説明

デジタルカメラ

【課題】 本撮像前に画像処理の効果を確認しながら、複雑な操作をしなくとも、好ましい画像を得ることを目的とする。
【解決手段】 取り込まれるスルー画像から顔の領域を検出する顔検出部と、異なる複数の調整レベルのうち、いずれか1つの調整レベルが画像処理における調整レベルとして設定され、前記顔検出部により検出された顔の領域に対して、設定された調整レベルに基づいた画像処理を施す画像処理部と、前記画像処理に関する指示操作を受け付ける操作部と、前記操作部により受け付けた指示操作が前記調整レベルの変更に関する指示操作の場合に、前記画像処理として設定される調整レベルを変更する制御部と、前記制御部により変更した前記調整レベルに基づく画像処理が施されたスルー画像を表示する表示部とを備えるデジタルカメラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を取得するデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像処理により、デジタル画像に対して様々な画像処理を行う技術が考えられている。例えば、下記の非特許文献1のデジタルカメラは、人物を被写体とする際に、顔の部分を明るく美しく撮影するメイクアップ機能を有している。
【0003】
また、複数の人物が被写体となる場合、一律に画像処理を行わずに、個人の好み、年齢、性別に応じて各被写体に適した画像処理を個々の人物に施すデジタルカメラも知られている(特許文献1など)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した非特許文献1のデジタルカメラでは、撮影時にモニタに表示されるスルー画像にメイクアップ機能を適用することができない。そのため、ユーザはどの程度画像処理の効果があるのかわからなかった。
【0005】
また、特許文献1のデジタルカメラでは、いずれか複数の人物に同じ画像処理を施したいと思っても、個々に設定しなければならず、操作が煩雑であった。
【0006】
そこで、本発明のデジタルカメラは、本撮像前に画像処理の効果を確認しながら、複雑な操作をしなくとも、好ましい画像を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のデジタルカメラは、取り込まれるスルー画像から顔の領域を検出する顔検出部と、異なる複数の調整レベルのうち、いずれか1つの調整レベルが画像処理における調整レベルとして設定され、前記顔検出部により検出された顔の領域に対して、設定された調整レベルに基づいた画像処理を施す画像処理部と、前記画像処理に関する指示操作を受け付ける操作部と、前記操作部により受け付けた指示操作が前記調整レベルの変更に関する指示操作の場合に、前記画像処理として設定される調整レベルを変更する制御部と、前記制御部により変更した前記調整レベルに基づく画像処理が施されたスルー画像を表示する表示部とを備える。
【0008】
なお、前記画像処理部は、前記画像処理として、露出補正と階調補正との少なくとも一方を前記スルー画像に施しても良い。
【0009】
また、本画像を取得する撮像部をさらに備え、前記画像処理部は、前記制御部により変更した前記調整レベルに基づいて、色調補正と、コントラスト補正と、明るさ補正と、前記顔の領域における特徴部分の調整との少なくとも一つを含む美肌処理を前記本画像に施しても良い。
【0010】
また、前記操作部は、前記表示部の全面に配置され、接触位置及び該接触位置の移動方向を検出可能なタッチパネルから構成されるとともに、前記制御部は、前記タッチパネルから検出された接触位置が前記顔検出部により検出された顔の領域と一致するか否かを判定し、該接触位置の移動方向を検出することで、前記画像処理における前記調整レベルを変更しても良い。
【0011】
また、前記顔検出部により検出された複数の顔の領域をグループに分類する分類部をさらに備え、前記画像処理部は、前記分類部により同一のグループに分類された顔の領域に対して、同一の調整レベルに基づいた画像処理を一括して施しても良い。
【0012】
また、前記分類部は、性別、年代、人種の少なくともいずれか一つを推定し、推定した結果に基づいて、検出された顔の領域を分類しても良い。
【0013】
また、前記画像処理部は、所定の年代以下であると推定されたグループに、前記画像処理を施さないか或いは最も低い調整レベルの前記画像処理を施しても良い。
【0014】
また、前記表示部は、前記顔検出部により検出された顔の領域を示すエリア枠を前記スルー画像とともに重畳表示しても良い。
【0015】
また、前記エリア枠は、前記調整レベルに応じた色にて表示される、或いは該調整レベルを示す表示とともに表示しても良い。
【0016】
また、前記画像処理部は、前記表示部に表示される複数の前記エリア枠のうち、前記操作部により選択操作されたエリア枠に該当する顔の領域に対して、同一の調整レベルに基づいた画像処理を一括して施しても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明のデジタルカメラによれば、本撮像前に画像処理の効果を確認しながら、容易な操作で好ましい画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。
【図2】デジタルカメラ1におけるマニュアル美肌処理モードによる撮像時の動作を示すフローチャートである。
