説明

ディジタル変調された信号とアナログ変調された信号をいっしょに伝送する方法およびOFDM方式に従って変調されたディジタル多重信号を送信および受信するための装置

【課題】ディジタル放送信号を同一のチャネル内でアナログテレビジョン放送信号と重畳させることにより伝送容量を著しく高める。
【解決手段】ディジタル信号レベルが所定のレベルを超えないよう制御し、アナログテレビジョン信号レベルが所定のディジタル信号レベルよりも大きい所定のアナログ信号レベルを下回らないよう制御し、ディジタル信号の周波数スペクトルの振幅がアナログテレビジョン信号の映像搬送波の振幅よりも小さい所定の振幅値を超えないようディジタル信号を制御する。さらにディジタル信号の周波数スペクトルが共通のチャネル幅よりも狭い周波数範囲に制限されるよう制御する。その際、複数のディジタル信号が個々のブロックにまとめられ、ついでこのブロックにおけるディジタル信号がチャネルを介して伝送され、2つのディジタル信号の周波数範囲は保護周波数間隔により互いに分離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1、請求項13、請求項14および請求項15の上位概念に記載の方法ならびに請求項20の上位概念に記載の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
雑誌 "Funkschau" 第9号1995年刊第46頁から、以下のような伝送方法が公知である。すなわち、ビデオサーバの出力側においてフレキシブルなマルチプレクサにより種々異なるデータレートを有する複数のプログラム信号が1つの伝送束にまとめられ、ディジタル合成信号がQAM変調(QAM =Quadratur-Amplituden-Modulation)され、次に、すでにケーブルに供給されているアナログTV信号に対しパラレルに伝送される。この場合、上記のディジタル信号は、これまでただ1つのアナログテレビジョンプログラムのために必要とされてきたような1つのテレビジョンチャネル全体を占有する。
【非特許文献1】雑誌 "Funkschau" 第9号1995年刊第46頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、ディジタル変調されたラジオ放送信号および/またはディジタル変調されたテレビジョン放送信号を、同一のチャネル内でアナログテレビジョン放送信号と重畳することにより、伝送容量を著しく高め、著しく多くのラジオ放送プログラムおよび/またはテレビジョン放送プログラムを伝送できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によればこの課題は、
a)少なくとも1つの通信チャネルにおける1つの共通のチャネルを介して、アナログテレビジョン放送信号といっしょに少なくとも1つのディジタル信号を伝送するステップと、
b)少なくとも1つのディジタル信号の信号レベルが所定のディジタル信号レベルを超えないように該少なくとも1つのディジタル信号の信号レベルを制御するステップと、
c)前記アナログテレビジョン放送信号の信号レベルが前記所定のディジタル信号レベルよりも大きい所定のアナログ信号レベルを下回らないように該アナログテレビジョン放送信号の信号レベルを制御するステップと、
d)前記の少なくとも1つのディジタル信号の周波数スペクトルの振幅が前記アナログテレビジョン放送信号の映像搬送波の振幅よりも小さい所定の振幅値を超えないように該少なくとも1つのディジタル信号を制御するステップと、
e)前記少なくとも1つのディジタル信号の周波数スペクトルが前記共通のチャネルの幅よりも狭い周波数範囲に制限されるように該少なくとも1つのディジタル信号を制御するステップが設けられており、
前記少なくとも1つのディジタル信号は、少なくとも1つのラジオ放送信号および少なくとも1つのテレビジョン放送信号から成るグループから選択された少なくとも1つの信号を有し、
複数の前記ディジタル信号をそれぞれ個々のブロックにまとめ、ついで該ブロックにおけるディジタル信号をそれぞれ少なくとも1つのチャネルを介して伝送し、少なくとも2つの該ディジタル信号の周波数範囲は保護周波数間隔により各々互いに分離されることを特徴とする方法により解決される。さらに本発明の課題は請求項13、請求項14および請求項15記載の方法ならびに請求項19記載の装置により解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明によれば、ディジタル変調されたラジオ放送信号および/またはディジタル変調されたテレビジョン放送信号を、同一のチャネル内でアナログテレビジョン放送信号と重畳することにより、伝送容量が著しく高められ、その結果、著しく多くのラジオ放送プログラムおよび/またはテレビジョン放送プログラムを伝送できるようになる。さらに本発明によれば、保護周波数間隔を用いることで複数のディジタルラジオ放送信号および/またはディジタルテレビジョン放送信号が相互間の影響から守られる。
【0006】
従属請求項に記載の構成には本発明による方法の有利な実施形態が示されている。
【0007】
殊に有利であるのは請求項3に示されているように、データ量を低減することで付加的なディジタルラジオ放送信号および/またはディジタルテレビジョン放送信号をアナログテレビジョン放送信号といっしょに1つのチャネルを介して伝送することができることであり、その結果、伝送容量をいっそう高めることができるようになる。
【0008】
また、別の付加データを伝送するためにチャネルを利用するのも有利である。これによりやはり伝送容量をさらに高めることができる。
【0009】
請求項5による利点として挙げられるのは、少なくとも1つのディジタルラジオ放送信号および/またはディジタルテレビジョン放送信号を2つの搬送波周波数の間に相応に配置することで、ディジタル信号とアナログ信号相互間に生じ得る影響を小さくして、感知可能閾値以下に抑えることが可能なことである。
【0010】
有利には請求項6および7により、伝送されるアナログのラジオ放送信号および/またはテレビジョン放送信号における障害を及ぼす映像搬送波周波数成分および音声搬送波周波数成分の減衰により、ディジタル信号のSN比が改善される。
【0011】
