説明

データ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラム

【課題】パーソナル・コンピュータ上のHD画像ファイルを、AVCHD準拠のデジタルビデオカメラに再生可能となる形式で書き戻す。
【解決手段】デジタルビデオカメラ内蔵HDD上にAVCHDフォーマット相当のフォルダ構造を持つ一時フォルダを作成し、パーソナル・コンピュータ内の画像ファイルを一時フォルダ下のストリーム格納用フォルダにコピーする。一時フォルダ下のストリーム・ファイルを分離及び再統合し、その際に得られるパラメータから属性情報ファイルを生成した後、一時フォルダ内のストリーム・ファイル及び属性情報ファイルをそれぞれ本来の格納場所となるフォルダに移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ・ファイルの保存、再生、転送などの処理を行なうデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、外付け接続された周辺機器から収集したデータの保存、再生、転送などの処理を行なうデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、デジタルカメラなどのデータ記録再生装置を周辺機器の1つとして外付け接続して、記録されたコンテンツを収集して、保存、再生、転送(書き戻し)などの処理を行なうデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、周辺機器として外付け接続したデータ記録再生装置から一旦収集したコンテンツをデータ記録再生装置に再生可能な形式で書き戻しを行なうデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)の大容量化、小型化、低価格化に伴い、さまざまな携帯機器にHDDが搭載されるようになってきている。例えば、デジタルビデオカメラに数十GバイトクラスのHDDを内蔵することにより、数時間乃至数十時間に及ぶ動画像の撮影することができ、さらにHDDのランダム・アクセス機能を活用して動画や静止画などのコンテンツを自在に編集することが可能になる。
【0004】
例えば、カメラ部と記録再生装置部とを分離可能に結合し、記録再生装置部として、光ディスク記録再生装置、ハード・ディスク記録再生装置、リムーバブルハードディスク記録再生装置、テープ記録再生装置を有し、これら記録再生装置とカメラ部との接続インターフェース及び結合機構を共通化して、用途に応じ、圧縮記録方式を選択して記録再生できるように構成されたデジタルビデオカメラについて提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。また、記録再生装置部において、デジタル動画圧縮/伸長方式として、MotionJPEG、MPEG1、MPEG2、MPEG4、DVフォーマットのうち、いずれか2つ以上の方式の圧縮/伸長回路と、その切り替えスイッチを設け、1台のカメラでいずれか2つ以上の圧縮/伸長方式を切り換えて記録再生することができる。
【0005】
HDDを記録媒体に用いるデジタルビデオカメラは、FAT(File Allocation Table)などのファイル・システムを採用して、撮影した画像をファイルとして記録するのが一般的である。
【0006】
例えば、FATファイル・システムを採用したハード・ディスクを記憶処理装置として搭載し、FATの内容を解析して、ハード・ディスクの空き領域の連続性に係る情報を検出するデジタルビデオカメラについて提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。このデジタルビデオカメラは、FATの解析結果に基づいて検出された連続性に係る情報から、ハード・ディスクがデータの記憶に適している状態か否かを判断することができる。
【0007】
また、デジタルビデオカメラを、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを用いてパーソナル・コンピュータに接続するという利用形態も挙げられる。このような場合、撮影した画像ファイルをデジタルビデオカメラからパーソナル・コンピュータへ転送し、パーソナル・コンピュータ上で提供されるリッチなGUI(Graphical User Interface)操作環境を介して画像ファイルの保存や管理、再生、画質変換などの画像処理、画像編集といったさまざまなデータ処理を施すことができる。
【0008】
例えば、ソニー株式会社が市販するデジタルビデオカメラDCR−SR100は、30GバイトのHDDを内蔵し、SD(Standard Definition:標準解像度)画像をMPEG2−PS(Moving Picture Experts Group 2 − Program Stream)ファイルとして記録するが、カメラ本体で再生するだけでなく、USBケーブルでパーソナル・コンピュータに接続して、コンピュータ内のHDDへ動画像ストリーム・ファイルをコピーすることができる。
【0009】
デジタルビデオカメラを始めHDDを内蔵した情報記録再生機器の多くは、USBスレーブとしてパーソナル・コンピュータに接続される。すなわち、USBマスタとしてのパーソナル・コンピュータ側からは、デジタルビデオカメラは、マスストレージ・デバイスすなわち外付け接続されたUSBハード・ディスクの1つとして認識され、パーソナル・コンピュータ側からはマスストレージ・クラスを用いてファイル・アクセスを行なうことができる。また、USB接続されている間のデジタルビデオカメラは、カメラ本来の画像記録・再生機能は減勢され、USBスレーブすなわち外付けHDDとしてのみ動作する。
【0010】
例えば、主たる機能がデジタルカメラであるとともに、パーソナル・コンピュータに接続して多量のデータを保存できるマスストレージ・デバイスとして動作するデジタルカメラについて提案がなされている(例えば、特許文献3を参照のこと)。このデジタルカメラは、画像ファイルを撮影した後、瞬時にマスストレージ・デバイス自身にファイルを生成して、パーソナル・コンピュータにファイルとして表示することができる。
【0011】
ところで、ユーザが撮影画像を利用する形態の1つとして、デジタルビデオカメラからパーソナル・コンピュータに一旦取り込んだ画像をデジタルビデオカメラに書き戻して、デジタルビデオカメラ上で再生・編集することが挙げられる。この書き戻し処理は、パーソナル・コンピュータ側において、ローカル・ディスクに保存したストリーム・ファイルをマスストレージ・デバイスとしてのカメラ内蔵のHDDにコピーする処理に相当する。USB接続中のデジタルビデオカメラはマスストレージ・デバイスとしてしか動作しないので、このような書き戻し処理は、基本的には、パーソナル・コンピュータ側で起動するオーサリング・エンジンやその他のアプリケーション・ツールによって実行される。
【0012】
SD画像撮影専用のHDD内蔵デジタルビデオカメラでは、主に画像をDVD−Videoに変換することを想定して、MPEG2−PSファイルとして撮影画像を記録するものが多い。この種のデジタルビデオカメラでは、USB接続したパーソナル・コンピュータからカメラ内蔵HDD内の所定のフォルダにMPEG2−PSファイルをコピーすると、そのままカメラ本体側でも再生可能になる。すなわち、パーソナル・コンピュータからデジタルビデオカメラへの画像ファイルの書き戻しを容易に行なうことができる。これは、カメラ内蔵HDD内のフォルダ構造(若しくはディレクトリ構造)が比較的簡素であることにも依拠する。
【0013】
他方、最近では、HD(High Definition)画像を記録するビデオカメラ規格としてAVCHDが策定されている。AVCHDは、圧縮率の高いMPEG−4 AVC/H.264方式を採用し、HD画像を低容量・低速度のメディアへ記録可能にすることを主な目的としている。現在はDVDディスクへの記録を想定しているが、AVCHDフォーマットに従ってメモリカードやHDDなどの多様なメディアへの記録も可能である。
【0014】
AVCHDフォーマットでは、HD画像をMPEG2−TSファイルとして記録するが、ストリーム・ファイル単体としてメディア上に存在するだけでなく、動画像ファイルを再生したり編集したりするための複数の管理情報ファイルを付随して保存するようになっており、複雑なフォルダ構造を備えている。
【0015】
このため、上述したSD画像撮影専用のデジタルビデオカメラの場合とは相違し、AVCHDに準拠したデジタルビデオカメラにおいては、単にストリーム・ファイルを所定のフォルダにコピーするだけでは、書き戻したストリーム・ファイルをカメラ本体側で再生することはできない。すなわち、ストリーム・ファイルをパーソナル・コンピュータから書き戻して再利用するためには、デジタルビデオカメラの内蔵HDDにストリーム・ファイルをコピーするだけでなく、これに付随すべき管理情報ファイルを内蔵HDDの記憶領域上に再構築して、全体としてAVCHDフォーマットに準拠するような形に加工する、すなわち適当なAVCHD追記を行なう必要がある。
【0016】
具体的には、パーソナル・コンピュータからHD画像撮影型のHDD内蔵デジタルビデオカメラへストリーム・ファイルをコピーする際には、AHCHDフォーマットに従いながら、所定のフォルダ内にストリーム・ファイルを追加記録していかなければならない。
【0017】
しかしながら、パーソナル・コンピュータ上で動作するアプリケーションやオーサリング・エンジンは、通常、複数のコンテンツ・ファイルを一括でオーサリングすること(言い換えれば、AVCHDフォーマットに則った規定のフォルダ構造を1つの単位としてオーサリングを行なうこと)を想定して設計されているため、内蔵HDDに既にAVCHDフォーマットに則って記録されている他のストリーム・ファイルに追加記録していく方法には適していないことが多い。
【0018】
また、内蔵HDDに追加記録するストリーム・ファイルに付随する管理情報ファイルを生成する際には、ストリームを一旦動画像データと音響データに分離(Demux)しさらに再統合(Mux)して管理情報を構成する各種パラメータを取得する必要がある。その際、ストリームを分離し再統合した一時ファイルを生成するための十分な空き容量をパーソナル・コンピュータのローカル・ディスクに確保する必要がある。
【0019】
そして、ストリームの一時ファイルをパーソナル・コンピュータのローカル・ディスクに生成して、デジタルビデオカメラの内蔵HDDにストリーム・ファイルの追加記録を行なう場合、(1)ローカル・ディスク上に一時ファイルを生成し、(2)一時ファイルのうち必要なファイルをUSBケーブル経由でデジタルビデオカメラ側に転送し、(3)デジタルビデオカメラの内蔵HDD上で管理情報ファイルを更新する、というそれぞれの処理において時間がかかってしまう。
【0020】
【特許文献1】特開平10−174032号公報
【特許文献2】特開2006−79467号公報
【特許文献3】特開2000−307911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、デジタルカメラなどのデータ記録再生装置を周辺機器の1つとして外付け接続して、記録されたコンテンツを収集して、保存、再生、転送などの処理を好適に行なうことができる、優れたデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0022】
本発明のさらなる目的は、周辺機器として外付け接続したデータ記録再生装置から一旦収集したコンテンツを、データ記録再生装置上で再生可能となるように転送することができる、優れたデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0023】
本発明のさらなる目的は、HD画像ファイルを、AVCHDに準拠したデータ記録再生装置上で再生可能となるように、AVCHDフォーマットに則った形式で好適に転送することができる、優れたデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0024】
