説明

ディスク装置

【課題】ディスク装置において、スピンドルモータがショートにより故障しているか否かを正確に判定できるようにする。
【解決手段】ディスク装置1は、ディスク2を回転させるスピンドルモータ3と、スピンドルモータ3のオフセット電圧を検出電圧値として検出する差動オペアンプ5と、検出電圧値に基づいてスピンドルモータ3の故障判定に用いられる判別値を算出する算出手段13と、判別値に基づいてスピンドルモータ3が故障しているか否かを判定する故障判定部10を備える。故障判定部10は、スピンドルモータ3がディスク2を回転させており、かつディスク2の再生処理のポーズ時に、判別値が予め定められた閾値より連続して3回大きくなるとスピンドルモータ3が故障していると判定する。これにより、故障判定部10は、正確にスピンドルモータ3の故障を判定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクを回転させるDCモータを備えたディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スピンドルモータ等のDCモータを用いてCD、CD−R、またはDVDなどのディスクを回転させて、画像等を記録再生するディスク装置において、DCモータ内のブラシが磨耗することにより塵埃が発生し、この発生した塵埃によってDCモータ内の整流子がショートすることがある。整流子がショートするとスピンドルの回転が停止するため、ディスクの回転が停止する。ディスクの回転が停止すると、ディスク装置を制御する制御部は、スピンドルの回転速度を上げるためにDCモータを駆動させる駆動ICの出力電流を増加させる。駆動ICは、出力電流が増加することにより発熱する。駆動ICは、発熱により誤作動を起こし、アクチュエータに大電流を流す場合がある。また、ディスクの回転が停止することによって、制御部は、アクチュエータの正確な動作を把握できなくなる。そこで、制御部は、ディスクを回転させるために駆動ICを無理に動作させる。このとき、駆動ICからアクチュエータに大電流が流れ、これによって、アクチュエータのカバーが燃えることがあった。
【0003】
そこで、特許文献1に示される技術においては、駆動ICに大電流が流れないようにする手段が開示されており、特許文献2に示される技術においては、ディスクを回転させるスピンドルモータの停止制御を行う技術が開示されている。また、特許文献3に示される技術においては、駆動ICが温度センサーを備えることにより、駆動ICが所定の温度以上にならない状態で駆動ICを動作させる技術が開示されている。さらに、特許文献4に示される技術においては、小型電気機器が、モータに接続されたトランジスタの電圧が所定値を上回ることによりモータの故障を検出する技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1乃至特許文献3に示される技術においては、駆動ICに大電流が流れる原因となるスピンドルモータのショートによる故障を検出することができなかった。また、特許文献4に示される技術においては、小型電気機器は、モータが故障していない場合であっても、小型電気機器内部のノイズの影響によりトランジスタの電圧が一時的に上昇するとモータの故障を検出するという問題が生じていた。
【特許文献1】特開2004−127385号公報
【特許文献2】特開2003−224988号公報
【特許文献3】特開2004−334965号公報
【特許文献4】特開平9−23571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、ディスクを回転させるスピンドルモータを備えたディスク装置において、スピンドルモータがショートにより故障しているか否かを正確に判定できるようにし、さらに、スピンドルモータがショートにより故障しているとき、スピンドルモータを駆動させないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、ディスクを回転させるDCモータと、2本の電圧供給線を介してDCモータにオフセット電圧を供給する駆動部と、駆動部にオフセット電圧の供給を指示する制御部と、ディスクに記録されているデータを読み出し、データに基づいて再生処理を行う再生部と、を備えたディスク装置において、2本の電圧供給線に接続され、DCモータがディスクを回転させている状態であって、再生部がディスクからデータの読み出しを停止してから再開するまでのポーズ時に、2本の電圧供給線の電圧の差を検出電圧値として所定の回数検出する検出器と、検出電圧値に基づいてDCモータが故障しているか否かを判定する故障判定部と、を備え、故障判定部は、検出電圧値を記憶する電圧記憶部と、連続して検出された検出電圧値の差の絶対値を変化量として算出し、電圧記憶部が記憶する複数の検出電圧値の平均値を算出する算出手段と、算出手段が算出した複数の変化量のうち、変化量の最大値を最大変化量として記憶する最大変化量記憶部と、をさらに備え、算出手段は、最大変化量を平均値で割った値を判別値として算出し、故障判定部は、判別値が予め定められた閾値より大きいか否かを3回以上判定し、判別値が3回連続して閾値より大きくなるとDCモータが故障していると判定し、制御部は、故障判定部によってDCモータが故障していると判定されたことに応じて、DCモータを駆動させないように駆動部を制御するようにしたものである。
【0007】
