説明

データ処理装置、結露除去方法及びプログラム

【課題】 より適切なタイミングで結露除去が実行されるようにする。
【解決手段】 データ処理装置は、前記データ処理装置内の結露の除去を実行する指示をユーザから受け付ける受付手段を有し、結露の除去を実行するために必要な条件が満たされているかを判断し、前記条件が満たされていると判断した場合、前記受付手段により受け付ける指示に従って、前記データ処理装置内の結露を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結露除去を実行可能なデータ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
結露除去を行うデータ処理装置がある。
特許文献1では、画像形成装置は、画像形成装置内の結露の有無を判定し、結露があると判定した場合に、結露除去を行う。判定は、画像形成装置内の温度および湿度を検出し、その検出結果に基づいて行う。
また、特許文献2では、ユーザが結露解消モードに移行するかどうかを選択し、結露解消モードに移行することをユーザが選択した場合に、画像形成装置は結露除去を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−122814
【特許文献2】特開2004−144995
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
結露の有無を機械的に判定するだけでは、必ずしも正しいタイミングで結露除去が実行されるとは限らないことから、ユーザが結露除去の実行を指示できることは有用である。
しかしながら、ユーザの指示のみに従って結露除去を実行してしまうと、結露除去を実行するのに望ましくないタイミングで結露除去が行われてしまう場合がある。その場合には、結露が適切に除去されなかったり、データ処理装置で実行中のジョブが邪魔されてしまったりする。
また、結露除去を実行中に、他のジョブを実行し始めてしまうと、結露除去が邪魔されて、結露が正常に終了できないおそれがある。
そこで、本発明では、より適切なタイミングで結露除去が実行されるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るデータ処理装置は、前記データ処理装置内の結露の除去を実行する指示をユーザから受け付ける受付手段と、結露の除去を実行するために必要な条件が満たされているかを判断する判断手段と、前記条件が満たされていると前記判断手段で判断した場合、前記受付手段により受け付ける指示に従って、前記データ処理装置内の結露を除去する結露除去手段を有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るデータ処理装置は、記録紙に印刷をする印刷手段と、結露の除去を実行するよう前記印刷手段に指示する第1の指示手段と、記録紙への印刷をするよう前記印刷手段に指示する第2の指示手段と、を有し、前記印刷手段は、結露の除去を実行するよう指示された後であって、結露の除去を完了する前に、記録紙への印刷をするよう指示された場合には、記録紙への印刷を開始しないようにすることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る結露除去方法は、データ処理装置で実行される結露除去方法であって、前記データ処理装置内の結露の除去を実行する指示をユーザから受け付ける受付ステップと、結露の除去を実行するために必要な条件が満たされているかを判断する判断ステップと、前記条件が満たされていると判断した場合、前記指示に従って、前記データ処理装置内の結露を除去する結露除去ステップを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る結露除去方法は、記録紙に印刷をする印刷手段を有するデータ処理装置で実行される結露除去方法であって、結露の除去を実行するよう前記印刷手段に指示する第1の指示ステップと、記録紙への印刷をするよう前記印刷手段に指示する第2の指示ステップと、を有し、前記印刷手段は、結露の除去を実行するよう指示された後であって、結露の除去を完了する前に、記録紙への印刷をするよう指示された場合には、記録紙への印刷を開始しないようにすることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るプログラムは、上記のような結露除去方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、データ処理装置は、より適切なタイミングで結露除去を実行できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る印刷システムを示すブロック図である。