本発明のさらなる目的は、データ記録再生装置に既に記録されている他のコンテンツに対しAVCHDフォーマットに則った形式で追加記録していく方法によって、AVCHDに準拠したデータ記録再生装置上で再生可能となるようにコンテンツを転送することができる、優れたデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0025】
本発明のさらなる目的は、複数のコンテンツを一括してオーサリングする既存のAVCHDオーサリング・エンジンを用いながら、効率よく、より短時間で、AVCHDに準拠したデータ記録再生装置上で再生可能となるようにコンテンツを転送することができる、優れたデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、通信手段を介して接続された記録再生装置に対して、第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第1の管理情報ファイルを転送する制御手段を有する情報処理装置と、
第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第2の管理情報ファイルが所定のディレクトリ構造により記録される第1の記録手段と、前記情報処理装置から転送された前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルが前記所定のディレクトリ構造により記録される第2の記録手段を有する記録再生装置を備え、
前記情報処理装置の制御手段は、
前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルを前記第2の記録手段に記録制御した後に、
前記第2の記録手段に記録させた前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルに基づいて、前記第1の記録手段に記録された対応する前記第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2の管理情報ファイルに対して追記又は更新制御を行なう、
ことを特徴とするデータ処理システムである。
【0027】
本発明に係るデータ処理システムは、デジタルビデオカメラなどに相当するデータ記録再生装置と、パーソナル・コンピュータに相当する情報処理装置で構成され、各装置間はUSBケーブルやその他の通信手段によって接続されている。但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない(以下、同様)。
【0028】
近年、ハード・ディスク・ドライブの大容量化、小型化、低価格化に伴い、HDD型デジタルビデオカメラが普及しつつあるが、FATなどのファイル・システムを採用してハード・ディスク内の画像ストリーム・ファイルを記録するのが一般的である。また、HD画像を記録するビデオカメラ規格としてAVCHDが策定され、AVCHDフォーマットに従ってメモリカードやHDDなどの多様なメディアへの記録も可能である。
【0029】
他方、デジタルビデオカメラをUSBケーブル経由でパーソナル・コンピュータに接続するという利用形態がある。このような場合、撮影した画像ファイルをデジタルビデオカメラからパーソナル・コンピュータへ転送し、パーソナル・コンピュータ上でさまざまなデータ処理を施すことができる。さらに、デジタルビデオカメラからパーソナル・コンピュータに一旦取り込んだ画像をデジタルビデオカメラに書き戻し、デジタルビデオカメラ上で再度利用したいことがある。
【0030】
ここで、AVCHDフォーマットでは、HD画像をMPEG2−TSファイルとして記録するが、ストリーム・ファイルが単体でメディア上に存在するだけでなく、動画像ファイルを再生したり編集したりするための複数の管理情報ファイルを付随して保存するようになっており、複雑なフォルダ構造を備えている。このため、AVCHDに準拠したデジタルビデオカメラにおいては、単にファイルを所定のフォルダにコピーするだけでは、書き戻したストリーム・ファイルをカメラ本体側で再生することはできない、という問題がある。
【0031】
ストリーム・ファイルをパーソナル・コンピュータから書き戻して再利用するためには、デジタルビデオカメラの内蔵HDDにストリーム・ファイルをコピーするだけでなく、これに付随すべき管理情報ファイルを内蔵HDDの記憶領域上に再構築して、フォルダ構造全体としてAVCHDフォーマットに準拠するような形に加工する、すなわちAVCHD追記を行なう必要がある。
【0032】
本発明に係るデータ処理システムによれば、記録再生装置は、第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第2の管理情報ファイルが所定のディレクトリ構造により記録される第1の記録手段の他に、前記情報処理装置から転送された前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルが前記所定のディレクトリ構造により記録される第2の記録手段を備えており、情報処理装置から記録再生装置へデータ・ストリーム・ファイルを転送する際には、前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルを前記第2の記録手段に記録制御した後に、前記第2の記録手段に記録させた前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルに基づいて、前記第1の記録手段に記録された対応する前記第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2の管理情報ファイルに対して追記又は更新制御を行なうことによって、データ・ファイルの書き戻し処理を行なうようになっている。
【0033】
このようなデータ・ストリーム・ファイルの転送処理において、前記情報処理装置の制御手段は、前記第2の記録手段内のデータ・ストリーム・ファイル格納用フォルダにデータ・ストリーム・ファイルを転送するとともに、該データ・ストリーム・ファイル格納用フォルダ内のデータ・ストリーム・ファイルを用いて管理情報ファイルを作成して前記第2の記録手段内の管理情報ファイル格納用フォルダに格納する。そして、前記第2の記録手段内のデータ・ストリーム・ファイル格納用フォルダ内の第1のデータ・ストリーム・ファイルと前記第2の記録手段内の管理情報格納用フォルダ内の第1の管理情報ファイルを前記第1の記憶手段内のそれぞれ該当するフォルダ内にそれぞれ移動させた後に、前記第2の記録手段の記録内容を削除する。したがって、一時フォルダとしての第2の記憶手段を書き戻し先となる記録再生装置内のHDDに生成することによって、書き戻し処理時間の短縮化や、情報処理装置としてのパーソナル・コンピュータ上のHDDの空き容量の節約、突発的な通信の切断などの異常終了時の影響の抑止といった効果を得ることができる。
【0034】
また、第2の記録手段から第1の記録手段の該当フォルダへデータ・ファイル及び管理情報ファイルを移動させた後には、一時フォルダとしての第2の記録手段を記録再生装置のファイル空間から削除して、空き領域として解放するようになっている。
【0035】
記録再生装置がADCHDのようなビデオカメラ規格に準拠する場合、動画像ストリームを保存するための所定のディレクトリ構造として、動画像ストリームを記録するための所定のフォルダの直下に、各動画像ストリーム・ファイルを格納するストリーム格納用フォルダと、動画像ストリーム・ファイル毎の属性情報ファイルを格納する属性情報ファイル格納用フォルダと、ストリーム格納用フォルダ内の動画像ストリーム・ファイルの再生順序に関連する情報からなる再生リスト・ファイルを格納する再生リスト格納用フォルダと、再生リスト・ファイルに基づく動画像ストリーム・ファイルの再生動作を制御する際に使用する情報を記載した1以上の管理情報ファイルをそれぞれ格納するようになっている。
【0036】
情報処理装置から記録再生装置へデータ・ストリーム・ファイルの転送すなわち書き戻しを行なう際には、情報処理装置の制御手段は、まず、転送対象となる各動画像ストリーム・ファイルを前記第2の記録手段内のストリーム格納用フォルダに転送する。そして、前記第2の記録手段内のストリーム格納用フォルダ内の各動画像ストリーム・ファイルを分離及び再統合し、その際に得られるパラメータに基づいて属性情報ファイルを生成して前記第2の記録手段内の属性情報ファイル格納用フォルダに保存する。
【0037】
次いで、該生成した属性情報ファイルに対する再生リスト・ファイルを生成して前記第2の記録手段内の再生リスト格納用フォルダに保存し、前記第2の記録手段内に管理情報ファイルを生成する。
【0038】
これらの処理を経て、前記第2の記録手段内の動画像ストリーム・ファイル、属性情報ファイル、再生リスト・ファイルを前記第1の記録手段内の該当する各フォルダに移動し、AVCHDに則った所定のディレクトリ構造内の前記第2の記録手段内の管理情報ファイルに対して再生リスト・ファイルを追加するための編集を行なう。
【0039】
ここで、前記情報処理装置の制御手段は、前記追記又は更新制御の前に、前記第1の管理情報ファイルに含まれる所定のファイルを前記第1の記録手段に設けられたバックアップ・フォルダに格納することにより、データ・ストリーム・ファイルの再生処理に欠くことのできない管理情報ファイルの保全を図るようにしてもよい。
【0040】
また、前記情報処理装置の制御手段は、前記追記処理した後に、前記第1の記録手段に記録された前記第2の管理情報ファイルに含まれるインデックス・ファイル及び動画像オブジェクト・ファイルを更新するようにする。
【0041】
また、前記情報処理装置の制御手段は、転送対象となる動画像ストリーム・ファイル群を所定のサイズ以下となる1以上のグループに分けて、前記第2の記録手段への動画像ストリーム・ファイルの転送とこれに伴う属性情報ファイル及び再生リスト・ファイルの生成と管理情報ファイルの編集処理という一連の処理を、グループ毎に順次行なうようにする。転送対象となる動画像ストリーム・ファイル群をグループ分けして処理するのは、一時フォルダにすべてのストリーム・ファイルの一時ファイルを一括して生成しようとすると、処理時間が極めて長くなることを考慮したためである。
【0042】
また、情報処理装置から記録再生装置へデータ・ストリーム・ファイルの転送、すなわち書き戻し処理を行なう最中に両装置間の接続が切断した場合や、その他の障害などにより処理が中断した場合、一時フォルダがデータ記録再生装置の第1の記憶装置内に残されてしまう場合がある。このような一時フォルダは、記憶空間のガーベイジ(garbage)に過ぎず、記録再生装置の記録容量の浪費になる。
【0043】
そこで、情報処理装置は、記録再生装置が接続されたときに、第2の記録手段に残されているデータ、すなわち一時フォルダを削除するようにすることが好ましい。また、記録再生装置は、情報処理装置に接続されていないスタンドアロン状態で、第2の記録手段としての一時フォルダが残されていることを検出すると、これを自律的に削除処理するようにしてもよい。
【0044】
また、本発明の第2の側面は、情報処理装置内の第1のデータ・ストリーム・ファイルを、所定のディレクトリ構造により第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第2の管理情報ファイルを記録している記録再生装置に転送するためのデータ処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
前記ファイル転送制御手段は、前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第1の管理情報ファイルを前記記録再生装置に記録制御する第1のステップと、
