説明

ディスクカートリッジのローディング装置

【課題】シンプルな機構で、ディスクカートリッジのシャッターをスムーズに開放する。
【解決手段】ディスクカートリッジ1をローディング装置のカートリッジホルダー25内に挿入する際に、インナーローター2のロック解除用スライダー32でインナーローター2のロックを解除し、そのままロック解除用スライダー32を引張りコイルバネ35に抗してでスカートリッジ1で押し動かしながら、インナーローター2の被係合部9に屈曲アームで構成されたシャッター開閉用アーム38の先端の係合部40を係合させて、その係合部40をディスクカートリッジ1で押すことにより、そのシャッター開閉用アーム38を捩りコイルバネ41に抗して自動的に回転駆動し、その係合部40でインナーローター2を自動的に回転駆動して、ディスクカートリッジ1の底部開口5を開放されるディスクカートリッジのローディング装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVD等の記録及び/又は再生用のディスクが内部に収納されたディスクカートリッジをカートリッジホルダー内に挿入してローディングするディスクカートリッジのローディング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディスクカートリッジをカートリッジホルダー内に挿入することにより、シャッター開閉レバーによって該ディスクカートリッジのシャッターを開放するように構成された各種のディスクカートリッジのローディング装置が知られている。
【特許文献1】W097/27586号公報
【特許文献2】特開平06−203450号公報
【特許文献3】特公平02−37626号公報
【特許文献4】特公平04−32464号公報
【特許文献5】特公平05−65946号公報
【特許文献6】特公平06−40413号公報
【特許文献7】特開昭62−9953号公報
【特許文献8】特開2000−357357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のディスクカートリッジのローディング装置にあって、シャッターを閉位置でロックするロック機構を備えたディスクカートリッジを使用するものにおいて、ディスクカートリッジをカートリッジホルダー内に挿入する際に、シャッターのロック解除と、該シャッターの開放とをシンプルな機構で、スムーズに行えるようにしたものは未だ開発されていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、シャッターを閉位置でロックするロック手段を備えたディスクカートリッジをローディングするディスクカートリッジのローディング装置において、ディスクカートリッジをカートリッジホルダー内に挿入する際に、そのロック手段のロック解除動作と、シャッターの開放動作とをシンプルな機構で、スムーズに行えるようにするために、記録及び/又は再生用のディスクが内部に収納され、底部にスピンドルモーターのターンテーブルと記録及び/又は再生手段の挿入用の底部開口が形成され、該底部開口を開閉するシャッターを回転方式で開閉駆動するシャッター開閉用回転体が収納され、該シャッター開閉用回転体を閉位置でロックするロック手段が設けられたディスクカートリッジのローディング装置において、前記ディスクカートリッジが挿入された後、該ディスクカートリッジを挿入方向に対する直交方向へ移動させることにより前記ターンテーブル及び前記記録及び/又は再生手段を前記底部開口内に相対的に挿入して、内部のディスクを該ターンテーブル上にチャッキングするカートリッジホルダーと、前記ディスクカートリッジに設けられて、前記シャッター開閉用回転体を閉位置でロックするロック手段と、前記カートリッジホルダーにスライド自在に取り付けられたロック解除手段及び該ロック解除手段の原位置へのスライド付勢手段であって、前記ディスクカートリッジが前記カートリッジホルダー内に挿入される際に、前記ロック解除手段が相対的に前記ロック手段に係合して前記シャッター開閉用回転体の閉位置でロックを解除した後、該ロック解除手段が前記ディスクカートリッジと一緒にスライドされる前記スライド付勢手段に抗してロック解除手段及びスライド付勢手段と、前記カートリッジホルダーの一側部に設けられた回転支点を中心に前記ディスクカートリッジの底部と平行に回転され、先端に前記シャッター開閉用回転体の外周の被係合部に係合される係合部が設けられ、かつ、回転付勢手段によって原位置へ回転付勢されているシャッター開閉用アームであって、前記ディスクカートリッジが前記カートリッジホルダー内に挿入される際に、前記シャッター開閉用回転体のロック解除に引き続いて、先端の前記係合部を前記シャッター開閉用回転体の前記被係合部に相対的に係合させ、該ディスクカートリッジの引き続きの挿入動作に追従して該シャッター開閉用アームを前記回転付勢手段に抗して前記回転支点を中心に閉位置から開位置へ回転駆動させることにより、前記シャッター開閉用回転体を回転駆動して、前記シャッターを回転駆動して前記底部開口を開放するように構成されたシャッター開閉用アームとを備えたものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明のディスクカートリッジのローディング装置は、ディスクカートリッジをカートリッジホルダー内に挿入する際に、最初に、ロック解除手段をディスクカートリッジのロック手段に相対的に係合させて、シャッター開閉用回転体の閉位置でのロックを解除した後、該ロック解除手段をスライド付勢手段に抗してディスクカートリッジと一緒にスライドさせる。そして、これに追従させるようにして、シャッター開閉用アームの先端の係合部をシャッター開閉用回転体の被係合部に相対的に係合させると共に、該シャッター開閉用アームの先端をディスクカートリッジで押すことにより、該シャッター開閉用アームを回転支点を中心に回転付勢手段に抗して閉位置から開位置へ回転させるようにして、シャッター開閉用回転体を閉位置から開位置へ回転させてシャッターを開き、ディスクカートリッジの底部開口を開放させるので、シンプルな機構で、ディスクカートリッジのシャッターをスムーズに開放することができ、ローコストで、信頼性の高いディスクカートリッジのローディング装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
シャッター開閉用アームの長さ方向の中間に屈曲部を設け、該屈曲部をスピンドルモーターに対する逃げ部に構成すれば、ディスクカートリッジのローディング装置の省スペース化による小型化を実現できる。
【0007】
シャッター開閉用回転体を薄型のローターに構成して、その内部にディスクを収納すれば、シャッター開閉用アームでローターをスムーズに回転駆動することができて、シャッターの開閉動作をスムーズに行える。
【0008】
シャッター開閉用回転体の底部と少なくとも1枚のシャッターによってディスクカートリッジの底部開口を開閉するように構成すれば、シャッターのスムーズな開閉と部品点数の削減を実現できる。
【実施例1】
【0009】
以下、本発明を適用したディスクカートリッジのローディング装置の実施例を説明する。
[ディスクカートリッジの説明]
【0010】
図9〜図11によって、ディスクカートリッジを説明する。
このディスクカートリッジ1は、合成樹脂等にて成形された上下シェルによって薄型に組立てられていて、平面形状がほぼ方形状に形成されている。なお、このディスクカートリッジ1の先端1aはほぼ円弧状に形成され、後端1bと左右両側1c、1dはそれぞれほぼ直線状に形成されている。また、底部1eはフラットに形成され、上面の中央部には平面形状がほぼU字状の隆起部1fが形成されている。
そして、このディスクカートリッジ1内にはシャッター開閉用回転体である薄型で、円形の盆形状のローターであるインナーローター2が回転自在に水平状に収納されていて、このインナーローター2内にDVD等の記録及び/又は再生用のディスク3が回転自在及び上下動自在に水平に収納されている。
【0011】