請求項10〜12に記載されているように、1つの多重信号としてまとめられた1つまたは複数のディジタルラジオ放送信号および/またはディジタルテレビジョン放送信号を変調する際、アナログテレビジョン放送信号における少なくとも音声搬送波周波数、色副搬送波周波数または映像搬送波周波数に対しそれぞれ所定の周波数間隔を下回らないような搬送波周波数を選択するのが有利である。このようにして、クリティカルな映像搬送波周波数や音声搬送波周波数がブランキングされることで、アナログテレビジョン放送信号における障害を及ぼす搬送波周波数とディジタル多重信号のスペクトルとの重畳を避けることができる。
【0012】
請求項13〜15に示されているように、1つの多重信号としてまとめられた1つまたは複数のディジタルラジオ放送信号および/またはディジタルテレビジョン放送信号の周波数範囲を、アナログテレビジョン放送信号の映像搬送波周波数と音声搬送波周波数との間で分割すること、ならびにそれらを保護周波数間隔をおいてアナログテレビジョン放送信号の対応する映像搬送波周波数と音声搬送波周波数からそれぞれ分離するのが有利である。このようにして、周波数範囲の幅ゆえにアナログテレビジョン放送信号の映像搬送波周波数および音声搬送波周波数と重畳させずには、アナログテレビジョン放送信号のチャネル内に収めるのが困難であるようなディジタル多重信号も、その周波数範囲をたとえば多重信号の搬送波周波数のブランキングにより周波数範囲を既述のように分割することで、アナログテレビジョン放送信号における障害を及ぼす個々の映像搬送波周波数および音声搬送波周波数の間に、まったく問題なく格納することができ、その結果、障害を及ぼすそれらの重畳が回避される。
【0013】
有利には請求項16によれば、1つの多重信号としてまとめられた1つまたは複数のディジタルラジオ放送信号および/またはディジタルテレビジョン放送信号が任意の方向に伝送される。このようにすれば、広帯域ケーブル施設を介して対話型のラジオ放送またはテレビジョン放送および/または通信を行うことができ、たとえばこれは請求項3記載のディジタル付加データの伝送を利用しても可能である。
【0014】
請求項16による利点は、付加的な周波数を必要とすることなく、あるいは広帯域ケーブル施設の既存の周波数配分を変化させる必要なく、広帯域ケーブル施設におけるデータ帰還チャネルを実現できることである。
【0015】
独立請求項19の特徴を備えた本発明による装置により得られる利点とは、受信ユニットも送信ユニットも広帯域ケーブル施設に結合されることで、OFDM方式に従って変調されたディジタル多重信号を利用した対話型のラジオ放送またはテレビジョン放送および/または通信が可能になることである。
【0016】
請求項20に記載の構成により、独立請求項19に記載された装置の有利な実施形態が可能である。
【0017】
とりわけ有利であるのは、アナログテレビジョン放送信号における少なくとも1つの音声搬送波周波数および/または色副搬送波周波数および/または映像搬送波周波数との間において所定の周波数間隔を上回る搬送波周波数にのみ、伝送すべき多重信号の信号成分が載せられて変調されることである。このようにすれば上記の装置により、アナログテレビジョン放送信号の映像搬送波周波数と音声搬送波周波数により障害の及ぼされない多重信号を発生させることができる。
【0018】
次に、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例】
【0019】
図1において参照符合5によりマルチプレクサが示されており、このマルチプレクサへ第1のコーダ1を介してディジタルテレビジョン放送信号が供給され、第2のコーダ2を介してディジタル無線放送信号が供給される。マルチプレクサ5は暗号化ユニット10、変調器12ならびに第1の増幅器13を介して混合器15と接続されており、この混合器15へは第2の増幅器14を介してアナログテレビジョン放送信号が供給される。この混合器15において生成された信号は、第3の増幅器20およびアナログテレビジョン放送信号の音声搬送波周波数成分のためのフィルタ25を介して広帯域ケーブル施設30へ供給される。なお、図1では、広帯域ケーブル施設30のうちケーブル入力端しか描かれていない。この場合、第1の増幅器13の出力側は、ディジタル方式で変調されたラジオ放送信号および/またはテレビジョン放送信号を送信するための第1の送信機の出力側を成すものである。また、第2の増幅器14の出力側は、アナログ方式で変調されたラジオ放送信号および/またはテレビジョン放送信号を送信するための第2の送信機の出力側を成すものである。ディジタル方式とアナログ方式で変調されたラジオ放送信号および/またはテレビジョン放送信号をただ1つの送信機により送信することもでき、この場合、送信機は第1の増幅器13の出力側も第2の増幅器の出力側14も有しており、それらの出力側はフィルタ25の出力側である。
【0020】
第2の増幅器14へ供給されるアナログテレビジョン放送信号は増幅器14において、このアナログテレビジョン放送信号のピークレベルがたとえば65dBμVのような所定値を超えるように増幅される。第1のコーダ1および第2のコーダ2を介してマルチプレクサ5へ供給されるディジタル信号は、マルチプレクサ5において周波数多重方式により1つのディジタル信号にまとめられ、次に暗号化ユニット10において暗号化される。両方のコーダ1と2によってディジタルテレビジョン放送信号およびディジタルラジオ放送信号のデータ量が低減され、これによりそれらのディジタル信号の周波数スペクトルを、アナログテレビジョン放送信号のチャネル幅よりも狭い所定の周波数範囲に制限できる。ディジタルテレビジョン放送信号のデータ量を低減するためには、たとえばMPEG1,MPEG2またはMPEG4(MPEG = MotionPicture Expert Group)のようなデータ圧縮アルゴリズムが適している。音声データ低減のためにもやはりMPEG規格が適している。
【0021】
さて、暗号化されたディジタル信号は次に変調器12においてたとえばCOFDM方式(COFDM = Coded Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、PSK方式(PSK = Phase Shift Keying)またはQAM方式のような変調方式によって処理される。この処理の目的は、ディジタル信号の周波数スペクトルの振幅を、アナログテレビジョン放送信号における映像搬送波の振幅よりも著しく小さい所定の値に制限するこであり、これによってアナログテレビジョン放送信号との混変調ができるかぎり生じないようになる。
