説明

データファイル管理プログラムおよびこのデータファイル管理プログラムを実行するコンピュータ

【課題】印刷対象のデータファイルに適した印刷設定を、ユーザが容易に選択可能で、選択された印刷設定による印刷を容易に行い得る、新たなデータファイル管理プログラムおよびこのデータファイル管理プログラムを実行するコンピュータを提供することを目的とする。
【解決手段】印刷対象ファイルデータと、印刷対象データファイルの拡張子に対応付けられた印刷設定の印刷設定名732a〜c、dとを含むデータファイル管理画面700がモニタに表示された状態で、ユーザがカーソル750を操作し、一の印刷対象ファイルをドラッグし印刷設定名732a〜c,dを含む領域にドロップした場合、印刷設定名732a〜c,dによって表わされる印刷設定値を含む仮想プリンタを、OSで優先的に利用されるデフォルトの仮想プリンタとして登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置で印刷可能なデータファイルのコンピュータでの管理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という。)に導入された基本ソフトウェア(Operating System/以下、「OS」ともいう。)上で動作するアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリケーション」ともいう。)によって作成されたデータファイルを、印刷することがある。この場合、種々の態様で印刷が行われる。このような種々の印刷を実行するためには、それに対応した印刷設定がなされる必要がある。この点に関し、従来から多くの構成(技術)が提案されている。例えば、印刷対象のファイルからその拡張子を取得し、印刷設定テーブル上にその拡張子が載っているか検索し、載っていれば、印刷設定テーブル上のその拡張子に対応する印刷設定により設定を行い、載っていないときは、デフォルトの印刷設定により設定を行う、技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−66850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、多種多様なデータファイルを管理し、管理下にあるこれらデータファイルが印刷される場合に、ユーザが複雑な操作を行うことなく、ユーザが所望する印刷結果を得ることが可能な構成が要求されている。
【0005】
本発明は、印刷対象のデータファイルに適した印刷設定を、ユーザが容易に選択可能で、選択された印刷設定による印刷を容易に行い得る、新たなデータファイル管理プログラムおよびこのデータファイル管理プログラムを実行するコンピュータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑みなされた本発明は、モニタに、印刷装置で印刷可能なデータファイルを識別可能な識別情報を表示し、この表示に応じ、ユーザが一の識別情報を選択した場合、一の識別情報によって識別されるデータファイルのデータ形式に関連付けられた印刷設定を特定し、一の識別情報と、この特定された印刷設定に含まれる印刷設定値を表す印刷設定情報と、をモニタに表示することとしたものである。
【0007】
さらに、本発明は、一の識別情報と印刷設定情報とがモニタに表示された状態で、ユーザが操作部を介して、一の識別情報をドラッグし一の印刷設定情報にドロップした場合、一の印刷設定情報によって表わされる印刷設定値を含む一の印刷設定が指定された仮想印刷装置を、優先的に利用されるデフォルトの仮想印刷装置として、基本ソフトウェアに登録することとしたものである。
【0008】
本発明を反映した第1の課題解決手段は、モニタに、印刷装置で印刷可能なデータファイルを識別可能な識別情報を表示するコンピュータが読み取り可能なデータファイル管理プログラムであって、前記コンピュータを、前記印刷装置で前記データファイルを印刷するための印刷設定と、前記データファイルのデータ形式と、を関連付ける関連付手段と、ユーザが、前記モニタへの前記識別情報の表示に応じて、一の識別情報を前記コンピュータを構成する操作部を介して選択した場合、前記一の識別情報によって識別されるデータファイルのデータ形式に関連付けられた印刷設定を特定する特定手段と、前記一の識別情報と、前記特定手段によって特定された印刷設定に含まれる印刷設定値を表す印刷設定情報と、を前記モニタに表示する表示制御手段と、前記ユーザが、前記表示制御手段によって前記一の識別情報と前記印刷設定情報とが前記モニタに表示された状態で、前記操作部を介して、前記一の識別情報をドラッグし一の印刷設定情報にドロップした場合、前記一の印刷設定情報によって表わされる印刷設定値を含む一の印刷設定が指定され、かつ前記コンピュータに導入された基本ソフトウェア上で動作するアプリケーションソフトウェアで利用可能な仮想印刷装置を、優先的に利用されるデフォルトの仮想印刷装置として、前記基本ソフトウェアに登録する登録手段として機能させるためのデータファイル管理プログラムである。
【0009】
これによれば、ユーザによって選択されたデータファイルのデータ形式にしたがい、このデータ形式に関連付けられた印刷設定に含まれる印刷設定値を表す印刷設定情報を、データファイルを識別可能な識別情報をドロップできる状態でモニタに表示することができる。そして、この表示に応じて、一の識別情報が一の印刷設定情報にドロップされた場合、一の印刷設定情報によって表わされる印刷設定値を含む一の印刷設定が指定された仮想印刷装置を、優先的に利用されるデフォルトの仮想印刷装置として基本ソフトウェアに登録することができる。
【0010】
第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段のデータファイル管理プログラムであって、前記コンピュータを、前記ユーザが、前記表示制御手段によって前記一の識別情報と前記印刷設定情報とが前記モニタに表示された状態で、前記操作部を介して、前記一の識別情報をドラッグし前記一の印刷設定情報にドロップした場合、前記一の識別情報によって識別される一のデータファイルをオープンするために、前記一のデータファイルのためのアプリケーションソフトウェアを起動するアプリケーション起動手段と、前記アプリケーション起動手段によって起動されたアプリケーションソフトウェアによる指令にしたがって、前記印刷装置への前記一のデータファイルの印刷処理が、前記コンピュータで、前記登録手段によって登録された仮想印刷装置に指定された一の印刷設定とは異なる他の印刷設定で実行された場合、前記一のデータファイルのデータ形式と、前記他の印刷設定と、を関連付ける前記関連付手段として機能させることを特徴とする。
