説明

デュアルインターフェースカードの製造方法

【課題】デアンテナ端子上に形成されたクリームハンダ層を直接加熱、溶融することにより、デュアルインターフェースモジュールのRF端子とアンテナ内蔵カードのアンテナ端子とのハンダ接合を短時間で、効率良く行えるデュアルインターフェースカードの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】キャビティー55が形成されたアンテナ内蔵カード50のアンテナ端子41上にクリームハンダ層81を形成し、デュアルインターフェースモジュール60a装着し、貫通孔91より熱線ビームをクリームハンダ層81に照射して、RF端子61とアンテナ端子41とをハンダ81aにて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード100を作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種証明証や電子決済システム、ドアの開閉システム等に使用される接触式と非接触式の通信手段を有するデュアルインターフェースカードの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICカードは、外部接続端子を介してデータの通信を行う接触型ICカードと、コイルを通じて電磁誘導により通信を行う非接触型ICカードに分類され、主に、接触型ICカードは、決済用途、非接触型ICカードは、交通システム等のゲートアクセス管理に用いられている。
【0003】
近年、接触型ICカードの機能と非接触型ICカードの機能とを1つのICチップで併せ持つICモジュール(以下、デュアルインターフェースモジュールと称す)を用いた接触型非接触型共用ICカード(以下、デュアルインターフェースカードと称す)が開発されている。
このようなデュアルインターフェースカードの一例として、ICモジュールのアンテナ接続端子と、カード基体に形成されたアンテナ接続端子とを電気的に接続してなるデュアルインターフェースカードにおいて、カード基体に形成されたアンテナコイル接続端子と、ICモジュールのアンテナコイル接続端子との接合を導電性接着剤、またはクリームハンダとを用いて行っているデュアルインターフェースカードが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
これは、図6(a)及び(b)に示すように、コアシート121とオーバーシート123、124とで構成されたカード基体120の所定位置にモジュールを装着するための凹部18が形成され、アンテナコイル接続端子144が露出し、アンテナコイル接続端子144上に導電性接着剤もしくはクリームハンダが形成されている。
一方、外部接装置続端子112の下面にIC側アンテナコイル接続端子114が形成されたICモジュールを、カード基体120の凹部18に装着し、加熱プレスすることにより、導電性接着剤もしくはハンダにてIC側アンテナコイル接続端子114と基体側アンテナコイル接続端子144とを電気的に接続してデュアルインターフェースカードを作製する。
【0005】
上記デュアルインターフェースカードのICモジュールのIC側アンテナ接続端子114とカード基体120に形成されたアンテナ接続端子144との接続手段として、クリームハンダ19を使用して接合することが開示されている。
ここで、ICモジュールの外部接続端子112側からハンダごて、加熱ヘッド等を用いてクリームハンダ19を加熱、溶融することで、IC側アンテナ接続端子114とカード基体120に形成されたアンテナ接続端子144とを接合している。
この場合、ガラスエポキシ等の絶縁基材111を介した熱伝導でクリームハンダ19を加熱するため、熱効率が悪く、充分な加熱温度が得られないで、ハンダ接合の信頼性に問題があった。
また、充分な熱量を与えるような条件にすると、ICモジュール、カードの変形・溶融といった現象が発生し、加工仕上がりに不具合を生じるという問題を有している。
【特許文献1】特開2000−182017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、RF端子が形成されたデュアルインターフェースモジュールとアンテナコイルとアンテナ端子が内蔵されたアンテナ内蔵カードとを用いて作製されるデュアルインターフェースカードの製造方法において、アンテナ端子上に形成されたクリームハンダ層を直接加熱、溶融することにより、デュアルインターフェースモジュールのRF端子とアンテナ内蔵カードのアンテナ端子とのハンダ接合を短時間で、効率良く行えるデュアルインターフェースカードの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に於いて上記問題を解決するために、まず請求項1においては、絶縁基板の一方の面に外部接続端子が、他方の面にRF(Radio Frequency)端子が形成され、ICチップが実装されたデュアルインターフェースモジュールとアンテナコイルとアンテナ端子が内蔵されたアンテナ内蔵カードとを用いて作製されるデュアルインターフェースカードの製造方法において、
少なくとも以下の工程を具備することを特徴とするデュアルインターフェースカードの製造方法としたものである。
(a)オーバーレイ11の一方の面にデザイン絵柄31を、他方の面に接着樹脂層21を形成した加工シート10を作製する工程
(b)耐熱性シート12の所定位置にアンテナコイル42と、アンテナ端子41とを形成したアンテナシート20を作製する工程。
(c)アンテナシート20の両面に加工シート10を積層し、熱プレス加工してアンテナ内蔵ブロックシート30を作製する工程。
