説明

ディスク装置

【課題】スロットイン方式のディスク装置において、スロットから挿入されたディスクの挿入方向の先端が下方へ傾斜するのを阻止するようにし、クランプヘッドとの接触を回避できるようにする。
【解決手段】ディスクドライブ機構を設けた昇降フレームを上下動させることにより、クランプヘッドによるディスクの中心孔をクランプするとともに、ディスクの外周縁を支持して自動ローディングにより挿入されたディスクを装置内部へ搬入するディスク装置であり、ディスクの搬入方向であってターンテーブル9の側部に先端部が延在するリード片72を昇降フレーム7に設け、且つ、このリード片72の先端部を昇降フレームから遊離させて高さ方向の位置が位置が一定に保たれるようにすることにより、昇降フレーム7が降下したときリード片72の先端部がクランプヘッド9の頂部より相対的に高くなるようにし、スロットから挿入されるディスクの下方への傾斜を阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種コンピュータシステムなどの情報機器において、大量の情報を記録する記録媒体としての光ディスク(例えば、CD−R/RW、DVD−R/−RW/RAM/+R/+RWなど)をドライブするディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)などに内蔵されているディスク装置は、通常、ディスクを装填するディスクトレイを備えており、このディスクトレイが前進後退するように構成されている。そして、ディスクトレイに装填されたディスクは、ディスク装置本体内でドライブされ、情報の記録または再生が行われる。
【0003】
一方、ディスクトレイを用いない方式として、いわゆるスロットイン方式のディスク装置も多く採用される傾向にあり、パソコンの薄型化、小型化に好適なものとなっている。このスロットイン方式のディスク装置は、装置本体へのディスクの搬入(ロード)/搬出(アンロード)にディスクトレイを用いないため、操作者がディスクの過半をスロットに差し込むと、以後、装置本体のローディング機構が作動して自動的に搬入されるようにしている。
【0004】
図66ならびに図67は、従来のスロットイン方式のディスク装置におけるローディング機構の構成および動作態様を示すものである。同図に示す構成においては、ディスクDを操作者が挿入すると、ディスクDは第1の揺動体100の先端のピン100aおよび左右のガイド体101・102、そして途中から第2の揺動体103の先端のピン103aにより高さ方向と左右位置を規制されながら図66に示す位置まで到達する。
【0005】
このとき、第1の揺動体100はディスクDにより先端のピン100aが押されて矢印100A方向に回転し、また、第2の揺動体103もディスクDにより先端のピン103aが押されて矢印103A方向に回転する。そして、スイッチレバー104が第2の揺動体103の端部に押されて矢印104A方向に回転し、検出スイッチ105を作動する。
【0006】
前記検出スイッチ105が作動すると駆動手段106が始動し、第1のスライド部材107の矢印107A方向への移動が開始される。この第1のスライド部材107と第2のスライド部材108は、各先端がスライド連結部材109で連結され、このスライド連結部材109がピン110で揺動可能に枢支されているので、第1のスライド部材107の後退に同期して第2のスライド部材108が矢印108A方向に前進する。
【0007】
このようにして、第1のスライド部材107が後退を開始すると、このスライド部材107に片持ち状態で支持されている第1の揺動体100は第1のスライド部材107のカム溝107aで従動ピン100bが案内されることから、支点100cを中心に矢印100B方向へ揺動体100が回転し、これにより第1の揺動体100の先端のピン100aがディスクDをディスク位置決め部材111のピン111a・111bに当接するまで矢印107A方向へ搬送する。
【0008】
このとき、第2の揺動体103のピン103aは矢印103A方向に回転するので、第2の揺動体103のピン103aは、第1の揺動体100の先端のピン100aと同期してディスクDを支持したまま矢印103A方向に移動し、ディスクDがディスク位置決め部材111のピン111a・111bに当接した後は、ディスクDから僅かに離れた位置まで回転する。
【0009】
以上は装置内部へディスクDを搬入する場合のローディング機構の動作態様であるが、ディスクDを装置外部へ搬出する場合のローディング機構は、前述と逆の動作態様となる。即ち、図67に示すようにディスクDが装置内部で定位置にあるとき、搬出の指示にもとづき、駆動手段106が逆転方向に始動されると、第1のスライド部材107が矢印107B方向に前進を開始し、スライド連結部材109に連結されている第2のスライド部材108が同期して矢印108B方向に後退を開始する。これにより、第1の揺動体100は矢印100A方向に、そして第2の揺動体103は矢印103B方向に回転するので、各々の先端のピン100a・103aによりディスクDが支持されて装置外部へ搬出されることになる。
【0010】
なお、装置内部へ搬入されたディスクDは、定位置で上下動するクランプヘッド112にクランプされるようにしてある。このクランプヘッド112は、スピンドルモータ114の駆動軸に固定されたターンテーブル113と一体化されており、さらに前記スピンドルモータ114は、フレーム部材(図示省略)に配設され、このフレーム部材を昇降機構により上下動するようにしている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−117604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、本発明の実施の対象とするスロットイン方式のディスク装置においても、ディスクをドライブさせるための初期操作は、云うまでもなく操作者がフロントベゼルのスロットからディスクを挿入することにある。このとき、挿入されるディスクはその外周縁が支持されていない不安定な状態にあるため、必ずしも水平状態とはならず、挿入方向の先端が上方または下方に傾斜した状態となることがある。
【0012】
このようにディスクが傾斜状態で挿入されると、その外周縁で装置内部の機構を破損したり、ディスクの記録面を損傷する可能性がある。特にディスクとクランプヘッドとの接触はディスクの記録面の損傷を大きくし、ディスクのドライブが不能となるような致命的な結果につながることがあり、製品の信頼性を大きく低下してしまうことになる。
【0013】
そこで、本発明の出願人により製作されたディスク装置では、挿入されたディスクの水平性を保つための試みがなされている。その手段として、例えば、昇降フレームのフロントベゼル側の基部にディスクの搬入方向に向けて上り勾配の隆起部を形成し、この隆起部にディスクの外周縁が接触して下方への傾斜を防止するようにしている。また、シャーシケースの天板面に装置内部へ突出する隆起部を形成し、ディスクが上方へ傾斜するのを防止するようにしている。
【0014】
かかる構成は、一般に12cmディスクと通称される大径ディスクに対して大きな効果を得ることができるが、直径の小さい8cmディスクと通称される小径ディスクに対しては十分な効果が得られず、大径ディスクのみをドライブ可能とするディスク装置において過って小径ディスクが挿入されると、この小径ディスクが装置の内部機構に進入してその記録面を損傷したり、内部機構を破損してしまうことがある。そこで、ディスクの搬送を司るディスク支持アームのホルダーにストッパーを設け、小径ディスクの進入を阻止するようにしている。
【0015】
また、大径ディスクおよび小径ディスクのいずれもドライブ可能となるようにした本発明の出願人により開発されたディスク装置では、小径ディスクも大径ディスクと同様、確実に自動ローディングに導き、ドライブ可能となるようにしなければならず、しかも、フロントベゼルのスロットから挿入されるディスクが下方へ傾斜してクランプヘッドに接触しないようにしなければならない。
【0016】
本発明は、大径ディスクのみをドライブ可能としたスロットイン方式のディスク装置および大小直径の異なる2種類のディスクをドライブ可能となるようにしたスロットイン方式のディスク装置において、ベゼルのスロットから挿入されたディスクを自動ローディングするにあたり、ディスクの挿入方向の先端が下方へ傾斜するのを阻止するようにし、クランプヘッドとの接触を回避できるようにしたもので、確実な自動ローディングが可能となるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
そこで本発明は、以下に述べる手段により上記課題を解決するようにした。即ち、請求項1記載の発明では、クランプヘッドを備えたターンテーブルおよびスピンドルモータからなるディスクドライブ機構を設けた昇降フレームを上下動させることにより、前記クランプヘッドによるディスクの中心孔のクランプまたはクランプの解除が可能となるようにするとともに、ディスクの外周縁を支持して搬送可能となるようにした複数のアームによる自動ローディングにより挿入されたディスクを装置内部へ搬入し、または装置内部に収容されているディスクを装置外部へ搬出するようにした装置であり、ディスクの搬入方向であってターンテーブルの側部に先端部が延在するリード片を昇降フレームに設け、且つ、このリード片の先端部を昇降フレームから遊離させて高さ方向の位置が一定に保たれるようにすることにより、昇降フレームが降下したときリード片の先端部分がクランプヘッドの頂部より相対的に高くなるようにし、スロットから挿入されるディスクの下方への傾斜を阻止する。
【0018】
請求項2記載の発明では、クランプヘッドを備えたターンテーブルおよびスピンドルモータからなるディスクドライブ機構を設けた昇降フレームを上下動させることにより、前記クランプヘッドによるディスクの中心孔のクランプまたはクランプの解除が可能となるようにするとともに、直径の異なる2種類のディスクの外周縁を支持して搬送可能となるようにした複数のアームによる自動ローディングにより挿入されたディスクを装置内部へ搬入し、または装置内部に収容されているディスクを装置外部へ搬出するようにしたディスク装置であり、スロットから挿入される小径ディスクの横方向の位置の規制を兼ねるガイドアームに対しその先端が常に求心方向へ向かうように付勢力を与え、該付勢力が前記ガイドアームの先端の揺動範囲の略中位で最大となるようにしたディスク装置において、ディスクの搬入方向であってターンテーブルの側部に先端部が延在するリード片を昇降フレームに設け、且つ、このリード片の先端部を昇降フレームから遊離させて高さ方向の位置が一定に保たれるようにすることにより、昇降フレームが降下したときリード片の先端部がクランプヘッドの頂部より相対的に高くなるようにし、スロットから挿入されるディスクの下方への傾斜を阻止する。
【0019】
請求項3記載の発明では、クランプヘッドを備えたターンテーブルおよびスピンドルモータからなるディスクドライブ機構を設けた昇降フレームを上下動させることにより、前記クランプヘッドによるディスクの中心孔のクランプまたはクランプの解除が可能となるようにするとともに、直径の異なる2種類のディスクの外周縁を支持して搬送可能となるようにした複数のアームによる自動ローディングにより挿入されたディスクを装置内部へ搬入し、または装置内部に収容されているディスクを装置外部へ搬出するようにしたディスク装置であり、前記複数のアームを動作制御するローディングスライダー、およびディスクの搬送を司るディスク支持アームを備えるとともに、前記ローディングスライダーの前進後退に伴う変移を前記ディスク支持アームへ伝達する伸縮可能のリンクアームを備え、前記ディスク支持アームがディスクを搬出する最終過程の位置に達したとき、前記リンクアームの短寸状態を維持するロック機構を作動することによりディスク支持アームの位置をディスクの搬入方向へ僅かに戻すようにしたディスク装置において、ディスクの搬入方向であってターンテーブルの側部に先端部が延在するリード片を昇降フレームに設け、且つ、このリード片の先端部を昇降フレームから遊離させて高さ方向の位置が一定に保たれるようにすることにより、昇降フレームが降下したときリード片の先端部がクランプヘッドの頂部より相対的に高くなるようにし、スロットから挿入されるディスクの下方への傾斜を阻止する。
【0020】