また、請求項2の発明は、ディスクを回転させるDCモータと、2本の電圧供給線を介してDCモータにオフセット電圧を供給する駆動部と、駆動部にオフセット電圧の供給を指示する制御部と、ディスクに記録されているデータを読み出し、データに基づいて再生処理を行う再生部と、を備えたディスク装置において、2本の電圧供給線に接続され、DCモータがディスクを回転させている状態であって、再生部がディスクからデータの読み出しを停止してから再開するまでのポーズ時に、2本の電圧供給線の電圧の差を検出電圧値として所定の回数検出する検出器と、検出電圧値に基づいてDCモータが故障しているか否かを判定する故障判定部と、を備え、故障判定部は、検出電圧値を記憶する電圧記憶部と、連続して検出された検出電圧値の差の絶対値を変化量として算出する算出手段と、算出手段が算出した複数の変化量のうち、変化量の最大値を最大変化量として記憶する最大変化量記憶部と、をさらに備え、最大変化量と予め定められた閾値に基づいてDCモータが故障しているか否かを判定し、制御部は、故障判定部によってDCモータが故障していると判定されたことに応じて、DCモータを駆動させないように駆動部を制御するようにしたものである。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項2のディスク装置において、算出手段は、最大変化量を電圧記憶部が記憶する複数の変化量のうち最も値の小さい変化量で割った値を判別値として算出し、故障判定部は、判別値が閾値より大きいか否かを3回以上判定し、判別値が3回連続して閾値より大きくなるとDCモータが故障していると判定するようにしたものである。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項2のディスク装置において、故障判定部は、最大変化量記憶部が最大変化量を記憶した後、はじめて算出手段によって算出された変化量を記憶する変化量記憶部を、さらに備え、算出手段は、電圧記憶部が記憶する複数の検出電圧値の平均値を算出し、最大変化量と変化量記憶部が記憶する変化量との差を平均値で割った値を判別値として算出し、故障判定部は、判別値が閾値より大きいか否かを3回以上判定し、判別値が3回連続して閾値より大きくなるとDCモータが故障していると判定するようにしたものである。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項2のディスク装置において、算出手段は、変化量を算出する毎に電圧記憶部が記憶する複数の検出電圧値の平均値を算出し、変化量を平均値で割った値を判別値として算出し、故障判定部は、判別値が算出されると判別値が閾値より大きいか否かを判定し、判別値が連続せずに2回閾値より大きくなるとDCモータが故障していると判定するようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、請求項3及び請求項4の発明によれば、DCモータがディスクを回転させている状態であって再生部がディスクからデータの読み出しを停止してから再開するまでのポーズ時に、算出手段は、最大変化量記憶部が記憶する最大変化量と、電圧記憶部が記憶する複数の検出電圧値の平均値、または電圧記憶部が記憶する複数の変化量のうち最も値の小さい変化量とに基づいてDCモータの故障判定に用いられる判別値を算出する。故障判定部は、判別値が連続して3回予め定められた閾値より大きくなるとDCモータが故障していると判定する。また、請求項5の発明によれば、故障判定部は、判別値が連続せずに2回以上閾値より大きくなるとDCモータが故障していると判定する。これにより、故障判定部は、ディスクに傷がついているとき、またはディスクが偏芯成分にぶれながら回転しているときに生じる変化量の突発的な変化の影響を受けることなく、正確にDCモータが故障しているか否かを判定することができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、DCモータがディスクを回転させている状態であって再生部がディスクからデータの読み出しを停止してから再開するまでのポーズ時に、故障判定部は、算出手段が検出電圧値に基づいて算出した複数の変化量のうち最も大きな値である最大変化量と予め定められた閾値に基づいてDCモータが故障しているか否かを判定する。これにより、故障判定部は、容易にDCモータが故障しているか否かを判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係るディスク装置について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1乃至第4の実施形態に係るディスク装置の概略構成を示す。ディスク装置1は、ディスク2を回転させるスピンドルモータ3(DCモータ)と、スピンドルモータ3を駆動させる駆動IC4(駆動部)と、スピンドルモータ3と駆動IC4との間に接続された差動オペアンプ5(検出器)と、ディスク2に対して再生処理を行う再生部6と、ディスク装置1全体を制御する制御部7とを備える。再生部6は、ディスク2から情報を読み取るピックアップユニット8と、ピックアップユニット8が読み出した情報に対してデコード処理を行う信号処理部9とを備える。
【0014】