前記記録再生装置に記録させた前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルに基づいて、前記記録再生装置に記録されている前記第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2の管理情報ファイルに対して追記又は更新制御を行なう第2のステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0045】
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第3の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータにインストールすることによって、コンピュータ上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係るデータ処理システムにおいて、記録再生装置へデータ・ファイルの書き戻し処理を行なう情報処理装置と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、周辺機器として外付け接続したデータ記録再生装置から一旦収集したコンテンツを、データ記録再生装置上で再生可能となるように転送することができる、優れたデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0047】
また、本発明によれば、HD画像ファイルを、AVCHDに準拠したデータ記録再生装置上で再生可能となるように、AVCHDフォーマットに則った形式で好適に転送することができる、優れたデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0048】
また、本発明によれば、データ記録再生装置に既に記録されている他のコンテンツに対しAVCHDフォーマットに則った形式で追加記録していく方法によって、AVCHDに準拠したデータ記録再生装置上で再生可能となるようにコンテンツを転送することができる、優れたデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0049】
また、本発明によれば、複数のコンテンツを一括してオーサリングする既存のAVCHDオーサリング・エンジンを用いながら、効率よく、より短時間で、AVCHDに準拠したデータ記録再生装置上で再生可能となるようにコンテンツを転送することができる、優れたデータ処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、記録再生装置、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0050】
本発明に係る情報処理装置によれば、AVCHDフォーマットで記録するHDD内蔵型デジタルビデオカメラに対して、AVCHD追加記録という形態によりコンテンツの書き戻しを行なうことが可能となる。この書き戻しに伴ってストリーム・ファイルの分離及び再統合を行なう際に、ストリームの一時ファイルをデジタルビデオカメラの内蔵HDD上に生成することによって、書き戻し処理時間の短縮化と、ローカル・ディスクの空き容量の節約を実現することができるとともに、USBケーブルの突発的な抜去などの異常にも対処することができる。
【0051】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0053】
図1には、本発明の一実施形態に係るデータ処理システム1の構成を示している。図示のデータ処理システム1は、HDD内蔵デジタルビデオカメラ2と、USBケーブル3経由でこのデジタルビデオカメラ2を外部接続するパーソナル・コンピュータ4で構成される。
【0054】
本実施形態では、HDD内蔵デジタルビデオカメラ2は、AVCHDフォーマットに従ってHD画像をMPEG2−TSストリームとして記録することを想定している。AVCHDは、ソニー株式会社等が策定したビデオカメラ規格であり、圧縮率の高いMPEG−4 AVC/H.264方式を採用し、HD画像を低容量・低速度のメディアへ記録可能にすることを主な目的としている。
【0055】
また、パーソナル・コンピュータ4は、USBマスタとして動作し、USBスレーブとしてのデジタルビデオカメラ2をUSBケーブルで接続することを想定している。パーソナル・コンピュータ4にとっては、USB接続されたデジタルビデオカメラ2は外付け接続されたマスストレージ・デバイスの1つとして映る。そして、USB接続中のデジタルビデオカメラ2は、マスストレージ・デバイスとしてしか動作せず、画像記録や画像編集などその他の機能は減勢されている。
【0056】
図2には、パーソナル・コンピュータ4の内部構成例を示している。同装置は、プロセッサ41を中心に構成されている。プロセッサ41は、オペレーティング・システム(OS)が提供するプログラム実行環境下で、メモリに記憶されたプログラムに基づいて各種の処理を実行する。OSは、ビットマップ表示形式をサポートし、且つGUI操作環境を提供しているものとする。
【0057】
プロセッサ41は、バス42を介して接続されている各種の周辺機器を制御している。バス42に接続された周辺機器は次のようなものである。
【0058】
メモリ43は、例えばDRAM(Dynamic RAM)などの半導体メモリで構成され、プロセッサ41において実行されるプログラム・コードをロードしたり、プログラム実行中の環境変数やシステム変数を一時格納したりするために使用される。メモリ43は、プロセッサ41のメモリ空間を構成する。
【0059】
ディスプレイ・コントローラ44は、プロセッサ41から送られてくる描画命令に従って表示画像を生成し、表示装置45に送る。ディスプレイ・コントローラ44に接続された表示装置45は、ディスプレイ・コントローラ44から送られた表示画像情報に従い、その画像を画面に表示出力する。
【0060】
入出力インターフェース46は、キーボード46Aやマウス46Bが接続されており、キーボード46Aやマウス46Bからのユーザ入力信号をプロセッサ41へ転送する。
【0061】
ネットワーク・インターフェース47は、LAN(Loacl Area Network)やインターネットなどの外部ネットワークに接続されており、インターネットを介したデータ通信を制御する。すなわち、プロセッサ41から送られたデータをインターネット上の他の装置へ転送するとともに、インターネットを介して送られてきたデータを受け取りプロセッサ41に渡す。例えば、プログラムやデータなどをネットワーク経由で外部から受信することができる。
【0062】
HDDコントローラ48は、ローカル・ディスクとして動作するHDD49へのデータの入出力を制御する。HDD49には、プロセッサ41が実行すべきオペレーティング・システム(OS)、アプリケーション・プログラム、ドライバ・プログラム、さらにはプログラムによって参照又は再生処理が行なわれるデータやコンテンツなどが格納されている。本実施形態では、各プログラムは、HDD49上に実行可能形式でインストールされる。
【0063】
USBインターフェース50は、USBマスタとしてのパーソナル・コンピュータ4本体に、外付けUSBハード・ディスクやUSBメモリといったマスストレージ・デバイス、プリンタ、スキャナ、モデムなどのUSBデバイスを外付け接続し、バス42とUSB間のインターフェース・プロトコルを実現する。既に述べたように、HDDを内蔵するデジタルビデオカメラ2は、USBスレーブすなわちマスストレージ・デバイスとして、USBケーブル3を介してUSBインターフェースに接続することができる。
【0064】
なお、パーソナル・コンピュータ4を構成するためには、図2に示した以外にも多くの電気回路などが必要である。但し、これらは当業者には周知であり、また、本発明の要旨を構成するものではないので、本明細書中では省略している。また、図面の錯綜を回避するため、図中の各ハードウェア・ブロック間の接続も一部しか図示していない点を了承されたい。
【0065】
図3には、デジタルビデオカメラ2の内部構成を模式的に示している。図示のデジタルビデオカメラ2は、AVCHDに準拠し、カメラ・ブロック21で撮影した動画像ストリームを符号化部22でMPEG2−TSストリームに符号化して、これを記録部24によって機器内蔵の記録メディアとしてのHDD25に記録する。また、USBインターフェース28からUSBケーブル3を介してUSBマスタに接続されているときには、USBスレーブすなわちUSBマスタに外付け接続されたマスストレージ・デバイスとして動作する。
【0066】
中央処理部26は、RAM(Random Access Memory)な度で構成される一時記憶媒体27に実行プログラムをロードするとともにシステム変数や環境変数を一時的に格納しながら、プログラムを実行するという形式で当該デジタルビデオカメラ2全体の処理動作を統括的にコントロールする。ここで言う処理動作としては、カメラ・ブロック1における動画像撮影やこれに伴うオート・フォーカス機能、自動露光、手振れ補正、オート・シャッターといったカメラ・ワーク、記録部24におけるHDD25への動画像ストリームの記録、並びにHDD26上に記録されたストリームの編集処理、USBスレーブすなわちマスストレージ・デバイスとしての動作処理(但し、USB接続されている場合)などである。
【0067】
カメラ・ブロック21は、被写体像を取り込むレンズ、入力光量に応じて光電変換により電気的な画像信号を生成するCCD(ChargeCoupled Device)やCMOS(Complementary Mental−Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子、画像信号をデジタル変換するA/D変換器、デジタル画像信号からRGB信号を算出するデモザイク処理部など(図示を省略)で構成される。
【0068】
符号化部22は、動画像ストリームをMPEG2−TS方式で符号化して、固定バイト長のTSパケットからなるAVストリームを出力する。TSパケットは、ストリーム・バッファ23に一旦格納された後、記録部24に転送する。記録部24はストリーム・バッファ23を介してTSパケット・データを特定の時間間隔で受信すると、これをHDD25の記憶領域上に記録する。
【0069】
記録部24は、AVストリームやその他のユーザ・データの記録を行なう。また、AVCHD規格に準じたフォーマットで映像ストリームの記録を行ない、録画編集機能を実現することができる。
【0070】
AVCHDは、HD画像を低容量・低速度のメディアへ記録可能にすることを主な目的としたビデオカメラの規格であり、既存のディスク・フォーマット規格の内容を適宜継承しながら、記録互換、追記互換機能を追加して、HDビデオカメラ用のデータ・フォーマットなどに関する仕様を策定している。具体的には、ビデオカメラで撮影した動画像コンテンツをMPEG2−TSストリームに符号化して記録する際に、コンテンツ・データとしてのクリップAVストリーム(ClipAVStream)を記録する際に、再生リスト(PlayList)、クリップ情報(ClipInformation)という各種別のファイルを用いることで、好適に録画編集機能を実現することができる。
【0071】
ここで、動画像データは、連続同期再生すなわち実時間再生が保証された再生が必要な単位となるデータのまとまりが1つのクリップ(Clip)を構成し、1つの動画像ファイルとして記録される。クリップAVストリームは、MPEG2−TS形式でストリームが格納されているファイルである。また、クリップ情報ファイルは、クリップAVストリーム・ファイルと対で存在し、実際のストリームを再生する上で必要となるストリームに関する情報が記載されたファイルである。そして、再生リストは、1以上のクリップに対してそれぞれ再生開始点(IN点)及び再生終了点(OUT点)を指定して、動画像データの再生区間及び再生順序を指定する。
