説明

ディスプレイ用ウインドシールドガラス及びその製造方法

【課題】
外部ガラス板及び内部ガラス板の間にライン及び空白部の組合せでなるパターン部を形成させ、入射映像の二重像結像を防止するとともに製造が容易で、一定水準の透明性も保障できるディスプレイ用ウインドシールドガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明に係るディスプレイ用ウインドシールドガラス(Wind Shield Glass)は、外部ガラス板と、少なくとも1つのライン及び空白部の組合せからなり、入射される映像を前記ラインを用いて反射するパターン部と、前記パターン部の前面に接合される内部ガラス板とを含み、
前記パターン部は、不連続又は連続的な少なくとも1つの水平、垂直又は曲線ラインの組合せにより形成されるか、格子形ラインからなるか、少なくとも1つの円形、楕円、多角形又はファジーな形状のラインのうち何れか1つ以上の組合せからなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ用ウインドシールドガラス及びその製造方法に係り、より詳しくは、ディスプレイスクリーンの役割をするディスプレイ用ウインドシールドガラス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ヘッドアップディスプレイ装置は、車両、航空機などの運行中に運転者の正面、即ち運転者の注視野の線を外れない範囲内で車両走行情報、道路案内情報、周辺状況情報などを示す。
図1は、従来のヘッドアップディスプレイ装置の構成を示す構成図である。
従来のヘッドアップディスプレイ装置は、車両走行情報、道路案内情報、周辺状況情報などの映像を示すマルチメディア装置1と、マルチメディア装置1で示される映像の経路を連続的に変化させ、映像の視野角を拡大させる光経路変換部2と、光経路変換部2で視野角が拡大された映像を車両のウインドシールドガラス5に反射させてユーザへ提供する第1ミラー3及び第2ミラー4とを含む。ここで、従来のヘッドアップディスプレイ装置に用いられるウインドシールドガラス5は、大きくコーティング(Combinder)タイプとPVBタイプに区分される。
【0003】
図2は、従来のヘッドアップディスプレイ装置により車両のウインドシールドガラスに映像が結像された様子を示す写真である。図3は、従来のコーティングタイプのウインドシールドガラスの映像反射の様子を示す側断面図である。図4は、従来のPVBタイプのウインドシールドガラスの映像反射の様子を示す側断面図である。
コーティング(Combinder)タイプは、外部ガラス板と接合された内部ガラス板40の後面(車両の室内方向)にコーティング膜(Tio2)を形成させ、コーティング膜(Tio2)がヘッドアップディスプレイ装置から提供される映像を結像させてユーザの目に反射させる。
【0004】
しかし、ヘッドアップディスプレイ装置から提供される映像のうち一部は、コーティング膜により反射(A)されてユーザに提供されるが、映像のうち一部は、コーティング膜を透過して内部ガラス板の後面にも結像(B)される。このように、ヘッドアップディスプレイ装置から提供される映像がコーティング膜及び内部ガラス板の後面に全て結像され二重像が発生するので、ユーザが映像を正常に確認することができない問題点がある。
【0005】
一方、PVBタイプは、外部ガラス板10及び内部ガラス板40の間に楔(wedged)状のPVBフィルム30aを挿入し、PVBフィルム30aがヘッドアップディスプレイ装置から提供される映像を結像させて運転者に屈折及び反射させる。ここで、PVBフィルム30aは、ガラスの破損時にガラス破片と強力に接着されガラス破片の飛散を防止する目的で製作された安全フィルムである。
【0006】
即ち、従来のPVBタイプは、PVBフィルム30aを側断面で見るとき楔状に加工し、楔状のPVBフィルム30aがマルチメディア装置で示される映像をユーザの目に屈折及び反射させる。ここに、PVBタイプは、従来のコーティングタイプとは異なって二重像の問題を解消することができる。しかし、PVBタイプは、マルチメディア装置で示される映像をユーザの目に屈折及び反射させるため、PVBフィルム30aの楔角度を精密に調節しなければならない設計上の困難がある。ここに、PVBフィルム30aの設計手続が複雑で、製造コストを多く要する問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−201716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、外部ガラス板及び内部ガラス板の間にライン及び空白部の組合せでなるパターン部を形成させ、入射される映像に対する二重像の結像を防止し、容易な製造が可能であり、一定水準の透明性も保障するディスプレイ用ウインドシールドガラス及びその製造方法を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るディスプレイ用ウインドシールドガラス(Wind Shield Glass)は、外部ガラス板と、少なくとも1つのライン及び空白部の組合せからなり、入射される映像を前記ラインを用いて反射するパターン部と、前記パターン部の前面に接合される内部ガラス板とを含むことを特徴とする。