【0022】
次に第1の増幅器13において、変調されたディジタル信号はアナログテレビジョン放送信号のピークレベルに対してまえもって設定されている値よりも20〜30dBだけ低い値にレベル調整される。そして混合器15において、アナログテレビジョン放送信号にディジタル信号が重畳される。結果として生じたテレビジョン放送信号は次に、増幅器20によって所定の値にレベル調整される。最後に、アナログテレビジョン放送信号の音声搬送波周波数波において信号レベルを所定の値だけ低減するためにフィルタ25が用いられ、この低減によっても、加入者において受信される音声の再生品質に対しほとんど影響が及ぼされない。既述の実施例の場合にはこのような減衰を、広帯域ケーブ施設における通常の音声レベルに対し10dBまでの値にすることができる。このような処理により、ディジタル信号の受信またはそのSN比が改善される。このことはとりわけ、ディジタル信号の周波数範囲が音声搬送波の周波数範囲に重畳されているときに重要な役割を果たす。結局のところ変調器12の役割は、ディジタル信号の周波数範囲をアナログテレビジョン放送信号のチャネルへ変換することである。広帯域ケーブル施設30の到達距離に応じて、これはさらに別の増幅器や音声搬送波周波数成分のためのフィルタを有しており、このことは伝送信号を所定の値にレベル調整して維持することを目的とする。
【0023】
また、上述のようにして送信施設を介して送出されるアナログテレビジョン放送信号に、同じ送信施設から送出されたものでもよいし別の送信施設から送出されたものでもよいディジタル信号を付加的に加えることもできる。
【0024】
さらに、ディジタルラジオ放送プログラムまたはディジタルテレビジョン放送プログラムのほかに、ディジタル付加データを伝送することも可能である。このような付加データにはたとえば交通情報、運行時刻表、天気ニュースまたは劇場や映画のプログラムが含まれる。
【0025】
図2には、アナログテレビジョン放送信号のチャネルにおける周波数スペクトルの実例が示されている。この場合、振幅Aが周波数軸f上に示されている。このチャネルは下限周波数f01および上限周波数f02により制限されている。アナログテレビジョン放送信号のスペクトル35はこのチャネル内にあり、これは周波数f1 のところに映像搬送波を有しており、この映像搬送波f1 よりも大きい周波数fFHT のところに色副搬送波を有している。さらにスペクトル35は周波数fT1のところに第1の音声搬送波を有しており、周波数fT2のとろこに第2の音声搬送波を有している。これら両方の音声周波数fT1およfT2は、色副搬送波周波数fFHT よりも大きい。また、第2の音声搬送波周波数fT2は第1の音声搬送波周波数fT1よりも大きい。周波数f1 における映像搬送波は最も大きい振幅を有しており、これに周波数fT1およびfT2の両方の音声搬送波の振幅が続き、さらに周波数fFHT の色副搬送波が続く。
【0026】
アナログテレビジョン放送信号のスペクトルは周波数f1 の映像搬送波と周波数fFHT の色副搬送波の間において、周波数fT1およびfT2における両方の音声搬送波を別にして、周波数fFHT における色副搬送波と上限周波数f02の領域よりも大きい振幅を有している。そしてアナログテレビジョン放送信号のスペクトル35に対し色副搬送波周波数fFHT よりも上において、下限周波数fD1と上限周波数fD2の間のディジタルラジオ放送信号および/またはテレビジョン放送信号のスペクトルが重畳されている。このようにディジタル信号のスペクトル40は、周波数fT1と周波数fT2の両方の音声周波数を除いてアナログテレビジョン放送信号のスペクトルの振幅が比較的小さいチャネル領域に配属されているので、アナログテレビジョン放送信号によるディジタル信号の障害ができるかぎりわずかに抑えられる。ディジタル信号のスペクトル40における下限周波数fD1は、両方の音声搬送波周波数fT1およびfT2よりも低く、ディジタル信号のスペクトル40における上限周波数fD2は、両方の音声搬送波周波数fT1およびfT2よりも高い。したがって両方の音声搬送波にディジタル信号のスペクトル40が重畳されることになる。ディジタル信号のスペクトル40における下限周波数fD1は色副搬送波周波数fFHT よりも高いので、ディジタル信号のスペクトル40がアナログ放送信号の映像搬送波や色搬送波により損なわれることがない。また、ディジタル信号のスペクトル40における上限周波数fD2はチャネルの上限周波数f02よりも低いので、チャネルの上限周波数f02よりも大きくつまりは隣接チャネルにある周波数f2 の映像搬送波によりディジタル信号のスペクトル40が損なわれることはない。
【0027】
周波数fT1およびfT2における両方の音声搬送波の振幅はディジタル信号のスペクトル40における振幅よりも大きいので、これら両方の音声搬送波はディジタル信号に対し障害を及ぼす。所定の減衰を伴って音声搬送波をケーブル施設30へ供給するだけで、このような障害は低減される。また、このような障害をさらに低減することは受信機において行われる。
【0028】
図3による別の実施例によれば、ディジタル信号のスペクトル40はその他の点では変えられていないアナログテレビジョン放送信号のスペクトル35に次のようにして重畳される。すなわち、ディジタル信号が第2の音声搬送波周波数fT2とチャネルの上限周波数f02のとの間に位置するように重畳され、つまりこの場合、ディジタル信号は両方の音声搬送波によってももはや損なわれなくなる。
【0029】
図4によるさらに別の実施例によれば、その他の点では変わらないアナログテレビジョン放送信号のスペクトル35に、ディジタル方式のラジオ放送信号またはテレビジョン放送信号のスペクトル40のほかに、第2のラジオ放送信号またはテレビジョン放送信号による第2のスペクトル45も重畳されている。これら両方のスペクトル40および45はたとえば、図1に従って伝送されるディジタルラジオ放送信号またはディジタルテレビジョン放送信号に属するものとすることができる。この場合、両方のスペクトル40および45の周波数範囲は、変調器12から第1の増幅器13および混合器15を介して、次のようにアナログテレビジョン放送信号のチャネルに取り込まれる。すなわち、それらが保護周波数間隔fS をおいて互いに分離され、したがって互いに損い合うことがなく、さらに色副搬送波周波数fFHT と隣接チャネルの映像搬送の映像搬送波周波数f2 の間においてアナログテレビジョン放送信号のスペクトルに重畳されるよう、チャネルに取り込まれる。この場合、第1のスペクトル40は両方の音声搬送波により重畳されて障害を受けるのに対し、スペクトル45は隣接チャネルにおける第2の音声搬送波と映像搬送波周波数f2 との間に位置する。
