説明

ディスペンサー容器

本発明のディスペンサー容器は、内容物を保存する容器2と、この容器2の上端に結合されて内容物をポンピングするディスペンサーキャップ10と、このディスペンサーキャップ10の上側に乗降可能に結合され、一側にノズル22が形成されたボタン20と、前記容器2を取り囲む外筒体30を含むディスペンサーにおいて、前記外筒体30の上端部にはその上端の高さがそれぞれ異なり、各下端部が互いに連結されている複数個の螺旋孔32が形成され、各螺旋孔32の上端には水平延長孔34が形成され、この外筒体30の上端には内周面に上下方向のガイド溝42が形成された中空回転体40が回転可能に結合され、前記ディスペンサーキャップの外周面には前記螺旋孔32を通過してガイド溝42と結合するガイド突起11が形成されて構成されており、前記中空回転体40を外筒体30に対して両側に回転させると、前記ディスペンサーキャップのガイド突起11が前記螺旋孔32とガイド溝42により乗降して前記各水平延長孔34に位置し、ボタン20の下降距離が調節されることによって内容物の吐出量が調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスペンサー容器に関し、より詳細には、内容物の吐出量を簡単に調節することができる、使用が便利なディスペンサー容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液状またはペースト状の化粧品やその他の内容物を空気の圧力により所定の量を吐出させて使用するディスペンサー容器は、大きく分けて、ディープチューブにより内容物を吸い込んで吐出し、容器内にはそれだけの空気が流入するディープチューブ方式と、容器内部が真空状態となることによってピストンが上昇し、内容物を押し上げるエアレス方式がある。
【0003】
図1は、従来のエアレス方式のディスペンサー容器の例を示すもので、図示するように、内容物を保存する容器2と、この容器2の上端に結合されて容器2に保存される内容物をポンピングするディスペンサーキャップ10と、このディスペンサーキャップ10の上方に突出するように備えられ、乗降可能に結合され、一側に形成されたノズル22にポンピングされた内容物を吐出させるボタン20と、このボタン20とディスペンサーキャップ10を覆うためのオーバーキャップ6とで構成されている。
【0004】
ここで、前記ディスペンサーキャップ10の内部には、容器2に充填された内容物まで下向きに延びるシリンダー12と、前記ボタン20の下部のステム24に連結され、シリンダー12の内部で乗降動作して真空圧を発生させて、シリンダー12に流入する内容物を外部に吐出させる一側に通孔13が形成され、一端部が開放された中空シャフト14及びシールキャップ16がそれぞれ備えられる。また、前記シリンダー12の下端部に金属材で形成されるボールバルブ18により開閉される流入口12aが形成され、この流入口12aと中空シャフト14の間には、中空シャフトを上向きに支持するスプリング19が介在される。説明のない符号1は、容器2の内部に備えられて真空圧によって上昇するピストンである。
【0005】
そして、前記ディスペンサー容器は、使用者が前記オーバーキャップ6を容器2から分離した後、前記ボタン20を押すと、ピストン1が内容物を加圧し、内容物が吐出される。一方、使用者は、多量の内容物を必要としたり、少量の内容物を必要とする場合がある。すなわち、必要に応じて内容物を調節したい場合にも、前記ボタン20を押すと、前記ピストン1が一定距離を下降して一定量の内容物が吐出される。ところが、使用者がボタン20を押すとき、ピストン1の下降距離を一定に維持することは事実上不可能であるので、内容物の吐出量を調節することは難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、内容物を便利に吐出でき、且つ、その吐出量を簡単に調節できるとともに、部品の紛失も防止できるディスペンサー容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、吐出量を簡単に調節可能にするために、内容物を吐出させるピストンの動作距離を調節できるようにしたものである。
【0008】
本発明の特徴によれば、内容物を保存する容器2と、この容器2の上端に結合されて内容物をポンピングするディスペンサーキャップ10と、このディスペンサーキャップ10の上側に乗降可能に結合され、一側にノズル22が形成されたボタン20と、前記容器2を取り囲む外筒体30を含むディスペンサー容器において、前記外筒体30の上端部には上端の高さがそれぞれ異なり、各下端部が互いに連結されている複数個の螺旋孔32が形成され、各螺旋孔32の上端には水平延長孔34が形成され、この外筒体30の上端には内周面に上下方向のガイド溝42が形成された中空回転体40が回転可能に結合され、前記ディスペンサーキャップの外周面には前記螺旋孔32を通過してガイド溝42と結合するガイド突起11が形成されて構成されており、前記中空回転体40を外筒体30に対して両側に回転させると、前記ディスペンサーキャップ10のガイド突起11が前記螺旋孔32とガイド溝42により乗降及び下降して前記各水平延長孔34に位置し、ボタン20の下降距離が調節されることで、内容物の吐出量を調節できることを特徴とするディスペンサー容器を提供する。