【0072】
図4には、録画編集が可能な形式でユーザ・データをAVCHDフォーマットによりHDD25上に記録するための論理的なデータ構造の一例を示している。図示のように、デジタルビデオカメラ2で撮影した動画像データをMPEG2−TSストリームに符号化して記録する際に、インデックス(Index)、動画像オブジェクト(MovieObject)、再生リスト(PlayList)、クリップ情報(ClipInformation)、クリップAVストリーム(ClipAVStream)という各種別のファイルが用いられる。
【0073】
【表1】

【0074】
インデックスのファイル種別レイヤでHDD25上の記憶領域全体が管理されている。ユーザに見せるタイトル毎にインデックス・ファイルが作成され、動画オブジェクトとの対応関係を管理している。ここで言う「タイトル(Title)」とは、(ユーザが認識できる)再生リスト(PlayList)の集合体であり、一般的には1つの番組や日付毎のコンテンツからなる。AVCHDフォーマットでは、本来動画オブジェクト・ファイルで管理すべき再生リストの再生順をインデックス・ファイルのメタデータ内で管理している。記録メディアをプレーヤに装填した際にはまずインデックスが読み込まれ、ユーザはインデックスに記述されたタイトルを見ることができる。
【0075】
動画オブジェクトは、再生制御を行なうためのコマンドの集合体であり、例えば既存のROM規格フォーマットではタイトルが指定されたときに再生される再生リストを管理しているファイルである。動画オブジェクトへの参照は、タイトルの入り口としてインデックスに列挙されている。但し、AVCHDフォーマットでは、動画オブジェクト・ファイルを参照せずに、インデックス・ファイルのメタデータによって再生リストとタイトルの関係を管理するようになっている。
【0076】
再生リストは、ユーザに見せるタイトルに対応して設けられ、1以上の再生項目(PlayItem)で構成される。各再生項目は、クリップに対する再生開始点(IN点)と再生終了点(OUT点)を持つことで、その再生区間を指定している。そして、再生リスト内で複数の再生項目を時間軸上に並べることで、それぞれの再生区間の再生順序を指定することができる。また、異なるクリップを参照する再生項目を1つの再生リストに含めることができる。
【0077】
クリップと再生リスト間の参照関係は、自由に設定することができる。例えば、1つのクリップに対する参照を、IN点及びOUT点の異なる2つのPlayListから行なうことができる。さらに、タイトルと動画像オブジェクト間での参照関係も自由に設定することができる。再生リストは、クリップとの参照関係に応じて、実再生リスト(RealPlayList)と仮想再生リスト(VirtualPlayList)の2種類に大別される。
【0078】
実再生リストは、オリジナル・タイトル用の再生リストであり、ビデオカメラにより録画・撮影した映像ストリームについての再生項目を記録した順に記録している。
【0079】
仮想再生リストは、非破壊編集によりユーザ定義の再生リストを作成するための再生リストであり、仮想再生リスト独自のクリップ(AVストリーム)を持たず、同リスト内の再生項目はいずれかの実再生リストに登録されているクリップ又はその一部の範囲を指している。すなわち、ユーザは複数のクリップから必要な再生区間のみを切り出して、これらを指す各再生項目を取りまとめて仮想再生リストを編集することができる。
【0080】
クリップは、連続同期再生すなわち実時間再生が保証された再生が必要な単位となるデータのまとまりとして記録された動画像データのファイルであり、クリップAVストリーム・ファイル(Clip AV Stream)とクリップ情報ファイル(Clip Information)からなる。
【0081】
コンテンツ・データとしてのクリップAVストリームは、MPEG2−TS形式でHDD25に記録されたストリームが格納されているファイルである。AVCHDフォーマットでは、映像ストリームはこのファイル内に格納される。
【0082】
クリップ情報ファイルは、クリップAVストリーム・ファイルと対で存在し、実際のストリームを再生する上で必要となるストリームに関する属性を定義するファイルである。具体的には、ストリームの符号化方法、ストリームのサイズ、再生時間→アドレス変換、再生管理情報、タイムマップ(但し、記録メディアがDVDの場合)などを定義する情報がクリップ情報ファイルに含まれる。
【0083】
続いて、デジタルビデオカメラ2による撮影操作に従ってAVストリームのクリップとともに再生リストが生成される手順について、図5A〜図5Dを参照しながら説明する。
【0084】
ユーザが録画開始してから録画停止する区間毎に再生項目が1つずつ作成される。また、録画・撮影したストリームの区切りで1つのクリップAVストリーム・ファイルとなり、これに伴ってクリップ情報ファイルも作成される。1つのクリップは連続同期再生すなわち実時間再生が保証された再生が必要な単位となる。
【0085】
また、ユーザが録画を開始する度に、再生項目の先頭には、エントリ・マーク(entry mark)としてのMarkが付け加えられる(再生リスト内のエントリ・マークを「再生リスト・マーク(PLM)」とも呼ぶ)。マークは、再生リスト中に存在し、再生コンテンツのある時間的位置を指す役割を持つ。1つの再生リスト内では、再生項目や再生リスト・マークには、連続的となるシーケンス番号が付与されている。動画像再生リスト(MoviePlayList)の先頭には必ず再生リスト・マークが打たれるという制約があるが、所定の編集操作により時間軸上で再生リスト・マークの位置を移動させることができる。
【0086】
各エントリ・マークは、ユーザがストリームにアクセスするエントリ位置となる。したがって、隣接するエントリ・マーク間で仕切られる区間(並びに最後の再生リスト・マークから最後尾の再生項目の終端の区間)がユーザから見える最小の編集単位すなわち「チャプタ」となる。再生項目を再生順に並べることと、エントリ・マークを再生順に並べることで再生リストの再生順序が定義される。商品仕様では、複数の実再生リストをまとめて一続きのチャプタ群としてユーザに提示する。
【0087】
図6には、AVCHDで規定されているディレクトリ構成を示している。BDMVディレクトリの直下に配置されている “PLAYLIST”、“CLIPINF”、“STREAM”は、それぞれ再生リスト、クリップ情報ファイル、クリップAVストリーム・ファイルを格納するためのサブディレクトリである。
【0088】
ユーザが撮影画像を利用する形態の1つとして、デジタルビデオカメラ2からパーソナル・コンピュータ4に取り込んだ画像をデジタルビデオカメラ2に書き戻して持ち運び、デジタルビデオカメラ2上で再生・編集することが挙げられる。この書き戻し処理は、パーソナル・コンピュータ4側において、ローカル・ディスクに保存したストリーム・ファイルをマスストレージ・デバイスとしてのデジタルビデオカメラ2側のHDD25にコピーする処理に相当する。USB接続中のデジタルビデオカメラ2はマスストレージ・デバイスとしてしか動作しないので、このような書き戻し処理は、基本的には、パーソナル・コンピュータ4側で起動するオーサリング・エンジンやその他のアプリケーション・ツールによって実行される。
【0089】
ところが、AVCHDフォーマットでは、HD画像をMPEG2−TSファイルとして記録するが、図6に示したように、クリップAVストリーム・ファイルは複数の管理情報を付随して保存するという複雑なフォルダ構造を備えている。このため、パーソナル・コンピュータ4から書き戻したクリップAVストリーム・ファイルをデジタルビデオカメラ2上で再生できるようにするためには、インデックス・ファイル、動画像オブジェクト・ファイル、再生リスト・ファイル、クリップ情報ファイルをすべてHDD25の記憶領域上に再構築して、フォルダ構造全体としてAVCHDフォーマットに準拠するような形に加工する必要がある。具体的には、パーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2へストリーム・ファイルをコピーする際には、AHCHDフォーマットに従いながら、図6に示したフォルダ構造内にストリーム・ファイルを追加記録していかなければならない。さらに、図4に示した通りのデータ構造を再構築する必要がある。
【0090】
USB接続中のデジタルビデオカメラ2はマスストレージ・デバイスとしてしか動作しない。そこで、書き戻し処理は、パーソナル・コンピュータ4側で起動するオーサリング・エンジンやその他のアプリケーション・ツールによって実行するのが相当である。しかしながら、既存のオーサリング・エンジンは、通常、複数のコンテンツ・ファイルを一括でオーサリングすること、言い換えれば、図6に示したフォルダ構造を1つの単位としてオーサリングを行なうことを想定して設計されている。このため、デジタルビデオカメラ2内蔵のHDD25に既に図6に示したフォルダ構造で他のストリーム・データが記録されている場合に、この既存のフォルダ構造の中に書き戻し対象となるストリーム・ファイルを追加記録していくという方法には適していない。
【0091】
また、内蔵HDD25に追加記録するストリーム・ファイルに付随する管理情報ファイルを生成する際には、ストリームを一旦動画像データと音響データに分離(Demux)しさら再統合(Mux)して、その間に管理情報を構成する各種パラメータを取得する必要がある。その際、ストリームを分離し再統合した一時ファイルが生成される。
【0092】
ここで、パーソナル・コンピュータ4内のローカル・ディスク49上にストリームの一時ファイルを作成してから、続いてデジタルビデオカメラ2内蔵のHDD25にストリーム・ファイルの追加記録を行なうという手順をとった場合、(1)パーソナル・コンピュータ4内のローカル・ディスク49上に一時ファイルを生成し、(2)一時ファイルのうち必要なファイルをUSBケーブル3経由でパーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2側に転送し、(3)デジタルビデオカメラ2の内蔵HDD25上で管理情報ファイルを更新する、というそれぞれの処理において時間がかかってしまう。
【0093】
そこで、本実施形態では、(1)デジタルビデオカメラ2内のHDD25上にストリームの一時ファイルを生成し、(2)一時ファイルのうち必要なファイルをHDD25上で既に存在するAVCHDフォーマットの規定のフォルダに移動し、(3)HDD25上(パーソナル・コンピュータ4から見た外付けマスストレージ・デバイス上)でストリーム・ファイルに関する管理情報を更新する、という手順でストリーム・ファイルの書き戻しを行なうようにした。
【0094】
図7には、デジタルビデオカメラ内のHDD25上に一時フォルダ“PC_APP”を生成してから、一時フォルダ内のファイルのうち必要なファイルをHDD25上の適切なフォルダに移動する様子を示している。
【0095】
パーソナル・コンピュータ4上で起動するオーサリング・モジュール(転送プログラム)は、外付けマスストレージ・デバイスとしてのHDD25上の一時フォルダPC_APPの下に、AVCHDフォーマットに則ったBDMVツリーを構築して、転送対象となるクリップAVストリーム・ファイルのコピーとこれに対応するクリップ情報ファイル並びに再生リスト・ファイルを生成する。また、便宜上、PC_APP¥BDMV直下にインデックス・ファイル(Index.bdmv)と動画像オブジェクト・ファイル(MovieObject.bdmv)も生成する。
【0096】
次いで、一時フォルダPC_APP¥BDMV下に格納されている転送対象となるクリップAVストリーム・ファイル、及びこれに対応するクリップ情報ファイルと再生リスト・ファイルを、本来の格納場所であるAVCHD¥BDMV下のSTREAM、CLIPINF、PLAYLISTの各フォルダ下に移動する。そして、AVCHD¥BDMVフォルダ直下のインデックス・ファイル(Index.bdmv)と動画像オブジェクト・ファイル(MovieObject.bdmv)に、新たに生成した再生リスト・ファイルを追加する。
