テープ心線保持部品およびテープ心線保持方法、並びに光ファイバテープ心線束
【課題】テープ心線保持部品の挿入損失をより一段と低減させる。
【解決手段】光ファイバテープ心線2を積層状態で収容可能な保持部品本体5と、保持部品本体5との間に光ファイバテープ心線2を挟み込み可能な蓋体6とを備え、蓋体6の内面に、光ファイバテープ心線2を押圧する押圧部18を有し、押圧部18と光ファイバテープ心線2の間に、押圧部からの押圧を分散する押圧分散板7を配置する。
【解決手段】光ファイバテープ心線2を積層状態で収容可能な保持部品本体5と、保持部品本体5との間に光ファイバテープ心線2を挟み込み可能な蓋体6とを備え、蓋体6の内面に、光ファイバテープ心線2を押圧する押圧部18を有し、押圧部18と光ファイバテープ心線2の間に、押圧部からの押圧を分散する押圧分散板7を配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の光ファイバテープ心線を保持するためのテープ心線保持部品およびそれを用いたテープ心線保持方法、並びに上記テープ心線保持部品で保持された複数の光ファイバテープ心線からなる光ファイバテープ心線束に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、光電気複合基板などの基板上に光路変換素子を先端に取り付けた光ファイバテープ心線を実装する際に、この光路変換素子を先端に取り付けた光ファイバテープ心線を保持する保持部品を用いることがある。この保持部品は、例えば、複数の光ファイバテープ心線を積層状態で収容する保持部品本体と、これに被せる蓋体とから構成され、収容された複数の光ファイバテープ心線を蓋体に設けた押圧部で押圧してずれないように保持することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の保持部品では、光ファイバテープ心線を保持するために蓋体の押圧部で押圧しており、この押圧によって挿入損失が少なからず生じてしまっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、保持部品の挿入損失をより一段と低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のテープ心線保持部品は、底部とその両側縁に立設された壁部とを有し、内側に複数の光ファイバテープ心線を収容する保持部品本体と、底部とその両側縁に立設された壁部とを有し、内側を互いに対向させるように前記保持部品本体に被せることで、前記複数の光ファイバテープ心線を前記保持部品本体との間に保持する蓋体と、前記蓋体と前記複数の光ファイバテープ心線の間に配置した、前記蓋体からの押圧を分散する押圧分散板とを備えるテープ心線保持部品である。
本発明のテープ心線保持部品は、前記押圧分散板および前記蓋体の少なくとも一方に、互いの相対的な移動を規制する規制構造を設けることができる。
前記押圧分散板は、前記蓋体に取り付け可能であることが好ましい。
前記押圧分散板は、押圧分散板本体と、その両側縁から立設する側板部を有し、前記蓋体に、前記押圧分散板の側板部を差し込み可能なスリットを設け、前記押圧分散板が前記スリットの縁に当たることで、前記押圧分散板および前記蓋体の相対的な移動が規制されることが好ましい。
本発明のテープ心線保持部品は、前記押圧分散板の側板部に係止部を設け、この係止部を前記蓋体に係止させて前記押圧分散板を前記蓋体に取り付け可能であることが好ましい。
前記押圧分散板の係止部は、塑性的に曲げ変形可能とすることができる。
前記押圧分散板の係止部は、弾性的に曲げ変形可能とすることができる。
前記押圧分散板は、前記蓋体に一体に連結されている構成とすることができる。
本発明のテープ心線保持方法は、底部とその両側縁に立設された壁部とを有する保持部品本体と、底部とその両側縁に立設された壁部とを有する蓋体と、を備えるテープ心線保持部品を用いた光ファイバテープ心線保持方法であって、前記保持部品本体の内側に複数の光ファイバテープ心線を収容し、前記蓋体からの押圧を分散する押圧分散板を前記蓋体と前記複数の光ファイバテープ心線の間に配置し、前記蓋体を内側を互いに対向させるように前記保持部品本体に被せることで、前記複数の光ファイバテープ心線を前記保持部品本体との間に保持させるステップを含むテープ心線保持方法である。
本発明のテープ心線保持方法は、前記複数の光ファイバテープ心線のそれぞれにゴムチューブを被せるステップをさらに含むことができる。
本発明のテープ心線保持方法は、前記押圧分散板を、最も蓋体側の光ファイバテープ心線と、これに被せたゴムチューブの間に配置するステップを含むことができる。
本発明の光ファイバテープ心線束は、前記テープ心線保持部品により保持された前記複数の光ファイバテープ心線からなる光ファイバテープ心線束である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、テープ心線保持部品の挿入損失をより一段と低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明のテープ心線保持部品の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】押圧分散板の変形前の状態を示す斜視図である。
【図3】押圧分散板の変形後の状態を示す斜視図である。
【図4】保持部品本体および蓋体を示す斜視図である。
【図5】テープ心線保持部品を示す縦断面図である。
【図6】蓋体が第1ラッチ構造で保持部品本体に装着されている状態のテープ心線保持部品を示す横断面図である。
【図7】蓋体が第2ラッチ構造で保持部品本体に装着されている状態のテープ心線保持部品を示す横断面図であり、(a)は第2ラッチ構造を示し、(b)は第1ラッチ構造を示す。
【図8】光ファイバテープ心線を保持したテープ心線保持部品を、装置台板に固定した状態を示す側面図である。
【図9】本発明のテープ心線保持部品の第2実施形態に用いられる押圧分散板を示す斜視図である。
【図10】第2実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図11】本発明のテープ心線保持部品の第3実施形態に用いられる押圧分散板を示す斜視図である。
【図12】第3実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図13】本発明のテープ心線保持部品の第4実施形態に用いられる蓋体および押圧分散板を示す側面図である。
【図14】第4実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図15】本発明のテープ心線保持部品の第5実施形態を示す斜視図である。
【図16】第5実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図17】本発明のテープ心線保持部品の第6実施形態に用いられる押圧分散板を示す斜視図である。
【図18】第6実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図19】第7実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図20】第8実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図21】第9実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図22】第10実施形態のテープ心線保持部品を示す図であり、(a)はテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図であり、(b)は、押圧分散板の端部の拡大断面図である。
【図23】保持部品本体の第1変形例の縦断面を示す模式図である。
【図24】保持部品本体の第2変形例の縦断面を示す模式図である。
【図25】保持部品本体の第3変形例の縦断面を示す模式図である。
【図26】押圧分散板を使用しないで光ファイバテープ心線を保持した状態を示す説明図である。
【図27】テープ心線保持部品を固定する保持部品固定具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1実施形態)
以下、本発明のテープ心線保持部品の第1実施形態について説明する。
図8に示すように、テープ心線保持部品1は、例えば、先端の光路変換素子3をテープ心線長さ方向に互いにずらして光電気複合基板29に装着した複数の光ファイバテープ心線2を積層状態で保持する。テープ心線保持部品1は、基板29を設けた装置台板31上の保持部品固定具32に固定される。
【0008】
なお、基板29に装着される光路変換素子3は、基板29に沿って配線されたテープ心線2と、基板29に表面実装された光素子(図示略)の間を、光路変換して光結合する。
符号4は、テープ心線2の他端に取り付けられた光コネクタである。符号33は保持部品固定具32のベース部であり、符号34はベース部33に被せられる蓋部である。
【0009】
図1〜図7は、テープ心線保持部品1を示す図であり、図1は、テープ心線保持部品1を示す斜視図である。図2および図3は、テープ心線保持部品1を構成する押圧分散板7を示す斜視図である。図4は、テープ心線保持部品1を構成する保持部品本体5および蓋体6を示す斜視図である。図5はテープ心線保持部品1の縦断面を示す模式図である。図6および図7はテープ心線保持部品1の横断面を示す模式図である。
【0010】
図1に示すように、テープ心線保持部品1は、後述するように複数のテープ心線2を積層状態で収容する保持部品本体5と、保持部品本体5に被せる蓋体6と、積層状態の複数のテープ心線2と蓋体6の間に配置される押圧分散板7とを備える。
保持部品本体5は、底部10と、幅方向の両側縁に立設された壁部11、11とを備え、内側にテープ心線2を収容できる。
【0011】
なお、以下の説明においては、図1に示すように、XYZ直交座標系を適宜用いて説明する。この座標系では、保持部品本体5に収容されて挿通したテープ心線2の挿通方向をY方向と、この挿通方向と直交する幅方向をX方向と、X及びY方向と直交する方向(テープ心線2の積層方向)をZ方向と、それぞれ定義する。
【0012】
