説明

デジタルフォトフレーム

【課題】 直感的な操作で表示画像の調整が可能なデジタルフォトフレームを提供する。
【解決手段】 表示部6が配置される装置本体4に設けられた少なくとも1つのセンサ40と、センサ40の検出結果に基づいて、表示部6に表示される画像60の表示状態を調整する表示調整手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルフォトフレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
観賞用画像を電気的に表示する表示部を備えたデジタルフォトフレームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−67004号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、デジタルフォトフレームにおいては、画像が記憶されているメモリカードをそのまま挿入して任意の画像を選択して表示させることが可能であるが、構図の調整などを容易に行うことができなかった。
【0004】
本発明の目的は、直感的な操作で表示画像の調整が可能なデジタルフォトフレームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のデジタルフォトフレームは、表示部が配置される装置本体に設けられた少なくとも1つのセンサと、前記センサの検出結果に基づいて、前記表示部に表示される画像の表示状態を調整する表示調整手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明のデジタルフォトフレームは、リモコンにより遠隔操作を行うデジタルフォトフレームであって、前記リモコンは、該リモコンの筐体の周縁部に対するタップ動作を検出するセンサと、前記センサによる検出結果を前記デジタルフォトフレームに送信する送信部とを備え、前記デジタルフォトフレームは、前記検出結果を受信する受信部と、前記検出結果に基づいて表示部における画像の表示状態を調整する表示調整手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のデジタルフォトフレームによれば、直感的な操作で表示画像の調整を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るデジタルフォトフレーム(以下、DPFという。)について説明する。なお、一般に、DPFとしては机等の上に立て掛けて設置するものや、壁に掛けて設置するもの等が存在するが、本発明の実施の形態としては、机等に立て掛けて設置するもの(電子写真立て)を例にして説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るDPFの外観を示す斜視図である。DPF2は、ガラスやプラスチック等からなる装置本体4を備え、装置本体4の前面4aには、観賞用の画像や時刻等の情報が電気的に表示される表示部としてのLCDパネル6が設けられている。また、前面4aには、音楽や音声が出力されるスピーカ8及びDPF2の操作用リモコン70(図16参照)から出力される赤外線を検出する赤外線検出部10が設けられている。また、装置本体4の上面4bには、DPF2の電源のオン/オフ状態を切り替える電源スイッチ12及びDPF2の機能設定やLCDパネル6の表示設定の際に使用する操作キー14が設けられている。また、装置本体4の一方の側面である側面4cには、画像や音楽等のデータが記憶されたメモリカードが挿入されるメモリカードスロット16、USB機器が接続されるUSBポート18及びイーサネット(登録商標)規格等のネットワークケーブルが接続されるネットワーク端子20が設けられている。なお、メモリカードスロット16、USBポート18及びネットワーク端子20は、装置本体4の側面4cに対向する側面である側面4dに設けてもよい。
【0009】
図2は、この実施の形態に係るDPFの内部の構成を示す模式図である。DPF2の装置本体4内の略中央部には、図中の矢印で示すx軸及びy軸方向の加速度を検出する加速度センサ40が設けられている。加速度センサ40は、DPF2の使用者によって装置本体4の上面4b、側面4c、4dまたは底面4eの何れかの面がタップされたときの回数や強度を検出する。即ち、例えば上面4bがタップされた場合には、−y方向の加速度及びその強さを検出する。同様に、側面4c、4d及び底面4eがタップされた場合には、それぞれ−x、+x及び+y方向の加速度及びその強さを検出する。
【0010】
図3は、この実施の形態に係るDPFのシステム構成を示すブロック図である。DPF2の各部を統括的に制御するCPU30には、上述の赤外線検出部10、電源スイッチ12、操作キー14、メモリカードスロット16、USBポート18及びネットワーク端子20が接続されている。また、CPU30には、DPF2の機能の設定や、画像や音楽等のデータが記憶される内部メモリ32、LCDパネル6に表示される画像や情報等の表示制御を行なう表示制御部34、スピーカ8から出力される音楽や音声の再生制御を行なう再生制御部36、タップ動作を検出し検出結果をCPU30に対して出力する上述の加速度センサ40が接続されている。
