に戻る。
【0068】
ここで、図15を参照してテキスト印刷処理について説明する。まず、テキストバッファ141に格納されている文字を、選択されているフォントでイメージ化する(S1181)。そして、イメージ化されたデータを印刷実行し(S1182)、キー入力処理に戻る。
【0069】
次に、本発明の要部である、メイン処理のS17で実行する受信データ処理について図16を参照して説明する。ここで、受信データ処理において受信するデータの構成について説明する。図21〜図28に示すように、フォント、テンプレート、プログラム、印刷データのいずれについても、受信データはヘッダ情報と実データから構成されている。ヘッダ情報は、実データのサイズ情報301,311,401,411,501,511,601,611、チェックサム情報302,312,402,412,502,512,602,612、データの種類情報303,313,403,413,503,513,603,613を少なくとも含んでいる。尚、ヘッダ情報に記載される値は、全て16進数(0x)となっている。
【0070】
実データのサイズは、ヘッダ情報に続く実データのバイト数を示している。例えば、図21に示す通常フォントデータの実サイズ301は0x1000バイトである。このサイズ情報301を予め読み出しておくことで、ヘッダ情報を読み出した後、サイズ情報301に記載されたバイト数(0x1000バイト)分を読み出せばよいことがわかる。
【0071】
実データのチェックサム情報は、送信データの誤りの検出をするためのものである。本実施形態では、送信前の実データの値を全て加算した総和の下位4バイトの値を、チェックサム情報としてヘッダ情報の中に記載する。例えば、図22に示すチェックサム情報312では、チェックサムの値は0x3432である。そして、受信後に実データを全て加算した総和の下位4バイトとチェックサム情報とを比較することにより、誤りの検出を行っている。
【0072】
データの種類情報は、ヘッダ情報に続く実データが通常データか特別データかを区別する値である。下2桁が「00」の場合は通常データを、それ以外は特別データを示す。また、3桁目の値が実データのタイプを表している。すなわち、3桁目が「1」であれば、フォントデータであり、「2」であればテンプレートデータであり、「3」であればプログラムデータであり、「4」であれば印刷データとなる。従って、図21に示す種類情報303は「0x0100」であるから、下2桁が「00」で、3桁目が「1」のため、通常フォントデータであることを示す。また、図22に示す種類情報313は「0x0101」であるから、下2桁が「00」でなく、3桁目が「1」のため、特別フォントデータであることを示す。図23に示す種類情報403は「0x0200」であるから、下2桁が「00」で、3桁目が「2」のため、通常テンプレートデータであることを示す。また、図24に示す種類情報413は「0x0205」であるから、下2桁が「00」でなく、3桁目が「2」のため、特別テンプレートデータであることを示す。図25に示す種類情報503は「0x0300」であるから、下2桁が「00」で、3桁目が「3」のため、通常プログラムデータであることを示す。また、図26に示す種類情報513は「0x0301」であるから、下2桁が「00」でなく、3桁目が「3」のため、特別プログラムデータであることを示す。図27に示す種類情報603は「0x0400」であるから、下2桁が「00」で、3桁目が「4」のため、通常印刷データであることを示す。また、図28に示す種類情報413は「0x0401」であるから、下2桁が「00」でなく、3桁目が「4」のため、特別印刷データであることを示す。
【0073】
図16に示すように、受信データ処理では、まず、受信したデータがフォントデータか否かを判断する(S171)。フォントデータであるかどうかは、上述のように、受信データに含まれるデータの種類情報の3桁目を参照し、その値が「1」か否かにより判断する。フォントデータの場合には(S171:YES)、フォント追加処理を実行し(S172)、メイン処理に戻る。
【0074】
ここで、フォント追加処理について、図17、図21及び図22を参照して説明する。フォント追加処理が開始されると、まず、受信したフォントデータが特別フォントデータか否かを判断する(S1721)。上述のように、特別フォントデータかどうかは、種類情報303,313の下2桁が「00」以外かにより判断できる。
【0075】