保持部品本体5では、例えば、底部10は矩形板であり、その内面10bは平坦である。壁部11は、例えば、底部10に対して略垂直である。この保持部品本体5の構成材料としては、樹脂が好ましいが、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼などの金属も可能である。
【0013】
蓋体6は、底部13と、幅方向の両側縁に立設された壁部14、14を備える。蓋体6は、内側を互いに対向させるように保持部品本体5に被せられる。この蓋体6の構成材料としては、樹脂が好ましいが、特に限定されず、例えばステンレス鋼などの金属も可能である。
【0014】
蓋体6の壁部14と保持部品本体5の壁部11には、係合爪と係合凹所で互いに係合する2種類のラッチ構造16、17が設けられている。これらのラッチ構造16、17は、後述するように異なる段階で機能し、いわば2段階式のラッチ構造を構成している。
壁部11、11の両端部外面には、幅方向(X方向)に弾性的に曲げ変形可能な当接片11dが下方に延出して形成されており、当接片11dの先端部の外面には、後述する保持部品固定具32のポスト33bに当接する当接凸部11eが形成されている。
【0015】
図4および図5に示すように、蓋体6は保持部品本体5に収容された複数のテープ心線2を押圧する押圧部18を有している。
押圧部18は、底部13の一部を板バネ状にした構造である。すなわち、この押圧部18は、底部13の幅方向(X方向)の両側にスリット13aを設けて幅方向中間部分を両側部分から切り離すとともに、中間部分の断面形状を図5に示すように、中央が山部20でその両側が谷部21、22であり、さらに外側が山部21a、22cである波形にして、板バネ作用を奏するようにしている。なお、山部20の上面は、底部13の上面13bより低くなっている。
符号15は、底部13の両端部分である端壁部である。符号15a、15bは、底部13の両端からそれぞれ突出して形成された突出部である。
【0016】
図8に示すように、保持部品固定具32の蓋部34を保持部品固定具32のベース部33に例えばネジ止めすることで、蓋部34で蓋体6が押し下げられる。この結果、押圧部18が、積層したテープ心線2を弾性により大きな力で押圧して、しっかりと固定する。
この際、押圧分散板7が存在しなければ、押圧部18の谷部21、22の下面21d、22dが直接当接するため、最も蓋体側のテープ心線2(2A)の局所に大きな押圧力がかかる。これにより、最も蓋体側のテープ心線2Aだけでなく、それ以外のテープ心線2に対しても局所曲げが生じて、テープ心線保持部品1の挿入損失がやや大きくなる。
これに対して、図5〜図7に示すように、剛性を有する押圧分散板7を押圧部18と最も蓋体側のテープ心線2の間に配置すれば、押圧力を局所に集中させずに分散し、テープ心線2の局所曲げを抑えて、テープ心線保持部品1の挿入損失をより一段と低減することができる。
【0017】
押圧部18の下面21d、22d全体が押圧分散板本体26の上面26bに当接するため、押圧分散板本体26の挿通方向(Y方向)長さL1(図5参照)は、谷部21b、22b全体の両端の間の距離L2より大きくするのが好ましい。
押圧分散板本体26の幅方向(X方向)長さは、テープ心線2の幅方向(X方向)長さ以上にするのが好ましい。なお、押圧分散板7の長さには、蓋体6との間の相対的な移動可能分だけ余裕を持たせることが好ましい。
【0018】
押圧分散板本体26は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面26cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
この構成により、上述したように、押圧分散板本体26は、押圧部18からの局所的に大きい押圧力を分散させて、より均等な押圧力でテープ心線2を押圧できる。このような押圧分散板本体26の厚さは、例えば0.05mm〜0.5mmとするのが好ましい。
【0019】
押圧分散板7は、例えば、図2に示すように、矩形の平板状(または略平板状)の押圧分散板本体26と、その両側縁から立設する側板部27、27とを有する。この側板部27は、例えば、押圧分散板本体26に対し略垂直に形成される。図2の例ではさらに、側板部27に、係止脚部25(係止部)を設け、この係止脚部25を蓋体6に係止させることによって押圧分散板7が蓋体6に取り付け可能となっている。
図6の例では、側板部27は、蓋体6のスリット13aに差し込み可能である。
側板部27は、スリット13aの縁に当たることで、相対的な移動を規制されている。すなわち、側板部27と蓋体6(底部13)は、押圧分散板7と蓋体6の間の相対的な移動を規制する規制構造を有する。この規制構造によって、押圧分散板7の位置および姿勢を安定にすることができる。
【0020】
図2に示すように、係止脚部25は、両側板部27、27の上縁27a、27aにそれぞれ2つずつ形成されている。各側板部27の係止脚部25、25は、挿通方向(Y方向)に間隔をおいて、それぞれ谷部21、22に相当する位置に、内方に向けて塑性的に曲げ変形可能である。
図2は変形前の押圧分散板7の状態例を示し、図3は変形後の押圧分散板7の状態を示す。
各側板部27の係止脚部25、25を、それぞれ基端部25aで内方に折り曲げるだけで、谷部21、22に係止させることができる。このため、確実かつ容易に押圧分散板7を蓋体6に取り付けることができる。
なお、折り曲げられた係止脚部25、25が、谷部21、22の両側の山部に当たることで、相対的な移動を挿通方向で規制できる。この場合には、係止脚部25と押圧部18は押圧分散板7と蓋体6の互いの相対的な移動を規制する規制構造を構成する。
【0021】
図5に示すように、テープ心線2をテープ心線保持部品1によって保持するには、保持部品本体5の内側に複数のテープ心線2を積層状態で収容した後、押圧分散板7を、蓋体6とテープ心線2(最も蓋側のテープ心線2A)との間に配置する。
次いで、蓋体6を、内側を互いに対向させるように保持部品本体5に被せることで、複数のテープ心線2を保持部品本体5との間に保持させる。
テープ心線2には、それぞれにゴムチューブ35を被せておくことができる。
テープ心線保持部品1を使用することによって、これら複数のテープ心線2(光ファイバテープ心線束)を容易に取り扱うことができる。
【0022】
図1および図6に示すように、前記2段階のラッチ構造16、17のうちの第1のラッチ構造16は、保持部品本体5の両側の壁部11の外面11cの中央部に設けた係合爪11aと、蓋体6の両側の壁部14の中央部に設けた、前記係合爪11aが係合する係合凹所14aとからなっている。
この第1のラッチ構造16は、図6に示す係合状態で機能する第1段階のラッチ構造であり、この時、蓋体6の底面(天面)部13でもある押圧部18は、積層したテープ心線2を押圧しており、テープ心線2側から受ける反力で弾性変形するが、中央の山部20の弾性変形による力の逃げ場ができる。
なお、この第1段階のラッチ構造16による係合状態では、積層したテープ心線2をみだりに位置ずれしない程度に軽く押圧している。したがって、蓋体6がこのラッチ構造16で保持部品本体5に係合した状態で、テープ心線2の位置の調整を行うことができる。
【0023】
図1および図7(a)に示すように、前記第2のラッチ構造17は、前記第1のラッチ構造16の挿通方向両側に設けられており、それぞれ保持部品本体5の両側の壁部11の外面11cに設けた係合爪11bと、蓋体6の両側の壁部14に設けた、前記係合爪11bが係合する係合凹所14bとからなる。
この第2のラッチ構造17は、図6の状態から蓋体6をさらに押し下げた時に、図7(a)に示すような係合状態で機能する第2段階のラッチ構造である。
この状態は図8に示すように、保持部品固定具32の蓋部34を保持部品固定具32のベース部33にネジ止めなどして、蓋部34でテープ心線保持部品1の蓋体6をさらに押し下げた時であり、押圧部18が積層したテープ心線2をさらに大きい弾性力で押し下げて、しっかりと固定する。
図7(b)は、第2のラッチ構造17が機能しているときの第1のラッチ構造16の状態を示す図である。
【0024】
この実施形態では、図6、図7などに示すように各テープ心線2にゴムチューブ35を被せている。このゴムチューブ35は、テープ心線2どうしのすべり止め、及び、最も底部側又は最も蓋体側のテープ心線2と保持部品本体5の底部10又は蓋体6の押圧部18との間のすべり止めの作用をする。
図示例では、各テープ心線2のすべてにゴムチューブ35を被せているが、最も蓋体側及び最も底部側を除く中間のテープ心線2については、上下に隣接する一方のテープ心線2にゴムチューブ35が被せられていれば、すべり止めが有効に作用するので、ゴムチューブ35を被せるのを、1つおきに省略することができる。
なお、ゴムチューブに限らず、単なるゴムシートなどのゴム材をテープ心線間、及び、最も底部側のテープ心線と底部10との間、及び最も蓋体側のテープ心線と底部(天面部)13との間に介在させてもよい。
【0025】
製品出荷時には、蓋体6を深く押し込まずに、第1のラッチ構造16を係合状態にしておく。このときにテープ心線2はテープ心線保持部品1でみだりにずれないようには保持されているが、テープ心線2の位置の調整を行うことができる程度の緩い保持である。
図8および図27に示すように、ユーザーが積層テープ心線2を保持したこのテープ心線保持部品1を保持部品固定具32に固定するときは、各テープ心線保持部品1を保持部品固定具32のベース部33の保持部品設置部33aにセットする。
【0026】
図27に示すように、保持部品設置部33aは、ベース部33においてテープ心線保持部品1の長手方向両端の幅方向両側の位置に立設したポスト33bの間のスペースである。1つのテープ心線保持部品1を囲む4本のポスト33bは、幅方向については保持部品本体5の壁部11の両端部の幅方向移動を規制し、長手方向については蓋体6の壁部14の長さ方向両端部の長手方向移動を規制して、テープ心線保持部品1を位置決めする。
ポスト33bには、保持部品本体5の当接片11d(図1参照)の弾性力により当接凸部11eが押し当てられる。当接凸部11eとポスト33bとの間の摩擦によりテープ心線保持部品1の高さ方向(Z方向)の移動が規制されることによって、テープ心線保持部品1は保持部品設置部33aに安定に保持される。
【0027】
次いで、保持部品固定具32の蓋部34をベース部33の蓋固定部33c(図27参照)にネジ止めなどして、テープ心線保持部品1を保持部品固定具32に固定する。