制御部7は、差動オペアンプ5から出力された検出電圧値に基づいてスピンドルモータ3が故障しているか否かを判定する故障判定部10と、故障判定部10の判定に応じて駆動IC4を制御するIC制御部11とを備える。故障判定部10は、検出電圧値を保持電圧値として記憶する電圧記憶部12と、保持電圧値と差動オペアンプ5が新たに検出した検出電圧値との差の絶対値を変化量として算出する算出手段13と、算出手段13が算出した変化量を最大変化量として記憶する最大変化量記憶部14と、最大変化量記憶部14が最大変化量を記憶した後に算出手段13によってはじめて算出された変化量を記憶する変化量記憶部15を備える。信号処理部9は、ピックアップユニット8がディスク2から読み出したデータを一時的に記憶するメモリ9aを備える。ここで、ディスク2は、例えばCDやDVDである。
【0015】
IC制御部11は、駆動IC4に対して、ピックアップユニット8から受信したディスク2の回転状態を表す信号に基づいて、基準電圧であるリファレンス電圧VREFを通知し、さらに、スピンドルモータ3を駆動させるために基準電圧からのずれを表すオフセット電圧Vfの供給を指示する。駆動IC4は、端子O1と、端子O2とを備える。端子O1は、電圧供給線SP+を介してスピンドルモータ3のブラシB1に接続され、端子O2は、電圧供給線SP−を介してスピンドルモータ3のブラシB2に接続されている。駆動IC4は、IC制御部11から指示されたリファレンス電圧VREF及びオフセット電圧Vfに基づいて、端子O1及び端子O2の電圧を設定する。差動オペアンプ5の非反転入力端子5aは、電圧供給線SP+に接続されており、反転入力端子5bは、電圧供給線SP−に接続されている。差動オペアンプ5は、非反転入力端子5aの電位と反転入力端子5bの電位との差であるブラシB1とブラシB2との間の電圧差を検出する。差動オペアンプ5は、検出した電圧差を検出電圧値として故障判定部10へ出力する。
【0016】
算出手段13は、検出電圧値に基づいてスピンドルモータ3の故障判定に用いられる判別値を算出する。故障判定部10は、判別値に基づいて、スピンドルモータ3が故障しているか否かを判定する。故障判定部10は、スピンドルモータ3が故障しているか否かを判定する基準として、判別値に関する予め定められた閾値を保持している。故障判定部10は、算出手段13によって算出された判別値が閾値より大きければスピンドルモータ3がショートにより故障していると判定し、スピンドルモータ3が故障していることを示す故障信号をIC制御部11に送信する。IC制御部11は、故障判定部10から故障信号を受信すると、駆動IC4に対してスピンドルモータ3を駆動させないように命令する。これにより、故障しているスピンドルモータ3は駆動しなくなるため、駆動IC4に大電流が流れることが回避され、アクチュエータのカバーが燃えることが防止される。
【0017】
図2は、本発明の第1乃至第4の実施形態におけるスピンドルモータ3の概略構成を示す。スピンドルモータ3は、DCモータであって、正側の端子であるブラシB1と、負側の端子であるブラシB2と、整流子C1乃至C3と、コイルL1乃至L3とを備える。ブラシB1は電圧供給線SP+に接続され、ブラシB2は電圧供給線SP−に接続されている。駆動IC4が電圧供給線SP+及び電圧供給線SP−を介してブラシB1及びブラシB2に直流電圧を供給することにより、直流電流が、整流子C1乃至C3の一部とコイルL1乃至L3の一部とを介してブラシB1とブラシB2の間に流れる。これにより、スピンドルモータ3は回転する。
【0018】
スピンドルモータ3が回転することによりブラシB1及びB2が磨耗すると、ブラシB1及びブラシB2の塵埃が発生する。この塵埃が整流子C1乃至C3の間に入り込むことによりブラシB1とブラシB2との間がショートした状態となる。ブラシB1とブラシB2との間がショートした状態であるとき、差動オペアンプ5が故障判定部10に出力する検出電圧値は0に近い値となる。ここで、整流子C1乃至整流子C3の間に存在する3つの隙間のうち、全ての隙間かいずれか2つの隙間がショートしている状態のことを完全ショートとする。また、整流子C1乃至整流子C3の間に存在する3つの隙間のうち、1つの隙間だけがショートしている状態を部分ショートとする。
【0019】
スピンドルモータ3が完全ショートしているとき、ブラシB1とブラシB2とは常にショートした状態となるため、整流子C1乃至整流子C3は回転しない。一方、スピンドルモータ3が部分ショートしているとき、整流子C1乃至整流子C3が回転すると、ブラシB1とブラシB2とがショートしている状態と、ショートしていない状態とが交互に現れることになる。ブラシB1とブラシB2とがショートしている状態のときに、差動オペアンプ5が検出電圧値を検出すると0に近い値となるが、ブラシB1とブラシB2とがショートしていない状態のときに、差動オペアンプ5が検出電圧値を検出すると0より大きな値となる。故障判定部10は、検出電圧値に基づいて算出された判別値の大きさによってスピンドルモータ3がショートしているか否かを判定する。
【0020】
図3は、本発明の第1の実施形態に係るスピンドルモータ3の故障判定処理フローを示す。再生部6が再生処理を開始すると、故障判定部10は、差動オペアンプ5が検出電圧値を検出した回数をカウントするのに用いられる変数i、判定値が閾値を上回った回数をカウントするのに用いられる変数Nをそれぞれ0にし、電圧記憶部12及び最大変化量記憶部14が記憶している値を0にする初期化を行う(S101)。制御部7は、信号処理部9からポーズコマンドが出力されたか否かを判定する(S102)。ここで、ポーズコマンドとは、ピックアップユニット8がディスク2からデータを読み出すことを停止させるコマンドである。信号処理部9がデコード処理を行う速度は、ピックアップユニット8がディスク2からデータを読み出す速度より遅い。そこで、信号処理部9は、ピックアップユニット8によって読み出されたデータをメモリ9aに一時的に記憶させ、メモリ9aが一杯になると制御部7に対してピックアップユニット8がディスク2からのデータの読み出しを停止させるポーズコマンドを出力する。これにより、ピックアップユニット8は、メモリ9aに空き容量ができるまでディスク2からデータの読み出しを停止する。