【図3】スルー画像の例を示す図である。
【図4】デジタルカメラ1におけるオート美肌処理モードによる撮像時の動作を示すフローチャートである。
【図5】スルー画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、デジタルカメラ1は、撮像レンズ2、撮像素子3、A/D変換部4、バッファメモリ5、画像処理部6、制御部7、表示部8、操作部9、メモリ10、記録I/F部11、記録媒体12、バス13を備える。
【0020】
撮像レンズ2は、撮像素子3の撮像面に被写体像を結像する。なお、撮像レンズ2は、ズームレンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズからなる撮像光学系であっても良い。撮像素子3は、撮像レンズ2を通過した被写体光を光電変換し、R、G、Bの各色に対応するアナログ画像信号を出力する。撮像素子3は、非撮像時、所定間隔毎に間引き読み出しを行い、スルー画像を取得する。その後、撮像素子3は、後述するレリーズ釦18が全押しされると本画像を取得する。
【0021】
撮像素子3から出力される画像信号は、A/D変換部4に入力される。A/D変換部4は、撮像素子3から出力されるアナログの画像信号をA/D変換し、デジタルの画像信号に変更する。なお、このデジタルの画像信号は、1コマにまとめられ、画像データとしてバッファメモリ5に記録される。バッファメモリ5は、画像処理部6による画像処理の前工程や後工程で画像データを一時的に記録する。
【0022】
画像処理部6は、バッファメモリ5に記録された画像データに対して画像処理を施す。なお、この画像処理としては、周知のホワイトバランス調整、色補間、階調変換処理、輪郭強調処理等が挙げられる。また、画像処理部6は、記録媒体12に画像ファイルを記録する前にJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等で圧縮する処理や、圧縮された上記のデータを伸長復元する処理をも実行する。
【0023】
また、画像処理部6は、美肌処理を行う。この美肌処理は、本画像に対して施される画像処理であり、以下に示す処理が挙げられる。
【0024】
画像処理部6は、例えば、画像の露出をオーバー側に補正する露出補正を行う。これにより、被写体の肌が白く表現された好ましい画像を得ることができる。
【0025】
また、画像処理部6は、ソフトフォーカス処理を行う。これにより、被写体が女性である場合、女性らしさが強調されるとともに、柔らかみのある好ましい画像を得ることができる。また、被写体のしわや肌荒れ等が目立ちにくい好ましい画像を得ることができる。
【0026】
また、画像処理部6は、彩度や明度のパラメータを補正することにより、肌を白く表現したり、肌色のくすみ等を軽減しても良い。
【0027】
また、画像処理部6は、画像に含まれる人物を痩身に見せる補正を行う。例えば、画像処理部6は、画像の縦横比を若干縦長に変更した後、人物の部分を切り出し、画像の大きさを調整する。或いは画像処理部6は、特開2004−264893号公報のように、顔の輪郭を補正して頬を細く見せるようにしても良い。
【0028】
また、画像処理部6は、顔における特徴部分(眉、目、口等)の調整を行う。例えば、画像処理部6は、目の部分を大きくする補正や鼻の幅を狭くする補正などを行う。また、画像処理部6は、特徴部分の色を補正する。例えば、画像処理部6は上瞼の色に青味を増す色補正や、唇の色に赤味を増す色補正を行う。これにより、アイシャドーや口紅のようなポイントメイクの効果が得られるため、被写体となる女性の見栄えを良くすることができる。
【0029】
美肌処理の度合い(レベル)としては、最も弱いレベル1から最も強いレベル5までの5段階がある。美肌処理のレベルが上がるほど、被写体の肌が白く表現され、くすみやシワが目立たなくなる。美肌処理のレベルは、撮像指示が行われる前の、スルー画像の撮像時にユーザから後述するタッチパネル17を介して、変更される。なお、美肌処理のレベルは、予め例えばレベル1が設定されている。
【0030】
画像処理部6は、美肌処理のレベルが変更されると、変更後のレベルに応じた美肌処理が施されたスルー画像と同等の出来映えとなるように、スルー画像に露出補正、階調補正を行う。上記の美肌処理は、複合的な処理であり、時間がかかるためである。例えば、画像処理部6は、スルー画像データから求められたY成分の値を調整することにより、露出補正を行う。また、画像処理部6は、Cb成分、Cr成分の値を変更することにより、階調補正を行う。そして、表示部8は、露出補正、階調補正後のスルー画像を表示する。これにより、処理時間はかからないが、美肌処理が施されたスルー画像と同等の出来映えとなるスルー画像をリアルタイムで表示部8に表示することができる。
【0031】
制御部7は、所定のシーケンスプログラムにしたがって、デジタルカメラ1の統括的な制御を行うとともに、撮像時に必要となる各種演算(AF、AE等)を実行する。また、制御部7は、顔検出部14、分類部15、判定部16等の機能を有している。顔検出部14は、スルー画像、本画像、記録媒体12に記録された画像から特徴点を抽出して顔領域、顔領域の大きさ等を検出する。例えば、顔検出部14は、特開2001−16573号公報等に記載された特徴点抽出処理によって顔領域を抽出する。上記の特徴点としては、例えば、眉、目、鼻、唇の各端点、顔の輪郭点、頭頂点や顎の下端点等が挙げられる。そして、顔検出部14は、顔領域の位置情報を特定する。例えば、顔検出部14は、画像の横方向をX軸、縦方向をY軸とし、顔領域に含まれる画素のX座標及びY座標を算出する。