この時、テープ心線保持部品1で保持された各テープ心線2に取り付けられた光コネクタ3は、基板29上の実装すべき位置に精度よく位置決めして設置することができる。
もし、光コネクタ3の位置が実装すべき位置からずれる場合は、第1段階のラッチ構造16はテープ心線2の調整が可能な程度の緩い係合なので、テープ心線保持部品1を保持部品固定具33から外して、第2段階のラッチ構造17を解除し第1段階のラッチ構造16は係合させた蓋体6付きのままで、積層したテープ心線2の位置の再調整をする。
【0028】
上記の通り、このテープ心線保持部品1によれば、単に蓋体6を被せる作業だけで、テープ心線2の保持を行うことができるので、テープ心線を積層保持する作業が容易である。
また、第2段階のラッチ構造17を解除し第1段階のラッチ構造16は係合させた蓋体6付きのままでテープ心線2の位置の再調整が可能なので、テープ心線の再調整作業が容易である。
従来の熱収縮チューブのように加熱作業が不要で作業が容易であり、かつ、蓋体が着脱可能でテープ心線の位置の再調整ができるので、製品出荷時に高精度に位置決めしておかなくても、ユーザー側が容易にかつ高精度の位置決めをしてテープ心線を積層保持することができる。
【0029】
この実施形態の押圧部18は、蓋体6の天面部13自体の形状を板バネ状にして構成したが、これに限らず、例えば、平坦な天面部の内面にゴムシートを貼り付けるなど、その他の手段を採用することができる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のテープ心線保持部品41について説明する。
以下に述べる各実施形態の説明では、既出の構成については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
図9は、テープ心線保持部品41の押圧分散板40を示す斜視図であり、図10は、テープ心線保持部品41の縦断面を示す模式図である。
この実施形態のテープ心線保持部品41は、押圧分散板7に代えて押圧分散板40を用いたこと以外は、図1に示すテープ心線保持部品1と同様の構成である。
【0031】
図9に示すように、押圧分散板40は、矩形の平板状の押圧分散板本体46と、押圧分散板本体46の側縁46aから押圧分散板本体46に対し略垂直に延出する側板部47と、側板部47の上縁47aに形成された係止爪部45とを有する。
押圧分散板本体46は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面46cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
【0032】
係止爪部45は、両側板部47、47の上縁47a、47aにそれぞれ2つずつ形成されている。
各側板部47の係止爪部45、45は、挿通方向(Y方向)に間隔をおいて、それぞれ谷部21、22に相当する位置に、内方に向けて押圧分散板本体46に近づきつつ傾斜して延出するように形成されている。
係止爪部45を谷部21、22に係止させることによって、押圧分散板40と蓋体6の挿通方向の相対的な移動を規制することができる。
【0033】
係止爪部45は弾性的に曲げ変形可能とすることができる。
この構成によれば、例えば押圧分散板40を押圧部18に下面側から取り付けるにあたって、係止爪部45は、折りたたみ方向に曲げ変形しつつ押圧部18を乗り越えた後に弾性力により復元し、押圧分散板40の移動を規制し得る状態となる。このため、押圧分散板40を取り付ける操作が容易になる。
【0034】
側板部47は、スリット13aに差し込み可能である。
図10に示す例では、側板部47は、その端縁47b(移動規制部)がスリット13a両端の縁13c(端壁部15の内面)に当接して挿通方向の移動が規制されるように形成されており、これによって、押圧分散板40の側板部47と、蓋体6の底部13とは、互いの相対的な移動を挿通方向(Y方向)で規制する規制構造を構成している。
この規制構造によって、押圧分散板40の位置および姿勢を安定にすることができる。
この押圧分散板40の構成材料としては、弾性的に曲げ変形可能な材料、すなわち例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂等を用いることができる。
【0035】
図10に示すように、押圧分散板本体46を蓋体6の押圧部18と最も蓋体側のテープ心線2(2A)の間に配置することによって、押圧部18による力が局所に集中せずに分散されてテープ心線2に与えられるため、テープ心線2の曲げ損失を抑制することができ、挿入損失をより一段と低減することができる。
【0036】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のテープ心線保持部品51について説明する。
図11は、テープ心線保持部品51の押圧分散板50を示す斜視図であり、図12は、テープ心線保持部品51の縦断面を示す模式図である。
この実施形態のテープ心線保持部品51は、押圧分散板7に代えて押圧分散板50を用いたこと以外は、図1に示すテープ心線保持部品1と同様の構成である。
【0037】
図11に示すように、押圧分散板50は、矩形の平板状の押圧分散板本体56と、押圧分散板本体56の側縁56aから押圧分散板本体56に対し略垂直に延出する側板部57と、側板部57の上縁57aに形成された係止爪部55とを有する。
押圧分散板本体56は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面56cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
係止爪部55は、図9および図10に示す係止爪部45と同様の構成であり、弾性的に曲げ変形可能とされ、内方に向けて押圧分散板本体56に近づきつつ傾斜して延出して形成されており、両側板部57、57の上縁57a、57aにそれぞれ2つずつ形成されている。
図12に示すように、係止爪部55は、谷部21、22に係止させることによって、押圧分散板50と蓋体6の挿通方向の相対的な移動を規制することができる。
【0038】
この押圧分散板50は、図9および図10に示す押圧分散板40に比べ、押圧分散板本体56が挿通方向に長く形成されている。
このため、挿通方向の位置ずれが生じた場合でもテープ心線2を確実に保持できる。
押圧分散板50の構成材料としては、弾性的に曲げ変形可能な材料、すなわち例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂等を用いることができる。
【0039】
図12に示すように、押圧分散板本体56を蓋体6の押圧部18と最も蓋体側のテープ心線2(2A)の間に配置することによって、押圧部18による力が局所に集中せずに分散されてテープ心線2に与えられるため、テープ心線2の曲げ損失を抑制することができ、挿入損失をより一段と低減することができる。
【0040】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態のテープ心線保持部品61について説明する。
図13は、テープ心線保持部品61の蓋体67およびこれに一体に連結されて蓋体67の一端部から延出する未変形状態の押圧分散板60を模式的に示す図であり、図14は、テープ心線保持部品61の縦断面を示す模式図である。
この実施形態のテープ心線保持部品61は、蓋体6および押圧分散板7に代えて、蓋体67および押圧分散板60を用いたこと以外は、図1に示すテープ心線保持部品1と同様の構成である。
【0041】
蓋体67は、押圧部18に代えて、1つの谷部62を有する押圧部63が用いられていること以外は図1に示すテープ心線保持部品1の蓋体6と同じ構成である。
谷部62は、谷部62bの一端側および他端側にそれぞれ山部62a、62cを形成した構成であり、第1実施形態における押圧部18と同様に板バネ作用を奏する。
【0042】
図13に示すように、押圧分散板60は、略一定幅の薄い長板状とすることができ、底部13の一方の端部から延出している。押圧分散板60は、蓋体67に一体に形成されており、曲げ変形可能とされている。
図14に示すように、押圧分散板60は、基端付近の曲げ部65で下方に曲げて谷部62bの下面62dに重ね合わせて配置できる。
この図に示す状態では、押圧分散板60の曲げ部65以外の部分は、平板状の押圧分散板本体66とされている。押圧分散板本体66は、押圧部63からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面66cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
押圧分散板本体66を蓋体6の押圧部63と最も蓋体側のテープ心線2(2A)の間に配置することによって、押圧部63による力が局所に集中せずに分散されてテープ心線2に与えられるため、テープ心線2の曲げ損失を抑制することができ、挿入損失をより一段と低減することができる。
【0043】
この押圧分散板60は、蓋体67に一体に形成されているため、部品点数を少なくし、組み立て工数を削減することにより製造を容易にし、しかも低コスト化を図ることができる。
この押圧分散板64の構成材料としては、曲げ変形可能な材料、すなわち例えば、ステンレス鋼等の金属や、樹脂等を用いることができる。
【0044】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態のテープ心線保持部品71について説明する。
図15は、テープ心線保持部品71を示す斜視図であり、図16は、テープ心線保持部品51の縦断面を示す模式図である。
この実施形態のテープ心線保持部品71は、押圧分散板7に代えて押圧分散板70を用いたこと以外は、図1に示すテープ心線保持部品1と同様の構成である。
押圧分散板70は、矩形の平板状の押圧分散板本体76と、押圧分散板本体76から延出する係止脚部75(係止部)とを備えている。
押圧分散板本体76は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面76cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
【0045】
