説明

デバイス管理プログラム、デバイス管理システムおよび情報処理装置

【課題】 ファームウェアの更新に伴うデバイス利用の制限を低減することができるデバイス管理プログラム、デバイス管理システムおよび情報処理装置を提供する。
【解決手段】 PC1は、対象となるプリンタの他に印刷処理を可能なプリンタが2台以上存在するときには(S50:YES)、そのプリンタのファームウェアの更新を開始する(S60)が、動作可能なプリンタが1台以下であれば(S50:NO)、更新を保留して(S90)、印刷処理が実行可能なプリンタの数が1台以下になることを防止する。
また、更新が終了し、動作可能なプリンタが存在することとなったときには(S150:YES)、更新が正常に終了したこと(S160:YES)、および正常に動作すること(S180:YES)を条件として、更新保留中のプリンタの更新を開始する(S210)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の処理を実行する複数のデバイスと通信可能に接続された情報処理装置に対し、上記複数のデバイスに搭載されるファームウェアを更新する処理を実行させるためのデバイス管理プログラムと、上記複数のデバイスと情報処理装置からなるデバイス管理システムと、上記情報処理装置と、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デバイスのファームウェアを更新する際に利用される技術として、下記特許文献1に記載の技術が提案されている。
【0003】
この特許文献1に記載の技術において、PC(情報処理装置)は、プリンタメーカのウェブサイトから提供される最新ファームウェアのバージョンと、既にプリンタ(デバイス)に導入済みのファームウェアのバージョンについて、いずれが高バージョンかを確認する。そして、最新ファームウェアの方が高バージョンであれば、プリンタのファームウェアを高バージョンに更新する処理を実行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−110396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デバイスがファームウェアを更新している間、そのデバイスは通常の動作(プリンタであれば印刷処理など)を実行することができない。上記特許文献1の技術では、ネットワーク上にある全てのデバイスのファームウェア更新を同時に実行してしまう可能性があり、その場合、いずれのデバイスも利用不能となるため、デバイスを利用するにはいずれかのデバイスにてファームウェアの更新が終了するまで待たなければならないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ファームウェアの更新に伴うデバイス利用の制限を低減することができるデバイス管理プログラム、デバイス管理システムおよび情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、所定の処理を実行する複数のデバイスと通信可能に接続された情報処理装置に対し、前記複数のデバイスに搭載されるファームウェアを更新する処理を実行させるためのデバイス管理プログラムであって、前記情報処理装置を、前記デバイスが前記所定の処理を実行可能な状態であるか否かを示すデバイス情報を、前記複数のデバイスそれぞれから取得するデバイス情報取得手段と、前記デバイス情報取得手段から取得したデバイス情報に基づいて判断される前記所定の処理を実行可能な状態のデバイスである動作可能デバイスの中から、予め設定された最小動作数の前記デバイスを更新保留と設定し、前記更新保留と設定された前記デバイスを除いた前記デバイスのファームウェアの更新を開始する更新実行手段と、前記更新実行手段によりファームウェアの更新を開始された前記デバイスのうち、ファームウェアの更新が終了し、かつ、前記所定の処理を実行可能な前記デバイスの数だけ、前記更新保留と設定された前記デバイスのファームウェアの更新を開始する保留解除手段として機能させるためのデバイス管理プログラムである。
【0008】
このように構成されたデバイス管理プログラムにより、情報処理装置を上記各手段として機能させれば、情報処理装置は、情報処理装置に接続しているデバイスのファームウェアを更新(以降、ファームウェアの更新のことを単に「更新」と言う場合がある。)する際に、所定の処理を実行可能なデバイスのうち、最小動作数のデバイスについては更新を保留し、その他のデバイスについては更新を開始する。そして、更新が終了して所定の処理を実行可能となったデバイスの数だけ、更新を保留したデバイスの更新を開始する。
【0009】
したがって、複数のデバイスのファームウェア更新にあたって、最小動作数以上のデバイスを所定の処理が実行可能な状態に維持できるため、デバイスの更新を開始することにより所定の処理を実行可能なデバイスが存在しないといった状況が発生しなくなり、デバイスの更新が終了するまで待つ必要がなく、ファームウェアの更新に伴うデバイス利用の制限を低減することができる。
【0010】
また、更新を保留されないデバイスについては、他のデバイスの更新終了を待つことなく更新を開始させることができるため、1つずつ順番にデバイスの更新を実行する場合よりも早く全てのデバイスの更新を完了させることができる。
【0011】
請求項2に記載のデバイス管理プログラムは、請求項1に記載のデバイス管理プログラムにおいて、前記更新実行手段が、前記複数のデバイスの中から前記デバイスを順次選択し、前記選択されたデバイスを除いた前記複数のデバイスのうち、ファームウェアの更新中でない前記動作可能デバイスの数が前記最小動作数以上である場合には、前記選択されたデバイスを、ファームウェアの更新を行うデバイスとして設定する一方、ファームウェアの更新中でない前記動作可能デバイスの数が前記最小動作数を下回る場合には、前記選択されたデバイスを更新保留と設定する手段とされていることを特徴とする。