【0097】
上述した転送処理の後段における、同じハード・ディスク上で一時ファイルを本来のフォルダ内に移動する処理の実体はファイル・パスの変更で済むことから、短時間で完了する。したがって、複数のコンテンツを一括してオーサリングする(BDMVツリーを構築する)既存のAVCHDオーサリング・エンジン機能をそのまま用いながら、効率よく、より短時間でコンテンツのコピー(書き戻し)を行なうことができる。そして、AVCHDフォーマットに準拠した形式でコンテンツが書き戻されるので、デジタルビデオカメラ2上で書き戻したコンテンツを再生することが可能となる。
【0098】
以下、パーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2内のHDD25へコンテンツ(ストリーム・ファイル)を転送する手順について詳細に説明する。コンテンツの転送手順は、以下の5つのフェーズに大別される。
【0099】
フェーズ1:
デジタルビデオカメラ2内のHDD25に、一時ファイルを生成するための一時フォルダPC_APPを作成し、この一時フォルダ内にAVCHDと同じBDMVツリー構造を生成する。すなわち、書き戻しを行なうクリップAVストリーム・ファイルについての、再生リスト・ファイル、クリップ情報ファイル、ストリーム・ファイルの一時ファイルを作成して、PC_APP¥BDMVフォルダ以下のPLAYLIST、CLIPINF、STREAMの各フォルダ内にそれぞれ保存する。
【0100】
ここでは、図8に示すように、デジタルビデオカメラ2内のHDD25にはAVCHDフォーマットに従って各ファイルが格納されている状況下で、パーソナル・コンピュータ4内のローカル・ディスクに存在する2つのストリーム・ファイルを書き戻すことを想定している。図9には、デジタルカメラ2内のHDD25の記憶領域上でフェーズ1の処理が行なわれる様子を示している。まず、HDD25のルート・フォルダ直下に一時フォルダとしてのPC_APPフォルダを作成する。続いて、“PC_APP¥BDMV”フォルダ内に書き戻し対象のストリームが含まれたBDMVツリーをオーサリングする。
【0101】
書き戻しの所要時間の大部分はこのフェーズに割り当てられる。具体的には、パーソナル・コンピュータ4がCPU41として米インテル社製のPentium(登録商標)IV 2.8GHzを使用し、512Mバイトのメインメモリを備えている場合、50分のHD動画像(ファイル・サイズとして4.3Gバイト)についての上記一時ファイルを作成する所要時間は35分程度である。
【0102】
なお、図示の例では、MPEG2−TSストリーム・ファイルをパーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2側にコピーする際にファイルの拡張子が“m2ts”から“mts”に変更されているが、これはファイル名:拡張子名のフォーマットの相違に依拠するもので、本発明の本質ではない。
【0103】
フェーズ2:
BDMVフォルダ内のインデックス・ファイル及び動画像オブジェクト・ファイルのバックアップを作成し、続いて、一時フォルダ(PC_APP¥BDMV)下に生成した動画像再生リスト・ファイル、クリップ情報ファイル、クリップAVストリーム・ファイルなどの一時ファイル群を、AVCHD¥BDMVフォルダ下の該当フォルダにそれぞれ移動する。このフェーズは、ファイル・パスの変更が主な処理内容であり、極めて短時間で実行可能である。
【0104】
図10には、デジタルカメラ2内のHDD25の記憶領域上でこのフェーズが行なわれる様子を示している。
【0105】
まず、一時フォルダ内のインデックス・ファイル(INDEX.BDMV)と動画像オブジェクト・ファイル(MOVIEOBJ.BDMV)の内容を更新する。インデックス・ファイルと動画像オブジェクト・ファイルの一時ファイルは、本来のAVCHD¥BDMVフォルダ内の該当するファイルの内容をマージしたものに相当する。
【0106】
次いで、PC_APP¥BDMVフォルダ内のファイル名にロングtoショート変換を施して、拡張子のサイズを4文字から3文字に変換する。
【0107】
次いで、AVCHD¥BDMVフォルダ内にあるインデックス・ファイル(INDEX.BDM)と動画像オブジェクト・ファイル(MOVIEOBJ.BDM)を一時フォルダPC_APPの直下にコピーする。
【0108】
次いで、AVCHD¥BDMVフォルダ内に、本来のインデックス・ファイルと動画像オブジェクト・ファイルをバックアップするためのBACKUPフォルダを生成する。そして、PC_APPフォルダの直下にコピーしたインデックス・ファイルと動画像オブジェクト・ファイルを、このBACKUPフォルダ内に移動する。なお、バックアップ処理を行なうのは、インデックス・ファイルがHDD25上の記憶領域全体を管理する重要なデータを持つことに依拠するものであり、本発明の要旨はバックアップ処理方法に限定されない。
【0109】
次いで、PC_APP¥BDMV¥STREAMフォルダ以下のすべてのクリップAVストリーム・ファイル(STREAMフォルダ内の拡張子“.MTS”を持つすべてのファイル)を、AVCHD¥BDMV¥STREAMフォルダへ移動する。
【0110】
次いで、PC_APP¥BDMV¥CLIPINFフォルダ以下のすべてのクリップ情報ファイル(CLIPINFフォルダ内の拡張子“.CPI”を持つすべてのファイル)を、AVCHD¥BDMV¥CLIPINFフォルダへ移動する。
【0111】
次いで、PC_APP¥BDMV¥PLAYLISTフォルダ以下のすべての動画像再生リスト・ファイル(PLAYLISTフォルダ内の拡張子“.MPL”を持つすべてのファイル)を、AVCHD¥BDMV¥PLAYLISTフォルダへ移動する。
【0112】
フェーズ3:
AVCHD¥BDMVフォルダ直下のインデックス・ファイルと動画像オブジェクト・ファイルの書き換えを行なう。インデックス・ファイルは、HDD25の記憶領域全体を管理する大元のファイルであり、ユーザに見せるタイトルである再生リストの集合体と動画像オブジェクト・ファイルの対応関係を管理するとともに、再生リストの再生順をメタデータ内で管理している。また、動画像オブジェクト・ファイルは、ストリームの再生制御を行なうためのコマンドの集合体であり、タイトルが指定されたときに再生される再生リストを管理している。
【0113】
このフェーズの処理は、実際には、一時フォルダPC_APPの直下にインデックス・ファイルと動画像オブジェクト・ファイルをコピーしてから、書き換え、同ファイルで上書きを行なうものであり、極めて短時間で終了する。
【0114】
図11には、デジタルカメラ2内のHDD25の記憶領域上でこのフェーズが行なわれる様子を示している。
【0115】
まず、動画像オブジェクト・ファイルの書き換えを行なう。具体的には、AVCHD¥BDMV直下の動画像オブジェクト・ファイル(AVCHD¥BDMV¥MOVIEOBJ.BDM)を削除してから、一時フォルダPC_APP¥BDMV直下の動画像オブジェクト・ファイル(PC_APP¥BDMV¥MOVIEOBJ.BDM)をAVCHD¥BDMVフォルダの直下に移動する。
【0116】
次いで、インデックス・ファイルの書き換えを行なう。具体的には、AVCHD¥BDMV直下のインデックス・ファイル(AVCHD¥BDMV¥INDEX.BDM)を削除してから、一時フォルダPC_APP¥BDMV直下のインデックス・ファイル(PC_APP¥BDMV¥INDEX.BDM)をAVCHD¥BDMVフォルダの直下に移動する。
【0117】
フェーズ4:
デジタルカメラ2内のHDD25の記憶領域上に作成した一時フォルダ類をすべて削除する。極めて短時間で実行可能である。図12には、デジタルカメラ2内のHDD25の記憶領域上でこのフェーズが行なわれる様子を示している。図示の通り、AVCHD¥BDMVフォルダ内に作成した、インデックス・ファイルと動画像オブジェクト・ファイルをバックアップするために作成したBACKUPフォルダ以下を削除する。続いて、オーサリング・エンジンがストリーム・ファイルの異動時に作成した一時フォルダPC_APP以下を削除する。
【0118】
フェーズ5:
AVインデックスのデータベース、すなわちルート・フォルダ直下のAVF_INFOフォルダ内の各データベース・ファイルの更新を行なう。なお、AVCHD規格ではAVF_INFOフォルダは必須(mandatory)ではない。AVF_INFOフォルダ内にあるAVインデックスのデータベースによって、ストリームの再生・編集に利便性がもたらされるが、この点は本発明の要旨に直接関連しないので、説明を省略する。
【0119】
図13には、デジタルカメラ2内のHDD25の記憶領域上でこのフェーズが行なわれる様子を示している。このフェーズでは、AVインデックスのデータベース・ファイルを更新する。
【0120】
図14には、パーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2内のHDD25へコンテンツを転送する際の処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0121】
まず、ユーザがパーソナル・コンピュータ4上の任意の動画像ストリーム群から、デジタルビデオカメラ2に転送したいものを選択する。そして、デジタルビデオカメラに対しストリーム・ファイルを転送するためのプログラム(以下、「転送プログラム」とする)をパーソナル・コンピュータ4上で起動する(ステップS1)。
【0122】
次いで、転送プログラムが、デジタルビデオカメラ2がパーソナル・コンピュータ4にUSBケーブル3などにより接続されているかを確認する。(ステップS2)。ここで、接続されていない場合には、その旨を画面表示してユーザに通知した上で、当該処理ルーチンをエラー終了する。
【0123】
なお、デジタルビデオカメラ2がパーソナル・コンピュータ4に接続されているかどうかを判別する方法としては、デジタルビデオカメラ2上のHDD25内に識別ファイルを設ける方法や、HDD25がマスストレージ・デバイスとしてUSB接続されている際にそのVID(Vendor ID)やPID(Product ID)を判別する方法などが考えられる。
【0124】
デジタルビデオカメラ2がパーソナル・コンピュータ4に接続されているときには、転送プログラムは、続いて、HDD25内にPC_APPなどの一時フォルダや一時ファイルが存在していないかどうかをチェックする(ステップS3)。
【0125】
既に述べたように、コンテンツの書き戻し処理が成功した際には、これら一時フォルダや一時ファイルはすべて削除される。HDD25内にPC_APPフォルダなどの一時フォルダや一時ファイルが存在することは、前回の書き戻し処理が途中で失敗したことを意味するの。このような場合、転送プログラムは、残された一時フォルダや一時ファイルをすべて削除して(ステップS3−1)、空き容量を確保する、あるいはその他の修復処理を実行する。
【0126】
次いで、転送プログラムは、接続されているデジタルビデオカメラ2の映像信号情報を取得して、ユーザが選択した転送対象の画像ストリームに対応しているかどうかをチェックする(ステップS4)。具体的には、接続されているデジタルビデオカメラ2の50i/60i情報を判別して、ユーザが選択した転送対象の画像ストリームの50i/60iの情報と一致しているかどうかを確認する。
【0127】
一致しない場合、例えば、選択された転送対象の画像ストリームが50iであるのに対し、デジタルビデオカメラが60iしか再生できない場合には、その旨を画面表示してユーザに通知した上で、当該処理ルーチンをエラー終了する。なお、このような場合であっても、エラー終了せずに、選択された転送対象の画像を再符号化した上で50iから60iに変換してから、デジタルビデオカメラ2への転送処理を開始するという代替的な方法も考えられる。
