説明

データ処理装置、データ処理システム、及び周辺装置

【課題】接続される周辺装置の性能を判断することで、データ処理装置に接続される周辺装置の性能に応じた処理を実行する。
【解決手段】周辺装置と電気的に接続されることにより、該周辺装置との間でコンテンツデータの受け渡しが可能であるとともにコンテンツデータの処理が可能なデータ処理装置であって、コンテンツデータを処理するデータ処理手段と、該周辺装置の性能に応じて予め設定される周辺装置の性能情報を取得する性能情報取得手段と、前記周辺装置の性能情報と前記データ処理装置が有するデータ処理装置の性能情報とを比較して、前記周辺装置の性能と前記データ処理装置の性能が対応しているか否かを判断する性能判断手段と、前記周辺装置の性能が前記データ処理装置の性能に対応していないと判断した場合、前記データ処理手段におけるコンテンツデータの処理内容を前記周辺装置の性能情報に応じて変更する処理内容変更手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツデータの処理が可能なデータ処理装置、データ処理装置を含むデータ処理システム、及びデータ処理装置に接続可能な周辺装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ同士、又はコンピュータと周辺装置は、ネットワークやUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介して接続されることで様々な情報の受け渡しが可能である。例えば、特許文献1に記載の技術によれば、ネットワークを介してコンピュータと複数の機種の携帯端末が接続されることで、両者の間での情報の受け渡しが可能となる。また、特許文献1に記載の技術によれば、コンピュータに携帯端末を識別する手段が設けられているので、携帯端末の識別が可能となる(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−259294号公報
【特許文献2】特開2000−312215号公報
【特許文献3】特開昭61−121555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
データ処理装置(例えば、コンピュータ等)と周辺装置(例えば、ポータプルオーディオ装置、携帯電話、車載オーディオ装置等)とを、例えばUSBなどのインターフェースを介して接続し、装置間で音楽データなどのコンテンツデータの受け渡しを行うことが行われている。これにより、ユーザの嗜好する音楽を様々な場所で楽しむことができる。
【0004】
しかし、データ処理装置と周辺装置の性能は、様々であり、例えば音楽データについてみると、データ処理装置では、再生処理可能な音楽データであっても、このデータ処理装置に接続される周辺装置では再生処理ができないといった虞がある。また、再生処理は可能であっても、周辺装置の容量がデータ処理装置の容量に比べて小さいことにより、データ処理装置に格納される音楽データを周辺装置に完全に受け渡すことができない虞がある。
【0005】
本発明では、上記した問題に鑑み、接続される周辺装置の性能を判断することで、データ処理装置に接続される周辺装置の性能に応じた処理を実行できる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上述した課題を解決するために、周辺装置の性能に応じて予め設定される周辺装置の性能情報を取得し、取得した周辺装置の性能情報に応じてデータ処理装置の処理内容を変更することとした。これにより、周辺装置を容易に識別できるとともに周辺装置の性能に応じた処理を実行することができる。
【0007】
詳細には、本発明は、コンテンツデータを処理する性能を有する周辺装置と電気的に接続されることにより、該周辺装置との間でコンテンツデータの受け渡しが可能であるとともに、少なくとも前記周辺装置の性能を有するデータ処理装置であって、コンテンツデータを処理するデータ処理手段と、前記周辺装置の性能に応じて予め設定される周辺装置の性能情報を、前記周辺装置から取得する性能情報取得手段と、前記性能情報取得手段によって取得される周辺装置の性能情報と前記データ処理装置が有するデータ処理装置の性能情報とを比較して、前記周辺装置の性能と前記データ処理装置の性能が対応しているか否かを判断する性能判断手段と、前記性能判断手段が、前記周辺装置の性能と前記データ処
理装置の性能が対応していないと判断した場合、前記データ処理手段におけるコンテンツデータの処理内容を前記周辺装置の性能情報に応じて変更する処理内容変更手段と、を備える。
【0008】