特別フォントデータの場合には(S1721:YES)、次に、特別フォントの登録が許可されているか否かを判断する(S1722)。この判断は、特別フォント登録許可フラグ領域143に記憶されている特別フォント登録許可フラグがオンになっているかどうかで判断できる。特別フォントの登録が許可されていれば(S1723:YES)、受信した特別フォントデータを登録し(S1723)、受信データ処理に戻る。特別フォントの登録が許可されていない場合には(S1722:NO)、受信した特別フォントデータを破棄して(S1724)、受信データ処理に戻る。従って、特別フォントデータを登録したいテープ印刷装置1には、第7検出スイッチに対向する識別孔66Aの設けられていない(第7検出スイッチがオンとなる)テープカセット51を装着しておけばよい。PC900側で特別フォントデータを登録したいテープ印刷装置1を選別して特別フォントデータを送信する必要がないので、同報配信で特別フォントデータを送信することができる。
【0076】
また、受信したデータが、特別フォントでなく通常フォントデータの場合には(S1721:NO)、受信した通常フォントデータを登録し(S1725)、受信データ処理に戻る。
【0077】
図16に戻り、受信データ処理の説明を継続する。受信したデータがフォントデータでない場合には(S171:NO)、次に、受信したデータがテンプレートデータか否かを判断する(S173)。テンプレートデータであるかどうかは、上述のように、受信データに含まれるデータの種類情報の3桁目を参照し、その値が「2」か否かにより判断する。テンプレートデータの場合には(S173:YES)、テンプレート追加処理を実行し(S174)、メイン処理に戻る。
【0078】
ここで、テンプレート追加処理について、図18、図23及び図24を参照して説明する。テンプレート追加処理が開始されると、まず、受信したテンプレートデータが特別テンプレートデータか否かを判断する(S1741)。上述のように、特別テンプレートデータかどうかは、種類情報403,413の下2桁が「00」以外かにより判断できる。特別テンプレートの場合には(S1741:YES)、次に、特別テンプレートの登録が許可されているか否かを判断する(S1742)。この判断は、特別テンプレート登録許可フラグがオンになっているかどうかで判断できる。特別テンプレートの登録が許可されていれば(S1743:YES)、受信した特別テンプレートデータを登録し(S1743)、受信データ処理に戻る。特別テンプレートの登録が許可されていない場合には(S1742:NO)、受信した特別テンプレートデータを破棄して(S1744)、受信データ処理に戻る。従って、特別テンプレートデータを登録したいテープ印刷装置1には、第8検出スイッチに対向する識別孔66Aの設けられていない(第8検出スイッチがオンとなる)テープカセット51を装着しておけばよい。PC900側で特別テンプレートデータを登録したいテープ印刷装置1を選別して特別テンプレートデータを送信する必要がないので、同報配信で特別テンプレートデータを送信することができる。
【0079】
また、受信したデータが、特別テンプレートでなく通常テンプレートデータの場合には(S1741:NO)、受信した通常テンプレートデータを登録し(S1745)、受信データ処理に戻る。
【0080】
図16に戻り、受信データ処理の説明を継続する。受信したデータがテンプレートデータでない場合には(S173:NO)、次に、受信したデータが印刷データか否かを判断する(S175)。印刷データであるかどうかは、上述のように、受信データに含まれるデータの種類情報の3桁目を参照し、その値が「4」か否かにより判断する。印刷データの場合には(S175:YES)、印刷処理を実行し(S176)、メイン処理に戻る。
【0081】
ここで、印刷処理について、図19、図27及び図28を参照して説明する。印刷処理が開始されると、まず、受信した印刷データが特別印刷データか否かを判断する(S1761)。上述のように、特別印刷データかどうかは、種類情報603,613の下2桁が「00」以外かにより判断できる。特別印刷データの場合には(S1761:YES)、次に、特別印刷の登録が許可されているか否かを判断する(S1762)。この判断は、特別印刷許可フラグがオンになっているかどうかで判断できる。特別印刷の登録が許可されていれば(S1763:YES)、受信した特別印刷データの印刷を実行し(S1763)、受信データ処理に戻る。特別印刷が許可されていない場合には(S1762:NO)、受信した特別印刷データを破棄して(S1764)、受信データ処理に戻る。従って、特別なデータを印刷したいテープ印刷装置1には、第9検出スイッチに対向する識別孔66Aの設けられていない(第9検出スイッチがオンとなる)テープカセット51を装着しておけばよい。PC900側で特別データを印刷したいテープ印刷装置1を選別して特別データを送信する必要がないので、同報配信で特別データを送信することができる。
【0082】
また、受信したデータが、特別印刷でなく通常印刷データの場合には(S1761:NO)、受信した通常印刷データの印刷を実行し(S1765)、受信データ処理に戻る。
