説明

ディジタルグレー値画像を二値化する方法

【課題】記録されたグレー値画像を、画像細部の損失なしに、かつ、オリジナルには無かった細部を付け加えることなく、二値化された形で短時間のうちにグレー値画像を、可能なかぎり、ありのまま再現させる。
【解決手段】本発明は、グレー値画像から、該グレー値画像の中にあるエッジがエッジの周りの線領域として求められるようにバイナリエッジ画像を作成し、続いて、該グレー値画像のグレイ値の平均値をバイナリエッジ画像のすべてのエッジの周りの線領域において計算することによってディジタルグレー値画像を処理する方法に関するもので、ここで、前記平均値が二値化されたグレー値画像の作成上の閾値である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタルグレー値画像を二値化する方法に関する。詳細には、本発明は、そのような方法を実行するコンピュータシステムとコンピュータプログラムに関し、さらに、この種のコンピュータプログラムを備えた画像記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディジタル的に記録された画像が、画像処理を経て画像の中のデータを決めるために使用される。画像の中に含まれている対象物の特性を突き止めるために、頻繁に使用されている。その特性とは、例えば限られた画像領域又は画像全体の中の少なくとも1つの対象物の大きさ、位置、重心、広がり又は丸さなどである。別の使われ方は、画像記録装置によって記録されたグレー値画像に基づいて、画像記録装置の最大解像度を求めるというものである。この種の解析を実行するためには、対象物を背景からはっきりと分離させるか切り取ると、有利である。この手順では1つの限界又は1つの閾値を定める必要があり、この値を上回るか下回るかするグレー値画像点の各々が、新しい画像の中で白点か黒点かどちらかの点とされる。従って、このような閾値法では出力画像が「二値化」される、つまり、1つは背景、1つは対象物の形の厳密に2つのセグメントが作られる。
【0003】
先行技術では、適当な閾値を割り当てることによってグレー値画像を二値化するために多くの方法が知られている。その一覧は、例えば非特許文献1に与えられている。そこで紹介された方法の幾つかには、中間ステップの間にユーザによる主観的評価が必要であり、その結果、客観的な画像評価にまで至らないという欠点がある。閾値を完全に自動的に求める方法には、様々な方法によって得られた二値化の結果が互いに著しく食い違うという欠点がある。これは、前掲の論文の中の表1から分かる通りである。幾つかの方法では、重要な画像の細部が二値化の後に無くなったり、別の方法では、元々記録されていなかった細部が付け加えられたりする。従って、ユーザは、どんな種類のグレー値画像にどんな方法が最も適しているか、極めて厳密な知識を持っていなければならないであろう。また、適した画像処理法を選び出す上でどんな画像データが大きい意味を持つか、ユーザは事前に決定しなければならない。良い二値化結果を得るためには、従って、画像処理法の適用に先立って主観的な評価が必要である。しかも、「正しい」方法が採用される確率が相対的に低いことから、確実を期して複数の方法を試行し、二値化結果を互いに比較しなければならない。このような手順を踏むことは多大の時間を費やすことになる。
【0004】
【非特許文献1】Sahoo P. K.他の"A Survey of Thresholding Techniques" Computer Vision, Graphics and Image Processing 41, 233-260 (1988)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明の課題は、記録されたグレー値画像を、画像細部の損失なしに、かつ、オリジナルには無かった細部を付け加えることなく、二値化された形で短時間のうちにグレー値画像を可能なかぎりありのまま再現できるようにする方法、詳記するならば、ユーザが画像処理法の詳しい知識を持たなくても、かつ画像処理法の実行前や実行中に主観的な評価を必要とせずにも実行できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を有する方法、請求項9と10の特徴を有するコンピュータプログラム、請求項11の特徴を有するコンピュータシステム、請求項12の特徴を有する画像記録装置によって解決される。本発明の有利な実施態様が従属請求項の特徴から明らかとなる。
【0007】