【0010】
前記パターン部は、不連続又は連続的な少なくとも1つの水平、垂直又は曲線ラインの組合せにより形成されるか、格子形ラインからなるか、少なくとも1つの円形、楕円、多角形又はファジーな形状のラインのうち何れか1つ以上の組合せからなることを特徴とする。
【0011】
前記映像の全体又は一部を前記内部ガラス板の方向に反射させ、前記空白部は、前記ラインとラインとの間に位置し前記映像の全体又は一部を前記外部ガラス板の方向に透過させることを特徴とする。
【0012】
前記パターン部と前記内部ガラス板との間には、PVB(Polyvinyl Butyral)フィルムがさらに介在されることを特徴とする。
【0013】
前記ラインとラインとの間が1.6mm内外に形成され、前記ラインの幅は25〜100μmに形成され、前記パターン部は酸化銀(AgO)からなることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る前記映像は、スマートホンのHUD(Head−up display)機能に伴い生成された映像であるか、ヘッドアップディスプレイ装置で生成された映像であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るディスプレイ用ウインドシールドガラス(Wind Shield Glass)の製造方法は、(a)外部ガラス板の前面に少なくとも1つのライン及び空白部の組合せからなり、入射される映像を前記ラインを用いて反射するパターン部を形成するステップと、(b)前記パターン部の前面に内部ガラス板を接合するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るディスプレイ用ウインドシールドガラスは、外部ガラス板及び内部ガラス板の間に複数個のライン及び空白部の組合せでなるパターン部を形成させる。ここに、前記ラインを介し殆どの映像を効果的に内部ガラス板(ユーザ)の方向に反射させ、一部(極少の)の映像のみを前記空白部を介し外部ガラス板に透過させ、外部ガラス板に透過される映像に対する結像をユーザが殆ど視認できないようにして、二重像の発生を防止する効果を有する。
さらに、映像の反射のため、多くの製造コストが発生する楔状のPVBフィルムを備える必要がないので、製造コストを節減することができるとともに、パターン部のパターン形状を調節し屈折率/透過率を効果的に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来のヘッドアップディスプレイ装置の構成を示す構成図である。
【図2】従来のヘッドアップディスプレイ装置により車両のウインドシールドガラスに映像が結像された様子を示す写真である。
【図3】従来のコーティングタイプのウインドシールドガラスの映像反射の様子を示す側断面図である。
【図4】従来のPVBタイプのウインドシールドガラスの映像反射の様子を示す側断面図である。
【図5】本発明に係るディスプレイ用ウインドシールドガラス100が、ヘッドアップディスプレイ装置から映像を伝達される様子を示す構成図である。
【図6】本発明に係るディスプレイ用ウインドシールドガラス100が、ヘッドアップディスプレイ機能を有するスマートホンから映像を伝達される様子を示す構成図である。
【図7】本ディスプレイ用ウインドシールドガラス100の構成を示す側断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明に係るディスプレイ用ウインドシールドガラス100のパターン部20の形状の実施形態を示す構成図である。
【図9】(a)〜(c)は、本発明に係るディスプレイ用ウインドシールドガラス100のパターン部20の形状の実施形態を示す構成図である。
【図10】(a)は、昼間に本発明の車両の内部で、パターン部20が形成されたディスプレイ用ウインドシールドガラス100を介し車両の外部を眺める様子を示す写真である。 (b)は、昼間に本発明の車両の内部で、ライン22及び空白部24の間隔及びライン22の幅を調節したパターン部20が形成されたディスプレイ用ウインドシールドガラス100を介し車両の外部を眺める様子を示す写真である。
【図11】(a)は、夜間に本発明の車両の内部で、パターン部20が形成されたディスプレイ用ウインドシールドガラス100を介し車両の外部を眺める様子を示す写真である。 (b)は、夜間に本発明の車両の内部で、ライン22及び空白部24の間隔及びライン22の幅を調節したパターン部20が形成されたディスプレイ用ウインドシールドガラス100を介し車両の外部を眺める様子を示す写真である。
【図12】本発明に係るウインドシールドガラス100の製造方法の順を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係るウインドシールドガラス100のパターン部20のライン22を積分し、面になってディスプレイに活用することができる原理を示す構成図である。