【0030】
PAL B規格によるアナログテレビジョン放送信号の場合、チャネル幅は7MHzである。これは隣り合うチャネルの映像搬送波周波数f1 およびf2 の間隔にも相応する。映像搬送波周波数f1 と色副搬送波周波数fFHT との間隔が4.43MHzであれば、ディジタルのラジオ放送信号および/またはテレビジョン放送信号の1つまたは複数のスペクトルの割り当てのために2.57MHzが残る。既述のコーディングアルゴリズムMPEG 2 またはMPEG 4 を利用した場合、1つのディジタルテレビジョン放送信号のスペクトルのための帯域幅は1.5MHzに制限される。このようにして、周波数fFHT の色副搬送波と隣接チャネルに位置する周波数f2 の映像搬送波との間でディジタルテレビジョン放送信号を伝送することができる。
【0031】
これに代わるものとして、1.5MHz幅の周波数帯域において通常は256Kbit/sのデータレートをもつ6つまでのディジタルラジオ放送信号を伝送することもできる。PAL G 規格による8MHzの帯域幅のアナログテレビジョン放送信号のチャネルであって、第2の音声搬送波周波数fT2と映像搬送波周波数f1 との間隔が5.75MHzであれば、第2の音声搬送波周波数fT2と隣接チャネルにおける映像搬送波周波数f2 との間で2.25MHzを利用することができるので、これら両方の周波数の間において1.5MHz幅のスペクトルをもつディジタルテレビジョン放送信号を、アナログテレビジョン放送信号によっても比較的僅かな障害しか受けることなく伝送することができる。色副搬送波周波数fFHT と映像搬送波周波数f1 との間に残されたままの間隔が4.43MHzであれば、色副搬送波周波数fFHT と隣接チャネルの映像搬送波周波数f2 との間の間隔は3.57MHzになるので、図4のように色副搬送波と隣接チャネルの映像搬送波との間において、それぞれたとえば1.5MHz幅のスペクトルとたとえば0.2MHzの保護周波数間隔で、2つのディジタルのラジオ放送信号および/またはテレビジョン放送信号を伝送することができる。これに対する代案として、1つのディジタルテレビジョン放送信号ではなく6つまでのディジタルラジオ放送信号を、保護周波数間隔を設けてあるいはそれを設けることなく伝送することも可能であり、その結果、アナログテレビジョン放送信号のチャネル中に2つのテレビジョン番組または1つのテレビジョン番組と6つのオーディオ番組を伝送することもできるし、あるいは12個のオーディオ番組を格納することもできる。データ量をさらに圧縮するコーディングアルゴリズムを利用すれば、伝送可能なテレビジョン番組および/またはオーディオ番組を増やすことができる。
【0032】
図5によれば広帯域ケーブル施設30のケーブル出力側が、デコーダ55を含むコンバータ50を介してテレビジョン装置100のアナログ入力側105と接続されている一方、デコーダ55内に設けられている映像搬送波周波数成分用のフィルタ60とも接続されている。この映像搬送波周波数成分用のフィルタ60は、音声搬送波周波数成分用のフィルタ回路65、復調器70ならびに解読ユニット75を介してデマルチプレクサ80と接続されている。さらにデマルチプレクサ80は、第1の復号器85および第2の復号器86と接続されている。これら音声搬送波周波数成分用のフィルタ回路65、復調器70、解読ユニット75、デマルチプレクサ80、ならびに両方の復号器85,86も、やはりデコーダ55内に収容されている。第1の復号器85はテレビジョン装置100のディジタル入力側110と接続されており、第2の復号器86はオーディオ増幅器90を介してスピーカ95と接続されている。
【0033】
広帯域ケーブル施設30を経てコンバータ50から受信される信号には、アナログテレビジョン放送信号、ディジタルテレビジョン放送信号ならびにディジタルラジオ放送信号が含まれており、それらは図1による回路から広帯域ケーブルネットワークへ供給されたものである。受信されたディジタル信号は、テレビジョン装置100のアナログ入力側105においてノイズのように作用し、その結果、アナログテレビジョン放送信号のSN比が劣化することになる。しかしながら、アナログテレビジョン放送信号およびディジタル信号に対し相応にまえもって定められたレベル値を実現させる場合、得られるSN比は許容できるものである。この場合、映像搬送波周波数成分に対するフィルタ回路60において、殊に隣接映像搬送波からのものである障害を及ぼす映像搬送波周波数成分はたとえば20dBまで抑圧されるので、結果としてディジタル信号に対するSN比は増大する。アナログテレビジョン放送信号における音声搬送波周波数成分の相応の抑圧も同じ目的のために用いられ、これは音声搬送波周波数成分用のフィルタ回路65により行われる。これら両方のフィルタ回路60,65は能動素子および/または受動素子により実装できる。
【0034】
フィルタリングされたディジタル信号は復調器70において復調され、解読ユニット75において解読され、続いてデマルチプレクサ80においてディジタルテレビジョン放送信号とディジタルラジオ放送信号に分けられる。両方の復号器85,86は、ディジタルラジオ放送信号またはディジタルテレビジョン放送信号を伸張する。次に、ディジタルテレビジョン放送信号はテレビジョン装置100のディジタル入力側のところでアナログ信号に変換されて、画像および音声として再生される。また、ディジタルラジオ放送信号はオーディオ増幅器90においてアナログ信号に変換され増幅されて、音声再生のためスピーカ95へ供給される。
【0035】
別の実施例によればディジタル/アナログ変換はすでにデコーダ55において行われ、したがってこの場合、テレビジョン装置100にはオーディオ増幅器の場合と同様、ディジタル入力側110は不要となる。
【0036】