【発明の効果】
【0009】
内容物を便利に吐出でき、かつ、その吐出量を簡単に調節できるとともに、部品の紛失も防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の目的、特徴、ならびにその他の利点は、以後の詳細な説明からより明らかに理解できるであろう。添付した図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図2乃至図5に示すように、本発明のディスペンサーは、内容物を保存する容器2と、この容器2の上端開口部に結合されて内容物をポンピングするディスペンサーキャップ10と、このディスペンサーキャップ10の上側に乗降可能に結合され、一側にはノズル22が形成された二重管形態のボタン20で構成されており、前記ディスペンサーキャップ10の内部には、容器2の内部に下向きに延び、その底面には流入口12aが形成されるシリンダー12と、前記ボタン20の下部のステム24に連結されてシリンダー12の内部で乗降動作する中空回転体40及びシールディスペンサーキャップ16と、前記シリンダー12の流入口12aを開閉するボールバルブ18と、前記流入口12aと中空シャフト14に介在されて中空シャフト14、シールディスペンサーキャップ16及びボタン20を上向きに支持するスプリング19と、容器2内に備えられて真空圧によって上昇するピストン1を含む構成は従来と同様である。
【0012】
ここで、前記容器2の上端のディスペンサーキャップ10の周囲部は、1対のガイド突起1を備えており、このガイド突起11は、後で述べるガイド溝42及び螺旋孔32に沿って乗降することによって容器2を乗降及び下降させるように構成されている。
【0013】
なお、前記容器2の外側には、該容器2を乗降可能に取り囲む外筒体30を備える。この外筒体30の上端部には複数個の螺旋孔32が形成されているが、本実施例においては、2つの螺旋孔32がそれぞれの下端で互いに連結され、上方に向かうほど2つの螺旋孔32が互いに離れるように傾斜して形成され、ほぼV字状となっている。しかし、この形状に限定されるわけではない。ここで、前記2つの螺旋孔32の上端の高さがそれぞれ異なるように構成され、また、各螺旋孔32の上端には、水平方向に延びている水平延長孔34が形成され、この水平延長孔34にディスペンサーキャップ10のガイド突起11が位置すると、ボタン20動作時、ディスペンサーキャップ10が螺旋孔32に沿って下降することを防止するようになり、そのため、容器2がその位置に固定される。従って、使用者がボタン32を押すことにより内容物が吐出される。
【0014】
また、前記ディスペンサーキャップ10のガイド突起11は、前記外筒体30の螺旋孔32を通過して中空回転体40のガイド溝42にスライド可能に結合されることで、使用者が前記中空回転体40を回転させると、前記ガイド突起11は、外筒体30の螺旋孔32に沿って乗降して容器2が回転されることなく乗下降するように案内する。
【0015】
説明しない符号46は、前記中空回転体40を回転させることによってボタン20のノズル22を中空回転体40に容易に収納するための溝である。
【0016】
このように構成される本発明のディスペンサー容器は、使用者が前記中空回転体40を回転させることにより、前記ディスペンサーキャップ10のガイド突起11が各螺旋孔32とガイド溝42に沿って乗降及び下降しながら、該ディスペンサーキャップ10に結合される容器2及びボタン20を乗降及び下降させ、前記ボタン20の上端のノズル22が中空回転体40からそれぞれ異なる高さで上向きに突出される。
【0017】
次に、図3を参照すれば、使用者がより多量の内容物を吐出しようとする場合には、中空回転体40を一側、すなわち、水平延長孔34が相対的に高く形成された螺旋孔32側に回転させてボタン20を上向きに突出させる。この際、ガイド突起11が前記水平延長孔34に位置し、容器2がその位置に固定され、前記ボタン20は、中空回転体40からより大きく上向きに突出され、使用者は、突出したボタン20を押して内容物を吐出させるが、ボタン32の下降距離が相対的に長くなったため、内容物が多く吐出される。
【0018】