請求項4記載の発明では、クランプヘッドを備えたターンテーブルおよびスピンドルモータからなるディスクドライブ機構を設けた昇降フレームを上下動させることにより、前記クランプヘッドによるディスクの中心孔のクランプまたはクランプの解除が可能となるようにするとともに、ディスクの外周縁を支持して搬送可能となるようにした複数のアームによる自動ローディングにより挿入されたディスクを装置内部へ搬入し、または装置内部に収容されているディスクを装置外部へ搬出するようにしたディスク装置であり、ディスクの搬入方向であってターンテーブルの側部に先端部が延在するリード片を昇降フレームに設け、且つ、このリード片の先端部を昇降フレームから遊離させ、昇降フレームが降下したときリード片の先端が前記昇降フレーム上面より高い位置で保たれるようにすることにより、スロットから挿入されるディスクの下方への傾斜を阻止する。
【0021】
請求項5記載の発明では、上記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のディスク装置において、リード片の先端から垂下する舌片の先端に係止端部を備えてなり、昇降フレームが降下したとき、この昇降フレームの開口部の端部で前記係止端部が押下され、これによりリード片に緩やかな円弧状のスロープが形成されるようにする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、大径ディスクのみを自動ローディングしてドライブ可能としたスロットイン方式のディスク装置および大小直径の異なる2種類のディスクを自動ローディングしてドライブ可能となるようにしたスロットイン方式のディスク装置において、フロントベゼルのスロットのどのような方向からディスクが挿入されても、このディスクがクランプヘッドに接触することなく自動ローディングに導かれ、ディスクの記録面の損傷および装置内部の機構の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図にもとづいて詳細に説明する。なお、以下の説明では、大小直径の異なる2種類のディスクをドライブ可能としたスロットイン方式のディスク装置を実施例として説明するが、本発明の要旨となる構成は大径ディスクのみをドライブするスロットイン方式のディスク装置にも採用可能となるようにしたものである。
【0024】
図1は、本発明を実施したスロットイン方式のディスク装置1の外観を示す図であり、シールド状態に構成されたシャーシケース2の天板の中央に開口2aが形成されており、この開口2aの周縁部に内部へ突出する凸部2bが形成されている。前記シャーシケース2の前端にはフロントベゼル3が固定されており、このフロントベゼル3には、12cmディスク(以下、大径ディスクという)D1および8cmディスク(以下、小径ディスクという)D2を挿入するスロット3aと、エマージェンシー解除のための通孔3b・3cが形成されている。また、フロントベゼル3には、収容されている大径ディスクD1または小径ディスクD2を装置外部へ搬出させるための押釦4およびディスク装置1の動作状態を表示するためのインジケータ5を備える。
【0025】
図2は、前記シャーシケース2の天板部分を除去した状態の斜視図であり、このシャーシケース2内にはベースパネル6が配設されており、その中央から斜め下方への配置状態で大径ディスクD1および小径ディスクD2の駆動ユニットAが設けられている。この駆動ユニットAは、大径ディスクD1および小径ディスクD2の中心孔D1a・D2aをクランプまたはクランプされている状態を解除するため、フロントベゼル3側を支軸とし、装置中央に位置する後端部を上下方向に揺動可能となるようにした昇降フレーム7が既知の緩衝支持構造8により複数箇所でベースパネル6に連結されている。
【0026】
前記昇降フレーム7の先端には、搬入されて停止した大径ディスクD1または小径ディスクD2の中心に対応する位置にクランプヘッド9が配置される。このクランプヘッド9はターンテーブル10と一体に構成され、直下に配したスピンドルモータ11の駆動軸に固定されており、このスピンドルモータ11によりクランプヘッド9のチャック爪9aにクランプされた大径ディスクD1または小径ディスクD2を回転駆動してドライブし、情報の記録または再生が行われる。
【0027】
符号Bは昇降フレーム7に支持されたヘッドユニットであり、光ピックアップ12を大径ディスクD1、小径ディスクD2の直径方向に往復動させるためのキャリアブロック13が、その両端を昇降フレーム7に固定されたガイドシャフト14・15に支持されている。そして、前記キャリアブロック13は、ギヤトレイン17からスクリューシャフト18に伝達されたスレッドモータ16の駆動力により前進後退する(図3参照)。
【0028】
つぎに、大径ディスクD1、小径ディスクD2の搬入および搬出を司る複数のアームは、ベースパネル6の平面上に前記昇降フレーム7を囲む状態で配され、ベースパネル6の裏面に配設された駆動機構により作動するように構成されている。この複数のアームの中で、ディスクの搬入および搬出において中枢的機能を果たすのがディスク支持アーム19であり、リベットピン20を支点に揺動し、大径ディスクD1、小径ディスクD2の後端側を支持するとともに搬送行程における高さ位置を正確に保つようにしている。このため、先端にホルダー21を備え、このホルダー21の保持溝21aで大径ディスクD1、小径ディスクD2の後端側が保持される。
【0029】
符号22は大径ディスクD1を装置内部へ搬入するためのローディングアームであり、枢支ピン23で連結されたリンクレバー24に牽引されて揺動し、そのローディングローラー22aで挿入された大径ディスクD1の中心より前方の側部から押圧が開始され、大径ディスクD1を装置内部へ誘引する機能を果たす。
【0030】
ガイドアーム25はベースパネル6に回転可能に取り付けられた枢支ピン26を支点にして揺動し、その先端に垂下した状態で固定された支持部材25aにより搬送される小径ディスクD2の側部を支持して定位置へ導く機能を果たす。また、ガイドアーム27はリベットピン28を支点にして揺動し、その先端に垂下した状態で固定された支持部材27aにより搬送される大径ディスクD1の側部を支持して定位置に導く機能、および小径ディスクD2の側部を支持して定位置に導く機能を果たす。このガイドアーム27は、その基端部の枢支ピン27bにベースパネル6の裏面で第3揺動部材51の端部と引張コイルバネ53の端部が取り付けられている。
【0031】
ガイドアーム29はリベットピン30を支点に揺動し、その先端に起立した状態で固定された支持部材29aにより搬送される小径ディスクD2の側部を支持して定位置へ導く機能、および大径ディスクD1の側部を支持して定位置に位置決めする機能を果たす。なお、引張コイルバネ31に付勢され、リベットピン32を支点に揺動するリンクレバー33の作用ピン33aが前記ガイドアーム29のスリット29eに係合しているので、ガイドアーム29の先端は常に求心方向へ付勢された状態となる。前記ガイドアーム29の後端部のガイド溝29cに従動ピン35bにより連結されたガイドアーム35は、リベットピン36を支点に揺動し、その先端に起立した状態で固定された支持部材35aにより大径ディスクD1および小径ディスクD2の側部を支持して定位置に位置決めする機能を果たす。
【0032】
符号37はロックレバーであり、リベットピン38を支点に揺動し、先端に形成したアングル37aが前記ガイドアーム29の先端に備えた舌片29bを係止することが可能となるようにしている。このロックレバー37はワイヤースプリング39により先端のアングル37aが常に求心方向へ付勢されているが、通常はストッパー40が機能して定位置に静止している。
【0033】
符号41はリードワイヤーであり、フロントベゼル3の下辺に沿って配設され、その端部が前記ロックレバー37の後端部に連結されており、係止端部41aが起立状態に折り曲げられ、フロントベゼル3のスロット3aに臨むようにしている。したがって、大径ディスクD1をスロット3aから挿入すると、大径ディスクD1の外周縁で前記係止端部41aが押圧されるため、このリードワイヤー41はフロントベゼル3に平行して横移動する。これにより、ロックレバー37が牽引され、その先端のアングル37aが遠心方向へ揺動するため、ガイドアーム29の舌片29bの係止を回避することができる。
【0034】
なお、ベースパネル6の平面上に露呈する機構要素において、符号42aはレバーアーム42(図3参照)の係止舌片であり、ガイドアーム27の位置制御の機能を果たすものであるが、その動作態様の詳細については後述する。また、符号71は大径ディスクD1および小径ディスクD2がクランプヘッド9でクランプされている状態を解除するためのクランプ解除ピンである。
【0035】
以上のようにベースパネル6の平面上に構成された各ガイドアームなどを作動するため、このベースパネル6の裏面に構成された機構要素を以下に説明する。本発明のディスク装置1は、装置内部の側部に図3の仮想線で示すように前後方向に配置したローディングスライダー43の前進後退により大径ディスクD1と小径ディスクD2の搬送に係る動作制御のすべてを完結できるように構成されており、機構要素の中枢となるローディングスライダー43の構成ならびにこのローディングスライダー43に動作制御される各機構要素について説明する。
【0036】
図4は、ローディングスライダー43がベースパネル6の裏面へ対向する方向から俯瞰した状態を示すもので、同図に示すようにローディングスライダー43は柱状に形成され、その前端部分にラックギア43aが形成されている。一方、後端部分には、上端水平部43b−1と下端水平部43b−2および中間に段差を備えた垂直部43b−3が連通するガイド溝43bが形成されている。
【0037】
前記上端水平部43b−1にはリベットピン44を支点に揺動する第1揺動部材45の従動ピン45aを装着し、垂直部43b−3にはリベットピン46を支点に揺動する第2揺動部材47の従動ピン47aが装着される。そして、この第2揺動部材47の作用ピン47bは、従動スライダー48の端部通孔48aに装着される。
【0038】
ローディングスライダー43の中位部にはその両側にガイド溝43c−1およびガイド溝43c−2が形成されている。前記ガイド溝43c−1の後端部には傾斜面が形成されており、ガイド溝43c−2の前後端も傾斜状態となっている。そして、前記ガイドアーム29の従動ピン29dが、ローディングスライダー43が最も前進した状態において前記ガイド溝43c−2の後端傾斜部の開口部分に位置するように装着される。
【0039】
符号43dはローディングアーム22を大径ディスクD1の搬送に同期させて作動するようにリンクレバー24を牽引する誘導溝である。図5に示すようにこの誘導溝43dに重合する位置のベースパネル6に固定されたガイドプレート49にガイドスリット49aが形成されており、誘導溝43dとガイドスリット49aにリンクレバー24の先端に固定した従動ピン24aを差し込んだ状態としてある。したがって、前進後退する誘導溝43dに対して定位置にあるガイドスリット49aとが相互に作用し、前記従動ピン24aの動作制御がなされる。
【0040】
また、ローディングスライダー43の昇降フレーム7に面する側部にこの昇降フレーム7の昇降を司る従動ピン7aを上下動させるためのカム溝43eが形成されている。このカム溝43eは昇降フレーム7を低位置に保つ低位部43e−1、昇降フレーム7を上昇または降下させる傾斜部43e−2、昇降フレーム7を高位置に保つ高位部43e−3が連続して形成されている。
【0041】
図6は、装置内部の後部に構成された動力伝達機構を裏面から俯瞰した状態の分解斜視図であり、従動スライダー48の昇降フレーム7の昇降を司る従動ピン7bを上下動させるためのカム溝48cが形成されている。このカム溝48cは昇降フレーム7を低位置に保つ低位部48c−1、昇降フレーム7を上昇または降下させる傾斜部48c−2、昇降フレーム7を高位置に保つ高位部48c−3が連続して形成されている。
【0042】
前記従動スライダー48の端部通孔48bには、リベットピン50を支点に揺動する第3揺動部材51の作用ピン51aが装着されている。そして、前記作用ピン51aにはリンクワイヤー52の端部52aが装着され、他方の端部52bは、第1揺動部材45の通孔45bに係止される。前記第3揺動部材51は引張コイルバネ53により同図において反時計回り方向への付勢力が働いているが、作用ピン51aがリンクワイヤー52によりその動きが制限されるため、装置が作動していない状態では定位置に静止する。また、前記端部通孔48bの側部には、レバーアーム42を作動するための作用片48dが形成されている。
【0043】