そして、このディスクカートリッジ1の先端1aのほぼ中央部には横長形状の先端開口4が形成されていて、この先端開口4は先端1aの厚み方向の下側で、下方から約2/3の領域に亘って形成されている。従って、この先端開口4にはインナーローター2の一部が露呈されている。また、このディスクカートリッジ1の底部2aには先端開口4の下端からこのディスクカートリッジ1のほぼ中央部にかけてほぼU字形状の底部5が形成されている。従って、この底部開口5の先端は先端開口4の下端に接続された状態に開放されている。そして、インナーローター2の底部2aの一部にも上記の底部開口5とほぼ同形状で、同寸法のローター開口6が形成されている。そして、ディスクカートリッジ1の底部1eとインナーローター2の底部2aとの間に薄板からなる複数枚、例えば2枚のシャッター8が水平状に組み込まれていて、インナーローター2の底部2aのローター開口6に隣接する一部もシャッターに兼用されている。
【0012】
そして、図10及び図11に示すように、インナーローター2は閉位置P1と開位置P2との間で所定の角度(例えば、ほぼ60°)内で閉方向(矢印a方向)と開方向(矢印b方向)に回転自在に構成されていて、2枚のシャッター7、8は図示省略した回転構造及び連動構造によってディスクカートリッジ1の底部1eの内部に回転自在に枢支されると共に、インナーローター2の底部2aに係合されている。
そして、図10に示すように、インナーローター2が閉位置P1へ矢印a方向に回転復帰されることによって、インナーローター2のローター開口6がディスクカートリッジ1の底部開口5に対して所定角度にずれると共に、2枚のシャッター7、8が底部開口5内に矢印c、d方向から入り込んで突き合わされ、これら2枚のシャッター7、8と底部2aの一部によってディスクカートリッジ1の底部開口5が閉塞されるように構成されている。
【0013】
また、図11に示すように、インナーローター2が閉位置P1から開位置P2へ矢印b方向に回転されることによって、インナーローター2のローター開口6がディスクカートリッジ1の底部開口5上に重ねられると共に、2枚のシャッター7、8が底部開口5の左右両側方へ矢印e、f方向に逃げて、その底部開口5が開放されるように構成されている。
そして、インナーローター2の外周2bの一部で、ディスクカートリッジ1の先端開口4内に露出されている部分に、凹形状の被係合部9が形成されていて、後述するローディング装置21のシャッター開閉用アーム38の先端の係合部40が係合されて、この被係合部9がシャッター開閉用アーム38によって矢印a、b方向に回転操作されることによって、インナーローター2が閉位置P1と開位置P2との間で矢印a、b方向に開閉(回転)操作されるように構成されている。
【0014】
なお、図10及び図11に示すように、ディスクカートリッジ1内で、先端1aの一側部には小型のロックレバー10が回転支点11を中心に矢印g、h方向に回転自在に組み込まれている。そして、このロックレバー10は図示省略した捩りコイルバネ等の回転付勢手段によってロック方向である矢印g方向に回転付勢されていて、図10に示すように、インナーローター2が閉位置P1まで矢印a方向に回転復帰された瞬間に、このロックレバー10が回転付勢手段によって矢印g方向(ロック方向)に回転して、インナーローター2の外周の一部に形成されている溝や突起等の被ロック部12に係合されて、このインナーローター2を閉位置P1にロックする。一方、このロックレバー10の操作部10aが回転付勢手段に抗して矢印h方向(ロック解除方向)へ回転操作されると、このロックレバー10がインナーローター2の被ロック部12から離脱されて、インナーローター2がディスクカートリッジ1内で矢印a、b方向に自由に回転できるように構成されている。
そして、このロックレバー10の操作部10aはディスクカートリッジ1の先端1aの左右両端近傍位置に左右対称状に形成された左右一対の切欠き13、14のうちの一方の切欠き13内で、矢印g、h方向に回転できるように構成されている。
なお、ディスクカートリッジ1の左右両側1c、1dには、左右一対のガイド溝15、16等が形成されている。
[ローディング装置の説明]
【0015】
図1〜図8によって、ローディング装置を説明する。
このローディング装置21は、ベース22の左右両側に左右一対のガイド板23が垂直状に取り付けられていて、その左右一対のガイド板23の内側に左右一対の昇降駆動板24が垂直状に配置され、その左右一対の昇降駆動板24間にカートリッジホルダー25が水平状に配置されている。なお、カートリッジホルダー25は天板25aと、その天板25aの左右両側端から下方へ折り曲げられた左右両側板25bと、その左右両側板25bの下端から内側へ水平に折り曲げられた左右一対の小幅の底板25cとによって構成されている。