請求項1に記載の本発明による方法は、記録されたグレー値画像から、グレー値画像の中にあるエッジがエッジの周りの線領域として求められるように、バイナリエッジ画像を作成する。続いて、グレー値画像のグレイ値の平均値をバイナリエッジ画像のすべてのエッジの周りの線領域において計算する。その平均値が、二値化されたグレー値画像の作成上の閾値である。この方法の利点は、そうすることで、グレー値画像についてグレー値画像の中のグレイ値の頻度分布を示すヒストグラムを記録し、そこから二値化にとっての閾値を求める必要がなくなることにある。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、バイナリエッジ画像は、グレー値画像をベースにして作成されたグラディエント画像を使って作られ、ここで、グラディエント画像の作成のために、好ましくは、Sobel演算子、Prewitt演算子、Laplace演算子、Kirsch演算子、Roberts演算子を含むグループの中から選び出された差分演算子が使用される。また、他の差分演算子も、これを使ってグラディエント画像が作成できるならば使用することができる。好ましくは、グレー値画像は、グラディエント画像の作成の前に平滑化処理にかける。これは、例えばメジアンフィルタを使って行うことができる。この種の平滑化法は、元々記録されたグレー値画像における雑音強度を減じるのに役立つ。
【0009】
本発明の好ましい一実施態様によれば、グレー値画像における第1方向のグラディエントを求めることによって第1方向のグラディエント画像を作り、グレー値画像における第1方向に垂直の方向のグラディエントを求めることによって第2方向のグラディエント画像を作り、こうして作られた第1方向のグラディエント画像を第2方向のグラディエント画像と結合させることによって全体のグラディエント画像が作成される。このような進め方は、例えばSobel演算子を使用する場合に考えられる。このようにグラディエントを求めることにより、識別すべきエッジにおけるグラディエントの方向を見分けることができる。これが有利であるのは、これで、閉じた経路を持つエッジの周りの線領域を求めることができるからである。そのような経路が確定していれば、直ちに二値化にとっての閾値を、エッジの周りの線領域において、グレー値画像の平均グレイ値として計算することができる。
【0010】
閉じた経路を探せずに、例えば半円を求めることができる場合は、グラディエント画像に第1補助閾値を割り当てることができる。ここでは、この第1補助閾値を上回る輝度を持つグラディエント画像点を論理値1に置き、第1補助閾値を下回る輝度を持つグラディエント画像点を論理値0に置き、それで、論理値1に置かれたグラディエント画像点がエッジの周りの線領域をなし、論理値0に置かれたグラディエント画像点が背景をなす形のバイナリエッジ画像が作られるようにする。これで、黒を背景にしたエッジの周りの線領域を持つバイナリエッジ画像が作成される。第1補助閾値は、好ましくは、グラディエント画像における最大グラディエントの1/4である。このような相対的に小さい閾値が有利であるのは、これで相対的にごく僅かの画像データしか、なおグレー値画像として存在するグラディエント画像からフェードアウトしなくなるからである。
【0011】
雑音信号の更なる減少が望まれている場合は、バイナリエッジ画像を平滑化処理にかけ、平滑化されたバイナリエッジ画像を作るようにすることができる。続いて、第2補助閾値を定め、この第2補助閾値を上回る輝度を持つ画像点を論理値1に置き、第2補助閾値を下回る輝度を持つ画像点を論理値0に置き、論理値1に置かれたエッジ画像点がエッジの周りの線領域をなし、論理値0に置かれたエッジ画像点が背景をなす形の補助のバイナリエッジ画像が作られるようにする。好ましくは、この第2補助閾値は、平滑化されたバイナリエッジ画像における最大グラディエントの半分である。ベースがバイナリ画像であるから、重要な画像データをフェードアウトさせることなくこの相対的に高い閾値を使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の利点及び発展形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図15に描かれているのは、グレー値画像を表示できるモニタ110を備えた走査式電子顕微鏡100である。この走査式電子顕微鏡100は、電磁レンズ103、104により集束される電子ビーム102を送出する電子源101を含む。開孔ダイアフラム105を通過した後、電子ビームは偏向コイル106によって被検体107の方へ向けられ、被検体の表面全体を直線状に走査させられる。電子ビームが被検体に衝突すると、なかんずく二次電子が自由になり、検出器108により検出される。その信号が後続の増幅器109に送られ、これに結合したモニタ110でグレー値画像を見ることができる。
【0014】
図1に描かれているのは、走査式電子顕微鏡で記録されたディジタルグレー値画像1である(ステップS1、図13のフローチャートを参照)。これは、暗く見える背景7をバックに様々なグレイトーンで相対的に明るい円形及び多角形の対象物2、3、4を様々な大きさで見せている。これらの対象物は、部分的にその中心と比べて明るい縁辺領域5を有するので、人間の眼には、より暗い背景7をバックに際立って見える。写真では更に、対象物2、3、4と比べて相対的に明るい領域6が認識でき、これが画像全体の中で大きい面積を占める。
【0015】
画像処理は、本発明による方法の一実施形態に従い、ステップS2において先のグレー値画像を平滑化処理にかけ、それで、平滑化されたグレー値画像14が得られるように行われる(図4を参照)。これには、例えば3x3メジアンフィルタを使用することができる。平滑化されたグレー値画像14は、グレー値画像1と比べて雑音信号が小さくなっている。
【0016】