【0011】
図4は、この実施の形態に係るDPFにおいて、表示されている画像の表示状態の調整が行われているときの状態を示す図である。なお、表示状態の調整を行う場合には、装置本体4に設けられている操作キー14を用いて、表示されている画像の調整を可能とするモードを選択する。図4(a)に示すように、装置本体4のLCDパネル6には、メモリカードスロット16に挿入されたメモリカードや内部メモリ32に記憶されている元画像62(図5参照)の一部が拡大或いは縮小表示された画像60が表示されている。図4(b)に示すように、DPF2の使用者が、装置本体4の側面4cの中央部近傍を図中の矢印の方向に1回タップすると、装置本体4の内部に設けられた加速度センサ40によって当該タップ動作が検出される。即ち、加速度センサ40は、図中に示す−x方向(図中の矢印方向)の加速度及びその強さを検出し、検出結果をCPU30に対して出力する。
【0012】
CPU30は、入力された検出結果に基づいて、装置本体4の側面4cがタップされたと判定し、図4(a)に示すように、LCDパネル6に表示されている画像60が、あたかもタップ方向(図中の矢印方向)に所定量だけ移動したように表示制御部34を介して表示状態を変化させる。ここで、図5を用いてLCDパネル6における表示状態の変化を説明する。図5は、表示制御部34によって行われる画像表示処理を示す図である。図5(a)に示すように、タップ動作が行われる前には、元画像62の領域64内の部分がLCDパネル6に表示されている。CPU30によって装置本体4の側面4cがタップされたと判定されると、表示制御部34は、図5(b)に示すように、領域64を所定量dだけ図中の矢印の方向、即ちタップ方向の逆方向に移動させ、移動させた領域64a内の部分をLCDパネル6に表示させる。このような画像表示処理が行われると、LCDパネル6においては、表示されている画像60の表示状態が、あたかもタップ動作によってタップ方向に移動したように変化する。
【0013】
なお、図5(a)に示す領域64内の部分がLCDパネル6において表示されているときに、DPF2の使用者によって装置本体4の側面4dがタップされた場合には、表示制御部34は、領域64をタップ方向の逆の方向、即ち図5(a)における左方向に所定量だけ移動させる。同様に、表示制御部34は、装置本体4の上面4bがタップされた場合には上方向に、底面4eがタップされた場合には下方向に領域64を移動させる。このような画像表示処理が行われることで、LCDパネル6に表示されている画像60の表示状態を、あたかもタップ動作によってタップ方向に移動したように変化させることができる。
【0014】
なお、DPF2の使用者によるタップ動作が1回検出(判定)される毎に元画像62上において領域64を所定量d(一定量)だけ移動させてもよいし、タップ強度に応じて移動量を変化させてもよい。所定量dが常に一定である場合は、DPF2の使用者は、元画像62における所望の画像領域がLCDパネル6において表示されるまで、装置本体4の上面、両側面及び底面を複数回タップすればよい。また、移動量がタップ強度に応じて変化する場合、即ちタップ強度が大きくなるに連れて移動量も大きくなる場合には、DPF2の使用者は、タップ強度を調節することにより、LCDパネル6に表示される画像領域の調整をより精密に行うことができる。なお、例えば同一方向へのタップが連続して実行されることによって、元画像62上を移動した領域64が元画像62の端部に達した場合には、更なる同一方向のタップに基づいて、領域64がそれ以上移動することはない。このような場合には、これ以上領域を移動させることができないことを使用者に通知するために、LCDパネル6にメッセージを表示したり、スピーカ8から通知音を発生させたりするのが好ましい。
【0015】
この第1の実施の形態に係るDPFによれば、DPFの使用者によるタップ動作の位置、方向及び強さが検出され、当該検出結果に基づいてDPFに表示されている画像の表示状態が変更される。従って、DPFの使用者は、直感的な操作によって表示画像の調整を行うことができる。
【0016】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るDPFについて説明する。なお、第2の実施の形態に係るDPF102は、装置本体の内部に4つの加速度センサが設けられている点で第1の実施の形態に係るDPF2とは異なるが、この点以外は、第1の実施の形態に係るDPF2と同一の構成を備えている。従って、第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態に係るDPF2と同一の構成については説明を省略する。また、この第2の実施の形態に係るDPF102の説明においては、第1の実施の形態に係るDPF2と同一の構成には第1の実施の形態で用いた符号と同一の符号を付して説明を行なう。
