説明

デンプン質構成要素と合成ポリマーとをベースとする組成物を調製する方法

本発明の一目的は、軟化または溶融合成ポリマー(構成要素1)を含有する反応装置内に、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)とその可塑剤(構成要素3)とを投入するステップと、可塑剤(構成要素3)によるデンプン質構成要素(構成要素2)の可塑化を得るのに十分な条件下で、得られる混合物を混練するステップと、合成ポリマーと可塑化デンプン質構成要素とを均質に混合するステップを含んでなる、合成ポリマーベースの組成物を調製する方法である。反応装置は特に共転、または逆転単軸スクリューまたは二軸スクリュー押し出し機、例えば共転二軸スクリュー押し出し機であってもよい。合成ポリマーは、有利には、官能化されていてもいなくてもよいポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、好ましくは官能化されているスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体、非晶質ポリエチレンテレフタレート(PETG)、およびその混合物を含んでなる群から選択されてもよい。得られる組成物は、特に着色と機械的特性の観点、例えば破断点伸びの観点から改善された特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成ポリマーとデンプン質構成要素とをベースとする組成物を調製する新しい方法に関し、この方法によって得られる組成物にもまた関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンなどのプラスチックに、顆粒デンプンを充填材として組み込むことは、数十年にわたって既に知られている慣習である。デンプンを合成ポリマーに分散する前に、顆粒天然デンプンを一般に1重量%未満の水分含量に乾燥させ、その親水性性質を低下させて、ポリマーによって形成された連続マトリックス中への組み込みを容易にし、得られる分散体を安定化させる。同一目的で、デンプンはまた、脂肪性物質(脂肪酸、シリコーンまたはシリコネート)でプレコートされ、またはシロキサンなどの疎水性基またはイソシアネートなどの反応性基をグラフトすることで粒子表面で変性された。このようにして得られた材料は約10重量%で20重量%以下の顆粒デンプンを一般に含有したが、それはこの値を超えると複合材料の機械的特性が不十分になるためである。
【0003】
次にほとんどの場合、生分解性であり、より大きな比率のデンプンを含有する材料を調製することが想定され、上記デンプンは一般に、材料を調製する工程の任意の時点で、水であってもよい可塑剤によって可塑化される。
【0004】
以下の例が挙げられる。
−米国特許第5462981号明細書は、この場合はポリビニルアルコール(「PVA」として知られている)であり、非常に特異的な条件下での押出しによって予備可塑化されている、水溶性ポリマーをベースとする生分解性ポリマー配合物の調製について記載しており、前記配合物は場合により20%〜70重量%のデンプンを含有する。顆粒デンプンは、PVAと接して配置される場合は予備可塑化されず、それは固形形態であり、すなわち押し出し顆粒の形態(「可塑化PVA顆粒」)である。
−独国特許第19533800号明細書は、なおもより多くのデンプンを含有してもよい、生分解性ポリマー配合物の調製について記載する。デンプンはその押し出し機内への投入前に予備可塑化されていてもよいが、実際には実施例によれば、デンプンおよびこの場合はポリ酢酸ビニル(「PVAc」)である固形形態のポリマーと同時混合することで、デンプン可塑剤が使用される。
−米国特許第6365079号明細書は、40%〜98重量%のデンプンと、2%〜60重量%の「熱可塑性ヒドロキシ官能化ポリエーテルアミン」タイプの特定ポリマーとを含有してもよい組成物について記載する。前の場合と同様、デンプンは押し出し機内へのその投入前に予備可塑化されていてもよいが、実際には実施例によれば、デンプンおよび固形形態のポリマーと同時混合することで、この場合は水であるデンプン可塑剤が使用される。
−米国特許出願公開第2001/0039303号明細書は、非常に特異的な可塑剤、すなわち同時にポリマー性、生分解性、および疎水性である可塑剤を用いた、デンプンの押出しによる予備可塑化について記載する。このような可塑剤を使用することで、最終材料の物理的および/または機械的特性を低下させないように、その存在が本例では所望されない、低分子量の標準デンプン可塑剤を使用しないで済ませられようになる。実際にはこの材料は、デンプン可塑化ポリマー(「追加的ポリマー」)以外の1つ以上のポリマーを含有し、それらはポリマー性可塑剤によるデンプン可塑化の後に押し出し機内で使用され、またその含水量が必然的に非常に低レベル、すなわち1%未満に低下されている媒体中で使用されて、デンプンの良好な可塑化、およびデンプンとそのポリマー性可塑剤の間の良好な相溶化を可能にする。
−欧州特許第1229075号明細書は、フィロケイ酸塩または積層シリケート、そして任意に合成ポリマーを含有する、デンプンベースの熱可塑性組成物について記載する。前記特許の実施例4のように、この場合は「Bionolle」または「Ecoflex」商標の生分解性ポリエステルである合成ポリマーが使用される場合、とりわけデンプンが、固形形態(顆粒)にあるこの合成ポリマーと共に、そしてデンプン可塑剤(グリセロール/水混合物)と共に、同時使用されるようである。
【0005】
−「Effects of Starch Moisture on Properties on Wheat Starch/Poly(Lactic Acid)Blend Containing Methylenediphenyl Diisocyanate」と題された、Wangらによる論文(Journal of Polymers and the Environment,第10巻,4号,2002年10月)は、デンプンと生分解性ポリマーとをベースとするポリマー組成物、すなわちPLAの調製に関する。この場合は水であるデンプン可塑剤は、デンプンおよび(固形形態の)ポリマー(「PLAチップ」)と同時に混合され、予備粉砕されて使用されるようである。
【0006】
高デンプン含量のポリマーの開発に向けたその研究の途上で、出願人は最近、適切な可塑剤により予備可塑化されたデンプン質構成要素の導入を想定した。出願人により開発された方法は、特に2008年2月1日に出願された仏国特許出願第0850659号明細書および仏国特許出願第0850660号明細書に記載され、熱可塑性デンプン質組成物の顆粒の調製のために、押出しによって顆粒デンプンと可塑剤とを熱機械的に混合するステップを含んでなる。次に得られた顆粒を溶融合成ポリマーマトリックス内に組み込む。可塑剤およびデンプンと、またはポリマーとさえも反応できるジイソシアン酸メチレンジフェニルなどの二官能性基の存在によって、良好な機械的特性を有する高デンプン含量の組成物が製造できるようになる。これらの組成物の調製は、反応性押出しによって実施される。
【0007】
しかし出願人がこのような組成物の調製のために、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの高融点の合成ポリマーを使用したとき、得られた組成物に黄色から暗褐色にいたる望ましくない着色が観察された。デンプンの熱分解に起因するこの着色は、温度がより高いほど、押出し時間がより長いほど一層明白であった。
【0008】
非可塑化顆粒天然デンプンは熱分解に対して可塑化デンプンよりもかなり感受性が低いことが立証されているので、熱可塑性ポリマー充填材としての顆粒デンプンの使用について、これらの着色現象は以前は観察されていなかった。
【0009】
米国特許第6844380号明細書は、ゼラチン化され可塑化されたデンプン質組成物を第1の押し出し機内で調製するステップと、第1の押し出し機に連絡する第2の押し出し機から熱可塑性ポリマー溶融物を第1の押し出し機内に投入するステップと、2つの構成要素を均質な組成物が得られるまで直接混合するステップを含んでなる、熱可塑性ポリマーと可塑化デンプン質構成要素とをベースとする組成物を調製する方法を開示する。したがってこの特許に記載される方法は、以前出願人によって開発されたのと同じ欠点を有し、すなわち予備可塑化デンプン質組成物の高温への長時間の曝露が、可塑化デンプン質材料の熱分解および/または相当な着色を引き起こしがちである。
【0010】
したがって例えば130℃よりも高い高融点の合成ポリマーの場合でさえ、デンプン質材料の熱分解を最小化できるようにし、得られる最終組成物の着色を限定しまたは排除さえできるようにする、合成ポリマーと可塑化デンプン質材料とをベースとする組成物を調製する方法に対する必要がある。これが全て、先行技術に従った最終組成物の機械的特性を同時に保ちながら、または改善さえしながら達成される。
【0011】
可塑化デンプン質材料の熱分解による着色の制限を模索するうちに、出願人は予期に反して、合成ポリマーに込む前に、デンプン質構成要素を可塑剤で可塑化する必要がないこと、そしてこの可塑化が前記合成ポリマーの存在下で非常に効率的に実施し得ることを発見した。この場合、出願人は合成ポリマーの軟化または融解後に、可塑剤を用いてデンプン質材料を可塑化する方法を実施することで、比較的着色の少ない最終組成物が得られることを観察した。この着色低下は、非可塑化形態で取り込まれると、その可塑化形態よりも分解に対するより良い抵抗性を示すデンプン質材料の熱分解低下に起因する。
したがって本発明は、軟化または溶融合成ポリマーに予備可塑化デンプン質構成要素が組み込まれるのでなく、非可塑化デンプン質構成要素とその可塑剤が別々に組み込まれるという事実に基づく。
「別々に」という用語は、本明細書での用法では、反応装置内へのデンプン質構成要素および可塑剤の同時投入を、たとえ混合物の形態であってさえも除外しない。しかしこの用語は、本出願人からの仏国特許出願第0850659号明細書および仏国特許出願第0850660号明細書に、または米国特許第6844380号明細書に記載される方法のような、デンプン質構成要素の加工熱処理によって得られる可塑化デンプン質組成物と、その可塑剤とをポリマーを含有する反応装置内に投入するステップを含んでなる、あらゆる方法を除外する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5462981号明細書
【特許文献2】独国特許第19533800号明細書
【特許文献3】米国特許第6365079号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2001/0039303号明細書
【特許文献5】欧州特許第1229075号明細書
【特許文献6】仏国特許出願第0850659号明細書
【特許文献7】仏国特許出願第0850660号明細書
【特許文献8】米国特許第6844380号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Journal of Polymers and the Environment,第10巻,4号,2002年10月
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、より正確には合成ポリマーとデンプン質構成要素とをベースとする組成物を調製する方法であり、前記方法は、
軟化または溶融合成ポリマー(構成要素1)を含有する、例えば押し出し機である反応装置内に、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)とその可塑剤(構成要素3)とを投入するステップと、
得られた混合物を可塑剤(構成要素3)によるデンプン質構成要素(構成要素2)の可塑化を得るのに十分な条件下で混練して、合成ポリマーと可塑化デンプン質構成要素とを均質に混合するステップ
を含んでなる。
【0015】
合成ポリマーは、特に熱可塑性ポリマーから選択されてもよく、本発明に従って、熱可塑性ポリマーの定義には熱可塑性エラストマーが含まれる。
【0016】
非可塑化デンプン質構成要素に接して配置される場合の軟化または溶融合成ポリマーの温度は、それがデンプン質構成要素のための可塑剤と接して配置される温度と同一であってもまたは異なっていてもよい。
【0017】
さらに次に起きる可塑剤によるデンプン質構成要素の可塑化温度もまた、この温度と同一であってもまたは異なっていてもよい。
【0018】
いずれにせよこれらの温度は、一般に全て60℃〜260℃である。好ましくはそれらは80℃〜240℃である。
【0019】
これらの温度は、特に次のようであってもよい。