【0012】
このように構成されたデバイス管理プログラムにより、情報処理装置を上記各手段として機能させれば、情報処理装置は、複数のデバイスを順次選択し、選択されたデバイス以外の所定の処理を実行可能なデバイスの数が最小動作数を下回る場合には、そのデバイスを更新保留に設定する。したがって、最小動作数以上のデバイスを、確実に処理を実行可能な状態に維持することができる。
【0013】
なお、「ファームウェアの更新中」のデバイスとは、実際に更新を行っているデバイスに加えて、更新を行うと設定され、未だ更新を開始していないデバイスも含むものである。よって、「ファームウェアの更新中でない前記動作可能デバイス」とは、未だ、更新を行う,更新保留,のいずれにも設定がされていない動作可能デバイス、更新保留と設定された動作可能デバイス、および更新が終了した動作可能デバイス、のことを指す。
【0014】
請求項3に記載のデバイス管理プログラムは、請求項2に記載のデバイス管理プログラムにおいて、前記情報処理装置を、さらに、前記複数のデバイスのファームウェア更新の優先順位を設定する優先順位設定手段として機能させ、前記更新実行手段が、前記優先順位設定手段により設定された優先順位に従って前記選択されたデバイスをファームウェアの更新を行うデバイスとして設定し、または更新保留と設定する手段とされており、前記保留解除手段が、前記優先順位設定手段により設定された優先順位に従って前記更新保留と設定された前記デバイスのファームウェアの更新を開始する手段とされていることを特徴とする。
【0015】
このように構成されたデバイス管理プログラムにより、情報処理装置を上記各手段として機能させれば、情報処理装置は、設定された優先順位が上位であるデバイスから更新を行う。したがって、ユーザが所望するデバイスから更新を行わせることができる。
【0016】
なお、各デバイスの優先順位の付け方は任意であり、更新をなるべく早く行いたいデバイスの優先順位を上位にしてもよいし、更新に起因する動作不良がないかを確認するために、動作不良を発生させたくない(例えば頻繁に使用する)デバイスの優先順位を下位に設定してもよい。
【0017】
請求項4に記載のデバイス管理プログラムは、請求項1から請求項3のいずれかに記載のデバイス管理プログラムにおいて、前記保留解除手段が、前記更新実行手段によりファームウェアの更新が開始された前記デバイスのうち、ファームウェアの更新が正常に終了し、かつ、ファームウェアの更新後に前記デバイスが正常に前記所定の処理を実行することを確認した前記デバイスの数だけ、前記更新保留と設定された前記デバイスのファームウェアの更新を開始する手段とされていることを特徴とする。
【0018】
このように構成されたデバイス管理プログラムにより、情報処理装置を上記各手段として機能させれば、情報処理装置は、あるデバイスの更新が終了したとき、その更新が正常に終了したことと、そのデバイスが正常に動作することを条件に、次のデバイスの更新を開始する。
【0019】
したがって、更新を終了したデバイスが動作可能な状態でなくなったにも拘らず更新を保留していたデバイスの更新を開始してしまい、それにより動作可能なデバイスの数が最小動作数を下回ってしまうことを抑制できる。
【0020】
請求項5に記載のデバイス管理プログラムは、請求項1から請求項4のいずれかに記載のデバイス管理プログラムにおいて、前記情報処理装置を、さらに、前記更新実行手段または前記保留解除手段によりファームウェアの更新が開始された前記デバイスのファームウェアの更新が正常に終了しない場合、または、ファームウェアの更新が終了した前記デバイスが正常に動作しない場合には、ファームウェアの更新が終了していない前記デバイスのファームウェアの更新を中断する中断手段として機能させることを特徴とする。
【0021】
このように構成されたデバイス管理プログラムにより、情報処理装置を上記各手段として機能させれば、情報処理装置は、更新が正常に終了しない、または更新後のデバイスが正常に動作しない場合には、該当するファームウェアの更新を中断する。
【0022】
したがって、更新後に正常に動作しないデバイスが発生したにも拘らず他のデバイスの更新を継続し、それにより動作不能となるデバイスが増加することを抑制できる。
【0023】
なお、デバイスが正常に動作しない状態とは、更新前と同様の動作を実行できない状態であって、所定の処理が実行できない状態のみでなく、その他の動作に異常がある状態も含む。さらに、更新によって新たに実行が可能となる動作が存在する場合、その動作が正常に実行できない状態も含む。
【0024】
請求項6に記載のデバイス管理プログラムは、請求項1から請求項5のいずれかに記載のデバイス管理プログラムにおいて、前記情報処理装置を、さらに、前記複数のデバイスのいずれかに対して、前記所定の処理の実行を要求する動作要求手段と、前記複数のデバイスそれぞれに対し、ファームウェアの更新中であるか否かを判定する判定手段と、前記動作要求手段により前記要求が行われたデバイスが前記判定手段により更新中と判定されている場合には、前記要求の要求先を、更新中と判定されていない前記デバイスに設定する要求先設定手段として機能させることを特徴とする。
【0025】
このように構成されたデバイス管理プログラムにより、情報処理装置を上記各手段として機能させれば、情報処理装置は、更新中のデバイスに対して行われた所定の処理の要求を、別の更新中でないデバイスに対して行う。
【0026】
したがって、要求先のデバイスが更新中であっても、その更新が終了するまで待つ必要がなく、所定の処理を迅速に実行させることができる。
【0027】
請求項7に記載のデバイス管理プログラムは、請求項6に記載のデバイス管理プログラムにおいて、前記要求先設定手段が、ユーザの入力操作に応じて、または、予め設定された優先順位に従って、前記判定手段により更新中と判定されていない前記デバイスに対して前記要求を行う手段とされていることを特徴とする。