【図2】画像形成部111の内部構成を示す図である。
【図3】操作部112に表示される結露除去操作画面の一例を示す図である。
【図4】結露除去を実行できるかどうかを判定する判定処理を示すフローチャートである。
【図5】印刷ジョブの実行と結露除去の実行とが競合した場合に実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照して、本発明に係わる実施形態を説明する。ただし、この実施形態はあくまでも例示であり、本発明の範囲がそれらのみに限定されるという趣旨ではない。
【0013】
図1は、本発明に係る印刷システムを示すブロック図である。以下では、本発明に係るデータ処理装置の一例として画像形成装置を説明する。
【0014】
この印刷システムでは、情報処理装置101と画像形成装置102とがネットワーク103を介して接続している。情報処理装置101はデスクトップPC(デスクトップパーソナルコンピュータ)やノートPCなどである。ネットワーク103は有線LAN、インターネット、USBなどである。なお、ネットワーク103は無線LANであってもよい。
【0015】
情報処理装置101はネットワーク通信部104、記憶部105及び制御部106を有する。情報処理装置はその他にキーボード、マウス、ディスプレイなどを備えているが、これらは図1においては省略する。
【0016】
ネットワーク通信部104は画像形成装置102に印刷データを送信し、画像形成装置102から装置情報や印刷結果などを受信する。記憶部105はROM、RAM、HDD(ハードディスクドライブ)などから構成される。記憶部105は印刷ジョブの設定に関する情報(たとえば印刷設定値)や印刷データなどを記憶する。
【0017】
制御部106はCPUによって構成される。CPUが記憶部105に記憶されている制御プログラム、例えば文書作成アプリケーションやプリンタドライバなどを実行して、様々な情報処理を行う。制御部106は記憶部105から印刷データや印刷設定値を読み出して、それらを画像形成装置102に送信するようネットワーク通信部104を制御する。
【0018】
画像形成装置102はネットワーク通信部107、記憶部108、制御部109、画像入力部110、画像形成部111、操作部112を有する。
【0019】
ネットワーク通信部107は情報処理装置101から印刷データや印刷設定値などを受信し、画像形成装置の装置情報や印刷結果などを情報処理装置101に送信する。記憶部108はROM、RAM、HDD(ハードディスクドライブ)などから構成される。記憶部108は、情報処理装置101から受信した印刷データや印刷設定値、画像入力部110で読み取った画像データ、各種プログラム、操作部112に表示される画面情報などを記憶する。
【0020】
制御部109はCPUから構成される。CPUが記憶部108に記憶されている制御プログラムを実行して、画像形成装置102を制御する。制御部109は、操作部112から入力された印刷開始指示に従って印刷ジョブ(例えばコピージョブ)を生成し、画像入力部110で読み取った画像データ(以下、この画像データを含めて印刷データと呼ぶ)を記憶部108に記憶させる。また、制御部109は、情報処理装置101から受信した印刷データに従って印刷ジョブ(例えばPDL(Page Description Languageの略)印刷ジョブ)を生成し、印刷データを記憶部108に記憶させる。制御部109は、生成した印刷ジョブを特定する識別子(ジョブID)を、記憶部108に記憶されているジョブリストに追加する。制御部109は、ジョブリストの順番に従って、記憶部108に記憶されている印刷データを読み出して、印刷データに基づく画像を記録紙上に形成するよう画像形成部111を制御する。印刷ジョブに基づく画像形成が完了すると、制御部109はその印刷ジョブに対応する識別子をジョブリストから消去する。
【0021】
また、制御部109は結露除去処理プログラムを実行し、操作部112から入力された結露除去指示に従って画像形成部111に結露除去要求を送信し、結露除去を実行するよう画像形成部111に指示する。
【0022】
画像入力部110は例えばスキャナであり、画像を読み取って印刷データを生成する。画像形成部111は例えばプリンタエンジンであり、印刷データに基づく画像を記録紙に印刷する。操作部112は例えばタッチパネルなどであり、ユーザからの指示を受け付ける受付手段として機能したり、各種情報を表示する表示手段として機能したりする。
【0023】