【0017】
図6は、この実施の形態に係るDPF102の内部の構成を示す模式図である。DPF102の装置本体4内の4つの隅部の近傍には、それぞれ加速度センサ400,402,404,406が設けられている。加速度センサ400は、図中の矢印で示すx軸及びy軸方向の加速度を検出し、検出結果をDPF102が備えるCPU30に対して送信する。また、他の加速度センサ402〜406も同様に直交する2軸の加速度を検出し、検出結果をCPU30に対して送信する。
【0018】
図7は、この実施の形態に係るDPFにおいて、表示されている画像の表示状態の調整が行われているときの状態を示す図である。図7に示すように、DPF102の使用者によって、装置本体4の側面4cの中央部近傍が図中の矢印の方向にタップされた場合には、装置本体4の内部に設けられた加速度センサ400〜406のそれぞれは、−x方向に略同等の強さの加速度を検出する。加速度センサ400〜406のそれぞれから検出結果を受信したCPU30は、当該受信結果に基づいて、装置本体4の側面4cの略中央部がタップされたと判定する。このように判定したCPU30は、上述の第1の実施の形態に係るDPF2において行われた処理と同様に、表示制御部34を介して、LCDパネル6に表示されている画像60があたかもタップ方向へ移動したように表示状態を変化させる。
【0019】
次に、図8を用いて、この実施の形態に係るDPFにおいて、表示されている画像の表示状態の調整が行われているときの他の状態を説明する。図8に示すように、DPF102の使用者が、装置本体4の側面4cの上部を図中の矢印の方向にタップすると、加速度センサ400〜406によって−x方向の加速度が検出される。ここで、装置本体4内の上隅部近傍に設けられている加速度センサ400,402によって検出される加速度は、装置本体4内の下隅部近傍に設けられている加速度センサ404及び406によって検出される加速度よりも大きくなる。従って、加速度センサ400〜406から検出結果を受信したCPU30は、加速度センサ400,402による検出結果と加速度センサ404,406による検出結果との差に基づいて、使用者によって装置本体4の側面4cの上部がタップされたと判定する。このように判定したCPU30は、表示制御部34を介して、LCDパネル6に表示されている画像60が、あたかも反時計回りに(図中の矢印方向)に回転したように表示状態を変化させる。ここで、図9を用いてLCDパネル6における表示状態の変化を説明する。図9は、表示制御部34によって行われる画像表示処理を示す図である。図9(a)に示すように、タップ動作が行われる前には、元画像62の領域64内の部分がLCDパネル6に表示されている。CPU30によって装置本体4の側面4cの上部がタップされたと判定されると、表示制御部34は、図9(b)に示すように、領域64を所定角度だけ図中の矢印の方向に回転させる。そして、このように回転した領域64b内の部分がLCDパネル6に表示される。このような画像表示処理が行われると、LCDパネル6においては、表示されている画像60の表示状態が、あたかもタップ動作によってタップ方向に回転したように変化する。
【0020】
なお、DPF2の使用者によって装置本体4の側面4cの下方がタップされた場合には、加速度センサ404及び406によって検出される加速度は、加速度センサ400,402によって検出される加速度よりも大きくなる。このような場合には、CPU30は、加速度センサ404,406による検出結果と加速度センサ400,402による検出結果との差に基づいて、使用者によって装置本体4の側面4cの下部がタップされたと判定し、表示制御部34を介して、図9(b)に示される処理とは逆の処理、即ち領域64を反時計回りに回転させるような画像表示処理を実行する。従って、LCDパネル6に表示されている画像60は、あたかも時計回りに回転したように表示状態が変化される。
【0021】
また、このようにしてCPU30によって加速度センサ400〜406による加速度の検出結果と画像調整との相関関係が考慮されることにより、装置本体4の上面4bの左端部近傍、側面4dの下端部近傍及び底面4eの右端部近傍がタップされた場合には、LCDパネル6に表示されている画像60は、あたかも反時計回りに回転したように表示状態が変化される。また、上面4bの右端部近傍、側面4dの上端部近傍及び底面4eの左端部近傍がタップされた場合には、LCDパネル6に表示されている画像60は、あたかも時計回りに回転したように表示状態が変化される。
【0022】
なお、1回のタップ操作に基づく領域64の回転量は、上述の移動量と同様に、常に一定でもよいし、タップ強度に応じて変化してもよい。また、例えば同一方向への回転を指示するタップが連続して実行されることによって、元画像62上を回転した領域64の端部(角部)が元画像62の端部に達した場合には、領域64が当該方向へそれ以上回転しないようにしてもよいし、領域64が元画像62内に収まるように領域64を縮小させながら回転させてもよい。領域64が当該方向へそれ以上回転しないようにする場合には、これ以上領域を回転させることができないことを使用者に通知するために、LCDパネル6にメッセージを表示したり、スピーカ8から通知音を発生させたりするのが好ましい。また、領域64が元画像62内に収まるように領域64を縮小させながら回転させる場合には、LCDパネル6に表示される画像は拡大されながら回転表示される。