【0032】
分類部15は、画像に含まれる複数の人物をグループに分類する。例えば、分類部15は、顔の器官を構成する特徴点を用いた演算処理により人種、年齢、性別などを判別する特開2004−222118号公報に記載の手法を利用し、複数人物をグループ化する。判定部16は、画像に含まれる人物が、ユーザから後述するタッチパネル17を介して特定されているか否かを判定する。
【0033】
表示部8は、制御部7の制御により各種の画像を表示する。表示部8に表示される各種の画像は、スルー画像、本画像、記録媒体12に記録された画像、メニュー画像等を含む。また、表示部8は、タッチパネル17を備える。タッチパネル17は、パネル上で指又はスタイラス等がタッチされた位置、ドラッグされた方向、ドラッグされた回数を検出する。なお、タッチパネル17がタッチされた状態でなぞられることをドラッグと称する。タッチパネル17の状態は制御部7により検知される。なお、タッチパネル17は、表示部8の表面全体に積層して配置するため、表示部8と同等の大きさを有する透明なパネルで構成されている。また、本実施形態の例では、タッチパネル17は、静電気による電気信号を感知する静電容量式のパネルで構成されている。なお、静電容量式に限らず、圧力による電圧の変化を検知する抵抗膜式のパネルなどを用いても良い。
【0034】
このタッチパネル17は、上述したように、美肌処理のレベルを変更するときに操作される。レベルを1つ上げる場合、ユーザは、タッチパネル17にタッチして上に軽く1回ドラッグする。一方、レベルを1つ下げる場合、ユーザは、タッチパネル17にタッチして下に軽く1回ドラッグする。このように、ユーザは、タッチパネル17にタッチし、ドラッグするだけで、所望のレベルに変更できる。
【0035】
操作部9は、レリーズ釦18、十字キー19等を有する。レリーズ釦18は、撮像時にユーザにより操作される。十字キー19は、上記のメニュー画像等で操作される。なお、レリーズ釦18及び十字キー19の状態は制御部7により検知され、検知された釦の状態に基づいたシーケンスが実行される。記録I/F部11は、記録媒体12を接続するためのコネクタを備えている。この記録I/F部11と記録媒体12とが接続されることにより、記録媒体12に対してデータの書き込み/読み出しを実行する。バス13は、バッファメモリ5、画像処理部6、制御部7、表示部8、メモリ10、記録I/F部11を相互に接続することにより、データや信号の出入力を実行する。
【0036】
以上説明した構成のデジタルカメラ1は、撮像により生成した画像に、上述した美肌処理を行う美肌処理モードを有する。なお、画像に複数の人物が含まれる場合、ユーザによりグループ化されたグループ毎に美肌処理を行うモードをマニュアル美肌モードとし、分類部16によりグループ化されたグループ毎に美肌処理を行うモードをオート美肌処理モードとする。美肌処理モードは、ポートレートモードや風景モードなどの既存のシーンモードの一つとして備えられていても良いし、既存のシーンモードと独立に備えられていても良い。また、美肌処理モードは、タッチパネル17や十字キー19を介したユーザの指定により設定可能としても良いし、制御部7により自動で設定可能としても良い。ユーザの指定に際しては、操作部9に専用の釦などを設けても良いし、表示部8にメニュー画像などを表示しても良い。
【0037】
まず、マニュアル美肌処理モードについて説明する。図2は、デジタルカメラ1におけるマニュアル美肌処理モードによる撮像時の動作を示すフローチャートである。図2のフローチャートは、マニュアル美肌処理モードが設定され、スルー画像の取得を開始したときに実行される。なお、制御部7は、美肌処理モードが設定されている際に好ましい撮像条件を決定しても良い。例えば、露出や撮像感度などを、美肌処理モードに適した条件としても良い。
【0038】
図3は、スルー画像の例を示す図である。以下、図3に示すように、女性3人(A、B、C)、男性1人(D)、子供1人(E)を撮像するシーンを例に挙げて説明する。また、タッチパネル17の操作は一例であり、これに限定されるものではない。
【0039】
ステップS101は、顔領域を検出する処理である。顔検出部14は、スルー画像を取得する毎に、スルー画像から顔領域を検出する。
【0040】
ステップS102は、検出された顔領域を示すエリア枠を表示する処理である。まず、制御部7は、ステップS101で検出された顔領域の大きさ及び位置情報に応じて、エリア枠を設定する。そして、制御部7は、顔領域の輪郭に合うように、エリア枠をスルー画像に重ねて表示する。例えば、制御部7は、図3に示すように、エリア枠21からエリア枠25を表示する。なお、ユーザがエリア枠を一目見ただけで現在の美肌処理のレベルを認識できるように、制御部7は、美肌処理のレベル毎に、エリア枠の色を変更する。なお、図3の例では、長方形のエリア枠を用いたが、エリア枠の形状はこれに限らない。例えば、星の形のエリア枠などを用いても良い。また、美肌処理の効果を確認しやすいように、エリア枠を薄く表示しても良い。
【0041】