【0011】
これによれば、利用可能な仮想印刷装置を増加させることが可能であるとともに、一のデータファイルのデータ形式への重複した印刷設定の関連付けを防止することができる。
【0012】
第3の課題解決手段は、第1または第2の課題解決手段のデータファイル管理プログラムであって、前記コンピュータを、前記印刷装置で、前記データファイルを印刷するための印刷設定に含まれる印刷設定値と、前記基本ソフトウェアに登録された基準となる印刷設定に含まれる印刷設定値と、を比較する比較手段と、前記モニタに、前記比較手段によって相違するとされた前記印刷設定値を表す印刷設定情報を表示する前記表示制御手段として機能させることを特徴とする。
【0013】
これによれば、モニタに表示された印刷設定情報に基づき、これを視認したユーザは、基準となる印刷設定に含まれる印刷設定値から変更された印刷設定値が、どのような印刷設定値であるかを判断することができる。
【0014】
なお、第1から第3の課題解決手段において、データファイル管理プログラムは、単一のコンピュータプログラムとして構成されている場合の他、複数のコンピュータプログラムモジュールによって構成されていてもよい。
【0015】
第4の課題解決手段は、第1から第3の課題解決手段のいずれか1つのデータファイル管理プログラムを記憶した記憶部と、前記記憶部から前記データファイル管理プログラムを読み取り、実行する制御部と、を備えることを特徴とするコンピュータである。これによれば、上記特有の機能を実現可能なコンピュータとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、印刷対象のデータファイルに適した印刷設定を、ユーザが容易に選択可能で、選択された印刷設定による印刷を容易に行い得る、新たなデータファイル管理プログラムおよびこのデータファイル管理プログラムを実行するコンピュータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態における印刷システムおよび印刷システムを構成する各装置の機能ブロックを示す図
【図2】本発明の実施形態における印刷設定情報テーブルを示す図
【図3】本発明の実施形態における印刷情報を示す図
【図4】本発明の実施形態における印刷設定名テーブルを示す図
【図5】本発明の実施形態におけるファイル選択処理(第1処理形態)のフローを示す図
【図6】本発明の実施形態におけるデータファイル管理画面を示す図
【図7】(a)および(b)は、本発明の実施形態におけるデータファイル管理画面を示す図
【図8】本発明の実施形態におけるファイルドロップ処理のフローを示す図
【図9】本発明の実施形態における印刷ジョブ監視処理のフローを示す図
【図10】本発明の実施形態における印刷設定名生成処理のフローを示す図
【図11】本発明の実施形態におけるファイル選択処理(第2処理形態)のフローを示す図
【図12】本発明の実施形態におけるデータファイル管理画面(第2処理形態)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を反映した上記課題解決手段を実施するための実施形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。上記課題解決手段は以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に説明する各処理において、所定の処理ステップを省略することができる。
【0019】
(システムの構成)
図1は、印刷システムを示すものである。図1には2つの印刷システムが構築されている。すなわち、プリンタ100とパソコン200とにより構成された印刷システムが、その1つであり、両者はUSB(Universal Serial Bus)ケーブル500によりデータ送受信可能に接続(以下、この接続形態を「USB接続」ともいう。)されている。なお、USB接続の他、例えば、赤外線通信、またはワイヤレスUSB(Wireless USB)とすることもできる。他の1つは、プリンタ100とパソコン300とにより構成された印刷システムであり、これら装置は有線LAN(Local Area Network)ケーブル600でデータ送受信可能に接続されている。なお、有線LANの他、例えば、インフラストラクチャーモードによる無線LANとすることもできる。
【0020】
以下、各装置の構成を説明する。先ず、プリンタ100について説明する。プリンタ100は、自装置の制御を司り、演算処理を実行するCPU、各種プログラムを記憶するROMおよび作業領域としてのRAMにより構成される制御部110と、各種処理を実行するための各種プログラムおよび各種データを記憶可能な記憶部120とを備える。記憶部120は、例えば、ハードディスクまたは不揮発性のメモリ(EEPROM)で構成されている。ここで、制御部110を構成するCPUがROMまたは記憶部120に記憶されているプログラムを実行することで、各種処理が実行される。その際、RAMには、各種データ、例えば、記憶部120に記憶されたデータが入力され、保持される。CPUは、これらデータを用いた処理を実行するためRAMにアクセスする。したがって、CPUがROM等に記憶されている各種プログラムをRAM上で実行することで、各種処理が実行され、これによって各種機能手段が構成される。
【0021】
また、プリンタ100は、印刷データの印刷を実行する印刷部130と、各種情報を表示する表示部140と、データの入力インターフェースとしての機能を実現する操作部150とを備える。なお、操作部150は、例えば、方向キー、文字入力が可能なテンキーボードおよび確定ボタン等により構成される。さらに、プリンタ100は、USB接続のためのインターフェースであるUSBインターフェース(以下、「USBI/F」という。)160、LAN600への接続のためのインターフェースであるネットワークインターフェース(以下、「ネットワークI/F」という。)170を備える。なお、これらインターフェースを介して印刷データを受信し、また各種データが送受信される。
【0022】
次に、パソコン200について説明する。パソコン200は、自装置の制御を司り、CPU、ROMおよびRAMにより構成される制御部210と、記憶部220とを備える。記憶部220は、例えば、ハードディスクで構成されている。記憶部220は、OS2202、後述する処理を実行するためのプリンタ設定プログラム2204、印刷ジョブ監視プログラム2206を記憶する。また、記憶部220は、印刷設定情報テーブル2208、設定情報ファイル2210、印刷情報2212および印刷設定名テーブル2214を記憶する。さらに、記憶部220は、アプリケーション2216、プリンタドライバ2218および印刷対象ファイル(データファイル)2220等を記憶する。OS2202としては、例えば、マイクロソフト社製のウィンドウズ(登録商標)が例示される。