【0028】
このように構成されたデバイス管理プログラムにより、情報処理装置を上記各手段として機能させれば、情報処理装置は、更新中でないデバイスのうち、設定された優先順位が上位であるデバイスに対して所定の処理の要求を行う。したがって、ユーザが処理を実行させたい優先順位が上位のデバイスに対して所定の処理を実行させることができる。
【0029】
また、請求項8に記載のデバイス管理システムは、情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能に接続され、所定の処理を実行する複数のデバイスと、からなるデバイス管理システムであって、前記情報処理装置が、前記デバイスが前記所定の処理を実行可能な状態であるか否かを示すデバイス情報を、前記複数のデバイスそれぞれから取得するデバイス情報取得手段と、前記デバイス情報取得手段から取得したデバイス情報に基づいて判断される前記所定の処理を実行可能な状態のデバイスである動作可能デバイスの中から、予め設定された最小動作数の前記デバイスを更新保留と設定し、前記更新保留と設定された前記デバイスを除いた前記デバイスのファームウェアの更新を開始する更新実行手段と、前記更新実行手段によりファームウェアの更新を開始された前記デバイスのうち、ファームウェアの更新が終了し、かつ、前記所定の処理を実行可能な前記デバイスの数だけ、前記更新保留と設定された前記デバイスのファームウェアの更新を開始する保留解除手段と、を備えることを特徴とする。
【0030】
このように構成されたデバイス管理システムによれば、情報処理装置は、請求項1に記載のデバイス管理プログラムについて述べたとおりの作用、効果を奏するものとなる。
【0031】
したがって、複数のデバイスのファームウェア更新にあたって、最小動作数以上のデバイスを所定の処理が実行可能な状態に維持できるため、デバイスの更新を開始することにより所定の処理を実行可能なデバイスが存在しないといった状況が発生しなくなり、デバイスの更新が終了するまで待つ必要がなく、ファームウェアの更新に伴うデバイス利用の制限を低減することができる。
【0032】
また、更新を保留されないデバイスについては、他のデバイスの更新終了を待つことなく更新を開始させることができるため、1つずつ順番にデバイスの更新を実行する場合よりも早く全てのデバイスの更新を完了させることができる。
【0033】
また、請求項9に記載の情報処理装置は、所定の処理を実行する複数のデバイスと通信可能に接続され、前記複数のデバイスに搭載されるファームウェアを更新する処理を実行する情報処理装置であって、前記デバイスが前記所定の処理を実行可能な状態であるか否かを示すデバイス情報を、前記複数のデバイスそれぞれから取得するデバイス情報取得手段と、前記デバイス情報取得手段から取得したデバイス情報に基づいて判断される前記所定の処理を実行可能な状態のデバイスである動作可能デバイスの中から、予め設定された最小動作数の前記デバイスを更新保留と設定し、前記更新保留と設定された前記デバイスを除いた前記デバイスのファームウェアの更新を開始する更新実行手段と、前記更新実行手段によりファームウェアの更新を開始された前記デバイスのうち、ファームウェアの更新が終了し、かつ、前記所定の処理を実行可能な前記デバイスの数だけ、前記更新保留と設定された前記デバイスのファームウェアの更新を開始する保留解除手段と、を備える ことを特徴とする。
【0034】
このように構成された情報処理装置によれば、請求項1に記載のデバイス管理プログラムについて述べたとおりの作用、効果を奏するものとなる。
【0035】
したがって、複数のデバイスのファームウェア更新にあたって、最小動作数以上のデバイスを所定の処理が実行可能な状態に維持できるため、デバイスの更新を開始することにより所定の処理を実行可能なデバイスが存在しないといった状況が発生しなくなり、デバイスの更新が終了するまで待つ必要がなく、ファームウェアの更新に伴うデバイス利用の制限を低減することができる。
【0036】
また、更新を保留されないデバイスについては、他のデバイスの更新終了を待つことなく更新を開始させることができるため、1つずつ順番にデバイスの更新を実行する場合よりも早く全てのデバイスの更新を完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】デバイス管理システムの概略構成を示すブロック図
【図2】ステータス情報のデータ構造を示す図
【図3】ファームウェア更新処理の手順を示すフローチャート
【図4】要求先設定処理の手順を示すフローチャート
【図5】変形例におけるファームウェア更新処理の手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)全体構成
図1は、デバイス管理システム全体の構成を示した概略構成図である。本実施形態において、デバイス管理システムは、パーソナルコンピュータ1(本発明における情報処理装置に相当;以下、PC1という)、プリンタ2A〜2E(本発明におけるデバイスに相当)などによって構成される。
【0039】
PC1とプリンタ2A〜2Eは、LAN(Local Area Network)5を介して互いに通信可能となっている。
【0040】
これらの内、PC1は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、ネットワークインターフェイス15などを備えている。
【0041】
制御部11は、CPU,ROM,RAM等のハードウェアと、OS(Operating System)やアプリケーション等のソフトウェアによって構成されており、PC1を構成する各部を統括制御すると共に、後述するファームウェア更新処理や要求先設定処理を中心とする各種処理を実行する。
【0042】
上記ROMには、各プリンタのステータス情報が記憶されている。ステータス情報は、図2(a)〜(d)に示すように、プリンタ名,更新優先順位,印刷状態,更新状態,更新時印刷優先順位,以上5項目を1組とするデータ群が、プリンタ2A〜2Eの数と同数組含まれている。