ステップS103は、被写体全員に露出補正、階調補正を行う処理である。画像処理部6は、被写体全員のエリア枠内の領域に対して、レベル1の美肌処理と同等の出来映えとなる露出補正、階調補正を行う。表示部8は、露出補正、階調補正後のスルー画像を表示する。これにより、ユーザは被写体全員にレベル1の美肌処理が適用されていることを確認できる。
【0042】
ステップS104は、エリア枠の色を変更する処理である。この時点では、被写体全員が一律のグループである。制御部7は、エリア枠21からエリア枠25までの色を、レベル1に対応する色に変更する。また、制御部7は、いずれか一つのエリア枠の近くに、美肌処理のレベルを表示する。図3の例では、エリア枠25の近くに、レベル1を示す星印31を表示している。この状態で、人物を特定せず、全員の美肌処理レベルを変更したい場合には、被写体の人物の1人にタッチしてドラッグすれば、全員の美肌処理レベルを変更できる。
【0043】
ここで、人物のタッチについて説明する。ユーザは、人物を特定する場合、ステップS102で設定されたいずれかのエリア枠内の領域をタッチする。判定部16は、タッチパネル17でタッチされた位置が、ステップS102で設定されたいずれかのエリア枠内の位置と一致する場合に、人物がタッチされたと判定する。
【0044】
ステップS105は、1人の人物がタッチ及びドラッグされたか否かを判定する処理である。判定部16は、タッチパネル17を介して、いずれか1人の人物がタッチ及びドラッグされたか否かを判定する。1人の人物がタッチ及びドラッグされた場合(ステップS105の判定がYESとなる場合)には、ステップS106に進む。一方、1人の人物がタッチ及びドラッグされていない場合(ステップS105の判定がNOとなる場合)には、ステップS107に進む。
【0045】
ステップS106は、被写体全員に露出補正、階調補正を行う処理である。まず、制御部7は、ドラッグされた方向及び回数に応じて、被写体全員の美肌処理のレベルを変更する。そして、画像処理部6及び表示部8は、ステップS103と同様の処理を行う。その後、後述するステップS116に進む。
【0046】
次に、グループ化について説明する。美肌処理のレベルの変更を複数の人物に適用する場合、ユーザは、タッチパネル17を介して、グループ化したい人物を続けてタッチする。例えば、ユーザは、図3において、女性A、女性Bの二人をグループ化したい場合には、女性A、女性Bを続けてタッチする。
【0047】
ステップS107は、異なる人物が続けてタッチされたか否かを判定する処理である。判定部16は、タッチパネル17を介して、異なる人物が続けてタッチされたか否かを判定する。異なる人物が続けてタッチされた場合(ステップS107の判定がYESとなる場合)には、ステップS108に進む。一方、異なる人物が続けてタッチされていない場合(ステップS107の判定がNOとなる場合)には、後述するステップS112に進む。
【0048】
ステップS108は、グループ化する処理である。制御部7は、ステップS107で続けてタッチされた人物をグループ化する。例えば、図3の女性Aと女性Bとをグループ化する。
【0049】
ステップS109は、エリア枠の線の種類を変更する処理である。制御部7は、ステップS108でグループ化された人物を示すエリア枠の線の種類を変更する。これにより、グループ化されたことをユーザに示すことができる。例えば、図3の例では、エリア枠21及びエリア枠22の線の種類を変更する。
【0050】
ステップS110は、グループ化された人物がドラッグされたか否かを判定する処理である。判定部16は、タッチパネル17を介して、ステップS108でグループ化された人物がドラッグされたか否かを判定する。グループ化された人物がドラッグされた場合(ステップS110の判定がYESとなる場合)には、ステップS111に進む。一方、グループ化された人物がドラッグされていない場合(ステップS110の判定がNOとなる場合)には、ステップS107に戻り、異なる人物に続けてタッチされたか否かを判定する。
【0051】
ステップS111は、同一グループ全員に露出補正、階調補正を行う処理である。まず、制御部7は、ドラッグされた方向及び回数に応じて、ステップS110でドラッグされた人物と同一グループ全員の美肌処理のレベルを変更する。そして、画像処理部6及び表示部8は、ステップS103と同様の処理を行う。
【0052】
次に、グループ化しない場合ついて説明する。美肌処理のレベルの変更を1人の人物に適用する場合、ユーザは、タッチパネル17を介して、その人物を続けてタッチする。
【0053】
ステップS112は、同一人物が続けてタッチされたか否かを判定する処理である。判定部16は、タッチパネル17を介して、同一人物が続けてタッチされたか否かを判定する。同一人物が続けてタッチされた場合(ステップS112の判定がYESとなる場合)には、ステップS113に進む。一方、同一人物が続けてタッチされていない場合(ステップS112の判定がNOとなる場合)には、ステップS105に戻り、1人の人物がタッチ及びドラッグされたか否かを判定する。
【0054】
ステップS113は、エリア枠の線の種類を変更する処理である。制御部7は、ステップS112でタッチされた人物を示すエリア枠の線の種類を変更する。
【0055】