【0023】
制御部210を構成するCPUが、例えば、操作部240を介して入力されたデータ、記憶部220に記憶されている各種テーブル2208,2212,2214および各種ファイル2210,2220等を用いて、ROMに記憶されているプログラムおよび記憶部220に記憶されている各種プログラム2202,2204,2206,2216,2218等をRAM上で実行することで、各種処理が実行され、これによって各種機能手段が構成される。なお、詳細については後述する。
【0024】
また、パソコン200は、各種情報を表示するモニタ230と、キーボードおよびマウスから構成され、プログラムの実行に用いられる各種データの入力インターフェースとしての機能を実現する操作部240と、USBI/F250と、ネットワークI/F260とを備える。なお、パソコン200は、ネットワークI/F260を備えるが、図1の構成においてはLAN600へは接続されていない。
【0025】
パソコン300は、パソコン200と同一の構成を備えている。なお、パソコン300は、ネットワークI/F260を介してLAN600に接続されている一方、USBI/F250を介したUSB接続はなされていない。
【0026】
図2は、印刷設定情報テーブルを示すものである。印刷設定情報テーブル2208は、記憶部220に記憶(導入/install)されるプリンタドライバ2218毎に記憶される。例えば、図1には描画していないプリンタまたは複合機(プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等を備える装置)のプリンタドライバ2218がインストールされている場合、これに対応する印刷設定情報テーブル2208が記憶部220に記憶されている。
【0027】
印刷設定情報テーブル2208には、プリンタドライバ2218が記憶部220にインストールされた際の基準設定(印刷設定名:通常印刷)と、各拡張子に対応付けて登録された印刷設定とが登録されている。例えば、ワープロソフト等のアプリケーション2216によって作成された印刷対象ファイル2220(文字データを含む)の拡張子である「.aaa」には、印刷設定名(印刷設定情報)「両面印刷」と、印刷設定名「2in1印刷(記録用紙の片面に2ページ分のデータを印刷)」と、印刷設定名「4in1印刷(記録用紙の片面に4ページ分のデータを印刷)」とが対応付けて登録されている。基準設定及び拡張子「.aaa」に対応付けられた各印刷設定には、設定情報ファイル2210(詳細には、対応する設定情報ファイル2210が記憶されているパス(path/記憶部220内の所在を示す文字列))が対応付けて登録されている。また、拡張子「.aaa」に対応付けられた各印刷設定には、さらに、使用頻度が対応付けて登録されている(基準設定(印刷設定名「通常印刷」)には未登録)。
【0028】
ここで、設定情報ファイル2210は、印刷設定値として、例えば、両面印刷機能とレイアウト機能と印刷モード機能とに関するものを含む(これ以外の機能については、その記載を省略する。)。例えば、印刷設定名「通常印刷」(基準設定)に対応付けられた設定情報ファイル2210、詳細には、印刷設定名「通常印刷」に対応付けられたパスに記憶されている設定情報ファイル2210「PRINTER-100_000」は、印刷設定値として「片面印刷」と、レイアウト「1ページ(1in1)」と、印刷モード「文書」とを含む。また、印刷設定名「両面印刷」に対応付けられた設定情報ファイル2210「PRINTER-100_001」は、印刷設定値として「両面印刷」と、レイアウト「1ページ」と、印刷モード「テキスト」とを含む。印刷設定名「2in1」に対応付けられた設定情報ファイル2210「PRINTER-100_002」は、印刷設定値として「片面印刷」と、レイアウト「2ページ(2in1を示す)」と、印刷モード「文書」とを含む。印刷設定名「4in1」に対応付けられた設定情報ファイル2210「PRINTER-100_003」は、印刷設定値として「片面印刷」と、レイアウト「4ページ(4in1を示す)」と、印刷モード「文書」とを含む。
【0029】
また、画像データ(例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)データ)である印刷対象ファイル2220の拡張子「.bbb」には、印刷設定名「写真」が対応付けて登録されている。そして、印刷設定名「写真」には、上記同様、設定情報ファイル2210(パス)と使用頻度とが対応付けて登録されている。設定情報ファイル2210「PRINTER-100_004」は、印刷設定値として「片面印刷」と、レイアウト「1ページ」と、印刷モード「写真」とを含む。
【0030】
さらに、プレゼンテーション用のアプリケーション2216によって作成された印刷対象ファイル2220の拡張子である「.ccc」には、拡張子「.aaa」と同じ印刷設定名「2in1印刷」と印刷設定名「4in1印刷」とが対応付けて登録されている。なお、これら設定についての詳細は、上述のとおりであり省略する。ここで、使用頻度は、使用頻度が対応付けられた印刷設定による印刷回数を示すものである。使用頻度についての詳細は後述する。
【0031】
図3は、印刷情報を示すものである。図3から明らかなとおり印刷情報2212は、印刷対象ファイル2220と設定情報ファイル2210とを対応付けて登録したテーブルである。例えば、印刷情報2212には、ワープロソフト等のアプリケーション2216によって作成された印刷対象ファイル2220「報告書01.aaa」と、設定情報ファイル2210「PRINTER-100_001」とが対応付けて登録されている。なお、印刷情報2212についての詳細は後述する。
【0032】
図4は、印刷設定名テーブルを示すものである。印刷設定名テーブル2214は、印刷設定の設定項目(機能名)と、設定項目において設定される具体的な印刷設定値と、印刷設定値に対応した印刷設定名とを対応付けて登録したテーブルである。例えば、両面印刷機能において設定される印刷設定値「両面印刷」には、印刷設定名「両面印刷」が対応付けて登録されている。なお、例えば、印刷設定名テーブル2214の印刷設定名は、図2の印刷設定情報テーブル2208の印刷設定名に対応する。印刷設定値が「片面印刷」と「1in1印刷」と「文書」である場合、これらに対応した印刷設定名は登録されていない。プリンタドライバ2218が記憶部220にインストールされた際の基準設定(印刷設定名:通常印刷)に含まれる印刷設定値であることに基づく。すなわち、印刷設定名生成処理(図10参照)において、基準設定に含まれる印刷設定値に相違する印刷設定値に基づき印刷設定名を決定することに基づく。詳細は後述する。
