説明

データ伝送装置及びデータ伝送回路

【課題】任意のタイミングで高速の双方向通信を行うことのできるデータ伝送装置及びデータ伝送回路を提供する。
【解決手段】このデータ伝送装置は、通信路のホットプラグ検出情報を送出するための第1の線161,165と、第1の線161,165と対をなす第2の線162,167とで差動信号を送受信する差動信号線と、第1の線161,165の信号レベルをLレベル又はHレベルに切り換え可能に駆動するホットプラグ駆動部158と、差動信号線に接続されて差動信号を伝送する差動通信部168,169とを有し、ホットプラグ駆動部158によって第1の線161,165の信号レベルがLレベルからHレベルへ及びHレベルからLレベルへ切り換わる場合、差動通信部168,169が動作可能範囲で動作するデータ伝送回路100と、データ伝送回路100を介して送受信する差動信号の信号処理を行う信号処理部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ伝送装置及びデータ伝送回路に関する。
【背景技術】
【0002】
DVDプレーヤ、セットトップボックス等の映像送信装置とTV受像機・モニタ等の映像受信装置との間のマルチメディアインターフェースの一例としてHDMI(High Definition Multimedia Interface)規格がある。HDMI出力端子を有する機器をソース機器と称し、HDMI入力端子を有する機器をシンク機器と称する。映像送信装置はソース機器であり、映像受信装置はシンク機器である。HDMI入力端子とHDMI出力端子とを有し、ソース機器とシンク機器の両者の機能を有する機器をリピータ機器と称する。
【0003】
ソース機器がシンク機器に接続されると、ソース機器からシンク機器へ接続したことを知らせるために+5V電源信号が送信される。+5V電源信号はソースレディを示す信号でもある。
【0004】
シンク機器は、+5V電源信号を受信すると映像信号の受信の準備を始め、準備が整うとホットプラグ検出(HPD)信号(High信号)をソース機器へ送信する。HPD(Hot Plug Detect)信号はシンクレディを示す信号でもある。
【0005】
シンク機器は、自身の表示可能な映像形式情報を格納するEDID(Extended Display Identification Data)を記憶するEDIDメモリを有する。映像形式情報には映像データの形式及び解像度、同期周波数等のディスプレイ仕様、音声データの形式、サンプリング周波数:Fs及びビット長等の音声仕様データが含まれる。
【0006】
ソース機器は、HighレベルのHPD信号を受信すると、DDC(Display Data Channel)ラインを利用してシンク機器のEDIDメモリからEDIDを読み込み、EDID内に書かれているシンク機器の表示可能な映像形式情報を読み取る。
【0007】
また、ソース機器は、DDCラインを通じてシンク機器との間でHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)認証に必要なデータをやり取りする。認証に必要なデータとしては、例えば、HDCP鍵情報があるが、この例ではシンク機器の記憶領域にHDCP鍵情報が格納されているとする。認証とは、シンク機器が映像信号を受信する権限があることをソース機器が確認することである。認証が成立すると、ソース機器は共有された秘密鍵で映像を暗号化してシンク機器に送信する。
【0008】
EDID読込み・認証後、ソース機器はシンク機器の形式に合った映像、音声、AUX情報をTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)方式でシンク機器へ送信する。
【0009】
HDMI規格にはCEC(Consumer Electronics Control)という機器間の相互制御に関する規格も規定されている。HDMI機器は、リピータを介してツリー状に接続される。CECは単線式低速シリアルバスを利用する。CECにより実現される機能の一例としては、ソース機器からシンク機器を制御するワンタッチプレイがある。DVD(Digital Versatile Disc)等のソース機器を再生モードにする(再生ボタンを押す)と、ソース機器からTV受像機等のシンク機器を制御して、必要に応じてシンク機器を自動的にオンして、信号パスを自動的に自機(DVD)側に設定し、再生映像をシンク機器で表示可能状態とする。
【0010】
このようなHDMI規格に準拠したデータの送受信方法において、ソース機器からシンク機器へのデータ送信だけでなく、シンク機器からソース機器へのデータ送信を行うことで双方向高速通信が可能となるようにした通信システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
特許文献1に記載された通信システムは、TMDSデータチャンネルの少なくとも1つに受信装置から送信装置への通信部を設け、送信装置から受信装置へのデータ送信を行わない未使用区間において、受信装置から送信装置へ時分割送信によるデータ送信を行っている。
【0012】