【0016】
そして、カートリッジホルダー25の左右両側板25bの外側で、前後2箇所に水平状に取り付けられた前後各一対のカム従動ピン(ガイドローラ)26が左右一対の昇降駆動板24の前後2箇所に形成された前後各一対の昇降駆動用カム溝27内をを水平に貫通して左右一対のガイド板23の前後2箇所に垂直状に形成されたガイドピン逃げ溝28内に遊嵌されている。また、カートリッジホルダー25の左右両側板25bの前後方向の中間部の外側に水平状に取り付けられた左右一対のガイドピン(ガイドローラ)29が左右一対のガイド板23の前後方向の中間部に垂直状に形成された左右一対の昇降ガイド溝30内に遊嵌されている。
そして、図1(図2)及び図3に示すように、左右一対の昇降駆動板24が図示省略されたダウン用のバネとイジェクトレバーとによって同時に前後方向である矢印i、j方向にスライド駆動されることによって、合計2個のガイドピン29と昇降ガイド溝30によってカートリッジホルダー25の前後方向(矢印i、j方向)の移動を規制して、合計4個のカム従動ピン26と昇降駆動用カム溝27によるカム機構によってカートリッジホルダー25が水平状態を維持しつつ、上昇位置P4と下降位置P5との間で矢印k、m方向に昇降(平行運動)駆動される昇降駆動機構31が構成されている。なお、左右一対の昇降駆動板24を駆動モータを用いて矢印i、j方向スライド駆動することも可能である。
【0017】
そして、カートリッジホルダー25の天板25aの一側部の上部にロック解除手段であるロック解除用スライダー32が一対のガイド溝34とガイドピン35で案内されて前後方向である矢印n、o方向にスライド自在に取り付けられている。そして、このロック解除用スライダー32はカートリッジホルダー25の天板25aの前端部側に取り付けられたスライド付勢手段である引張りコイルバネ35によって矢印n方向の原位置P6へスライド付勢されている。
そして、このロック解除用スライダー32の内側縁から下方へ垂直状に折り曲げられた小突片であるロック解除部32aが天板25aに形成された開口部36の下方に突出されている。
【0018】
また、カートリッジホルダー25の一側部(ロック解除用スライダー32が取り付けられている側位置)で、底板25cの下部にシャッター開閉用アーム38が回転支点39の周りに図4に示す原位置P8と図5に示す回転位置P9との間で水平方向である矢印o、p方向に回転自在に取り付けられている。そして、このシャッター開閉用アーム38の先端38aの上部には小さいローラで構成された垂直状の係合部40が回転自在に取り付けられている。
そして、このシャッター開閉用アーム38はほぼブーメラン形状に屈曲されていて、長さ方向の中間にはほぼV字状の屈曲部38bが形成されている。また、このシャッター開閉用アーム38は回転位置P9から図4に示す原位置P8まで回転付勢手段である捩りコイルバネ41によって矢印o方向に回転付勢されている。
【0019】
なお、ベース22上のほぼ中央部にはスピンドルモーター43が垂直状に取り付けられていて、そのスピンドルモーター43の上端にはスピンドル43aと一体のターンテーブル44が水平状に配置されている。
そして、図1及び図4に示すように、シャッター開閉用アーム38が捩りコイルバネ41によって原位置P8まで矢印o方向に回転復帰されて図示省略したストッパーで停止された状態では、そのシャッター開閉用アーム38が中間部の屈曲部38bによってスピンドルモーター43に対して逃げることができて、省スペース化による小型化が実現されている。
[ローディング装置の動作説明]
【0020】
ここで、ローディング装置21の各動作について説明する。
まず、ディスクカートリッジ1の使用前の状態では、図10に示すように、インナーローター2の被係合部9が閉位置P1まで矢印a方向に回転されて、ロックレバー10によってインナーローター2がロックされ、底部開口5が2枚のシャッター7、8とインナーローター2の底部2aの一部で閉塞されている。
一方、図1及び図7に示すように、ローディング装置21のカートリッジホルダー25は昇降駆動機構31によって上昇位置P4まで矢印k方向に上昇されている。
【0021】