つぎに、第1揺動部材45と後述するギヤディスク59との間に連結されるリンクアーム54は、第1揺動部材45に連結部材55により連結された第1リンクアーム54aと引張コイルバネ56により付勢された第2リンクアーム54bの組み合わせにより伸縮可能に構成され、大径ディスクD1および小径ディスクD2の搬送時における機構の安全を確保するようにしている。
【0044】
図7は、前記第2リンクアーム54bの端部の構成を装置裏面から俯瞰した斜視図であり、第2リンクアーム54bの通孔54b−1、ディスク支持アーム19の回転基板19aの通孔19b、ギヤディスク59の通孔59aが同時に枢止ピン57により回動可能に軸支されている。一方、ディスク支持アーム19の回転基板19aの中心孔19cとギヤディスク59の中心孔59bは、一端をベースパネル6に固定したリベットピン20で同時に軸支され、前記回転基板19aの係止片19dがギヤディスク59の係止窓59cに臨み、一体となるようにしている。
【0045】
前記ギヤディスク59のシャーシケース2の側面に対向する外周縁の一部にはギヤ59dが形成され、これと相対する外周縁にはスイッチ起動段部59e・59fが形成されている。前記スイッチ起動段部59e・59fにより入接されるリミットスイッチ60は、シャーシケース2の底面上に配設した配線基板(図示せず)に実装され、スイッチノブ60aが前記スイッチ起動段部59e・59fで作動される。
【0046】
前述したレバーアーム42は、リベットピン61を支点に揺動するように固定され、その係止舌片42aをベースパネル6の開口からベースパネル6の表面に臨ませるとともに、バネ片42bの先端をベースパネル6の開口壁6aに接触させ、先端部のローラー42cに遠心方向への付勢力が発生するようにしている。これにより、レバーアーム42は、ローラー42cが従動スライダー48の側壁に接触している状態にあるときは定位置に静止しているが、従動スライダー48がスライドするとその作用片48dにローラー42cが押圧されることによってリベットピン61を支点に揺動し、係止舌片42aが遠心方向へ移動する。
【0047】
つぎに、ガイドアーム25を揺動させるための機構を説明する。このガイドアーム25はその揺動の支点となる基端の枢支ピン26がベースパネル6の背面に延設され、その端部にローラー支持板62が固定されている。このローラー支持板62には図3に示すように引張コイルバネ63が張設されているので、同図において時計回り方向の付勢力が作用し、これによりガイドアーム25が求心方向へ傾倒するようになる。前記ローラー支持板62に配設されたダブルローラー64は、図8に示すように大径部64aと小径部64bが同軸に構成されたものである。
【0048】
同図において、シャーシケース2の側壁内面に沿って配設されたラックスライダー65は、ギヤディスク59のギヤ59dに噛合するラックギヤ65aを備え、ギヤディスク59の回転に同期して前進後退する。ラックスライダー65の中間部の下辺には低位ガイド片65b、上辺には高位ガイド片65cが形成されており、低位ガイド片65bが前記ダブルローラー64の大径部64aを案内し、高位ガイド片65cが小径部64bを案内する。
【0049】
このように構成された機構要素は、ローディングスライダー43の前進後退により作動されるが、この駆動機構は、図3に示すように装置裏面の角隅部に配設されている。そして、駆動機構の動力源となるローディングモータ66の出力軸のウォームギヤ67の回転力がダブルギヤ68・69・70によるギヤトレインにより順次、小径ギヤから大径ギヤへ減速されながら伝達される。そして、ローディングスライダー43のラックギヤ43aに噛合しているダブルギヤ70の小径ギヤから駆動力が伝達され、ローディングスライダー43が前進後退する。
【0050】
つぎに、以上のように構成されたディスク装置1の動作態様について説明する。上述したように本発明のディスク装置1では大径ディスクD1および小径ディスクD2の搬送が可能となるように構成されているが、まず、大径ディスクD1の搬送の態様を図9乃至図22にもとづいて説明し、小径ディスクD2の搬送の態様を図23乃至図36にもとづいて説明する。
【0051】
図9乃至図15は、ベースパネル6の表面に露呈する構成の主要部を実線により描画した平面図であり、このときのベースパネル6の裏面の構成の主要部を破線で示す。また、図16乃至図22は、ベースパネル6の裏面に露呈する構成の主要部を実線により描画した底面図であり、このときのベースパネル6の表面の構成を破線で示す。なお、図9乃至図15において、カム溝43e・48cおよび従動ピン7a・7bは本来同図に現れないものであるが、説明の便宜上これを図示し、理解が容易となるようにした。
【0052】
図9および図16は、大径ディスクD1がフロントベゼル3のスロット3aから挿入されるのを待機している状態であり、各アームは初期状態で静止している。このとき、ガイドアーム25は、ベースパネル6の裏面において前記枢支ピン26に固定されたローラー支持板62のローラー64の大径部64aが、図8および図16に示すようにラックスライダー65の低位ガイド片65bに当接しており、ガイドアーム25は、求心方向に最も揺動した位置よりも所定量だけ遠心方向に揺動した位置に停止している。
【0053】
これは、ガイドアーム25が求心方向に最も揺動した位置に停止し、ディスクの挿入を待機する構成とした場合、小径ディスクD2を装置の左側に寄せて挿入したときに、小径ディスクD2が支持部材25aの左側に入ってしまい、小径ディスクD2を搬送することができなくなるのを防止するため、ガイドアーム25を求心方向に最も揺動した位置よりも所定量だけ遠心方向に揺動した位置で停止させ、ディスクの挿入を待機するようにしてある。
【0054】
つぎに、ガイドアーム27は、その基端部が引張コイルバネ53で付勢されているので、先端の支持部材27aが求心方向へ揺動する力が常に働くが、枢支ピン27bに連結された第3揺動部材51が定位置に静止しているので、このガイドアーム27は図9に示す状態で静止している。これは、静止状態にある第1揺動部材45と第3揺動部材51の作用ピン51aとの間に取り付けられたリンクワイヤー52がストッパーとしての機能を果たし、第3揺動部材51の揺動を阻止していることによる。
【0055】
同様にローディングスライダー43の移動に伴って動力が伝達されるディスク支持アーム19、ガイドアーム29、ガイドアーム35、ローディングアーム22も図9に示す状態で静止している。また、ローディングスライダー43のカム溝43eに案内される昇降フレーム7の従動ピン7aは、このカム溝43eの低位部43e−1にあり、一方、従動スライダー48のカム溝48cに案内される昇降フレーム7の従動ピン7bは、このカム溝48cの低位部48c−1にあるため、昇降フレーム7は図37(A)に示すように最も降下している状態にある。
【0056】
図10および図17は、フロントベゼル3のスロット3aから大径ディスクD1が操作者により挿入され、この大径ディスクD1の挿入方向の前端側がディスク支持アーム19のホルダー21およびガイドアーム29の支持部材29aに当接した状態を示す。このとき、大径ディスクD1はガイドアーム25の先端の支持部材25aを押圧し、ガイドアーム25は図10に仮想線で示す位置から遠心方向へ揺動する。さらに、大径ディスクD1の側部は、リードワイヤー41の係止端部41aを押圧して同図矢印で示す方向にリードワイヤー41をスライドする。これにより、ロックレバー37がリードワイヤー41で牽引され、その先端のアングル37aが同図矢印に示す方向に揺動するため、ガイドアーム29の先端の舌片29bを係止する範囲から外れる。
【0057】
図11および図18は、上記の状態から大径ディスクD1が操作者により更に挿入された状態を示すもので、大径ディスクD1に押圧されてディスク支持アーム19、ガイドアーム25およびガイドアーム29は遠心方向に揺動する。したがって、ディスク支持アーム19の基部はリベットピン20を支点に図39(A)の位置から図39(B)の位置まで回転し、リミットスイッチ60がギヤディスク59のスイッチ起動段部59eで作動される。なお、このときギヤディスク59に噛合しているラックスライダー65は僅かに前進する。
【0058】
前記スイッチ起動段部59eにより作動したリミットスイッチ60からの信号にもとづき、この時点でローディングモータ66に低電位の電流が流れる。これによりローディングスライダー43が後退してリンクレバー24を牽引し、ローディングアーム22が図11および図18に示す位置まで揺動し、先端のローディングローラー22aが大径ディスクD1の側部に当接して停止する。
【0059】
この時点で大径ディスクD1の搬入に必要な大きいトルクを発生させるための高電位の電流を流すと、搬送機構に不具合が発生する危険がある。即ち、図11において、ローディングローラー22aの押圧による分力F1aとガイドアーム25の支持部材25aの押圧による分力F1bは大径ディスクD1のほぼ中心付近にあるため、その合力はきわめて小さく、大径ディスクD1を搬入方向へ推進する力が発生しない。しかも、図11に示す状態では、ガイドアーム29の先端の求心方向に付勢されている支持部材29aが大径ディスクD1の後側部を押圧している状態にある。
【0060】
かかる状況において大径ディスクD1を搬送するに必要な高電位の電流をローディングモーター66に通ずると、ローディングアーム22は大径ディスクD1を挟持したまま停止し、搬入動作が停止してしまう。この状態が継続された場合、例えば、搬送機構のギヤトレインの破損、あるいはローディングモータ66の焼損などの危険に繋がることになる。このような不具合の発生を回避するため、この時点では低電位の電流をローディングモータ66に流すようにしている。
【0061】
なお、低電位の電流をローディングモータ66に流している前記状態においては、ローディングモータ66の駆動力のみでは、大径ディスクD1が負荷となってローディングアーム22が回動しないため、大径ディスクD1の搬送動作が行われず、操作者が大径ディスクD1を押圧したときに、ローディングモータ66の駆動力と操作者の挿入力とが加わり、大径ディスクD1の搬送動作が行われるようにしている。
【0062】
図12および図19は、上記の状態から大径ディスクD1が操作者により更に挿入された状態を示すもので、ディスク支持アーム19の基部のギヤディスク59が更に回転する。これによりリンクアーム54が牽引され、第1揺動部材45がリベットピン44を支点に揺動し、従動ピン45aが後退するため、低電位の電流が流れているローディングモータ66の駆動力により付勢された状態にあるローディングスライダー43も後退する。
【0063】
かかる動作に至ると、ガイドアーム29が遠心方向へ揺動して支持部材29aによる大径ディスクD1の支持が解除される。これは、図11の状態でローディングスライダー43のガイド溝43c−1の後端部の傾斜面上に位置したガイドアーム29の従動ピン29dが、ローディングスライダー43の後退に伴って前記傾斜面の作用を受けることによるものである。
【0064】
前記による第1揺動部材45の揺動に伴い、リンクワイヤー52により揺動が規制されている第3揺動部材51が引張コイルバネ53の作用によりリベットピン50を支点に揺動する。これにより、ガイドアーム27が求心方向へ揺動し、その先端の支持部材27aにより大径ディスクD1の後側部が支持される。このとき、ローディングスライダー43の後退によりリンクレバー24が牽引されるので、ローディングアーム22が求心方向へ揺動し、先端のローディングローラー22aが大径ディスクD1の前側部に当接して支持する。なお、昇降フレーム7の従動ピン7aは、カム溝43eの低位部43e−1を横移動する状態であるので、この昇降フレーム7は図37(A)の位置に止まる。
【0065】
一方、ディスク支持アーム19の基部のギヤディスク59は、図39(C)に示す位置まで回転し、スイッチ起動段部59fがリミットスイッチ60のスイッチノブ60aを反転作動する。このときのリミットスイッチ60の信号によりローディングモータ66に流す電流を高電位に切り替え、大径ディスクD1の搬入に必要なトルクが発生するようにする。そして、ローディングローラー22aの押圧による分力F1aおよびガイドアーム25の支持部材25aの押圧による分力F1bが大きくなることから搬入方向へ推進する合力F2が発生し、ローディングモータ66による自動ローディングが開始される。
【0066】