【0043】
上述したデータ群のうち、「更新優先順位」の項目には、プリンタ2A〜2Eのファームウェアを更新(以降、ファームウェアの更新のことを単に「更新」と言う場合がある。)する優先順位が記憶されており、後述するファームウェア更新処理において優先順位が上位のプリンタほど先に更新が行われる。
【0044】
また、「印刷状態」の項目には、各プリンタが正常であるか否かを示す情報として、「正常」,「異常」のいずれかが記憶されている。この「印刷状態」は、トナー切れ,用紙切れ,およびその他の異常などによって定まる情報であり、更新による影響は考慮しない情報であるため、プリンタが「正常」であっても、ファームウェアが更新中であれば印刷処理は実行できない。一方、プリンタが「異常」であっても、ファームウェアの更新は可能である。
【0045】
また、「更新状態」の項目には、ファームウェアの更新状態を示す情報として、「更新設定前」,「更新中」,「更新保留中」,「更新終了」のいずれかが記憶されている。
【0046】
また、「更新時印刷優先順位」の項目には、印刷要求の送信先のプリンタが更新中である場合に代わりに印刷処理を実行させるプリンタの優先順位が記憶されている。
【0047】
上記ステータス情報のうち、「印刷状態」および「更新状態」の項目は、後述するファームウェア更新処理にて適時更新される。また「更新優先順位」および「更新時印刷優先順位」の項目は、入力部13を用いたユーザからの入力操作があったときに更新される。
【0048】
記憶部12は、制御部11が備えるRAMとは別に設けられた、より大容量のハードディスク装置や不揮発性メモリによって構成されるもので、比較的大きいサイズのデータや、電力供給が遮断されたときにも消失させたくないデータを記憶する際に利用される。本実施形態において、この記憶部12には、現在プリンタ2A〜2Eに搭載されているファームウェアと、サーバやCDなどのメディアから取得した更新用のファームウェアの情報が記憶されている。
【0049】
入力部13は、ユーザからの外部操作による指令を入力するためのマウスやキーボードなどの各種入力装置(図示せず)を備えており、各種入力装置を通じて入力された操作情報を制御部11に入力する。
【0050】
表示部14は、液晶ディスプレイを備えており、制御部11からの指令に基づき、メッセージや画像等の情報をユーザに向けて表示する。
【0051】
ネットワークインターフェイス15は、LAN5を介して行われるプリンタ2A〜2Eとの通信を制御する。
【0052】
上述したプリンタ2Aは、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、ネットワークインターフェイス25、印刷部26などを備えている。
【0053】
制御部21は、CPU,ROM,RAM等のハードウェアと、OS(Operating System)やアプリケーション等のソフトウェアによって構成されており、プリンタ2Aを構成する各部を統括制御する。また、プリンタ2Aが正常であるか(トナー切れ、用紙切れ、その他の異常がないか)を常時監視しており、PC1からプリンタ2Aが正常か否かを示す情報の送信要求があったときには、その情報をPC1に送信する。そのときPC1では、ステータス情報の「印刷状態」の項目に受信した情報を記憶する。
【0054】
記憶部22は、不揮発性メモリによって構成されるもので、プリンタ2Aが備えるハードウェアを制御するためのファームウェアやファームウェアのバージョン情報などが記憶されている。
【0055】
操作部23は、ユーザにより操作可能な各種スイッチ等が設けられており、各種スイッチを通じて入力された操作情報を制御部21に入力する。
【0056】
表示部24は、液晶ディスプレイやLEDなどを備えてなるものであり、制御部21からの指令に基づき、メッセージや画像等の情報をユーザに向けて表示する。
【0057】
ネットワークインターフェイス25は、LAN5を介して行われるPC1や他のプリンタとの通信を制御する。
【0058】
印刷部26は、制御部21に制御されて、PC1から送信された印刷データに基づく画像を用紙に印刷し、その印刷物(用紙)を出力する。
【0059】
なお、図1においては、プリンタ2Aについてのみ内部構成を図示してあるが、他のプリンタ2B〜2Eもプリンタ2Aと同様に構成されている。
(2)ファームウェア更新処理
以下に、PC1が備える制御部11により実行されるファームウェア更新処理の処理手順を、図3に基づいて説明する。本処理は、プリンタ2A〜2Eのファームウェアを更新するにあたって、最小動作数(本実施形態においては2台)以上のプリンタを印刷可能な状態としてファームウェアを更新する処理である。
【0060】
本処理は、PC1がファームウェア更新用のファームウェアを取得した状態で、自動的に又はユーザの入力指示にしたがって開始される。なお更新用のファームウェアは、ファームウェアを配信する機能を備えるサーバから最新のファームウェアをダウンロードしたり、CD等のメディアからファームウェアを読み取ることで取得する。
【0061】
このファームウェア更新処理では、まず、PC1と接続されているプリンタの中から、ファームウェアの更新を実行するプリンタを決定する(S10)。具体的には、PC1が取得した更新用のファームウェアが、各プリンタ2A〜2Eに搭載されているファームウェアよりも高バージョンであるか否かを判断し、高バージョンであれば、そのプリンタを、更新を実行するプリンタとして決定する。本実施形態では全てのプリンタ2A〜2Eを、更新を実行するプリンタとする。
【0062】
次に、記憶部12に記憶されているステータス情報(図2(a)〜(d)参照)を参照して、更新の優先順位を確認する(S20)。
【0063】