−合成ポリマーがポリオレフィン、特に官能化されていてもいなくてもよいポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)から選択される場合は、120℃〜200℃、特に130℃〜190℃、
−合成ポリマーが、好ましくは特に無水マレイン酸単位によって官能化されている、ポリアミド(PA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレン−ブチレン−スチレン(SBS)、およびスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体から選択される場合は、100℃〜230℃、
−合成ポリマーが非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)から選択される場合は、100℃〜180℃。
【0020】
第1の変法に従って、本発明に従った方法は、
−剪断力をかけられて60℃〜260℃の温度に加熱される、軟化または溶融熱可塑性合成ポリマー(構成要素1)を含有する、例えば押し出し機である反応装置内に、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)とその可塑剤(構成要素3)とを投入するステップと、
−得られた混合物を剪断力をかけて60℃〜260℃の温度で、可塑剤(構成要素3)によるデンプン質構成要素(構成要素2)の可塑化を得るのに十分な時間にわたり混練して、ポリマーと可塑化デンプン質構成要素とを均質に混合するステップ
を含んでなる。
【0021】
好ましくは言及される温度は80℃〜240℃である。それらは使用するポリマー(特に官能化ポリオレフィン、TPU、PA、SBE、およびSEBS;またはPETG)の性質に応じて、上述のより優先的な範囲内であってもよい。
【0022】
本明細書で説明されるように、構成要素2および3は、別々に相次いでまたは同時に投入される。
【0023】
方法の一変法では、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)または可塑剤(構成要素3)の一部または全てを予備軟化または溶融合成ポリマーとして、反応装置内に同時投入する。
【0024】
この方法は、機械的特性がほぼ同程度に良く、または改善さえしている一方で、着色が少ない最終複合組成物(合成ポリマー/デンプン質材料)を得られるようにするだけでなく、以下のような先行技術の方法よりも実施が容易である。
−可塑化デンプン質組成物の押出し、造粒、および任意の乾燥(仏国特許出願第0850659号明細書および仏国特許出願第0850660号明細書)の別々のステップと、それに続くこの可塑化デンプン質組成物と溶融合成ポリマーとを混合するステップを含んでなり、
−または予備可塑化デンプン質組成物と溶融合成ポリマーとを混合できるように、1台が側方でもう1台に連絡する、2台の押し出し機を含んでなる複雑な装置を必要とする(米国特許第6844380号明細書)。
【0025】
本発明の方法は対照的に、単一反応装置、好ましくは単一押し出し機内で実施し得て、その中に少なくとも3つの必須構成要素(特に熱可塑性である合成ポリマー、可塑剤、および非可塑化デンプン質構成要素)が別々に投入される。
【0026】
デンプン質構成要素の「可塑剤」という用語は、低分子量、すなわち好ましくは5000未満の分子量を有するあらゆる分子を意味し、それは一般に少なくとも35℃に等しく、好ましくは60℃〜260℃、なおもより好ましくは65℃〜200℃の温度における加工熱処理を通じてデンプン質構成要素に組み込まれると、デンプン質構成要素のガラス転移温度の低下をもたらし、および/またはその結晶化度の低下をもたらす。
【0027】
「デンプン質構成要素」という用語は、α−1,4結合を通じて、任意にα−1,6、α−1,2、α−1,3または類似タイプのその他の結合を通じて、共に付着するD−グルコースのあらゆるオリゴマーまたはポリマー単位を意味する。
【0028】
本発明で「デンプン質構成要素」または「顆粒デンプン」に関して「非可塑化」という用語が使用される場合、これは必ずしもあらゆる可塑剤の不在を暗示しない。デンプン質構成要素、特にデンプンは、特に水をはじめとする可塑剤の一覧にある一定量の1つ以上の化合物を含有してもよい。「非可塑化」という用語を使用することで、出願人は前記可塑剤の存在下でデンプン質構成要素が加工熱処理を受け、結果としてそのガラス転移温度および/またはその結晶化度の顕著な低下を有していないことを明記することを望む。デンプン質構成要素は可塑化されていないので、それは水または別の可塑剤などに含まれる粉末または懸濁液形態で提供されてもよい。
【0029】
上で説明したように、デンプン質構成要素および可塑剤は同時に、または相次いで反応装置内に別々に投入され、これらの連続添加の間に任意の混練/加熱段階がある。
【0030】
非可塑化デンプン質構成要素および可塑剤は、軟化または溶融合成ポリマーのための入口とは異なってもよい、2つの異なる入口を通じて反応装置内に投入されてもよい。
【0031】
これらの2つの構成要素(デンプン質構成要素および可塑剤)が同時に添加される場合、この添加は2つの別個の入口を通じて行ってもよいが、同一入口を通じて行ってもよい。換言すれば、非可塑化デンプン質構成要素/可塑剤混合物の反応装置内への投入を想定する実施態様は、独立請求項の範囲から除外されない。
【0032】
しかし好ましい一実施態様では、非可塑化デンプン質構成要素および可塑剤は2つの別個の入口を通じて反応装置内に投入されるが、これらの2つの入口は有利には、軟化または溶融合成ポリマーのための入口と異なる。
【0033】
前述したように、可塑剤は、非可塑化デンプン質構成要素の前に、それと同時にまたはその後に反応装置内に投入されてもよい。
【0034】
特に有利な一実施態様では、可塑剤は非可塑化デンプン質構成要素の投入前に反応装置内に投入され、合成ポリマー内に組み込まれる。具体的には出願人は、非可塑化デンプン質構成要素投入前の合成ポリマーへの可塑剤の組み込みが、可塑剤による前記構成要素引き続く可塑化を効率的に妨げないことを意外にも発見した。
【0035】
可塑剤の投入後のデンプン質構成要素の投入は、デンプン質構成要素の熱分解、および最終組成物の望ましくない着色をもたらしがちである、熱反応装置内で優勢な機械的条件にデンプン質構成要素を曝す時間を可能な限り短縮する利点を有する。
【0036】
押し出し機を反応装置として使用して本発明に従った方法を実施することが、特に有利であり簡単である。これは単軸スクリューまたは二軸スクリュー、共転または逆転押し出し機であってもよい。特に有利な様式では、押し出し機は二軸スクリュー押し出し機、特に共転二軸スクリュー押し出し機である。
【0037】
特に有利な一実施態様では、本発明の方法は以下の連続的段階を含んでなる。
(a)熱可塑性合成ポリマーを押し出し機内に投入するステップと、
(b)熱可塑性合成ポリマーを60℃〜260℃の温度に加熱して混練するステップと、
(c)以下のステップで添加されるデンプン質構成要素のための可塑剤を押し出し機内に投入して、加熱された熱可塑性合成ポリマーに組み込むステップと、
(d)非可塑化デンプン質構成要素を押し出し機内に投入して、先行するステップで得られた混合物に組み込むステップと、
(e)剪断力をかけて可塑剤によるデンプン質構成要素の可塑化を得るのに十分な時間にわたり得られた混合物を60℃〜260℃の温度で混練して、ポリマーと可塑化デンプン質構成要素を均質に混合するステップと、
(f)得られた均質塊を成形するステップ。
【0038】
本発明の方法では、合成ポリマー単独、または特に
ポリマー/可塑剤混合物、
ポリマー/可塑剤/デンプン質構成要素混合物、
ポリマー/可塑剤/デンプン質構成要素/リンカー混合物(後述)
を含むあらゆる多成分混合物を混練する全てのステップは、60℃〜260℃、好ましくは80℃〜240℃の温度で実施される。
【0039】
それらは使用されるポリマー(特に官能化されているポリオレフィン、TPU、PA、SBE、およびSEBS;またはPETG)の性質に応じて、上述のより優先的な範囲内であってもよい。
【0040】
これらの温度の維持には、一般に、しかし必ずしも系統的にではなく、適切な加熱装置の手段によって熱を加えることが必要である。場合によっては温度の維持は、反応装置の断熱手段と組み合わせられた成分混合の剪断および圧縮力によって、既知の様式で得られてもよい。
【0041】
本発明の文脈ではまた、特に前記ポリマーによって提供される熱だけで、前記反応装置内における可塑剤によるデンプン質構成要素の引き続く可塑化が十分確実である温度で、予備軟化または溶融状態の熱可塑性合成ポリマーを投入することも除外されない。
【0042】
合成ポリマーの性質および粘度、使用される剪断力、および混合物の様々な構成要素の比率に応じた温度プロフィールの選択は、当業者の技術範囲内である。
【0043】
本発明に従って、非可塑化デンプン質構成要素をその構成水と共に使用してもよく、したがって有利には一般に10%〜20%、特に12%〜20重量%の含水量を有してもよい。それはまた、例えばその含水量があらかじめ10%未満、特に7重量%未満の値に低下されるように、多かれ少なかれ実質的に乾燥させた後に使用してもよい。使用される非可塑化デンプン質構成要素の含水量は、5%未満または2.5重量%未満でさえあってもよい。
【0044】
本発明の方法の一変法では、特に例えばポリアミドまたはポリエステルなどの合成ポリマー、デンプン質構成要素および/または可塑剤が相当量の水を含んでなる場合、方法はまた、ポリマーと可塑化デンプン質構成要素との均質混合物を乾燥するステップも含む。この乾燥は好ましくは反応装置それ自体の中で、特に減圧手段によって実施される。したがって圧力を例えば2〜1000ミリバール、特に10〜800ミリバールの値に低下させ、調節してもよい。
【0045】
乾燥させた後、乾燥均質混合物は好ましくは5%未満、より優先的には2.5%未満、なおもより好ましくは1.5%未満の含水量を有する。
【0046】
本明細書の下で詳しく述べる方法がリンカーを投入して反応させる任意のステップを含んでなる場合、リンカーを反応装置内に投入する前に均質混合物を乾燥するステップが実施される。この予備乾燥するステップは、加水分解し得る反応性基を含んでなるリンカーを使用する場合に、さらに特に有用である。
【0047】
非可塑化デンプン質構成要素は、顆粒デンプンであってもよい。「顆粒デンプン」という用語は、本明細書では、天然では高等植物の貯蔵器官および組織中に、特に穀物種子、マメ科植物種子、ジャガイモまたはキャッサバ塊茎、根、鱗茎、茎、および果実中に存在するデンプン粒に見られるとのと類似した、半晶質構造をデンプン顆粒中に保存する、天然デンプンまたは物理的、化学的にまたは酵素的に変性されたデンプンを意味する。この半晶質の状態は本質的に、デンプンの2つの主要構成物の1つであるアミロペクチン高分子に起因する。天然形態ではデンプン粒は、本質的にデンプンの植物起源とそれが受けたかもしれない処理次第で、15%〜45%の範囲の結晶化度を有する。
【0048】
偏光下に置かれた顆粒デンプンは、顆粒形態に典型的な「マルタ十字」と称される特徴的な黒い十字を示す。顆粒デンプンのより詳細な説明については、「Initiation a la chimie et a la physico−chimie macromoleculaires」[巨大分子化学および物理化学入門]のS.Perezによる「Structure et morphologie du grain d’amidon」[デンプン粒子の構造及び形態学]と題された第II章,初版2000年,第13巻,41〜86頁,Groupe Francais d’Etudes et d’Applications des Polymeres[ポリマー研究および応用のフランスグループ]を参照されたい。
【0049】
本発明に従った、顆粒デンプンは、アミロースに富んだ、または反対にアミロペクチンに富んだ(もち性)顆粒デンプンをはじめとするあらゆる植物起源であってもよい。それは小麦、トウモロコシ、大麦、ライ小麦、ソルガムまたは米などの穀物、ジャガイモまたはキャッサバなどの塊茎、またはエンドウマメおよびダイズなどのマメ科植物の天然デンプン、およびこのようなデンプンの混合物であってもよい。
【0050】
一変法に従って、顆粒デンプンは酸的、酸化的または酵素的経路によって加水分解されたデンプン、または酸化デンプンである。それは一般に流動化デンプンまたは白色デキストリンとして知られているデンプンであってもよい。
【0051】