この特許文献1に記載された通信システムによると、送信装置から受信装置への送信タイミングと受信装置から送信装置への送信タイミングを制御することによって、HDMI規格に準拠したデータ送受信における互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができるとしている。
【0013】
また、HDMI規格に準拠したデータ送受信を制御するにあたって、HPD信号を検出し、その信号レベルに応じてデータの読み出しあるいは書き込みを行うようにしたディスプレイ装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【0014】
特許文献2に記載されたディスプレイ装置は、HPD信号が「H」レベルであるとき、通信インターフェース(HDMI)を介してディスプレイ装置のメモリに記録された記録情報をDVD側に読み出すことができる。
【特許文献1】特開2007−311884号公報
【特許文献2】特開2007−226251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、特許文献1に記載された通信システムによると、高速の双方向通信を行うにあたってTMDSデータチャンネルを用いて時分割でデータ伝送を行っているため、任意のタイミングで双方向へデータ伝送を行うことができないという問題がある。
【0016】
従って、本発明の目的は、任意のタイミングで高速の双方向通信を行うことのできる、データ伝送装置及びデータ伝送回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は上記目的を達成するため、通信路のホットプラグ検出情報を送出するための第1の線と、前記第1の線と対をなす第2の線とで差動信号を送受信する差動信号線と、前記第1の線の信号レベルをLレベル又はHレベルに切り換え可能に駆動するホットプラグ駆動部と、前記差動信号線に接続されて差動信号を伝送する差動通信部とを有し、前記ホットプラグ駆動部で前記第1の線の信号レベルがLレベルからHレベルへ及びHレベルからLレベルへ切り換わる場合、前記差動通信部が動作可能範囲で動作するデータ伝送回路と、前記データ伝送回路を介して送受信する前記差動信号の信号処理を行う信号処理部とを具備することを特徴とするデータ伝送装置を提供する。
【0018】
また、本発明は上記目的を達成するため、通信路のホットプラグ検出情報を送出するための第1の線と、前記第1の線と対をなす第2の線とで差動信号を送受信する差動信号線と、前記第1の線の信号レベルをLレベル又はHレベルに切り換え可能に駆動するホットプラグ駆動部と、前記差動信号線に接続されて差動信号を伝送する差動通信部とを具備し、前記ホットプラグ駆動部によって前記第1の線の信号レベルがLレベルからHレベルへ及びHレベルからLレベルへ切り換わる場合、前記差動通信部が動作可能範囲で動作することを特徴とするデータ伝送回路を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、任意のタイミングで高速の双方向通信を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るデータ伝送システムの一例を示す全体図である。このデータ伝送システム1は、本実施の形態においてシンク機器となる映像受信装置(テレビ)10と、ソース機器となるDVDレコーダ20と、映像受信装置10とDVDレコーダ20とを接続するとともに双方向の高速通信が可能なHMDIケーブル3から構成されており、HDMIケーブル3は、シンク機器からソース機器へ任意のタイミングで高速データ伝送が可能な通信線300を有する。また、映像受信装置10には、アンテナに接続されたアンテナ線2と、IP(Internet Protocol)通信網に接続されたイーサネット(登録商標)ケーブル4が接続されている。
【0022】
映像受信装置10は、DVDレコーダ20で再生されたDVDの映像及び音声のデータをHMDIケーブル3を介して伝送されることにより再生する。また、アンテナ線2に接続されたアンテナで受信したテレビジョン放送信号に基づく映像及び音声を出力する。また、イーサネット(登録商標)ケーブル4を介して受信したIPTV(Internet Protocol Television)に基づく映像及び音声を出力する。
【0023】
また、映像受信装置10は、上記したテレビジョン放送信号のデータ及びIPTVに基づくデータ等をHDMIケーブル3に含まれる通信線300を介してDVDレコーダ20に高速で伝送可能に構成されている。
【0024】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るデータ伝送システムを概略的に示すブロック図である。
【0025】
