説明

ディスク装置

【課題】ディスク装置において、ディスク交換や電源切断後の処理再開時に、ディスク関連情報を短時間に取得し起動時間を短縮できる技術の提供。
【解決手段】ディスクに記録された管理情報の有効性を判別し該判別結果を、電源切断状態時も記憶可能な記憶手段に記憶し、電源投入時、該記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対し有効であるとされるときは、記録または再生動作に先立って、ディスクの複数の記録領域のうちの一部から管理情報を読み取るようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置におけるディスクの管理情報の読み取り技術に関する。
【背景技術】
【0002】
CD・ROM等の再生専用ディスクやオーディオビジュアル情報の記録を主要な使用目的とした光ディスク等の記録媒体では、該記録媒体に予め欠陥管理用の領域を準備しておらず、システム側で必要に応じて媒体中の欠陥に対する処理方法を決めている。これに対し、欠陥に対する処理方法を標準化して、一定以上のデータ信頼性を確保することに重点をおいたDVD−RAMなどの光ディスクや、磁気ディスク等の書き換え型ディスクでは、製造時にセクタ等の所定の単位で欠陥をチェックし、検出された欠陥を含むセクタ等のアドレスを該ディスクの所定の領域に記録した状態で市場に提供される。これら欠陥の管理情報の記録方法は該ディスクに関する規格で決められている。例えばISO/IEC10089,13549規格等の書き換え型ディスクでは、欠陥セクタとその交替セクタの情報から成る欠陥管理情報を、ディスク内のユーザエリアの内側と外側の端に各2つ保有しており、内外周の領域で同じ管理情報を合計4個有している。この領域は、DMA(Defect Management Area)と呼ばれる。以下の説明では、上記欠陥管理情報を第1の管理情報という。また、上記ISO/IEC10089,13549規格等の書き換え型ディスクでは、記録されている情報に関するファイルフォーマット情報などを含むファイル管理情報UDF(Universal Disc Format)をディスク内のユーザエリアの内周と外周の端に2つ保有している。以下の説明では上記ファイル管理情報を第2の管理情報という。上記ディスクに対し、情報を記録または再生する従来の光ディスク装置では、装置電源投入時及びディスク挿入時に、ディスクの内周側の端と外周側の端の2つの領域に記録された上記第1の管理情報を全て読み込んだ後、内周側の端と外周側の端の2つの領域に記録された第2の管理情報を全て読み込むようにしている。このように互いに離れた複数の領域に、同じ内容の情報を記録する理由は、記録自体の信頼性を高め、かつ記録後に発生することがある障害(指紋、ほこり、傷)に対して該管理情報の再生可能性を高めるためである。
【0003】
上記のようにディスク内周側とディスク外周側とに媒体管理情報領域を設けた書き換え型ディスクにおいて、上記方法で全ての第1の管理情報と第2の管理情報とを読み込むと、ディスクの内周側から外周側までの光ヘッドの往復移動を少なくとも1回は行わなければならないため、情報の記録または再生動作の開始までに長い時間がかかってしまうことになる。特に、ヘッドの移動速度が磁気ディスクと比較して遅い光ディスク装置では顕著である。これに関連する技術としては、例えば、特開平11−25575号公報や特開平10−269709号公報に記載されたものがある。特開平11−25575号公報には、電源投入後または媒体挿入後、書替え可能媒体であると判別すると、内周のDMAの情報を読み出し、次に内周のDrive Test Zoneでテストパターンを記録再生して記録パワーの調整を行い、さらに、外周のDrive Test Zoneにピックアップを移動して同様に記録パワーの調整を行い、外周のDMAの情報を読み出して起動処理を行う技術が記載されている。また、特開平10−269709号公報には、交換できない磁気ディスクを用いた磁気ディスク装置において、データへのアクセス時間を短縮し、かつバックアップ用電池の消耗をなくすために、欠陥箇所の交替割り当て先及び、欠陥箇所と交替先の対応情報を書き替え可能な不揮発メモリに格納し、上位装置より、欠陥箇所を含む範囲の読み込みまたは書き込みの指示があったとき、該不揮発メモリから上記セクタのデータや管理情報を読み出しや書き込みを行う技術が記載されている。
【0004】
一方、携帯型ビデオカメラ等においては、突発事象を急遽記録したい場合などが多く、起動時間の短縮化の要求は極めて高い。そのため、管理情報等の処理時間をより一層短縮して起動を早めることが要求される。この要求に応えるため、従来のディスク装置では、光ディスクが挿入された時に光ディスクの第1の管理情報(媒体管理情報)を読み取り、これをD・RAMなどに格納し、該光ディスクの排出前において装置電源が入っている間は、該第1の管理情報を該D・RAMなどに保持するようにしている。これによって、記録再生の要求が長時間にわたりなされないときに、節電モードでディスクの回転を停止したりしても、記録再生を再開した際に、保持している第1の管理情報を用いて記録あるいは再生を行うことができるようにし、再びディスク上の第1の管理情報を読み取りに行く必要がないようにしている。ただし、装置電源を切断したときには、上記D・RAMなどに格納している管理情報は失われる構成である。
【0005】
【特許文献1】特開平11−25575号公報
【特許文献2】特開平10−269709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、第1の管理情報(媒体管理情報)をD・RAMなどに格納する技術では、装置電源が入った状態でしか該第1の管理情報を保持することができず、装置電源が切れた時には、以前に保持した該第1の管理情報は失われることになる。従って、装置電源を切断し、再び電源を入れて記録または再生動作を行う場合には、ディスクの挿抜がされない場合であっても、あらためて最初から時間をかけて所定の管理情報の読み取り動作を行う必要がある。また、特開平10−269709号公報に開示された技術は、ディスクの挿抜は考慮されておらず、ディスクの交換を行うディスク装置に適用することはできない。また、該公報記載技術は、書き換え回数の上限値が低い不揮発メモリを用いて書き換えを行うため、メモリ寿命が短くなるおそれがある。また、不揮発性メモリに替え、電池駆動可能なCMOSメモリなどを用いて、ディスク内の欠陥を含むセクタの交替情報とそこに格納するデータを記憶しようとした場合には、約10MB以上の容量が必要と考えられ、このためには大きな駆動用バッテリーが必要となって小型化、低価格化が困難となる。また、該公報記載技術においても、上記のようにディスク交換や休止後に処理を再開したときにも、管理情報の取得処理時間を短縮し起動時間を短縮することが課題として残る。
【0007】
従来技術において、例えば、装置電源の投入時に既に、ディスクが装置に挿入されている場合であって、該ディスクに関する管理情報等の情報がない場合は、管理情報については所定の全行程の読み取り処理を行い、記録または再生を行うに必要な管理情報を該ディスクから取り出さなければならない。しかし、該ディスクに関する管理情報等の情報が既にディスク装置側で取得済みであり、該取得した情報に信頼性があれば、該取得済みの該情報を使うことができる。該取得済みの情報の信頼性がない場合は、該ディスクの管理情報等の情報をあらためて少なくとも1回は読み取って確認する必要がある。つまり、信頼性の根拠となるディスク関連情報をディスク装置は獲得する必要がある。ディスク関連の必要情報としては、(1)挿入済みのディスクは特定されているか。(2)特定済みのディスクに関する必要な管理情報等は装置側で取得済みか。(3)取得済みの管理情報等の信頼性は高いか、の3点が考えられる。装置電源が投入されたままの状態では、制御系等のメモリが動作状態であるため、上記(1)から(3)の情報はすべて保持され、問題はない。しかし、装置電源が一旦切断され、再投入された場合は、装置電源が切断されたときに挿入されていたディスクと同じディスクか否か、挿入されていたディスクに関する情報は保持されているか否か、保持している場合その情報は信頼できるかどうかなどを電源再投入時に短時間に確認することが必要となる。 本発明の課題点は、上記従来の状況に鑑み、ディスク装置において、ディスク交換や電源切断後に処理を再開したときにも、挿入されているディスクに関する信頼性ある情報を短時間に取得して起動時間を短縮し、電源投入後、迅速に記録または再生動作を開始できるようにすることである。 本発明の目的は、かかる課題点を解決できる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題点を解決するために、本発明では、基本的に、ディスク装置において、ディスクに記録された管理情報の有効性を判別して該判別結果を、電源切断状態時も記憶可能な記憶手段に記憶し、電源投入時、該記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対し有効であるとされるときは、記録または再生動作に先立って、ディスクの複数の記録領域のうちの一部から管理情報を読み取るようにする。また、ディスク装置において、ディスクの挿抜を検出または監視し、該挿抜検出の結果を、電源切断状態時も記憶可能な記憶手段に記憶し、電源投入時、該記憶してある挿抜検出結果情報からディスクの挿抜が検出されたときは、ディスクの複数の記録領域のうちの一部から有効な管理情報を読み取るようにする。また、ディスク装置において、ディスクの管理情報の有効性を、一部の記録領域の管理情報につき判別し、該判別の結果を、電源切断状態時も記憶可能な記憶手段に記憶し、電源投入時、該記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対しても有効であるとされるきは、該有効とされた一部の領域の管理情報を読み取って、記録または再生動作を開始するようにする。具体的には、ディスク装置において、(1)信号の記録または再生にあたってのディスクの管理情報の有効性を判別する判別手段と、該判別の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、該判別結果情報に基づきディスクからの上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、を備え、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対し有効であるときは、記録または再生動作に先立ち、ディスクの複数の記録領域の一部から管理情報を読み取るようにした構成とする。(2)ディスクの装着の有無を検出する検出手段と、記録または再生にあたっての管理情報の有効性を判別する判別手段と、該判別の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、該判別結果情報に基づきディスクからの上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、を備え、電源投入時に、上記ディスクの装着が検出され、かつ、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対し有効であるときは、記録または再生動作に先立ち、該ディスクの複数の記録領域の一部から管理情報を読み取るようにした構成とする。(3)ディスクの挿抜を検出する挿抜検出手段と、該挿抜検出の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、該記憶した挿抜検出結果情報に基づきディスクの管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、を備え、上記ディスクの挿抜が検出されないときには、記録または再生動作に先立ち、該ディスクの複数の記録領域のうちの一部から管理情報を読み取るようにした構成とする。(4)ディスクの装着の有無を検出する検出手段と、記録または再生にあたってのディスクの管理情報の有効性を判別する判別手段と、上記ディスクの挿抜を検出する挿抜検出手段と、電源切断状態のときにも、該挿抜検出の結果及び上記判別の結果を記憶可能な記憶手段と、上記記憶した挿抜検出結果及び上記判別結果に基づき上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、を備え、電源投入時に、上記ディスクの装着が検出され、かつ、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対し有効であり上記ディスクの挿抜が検出されないときは、記録または再生動作に先立ち、該ディスクの複数の記録領域の一部から管理情報を読み取るようにした構成とする。(5)上記(4)において、上記検出手段、上記判別手段及び上記制御手段は第1の電源で作動し、上記挿抜検出手段及び上記記憶手段は第2の電源で作動し、上記第1の電源が投入されたとき、上記管理情報の読み取りモードについての選択が行われるようにする。(6)ディスクの装着の有無を検出する検出手段と、記録または再生にあたってのディスクの管理情報の有効性を、ディスクの複数の記録領域に記録された管理情報につき判別する判別手段と、該判別の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、該記憶した判別結果情報に基づきディスクからの上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、を有し、電源投入時に、上記ディスクの装着が検出され、かつ、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対しても有効であるときは、該有効とされた一部の領域の管理情報を読み取り、記録または再生動作を開始するようにした構成とする。(7)第1の電源で作動し上記ディスクの装着の有無を検出する検出手段と、該第1の電源で作動し上記記録または再生にあたってのディスクの管理情報の有効性を判別する判別手段と、第2の電源で作動し該判別の結果を記憶する記憶手段と、上記第1の電源で作動し上記記憶した判別結果情報に基づき上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、を備え、上記第1の電源が投入されたとき、上記ディスクの装着が検出され、かつ、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対し有効であるとされたときは、ディスクの第1の領域と第2の領域のいずれか一方から有効な管理情報を読み取り、有効ではないとされたときは、該第1の領域と該第2の領域の両方から管理情報を読み取るように制御する構成とする。(8)ディスクの装着の有無を検出する検出手段と、上記ディスクの挿抜を検出する挿抜検出手段と、該挿抜検出の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、該記憶した挿抜検出結果情報に基づき上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、を備え、電源投入時に、上記ディスクの装着が検出され、かつ、上記ディスクの挿抜が検出されないときは、該ディスクの複数の記録領域の一部から有効な管理情報を読み取るようにした構成とする。(9)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、管理情報が記録された上記複数の領域は、上記ディスクの内周部と外周部とに分けて設けられた領域から成る構成とする。