【0021】
ステップS102において、信号処理部9からポーズコマンドが出力されると(S102でYes)、差動オペアンプ5は、電圧供給線SP+上の電圧と電圧供給線SP−上の電圧との差を検出電圧値として検出し故障判定部10に出力する(S103)。一方、ステップS102において、信号処理部9からポーズコマンドが出力されないとき(S102でNo)、差動オペアンプ5は、ポーズコマンドが出力されるまで待機する。
【0022】
信号処理部9がポーズコマンドを出力すると、故障判定部10は、変数iが0か否かを判定する(S104)。ここで、変数iが0とすると(S104でYes)、故障判定部10は、検出電圧値を保持電圧値として電圧記憶部12に記憶させる(S108)。次に、故障判定部10は、変数iに1を加えて変数iを1とし(S109)、変数iが11であるか否かを判定する(S110)。このとき、変数iは1であるため(S110でNo)、制御部7は、信号処理部9がポーズコマンドを解除したか否かを判定する(S111)。信号処理部9がポーズコマンドを解除しているとき(S111でYes)、ステップS101に戻って、故障判定部10は初期化を行う。一方、ステップS111において、信号処理部9がポーズコマンドを解除していないとき(S111でNo)、差動オペアンプ5は、再び検出電圧値を検出し故障判定部10に出力する(S103)。ここで、信号処理部9はポーズコマンドを解除していないものとする。
【0023】
再び、故障判定部10は、変数iが0か否かを判定する(S104)。ここで、変数iは1であるため(S104でNo)、算出手段13は、差動オペアンプ5から故障判定部10に入力された検出電圧値と、電圧記憶部12が記憶している保持電圧値との差の絶対値を変化量として算出する(S105)。スピンドルモータ3が部分ショートしているとき、検出電圧値は高い値と低い値を交互に示す。算出手段13が算出した変化量は、検出電圧値の高低差を示しており、故障判定部10は、変化量の大きさに基づいてスピンドルモータ3が故障しているか否かを判定する。
【0024】
故障判定部10は、算出手段13が算出した変化量が、最大変化量記憶部14に記憶されている最大変化量より大きいか否かを判定する(S106)。ここで、最大変化量記憶部14は、ステップS101の処理により0を記憶しているため、故障判定部10は、変化量が最大変化量より大きいと判定する(S106でYes)。故障判定部10は、変化量を最大変化量記憶部14に最大変化量記憶部14が記憶している最大変化量に替えて記憶させる(S107)。続いて、故障判定部10は、検出電圧値を電圧記憶部12に保持電圧値として記憶させる(S108)。電圧記憶部12は、新たな保持電圧値を既に記憶している保持電圧値と共に記憶することにより複数の保持電圧値を記憶する。
【0025】
一方、ステップS106において、故障判定部10は、変化量が最大変化量より大きくないと判定すると(S106でNo)、故障判定部10は、最大変化量記憶部14に変化量を記憶させることなくステップS108の処理を行う。本実施形態における故障判定部10は、10個以上の保持電圧値に基づいて算出された判別値を用いることによって、正確にスピンドルモータ3が故障しているか否かを判定することができる。これにより、故障判定部10は、ステップS103からステップS110の処理が繰り返えされることによって、差動オペアンプ5が検出電圧値を10回検出したか否かを判定する。ステップS110において、故障判定部10は変数iが11でないと判定すると(S110でYes)、算出手段13は、電圧記憶部12が記憶している全ての保持電圧値の平均値を算出する(S112)。続いて、算出手段13は、最大変化量記憶部14が記憶している最大変化量をステップS112で算出した平均値で割った値を判別値として算出する(S113)。
【0026】
ここで、本実施形態における判別値について説明する。図4は、本実施形態に係る判別値の変化を示す。図4において示されるグラフを判別値変化グラフとし、縦軸は判別値を示し、横軸はディスク2のアドレスを16進数で示す。判別値は、最大変化量を平均値で割った値であり、アドレス「30000」は、ディスク2の最内周のアドレスであり、アドレス「238000」は、ディスク2の最外周のアドレスである。判別値変化グラフにプロットされている判別値は、ディスク2のアドレス「30000」、「bbfba」、「147f74」、「1b3f2e」、「238000」において、故障していないスピンドルモータ3と故障しているスピンドルモータ3についてそれぞれ27回ずつ算出されたものである。実線は故障していないスピンドルモータ3の判別値の変化を示し、破線は故障しているスピンドルモータ3の判別値の変化を示す。
【0027】
判別値変化グラフが示すように、実線は判別値「0.6」を上回らず、破線は判別値「1.0」を下回らない。ここで、スピンドルモータ3の故障の判定基準となる閾値は、例えば「0.9」であることが望ましい。このように、最大変化量を平均値で割った値を判別値とすることで、故障していないスピンドルモータ3の判別値と故障しているスピンドルモータ3の判別値との差が明らかになるため、容易に閾値を設定することができる。これにより、故障判定部10は、判別値が閾値である「0.9」より大きければスピンドルモータ3が故障していると正確に判定することが可能となる。