図15に示すように、係止脚部75は、押圧分散板本体76の両端縁76a、76aにそれぞれ2つずつ形成されている。
各端縁76aの係止脚部75、75は、幅方向(X方向)に間隔をおいて形成されており、スリット13aを通って上方に延出し、端壁部15に係止し、これにより押圧分散板70を押圧部18に対して位置決めできる。
係止脚部75は、塑性的に曲げ変形可能であり、曲げ成形して端壁部15に係止させることにより蓋体6に取り付けできる。このため、容易な操作で、確実に押圧分散板70を蓋体6に取付けできる。
押圧分散板70の構成材料としては、曲げ変形可能な材料、すなわち例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂等を用いることができる。
【0046】
押圧分散板本体76を蓋体6の押圧部18と最も蓋体側のテープ心線2(2A)の間に配置することによって、押圧部18による力が局所に集中せずに分散されてテープ心線2に与えられるため、テープ心線2の曲げ損失を抑制することができ、挿入損失をより一段と低減することができる。
【0047】
(第6実施形態)
図17は、第6実施形態のテープ心線保持部品81の押圧分散板80を示す斜視図であり、図18は、テープ心線保持部品81の縦断面を示す模式図である。
押圧分散板80は、矩形の平板状に形成された押圧分散板本体86からなる。
押圧分散板本体86は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面86cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
この押圧分散板80の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂、セラミック等を用いることができる。
この実施形態では、押圧分散板80が簡単な構成であるため、低コスト化を図ることができる。
【0048】
(第7実施形態)
図19は、第7実施形態のテープ心線保持部品91の縦断面を示す模式図である。
テープ心線保持部品91に用いられる押圧分散板90は、矩形の平板状に形成された押圧分散板本体96と、その挿通方向の両端部の端部湾曲部96aを有する。端部湾曲部96aは上方(保持部品本体5から離れる方向)に湾曲して形成されている。
押圧分散板本体96は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面96cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
この構成により、押圧分散板90の端部によりテープ心線2に局所的な曲げが加えられるのを防止できる。
この押圧分散板90の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂等を用いることができる。
【0049】
(第8実施形態)
図20は、第8実施形態のテープ心線保持部品101の縦断面を示す模式図である。
テープ心線保持部品101に用いられる押圧分散板100は、矩形の平板状に形成された押圧分散板本体106と、その挿通方向の両端部の係止部105とを備えている。
押圧分散板本体106は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面106cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
係止部105は、押圧分散板本体106の両端から上方に曲げられ、蓋体6の突出部15a、15bに外方から巻き付けられるように係止している。なお、係止部105の係止位置は、図示例に限らず、底部(天面部)13のいずれの位置であってもよい。
押圧分散板100の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂等を用いることができる。
【0050】
(第9実施形態)
前記各第実施形態では、押圧分散板の押圧分散板本体はテープ心線のゴムチューブ外面に配置されているが、本発明では、押圧分散板本体をゴムチューブとテープ心線との間に配置してもよい。
図21は、第9実施形態のテープ心線保持部品141の縦断面を示す模式図である。
テープ心線保持部品141は、押圧分散板80が、最も蓋体側のテープ心線2Aと、このテープ心線2Aに被せられたゴムチューブ35との間に配置されている点で図17のテープ心線保持部品81と異なる。
【0051】
テープ心線保持部品141を用いてテープ心線2を保持するには、保持部品本体5に収容したテープ心線2のうち最も蓋側のテープ心線2(2A)と、これに被せたゴムチューブ35との間に押圧分散板80を配置した後、蓋体6を保持部品本体5に被せる。
【0052】
(第10実施形態)
図22は、第10実施形態のテープ心線保持部品151を示す図であり、(a)はテープ心線保持部品151の縦断面を示す模式図であり、(b)は、押圧分散板150の端部86aの拡大断面図である。
テープ心線保持部品151の押圧分散板150は、押圧分散板本体86の挿通方向の両端部86aの下面86c(テープ心線2側の面)が、先端に向かうほどテープ心線2から離れるように丸みを帯びて形成されている。図示例の両端部86aの下面86cは断面が円弧状に湾曲した形状となっている。
この構成により、押圧分散板150の端部によりテープ心線2に局所的な曲げが加えられるのを防止できる。
【0053】
図23〜図25は、蓋体の押圧部の変形例を示すもので、図23に示す蓋体116の押圧部110は、端壁部15からそれぞれ延出する延出部111、112からなる。
延出部111は一端側の端壁部15から他端方向(図23の右方)に下降しつつ延出する山部111aと、山部111aの下端から他端方向に水平に延出する谷部111bとからなる。
延出部112は他端側の端壁部15から一端方向(図23の左方)に下降しつつ延出する山部112aと、山部112aの下端から一端方向に水平に延出する谷部112bとからなる。
【0054】
図24に示す蓋体126の押圧部63は1つの谷部62を有し、この谷部62は、谷部62b(底部)の一端側および他端側にそれぞれ山部62a、62cを形成した構成である。
【0055】
図25に示す蓋体136の押圧部131は、一端側の端壁部15から他端方向(図25の右方)に下降しつつ延出する山部131aと、山部131aの下端から他端方向に水平に延出する谷部131bとからなる。
【0056】
なお、本発明のテープ心線保持部品は、1本のテープ心線を保持する場合にも適用できる。
また、本発明のテープ心線保持部品は、装置台板に固定される保持部品固定用の保持部品固定具に固定されるものに限定されない。
【符号の説明】
【0057】
1、41、51、61、71、81、91、101、141、151・・・テープ心線保持部品、2・・・テープ心線(光ファイバテープ心線)、2A・・・最も蓋体側のテープ心線(光ファイバテープ心線)、5・・・保持部品本体、6、67、116、126、136・・・蓋体、7、40、50、60、70、80、90、100・・・押圧分散板、10・・・保持部品本体の底部、11・・・保持部品本体の壁部、13・・・蓋体の底部、13a・・・スリット、13c・・・スリットの縁、14・・・蓋体の壁部、18、63、110、131・・・押圧部、21d、22d・・・押圧部の下面(蓋体の押圧面)、25、75・・・係止脚部(係止部)、26、46、56、66、76、86、96、106、・・・押圧分散板本体、45、55・・・係止爪部(係止部)、47、57・・・側板部、47b・・・端縁(移動規制部)、105・・・係止部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の光ファイバテープ心線を保持するためのテープ心線保持部品およびそれを用いたテープ心線保持方法、並びに上記テープ心線保持部品で保持された複数の光ファイバテープ心線からなる光ファイバテープ心線束に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、光電気複合基板などの基板上に光路変換素子を先端に取り付けた光ファイバテープ心線を実装する際に、この光路変換素子を先端に取り付けた光ファイバテープ心線を保持する保持部品を用いることがある。この保持部品は、例えば、複数の光ファイバテープ心線を積層状態で収容する保持部品本体と、これに被せる蓋体とから構成され、収容された複数の光ファイバテープ心線を蓋体に設けた押圧部で押圧してずれないように保持することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の保持部品では、光ファイバテープ心線を保持するために蓋体の押圧部で押圧しており、この押圧によって挿入損失が少なからず生じてしまっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、保持部品の挿入損失をより一段と低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のテープ心線保持部品は、底部とその両側縁に立設された壁部とを有し、内側に複数の光ファイバテープ心線を収容する保持部品本体と、底部とその両側縁に立設された壁部とを有し、内側を互いに対向させるように前記保持部品本体に被せることで、前記複数の光ファイバテープ心線を前記保持部品本体との間に保持する蓋体と、前記蓋体と前記複数の光ファイバテープ心線の間に配置した、前記蓋体からの押圧を分散する押圧分散板とを備えるテープ心線保持部品である。
本発明のテープ心線保持部品は、前記押圧分散板および前記蓋体の少なくとも一方に、互いの相対的な移動を規制する規制構造を設けることができる。
前記押圧分散板は、前記蓋体に取り付け可能であることが好ましい。
前記押圧分散板は、押圧分散板本体と、その両側縁から立設する側板部を有し、前記蓋体に、前記押圧分散板の側板部を差し込み可能なスリットを設け、前記押圧分散板が前記スリットの縁に当たることで、前記押圧分散板および前記蓋体の相対的な移動が規制されることが好ましい。
本発明のテープ心線保持部品は、前記押圧分散板の側板部に係止部を設け、この係止部を前記蓋体に係止させて前記押圧分散板を前記蓋体に取り付け可能であることが好ましい。
前記押圧分散板の係止部は、塑性的に曲げ変形可能とすることができる。
前記押圧分散板の係止部は、弾性的に曲げ変形可能とすることができる。
前記押圧分散板は、前記蓋体に一体に連結されている構成とすることができる。