(10)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、管理情報が記録された上記複数の領域は、4つの領域であり、このうちの1つの領域から管理情報を読み取るように制御される構成とする。(11)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、上記管理情報は、上記ディスク自体の状態を管理するための第1の管理情報と、該ディスクに再生のために記録されたデータ情報を管理するための第2の管理情報とから成り、該第1、第2の管理情報はそれぞれ、上記ディスクの内周部の領域と外周部の領域とに分けて記録され、このうちいずれかの領域から該第1、第2の管理情報を読み取るように制御される構成とする。(12)ディスクの管理情報を該ディスクの第1、第2の領域に記録する記録手段と、該記録された管理情報の有効性を判別する判別手段と、該判別の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、該記憶した判別結果情報に基づきディスクからの上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段とを有し、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対しても有効であるときは、上記信号の記録または再生動作に先立ち、上記第1、第2の領域のいずれか一方から管理情報を読み取り、上記管理情報が有効ではないと判別されるときには、該第1、第2の領域の両方から管理情報を読み取るようにした構成とする。(13)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、上記記録または再生される信号は、カメラ撮像装置からの情報信号である構成とする。また、受信情報の処理を行う情報処理端末装置として、(14)情報伝送用のインターフェースと、情報の処理を行う情報処理手段と、同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し該処理した情報の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置と、表示手段とを備えて成り、うち上記ディスク装置が、上記信号の記録または再生にあたっての上記管理情報の有効性を判別する判別手段と、該判別の結果を電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、該記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対しても有効であるときは、上記記録または再生動作に先立ち、ディスクの複数の記録領域の一部から管理情報を読み取るように制御する制御手段と、を有して成る構成とする。(15)情報伝送用のインターフェースと、情報の処理を行う情報処理手段と、同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し該処理した情報の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置と、表示手段とを備えて成り、うち上記ディスク装置が、上記ディスクの挿抜を検出する挿抜検出手段と、該挿抜検出の結果を、電源がオフ状態のときにも記憶可能な記憶手段と、該挿抜検出の結果、上記ディスクの挿抜が検出されないときは、ディスクの複数の記録領域の一部から有効な管理情報を読み取るように制御する制御手段とを有して成る構成とする。また、ディスク装置においてディスクの管理情報を読み取るときの読み取り制御方法として、(16)信号の記録または再生動作に先立ち、上記管理情報を読み取るステップと、該読み取った管理情報の有効性を判別するステップと、該判別の結果を、電源切断状態でも記憶可能な記憶手段に記憶するステップと、該記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対しても有効か否かを判別するステップと、該判別の結果、該記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対しても有効であるとされるときは、該ディスクの複数の記録領域の一部から管理情報を読み取るようにするステップとを経て、上記管理情報の読み取り制御を行うようにする。(17)ディスクの挿抜を検出するステップと、該検出結果を、電源切断状態でも記憶可能な記憶手段に記憶するステップと、該記憶した挿抜検出結果情報が、上記ディスクの挿抜が検出されない内容のときは、該ディスクの複数の記録領域の一部から有効な管理情報を読み取るようにするステップとを経て、上記管理情報の読み取り制御を行うようにする。 上記制御手段は、記憶されたディスクの挿抜検出結果またはディスクの管理情報の判別結果に基づき、装置電源が投入されたとき、管理情報の読み取りモードを短時間モードに選択し、起動時間を短縮させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ディスク装置において、管理情報の読み取り時間を短縮して起動時間を短縮化でき、迅速な記録または再生動作開始が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施例につき、図面を用いて説明する。 図1〜図7は本発明の第1の実施例の説明図である。図1は、本発明の第1の実施例としてのカメラ一体型記録再生装置の構成例図、図2は、図1の装置の記録媒体としてのディスクにおける管理情報のデータ構造説明図、図3は、図1の装置における記録再生開始までの準備動作の手順例を示すフロー図、図4は、図1の装置における管理情報の読み取り制御の手順例を示すフロー図、図5は、図1の装置における管理情報の読み取り制御の他の手順例を示すフロー図、図6は、図1の装置における管理情報の読み取り制御のさらに他の手順例を示すフロー図、図7は、図4〜図6の手順を統一したフロー図である。
【0011】
図1において、1はマイク、2はオーディオ入力処理回路、3はレンズユニット、4は撮像センサとしてのCCD、5はカメラ映像信号処理回路、6はレンズユニット3を駆動するドライバ、7は、映像信号や音声信号を圧縮・伸張処理する圧縮/伸張処理回路、8はオーディオ出力回路、9は音声出力端子、10は表示手段としてのLCD(液晶ディスプレイ)、11は映像出力端子、12は映像表示/出力処理回路、13はD−RAM、14はカメラ側の制御マイコン、15はフラッシュメモリ(F−ROM)、16は内蔵バッテリー、17はディスクの交換を検出または監視する挿抜監視手段、18は不揮発メモリとしてのEEP―ROM、19はインターフェース(I/F)回路、20は装置の電源スイッチ、21は充電回路、22は外部電源入力端子、23はバッテリー、24は電源回路としてのDC−DCコンバータ、25は記録媒体としてのディスク、26はディスク25を回転駆動するスピンドルモータ、27はディスク25に対し情報信号の記録または再生を行うピックアップ、28は再生回路、29は記録信号または再生信号の処理を行う信号/制御処理回路、30はD−RAM、31は、ピックアップ27をディスク25の略半径方向に移動させる送りモータ、32は記録回路、33はS−RAM、34はフラッシュメモリとしてのF−ROM、35は不揮発メモリとしてのEEP―ROM、36は、スピンドルモータ26の駆動と、送りモータ31の駆動と、ピックアップ27内において対物レンズのフォーカス制御及びトラッキング制御を行うためのアクチュエータ(図示せず)の駆動とを行うアクチュエータドライバ、37は記録再生部の制御マイコン、38はカメラ部、39は出力部、40は制御部、41は記録再生部である。上記構成において、各メモリはそれぞれの特性に合わせて用いられる。すなわち、D−RAM13、30は、圧縮/伸張処理回路7の処理データや、制御マイコン14の処理データなどのデータを一時的に記憶する。S−RAM33は、制御マイコンの作業用データの一時保管などを行う。フラッシュメモリ15は、制御マイコン14を動作するプログラム等を記憶する。EEP−ROM35は機構系等の状態情報を保管する。フラッシュメモリ及びEEP−ROMはともに、不揮発性の電気的に記録、消去が可能なメモリであり、フラッシュメモリは大容量情報の記憶、EEP−ROMは小容量情報の記憶に用いる。