【図14】本発明に係るウインドシールドガラス100の実際動作の様子を示す写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図を参照しながら本発明の実施形態を詳しく説明する。
図5は、本発明に係るディスプレイ用ウインドシールドガラス100がヘッドアップディスプレイ装置から映像を伝達される様子を示す構成図である。 図6は、ディスプレイ用ウインドシールドガラス100が、ヘッドアップディスプレイ機能を有するスマートホンから映像を伝達される様子を示す構成図である。
ディスプレイ用ウインドシールドガラス100は、従来の技術で言及した通常のヘッドアップディスプレイ装置から車両走行情報、道路案内情報、周辺状況情報などの映像が伝達されるか、ヘッドアップディスプレイ機能(アプリケーションなどを介し具現)を有するスマートホンなどのマルチメディア端末機から映像の伝達を受けることができる。
【0019】
図7は、本ディスプレイ用ウインドシールドガラス100の構成を示す側断面図である。図8、9は、ディスプレイ用ウインドシールドガラス100のパターン部20の形状の実施形態等を示す構成図である。
ディスプレイ用ウインドシールドガラス100は、外部ガラス板10、パターン部20、PVB(Polyvinyl Butyral)フィルム30、内部ガラス板40などを含む。
外部ガラス板10は、後面が車両の外部に露出し、前面は車両の内部を向くように車両に設けられる。
【0020】
パターン部20は、外部ガラス板10の前面に形成され、少なくとも1つのライン22及び空白部24の組合せでなる。ここで、ライン22は、マルチメディア端末機又はヘッドアップディスプレイ装置から伝達された映像の全体又は一部を反射させる。空白部24は、ライン22とライン22との間に位置し、映像の全体又は一部を外部ガラス板10の方向に透過させる。
PVBフィルム30は、パターン部20と内部ガラス板40との間に形成される。
内部ガラス板40は、PVBフィルム30の前面に接合される。
【0021】
以下、ウインドシールドガラス100を、構成要素別にさらに具体的に説明する。
−外部ガラス板10、内部ガラス板40及びPVBフィルム30の構成−
外部ガラス板10及び内部ガラス板40は、硅砂、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどを高温で溶解した後、冷却して製造する通常の車両用ガラスが適用される。
PVBフィルム30は通常ガラスの破損時に破片を防止する安全フィルムであって、60〜90%のPVB樹脂と10〜40%の可塑剤を主成分にして製造する。PVB樹脂は、PVAをブチル化(Butylation)して製造し、ブチル化度を適宜な水準で調節してガラスとの接合時に接着力の水準が必要な水準まで到達できるようにする。PVB樹脂は、適正水準の可塑剤を添加して柔軟性を有するフィルム形態に加工して用いる。 本発明のPVBフィルム30は、従来のPVBタイプのウインドシールドガラス100のように楔状の形状を有するものではなく、側断面が直六面体の形状でなる。このような本発明のPVBフィルム30は、本来の通常の安全フィルムの役割と、前面、即ち内部ガラス板40から入射される光を、屈折なく後述のパターン部20及び外部ガラス板10の方向に透過させる役割を果たす。
【0022】
−パターン部20の構成−
パターン部20は、外部ガラス板10の前面にプリンティングなどの方法で形成され、材質は酸化銀(Ag)でなる。ここで、パターン部20はライン22、空白部24などを含む。一方、パターン部20は、外部ガラス板10及び内部ガラス板40で映像を反射させる部分、即ちユーザにディスプレイする特定の部分にのみ選択的に形成され得る。
ライン22は、映像の全体又は一部を反射させる。このようなライン22は、少なくとも1つ、好ましくは複数個に設けられ、不連続又は連続的な水平、垂直又は曲線でなる。他の例として、ライン22は格子形、蜂の巣状などに形成される。さらに、他の例として、ライン22は円形、楕円、多角形又はファジー形状のうち何れか1つ以上の組合せでなり得る。
【0023】
具体的に、図8(a)に示す通り、パターン部20は不連続的な複数個のライン22が水平に形成可能であり、図8(b)に示す通り、パターン部20は連続的な複数個のライン22が曲線に形成可能である。図8(c)に示す通り、パターン部20は連続的な複数個のライン22が水平に形成可能であり、図9(a)に示す通り、パターン部20は複数個のファジー形状のライン22に形成可能である。図9(b)に示す通り、パターン部20は複数個の連続的なライン22が垂直に形成可能であり、図9(c)に示す通り、パターン部20は格子形のライン22からなる。パターン部20は、前記形状以外にも、一部は透過させ一部は反射させることができるよう、ライン22及び空白部24が含まれるのであれば、如何なる形状(斜線、迷路形、特定人、地形地物の態様)にも設計変更が可能である。