次に、更新を実行するか否かに関わらずLAN5に接続されている全てのプリンタの印刷状態を取得する(S30)。ここでは、各プリンタ2A〜2Eに対して、プリンタが正常であるか否かを示す情報の要求を行い、各プリンタ2A〜2Eから提供される正常・異常のいずれかを表す情報を取得する。取得した情報は、上述したステータス情報における「印刷状態」の項目に「正常」,「異常」のいずれかとして設定される。このときのステータス情報の例を図2(a)に示す。本実施例では、プリンタBのみが異常となっており、トナー切れ、用紙切れ、その他の異常などの理由により印刷処理が実行できない状態となっている。
【0064】
続くS40〜S110の処理においては、プリンタ2A〜2Eから優先順位にしたがってプリンタを順次選択し、ファームウェアの更新を行うか更新保留と設定するかを判断する。
【0065】
ここでは、まず、変数nをn=1に設定する(S40)。次に、優先順位がn番目のプリンタの他に、動作可能なプリンタが2台以上存在するか否かを判断する(S50)。具体的には、ステータス情報を参照し、「印刷状態」の項目が「正常」となっており、かつ「更新状態」の項目が「更新中」となっていない(「更新設定前」,「更新保留中」のいずれかとなっている)プリンタの数をカウントする。
【0066】
他に動作可能なプリンタが2台以上存在するならば(S50:YES)、当該プリンタのファームウェアの更新を開始し(S60)、ステータス情報における当該プリンタ(即ち、優先順位がn番目のプリンタ)の「更新状態」の項目を「更新中」に設定する(S70)。その後、処理がS100に移行する。
【0067】
一方、S50にて、動作可能なプリンタが1台以下しか存在しなければ(S50:NO)、当該プリンタが正常であるか否かを判断する(S80)。ここでは、ステータス情報を参照し、「印刷状態」の項目が「正常」,「異常」のいずれであるかを判断する。「異常」であれば(S80:NO)、処理がS60に移行する。「正常」であれば(S80:YES)、ステータス情報における当該プリンタの「更新状態」の項目を「更新保留中」に設定する(S90)。
【0068】
S70またはS90の後、変数nをインクリメント(n=n+1)し(S100)、変数nが更新を実行するプリンタの数以下ならば(S110:YES)、即ち次に優先順位の高いプリンタが存在していれば、処理がS50に戻る。
【0069】
また、S110において、変数nが更新を実行するプリンタの数を超えていれば(S110:NO)、処理がS120に移行する。
【0070】
このようにS40〜S110の処理を繰り返すと、図2(b)に示すように、更新を行うべきプリンタの「更新状態」は「更新中」または「更新保留中」に設定されており、すべてのプリンタに対する更新判断が一通り行われている。なお、本実施形態では、優先順位の低いプリンタD,Eの2台が更新保留中となって印刷処理を実行可能な状態を維持する。
【0071】
続くS120〜S150の処理においては、ステータス情報に基づき、「更新状態」の項目が「更新終了」となり、かつ「印刷状態」の項目が「正常」となったプリンタが新たに存在するようになったことを検出する。
【0072】
ここでは、まず、プリンタ2A〜2Eのいずれかから、ファームウェアの更新が終了した通知を受信したか否かを判断する(S120)。上記通知を受信していれば(S120:YES)、ステータス情報における更新を終了したプリンタの「更新状態」の項目を「更新終了」に設定し(S130)、処理がS140に移行する。一方、上記通知を受信していなければ(S120:NO)、S130を実行せずに処理がS140に移行する。
【0073】
次に、全てのプリンタの印刷状態を取得する(S140)。ここでは、上記S30と同様の処理を実行する。
【0074】
次に、新たに印刷処理の実行が可能となったプリンタが存在するか否かを判断する(S150)。具体的には、ステータス情報が「更新終了」かつ「正常」と設定されているプリンタの中で、直前のS130にて「更新終了」に変更されたプリンタ、または直前のS140にて「正常」に変更されたプリンタが存在すれば、そのプリンタを新たに印刷処理の実行が可能となったプリンタと判断する。
【0075】
上述したプリンタが存在しなければ(S150:NO)、処理がS120に戻る。一方、上述したプリンタが存在していれば(S150:YES)、処理がS160に移行する。
【0076】
次に、S150にて新たに印刷処理が実行可能となったと判断されたプリンタの更新が、正常に終了したか否かを確認する(S160)。
【0077】
更新が正常に終了したことを確認できなければ(S160:NO)、処理がS220に移行する。一方、更新が正常に終了したことを確認できれば(S160:YES)、プリンタに動作確認を実行させる(S170)。
【0078】
S170にてプリンタが正常に動作することを確認できなければ(S180:NO)、処理がS220に移行する。一方、プリンタが正常に動作することを確認できれば(S180:YES)、処理がS190に移行する。
【0079】
次に、ステータス情報を参照し、更新保留中のプリンタが存在しなければ(S190:NO)、本処理を終了する。一方、更新保留中のプリンタが存在すれば(S190:YES)、更新保留中のプリンタのうち、最も優先順位の高いプリンタの更新を開始する(S200)。
【0080】
次に、当該プリンタの更新状態を「更新中」に設定し(S210)、その後、処理がS120に戻る。このときのステータス情報を図2(c),(d)に示す。図2(c)は、もともと「印刷状態」が「正常」であったプリンタAが「更新終了」となったことを受けて、プリンタDの更新が開始された状態を示しており、図2(d)は、プリンタBの「印刷状態」が「正常」および「更新終了」となったことを受けて、プリンタEの更新が開始された状態を示している。
【0081】
上記S160において更新が正常に終了したと確認できない場合(S160:NO)、および、S180にてプリンタの正常な動作が確認できない場合(S180:NO)には、以下S220〜S250の処理にてファームウェアの更新を中断し、前バージョンのファームウェアに更新する処理を行う。