【0083】
図16に戻り、受信データ処理の説明を継続する。受信したデータが印刷データでない場合には(S175:NO)、次に、受信したデータがプログラムの更新データか否かを判断する(S177)。プログラムの更新データであるかどうかは、上述のように、受信データに含まれるデータの種類情報の3桁目を参照し、その値が「3」か否かにより判断する。プログラムの更新データの場合には(S177:YES)、プログラム更新処理を実行し(S178)、メイン処理に戻る。
【0084】
ここで、プログラム更新処理について、図20、図25及び図26を参照して説明する。プログラム更新処理が開始されると、まず、受信したプログラムデータが特別プログラムか否かを判断する(S1781)。上述のように、特別プログラムデータかどうかは、種類情報503,513の下2桁が「00」以外かにより判断できる。特別プログラムの場合には(S1781:YES)、次に、特別プログラムの登録が許可されているか否かを判断する(S1782)。この判断は、特別プログラム登録許可フラグがオンになっているかどうかで判断できる。特別プログラムの登録が許可されていれば(S1782:YES)、受信した特別プログラムデータを登録し(S1783)、受信データ処理に戻る。特別プログラムの登録が許可されていない場合には(S1782:NO)、受信した特別プログラムデータを破棄して(S1784)、受信データ処理に戻る。従って、特別プログラムデータを登録したいテープ印刷装置1には、第10検出スイッチに対向する識別孔66Aの設けられていない(第10検出スイッチがオンとなる)テープカセット51を装着しておけばよい。PC900側で特別プログラムデータを登録したいテープ印刷装置1を選別して特別プログラムデータを送信する必要がないので、同報配信で特別プログラムデータを送信することができる。
【0085】
また、受信したデータが、特別プログラムでなく通常プログラムの場合には(S1781:NO)、受信した通常プログラムを登録し(S1785)、受信データ処理に戻る。
【0086】
以上説明したように、本実施形態のテープ印刷装置1では、特別フォントの登録、特別テンプレートの登録、特別データの印刷、特別プログラムの登録を、特殊操作としている。そして、これらの許可・禁止の別をテープカセットに設けた識別孔66Aと検出スイッチ6により検出できるようにしている。従って、該当の特殊操作を実行したいテープ印刷装置1には、その特殊操作を許可するテープカセット51を装着すればよい。PC900では、特殊操作を実行するためのデータ(特別フォントデータ、特別テンプレートデータ、特別印刷データ、特別プログラムデータ)を接続している全てのテープ印刷装置1に一斉に送信することができる。テープ印刷装置1を選別してデータ送信を実行する必要がないので、PC900側の作業が効率的に実行できる。また、テープ印刷装置1側でも、テープカセット51を着脱するのみで目的の特殊操作を実行できる。
【0087】
尚、上記実施形態において、図11のS37,S39,S41,S43で検出スイッチの入力により対応する登録・印刷の可否を判断するCPU101が本発明の許可判断手段に相当する。また、図17のS1723,図18のS1743,図19のS1763,図20のS1783で登録・印刷を実行させるCPU101が本発明の動作制御手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】テープ印刷装置1のテープ収納部の蓋を取り去った状態を示す平面図である。
【図2】テープカセット51の斜視図である。
【図3】テープカセット51の底面図である。
【図4】上ケース52を取り外した状態の下ケース53の平面図である。 上ケース52を取り外した状態の下ケース53の平面図である。
【図5】識別部66と検出スイッチ6との関係を示す説明図である。
【図6】テープ印刷装置1の制御構成を示すブロック図である。
【図7】ROM102の構成を示す模式図である。
【図8】RAM104の構成を示す模式図である。
【図9】テープ印刷装置1のメイン処理のフローチャートである。
【図10】メイン処理で実行されるシステム初期化処理のフローチャートである。
【図11】メイン処理で実行されるテープ種類検出処理のフローチャートである。
【図12】メイン処理で実行されるキー入力処理のフローチャートである。
【図13】キー入力処理の中で実行されるテンプレート選択処理のフローチャートである。
【図14】キー入力処理の中で実行されるフォント選択処理のフローチャートである。
【図15】キー入力処理の中で実行されるテキスト印刷処理のフローチャートである。
【図16】メイン処理の中で実行される受信データ処理のフローチャートである。