【0023】
また、所定の強さ以上のタップ動作が検出された場合には、表示制御部34は、画像60に対して、例えば一度に90度回転させるような表示処理を行ってもよい。また、画像60の回転の中心は、通常は画像60、即ち元画像62における領域64の中心であるが、元画像62の中心や元画像62におけるAF測距を行った位置であってもよい。
【0024】
この第2の実施の形態に係るDPFによれば、DPFの使用者によるタップ動作の位置、方向及び強さが検出され、当該検出結果に基づいてDPFに表示されている画像の表示状態が変更される。従って、DPFの使用者は、直感的な操作によって表示画像の調整を行うことができる。
【0025】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るDPFについて説明する。なお、第3の実施の形態に係るDPF202は、第2の実施の形態に係るDPF102が備える4つの加速度センサに替えて、装置本体の上面、両側面及び底面のそれぞれにタッチセンサが設けられている点で第2の実施の形態に係るDPF102とは異なるが、この点以外は、第2の実施の形態に係るDPF102と同一の構成を備えている。従って、第3の実施の形態の説明においては、第2の実施の形態に係るDPF102と同一の構成については説明を省略する。また、この第3の実施の形態に係るDPF202の説明においては、第2の実施の形態に係るDPF102と同一の構成には第2の実施の形態で用いた符号と同一の符号を付して説明を行なう。
【0026】
図10は、この実施の形態に係るDPF202が備えるタッチセンサの位置を示す模式図である。DPF202の装置本体4の上面4b、側面4c,4d及び底面4eには、それぞれタッチセンサ410,412,414,416が設けられている。タッチセンサ410〜416は、DPF202の使用者によるタッチ動作の位置、時間、強度を検出し、検出結果をDPF202が備えるCPU30に対して出力する。なお、上面4bに設けられた電源スイッチ12等、及び側面4cに設けられたメモリカードスロット16等は、タッチセンサ410,412の設置位置を避けて設けてもよいし、装置本体の背面に設けてもよい。
【0027】
図11は、この実施の形態に係るDPFにおいて、表示されている画像の表示状態の調整が行われているときの状態を示す図である。図11(a)に示すように、DPF202の使用者によって、側面4cに設けられたタッチセンサ412の略中央部がタッチされると、タッチ動作の検出結果がCPU30に対して出力される。CPU30は、当該検出結果に基づいて側面4cの略中央部がタッチされたことを判定すると、上述の第1の実施の形態に係るDPFにおいて行われた処理と同様に、表示制御部34を介してLCDパネル6に表示されている画像60があたかもタッチ方向へ移動したように表示状態を変化させる。なお、LCDパネル6に表示されている画像60は、同様の処理が実行されることにより、タッチセンサ410の略中央部がタッチされた場合には下方向へ、タッチセンサ414の略中央部がタッチされた場合には右方向へ、タッチセンサ416の略中央部がタッチされた場合には上方向へ、それぞれ移動したように表示状態が変化される。
【0028】
一方、図11(b)に示すように、DPF202の使用者によって、タッチセンサ412の上端部近傍がタッチされた場合には、CPU30は、タッチセンサ412から送信された検出結果に基づいて、側面4cの上端部近傍がタッチされたことを判定する。このように判定したCPU30は、上述の第2の実施の形態に係るDPFにおいて行われた処理と同様に、LCDパネル6に表示されている画像60が、あたかも図11(b)における反時計回りに回転したように表示状態を変化させる。なお、LCDパネル6に表示されている画像60は、同様の処理が実行されることにより、タッチセンサ410の左端部近傍、タッチセンサ414の下端部近傍、タッチセンサ416の右端部近傍がタッチされた場合には反時計回りに、タッチセンサ410の右端部近傍、タッチセンサ412の下端部近傍、タッチセンサ414の上端部近傍、タッチセンサ416の左端部近傍がタッチされた場合には時計回りに、それぞれ回転したように表示状態が変化される。
【0029】
なお、1回のタッチ操作に基づく画像60の移動量及び回転量は、上述の実施の形態に係るDPFと同様に、常に一定でもよいし、タッチ強度に応じて変化してもよい。タッチセンサ410〜416がタッチ強度を検出できる場合には、検出されたタッチ強度に応じて移動または回転の量を決定してもよい。なお、図12に示すように、タッチセンサ410〜416と共に、装置本体4内にタッチ(タップ)強度を検出する加速度センサ50を設け、タッチセンサ410〜416によって検出されるタッチ位置と、加速度センサ50によって検出されるタッチ強度の双方に基づいて移動または回転の量を決定してもよい。