【0082】
まず、更新保留中のプリンタが存在するか否かを、ステータス情報を参照して確認する(S220)。更新保留中のプリンタが存在すれば(S220:YES)、それらの更新保留を解除し(S230)、処理がS240に移行する。更新保留中のプリンタが存在しなければ(S220:NO)、S230を実行せず、処理がS240に移行する。
【0083】
次に、更新中のプリンタが存在するか否かを、ステータス情報を参照して確認する(S240)。更新中のプリンタが存在すれば(S240:YES)、それらの更新を停止し、記憶部12に記憶される前バージョンのファームウェアにて再更新し(S250)、その後、処理がS260に移行する。更新中のプリンタが存在しなければ(S240:NO)、処理がS260に移行する。
【0084】
次に、更新の失敗をユーザに警告する(S260)。具体的には、表示部14にファームウェアの更新を失敗した旨を表示する。その後、本処理を終了する。
(3)印刷先設定処理
以下に、PC1が備える制御部11により実行される印刷先設定処理の処理手順を、図4に基づいて説明する。本処理は、PC1がプリンタ2A〜2Eのいずれかに印刷要求を行ったとき、要求されたプリンタがファームウェアの更新を行っている場合には、異なるプリンタにその印刷要求の要求先を変更する処理である。本処理は、印刷要求があったときに開始される。
【0085】
本処理では、まず、いずれかのプリンタに向けて出力される印刷要求の対象となる印刷データを取得する(S310)。この印刷データは、PC1が備えるソフトウェアが生成したデータであってもよいし、PC1と通信可能に接続された端末装置からPC1が取得したデータであってもよい。
【0086】
次に、印刷が要求されたプリンタの状態を確認する(S320)。ここでは、印刷データに含まれるヘッダ情報を解析して要求先のプリンタを特定し、記憶部12に記憶されるステータス情報を参照して当該プリンタの印刷状態および更新状態を確認する。
【0087】
次に、印刷が要求されたプリンタが動作可能であるか否かを判断する(S330)。具体的には、S320で確認した結果、プリンタの「印刷状態」が「正常」かつ「更新状態」が「更新中」であれば、プリンタが動作可能であると判断する。一方、プリンタの「印刷状態」が「正常」かつ「更新状態」が「更新中」以外の場合は動作可能ではないと判断する。プリンタが動作可能であれば(S330:YES)、処理がS370に移行する。一方、プリンタが動作可能でなければ(S330:NO)、PC1と通信可能に接続している全てのプリンタの印刷状態を取得する(S340)。ここでは、上記ファームウェア更新処理のS30と同様の処理を行う。
【0088】
次に、印刷処理を行うプリンタの優先順位が決定されているか否かを判断する(S350)。ここでは、ステータス情報における「更新時印刷優先順位」の項目に登録があるか否かを判断する。
【0089】
プリンタの優先順位が決定されていれば(S350:YES)、印刷処理を実行可能、即ち、ステータス情報が「正常」であって「更新中」でないプリンタのうち、最も優先順位の高いプリンタを印刷対象のプリンタとして設定する(S360)。そして、そのプリンタに印刷要求を行い(S370)、本処理を終了する。
【0090】
一方、S350において、印刷処理を行うプリンタの優先順位が決定されていなければ(S350:NO)、ユーザに印刷を実行するプリンタの選択を促す(S380)。具体的には、表示部14に、印刷を要求したプリンタはファームウェアの更新中であるため印刷処理が実行できない旨と、代わりに印刷処理を行わせるプリンタの選択を要求する旨を表示し、ユーザに入力部13を用いたプリンタの選択操作を行わせる。
【0091】
次に、ユーザにて選択されたプリンタを印刷対象のプリンタに設定し(S390)、その後、そのプリンタに印刷要求を行い(S370)、本処理を終了する。
(4)発明の効果
このように構成されたデバイス管理システムでは、PC1に接続している各プリンタ2A〜2Eのファームウェアを更新する際に、印刷処理を実行可能な上記プリンタのうち2台については更新を保留し、その他のプリンタについては更新を開始する。
【0092】
そして、いずれかのプリンタの更新が終了して印刷処理が実行可能となったときに、更新を保留したデバイスの更新を開始する。
【0093】
したがって、プリンタ2A〜2Eのファームウェア更新にあたって、2台以上(初めから1台のプリンタのみ印刷処理が可能な状態であった場合には、1台以上)のプリンタを印刷処理が実行可能な状態に維持できるため、プリンタの更新を開始することにより印刷処理を実行可能なプリンタが存在しないといった状況が発生しなくなり、ユーザが印刷処理を行いたい場合にプリンタのファームウェア更新が終了するまで待つ必要がなく、ファームウェアの更新に伴うプリンタの利用の制限を低減することができる。
【0094】
また、更新を保留されないプリンタについては、すぐに更新を行うことができるため、1つずつ順番にプリンタの更新を実行する場合よりも早く全てのプリンタの更新を完了させることができる。
【0095】
また、上記デバイス管理システムでは、あるプリンタのファームウェアの更新が終了したとき、その更新が正常に終了したことと、そのプリンタが正常に印刷処理を実行可能であることを条件に、更新保留中のプリンタの更新を開始する。
【0096】
したがって、更新を終了したプリンタが印刷処理を可能な状態でなくなったにも拘らず更新を保留していたプリンタの更新を開始してしまい、それにより印刷処理を実行できるプリンタが存在しなくなってしまうことを抑制できる。
【0097】
また、更新が正常に終了しない場合や、更新後のプリンタが正常に動作しない場合には、該当するファームウェアの更新を中断する。
【0098】
したがって、更新後に正常に動作しないプリンタが発生したにも拘らず他のプリンタの更新を継続し、それにより印刷処理が不能となるプリンタが増加することを抑制できる。