【0128】
ここで、50i/60iを判別する方法として、デジタルカメラカメラ2上のHDD25内に識別ファイルを設け、その中に50i/60iの情報を記録するフィールドを設ける方法や、既にデジタルビデオカメラ2内のHDD25上にAVCHD形式で画像が記録済みの場合はその画像の情報を参照する方法などが挙げられる。但し、AVCHDで規格するフォーマット上では、同じメディア上に50i/60iの画像が混在することは許されていないので、実際の運用では適切な判断をする必要がある。
【0129】
次いで、ユーザが選択した転送対象の画像ストリーム群を、2Gバイト以内に収まるように区切って、グループ分けする(ステップS4)。但し、本発明の要旨はグループ分けする単位が2Gバイトに限定されるものではない。
【0130】
画像をグループ分けして処理するのは、一時フォルダにすべてのストリーム・ファイルの一時ファイルを一括して生成しようとすると、処理時間が極めて長くなることを考慮したためである。処理時間が長いと、その間に、デジタルビデオカメラ2とパーソナル・コンピュータ4を接続しているUSBケーブル3が突然抜ける、デジタルビデオカメラ2の電源が遮断される、といった異常事態が発生する可能性が高まる。
【0131】
例えば、20Gバイトの画像ストリーム群をデジタルビデオカメラ2に転送している処理の途中でUSBケーブル3が抜けてしまった場合を考える。20Gバイトの画像ストリーム群全体を1グループとして転送処理を行なうと、1グループ転送完了後に行なうデータベース更新処理が行なわれる前である。このため、既に処理済みであった画像ストリームについても「転送完了」として扱われず、デジタルビデオカメラ2本体で認識できなくなってしまう。すなわち、一部のストリーム・ファイルは転送完了しているにも拘らず、すべての画像ストリームについて書き戻しが失敗したことになる。これに対し、2Gバイト以内にグループ分けして転送処理を行なうようにすれば、11Gバイト目の画像ストリームを転送中に異常終了しても、その直前のグループである10Gバイト目の画像ストリームまではデジタルビデオカメラ2本体で無事に転送が完了と認識される。
【0132】
転送対象となる画像ストリーム群を2Gバイト以内に収まるグループにまとめると、以降で転送プログラムは、画像ストリームをパーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2に書き戻すオーサリング処理を、グループ単位で実行する。
【0133】
まず、転送プログラムは、未処理のグループを1つ取り出す(ステップS6)。次いで、転送プログラムは、グループ内から未処理の画像ストリームすなわちクリップAVストリーム・ファイルを1つずつ取り出し(ステップS7)、デジタルビデオカメラ2のHDD25内に作成した一時フォルダPC_APP¥BDMV¥STREAM下に一時ファイルとしてコピーする。パーソナル・コンピュータ4側からはHDD25はUSB接続されたマスストレージ・デバイスとして映るので、このようなファイル・コピー操作を容易に行なうことができる。
【0134】
そして、PC_APP¥BDMV¥STREAMの一時ファイルを利用してクリップ情報ファイルを生成する(ステップS8)。具体的には、MPEG2−TS形式となるクリップAVストリーム・ファイルを一旦動画像ストリームと音響ストリーム、並びにその他のストリーム(字幕情報など)に分離(Demultiplex)してから(ステップS8)、再び1つのMPEG2−TSストリームに統合(Multiplex)する(ステップS9)。そして、ストリームを分離及び再統合する間に取得されたさまざまなパラメータに基づいて、当該クリップAVストリーム・ファイルについてのクリップ情報ファイルを生成し(ステップS10)、これをPC_APP¥BDMV下に設けたCLIPINFフォルダ内に格納する。
【0135】
そして、転送プログラムは、ステップS8〜S10の処理を、グループに含まれるすべてのクリップAVストリーム・ファイルについて順次実行する(ステップS11)。
【0136】
このようにして、グループ内のすべてのストリームについてクリップ情報ファイルを作成すると、転送プログラムは、当該グループのすべてのクリップAVストリーム・ファイル及びクリップ情報ファイルについての再生リスト・ファイルを生成して(ステップS12)、これをPC_APP¥BDMV下に設けたPLAYLISTフォルダ内に格納する。
【0137】
当該処理ルーチンの中で、ステップS7〜S11のループに要する処理時間は非常に長いと思料される。
【0138】
次いで、転送プログラムは、一時フォルダPC_APP¥BDMVの下に、生成した再生リストについてのインデックス・ファイル(INDEX.BDM)と、動画像オブジェクト・ファイル(MOVIEOBJ.BDM)を生成する(ステップS13)。この時点で、処理中のグループについてのBDMVツリーが一時フォルダPC_APP内に完成する。
【0139】
この時点で、一時フォルダPC_APP下には、処理中のグループについてのBDMVツリーが完成し、これはAVCHDフォーマットに則ってストリーム・データを記録するBDMVツリー(すなわちAVCGD¥BDMV)と全く同一のフォルダ構造(図7を参照のこと)を持つ。
【0140】
次いで、転送プログラムは、一時フォルダPC_APP¥BDMV下の、すべての再生リスト・ファイル(PC_APP¥BDMV¥PLAYLISTフォルダ内の拡張子“.MPL”を持つすべてのファイル)、すべてのクリップ情報ファイル(PC_APP¥BDMV¥CLIPINFフォルダ内の拡張子“.CPI”を持つすべてのファイル)、及び、すべてのクリップAVストリーム・ファイル(PC_APP¥BDMV¥STREAMフォルダ内の拡張子“.MTS”を持つすべてのファイル)を、デジタルビデオカメラ2の本来のBDMVツリー(すなわちAVCHD¥BDMVのそれぞれ対応するサブフォルダ内)に移動する(ステップS14)。このようなHDD25内でのファイルの移動はファイル・パスの返還だけで済むので、処理時間は極めて短くて済む。
【0141】
次いで、転送プログラムは、デジタルビデオカメラ2の本来のBDMVの直下のインデックス・ファイル(INDEX.BDM)及び動画像オブジェクト・ファイル(MOVIEOBJ.BDM)に対し、ステップS12で生成した再生リストを追加するための更新処理を施す(ステップS15)。インデックス・ファイル及び動画像オブジェクト・ファイルを更新する際には、BACKUPフォルダ内にこれらのバックアップをとっておく。
【0142】
この時点で、グループ単位での画像ストリームの書き戻し処理が完了するので、転送プログラムは、使用した一時フォルダPC_APPとBACKUPフォルダを削除する(ステップS16)。
【0143】
次いで、転送プログラムは、AVF_INFOフォルダ以下のAVインデックスのデータベースを編集する(ステップS17)。AVインデックスのデータベースはAVCHDフォーマットに必須ではなく、且つその内容自体は本発明の要旨に直接関連しないので、ここではこれ以上説明しない。
【0144】
そして、転送プログラムは、ステップS6〜S17の処理を、すべてのグループについて順次実行することによって(ステップS18)、ユーザが選択した転送対象の画像ストリームをすべてパーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2へ書き戻す。
【0145】
なお、パーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2へ画像ファイルの書き戻し処理を行なう最中に、USBケーブル3の抜去や、パーソナル・コンピュータ4又はデジタルビデオカメラ2の突発的な電源オフ、その他の障害が発生して、処理が中断した場合、一時フォルダPC_APPがデジタルビデオカメラ2内のHDD25に残されてしまう。このような一時フォルダは、記憶空間のガーベイジ(garbage)に過ぎず、デジタルビデオカメラ2の撮影時間の短縮の原因になる。パーソナル・コンピュータ4上で起動する転送プログラムは、上記のステップS3においてHDD25内にのこされた一時フォルダを削除して空き容量として回復する。また、デジタルビデオカメラ2側でも、パーソナル・コンピュータ4にUSB接続されないスタンドアロン状態において、自分のHDD25内に一時フォルダの存在を検出すると、これを自律的に削除処理するようにしてもよい。
【0146】
このように本実施形態に係るデータ処理システム1によれば、パーソナル・コンピュータ4に一旦取り込んだ画像ストリームを、AVCHDフォーマットで記録するHDD型デジタルビデオカメラ2に書き戻し(AVCHD追記)を行なうことが可能となる。
【0147】
また、AVCHDフォーマットに従って書き戻しを行なう際、クリップ情報ファイルと再生リスト・ファイルを再構築するために、クリップAVストリームとなる画像ストリーム・データの分離(Demultiplex)及び再統合(Multiplex)を行なう必要があるが、その際に使用する一時フォルダを、書き戻し先となるデジタルビデオカメラ2内のHDD25に生成することによって、書き戻し処理時間の短縮化や、パーソナル・コンピュータ4上のHDD49の空き容量の節約、USBの突発的抜去などの異常終了時の影響の抑止といった効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0149】
本明細書では、パーソナル・コンピュータ4に一旦取り込んだ画像ストリームを、AVCHDフォーマットで記録するHDD型デジタルビデオカメラ2に書き戻すというAVCHD追記を行なう実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。規定のフォルダ構造の中にデータ・ファイルとこれに付随する管理情報ファイルを格納してデータ・ファイルの使用が行なわれるその他のさまざまなタイプのデータ処理システムにおいて、データ・ファイルの書き戻しを行なう際には、同様に本発明を適用することができる。
【0150】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るデータ処理システム1の構成を示した図である。
【図2】図2は、パーソナル・コンピュータ4の内部構成例を示した図である。
【図3】図3は、デジタルビデオカメラ2の内部構成を模式的に示した図である。
【図4】図4は、録画編集が可能な形式でユーザ・データをHDD25上に記録するためのデータ構造の一例を示した図である。
【図5A】図5Aは、ビデオカメラによる録画・撮影に従ってAVストリームのクリップとともに再生リストが生成される手順を説明するための図である。
【図5B】図5Bは、ビデオカメラによる録画・撮影に従ってAVストリームのクリップとともに再生リストが生成される手順を説明するための図である。
【図5C】図5Cは、ビデオカメラによる録画・撮影に従ってAVストリームのクリップとともに再生リストが生成される手順を説明するための図である。
【図5D】図5Dは、ビデオカメラによる録画・撮影に従ってAVストリームのクリップとともに再生リストが生成される手順を説明するための図である。
【図6】図6は、AVCHDで規定されているディレクトリ構成を示した図である。
【図7】図7は、デジタルビデオカメラ内のHDD25上に一時ファイルを生成してから、一時ファイルのうち必要なファイルをHDD25上の適切なフォルダに移動する様子を示した図である。
【図8】図8は、パーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2内のHDD25へコンテンツを転送する手順を説明するための図である。
【図9】図9は、パーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2内のHDD25へコンテンツを転送する手順を説明するための図である。