別の変法に従って、それはまた、特にアセチル化、ヒドロキシプロピル化、カチオン化、架橋、リン酸化またはスクシニル化によって修飾されている、特にエステル化および/またはエーテル化デンプン、または低温の水性媒体中で処理(「アニーリング」)されたデンプンなどの物理化学的に変性されているが、出発天然デンプンの構造が本質的に保存されているデンプンであってもよい。好ましくは顆粒デンプンは、特にトウモロコシ、小麦またはエンドウマメからの天然、加水分解、酸化または変性デンプンである。
【0052】
顆粒デンプンは、一般に20℃で脱塩水に可溶性の物質含量が5重量%未満である。それは好ましくは実質的に冷水に不溶性である。
【0053】
第2の変法に従って、デンプン質構成要素として選択されるデンプンは水溶性デンプンであり、それはまたアミロースに富んだ、または反対にアミロペクチンに富んだ(もち性)水溶性デンプンをはじめとするあらゆる植物起源であってもよい。この水溶性デンプンは、顆粒デンプンの部分的または完全な置き換えで投入されてもよい。
【0054】
本発明の目的で「水溶性デンプン」という用語は、20℃および24時間にわたる機械的撹拌で少なくとも5重量%に等しい脱塩水可溶性画分を有する、あらゆるデンプン質構成要素を意味する。この可溶性画分は好ましくは20重量%を超え、特に50重量%を超える。言うまでもなく水溶性デンプンは、脱塩水に完全に可溶性であってもよい(可溶性画分=100%)。
【0055】
水溶性デンプンは、有利には本発明に従って、好ましくは低含水量の固形形態で、一般に(含水量が0.5重量%未満または0.2重量%未満でさえある)実質的に無水の形態をはじめとする、10%未満、特に5重量%未満、なおもより好ましくは2.5重量%未満の含水量の固形形態で使用してもよい。
【0056】
このような水溶性デンプンは、ドラム上でのα化、押し出し機上でのα化、デンプン溶液懸濁液の噴霧、非溶剤からの沈殿、熱水調理、化学官能化などによって得てもよい。それは特に、押し出しまたは噴霧α化デンプン、高度形質転換デキストリン(黄色デキストリンとしてもまた知られている)、マルトデキストリン、官能化デンプン、またはこれらの生成物のあらゆる混合物であってもよい。
【0057】
α化デンプンは、特に蒸煮、ジェットクッカー調理、ドラム上の調理、ブレンダー/押し出し機システム内での調理により、天然デンプンまたは変性デンプンを熱水ゼラチン化処理して得てもよく、それに例えばオーブン内での、流動床上の熱風による、ドラム上での、噴霧による、押出しによる、または凍結乾燥による乾燥が続く。このようなデンプンは、一般に20℃の脱塩水中で5%を超え、より一般には10%〜100%である溶解度、および15%未満、一般に5%未満、通常1%未満、または0でさえあるデンプン結晶化度を有する。例としては、出願人によって商標名Pregeflo(登録商標)の下に製造販売される製品が挙げられる。
【0058】
高度に形質転換されたデキストリンは、わずかに水和した酸性媒体中でのデキストリン化によって、天然または変性デンプンから調製されてもよい。これらは特に可溶性白色デキストリン、または黄色デキストリンであってもよい。例としては、出願人によって製造販売される製品、Stabilys(登録商標)A 053またはTackidex(登録商標)C 072が挙げられる。このようなデキストリンは20℃の脱塩水中で一般に10%〜95%の溶解度、および15%未満で一般に5%未満のデンプン結晶化度を有する。
【0059】
マルトデキストリンは、水性媒体中でのデンプンの酸的、酸化的または酵素的加水分解によって得られてもよい。それらは特に0.5〜40、好ましくは0.5〜20、なおもより好ましくは0.5〜12のデキストロース当量(DE)を有してもよい。このようなマルトデキストリンは、例えば出願人によって、商品名Glucidex(登録商標)の下に製造販売され、20℃の脱塩水中で一般に90%を超えまたは100%近くでさえある溶解度、および一般に5%未満であり通常実質的に0である、より低いデンプン結晶化度を有する。
【0060】
官能化デンプンは、天然または変性デンプンから得られてもよい。高度な官能化は、例えば水への溶解度を与えるのに十分なレベルへのエステル化、またはエーテル化によって実施されてもよい。このような官能化デンプンは上で定義されるように、5%を超え、好ましくは10%を超え、なおもより好ましくは50%を超える可溶性画分を有する。
【0061】
官能化は、特に無水酢酸の水相中、混合無水物の水相中でのアセチル化、糊化相中でのヒドロキシプロピル化、乾燥相または糊化相中でのカチオン化、乾燥相または糊化相中でのアニオン化、リン酸化またはスクシニル化によって得られてもよい。これらの高度に官能化されている水溶性デンプンは、0.01〜3、なおもより好ましくは0.05〜1の置換度を有してもよい。
【0062】
好ましくはデンプンの変性または官能化試薬は、再生可能起源である。
【0063】
別の有利な変法に従って、水溶性デンプンはトウモロコシ、小麦またはエンドウマメからの水溶性デンプン、またはその水溶性誘導体である。
【0064】
さらにそれは有利には、一般に10%未満、好ましくは5%未満、特に2.5重量%未満、理想的には0.5%未満、または0.2重量%未満でさえある低含水量を有する。
【0065】
第3の変法に従って、本発明に従った組成物の調製のために選択されるデンプン質構成要素は、有機変性された、好ましくは有機可溶性のデンプンであり、それはまたアミロースに富んだ、反対にアミロペクチンに富んだ(もち性)、有機変性された好ましくは有機可溶性のデンプンをはじめとするあらゆる植物起源であってもよい。この有機可溶性デンプンは、顆粒デンプンまたは水溶性デンプンの部分的なまたは完全な置き換えで投入されてもよい。
【0066】
本発明の目的で、「有機変性デンプン」という用語は、上述の定義に従った顆粒デンプンまたは水溶性デンプン以外のあらゆるデンプン質構成要素を意味する。好ましくはこの有機変性デンプンは実質的に非晶質であり、すなわちそれは5%未満、一般に1%未満、特に0のデンプン結晶化度を有する。それはまた好ましくは「有機可溶性」であり、すなわちそれは20℃においてエタノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン、グルタル酸ジメチル、クエン酸トリエチル、二塩基エステル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルイソソルビド、グリセリルトリアセテート、イソソルビドジアセテート、イソソルビドジオレエート、および植物油のメチルエステルから選択される溶剤中で少なくとも5重量%に等しい可溶性画分を有する。この可溶性画分は、好ましくは20重量%を超え、特に50重量%を超える。言うまでもなく有機可溶性デンプンは、上記溶剤の1つ以上に完全に可溶性であってもよい(可溶性画分=100%)。
【0067】
有機変性デンプンは、本発明に従って、含水量が比較的低い、すなわち10重量%未満である形態をはじめとする固形形態で使用してもよい。含水量は特に5%未満であってもよく、特に2.5重量%未満、理想的には0.5%未満、または0.2重量%未満でさえあってもよい。
【0068】
本発明に従った組成物中で使用してもよい有機変性デンプンは、上で示されたものなどの天然または変性デンプンを高度に官能化して調製してもよい。この高度な官能化は、例えばそれを本質的に非晶質にして、それに水不溶性を与え、好ましくは上の有機溶媒の1つへの溶解性を与えるのに十分に高いレベルへのエステル化またはエーテル化によって実施してもよい。このような官能化デンプンは上で定義されるように、5%を超え、好ましくは10%を超え、なおもより好ましくは50%を超える可溶性画分を有する。
【0069】
高度な官能化は、特に溶剤相中での無水酢酸によるアセチル化;例えば溶剤相中でのグラフト;また酸無水物の、混合無水物の、脂肪酸塩化物の、カプロラクトンまたはラクチドオリゴマーの反応性押出し;糊化相中でのヒドロキシプロピル化および架橋;乾燥相中または糊化相中でのカチオン化および架橋;リン酸化またはスクシニル化と乾燥相中または糊化相中での架橋によるアニオン化;シリル化;またはブタジエンによるテロメル化によって得てもよい。これらの高度に官能化されている有機変性、好ましくは有機可溶性のデンプンは、特に酢酸デンプン、酢酸デキストリンまたは酢酸マルトデキストリン、または炭素4〜22個の脂肪鎖があるデンプン質材料(デンプン、デキストリンまたはマルトデキストリン)の脂肪酸エステルであってもよく、これらの全ての生成物は、好ましくは0.5〜3.0、好ましくは0.8〜2.8、特に1.0〜2.7の置換度(DS)を有する。
【0070】
それらは例えば特にDSが0.8〜2.8である、デンプン、デキストリンまたはマルトデキストリンのヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸またはステアリン酸エステルであってもよい。
【0071】
別の有利な変法に従って、有機変性デンプンは有機変性トウモロコシ、小麦またはエンドウマメデンプンまたはその有機変性誘導体である。
【0072】
デンプン質構成要素は、組成物中に存在する合成ポリマーの乾燥重量に対して、好ましくは乾燥重量を基準にして10%〜10000%の比率で、好ましくは乾燥重量を基準にして20%〜5000%の比率で合成ポリマーに組み込まれる。
【0073】
実際には、上述の20%〜3000%、好ましくは20%〜1000%、なおもより優先的には20%〜500%の比率が、一般に好ましくは使用される。
【0074】
出願人は、特に合成ポリマーが、官能化されていてもされていなくてもよいポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP);ポリアミド(PA);熱可塑性ポリウレタン(TPU);好ましくは官能化されているスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体;非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)、およびそれらの混合物を含んでなる群から選択される場合、特にこの比率が有利には20%〜400%、好ましくは20%〜200%、特に25%〜150%であってもよいことを発見した。
【0075】
本発明の方法で使用される第3の構成要素、すなわち可塑剤は、好ましくは水、ジオール、グリセロールやポリグリセロールなどのトリオールおよびポリオール、イソソルビド、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール、および水素化グルコースシロップ、乳酸ナトリウムなどの有機酸塩、尿素、およびこれらの生成物のあらゆる混合物から選択される。可塑剤は有利には5000未満、好ましくは1000未満、特に400未満のモル質量を有する。可塑剤は好ましくは18を超えるモル質量を有し、換言すればそれは好ましくは水を含まない。
【0076】
デンプン質構成要素のための可塑剤は、特に前記構成要素が有機変性されている場合、メチルまたはエチルエステル;または乳酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸またはグルタル酸などの有機脂肪酸;または酢酸エステル;またはエタノール、ジエチレングリコール、グリセロールまたはソルビトールなどの脂肪族モノアルコール、ジオール、トリオールまたはポリオールから選択されてもよい。例としては、グリセリルジアセテート(ジアセチン)、グリセリルトリアセテート(トリアセチン)、イソソルビドジアセテート、イソソルビドジオクタノエート、イソソルビドジオレエート、イソソルビドジラウレート、ジカルボン酸エステルまたは二塩基エステル(DBE)、およびこれらの生成物のあらゆる混合物が挙げられる。
【0077】
本明細書で詳述されるリンカーの組み込みが想定されるかどうかに関わらず、本発明の方法は、有利には先行技術の可塑化デンプン中で使用される可塑剤量と比較して、比較的多量の可塑剤の使用を伴ってもよい。可塑剤は有利には、100重量部のデンプン質構成要素あたり、10〜150重量部、好ましくは25〜120重量部の比率、特に40〜120重量部の比率で使用される。
【0078】
デンプン質構成要素(構成要素2)、その可塑剤(構成要素3)、および合成ポリマー(構成要素1)は、合わせると本発明に従って得られるポリマー性、特に熱可塑性の組成物の100重量%(乾燥/乾燥)を占めてもよい。
【0079】
しかし前記組成物には、本明細書で詳述されるものをはじめとするあらゆる性質の添加剤を組み込んでもよい。これらの追加的性尾分の比率は比較的高くてもよいが、デンプン質構成要素(構成要素2)、その可塑剤(構成要素3)、および合成ポリマー(構成要素1)は、合わせると好ましくは前記組成物の少なくとも30%、より優先的には少なくとも40%、特に少なくとも50重量%(乾燥/乾燥)を占める。