【0099】
また、上記デバイス管理システムでは、設定された優先順位が上位であるプリンタから更新を行う。したがって、ユーザが所望するプリンタから更新を行わせることができる。例えば、動作不良を発生させたくない(例えば頻繁に使用する)デバイスの優先順位を下位に設定しておけば、優先順位が上位のプリンタにおいて更新に起因する動作不良がないことを確認した後に、上位のプリンタの更新を開始することができる。
【0100】
また、上記デバイス管理システムでは、更新中のプリンタに対して行われた印刷処理の要求を、別の更新中でないプリンタに対して行う。したがって、最初の要求先のプリンタが更新中であっても、その更新が終了するまで待つ必要がなく、印刷処理を迅速に実行させることができる。なお、上記印刷処理の設定は、更新中でないプリンタのうち、設定された優先順位が上位であるプリンタに対して要求を行う。したがって、ユーザが印刷処理を実行させたい優先順位が上位のプリンタに対して印刷処理を実行させることができる。
(5)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0101】
例えば、上記実施形態においては、PC1に接続しているプリンタのうち、ファームウェアの更新を保留することで印刷処理が可能な状態を維持する台数(最小動作数)が2台に設定されている構成を例示したが、最小動作数はプリンタ全体の数や印刷作業の負荷に応じて適宜定めることができる。
【0102】
また、上記実施形態のファームウェア更新処理では、S30において確認する正常なプリンタの数が0台である場合、全てのプリンタの更新が開始されることとなる。この場合、ファームウェアの更新を迅速に行うことは可能となるが、全てのプリンタの更新を開始した後に、用紙の補充等により異常な状態を解消したプリンタが存在することとなっても、ファームウェアの更新作業のため印刷処理を実行することができず、待ち時間が発生してしまう可能性がある。
【0103】
そこで、任意の所定台数(例えば、1台や最小動作数)のプリンタの印刷状態「正常」であること、即ち印刷処理を実行可能であることを、ファームウェア更新処理を開始する条件として構成してもよい。
【0104】
また、上記以外には、ファームウェア更新処理において、S30において確認する正常なプリンタの数が0台である場合には、全てのプリンタを更新保留と設定し、印刷処理が実行可能なプリンタが所定台数存在することとなった時点で、そのプリンタを除く全てのプリンタの更新を開始する構成としてもよい。所定台数を1台としたときのファームウェア更新処理のフローチャートを図5に示す。
【0105】
S30にて取得したプリンタの状態に基づいて、印刷処理を実行可能な台数(即ち、ステータス情報における「印刷状態」の項目が「正常」と設定されているプリンタの数)をカウントし、0台であれば(S32:YES)、全てのプリンタを更新保留に設定する(S34)。そして印刷処理を実行可能なプリンタが1台になるまで待機し(S36:NO)、印刷処理を実行可能なプリンタが1台存在することとなった場合に(S36:YES)、そのプリンタを除くプリンタの更新を開始し(S38)、処理がS120に移行する。
【0106】
このように構成することで、正常なプリンタの数が0台であった場合に、全てのプリンタの更新を完了するまでに掛かる時間は長くなるものの、いずれかのプリンタにて印刷不能な状況を改善したときにすぐ印刷処理を実行できるようになる。
【0107】
また、PC1と接続しているプリンタのうち、ファームウェアの更新の必要がなく、かつ印刷処理が可能なプリンタ(以降、他プリンタ、という。)が存在する場合、他プリンタの台数を最小動作数から減算してファームウェア更新処理を行う構成としてもよい。例えば最小動作数が2台である場合であって、他プリンタが1台存在するときは、最小動作数を1台として処理を実行するとよい。ファームウェア更新処理では、S50における台数判断の数を減算して処理すればよい。
【0108】
このように構成することで、必要以上に多くのプリンタを印刷可能に維持することなく、迅速にファームウェアの更新を行うことができる。
【0109】
また、上記実施形態においては、PC1と接続されたプリンタのファームウェアを更新する構成を例示したが、PC1などの情報処理装置と通信可能に接続されるデバイスであれば、その対象はプリンタに限定されない。例えば、FAX,スキャナ,またはそれらの機能を備える複合機などをファームウェア更新の対象デバイスとすることが考えられる。
【符号の説明】
【0110】
1…パーソナルコンピュータ(PC)、2A〜2E…プリンタ、11…制御部、12…記憶部、13…入力部、14…表示部、15…ネットワークインターフェイス、21…制御部、22…記憶部、23…操作部、24…表示部、25…ネットワークインターフェイス、26…印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の処理を実行する複数のデバイスと通信可能に接続された情報処理装置に対し、前記複数のデバイスに搭載されるファームウェアを更新する処理を実行させるためのデバイス管理プログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記デバイスが前記所定の処理を実行可能な状態であるか否かを示すデバイス情報を、前記複数のデバイスそれぞれから取得するデバイス情報取得手段と、
前記デバイス情報取得手段から取得したデバイス情報に基づいて判断される前記所定の処理を実行可能な状態のデバイスである動作可能デバイスの中から、予め設定された最小動作数の前記デバイスを更新保留と設定し、前記更新保留と設定された前記デバイスを除いた前記デバイスのファームウェアの更新を開始する更新実行手段と、
前記更新実行手段によりファームウェアの更新を開始された前記デバイスのうち、ファームウェアの更新が終了し、かつ、前記所定の処理を実行可能な前記デバイスの数だけ、前記更新保留と設定された前記デバイスのファームウェアの更新を開始する保留解除手段