図13および図20は、ローディングモータ66による自動ローディングが開始され、大径ディスクD1が搬入されている状態を示す。図12の状態からローディングスライダー43が更に後退すると、ガイドアーム29の従動ピン29dがローディングスライダー43の傾斜部からガイド溝43c−1へ進入する。これにより、ガイドアーム29が遠心方向へ更に揺動し、先端の支持部材29aが大径ディスクD1の側部に接触しない状態となる。なお、図40(A)〜(D)にガイドアーム29の動作の態様を連続的に示す。
【0067】
また、ローディングスライダー43の後退により、リンクレバー24が牽引され、ローディングアーム22の求心方向への揺動を開始する。図41(A)〜(D)は、ローディングアーム22の揺動の状態を連続的に示したもので、図12に示すローディングアーム22の状態は、図41(A)の初期状態から図41(B)へ移行した状態に相当する。
【0068】
前記ローディングアーム22の揺動を司るリンクレバー24は、前述したようにリンクレバー24の先端に固定した従動ピン24aがローディングスライダー43の誘導溝43dとガイドプレート49のガイドスリット49aに差し込まれているので、ローディングスライダー43が後退すると、従動ピン24aは誘導溝43dの後端の傾斜面とガイドスリット49aの側壁で挟持される状態となり、ローディングスライダー43の後退に伴って従動ピン24aも後退し、リンクレバー24が牽引されローディングアーム22が揺動する。
【0069】
ローディングスライダー43が図13に示す位置まで後退すると、これに伴い、ガイド溝43bの上端水平部43b−1が第1揺動部材45の従動ピン45aを押し上げ、リベットピン44を支点にこの第1揺動部材45を揺動し、リンクアーム54を介してギヤディスク59を回転する。これにより、ディスク支持アーム19は遠心方向へ揺動、即ち、大径ディスクD1の後端部を支持しているホルダー21が大径ディスクD1の搬入に同期して後退する。なお、この時点では、第2揺動部材47の従動ピン47aはガイド溝43bの垂直部をスライドしている状態であるので、第2揺動部材47は静止した状態であり、従動スライダー48も静止した状態にある。
【0070】
図12から図13の状態へ移行する行程において引張コイルバネ53により付勢されているガイドアーム27は、その先端の支持部材27aが大径ディスクD1の搬入に伴って図13に示すように押し戻され、レバーアーム42の係止舌片42aに当接して停止する。このとき、第3揺動部材51は僅かに揺動するため、その作用ピン51aは静止している従動スライダー48の端部通孔48b内を求心方向へ移動し、リンクワイヤー52が僅かに撓む状態となる。
【0071】
一方、ガイドアーム25の支持部材25aは大径ディスクD1の前側部を支持しており、前記ギヤディスク59の回転により前進したラックスライダー65の高位ガイド片65cはダブルローラー64の小径部64bから離間した状態にある。なお、このとき、昇降フレーム7の従動ピン7aは、カム溝43eの低位部43e−1を横移動する状態であり、従動スライダー48は静止しているので、昇降フレーム7は依然、図37(A)の位置に止まる。
【0072】
図14および図21は、図13および図20の状態からローディングスライダー43が更に後退し、リンクレバー24が牽引され、ローディングアーム22が図41(C)に示す位置まで揺動し、搬入された大径ディスクD1の中心孔D1aの中心とクランプヘッド9の中心が一致した状態を示す。一方、ガイドアーム29の従動ピン29dはローディングスライダー43のガイド溝43c−1を直進する状態となるので、ガイドアーム29およびガイドアーム35は図14に示す位置で静止している。このとき、支持部材29aおよび支持部材35aが大径ディスクD1の外周縁を受け止めて位置決めすることにより、大径ディスクD1の中心孔D1aとクランプヘッド9との位置が正確に一致する。
【0073】
ローディングスライダー43の後退に伴い、第1揺動部材45の従動ピン45aが上端水平部43b−1に押し上げられ、垂直部43b−3へ移行するため、この第1揺動部材45が同図に示す位置まで揺動し、リンクアーム54によるギヤディスク59の回転によりディスク支持アーム19も遠心方向へ揺動する。前記ギヤディスク59の回転は、ラックスライダー65を更に前進させ、ダブルローラー64の小径部64bが高位ガイド片65cに乗り上げるため、ガイドアーム25は遠心方向へ大きく揺動し、その支持部材25aによる大径ディスクD1の外周縁の支持を終了する。これによりガイドアーム25は、昇降フレーム7の側方に待避し、昇降フレーム7上に延在しない状態となるので、上昇する昇降フレーム7とガイドアーム25が衝突する虞はない。
【0074】
このとき、大径ディスクD1は、ガイドアーム27の支持部材27aを押圧しているが、この支持部材27aはレバーアーム42の係止舌片42aに当接して停止位置が確定されるので、この時点で大径ディスクD1のクランプヘッド9に対する水平方向の中心が一致することになる。一方、大径ディスクD1のクランプヘッド9に対する垂直方向の中心は、図14に示す状態で静止したディスク支持アーム19のホルダー21とローディングアーム22のローディングローラー22aにより確定されることになる。
【0075】
このように、本発明のディスク装置によれば、大径ディスクD1の自動ローディングが開始されて図14の状態に至るまで、この大径ディスクD1の外周縁の少なくとも3箇所が前述した複数のアームにより支持され、装置内部へ搬入されてクランプヘッド9による中心孔D1aのクランプが可能となる位置に静止されるのである。
【0076】
また、図13から図14へ至る行程において、ローディングスライダー43のカム溝43eの後退により、昇降フレーム7の従動ピン7aが低位部43e−1から傾斜部43e−2へ移行して上昇する状態となる。一方、第2揺動部材47の従動ピン47aがローディングスライダー43の垂直部43b−3から下端水平部43b−2へ達し、この第2揺動部材47が遠心方向へ揺動するため、作用ピン47bが従動スライダー48を水平移動させることに伴いカム溝48cが水平移動する。これにより、昇降フレーム7の従動ピン7bは低位部48c−1から傾斜部48c−2へ移行して上昇する状態となり、昇降フレーム7は図37(B)に示すように上昇を開始する。
【0077】
図15および図22は、クランプヘッド9が大径ディスクD1の中心孔D1aをクランプし、大径ディスクD1のドライブが可能となる最終状態を示すものである。この状態に至るには、大径ディスクD1を支持しているディスク支持アーム19、ローディングアーム22、ガイドアーム27が僅かに遠心方向へ揺動してディスクの支持を終了し、大径ディスクD1の回転の妨げとならないようにしなければならない。
【0078】
即ち、図14の状態からローディングスライダー43が更に後退して停止した位置で、リンクレバー24の従動ピン24aは誘導溝43dの後部の垂直方向の偏心部分でガイドスリット49aの後端の横溝に押し込まれるので、図41(D)に示すようにリンクレバー24が牽引方向とは逆の方向へ僅かに戻り、ローディングアーム22が僅かに遠心方向へ揺動し、このローディングローラー22aによる大径ディスクD1の外周縁の支持を終了する。
【0079】
また、これと同時に第1揺動部材45の従動ピン45aがガイド溝43bの垂直部43b−3の中位に形成された傾斜部で僅かに揺動されるため、この揺動がリンクアーム54を介してギヤディスク59に伝達される。これによりディスク支持アーム19が僅かに遠心方向へ揺動し、このディスク支持アーム19による大径ディスクD1の外周縁の支持を終了する。
【0080】
一方、ローディングスライダー43のガイド溝43bの下端水平部43b−2は第2揺動部材47の従動ピン47aを大きく押し上げる。これにより、作用ピン47bが遠心方向へ揺動し、従動スライダー48を水平移動して端部通孔48bが第3揺動部材51の作用ピン51aを牽引するため、この第3揺動部材51が僅かに揺動するとともに、同時に作用片48dがレバーアーム42のローラー42cを押し上げる。これにより、ガイドアーム27の支持部材27aが当接しているレバーアーム42の係止舌片42aが後退するため、ガイドアーム27が僅かに遠心方向へ揺動し、このガイドアーム27による大径ディスクD1の外周縁の支持を終了する。
【0081】
このとき、ローディングスライダー43のガイド溝43c−1の端部がガイドアーム29の従動ピン29dを押圧することによりガイドアーム29が僅かに揺動する。これにより、ガイドアーム29の支持部材29aが遠心方向へ揺動して大径ディスクD1の外周縁の位置決めを終了する。また、ガイドアーム29のガイド溝29cに従動ピン35bにより連結されたガイドアーム35が僅かに揺動することにより、支持部材35aも遠心方向へ揺動して大径ディスクD1の外周縁の位置決めを終了する。
【0082】
なお、図14から図15へ至る行程において、ローディングスライダー43の後退に同期して従動スライダー48は水平移動するが、昇降フレーム7の従動ピン7aはローディングスライダー43のカム溝43eの傾斜部43e−2から高位部43e−3へ移行し、従動ピン7bは従動スライダー48のカム溝48cの傾斜部48c−2から高位部48c−3へ移行する。
【0083】
この行程における昇降フレーム7の挙動は、傾斜部43e−2・48c−2により上昇する従動ピン7a・7bにより昇降フレーム7が上昇し、図37(C)に示すようにクランプヘッド9のチャック爪9aが大径ディスクD1の中心孔D1aに当接してこの大径ディスクD1を押し上げ、中心孔D1aの周縁がシャーシケース2の凸部2bに当接する。
【0084】
前記状態から従動ピン7a・7bが傾斜部43e−2・48c−2の頂部に達すると、図37(D)に示すようにクランプヘッド9が大径ディスクD1の中心孔D1aに嵌入してチャック爪9aによるクランプを完了し、ターンテーブル10上に大径ディスクD1が固定される。そして、従動ピン7a・7bが高位部43e−3・48c−3へ移行することにより、昇降フレーム7は図37(E)に示す位置まで降下し、大径ディスクD1のドライブが可能となる。
【0085】
以上、本発明のディスク装置1による大径ディスクD1の搬入時における各機構の動作態様を説明したが、搬出時は、各機構がローディングスライダー43の前進に伴って上述した搬入時とは逆順の動作態様となる。即ち、大径ディスクD1の搬出が開始され、ローディングスライダー43が前進を開始すると、昇降フレーム7は図38(A)〜(E)に示すように、一旦上昇してから初期位置まで降下する。この間に大径ディスクD1は図38(C)に示すようにクランプ解除ピン71で突き上げられ、クランプヘッド9によるクランプが解除される。
【0086】
上記のようにして大径ディスクD1のクランプが解除されるまでの行程において、ディスク支持アーム19、ローディングアーム22、ガイドアーム27は求心方向への動作を開始し、大径ディスクD1の外周縁が支持された図14に示す状態となり、以後、ディスク支持アーム19の求心方向へ揺動する力により大径ディスクD1を搬出し、その前端部をフロントベゼル3のスロット3aから露呈させて停止する。
【0087】
なお、ローディングスライダー43の後退に伴う従動ピン24a・29d・45a・47aの動作の態様を図42(A)〜(F)に連続的に示す。
【0088】
つぎに、本発明のディスク装置により小径ディスクD2を搬送する場合の動作態様を図23乃至図29の平面図と、これに対応する図30乃至図36に示す底面図により説明する。なお、図23乃至図29において、カム溝43e・48cおよび従動ピン7a・7bは本来同図に現れないものであるが、説明の便宜上これを図示し、理解が容易となるようにした。
【0089】
図23および図30は、小径ディスクD2がフロントベゼル3のスロット3aから挿入されるのを待機している状態であり、各アームは初期状態で静止している。このとき、ガイドアーム25は、ベースパネル6の裏面において前記枢支ピン26に固定されたローラー支持板62のローラー64の大径部64aが、図8および図30に示すようにラックスライダー65の低位ガイド片65bに当接しており、ガイドアーム25は、求心方向に最も揺動した位置よりも所定量だけ遠心方向に揺動した位置に停止している。
【0090】
これは、ガイドアーム25が求心方向に最も揺動した位置に停止し、ディスクの挿入を待機する構成とした場合、小径ディスクD2を装置の左側に寄せて挿入したとき、小径ディスクD2が支持部材25aの左側に入ってしまい、小径ディスクD2を搬送することができなくなるのを防止するため、ガイドアーム25を求心方向に最も揺動した位置よりも所定量だけ遠心方向に揺動した位置で停止させ、ディスクの挿入を待機するようにしてある。なお、図23および図30に示す小径ディスクD2を待機している状態は、図9および図16に示す大径ディスクD1を待機している状態に一致するものである。