本発明のテープ心線保持方法は、底部とその両側縁に立設された壁部とを有する保持部品本体と、底部とその両側縁に立設された壁部とを有する蓋体と、を備えるテープ心線保持部品を用いた光ファイバテープ心線保持方法であって、前記保持部品本体の内側に複数の光ファイバテープ心線を収容し、前記蓋体からの押圧を分散する押圧分散板を前記蓋体と前記複数の光ファイバテープ心線の間に配置し、前記蓋体を内側を互いに対向させるように前記保持部品本体に被せることで、前記複数の光ファイバテープ心線を前記保持部品本体との間に保持させるステップを含むテープ心線保持方法である。
本発明のテープ心線保持方法は、前記複数の光ファイバテープ心線のそれぞれにゴムチューブを被せるステップをさらに含むことができる。
本発明のテープ心線保持方法は、前記押圧分散板を、最も蓋体側の光ファイバテープ心線と、これに被せたゴムチューブの間に配置するステップを含むことができる。
本発明の光ファイバテープ心線束は、前記テープ心線保持部品により保持された前記複数の光ファイバテープ心線からなる光ファイバテープ心線束である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、テープ心線保持部品の挿入損失をより一段と低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明のテープ心線保持部品の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】押圧分散板の変形前の状態を示す斜視図である。
【図3】押圧分散板の変形後の状態を示す斜視図である。
【図4】保持部品本体および蓋体を示す斜視図である。
【図5】テープ心線保持部品を示す縦断面図である。
【図6】蓋体が第1ラッチ構造で保持部品本体に装着されている状態のテープ心線保持部品を示す横断面図である。
【図7】蓋体が第2ラッチ構造で保持部品本体に装着されている状態のテープ心線保持部品を示す横断面図であり、(a)は第2ラッチ構造を示し、(b)は第1ラッチ構造を示す。
【図8】光ファイバテープ心線を保持したテープ心線保持部品を、装置台板に固定した状態を示す側面図である。
【図9】本発明のテープ心線保持部品の第2実施形態に用いられる押圧分散板を示す斜視図である。
【図10】第2実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図11】本発明のテープ心線保持部品の第3実施形態に用いられる押圧分散板を示す斜視図である。
【図12】第3実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図13】本発明のテープ心線保持部品の第4実施形態に用いられる蓋体および押圧分散板を示す側面図である。
【図14】第4実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図15】本発明のテープ心線保持部品の第5実施形態を示す斜視図である。
【図16】第5実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図17】本発明のテープ心線保持部品の第6実施形態に用いられる押圧分散板を示す斜視図である。
【図18】第6実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図19】第7実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図20】第8実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図21】第9実施形態のテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図である。
【図22】第10実施形態のテープ心線保持部品を示す図であり、(a)はテープ心線保持部品の縦断面を示す模式図であり、(b)は、押圧分散板の端部の拡大断面図である。
【図23】保持部品本体の第1変形例の縦断面を示す模式図である。
【図24】保持部品本体の第2変形例の縦断面を示す模式図である。
【図25】保持部品本体の第3変形例の縦断面を示す模式図である。
【図26】押圧分散板を使用しないで光ファイバテープ心線を保持した状態を示す説明図である。
【図27】テープ心線保持部品を固定する保持部品固定具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1実施形態)
以下、本発明のテープ心線保持部品の第1実施形態について説明する。
図8に示すように、テープ心線保持部品1は、例えば、先端の光路変換素子3をテープ心線長さ方向に互いにずらして光電気複合基板29に装着した複数の光ファイバテープ心線2を積層状態で保持する。テープ心線保持部品1は、基板29を設けた装置台板31上の保持部品固定具32に固定される。
【0008】
なお、基板29に装着される光路変換素子3は、基板29に沿って配線されたテープ心線2と、基板29に表面実装された光素子(図示略)の間を、光路変換して光結合する。
符号4は、テープ心線2の他端に取り付けられた光コネクタである。符号33は保持部品固定具32のベース部であり、符号34はベース部33に被せられる蓋部である。
【0009】
図1〜図7は、テープ心線保持部品1を示す図であり、図1は、テープ心線保持部品1を示す斜視図である。図2および図3は、テープ心線保持部品1を構成する押圧分散板7を示す斜視図である。図4は、テープ心線保持部品1を構成する保持部品本体5および蓋体6を示す斜視図である。図5はテープ心線保持部品1の縦断面を示す模式図である。図6および図7はテープ心線保持部品1の横断面を示す模式図である。
【0010】
図1に示すように、テープ心線保持部品1は、後述するように複数のテープ心線2を積層状態で収容する保持部品本体5と、保持部品本体5に被せる蓋体6と、積層状態の複数のテープ心線2と蓋体6の間に配置される押圧分散板7とを備える。
保持部品本体5は、底部10と、幅方向の両側縁に立設された壁部11、11とを備え、内側にテープ心線2を収容できる。
【0011】
なお、以下の説明においては、図1に示すように、XYZ直交座標系を適宜用いて説明する。この座標系では、保持部品本体5に収容されて挿通したテープ心線2の挿通方向をY方向と、この挿通方向と直交する幅方向をX方向と、X及びY方向と直交する方向(テープ心線2の積層方向)をZ方向と、それぞれ定義する。
【0012】
保持部品本体5では、例えば、底部10は矩形板であり、その内面10bは平坦である。壁部11は、例えば、底部10に対して略垂直である。この保持部品本体5の構成材料としては、樹脂が好ましいが、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼などの金属も可能である。
【0013】
蓋体6は、底部13と、幅方向の両側縁に立設された壁部14、14を備える。蓋体6は、内側を互いに対向させるように保持部品本体5に被せられる。この蓋体6の構成材料としては、樹脂が好ましいが、特に限定されず、例えばステンレス鋼などの金属も可能である。
【0014】
蓋体6の壁部14と保持部品本体5の壁部11には、係合爪と係合凹所で互いに係合する2種類のラッチ構造16、17が設けられている。これらのラッチ構造16、17は、後述するように異なる段階で機能し、いわば2段階式のラッチ構造を構成している。
壁部11、11の両端部外面には、幅方向(X方向)に弾性的に曲げ変形可能な当接片11dが下方に延出して形成されており、当接片11dの先端部の外面には、後述する保持部品固定具32のポスト33bに当接する当接凸部11eが形成されている。
【0015】
図4および図5に示すように、蓋体6は保持部品本体5に収容された複数のテープ心線2を押圧する押圧部18を有している。
押圧部18は、底部13の一部を板バネ状にした構造である。すなわち、この押圧部18は、底部13の幅方向(X方向)の両側にスリット13aを設けて幅方向中間部分を両側部分から切り離すとともに、中間部分の断面形状を図5に示すように、中央が山部20でその両側が谷部21、22であり、さらに外側が山部21a、22cである波形にして、板バネ作用を奏するようにしている。なお、山部20の上面は、底部13の上面13bより低くなっている。
符号15は、底部13の両端部分である端壁部である。符号15a、15bは、底部13の両端からそれぞれ突出して形成された突出部である。
【0016】
図8に示すように、保持部品固定具32の蓋部34を保持部品固定具32のベース部33に例えばネジ止めすることで、蓋部34で蓋体6が押し下げられる。この結果、押圧部18が、積層したテープ心線2を弾性により大きな力で押圧して、しっかりと固定する。
この際、押圧分散板7が存在しなければ、押圧部18の谷部21、22の下面21d、22dが直接当接するため、最も蓋体側のテープ心線2(2A)の局所に大きな押圧力がかかる。これにより、最も蓋体側のテープ心線2Aだけでなく、それ以外のテープ心線2に対しても局所曲げが生じて、テープ心線保持部品1の挿入損失がやや大きくなる。
これに対して、図5〜図7に示すように、剛性を有する押圧分散板7を押圧部18と最も蓋体側のテープ心線2の間に配置すれば、押圧力を局所に集中させずに分散し、テープ心線2の局所曲げを抑えて、テープ心線保持部品1の挿入損失をより一段と低減することができる。
【0017】
押圧部18の下面21d、22d全体が押圧分散板本体26の上面26bに当接するため、押圧分散板本体26の挿通方向(Y方向)長さL1(図5参照)は、谷部21b、22b全体の両端の間の距離L2より大きくするのが好ましい。
押圧分散板本体26の幅方向(X方向)長さは、テープ心線2の幅方向(X方向)長さ以上にするのが好ましい。なお、押圧分散板7の長さには、蓋体6との間の相対的な移動可能分だけ余裕を持たせることが好ましい。
【0018】
押圧分散板本体26は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面26cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
この構成により、上述したように、押圧分散板本体26は、押圧部18からの局所的に大きい押圧力を分散させて、より均等な押圧力でテープ心線2を押圧できる。このような押圧分散板本体26の厚さは、例えば0.05mm〜0.5mmとするのが好ましい。