【0033】
以下、パソコン200,300の制御部210によって実行される2つの処理形態について説明する。
【0034】
(第1処理形態)
(ファイル選択処理)
図5は、ファイル選択処理のフローを示すものである。パソコン200,300の制御部210がプリンタ設定プログラム2204を起動し、実行することで行われる。なお、ユーザが操作部240を介してプリンタ設定プログラム2204の起動を指示したとき、制御部210はプリンタ設定プログラム2204を起動する。プリンタ設定プログラム2204を起動した制御部210は、先ず、モニタ230にデータファイル管理画面700を表示する(図6参照/ただし、表示直後、プリンタ選択ボックス740は未入力状態)。ここで、データファイル管理画面700は、フォルダ表示領域710とファイル表示領域720とプリンタアイコン表示領域730とプリンタ選択ボックス740とを含む。
【0035】
フォルダ表示領域710は、記憶部220内のフォルダ(ディレクトリ)の階層構造を表示する領域である。ファイル表示領域720は、フォルダ表示領域710に表示されたフォルダの1つが操作部240に連動したカーソル750にて選択された場合、選択されたフォルダ内に記憶されている印刷対象ファイル2220(印刷対象ファイル2220を識別する識別情報。例えば、ファイル名)を表示する領域である。なお、図6は、フォルダ表示領域710に表示されたフォルダ名「報告書」が選択された態様を示す。
【0036】
プリンタアイコン表示領域730は、ファイル表示領域720に表示された印刷対象ファイル2220の1つが操作部240を介したユーザ操作によって選択された場合、選択された印刷対象ファイル2220の拡張子に対応付けて登録された印刷設定の印刷設定名(図4の印刷設定情報テーブル2208参照)732(図7(a)参照)が付与されたプリンタアイコン734(図7(a)参照)が表示される領域である。なお、詳細は後述するが、図6では印刷対象ファイル2220が未選択であるため、プリンタアイコン表示領域730に、印刷設定名732が付与されたプリンタアイコン734は表示されていない。
【0037】
プリンタ選択ボックス740は、印刷対象ファイル2220の印刷に用いるプリンタ、詳細には、印刷対象ファイル2220の印刷に用いるプリンタを制御するためのプリンタドライバ2218を選択するための領域である。プリンタ選択ボックス740は、いわゆるプルダウンメニュー方式の構成を有する。カーソル750で所定の領域(プリンタ選択ボックス740の右側)を選択することで、記憶部220に記憶された各プリンタドライバ2218に対応するプリンタ名が一覧表示される。ユーザは、その中から1つのプリンタが、操作部240に連動したカーソル750で選択する。図6は、プリンタ100を示すプリンタ名「PRINTER-100」が選択された態様を示す。
【0038】
データファイル管理画面700がモニタ230に表示された後、ユーザが操作部240を操作して、例えばプリンタ100を示すプリンタ名をプリンタ選択ボックス740で選択した場合、制御部210は、プリンタ100のプリンタドライバ2218の名称を取得する(S100)。そして、制御部210は、ユーザが操作部240を操作し、カーソル750にてファイル表示領域720に表示されている印刷対象ファイル2220のいずれかが選択されたか否かを判断する(S102)。判断の結果、何れの印刷対象ファイル2220も選択されていない場合(S102:No)、制御部210は、処理をS100に戻す一方、いずれかの印刷対象ファイル2220が選択された場合(S102:Yes)、処理をS104に移行する。
【0039】
S104で制御部210は、S100で取得したプリンタドライバ2218の名称に対応した印刷設定情報テーブル2208が存在するか否か、すなわちS100で取得したプリンタドライバ2218の名称に対応した印刷設定情報テーブル2208が、記憶部220に記憶されているか否かを判断する。なお、操作部240を介した誤操作等によって、所定の印刷設定情報テーブル2208が削除等されている場合、または、ユーザが操作部240を介して記憶部220に記憶されていないプリンタ名を直接入力した場合、S104の判断が否定(No)される。
【0040】
S104の判断の結果、記憶部220に、S104の判断が肯定された印刷設定情報テーブル2208(以下、「対象の印刷設定情報テーブル2208」ともいう。)が存在しない場合(S104:No)、制御部210は処理をS110に移行する。これに対し、記憶部220に対象の印刷設定情報テーブル2208が存在している場合(S104:Yes)、制御部210は、S102で選択された印刷対象ファイル2220の拡張子が、対象の印刷設定情報テーブル2208に登録されているか否かを判断する(S106)。判断の結果、拡張子が対象の印刷設定情報テーブル2208に登録されていない場合(S106:No)、制御部210は処理をS110に移行する。
【0041】
これに対し、S106の判断の結果、拡張子が対象の印刷設定情報テーブル2208に登録されている場合(S106:Yes)、制御部210は、印刷設定情報テーブル2208に、S102で選択された印刷対象ファイル2220の拡張子に対応付けて登録されている印刷設定の中から、使用頻度が高い順に各印刷設定の印刷設定名732が付与されたプリンタアイコン734を、プリンタアイコン表示領域730に表示する。例えば、ファイル表示領域720に表示されたファイル名「報告書01.aaa」がカーソル750にて選択された場合(S102:Yes)、プリンタアイコン表示領域730には、上から順に、印刷設定名「両面印刷」732aが付与されたプリンタアイコン734a(使用頻度:3回)、印刷設定名「2in1印刷」732bが付与されたプリンタアイコン734b(使用頻度:2回)、印刷設定名「4in1印刷」732cが付与されたプリンタアイコン734c(使用頻度:1回)が表示される(図7(a)参照)。なお、ファイル表示領域720に例えばファイル名「写真01.bbb」等が表示されている状態で、ファイル名「写真01.bbb」が選択された場合(S102:Yes)、プリンタアイコン表示領域730には、印刷設定名「写真」732が付与されたプリンタアイコン734のみが表示される。拡張子「.bbb」に対応付けて登録されている印刷設定が、印刷設定名「写真」のみであるためである(図2参照)。