図2は画像形成部111の内部構成を示す図である。
【0024】
制御部109は画像形成制御プログラムを実行して、印刷データに基づく画像を記録紙に形成するよう画像形成部111を制御する。その際、制御部109は画像形成部111との間で、印刷データ、制御コマンド、画像形成部111のステータス情報をやり取りする。制御コマンドは給紙要求や結露除去要求などの指示である。
【0025】
画像形成部111は制御部109から給紙要求を受信すると、給紙可能であるかを判定する。給紙可能である場合には、画像形成部111は給紙可能を示すステータス情報を制御部109に送信する。
【0026】
さらに、画像形成部111は印刷データに応じたレーザ光を感光ドラム200に照射して、印刷データに応じた潜像を感光ドラム200上に形成する。現像器201は、現像器201内のトナーを感光ドラム200の潜像部分に付着させる。そして、レーザ光の照射の開始と同期したタイミングで、画像形成部111は、給紙カセット202または203に記録紙を給紙させて、記録紙を中間転写ベルト205へ搬送する。転写部204は感光ドラム200に付着したトナーを中間転写ベルト205に転写する。
【0027】
中間転写ベルト205はトナーを記録紙に転写し、トナーの乗った記録紙を定着部206に搬送し、定着部206は熱と圧力によりトナーを記録紙に定着する。画像形成部111は印刷開始前に定着部206の昇温などの前処理を行い、前処理中のステータスを示すステータス情報を制御部109に送信する。また、画像形成部111は印刷完了後に定着部206の降温などの後処理を行い、後処理のステータスを示すステータス情報を制御部109に送信する。定着部206を通過した記録紙は排紙ローラ207によって排紙トレイ208に排出される。
【0028】
画像形成部111は、記録紙にトナーを転写した後に残ったトナー(廃トナー)を廃トナーボックス209に排出する。
【0029】
印刷ジョブが両面印刷を行うものであった場合、画像形成部111は、第一面に印刷の行われた記録紙を排紙ローラ207まで搬送したあと、排紙ローラ207の回転を逆転させる。すると、記録紙はフラッパ210によって再給紙搬送路211へ導かれ、さらに再給紙搬送路211から転写部204に搬送される。画像形成部111は、第二面への印刷が完了したあと、第二面に印刷の行われた記録紙を排紙ローラ207まで搬送する。排紙ローラ207は両面印刷の行われた記録紙を排紙トレイ208に排出する。
【0030】
給紙が不可能な場合には、画像形成部111は給紙不可能を示すステータス情報を制御部109に送信し、潜像、給紙、搬送、転写、定着に係る動作を行わない。
【0031】
画像形成部111は、上記で説明した画像形成処理を応用して結露除去を行うことができる。制御部109は結露除去要求を画像形成部111に送信する。画像形成部111は結露除去要求を受信した場合、結露除去中を示すステータス情報を制御部109に送信するとともに、下記で説明するような結露除去処理を実行する。
【0032】
結露除去処理では、画像形成部111は結露除去用の画像データに応じた潜像を感光ドラム200上に形成し、現像器201はトナーを感光ドラム200の潜像部分に付着させる。このとき、感光ドラム200上に発生している結露をトナーが吸着して、結露を除去する。
【0033】
このあと、画像形成部111は給紙カセット202及び203に記録紙を給紙させず、中間転写ベルト205を駆動する。すると、トナーが中間転写ベルト205上に転写される。そこで、画像形成部111は、中間転写ベルト205上に転写されたトナーを廃トナーとして廃トナーボックス209に排出する。さらに、画像形成部111は、廃トナーを廃トナーボックス209に排出した後、中間転写ベルト205を空回転させて、画像形成装置102内の温度を上昇させる。これにより、結露がより一層除去される。
【0034】
画像形成部111は結露除去処理を完了した後、結露除去の完了を示すステータス情報を制御部109に送信する。
【0035】
トナーを使用した結露除去では、トナーの消費量や空回転時間が大きいほど、結露除去の効果が高くなる。その反面、トナーの減りが早くなり、結露除去に要する時間が長くなる。そこで、ユーザは、操作部112に表示される設定画面で結露除去レベルを設定できるようにしてもよい。
【0036】