(d)アンテナ内蔵ブロックシート30をカード形状に加工してアンテナ内蔵カード40を作製する工程。
(e)アンテナ内蔵カード40の所定位置をザグリ加工(ミーリング加工)してデュアルインターフェースモジュールを装着するためのキャビティー55を形成し、アンテナ端子41を露出して、キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード50を作製する工程。
(f)絶縁基材13の一方の面に外部接続端子71が、他方の面にRF端子61が形成され、ICチップ51が実装されたデュアルインターフェースモジュール60を作製する工程。
(g)デュアルインターフェースモジュール60の絶縁基材13の所定位置を孔開け加工して、RF端子61を貫通する貫通孔91を形成し、貫通孔91が形成されたデュアルインターフェースモジュール60aを作製する工程。
(h)キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード50のアンテナ端子41上にクリームハンダ層81を形成し、アンテナ端子41上にクリームハンダ層81が形成されたアンテナ内蔵カード50aを作製する工程。
(i)アンテナ内蔵カード50bのキャビティー55にデュアルインターフェースモジュール60aを位置合わせして装着し、貫通孔91よりソフトビームやレーザー光線等の熱線ビームをクリームハンダ層81に照射してクリームハンダ層81を直接加熱することにより、RF端子61とアンテナ端子41とをハンダ81aにて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード100を作製する工程。
【0008】
また、請求項2においては、絶縁基板の一方の面に外部接続端子が、他方の面にRF(Radio Frequency)端子が形成され、ICチップが実装されたデュアルインターフェースモジュールとアンテナコイルとアンテナ端子が内蔵されたアンテナ内蔵カードとを用いて作製されるデュアルインターフェースカードの製造方法において、
少なくとも以下の工程を具備することを特徴とするデュアルインターフェースカードの製造方法としたものである。
(a)オーバーレイ11の一方の面にデザイン絵柄31を、他方の面に接着樹脂層21を形成した加工シート10を作製する工程
(b)耐熱性シート12の所定位置にアンテナコイル42と、アンテナ端子41とを形成したアンテナシート20を作製する工程。
(c)アンテナシート20の両面に加工シート10を積層し、熱プレス加工してアンテナ内蔵ブロックシート30を作製する工程。
(d)アンテナ内蔵ブロックシート30をカード形状に加工してアンテナ内蔵カード40を作製する工程。
(e)アンテナ内蔵カード40の所定位置をザグリ加工(ミーリング加工)してデュアルインターフェースモジュールを装着するためのキャビティー55を形成し、アンテナ端子41を露出して、キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード50を作製する工程。
(f)絶縁基材13の一方の面に外部接続端子71が、他方の面にRF端子61が形成され、ICチップ51が実装されたデュアルインターフェースモジュール60を作製する工程。
(g)デュアルインターフェースモジュール60の絶縁基材13の所定位置を孔開け加工して、RF端子61上に開口部92を形成し、RF端子61上に開口部92が形成されたデュアルインターフェースモジュール60bを作製する工程。
(h)キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード50のアンテナ端子41上にクリームハンダ層81を形成し、アンテナ端子41上にクリームハンダ層81が形成されたアンテナ内蔵カード50aを作製する工程。
(i)アンテナ内蔵カード50aのキャビティー55にデュアルインターフェースモジュール60bを位置合わせして装着し、開口部92よりソフトビームやレーザー光線等の熱線ビームをRF端子61に照射してRF端子61を加熱し、RF端子61を介してクリームハンダ層81を加熱することにより、RF端子61とアンテナ端子41とをハンダ81bにて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード200を作製する工程。
【0009】
また、請求項3においては、絶縁基板の一方の面に外部接続端子が、他方の面にRF(Radio Frequency)端子が形成され、ICチップが実装されたデュアルインターフェースモジュールとアンテナコイルとアンテナ端子が内蔵されたアンテナ内蔵カードとを用いて作製されるデュアルインターフェースカードの製造方法において、
少なくとも以下の工程を具備することを特徴とするデュアルインターフェースカードの製造方法としたものである。
(a)オーバーレイ11の一方の面にデザイン絵柄31を、他方の面に接着樹脂層21を形成した加工シート10を作製する工程
(b)耐熱性シート12の所定位置にアンテナコイル42と、アンテナ端子41とを形成したアンテナシート20を作製する工程。
(c)アンテナシート20の両面に加工シート10を積層し、熱プレス加工してアンテナ内蔵ブロックシート30を作製する工程。
(d)アンテナ内蔵ブロックシート30をカード形状に加工してアンテナ内蔵カード40を作製する工程。
(e)アンテナ内蔵カード40の所定位置をザグリ加工(ミーリング加工)してデュアルインターフェースモジュールを装着するためのキャビティー55を形成し、アンテナ端子41を露出して、キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード50を作製する工程。