【0091】
つぎに、ガイドアーム27は、その基端部が引張コイルバネ53で付勢されているので、先端の支持部材27aが求心方向へ揺動する力が常に働くが、枢支ピン27bに連結された第3揺動部材51が定位置に静止しており、このガイドアーム27は図23に示す状態で静止している。これは、静止状態にある第1揺動部材45と第3揺動部材51の作用ピン51aとの間に取り付けられたリンクワイヤー52がストッパーとしての機能を果たし、第3揺動部材51の揺動を阻止していることによる。
【0092】
同様にローディングスライダー43の移動に伴って動力が伝達されるディスク支持アーム19、ガイドアーム29、ガイドアーム35、ローディングアーム22も図23に示す状態で静止している。また、ローディングスライダー43のカム溝43eに案内される昇降フレーム7の従動ピン7aは、このカム溝43eの低位部43e−1にあり、一方、従動スライダー48のカム溝48cに案内される昇降フレーム7の従動ピン7bは、このカム溝48cの低位部48c−1にあるため、昇降フレーム7は図37(A)に示すように最も降下している状態にある。
【0093】
図24および図31は、フロントベゼル3のスロット3aから小径ディスクD2が操作者により挿入され、この小径ディスクD2の前端側がディスク支持アーム19のホルダー21に当接した状態を示す。この時点の小径ディスクD2のスロット3aへの挿入において、小径ディスクD2が図24において左方へ偏った場合は、小径ディスクD2の前端左側部がガイドアーム25の支持部材25aに接触して押し戻されるため、小径ディスクD2が搬送路から外れるのを防ぐことができる。
【0094】
また、小径ディスクD2の挿入操作において、小径ディスクD2の前端右側部が図43(A)に示すようにガイドアーム29の支持部材29aを押圧して遠心方向へ揺動させた場合、同図(B)に示すように舌片29bが揺動することなく定位置に静止しているロックレバー37のアングル37aで係止されるので、この場合も小径ディスクD2が搬送路から外れるのを防ぐことができる。即ち、ガイドアーム25の支持部材25aとガイドアーム29の支持部材29aにより小径ディスクD2が案内され、装置中央に導かれるのである。
【0095】
図25および図32は、上記の状態から小径ディスクD2が操作者により更に挿入された状態を示すもので、小径ディスクD2に押圧されてディスク支持アーム19が遠心方向へ揺動するとともに、このディスク支持アーム19の揺動に連動するガイドアーム25の支持部材25aとガイドアーム29の支持部材29aが小径ディスクD2の側部に接触する。これにより、小径ディスクD2は前記支持部材25a・29aとディスク支持アーム19のホルダー21の3点で支持された状態となる。
【0096】
また、ディスク支持アーム19の基部はリベットピン20を支点に図39(A)の位置から図39(B)の位置まで回転し、リミットスイッチ60がギヤディスク59のスイッチ起動段部59eで作動される。前記スイッチ起動段部59eにより作動したリミットスイッチ60からの信号にもとづき、ローディングモータ66に低電位の電流が流れる。このとき、ガイドアーム29の支持部材29aの押圧による分力F1aおよびガイドアーム25の支持部材25aの引張コイルバネ63の作用による押圧による分力F1bが大きく作用する状態にあるので、小径ディスクD2を搬入方向へ推進する合力F2が生じ、このローディングモータ66による自動ローディングが開始される。
【0097】
図26および図33は、ローディングモータ66による自動ローディングが開始され、小径ディスクD2が搬入されている状態を示す。図25の状態からローディングスライダー43が更に後退すると、ガイドアーム29の従動ピン29dがローディングスライダー43のガイド溝43c−2へ進入する。このときガイド溝43c−2の傾斜部で支持部材29dが案内されその傾斜距離だけ移動し、小径ディスクD2を搬入しつつ支持部材29aが同図に示す位置まで揺動する。このとき、ガイドアーム25もまた引張コイルバネ63の作用により、小径ディスクD2を搬入しつつ同図に示す位置まで揺動する。このとき、ディスク支持アーム19の基部のギヤディスク59は図39(C)に示す位置まで回転するので、リミットスイッチ60のスイッチノブ60aがスイッチ起動段部59fで反転作動され、ローディングモータ66に流す電流が高電位に切り換わる。
【0098】
ローディングスライダー43が図26に示す位置まで後退すると、これに伴い、ガイド溝43bの上端水平部43b−1が第1揺動部材45の従動ピン45aを押し上げ、リベットピン44を支点にこの第1揺動部材45を揺動し、リンクアーム54を介してギヤディスク59を回転する。これにより、ディスク支持アーム19は遠心方向へ揺動、即ち、小径ディスクD2の後端部を支持しているホルダー21が小径ディスクD2の搬入に同期して後退する。なお、この時点では、第2揺動部材47の従動ピン47aはガイド溝43bの垂直部をスライドしている状態であるので、第2揺動部材47は静止した状態であり、従動スライダー48も静止した状態にある。
【0099】
したがって、第1揺動部材45の揺動に伴い、第3揺動部材51が引張コイルバネ53の作用により揺動するので、ガイドアーム27がリベットピン28を支点に揺動してその支持部材27aが小径ディスクD2に当接する。なお、このとき、昇降フレーム7の従動ピン7aは、カム溝43eの低位部43e−1を横移動する状態であり、従動スライダー48は静止しているので昇降フレーム7は依然、図37(A)の位置に止まる。
【0100】
図27および図34は、図26および図33の状態からローディングスライダー43が更に後退して小径ディスクD2の搬入が継続されている状態であり、ガイドアーム29は揺動を停止しているが、ローディングスライダー43の移動量に応じ、ディスク支持アーム19が遠心方向へ、ガイドアーム25・27が求心方向へ揺動し、小径ディスクD2を支持する。
【0101】
図28および図35は、図27および図34の状態からローディングスライダー43が更に後退して小径ディスクD2の中心孔D2aの中心と、クランプヘッド9の中心が一致して停止した状態を示す。かかる状態に至る過程において、ローディングスライダー43の後退に伴い、ディスク支持アーム19は遠心方向へ大きく揺動して小径ディスクD2の外周縁の支持を終了するとともに、この揺動によりギヤディスク59がラックスライダー65を前進させる。これにより、ダブルローラー64の小径部64bがラックスライダー65の高位ガイド片65cに乗り上げるので、ガイドアーム25は遠心方向へ大きく揺動し、小径ディスクD2の外周縁の支持を終了する。これにより、ガイドアーム25は昇降フレーム7の側方に待避し、昇降フレーム7上に延在しない状態となる。
【0102】
前記状態では、小径ディスクD2の外周縁はガイドアーム27の支持部材27a、ガイドアーム29の支持部材29a、ガイドアーム35の支持部材35aの3点で支持されることになるが、この状態に至る過程においてガイドアーム27の支持部材27aの引張コイルバネ53による作用による押圧力が働き、小径ディスクD2の搬入が継続されることになる。
【0103】
また、図27から図28へ至る行程において、ローディングスライダー43のカム溝43eの後退により、昇降フレーム7の従動ピン7aが低位部43e−1から傾斜部43e−2へ移行して上昇する状態となる。一方、第2揺動部材47の従動ピン47aがローディングスライダー43の垂直部43b−3から下端水平部43b−2へ達し、この第2揺動部材47が遠心方向へ揺動するため、作用ピン47bが従動スライダー48を水平移動させることに伴いカム溝48cが水平移動する。これにより、昇降フレーム7の従動ピン7bは低位部48c−1から傾斜部48c−2へ移行して上昇する状態となり、昇降フレーム7は図37(B)に示すように上昇を開始する。
【0104】
図29および図36は、クランプヘッド9が小径ディスクD2の中心孔D2aをクランプし、小径ディスクD2のドライブが可能となる最終状態を示すものである。この状態に至るには、ガイドアーム27・29・35が揺動して小径ディスクD2の支持を終了し、小径ディスクD2の回転の妨げとならないようにしなければならない。
【0105】
即ち、図28の状態からローディングスライダー43が更に後退して停止した位置で、従動ピン47aが下端水平部43b−2で押し上げられ、第2揺動部材47が遠心方向へ揺動する。これにより、従動スライダー48の端部通孔48bに連結されている作用ピン51aが牽引され、第3揺動部材51が求心方向へ揺動し、これによりガイドアーム27が遠心方向へ揺動され小径ディスクD2の支持を終了する。
【0106】
一方、ガイドアーム29は、その従動ピン29dがローディングスライダー43のガイド溝43c−2の終端の傾斜部に至るため僅かに遠心方向へ揺動し、支持部材29aによる小径ディスクD2の支持を終了する。また、このガイドアーム29の揺動により、そのガイド溝29cに連結されている従動ピン35bを作用し、ガイドアーム35が僅かに遠心方向へ揺動して小径ディスクD2の支持を終了する。
【0107】
なお、図28から図29へ至る行程において、ローディングスライダー43の後退に同期して従動スライダー48は水平移動するが、昇降フレーム7の従動ピン7aはローディングスライダー43のカム溝43eの傾斜部43e−2から高位部43e−3へ移行し、従動ピン7bは従動スライダー48のカム溝48cの傾斜部48c−2から高位部48c−3へ移行する。
【0108】
この行程における昇降フレーム7の挙動は、傾斜部43e−2・48c−2により上昇する従動ピン7a・7bにより昇降フレーム7が上昇し、図37(C)に示すようにクランプヘッド9のチャック爪9aが小径ディスクD2の中心孔D2aに当接してこの小径ディスクD2を押し上げ、中心孔D2aの周縁がシャーシケース2の凸部2bに当接する。
【0109】
前記状態から従動ピン7a・7bが傾斜部43e−2・48c−2の頂部に達すると、図37(D)に示すようにクランプヘッド9が小径ディスクD2の中心孔D2aに嵌入してチャック爪9aによるクランプを完了し、ターンテーブル10上に小径ディスクD2が固定される。そして、従動ピン7a・7bが高位部43e−3・48c−3へ移行することにより、昇降フレーム7は図37(E)に示す位置まで降下し、小径ディスクD2のドライブが可能となる。
【0110】
以上、本発明のディスク装置1による小径ディスクD2の搬入時における各機構の動作態様を説明したが、搬出時は、各機構がローディングスライダー43の前進に伴って上述した搬入時とは逆順の動作態様となる。即ち、小径ディスクD2の搬出が開始され、ローディングスライダー43が前進を開始すると、昇降フレーム7は図38(A)〜(E)に示すように、一旦上昇してから初期位置まで降下する。この間に小径ディスクD2は図38(C)に示すようにクランプ解除ピン71で突き上げられ、クランプヘッド9によるクランプが解除される。
【0111】
上記のようにして小径ディスクD2のクランプが解除されるまでの行程において、ガイドアーム25・27・29が求心方向へ揺動して小径ディスクD2の外周縁を支持する図28の状態となり、つづいて図27〜図24までの逆順を辿る動作においてディスク支持アーム19の求心方向へ揺動する力により小径ディスクD2を搬出し、その前端部をフロントベゼル3のスロット3aから露呈させて停止する。
【0112】
このように本発明のスロットイン方式のディスク装置1は、ローディングスライダー43の前進、後退に同期して作動される複数のアームにより大径ディスクD1、小径ディスクD2の外周縁の3箇所を支持するように構成したので、アームを揺動させるローディング方式において直径の異なるディスクの自動ローディングが可能となる。
【0113】
つぎに、フロントベゼルのスロットからディスクを挿入したとき、ディスク支持アームを確実に初期動作して自動ローディングへ導くようにする構成について説明する。前述したように本発明が実施の対象とするディスク装置1は、12cmの大径ディスクD1と8cmの小径ディスクD2を自動ローディングしてドライブ可能とするものであるが、前述した構成のディスク装置ではフロントベゼル3のスロット3aから、特に小径ディスクD2を挿入したとき、小径ディスクD2の横方向の位置の規制を兼ねるガイドアーム29の支持部材29aを設けた先端部分に機械的負荷が集中する。
【0114】