制御部109は、操作部112から入力されたレベル値を記憶部108に記憶させておき、結露除去要求とともにレベル値を画像形成部111に送信する。画像形成部111は制御部109から受信したレベル値に応じたトナー使用量と空回転時間を決定し、決定したトナー使用量と空回転時間とに基づいて結露除去を実行する。つまり、画像形成部111は、決定したトナー使用量に応じたトナーを感光ドラム200に付着させる。また、画像形成部111は、決定した空回転時間の間、中間転写ベルト205を空回転させる。こうすることにより、トナーの使用量及び結露除去に要する時間と結露除去の効果とのバランスをユーザが選択できる。
【0037】
図3は、操作部112に表示される結露除去操作画面の一例を示す図である。
【0038】
操作部112には、結露除去を選択するためのボタンが用意されている。制御部109はそのボタンの押下を検知した場合、操作画面300を操作部112に表示させる。このとき、制御部109は、後述する判定処理を実行して、結露除去を実行できるかどうかを判定し、結露除去を実行できると判定した場合には、開始ボタン301を押下できるようにする。制御部109は開始ボタン301の押下を検知した場合、結露除去要求を画像形成部111に送信するとともに、操作画面310を操作部112に表示させる。
【0039】
制御部109は、結露除去を実行できないと判定した場合には、開始ボタン301をグレーアウト表示して、開始ボタン301の押下を検知しないようにする。制御部109は、戻るボタン302の押下を検知した場合には、操作画面300が表示される前に表示されていた画面を操作部112に表示させる。
【0040】
操作画面310では、結露除去を実行中であることを示す文言を表示する。画像形成部111が結露除去処理を完了した場合には、制御部109は操作画面320を操作部112に表示させる。操作画面320では、結露除去が完了したことを示す文言を表示する。制御部109は戻るボタン321の押下を検知した場合には、操作画面300が表示される前に表示されていた画面を操作部112に表示させる。
【0041】
図4は、結露除去を実行できるかどうかを判定する判定処理を示すフローチャートである。CPUが図4のフローチャートに基づくプログラムを実行することにより、図4のフローチャートに基づく判定処理が行われる。
【0042】
まず、制御部109は、記憶部108に記憶されているジョブリストを読み出して、実行中の印刷ジョブがあるかをジョブリストに基づいて判断する(ステップS401)。印刷ジョブとは、外部の情報処理装置から受信した印刷データに基づくPDL印刷ジョブや操作部112から指示されたコピージョブなどである。実行中のジョブがある場合には、ステップS406に進む。
【0043】
実行中のジョブがない場合には、制御部109は、画像形成部111から受信するステータス情報を監視して、画像形成部111が後処理を実行中であるかをステータス情報に基づいて判断する(ステップS402)。画像形成部111が後処理を実行中であれば、ステップS406に進む。
【0044】
後処理を実行中でなければ、制御部109は、一定量のトナーが画像形成部111に残っているかを判断する(ステップS403)。制御部109は、残っているトナー量を示すステータス情報を画像形成部111から受信可能であり、一定量のトナーが画像形成部111に残っているかをそのステータス情報に基づいて判断する。一定量のトナーが残っていない場合には、ステップS406に進む。
【0045】
一定量のトナーが残っている場合には、制御部109は廃トナーボックス209があるかを判断する(ステップS404)。廃トナーボックス209に蓄積可能な廃トナーの量は有限であるため、ユーザは定期的に廃トナーボックス209を画像形成装置102から取り出し、廃トナーボックス209の中の廃トナーを廃棄しなければならない。そのため、廃トナーボックス209がないことが起こりうる。廃トナーボックス209が格納される領域に備えられたセンサで、廃トナーボックス209が取り出されているかどうかは検知可能である。センサは例えば重さセンサである。廃トナーボックス209がない場合には、ステップS406に進む。
【0046】
廃トナーボックス209がある場合には、制御部109は操作画面300を操作部112に表示させるとともに、図3の開始ボタン301を押下可能にする(ステップS405)。そして、制御部109は開始ボタン301の押下を検知し始める。一方、ステップS406では、制御部109は、操作画面300を操作部112に表示させるものの、開始ボタン301を操作部112にグレーアウト表示させる。この場合には、ユーザは結露除去の開始を指示できない。開始ボタンをグレーアウトすることにより、ユーザは開始ボタンを押下できないことを認識しやすくなる。
【0047】