そこで、図1及び図7に示すように、ディスクカートリッジ1をその先端1a側からローディング装置21のカートリッジホルダー25内に矢印r方向から水平に挿入すると、図10に1点鎖線で示すように、ロック解除用スライダー32のロック解除部32aがディスクカートリッジ1の一方の切欠き13内に矢印s方向から相対的に挿入されて、そのロック解除部32aがロックレバー10の操作部10aを矢印s方向に押す。
すると、ディスクカートリッジ1のロックレバー10が回転支点11を中心に回転付勢用の捩りコイルバネ(図示せず)に抗して矢印h方向に回転されて、インナーローター2の被ロックから外されて、そのインナーローター2のロックが解除される。
【0022】
一方、ディスクカートリッジ1はそのままカートリッジホルダー25内に矢印r方向に挿入されるが、その際、ロック解除用スライダー32がそのディスクカートリッジ1によって矢印r方向に押されて、ガイド溝33及びガイドピン34で案内されながらカートリッジホルダー25の天板25a上を引張りコイルバネ35に抗して図1に示す原位置P6から図2に示すスライド位置P7まで矢印o方向へスライド駆動される。
【0023】
そして、図1、図4、図6及び図10に示すように、ディスクカートリッジ1のインナーローター2のロックが解除されるのとほぼ同時又は直後に、シャッター開閉用アーム38の先端38aの係合部40がディスクカートリッジ1の被係合部9内に矢印t方向から相対的に挿入されて係合される。
そして、ディスクカートリッジ1がそのままカートリッジホルダー25内に矢印r方向に挿入されることによって、そのディスクカートリッジ1によってシャッター開閉用アーム38の先端38aが矢印r方向に押されることによって、そのシャッター開閉用アーム38が回転支点39を中心に捩りコイルバネ41に抗して矢印p方向へ回転駆動される。
【0024】
そして、ディスクカートリッジ1が図1及び図4に示す挿入位置から図2及び図5に示す挿入完了位置まで矢印r方向へ挿入される間に、シャッター開閉用アーム38が回転支点39を中心に捩りコイルバネ41に抗して図4に示す原位置P8から図5に示す開位置P9まで矢印p方向へ回転駆動される。
すると、シャッター開閉用アーム38の係合部40によってディスクカートリッジ1のインナーローター2の被係合部9が矢印b方向にスムーズに回転駆動されて、インナーローター2が図10に示す閉位置P1から図11に示す開位置P2まで矢印b方向に自動的に、かつ、スムーズに回転駆動され、そのディスクカートリッジ1の底部開口5が自動的に開放される。
【0025】
そして、図2及び図5に示すように、ディスクカートリッジ1がカートリッジホルダー25内の挿入完了位置まで矢印r方向に挿入完了された時に、そのディスクカートリッジ1が図示省略したロック手段によってカートリッジホルダー25内にロックされると共に、図示省略した検出スイッチによってディスクカートリッジ1の挿入完了が検出され、図示省略されたダウン用のバネによって左右一対の昇降駆動板24が図1及び図2に示す上昇位置P10から図3に示す下降位置P11まで矢印j方向に同時にスライド駆動されて、カートリッジホルダー25が図2及び図7に示す上昇位置P4から図3及び図8に示す下降位置P5まで矢印m方向に水平に下降される。
【0026】
そして、スピンドルモーター43のターンテーブル44がディスクカートリッジ1の底部開口5に下方から相対的に挿入されて、ディスクカートリッジ1のインナーローター2内のディスク3が中心穴3aによってターンテーブル43上にセンターリングされてチャッキングされる。そして、ディスク3がインナーローター2内で上下方向のほぼ中間位置(非接触位置)まで浮上(押し上げられること)されて、ディスクカートリッジ1のローディング動作が終了する。
また、このディスクカートリッジ1のローディング完了により、図示省略した光学ピックアップ等の記録及び/又は再生手段がディスクカートリッジ1の底部開口5内に挿入又は近接されて、ディスク3の下面に近接される。
そして、スピンドルモーター43によってディスク3が回転駆動され、記録及び/又は再生手段によってディスク3にデータの記録及び/又は再生が行われることになる。
【0027】