【0030】
また、タッチ操作に基づく画像60の移動量及び回転量は、タッチ時間に基づいて決定されてもよい。例えば連続して所定時間以上タッチされた場合に、画像の移動または回転が高速で行われるようにしてもよい。
【0031】
なお、例えば同一位置のタッチが連続して実行されることによって、元画像62上を移動した領域64が元画像62の端部に達した場合には、領域64が同一位置のタッチに基づいてそれ以上移動することはない。このような場合には、これ以上領域を移動させることができないことを使用者に通知するために、LCDパネル6にメッセージを表示したり、スピーカ8から通知音を発生させたりするのが好ましい。
【0032】
この第3の実施の形態に係るDPFによれば、DPFの使用者によるタッチ操作の位置、方向及び強さが検出され、当該検出結果に基づいてDPFに表示されている画像の表示状態が変更される。従って、DPFの使用者は、直感的な操作によって表示画像の調整を行うことができる。
【0033】
なお、この第3の実施の形態に係るDPF202においては、使用者が、タッチしながらタッチ位置を変化させることで、表示画像の移動処理が行われるようにしてもよい。即ち、例えばタッチセンサ412上において、タッチしながら指を上方へ移動させたときには表示画像が上方に移動し、下方へ移動させたときには表示画像が下方へ移動するようにしてもよい。同様に、上面4bに設けられているタッチセンサ410上において、タッチしながら指を左右に移動させたときに表示画像を左右に移動させるようにしてもよい。
【0034】
次に、本発明の第4の実施の形態に係るDPFについて説明する。なお、第4の実施の形態に係るDPF302は、上述の第1及び第2の実施の形態に係るDPFが備える加速度センサを、x軸及びy軸方向に限らず、装置本体4の前後方向であるz軸方向のタップ動作も検出することのできる加速度センサに替えたもの、或いは、上述の第1〜第3の実施の形態に係るDPFにz軸方向のタップ動作を検出できる加速度センサを追加的に設けたものである。
【0035】
図13は、この実施の形態に係るDPFにおいて、画像の表示状態の調整を行っているときの状態を示す図である。なお、図13に示すDPF302は、第2の実施の形態に係るDPF102が備える加速度センサ400,402,404,406を、それぞれ図中のz軸方向の加速度も検出できる加速度センサ420,422,424,426に替えたものである。図13に示すように、DPF302の使用者によって、装置本体4の前面4aが図中の矢印の方向にタップされると、加速度センサ420〜426が−z方向の加速度を検出し、検出結果をDPF302が備えるCPU30に出力する。当該検出結果に基づいて、装置本体4の前面4aがタップされたと判定したCPU30は、表示制御部34を介して、LCDパネル6に表示されている画像60を、あたかもLCDパネル6内において後退したように縮小表示させる。ここで、図14を用いてLCDパネル6における表示状態の変化を説明する。図14は、表示制御部34によって行われる画像表示処理を示す図である。タップ動作が行われる前には、元画像62の領域64内の部分がLCDパネル6に表示されている。CPU30によって装置本体4の前面4aがタップされたと判定されると、表示制御部34は、領域64を所定倍率だけ拡大させ、拡大した領域64c内の部分をLCDパネル6に表示させる。このような画像表示処理が行われると、LCDパネル6においては、表示されている画像60があたかもタップ動作によってタップ方向に後退したように縮小表示される。
【0036】
一方、DPF302の使用者によって、装置本体4の背面(図示せず)がタップされた場合には、加速度センサ420〜426が+z方向の加速度を検出し、CPU30が、当該検出結果に基づいて、LCDパネル6に表示されている画像60を、あたかもLCDパネル6内において前進したように拡大表示させる。即ち、図14に示すように、表示制御部34は、CPU30によって装置本体4の背面がタップされたと判定されると、タップ動作が行われる前の領域64から所定倍率だけ縮小された領域64d内の部分をLCDパネル6に表示させる。このような画像表示処理が行われると、LCDパネル6においては、表示されている画像60があたかもタップ動作によってタップ方向に前進したように拡大表示される。
【0037】
なお、所定の強さ以上のタップ動作が検出された場合には、表示制御部34は、画像60に対して、例えば一度に整数倍だけ拡大または縮小表示させるような表示処理を行ってもよい。また、画像60の拡大縮小の中心は、通常は画像60、即ち元画像62における領域64の中心であるが、元画像62の中心や元画像62におけるAF測距を行った位置であってもよい。
【0038】