【図10】図10は、パーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2内のHDD25へコンテンツを転送する手順を説明するための図である。
【図11】図11は、パーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2内のHDD25へコンテンツを転送する手順を説明するための図である。
【図12】図12は、パーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2内のHDD25へコンテンツを転送する手順を説明するための図である。
【図13】図13は、パーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2内のHDD25へコンテンツを転送する手順を説明するための図である。
【図14】図14は、パーソナル・コンピュータ4からデジタルビデオカメラ2内のHDD25へコンテンツを転送する際の処理手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0152】
1…データ処理システム
2…デジタルビデオカメラ
3…USBケーブル
4…パーソナル・コンピュータ
21…カメラ・ブロック
22…符号化部
23…ストリーム・バッファ
24…記録部
25…HDD
26…中央処理部
27…一時記憶媒体
28…USBインターフェース
41…CPU
42…バス
43…メモリ
44…ディスプレイ・コントローラ
45…表示装置
46…入出力インターフェース、46A…キーボード、46B…マウス
47…ネットワーク・インターフェース
48…HDDコントローラ
49…HDD
50…USBインターフェース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信手段を介して接続された記録再生装置に対して、第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第1の管理情報ファイルを転送する制御手段を有する情報処理装置と、
第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第2の管理情報ファイルが所定のディレクトリ構造により記録される第1の記録手段と、前記情報処理装置から転送された前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルが前記所定のディレクトリ構造により記録される第2の記録手段を有する記録再生装置を備え、
前記情報処理装置の制御手段は、
前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルを前記第2の記録手段に記録制御した後に、
前記第2の記録手段に記録させた前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルに基づいて、前記第1の記録手段に記録された対応する前記第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2の管理情報ファイルに対して追記又は更新制御を行なう、
ことを特徴とするデータ処理システム。
【請求項2】
前記所定のディレクトリ構造は、データ・ストリーム・ファイル格納用フォルダと、管理情報ファイル格納用フォルダを備え、
前記情報処理装置の制御手段は、前記第2の記録手段内のデータ・ストリーム・ファイル格納用フォルダに前記第1のデータ・ストリーム・ファイルを転送するとともに、前記データ・ストリーム・ファイル格納用フォルダ内の前記第1のデータ・ストリーム・ファイルを用いて前記第1の管理情報ファイルを作成して前記第2の記録手段内の管理情報ファイル格納用フォルダに格納し、
前記第2の記録手段内のデータ・ストリーム・ファイル格納用フォルダ内のデータ・ストリーム・ファイルと前記第2の記録手段内の管理情報格納用フォルダ内の管理情報ファイルを前記第1の記憶手段内のそれぞれ該当するフォルダ内にそれぞれ移動させた後に、前記第2の記録手段の記録内容を削除する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
前記所定のディレクトリ構造は、動画像ストリームを記録するための所定のフォルダの直下に、各動画像ストリーム・ファイルを格納するストリーム格納用フォルダと、動画像ストリーム・ファイル毎の属性情報ファイルを格納する属性情報ファイル格納用フォルダと、ストリーム格納用フォルダ内の動画像ストリーム・ファイルの再生順序に関連する情報からなる再生リスト・ファイルを格納する再生リスト格納用フォルダと、再生リスト・ファイルに基づく動画像ストリーム・ファイルの再生動作を制御する際に使用する情報を記載した1以上の管理情報ファイルをそれぞれ格納し、
前記情報処理装置の制御手段は、転送対象となる各動画像ストリーム・ファイルを前記第2の記録手段内のストリーム格納用フォルダに転送し、前記第2の記録手段内のストリーム格納用フォルダ内の各動画像ストリーム・ファイルを分離及び再統合して得られるパラメータに基づいて属性情報ファイルを生成して前記第2の記録手段内の属性情報ファイル格納用フォルダに保存し、該生成した属性情報ファイルに対する再生リスト・ファイルを生成して前記第2の記録手段内の再生リスト格納用フォルダに保存し、前記第2の記録手段内に管理情報ファイルを生成してから、前記第2の記録手段内の動画像ストリーム・ファイル、属性情報ファイル、再生リスト・ファイルを前記第1の記録手段内の該当する各フォルダに移動し、前記第2の記録手段内の管理情報ファイルに対して再生リスト・ファイルを追加するための編集を行なう、
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ処理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置の制御手段は、前記追記又は更新制御の前に、前記第1の管理情報ファイルに含まれる所定のファイルを前記第1の記録手段に設けられたバックアップ・フォルダに格納する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置の制御手段は、前記追記処理した後に、前記第1の記録手段に記録された前記第2の管理情報ファイルに含まれるインデックス・ファイル及び動画像オブジェクト・ファイルを更新する、
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ処理システム。
【請求項6】
前記情報処理装置の制御手段は、転送対象となる動画像ストリーム・ファイル群を所定のサイズ以下となる1以上のグループに分け、グループ毎に、前記第2の記録手段への動画像ストリーム・ファイルの転送とこれに伴う属性情報ファイル及び再生リスト・ファイルの生成と管理情報ファイルの編集処理を順次行なう、
ことを特徴とする請求項3に記載のデータ処理システム。
【請求項7】
データ・ストリーム・ファイルの処理を行なう情報処理装置であって、
任意のディレクトリ構造の下で第1のデータ・ストリーム・ファイルを格納する内部記憶手段と、
第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第2の管理情報ファイルが所定のディレクトリ構造により記録されている記録再生装置を接続する通信手段と、
前記内部記憶手段に格納されている前記第1のデータ・ストリーム・ファイルを、前記通信手段を介して接続されている記録再生装置に転送するファイル転送制御手段を備え、
前記ファイル転送制御手段は、前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第1の管理情報ファイルを前記記録再生装置に記録制御した後に、前記記録再生装置に記録させた前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルに基づいて、前記記録再生装置に記録されている前記第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2の管理情報ファイルに対して追記又は更新制御を行なう、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記所定のディレクトリ構造としてデータ・ストリーム格納用フォルダと管理情報ファイル格納用フォルダを備え、
前記ファイル転送制御手段は、前記記録再生装置内に前記所定のディレクトリ構造と同じ構造からなる一時フォルダを作成して、該一時フォルダ内の前記第1のデータ・ストリーム・ファイルをデータ・ストリーム・ファイル格納用フォルダに転送するとともに、前記記録再生装置内に転送された第1のデータ・ストリーム・ファイルに基づいて前記第1の管理情報ファイルを生成して該一時フォルダ内の管理情報ファイル格納用フォルダに保存する、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ファイル転送制御手段は、前記記録再生装置内において、該一時フォルダから前記所定のディレクトリ構造の該当フォルダへデータ・ストリーム・ファイル及び管理情報ファイルをそれぞれ移動させた後に、該一時フォルダを削除する、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記録再生装置は、前記所定のディレクトリ構造として、動画像ストリームを記録するための所定のフォルダの直下に、各動画像ストリーム・ファイルを格納するストリーム格納用フォルダと、動画像ストリーム・ファイル毎の属性情報ファイルを格納する属性情報ファイル格納用フォルダと、ストリーム格納用フォルダ内の動画像ストリーム・ファイルの再生順序に関連する情報からなる再生リスト・ファイルを格納する再生リスト格納用フォルダと、再生リスト・ファイルに基づく動画像ストリーム・ファイルの再生動作を制御する際に使用する情報を記載した1以上の管理情報ファイルをそれぞれ格納しており、
前記ファイル転送制御手段は、前記内部記憶手段にある動画像ストリーム・ファイルを前記一時フォルダ下のストリーム格納用フォルダに転送し、前記一時フォルダ下のストリーム格納用フォルダ内の動画像ストリーム・ファイルを分離及び再統合して得られるパラメータに基づいて属性情報ファイルを生成して前記一時フォルダ下の属性情報ファイル格納用フォルダに保存し、該生成した属性情報ファイルに対する再生リスト・ファイルを生成して前記一時フォルダ下の再生リスト格納用フォルダに保存し、前記一時フォルダ下に管理情報ファイルを生成してから、前記一時フォルダ内の動画像ストリーム・ファイル、属性情報ファイル、再生リスト・ファイルを前記所定のディレクトリ構造における該当する各フォルダに移動し、前記所定のディレクトリ構造内の管理情報ファイルに対して再生リスト・ファイルを追加するための編集を行なう、
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記ファイル転送制御手段は、前記追記又は更新制御の前に、前記第1の管理情報ファイルに含まれる所定のファイルを前記記録再生装置に設けられたバックアップ・フォルダに格納する、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記ファイル転送制御手段は、前記追記処理した後に、前記記録再生装置に記録されている前記第2の管理情報ファイルに含まれるインデックス・ファイル及び動画像オブジェクト・ファイルを更新する、
ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記ファイル転送制御手段は、前記内部記憶手段にある転送対象となる動画像ストリーム・ファイル群を所定のサイズ以下となる1以上のグループに分け、グループ毎に、前記外部記憶装置への動画像ストリーム・ファイルの転送とこれに伴う属性情報ファイル、再生リスト・ファイルの生成と管理情報ファイルの編集処理を順次行なう、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記ファイル転送制御手段は、前記通信手段に前記記録再生装置が接続されたときに、前記記録再生装置に残されている一時フォルダを削除する、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置内の第1のデータ・ストリーム・ファイルを、所定のディレクトリ構造により第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第2の管理情報ファイルを記録している記録再生装置に転送する情報処理方法であって、
前記ファイル転送制御手段は、前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第1の管理情報ファイルを前記記録再生装置に記録制御する第1のステップと、
前記記録再生装置に記録させた前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルに基づいて、前記記録再生装置に記録されている前記第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2の管理情報ファイルに対して追記又は更新制御を行なう第2のステップと、
を具備することを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
前記所定のディレクトリ構造としてデータ・ストリーム格納用フォルダと管理情報ファイル格納用フォルダを備え、
前記第1のステップでは、前記記録再生装置内に前記所定のディレクトリ構造と同じ構造からなる一時フォルダを作成して、該一時フォルダ内の前記第1のデータ・ストリーム・ファイルをデータ・ストリーム・ファイル格納用フォルダに転送するとともに、前記記録再生装置内に転送された第1のデータ・ストリーム・ファイルに基づいて前記第1の管理情報ファイルを生成して該一時フォルダ内の管理情報ファイル格納用フォルダに保存する、
ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記第2のステップにおいて、該一時フォルダから前記所定のディレクトリ構造の該当フォルダへデータ・ストリーム・ファイル及び管理情報ファイルをそれぞれ移動させた後に、前記記録再生装置から該一時フォルダを削除する、
ことを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記記録再生装置は、前記所定のディレクトリ構造として、動画像ストリームを記録するための所定のフォルダの直下に、各動画像ストリーム・ファイルを格納するストリーム格納用フォルダと、動画像ストリーム・ファイル毎の属性情報ファイルを格納する属性情報ファイル格納用フォルダと、ストリーム格納用フォルダ内の動画像ストリーム・ファイルの再生順序に関連する情報からなる再生リスト・ファイルを格納する再生リスト格納用フォルダと、再生リスト・ファイルに基づく動画像ストリーム・ファイルの再生動作を制御する際に使用する情報を記載した1以上の管理情報ファイルをそれぞれ格納しており、
前記第1のステップでは、動画像ストリーム・ファイルを前記一時フォルダ下のストリーム格納用フォルダに転送した後、前記一時フォルダ内の動画像ストリーム・ファイルを分離及び再統合して得られるパラメータに基づいて属性情報ファイルを生成して前記一時フォルダ下の属性情報ファイル格納用フォルダに保存するとともに、該生成した属性情報ファイルに対する再生リスト・ファイルを生成して前記一時フォルダ下の再生リスト格納用フォルダに保存し、
前記第2のステップでは、前記一時フォルダ下に管理情報ファイルを生成してから、前記一時フォルダ内の動画像ストリーム・ファイル、属性情報ファイル、再生リスト・ファイルを前記所定のディレクトリ構造における該当する各フォルダに移動し、前記所定のディレクトリ構造内の管理情報ファイルに対して再生リスト・ファイルを追加するための編集を行なう、
ことを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記第2のステップでは、前記追記又は更新制御の前に、前記第1の管理情報ファイルに含まれる所定のファイルを前記記録再生装置に設けられたバックアップ・フォルダに格納する、
ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理方法。
【請求項20】
前記第2のステップでは、前記追記処理した後に、前記記録再生装置に記録されている前記第2の管理情報ファイルに含まれるインデックス・ファイル及び動画像オブジェクト・ファイルを更新する、
ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項21】
転送対象となる動画像ストリーム・ファイル群を所定のサイズ以下となる1以上のグループに分け、グループ毎に、前記第1乃至第2のステップを順次実行する、
ことを特徴とする請求項18に記載の情報処理方法。
【請求項22】
前記記録再生装置が接続されたときに、前記記録再生装置に残されている一時フォルダを削除するステップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項23】
請求項8に記載の情報処理装置の前記通信手段に接続可能な記録再生装置であって、
前記通信手段から取り外された状態において、前記外部記憶装置内に一時フォルダが残されているかどうかを検出する手段と、
前記外部記憶装置内に残されている一時フォルダを削除する手段と、
を具備することを特徴とする記録再生装置。
【請求項24】
データの記録再生を行なう記録再生装置であって、
第1のデータ・ストリーム・ファイルを転送する情報処理装置を接続する通信手段と、
第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第2の管理情報ファイルが所定のディレクトリ構造により記録される第1の記録手段と、
前記情報処理装置から転送された前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルが前記所定のディレクトリ構造により記録される第2の記録手段と、
前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルを前記第2の記録手段に記録制御する記録制御手段と、
前記第2の記録手段に記録させた前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルに基づいて、前記第1の記録手段に記録された対応する前記第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2の管理情報ファイルに対して追記又は更新制御を行なう追記・更新制御手段と、
を具備することを特徴とする記録再生装置。
【請求項25】
前記所定のディレクトリ構造は、データ・ストリーム・ファイル格納用フォルダと、管理情報ファイル格納用フォルダを備え、
前記記録制御手段は、前記第2の記録手段内のデータ・ストリーム・ファイル格納用フォルダに前記第1のデータ・ストリーム・ファイルを転送するとともに、前記データ・ストリーム・ファイル格納用フォルダ内の前記第1のデータ・ストリーム・ファイルを用いて前記第1の管理情報ファイルを作成して前記第2の記録手段内の管理情報ファイル格納用フォルダに格納し、
前記追記・更新制御手段は、前記第2の記録手段内のデータ・ストリーム・ファイル格納用フォルダ内のデータ・ストリーム・ファイルと前記第2の記録手段内の管理情報格納用フォルダ内の管理情報ファイルを前記第1の記憶手段内のそれぞれ該当するフォルダ内にそれぞれ移動させた後に、前記第2の記録手段の記録内容を削除する、
ことを特徴とする請求項24に記載の記録再生装置。
【請求項26】
前記所定のディレクトリ構造は、動画像ストリームを記録するための所定のフォルダの直下に、各動画像ストリーム・ファイルを格納するストリーム格納用フォルダと、動画像ストリーム・ファイル毎の属性情報ファイルを格納する属性情報ファイル格納用フォルダと、ストリーム格納用フォルダ内の動画像ストリーム・ファイルの再生順序に関連する情報からなる再生リスト・ファイルを格納する再生リスト格納用フォルダと、再生リスト・ファイルに基づく動画像ストリーム・ファイルの再生動作を制御する際に使用する情報を記載した1以上の管理情報ファイルをそれぞれ格納し、
前記記録制御手段は、転送対象となる各動画像ストリーム・ファイルを前記第2の記録手段内のストリーム格納用フォルダに転送し、前記第2の記録手段内のストリーム格納用フォルダ内の各動画像ストリーム・ファイルを分離及び再統合して得られるパラメータに基づいて属性情報ファイルを生成して前記第2の記録手段内の属性情報ファイル格納用フォルダに保存し、該生成した属性情報ファイルに対する再生リスト・ファイルを生成して前記第2の記録手段内の再生リスト格納用フォルダに保存し、前記第2の記録手段内に管理情報ファイルを生成し、
前記追記・更新制御手段は、前記第2の記録手段内の動画像ストリーム・ファイル、属性情報ファイル、再生リスト・ファイルを前記第1の記録手段内の該当する各フォルダに移動し、前記第2の記録手段内の管理情報ファイルに対して再生リスト・ファイルを追加するための編集を行なう、
ことを特徴とする請求項25に記載の記録再生装置。
【請求項27】
前記追記・更新制御手段は、前記追記又は更新制御の前に、前記第1の管理情報ファイルに含まれる所定のファイルを前記第1の記録手段に設けられたバックアップ・フォルダに格納する、
ことを特徴とする請求項24に記載の記録再生装置。
【請求項28】
前記追記・更新制御手段は、前記追記処理した後に、前記第1の記録手段に記録された前記第2の管理情報ファイルに含まれるインデックス・ファイル及び動画像オブジェクト・ファイルを更新する、
ことを特徴とする請求項27に記載の記録再生装置。
【請求項29】
前記記録制御手段は、転送対象となる動画像ストリーム・ファイル群を所定のサイズ以下となる1以上のグループに分け、グループ毎に、前記第2の記録手段への動画像ストリーム・ファイルの転送とこれに伴う属性情報ファイル及び再生リスト・ファイルの生成と管理情報ファイルの編集処理を順次行なう、
ことを特徴とする請求項26に記載の記録再生装置。
【請求項30】
情報処理装置内の第1のデータ・ストリーム・ファイルを、所定のディレクトリ構造により第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第2の管理情報ファイルを記録している記録再生装置に転送するためのデータ処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータに対し、
前記ファイル転送制御手段は、前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1のデータ・ストリーム・ファイルを管理する第1の管理情報ファイルを前記記録再生装置に記録制御する第1の手順と、
前記記録再生装置に記録させた前記第1のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第1の管理情報ファイルに基づいて、前記記録再生装置に記録されている前記第2のデータ・ストリーム・ファイル及び前記第2の管理情報ファイルに対して追記又は更新制御を行なう第2の手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図14】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−22504(P2008−22504A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−194904(P2006−194904)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】