【0024】
一方、ライン22が映像の全体を反射させるとの意味は、ライン22の透過率が0%の材質で設けられ、映像の100%を内部ガラス板40の方向に反射させることをいう。一方、ライン22が映像の一部を反射させるとの意味は、ライン22の透過率が、例えば70%程度に設定され、映像の70%は内部ガラス板40の方向に反射させ、映像の30%は外部ガラス板10の方向に透過させることをいう。
空白部24は、パターン部20でライン22が生成されていない部分を指す。このような空白部24は、実際に何も形成されないこともあり、透明材質の物質で形成されてもよい。このような空白部24は、ライン22とライン22との間に位置して映像の全体又は一部を外部ガラス板10の方向に透過させる。
【0025】
ここで空白部24が映像の全体を透過させるとの意味は、空白部24の透過率が100%の材質で設けられ、映像の100%を外部ガラス板10の方向に透過させることを意味する。一方、空白部24が映像の一部を透過させるとの意味は、空白部24の透過率が、例えば90%程度に設定され、映像の90%は外部ガラス板10の方向に透過させ、映像の10%は内部ガラス板40の方向に反射させることを意味する。
【0026】
一方、パターン部20は、好ましくはライン22とライン22との間が1.6mm内外に形成され、ライン22の幅は好ましくは25〜100μmに形成される。即ち、ライン22とライン22との間が遠過ぎると、ライン22によるパターン部20全体の反射率がずいぶん低くなる。その反面、ライン22とライン22との間が近過ぎると、ライン22によるパターン部20全体の反射率があまり高くなる。ここに、ライン22とライン22との間の値を最適値の1.6mmに決定する。一方、ライン22の幅も厚過ぎると、ライン22によるパターン部20全体の反射率がずいぶん高くなる。その反面、ライン22の幅が薄過ぎると、ライン22によるパターン部20全体の反射率がずいぶん低くなる。ここに、ライン22の幅を最適値の25〜100μmに決定する。
【0027】
図10(a)は、昼間に本発明の車両の内部で、パターン部20が形成されたディスプレイ用ウインドシールドガラス100を介し車両の外部を眺める様子を示す写真である。図11(a)は、夜間に本発明の車両の内部で、パターン部20が形成されたディスプレイ用ウインドシールドガラス100を介し車両の外部を眺める様子を示す写真である。
ディスプレイ用ウインドシールドガラス100は、パターン部20を形成しておいても、昼間及び夜間で透過性が一般的なウインドシールドガラスと比較しても特別な差がなく対等であることが分かる。
【0028】
一方、図10(b)は、昼間に本発明の車両の内部で、ライン22及び空白部24の間隔及びライン22の幅を調節したパターン部20が形成されたディスプレイ用ウインドシールドガラス100を介し車両の外部を眺める様子を示す写真である。図11(b)は、夜間に本発明の車両の内部で、ライン22及び空白部24の間隔及びライン22の幅を調節したパターン部20が形成されたディスプレイ用ウインドシールドガラス100を介し車両の外部を眺める様子を示す写真である。
ディスプレイ用ウインドシールドガラス100は、ライン22及び空白部24の間隔及びライン22の幅を調節し、ディスプレイ用ウインドシールドガラス100の透過率、反射率などを動的に調節することができる。
【0029】
以下、本発明に係るウインドシールドガラス100の製造方法を説明する。
図12は、ウインドシールドガラス100の製造方法の順を示すフローチャートである。
先ず、外部ガラス板10を備え、備えられた外部ガラス板10の前面一部のパターン部20を形成する(S10)。
次いで、パターン部20の前面にPVBフィルム30を形成させる(S20)。
次いで、PVBフィルム30の前面に内部ガラス板40を接合する(S30)。
【0030】
以下、本発明に係るウインドシールドガラス100の作動原理を説明する。
ディスプレイ用ウインドシールドガラス100は、外部のスマートホン又はヘッドアップディスプレイ装置から映像が照射されると、前記映像は内部ガラス板40及びPVBフィルム30を経てパターン部20に透過される。ここで、パターン部20のライン22は、前記映像の全体又は一部を反射させる。なお、パターン部20でライン22が形成されていない部分、即ち空白部24は、前記映像の全体又は一部を外部ガラス板10の方向に透過させる。ここに、前記映像がライン22では反射され、空白部24では透過されるので、ライン22部分でのみ映像が形成される。
【0031】
図13は、ウインドシールドガラス100のパターン部20のライン22を積分し、面になってディスプレイに活用することができる原理を示す構成図である。図14は、ウインドシールドガラス100の実際動作の様子を示す写真である。