なお、ディスクカートリッジ1のイジェクト動作は、上述したローディング動作の逆順序で行われ、図示省略されたイジェクトレバーが押されると、左右一対の昇降駆動板24が図3に示す下降位置P11から図2に示す上昇位置P10まで矢印i方向へスライド駆動される。
すると、ディスクカートリッジ1が図3及び図8に示す下降位置P5から図2及び図7に示す上昇位置10まで矢印k方向に上昇された後に、カートリッジホルダー25内での
ディスクカートリッジ1のロックが解除され、ディスクカートリッジ1がシャッター開閉用アーム38を開位置P8から閉位置P7まで矢印o方向に回転復帰する捩りコイルバネ35やロック解除スライダー32をスライド位置P7から原位置P6間で矢印n方向にスライド復帰する引張りコイルバネ35のバネ力によって図2及び図5に示す挿入完了位置から図1及び図4に示す挿入位置まで矢印u方向に押し戻される。そして、この間に、シャッター開閉用アーム38の係合部40によってディスクカートリッジ1内のインナーローター2の被係合部9を介して該インナーローター2が図11に示す開位置P2から図10に示す閉位置P1まで矢印a方向に自動的に回転復帰される。
そして、ディスクカートリッジ1の底部開口5が2枚のシャッター7、8等によって自動的に閉塞されるので、この後に、ディスクカートリッジ1をカートリッジホルダー25外へ矢印u方向へ抜き取る際に、使用者が手の指等を底部開口5内に不用意に挿入して、ディスク2の下面である記録面を汚染したり、損傷する危険がない。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上、本発明の実施の形態に付き述べたが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。
例えば、本発明のシャッター開閉用アーム38は屈曲アームに限定されることなく、直線状のアームであってもよい。
また、上記した実施の形態では、昇降駆動機構31の左右一対の昇降駆動板24をダウン用バネとイジェクトレバーとによって矢印i、j方向へ駆動して、カートリッジホルダー25を上昇位置P4と下降位置P5との間で矢印k、m方向に昇降させるように構成したが、左右一対の昇降駆動板24を駆動用モーターによって矢印i、j方向へ駆動して、カートリッジホルダー25を上昇位置P4と下降位置P5との間で矢印k、m方向に昇降させるように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例1を説明するディスクカートリッジとローディング装置の斜 視図であって、カートリッジホルダー内へのディスクカートリッジの挿入途中を示し た斜視図である。
【図2】図1に続く、カートリッジホルダー内へのディスクカートリッジの挿入完了 を示した斜視図である。
【図3】図2に続く、カートリッジホルダーによってディスクカートリッジの上昇位 置から下降位置への下降を示した斜視図である。
【図4】図1に対応するカートリッジホルダー内へのディスクカートリッジの挿入途 中を示した底面図である。
【図5】図2に対応するカートリッジホルダー内へのディスクカートリッジの挿入完 了を示した底面図である。
【図6】図1及び図4に対応するカートリッジホルダーとその内部に挿入されたディ スクカートリッジの正面を拡大して示した図面である。
【図7】図2及び図5に対応するカートリッジホルダーとその内部に挿入されたディ スクカートリッジの正面を拡大して示した図面である。
【図8】図3に対応するカートリッジホルダーの下降位置とディスクカートリッジ内 のディスクをスピンドルモーターのターンテーブル上にチャッキングした様子の正面 を拡大して示した図面である。
【図9】ディスクカートリッジの平面図、正面図、背面図、左右側面図を示した図面 である。
【図10】ディスクカートリッジの底部開口が閉塞されている様子を示した底面図で ある。
【図11】ディスクカートリッジの底面開口が開放されている様子を示した底面図で ある。
【符号の説明】
【0030】
1 ディスクカートリッジ
1a ディスクカートリッジの先端
1e ディスクカートリッジの底部
2 シャッター開閉用回転体であるインナーローター(ローター)
3 ディスク
5 ディスクカートリッジの底面開口
7 シャッター
8 シャッター
9 ローターの被係合部
10 ロック手段であるロックレバー