映像受信装置10は、テレビジョン放送信号を受信するテレビ機能部110と、HDMI規格に準拠したデジタル映像信号を受信するHDMI機能部120と、イーサネット(登録商標)ケーブル4を介して伝送されるIPTVを受信するLAN(Local Area Network)機能部130と、テレビ機能部110、HDMI機能部120、及びLAN機能部130の出力を選択するセレクタ12と、セレクタ12から出力される映像信号に基づいて表示部11に映像を表示させる表示駆動部13と、セレクタ12から出力される音声信号に基づいてスピーカー14A,14Bに音声を出力させる音声駆動部15と、ユーザの手操作に基づく入力操作を行う操作部16と、ユーザの入力操作に基づいてリモートコントローラ10Aから送信された遠隔操作信号を受信する受信部17と、映像受信装置10の各部を統括的に制御する制御部18と、制御部18のCPUが実行する制御プログラムを格納した読み出し専用メモリと、CPUに作業エリアを提供する読み出し書き込みメモリと、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを含むメモリ部19とを有している。
【0026】
テレビ機能部110は、TV(Television)入力端子111にアンテナ線2を介して接続されるアンテナ112によってテレビジョン放送信号を受信し、所定のチャンネルの信号を抽出するチューナ部113と、チューナ部113から出力される受信信号から映像信号V1及び音声信号A1に復元する信号処理部114とを有する。
【0027】
HDMI機能部120は、HDMI端子121に接続され、DVDレコーダ20からHDMI端子121を介して受信したHDMI規格のデジタル映像信号を映像成分と音声成分とに分離するHDMI通信部100と、HDMI通信部100から出力される映像成分と、HDMI通信部100から出力される音声成分をそれぞれV2,A2として出力している。また、HDMI機能部120は、HDMI通信部100に設けられる後述する通信部で受信した差動信号に基づく映像信号を映像成分と音声成分とに分離してそれぞれV4,A4として出力する信号処理部122を有している。HDMI端子121にはDVDレコーダ20のHDMI端子201と接続されるデジタル伝送バスとしてのHDMIケーブル3が接続されている。
【0028】
LAN機能部130は、LAN端子131に接続されるイーサネット(登録商標)ケーブル4を介してIPTV放送信号を受信し、所定のチャンネルの信号を抽出するLAN通信部132と、LAN通信部132から出力される受信信号から映像信号V3及び音声信号A3に復元する信号処理部133とを有する。
【0029】
セレクタ12は、テレビ機能部110から出力されたアナログの映像信号V1及び音声信号A1と、HDMI機能部120から出力されたアナログの映像信号V2及び音声信号A2と、LAN機能部130から出力されたアナログの映像信号V3及び音声信号A3とを選択的に切り換えて表示駆動部13及び音声駆動部15に出力する機能を有する。
【0030】
DVDレコーダ20は、HDMI端子201に接続されているHDMIケーブル3を介して映像受信装置10のHDMI通信部100との間で双方向の高速データ伝送を行う後述する通信部を含むHDMI通信部200と、DVD等の記録媒体202に対する記録及び再生を行う記録再生部203と、記録再生部203から供給されるエンコードデータを、ベースバンドの映像信号と音声信号にMPEGデコードし、そのベースバンドの映像信号と音声信号を、HDMI通信部200に供給するコーデック204とを有する。記録再生部203は、コーデック204から出力されるエンコードデータや、HDMI通信部200から出力されるエンコードデータを記録することができる。
【0031】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るデータ伝送路を部分的に示す概略構成図である。
【0032】
本実施の形態において、ソース機器とシンク機器とを接続するデータ伝送路は、HDMI通信部200、HDMIケーブル3、及びHDMI通信部100とで構成されている。このデータ伝送路は、映像成分及び音声成分を含む映像信号を3つのTMDSチャンネル(Ch0、Ch1、Ch2)でソース機器からシンク機器に伝送するとともに、3つのTMDSチャンネルで伝送する画素データに同期したピクセルクロックをCKチャンネルで伝送する高速デジタル伝送路と、ケーブルの接続状態を示すPW+5V線、HPD線、機器の状態を制御するCEC線、EDIC情報を伝送するDDC線等の信号線からなる情報伝送路で構成されている。
【0033】
HDMI通信部200には、シンク機器が映像信号を受信する権限を有するか否かの認証を行うマイクロコンピュータ256が設けられている。
【0034】
HDMI通信部100には、マイクロコンピュータ156と、本実施の形態におけるシンク機器である映像受信装置で表示可能な映像形式情報を格納するEDIDを記憶するEDIDメモリ157と、マイクロコンピュータ156によって駆動されてHPD線3JのH(High)レベル−L(Low)レベルを切り換えるスイッチ158とが設けられている。
【0035】