この第4の実施の形態に係るDPFによれば、装置本体の前面に対するDPFの使用者によるタップ動作が検出され、当該検出結果に基づいてDPFに表示されている画像が拡大縮小される。従って、DPFの使用者は、直感的な操作によって表示画像の調整を行うことができる。
【0039】
なお、この第4の実施の形態に係るDPF302において、例えば装置本体4の前面4aの右端部近傍がタップされた場合には、加速度センサ420及び426によって検出される−z方向の加速度は、加速度センサ422,424によって検出される加速度よりも大きくなる。このような場合には、CPU30は、加速度センサ404,406による検出結果と加速度センサ400,402による検出結果との差に基づいて、装置本体4の前面4aの右端部近傍がタップされたと判定し、表示制御部34を介して、図15に示すように、あたかもLCDパネル6に表示されている画像が、LCDパネル6内において後方へ回転したように表示状態を変化させてもよい。
【0040】
次に、本発明の実施の形態に係るDPFの遠隔操作用リモコンについて説明する。図16は、本発明の実施の形態に係るDPF2,102,202,302(以下、DPF2等という。)の遠隔操作用リモコン70の構成を示す模式図である。リモコン70は、プラスチック等からなる筐体72を備え、筐体72の上面には、DPF2等に対する操作を指示する操作キー74が設けられており、筐体72の内部には操作キー74によって指示された操作をDPF2等に対して送信する赤外線出力部76が設けられている。また、筐体72内の4つの隅部の近傍には、加速度センサ470,472,474,476が設けられている。加速度センサ470は、図中の矢印で示すx軸及びy軸方向の加速度を検出し、検出結果を赤外線出力部76を介してDPF2等に対して送信する。また、他の加速度センサ472〜476も同様に、直交する2軸の加速度を検出し、検出結果を赤外線出力部76を介してDPF2等に対して送信する。
【0041】
リモコン70によるDPF2等のLCDパネル6に表示されている画像60の表示状態の調整方法は、上述のDPF102における画像60の表示状態の調整方法と基本的に同様である。即ち、リモコン70の使用者によって筐体72の周縁部(側面部)がタップされたときの加速度センサ470〜476による検出結果は、赤外線出力部76を介してDPF2等に対して送信され、赤外線検出部10を介してDPF2等が備えるCPU30によって受信される。CPU30は、加速度センサ470〜476の検出結果を受信し、加速度センサ470〜476の検出結果と画像調整との相関関係に基づいてLCDパネル6に表示されている画像60の表示状態を変化させる。従って、例えば、筐体72の側面72cの中央部近傍がタップされた場合には、DPF102において側面4cの中央部近傍がタップされた場合と同様に、画像60の表示状態が調整される。
【0042】
なお、この実施の形態に係るリモコン70では、4つの加速度センサを筐体72内の4つの隅部の近傍部に設けているが、1つの加速度を筐体72の略中央部に設けてもよいし、4つのタッチセンサを筐体72の4側面に設けてもよい。リモコン70によるDPF2等のLCDパネル6に表示されている画像60の表示状態の調整方法は、1つの加速度センサを筐体72の略中央部に設けた場合には、上述のDPF2における画像60の表示状態の調整方法と基本的に同様であり、4つのタッチセンサを筐体72の4側面に設けた場合には、上述のDPF202における画像60の表示状態の調整方法と基本的に同様である。
【0043】
この実施の形態に係る遠隔操作用リモコンによれば、リモコンの使用者によるタップ動作の位置、方向及び強さが検出され、当該検出結果に基づいてDPFに表示されている画像の表示状態が変更される。従って、リモコンの使用者は、直感的な操作によって表示画像の調整を行うことができる。
【0044】
なお、上述の実施の形態に係るDPFにおいては、LCDパネル6に表示されている画像60の表示状態の調整を行う場合には、装置本体4に設けられている操作キー14を操作して、装置本体4に対するタップ動作によって画像60の表示状態を調整できるモードを選択した場合を前提としているが、例えば、所定の強さ以上のタップ動作や、複数方向のタップ動作を同時に入力する方法等により、操作キー14を使用することなく、画像60の表示状態を調整できるモードを選択できるようにしてもよい。
【0045】
また、装置本体4に設けられている操作キー14、或いは所定のタップ動作によって、装置本体4のメモリカードスロット16に挿入されているメモリカードや内部メモリ32に記憶されている複数の画像から所望の画像を選択するモードが選択された場合には、タップ動作によって、当該複数画像の表示の切り替えが順次行われるようにしてもよい。
【0046】
また、上述の実施の形態に係るDPFにおいては、画像60の表示状態が調整された後に、当該表示状態や当該表示状態に至った調整方法を内部メモリ32に記憶させて、再度同じ元画像62が選択されたときに、当該表示状態で画像60が表示されるようにしてもよい。また、元画像62を、当該表示状態で表示されている画像60に加工してもよい。