【0080】
1つの優先的な変法に従えば、この全体的比率は少なくとも前記組成物の80重量%(乾燥/乾燥)に等しい。
【0081】
本発明の目的はまた、非常に特異的な比率のデンプン質構成要素(構成要素2)、その可塑剤(構成要素3)、および合成ポリマー(構成要素1)を含んでなるポリマー性、特に熱可塑性の組成物である。前記組成物は、
−15%〜85%、好ましくは15%〜80重量%の少なくとも1つのデンプン質構成要素(構成要素2)、
−4%〜35重量%の少なくとも1つの前記デンプン質構成要素のための可塑剤(構成要素3)、および
−5%〜80%、好ましくは15%〜80重量%の少なくとも1つの特に熱可塑性である合成ポリマー(構成要素1)
を含んでなることで特徴付けられ、これらの百分率は乾前記組成物の総乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる。
【0082】
様々な成分の性質およびそれぞれの比率に関わる、本明細書に記載される全ての好ましい変法および範囲もまた、本発明に従ったこの組成物に当てはまる。
【0083】
以下の有利な変法を列挙することが特に可能であり、これらは組み合わされても組み合わされなくてもよい。
−前記組成物が、15%〜70%、好ましくは15%〜60重量%の少なくとも1つのデンプン質構成要素、4%〜25重量%の前記デンプン質構成要素のための少なくとも1つの可塑剤、および15%〜80%、好ましくは35%〜80重量%の少なくとも1つの合成ポリマーを含んでなり、
−合成ポリマーが生分解性でなく、
−合成ポリマーが水溶性でなく、
−合成ポリマーが、任意に官能化されていてもよいポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP);ポリアミド(PA);熱可塑性ポリウレタン(TPU);好ましくは官能化されているスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体;非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)およびそれらの混合物を含んでなる群から選択され、
−合成ポリマーがEN 13432、ASTM D 6400、およびASTM D 6868規格の意味において生分解性またはコンポスト可能でなく、および/または
−合成ポリマーが、前記ポリマー中に存在する総炭素に対して、ASTM D 6852規格および/またはASTM D 6866規格の意味において、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、特に80%を超える再生可能起源の炭素を含有するポリマーである。
【0084】
添加剤の内、特に少なくとも1つのリンカーが前記組成物に組み込まれてもよい。
【0085】
出願人による仏国特許出願第0850659号明細書、および仏国特許出願第0850660号明細書による教示の結果として、本発明の組成物に、リンカーすなわちデンプン質構成要素上に存在する(OH基)、可塑剤上に存在する(例えばOH、C=OまたはNH基)そして任意に合成ポリマー上に存在する、反応性官能基と反応して共有結合を形成できる少なくとも2つの官能基を含んでなる化合物を組み込むことが、特に有利かもしれない。このリンカーの反応は、様々な構成要素を共に結合するのを助け、ひいてはそれらの適合性を改善して、得られる最終組成物に優れた機械的特性および良好な耐水性を与える。
【0086】
したがって本発明の方法はまた、イソシアネート、カルバモイルカプロラクタム、エポキシド、ハロゲン、プロトン酸、酸無水物、アシルハロゲン化物、酸塩化物、トリメタリン酸、およびアルコキシシラン官能基から選択される、少なくとも2つの遊離またはマスクされた、同一であるかまたは異なる官能基がある化合物から選択される、少なくとも1つのリンカーを組み込むステップを含んでなってもよい。
【0087】
言うまでもなくこのリンカーを組み込む任意のステップは、好ましくは非可塑化デンプン質構成要素と可塑剤とを合成ポリマーに組み込むステップに続く。具体的には、このような薬剤の初期段階における投入は、共に結合することが所望される全ての化合物を組み込む前に、システムの望ましくない増粘または架橋をもたらすかもしれない。
【0088】
リンカーの例としては、
−ジイソシアネート、好ましくはメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、およびリジンジイソシアネート(LDI)、
−ジカルバモイルカプロラクタム、好ましくは1,1’−カルボニルビスカプロラクタム、
−ジエポキシド、
−エポキシド官能基とハロゲン官能基を含んでなる化合物、好ましくはエピクロロヒドリン、
−有機二酸、好ましくはコハク酸、アジピン酸、グルタル酸、シュウ酸、マロン酸またはマレイン酸、および対応する無水物、
−ポリ酸、好ましくはメリット酸、およびトリメリット酸またはピロメリット酸などのその誘導体、
−酸塩化物、好ましくはオキシ塩化リン、
−トリメタリン酸、好ましくはトリメタリン酸ナトリウム、
−アルコキシシラン、好ましくはテトラエトキシシラン、
−複素環化合物、好ましくはビスオキサゾリン、ビスオキサゾリン−5−オン、およびビスアズラクトン、
−メチレンまたはエチレンジエステル誘導体、好ましくは炭酸メチルまたは炭酸エチル誘導体
が挙げられる。
【0089】
言うまでもなく、これらのいくつかの化合物の混合物を使用しててもよい。
【0090】
特に好ましい様式では、リンカーとしてジイソシアネートが使用され、特にイソホロンジイソシアネート(IPDI)またはジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)が使用されて、特にほとんど着色のない最終組成物が得られるようになる。
【0091】
リンカーの量は、合成ポリマー、デンプン質構成要素、および可塑剤を含有する混合物の総重量に対して、一般に0.01%〜15%、好ましくは0.1%〜12%なおもより優先的には0.1%〜9%である。
【0092】
本発明は、決して特定の合成ポリマーファミリーの使用に限定されるものではない。具体的には混練温度(60℃〜260℃)で十分に流体であり、デンプン質構成要素、可塑剤、および任意のリンカーが組み込める、あるあらゆる合成ポリマー、特に熱可塑性ポリマーを用いて、本発明に従った方法を実施できる。言うまでもなく、ポリマーは最大混練温度において化学分解に耐えなくてはならない。
【0093】
合成ポリマーは化石起源のモノマーから、および/または再生可能な天然資源に由来するモノマーから得られてもよい。
【0094】
合成ポリマーは、有利には活性水素を含有する官能基、および/または特に加水分解によって活性水素含有官能基を与える官能基を含んでなる。
【0095】
化石起源のモノマーから得られる合成ポリマーは、好ましくはポリエステル、ポリアクリル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、官能化ポリオレフィン、スチレン、官能化スチレン、ビニル、官能化ビニル、フルオロ、官能化フルオロ、クロロ、官能化クロロ、官能化ポリスルホン、官能化ポリフェニルエーテル、官能化ポリフェニルスルフィド、官能化シリコーン、および官能化ポリエーテルタイプの合成ポリマーから選択されてもよい、活性水素を含有する官能基を含んでなる。
【0096】
例としては、PLA、PBS、PBSA、PBAT、PET、ポリアミド(PA)6、6−6、6−10、6−12、11、および12、コポリアミド、ポリアクリレート、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニル)、例えば無水マレイン酸単位によって任意に官能化されていてもよいポリ(塩化ビニル)(PVC)およびポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)、エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体、エチレン−アクリル酸メチル(EMA)共重合体、エチレン−ビニルアルコール(EVOH)共重合体、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート(ASA)共重合体、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、例えばシラン、アクリルまたは無水マレイン酸単位で官能化されているポリエチレンまたはポリプロピレン、および例えば無水マレイン酸単位によって好ましくは官能化されているスチレン−ブチレン−スチレン(SBS)およびスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体、非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)、およびこれらのポリマーのあらゆる混合物が挙げられる。
【0097】
合成ポリマーはまた、例えば植物、微生物またはガスのような短期再生可能天然資源から、特にモノ−、ジ−または多官能価アルコールまたは酸などの糖、グリセロール、油またはその誘導体から、また特に植物または動物油、およびマツから抽出される樹脂酸に由来する、バイオエタノール、バイオエチレングリコール、バイオプロパンジオール、生物起源1,3−プロパンジオール、バイオブタンジオール、生物起源乳酸またはコハク酸、グリセロール、イソソルビド、ソルビトール、スクロースまたはジオールなどの分子から得られるモノマーから合成されるポリマーであってもよい。
【0098】
それは特にバイオエタノールに由来するポリエチレン、バイオプロパンジオールに由来するポリプロピレン、生物起源乳酸またはコハク酸をベースとするPLAまたはPBSタイプのポリエステル、生物起源ブタンジオールまたはコハク酸をベースとするPBATタイプのポリエステル、生物起源1,3−プロパンジオールをベースとするSorona(登録商標)タイプのポリエステル、イソソルビドを含有するポリカーボネート、バイオエチレングリコールをベースとするポリエチレングリコール、ヒマシ油または植物ポリオールをベースとするポリアミド、および例えば植物ジオールやグリセロールやイソソルビドやソルビトールまたはスクロースをベースとするポリウレタンであってもよい。
【0099】
好ましくは合成ポリマーは、エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体、特にシラン単位またはアクリル単位または無水マレイン酸単位によって任意に官能化されている特にポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)であるポリオレフィン、ポリアミド(PA)およびコポリアミド、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリ(コハク酸ブチレン)(PBS)、ポリ(コハク酸ブチレン−コ−アジペート)(PBSA)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)(PBAT)、特に無水マレイン酸単位によって好ましくは官能化されているスチレン−ブチレン−スチレン(SBS)およびスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体、非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)、生物起源モノマーから得られる合成ポリマー、およびそれらの混合物から選択される。
【0100】
特に有利な変法に従って、合成ポリマーは、官能化および非官能化ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、好ましくは官能化されているスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体、および非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)、およびそれらの混合物を含んでなる群から選択される。
【0101】
上述の優先的なポリマー、例えばポリオレフィンおよびTPUは実質的に比較的高い操作温度が必要なポリマーであり、本発明の方法の利点、すなわちデンプンの熱分解に対する保護の利点はこのポリマー群に対して特に高い。
【0102】