ステップS114は、タッチされた人物がドラッグされたか否かを判定する処理である。判定部16は、タッチパネル17を介して、ステップS112でタッチされた人物がドラッグされたか否かを判定する。タッチされた人物がドラッグされた場合(ステップS114の判定がYESとなる場合)には、ステップS115に進む。一方、タッチされた人物がドラッグされていない場合(ステップS114の判定がNOとなる場合)には、ステップS107に戻り、異なる人物に続けてタッチされたか否かを判定する。
【0056】
ステップS115は、タッチされた人物に露出補正、階調補正を行う処理である。まず、制御部7は、ドラッグされた方向及び回数に応じて、タッチされた人物のレベルを変更する。そして、画像処理部6及び表示部8は、ステップS103と同様の処理を行う。
【0057】
ステップS116は、美肌処理のレベルを表示する処理である。制御部7は、エリア枠の色を、変更後のレベルに対応する色に変更する。また、制御部7は、美肌処理のレベルをエリア枠の近くに表示する。なお、複数の人物が同一のレベルである場合には、いずれか一人のエリア枠の近くにレベルを表示しても良い。図3の例では、エリア枠21の近くに、レベル5を示す星印32を表示している。
【0058】
ステップS117は、レリーズ釦18が全押しされたか否かを判定する処理である。レリーズ釦18が全押しされた場合(ステップS117の判定がYESとなる場合)には、ステップS118に進む。一方、レリーズ釦18が全押しされていない場合(ステップS117の判定がNOとなる場合)には、ステップS107に戻り、異なる人物が続けてタッチされたか否かを判定する。すなわち、ユーザは、レリーズ釦18を全押しするまでグループを作成し、美肌処理のレベルを変更できる。図3の例では、女性Cと男性Dとを同一のグループとし、美肌処理のレベルを2に設定している。
【0059】
ステップS118は、本画像を取得する処理である。制御部7は、各部を制御して、本画像を取得する。
【0060】
ステップS119は、美肌処理を行う処理である。画像処理部6は、ステップS116で表示されたレベルに応じて、本画像に美肌処理を行う。図3の例では、画像処理部6は、エリア枠21内の領域、及びエリア枠22内の領域にレベル5の美肌処理を行う。また、画像処理部6は、エリア枠23内の領域、及びエリア枠24内の領域にレベル2の美肌処理を行う。さらに、画像処理部6は、エリア枠25内の領域にレベル1の美肌処理を行う。これにより、ユーザが所望するレベルでグループ毎に美肌処理を行うことができる。
【0061】
ステップS120は、美肌処理の設定、及び本画像を記録する処理である。制御部7は、人物の構成と、ステップS119における美肌処理のレベルとを関連付けたものを美肌処理の設定としてメモリ10に記録する。また、制御部7は、美肌処理後の本画像を記録媒体12に記録する。なお、制御部7は、本画像のExif情報(付帯情報)に、美肌処理の設定を記録しても良い。このような情報を記録することにより、ユーザは、どのような美肌処理が行われたのかを、本画像の再生時に確認することができる。なお、美肌処理の設定を、付帯情報として記録する代わりに、本画像と対応付けた別のファイルとして記録しても良い。
【0062】
制御部7は、次回の撮像時に同じような構図となる場合、この設定ファイルを「以前使った設定」アイコンとしてスルー画像に重ねて表示しても良い。そして、制御部7は、タッチパネル17を介して、このアイコンがタッチされると、画像処理部6を制御して、美肌処理を適用する。なお、もう一度アイコンをタッチすることにより、この適用は解除される。これにより、同じような構成の人物を撮像する場合、再度設定する必要がなくなるため、ユーザにとって使い勝手の良いカメラとなる。
【0063】
次に、オート美肌処理モードについて説明する。図4は、デジタルカメラ1におけるオート美肌処理モードによる撮像時の動作を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、オート美肌処理モードが設定され、スルー画像の取得を開始したときに実行される。図5は、スルー画像の例を示す図である。以下、図5に示すように、女性3人(A、B、C)、男性1人(D)、子供1人(E)を撮像するシーンを例に挙げて説明する。
【0064】
ステップS201は、顔領域を検出する処理である。顔検出部14は、スルー画像を取得する毎に、スルー画像から顔領域を検出する。
【0065】
ステップS202は、グループ化する処理である。分類部15は、ステップS201で検出された顔領域から年代、性別等を判別し、グループ化する。例えば、図5の例では、女性A、女性B、女性Cが全員30代である場合、女性A、女性B、女性Cのグループ、男性Dのグループ、子供Eのグループの3つのグループに分類される。
【0066】
ステップS203は、グループ毎に露出補正、階調補正を行う処理である。まず、制御部7は、ステップS202でグループ化されたグループ毎に美肌処理のレベルを設定する。なお、美肌処理のレベルは、年代、性別などを考慮して、予め設定されている。例えば、男性、子供の場合はレベル1、20代女性の場合はレベル2、30代女性の場合はレベル3、40代女性の場合はレベル4とする。画像処理部6は、被写体全員のエリア枠内の領域に対して、設定されたレベルと同等の出来映えとなる露出補正、階調補正を行う。そして、表示部8は、露出補正、階調補正後のスルー画像を表示する。これにより、男性や子供に高レベルの美肌処理を行うと、不自然な画像になるおそれがあるが、そのおそれがなくなる。
【0067】