即ち、図24に示すように小径ディスクD2がフロントベゼル3のスロット3aから挿入された場合において、小径ディスクD2が図24において左方へ偏った場合は、小径ディスクD2の前端左側部がガイドアーム25の支持部材25aに接触して押し戻されるため、小径ディスクD2が搬送路から外れるのを防ぐことができる。
【0115】
一方、小径ディスクD2の前端右側部が図43(A)に示すようにガイドアーム29の支持部材29aを押圧して遠心方向へ揺動させた場合、同図(B)に示すように舌片29bが揺動することなく定位置に静止しているロックレバー37のアングル37aで係止されるので、この場合も小径ディスクD2が搬送路から外れるのを防ぐことができる。
【0116】
ところが、かかる構成は、ガイドアーム29が遠心方向へ揺動するのをロックレバー37のアングル37aで強制的に阻止するものであり、弾性支持する構成とはなっていない。したがって、小径ディスクD2の挿入によりガイドアーム29の支持部材29aが押圧されると、舌片29bとロックレバー37のアングル37aとの接触時に機械的負荷が発生する。
【0117】
この機械的負荷は舌片29bとアングル37aが点接触状態の部分に発生するため、この部分に大きな衝撃が集中することになる。そして、このように発生した機械的負荷はガイドアーム29およびアングル37を介してこれに連結された各機構に伝達する。かかる機械的負荷の影響を繰り返し受けることにより機構上の精度誤差が生じ、自動ローディングを正確に行うことができなくなるなどの故障が発生する要因となる。
【0118】
このような問題が発生することから、本発明の実施の対象とするディスク装置では小径ディスクD2を挿入したとき、この小径ディスクD2を緩衝支持するようにしてガイドアーム29に機械的負荷が生じないようにするため、図44に示すようにロックレバー37を採用しないようにしている。しかしながら、ガイドアーム29は小径ディスクD2がスロット3aから挿入されたとき、搬送路から外れないように小径ディスクD2の横方向の位置を規制する機能を備えていなければならない。
【0119】
そこで、ロックレバー37を採用しないでかかる機能を実現するために、小径ディスクD2が搬送路から外れるのを防ぐことができる付勢力をガイドアーム29に与えて小径ディスクD2を緩衝支持するようにした。しかしながら、ガイドアーム29およびこれに連結する各機構の円滑な動作を妨げないようにするため、小径ディスクD2の挿入時の必要な範囲でガイドアーム29に与える付勢力が高くなるようにしなければならない。そこで、まず、かかる条件を満たすため実施した構成を以下に説明する。
【0120】
図44は、かかる条件にもとづく構成を示すもので、ガイドアーム29を付勢するリンクレバー33の引張コイルバネ31を廃し、捻りバネ81を採用するようにした。図45は、ガイドアーム29、リンクレバー33および捻りバネ81の構成を拡大して示したもので、同図において捻りバネ81はシャーシケース2に立設したリベットピン82に環状部を装着し、一方のアーム81aをシャーシケース2に形成したストッパー2cに係止する一方、他方のアーム81bをリンクレバー33の後端部の係止爪33bに係止する。なお、前記アーム81bはリンクレバー33の後端部に固定せず、スライド可能に係止する必要がある。
【0121】
したがって、捻りバネ81の弾性による付勢力Faはリンクレバー33を介してガイドアーム29への付勢力Fbとして伝わり、ガイドアーム29の先端が求心方向へ向かう付勢力Fcとして現れる。前記付勢力Faの大きさは捻りバネ81のトルクTsに比例し、付勢力Fbはリベットピン32を中心にリンクレバー33に発生するトルクTmに比例し、付勢力Fcはリベットピン30を中心にガイドアーム29に発生するトルクTaに比例する。なお、リンクレバー33の作用ピン33aがガイドアーム29のスリット29eで係止されるので、ガイドアーム29は図45に示す状態で静止する。
【0122】
上記構成において発生するトルクTmおよびトルクTaは、力学一般の公式を当てはめて求めることができる。即ち、回転軸から力の作用点までの長さがRであり、力の大きさをFとし、長さ方向に対する力のなす角度を考慮しない場合、トルクTは、T=R・Fで求めることができる。したがって、この公式にもとづき、トルクTmを求めると、Tm=(Ts/Rs)Rmaとなる。ここで、Tsは捻りバネ81によるトルクであり、Rsは捻りバネ81の中心からアーム81bの先端係止部までの長さを示す。また、Rmaは捻りバネ81のアーム81bの先端係止部からリベットピン32の中心までの長さを示す。
【0123】
このようにしてトルクTmが求められることから、トルクTaは、Ta=(Tm/Rmb)Ra=(Rma・Ra/Rmb・Rs)Tsで求めることができる。ここで、Rmbはリベットピン32の中心から作用ピン33aまでの長さを示し、Raは作用ピン33aの中心からリベットピン30の中心までの長さを示す。ところで、ガイドアーム29のリベットピン30の中心から先端の支持部材29aまでの長さをdとすると、この長さは一定であるので、トルクTaは、Ta=d・Fcとなる。したがって、Fc=Ta/dが成り立ち、付勢力FcはトルクTaに同調して変化することになる。
【0124】
図47は、各長さRma、Ra、Rmb、Rsの変化を図46(A)(B)(C)に示す状態に対応させて模式的に図式化したもので、各欄内におけるプロット位置の高低が各長さRma、Ra、Rmb、Rsの長短を示す。そこで、各長さRma、Ra、Rmb、Rsの長短の程度をトルクTaを求める式、Ta=(Rma・Ra/Rmb・Rs)Tsに適用すると、図46(A)の状態から図46(B)の状態に向かって次第にトルクTaが増加し、図46(B)の状態、即ち、ガイドアーム29の揺動範囲の略中位でトルクTaは最大となり、これにより、付勢力Fcが最大となる。そして、図46(B)の状態から図46(C)の状態に向かって次第にトルクTaが減少する。なお、ガイドアーム29の揺動範囲において前記の式における分子(Rma、Ra)の変化に反するように分母(Rmb、Rs)が変化するので、トルクTaの変化は急峻となる。
【0125】
このように構成されていることから、図46(A)に示すようにガイドアーム29が初期状態にあるとき、その先端の付勢力Fcは相対的に小さく、かかる状態からガイドアーム29が遠心方向へ揺動されると、付勢力Fcは次第に増加し、図46(B)に示すようにガイドアーム29の揺動範囲の略中央で付勢力Fcが最も大きくなり、この増大した付勢力Fcにより小径ディスクD2の横方向の位置の規制が可能となる。
【0126】
即ち、図48に示すように小径ディスクD2がフロントベゼル3のスロット3aの右側に偏って挿入され、小径ディスクD2の進入する力Fdによりガイドアーム29が仮想線で示した初期位置から遠心方向に揺動すると、ガイドアーム29の付勢力Fcが増大し、小径ディスクD2を押し戻す力となり、小径ディスクD2に進入する力Fdとの合力Fcdが発生し、小径ディスクD2が搬送路方向へ導かれるか、または進入する力Fdが小さい場合は搬出方向へ押し戻される。
【0127】
このように、ガイドアーム29が揺動範囲の略中位で付勢力Fcが最も大きくなる構成としたことから、捻りバネ81の弾性を必要以上に大きくすることなく、小径ディスクD2の横方向の位置を規制する機能、およびディスクに対する緩衝機能が得られる。そして、小径ディスクD2はもとより、大径ディスクD1のスロット3aへの挿入時の案内をガイドアーム29のみの簡素な構成で実現できるようにしたので、リードワイヤー41およびこれに連動するロックレバー37などの機構要素がすべて不要となり、機械的負荷の発生を防止できる。
【0128】
なお、大径ディスクD1をスロット3aから挿入する場合、操作者による挿入操作により図11に示す位置まで大径ディスクD1が進入するため、図46(B)に示す状態までガイドアーム29が揺動され、以後の自動ローディングの過程においては図46(B)から図46(C)へ移行するので付勢力Fcは減少し、搬送動作の負荷となることはない。また、大径ディスクD1の搬出時は、付勢力Fcが増加する以前に搬送動作が完了するため、この場合も搬送動作の負荷となることはない。
【0129】
ところが、上記構成において、図49に示すように小径ディスクD2が進入する力Fdが斜め方向に発生し、小径ディスクD2が同図の実線で示す位置から仮想線で示す位置に進入すると、ディスク支持アーム19のホルダー21は小径ディスクD2の外周縁の接線に沿って接触する状態となるため、小径ディスクD2の外周縁でホルダー21を押圧する力が低下し、同図の仮想線で示す位置に小径ディスクD2が進入してしまう。かかる状態になると、小径ディスクD2の挿入に伴ってディスク支持アーム19を揺動するという初期動作が行われないため、自動ローディングが開始されないことになる。
【0130】
そこで、図50に示すようにディスク支持アーム19を、大径ディスクD1または小径ディスクD2を搬出する仮想線で示す最終過程の位置からディスクの搬入方向の実線で示す位置まで僅かに戻し、小径ディスクD2が斜め方向から挿入された場合においてもその外周縁でホルダー21が押圧され、ディスク支持アーム19を揺動させる初期動作が確実に実行できるようにした。
【0131】
ところで、図50の仮想線で示した位置から実線で示した位置までのディスク支持アーム19の揺動範囲は、ディスクの搬入時においてローディングスライダー43による動作制御の範囲外となるため、このディスク支持アーム19を強制的に揺動させる付勢手段を別途設ける必要があるため、ラックスライダー65の後端部に図50に示す状態で付勢手段90を配設してある。
【0132】
この付勢手段90は、図51に示すように長溝状のスリット91a・91bを形成し、前端に押圧片91cを備えた摺動板91を主体に構成されている。この摺動板91は、そのスリット91a・91bをシャーシケース2の底板に一端を固定したリベットピン92・93に摺動可能に装着する。したがって、リベットピン92・93で規制されるスリット91a・91bの長さの範囲で摺動板91の摺動範囲が規制されることになる。そして、摺動板91のフック片91dとリベットピン92間に引張コイルバネ94を掛け止めし、これにより、押圧片91cでラックスライダー65の後端部を押圧して付勢可能となるようにしている。
【0133】
前記付勢手段90の引張コイルバネ94の付勢力が実際に作用するのは、リンクアーム54の短寸状態を維持するロック機構が作動された瞬間に同期するため、以下にリンクアーム54の具体的構成について説明する。図52は、リンクアーム54の分解斜視図であり、同図においてディスク支持アーム19を直接駆動する第2リンクアーム54bは、通孔54b−1が枢止ピン57によりギヤディスク59に連結される。
【0134】
前記第2リンクアーム54bは、その中間部分の幅方向の両側に突出するストッパ54b−2が形成され、このストッパ54b−2の部分から長手方向の両側にロックバネ54cの直径より僅かに高いフランジ54b−3が形成されている。前記ロックバネ54cは、弾性線材を曲成したもので、一端に係止部54c−1が形成され、他端にロック部54c−2が形成されている。そして、ロックバネ54cの係止部54c−1が第2のリンクアーム54bに形成されたフック片54b−4に係止されることにより、ロックバネ54cが第2リンクアーム54b内に収容される。このとき、ロックバネ54cは、その曲成部54c−3によるバネ力が発生し、ロック部54c−2に外方向の付勢力が発生する。
【0135】
一方、第1リンクアーム54aの長手方向の両側にはコ字状のガイド溝54a−1が形成されており、このガイド溝54a−1に第2リンクアーム54bをスライド可能に装着する。第1リンクアーム54aと第2リンクアーム54bの装着状態において、図53(A)に示すようにガイド溝54a−1の終端部54a−2からロックバネ54cのロック部54c−2が外部に臨んでいる状態のとき、リンクアーム54は短寸状態が維持される。一方、ロック部54c−2がガイド溝54a−1内にある図53(B)の状態では短寸状態が解除されており、リンクアーム54は長寸状態となる。
【0136】
ローディングスライダー43の前進後退に伴って揺動する第1揺動部材45には作用片45cが形成されており、リンクアーム54の短寸状態が維持される図53(A)に示す状態において、この作用片45cがロックバネ54cのロック部54c−2を押圧すると、リンクアーム54の短寸状態が解除されることになる。なお、第1リンクアーム54aのバネ掛部54a−3と第2リンクアーム54bのバネ掛部54b−5、またはシャーシケースの底板に形成した係止フックとの間に引張コイルバネ56が掛け止めされており、リンクアーム54が短寸状態となる方向に付勢力が働くようにしてある。