【0047】
なお、上述の実施の形態に係るDPF及び遠隔操作用リモコンでは、加速度センサを装置本体内または筐体内に設けているが、加速度センサに替えて角速度センサを設けてもよい。この場合においても、各角速度センサによって検出された角速度と画像調整との相関関係に基づいて、LCDパネルに表示されている画像の表示状態の調整が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1の実施の形態に係るデジタルフォトフレームの外観を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係るデジタルフォトフレームの内部の構成を示す模式図である。
【図3】第1の実施の形態に係るデジタルフォトフレームのシステム構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係るデジタルフォトフレームにおける画像の表示状態の調整を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る表示制御部によって行われる画像表示処理を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係るデジタルフォトフレームの内部の構成を示す模式図である。
【図7】第2の実施の形態に係るデジタルフォトフレームにおける画像の表示状態の調整を示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係るデジタルフォトフレームにおける画像の表示状態の他の調整を示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係る表示制御部によって行われる画像表示処理を示す図である。
【図10】第3の実施の形態に係るデジタルフォトフレームが備えるタッチセンサの位置を示す模式図である。
【図11】第3の実施の形態に係るデジタルフォトフレームにおける画像の表示状態の調整を示す図である。
【図12】第3の実施の形態に係るデジタルフォトフレームにおける画像の表示状態の他の調整を示す図である。
【図13】第4の実施の形態に係るデジタルフォトフレームにおける画像の表示状態の調整を示す図である。
【図14】第4の実施の形態に係る表示制御部によって行われる画像表示処理を示す図である。
【図15】第4の実施の形態に係る表示制御部によって行われる他の画像表示処理を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態に係るデジタルフォトフレームの遠隔操作用リモコンの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0049】
2,102,202,302…デジタルフォトフレーム(DPF)、4…装置本体、6…LCDパネル、14…操作キー、30…CPU、34…表示制御部、40,50,400,402,404,406,420,422,424,426,470,472,474,476…加速度センサ、60…画像、62…元画像、64…領域、70…リモコン、72…筐体、410,412,414,416…タッチセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部が配置される装置本体に設けられた少なくとも1つのセンサと、
前記センサの検出結果に基づいて、前記表示部に表示される画像の表示状態を調整する表示調整手段と、
を備えることを特徴とするデジタルフォトフレーム。
【請求項2】
前記センサは、角速度センサまたは加速度センサにより構成され、
前記角速度センサまたは前記加速度センサは、前記表示部の略中央部に配置されることを特徴とする請求項1記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項3】
前記センサは、角速度センサまたは加速度センサにより構成され、
前記角速度センサまたは前記加速度センサは、前記表示部の4つの隅部近傍の少なくとも1つに配置されることを特徴とする請求項1記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項4】
前記センサは、前記装置本体の周縁部に対するタップ動作を検出し、
前記表示調整手段は、前記センサによる検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている前記画像の移動を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項5】
前記センサは、前記装置本体の周縁部に対するタップ動作を検出し、
前記表示調整手段は、前記センサによる検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている前記画像の回転を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項6】