ステップS204は、エリア枠を表示する処理である。まず、制御部7は、ステップS201で検出された顔領域の大きさ、位置情報、美肌処理のレベルに応じて、エリア枠を設定する。そして、制御部7は、顔領域の輪郭に合うように、エリア枠をスルー画像に重ねて表示する。また、制御部7は、図5に示すように、グループ化の解除を受け付けるグループ化解除釦31をスルー画像に重ねて表示する。
【0068】
次に、ステップS203における美肌処理のレベルが適正でないとユーザが判断し、美肌処理のレベルを変更する場合について説明する。
【0069】
ステップS205は、画面がタッチ及びドラッグされたか否かを判定する処理である。判定部16は、タッチパネル17を介して、人物を除く領域、つまりスルー画像のうち、エリア枠内の領域を除く領域がタッチ及びドラッグされたか否かを判定する。人物を除く領域がタッチ及びドラッグされた場合(ステップS205の判定がYESとなる場合)には、ステップS206に進む。一方、人物を除く領域がタッチ及びドラッグされていない場合(ステップS205の判定がNOとなる場合)には、ステップS207に進む。
【0070】
ステップS206は、被写体全員に露出補正、階調補正を行う処理である。まず、制御部7は、ドラッグされた方向及び回数に応じて、被写体全員の美肌処理のレベルを変更する。そして、画像処理部6及び表示部8は、ステップS203と同様の処理を行う。その後、後述するステップS213に進む。
【0071】
ステップS207は、1人の人物がタッチ及びドラッグされたか否かを判定する処理である。判定部16は、タッチパネル17を介して、いずれか1人の人物がタッチ及びドラッグされたか否かを判定する。1人の人物がタッチ及びドラッグされた場合(ステップS207の判定がYESとなる場合)には、ステップS208に進む。一方、1人の人物がタッチ及びドラッグされていない場合(ステップS207の判定がNOとなる場合)には、ステップS209に進む。
【0072】
ステップS208は、同一グループ全員に露出補正、階調補正を行う処理である。まず、制御部7は、ドラッグされた方向及び回数に応じて、ステップS207でドラッグされた人物と同一グループ全員の美肌処理のレベルを変更する。そして、画像処理部6及び表示部8は、ステップS203と同様の処理を行う。その後、後述するステップS213に進む。
【0073】
ステップS209は、グループ化解除釦31がタッチされたか否かを判定する処理である。制御部7は、タッチパネル17を介して、グループ化解除釦31がタッチされたか否かを判定する。グループ化解除釦31がタッチされた場合(ステップS209の判定がYESとなる場合)には、ステップS210に進む。一方、グループ化解除釦31がタッチされていない場合(ステップS209の判定がNOとなる場合)には、後述するステップS213に進む。
【0074】
ステップS210は、グループ化を解除する処理である。
【0075】
ステップS211は、1人の人物がタッチ及びドラッグされたか否かを判定する処理である。判定部16は、タッチパネル17を介して、いずれか1人の人物がタッチ及びドラッグされたか否かを判定する。1人の人物がタッチ及びドラッグされた場合(ステップS211の処理がYESとなる場合)には、ステップS212に進む。一方、1人の人物がタッチ及びドラッグされていない場合(ステップS211の処理がNOとなる場合)には、後述するステップS213に進む。
【0076】
ステップS212は、タッチされた人物に露出補正、階調補正を行う処理である。まず、制御部7は、ドラッグされた方向及び回数に応じて、タッチされた人物のレベルを変更する。そして、画像処理部6及び表示部8は、ステップS203と同様の処理を行う。
【0077】
ステップS213からステップS217までは、図2のフローチャートのステップS116からステップS120までと同様の処理を行う。なお、ステップS217において、制御部7は、人物の年齢、性別といった特徴と、美肌処理のレベルとを関連付けたものを美肌処理の設定として記録する。
【0078】
なお、第1実施形態において、画像処理部6は、前後して取得されたスルー画像を比較し、新たな顔領域が検出された場合には、その顔に対してレベル1の美肌処理を行っても良い。
【0079】
以上説明したように、第1実施形態のデジタルカメラ1は、美肌処理のレベルに応じたスルー画像を表示部8に表示する。また、タッチパネル17を介して、人物の特定及び美肌処理のレベルの変更を受け付ける。そのため、第1実施形態のデジタルカメラ1によれば、ユーザは、美肌処理された人物をスルー画像でリアルタイムに視認することができる。また、ユーザは、タッチパネル17にタッチし、ドラッグするだけで簡単に美肌処理のレベルを変更することができる。したがって、第1実施形態のデジタルカメラ1によれば、本撮像前に画像処理の効果を確認しながら、容易な操作で好ましい画像を得ることができる。
【0080】
また、複数の人物を撮像するシーンにおいて、マニュアル美肌モードでは、タッチパネル17を介して、美肌処理を適用したい人物を特定し、グループ化する。そして、画像処理部6は、同じグループに分類された人物に同一レベルの美肌処理を行う。そのため、操作手順を簡略化し、処理効率を上げることができる。また、この操作を自動化するオート美肌モードでは、ユーザは、レリーズ釦18を操作するのみで良い。したがって、デジタルカメラ1によれば、複数の人数を撮像するシーンにおいて、適切なレベルでグループ毎に美肌処理を行うため、好ましい画像を得ることができる。