図4の説明によれば、制御部109は、実行中のジョブがある場合や後処理が実行されている場合には、結露除去要求を画像形成部111に送信しない。しかしながら、制御部109が結露除去要求を画像形成部111に送信した後であって、結露除去中を示すステータス情報を画像形成部111から受信する前に、印刷ジョブが生成されてしまう場合がある。
【0048】
図5は、印刷ジョブの実行と結露除去の実行とが競合した場合に実行する処理を示すフローチャートである。CPUが図5のフローチャートに基づくプログラムを実行することにより、図5のフローチャートに基づく処理が行われる。
【0049】
まず、制御部109は、操作部112から入力された印刷開始指示や情報処理装置101から受信した印刷データに従って印刷ジョブを生成する(ステップS501)。つぎに、制御部109は、印刷ジョブに係る給紙要求を画像形成部111に送信するに先だって、結露除去中であるかを判断する(ステップS502)。
【0050】
画像形成部111に送信した結露除去要求に対する応答として結露除去中を示すステータス情報を受信している場合には、結露除去中であると判断する。その場合には、制御部109は、結露除去の完了を示すステータス情報を画像形成部111から受信するまで待機する。結露除去中を示すステータス情報を受信していない場合、または結露除去の完了を示すステータス情報を受信している場合には、制御部109は、結露除去中ではないと判断する。
【0051】
結露除去中でない場合には、制御部109は給紙要求を画像形成部111に送信し、(ステップS503)。給紙結果を示すステータス情報を画像形成部111から受信する(ステップS504)。給紙結果は給紙の成功または給紙の失敗を示す。さらに、給紙結果が給紙の失敗を示す場合には、給紙結果はその要因も含んでいる。失敗の要因には、給紙カセットに記録紙がない場合、搬送中の記録紙がジャムしている場合、結露除去中である場合などである。なお、給紙の失敗とは、ある要因で給紙そのものを開始できなかったことも含む。図5では、制御部109は結露除去中により給紙が失敗したかどうかに注目する。そのほかの要因に対する動作は図5では省略する。
【0052】
制御部109は、給紙結果に基づいて、結露除去中により給紙が失敗したかどうかを判断する(ステップS505)。給紙が失敗していない場合には、制御部109は、印刷ジョブに基づいて全ページの印刷が完了したかどうかを判断する(S506)。全ページの印刷が完了していない場合には、制御部109は、次のページの印刷のために、再び給紙要求を画像形成部111に送信する。
【0053】
給紙が失敗している場合には、制御部109は、結露除去が完了したかどうかを判断する(ステップS507)。つまり、制御部109は、結露除去の完了を示すステータス情報を画像形成部111から受信するまで待機する。結露除去が完了した場合には、制御部109は再度、印刷ジョブに係る給紙要求を画像形成部111に送信する。
【0054】
図3及び図4の実施例では、結露除去を実行するのに必要な条件が満たされていない場合には、制御部109は開始ボタン301をグレーアウトする。しかしながら、制御部109は、開始ボタン301をグレーアウトする代わりに、開始ボタン301が押下されても結露除去要求を画像形成部111に送信しないようにしてもよい。この場合には、制御部109は、開始ボタン301の押下に応じて、「結露除去を実行することができません」という文言を操作部112に表示させる。
【0055】
図4の実施例では、結露除去を実行するのに必要な条件として4つの条件を例示した。しかしながら、結露除去の方法に応じたそのほかの条件を設けてもよい。例えば、前回結露除去が行われてから一定時間が経過していること、印刷ジョブが実行されてから一定時間が経過していること、などである。これらの条件を設けることにより、結露除去処理が必要以上に行われることを防止できる。
【0056】
このように、印刷ジョブの実行と結露除去の実行とが競合しても、結露除去を阻害することなく印刷ジョブを実行することができる。つまり、結露除去が印刷ジョブによって邪魔されることなく、適切なタイミングで実行される。
【0057】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0058】
101 情報処理装置
102 画像形成装置
103 ネットワーク
104 ネットワーク通信部
105 記憶部
106 制御部
107 ネットワーク通信部
108 記憶部
109 制御部
110 画像入力部
111 画像形成部
112 操作部
200 感光ドラム
201 現像器
202 給紙カセット
203 給紙カセット
204 転写部
205 中間転写ベルト
206 定着部
207 排紙ローラ
208 排紙トレイ
209 廃トナーボックス
210 フラッパ