近年、データ処理装置と周辺装置との接続には、規格化されたインタフェースが用いられるのが一般的である。従って、本発明においてもこのように一般的な規格化されたインタフェースによって装置同士を接続することができる。なお、データ処理装置と周辺装置とは、電気的に接続されていればよく、有線、無線を問わない。
【0009】
規格化されたインターフェースによれば、装置同士の互換性が高まる。しかし、装置同士の互換性があっても、装置それぞれの性能は様々である。従って、例えば、周辺装置の性能がデータ処理装置の性能に対応していない場合、換言すると周辺装置の性能がデータ処理装置の性能より劣っている場合には、データ処理装置で行われる処理が完全に実行されない虞がある。例えば、データ処理装置から周辺装置へのコンテンツデータの転送能力が周辺装置の受け入れ能力を上回っている場合である。
【0010】
そこで、本発明に係るデータ処理装置は、予め設定された周辺装置の性能情報を取得する性能情報取得手段と、この取得した周辺装置の性能情報に応じてデータ処理装置の処理内容を変更する処理内容変更手段とを備えることを特徴とする。取得した性能情報に応じてデータ処理装置の処理内容を変更することで、周辺装置に適した処理を実行することが可能となる。なお、変更の対象となるデータ処理装置で行われる処理は、接続される周辺装置が関連する処理である。例えばデータ処理装置に格納されているコンテンツデータを周辺装置に転送する処理が例示される。
【0011】
処理内容を変更するに当たっては、データ処理装置の性能に対応する性能を周辺装置が有しているかを判断する必要がある。そこで、本発明では、このような判断が性能判断手段によって行われる。具体的には、性能判断手段は、前記周辺装置の性能情報と前記データ処理装置の性能情報とを比較して、周辺装置の性能とデータ処理装置の性能が対応しているか否かを判断する。なお、周辺装置の性能情報は、周辺装置の性能に応じて予め設定することができる。また、周辺装置の性能情報は、データ処理装置の性能情報と比較し易い形式とすることが好ましい。
【0012】
ここで、処理内容変更手段における処理内容の変更は、データ処理装置が有する性能の範囲内で行うことが好ましい。本発明における変更処理を実行する場合、少なくともデータ処理装置の性能が周辺装置の性能を上回っている必要があるからである。従って、データ処理装置の性能は、常に最適化しておくことが好ましい。
【0013】
また、本発明は、周辺装置がバージョンアップされているか否かを判断し、データ処理装置の性能がバージョンアップ後の周辺装置に対応できるか否かを判断してもよい。これにより、より周辺装置の性能に適した処理を実行することが可能となる。なお、バージョンアップに関する情報は、性能情報に含めることができる。但し、これに限定されるわけではなく、別途設けてもよい。
【0014】
ここで、前記周辺装置の性能情報と前記データ処理装置の性能情報のそれぞれには、処理可能なコンテンツデータの種類に関する種類情報と、収容可能なコンテンツデータの容量に関する容量情報と、のうち少なくとも何れか一つが含めることができる。処理可能なコンテンツデータの種類に関する種類情報を比較することで、例えば処理ができないコンテンツデータを誤って送信することを防止することができる。また、収容可能なコンテンツデータの容量に関する容量情報を比較することで、収容できない量のコンテンツデータを誤って送信することを防止することができる。なお、これらの性能情報は、それぞれの
装置に設けられる記憶手段に格納することができる。
【0015】
また、本発明は、前記処理内容変更手段がコンテンツデータの処理内容を変更する際、ユーザに対して確認を求める確認手段を更に備える構成とすることができる。これにより、ユーザの嗜好を反映した処理を実行することが可能となる。なお、本発明は、確認手段に代えて、ユーザに対して通知を行う通知手段を備える構成としてもよい。これにより、ユーザは、現在行われている処理を確認することが可能となる。
【0016】
なお、本発明は、上述したデータ処理装置と周辺装置とを含むデータ処理システムとしてもよい。また、データ処理装置に接続可能な周辺装置としてもよい。
【0017】
また、本発明は、上述したいずれかの機能を実現させる方法、又はプログラムであってもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、接続される周辺装置の性能を判断することで、データ処理装置に接続される周辺装置の性能に応じた処理を実行できる技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明に係るデータ処理システムの実施形態について図面に基づいて説明する。なお、データ処理システムは、本発明に係るデータ処理装置と周辺装置とを含むものである。
【0020】
<第一実施形態>
(構成)