【0012】
カメラ部38においては、画像情報はドライバ6によって駆動されるレンズユニット3を介して、撮像センサとしてのCCD4にて電気信号に変換され、カメラ映像信号処理回路5にて映像信号に変換される。一方、音声はマイク1を介して、オーディオ入力処理回路2にて音声信号に変換される。出力部39においては、上記映像信号及び音声信号は、圧縮/伸張処理回路7にて、デジタル映像/音声圧縮信号に変換される。圧縮方式としては動画を扱うMPEG方式や静止画を扱うJPEG方式などを用いる。上記圧縮/伸張処理回路7からの音声信号は、オーディオ出力回路8を介して音声出力端子9に出力される。また、映像信号は、映像表示/出力処理回路12を介し、表示手段としてのLCD10にて表示されるとともに、映像出力端子11から出力される。
【0013】
制御部40は、電源スイッチ20がオン状態とされて、各手段に電源から所要の電圧、電流が供給されることにより作動する。制御マイコン14は、ドライバ6を介してレンズユニット3を制御し、被写体を撮像センサとしてのCCD4上に画像としてとらえる。また、該制御マイコン14は、圧縮/伸張処理回路7にて、動画や静止画をデジタル信号に圧縮してD−RAM13に一時記憶するように制御する。これらの信号は、インターフェース回路19を介して、記録再生部41の信号/制御処理回路29へ送られる。また、充電回路21を監視して電源状態を把握したり、スイッチ回路20を制御したりしてカメラ部38の電源処理を行う。内蔵バッテリー16は、日付などのバックアップ情報の保持や挿抜監視手段17の監視用電源などとして使用される。挿抜監視手段17はディスク25の交換を検出または監視する手段であり、具体的構成としては、例えば、挿入部などにディスクの有無を検出するスイッチを設ける構成がある。該検出スイッチとしては、バッテリーなどから電力を供給された状態において、電気信号を検出信号として出力するものであってもよいし、記憶機能を有する機械的要素の状態を、装置電源が供給された時に電気的センサで検知し、情報を制御手段に伝える構成のものであってもよい。後者の場合は、バッテリーによる電力の供給は不要となる。
【0014】
記録再生部41は、インターフェース回路19から入力された動画または静止画情報を、信号/制御処理回路29とD−RAM30にてディスク25に応じた記録フォーマットに変換して、記録回路32、ピックアップ27を介してディスク25に記録する。また、該ディスク25とピックアップ27の相対位置は、ピックアップ27を時分割で再生動作して、ディスク25上から予め書き込まれた位置情報を再生回路28を介して検出し、信号/制御処理回路29及び制御マイコン37によって処理し、アクチュエータドライバ36を介して、スピンドルモータ26と送りモータ31及びピックアップ27内に設けられたアクチュエータ(図示なし)を駆動する。S−RAM33及びフラッシュメモリ34は、制御マイコン37の演算データの一時的記憶やプログラム等の記憶を行う。また、不揮発メモリ35は、演算データなどを記憶する。
【0015】
上記動作は、情報信号記録時の場合であるが、再生時の場合は、ほぼこれらと反対の動作が行われる。すなわち、ディスク25からピックアップ27及び再生回路28を介して情報を検出し、信号/制御処理回路29及び制御マイコン37によりディスク25に応じた記録フォーマットを復調し、インターフェース回路19を介して圧縮/伸張処理回路7へ戻し、ここで、圧縮された映像信号及び音声信号を伸張して、映像表示/出力処理回路12やオーディオ出力回路8を介して、表示手段10、音声出力端子9及び映像出力端子11に出力する。さらに、本実施例の装置では、電源部として、外部電源入力端子22を有し、外部からの電源供給を受けられるようになっている。また、該外部電源入力端子22を介して、外部電源により充電回路21を駆動してバッテリー23の充電ができるようになっている。外部電源が供給されているときは、外部電力を電源回路24で所要の電圧に変換して各ブロックに供給し、外部電源が接続されていないときには、バッテリー23からの電力を電源回路24を介して各ブロックへ供給する。また、ディスク25としては、例えば、再生専用ディスクとしてDVD・ROM、1回のみの追記型ディスクとしてDVD・R、書き換え可能なディスクとしてDVD・RW及びDVD−RAMなどがある。
【0016】
図2は、図1の装置の記録媒体としてのディスクにおける管理情報のデータ構造例を示す。本例では、管理情報としての欠陥管理情報とファイル管理情報はそれぞれ、ディスクの内周側領域と外周側領域とに分けて記録されている。各領域には同一内容の欠陥管理情報と、同一内容のファイル管理情報が記録されている。例えば、DVD−RAMディスクの場合、内周側領域中には、2個の欠陥管理情報記録領域と1個のファイル管理情報記録領域とが設けられ、外周側領域中にも、2個の欠陥管理情報記録領域と1個のファイル管理情報記録領域とが設けられている。計4個の欠陥管理情報記録領域に記録された欠陥管理情報は互いに同じ内容であり、計2個のファイル管理情報記録領域に記録されたファイル管理情報も互いに同じ内容となっている。このように、複数箇所(複数領域)に同一内容の管理情報を置くことにより、データ再生の信頼性を上げ、指紋やゴミなどによる記録や再生に対する影響を受けにくいようにしている。かかる構成のディスクにより記録または再生を行う場合には、記録または再生動作に先立って、当該ディスクに関する前記4箇所(4個の記録領域)の欠陥管理情報(第1の管理情報)を読みに行く必要がある。欠陥管理情報の読み込みはディスク装置がディスクを使用する準備として行う。以下、ディスク装置の準備が完了した状態をREADY状態という。図3、図4、図5及び図7に示す「READY」はこの状態を意味する。通常のシステムでは、READYになった後、上位システムからの指令によりファイルシステムの読み込みを行う時にディスク内の2箇所(2個の記録領域)のファイル管理情報(第2の管理情報)を読み込みに行く。
【0017】
図3は、図1の装置における記録再生開始までの準備動作の手順例を示す。 図3において、(1)ステップST50にて上記操作スイッチ20により装置の電源を投入し、(2)ステップST51にてディスクが装置に挿入されているか否かを判定し、(3)ディスクが挿入されていたとき、ステップST52にて上記スピンドルモータ26を回転させる。(4)スピンドルモータの回転速度が所定の値に達した後、ステップST53にて上記ピックアップ27,アクチュエータドライバ36などの各種オフセットを調整する。(5)その後、ステップST54にて上記ピックアップ27上のレーザーを発光させる。(6)ステップST55にて、フォーカス方向の制御への引き込みを行い、ディスク記録面に前記レーザー光を絞り込んで微小スポットを形成する。(7)次いで、ステップST56にて、前記光スポットをディスクの半径方向に制御してディスク上のトラックに位置決めするトラッキング制御への引き込みを行う。(8)ステップST57にて前記フォーカス及びトラッキング制御のゲイン調整を行った後、(9)ステップST58にて内周の第1の管理情報(DMA)を2個所読み込む。(10)ステップST59にて、内周で記録テストを行い、(11)ステップST60にて外周にシークし、(12)ステップST61にて外周での記録テストを行う。そして、(13)ステップST62にて外周の2箇所の第1の管理情報を読み込む。 上記(1)〜(13)の準備シーケンスは、内周側領域及び外周側領域における全部の欠陥管理情報(第1の管理情報)を再生する方式のため、高信頼性の再生結果を得られるが、再生開始までの起動時間が長くなる。このため、高信頼性の結果が既に得られている場合には、第1の管理情報の読み込み過程の重複する部分を省き、時間短縮を図ることが改善対策として考えられる。