【0019】
押圧分散板7は、例えば、図2に示すように、矩形の平板状(または略平板状)の押圧分散板本体26と、その両側縁から立設する側板部27、27とを有する。この側板部27は、例えば、押圧分散板本体26に対し略垂直に形成される。図2の例ではさらに、側板部27に、係止脚部25(係止部)を設け、この係止脚部25を蓋体6に係止させることによって押圧分散板7が蓋体6に取り付け可能となっている。
図6の例では、側板部27は、蓋体6のスリット13aに差し込み可能である。
側板部27は、スリット13aの縁に当たることで、相対的な移動を規制されている。すなわち、側板部27と蓋体6(底部13)は、押圧分散板7と蓋体6の間の相対的な移動を規制する規制構造を有する。この規制構造によって、押圧分散板7の位置および姿勢を安定にすることができる。
【0020】
図2に示すように、係止脚部25は、両側板部27、27の上縁27a、27aにそれぞれ2つずつ形成されている。各側板部27の係止脚部25、25は、挿通方向(Y方向)に間隔をおいて、それぞれ谷部21、22に相当する位置に、内方に向けて塑性的に曲げ変形可能である。
図2は変形前の押圧分散板7の状態例を示し、図3は変形後の押圧分散板7の状態を示す。
各側板部27の係止脚部25、25を、それぞれ基端部25aで内方に折り曲げるだけで、谷部21、22に係止させることができる。このため、確実かつ容易に押圧分散板7を蓋体6に取り付けることができる。
なお、折り曲げられた係止脚部25、25が、谷部21、22の両側の山部に当たることで、相対的な移動を挿通方向で規制できる。この場合には、係止脚部25と押圧部18は押圧分散板7と蓋体6の互いの相対的な移動を規制する規制構造を構成する。
【0021】
図5に示すように、テープ心線2をテープ心線保持部品1によって保持するには、保持部品本体5の内側に複数のテープ心線2を積層状態で収容した後、押圧分散板7を、蓋体6とテープ心線2(最も蓋側のテープ心線2A)との間に配置する。
次いで、蓋体6を、内側を互いに対向させるように保持部品本体5に被せることで、複数のテープ心線2を保持部品本体5との間に保持させる。
テープ心線2には、それぞれにゴムチューブ35を被せておくことができる。
テープ心線保持部品1を使用することによって、これら複数のテープ心線2(光ファイバテープ心線束)を容易に取り扱うことができる。
【0022】
図1および図6に示すように、前記2段階のラッチ構造16、17のうちの第1のラッチ構造16は、保持部品本体5の両側の壁部11の外面11cの中央部に設けた係合爪11aと、蓋体6の両側の壁部14の中央部に設けた、前記係合爪11aが係合する係合凹所14aとからなっている。
この第1のラッチ構造16は、図6に示す係合状態で機能する第1段階のラッチ構造であり、この時、蓋体6の底面(天面)部13でもある押圧部18は、積層したテープ心線2を押圧しており、テープ心線2側から受ける反力で弾性変形するが、中央の山部20の弾性変形による力の逃げ場ができる。
なお、この第1段階のラッチ構造16による係合状態では、積層したテープ心線2をみだりに位置ずれしない程度に軽く押圧している。したがって、蓋体6がこのラッチ構造16で保持部品本体5に係合した状態で、テープ心線2の位置の調整を行うことができる。
【0023】
図1および図7(a)に示すように、前記第2のラッチ構造17は、前記第1のラッチ構造16の挿通方向両側に設けられており、それぞれ保持部品本体5の両側の壁部11の外面11cに設けた係合爪11bと、蓋体6の両側の壁部14に設けた、前記係合爪11bが係合する係合凹所14bとからなる。
この第2のラッチ構造17は、図6の状態から蓋体6をさらに押し下げた時に、図7(a)に示すような係合状態で機能する第2段階のラッチ構造である。
この状態は図8に示すように、保持部品固定具32の蓋部34を保持部品固定具32のベース部33にネジ止めなどして、蓋部34でテープ心線保持部品1の蓋体6をさらに押し下げた時であり、押圧部18が積層したテープ心線2をさらに大きい弾性力で押し下げて、しっかりと固定する。
図7(b)は、第2のラッチ構造17が機能しているときの第1のラッチ構造16の状態を示す図である。
【0024】
この実施形態では、図6、図7などに示すように各テープ心線2にゴムチューブ35を被せている。このゴムチューブ35は、テープ心線2どうしのすべり止め、及び、最も底部側又は最も蓋体側のテープ心線2と保持部品本体5の底部10又は蓋体6の押圧部18との間のすべり止めの作用をする。
図示例では、各テープ心線2のすべてにゴムチューブ35を被せているが、最も蓋体側及び最も底部側を除く中間のテープ心線2については、上下に隣接する一方のテープ心線2にゴムチューブ35が被せられていれば、すべり止めが有効に作用するので、ゴムチューブ35を被せるのを、1つおきに省略することができる。
なお、ゴムチューブに限らず、単なるゴムシートなどのゴム材をテープ心線間、及び、最も底部側のテープ心線と底部10との間、及び最も蓋体側のテープ心線と底部(天面部)13との間に介在させてもよい。
【0025】
製品出荷時には、蓋体6を深く押し込まずに、第1のラッチ構造16を係合状態にしておく。このときにテープ心線2はテープ心線保持部品1でみだりにずれないようには保持されているが、テープ心線2の位置の調整を行うことができる程度の緩い保持である。
図8および図27に示すように、ユーザーが積層テープ心線2を保持したこのテープ心線保持部品1を保持部品固定具32に固定するときは、各テープ心線保持部品1を保持部品固定具32のベース部33の保持部品設置部33aにセットする。
【0026】
図27に示すように、保持部品設置部33aは、ベース部33においてテープ心線保持部品1の長手方向両端の幅方向両側の位置に立設したポスト33bの間のスペースである。1つのテープ心線保持部品1を囲む4本のポスト33bは、幅方向については保持部品本体5の壁部11の両端部の幅方向移動を規制し、長手方向については蓋体6の壁部14の長さ方向両端部の長手方向移動を規制して、テープ心線保持部品1を位置決めする。
ポスト33bには、保持部品本体5の当接片11d(図1参照)の弾性力により当接凸部11eが押し当てられる。当接凸部11eとポスト33bとの間の摩擦によりテープ心線保持部品1の高さ方向(Z方向)の移動が規制されることによって、テープ心線保持部品1は保持部品設置部33aに安定に保持される。
【0027】
次いで、保持部品固定具32の蓋部34をベース部33の蓋固定部33c(図27参照)にネジ止めなどして、テープ心線保持部品1を保持部品固定具32に固定する。
この時、テープ心線保持部品1で保持された各テープ心線2に取り付けられた光コネクタ3は、基板29上の実装すべき位置に精度よく位置決めして設置することができる。
もし、光コネクタ3の位置が実装すべき位置からずれる場合は、第1段階のラッチ構造16はテープ心線2の調整が可能な程度の緩い係合なので、テープ心線保持部品1を保持部品固定具33から外して、第2段階のラッチ構造17を解除し第1段階のラッチ構造16は係合させた蓋体6付きのままで、積層したテープ心線2の位置の再調整をする。
【0028】
上記の通り、このテープ心線保持部品1によれば、単に蓋体6を被せる作業だけで、テープ心線2の保持を行うことができるので、テープ心線を積層保持する作業が容易である。
また、第2段階のラッチ構造17を解除し第1段階のラッチ構造16は係合させた蓋体6付きのままでテープ心線2の位置の再調整が可能なので、テープ心線の再調整作業が容易である。
従来の熱収縮チューブのように加熱作業が不要で作業が容易であり、かつ、蓋体が着脱可能でテープ心線の位置の再調整ができるので、製品出荷時に高精度に位置決めしておかなくても、ユーザー側が容易にかつ高精度の位置決めをしてテープ心線を積層保持することができる。
【0029】
この実施形態の押圧部18は、蓋体6の天面部13自体の形状を板バネ状にして構成したが、これに限らず、例えば、平坦な天面部の内面にゴムシートを貼り付けるなど、その他の手段を採用することができる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のテープ心線保持部品41について説明する。
以下に述べる各実施形態の説明では、既出の構成については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
図9は、テープ心線保持部品41の押圧分散板40を示す斜視図であり、図10は、テープ心線保持部品41の縦断面を示す模式図である。
この実施形態のテープ心線保持部品41は、押圧分散板7に代えて押圧分散板40を用いたこと以外は、図1に示すテープ心線保持部品1と同様の構成である。
【0031】
図9に示すように、押圧分散板40は、矩形の平板状の押圧分散板本体46と、押圧分散板本体46の側縁46aから押圧分散板本体46に対し略垂直に延出する側板部47と、側板部47の上縁47aに形成された係止爪部45とを有する。
押圧分散板本体46は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面46cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
【0032】
係止爪部45は、両側板部47、47の上縁47a、47aにそれぞれ2つずつ形成されている。
各側板部47の係止爪部45、45は、挿通方向(Y方向)に間隔をおいて、それぞれ谷部21、22に相当する位置に、内方に向けて押圧分散板本体46に近づきつつ傾斜して延出するように形成されている。
係止爪部45を谷部21、22に係止させることによって、押圧分散板40と蓋体6の挿通方向の相対的な移動を規制することができる。
【0033】
係止爪部45は弾性的に曲げ変形可能とすることができる。
この構成によれば、例えば押圧分散板40を押圧部18に下面側から取り付けるにあたって、係止爪部45は、折りたたみ方向に曲げ変形しつつ押圧部18を乗り越えた後に弾性力により復元し、押圧分散板40の移動を規制し得る状態となる。このため、押圧分散板40を取り付ける操作が容易になる。
【0034】
側板部47は、スリット13aに差し込み可能である。