図1は、本実施形態に係るデータ処理システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係るデータ処理システムは、音楽データとしてのコンテンツデータ(以下、単にコンテンツデータという。)を再生処理可能なノート型パーソナルコンピュータ10(以下、単にPCという。)と、PC10と電気的に接続され、車両等の移動体200に設置可能であって移動体内のユーザに楽曲を提供可能なヘッドユニット30とを備える。PC10は、本発明のデータ処理装置に相当し、ヘッドユニット30は、本発明の周辺装置に相当する。なお、図1に示すようにPC10には、ヘッドユニット30の他、携帯音楽メディア40やコンテンツデータを再生可能な携帯電話60を接続することが可能である。また、本実施形態ではPC10、ヘッドユニット30、携帯音楽メディア50、携帯電話60が移動体200に設置されている。しかし、これに限定されるわけではない。PC10がデスクトップ型でもよく、この場合は、周辺装置としての携帯音楽メディア50、携帯電話60は、例えば屋内等に設置することができる。
【0021】
PC10と、ヘッドユニット30、携帯音楽メディア50、携帯電話60との接続には、USB(Universal Serial Bus)ケーブルが用いられている。このような規格化されたインターフェースを用いることで、各装置間における互換性が高まる。但し、上記に限定されるわけではない。すなわち、PC10とヘッドユニット30等の周辺装置とは、電気的に接続されていればよく、有線、無線どちらでもよい。
【0022】
次に、PC10について説明する。PC10は、中央演算処理装置1(以下、CPUとする。)と、キーボード・マウスなどの入力装置、ディスプレイ等の出力装置、メモリ6、ハードディスクによって構成される。ここでは、PC10が有する機能のうち本発明の特徴となる機能を中心に説明するものとし、一般的な機能についてはその説明を省略する。図2は、PC10の機能ブロック図である。図2に示すように、CPU1には、コンテ
ンツデータを処理する処理部2、接続されるヘッドユニット30の性能に関する情報である性能情報を、ヘッドユニット30のUSB接続部40のメモリ41(図3参照。)から取得する性能情報取得部3(本発明の性能情報取得手段に相当する。)、PC10の性能とヘッドユニット30の性能とを比較し、ヘッドユニット30の性能とPC10の性能が対応しているか否か判断する性能判断部4(本発明の性能判断手段に相当する。)、ヘッドユニット30の性能に応じてコンテンツデータの処理内容をヘッドユニット30の性能に応じて変更する処理内容変更部5(本発明の処理内容変更手段に相当する。)が設けられている。
【0023】
また、メモリ6には、PC10の性能情報が格納されている。PC10の性能情報とは、例えばPC10が再生処理可能なコンテンツデータの種類に関する情報やPC10が収容可能なコンテンツデータの曲数に関する情報である。なお、これらの情報は、ヘッドユニット30の性能情報と比較しやすい形式とすることが望ましい。
【0024】
次に、ヘッドユニット30について説明する。図3は、ヘッドユニット30の概略構成を示す図である。ヘッドユニット30は、CPU31を有している。このCPU31は、その内部に、処理部32を有し、処理部32がハードディスクドライブ(以下、HDDとする。)33、CD/DVDデッキ(以下、単にCDデッキとする。)34に記憶された様々なコンテンツデータにアクセスして、それらのコンテンツデータの再生等の処理を行う。
【0025】
また、処理部32には、DSP(Digital Signal Processor)再生制御部36が電気的に接続され、DSP再生制御部36では処理部32から送られるコンテンツデータに対して演算処理を施し、移動体内に設けられたパワーアンプ37に音楽演奏のための電気信号を送る。
【0026】
また、処理部32は、エンコード/デコード部38と暗号化/復号化部39と電気的に接続されている。エンコード/デコード部38では、コンテンツデータを記憶する際の該コンテンツデータの圧縮や、その圧縮されたコンテンツデータのDSP再生制御部36での演算処理のための解凍が行われる。また、暗号化/復号化部39では、HDD33等の内部に記憶されるコンテンツデータの著作権を保護するための暗号化、およびその復号化を行う。
【0027】
また、CPU31は、メモリ35とも電気的に接続されており、必要に応じてこれらのメモリに記憶されている情報にアクセスし、記憶されている情報の読み込み、更新を行うことができる。
【0028】