【0018】
図4は、図1の装置における管理情報の読み取り制御の手順例を示すフロー図である。 図4において、(1)ステップST70にて上記操作スイッチ20によりディスク装置の電源を第1回目の投入し、(2)ステップST71にてディスク装置内のディスクの有無を判定し、該判定の結果、ディスクが有ると判定された場合には、(3)上記図3におけるステップST52からステップST62の処理を行う(ステップST72〜ステップST74)。なお、以下、全ての第1の管理情報を読み込むための管理情報読み取り動作を第1の管理情報読み取りモードという。(4)その後、ステップST75にて電源切断要求があったとき、(5)ステップST76にて、第1の管理情報の有効性を判断し、かつ、その結果の情報を、例えば、内蔵バッテリー16にて電源を供給されている制御マイコン14内のメモリや不揮発メモリ35に格納し、(6)ステップST77にて、電源を切断する。ここで、第1の管理情報の有効性はたとえば上記第1の管理情報読み取りモードで読み取った多重記録された全ての領域の情報が一致している場合に有効と判断し、いずれかの情報が一致しない場合は無効と判断する。(7)ステップST78にて、再び上記操作スイッチ20により、ディスク装置の電源投入までの間、上記内蔵バッテリー16によって電源を供給されている上記制御マイコン14により、上記挿抜監視手段17で上記ディスク25の挿抜を検出する。挿抜監視手段17がディスク25の挿抜を検出すると、不揮発メモリEEP−ROM35に挿抜有りの情報を記憶する。(8)その後、ステップST78にて、再び上記操作スイッチ20により、ディスク装置の電源投入し、(9)制御マイコン14は、不揮発メモリ35の該当情報をステップST79にてチェックし、上記ステップST77における電源切断後から上記ステップST78における2回目の電源投入までの間のディスクの挿抜を検出または監視し、(10)ディスクの挿抜がなく、ステップST80にて、制御マイコン14内のメモリや不揮発メモリ35に格納した第1の管理情報が有効とされる場合、ディスク装置に挿入されたディスクの状態は、以前の状態と変わっていないと判断されるめ、(11)ステップST81にて、内周側または外周側の2個の記録領域の第1の管理情報だけを読み込んだ後、装置をREADY状態にする。第1の管理情報読み取りモードよりも少ない個数の第1の管理情報を読み取る管理情報読み取りモードを、以下、第2の管理情報読み取りモードという。(12)上記ステップST79においてディスクの挿抜があるとされ、ステップST82にて、ディスクの挿入ありとされる場合、または、上記ステップST80において、第1の管理情報が無効だった場合には、(13)ステップST83にてディスク内周側の2個の記録領域の第1の管理情報を読み込み、(14)ステップST84にて、外周側にシークし、(15)ステップST85にて、外周側の2個の記録領域の第1の管理情報を読み込む。この場合の管理情報読み取り動作は、第1の管理情報読み取りモードである。上記手順においては、上記ステップST79の判定を有効にするために、ディスクを装置から抜き出す動作の最後の段階で、管理情報を無効にしておく。また、上記では、第2の管理情報読み取りモードの場合、ディスク内周側の2個の記録領域の第1の管理情報を読み取るとしたが、1個の記録領域の第1の管理情報を読み取るようにしてもよい。該1個の場合は2個の場合よりもさらに処理時間を短縮できる。また、図4では、ディスクの挿抜(ステップST79)と第1の管理情報(ステップST80)とによって有効性を判断しているが、このうちの一方で判断する方法もある。すなわち、操作スイッチ20が切断された状態では、工具なしではディスク挿抜機構を操作できないため、通常、ディスクの挿抜は行われないとして第1の管理情報だけに基づき有効性を判断し、有効な場合は上記第2の管理情報読み取りモードにて処理する方法や、ディスクの挿抜により有効性を判断し、有効な場合は上記第2の管理情報読み取りモードにて処理する方法もある。
【0019】
図5は、図1の装置における管理情報の読み取り制御の他の手順例を示すフロー図であって、第1の管理情報と第2の管理情報の両方を有効性の判別に用いる場合の例である。 図5において、(1)ステップST100にて、操作スイッチ20によりディスク装置の電源を投入し、(2)ステップST101にて、ディスクが装置に挿入されているか否かを判定し、(3)ディスクが挿入されていた場合、ステップST102にて、ディスク内周側の第1の管理情報を読み込み、(4)その後、ステップST103にて、外周にシークし、(5)ステップST104にて、外周側の第1の管理情報(DMA)を読み込む。(6)ステップST105にて、内周側にシークし、(7)ステップST106にて、内周側の第2の管理情報を読み込み、(8)その後、ステップST107にて、外周側にシークして、(9)ステップST108にて、外周側の第2の管理情報を読み込む。なお、この管理情報読み取り動作はすべての管理情報を読み込む第1の管理情報読み取りモードである。(10)その後、ステップST109にて、電源切断要求があったとき、(11)ステップST110にて、管理情報の有効性を判断し、その情報を、例えば、内蔵バッテリー16にて電源を供給されている制御マイコン14内のメモリあるいは不揮発メモリ35に格納する。管理情報の有効性は、例えば、上記第1の管理情報読み取りモードで読み取った多重記録された全ての領域(第1の管理情報では4個の記録領域、第2の管理情報では2個の記録領域)の情報が一致している場合に有効と判断し、いずれかの情報が一致しない場合は無効と判断する。(12)その後、ステップST111にて、電源を切断し、再び操作スイッチ21によりディスク装置の電源投入されるまでの間、内蔵バッテリー16によって電源を供給されている制御マイコン14により、挿抜監視手段17でディスク25の挿抜の有無を検出する。(13)その後、ステップST112にて、再び操作スイッチ20によりディスク装置の電源が投入される(2回目の電源投入)。(14)その後、ステップST113にて挿抜の有無をチェックし、(15)上記ステップST111の電源切断後から上記ステップ112の電源投入までの間にディスクの挿抜がなく、ステップST114にて、制御マイコン14内のメモリあるいは不揮発メモリ35に格納された第1の管理情報が有効とされる場合は、ディスク装置に挿入されたディスクの状態は、以前と変わっていないと判断できるため、ステップST115にて、ディスク内周側の2個の記録領域の第1の管理情報を読み込む。(16)ステップST116の第2の管理情報の判別にて、ステップST110で不揮発メモリ36に格納した第2の管理情報が有効であるとされた場合、(17)ステップST117にて、内周側の第2の管理情報だけを読み込み、装置をREADY状態にする。上記図5においても、ディスクの挿抜と管理情報とにより有効性を判断している(ステップST113、ステップST114、ステップST116)が、一方が固定される前提で他方のみで有効性を判断するようにしてもよい。すなわち、ディスクの挿抜は行われないとして管理情報のみで有効性を判断し、上記第2の管理情報読み取りモードで処理して短時間起動を行うようにしてもよいし、または、管理情報は有効であるとしてディスクの挿抜のみで該第2の管理情報読み取りモードで処理して短時間起動を行うようにしてもよい。(18)ステップST113のチェックにおいてディスクの挿抜があり、ステップST118のチェックにてディスクが挿入されていると判定された場合、また、ステップST114、ステップST116における第1、第2の管理情報の有効性チェックにおいて、第1、第2の管理情報のうちいずれかが無効であった場合には、(19)ステップST119にてディスク内周側の2個の記録領域の第1の管理情報を読み込み、(20)その後、ステップST120にて、ディスク外周側にシークし、(21)ステップST121にて、ディスク外周側の2個の記録領域の第1の管理情報を読み込む。(22)ステップST122にて、ディスク内周側にシークし、(23)ステップST123にて、ディスク内周側の第2の管理情報を読み込んだ後、(24)ステップST124にて、ディスク外周側にシークし、(25)ステップST125にて、ディスク外周側の第2の管理情報を読み込む。この管理情報読み取り動作は上記第1の管理情報読み取りモードである。