高速デジタル伝送路は、ソース機器から入力するRGB各8ビットの映像信号を10ビットのシリアルデータにエンコードするエンコーダ250と、エンコードされたRGB各10ビットのシリアルデータを差動信号に変換する差動アンプ251〜253と、ピクセルクロックを差動信号に変換する差動アンプ254と、差動アンプ251〜254から出力される差動信号を伝送する差動信号線3A〜3Hと、差動信号線3A〜3Hを介して伝送された差動信号をシンク機器側で受信して10ビットのシリアルデータに復号化する差動アンプ151〜154と、10ビットのシリアルデータを各8ビットの映像信号に復号化するデコーダ150とを有する。
【0036】
情報伝送路は、ソース機器の電源とシンク機器のマイクロコンピュータ156とを接続するPW+5V線3Iと、ソース機器の通信部260とシンク機器の通信部160とを介して接続されてシンク機器の接続状態をソース機器に伝えるHPD線3Jと、HPD線3Jとともにシンク機器とソース機器との間の差動信号の伝送に用いられるNC線3Kと、機器間の相互制御を行うための情報を伝送するCEC線3Lと、シンク機器との間でHDCP認証に必要なデータを伝送するDDC線3M,3Nとを有する。
【0037】
HPD線3J及びNC線3Kは、例えば、ツイストペア線からなる通信線300を構成しており、ソース機器とシンク機器との間でIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3に準拠したフレームに基づく差動信号を伝送する双方向のデジタル伝送路として機能する。なお、通信線300を用いたデータ伝送については、上記したIEEE802.3に準拠したフレーム伝送方式以外の他の伝送方式で行うこともできる。
【0038】
このHDMIケーブル3は、各線に対応してコネクタ310,311に設けられる端子310a〜310n,311a〜311nが、HDMI端子201,121の対応する各端子201a〜201n,121a〜121nに電気的に接続するように設けられている。
【0039】
図4Aは、図3に示す第1の実施の形態の情報伝送路を部分的に示す図である。
【0040】
ソース機器側の通信部260においては、HDMI端子201の端子201jに接続される信号線261が図示しないマイクロコンピュータに接続されている。信号線261は、HDMIケーブル3のHPD線3Jに接続される。この信号線261は信号線265に接続されており、信号線265にはコンデンサ(C1)266が接続されている。また、HDMI端子201の端子201kに接続される信号線267は、HDMIケーブル3のNC線3Kに接続される。この信号線267は信号線262と接続されており、信号線262にはコンデンサ(C2)263が接続されている。信号線262と信号線265は、抵抗(R3)264を介して接続されている。信号線262,265は、受信アンプ268及び送信アンプ269にそれぞれ接続されている。なお、受信アンプ268及び送信アンプ269は、図示しない信号処理部に接続されている。
【0041】
この信号線261,265及び信号線262,267は、対になって差動伝送する差動信号線を構成しており、差動通信部である受信アンプ268及び送信アンプ269と電気的に接続されて、HDMIケーブル3のHPD線3J,NC線3Kを介したデータ伝送を行うように構成される。
【0042】
シンク機器側の通信部160においては、HDMI端子121の端子121j(第1の端子)に接続される信号線161がHDMIケーブル3のHPD線3Jに接続される。信号線161は、抵抗(R1)158Cを介してスイッチ158に接続されている。この抵抗(R1)158C及びスイッチ158は、通信部160の外部に設けられている。信号線161は、信号線165に接続されており、信号線165にはコンデンサ(C1)166が接続されている。また、HDMI端子121の端子121k(第2の端子)に接続される信号線167は、HDMIケーブル3のNC線3Kに接続される。この信号線167は、抵抗(R2)170を介して電源Vccに接続されるとともに信号線162と接続されており、信号線162にはコンデンサ(C2)163が接続されている。信号線162と信号線165は、抵抗(R3)164を介して接続されている。信号線162,165は、受信アンプ168及び送信アンプ169にそれぞれ接続されている。なお、受信アンプ168及び送信アンプ169は、図示しない信号処理部(図2の122,132)に接続されている。
【0043】
この信号線161,165(第1の線)及び信号線162,167(第2の線)は、対になって差動伝送する差動信号線を構成しており、差動通信部である受信アンプ168及び送信アンプ169と電気的に接続されて、HDMIケーブル3のHPD線3J,NC線3Kを介したデータ伝送を行うように構成される。
【0044】
スイッチ158は、電源Vccに接続するためのスイッチ158Aと、GNDに接続するためのスイッチ158Bを有する駆動部を構成している。スイッチ158A及び158Bは、図3で説明したマイクロコンピュータ156によって駆動される。このスイッチ158A及び158Bの動作に基づいてマイクロコンピュータ156にHレベル又はLレベルのHPD信号が出力される。スイッチ158A及び158Bの動作パターンに基づくHPD信号の出力については、表1に示す通りである。
【表1】

【0045】