(f)絶縁基材13の一方の面に外部接続端子71が、他方の面にRF端子61が形成され、ICチップ51が実装されたデュアルインターフェースモジュール60を作製する工程。
(g)デュアルインターフェースモジュール60の絶縁基材13の所定位置を孔開け加工してRF端子61を貫通する貫通孔を形成し貫通孔内部に導体めっきを施し、スルーホール93が形成されたデュアルインターフェースモジュール60cを作製する工程。
(h)キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード50のアンテナ端子41上にクリームハンダ層81を形成し、アンテナ端子41上にクリームハンダ層81が形成されたアンテナ内蔵カード50aを作製する工程。
(i)アンテナ内蔵カード50aのキャビティー55にデュアルインターフェースモジュール60cを位置合わせして装着し、スルーホール93よりソフトビームやレーザー光線等の熱線ビームをクリームハンダ層81に照射してクリームハンダ層81を直接加熱することにより、RF端子61とアンテナ端子41とをハンダ81cにて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード300を作製する工程。
【発明の効果】
【0010】
本発明のデュアルインターフェースカードの製造方法では、絶縁基材の所定位置に貫通孔もしくは開口部を形成したデュアルインターフェースモジュールをアンテナ端子上にクリームハンダ層を形成したアンテナ内蔵カードに装着した後、貫通孔もしくは開口部よりソフトビームやレーザー光線等の熱線ビームをクリームハンダ層もしくはRF端子に局部的に照射することによりクリームハンダ層を加熱するため、短時間でハンダ溶融ができ、ハンダ溶融が確実に行われた状態でRF端子とアンテナ端子とがハンダ接合され、カード基材への熱ダメージ及びカード変形を極力抑えることができ、接合信頼性に優れたデュアルインターフェースカードを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態につき説明する。
本発明のデュアルインターフェースカードの製造方法について説明する。
図1(a)〜(d)、図2(e)〜(i)及び図3(j)〜(n)は、本発明の請求項1に係るデュアルインターフェースカードの製造方法の一例を工程順に示す説明図である。まず、PET−G基材もしくは塩化ビニールシート等からなるオーバーレイ11の一方の面にオフセット印刷、スクリーン印刷等にてパターン、絵柄を印刷して、デザイン絵柄31を形成する。さらに、熱可塑性樹脂溶液をグラビア印刷等にて塗工して塗膜を形成し、乾燥して接着樹脂層21を形成した加工シート10を作製する(図1(a)参照)。
ここで、接着樹脂層21としては、エチレンビニルアルコール(EVA)、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル系の単体若しくは混合によるホットメルト型シート形態の接着剤、2液反応型エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、UV及びカチオン重合、嫌気、湿気等の併用硬化により完全硬化する樹脂の単独、或いは混合物を用いることが出来る。
【0012】
PET−Gシート等からなるコアシート12の所定位置にアンテナコイル42及びアンテナ接続端子41を形成したアンテナシート20を作製する(図1(b)及び(c)参照)。
ここで、図1(b)は、アンテナシート20の模式平面図を、図1(c)は、図1(b)をA−A’線で切断したアンテナシート20の模式構成断面図を示す。
アンテナコイル42及びアンテナ接続端子41は、コアシート12に銅箔が積層された両面銅箔付きコアシートの銅箔をフォトエッチングプロセス等でパターニング処理して形成するか、コアシート12上に導電ペーストをスクリーン印刷等でパターン印刷して、乾燥硬化して形成する等の方法で形成する。
アンテナコイル42が交差する部分は図1(b)に示すように、アンテナコイルが交差する部分の配線45をコアシート12の裏面に形成して、配線45の両端とアンテナコイル42の端子部43とをスルーホール等で電気的に接続している。
【0013】
次に、アンテナシート20の両面に、オーバーレイ11の一方の面にデザイン絵柄31が、他方の面に接着樹脂層21が形成された加工シート10を積層し(図1(d)参照)、所定の温度、圧力で熱プレス加工することにより、アンテナコイル42及びアンテナ接続
端子41が多面付けされたアンテナ内蔵ブロックシート30を作製する(図2(e)参照)。
【0014】
次に、上記アンテナ内蔵ブロックシート30を所定のカード寸法にパンチャーで打ち抜き加工し、アンテナ内蔵カード40を作製する(図2(f)参照)。
【0015】
次に、アンテナ内蔵カード40の所定位置をザグリ加工(ミーリング加工)してデュアルインターフェースモジュールを装着するためのキャビティー55を形成し、アンテナ端子41を露出して、キャビティー55が形成されたアンテナ内蔵カード50を作製する(図2(g)参照)。
【0016】
次に、ガラスエポキシ、ポリイミド等の絶縁基材13の両面に銅箔が積層された両面銅貼り積層板の銅箔をフォトエッチングプロセス等でパターニング処理し、ビア加工処理して、絶縁基材13の一方の面に外部接続端子71を、他方の面にICチップ接続バンプ(特に、図示せず)及びRF端子61を形成し、ICチップ接続バンプ、外部接続端子71及び外部接続端子71にはニッケル、金メッキを施す。