【0028】
図3に戻って、ステップS114において、故障判定部10は、判別値がスピンドルモータ3の故障の判定基準となる閾値より大きいか否かを比較する(S114)。判別値が閾値より大きくなければ、故障判定部10は、スピンドルモータ3が故障していないと判断し(S114でNo)、判別値が閾値より大きいと判断された回数をカウントする変数Nを0にする(S115)。このとき、スピンドルモータ3は故障していないため、再生部6は再生処理を継続する(S116)。故障判定部10は、変数iと電圧記憶部12が記憶している全ての保持電圧値を0にして(S117)、ステップS102に戻る。
【0029】
ステップS114において、スピンドルモータ3が故障していると判定されると(S114でYes)、故障判定部10は、変数Nに1を加える(S118)。次に、故障判定部10は、変数Nが4か否かを判定する(S119)。ここで、故障判定部10が、変数Nが4か否かを判定するのは、判別値が3回連続して閾値より大きいか否かを判定するためである。ディスク2に傷がついているとき、検出電圧値が一時的に変化することがある。一方、スピンドルモータ3が部分ショートにより故障しているとき、検出電圧値は一定の周期で変化する。そこで、故障判定部10は、判別値が3回連続して閾値より大きくならないときはスピンドルモータ3が故障していないと判断し、(S119でNo)、再生部6は、ステップS116の処理を行う。ステップS119において、故障判定部10は、判別値が3回連続して閾値より大きくなるとスピンドルモータ3が故障していると判断する(S119でYes)。スピンドルモータ3が故障していると判定されると、IC制御部11は、駆動IC4にスピンドルモータ3を駆動させないように命令し、制御部7は、再生部6に再生処理を停止させ(S120)、スピンドルモータ3の故障判定処理を終了する。
【0030】
次に、本発明の第2の実施形態に係るスピンドルモータ3の故障判定処理について説明する。本実施形態における故障判定処理は、本発明の第1の実施形態の故障判定処理と、図3におけるステップS110〜ステップS113の処理が異なるだけであるため図3を用いて説明する。本実施形態における故障判定部10は、30個以上の保持電圧値に基づいて算出された判別値を用いることによって、正確にスピンドルモータ3が故障しているか否かを判定することができる。これにより、故障判定部10は、差動オペアンプ5が検出電圧値を30回検出したか否かを判定する。また、算出手段13は、最大変化量を電圧記憶部12が記憶する保持電圧値のうち最も小さい保持電圧値で割った値を判別値として算出する。図3を参照して、ステップS110において、故障判定部10は変数iが31か否かを判定する。また、算出手段13は、ステップS112の処理を行わず、ステップS113において、最大変化量を電圧記憶部12が記憶する最小の保持電圧値で割ることによって判別値を算出する。
【0031】
ここで、本実施形態における判別値について説明する。図5は、本実施形態に係る判別値の変化を示す。図5(a)はディスク2の内周における判別値の変化を示し、図5(b)はディスク2の外周における判別値の変化を示す。図5(a)(b)において、判別値の変化を示すグラフを判別値変化グラフとし、縦軸は判別値を示し、横軸は判別値が算出された回数を示す。また、実線は故障していないスピンドルモータ3の判別値の変化を示し、破線は故障しているスピンドルモータ3の判別値の変化を示す。
【0032】
図5(a)において、実線は判別値「0.6」を上回らず、破線は判別値「6.5」を下回らない。また、図5(b)において、実線は判別値「0.4」を上回らず、破線は判別値「2.1」を下回らない。ここで、図5(a)(b)において、スピンドルモータ3の故障の判定基準となる閾値は、例えば「2.0」であることが望ましい。このように、最大変化量を電圧記憶部12が記憶する最小の保持電圧値で割った値を判別値とすることで、故障していないスピンドルモータ3の判別値と故障しているスピンドルモータ3の判別値との差が明らかになるため、容易に閾値を設定することができる。これにより、故障判定部10は、判別値が閾値である「2.0」より大きければスピンドルモータ3が故障していると判断することが可能となる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施形態に係るスピンドルモータ3の故障判定処理について説明する。変化量記憶部15は、最大変化量記憶部14が最大変化量を記憶した後に、算出手段13によってはじめて算出された変化量を記憶する。算出手段13は、最大変化量と変化量記憶部15が記憶する変化量との差を算出し、この差を電圧記憶部12が記憶している全ての保持電圧値の平均値で割った値を判別値として算出する。図6は、本実施形態に係るスピンドルモータ3の故障判定処理フローを示す。再生部6が再生処理を開始すると、故障判定部10は、変数i、変数N、および最大変化量記憶部14が最大変化量を記憶したか否かの状態を示すフラグとして用いられる変数Mをそれぞれ0にし、電圧記憶部12及び最大変化量記憶部14が記憶している値を0にすることにより初期化を行う(S201)。
【0034】