さらにこれらのポリマー、例えばポリオレフィンおよびTPUは、出願人によって見出されたように、産業慣行ではデンプン質構成要素およびその可塑剤と共に投入できない。デンプン質構成要素およびその可塑剤の存在下における、例えばポリプロピレンなどのこのようなポリマー顆粒の使用は粘稠な塊または「ペースト」を発生させ、それは大量の水を前記塊に添加して流動化しないかぎり、押し出し機内に投入できない。構成要素とこの流動化塊との密度の差を考えると、これはポリマー顆粒をその他の構成要素から分離させる効果をもたらし、ひいては得られた混合物の不均一性、そしてそれを秤取ることの困難さにつながる。これもまた本発明の方法の利点である。
【0103】
有利には、合成ポリマーは8500〜10000000ダルトン、特に15000〜1000000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0104】
別の優先的な変法に従えば、合成ポリマーはEN 13432、ASTM D 6400およびASTM D 6868規格の意味において生分解性またはコンポスト可能でない。
【0105】
それは特に非生分解性であってもよい。
【0106】
別の優先的な変法に従えば、合成ポリマーは、前記ポリマー中に存在する総炭素に対して少なくとも15%、好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも50%、なおもより好ましくは少なくとも70%または80%超でさえある、ASTM D 6852規格および/またはASTM D 6866規格の意味において再生可能起源の炭素を含有するポリマーである。
【0107】
最後に別の優先的な変法に従えば、合成ポリマーは水不溶性である。
【0108】
上述のように、リンカーは有利には本発明の組成物に組み込んでもよい。このようなリンカーが合成ポリマーとも反応できるためには、前記ポリマーの少なくとも一部は反応性基、すなわち上に列挙したリンカーの官能基の少なくとも1つと反応できる基を含まなくてはならない。
【0109】
少なくとも一部の合成ポリマー上のこのような反応性基の存在は、特に有用であり有利であるが、本発明の方法がリンカーの使用を想定する場合、ポリマー上の反応性基の存在は、本発明の工程における反応装置内へのリンカーの投入と必ずしも結びつかない。
【0110】
具体的には出願人は、リンカーが組成物に組み込まれない場合であっても、反応性基を含んでなる合成ポリマーの使用を想定する。このような工程の終わりに得られる組成物は架橋しないが、適切なリンカーの組み込み後、別個の反応性押出し工程中に引き続いて架橋されてもよい。
【0111】
合成ポリマーの反応性基は、特にカルボン酸、酸無水物、アミン、アミド、カーボネート、スルホン、イミド、ウレタン、エポキシド、ヒドロキシル、アルコキシシラン、オキサゾリン、オキサゾリン−5−オン、およびエステル官能基から選択される。
【0112】
例えばポリオレフィンなどのポリマーの官能化が、例えば反応性押出しによって反応装置それ自体の中で起きてもよい。この官能化は特にデンプン質構成要素および/または可塑剤と接触する前に、軟化または溶融形態のポリマー上でオンラインで起きてもよい。
【0113】
本発明に従って得られる特に有利な組成物は、
−ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンがある酸無水物基、ポリエチレンがある酸無水物基、およびそれらの混合物からなる群から選択される、5%〜50重量%のポリオレフィン、および
−50%〜95重量%の可塑化デンプン質構成要素
を含んでなることで特徴付けられる。
【0114】
上述のリンカー以外に、本発明に従った特に熱可塑性であるポリマー性組成物は、様々なその他の添加剤を含んでなってもよい。これらはその物理化学的特性、特にその加工挙動およびその耐久性、または代案としてはその機械的、熱的、伝導性、接着または官能特性の改善を対象とする製品であってもよい。
【0115】
添加剤は無機物、塩および有機物から、特に滑石などの成核剤、界面活性剤などの相溶化剤、ケイ酸カルシウムなどの衝撃強度またはすりきず抵抗性を改善する薬剤、マグネシウムシリケートなどの収縮調節剤、水、酸、触媒、金属、酸素、赤外線またはUV光を捕捉または不活性化する薬剤、油および脂肪などの疎水化剤、ペンタエリトリトールなどの吸湿剤、ハロゲン化誘導体などの難燃剤および防火剤、煙抑制剤、粘土、カーボンブラック、滑石、植物繊維、ガラス繊維、ポリアクリロニトリルまたはケブラーなどの無機または有機補強材から選択される、機械的特性または熱特性を改善または調節する薬剤であってもよい。
【0116】
添加剤はまた、電気または熱に対する導電性または断熱特性、例えば空気、水、ガス、溶剤、脂肪性物質、酒精、フレーバー、および芳香剤に対する気密性能を改善または調節する薬剤であってもよく、特に無機物、塩、および有機物から、特に滑石などの成核剤、界面活性剤などの相溶化剤、水、酸、触媒、金属、酸素または赤外線を捕捉または不活性化する薬剤、油および脂肪などの疎水化剤、真珠光沢剤、ペンタエリトリトールなどの吸湿剤、金属粉末、黒鉛、および塩などの熱伝導性または熱放散性薬剤、および粘土およびカーボンブラックなどの微小補強材から選択される。
【0117】
添加剤はまた、特に
−臭気特性(芳香剤または臭気マスキング剤)、
−光学的特性(光沢剤、二酸化チタンなどの白化剤、染料、顔料、体質顔料、乳白剤、炭酸カルシウムなどの艶消し剤、熱変色剤、リン光体および蛍光体、金属化またはマーブリング剤、および曇り止め剤)、
−音響特性(硫酸バリウムおよびバライト)、および
−触覚特性(脂肪)
などの官能特性を改善する薬剤であってもよい。
【0118】
添加剤はまた、接着特性、特に紙または木材などのセルロースベース材料、アルミニウムおよび鉄鋼などの金属、ガラスまたはセラミック材料、テキスタイルおよび特に松脂、コロホニーなどの無機物、エチレン/ビニルアルコール共重合体、脂肪族アミンへの接着を改善または調節する薬剤、潤滑剤、剥離剤、帯電防止剤、およびアンチブロッキング剤であってもよい。
【0119】
最後に添加剤は、特に油および脂肪などの疎水化剤、抗腐食剤、Ag、Cu、およびZnなどの抗菌剤、オキソ触媒などの分解触媒、およびアミラーゼなどの酵素から選択される、材料の耐久性を改善する薬剤またはその(生)分解性を調節する薬剤であってもよい。
【0120】
本発明の目的はまた、上述の方法によって得られてもよい組成物である。
【0121】
それらは仏国特許出願第0850659号明細書および仏国特許出願第0850660号明細書に記載されるのと化学的に類似した組成物であってもよいが、組み込まれたデンプン質構成要素の熱分解が減少しているので、このような組成物は着色があまりはっきりしないこと、または不在でさえあることでそれらとは異なる。
【0122】
本発明の組成物は、好ましくは白色から淡黄色を有する。
【0123】
この着色は、特に色の国際表現のモデルであるCIE L原則(以下「CIELab法」と称する)に基づく、下述の比色分析法によって特性解析してもよい。この色測定で使用される測定装置は、このタイプの測定に特化されたMinoltaブランドの比色計、CR−200タイプである。
【0124】
測定プロトコルは次の通りである。
押し出し機を出る組成物を長さ2〜4mmおよび直径2〜3mmの円柱状顆粒の形態で試験する。それらをプラスチック広口瓶(直径5cm、高さ10cm)内に約7cmの深さに入れる。次に顆粒の着色を判定するために、比色計の読取ヘッドを顆粒に接触させて、広口瓶の表面に垂直にあてがう。このようにして顆粒表面の各分析点毎に3回の連続測定を行う。これらの測定値を平均し、観察点でL値を得る。
【0125】
各一連の測定間に広口瓶を混合する前に、被検サンプルのそれぞれで4回の一連の測定を行う。
【0126】
このようにしてCIELab法により試験された各組成物について、以下を測定する。
−明度指数L
−a要素、および
−b要素。
【0127】
デンプン質構成要素が、熱可塑性ポリマーと接する前に可塑化される、先行技術に従った組成物に比べて本発明の組成物は、着色の著しい改善、そして特に
−100に向かう傾向がある明度指数Lの実質的な増大、
−0に非常に近いa要素の低下、および
−0に近づくb要素の顕著な低下
を有するようである。
【0128】
本発明の組成物は、特に上述のCIELab法に従って次のように測定される着色によって特徴付けられてもよい。
−それらの明度指数Lが60を超え、特に65を超える、および
−それらのb要素が0〜+15、特に0〜+10である。
【0129】
一変法に従って、前記組成物は注目に値する様式で、a)少なくとも70に等しい明度指数L、およびb)0〜+6のb要素を有する。
【0130】
さらに前記組成物は、言及されるように、一般に0に近い、一般に−1〜+3.5、特に−0.5〜+1.5のa要素を有する。
【0131】
完全に注目に値する様式で、このa要素は−0.5〜+0.5であってもよい。
【0132】
出願人の知る限り、以下で特徴付けられるポリマー性組成物、特に熱可塑性組成物は、今まで存在しない。
−第一に、それは15%〜85%、好ましくは15%〜80重量%の少なくとも1つのデンプン質構成要素、4%〜35重量%の前記デンプン質構成要素のための少なくとも1つの可塑剤、および5%〜80%、好ましくは15%〜80重量%の少なくとも1つの合成ポリマーを含有し、
−第二に、65を超える明度指数L、および0〜+10のb要素を有する。
【0133】
完全に注目に値する様式で、この新しい組成物は、以下によって特徴付けられる。
−それは15%〜70%、好ましくは15%〜60重量%の少なくとも1つのデンプン質構成要素、4%〜25重量%の前記デンプン質構成要素の少なくとも1つの可塑剤、および15%〜80%、好ましくは35%〜80重量%の少なくとも1つの合成ポリマーを含有し、および/または
−前記合成ポリマーが、任意に官能化されているポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、好ましくは官能化されているスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体、非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)、およびそれらの混合物を含んでなる群から選択され、および/または
−それは少なくとも70に等しい明度指数L、および0〜+6のb要素を有し、および/または
−それは−0.5〜+1.5、特に−0.5〜+0.5のa要素を有する。
【0134】
さらに本発明の組成物は、例えば炭酸カルシウム、カルサイト、二酸化チタン、ガラス繊維、植物繊維、木材粒子など、充填材または顔料として使用される化合物を含有せず、または実質的に含有しない(一般に1重量%未満)ため、一般に半透明から透明な外見を有する。
【0135】
さらに本発明の組成物は、リンカーの存在下で反応性押出しによって調製された場合、先行技術の組成物(仏国特許出願第0850659号明細書および仏国特許出願第0850660号明細書)と少なくとも同等の有利な特性を有する。
【0136】
これらの特性は次の通りである。
−20℃で72%を超え、好ましくは80%を超え、特に90%を超える水不溶性物質含量、
−20%未満、好ましくは12%未満、なおもより好ましく6%未満の20℃で24時間の水浸漬後の膨潤度、
−40%を超え、好ましくは80%を超え、特に90%を超える破断点伸び、
−4MPaを超え、好ましくは6MPaを超え、特に8MPaを超える最大極限応力。
【0137】
完全に注目に値する様式で、本発明の組成物は、リンカーの存在下で反応性押出しによって調製された場合、上述のものと比較してさらに改善された1つ以上の特性、特に以下を有してもよい。
−20℃で95%を超え、または97%さえも、または98%さえも超える水不溶性物質含量、および/または
−100%を超え、または200%さえも、または300%さえも超える破断点伸び、および/または
−10MPaを超え、または12MPaさえも、または13MPaさえも超える最大極限応力。
【0138】
特に注目に値する様式で、前記組成物は非常に高い、すなわち400%を超え、または500%さえも、または700%さえも超える破断点伸びを有してもよい。
【0139】
これもまた注目に値する様式で、本発明の組成物は、リンカーの存在下または不在下で反応性押出しによって調製された場合、
−100%を超え、または200%さえも、または300%さえも超える破断点伸び、および
−15MPaを超え、または20MPaさえも、または25MPaさえも超える最大極限応力
を有してもよい。
【0140】
これは、以下の場合に特に当てはまる。