【0137】
本発明では、前述したリンクアーム54の短寸状態の解除と同時に付勢手段90の付勢力が作用するようにしたもので、かかる動作について以下に説明する。図54は、ディスク支持アーム19の求心方向への揺動により大径ディスクD1または小径ディスクD2の搬出過程の状態を示すもので、図12および図26に示す状態に相当する。
【0138】
図54の状態からディスクの搬出がさらに進行し、ローディングスライダー43の前進に伴い、ディスク支持アーム19がディスクを搬出する最終過程に至ると、図55に示すように第1揺動部材45の作用片45cがロックバネ54cのロック部54c−2を押圧してリンクアーム54の短寸状態を維持するロックが解除される。
【0139】
このとき、即ち、図54から図55に至る過程でギヤディスク59によりラックスライダー65が後退するので付勢手段90の摺動板91が図55に示すように押し上げられ、引張コイルバネ94の引張方向の弾性が増大する。このような状態において、リンクアーム54の短寸状態を維持するロックが解除されると、これと同時に引張コイルバネ94の付勢力が発生するため、摺動板91の押圧片91cがラックスライダー65を押し戻し、これにより、ギヤディスク59が回転してディスク支持アーム19を遠心方向へ揺動し、ホルダー21が図55の位置から図56に示す位置まで僅かに戻って停止する。なお、前記のようにして摺動板91がその押圧片91cでラックスライダー65を押し戻す距離は、摺動板91のスリット91a・91bの長さによって定まる。
【0140】
このように、ディスク支持アーム19がディスクを搬出する最終過程では、図50に示すようにディスク支持アーム19が、一旦、仮想線の位置まで揺動してディスクの搬出を完了し、その後、実線の位置まで戻って停止するという動作態様となる。これにより、フロントベゼル3のスロット3aから挿入された小径ディスクD2はディスク支持アーム19のホルダー21を押圧し、確実に自動ローディングへ導かれることになる。
【0141】
このようにして、小径ディスクD2が挿入された場合の位置の規制ならびにディスク支持アーム19の確実な作動を確保することができるのであるが、これはディスク支持アーム19がディスクの搬入方向へ僅かに戻ることによるホルダー21の後退によりなされるのである。したがって、図44と図50の対比から明らかなようにディスクの搬入方向の先端の外周縁はクランプヘッド9に接近し、ディスクが下方に傾斜した状態で挿入されると、ディスクがディスク支持アーム19のホルダー21の下側にもぐり込む虞があり、その場合、ディスクはクランプヘッド9に接触し、記録面を損傷してしまうことになる。そこで、本発明ではかかる不具合の発生を防ぐため、新たな構想にもとづくガイド機構を設け、大径ディスクD1および小径ディスクD2のいずれをもクランプヘッド9に接触しないようにして確実にディスク支持アーム19のホルダー21に導き、自動ローディングが開始されるようにした。
【0142】
本発明のガイド機構はディスク支持アーム19の動作とともに機能するため、まず、このディスク支持アーム19の動作態様を説明する。前述したようにディスク支持アーム19はその先端に大径ディスクD1および小径ディスクD2の外周縁を保持溝21aで支持するホルダー21が固定されている。そしてディスク支持アーム19には図57に示すように先端に向けて下り勾配となる凹陥部19eが形成されている。なお、この下り勾配の形成はディスク支持アーム19の裏面に別部材を固定して形成するようにしてもよい。
【0143】
このように、ディスク支持アーム19に凹陥部19eが形成されていることから、この凹陥部19eが作用してホルダー21の上下方向の揺動が可能となるようにしている。即ち、ディスク支持アーム19が大径ディスクD1または小径ディスクD2がスロット3aから挿入されるのを待機している状態において、ホルダー21の保持溝21aに大径ディスクD1または小径ディスクD2が図58に示すように保持され、ディスク支持アーム19が遠心方向へ揺動を開始すると、図57(A)(B)(C)に示すように凹陥部19eがベースパネル6に乗り上げてホルダー21が上昇する。これにより、ホルダー21は図58の仮想線で示す状態でクランプヘッド9上を通過し、大径ディスクD1および小径ディスクD2が案内されて搬送されるようにしている。
【0144】
つぎに、本発明のガイド機構は、図59に示すようにディスクの搬入方向であってターンテーブル10の側部に先端部72aが延在するリード片72により構成される。このリード片72は昇降フレーム7と一体に形成することもできるが、薄板鋼板などの可撓性素材により別部材として図60に示すごとき形状に形成されたものを実施例として説明する。
【0145】
同図に示すリード片72は基端部に固定片72bを備え、その通孔72cに挿通した平皿ネジ73を昇降フレーム7のネジ孔7dにネジ止めして固定される。そして、リード片72のスロープが形成される部分の表面に膨出するリブ72dを形成しているが、これはディスクとの接触が極力小さくなるように配慮したので、本発明の必須の構成ではない。また、リード片72の基部に形成された抜き孔72eはこの部分の剛性を低下させ、可撓性を向上するようにしたものである。なお、リード片72の基端部の固定片72bは、昇降フレーム7に固定されるので光ピックアップ12の前進後退させるキャリアブロック14の移動を妨げとなることはない。
【0146】
そして、リード片72はその先端から垂下する舌片72fの先端に係止端部72gが形成されており、固定片72bが昇降フレーム7に固定されると、リード片72の先端部がクランプ解除ピン71の頂部で常に支持され、係止端部72gが昇降フレーム7の開口部の裏面下に位置するようにしている。したがって、リード片72は昇降フレーム7に片持ち状態で固定されることから、リード片72の先端が昇降フレーム7から遊離して高さ方向の位置が一定に保たれることになる。したがって、昇降フレーム7が降下したとき、リード片72の先端はクランプ解除ピン71で支持されて定位置を止まり、クランプヘッド9およびターンテーブル10がリード片72の先端部以下に降下する。
【0147】
つぎに、以上のように構成された本発明のディスク装置において、昇降フレーム7の降下に伴ってリード片72が機能する状態を図61にもとづいて説明する。図61(A)は、大径ディスクD1または小径ディスクD2がクランプヘッド9でクランプされ、ターンテーブル10上に固定され、昇降フレーム7が最も上昇している状態である。これはディスクのドライブが可能となっている状態であり、このとき、リード片72は水平状態にあり、大径ディスクD1または小径ディスクD2の記録面に接触することはない。
【0148】
かかる状態でディスクの搬出が開始されると、昇降フレーム7が降下を開始し、図61(B)の状態に至るとクランプ解除ピン71により定位置にあるリード片72のリブ72dに大径・小径ディスクD1・D2の中心孔D1a・D2aの周縁が当接する。そして、昇降フレーム7がさらに降下して図61(C)に示す状態に至ると、大径・小径ディスクD1・D2の中心孔D1a・D2aの周縁が押し上げられ、クランプヘッド9による大径・小径ディスクD1・D2のクランプが解除される。
【0149】
そして、昇降フレーム7がさらに降下して図61(D)に示す最終位置に達すると、昇降フレーム7の開口部7cのフランジ7eがリード片72の係止端部72gを押下する。これにより、リード片72がクランプ解除ピン71の頂部を支点にして同図に示すように僅かに湾曲して緩やかな円弧状のスロープが形成され、クランプヘッド9の頂部がリード片72より低位に位置する状態となる。
【0150】
つぎに、図61(D)に示すように昇降フレーム7が最も降下した状態において、大径・小径ディスクD1・D2がスロット3aから挿入され、自動ローディングに至る過程を以下に説明する。図62は、大径・小径ディスクD1・D2が挿入される過程を横方向から示したもので、平面方向を図63に示す。図62および図63において、スロット3aから下方に傾斜した状態で大径・小径ディスクD1・D2が挿入され、位置P1に達しさらに進入すると、大径・小径ディスクD1・D2の挿入方向の前端部がリード片72のリブ72dにより形成されたスロープに乗り上げて位置P2まで進入する。
【0151】
そして、さらに大径・小径ディスクD1・D2が前進すると、その外周縁が位置P2の前方位置P3に待機しているディスク支持アーム19のホルダー21の保持溝21aに導かれる。位置P3に達した大径・小径ディスクD1・D2はその後、位置P4までホルダー21を押し下げてディスク支持アーム19が遠心方向へ揺動し、これにより既述の動作態様にもとづく自動ローディングが開始されることになる。
【0152】
なお、位置P3においてホルダー21の保持溝21aに保持された大径・小径ディスクD1・D2は図57(A)に示す状態となっており、ディスク支持アーム19が遠心方向に揺動して位置P4に達すると、その凹陥部19eが図57(C)に示すようにベースパネル6に乗り上げる。したがって、ホルダー21は位置P3から位置P4へ至る間に図58に示す状態で上昇し、大径・小径ディスクD1・D2がクランプヘッド9に接触しないように導くことができる。
【0153】
図64は、上記のようにして案内され、自動ローディングされた大径・小径ディスクD1・D2がクランプヘッド9によりクランプされる過程を示すもので、図64(A)は、大径・小径ディスクD1・D2がスロット3aから挿入された状態を示す。そして、上述のようにして自動ローディングが完了すると、大径・小径ディスクD1・D2は図64(B)に示すようにその中心孔D1a・D2aの中心がクランプヘッド9の中心と一致した位置で停止する。
【0154】
かかる状態に至ると、昇降フレーム7が上昇を開始し、図64(C)に示すようにクランプヘッド9のチャック爪9aが大径・小径ディスクD1・D2の中心孔D1a・D2aに当接して押し上げる(図37参照)。このとき、昇降フレーム7の開口部7cのフランジ7eがリード片72の係止端部72gから離間するため、リード片72は湾曲状態から解放される。そして、昇降フレーム7がさらに上昇すると、図64(D)に示すようにクランプヘッド9が大径・小径ディスクD1・D2の中心孔D1a・D2aに嵌入してクランプを完了し、既述したローディングスライダー43の動作にもとづいて昇降フレーム7が僅かに降下し、図64(E)に示すように大径・小径ディスクD1・D2のドライブが可能となる。
【0155】
図65は、大径ディスクD1のみをドライブ可能としたディスク装置に上述した本発明のガイド機構を実施した状態を示すもので、大径ディスクD1に対する機能および作用は上述と同一である。要するに本発明では、リード片72により大径ディスクD1および小径ディスクD2の搬入方向の先端の下方への傾斜を阻止することができ、クランプヘッド9との接触を回避して確実に大径ディスクD1および小径ディスクD2をディスク支持アーム19のホルダー21に導き、自動ローディングを開始させることができるのである。
【0156】
なお、上記実施例においては、既設のクランプ解除ピン71を利用し、その頂部でリード片72の先端部72aを支持するようにしたことから、リード片72がディスクのクランプ解除機能を兼ねるようにしている。しかしながら、本発明はかかる構成に限定されるものではなく、リード片72により大径ディスクD1および小径ディスクD2の搬入方向の先端の下方への傾斜を阻止できる構成であればよい。
【0157】
例えば、リード片72の先端部72aを装置内部に別途設けた突出部材で支持して定位置に保つようにしてもよく、また、リード片72の先端から垂下する舌片72fをシャーシ上まで伸ばし、係止端部72gをシャーシ上に固定することで、リード片72の先端部72aを定位置に保つようにしてもよい。要するに、昇降フレーム7が降下したとき、クランプヘッド9およびターンテーブル10がリード片72の先端部以下に降下する構成であればよい。
【0158】
本発明は以上のように構成されることから、特に大径ディスクD1と小径ディスクD2のいずれもドライブ可能となるようにしたディスク装置においては、大径ディスクD1より自動ローディングが困難である小径ディスクD2に対しても確実に機能し、装置の動作の安定性を向上することができ、信頼性の高いディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明を実施するスロットイン方式のディスク装置の斜視図である。