さらに、ICチップ51をフェースダウンボンディング等で実装して、ICチップ51が実装されたデュアルインターフェースモジュール60を作製する(図2(h)及び(i)参照)。
ここで、図2(h)はデュアルインターフェースモジュール60の模式上面図を、図2(i)は、デュアルインターフェースモジュール60をA−A’線で切断した模式構成断面図をそれぞれ示す。
外部接続端子71とICチップ接続バンプとRF端子61とはフィルドビア及び配線層(特に、図示せず)にてICチップ51とそれぞれ電気的に接続されている。
さらに、必要に応じてICチップ51周辺部をエポキシ系樹脂等にて樹脂封止する。
【0017】
次に、デュアルインターフェースモジュール60のRF端子61上の絶縁基材13の所定位置をレーザー加工等により孔開け加工し、RF端子61を貫通する貫通孔91を形成し、絶縁基材13の所定位置に貫通孔91が形成されたデュアルインターフェースモジュール60aを作製する(図3(j)及び(k)参照)。
貫通孔91は、開孔径が大きいほどエネルギー照射が容易になるが、外部接続端子71の機能を損なわないように、0.5mmφ程度が好ましい。
ここで、図3(j)は貫通孔91が形成されたデュアルインターフェースモジュール60aの模式上面図を、図3(k)は、デュアルインターフェースモジュール60aをA−A’線で切断した模式構成断面図をそれぞれ示す。
【0018】
次に、キャビティー55が形成されたアンテナ内蔵カード50のアンテナ端子41上にクリームハンダを塗布してクリームハンダ層81を形成し、アンテナ端子41上にクリームハンダ層81が形成されたアンテナ内蔵カード50aを作製する(図3(l)参照)。
【0019】
次に、アンテナ内蔵カード50aのキャビティー55内のクリームハンダ層81とデュアルインターフェースモジュール60aのRF端子61とを位置合わせして装着し(図3(l)参照)、貫通孔91よりキセノンランプの光線をレンズで集光したソフトビームやレーザー光線等の熱線ビームをクリームハンダ層81に照射してクリームハンダ層81を直接加熱することによりハンダ溶融を行い、RF端子61とアンテナ端子41とをハンダ81aにて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード100を作製する(図3(m)及び(n)参照)。ここで、図3(m)はデュアルインターフェースカード100の模式構成断面図を、図3(n)は、デュアルインターフェースカード100のB部を拡大した部分模式構成断面図をそれぞれ示す。
【0020】
図3(n)からも分かるように、RF端子61とアンテナ端子41とはハンダ81aにて確実に接合されており、貫通孔91よりの局部的な熱線ビームの加熱により、カード基材への熱ダメージ及びカード変形を極力抑えることができ、接合信頼性に優れたデュアルインターフェースカードを得ることができる。
【0021】
図1(a)〜(d)、図2(e)〜(i)及び図4(j)〜(n)は、本発明の請求項2に係るデュアルインターフェースカードの製造方法の一例を工程順に示す説明図である。
まず、上記と同じ製造工程にて、加工シート10(図1(a)参照)、アンテナシート20(図1(b)及び(c)参照)、アンテナ内蔵ブロックシート30(図2(e)参照)、アンテナ内蔵カード40(図2(f)参照)、キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード50(図2(g)参照)、デュアルインターフェースモジュール60(図2(h)及び(i)参照)をそれぞれ作製する。
【0022】
次に、デュアルインターフェースモジュール60のRF端子61上の絶縁基材13をレーザー加工等により孔開け加工し、RF端子61上に開口部92を形成し、RF端子61上の絶縁基材13に開口部92が形成されたデュアルインターフェースモジュール60bを作製する(図4(j)及び(k)参照)。
開口部92は、開孔径が大きいほどエネルギー照射が容易になるが、外部接続端子71の機能を損なわないように、0.5mmφ程度が好ましい。
ここで、図4(j)はデュアルインターフェースモジュール60bの模式上面図を、図4(k)は、デュアルインターフェースモジュール60aをA−A’線で切断した模式構成断面図をそれぞれ示す。
【0023】
次に、キャビティー55が形成されたアンテナ内蔵カード50のアンテナ端子41上にクリームハンダを塗布してクリームハンダ層81を形成し、アンテナ端子41上にクリームハンダ層81が形成されたアンテナ内蔵カード50aを作製する(図4(l)参照)。
【0024】
次に、アンテナ内蔵カード50aのキャビティー55内のクリームハンダ層81とデュアルインターフェースモジュール60bのRF端子61とを位置合わせして装着し(図4(l)参照)、開口部92よりキセノンランプの光線をレンズで集光したソフトビームやレーザー光線等の熱線ビームをRF端子61に照射してRF端子61を加熱し、RF端子61を介してクリームハンダ層81所定の温度に加熱することによりハンダ溶融を行い、RF端子61とアンテナ端子41とをハンダ81bにて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード200を作製する(図4(m)及び(n)参照)。
ここで、図4(m)はデュアルインターフェースカード200の模式構成断面図を、図4(n)は、デュアルインターフェースカード200のB部を拡大した部分模式構成断面図をそれぞれ示す。
【0025】
図4(n)からも分かるように、RF端子61とアンテナ端子41とはハンダ81bにて確実に接合されており、開口部92よりの局部的な熱線ビームの加熱により、カード基材への熱ダメージ及びカード変形を極力抑えることができ、接合信頼性に優れたデュアルインターフェースカードを得ることができる。