続いて、ステップS3において第1方向グラディエント画像を作成することができる。図5に示した第1方向グラディエント画像15では、平滑化されたグレー値画像14をベースにしてドットの行ごとに横列方向においてグラディエントを求めた。横列方向にあるエッジに沿って、より暗い線とより明るい線が見られる(図5の符号16、17を参照)。走査時、横列方向(x方向)においてグラディエントが認識できない場合は、より明るい線又はより暗い線によって周囲から浮き上がらない平均的なグレイ値が現れる(符号18を参照)。次のステップS4では、平滑化されたグレー値画像14をベースにして同じ手順で縦列方向(y方向)においてもグラディエントを求める。
【0017】
図6は第2方向グラディエント画像19を示す。ここでは、ドットの列ごとに縦列方向のグラディエントを求めた。図6から、縦列方向においては例えばより明るい線20とより暗い線21が対象物エッジの縁辺に現れることが分かる。両方の方向グラディエント画像15と19を結合させる(ステップS5)、例えば第1方向グラディエント画像15と第2方向グラディエント画像19の各画像点のそれぞれのグレイ値を二乗し、続いて、この二乗を画像点ごとに加算することによって結合させると、図7に示したグラディエント画像22が得られる。今やはっきりと、存在する対象物からそのエッジの領域の輪郭を見分けることができる。加えて、対象物の内部で少し暗い領域23、24がもっと暗い背景をバックに見られる。
【0018】
ステップS6では、第1閾値SW1を決定する。これを例えばグラディエント画像22における最大グラディエントの1/4とする。この第1閾値を上回る輝度を持つグラディエント画像点を、新たに作成すべき画像において論理値1に置き、続いて、第1閾値SW1を下回る輝度を持つグラディエント画像点を論理値0に置く(ステップS8)。これで、バイナリエッジ画像25が作られ(図8を参照)、この画像の中で、論理値1に置かれた画像点がエッジの周りの線領域(例えば符号26、27を参照)を形成し、論理値0に置かれた画像点が背景(例えば符号28を参照)を形成する。
【0019】
バイナリエッジ画像25の中になお、雑音(例えば図8の符号29を参照)とみなされる信号が存在する場合(ステップS8)、更なる平滑化処理を行うことができる(ステップS9)。これで、平滑化されたバイナリエッジ画像30が得られる(図9を参照)。続いて、第2閾値SW2を決定し、これを例えばバイナリエッジ画像25における最大グラディエントの半分とする(ステップS10)。この第2閾値を上回る輝度を持つ画像点を論理値1に置き、第2閾値SW2を下回る輝度を持つ画像点を論理値0に置く。すると、論理値1に置かれたエッジ画像点がエッジの周りの線領域を形成し、論理値0に置かれたエッジ画像点が背景を形成する。これで、エッジの周りの線領域を持つ補助のバイナリエッジ画像31が得られる(ステップS11)(図10を参照)。図8において識別された雑音(符号29を参照)は、今や補助バイナリエッジ画像31の中で減じられているか、もはや存在しないかどちらかである(符号32を参照)。ここで、ステップS9からS11までは任意であり、図8に示したバイナリエッジ画像25において雑音信号が識別されない場合、省略できることを指摘しておく。他方、自明のことながら、ステップS8の質問に自動的に「イエス」と答えることが可能であり、それで、ステップS7での結果に関係なく常に平滑化処理が実行されることになる。
【0020】
続いて、グレー値画像1とバイナリエッジ画像25(又は補助バイナリエッジ画像31)を重ねる(ステップS12)。こうして重ねられた画像33を図11に示す。この図から、白く描かれたエッジの周りの線領域(例えば図10の符号33、34参照)はグレー値画像1のグレイ値で満たされていることが分かる(符号36、37参照)。その上で、画像35全体において各エッジの周りの線領域の内部の輝度を求め(ステップS13)、こうして求められた輝度全体から平均値を計算し(ステップS14)、この平均値を第3閾値SW3とする(ステップS15)。その上で、グレー値画像1の画像点ごとにその輝度と第3閾値とを比較する(ステップS16)。グレー値画像1の各画像点の輝度が第3閾値SW3より大きいときは、新たに構築すべき画像38において各グレー値画像点を論理値1(白)に置く(ステップS17)。これに対し、グレー値画像1の各画像点の輝度が第3閾値SW3より小さいときは、画像38において各グレー値画像点を論理値0(黒)に置く(ステップS18)。結果は二値化されたグレー値画像38である(図12を参照)。元々記録されたグレー値画像1において人間の眼によく見える対象物2、3、4は、二値化の後、画像38において対象物39、40、41として実によく見分けられる。この画像38に基づいて、今や、例えば計測学的調査を行うことができ、又は、ディジタルグレー値画像1の記録に使用された機器の解像度を特定することができる。
【0021】