【図2】図1のディスク装置の内部の構成を示す斜視図である。
【図3】図1のディスク装置の駆動機構の構成を示す斜視図である。
【図4】ローディングスライダーの構成を示す分解斜視図である。
【図5】ローディングスライダーとガイドプレートの構成を示す分解斜視図である。
【図6】動力伝達機構の構成を示す分解斜視図である。
【図7】ギヤディスクの構成を示す分解斜視図である。
【図8】ラックスライダーの構成を示す斜視図である。
【図9】大径ディスクの搬送状態を説明する第1行程図である。
【図10】大径ディスクの搬送状態を説明する第2行程図である。
【図11】大径ディスクの搬送状態を説明する第3行程図である。
【図12】大径ディスクの搬送状態を説明する第4行程図である。
【図13】大径ディスクの搬送状態を説明する第5行程図である。
【図14】大径ディスクの搬送状態を説明する第6行程図である。
【図15】大径ディスクの搬送状態を説明する第7行程図である。
【図16】大径ディスクの搬送状態を説明する第1行程図である。
【図17】大径ディスクの搬送状態を説明する第2行程図である。
【図18】大径ディスクの搬送状態を説明する第3行程図である。
【図19】大径ディスクの搬送状態を説明する第4行程図である。
【図20】大径ディスクの搬送状態を説明する第5行程図である。
【図21】大径ディスクの搬送状態を説明する第6行程図である。
【図22】大径ディスクの搬送状態を説明する第7行程図である。
【図23】小径ディスクの搬送状態を説明する第1行程図である。
【図24】小径ディスクの搬送状態を説明する第2行程図である。
【図25】小径ディスクの搬送状態を説明する第3行程図である。
【図26】小径ディスクの搬送状態を説明する第4行程図である。
【図27】小径ディスクの搬送状態を説明する第5行程図である。
【図28】小径ディスクの搬送状態を説明する第6行程図である。
【図29】小径ディスクの搬送状態を説明する第7行程図である。
【図30】小径ディスクの搬送状態を説明する第1行程図である。
【図31】小径ディスクの搬送状態を説明する第2行程図である。
【図32】小径ディスクの搬送状態を説明する第3行程図である。
【図33】小径ディスクの搬送状態を説明する第4行程図である。
【図34】小径ディスクの搬送状態を説明する第5行程図である。
【図35】小径ディスクの搬送状態を説明する第6行程図である。
【図36】小径ディスクの搬送状態を説明する第7行程図である。
【図37】昇降フレームが上昇する行程を説明する行程図である。
【図38】昇降フレームが加工する工程を説明する行程図である。
【図39】ギヤディスクの動作態様を説明するための図である。
【図40】大径ディスクの搬送時のアームの動作態様を説明する行程図である。
【図41】ローディングアームの動作態様を説明する行程図である。
【図42】ローディングスライダーと従動ピンの動作態様を説明する行程図である。
【図43】ロックレバーが機能する状態を示す行程図である。
【図44】本発明を実施するディスク装置の要部の構成を示す平面図である。
【図45】図44のディスク装置の要部の構成を説明する図である。
【図46】図44のディスク装置の要部の機能を説明する図である。
【図47】図45の機構におけるトルクの発生状態を説明する図である。
【図48】図44のディスク装置の要部の作用を説明する図である。
【図49】図44のディスク装置における不具合の状態を説明する図である。
【図50】本発明を実施するディスク装置の構成を示す平面図である。
【図51】図50のディスク装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図52】リンクアームの構成を示す分解斜視図である。
【図53】リンクアームの機能を説明する図である。
【図54】付勢手段の機能を説明する第1行程図である。
【図55】付勢手段の機能を説明する第2行程図である。
【図56】付勢手段の機能を説明する第3行程図である。
【図57】ディスク支持アームの機能を説明する行程図である。
【図58】ディスク支持アームの機能を説明する図である。
【図59】本発明を実施したディスク装置の斜視図である。
【図60】本発明の要部の構成を示す分解斜視図である。
【図61】本発明におけるディスクのクランプ状態の解除を説明する行程図である。
【図62】本発明の機能を説明する図である。
【図63】本発明の機能を説明する図である。
【図64】本発明によりディスクをクランプする状態を説明する行程図である。
【図65】本発明の他の実施態様の斜視図である。
【図66】従来のディスク装置を示す平面図である。
【図67】従来のディスク装置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0160】
1・・・・・・・ディスク装置
2・・・・・・・シャーシケース
3・・・・・・・フロントベゼル
6・・・・・・・ベースパネル
7・・・・・・・昇降フレーム
8・・・・・・・緩衝支持構造
9・・・・・・・クランプヘッド
10・・・・・・ターンテーブル
11・・・・・・スピンドルモータ
12・・・・・・光ピックアップ
13・・・・・・キャリアブロック
14・・・・・・ガイドシャフト
15・・・・・・ガイドシャフト
16・・・・・・スレッドモータ
17・・・・・・ギヤトレイン
18・・・・・・スクリューシャフト
19・・・・・・ディスク支持アーム
21・・・・・・ホルダー
22・・・・・・ローディングアーム
24・・・・・・リンクレバー
25・・・・・・ガイドアーム
27・・・・・・ガイドアーム
29・・・・・・ガイドアーム
31・・・・・・引張コイルバネ
33・・・・・・リンクレバー
35・・・・・・ガイドアーム
37・・・・・・ロックレバー
39・・・・・・ワイヤースプリング
40・・・・・・ストッパー
41・・・・・・リードワイヤー
42・・・・・・レバーアーム
43・・・・・・ローディングスライダー
45・・・・・・第1揺動部材
47・・・・・・第2揺動部材
48・・・・・・従動スライダー
49・・・・・・ガイドプレート
51・・・・・・第3揺動部材
52・・・・・・リンクワイヤー
53・・・・・・引張コイルバネ
54・・・・・・リンクアーム
55・・・・・・連結部材
56・・・・・・引張コイルバネ
59・・・・・・ギヤディスク
60・・・・・・リミットスイッチ
62・・・・・・ローラー支持板
63・・・・・・引張コイルバネ
64・・・・・・ダブルローラー
65・・・・・・ラックスライダー
66・・・・・・ローディングモータ
67・・・・・・ウォームギヤ
71・・・・・・クランプ解除ピン
72・・・・・・リード片
81・・・・・・捻りバネ
90・・・・・・付勢手段
D1・・・・・・大径ディスク
D2・・・・・・小径ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプヘッドを備えたターンテーブルおよびスピンドルモータからなるディスクドライブ機構を設けた昇降フレームを上下動させることにより、前記クランプヘッドによるディスクの中心孔のクランプまたはクランプの解除が可能となるようにするとともに、ディスクの外周縁を支持して搬送可能となるようにした複数のアームによる自動ローディングにより挿入されたディスクを装置内部へ搬入し、または装置内部に収容されているディスクを装置外部へ搬出するようにしたディスク装置であり、
ディスクの搬入方向であってターンテーブルの側部に先端部が延在するリード片を昇降フレームに設け、且つ、このリード片の先端部を昇降フレームから遊離させて高さ方向の位置が一定に保たれるようにすることにより、昇降フレームが降下したときリード片の先端部がクランプヘッドの頂部より相対的に高くなるようにし、スロットから挿入されるディスクの下方への傾斜を阻止するようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
クランプヘッドを備えたターンテーブルおよびスピンドルモータからなるディスクドライブ機構を設けた昇降フレームを上下動させることにより、前記クランプヘッドによるディスクの中心孔のクランプまたはクランプの解除が可能となるようにするとともに、直径の異なる2種類のディスクの外周縁を支持して搬送可能となるようにした複数のアームによる自動ローディングにより挿入されたディスクを装置内部へ搬入し、または装置内部に収容されているディスクを装置外部へ搬出するようにしたディスク装置であり、スロットから挿入される小径ディスクの横方向の位置の規制を兼ねるガイドアームに対しその先端が常に求心方向へ向かうように付勢力を与え、該付勢力が前記ガイドアームの先端の揺動範囲の略中位で最大となるようにしたディスク装置において、
ディスクの搬入方向であってターンテーブルの側部に先端部が延在するリード片を昇降フレームに設け、且つ、このリード片の先端部を昇降フレームから遊離させて高さ方向の位置が一定に保たれるようにすることにより、昇降フレームが降下したときリード片の先端部がクランプヘッドの頂部より相対的に高くなるようにし、スロットから挿入されるディスクの下方への傾斜を阻止するようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項3】
クランプヘッドを備えたターンテーブルおよびスピンドルモータからなるディスクドライブ機構を設けた昇降フレームを上下動させることにより、前記クランプヘッドによるディスクの中心孔のクランプまたはクランプの解除が可能となるようにするとともに、直径の異なる2種類のディスクの外周縁を支持して搬送可能となるようにした複数のアームによる自動ローディングにより挿入されたディスクを装置内部へ搬入し、または装置内部に収容されているディスクを装置外部へ搬出するようにしたディスク装置であり、前記複数のアームを動作制御するローディングスライダー、およびディスクの搬送を司るディスク支持アームを備えるとともに、前記ローディングスライダーの前進後退に伴う変移を前記ディスク支持アームへ伝達する伸縮可能のリンクアームを備え、前記ディスク支持アームがディスクを搬出する最終過程の位置に達したとき、前記リンクアームの短寸状態を維持するロック機構を作動することによりディスク支持アームの位置をディスクの搬入方向へ僅かに戻すようにしたディスク装置において、
ディスクの搬入方向であってターンテーブルの側部に先端部が延在するリード片を昇降フレームに設け、且つ、このリード片の先端部を昇降フレームから遊離させて高さ方向の位置が一定に保たれるようにすることにより、昇降フレームが降下したときリード片の先端部がクランプヘッドの頂部より相対的に高くなるようにし、スロットから挿入されるディスクの下方への傾斜を阻止するようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項4】
クランプヘッドを備えたターンテーブルおよびスピンドルモータからなるディスクドライブ機構を設けた昇降フレームを上下動させることにより、前記クランプヘッドによるディスクの中心孔のクランプまたはクランプの解除が可能となるようにするとともに、ディスクの外周縁を支持して搬送可能となるようにした複数のアームによる自動ローディングにより挿入されたディスクを装置内部へ搬入し、または装置内部に収容されているディスクを装置外部へ搬出するようにしたディスク装置であり、
ディスクの搬入方向であってターンテーブルの側部に先端部が延在するリード片を昇降フレームに設け、且つ、このリード片の先端部を昇降フレームから遊離させ、昇降フレームが降下したときリード片の先端が前記昇降フレーム上面より高い位置で保たれるようにすることにより、スロットから挿入されるディスクの下方への傾斜を阻止するようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項5】
リード片の先端から垂下する舌片の先端に係止端部を形成してなり、昇降フレームが降下したとき、この昇降フレームの開口部の端部で前記係止端部が押下され、これによりリード片に緩やかな円弧状のスロープが形成されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【公開番号】特開2008−10075(P2008−10075A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−179766(P2006−179766)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(000003676)ティアック株式会社 (339)
【Fターム(参考)】