【0042】
S110で制御部210は、印刷設定情報テーブル2208(図4参照)に登録された設定値名「通常印刷」に基づき、設定値名「通常印刷」732dが付与されたプリンタアイコン734dを、プリンタアイコン表示領域730に表示する(図7(b)参照)。なお、図7(b)に示すデータファイル管理画面700は、例えば、ファイル表示領域720に表示されたファイル名「ルート01.zzz」がカーソル750にて選択され、S106の判断が否定された場合(S106:No)に表示されるデータファイル管理画面である。S104が否定された場合(S104:No)も、図7(b)と同様のが表示される。
【0043】
S108またはS110を実行後、制御部210は、このファイル選択処理を終了する。
【0044】
(ファイルドロップ処理)
図8は、ファイルドロップ処理のフローを示すものである。この処理は、パソコン200,300の制御部210が図5に示すファイル選択処理を実行し、モニタ230にデータファイル管理画面700(図7(a)および(b)参照)が表示された状態で実行される。制御部210は、プリンタ設定プログラム2204に基づきこの処理を実行する。この処理を開始した制御部210は、先ず、ファイル表示領域720に表示された所定のファイル名によって識別される印刷対象ファイル2220(詳細には、ファイル名が付与された印刷対象ファイル2220を表すアイコン)の1つが、操作部240を介したユーザ操作によってドラッグされた後、プリンタアイコン表示領域730に表示された、一の印刷設定名732とプリンタアイコン734とを含む所定の領域(以下、「プリンタアイコン領域」ともいう。)にドロップされたか否かを判断する(S200)。
【0045】
判断の結果、印刷対象ファイル2220がドロップされていない場合(S200:No)、制御部210はドロップされるまで待機する。これに対し、印刷対象ファイル2220がプリンタアイコン領域にドロップされた場合(S200:Yes)、制御部210は処理をS202に移行する。具体的には、例えば、ファイル表示領域720に表示されたファイル名「報告書01.aaa」がカーソル750にてドラッグされ、印刷設定名「両面印刷」732aが付与されたプリンタアイコン734a(印刷設定名「両面印刷」732aとプリンタアイコン734aとを含むプリンタアイコン領域)でドロップされたとき(図7(a)に描画の矢印参照)、制御部210はS200の判断を肯定する(S200:Yes)。
【0046】
S202で制御部210は、優先的に利用されるデフォルトのプリンタ(通常使うプリンタ)としてOS2202に登録されたプリンタ名、より詳細には、優先的に利用されるデフォルトの仮想プリンタとしてOS2202に登録された仮想プリンタ名を、例えば、記憶部220の所定領域に記憶する。そして、制御部210は、プリンタ選択ボックス740(例えば図6および図7参照)で選択されたプリンタ100のプリンタ設定情報から、選択されたプリンタ100が使用する使用ポート設定値を、制御部210を構成するRAM上に取得する(読み出す/S204)。ここで、プリンタ設定情報は、プリンタ選択ボックス740で選択されたプリンタ100のプリンタドライバ2218の設定が登録されているデータベース(例えば、レジストリ)である。このデータベースには、例えばOS2202の設定等も登録されている。
【0047】
制御部210は、印刷対象ファイル2220がドロップされたプリンタアイコン領域の印刷設定名に対応付けて、印刷設定情報テーブル2208に登録されている設定情報ファイル2210のパスにしたがい、対応する設定情報ファイル2210を記憶部220からRAM上に取得する(読み出す/S206)。S204およびS206を実行した制御部210は、両ステップにおいて取得した使用ポート設定値および設定情報ファイル2210に基づき、仮想プリンタを作成し(S208)、作成した仮想プリンタを、優先的に利用されるデフォルトのプリンタ(仮想プリンタ)としてOS2202に登録する(S210)。なお、S208で作成される仮想プリンタは、例えば、使用ポート設定値と両面印刷機能とレイアウト機能と印刷モード機能とに関する印刷設定値とを含む。
【0048】
続けて、制御部210は、ドラッグされドロップされた印刷対象ファイル2220に関連付けられた所定のアプリケーション2216を起動し、印刷対象ファイル2220をオープンする(S212)。印刷対象ファイル2220、詳細には、印刷対象ファイル2220の拡張子とアプリケーション2216との対応は、S204で用いたプリンタ設定情報(データベース)に登録されている。制御部210は、プリンタ設定情報に基づき、起動すべきアプリケーション2216を特定する。なお、S210で登録された仮想プリンタは、S212で起動したアプリケーション2216で利用することができる。
【0049】
S212で所定のアプリケーション2216を起動後、制御部210は記憶部220に印刷情報2212を記憶する(S214)。例えば、ファイル名「報告書01.aaa」がカーソル750にてドラッグされ、印刷設定名「両面印刷」732aが付与されたプリンタアイコン734aでドロップされたとき(図7(a)に描画の矢印参照)、図3に示す印刷情報が作成され記憶される。印刷情報2212を記憶後、制御部210は、印刷ジョブ監視プログラム2206を、記憶部220から読み出して起動する(S216)。そして、制御部210は、この処理を終了する。
【0050】
(印刷ジョブ監視処理)
図9は、印刷ジョブ監視処理のフローを示すものである。この処理は、図8に示すファイルドロップ処理のS216で起動される。この処理を開始したパソコン200,300の制御部210は、先ず、図8のS212で起動したアプリケーション2216において、ユーザが、操作部240を介して、オープンされた印刷対象ファイル2220に対する印刷指示を入力し、入力された印刷指示に基づいた印刷処理が開始されたか否かを判断する(S300)。ここで、制御部210は、OS2202によって実現されるプリンタキューにアプリケーション2216に基づき作成された印刷ジョブが登録されたことを条件として、印刷処理が開始されたと判断する。判断の結果、印刷処理が開始されていない場合(S300:No)、制御部210は、印刷指示が入力されるまで待機する。
【0051】