【0026】
図1(a)〜(d)、図2(e)〜(i)及び図5(j)〜(n)は、本発明の請求項3に係るデュアルインターフェースカードの製造方法の一例を工程順に示す説明図である。
まず、上記と同じ製造工程にて、加工シート10(図1(a)参照)、アンテナシート2
0(図1(b)及び(c)参照)、アンテナ内蔵ブロックシート30(図2(e)参照)、アンテナ内蔵カード40(図2(f)参照)、キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード50(図2(g)参照)、デュアルインターフェースモジュール60(図2(h)及び(i)参照)をそれぞれ作製する。
【0027】
次に、デュアルインターフェースモジュール60の絶縁基材13の所定位置を孔開け加工してRF端子61を貫通する貫通孔を形成し、さらに貫通孔内部に導体めっきを施してスルーホール93を形成し、絶縁基材13の所定位置にスルーホール93が形成されたデュアルインターフェースモジュール60cを作製する(図5(j)及び(k)参照)。
スルーホール93は、開孔径が大きいほどエネルギー照射が容易になるが、外部接続端子71の機能を損なわないように、0.5mmφ程度が好ましい。
ここで、貫通孔内部の導体めっきは、無電解銅めっきまたは電解銅めっきにて形成した銅めっき層が好ましい。
また、銅めっき層はRF端子61と物理的、電気的に接続されており、銅めっき層の上部は庇状に形成することが好ましい。
【0028】
次に、アンテナ内蔵カード50aのキャビティー55内のクリームハンダ層81とデュアルインターフェースモジュール60cのRF端子61とを位置合わせして装着し(図5(l)参照)、スルーホール93よりキセノンランプの光線をレンズで集光したソフトビームやレーザー光線等の熱線ビームをクリームハンダ層81に照射してクリームハンダ層81を直接加熱することによりハンダ溶融を行い、RF端子61とアンテナ端子41とをハンダ81cにて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード300を作製する(図5(m)及び(n)参照)。
ここで、図5(m)はデュアルインターフェースカード300の模式構成断面図を、図5(n)は、デュアルインターフェースカード300のB部を拡大した部分模式構成断面図をそれぞれ示す。
【0029】
図5(n)からも分かるように、RF端子61とアンテナ端子41とはハンダ81cにて確実に接合されており、スルーホール93よりの局部的な熱線ビームの加熱により、カード基材への熱ダメージ及びカード変形を極力抑えることができ、接合信頼性に優れたデュアルインターフェースカードを得ることができる。
さらに、ハンダ81cはスルーホール93内にも一部入り込んだ状態でハンダ接合されており、より強固なハンダ接合形態となっている。
【0030】
本発明のデュアルインターフェースカードの製造方法では、貫通孔もしくは開口部よりソフトビームやレーザー光線等の熱線ビームをクリームハンダ層もしくはRF端子に局部的に照射することによりクリームハンダ層を加熱するため、短時間でハンダ溶融ができ、ハンダ溶融が確実に行われた状態でRF端子とアンテナ端子とがハンダ接合され、カード基材への熱ダメージ及びカード変形を極力抑えることができ、接合信頼性に優れたデュアルインターフェースカードを得ることができる。
【実施例1】
【0031】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
まず、0.3mm厚のPET−G基材からなるオーバーレイ11の一方の面にオフセット印刷、スクリーン印刷等にてパターン、絵柄を印刷して、デザイン絵柄31を形成した。さらに、オーバーレイ11の他方の面にポリエステル樹脂溶液をグラビアコーターにて塗工して塗膜を形成し、乾燥して2〜3μm厚の接着樹脂層21を形成した加工シート10を作製した(図1(a)参照)。
【0032】
次に、0.2mm厚のPET−G基材からなるコアシート12の一方の面に銅箔が積層された片面銅張り積層板の銅箔をフォトエッチングプロセスにてパターニング処理し、コアシート12の所定位置にアンテナコイル42及びアンテナ接続端子41を形成したアンテナシート20を作製した(図1(b)及び(c)参照)
次に、アンテナシート20の両面に、オーバーレイ11の一方の面にデザイン絵柄31が、他方の面に接着樹脂層21が形成された加工シート10を積層し(図1(d)参照)、温度120℃、圧力15kg/cm2で20分間熱プレス加工することにより、アンテナコイル42及びアンテナ接続端子41が多面付けされたアンテナ内蔵ブロックシート30を作製した(図2(e)参照)。
【0033】
次に、上記アンテナ内蔵ブロックシート30を所定のカード寸法にパンチャーで打ち抜き加工し、アンテナ内蔵カード40を作製した(図2(f)参照)。
【0034】
次に、アンテナ内蔵カード40の所定位置をザグリ加工(ミーリング加工)してデュアルインターフェースモジュールを装着するための開口部を形成し、アンテナ端子41を露出したキャビティー55を形成し、キャビティー55が形成されたアンテナ内蔵カード50を作製した(図2(g)参照)。
【0035】
次に、ガラスエポキシ樹脂からなる絶縁基材13の両面に銅箔を積層した両面銅貼り積層板の銅箔をフォトエッチングプロセス等でパターニング処理、ビア加工処理して、外部接続端子71、RF端子61、配線層、ICチップ接続バンプ及びフィルドビア(特に、図示せず)を形成し、ICチップ接続バンプ、外部接続端子71及びRF端子61上に2μm厚のニッケル層及び0.3μm厚の金層(特に、図示せず)を形成した。