前記センサは、前記装置本体の周縁部に対するタップ動作を検出し、
前記表示調整手段は、前記センサによる検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている前記画像の拡大または縮小を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項7】
前記センサは、前記装置本体の周縁部に対するタップ動作を検出し、
前記表示調整手段は、前記センサによる検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている前記画像を他の画像に変更することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項8】
前記センサは、前記タップ動作の強弱または回数を検出し、
前記表示調整手段は、前記センサによる検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている前記画像に対して異なる調整量で調整を行うことを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項9】
前記センサは、タッチセンサにより構成され、
前記タッチセンサは、前記装置本体の4辺の中の少なくとも1辺に配置されることを特徴とする請求項1記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項10】
前記タッチセンサは、該タッチセンサにおける接触位置または接触回数を検出し、
前記表示調整手段は、前記タッチセンサによる検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている前記画像の移動を行うことを特徴とする請求項9に記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項11】
前記タッチセンサは、該タッチセンサにおける接触位置または接触回数を検出し、
前記表示調整手段は、前記タッチセンサによる検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている前記画像の回転を行うことを特徴とする請求項9に記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項12】
前記タッチセンサは、該タッチセンサにおける接触位置または接触回数を検出し、
前記表示調整手段は、前記タッチセンサによる検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている前記画像の拡大または縮小を行うことを特徴とする請求項9に記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項13】
前記タッチセンサは、該タッチセンサにおける接触位置または接触回数を検出し、
前記表示調整手段は、前記タッチセンサによる検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている前記画像を他の画像に変更することを特徴とする請求項9に記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項14】
前記表示調整手段は、前記タッチセンサによる検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている前記画像に対して異なる調整量で調整を行うことを特徴とする請求項9〜13の何れか一項に記載のデジタルフォトフレーム。
【請求項15】
リモコンにより遠隔操作を行うデジタルフォトフレームであって、
前記リモコンは、
該リモコンの筐体の周縁部に対するタップ動作を検出するセンサと、
前記センサによる検出結果を前記デジタルフォトフレームに送信する送信部と
を備え、
前記デジタルフォトフレームは、前記検出結果を受信する受信部と、
前記検出結果に基づいて表示部における画像の表示状態を調整する表示調整手段と、
を備えることを特徴とするデジタルフォトフレーム。
【請求項16】
前記センサは、前記リモコンの筐体の周縁部に対するタップ動作の強弱または回数を検出し、
前記表示調整手段は、前記センサによる検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている前記画像に対して異なる調整量で調整を行うことを特徴とする請求項15に記載のデジタルフォトフレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−9392(P2010−9392A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169069(P2008−169069)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】