【0020】
図6は、図1の装置における管理情報の読み取り制御のさらに他の手順例を示すフロー図、管理情報の更新要求がある場合の例である。 図6において、(1)ステップST130にて、電源スイッチ20を投入し、(2)ステップST131にて、ディスクが装置に挿入されているか否かを判別してディスクがあった場合、(3)ステップST132にて、ディスク内周側の管理情報を読み込む。(4)ステップST133にて、ディスク外周側にシークし、(5)ステップST134にて、ディスク外周側の管理情報を読み込む。(6)その後、ステップST135で電源切断要求があり、(7)STステップ136にて、第1の管理情報または第2の管理情報について管理情報更新要求があったときには、(8)ステップST137にて、ディスク上に多重記録され、更新が要求された全ての管理情報を更新する。(9)ステップST138にて、ステップST137で更新した管理情報が正しく更新できているか否かの判別を行う。該更新の判別は、更新したディスク上の全管理情報を読み取った上で判別する。読み取った全管理情報が正しければ、更新した管理情報は有効であり、1箇所の管理情報でも正しくなければ無効とする。(10)ステップST139にて、管理情報更新の有効性の有無を不揮発メモリ35などに格納した後、(11)ステップST140にて、装置の電源を切断する。なお、更新の要求は電源の切断要求とは独立に行われる。 なお、上記図4のステップST70、図5のステップST100、及び図6のステップST130それぞれにおける「電源ON」は、ディスクの挿入があったことを前提としている。
【0021】
図7は、図4〜図6の手順を統一したフロー図で、1回目の電源ONと2回目の電源ONの区別に重点をおいた管理情報読み取り制御の手順例を示す。 図7において、(1)ステップST200にて、電源が投入され、(2)ステップST201にて、ディスクの有無を判別し、(3)ステップST202でディスクの挿抜をチェックし、(4)ステップST203にて、管理情報の有効性をチェックし、(5)管理情報が有効である場合は、ステップST204にて、第1の管理情報読み取りモードを選択し、(6)管理情報が有効でない場合は、ステップST212にて、第2の管理情報読み取りモードを選択する。(7)ステップST205にて、READYになった後、(8)ステップST206にて、管理情報更新要求があるか否かを判別し、(9)該要求がある場合には、ステップST207にて管理情報を更新する(図6のステップST136〜ステップST138に相当)。(10)ステップステップST208にて、電源切断要求があったときは、ステップステップST209にて管理情報の有効性をメモリに格納し、(11)ステップステップST210にて電源を切断する。上記により、1回目と2回目の電源ON時の管理情報読み取りモードを適切に選択することができる。第1の管理情報読み取りモード及び第2の管理情報読み取りモードにおけるシーク動作等は、上記図4〜図6の場合と同様である。
【0022】
図8は、第1の管理情報読み取りモードと第2の管理情報読み取りモードの例を示す。例えば、DVD−RAMディスクでは、第1の管理情報が欠陥管理情報(DMA)であり、第2の管理情報がファイル管理情報(UDF)である。 図8において、(A)は、第1の管理情報と第2の管理情報を順番に全て読み取る第1の管理情報読み取りモードである。(B)は内周側、(C)は外周側の第1、第2の管理情報だけを読み取る第2の管理情報読み取りモードである。なお、図中の数字は読み取りの順番である。内周側または、外周側のみを読み取る第2の管理情報読み取りモードでは、ディスクの内外周をシークする回数を第1の管理情報読み取りモードより少なくできる。
【0023】
上記第1の実施例によれば、管理情報の有効性判別とディスクの挿抜検出とにより、管理情報の読み取りモードを選択できる。また、装置電源が切断された場合にも、ディスクの挿抜がされないときは管理情報の有効性が保持されるため、再び電源が投入された時は、一部の管理情報だけを読み取る上記第2の読み取りモードを選択することで、ディスク装置の起動時間を短縮でき、迅速な記録または再生動作開始が可能となる。
【0024】
図9は、本発明の第2の実施例としての携帯型情報処理装置の構成例を示す。 図9において、151はCPU、152は表示部、153は操作部、154は音声処理用DSP(Digital Signal Processor)、155はスピーカ、156は情報伝送路インターフェース、157はROM、158はRAM、159はフラッシュメモリとしてのF−ROM、160は入出力部である。その他、図1と同じまたは同等機能部分には同一符号を付す。本第2の実施例は、記録再生部41を有した携帯型情報処理装置である。携帯型情報処理装置の記録再生部41に挿抜可能なディスク25を用い、入出力部160はリアルタイム記録が可能な構成とする。入出力部160は、マイク1とオーディオ入力処理回路2により音声信号を取り込み、レンズユニット3、撮像センサとしてのCCD4、及びカメラ映像信号処理回路5により映像信号を取り込む。また、情報伝送路インターフェース156により、外部の機器やネットワークとの間で映像、音声、データなどを含むマルチメディア情報を入出力する。入出力部160より取り込まれた情報はCPU151にて処理され、バッファメモリとしてのRAM158に一時的に記憶される。これらの情報は、所定量に達したらインターフェース回路19を介して記録再生部41に記録される。また、操作部153による操作により、本装置の動作が制御される。表示部152には装置の状態が表示される。その他各部の構成、作用及び動作は、基本的に図1に示す第1の実施例の場合と同様である。特に、記録または再生動作に先立つ管理情報の読み取り動作についても、本第2の実施例が記録媒体用のディスクとして、上記第1の実施例のようなディスクを用いる構成である場合には、上記図2〜図8に示すような手順で管理情報の読み取り制御が行われ、記録または再生動作のための準備が行われる。
【0025】
上記第2の実施例によれば、上記第1の実施例の場合と同様、管理情報の有効性判別とディスクの挿抜検出とにより、管理情報の読み取りモードを選択できる。第2の読み取りモードを選択した場合にはディスク装置の起動時間を短縮できる。さらに、携帯情報処理装置としての高い利便性も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図である。
【図2】図1の装置用ディスクにおける管理情報のデータ構造説明図である。
【図3】図1の装置における記録再生開始までの手順例を示す図である。
【図4】図1の装置における管理情報の読み取り制御の手順例を示す図である。
【図5】図1の装置における管理情報の読み取り制御の他の手順例を示す図である。
【図6】図1の装置における管理情報の読み取り制御の他の手順例を示す図である。