さらに、ICチップ51をフェースダウンボンディングで実装して、絶縁基材13の一方の面に外部接続端子71が、他方の面にRF端子61が形成されたデュアルインターフェースモジュール60を作製した(図2(h)参照)。
【0036】
次に、デュアルインターフェースモジュール60のRF端子61上の絶縁基材13の所定位置をレーザー加工にて孔開け加工し、RF端子61を貫通する0.5mmφの貫通孔91を形成し、絶縁基材13の所定位置に貫通孔91が形成されたデュアルインターフェースモジュール60aを作製した(図3(j)及び(k)参照)。
【0037】
次に、アンテナ内蔵カード50のキャビティー55内のアンテナ端子41上にクリームハンダ(エコソルダーペースト(商品名))を塗布して0.1mm厚のクリームハンダ層81を形成し、アンテナ端子41上にクリームハンダ層81が形成されたアンテナ内蔵カード50aを作製した(図3(l)参照)。
【0038】
次に、アンテナ内蔵カード50aのキャビティー55にデュアルインターフェースモジュール60aを位置合わせして装着し(図3(l)参照)、貫通孔91より出力15〜30wのキセノンランプの光線をレンズで集光したソフトビームをクリームハンダ層81に2秒程照射してクリームハンダ層81を直接加熱することによりハンダ溶融を行い、RF端子61とアンテナ端子41とをハンダ81aにて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード100を作製した(図3(m)及び(n)参照)。
【実施例2】
【0039】
まず、実施例1と同様な工程で、加工シート10(図1(a)参照)、アンテナシート20(図1(b)及び(c)参照)、アンテナ内蔵ブロックシート30(図2(e)参照)、アンテナ内蔵カード40(図2(f)参照)、キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード50(図2(g)参照)、デュアルインターフェースモジュール60(図2(h)及び(i)参照)をそれぞれ作製した。
【0040】
次に、デュアルインターフェースモジュール60のRF端子61上の絶縁基材13をレーザー加工にて孔開け加工し、RF端子61上に0.5mmφの開口部92を形成し、RF端子61上の絶縁基材13に開口部92が形成されたデュアルインターフェースモジュール60bを作製した(図4(j)及び(k)参照)。
【0041】
次に、キャビティー55が形成されたアンテナ内蔵カード50のアンテナ端子41上にクリームハンダを塗布してクリームハンダ層81を形成し、アンテナ端子41上にクリームハンダ層81が形成されたアンテナ内蔵カード50aを作製した(図4(l)参照)。
【0042】
次に、アンテナ内蔵カード50aのキャビティー55内のクリームハンダ層81とデュアルインターフェースモジュール60bのRF端子61とを位置合わせして装着し(図4(l)参照)、開口部92より出力15〜30wのキセノンランプの光線をレンズで集光したソフトビームをRF端子61に2秒程照射してRF端子61を加熱し、RF端子61を介してクリームハンダ層81を所定の温度に加熱することによりハンダ溶融を行い、RF端子61とアンテナ端子41とをハンダ81bにて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード200を作製した(図4(m)及び(n)参照)。
【実施例3】
【0043】
まず、実施例1と同様な工程で、加工シート10(図1(a)参照)、アンテナシート20(図1(b)及び(c)参照)、アンテナ内蔵ブロックシート30(図2(e)参照)、アンテナ内蔵カード40(図2(f)参照)、キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード50(図2(g)参照)、デュアルインターフェースモジュール60(図2(h)及び(i)参照)をそれぞれ作製した。
【0044】
次に、デュアルインターフェースモジュール60の絶縁基材13の所定位置を孔開け加工してRF端子61を貫通する貫通孔を形成し、さらに貫通孔内部に電解銅めっきにより35μm厚の銅めっき層を形成して0.5mmφのスルーホール93を形成し、絶縁基材13の所定位置にスルーホール93が形成されたデュアルインターフェースモジュール60cを作製した(図5(j)及び(k)参照)。
【0045】
次に、キャビティー55が形成されたアンテナ内蔵カード50のアンテナ端子41上にクリームハンダを塗布してクリームハンダ層81を形成し、アンテナ端子41上にクリームハンダ層81が形成されたアンテナ内蔵カード50aを作製した(図5(l)参照)。
【0046】
次に、アンテナ内蔵カード50aのキャビティー55内のクリームハンダ層81とデュアルインターフェースモジュール60bのRF端子61とを位置合わせして装着し(図5(l)参照)、スルーホール93より出力15〜30wのキセノンランプの光線をレンズで集光したソフトビームをクリームハンダ層81に2秒程照射してクリームハンダ層81を直接加熱することによりハンダ溶融を行い、RF端子61とアンテナ端子41とをハンダ81cにて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード300を作製した(図5(m)及び(n)参照)。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a)〜(d)は、本発明のデュアルインターフェースカードの製造方法の製造工程の一部を示す説明図である。