−前記組成物が、15%〜70%、好ましくは15%〜60重量%の少なくとも1つのデンプン質構成要素、4%〜25重量%の前記デンプン質構成要素の少なくとも1つの可塑剤、および15%〜80%、好ましくは35%〜80重量%の少なくとも1つの合成ポリマーを含んでなり、および
−前記合成ポリマーが、任意に官能化されているポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、好ましくは官能化されているスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体、非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)、およびそれらの混合物を含んでなる群から選択される。
【0141】
このような条件下では、前記組成物は、特に少なくとも350%に等しく、特に350%〜1500%である破断点伸びを有してもよい。
【0142】
これもまた注目に値する様式で、本発明の組成物は、リンカーの存在下または不在下で反応性押出しによって調製された場合、20℃で、90%を超え、好ましくは95%を超え、特に97%を超える、下述するように測定される水不溶性物質含量を有してもよい。
【0143】
すぐ上で言及された特徴は、下述の試験に従って測定されてもよい。
【0144】
不溶性物質含量および膨潤度の測定
水不溶性物質含量は、以下プロトコルに従って測定される。
(i)特性決定する組成物サンプルを乾燥する(真空下80℃で12時間)。
(ii)サンプル(=Ms1)質量を精密てんびんを用いて測定する。
(iii)サンプルを20℃で水に浸漬する(mlでの水の体積は、gでのサンプル質量の100倍に等しい)。
(iv)数時間の規定時間後にサンプルを収集する。
(v)できるだけ迅速に吸い取り紙を用いて過剰な表面水を除去する。
(vi)サンプルを精密てんびんに載せて、2分間にわたり損失をモニターする(質量を20秒毎に測定する)。
(vii)時間の関数としての、先行する測定値のグラフ表現とt=0の質量への外挿によって、膨潤サンプルの質量(=Mg)を判定する。
(viii)サンプル(真空下で80℃で24時間)を乾燥する。乾燥サンプルの質量(=Ms2)を測定する。
(ix)式Ms2/Ms1に従って、百分率で表現される不溶性物質含量を計算する。
(x)式(Mg−Ms1)/Ms1に従って、膨潤度を百分率として計算する。
【0145】
機械的特性の測定
組成物の張力機械的特性は、Lloyd Instrument LR5K試験ベンチ、牽引速度:50mm/分およびH2タイプ標準試料を使用して、規格NF T51−034(決引張特性測定)に従って判定される。
【0146】
引っ張り速度50mm/分で得られた張力曲線(応力=f(伸長))から、試験組成物について、破断点伸びと対応する最大極限応力を記録する。
【0147】
本発明に従った組成物は、特に
−直接射出成形、押し出し、またはフィルム形成物品の調製が意図される樹脂として、
−充填材、顔料および/または繊維との(それ自体が例えば自動車または航空産業を意図する物品の直接調製を意図する)混合物(「化合物」タイプ混合物)の形態で調合されることが意図される樹脂として、
−染料、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、安定剤、成核剤、架橋剤および/またはその他の薬剤との(それ自体が多種多様な物品の最終調製を意図する)混合物(「マスターバッチ」タイプ混合物)の形態で調合されることが意図される樹脂として、
−物理化学的および機械的特性、例えば耐衝撃性および衝撃強度特性を改善するための合成ポリマー、特にポリオレフィンの添加剤として、
−合成ポリマー、特にポリオレフィンに容易に組み込まれてもよい再生可能起源の炭素原料として
使用されてもよい。
【実施例】
【0148】
実施例1:熱可塑性デンプンから出発する先行技術の方法に従った組成物の調製
本実施例では以下を使用する。
−デンプン質構成要素(構成要素2)として、出願人により「Amidon de ble SP」の名称の下に販売される含水量12%範囲の天然小麦デンプン、
−可塑剤(構成要素3)として、出願人によってPolysorb(登録商標)G 84/41/00の名称の下に販売される含水量約16%のグリセロールおよびソルビトールをベースとするポリオールの濃縮水性組成物。
【0149】
これらの2つの製品から出発して、先行技術に従った熱可塑性デンプン(TPS)組成物を調製する。そのためには、TSAブランドの直径(D)26mmおよび長さ50Dの二軸スクリュー押し出し機に、15kg/hの総材料処理能力を得るように小麦デンプンおよび可塑剤を供給し、可塑剤/小麦デンプン比率は67部/100部に設定する(組成物AP6040)。
【0150】
押出し条件は次の通りである。
−温度プロフィール(Z1〜Z10の10の加熱帯):90/90/110/140/140/110/90/90/90/90
−スクリュー速度:200rpm。
【0151】
押し出し機を出ると、このようにして得られる材料は、一般に合成ポリマーで使用される装置上で顆粒化するには粘着性が高すぎることが分かる。組成物はまた冷水タンク内で冷却するには水に対する感受性も高すぎるこが分かる。これらの理由から、可塑化デンプンロッドはコンベヤーベルト上で空冷し、次に真空オーブン内80℃で24時間乾燥させ、次に顆粒化する。
【0152】
この可塑化デンプンの水の取り込みは、以下の試験に従って測定される。
水取り込み試験
水取り込みは、1ヶ月の保存後、真空下80℃での24時間の乾燥前(M)および乾燥後(M)にサンプル質量を測定することで判定される。水取り込みは、百分率で表わされる差(1−M/M)に相当する。
【0153】
この可塑化デンプン不溶性物質含量もまた、概要で前述した試験に従って、それぞれ1時間、3時間、および24時間の水浸漬後に測定する。
【0154】
このようにして調製された熱可塑性デンプンについて得られる結果は、次の通りである。
−水取り込み:5.8%
−不溶性物質含量(1時間/3時間/24時間の浸漬後):86.3%/74.1%/63.7%
【0155】
この熱可塑性デンプンから出発して、半分は市販のポリプロピレン、および別の半分は無水マレイン酸グラフトポリプロピレンからなる、合計50重量%のポリオレフィンベースの合成ポリマー配合物(構成要素1)を含有する、混合体1を調製する。
【0156】
押出し条件は次の通りである。
−ポリプロピレン(合計50重量%)および熱可塑性デンプン(50重量%)のメインホッパー内での乾式混合
−スクリュー速度:400rpm
−温度プロフィール(Z1〜Z10の10の各加熱帯):200/120/140/140/160/170/160/150/160/160℃
このようにして得られる混合体1は褐色に着色している。
【0157】
これは上述の「CIELab法」よる測定で、以下の着色を有する。
−非常に顕著に60未満の明度指数L
−非常に顕著に+15を超える要素b、および
−3.5を超えるa要素。
【0158】
先行技術に従って得られるこの混合体1について得られる結果は次の通りである。
−24時間浸漬後の不溶性物質含量:94.5%
−水分含量:2.1%
−24時間浸漬後の膨潤度:10%
−破断点伸び:220%
−最大極限応力:15MPa
【0159】
先に得られたのと同一の熱可塑性デンプンを使用して、次を含有する混合体2を調製した。
−半分が市販のポリプロピレン、別の半分が無水マレイン酸グラフトポリプロピレンからなる合計49重量%の合成ポリマー配合物(構成要素1)、および
−この場合はイソホロンジイソシアネート(IPDI)である合計2%のリンカー。
【0160】
押出し条件は、次の通りである。
−ポリプロピレン(合計49重量%)、熱可塑性デンプン(49重量%)、およびIPDI(2%)のメインホッパー内での乾式混合
−スクリュー速度:400rpm
−温度プロフィール(Z1〜Z10の10の各加熱帯):200/120/140/140/160/170/160/150/160/160℃
【0161】
このようにして得られる混合体2は、暗黄色に着色している。
【0162】
先行技術に従って得られるこの混合体2について得られ結果は、次の通りである。
−24時間浸漬後の不溶性物質含量:98.2%
−水分含量:2.1%
−24時間浸漬後の膨潤度:14%
−破断点伸び:190%
−最大極限応力:15MPa
【0163】
デンプン/ポリオレフィン混合体が予備可塑化デンプンから調製されたこの実施例1は、上記混合体に満足できない着色があったことが示された。上述の「CIELab法」よる測定で、この着色は特に以下の総合的結果を与えた。
−混合体2についても60未満、または60を大幅に下回ることさえある明度指数L、および
−混合体2についても+15を超え、または+15を大幅に上回ることさえあるb要素。
【0164】
実施例2:本発明に従った組成物の調製
本実施例の文脈で、本発明に従って、実施例1に記載されたのと同一の押出し装置、および実施例1で混合体の調製で使用されたのと同一の押出し条件、特に次の温度プロフィール(Z1〜Z10の10の各加熱帯)を使用する:200/120/140/140/160/170/160/150/160/160℃。
【0165】
使用される製品は、実施例1に記載される各混合体1および2の製造で使用したのと同一の性質と比率である。
【0166】
しかし本例では事前の熱可塑性デンプンの調製がなく、ポリマー配合物(構成要素1)を溶融形態で既に含有する押し出し機内に、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)とその可塑剤(構成要素3)を本発明の意味において別個に投入し、また任意にリンカーも投入する。
【0167】
第1の変法に従って(本発明に従った混合体1’)リンカーは使用されない。第2の変法に従って(本発明に従った混合体2’)リンカー(2%のIPDI)が使用される、これは水の除去後、ラインの終わりに投入される。
【0168】
より具体的には、押し出し機内に次を投入する。
−押し出し機のメインホッパー内にポリマー配合物を投入し、その後、前記混合物を押し出し機の10の加熱帯Z1〜Z10全てに通過させ、
−デンプン質構成要素のための可塑剤(Polysorb(登録商標))を加熱帯Z2に投入し、
−デンプン質構成要素(非可塑化小麦デンプン)を加熱帯Z3に投入し、
−任意のリンカーを加熱帯Z7に投入する。
【0169】
水の除去(わずかな減圧)が加熱帯Z6で実施されることに留意すべきである。
【0170】
本発明に従って調製される混合体1’について得られた結果は、次の通りである。
−着色:淡黄色
−24時間浸漬後の不溶性物質含量:97.4%
−24時間浸漬後の膨潤度:9%
−破断点伸び:950%
−最大極限応力:18MPa
【0171】
さらに本発明に従って調製される混合体2’について得られた結果は、次の通りである。
−着色:半透明な白色
−24時間浸漬後の不溶性物質含量:98.4%
−24時間浸漬後の膨潤度:2.9%
−破断点伸び:630%
−最大極限応力:15MPa
【0172】
本発明に従ったこの実施例2は、上記混合体が、実施例1の混合体について得られものと比較して、顕著に改善された着色を有することを示した。上述の「CIELab法」よる測定で、この着色は特に以下の総合的結果を与えた。
−混合体2’について60を超え、または60を大幅に上回ることさえあり、または70でさえある明度指数L、および
−混合体2’について+15未満の、または+15を大幅に下回ることさえあり、または+10でさえあるb要素。
【0173】
さらに本発明に従って得られるこれらの混合体のa要素は、混合体2’について常に−0.5〜+1.5であり、または−0.5〜+0.5でさえあった。
【0174】
これらの結果は、本発明に従って得られる組成物が、合成ポリマーと接触させる前にデンプン質構成要素を可塑化する先行技術に従って調製された組成物と比べて、改善された総合的着色特性および機械的特性をも有することを示す。
【0175】
これらの改善された特徴によって、本発明に従った組成物について応用分野の拡大を想定できるようになり、特に破断点伸びに関するそれらの注目に値する特性の結果として、その特性をテキスタイルをはじめとするフィルムまたは繊維、または薄くて強いその他の物品を得るための工業的延伸操作との関連で活用してもよい
【0176】
実施例3:熱可塑性デンプンからの先行技術の方法に従った組成物の調製
実施例1で先に述べた熱可塑性デンプンから出発して、市販のポリアミドからなる合計50重量%の合成ポリマー(構成要素1)を含有して、以下の機械的特性を有する混合体3を調製した。
−破断点伸び:>300%
−最大極限応力:>60MPa
【0177】
押出し条件は次の通りである。