図7には、実例としてPAL B 規格によるアナログテレビジョン放送信号のスペクトルが示されており、この場合、チャネル幅は7MHzである。色副搬送波周波数fFHT と上方の隣接チャネルに位置する映像搬送波の周波数f2 と間において、スペクトル35をもつアナログテレビジョン放送信号に対し、多重信号としてまとめられた1つまたは複数のディジタルラジオ放送信号および/またはディジタルテレビジョン放送信号が重畳される。その際、この多重信号の周波数範囲は、互いに独立した3つの周波数ブロック245,250,255に分けられている。このことは、たとえばOFDM変調方式による変調器12での変調にあたり、アナログテレビジョン放送信号の音声搬送波周波数fT1,fT2、色副搬送波周波数fFHT および映像搬送波周波数f1 、ならびに上方の隣接チャネルにおけるアナログテレビジョン放送信号の映像搬送波周波数f2 に対し、所定の周波数間隔を下回らない搬送波周波数が選択されることによって行われる。このようにして、多重信号における第1の周波数範囲部分245は、映像搬送波周波数fFHT と第1の音声搬送波周波数fT1との間で伝送される。
【0037】
この場合、図8に示されているように第1の周波数範囲部分245は、第1の保護周波数間隔fS1をおいて色副搬送波周波数fFHT と分離されており、第2の保護周波数間隔fS2により第1の音声搬送波周波数と分離されている。多重信号における第2の周波数範囲部分250は、アナログテレビジョン放送信号における第1の音声搬送波周波数fT1と第2の音声搬送波周波数fT2との間で伝送される。その際、この第2の周波数範囲部分250は、第3の保護周波数間隔fS3をおいて第1の音声搬送波周波数fT1と分離されており、第4の保護周波数間隔fS4をおいて第2の音声搬送波周波数fT2と分離されている。さらにこの多重信号における第3の周波数範囲部分255は、アナログテレビジョン放送信号における第2の音声搬送波周波数fT2と、上方のつまり周波数が高まる方向で隣り合うチャネルにおける映像搬送波周波数f2 との間において伝送される。その際、この第3の周波数範囲部分255は、第5の保護周波数間隔fS5をおいて第2の搬送波周波数fT2と分離されており、第6の保護周波数間隔fS6をおいて上方の隣接チャネルにおける映像搬送波周波数f2 と分離されている。このようにして、既述の映像搬送波周波数や音声搬送波周波数fFHT ,fT1,f2 が多重信号の周波数範囲に重畳されることが避けられ、その結果、ディジタル多重信号を受信する際に生じる障害が避けられる。
【0038】
さらに本発明によれば、多重信号における既述の周波数範囲が順方向でも逆方向でも用いられ、その目的は、対話型のサービスや遠隔問い合わせ処理および/または遠隔制御の役割のために既存の広帯域ケーブル施設を使用するためである。ディジタルラジオ放送番組やテレビジョン番組のほかにもディジタル付加データを伝送するという既述の可能性は、対話型のサービスおよび/または通信サービスの装置においても使用できる。
【0039】
さらに、図8のような3つの周波数ブロック245,250,255への周波数範囲の分割を、1つまたは2つの周波数ブロックを順方向でのディジタルデータ伝送に用い、残りの周波数ブロックを逆方向のディジタルデータ伝送に用いるようにして適用することも可能である。
【0040】
図6には、OFDM方式に従って変調されたディジタル多重信号を送/受信するための装置201が示されている。この場合、多重信号とは有利にはラジオ放送信号および/またはテレビジョン放送信号のことであるが、考えられ得る他のすべてのディジタル信号であってもよく、たとえば対話型サービスおよび/または通信サービスの実現に適したものとすることもできる。この場合、周波数多重方式でも多重化方式でも適用できる。図6に示されている装置の場合には多重化方式が用いられる。図6において参照符号240により、装置201を広帯域ケーブル施設30に結合するための結合器が示されている。この結合器240には同調回路205と変調器235が接続されている。さらに同調回路205には復調器210が接続されており、これは復号器215と接続されている。また、変調器235にはチャネル整合ユニット230が接続されている。さらに復号器215はデマルチプレクサ260を介してインタフェースユニット225と接続されており、このインタフェースユニット225はチャネル整合ユニット230とも接続されている。これらの部品はすべて装置201内に含まれている。
【0041】
広帯域ケーブル施設30を介して装置201のところに到来するディジタル多重信号は、受信信号と送信信号との方向分離を実施する結合器240から同調回路205へ転送される。同調回路205において伝送周波数帯域の1つのチャネルが選び出され、受信すべきディジタル多重信号の周波数範囲がフィルタリングにより取り出される。先に述べたようにこの周波数範囲にはアナログテレビジョン信号も重畳されているので、同調回路205においてアナログテレビジョン放送信号の相応の映像搬送波周波数成分および/または音声搬送波周波数成分の抑圧を行うこともでき、この目的はそれらに起因する障害を受信時に避けるためである。同調されろ波されたディジタル多重信号はまだOFDM変調されたままであり、この信号に対し復調器210においてそれ相応の復調処理が施される。復調後、エラー保護されたディジタル形式の符号化ベースバンド電流が得られ、この電流に対し復号器215においてエラー評価ならびに復号処理が施される。その際、殊にエラー保護のためにいっしょに伝送されてきた冗長データが取り除かれ、その結果、復号器25の出力側において復号されたディジタル有効データ流が得られる。そして復号器215の出力側における有効データ電流は、デマルチプレクサ260において個別のディジタル信号に分割され、それらはさらにインタフェースユニット225へ転送される。図6によるインタフェースユニット225のところに示されている3つの双方向矢印によって表されているのは、装置201へこのインタフェースユニット225を介してたとえばラジオ放送受信機やテレビジョン装置ならびにビデオ機器や電話機、パーソナルコンピュータ等のようなデータ再生装置を接続可能なことである。また、このインタフェースユニット225には、たとえば光導波体を使用した光学的広帯域分配ネットワークも接続可能であり、これはインタフェースユニット225における電気/光学変換後、装置201により受信された信号をさらに分配する。
【0042】