制御部7は、信号処理部9からポーズコマンドが出力されたか否かを判定する(S202)。ステップS202において、信号処理部9からポーズコマンドが出力されると(S202でYes)、差動オペアンプ5は、電圧供給線SP+上の電圧と電圧供給線SP−上の電圧との差を検出電圧値として検出し故障判定部10に出力する(S203)。一方、ステップS202において、信号処理部9からポーズコマンドが出力されないとき(S202でNo)、差動オペアンプ5は、ポーズコマンドが出力されるまで待機する。
【0035】
次に、ステップS203において、差動オペアンプ5が検出電圧値を検出すると、故障判定部10は、変数iが0か否かを判定する(S204)。ここで、変数iが0のとき(S204でYes)、故障判定部10は、検出電圧値を保持電圧値として電圧記憶部12に記憶させる(S212)。一方、ステップS204において、変数iが0でないとき(S204でNo)、算出手段13は、差動オペアンプ5から故障判定部10に入力された検出電圧値と、電圧記憶部12が記憶している保持電圧値との差の絶対値を変化量として算出する(S205)。次に、故障判定部10は、変数Mが0であるか否かを判定する(S206)。ここで、変数Mが1であれば、ステップS205において算出された変化量は、最大変化量記憶部14が最大変化量を記憶した後に、はじめて算出された変化量であることがわかる。ステップS206において、変数Mが1のとき(S206でNo)、故障判定部10は、最大変化量記憶部14が最大変化量を記憶した後にはじめて算出された変化量を取得するため、この変化量を変化量記憶部15に記憶させる(S207)。その後、故障判定部10は変数Mを0とする(S208)。一方、ステップS206において、変数Mが0のとき(S206でYes)、故障判定部10はステップS209の処理を行う。
【0036】
故障判定部10は、算出手段13が算出した変化量が、最大変化量記憶部14に記憶されている最大変化量より大きいか否かを判定し(S209)、変化量が最大変化量より大きいとき(S209でYes)、変化量を最大変化量記憶部14に記憶させる(S210)。続いて、故障判定部10は、最大変化量記憶部14が最大変化量を記憶したことを示す変数Mを1とし(S211)、電圧記憶部12に検出電圧値を保持電圧値として記憶させる(S212)。電圧記憶部12は、新たな保持電圧値を既に記憶している保持電圧値と共に記憶することにより複数の保持電圧値を記憶する。
【0037】
一方、ステップS209において、故障判定部10は、変化量が最大変化量より大きくないと判定すると(S209でNo)、故障判定部10は、最大変化量記憶部14に変化量を記憶させることなくステップS212の処理を行い、変数iに1を加える(S213)。ステップS203からステップS214の処理が繰り返えされることにより、故障判定部10は、差動オペアンプ5が検出電圧値を30回検出したか否かを判定する。ステップS214において、故障判定部10は変数iが31でないと判定すると(S214でNo)、
制御部7は、信号処理部9がポーズコマンドを解除したか否かを判定する(S215)。一方、故障判定部10は変数iが31であると判定すると(S214でYes)、算出手段13は、電圧記憶部12が記憶している全ての保持電圧値の平均値を算出する(S216)。続いて、算出手段13は、最大変化量記憶部14が記憶している最大変化量と変化量記憶部15が記憶している変化量との差を平均値で割った値を判別値として算出する(S217)。
【0038】
ここで、本実施形態における判別値について説明する。図7は、本発明の第3の実施形態に係る判別値の変化を示す。図7(a)はディスク2の内周における判別値の変化を示し、図7(b)はディスク2の外周における判別値の変化を示す。図7(a)(b)において、判別値の変化を示すグラフを判別値変化グラフとし、縦軸は判別値を示し、横軸は判別値が算出された回数を示す。また、実線は故障していないスピンドルモータ3の判別値の変化を示し、破線は故障しているスピンドルモータ3の判別値の変化を示す。図7(a)において、実線は判別値「0.2」を上回らず、破線は判別値「1.0」を下回らない。また、図7(b)において、実線は判別値「0.2」を上回らず、破線は判別値「0.5」を下回らない。ここで、図7(a)(b)において、スピンドルモータ3の故障の判定基準となる閾値は、例えば「0.4」であることが望ましい。このように、最大変化量を電圧記憶部12が記憶する最小の保持電圧値で割った値を判別値とすることで、故障していないスピンドルモータ3の判別値と故障しているスピンドルモータ3の判別値との差が明らかになるため、容易に閾値を設定することができる。これにより、故障判定部10は、判別値が閾値である「0.4」より大きければスピンドルモータ3が故障していると判断することが可能となる。
【0039】
図6に戻って、ステップS218において、故障判定部10は、判別値がスピンドルモータ3の故障の判定基準となる閾値より大きいか否かを比較する(S218)。判別値が閾値より大きくなければ、故障判定部10は、スピンドルモータ3が故障していないと判断し(S218でNo)、変数Nを0にする(S219)。再生部6は、再生処理を継続する(S220)。故障判定部10は、変数iと電圧記憶部12が記憶している全ての保持電圧値を0にして(S221)、ステップS202に戻る。
【0040】