本実施の形態において、HPD線3Jは高周波成分としてのデータ伝送用と、HPD信号の伝送用とが異なる周波数帯域で通信することにより共用される。高周波成分は、例えば10MHz〜1GHzの帯域であり、HPD信号は、例えば、DCから1MHzの帯域である。
【0046】
次に、図4Aに示す情報伝送路の動作をもとに、第1の実施の形態のデータ伝送システムの動作について説明する。
【0047】
まず、シンク機器側(通信部160)において、図示しない信号処理部から出力されたIEEE802.3に準拠したデジタル信号が送信アンプ169に入力すると、送信アンプ169はそのデジタル信号を差動信号に変換し、通信線300を介してそのデジタル信号に基づく差動信号をソース機器側(通信部260)に伝送する。
【0048】
スイッチ158は、シンク機器である映像受信装置10の状態が変化した等の場合にソース機器であるDVDレコーダ20に対して何らかの処理を促すため、ON/OFF動作を行う。このON/OFF動作は、通信線300を介してシンク機器側からソース機器側にデータ伝送が行われているときにも発生する。
【0049】
ここで説明を簡単にするため、以下の説明では通信部260を切り離し、シンク機器側の通信部160の部分について説明する。スイッチ158は、抵抗(R1)158Cを介して電源Vcc又はGNDに直列に接続されており、回路電流路は、電源Vcc−R2−C2−R3−C1−R1−駆動点(スイッチ158A,158B)となる。ここで、駆動点が電源VccからGND(HレベルからLレベル)へ、また、GNDから電源Vcc(LレベルからHレベル)へ変化した場合の瞬時電流は、Vcc/(R1+R2+R3)となり、受信アンプ168及び送信アンプ169の差動入力電圧は、Vcc×R3/(R1+R2+R3)となる。
【0050】
ここで、R1=R2=1KΩ、R3=50Ω、Vcc=5Vとすると、5×50/2050=0.12Vの差が発生する。今、差動通信部の動作可能範囲が2.0Vから3.0Vで、抵抗164(R3)両端の電位(動作電圧)を定常時2.5Vとしたとき、抵抗164(R3)両端の電位に±0.12Vの変動が生じることを意味するが、本実施の形態において、このような変動が生じたとしても上記した差動通信部の2.0Vから3.0Vの動作可能範囲にあるので、受信アンプ168及び送信アンプ169は正常に動作することができる。同様にソース側の通信部260の受信アンプ268及び送信アンプ269も正常に動作することができる。
【0051】
図4Bは、既存のホットプラグ検出回路を含む情報伝送路を部分的に示す図である。
【0052】
図4Bに示すHDMI通信部100は、通信線165が抵抗(R1)171を介して電源Vccに接続される点、及びスイッチ158が抵抗を介さずにGNDに接続するように構成されている点で相違しており、その他は図4Aに示す情報伝送路と同様に構成されている。
【0053】
図4Bに示すHDMI通信部100において、スイッチ158をONにすると、信号線161がGNDに接続される。このとき、信号線161に接続される信号線165に設けられたコンデンサ(C1)166の電荷がGNDに放電されるので、信号線165側のP1における電位は−(Vcc−Vp1)となる。そのため、差動入力は受信アンプ168及び送信アンプ169の動作可能範囲外(動作の飽和域)となり、Vcc−R2−C2−R3−C1−GNDの回路で定常状態のVp1=Vp2となるまで過度状態が続くことになる。この時間の中でVp1とVp2がほぼ等しくなると差動通信部は正常動作を開始するが、それまでは正常に動作することができないという不都合がある。例えば、Vcc=5V、Vp1=2.5Vとすると、瞬時的にP1の電位は−2.5Vとなり、受信アンプ168及び送信アンプ169の動作範囲外(動作の飽和域)となってしまう。
【0054】
また、スイッチ158がONから図4Bに示す状態であるOFFになると、信号線161はGNDから切断され、信号線165に設けられたコンデンサ(C1)166は抵抗(R1)171を介して接続される電源Vccによって充電される。この場合は、Vcc−R2−C2−R3−C1−R1−Vccの回路で定常状態のVp1=Vp2となるまで過度状態が続くことになる。この場合、スイッチ158がOFFからONになる場合と異なり、差動通信部の差動入力の差動電圧差は過度電流×抵抗(R3)164となるが、抵抗(R1)171が加わったために定常状態までの過度電流は小さく、差動通信部の動作可能範囲内となるので受信アンプ168及び送信アンプ169は正常動作することができる。
【0055】
このように、図4Bに示す既存のホットプラグ検出回路を含む情報伝送路の場合、HPD信号がHレベルからLレベルに切り換わる際に、差動信号線の一方である信号線161及び165の電圧が動作可能範囲外まで低下し、差動通信部が動作できない状況が生じることにより、データ伝送が途切れるという現象が生じる。
【0056】
(第1の実施の形態の効果)
上記した第1の実施の形態によると、スイッチ158とHPD線3Jとの間に抵抗158Cを直列に接続してHPD線3Jを駆動することにより、駆動点が電源VccからGND、又はGNDから電源Vccへ切り換えられたとしても、駆動電流の変化が抑えられ、その結果、スイッチ158の駆動に関係なく受信アンプ168及び送信アンプ169が正常に動作し、双方向の高速データ伝送を任意のタイミングで行うことができる。