−メインホッパー内でのポリアミド(合計50重量%)と熱可塑性デンプン(50重量%)の乾式混合
−スクリュー速度:400rpm
−温度プロフィール(Z1〜Z10の10の各加熱帯):230/100/100/140/140/140/160/190/190/200℃
【0178】
このようにして得られる混合体3は、黄褐色に着色している。
【0179】
先行技術に従って得られるこの混合体3について得られた機械的特性は、次の通りである。
−破断点伸び:60%
−最大極限応力:17MPa
【0180】
実施例4:本発明に従った組成物の調製
本実施例の文脈で、本発明に従って、実施例に1記載されるのと同一の押出し装置および実施例3の混合体3の調製で使用されるのと同一の押出し条件、特に以下の温度プロフィール(Z1〜Z10の10の各加熱帯)を使用する:230/100/100/140/140/140/160/190/190/200℃。
【0181】
使用される製品は、実施例3に記載される混合体3の製造で使用したのと同一の性質と比率である。しかし本例では事前の熱可塑性デンプンの調製がなく、ポリマー(構成要素1)を溶融形態で既に含有する押し出し機内に、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)とその可塑剤(構成要素3)を本発明の意味において別個に投入する。
【0182】
より具体的には、押し出し機内に次を投入する。
−押し出し機のメインホッパー内にポリマーを投入し、その後、上記混合体を押し出し機の10の加熱帯Z1〜Z10の全てに通過させ、
−デンプン質構成要素のための可塑剤(Polysorb(登録商標))を加熱帯Z2に投入し、
−デンプン質構成要素(非可塑化小麦デンプン)を加熱帯Z3に投入する。
水の除去(わずかな減圧)が加熱帯Z6で実施されることに留意すべきである。
【0183】
本発明に従って調製される混合体3’について得られた結果は、次の通りである。
−着色:淡黄色
−65を超える明度指数L、0〜+10のb要素、および−0.5〜+1.5のa要素
−破断点伸び:350%
−最大極限応力:28MPa
【0184】
これらの結果は、本発明に従って得られ合成ポリマーとしてポリアミドを含有する組成物が、ポリアミドと接触させる前にデンプン質構成要素を可塑化する先行技術に従って調製された組成物と比べて、非常に顕著に改善された着色特性、および機械的特性も有することを示す。
【0185】
実施例5:熱可塑性デンプンを使用した先行技術の方法に従った組成物の調製
実施例1で先に述べた熱可塑性デンプンから出発して、商標名Estane 58277の下に販売される熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる合計50重量%の合成ポリマー(構成要素1)を含有する混合体4を調製した。
【0186】
押出し条件は次の通りである。
−メインホッパー内でのTPU(合計50重量%)と熱可塑性デンプン(50重量%)の乾式混合
−スクリュー速度:300rpm
−温度プロフィール(Z1〜Z10の10の各加熱帯):180/180/160/140/140/130/130/160/160/160℃.
【0187】
このようにして得られる混合体4は、褐色に着色している。
【0188】
、先行技術に従って得られるこの混合体の機械的特性は、次の通りである。
−破断点伸び:500%
−最大極限応力:20MPa.
【0189】
実施例6:本発明に従った組成物の調製
本実施例の文脈で、本発明に従って、実施例1に記載されるのと同一の押出し装置および実施例5の混合体4の調製で使用されるのと同一の押出し条件、特に以下の温度プロフィール(Z1〜Z10の10の各加熱帯)を使用する:180/180/160/140/140/130/130/160/160/160℃。
使用される製品は、実施例5の混合体4を得るために使用したのと同一の性質と比率である。
【0190】
しかし本例では事前の熱可塑性デンプンの調製がなく、ポリマー(構成要素1)を溶融形態で既に含有する押し出し機内に、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)とその可塑剤(構成要素3)を本発明の意味において別個に投入する。
【0191】
より具体的には、押し出し機内に次を投入する。
−押し出し機のメインホッパー内にポリマーを投入し、その後、上記混合体を押し出し機の10の加熱帯Z1〜Z10の全てに通過させ、
−デンプン質構成要素のための可塑剤(Polysorb(登録商標))を加熱帯Z2に投入し、
−デンプン質構成要素(非可塑化小麦デンプン)を加熱帯Z3に投入する。
水の除去(わずかな減圧)が加熱帯Z6で実施されることに留意すべきである。
【0192】
本発明に従って調製される混合体4’について得られた結果は、次の通りである。
−着色:淡黄色
−65を超える明度指数L、0〜+10のb要素、および−0.5〜+1.5のa要素
−破断点伸び:500%
−最大極限応力:20MPa
【0193】
これらの結果は、本発明に従って得られ合成ポリマーとして熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含有する組成物が、TPUと接触させる前にデンプン質構成要素を可塑化する先行技術に従って調製された組成物と比べて、非常に顕著に改善された着色特性を有することを示す。
【0194】
この改善は、上記組成物の機械的特性を損なうことなく達成される。
【0195】
注目に値する様式で出願人は、この本発明に従った組成物を上述したのとの同一の押出し条件下で、それぞれ重量を基準としてa)67%の構成要素1、b)19.8%の構成要素2、およびc)13.2%の構成要素3を含有するように変更すると、得られる混合体(混合体4’’)の着色特徴、ならびに機械的特性もまた非常に顕著に改善されることをさらに観察した。すなわち
−着色:透明
−70を超える明度指数L、0〜+6のb要素、および−0.5〜+0.5のa要素
−破断点伸び:750%
−最大極限応力:35MPa。
したがってこの混合体4’’の着色および機械的特性は、合成ポリマー(TPU)それ自体の特性に近づく。
【0196】
実施例7:本発明に従った組成物の調製
本実施例の文脈で、本発明に従って、実施例に1記載されるのと同一の押出し装置を使用する。
【0197】
使用される温度プロフィールは次の通りである(Z1〜Z10の10の各加熱帯):180/100/100/140/180/180/180/180/180/180℃。
【0198】
使用される製品は、実施例3の混合体3を製造するために使用したのと同一の性質と比率である。唯一の例外はポリマーの性質であり、この場合、それはPETG、より詳細にはポリ(エチレンテレフタレート−コ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)である。
【0199】
しかし本例では事前の熱可塑性デンプンの調製がなく、PETG(構成要素1)を溶融形態で含有する押し出し機内に、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)とその可塑剤(構成要素3)を本発明の意味において別個に投入する。
【0200】
より具体的には、押し出し機内に次を投入する。
−押し出し機のメインホッパー内にポリマーを投入し、その後、上記混合体を押し出し機の10の加熱帯Z1〜Z10の全てに通過させ、
−デンプン質構成要素のための可塑剤(Polysorb(登録商標))を加熱帯Z2に投入し、
−デンプン質構成要素(非可塑化小麦デンプン)を加熱帯Z3に投入する。
【0201】
水の除去(わずかな減圧)が加熱帯Z6で実施されることに留意すべきである。
【0202】
本発明に従って調製される混合体5’について得られた結果は、次の通りである。
−着色:淡黄色
−65を超える明度指数L、0〜+10のb要素、および−0.5〜+1.5のa要素。
−破断点伸び:100%
−最大極限応力:20MPa
【0203】
注目に値する様式で出願人は、この本発明に従った組成物を上述したのとの同一の押出し条件下で、それぞれ重量を基準としてa)67%の構成要素1、b)19.8%の構成要素2、およびc)13.2%の構成要素3を含有するように変更すると、得られる混合体(混合体5’’)の機械的特性が非常に顕著に改善されることをさらに観察した。すなわち
−破断点伸び:380%
−最大極限応力:30MPa。
この改善は上記組成物の着色特性を損なうことなく得られ、それは淡黄色のままである。
【0204】
実施例8:本発明に従った組成物の調製
本実施例の文脈で、本発明に従って、実施例に1記載されるのと同一の押出し装置を使用する。
使用される温度プロフィールは次のとおりである(Z1〜Z10の10の各加熱帯):230/100/100/150/210/210/210/180/190/190℃。
【0205】
使用される製品は、実施例3に記載される混合体3を得るのに使用したのと同一の性質と比率である。唯一の違いはポリマーの性質であり、この場合、それは1%無水マレイン酸でグラフトされたポリ(スチレン−b−(エチレン−コ−ブタジエン)−b−スチレン)またはSEBS共重合体である。
【0206】
しかし本例では事前の熱可塑性デンプンの調製がなく、グラフトされたSEBS(構成要素1)を溶融形態で含有する押し出し機内に、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)とその可塑剤(構成要素3)を本発明の意味において別個に投入する。
【0207】
より具体的には、押し出し機内に次を投入する。
−押し出し機のメインホッパー内にポリマーを投入し、その後、上記混合体を押し出し機の10の加熱帯Z1〜Z10の全てに通過させ、
−デンプン質構成要素のための可塑剤(Polysorb(登録商標))を加熱帯Z2に投入し、
−デンプン質構成要素(非可塑化小麦デンプン)を加熱帯Z3に投入する。
水の除去(わずかな減圧)が加熱帯Z6で実施されることに留意すべきである。
【0208】
本発明に従って調製される混合体6’について得られた結果は、次の通りである。
−着色:淡黄色
−65を超える明度指数L、0〜+10のb要素、および−0.5〜+1.5のa要素
−破断点伸び:>1300%
−最大極限応力:22MPa

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・軟化または溶融合成ポリマー(構成要素1)を含有する反応装置内に、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)とその可塑剤(構成要素3)とを投入するステップと、
・得られた混合物を、可塑剤(構成要素3)によるデンプン質構成要素(構成要素2)の可塑化を得るのに十分な条件下で混練して、合成ポリマーと可塑化デンプン質構成要素とを均質に混合するステップと
を含んでなる、合成ポリマーとデンプン質構成要素とをベースとする組成物を調製する方法。
【請求項2】
・剪断力をかけられて60℃〜260℃の温度に加熱される、熱可塑性合成ポリマー(構成要素1)を含有する反応装置内に、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)とその可塑剤(構成要素3)とを投入するステップと、
・得られた混合物を、剪断力をかけて60℃〜260℃の温度で、可塑剤(構成要素3)によるデンプン質構成要素(構成要素2)の可塑化を得るのに十分な時間にわたり混練して、ポリマーと可塑化デンプン質構成要素とを均質に混合するステップと
を含んでなる、請求項1に記載の合成ポリマーベースの組成物を調製する方法。
【請求項3】
非可塑化デンプン質構成要素または可塑剤の一部または全部が、予備軟化または溶融合成ポリマーとして反応装置内に同時に投入されることで特徴付けられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
デンプン質構成要素および可塑剤が、2つの別個の入口を通じて反応装置内に投入され、これらの2つの入口が有利には軟化または溶融合成ポリマーのための入口とは異なることで特徴付けられる、請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
非可塑化デンプン質構成要素を投入する前に、可塑剤を反応装置内に投入して合成ポリマーに組み込むことで特徴付けられる、請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
(a)熱可塑性合成ポリマーを押し出し機内に投入するステップと、
(b)熱可塑性合成ポリマーを60℃〜260℃の温度に加熱して混練するステップと、