【図2】(e)〜(i)は、本発明のデュアルインターフェースカードの製造方法の製造工程の一部を示す説明図である。
【図3】(j)〜(m)は、本発明のデュアルインターフェースカードの請求項1に係わる製造方法の製造工程の一部を示す説明図である。(n)は、(m)のデュアルインターフェースカード100のB部を拡大した模式構成断面図である。
【図4】(j)〜(m)は、本発明のデュアルインターフェースカードの請求項2に係わる製造方法の製造工程の一部を示す説明図である。(n)は、(m)のデュアルインターフェースカード200のB部を拡大した模式構成断面図である。
【図5】(j)〜(m)は、本発明のデュアルインターフェースカードの請求項3に係わる製造方法の製造工程の一部を示す説明図である。(n)は、(m)のデュアルインターフェースカード300のB部を拡大した模式構成断面図である。
【図6】(a)〜(b)は、デュアルインターフェースカードの構成の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
10……加工シート
11……オーバーレイ
12……コアシート
13……絶縁基材
18……凹部
19……クリームハンダ
20……アンテナシート
21……接着樹脂層
33……アンテナ内蔵ブロックシート
31……デザイン絵柄
40……アンテナ内蔵カード
41……アンテナ接続端子
42……アンテナコイル
43……端子部
45……配線
50……キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード
50a……アンテナ端子上にクリームハンダ層が形成されたアンテナ内蔵カード
51……ICチップ
55……キャビティー
60……デュアルインターフェースモジュール
60a……貫通孔91が形成されたデュアルインターフェースモジュール
60b……RF端子上に開口部92が形成されたデュアルインターフェースモジュール
60c……スルーホール93が形成されたデュアルインターフェースモジュール
61……RF端子
71……外部接続端子
81……クリームハンダ層
81a、81b、81c……ハンダ
91……貫通孔
92……開口部
93……スルーホール
112……外部装置接続端子
114……IC側アンテナコイル端子
115……モールド樹脂
120……カード基体
121……コアシート
123、124……オーバーシート
143……アンテナコイル
144……アンテナコイル接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板の一方の面に外部接続端子が、他方の面にRF(Radio Frequency)端子が形成され、ICチップが実装されたデュアルインターフェースモジュールとアンテナコイルとアンテナ端子が内蔵されたアンテナ内蔵カードとを用いて作製されるデュアルインターフェースカードの製造方法において、
少なくとも以下の工程を具備することを特徴とするデュアルインターフェースカードの製造方法。
(a)オーバーレイ(11)の一方の面にデザイン絵柄(31)を、他方の面に接着樹脂層(21)を形成した加工シート(10)を作製する工程
(b)耐熱性シート(12)の所定位置にアンテナコイル(42)と、アンテナ端子(41)とを形成したアンテナシート(20)を作製する工程。
(c)アンテナシート(20)の両面に加工シート(10)を積層し、熱プレス加工してアンテナ内蔵ブロックシート(30)を作製する工程。
(d)アンテナ内蔵ブロックシート(30)をカード形状に加工してアンテナ内蔵カード(40)を作製する工程。
(e)アンテナ内蔵カード(40)の所定位置をザグリ加工(ミーリング加工)してデュアルインターフェースモジュールを装着するためのキャビティー(55)を形成し、アンテナ端子(41)を露出して、キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード(50)を作製する工程。
(f)絶縁基材(13)の一方の面に外部接続端子(71)が、他方の面にRF端子(61)が形成され、ICチップ(51)が実装されたデュアルインターフェースモジュール(60)を作製する工程。
(g)デュアルインターフェースモジュール(60)の絶縁基材(13)の所定位置を孔開け加工して、RF端子(61)を貫通する貫通孔(91)を形成し、貫通孔(91)が形成されたデュアルインターフェースモジュール(60a)を作製する工程。
(h)キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード(50)のアンテナ端子(41)上にクリームハンダ層(81)を形成し、アンテナ端子(41)上にクリームハンダ層(81)が形成されたアンテナ内蔵カード(50a)を作製する工程。
(i)アンテナ内蔵カード(50b)のキャビティー(55)にデュアルインターフェースモジュール(60a)を位置合わせして装着し、貫通孔(91)よりソフトビームやレーザー光線等の熱線ビームをクリームハンダ層(81)に照射してクリームハンダ層(81)を直接加熱することにより、RF端子(61)とアンテナ端子(41)とをハンダ(81a)にて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード(100)を作製する工程。
【請求項2】
絶縁基板の一方の面に外部接続端子が、他方の面にRF(Radio Frequency)端子が形成され、ICチップが実装されたデュアルインターフェースモジュールとアンテナコイルとアンテナ端子が内蔵されたアンテナ内蔵カードとを用いて作製されるデュアルインターフェースカードの製造方法において、