これに対し、印刷処理が開始された場合(S300:Yes)、制御部210は、印刷ジョブに含まれるプリンタドライバ設定情報を取得する。ここで、プリンタドライバ設定情報は、印刷ジョブに含められた具体的な印刷設定値であり、ユーザが図8のファイルドロップ処理のS210で登録された仮想プリンタに基づいた印刷指示を入力した場合は、登録されたままの設定値である。印刷指示の入力に際し、操作部240を操作し、アプリケーション2216からプリンタドライバ2218の設定画面を呼び出し、呼び出された設定画面に基づき、印刷設定値を変更した場合は、変更された設定値である。また、OS2202に予め登録された他の仮想プリンタに基づいた印刷指示を入力する場合も同様である。なお、印刷ジョブには、アプリケーション2216が印刷ジョブに含めた印刷対象ファイル2220(図8のS212でオープンされた印刷対象ファイル2220)の名称であるドキュメント名が含まれる。制御部210は、このドキュメント名を取得することもできる。
【0052】
続けて、制御部210は、図8のS214で記憶した印刷情報2212から、印刷処理の対象である印刷対象ファイル2220の拡張子(拡張子名)を取得する(S304)。なお、アプリケーション2216に基づき作成される印刷ジョブに含まれるドキュメント名は、アプリケーション2216により独自の名称に変更される場合がある。そこで、本実施形態の構成では、図8のS214で印刷情報2212を記憶し、以降の処理で利用する印刷対象ファイル2220の拡張子を、印刷情報2212から取得することとしている。
【0053】
S304を実行後、制御部210は、印刷処理が終了したか否かを判断する(S306)。具体的には、制御部210は、アプリケーション2216に基づき作成された印刷ジョブが、プリンタドライバ2218に基づき処理され、この処理に基づいた印刷データがプリンタ100との接続I/F(パソコン200の場合、USBI/F250、パソコン300の場合、ネットワークI/F260)からプリンタ100に送信されたか否かを判断する。ここで、制御部210は、今回の印刷ジョブが登録されたプリンタキューを監視し、このプリンタキューから出力された場合、印刷データが送信されたと判断する。なお、プリンタ100は、パソコン200から送信された印刷データをUSBI/F250を介して受信し、これを印刷部130で印刷する。また、プリンタ100は、パソコン300から送信された印刷データをネットワークI/F170を介して受信し、これを印刷部130で印刷する。これにより、印刷対象ファイル2220が、プリンタドライバ設定情報にしたがって、プリンタ100で印刷される。判断の結果、印刷処理が終了していない場合(S306:No)、制御部210は印刷処理が終了するまで待機する。
【0054】
これに対し、印刷処理が終了した場合(S306:Yes)、制御部210は、図8のS210で優先的に利用されるデフォルトのプリンタとしてOS2202に登録された仮想プリンタに含まれる各印刷設定値が、今回の印刷処理において変更されたか否かを判断する(S308)。具体的には、制御部210は、S302で取得したプリンタドライバ設定情報を構成する各印刷設定値と、図8のS210で登録された仮想プリンタに含まれる各印刷設定値とを比較し、相違する印刷設定値が存在しているか否かを判断する。例えば、上述したとおり、ユーザが、アプリケーション2216からプリンタドライバ2218の設定画面を呼び出し、所定の印刷設定値を変更した場合、制御部210は、印刷設定値変更されたと判断する。
【0055】
S308の判断の結果、印刷設定値が変更されていない場合(S308:No)、制御部210は処理をS312に移行する。これに対し、印刷設定値が変更された場合(S308:Yes)、制御部210は、S302で取得したプリンタドライバ設定情報に含まれる各印刷設定値を含む設定情報ファイル2210が印刷設定情報テーブル2208に登録されているか否かを判断する(S310)。なお、制御部210は、S304で取得した拡張子に対応付けられた印刷設定各々の設定情報ファイル2210を対象としてS310の判断を行う。S310の判断が肯定される場合(S310:Yes)、制御部210は処理をS312に移行し、S310の判断が否定される場合(S310:No)、処理をS314に移行する。
【0056】
S312で制御部210は、プリンタドライバ設定情報を構成する各印刷設定値を含む設定情報ファイル2210が対応付けられている印刷設定の使用頻度のカウントを「+1」する。使用頻度は、印刷設定名732が付与されたプリンタアイコン734がデータファイル管理画面700のプリンタアイコン表示領域730に表示される際に参照される(例えば図7(a)参照)。S310を実行後、制御部210は処理をS320に移行する。
【0057】
S314で制御部210は、印刷設定名生成処理を実行する。印刷設定名生成処理については後述する。S314の実行に基づき印刷設定名を生成した制御部210は、S302で取得したプリンタドライバ設定情報を構成する各印刷設定値を含む設定情報ファイル2210を新たに作成し、作成された設定情報ファイル2210を、記憶部220内の設定情報ファイル2210を記憶するための所定のフォルダに記憶する(S316)。そして、制御部210は、S304で取得した拡張子に対応付けて、新たな印刷設定を追加登録する(S318)。この際、印刷設定には、S314で生成された印刷設定名と、S316で記憶された設定情報ファイル2210(記憶された所在を示すパス)とが対応付けて登録される。また、使用頻度が「1」に登録される。その後、制御部210は処理をS320に移行する。
【0058】
S320で制御部210は、優先的に利用されるデフォルトの仮想プリンタ(通常使うプリンタ)を、図8のS208で作成しS210で登録したものから、図8のS202で記憶したプリンタ名のプリンタ、詳細には、仮想プリンタ名の仮想プリンタに戻す。そして、制御部210は、図8のS210で登録した仮想プリンタをOS2202から削除する(S322)。これにより、OS2202の設定を、図8のファイルドロップ処理開始前の状態に戻すことができる。その後、制御部210は、この処理を終了する。
【0059】
(印刷設定名生成処理)
図10は、印刷設定名生成処理のフローを示すものである。この処理は、図9に示す印刷ジョブ監視処理のS314で起動される。パソコン200,300の制御部210は、印刷ジョブ監視プログラム2206に基づき、この処理を実行する。この処理を開始した制御部210は、先ず、図9のS302で取得したプリンタドライバ設定情報を構成する各印刷設定値と、基準設定に含まれる各印刷設定値とを個々に比較する(S400)。ここで、基準設定とは、上述したとおり、プリンタドライバ2218が記憶部220にインストールされた際の設定である。換言すれば、基準設定とは、印刷設定名「通常印刷」に対応付けられたパスに記憶されている設定情報ファイル2210「PRINTER-100_000」に含まれる各印刷設定値を含む設定である。なお、S400は、同一の設定項目(図4の設定項目参照)の各印刷設定値同士を比較し行われる。