【図7】図4〜図6の手順を統一したフロー図である。
【図8】第1の管理情報読み取りモードと第2の管理情報読み取りモードの例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1…マイク、 2…オーディオ入力処理回路、 3…レンズユニット、 4…CCD、
5…カメラ映像信号処理回路、 6…ドライバ、 7…圧縮/伸張処理回路、 8…オーディオ出力回路、 9…音声出力端子、 10…LCD、 11…映像出力端子、 12…映像表示/出力処理回路、 13…D−RAM、
14、37…制御マイコン、 15、34、159…F−ROM、 16…内蔵バッテリー、 17…挿抜監視手段、 18…EEP―ROM、 19…インターフェース回路、 20…電源スイッチ、 21…充電回路、 22…外部電源入力端子、 23…バッテリー、 24…DC−DCコンバータ、 25…ディスク、 26…スピンドルモータ、 27…ピックアップ、 28…再生回路、 29…信号/制御処理回路、 30…D−RAM、 31…送りモータ、 32…記録回路、 33…S−RAM、 35…EEP―ROM、 36…アクチュエータドライバ、 38…カメラ部、 39…出力部、 40…制御部、 41…記録再生部、 151…CPU、 152…表示部、 153…操作部、154…音声処理用DSP、 155…スピーカ、 156…情報伝送路インターフェース、 157…ROM、 158…RAM、 160…入出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し、信号の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置であって、
上記信号の記録または再生にあたっての上記管理情報の有効性を判別する判別手段と、
該判別の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、
該判別結果情報に基づきディスクからの上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、
を備え、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対し有効であるときは、記録または再生動作に先立ち、ディスクの複数の記録領域の一部から管理情報を読み取るようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し、信号の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置であって、
上記ディスクの装着の有無を検出する検出手段と、
上記記録または再生にあたっての上記管理情報の有効性を判別する判別手段と、
該判別の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、
該判別結果情報に基づきディスクからの上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、
を備え、電源投入時に、上記ディスクの装着が検出され、かつ、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対し有効であるときは、記録または再生動作に先立ち、該ディスクの複数の記録領域の一部から管理情報を読み取るようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項3】
同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し、信号の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置であって、
上記ディスクの挿抜を検出する挿抜検出手段と、
該挿抜検出の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、
該記憶した挿抜検出結果情報に基づき上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、
を備え、上記ディスクの挿抜が検出されないときには、記録または再生動作に先立ち、該ディスクの複数の記録領域のうちの一部から管理情報を読み取るようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項4】
同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し、信号の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置であって、
上記ディスクの装着の有無を検出する検出手段と、
上記記録または再生にあたっての上記管理情報の有効性を判別する判別手段と、
上記ディスクの挿抜を検出する挿抜検出手段と、
電源切断状態のときにも、該挿抜検出の結果及び上記判別の結果を記憶可能な記憶手段と、
上記記憶した挿抜検出結果及び上記判別結果に基づき上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、
を備え、電源投入時に、上記ディスクの装着が検出され、かつ、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対し有効であり上記ディスクの挿抜が検出されないときは、記録または再生動作に先立ち、該ディスクの複数の記録領域の一部から管理情報を読み取るようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項5】
上記検出手段、上記判別手段及び上記制御手段は第1の電源で作動し、上記挿抜検出手段及び上記記憶手段は第2の電源で作動し、上記第1の電源が投入されたとき、上記管理情報の読み取りモードについての選択が行われる請求項4に記載のディスク装置。
【請求項6】
同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し、信号の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置であって、
上記ディスクの装着の有無を検出する検出手段と、
上記記録または再生にあたっての上記管理情報の有効性を、ディスクの複数の記録領域に記録された管理情報につき判別する判別手段と、
該判別の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、
該記憶した判別結果情報に基づきディスクからの上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、
を有し、電源投入時に、上記ディスクの装着が検出され、かつ、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対しても有効であるときは、該有効とされた一部の領域の管理情報を読み取り、記録または再生動作を開始するようにした構成を特徴とするディスク装置。
【請求項7】
同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し、信号の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置であって、
第1の電源で作動し上記ディスクの装着の有無を検出する検出手段と、
第1の電源で作動し上記記録または再生にあたっての上記管理情報の有効性を判別する判別手段と、
第2の電源で作動し該判別の結果を記憶する記憶手段と、
第1の電源で作動し上記記憶した判別結果情報に基づき上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、