【0081】
また、上述したように操作性が良くなることから、美肌処理の対象は女性に限らず、人物を撮像する際の新たなモードとして普及することが期待される。
【0082】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、撮像時に本画像に対して美肌処理を行う例を示した。第2実施形態では再生時に記録媒体12に記録された画像に対して美肌処理を行う例を示す。ここで、以下の実施形態におけるデジタルカメラの構成は、図1に示す第1実施形態のデジタルカメラ1と共通するので重複説明は省略する。
【0083】
第2実施形態において、制御部7は、再生時に、オート美肌処理釦及びマニュアル美肌処理釦を、美肌処理の対象となる画像に重ねて表示する。なお、制御部7は、オート美肌処理釦又はマニュアル美肌処理釦が表示されている位置と、タッチパネル17がタッチされた位置とが一致する場合に、いずれかの釦がタッチされたと判定する。オート美肌処理釦がタッチされた場合には、図2のフローチャートのステップS101からステップS116、ステップS119と同様の処理を行う。マニュアル美肌処理釦がタッチされた場合には、図4のフローチャートのステップS201からステップS213、ステップS216と同様の処理を行う。
【0084】
第2実施形態のデジタルカメラ1によれば、第1実施形態と同様の処理を実施することができ、再生時に画像処理の効果を確認しながら、容易な操作で好ましい画像を得ることができる。また、第2実施形態のデジタルカメラ1によれば、撮像時に所望の画像が得られなくても、再生時に美肌処理のレベルを変更することができる。
【0085】
(実施形態の補足)
第1実施形態では、本画像に美肌処理を行った後に、記録媒体12に記録する例を示したが、これに限らない。例えば、本画像に対して、スルー画像と同様の露出補正、階調補正を行い、記録媒体12に記録する。そして、第2実施形態に示すように、再生時に美肌処理を行う。これにより、美肌処理に要する時間を短縮し、本画像を取得する間隔を短くすることができる。したがって、シャッターチャンスを逃すおそれを減らすことができる。
【0086】
また、本画像に美肌処理を行った後に、ビュー画像を表示部8に表示しても良い。また、このとき、数秒間だけエリア枠をビュー画像に重ねて表示し、その後エリア枠を消しても良い。これにより、ユーザは、最終的なグループ及び美肌処理のレベルを確認することができる。なお、この場合、撮像時の画像にスルー画像と同様の露出補正、階調補正を行い、ビュー画像を生成しても良いし、撮像時の画像に美肌処理を行い、ビュー画像を生成しても良い。
【0087】
第1実施形態及び第2実施形態では、タッチパネル17を用いて、人物の特定、美肌処理のレベルの変更を行う例を示したが、これに限らない。例えば、十字キー19や、不図示のロータリーマルチセレクタ等を用いても良い。また、デジタルカメラ1にグループ化専用の釦を用意しても良い。
【0088】
第1実施形態のステップS103において、レベル1の美肌処理と同等の出来映えとなる露出補正、階調補正を行う例を示したが、これに限らない。例えば、美肌処理のレベルをユーザカスタムで変更できるようにしても良い。また、ステップS203において、予め設定されている美肌処理のレベルについても、ユーザカスタムで変更できるようにしても良い。また、子供であると判定された顔領域に対して美肌処理を行わなくても良い。また、第2実施形態についても同様にしても良い。
【0089】
第1実施形態及び第2実施形態では、タッチパネル17がドラッグされた回数に応じて、美肌処理のレベルを変更する例を示したが、これに限らない。例えば、美肌処理を行いたくない人物に対して、美肌処理の設定をOFFにできるようにしても良い。また、大きくレベルを変更したい場合、ドラッグ幅を大きく変更する。例えば、上に大きくドラッグした場合、美肌処理のレベルをレベル1からレベル5に変更しても良い。また、レベルが最低(レベル1)に設定されている場合には、ドラッグすることなく、タッチするだけで、レベルを上げるようにしても良い。同様に、レベルが最高(レベル5)に設定されている場合には、タッチするだけで、レベルを下げるようにしても良い。また、ドラッグされた回数ではなく、タッチされた回数に応じて、美肌処理のレベルを変更しても良い。
【0090】
第1実施形態及び第2実施形態では、美肌処理のレベルを数値で表示したが、これに限らない。例えば、レベルを示すバーを表示しても良い。この場合、レベルが一目でわかりやすくなる。
【0091】
第1実施形態及び第2実施形態では、エリア枠及び美肌処理のレベルをスルー画像に重ねて表示したが、これに限らない。例えば、カスタマイズで表示、非表示を選択できるようにしても良い。また、エリア枠内の領域をタッチするなど、ある特定の操作によりそのグループとレベルが表示されるようにしても良い。
【0092】
第1実施形態及び第2実施形態では、美肌処理のレベル毎にエリア枠の色を変更する例を示したが、これに限らない。例えば、エリア枠の線や形状を変えても良い。
【0093】