【0060】
そして、制御部210は、S400の比較の結果、比較対象の両印刷設定値が相違するか否かを判断する(S402)。判断の結果、相違しない場合(S402:No)、制御部210は処理をS408に移行する。これに対し、相違する場合(S402:Yes)、制御部210は、相違する印刷設定値が図4に示す印刷設定名テーブル2214に登録されているか否かを判断する(S404)。そして、印刷設定名テーブル2214に登録されていない場合(S404:No)、制御部210は処理をS408に移行する。
【0061】
S404の判断の結果、相違する印刷設定値が印刷設定名テーブル2214に登録されている場合(S404:Yes)、制御部210は、印刷設定名テーブル2214に、相違する印刷設定値名に対応付けて登録されている印刷設定名を、RAM上に確保された印刷設定名表示バッファに記憶する(S406)。なお、この印刷設定名表示バッファに記憶された印刷設定名が、図9のS318で印刷設定情報テーブルの印刷設定名として登録される。
【0062】
S404を実行後、制御部210は、設定項目毎に、図9のS302で取得したプリンタ設定情報を構成する各印刷設定値と、基準設定に含まれる各印刷設定値とを全て比較したか否かを判断する(S406)。判断の結果、設定項目毎の印刷設定値を全て比較していない場合(S406:No)、制御部210は、順次、比較していない印刷設定値を比較する。一方、全て比較した場合(S406:Yes)、制御部210は、この処理を終了し、処理を図9のS316に移行する。
【0063】
なお、上記説明では、印刷設定の設定項目として、両面印刷機能とレイアウト機能と印刷モード機能を例とし、これらに関する印刷設定値、具体的には、「両面印刷」、「2in1印刷」および「写真」等を例に説明した。ここで、これら設定項目および印刷設定値は、全て図4に示す印刷設定名テーブル2214に登録されており、これらのみに基づけば、S404の判断が否定される場合(S404:No)は存在しない。しかしながら、実際には、設定項目は例示したもの以外にも含まれ、これ以外の設定項目において各印刷設定値が設定される。したがって、このような設定項目に関する印刷設定値について、図4の印刷設定名テーブル2214に基づいた判断がなされた場合、S404の判断は否定される。
【0064】
また、プリンタドライバ設定情報を構成する各印刷設定値が、例えば、「両面印刷」、「2in1印刷」および「写真」であった場合、S406では、図4に基づき「両面印刷」、「2in1印刷」および「写真」が記憶される。この場合、制御部210は、印刷設定名を「両面印刷・2in1印刷・写真」のようにして、印刷設定情報テーブル2208に追加登録する(図9のS318参照)。
【0065】
(第2処理形態)
次に、第2処理形態について説明する。第1処理形態では、図5に示すファイル選択処理において、データファイル管理画面700のファイル表示領域720に表示された印刷対象ファイル2220が選択されたことを条件として(図5のS102:Yes)、プリンタアイコン表示領域730に印刷設定名732が付与されたプリンタアイコン734を表示する構成を採用した(図6および図7参照)。第2処理形態は、この点において第1処理形態と相違し、他の点において第1処理形態と同一の構成を採用する。したがって、以下の説明では、第2処理形態におけるファイル選択処理についてのみ説明することとし、これ以外のファイルドロップ処理(図8参照)、印刷ジョブ監視処理(図9参照)および印刷設定名生成処理(図10参照)については、その説明を省略する。
【0066】
(ファイル選択処理)
図11は、ファイル選択処理のフローを示すものである。パソコン200,300の制御部210がプリンタ設定プログラム2204に基づき、この処理を起動し実行すること等については、第1処理形態の場合と同一である。プリンタ設定プログラム2204を起動した制御部210は、先ず、モニタ230にデータファイル管理画面700を表示し(図6参照/ただし、表示直後、プリンタ選択ボックス740は未入力状態)、S500の処理を実行する。ここで、S500は、図5のS100と同一の処理であり、その説明を省略する。
【0067】
S500を実行後、制御部210は、S500で取得したプリンタドライバ2218の名称に対応した印刷設定情報テーブル2208が存在するか否か、換言すれば、記憶部220に記憶されているか否かを判断する(S502)。判断の結果、記憶部220に対象の印刷設定情報テーブル2208が存在しない場合(S502:No)、制御部210は、印刷設定情報テーブル2208(図2参照)に登録された印刷設定名「通常印刷」に基づき、印刷設定名「通常印刷」732dが付与されたプリンタアイコン734dを、プリンタアイコン表示領域730に表示する(S504/図7(b)参照)。
【0068】
また、S502の判断の結果、記憶部220に対象の印刷設定情報テーブル2208が存在する場合(S502:Yes)、制御部210は、印刷設定情報テーブル2208に登録されている全ての印刷設定の印刷設定名732各々が付与された各プリンタアイコン734を、プリンタアイコン表示領域730に表示する(S506)。図2基づけば、制御部210は、プリンタアイコン表示領域730に、印刷設定名「両面印刷」732a,「2in1印刷」732b,「4in1印刷」732cおよび「写真」732e各々が付与された4個のプリンタアイコン734a〜c,eを表示する(図12参照)。
【0069】
S506を実行後、制御部210は、操作部240を介したユーザ操作によって、データファイル管理画面700のファイル表示領域720に表示された印刷対象ファイル2220のいずれかが選択されたか否かを判断する(S508)。判断の結果、いずれの印刷対象ファイル2220も選択されていない場合(S508:No)、制御部210は印刷対象ファイル2220が選択されるまで待機する。一方、いずれかの印刷対象ファイル2220が選択された場合(S508:Yes)、制御部210は、S508で選択された印刷対象ファイル2220の拡張子が、対象の印刷設定情報テーブル2208に登録されているか否かを判断する(S510)。
【0070】