ステップS218において、スピンドルモータ3が故障していると判定されると、故障判定部10は、変数Nに1を加える(S222)。次に、故障判定部10は、変数Nが4か否かを判定する(S223)。故障判定部10は、判別値が3回連続して閾値より大きくならなかったとき、スピンドルモータ3が故障していないと判断する(S223でNo)。再生部6は、ステップS220の処理を行う。ステップS223において、故障判定部10は、判別値が3回連続して閾値より大きくなるとスピンドルモータ3が故障していると判断する(S223でYes)。スピンドルモータ3が故障していると判定されると、IC制御部11は、駆動IC4にスピンドルモータ3を駆動させないように命令し、制御部7は、再生部6に再生処理を停止させ(S224)、スピンドルモータ3の故障判定処理を終了する。
【0041】
次に、本発明の第4の実施形態に係るスピンドルモータ3の故障判定処理について説明する。本実施形態に係る算出手段13は、変化量を算出する毎に、この変化量を電圧記憶部12が記憶している全ての保持電圧値の平均値で割った値を判別値として算出する。故障判定部10は、判別値が算出される毎に判別値が閾値より大きいか否かを判定する。故障判定部10は、判別値が閾値より大きいと判定すると、その後、算出された判別値が少なくとも1回以上閾値より小さくなり、さらにその後算出された判別値が閾値より大きくなるとスピンドルモータ3が故障していると判定する。
【0042】
判別値は、ディスク2についている傷やディスク2が偏芯成分にぶれながら回転していることによって生じる変化量の突発的な変化によって、一時的に閾値より大きくなることがある。一方、スピンドルモータ3が部分ショートによって故障しているとき、判別値は、閾値より大きくなった後、一度、閾値より小さくなりその後、再び閾値より大きくなる。そこで、故障判定部10は、判別値が閾値より大きいと判定した場合であっても直ちにスピンドルモータ3が故障していると判定せず、その後の判別値が閾値より大きいか否かを判定することによって、変化量の突発的な変化の影響を受けることなく、正確にスピンドルモータ3が故障しているか否かを判定することができる。
【0043】
図8は、本発明の第3の実施形態に係る判別値の変化を示す。図8(a)は故障していないスピンドルモータ3の判別値の変化を示し、図8(b)は変化量が突発的に変化した場合における故障していないスピンドルモータ3の判別値の変化を示し、図8(c)は故障しているスピンドルモータ3の判別値の変化を示す。図8(a)〜(c)において、縦軸は判別値を示し、横軸は判別値が算出された回数を示す。また、実線は判別値を示し、破線は閾値を示す。
【0044】
図8(a)において、スピンドルモータ3は故障していないため、判別値は閾値を上回らない。図8(b)において、判別値は連続して2回閾値を上回っているが、閾値を上回った後に算出された判別値は閾値を上回っていない。これにより、故障判定部10は、変化量が突発的に変化したことにより判別値が閾値を上回ったと判定し、スピンドルモータ3は故障していないと判定する。図8(c)において、判別値は、閾値より大きくなった後、一旦閾値より小さくなり、その後、再び閾値より大きくなっている。これにより、故障判定部10は、スピンドルモータ3が故障していると判定する。
【0045】
このように、第1乃至第3の実施形態においては、故障判定部10は、判別値と閾値との大きさを3回以上比較することにより、スピンドルモータ3が故障しているか否かを判定する。また、第4の実施形態においては、故障判定部10は、判別値が連続せず2回以上閾値より大きいとき、スピンドルモータ3が故障していると判定する。これにより、故障判定部10は、正確にスピンドルモータ3の判定することがきる。さらに、制御部7は、スピンドルモータ3が故障していると判定されると、スピンドルモータ3を駆動させないように駆動IC4を制御する。これにより、駆動IC4が故障しているスピンドルモータ3に電流を流すことによりアクチュエータに大電流が流れることが回避されるので、アクチュエータのカバーが燃えることを防止することができる。
【0046】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能であり、第1の実施形態において、例えば、差動オペアンプ5が検出電圧値を10回検出する構成ではなく、検出電圧値を10回以上検出する構成であっても構わない。また、第2または第3の実施形態において、例えば、差動オペアンプ5が検出電圧値を30回検出する構成ではなく、検出電圧値を30回以上検出する構成であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1乃至第4の実施形態に係るディスク装置の概略を示す構成図。
【図2】本発明の第1乃至第4の実施形態に係るスピンドルモータの概略を示す構成図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る故障判定処理フローチャート。
【図4】本実施形態に係る判別値の変化を示す図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る判別値の変化を示す図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る故障判定処理フローチャート。
【図7】(a)(b)は本実施形態に係る判別値の変化を示す図。
【図8】(a)〜(c)は本発明の第4の実施形態に係る判別値の変化を示す図。
【符号の説明】
【0048】
1 ディスク装置
2 ディスク
3 スピンドルモータ(DCモータ)