として機能させるためのデバイス管理プログラム。
【請求項2】
前記更新実行手段は、
前記複数のデバイスの中から前記デバイスを順次選択し、
前記選択されたデバイスを除いた前記複数のデバイスのうち、ファームウェアの更新中でない前記動作可能デバイスの数が前記最小動作数以上である場合には、前記選択されたデバイスを、ファームウェアの更新を行うデバイスとして設定する一方、ファームウェアの更新中でない前記動作可能デバイスの数が前記最小動作数を下回る場合には、前記選択されたデバイスを更新保留と設定する手段とされている
ことを特徴とする請求項1に記載のデバイス管理プログラム。
【請求項3】
前記情報処理装置を、さらに、
前記複数のデバイスのファームウェア更新の優先順位を設定する優先順位設定手段
として機能させ、
前記更新実行手段は、前記優先順位設定手段により設定された優先順位に従って前記選択されたデバイスをファームウェアの更新を行うデバイスとして設定し、または更新保留と設定する手段とされており、
前記保留解除手段は、前記優先順位設定手段により設定された優先順位に従って前記更新保留と設定された前記デバイスのファームウェアの更新を開始する手段とされている
ことを特徴とする請求項2に記載のデバイス管理プログラム。
【請求項4】
前記保留解除手段は、前記更新実行手段によりファームウェアの更新が開始された前記デバイスのうち、ファームウェアの更新が正常に終了し、かつ、ファームウェアの更新後に前記デバイスが正常に前記所定の処理を実行することを確認した前記デバイスの数だけ、前記更新保留と設定された前記デバイスのファームウェアの更新を開始する手段とされている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のデバイス管理プログラム。
【請求項5】
前記情報処理装置を、さらに、
前記更新実行手段または前記保留解除手段によりファームウェアの更新が開始された前記デバイスのファームウェアの更新が正常に終了しない場合、または、ファームウェアの更新が終了した前記デバイスが正常に動作しない場合には、ファームウェアの更新が終了していない前記デバイスのファームウェアの更新を中断する中断手段として機能させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のデバイス管理プログラム。
【請求項6】
前記情報処理装置を、さらに、
前記複数のデバイスのいずれかに対して、前記所定の処理の実行を要求する動作要求手段と、
前記複数のデバイスそれぞれに対し、ファームウェアの更新中であるか否かを判定する判定手段と、
前記動作要求手段により前記要求が行われたデバイスが前記判定手段により更新中と判定されている場合には、前記要求の要求先を、更新中と判定されていない前記デバイスに設定する要求先設定手段
として機能させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のデバイス管理プログラム。
【請求項7】
前記要求先設定手段は、ユーザの入力操作に応じて、または、予め設定された優先順位に従って、前記判定手段により更新中と判定されていない前記デバイスに対して前記要求を行う手段とされている
ことを特徴とする請求項6に記載のデバイス管理プログラム。
【請求項8】
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能に接続され、所定の処理を実行する複数のデバイスと、からなるデバイス管理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記デバイスが前記所定の処理を実行可能な状態であるか否かを示すデバイス情報を、前記複数のデバイスそれぞれから取得するデバイス情報取得手段と、
前記デバイス情報取得手段から取得したデバイス情報に基づいて判断される前記所定の処理を実行可能な状態のデバイスである動作可能デバイスの中から、予め設定された最小動作数の前記デバイスを更新保留と設定し、前記更新保留と設定された前記デバイスを除いた前記デバイスのファームウェアの更新を開始する更新実行手段と、
前記更新実行手段によりファームウェアの更新を開始された前記デバイスのうち、ファームウェアの更新が終了し、かつ、前記所定の処理を実行可能な前記デバイスの数だけ、前記更新保留と設定された前記デバイスのファームウェアの更新を開始する保留解除手段と、を備える
ことを特徴とするデバイス管理システム。
【請求項9】
所定の処理を実行する複数のデバイスと通信可能に接続され、前記複数のデバイスに搭載されるファームウェアを更新する処理を実行する情報処理装置であって、
前記デバイスが前記所定の処理を実行可能な状態であるか否かを示すデバイス情報を、前記複数のデバイスそれぞれから取得するデバイス情報取得手段と、
前記デバイス情報取得手段から取得したデバイス情報に基づいて判断される前記所定の処理を実行可能な状態のデバイスである動作可能デバイスの中から、予め設定された最小動作数の前記デバイスを更新保留と設定し、前記更新保留と設定された前記デバイスを除いた前記デバイスのファームウェアの更新を開始する更新実行手段と、
前記更新実行手段によりファームウェアの更新を開始された前記デバイスのうち、ファームウェアの更新が終了し、かつ、前記所定の処理を実行可能な前記デバイスの数だけ、前記更新保留と設定された前記デバイスのファームウェアの更新を開始する保留解除手段と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−170496(P2010−170496A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14664(P2009−14664)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】