(c)以下のステップで添加されるデンプン質構成要素のための可塑剤を押し出し機内に投入して、加熱された熱可塑性合成ポリマーに組み込むステップと、
(d)非可塑化デンプン質構成要素を押し出し機内に投入して、先行するステップで得られた混合物に組み込むステップと、
(e)剪断力をかけて可塑剤によるデンプン質構成要素の可塑化を得るのに十分な時間にわたり、得られた混合物を60℃〜260℃の温度で混練して、ポリマーと可塑化デンプン質構成要素を均質に混合するステップと、
(f)得られる均質塊を成形するステップと
の連続的段階を含んでなることで特徴付けられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
非可塑化デンプン質構成要素に接する際の軟化または溶融合成ポリマーの温度、および
次に実施される可塑剤によるデンプン質構成要素の可塑化の温度
がそれぞれ80℃〜240℃であることで特徴付けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
合成ポリマーが非生分解性ポリマーであることで特徴付けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
合成ポリマーがEN 13432、ASTM D 6400、およびASTM D 6868規格の意味において生分解性でもコンポスト可能でもなく、および/または
合成ポリマーが、上記ポリマー中に存在する総炭素に対して、ASTM D 6852規格および/またはASTM D 6866規格の意味において、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、特に80%を超える再生可能起源の炭素を含有するポリマーであり、および/または
合成ポリマーが水不溶性である
ことで特徴付けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
合成ポリマーが、任意に官能化されていてもよいポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、好ましくは官能化されているスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体、非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)、およびそれらの混合物を含んでなる群から選択されることで特徴付けられる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記温度が120℃〜200℃、特に130℃〜190℃であり、
合成ポリマーがポリオレフィンから、特に任意に官能化されているポリエチレン(PE)および任意に官能化されているポリプロピレン(PP)から選択されることで特徴付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記温度が100℃〜230℃であり、
合成ポリマーが、ポリアミド(PA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、特に無水マレイン酸単位によって好ましくは官能化されているスチレン−ブチレン−スチレン(SBS)およびスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体から選択されることで特徴付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記温度が100℃〜180℃であり、
合成ポリマーが非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)から選択される
ことで特徴付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
デンプン質構成要素が、組成物中に存在する合成ポリマー乾燥重量に対して、20乾燥重量%〜3000乾燥重量%の比率で、好ましくは20乾燥重量%〜1000乾燥重量%の比率で、なおもより優先的には20乾燥重量%〜500乾燥重量%の比率で合成ポリマーに組み込まれることで特徴付けられる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
デンプン質構成要素が、組成物中に存在する合成ポリマー乾燥重量に対して、20乾燥重量%〜400乾燥重量%の比率で、好ましくは20乾燥重量%〜200乾燥重量%の比率で、なおもより優先的には25乾燥重量%〜150乾燥重量%の比率で合成ポリマーに組み込まれることで特徴付けられる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
可塑剤が100重量部のデンプン質構成要素あたり10〜150重量部の比率、好ましくは25〜120重量部の比率、特に40〜120重量部の比率で使用されることで特徴付けられる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
イソシアネート、カルバモイルカプロラクタム、エポキシド、ハロゲン、プロトン酸、酸無水物、アシルハロゲン化物、酸塩化物、トリメタホスフェート、およびアルコキシシラン官能基から選択される、少なくとも2つの遊離またはマスクされた、同一であるかまたは異なる官能基を有する化合物から選択される少なくとも1つのリンカー(構成要素4)を組み込むステップもまた含んでなり、このリンカーを組み込むステップが、非可塑化デンプン質構成要素(構成要素2)と可塑剤(構成要素3)とを熱可塑性ポリマーに組み込むステップに続くことで特徴付けられる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
リンカーがジイソシアネート、好ましくはイソホロンジイソシアネート(IPDI)またはジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)であることで特徴付けられる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
リンカーの量が、合成ポリマー、デンプン質構成要素、および可塑剤を含有する混合物の総重量に対して0.01%〜15%、好ましくは0.1%〜12%、なおもより優先的には0.1%〜9%であることで特徴付けられる、請求項17および18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
15%〜85%、好ましくは15%〜80重量%の少なくとも1つのデンプン質構成要素(構成要素2)、
4%〜35重量%の前記デンプン質構成要素のための少なくとも1つの可塑剤(構成要素3)、および
5%〜80%、好ましくは15%〜80重量%の特に熱可塑性である少なくとも1つの合成ポリマー(構成要素1)を含んでなり、
これらの百分率が前記組成物の総乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる、請求項1〜18のいずれか一項に記載されるようにして得られることで特徴付けられる、ポリマー性組成物、特に熱可塑性組成物。
【請求項21】
15%〜70%、好ましくは15%〜60重量%の少なくとも1つのデンプン質構成要素、
4%〜25重量%の前記デンプン質構成要素のための少なくとも1つの可塑剤、および
15%〜80%、好ましくは35%〜80重量%の少なくとも1つの合成ポリマー
を含んでなることで特徴付けられる、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
その明度指数Lが60を超え、特に65を超え、
そのb要素が0〜+15、特に0〜+10である
ような着色(CIELab法)を有することで特徴付けられる、請求項20および21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
その明度指数Lが少なくとも70に等しく、
そのb要素が0〜+6である
ことで特徴付けられる、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
そのa要素が−1〜+3.5、特に−0.5〜+1.5、特に−0.5〜+0.5であることで特徴付けられる、請求項22および23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
合成ポリマーが、任意に官能化されているポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、好ましくは官能化されているスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体、非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)、およびそれらの混合物を含んでなる群から選択されることで特徴付けられる、請求項20〜24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
100%を超える破断点伸び、および
15MPaを超える最大極限応力
を有することで特徴付けられる、請求項20〜25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
a)15%〜85%、好ましくは15%〜80重量%の少なくとも1つのデンプン質構成要素、
4%〜35重量%の前記デンプン質構成要素のための少なくとも1つの可塑剤、および
任意に官能化されているポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、好ましくは官能化されているスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体、非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)、およびそれらの混合物を含んでなる群から選択される、5%〜80%、好ましくは15%〜80重量%の少なくとも1つの合成ポリマーを含んでなり、
b)その明度指数Lが65を超え、
そのb要素が0〜+10であり、
そのa要素が−1〜+3.5、特に−0.5〜+1.5、特に−0.5〜+0.5であるような着色(CIELab法)を有する
ことで特徴付けられるポリマー性組成物、特に熱可塑性組成物。
【請求項28】
a)15%〜70%、好ましくは15%〜60重量%の少なくとも1つのデンプン質構成要素、
4%〜25重量%の前記デンプン質構成要素のための少なくとも1つの可塑剤、および
任意に官能化されているポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、好ましくは官能化されているスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体、非晶質ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)、およびそれらの混合物を含んでなる群から選択される、15%〜80%、好ましくは35%〜80重量%の少なくとも1つの合成ポリマーを含んでなり、
b)その明度指数Lが少なくとも70に等しく、
そのb要素が0〜+6であり、
そのa要素が−1〜+3.5、特に−0.5〜+1.5、特に−0.5〜+0.5、であるような着色(CIELab)を有し、
c)100%を超える破断点伸び、および
15MPaを超える最大極限応力を有する
ことで特徴付けられる、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
−0.5〜+1.5、特に−0.5〜+0.5であるa要素、および
少なくとも350%に等しい破断点伸び
を有することで特徴付けられる請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
20℃で90%を超え、好ましくは95%を超え、特に97%を超える水不溶性物質含量を有することで特徴付けられる、請求項27〜29のいずれか一項に記載の組成物。

【公表番号】特表2011−528749(P2011−528749A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519212(P2011−519212)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051435
【国際公開番号】WO2010/010282
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(592097428)ロケット・フルーレ (58)
【Fターム(参考)】