第1実施形態及び第2実施形態において、人物の目の部分がタッチされた場合、タッチされた回数に応じて、瞳の輝きを増やしても良い。例えば、画像処理部6は、瞳の中にライトのように光る白い輝きを入れる。なお、輝きの形状は、丸形でも良いし、星形等でも良い。さらに、瞳の色を変更しても良い。また、タッチされた回数に応じて目の大きさを大きくしても良い。このとき、人物の年代を加味し、若い年代ほど1回のタッチよって、目を大きくする度合いを高くしても良い。
【0094】
第1実施形態及び第2実施形態では、デジタルカメラの例を示したが、これに限らない。例えば、パソコン上で動作可能なアプリケーションソフトに、第1実施形態及び第2実施形態におけるグループ化する手順、美肌処理を行う手順に示す機能を備えることも可能である。
【符号の説明】
【0095】
1…デジタルカメラ、3…撮像素子、6…画像処理部、7…制御部、8…表示部、14…顔検出部、15…分類部、16…判定部、17…タッチパネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0096】
【特許文献1】特開2004−246456号公報
【非特許文献】
【0097】
【非特許文献1】カシオ計算機株式会社 EXILIM ZOOM EX−Z300取扱説明書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り込まれるスルー画像から顔の領域を検出する顔検出部と、
異なる複数の調整レベルのうち、いずれか1つの調整レベルが画像処理における調整レベルとして設定され、前記顔検出部により検出された顔の領域に対して、設定された調整レベルに基づいた画像処理を施す画像処理部と、
前記画像処理に関する指示操作を受け付ける操作部と、
前記操作部により受け付けた指示操作が前記調整レベルの変更に関する指示操作の場合に、前記画像処理として設定される調整レベルを変更する制御部と、
前記制御部により変更した前記調整レベルに基づく画像処理が施されたスルー画像を表示する表示部と
を備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記画像処理部は、前記画像処理として、露出補正と階調補正との少なくとも一方を前記スルー画像に施すことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
本画像を取得する撮像部をさらに備え、
前記画像処理部は、前記制御部により変更した前記調整レベルに基づいて、色調補正と、コントラスト補正と、明るさ補正と、前記顔の領域における特徴部分の調整との少なくとも一つを含む美肌処理を前記本画像に施すことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のデジタルカメラにおいて、
前記操作部は、前記表示部の全面に配置され、接触位置及び該接触位置の移動方向を検出可能なタッチパネルから構成されるとともに、
前記制御部は、前記タッチパネルから検出された接触位置が前記顔検出部により検出された顔の領域と一致するか否かを判定し、該接触位置の移動方向を検出することで、前記画像処理における前記調整レベルを変更することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のデジタルカメラにおいて、
前記顔検出部により検出された複数の顔の領域をグループに分類する分類部をさらに備え、
前記画像処理部は、前記分類部により同一のグループに分類された顔の領域に対して、同一の調整レベルに基づいた画像処理を一括して施すことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項6】
請求項5に記載のデジタルカメラにおいて、
前記分類部は、性別、年代、人種の少なくともいずれか一つを推定し、推定した結果に基づいて分類することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項7】
請求項6に記載のデジタルカメラにおいて、
前記画像処理部は、所定の年代以下であると推定されたグループに、前記画像処理を施さないか或いは最も低い調整レベルの前記画像処理を施すことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のデジタルカメラにおいて、
前記表示部は、前記顔検出部により検出された顔の領域を示すエリア枠を前記スルー画像とともに重畳表示することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項9】
請求項8に記載のデジタルカメラにおいて、
前記エリア枠は、前記調整レベルに応じた色にて表示される、或いは該調整レベルを示す表示とともに表示されることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載のデジタルカメラにおいて、
前記画像処理部は、前記表示部に表示される複数の前記エリア枠のうち、前記操作部により選択操作されたエリア枠に該当する顔の領域に対して、同一の調整レベルに基づいた画像処理を一括して施すことを特徴とするデジタルカメラ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−199720(P2010−199720A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39522(P2009−39522)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】