11 回転支点
21 ローディング装置
25 カートリッジホルダー
35 ロック解除用スライダー
35 スライド付勢手段である引張りコイルバネ
36 シャッター開閉用アーム
36a シャッター開閉用アームの先端
36b シャッター開閉用アームの屈曲部
39 回転支点
40 シャッター開閉用アームの係合部
41 回転付勢手段である捩りコイルバネ
43 スピンドルモーター
44 ターンテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録及び/又は再生用のディスクが内部に収納され、底部にスピンドルモーターのターンテーブルと記録及び/又は再生手段の挿入用の底部開口が形成され、該底部開口を開閉するシャッターを回転方式で開閉駆動するシャッター開閉用回転体が収納され、該シャッター開閉用回転体を閉位置でロックするロック手段が設けられたディスクカートリッジのローディング装置において、
前記ディスクカートリッジが挿入された後、該ディスクカートリッジを挿入方向に対する直交方向へ移動させることにより前記ターンテーブル及び前記記録及び/又は再生手段を前記底部開口内に相対的に挿入して、内部のディスクを該ターンテーブル上にチャッキングするカートリッジホルダーと、
前記ディスクカートリッジに設けられて、前記シャッター開閉用回転体を閉位置でロックするロック手段と、
前記カートリッジホルダーにスライド自在に取り付けられたロック解除手段及び該ロック解除手段の原位置へのスライド付勢手段であって、前記ディスクカートリッジが前記カートリッジホルダー内に挿入される際に、前記ロック解除手段が相対的に前記ロック手段に係合して前記シャッター開閉用回転体の閉位置でロックを解除した後、該ロック解除手段が前記ディスクカートリッジと一緒に前記スライド付勢手段に抗してスライドされるロック解除手段及びスライド付勢手段と、
前記カートリッジホルダーの一側部に設けられた回転支点を中心に前記ディスクカートリッジの底部と平行に回転され、先端に前記シャッター開閉用回転体の外周の被係合部に係合される係合部が設けられ、かつ、回転付勢手段によって原位置へ回転付勢されているシャッター開閉用アームであって、前記ディスクカートリッジが前記カートリッジホルダー内に挿入される際に、シャッター開閉用回転体のロック解除に引き続いて、先端の前記係合部を前記シャッター開閉用回転体の前記被係合部に相対的に係合させ、該ディスクカートリッジの引き続きの挿入動作に追従して該シャッター開閉用アームを前記回転付勢手段に抗して前記回転支点を中心に閉位置から開位置へ回転駆動させることにより、前記シャッター開閉用回転体を回転駆動して、前記シャッターを回転駆動して前記底部開口を開放するように構成されたシャッター開閉用アームとを備えた
ことを特徴とするディスクカートリッジのローディング装置。
【請求項2】
前記シャッター開閉用アームの長さ方向の中間に屈曲部が設けられ、
該屈曲部が前記ディスクがチャッキングされるスピンドルモーターに対する逃げ部に構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクカートリッジのローディング装置。
【請求項3】
前記シャッター開閉用回転体が薄型のローターに構成され、
該シャッター開閉用回転体内に前記ディスクが収納されている
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクカートリッジのローディング装置。
【請求項4】
前記シャッター開閉用回転体の底部と少なくとも1枚のシャッターによって前記カートリッジホルダーの底部開口を開閉するように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のディスクカートリッジのローディング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−31834(P2006−31834A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−210043(P2004−210043)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】