【0057】
また、通信線300を介した通信部160と通信部260との間のデータ伝送は、上記したHPD信号がHレベルからLレベル、又はLレベルからHレベルに変化するいずれの場合であっても途切れることなく可能である。
【0058】
また、例えば、シンク機器からソース機器へのデータ伝送中にHPD信号がHレベルからLレベル、又はLレベルからHレベルに切り換わったことによる過渡状態においても、データ伝送を途切れさせることなく継続させることができる。HPD信号がHレベルからLレベルに切り換えられた場合、TMDSラインによるソース機器からシンク機器へのデータ伝送はできなくなるが、通信線300はHPD信号に関係なくデータ伝送が行える。そのため、HDMI規格に準拠したデータ伝送における互換性を保ちながら、さらにHPD信号の状態に制約を受けない双方向の高速データ伝送が可能になる。
【0059】
例えば、図1において、映像受信装置10に接続されたDVDレコーダ20のHPD信号がLレベルで、DVDレコーダ20からは映像受信装置10がシンク機器として認識されていない場合でも、HDMIケーブル3の通信線300は、HPD信号の状態に関係なく映像受信装置10からDVDレコーダ20に対してデータ伝送可能な状態にある。そのため、例えば、イーサネット(登録商標)ケーブル4を介して映像受信装置10に入力するIPTV放送をHDMIケーブル3の通信線300を介してDVDレコーダ20に伝送し、DVDに記録することができる。
【0060】
また、通信線300を介してDVDレコーダ20に伝送可能なデータとして、上記した映像信号以外に、例えば、操作信号等の他のデータを伝送することもできる。さらにDVDレコーダ20側から任意のタイミングで通信線300を介して映像受信装置10へデータを伝送することも可能である。このように、双方向に円滑にデータを伝送できることにより、機能拡張を図ることができる。
【0061】
また、上記した通信線300によれば、映像受信装置10からDVDレコーダ20へのデータ伝送時にHPD信号がLレベルからHレベルに切り換わった場合でも、通信線300のインピーダンス変動を受信アンプ167及び送信アンプ168の動作可能範囲内に抑えることができるので、安定した高速データ伝送を実現できる。
【0062】
(第2の実施の形態)
図5Aは、本発明の第2の実施の形態に係るデータ伝送システムの一例を示す全体図である。なお、第2の実施の形態における機器間の通信回路については、第1の実施の形態で説明した通信回路と同様に構成されている。以下の説明において、第1の実施の形態と同一の構成及び機能を有する部分については同一の符号を付している。
【0063】
このデータ伝送システム1は、映像受信装置(テレビ)10と、DVDレコーダ20と、映像受信装置10及びDVDレコーダ20に接続されるAVアンプ30と、AVアンプ30に接続されたスピーカー50L,50Rを有し、DVDレコーダ20とAVアンプ30とが通常のHDMIケーブル5で接続されるとともに、AVアンプ30と映像受信装置10とが第1の実施の形態で説明した通信線300を有するHDMIケーブル3によって接続されている。
【0064】
このデータ伝送システム1において、DVDレコーダ20でDVDを再生し、映像を映像受信装置10の表示部11に表示させるとともに、AVアンプ30に接続されたスピーカー50L,50Rから音声を出力する場合について以下に説明する。
【0065】
DVDレコーダ20は、再生されたDVDの映像信号をHDMIケーブル5を介してAVアンプ30に出力する。AVアンプ30は、DVDレコーダ20からシリアルデータで伝送された映像信号をさらに映像受信装置10に伝送し、そのシリアルデータから抽出し、デコードすることにより得られるアナログの音声信号をスピーカー50L,50Rに出力する。このようなシステム構成では、AVアンプ30で音量等の調整を行うことにより、映像受信装置10の表示部11に表示される映像に合わせた臨場感のある音声出力が可能となる。
【0066】
次に、映像受信装置10でテレビジョン放送信号を受信し、その音声をAVアンプ30を介してスピーカー50L,50Rから出力させたい場合について説明する。
【0067】
このデータ伝送システム1では、映像受信装置10の音声信号をHDMIケーブル3の通信線300を介してAVアンプ30に伝送する。AVアンプ30は、伝送された音声信号に基づくアナログの音声信号をスピーカー50L,50Rに出力する。この場合、映像受信装置10とAVアンプ30との間のHPD線のHレベル又はLレベルの状態に関係なく安定した音声信号の伝送を行うことができる。
【0068】
図5Bは、第1の実施の形態で説明した通信線が存在しない場合のデータ伝送システムの一例を示す全体図である。
【0069】
図5Bに示すデータ伝送システム1Aは、図5Aで説明したHDMIケーブル3に代えて、通常のHDMIケーブル5によって映像受信装置10とAVアンプ30とを接続するとともに、映像受信装置10からAVアンプ30へ音声信号を伝送するS/PDIF(Sony/Philips Digital Interface Format)ケーブル6を設けている。