また、本実施形態に係るヘッドユニット30の処理部32には、USBケーブルが接続可能なUSB接続部40が設けられている。このUSB接続部40を介して上述したPC10や携帯音楽メディア50等との接続が可能となる。更に、USB接続部40は、メモリ41を有している。そして、このメモリ41には、ヘッドユニット30の性能情報が格納される。なお、性能情報は、予めコード化して製品IDの一部としてメモリ41に格納することができる。
【0029】
図4は、コード化された性能情報がメモリ41に格納される状態を示すイメージ図である。同図に示すようにメモリ41には、ベンダID、製品ID、シリアルNOからなる識別情報が格納されている。通常、これらの識別情報のうち、製品IDは、接続されるPC10が常に取得可能に設定されている。そして、例えばベンダIDが、USBの製造供給元によって指定される識別情報であるのに対し、製品IDは、メーカ側で割り振ることが可能である。本実施形態に係るヘッドユニット30では、この様な背景に鑑み、製品ID
の一部としてコード化した性能情報を予めヘッドユニット30のUSB接続部40に格納している。より詳細には、製品IDが、製品自体のIDと、第一性能コードと、第二性能コードとによって構成されている。これにより、USB接続部40を介してPC10に接続するだけで、PC10の性能情報取得部3がPC10の性能情報を取得することが可能となる。
【0030】
ここで、図5は、第一性能コードの設定例を示す図であり、図6は、第二性能コードの設定例を示す図である。まず、第一性能コードでは、コンテンツデータの収容可能数について設定され、コンテンツデータの収容可能数が1,000曲である場合をコード1とし、コンテンツデータの収容可能数10,000曲である場合をコード2と設定されている。また、第二性能コードでは、ヘッドユニット30のバージョン情報について設定され、バージョン1.0の場合をコードA、バージョン2.0の場合をコードBと設定されている。このように、性能情報を予めコード化してUSB接続部40のメモリ41に格納することで、ヘッドユニット30をPC10に接続した際、PC10の性能情報取得部3が自動的にコード化された性能情報を取得することが可能となる。なお、PC10に格納されるPC10の性能情報についても、第一性能コード、第二性能コードに対応する形式で予め格納することが望ましい。また、本実施形態では、USB40のメモリ41に性能情報を格納したが、これに限定されるわけではない。例えば、ヘッドユニット30の本体に設けられている、メモリ35に格納してもよい。
【0031】
(処理)
次に、PC10のCPU1で実行される処理内容変更処理について説明する。図7は、処理内容変更処理フローを示す図である。なお、以下の説明においては、PC10が、1,000曲、10、000曲、バージョン1.0、2.0の全てに対応し、ヘッドユニット30が1,000曲、バージョン1.0に対応している場合として説明する。
【0032】
まず、ステップS01では、メモリ41に格納される第一性能コード及び第二性能コードが、性能情報取得部3によって取得される。具体的には、第一性能コードとしてコード1が取得され、第二性能コードとしてコードAが取得される。これらのコードの取得は、ヘッドユニット30がPC10に接続されることを機に開始される。ステップS01の処理が終了すると、ステップS02へ進む。
【0033】
ステップS02では、PC10の性能情報とヘッドユニット30の性能情報が比較され、性能判断手段によって、PC10の性能情報に対応するヘッドユニットの性能情報があるか否かについて判断される。本実施形態の場合、PC10は、第一性能コードとしてコード1、2、第二性能コードとしてコードA、Bを有しており、ヘッドユニット30は、第一性能コードとしてコード1、第二性能コードとしてコードAを有しているので、対応するコードが存在すると判断される。ステップS02において、対応するコードが存在すると判断された場合、ステップS03へ進む。一方、対応するコードが存在すると判断されなかった場合、処理内容変更処理が終了する。
【0034】
ステップS03では、処理内容変更部5によってCPU10の処理部2で行われる処理内容が変更される。CPU10は、10,000曲まで収容可能であって、接続されるヘッドユニットのバージョン2.0まで対応していることから、仮に10,000曲収容されていれば、1000曲までしか収容できないヘッドユニット30に対して10,000曲を転送する処理を実行してしまうことになる。すなわち、不完全な処理が実行されてしまうことになる。しかし、本実施形態に係るCPU10によれば、ヘッドユニット30の性能に応じて転送する曲数を1、000曲にするように制限する処理を実行することができるので、このような不具合を防止することが可能となる。ステップS03の処理が終了すると、処理内容変更処理が終了する。
【0035】