図10に示す例では、側板部47は、その端縁47b(移動規制部)がスリット13a両端の縁13c(端壁部15の内面)に当接して挿通方向の移動が規制されるように形成されており、これによって、押圧分散板40の側板部47と、蓋体6の底部13とは、互いの相対的な移動を挿通方向(Y方向)で規制する規制構造を構成している。
この規制構造によって、押圧分散板40の位置および姿勢を安定にすることができる。
この押圧分散板40の構成材料としては、弾性的に曲げ変形可能な材料、すなわち例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂等を用いることができる。
【0035】
図10に示すように、押圧分散板本体46を蓋体6の押圧部18と最も蓋体側のテープ心線2(2A)の間に配置することによって、押圧部18による力が局所に集中せずに分散されてテープ心線2に与えられるため、テープ心線2の曲げ損失を抑制することができ、挿入損失をより一段と低減することができる。
【0036】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のテープ心線保持部品51について説明する。
図11は、テープ心線保持部品51の押圧分散板50を示す斜視図であり、図12は、テープ心線保持部品51の縦断面を示す模式図である。
この実施形態のテープ心線保持部品51は、押圧分散板7に代えて押圧分散板50を用いたこと以外は、図1に示すテープ心線保持部品1と同様の構成である。
【0037】
図11に示すように、押圧分散板50は、矩形の平板状の押圧分散板本体56と、押圧分散板本体56の側縁56aから押圧分散板本体56に対し略垂直に延出する側板部57と、側板部57の上縁57aに形成された係止爪部55とを有する。
押圧分散板本体56は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面56cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
係止爪部55は、図9および図10に示す係止爪部45と同様の構成であり、弾性的に曲げ変形可能とされ、内方に向けて押圧分散板本体56に近づきつつ傾斜して延出して形成されており、両側板部57、57の上縁57a、57aにそれぞれ2つずつ形成されている。
図12に示すように、係止爪部55は、谷部21、22に係止させることによって、押圧分散板50と蓋体6の挿通方向の相対的な移動を規制することができる。
【0038】
この押圧分散板50は、図9および図10に示す押圧分散板40に比べ、押圧分散板本体56が挿通方向に長く形成されている。
このため、挿通方向の位置ずれが生じた場合でもテープ心線2を確実に保持できる。
押圧分散板50の構成材料としては、弾性的に曲げ変形可能な材料、すなわち例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂等を用いることができる。
【0039】
図12に示すように、押圧分散板本体56を蓋体6の押圧部18と最も蓋体側のテープ心線2(2A)の間に配置することによって、押圧部18による力が局所に集中せずに分散されてテープ心線2に与えられるため、テープ心線2の曲げ損失を抑制することができ、挿入損失をより一段と低減することができる。
【0040】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態のテープ心線保持部品61について説明する。
図13は、テープ心線保持部品61の蓋体67およびこれに一体に連結されて蓋体67の一端部から延出する未変形状態の押圧分散板60を模式的に示す図であり、図14は、テープ心線保持部品61の縦断面を示す模式図である。
この実施形態のテープ心線保持部品61は、蓋体6および押圧分散板7に代えて、蓋体67および押圧分散板60を用いたこと以外は、図1に示すテープ心線保持部品1と同様の構成である。
【0041】
蓋体67は、押圧部18に代えて、1つの谷部62を有する押圧部63が用いられていること以外は図1に示すテープ心線保持部品1の蓋体6と同じ構成である。
谷部62は、谷部62bの一端側および他端側にそれぞれ山部62a、62cを形成した構成であり、第1実施形態における押圧部18と同様に板バネ作用を奏する。
【0042】
図13に示すように、押圧分散板60は、略一定幅の薄い長板状とすることができ、底部13の一方の端部から延出している。押圧分散板60は、蓋体67に一体に形成されており、曲げ変形可能とされている。
図14に示すように、押圧分散板60は、基端付近の曲げ部65で下方に曲げて谷部62bの下面62dに重ね合わせて配置できる。
この図に示す状態では、押圧分散板60の曲げ部65以外の部分は、平板状の押圧分散板本体66とされている。押圧分散板本体66は、押圧部63からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面66cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
押圧分散板本体66を蓋体6の押圧部63と最も蓋体側のテープ心線2(2A)の間に配置することによって、押圧部63による力が局所に集中せずに分散されてテープ心線2に与えられるため、テープ心線2の曲げ損失を抑制することができ、挿入損失をより一段と低減することができる。
【0043】
この押圧分散板60は、蓋体67に一体に形成されているため、部品点数を少なくし、組み立て工数を削減することにより製造を容易にし、しかも低コスト化を図ることができる。
この押圧分散板64の構成材料としては、曲げ変形可能な材料、すなわち例えば、ステンレス鋼等の金属や、樹脂等を用いることができる。
【0044】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態のテープ心線保持部品71について説明する。
図15は、テープ心線保持部品71を示す斜視図であり、図16は、テープ心線保持部品51の縦断面を示す模式図である。
この実施形態のテープ心線保持部品71は、押圧分散板7に代えて押圧分散板70を用いたこと以外は、図1に示すテープ心線保持部品1と同様の構成である。
押圧分散板70は、矩形の平板状の押圧分散板本体76と、押圧分散板本体76から延出する係止脚部75(係止部)とを備えている。
押圧分散板本体76は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面76cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
【0045】
図15に示すように、係止脚部75は、押圧分散板本体76の両端縁76a、76aにそれぞれ2つずつ形成されている。
各端縁76aの係止脚部75、75は、幅方向(X方向)に間隔をおいて形成されており、スリット13aを通って上方に延出し、端壁部15に係止し、これにより押圧分散板70を押圧部18に対して位置決めできる。
係止脚部75は、塑性的に曲げ変形可能であり、曲げ成形して端壁部15に係止させることにより蓋体6に取り付けできる。このため、容易な操作で、確実に押圧分散板70を蓋体6に取付けできる。
押圧分散板70の構成材料としては、曲げ変形可能な材料、すなわち例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂等を用いることができる。
【0046】
押圧分散板本体76を蓋体6の押圧部18と最も蓋体側のテープ心線2(2A)の間に配置することによって、押圧部18による力が局所に集中せずに分散されてテープ心線2に与えられるため、テープ心線2の曲げ損失を抑制することができ、挿入損失をより一段と低減することができる。
【0047】
(第6実施形態)
図17は、第6実施形態のテープ心線保持部品81の押圧分散板80を示す斜視図であり、図18は、テープ心線保持部品81の縦断面を示す模式図である。
押圧分散板80は、矩形の平板状に形成された押圧分散板本体86からなる。
押圧分散板本体86は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面86cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
この押圧分散板80の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂、セラミック等を用いることができる。
この実施形態では、押圧分散板80が簡単な構成であるため、低コスト化を図ることができる。
【0048】
(第7実施形態)
図19は、第7実施形態のテープ心線保持部品91の縦断面を示す模式図である。
テープ心線保持部品91に用いられる押圧分散板90は、矩形の平板状に形成された押圧分散板本体96と、その挿通方向の両端部の端部湾曲部96aを有する。端部湾曲部96aは上方(保持部品本体5から離れる方向)に湾曲して形成されている。
押圧分散板本体96は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面96cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
この構成により、押圧分散板90の端部によりテープ心線2に局所的な曲げが加えられるのを防止できる。
この押圧分散板90の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂等を用いることができる。
【0049】
(第8実施形態)
図20は、第8実施形態のテープ心線保持部品101の縦断面を示す模式図である。
テープ心線保持部品101に用いられる押圧分散板100は、矩形の平板状に形成された押圧分散板本体106と、その挿通方向の両端部の係止部105とを備えている。
押圧分散板本体106は、押圧部18からの押圧力を受けても大きな撓みが生じない程度の剛性を有し、下面106cが最も蓋体側のテープ心線2(2A)に当接する。
係止部105は、押圧分散板本体106の両端から上方に曲げられ、蓋体6の突出部15a、15bに外方から巻き付けられるように係止している。なお、係止部105の係止位置は、図示例に限らず、底部(天面部)13のいずれの位置であってもよい。
押圧分散板100の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属、樹脂等を用いることができる。