受信の場合、データ再生装置は、広帯域ケーブル施設30を介して伝送され装置201により受信されたディジタル信号を光学的または音響的に再生する役割を果たす。また、対話型サービスおよび/または通信サービスを実現するためには装置201は、データ再生装置からインタフェースユニット225を介して装置201へ伝送されるディジタル信号を送信するためにも、広帯域ケーブル施設30に対し整えられている必要がある。これと同じことは、インタフェースユニット225に接続されている光学的広帯域分配ネットワークからインタフェース装置225を介して装置201へ伝送されるディジタルデータについてもあてはまる。この目的でインタフェースユニット225において、光学的広帯域分配ネットワークからのディジタル信号を相応に光学/電気変換する必要もある。
【0043】
ディジタルデータを広帯域ケーブル施設30へ送るために、装置201にはチャネル整合ユニット230が設けられており、このユニットはインタフェースユニット225を介して装置201へ伝送される個々のディジタル信号を符号化してまとめ、1つの多重信号を形成するために用いられる。次に、チャネル整合ユニットにおいて形成されたディジタル多重信号は、変調器235においてOFDM変調される。この場合、アナログテレビジョン放送信号を伝送するために設けられている周波数チャネル内に位置する搬送波周波数が用いられる。その際、図8による既述の6つの保護周波数間隔fS1,fS2,fS3,fS4,fS5,fS6が守られるよう、重畳されるべきアナログテレビジョン放送信号が受信を妨害する画像搬送波周波数や音声搬送波周波数を有するところには、変調器235の搬送波周波数は設けられない。対応する搬送波のブランキングは周波数ブランキングとも称する。この周波数ブランキングゆえに、ディジタル多重信号のデータレートが低減される。そしてこのようにして変調されたディジタルOFDM多重信号は、結合器240を介して広帯域ケーブル施設30へ与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ディジタルおよびアナログのラジオ放送信号および/またはテレビジョン放送信号を広帯域ケーブルへ供給するための装置を示す図
【図2】アナログチャネルのける信号スペクトルの実施例を示す図
【図3】アナログチャネルのける信号スペクトルの実施例を示す図
【図4】アナログチャネルのける信号スペクトルの実施例を示す図
【図5】広帯域ケーブルから伝送データを受信するための装置を示す図
【図6】OFDM変調されたディジタル多重信号のための本発明による送/受信装置を示す図
【図7】アナログテレビジョン放送信号のスペクトルと、OFDM変調されたディジタル多重信号において3つの周波数ブロックに分割された周波数範囲とが重畳されている様子を示す図
【図8】図7における保護周波数間隔を示すための図
【符号の説明】
【0045】
1 第1のコーダ
2 第2のコーダ
5 マルチプレクサ
10 暗号化ユニット
12 変調器
13 第1の増幅器
14 第2の増幅器
15 混合器
20 第3の増幅器
25 フィルタ
30 広帯域ケーブル施設

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタル変調された信号とアナログ変調された信号をいっしょに伝送する方法において、
a)少なくとも1つの通信チャネルにおける1つの共通のチャネルを介して、アナログテレビジョン放送信号といっしょに少なくとも1つのディジタル信号を伝送するステップと、
b)少なくとも1つのディジタル信号の信号レベルが所定のディジタル信号レベルを超えないように該少なくとも1つのディジタル信号の信号レベルを制御するステップと、
c)前記アナログテレビジョン放送信号の信号レベルが前記所定のディジタル信号レベルよりも大きい所定のアナログ信号レベルを下回らないように該アナログテレビジョン放送信号の信号レベルを制御するステップと、
d)前記の少なくとも1つのディジタル信号の周波数スペクトルの振幅が前記アナログテレビジョン放送信号の映像搬送波の振幅よりも小さい所定の振幅値を超えないように該少なくとも1つのディジタル信号を制御するステップと、
e)前記少なくとも1つのディジタル信号の周波数スペクトルが前記共通のチャネルの幅よりも狭い周波数範囲に制限されるように該少なくとも1つのディジタル信号を制御するステップが設けられており、
前記少なくとも1つのディジタル信号は、少なくとも1つのラジオ放送信号および少なくとも1つのテレビジョン放送信号から成るグループから選択された少なくとも1つの信号を有し、
複数の前記ディジタル信号をそれぞれ個々のブロックにまとめ、ついで該ブロックにおけるディジタル信号をそれぞれ少なくとも1つのチャネルを介して伝送し、少なくとも2つの該ディジタル信号の周波数範囲を保護周波数間隔により各々互いに分離することを特徴とする、
ディジタル変調された信号と前記アナログ変調された信号をいっしょに伝送する方法。
【請求項2】
前記ディジタル変調された信号とアナログ変調された信号を広帯域ケーブル施設を介して伝送する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記の少なくとも1つのディジタル信号のデータ量を該信号の伝送前に符号化により低減する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記の少なくとも1つのディジタル信号の周波数範囲内で、該ディジタル信号に加えてディジタル付加データも伝送する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記の少なくとも1つのディジタル信号の周波数範囲は、前記アナログテレビジョン放送信号の色副搬送波周波数と前記共通のチャネルと隣り合う隣接チャネルの映像搬送波周波数との間にあり、それぞれ1つの保護周波数間隔をおいて前記の色副搬送波周波数と隣接チャネルの映像搬送波周波数とから分離する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記アナログテレビジョン放送信号は音声周波数成分を有しており、該音声周波数成分を所定のように減衰させて伝送する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