なお、PC10からヘッドユニット30にコンテンツデータを転送する処理を実行する前に、ユーザに転送処理が実行される旨を知らせるようにしてもよい。これにより、ユーザは、PC10で行われる処理を確認することができる。また、ユーザの指示を受け付けた後に、転送処理が実行されるようにしてもよい。これにより、よりユーザの嗜好を反映した処理を実行することが可能となる。また、ステップS02において、PC10の性能情報に対応するヘッドユニット30の性能情報が存在しないと判断された場合、これをユーザに通知するようにしてもよい。これにより、ユーザは、処理状態を確認することが可能となる。
【0036】
なお、例えばステップS01の次に以下の処理を行うようにしてもよい。すなわち、CPU1が前回ヘッドユニット30が接続された際のバージョン情報をメモリ6に保存しておき、保存されたバージョンアップ情報と新たに取得したバージョンアップ情報を比較してヘッドユニット30のバージョンアップがされているかを判断し、更に、バージョンアップされていると判断された場合には、PC10の性能が対応できるか否かを判断するようにしてもよい。そして、CPU10のバージョンアップが必要な場合には、バージョンアップが必要である旨をユーザに知らせるようにしてもよい。また、自動更新ができるように構成してもよい。
【0037】
(効果)
以上説明した第一実施形態に係るデータ処理システムによれば、ヘッドユニット30の性能を容易に判断することが可能となり、その結果ヘッドユニット30にの性能に応じた処理が可能となる。また、ヘッドユニット30の性能を判断するにあたって、性能コードを用いることで、PC10の性能とヘッドユニット30の性能比較が容易となり、その結果ヘッドユニット30の性能がPC10の性能に対応しているか否かの判断も容易となる。
【0038】
<第二実施形態>
(構成)
次に第二実施形態に係るデータ処理システムについて説明する。図8は、本実施形態に係るデータ処理システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係るデータ処理システムは、車両等の移動体200に設置可能であって移動体内のユーザに楽曲を提供可能なヘッドユニット30aと、ヘッドユニット30aと電気的に接続され、コンテンツデータを再生処理可能なPC10aとを備える。そして、図8に示すように、ヘッドユニット30aには、PC10aの他、携帯音楽メディア50やコンテンツデータを再生可能な携帯電話60を接続することが可能である。なお、既に説明した構成については、同一符号を付すことでその詳細な説明を省略する。
【0039】
ここで、上述した第一実施形態に係るデータ処理システムと本実施形態に係るデータ処理システムとを比較する。第一実施形態に係るデータ処理システムでは、本発明のデータ処理装置に相当するPC10に対して、本発明の周辺装置に相当するヘッドユニット30、携帯音楽メディア50、携帯電話60が接続されている。一方、本実施形態に係るデータ処理システムでは、第一実施形態におけるヘッドユニット30に相当するヘッドユニット30aに、PC10a、携帯音楽メディア50、携帯電話60が接続されている。つまり、第二実施形態においては、ヘッドユニット30aが本発明のデータ処理装置に相当し、PC10aが本発明の周辺装置に相当している点で第一実施形態に係るデータ処理システムと第二実施形態に係るデータ処理システムは相違するものである。
【0040】
従って、第二実施形態に係るデータ処理システムでは、ヘッドユニット30a側に、第一実施形態で説明した性能情報取得部3、性能判断部4、処理内容変更部5が設けられて
いる。図9は、ヘッドユニット30aの機能ブロック図である。図9に示すように、CPU31には、第一の実施形態において説明した処理部32、エンコード/デコード部38、暗号化/復号化部39に加えて、性能情報取得部3、性能判断部4、処理内容変更部5が設けられている。そして、メモリ35には、ヘッドユニット30aの性能情報が格納されている。なお、ヘッドユニット30aの構成については、基本的には第一実施形態で説明したヘッドユニット30の構成と同じであるので、説明は省略する。
【0041】
図10は、PC10aの機能ブロック図である。同図に示すように、CPU1には、コンテンツデータを処理する処理部2が設けられているが、第一実施形態のように性能情報取得部3等は設けられていない。また、メモリ6には、PC10aの性能に応じた性能情報が予め格納されている。なお、性能情報の構成は、第一実施形態と同様である。従って、その説明は省略する。また、本実施形態では、メモリ6に性能情報を格納しているが、USB接続部のメモリ(図示せず)に格納してもよい。
【0042】
(処理)