少なくとも以下の工程を具備することを特徴とするデュアルインターフェースカードの製造方法。
(a)オーバーレイ(11)の一方の面にデザイン絵柄(31)を、他方の面に接着樹脂層(21)を形成した加工シート(10)を作製する工程
(b)耐熱性シート(12)の所定位置にアンテナコイル(42)と、アンテナ端子(41)とを形成したアンテナシート(20)を作製する工程。
(c)アンテナシート(20)の両面に加工シート(10)を積層し、熱プレス加工してアンテナ内蔵ブロックシート(30)を作製する工程。
(d)アンテナ内蔵ブロックシート(30)をカード形状に加工してアンテナ内蔵カード(40)を作製する工程。
(e)アンテナ内蔵カード(40)の所定位置をザグリ加工(ミーリング加工)してデュアルインターフェースモジュールを装着するためのキャビティー(55)を形成し、アンテナ端子(41)を露出して、キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード(50)を作製する工程。
(f)絶縁基材(13)の一方の面に外部接続端子(71)が、他方の面にRF端子(61)が形成され、ICチップ(51)が実装されたデュアルインターフェースモジュール(60)を作製する工程。
(g)デュアルインターフェースモジュール(60)の絶縁基材(13)の所定位置を孔開け加工して、RF端子(61)上に開口部(92)を形成し、RF端子(61)上に開口部(92)が形成されたデュアルインターフェースモジュール(60b)を作製する工程。
(h)キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード(50)のアンテナ端子(41)上にクリームハンダ層(81)を形成し、アンテナ端子(41)上にクリームハンダ層(81)が形成されたアンテナ内蔵カード(50a)を作製する工程。
(i)アンテナ内蔵カード(50a)のキャビティー(55)にデュアルインターフェースモジュール(60b)を位置合わせして装着し、開口部(92)よりソフトビームやレーザー光線等の熱線ビームをRF端子(61)に照射してRF端子(61)を加熱し、RF端子(61)を介してクリームハンダ層(81)を加熱することにより、RF端子(61)とアンテナ端子(41)とをハンダ(81b)にて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード(200)を作製する工程。
【請求項3】
絶縁基板の一方の面に外部接続端子が、他方の面にRF(Radio Frequency)端子が形成され、ICチップが実装されたデュアルインターフェースモジュールとアンテナコイルとアンテナ端子が内蔵されたアンテナ内蔵カードとを用いて作製されるデュアルインターフェースカードの製造方法において、
少なくとも以下の工程を具備することを特徴とするデュアルインターフェースカードの製造方法。
(a)オーバーレイ(11)の一方の面にデザイン絵柄(31)を、他方の面に接着樹脂層(21)を形成した加工シート(10)を作製する工程
(b)耐熱性シート(12)の所定位置にアンテナコイル(42)と、アンテナ端子(41)とを形成したアンテナシート(20)を作製する工程。
(c)アンテナシート(20)の両側に加工シート(30)を積層し、熱プレス加工してアンテナ内蔵ブロックシート(30)を作製する工程。
(d)アンテナ内蔵ブロックシート(30)をカード形状に加工してアンテナ内蔵カード(40)を作製する工程。
(e)アンテナ内蔵カード(40)の所定位置をザグリ加工(ミーリング加工)してデュアルインターフェースモジュールを装着するためのキャビティー(55)を形成し、アンテナ端子(41)を露出して、キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード(50)を作製する工程。
(f)絶縁基材(13)の一方の面に外部接続端子(71)が、他方の面にRF端子(61)が形成され、ICチップ(51)が実装されたデュアルインターフェースモジュール(60)を作製する工程。
(g)デュアルインターフェースモジュール(60)の絶縁基材(13)の所定位置を孔開け加工してRF端子(61)を貫通する貫通孔を形成して貫通孔内部に導体めっきを施し、スルーホール(93)が形成されたデュアルインターフェースモジュール(60c)を作製する工程。
(h)キャビティーが形成されたアンテナ内蔵カード(50)のアンテナ端子(41)上にクリームハンダ層(81)を形成し、アンテナ端子(41)上にクリームハンダ層(81)が形成されたアンテナ内蔵カード(50a)を作製する工程。
(i)アンテナ内蔵カード(50a)のキャビティー(55)にデュアルインターフェースモジュール(60c)を位置合わせして装着し、スルーホール(93)よりソフトビームやレーザー光線等の熱線ビームをクリームハンダ層(81)に照射してクリームハンダ層(81)を直接加熱することにより、RF端子(61)とアンテナ端子(41)とをハンダ(81c)にて接合し、デュアルインターフェースモジュールとアンテナとが電気的に接続されたデュアルインターフェースカード(300)を作製する工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−71028(P2008−71028A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−247820(P2006−247820)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】