この発明通りのグレー値画像1の二値化の質を、従来の仕方でヒストグラムを使って作成された画像との比較によりはっきり見分けることができる。ヒストグラムは、1画像の画像点の輝度又はグレー値強度の頻度分布をグラフで表す。グレー値画像1に属するヒストグラム8は、図2に示してある。x軸に取ってあるのは、グレイ値0(黒)から250(白)までのグレー値の強度段階ないしは輝度値、y軸に取ってあるのは、それぞれの強度段階の絶対頻度である。グレイ値約50のところに明白な下の最大が見られるが、これは、グレー値画像1の中の暗い場所7が原因となっている。更に、約80〜150および約170〜240の強度段階をもつグレイ値が存在する。この下の最大と対照的に、グレイ値の大きい明るい場所が見せる上の最大は、明確に見極めることができない。
【0022】
普通、閾値は、下の最大と上の最大の間の平均値のところに置かれる。図2のヒストグラムにおいてグレイ値の頻度分布の上の最大が約200の値のところにあると仮定すれば、これから閾値を下の最大と上の最大の間の平均値として計算することができよう。そこで、仮定した数字を基に計算すると、閾値は(50+200)/2=125ということになる。この閾値をもって計算された二値化画像9を図3に示す。グレイ値が125を下回る画像点は、二値化画像9において論理値「0」に置かれ、黒の点として描かれており、グレイ値が125を上回る画像点の方は、論理値「1」に置かれ、白の点として描かれている。この例において閾値が125であるということは、画像点の大部分が黒の点として現れ、二値化画像9において対象物がほとんど認識できないということである。このような二値化画像は、元々のグレー値画像1を再現するものとしては極めて拙い。グレー値画像1にある様々な大きさの約70の対象物のうち僅か8つの対象物(黒の点10で包囲された白の領域)しか識別できないからである。加えて、二値化画像9では、グレー値画像の中に丸い対象物の存在したことが、辛うじて2つの対象物12、13で見分けられるだけである。普通の方法に従い、グレイ値ヒストグラムの上の最大と下の最大の間の平均値として求めた閾値125は、従って、高すぎる値であり、使えない結果につながる。
【0023】
本例では、発明通りの方法に従ってグレー値画像1において閾値を求め、これを従来の方法による値125からかなり離れた値78とする。発明通りの方法は、これで、バイモーダルで推移しないヒストグラム、ないしは、明確に互いに離れた2つの最大値を呈さないヒストグラムの場合に特に好適である。
【0024】
本発明は、ディジタルコンピュータの記憶装置にロードされ、ディジタルグレー値画像を二値化する方法を実行するソフトウェアコードを具備するコンピュータプログラムによって実施されるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】記録された、二値化するものとされるディジタルグレー値画像である。
【図2】図1に属するヒストグラムである。
【図3】図2のヒストグラムを使って求めた二値化画像である。
【図4】平滑化されたグレー値画像である。
【図5】図4の平滑化されたグレー値画像をベースにした第1方向グラディエント画像である。
【図6】図4の平滑化されたグレー値画像をベースにした第2方向グラディエント画像である。
【図7】図5及び図6に示す第1方向グラディエント画像と第2方向グラディエント画像の結合から得られたグラディエント画像である。
【図8】図7のグラディエント画像をベースにしたエッジの周りの線領域を持つバイナリエッジ画像である。
【図9】図8のバイナリエッジ画像をベースにした平滑化バイナリエッジ画像である。
【図10】図9の画像をベースにしたエッジの周りの線領域を持つ補助バイナリエッジ画像である。
【図11】図1に示す元々のグレー値画像を図10の補助バイナリエッジ画像と重ねたときの画像である。
【図12】図11の画像をベースにした二値化されたエッジ画像である。
【図13】本発明による方法の最重要ステップを示すフローチャートである。
【図14】本発明による方法の最重要ステップを示すフローチャートである。
【図15】モニタ付き電子顕微鏡の図解的横断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 グレー値画像、2、3、4 対象物、7 背景、8 ヒストグラム、9 二値化画像、14 グレー値画像、15 第1方向グラディエント画像、19 第2方向グラディエント画像、22 グラディエント画像、25 バイナリエッジ画像、30 平滑化されたバイナリエッジ画像、31 補助バイナリエッジ画像、100 走査式電子顕微鏡、101 電子源、102 電子ビーム、103 電磁レンズ、104 電磁レンズ、105 開孔ダイアフラム、106 偏向コイル、107 被検体、108 検出器、109 増幅器、110 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グレー値画像から、該グレー値画像の中にあるエッジがエッジの周りの線領域として求められるように、バイナリエッジ画像を作成するステップと、
続いて、該グレー値画像のグレイ値の平均値を、バイナリエッジ画像のエッジの周りの線領域に対応するすべての領域において計算するステップであって、前記平均値が二値化されたグレー値画像の作成上の閾値である、ステップと
を有するディジタルグレー値画像を二値化する方法。
【請求項2】