次に、ヘッドユニット30aのCPU31で実行される処理内容変更処理について説明する。上述したように、第二実施形態においては、ヘッドユニット30aが本発明のデータ処理装置に相当し、PC10aが本発明の周辺装置に相当している点で第一実施形態に係るデータ処理システムと第二実施形態に係るデータ処理システムは相違するものである。従って、第一実施形態においてCPU1で実行される処理内容変更処理に相当する処理がヘッドユニット30aのCPU31で実行されるものであり、処理の内容について同様である(図7参照)。従って、その説明は省略する。
【0043】
以上説明したように、第二実施形態に係るデータ処理システムによれば、本発明のデータ処理装置が有する機能をヘッドユニット30aが備えることで、ヘッドユニット30aが、ヘッドユニット30aに接続される周辺装置(PC10a、携帯音楽メディア50、携帯電話60)の性能に応じた処理を行うことが可能となる。
【0044】
<第三実施形態>
次に、第三実施形態に係るデータ処理システムについて説明する。図11は、第三実施形態に係るデータ処理システムの概略構成を示す図である。同図に示すように、第三実施形態に係るデータ処理システムは、X社製のヘッドユニット30Xと、このヘッドユニット30Xと電気的に接続される、X社製のPC10Xと、Y社製の携帯音楽メディア50Yと、Z社製の携帯電話60Zとを備える。
【0045】
ヘッドユニット30Xは、第二実施形態で説明したヘッドユニット30aと基本的には、同じ機能を備える。また、PC10Xは、第二実施形態で説明したPC10aと同じ機能を備える。従って、製造メーカが特定されている点以外は、基本的には第二実施形態のデータ処理システムと同じである。
【0046】
USBなどの規格化されたインタフェースを用いることで、装置間の互換性を高めることができる。本実施形態のデータ処理システムのように、データ処理装置と、これに接続される周辺装置の製造メーカ異なることも少なくない。しかし、例えば本実施形態におけるヘッドユニット30XとPC10Xのように製造メーカが一致する場合には、同一製造メーカの装置が接続された場合のみ実行されるといった付加的機能を実行させることもできる。
【0047】
しかし、上述したように規格化されたインターフェースが用いられる場合、接続される周辺装置がデータ処理装置が実行可能な付加的機能を有しているかについて、データ処理装置で識別できないこともある。このような事態を解消するため、第三実施形態に係るデ
ータ処理システムでは、付加的機能に応じた付加機能コードを予め設け、これをPC10Xの記憶手段に格納している。
【0048】
図12は、コード化された付加的機能に関する情報がメモリ6に格納される状態を示すイメージ図である。同図に示すように、製品IDが、製品自体のIDと、第一性能コードと、第二性能コードと、付加機能コードとによって構成されている。このようにすることで、接続される周辺装置が付加的機能に関する情報を有しているか容易に判断することができ、その結果その付加的機能を実行することが可能となる。
【0049】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係るデータ処理システムはこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。例えば、上述した実施形態では、データ処理装置に性能情報取得部、性能判断部、処理内容変更部といった構成を設けることとしたが、周辺装置にこれに相当する構成を設けることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第一実施形態に係るデータ処理システムの概略構成を示す図である。
【図2】第一実施形態に係るPCの機能ブロック図である。
【図3】第一実施形態に係るヘッドユニットの概略構成を示す図である。
【図4】コード化された性能情報がメモリに格納される状態を示すイメージ図である。
【図5】第一性能コードの設定例を示す図である。
【図6】第二性能コードの設定例を示す図である。
【図7】処理内容変更処理フローを示す図である。
【図8】第二実施形態に係るデータ処理システムの概略構成を示す図である。
【図9】第二実施形態に係るヘッドユニットの機能ブロック図である
【図10】第二実施形態に係るPCの機能ブロック図である。
【図11】第三実施形態に係るデータ処理システムの概略構成を示す図である。
【図12】コード化された付加的機能に関する情報がメモリに格納される状態を示すイメージ図である。
【符号の説明】
【0051】
1、31・・・CPU
2、32・・・処理部
3・・・性能情報取得部
4・・・性能判断部
5・・・処理内容変更部
6・・・メモリ
7・・・性能情報
10・・・PC
30・・・ヘッドユニット
50・・・携帯音楽メディア