を備え、上記第1の電源が投入されたとき、上記ディスクの装着が検出され、かつ、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対し有効であるとされたときは、ディスクの第1の領域と第2の領域のいずれか一方から有効な管理情報を読み取り、有効ではないとされたときは、該第1の領域と該第2の領域の両方から管理情報を読み取るように制御する構成を特徴とするディスク装置。
【請求項8】
同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し、信号の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置であって、
上記ディスクの装着の有無を検出する検出手段と、
上記ディスクの挿抜を検出する挿抜検出手段と、
該挿抜検出の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、
該記憶した挿抜検出結果情報に基づき上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、
を備え、電源投入時に、上記ディスクの装着が検出され、かつ、上記ディスクの挿抜が検出されないときは、該ディスクの複数の記録領域の一部から有効な管理情報を読み取るようにした構成を特徴とするディスク装置。
【請求項9】
管理情報が記録された上記複数の領域は、上記ディスクの内周部と外周部とに分けて設けられた領域から成る請求項1から8のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項10】
管理情報が記録された上記複数の領域は、4つの領域であり、このうちの1つの領域から管理情報を読み取るように制御される請求項1から8のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項11】
上記管理情報は、上記ディスク自体の状態を管理するための第1の管理情報と、該ディスクに再生のために記録されたデータ情報を管理するための第2の管理情報とから成り、該第1、第2の管理情報はそれぞれ、上記ディスクの内周部の領域と外周部の領域とに分けて記録され、このうちいずれかの領域から該第1、第2の管理情報を読み取るように制御される請求項1から8のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項12】
同一内容の管理情報がディスクの複数の領域に分けて多重記録され、該ディスクに対し信号の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置であって、
上記管理情報を上記ディスクの第1、第2の領域に記録する記録手段と、
該記録された管理情報の有効性を判別する判別手段と、
該判別の結果を、電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、
該記憶した判別結果情報に基づきディスクからの上記管理情報の読み取りモードを選択する制御手段と、
を有し、上記記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対しても有効であるときは、上記信号の記録または再生動作に先立ち、上記第1、第2の領域のいずれか一方から管理情報を読み取り、上記管理情報が有効ではないと判別されるときには、該第1、第2の領域の両方から管理情報を読み取るようにした構成を特徴とするディスク装置。
【請求項13】
上記記録または再生される信号は、カメラ撮像装置からの情報信号である請求項1から8のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項14】
受信情報の処理を行う情報処理端末装置であって、
情報伝送用のインターフェースと、情報の処理を行う情報処理手段と、同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し該処理した情報の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置と、表示手段とを備えて成り、うち上記ディスク装置が、上記信号の記録または再生にあたっての上記管理情報の有効性を判別する判別手段と、該判別の結果を電源切断状態のときにも記憶可能な記憶手段と、該記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対しても有効であるときは、上記記録または再生動作に先立ち、ディスクの複数の記録領域の一部から管理情報を読み取るように制御する制御手段と、を有して成る構成であることを特徴とする情報処理端末装置。
【請求項15】
受信情報の処理を行う情報処理端末装置であって、
情報伝送用のインターフェースと、情報の処理を行う情報処理手段と、同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し該処理した情報の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置と、表示手段とを備えて成り、うち上記ディスク装置が、上記ディスクの挿抜を検出する挿抜検出手段と、該挿抜検出の結果を、電源がオフ状態のときにも記憶可能な記憶手段と、該挿抜検出の結果、上記ディスクの挿抜が検出されないときは、ディスクの複数の記録領域の一部から有効な管理情報を読み取るように制御する制御手段とを有して成る構成であることを特徴とする情報処理端末装置。
【請求項16】
同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し、信号の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置における管理情報読み取り制御方法であって、
上記信号の記録または再生動作に先立ち、上記管理情報を読み取るステップと、
該読み取った管理情報の有効性を判別するステップと、
該判別の結果を、電源切断状態でも記憶可能な記憶手段に記憶するステップと、
該記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対しても有効か否かを判別するステップと、
該判別の結果、該記憶した判別結果情報が挿入ディスクに対しても有効であるとされるときは、該ディスクの複数の記録領域の一部から管理情報を読み取るようにするステップと、
を経て、上記管理情報の読み取り制御を行うことを特徴とする管理情報読み取り制御方法。
【請求項17】
同一内容の管理情報が複数の領域に分けて多重記録されたディスクに対し、信号の記録、再生のいずれか一方または両方を行うディスク装置における管理情報読み取り制御方法であって、
上記ディスクの挿抜を検出するステップと、
該検出結果を、電源切断状態でも記憶可能な記憶手段に記憶するステップと、
該記憶した挿抜検出結果情報が、上記ディスクの挿抜が検出されない内容のときは、該ディスクの複数の記録領域の一部から有効な管理情報を読み取るようにするステップと、
を経て、上記管理情報の読み取り制御を行うことを特徴とする管理情報読み取り制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−198345(P2008−198345A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29875(P2008−29875)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【分割の表示】特願2006−139690(P2006−139690)の分割
【原出願日】平成14年2月8日(2002.2.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】