【0070】
このデータ伝送システム1Aでは、映像受信装置10の音声信号をS/PDIFケーブル6を介してAVアンプ30に伝送する。そのため、映像受信装置10とAVアンプ30との間に少なくとも2本のケーブルが必要となり、結線が煩雑になる。
【0071】
(第2の実施の形態の効果)
上記した第2の実施の形態によると、双方向のデータ伝送が可能な通信線300を有するHDMIケーブル3で映像受信装置10とAVアンプ30とを接続したので、HPD信号の状態に関係なく映像受信装置10からAVアンプ30へ音声信号を伝送することができる。なお、第2の実施の形態では、映像受信装置10からAVアンプ30に音声信号を伝送する動作について説明したが、AVアンプ30から映像受信装置10に対して制御信号等のデータを通信線300を介して任意のタイミングで伝送することも可能である。
【0072】
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の第3の実施の形態に係るデータ伝送システムの一例を示す全体図である。なお、第3の実施の形態における機器間の通信回路についても、第1の実施の形態で説明した通信回路と同様に構成されている。
【0073】
このデータ伝送システム1は、映像受信装置10に対してDVDレコーダ20とセットトップボックス40がそれぞれHDMIケーブル31,32を介して接続されている。また、映像受信装置10にはIP通信網に接続されたイーサネット(登録商標)ケーブル4が接続されている。本実施の形態では、DVDレコーダ20及びセットトップボックス40がソース機器であり、映像受信装置10がシンク機器である。
【0074】
このような機器接続状態において、映像受信装置10で映像を見ているとき、見ている映像とは異なる番組を録画したいという要求があるものとする。例えば、映像受信装置10でIPTVを見ながら、セットトップボックス40で受信した番組をDVDレコーダ20で録画する場合である。
【0075】
(第3の実施の形態の効果)
上記した第3の実施の形態によると、映像受信装置10では、セットトップボックス40からHDMIケーブル31の通信線300を介して伝送された圧縮映像信号を中継してHDMIケーブル32の通信線300を介してDVDレコーダ20に伝送する。このことにより、DVDレコーダ20は、ユーザが映像受信装置10でIPTVを見ている最中であっても、HDMIケーブル31,32の通信線300を介して伝送された番組に基づく映像信号をDVDに記録することができる。
【0076】
そのユーザがIPTVを見ている状態では、各HDMIケーブル31,32のHPD線3Jは、Lレベルに駆動されている。その状態から、ユーザがセットトップボックス40を再生に切り換えた場合、HDMIケーブル31のHPD線3JはHレベルに駆動され、セットトップボックス40は受信信号を復号し、映像受信装置10に対してHDMIケーブル31を介してその復号映像信号を伝送する。映像受信装置10は、このような場合でもセットトップボックス40からHDMIケーブル31の通信線300を介して伝送された圧縮映像信号を中継することができるので、HDMIケーブル32の通信線300を介してDVDレコーダ20に伝送されている圧縮映像信号は途切れることなく伝送される。
【0077】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々な変形が可能である。
【0078】
第3の実施の形態では、映像受信装置10でIPTVを見ているときにセットトップボックス40からDVDレコーダ20へデータ伝送を行うものとしたが、例えば、映像受信装置10が待機状態のときであっても、通信線300がデータ伝送可能に接続されていれば、セットトップボックス40とDVDレコーダ20との間で任意のタイミング双方向のデータ伝送を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るデータ伝送システムの一例を示す全体図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るデータ伝送システムを概略的に示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るデータ伝送路を部分的に示す概略構成図である。
【図4A】図3に示す第1の実施の形態の情報伝送路を部分的に示す図である。
【図4B】既存のホットプラグ検出回路を含む情報伝送路を部分的に示す図である。
【図5A】本発明の第2の実施の形態に係るデータ伝送システムの一例を示す全体図である。
【図5B】第1の実施の形態で説明した通信線が存在しない場合のデータ伝送システムの一例を示す全体図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るデータ伝送システムの一例を示す全体図である。
【符号の説明】
【0080】