60・・・携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを処理する性能を有する周辺装置と電気的に接続されることにより、該周辺装置との間でコンテンツデータの受け渡しが可能であるとともに、少なくとも前記周辺装置の性能を有するデータ処理装置であって、
コンテンツデータを処理するデータ処理手段と、
前記周辺装置の性能に応じて予め設定される周辺装置の性能情報を、前記周辺装置から取得する性能情報取得手段と、
前記性能情報取得手段によって取得される周辺装置の性能情報と前記データ処理装置が有するデータ処理装置の性能情報とを比較して、前記周辺装置の性能と前記データ処理装置の性能が対応しているか否かを判断する性能判断手段と、
前記性能判断手段が、前記周辺装置の性能と前記データ処理装置の性能が対応していないと判断した場合、前記データ処理手段におけるコンテンツデータの処理内容を前記周辺装置の性能情報に応じて変更する処理内容変更手段と、
を備えるデータ処理装置。
【請求項2】
前記処理内容変更手段は、データ処理装置が有する性能の範囲内において前記データ処理手段におけるコンテンツデータの処理内容を前記周辺装置の性能情報に応じて変更する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記周辺装置の性能情報には、前記周辺装置のバージョンアップに関する情報であるバージョンアップ情報が含まれ、
前記性能判断手段は、前記周辺装置の性能情報にバージョンアップ情報が含まれている場合、データ処理装置の性能がバージョンアップされた前記周辺装置の性能に対応しているか否かについても判断し、
前記処理内容変更手段は、データ処理装置の性能がバージョンアップされた前記周辺装置の性能に対応している場合、データ処理装置が有する性能の範囲内において前記データ処理手段におけるコンテンツデータの処理内容を前記周辺装置の性能情報に応じて変更する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記周辺装置の性能情報と前記データ処理装置の性能情報のそれぞれには、処理可能なコンテンツデータの種類に関する種類情報と、収容可能なコンテンツデータの容量に関する容量情報と、のうち少なくとも何れか一つが含まれる、請求項1から請求項3のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記処理内容変更手段がコンテンツデータの処理内容を変更する際、ユーザに対して確認を求める確認手段を更に備える、請求項1から請求項4のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項6】
コンテンツデータを処理する性能を有する周辺装置と、
前記周辺装置と電気的に接続可能であって、前記周辺装置との間でコンテンツデータの受け渡しが可能であるとともに、少なくとも前記周辺装置の性能を有するデータ処理装置と、を備えるデータ処理システムであって、
前記周辺装置は、
該周辺装置の性能に応じて予め設定される周辺装置の性能情報が格納される記憶手段を有し、
前記データ処理装置は、
コンテンツデータを処理するデータ処理手段と、
前記周辺装置の記憶手段に格納される周辺装置の性能情報を取得する性能情報取得手段
と、
前記性能情報取得手段によって取得される性能情報に基づいて、前記周辺装置の性能情報と前記データ処理装置の記憶手段に格納されるデータ処理装置の性能情報とを比較して、前記周辺装置の性能と前記データ処理装置の性能が対応しているか否かを判断する性能判断手段と、
前記性能判断手段が、前記周辺装置の性能と前記データ処理装置の性能が対応していないと判断した場合、前記データ処理手段におけるコンテンツデータの処理内容を前記周辺装置の性能情報に応じて変更する処理内容変更手段と、
を備えるデータ処理システム。
【請求項7】
コンテンツデータを処理する性能を有するデータ処理装置と接続可能であり、該データ処理装置との間でコンテンツデータの受け渡しが可能であるとともに、前記データ処理装置の性能を上回らない性能を有する周辺装置であって、
該周辺装置の性能と前記データ処理装置の性能が対応していないと前記データ処理装置によって判断された場合において、前記データ処理装置で行われる処理内容を変更する際の基準として用いられ、周辺装置の性能に応じて予め設定される性能情報を有する周辺装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−159167(P2008−159167A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347189(P2006−347189)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】