【図17】受信データ処理の中で実行されるフォント追加処理のフローチャートである。
【図18】受信データ処理の中で実行されるフォント追加処理のフローチャートである。
【図19】受信データ処理の中で実行される印刷処理のフローチャートである。
【図20】受信データ処理の中で実行されるプログラム更新処理のフローチャートである。
【図21】通常フォントデータの構成例を示す模式図である。
【図22】特別フォントデータの構成例を示す模式図である。
【図23】通常テンプレートデータの構成例を示す模式図である。
【図24】特別テンプレートデータの構成例を示す模式図である。
【図25】通常プログラムデータの構成例を示す模式図である。
【図26】特別プログラムデータの構成例を示す模式図である。
【図27】通常印刷データの構成例を示す模式図である。
【図28】特別印刷データの構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0089】
1 テープ印刷装置
2 テープカセット収納部
3 キーボード部
3A キー
4 液晶表示装置
5 カセット検出部
6 検出スイッチ
11 サーマルヘッド
37 モータ
51 テープカセット
66 識別部
66A 識別孔
67 印字テープ
80 検出センサ基板
100 制御回路部
101 CPU
102 ROM
104 RAM
105 入出力インタフェース
106 データバス
107 駆動回路
108 駆動回路
121 データ記憶領域
122 プログラム記憶領域
123 データ領域
141 テキストバッファ
142 プリントバッファ
900 PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能なテープカセットに内蔵されたテープに印刷を行うテープ印刷装置において、
装着されている前記テープカセットの種類を検出する検出手段と、
外部機器からデータを受信する受信手段と、
前記検出手段により検出されたテープカセットの種類であるカセット種類が、前記受信手段により受信したデータに含まれる通常印刷以外の所定動作を許可するものであるか否かを判断する許可判断手段と、
前記許可判断手段により許可されていると判断されている場合に、前記所定動作を可能とする動作制御手段とを備えたことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項2】
印刷用フォントを記憶したフォント記憶手段を備え、
前記所定動作は、所定種類のフォントの前記フォント記憶手段への登録であることを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。
【請求項3】
定型の書式であるテンプレートを記憶したテンプレート記憶手段を備え、
前記所定動作は、所定テンプレートの前記テンプレート記憶手段への登録であることを特徴とする請求項1又は2に記載のテープ印刷装置。
【請求項4】
前記所定動作は、所定印刷データの印刷であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のテープ印刷装置。
【請求項5】
前記所定動作は、所定プログラムの登録であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のテープ印刷装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のテープ印刷装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるためのテープ印刷プログラム。
【請求項7】
装着されているテープカセットの種類を検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたテープカセットの種類であるカセット種類が通常印刷以外の所定動作を許可するものであるか否かを判断する許可判断手段と、前記許可判断手段により許可されていると判断されている場合に、前記所定動作を可能とする動作制御手段とを備えたテープ印刷装置に使用され、当該テープ印刷装置に着脱可能に装着されるテープカセットであって、
前記装着されたテープ印刷装置に前記所定動作を許可するか否かを識別する識別手段を有することを特徴とするテープカセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2008−213462(P2008−213462A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285720(P2007−285720)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】