1,1A…データ伝送システム、2…アンテナ線、3,31,32…HDMIケーブル、3A〜3H…差動信号線、3I…PW+5V線、3J…HPD線、3K…NC線、3L…CEC線、3M,3N…DDC線、4…イーサネット(登録商標)ケーブル、5…HDMIケーブル、6…S/PDIFケーブル、10…映像受信装置、10A…リモートコントローラ、11…表示部、12…セレクタ、13…表示駆動部、14A,14B…スピーカー、15…音声駆動部、16…操作部、17…受信部、18…制御部、19…メモリ部、20…DVDレコーダ、30…AVアンプ、40…セットトップボックス、50L,50R…スピーカー、100…HDMI通信部、110…テレビ機能部、111…入力端子、112…アンテナ、113…チューナ部、114…信号処理部、120…HDMI機能部、121,201…HDMI端子、122…信号処理部、130…LAN機能部、131…端子、132…LAN通信部、133…信号処理部、150…デコーダ、151〜154…差動アンプ、156…マイクロコンピュータ、157…メモリ、158,158A,158B…スイッチ、158C…抵抗、160,160A…通信部、161,162,165,167…信号線、163,166…コンデンサ、164,170…抵抗、168…受信アンプ、169…送信アンプ、200…HDMI通信部、121a,121j,121k,201a,121j,201k…端子、202…記録媒体、203…記録再生部、204…コーデック、250…エンコーダ、251〜254…差動アンプ、256…マイクロコンピュータ、260…通信部、261,262,265,267…信号線、263,266…コンデンサ、264…抵抗、268…受信アンプ、269…送信アンプ、300…通信線、310,311…コネクタ、310a,311a…端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信路のホットプラグ検出情報を送出するための第1の線と、前記第1の線と対をなす第2の線とで差動信号を送受信する差動信号線と、前記第1の線の信号レベルをLレベル又はHレベルに切り換え可能に駆動するホットプラグ駆動部と、前記差動信号線に接続されて差動信号を伝送する差動通信部とを有し、前記ホットプラグ駆動部によって前記第1の線の信号レベルがLレベルからHレベルへ及びHレベルからLレベルへ切り換わる場合、前記差動通信部が動作可能範囲で動作するデータ伝送回路と、
前記データ伝送回路を介して送受信する前記差動信号の信号処理を行う信号処理部とを具備することを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項2】
前記第1の線を駆動する前記ホットプラグ駆動部の駆動は、前記第1の線のLレベル及びHレベルの駆動電流が略一致することを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送装置。
【請求項3】
前記第1の線は、電源又はGNDとの間に抵抗を介して接続され、前記ホットプラグ駆動部による前記電源又は前記GNDとの接続時に前記抵抗を介して駆動されることを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送装置。
【請求項4】
前記差動通信部は、前記第1の線の信号レベルをLレベルからHレベルに及びHレベルからLレベルに切り換えることに伴って生じる動作電圧の変動域よりも前記動作可能範囲が大きいことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送装置。
【請求項5】
通信路のホットプラグ検出情報を送出するための第1の線と、前記第1の線と対をなす第2の線とで差動信号を送受信する差動信号線と、
前記第1の線の信号レベルをLレベル又はHレベルに切り換え可能に駆動するホットプラグ駆動部と、
前記差動信号線に接続されて差動信号を伝送する差動通信部とを具備し、
前記ホットプラグ駆動部によって前記第1の線の信号レベルがLレベルからHレベルへ及びHレベルからLレベルへ切り換わる場合、前記差動通信部が動作可能範囲で動作することを特徴とするデータ伝送回路。
【請求項6】
前記第1の線を駆動する前記ホットプラグ駆動部の駆動は、前記第1の線のLレベル及びHレベルの駆動電流が略一致することを特徴とする請求項5に記載のデータ伝送回路。
【請求項7】
前記第1の線は、電源又はGNDとの間に抵抗を介して接続され、前記ホットプラグ駆動部による前記電源又は前記GNDとの接続時に前記抵抗を介して駆動されることを特徴とする請求項5に記載のデータ伝送回路。
【請求項8】
前記差動通信部は、前記第1の線の信号レベルをLレベルからHレベルに及びHレベルからLレベルに切り換えることに伴って生じる動作電圧の変動域よりも前記動作可能範囲が大きいことを特徴とする請求項5に記載のデータ伝送回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−171351(P2009−171351A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8437(P2008−8437)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】