普通、ミクロン単位の細線(ライン)を積分すれば面になる。本発明は、微細なライン22及び空白部24の組合せでなるパターン部20を形成する。ここに、実際にはライン22とライン22との間に空白部24があるが、ユーザの目には空白部24が目で確認し難くなる。このような構造を介し、前記映像はライン22を介して効果的に反射させることができるので二重像が防止される。さらに、ライン22とライン22との間に形成された空白部24により、結果的にディスプレイ用ウインドシールドガラス100の透過性もある程度保障することができる。ここに、ウインドシールドガラス100は、車両のディスプレイ用ウインドシールドガラスとしての利用に適する。
【0032】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0033】
10 外部ガラス板
20 パターン部
22 ライン
24 空白部
30、30a PVBフィルム
40 内部ガラス板
100 ディスプレイ用ウインドシールドガラス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ用ウインドシールドガラスであって、
外部ガラス板と、
少なくとも1つのライン及び空白部の組合せからなり、入射される映像を前記ラインを用いて反射するパターン部と、
前記パターン部の前面に接合される内部ガラス板と
を含むことを特徴とするディスプレイ用ウインドシールドガラス。
【請求項2】
前記パターン部は、不連続又は連続的な少なくとも1つの水平、垂直又は曲線ラインの組合せで形成されるか、格子形ラインでなるか、少なくとも1つの円形、楕円、多角形又はファジー形状のラインのうち何れか1つ以上の組合せでなることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用ウインドシールドガラス。
【請求項3】
前記ラインは、前記映像の全体又は一部を前記内部ガラス板の方向に反射させ、
前記空白部は、前記ラインとラインとの間に位置して前記映像の全体又は一部を前記外部ガラス板の方向に透過させることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用ウインドシールドガラス。
【請求項4】
前記パターン部と前記内部ガラス板との間には、PVBフィルムがさらに介在されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用ウインドシールドガラス。
【請求項5】
前記パターン部は、前記ラインとラインとの間が1.6mm内外に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ用ウインドシールドガラス。
【請求項6】
前記ラインの幅は25〜100μmに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用ウインドシールドガラス。
【請求項7】
前記パターン部は酸化銀(AgO)からなることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用ウインドシールドガラス。
【請求項8】
前記映像は、スマートホンのHUD機能により生成された映像であるか、ヘッドアップディスプレイ装置で生成された映像であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用ウインドシールドガラス。
【請求項9】
ディスプレイ用ウインドシールドガラスの製造方法であって、
(a)外部ガラス板の前面に少なくとも1つのライン及び空白部の組合せからなり、入射される映像は前記ラインを用いて反射パターン部を形成するステップと、
(b)前記パターン部の前面に内部ガラス板を接合するステップと、
を含むことを特徴とするディスプレイ用ウインドシールドガラスの製造方法。
【請求項10】
前記パターン部は、不連続又は連続的な少なくとも1つの水平、垂直又は曲線ラインの組合せにより形成されるか、格子形ラインからなるか、少なくとも1つの円形、楕円、多角形又はファジーの形状のラインのうち何れか1つ以上の組合せからなることを特徴とする請求項9に記載のディスプレイ用ウインドシールドガラスの製造方法。
【請求項11】
前記ラインは、前記映像の全体又は一部を内部ガラス板の方向に反射させ、前記空白部は、前記ラインとラインとの間に位置して前記映像の全体又は一部を前記外部ガラス板の方向に透過させることを特徴とする請求項9に記載のディスプレイ用ウインドシールドガラスの製造方法。
【請求項12】
前記パターン部は、ラインとラインとの間が1.6mm内外に形成されることを特徴とする請求項10に記載のディスプレイ用ウインドシールドガラスの製造方法。
【請求項13】
前記ラインの幅は25〜100μmに形成されることを特徴とする請求項9に記載のディスプレイ用ウインドシールドガラスの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−51780(P2012−51780A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270271(P2010−270271)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【Fターム(参考)】