受信した前記少なくとも1つのディジタル信号をデコーディングするためのデコーダ内のフィルタ回路によって、前記アナログテレビジョン放送信号における障害作用のある映像搬送波周波数および音声搬送波周波数成分を減衰する、請求項1項記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのディジタル信号を暗号化して伝送する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのディジタル信号をCOFDM方式(COFDM=Coded Orthogonal Frequency Division Multiplexing)に従って変調してから、多重化され変調された該少なくとも1つのディジタル信号を伝送する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ディジタル変調される信号を変調するための搬送波周波数は、該搬送波周波数がアナログテレビジョン放送信号の音声搬送波周波数に対し所定の周波数間隔を下回らないように選択する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記ディジタル変調される信号を変調するための搬送波周波数は、該搬送波周波数がアナログテレビジョン放送信号の色副搬送波周波数に対し所定の周波数間隔を下回らないように選択する、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記ディジタル変調される信号を変調するための搬送波周波数は、該搬送波周波数がアナログテレビジョン放送信号の映像搬送波周波数または隣接チャネルにおけるアナログテレビジョン放送信号の映像搬送波周波数に対し所定の周波数間隔を下回らないように選択する、請求項9記載の方法。
【請求項13】
ディジタル変調された信号とアナログ変調された信号をいっしょに伝送する方法において、
a)少なくとも1つの通信チャネルにおける1つの共通のチャネルを介して、アナログテレビジョン放送信号といっしょに少なくとも1つのディジタル信号を伝送するステップと、
b)少なくとも1つのディジタル信号の信号レベルが所定のディジタル信号レベルを超えないように該少なくとも1つのディジタル信号の信号レベルを制御するステップと、
c)前記アナログテレビジョン放送信号の信号レベルが前記所定のディジタル信号レベルよりも大きい所定のアナログ信号レベルを下回らないように該アナログテレビジョン放送信号の信号レベルを制御するステップと、
d)前記の少なくとも1つのディジタル信号の周波数スペクトルの振幅が前記アナログテレビジョン放送信号の映像搬送波の振幅よりも小さい所定の振幅値を超えないように該少なくとも1つのディジタル信号を制御するステップと、
e)前記少なくとも1つのディジタル信号の周波数スペクトルが前記共通のチャネルの幅よりも狭い周波数範囲に制限されるように該少なくとも1つのディジタル信号を制御するステップと、
f)前記ステップa)による伝送の前に、前記少なくとも1つのディジタル信号を前記アナログテレビジョン放送信号といっしょにまとめて多重化信号を形成するステップが設けられており、
前記少なくとも1つのディジタル信号は、少なくとも1つのラジオ放送信号と少なくとも1つのテレビジョン放送信号を有しており、前記多重信号としてまとめられた前記少なくとも1つのディジタル信号の周波数範囲の少なくとも一部分を、前記アナログテレビジョン放送信号の色副搬送波周波数と音声搬送波周波数との間で伝送し、該周波数範囲の少なくとも一部分を、個々の保護周波数間隔により前記色副搬送波周波数と音声搬送波周波数の双方から分離し、
複数の前記ディジタル信号をそれぞれ個々のブロックにまとめ、ついで該ブロックにおけるディジタル信号をそれぞれ少なくとも1つのチャネルを介して伝送し、少なくとも2つの該ディジタル信号の周波数範囲を保護周波数間隔により各々互いに分離することを特徴とする、
ディジタル変調された信号とアナログ変調された信号をいっしょに伝送する方法。
【請求項14】
ディジタル変調された信号とアナログ変調された信号をいっしょに伝送する方法において、
a)少なくとも1つの通信チャネルにおける1つの共通のチャネルを介して、アナログテレビジョン放送信号といっしょに少なくとも1つのディジタル信号を伝送するステップと、
b)少なくとも1つのディジタル信号の信号レベルが所定のディジタル信号レベルを超えないように該少なくとも1つのディジタル信号の信号レベルを制御するステップと、
c)前記アナログテレビジョン放送信号の信号レベルが前記所定のディジタル信号レベルよりも大きい所定のアナログ信号レベルを下回らないように該アナログテレビジョン放送信号の信号レベルを制御するステップと、
d)前記の少なくとも1つのディジタル信号の周波数スペクトルの振幅が前記アナログテレビジョン放送信号の映像搬送波の振幅よりも小さい所定の振幅値を超えないように該少なくとも1つのディジタル信号を制御するステップと、
e)前記少なくとも1つのディジタル信号の周波数スペクトルが前記共通のチャネルの幅よりも狭い周波数範囲に制限されるように該少なくとも1つのディジタル信号を制御するステップと、
f)前記ステップa)による伝送の前に、前記少なくとも1つのディジタル信号を前記アナログテレビジョン放送信号といっしょにまとめて多重信号を形成するステップが設けられており、
前記少なくとも1つのディジタル信号は、少なくとも1つのラジオ放送信号と少なくとも1つのテレビジョン放送信号を有しており、多重信号としてまとめられた前記少なくとも1つのディジタル信号の周波数範囲の少なくとも一部分を、前記アナログテレビジョン放送信号の一方の音声搬送波周波数と他方の音声周波数との間で伝送し、該周波数範囲の少なくとも一部分を、個々の保護周波数間隔により前記双方の音声搬送波周波数から分離し、
複数の前記ディジタル信号をそれぞれ個々のブロックにまとめ、ついで該ブロックにおけるディジタル信号をそれぞれ少なくとも1つのチャネルを介して伝送し、少なくとも2つの該ディジタル信号の周波数範囲を保護周波数間隔により各々互いに分離することを特徴とする、
ディジタル変調された信号とアナログ変調された信号をいっしょに伝送する方法。
【請求項15】
ディジタル変調された信号とアナログ変調された信号をいっしょに伝送する方法において、
a)少なくとも1つの通信チャネルにおける1つの共通のチャネルを介して、アナログテレビジョン放送信号といっしょに少なくとも1つのディジタル信号を伝送するステップと、