【0050】
(第9実施形態)
前記各第実施形態では、押圧分散板の押圧分散板本体はテープ心線のゴムチューブ外面に配置されているが、本発明では、押圧分散板本体をゴムチューブとテープ心線との間に配置してもよい。
図21は、第9実施形態のテープ心線保持部品141の縦断面を示す模式図である。
テープ心線保持部品141は、押圧分散板80が、最も蓋体側のテープ心線2Aと、このテープ心線2Aに被せられたゴムチューブ35との間に配置されている点で図17のテープ心線保持部品81と異なる。
【0051】
テープ心線保持部品141を用いてテープ心線2を保持するには、保持部品本体5に収容したテープ心線2のうち最も蓋側のテープ心線2(2A)と、これに被せたゴムチューブ35との間に押圧分散板80を配置した後、蓋体6を保持部品本体5に被せる。
【0052】
(第10実施形態)
図22は、第10実施形態のテープ心線保持部品151を示す図であり、(a)はテープ心線保持部品151の縦断面を示す模式図であり、(b)は、押圧分散板150の端部86aの拡大断面図である。
テープ心線保持部品151の押圧分散板150は、押圧分散板本体86の挿通方向の両端部86aの下面86c(テープ心線2側の面)が、先端に向かうほどテープ心線2から離れるように丸みを帯びて形成されている。図示例の両端部86aの下面86cは断面が円弧状に湾曲した形状となっている。
この構成により、押圧分散板150の端部によりテープ心線2に局所的な曲げが加えられるのを防止できる。
【0053】
図23〜図25は、蓋体の押圧部の変形例を示すもので、図23に示す蓋体116の押圧部110は、端壁部15からそれぞれ延出する延出部111、112からなる。
延出部111は一端側の端壁部15から他端方向(図23の右方)に下降しつつ延出する山部111aと、山部111aの下端から他端方向に水平に延出する谷部111bとからなる。
延出部112は他端側の端壁部15から一端方向(図23の左方)に下降しつつ延出する山部112aと、山部112aの下端から一端方向に水平に延出する谷部112bとからなる。
【0054】
図24に示す蓋体126の押圧部63は1つの谷部62を有し、この谷部62は、谷部62b(底部)の一端側および他端側にそれぞれ山部62a、62cを形成した構成である。
【0055】
図25に示す蓋体136の押圧部131は、一端側の端壁部15から他端方向(図25の右方)に下降しつつ延出する山部131aと、山部131aの下端から他端方向に水平に延出する谷部131bとからなる。
【0056】
なお、本発明のテープ心線保持部品は、1本のテープ心線を保持する場合にも適用できる。
また、本発明のテープ心線保持部品は、装置台板に固定される保持部品固定用の保持部品固定具に固定されるものに限定されない。
【符号の説明】
【0057】
1、41、51、61、71、81、91、101、141、151・・・テープ心線保持部品、2・・・テープ心線(光ファイバテープ心線)、2A・・・最も蓋体側のテープ心線(光ファイバテープ心線)、5・・・保持部品本体、6、67、116、126、136・・・蓋体、7、40、50、60、70、80、90、100・・・押圧分散板、10・・・保持部品本体の底部、11・・・保持部品本体の壁部、13・・・蓋体の底部、13a・・・スリット、13c・・・スリットの縁、14・・・蓋体の壁部、18、63、110、131・・・押圧部、21d、22d・・・押圧部の下面(蓋体の押圧面)、25、75・・・係止脚部(係止部)、26、46、56、66、76、86、96、106、・・・押圧分散板本体、45、55・・・係止爪部(係止部)、47、57・・・側板部、47b・・・端縁(移動規制部)、105・・・係止部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、その両側縁に立設された壁部とを有し、内側に複数の光ファイバテープ心線を収容する保持部品本体と、
底部と、その両側縁に立設された壁部とを有し、内側を互いに対向させるように前記保持部品本体に被せることで、前記複数の光ファイバテープ心線を前記保持部品本体との間に保持する蓋体と、
前記蓋体と前記複数の光ファイバテープ心線の間に配置した、前記蓋体からの押圧を分散する押圧分散板と
を備えるテープ心線保持部品。
【請求項2】
前記押圧分散板および前記蓋体の少なくとも一方に、互いの相対的な移動を規制する規制構造を設けた
請求項1に記載のテープ心線保持部品。
【請求項3】
前記押圧分散板は、前記蓋体に取り付け可能である
請求項1又は2に記載のテープ心線保持部品。
【請求項4】
前記規制構造として、
前記押圧分散板に、その両側縁から立設する側板部を設け、
前記蓋体に、前記押圧分散板の側板部を差し込み可能なスリットを設け、
差し込んだ前記押圧分散板の側板部が前記スリットの縁に当たることで、前記押圧分散板と前記蓋体の間の相対的な移動が規制される
請求項2に記載のテープ心線保持部品。
【請求項5】
前記押圧分散板に係止部を設け、この係止部を前記蓋体に係止させて前記押圧分散板を前記蓋体に取り付け可能である
請求項3に記載のテープ心線保持部品。
【請求項6】
前記押圧分散板の係止部は、塑性的に曲げ変形可能である
請求項5に記載のテープ心線保持部品。
【請求項7】
前記押圧分散板の係止部は、弾性的に曲げ変形可能である
請求項5に記載のテープ心線保持部品。
【請求項8】
前記押圧分散板は、前記蓋体に一体に連結されている
請求項1〜7のいずれかに記載のテープ心線保持部品。
【請求項9】
底部と、その両側縁に立設された壁部とを有する保持部品本体と、
底部と、その両側縁に立設された壁部とを有する蓋体と
を備えるテープ心線保持部品を用いた光ファイバテープ心線保持方法であって、
前記保持部品本体の内側に複数の光ファイバテープ心線を収容し、
前記蓋体からの押圧を分散する押圧分散板を前記蓋体と前記複数の光ファイバテープ心線の間に配置し、
前記蓋体を内側を互いに対向させるように前記保持部品本体に被せることで、前記複数の光ファイバテープ心線を前記保持部品本体との間に保持させる
ステップを含むテープ心線保持方法。
【請求項10】
前記複数の光ファイバテープ心線のそれぞれにゴムチューブを被せる
ステップをさらに含む請求項9に記載のテープ心線保持方法。
【請求項11】
前記押圧分散板を、最も蓋体側の光ファイバテープ心線と、これに被せたゴムチューブの間に配置する
ステップを含む請求項10に記載のテープ心線保持方法。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれかに記載のテープ心線保持部品により保持された前記複数の光ファイバテープ心線からなる光ファイバテープ心線束。
【請求項1】
底部と、その両側縁に立設された壁部とを有し、内側に複数の光ファイバテープ心線を収容する保持部品本体と、
底部と、その両側縁に立設された壁部とを有し、内側を互いに対向させるように前記保持部品本体に被せることで、前記複数の光ファイバテープ心線を前記保持部品本体との間に保持する蓋体と、
前記蓋体と前記複数の光ファイバテープ心線の間に配置した、前記蓋体からの押圧を分散する押圧分散板と
を備えるテープ心線保持部品。
【請求項2】
前記押圧分散板および前記蓋体の少なくとも一方に、互いの相対的な移動を規制する規制構造を設けた
請求項1に記載のテープ心線保持部品。
【請求項3】
前記押圧分散板は、前記蓋体に取り付け可能である
請求項1又は2に記載のテープ心線保持部品。
【請求項4】
前記規制構造として、
前記押圧分散板に、その両側縁から立設する側板部を設け、
前記蓋体に、前記押圧分散板の側板部を差し込み可能なスリットを設け、
差し込んだ前記押圧分散板の側板部が前記スリットの縁に当たることで、前記押圧分散板と前記蓋体の間の相対的な移動が規制される
請求項2に記載のテープ心線保持部品。
【請求項5】
前記押圧分散板に係止部を設け、この係止部を前記蓋体に係止させて前記押圧分散板を前記蓋体に取り付け可能である
請求項3に記載のテープ心線保持部品。
【請求項6】
前記押圧分散板の係止部は、塑性的に曲げ変形可能である
請求項5に記載のテープ心線保持部品。
【請求項7】
前記押圧分散板の係止部は、弾性的に曲げ変形可能である
請求項5に記載のテープ心線保持部品。
【請求項8】
前記押圧分散板は、前記蓋体に一体に連結されている
請求項1〜7のいずれかに記載のテープ心線保持部品。
【請求項9】
底部と、その両側縁に立設された壁部とを有する保持部品本体と、
底部と、その両側縁に立設された壁部とを有する蓋体と
を備えるテープ心線保持部品を用いた光ファイバテープ心線保持方法であって、
前記保持部品本体の内側に複数の光ファイバテープ心線を収容し、
前記蓋体からの押圧を分散する押圧分散板を前記蓋体と前記複数の光ファイバテープ心線の間に配置し、
前記蓋体を内側を互いに対向させるように前記保持部品本体に被せることで、前記複数の光ファイバテープ心線を前記保持部品本体との間に保持させる
ステップを含むテープ心線保持方法。
【請求項10】
前記複数の光ファイバテープ心線のそれぞれにゴムチューブを被せる
ステップをさらに含む請求項9に記載のテープ心線保持方法。
【請求項11】
前記押圧分散板を、最も蓋体側の光ファイバテープ心線と、これに被せたゴムチューブの間に配置する
ステップを含む請求項10に記載のテープ心線保持方法。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれかに記載のテープ心線保持部品により保持された前記複数の光ファイバテープ心線からなる光ファイバテープ心線束。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図17】
【図18】
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【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2011−237658(P2011−237658A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109947(P2010−109947)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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