また、使用者が相対的に少量を吐出しようとする場合には、使用者は、前記中空回転体40を他側、すなわち、水平延長孔34が相対的に低く形成された螺旋孔32側に回転させてボタン20を上方に突出させる。この際、ガイド突起11が前記水平延長孔34に位置し、容器2がその位置に固定され、ボタン20は、前述の場合に比べて相対的に中空回転体40から少なく上方突出されており、使用者は、突出したボタン20を押して内容物を吐出させるが、ボタン20の下降距離が上述の場合より相対的に短くなり、内容物が相対的に少なく吐出される。
【0019】
従って、前記外筒体30に上端の高さが互いに異なり、各下端が互いに連結されるように複数個の螺旋孔32を形成し、各螺旋孔32の上端に互いに異なる水平延長孔34を形成することで、使用者が前記中空回転体40を両側に回転させることによってボタン20の下降距離が調節され、内容物の吐出量を調節できるという効果がある。
【0020】
次いで、ディスペンサー容器から内容物を吐出させた後、中空回転体40を一定の角度で回転させてボタン20が中空回転体40に簡単に収納できるようにし、従来のオーバーディスペンサーキャップを分離したり結合することに比べて使用が簡単、かつ、便利である。また、従来ではオーバーディスペンサーキャップを分離して使用するため、オーバーディスペンサーキャップの紛失のおそれがあったが、この発明では、そのようなオーバーディスペンサーキャップなどの部品を紛失するおそれはない。
【0021】
一方、この実施例においては、2つの螺旋孔32が下端で互いに連結された形態が示されているが、必要に応じて、3つ以上の螺旋孔32が上端または下端やその中間部が互いに連結された形態であってもよい。
【0022】
尚、本発明は、上述の実施例に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上のように、本発明によれば、前記外筒体30にその上端または下端が連結されるように、複数個の螺旋孔32を形成し、各螺旋孔32に互いに高さが異なる水平延長孔34を形成することで、ディスペンサーキャップ10のガイド突起11が水平延長孔34に位置して容器2が固定されるので、ボタン20及びこのボタン20によって下降するピストン1の下降距離を調節できるようになり、内容物の吐出量を簡単に調節することができるという効果がある。
【0024】
一方、内容物を吐出させた後、中空回転体40を他側に回転させると、ボタン20が中空回転体40の内部に収納されるように構成し、使用が簡単、かつ、便利であるとともに、部品を分離して使用しないため、部品の紛失のおそれがないディスペンサー容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来のディスペンサー容器の一例を示す断面図である。
【図2】本発明によるディスペンサー容器の一実施例を示す斜視図である。
【図3】前記実施例の分解斜視図である。
【図4】前記実施例におけるボタンが突出した状態を示す断面図である。
【図5】前記実施例におけるボタンが収納された状態を示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を保存する容器(2)と、この容器(2)の上端に結合されて内容物をポンピングするディスペンサーキャップ(10)と、このディスペンサーキャップ(10)の上側に乗降可能に結合され、一側にノズル(22)が形成されたボタン(20)と、前記容器(2)を取り囲む外筒体(30)を含むディスペンサーにおいて、
前記外筒体(30)の上端部にはその上端の高さがそれぞれ異なり、各下端部が互いに連結されている複数個の螺旋孔(32)が形成され、各螺旋孔(32)の上端には水平延長孔(34)が形成され、この外筒体(30)の上端には内周面に上下方向のガイド溝(42)が形成された中空回転体(40)が回転可能に結合され、前記ディスペンサーキャップの外周面には前記螺旋孔(32)を通過してガイド溝(42)と結合するガイド突起(11)が形成されて構成されており、前記中空回転体(40)を外筒体(30)に対して両側に回転させると、前記ディスペンサーキャップのガイド突起(11)が前記螺旋孔(32)とガイド溝(42)により乗降して前記各水平延長孔(34)に位置し、ボタン(20)の下降距離が調節されることによって内容物の吐出量が調節されることを特徴とするディスペンサー容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−543742(P2009−543742A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−520671(P2009−520671)
【出願日】平成19年5月4日(2007.5.4)
【国際出願番号】PCT/KR2007/002199
【国際公開番号】WO2008/010640
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(505475921)ヨンウー カンパニー,リミテッド (14)
【Fターム(参考)】