b)少なくとも1つのディジタル信号の信号レベルが所定のディジタル信号レベルを超えないように該少なくとも1つのディジタル信号の信号レベルを制御するステップと、
c)前記アナログテレビジョン放送信号の信号レベルが前記所定のディジタル信号レベルよりも大きい所定のアナログ信号レベルを下回らないように該アナログテレビジョン放送信号の信号レベルを制御するステップと、
d)前記の少なくとも1つのディジタル信号の周波数スペクトルの振幅が前記アナログテレビジョン放送信号の映像搬送波の振幅よりも小さい所定の振幅値を超えないように該少なくとも1つのディジタル信号を制御するステップと、
e)前記少なくとも1つのディジタル信号の周波数スペクトルが前記共通のチャネルの幅よりも狭い周波数範囲に制限されるように該少なくとも1つのディジタル信号を制御するステップと、
f)前記ステップa)による伝送の前に、前記少なくとも1つのディジタル信号を前記アナログテレビジョン放送信号といっしょにまとめて多重信号を形成するステップが設けられており、
前記少なくとも1つのディジタル信号は、少なくとも1つのラジオ放送信号と少なくとも1つのテレビジョン放送信号を有しており、多重信号としてまとめられた前記少なくとも1つのディジタル信号の周波数範囲の少なくとも一部分を、前記1つの共通のチャネルに隣り合うチャネルの映像搬送波周波数と前記アナログテレビジョン放送信号の音声搬送波周波数との間で伝送し、該周波数範囲の少なくとも一部分を、個々の保護周波数間隔により前記1つの共通のチャネルに隣り合うチャネルの映像搬送波周波数と前記アナログテレビジョン放送信号の音声搬送波周波の双方から分離し、
複数の前記ディジタル信号をそれぞれ個々のブロックにまとめ、ついで該ブロックにおけるディジタル信号をそれぞれ少なくとも1つのチャネルを介して伝送し、少なくとも2つの該ディジタル信号の周波数範囲を保護周波数間隔により各々互いに分離することを特徴とする、
ディジタル変調された信号とアナログ変調された信号をいっしょに伝送する方法。
【請求項16】
任意の伝送方向における前記少なくとも1つのディジタル信号を1つの多重信号としてまとめる、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記ディジタル変調された信号を第1の送信局から送信し、前記アナログ変調された信号を第2の送信局から送信する、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記ディジタル変調された信号および前記アナログ変調された信号をただ1つの送信局から送信する、請求項1記載の方法。
【請求項19】
OFDM方式に従って変調されたディジタル多重信号を送信および受信するための装置において、
受信部と送信部が設けられており、
前記受信部は、伝送周波数帯域における1つのチャネルを選択する同調回路(205)と、該同調回路(205)からの前記チャネルにおける変調信号を復調して復調ディジタル信号を含む復調信号を生成するための復調器(210)と、復調されたディジタル信号のエラー評価のための復号器(215)と、復調された前記信号を個々のディジタル信号へ分割するデマルチプレクサ(260)と、データ再生機器および光学的広帯域分配ネットワークへ前記個々のディジタル信号を伝送するためのインタフェースユニット(225)を有しており、
前記送信部は、前記インタフェースユニット(225)を介して前記データ再生機器および前記光学的広帯域分配ネットワークの少なくとも一方から受信した前記個々のディジタル信号をまとめ符号化して多重信号を形成するチャネル整合ユニット(230)と、
該チャネル整合ユニット(230)からの多重信号を所定の周波数チャネルの搬送波周波数に載せて変調するための変調器(235)と、
広帯域ケーブル施設(30)と接続するための結合器(240)が設けられており、該結合器は前記の同調回路(205)および変調器(235)と接続されており、前記所定の周波数チャネルはアナログテレビジョン放送信号とともに1つの共通のチャネル内に配置されており、
該多重信号の信号レベルが所定のディジタル信号レベルを超えないように該多重信号の信号レベルが制御され、
アナログテレビジョン放送信号の信号レベルが前記所定のディジタル信号レベルよりも大きい所定のアナログ信号レベルを下回らないように該アナログテレビジョン放送信号の信号レベルが制御され、
前記多重信号の周波数スペクトルの振幅が前記アナログテレビジョン放送信号の映像搬送波の振幅よりも小さい所定の振幅値を超えないように該多重信号の周波数スペクトルの振幅が制御され、
前記多重信号により占有される帯域幅は、前記アナログテレビジョン放送信号と共有する前記チャネルの幅よりも狭い周波数範囲に制限され、
前記多重信号は、少なくとも1つのラジオ放送信号と少なくとも1つのテレビジョン放送信号から成るグループから選択された少なくとも1つの信号を含み、
複数の前記ディジタル信号はそれぞれ個々のブロックにまとめられ、ついで該ブロックにおけるディジタル信号はそれぞれ少なくとも1つのチャネルを介して伝送され、少なくとも2つの該ディジタル信号の周波数範囲は保護周波数間隔により各々互いに分離されることを特徴とする、
OFDM方式に従って変調されたディジタル多重信号を送信および受信するための装置。
【請求項20】
前記変調器(235)には、前記多重信号のデータレートを低減する手段が設けられており、前記多重信号は、選択された搬送波周波数に載せて変調すべき信号成分を有しており、該選択された搬送波周波数は、アナログテレビジョン放送信号における少なくとも1つの音声搬送波周波数、少なくとも1つの色副搬送波周波数または少なくとも1つの映像搬送波周波数のうち最も高い周波数を、所定の周波数間隔だけ超えている、請求項19記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−92564(P2008−92564A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245345(P2007−245345)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【分割の表示】特願平9−512319の分割
【原出願日】平成8年9月19日(1996.9.19)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】