4 駆動IC(駆動部)
5 差動オペアンプ(検出器)
6 再生部
7 制御部
10 故障判定部
12 電圧記憶部
13 算出手段
14 最大変化量記憶部
15 変化量記憶部
Vf オフセット電圧
SP+ 電圧供給線
SP− 電圧供給線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを回転させるDCモータと、
2本の電圧供給線を介して前記DCモータにオフセット電圧を供給する駆動部と、
前記駆動部に前記オフセット電圧の供給を指示する制御部と、
前記ディスクに記録されているデータを読み出し、該データに基づいて再生処理を行う再生部と、を備えたディスク装置において、
前記2本の電圧供給線に接続され、前記DCモータが前記ディスクを回転させている状態であって、前記再生部が前記ディスクから前記データの読み出しを停止してから再開するまでのポーズ時に、該2本の電圧供給線の電圧の差を検出電圧値として所定の回数検出する検出器と、
前記検出電圧値に基づいて前記DCモータが故障しているか否かを判定する故障判定部と、を備え、
前記故障判定部は、
前記検出電圧値を記憶する電圧記憶部と、
連続して検出された前記検出電圧値の差の絶対値を変化量として算出し、前記電圧記憶部が記憶する複数の前記検出電圧値の平均値を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した複数の前記変化量のうち、該変化量の最大値を最大変化量として記憶する最大変化量記憶部と、をさらに備え、
前記算出手段は、前記最大変化量を前記平均値で割った値を判別値として算出し、
前記故障判定部は、前記判別値が予め定められた閾値より大きいか否かを3回以上判定し、該判別値が3回連続して該閾値より大きくなると前記DCモータが故障していると判定し、
前記制御部は、前記故障判定部によって前記DCモータが故障していると判定されたことに応じて、前記DCモータを駆動させないように前記駆動部を制御することを特徴としたディスク装置。
【請求項2】
ディスクを回転させるDCモータと、
2本の電圧供給線を介して前記DCモータにオフセット電圧を供給する駆動部と、
前記駆動部に前記オフセット電圧の供給を指示する制御部と、
前記ディスクに記録されているデータを読み出し、該データに基づいて再生処理を行う再生部と、を備えたディスク装置において、
前記2本の電圧供給線に接続され、前記DCモータが前記ディスクを回転させている状態であって、前記再生部が前記ディスクから前記データの読み出しを停止してから再開するまでのポーズ時に、該2本の電圧供給線の電圧の差を検出電圧値として所定の回数検出する検出器と、
前記検出電圧値に基づいて前記DCモータが故障しているか否かを判定する故障判定部と、を備え、
前記故障判定部は、
前記検出電圧値を記憶する電圧記憶部と、
連続して検出された前記検出電圧値の差の絶対値を変化量として算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した複数の前記変化量のうち、該変化量の最大値を最大変化量として記憶する最大変化量記憶部と、をさらに備え、該最大変化量と予め定められた閾値に基づいてDCモータが故障しているか否かを判定し、
前記制御部は、前記故障判定部によって前記DCモータが故障していると判定されたことに応じて、前記DCモータを駆動させないように前記駆動部を制御することを特徴としたディスク装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記最大変化量を前記電圧記憶部が記憶する複数の前記変化量のうち最も値の小さい該変化量で割った値を判別値として算出し、
前記故障判定部は、前記判別値が前記閾値より大きいか否かを3回以上判定し、該判別値が3回連続して該閾値より大きくなると前記DCモータが故障していると判定することを特徴とした請求項2に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記故障判定部は、前記最大変化量記憶部が前記最大変化量を記憶した後、はじめて前記算出手段によって算出された前記変化量を記憶する変化量記憶部を、さらに備え、
前記算出手段は、前記電圧記憶部が記憶する複数の前記検出電圧値の平均値を算出し、前記最大変化量と前記変化量記憶部が記憶する前記変化量との差を該平均値で割った値を判別値として算出し、
前記故障判定部は、前記判別値が前記閾値より大きいか否かを3回以上判定し、該判別値が3回連続して該閾値より大きくなると前記DCモータが故障していると判定することを特徴とした請求項2に記載のディスク装置。
【請求項5】
前記算出手段は、前記変化量を算出する毎に前記電圧記憶部が記憶する複数の前記検出電圧値の平均値を算出し、該変化量を該平均値で割った値を判別値として算出し、
前記故障判定部は、前記判別値が算出されると該判別値が該閾値より大きいか否かを判定し、該判別値が連続せずに2回該閾値より大きくなると前記DCモータが故障していると判定することを特徴とした請求項2に記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−152828(P2008−152828A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337525(P2006−337525)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】