前記バイナリエッジ画像が、前記グレー値画像をベースにして作成されたグラディエント画像を使って作成される請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記グラディエント画像が、Sobel演算子、Prewitt演算子、Laplace演算子、Kirsch演算子、Roberts演算子を含むグループの中から選ばれた差分演算子を使用して作成される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記グラディエント画像の作成の前に前記グレー値画像を、平滑化処理にかけるステップをさらに有する請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記平滑か処理がメジアンフィルタで行われる請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記グレー値画像における第1方向のグラディエントを求めることによって第1方向のグラディエント画像を作り、前記グレー値画像における第1方向に垂直の方向のグラディエントを求めることによって第2方向のグラディエント画像を作り、その作られた前記第1方向のグラディエント画像を前記第2方向のグラディエント画像と結合させることによってグラディエント画像が作成される請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記グラディエント画像に第1補助閾値を割り当て、この第1補助閾値を上回る輝度を持つグラディエント画像点を論理値1とし、第1補助閾値を下回る輝度を持つグラディエント画像点を論理値0とし、論理値1とされたグラディエント画像点がエッジの周りの線領域となり、論理値0とされたグラディエント画像点が背景となる形のバイナリエッジ画像が作成される請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記第1補助閾値が前記グラディエント画像における最大グラディエントの1/4である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記バイナリエッジ画像を、平滑化処理にかけ、続いて、第2補助閾値を定め、この第2補助閾値を上回る輝度を持つ画像点を論理値1とし、第2補助閾値を下回る輝度を持つ画像点を論理値0とし、論理値1とされたエッジ画像点がエッジの周りの線領域となり、論理値0とされたエッジ画像点が背景となる形の補助のバイナリエッジ画像を作成する請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記バイナリエッジ画像がメジアンフィルタを使用した平滑処理にかけられる請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第2補助閾値が平滑化されたエッジ画像における最大グラディエントの半分である請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ディジタルコンピュータの記憶装置にロードされ、かつ、前記コンピュータ上で進行するとき、
グレー値画像から、該グレー値画像の中にあるエッジがエッジの周りの線領域として求められるように、バイナリエッジ画像を作成するステップと、
続いて、該グレー値画像のグレイ値の平均値を、バイナリエッジ画像のエッジの周りの線領域に対応するすべての領域において計算するステップであって、前記平均値が二値化されたグレー値画像の作成上の閾値である、ステップと
を有するディジタルグレー値画像を二値化する方法を実行するソフトウェアコードを具備するコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記ソフトウエアコードが前記記憶装置にロードされたとき、前記方法を前記コンピュータに実行させる請求項12記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
デジタルコンピュータを含むコンピュータシステムと、該デジタルコンピュータのメモリへロード可能なコンピュータプログラムとを含む画像記録装置であって、該コンピュータプログラムが、ディジタルグレー値画像を二値化する方法を実行するためのソフトウェアコードを有し、その方法が、
グレー値画像から、該グレー値画像の中にあるエッジがエッジの周りの線領域として求められるように、バイナリエッジ画像を作成するステップと、
続いて、該グレー値画像のグレイ値の平均値を、バイナリエッジ画像のエッジの周りの線領域に対応するすべての領域において計算するステップであって、前記平均値が二値化されたグレー値画像の作成上の閾値である、ステップと
を有する画像記録装置。

【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−334884(P2007−334884A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152579(P2007−152579)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(504359318)カール・ツアイス・エヌティエス・ゲーエムベーハー (4)
【Fターム(参考)】