判断の結果、拡張子が対象の印刷設定情報テーブル2208に登録されている場合(S510:Yes)、制御部210は、S508で選択された印刷対象ファイル2220の拡張子に対応付けて、印刷設定情報テーブル2208に登録されている印刷設定の印刷設定名732が付与されたプリンタアイコン734以外の、印刷設定名732およびプリンタアイコン734を、プリンタアイコン表示領域730から削除する。例えば、ファイル表示領域720に表示されたファイル名「報告書01.aaa」がカーソル750にて選択された場合(S508:Yes)、拡張子「.aaa」に対応付けられていない印刷設定名「写真」732e(図2参照)が付与されたプリンタアイコン734eをプリンタアイコン表示領域730から削除する。この結果、モニタ230には、図7(a)に示すデータファイル管理画面700が表示される。
【0071】
制御部210は、S504またはS512が実行された場合、およびS510の判断が否定された場合(S510:No)、この処理を終了する。
【0072】
(変形例)
上述した本実施形態の構成は、次のように構成することもできる。
【0073】
(1)上記では、プリンタ設定プログラム2204に基づき図5のファイル選択処理と図8のファイルドロップ処理が実行され、印刷ジョブ監視プログラム2206に基づき図9の印刷ジョブ監視処理と図10の印刷設定名生成処理が実行される構成に基づき説明した。このような構成の他、例えば、図5のファイル選択処理と図8のファイルドロップ処理各々、または、図9の印刷ジョブ監視処理と図10の印刷設定名生成処理各々が、各処理のための専用のコンピュータプログラムによって実行される構成を採用することもできる。また、上述した4つの処理用のプログラムモジュールを含む1つのコンピュータプログラムによって実行される構成を採用することもできる。
【0074】
(2)上記では、印刷設定名732とプリンタアイコン734とを組み合わせた態様、すなわち、印刷設定名732が付与されたプリンタアイコン734が、データファイル管理画面700のプリンタアイコン表示領域730に表示される構成に基づき説明した(例えば、図6および図7参照)。しかし、これ以外の構成とすることもできる。例えば、プリンタアイコン表示領域730に、印刷設定名732のみを表示する構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0075】
100 プリンタ
200,300 パソコン
210 制御部
220 記憶部
2202 OS(基本ソフトウェア)
2204 プリンタ設定プログラム
2206 印刷ジョブ監視プログラム
2208 印刷設定情報テーブル
2216 アプリケーション
2220 印刷対象ファイル
230 モニタ
240 操作部
700 データファイル管理画面
732,732a〜d 印刷設定名

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタに、印刷装置で印刷可能なデータファイルを識別可能な識別情報を表示するコンピュータが読み取り可能なデータファイル管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記印刷装置で前記データファイルを印刷するための印刷設定と、前記データファイルのデータ形式と、を関連付ける関連付手段と、
ユーザが、前記モニタへの前記識別情報の表示に応じて、一の識別情報を前記コンピュータを構成する操作部を介して選択した場合、前記一の識別情報によって識別されるデータファイルのデータ形式に関連付けられた印刷設定を特定する特定手段と、
前記一の識別情報と、前記特定手段によって特定された印刷設定に含まれる印刷設定値を表す印刷設定情報と、を前記モニタに表示する表示制御手段と、
前記ユーザが、前記表示制御手段によって前記一の識別情報と前記印刷設定情報とが前記モニタに表示された状態で、前記操作部を介して、前記一の識別情報をドラッグし一の印刷設定情報にドロップした場合、前記一の印刷設定情報によって表わされる印刷設定値を含む一の印刷設定が指定され、かつ前記コンピュータに導入された基本ソフトウェア上で動作するアプリケーションソフトウェアで利用可能な仮想印刷装置を、優先的に利用されるデフォルトの仮想印刷装置として、前記基本ソフトウェアに登録する登録手段として機能させるためのデータファイル管理プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記ユーザが、前記表示制御手段によって前記一の識別情報と前記印刷設定情報とが前記モニタに表示された状態で、前記操作部を介して、前記一の識別情報をドラッグし前記一の印刷設定情報にドロップした場合、前記一の識別情報によって識別される一のデータファイルをオープンするために、前記一のデータファイルのためのアプリケーションソフトウェアを起動するアプリケーション起動手段と、
前記アプリケーション起動手段によって起動されたアプリケーションソフトウェアによる指令にしたがって、前記印刷装置への前記一のデータファイルの印刷処理が、前記コンピュータで、前記登録手段によって登録された仮想印刷装置に指定された一の印刷設定とは異なる他の印刷設定で実行された場合、前記一のデータファイルのデータ形式と、前記他の印刷設定と、を関連付ける前記関連付手段として機能させるための請求項1に記載のデータファイル管理プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記印刷装置で、前記データファイルを印刷するための印刷設定に含まれる印刷設定値と、前記基本ソフトウェアに登録された基準となる印刷設定に含まれる印刷設定値と、を比較する比較手段と、
前記モニタに、前記比較手段によって相違するとされた前記印刷設定値を表す印刷設定情報を表示する前記表示制御手段として機能させるための請求項1または請求項2に記載のデータファイル管理プログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のデータファイル管理プログラムを記憶した記憶部と、
前記記憶部から前記データファイル管理プログラムを読み取り、実行する制御部と、を備えることを特徴とするコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図6】
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【図7】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−198419(P2010−198419A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43577(P2009−43577)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】