211 再給紙搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理装置であって、
前記データ処理装置内の結露の除去を実行する指示をユーザから受け付ける受付手段と、
結露の除去を実行するために必要な条件が満たされているかを判断する判断手段と、
前記条件が満たされていると前記判断手段で判断した場合、前記受付手段により受け付ける指示に従って、前記データ処理装置内の結露を除去する結露除去手段を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記受付手段は、前記条件が満たされていると前記判断手段で判断した場合、前記指示を受け付け可能にすることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記条件とは実行中のジョブがないこと、であることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記結露除去手段は、トナーで結露を吸着することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記条件とは一定量のトナーが残っていること、であることを特徴とする請求項4に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
結露を吸着するために使われたトナーを蓄積する、前記データ処理装置から取り出し可能な蓄積手段をさらに有し、
前記条件とは前記蓄積手段があること、であることを特徴とする請求項4に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記受付手段は、結露の除去の実行を指示するためのボタンを表示し、
前記条件が満たされていると前記判断手段で判断した場合は、前記受付手段は、前記ボタンを押下できることをユーザが認識できるように前記ボタンを表示し、
前記条件が満たされていないと前記判断手段で判断した場合は、前記受付手段は、前記ボタンを押下できないことをユーザが認識できるように前記ボタンを表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
データ処理装置であって、
記録紙に印刷をする印刷手段と、
結露の除去を実行するよう前記印刷手段に指示する第1の指示手段と、
記録紙への印刷をするよう前記印刷手段に指示する第2の指示手段と、を有し、
前記印刷手段は、結露の除去を実行するよう指示された後であって、結露の除去を完了する前に、記録紙への印刷をするよう指示された場合には、記録紙への印刷を開始しないようにすることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項9】
前記印刷手段は、結露の除去を実行するよう指示された後であって、結露の除去を完了する前に、記録紙への印刷をするよう指示された場合には、記録紙への印刷を開始できないことを示す情報を前記第2の指示手段に送信し、
前記印刷手段は、結露の除去を完了した場合には、結露の除去を完了したことを示す情報を前記第2の指示手段に送信し、
前記第2の指示手段は、録紙への印刷を開始できないことを示す情報を受信した場合には、結露の除去の完了を示す情報を受信した後に、再度、記録紙への印刷をするよう前記印刷手段に指示することを特徴とする請求項8に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
データ処理装置で実行される結露除去方法であって、
前記データ処理装置内の結露の除去を実行する指示をユーザから受け付ける受付ステップと、
結露の除去を実行するために必要な条件が満たされているかを判断する判断ステップと、
前記条件が満たされていると判断した場合、前記指示に従って、前記データ処理装置内の結露を除去する結露除去ステップを有することを特徴とする結露除去方法。
【請求項11】
記録紙に印刷をする印刷手段を有するデータ処理装置で実行される結露除去方法であって、
結露の除去を実行するよう前記印刷手段に指示する第1の指示ステップと、
記録紙への印刷をするよう前記印刷手段に指示する第2の指示ステップと、を有し、
前記印刷手段は、結露の除去を実行するよう指示された後であって、結露の除去を完了する前に、記録紙への印刷をするよう指示された場合には、記録紙への印刷を開始しないようにすることを特徴とする結露除去方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載の結露除去方法をコンピュータに実行させる、前記コンピュータにより読み取り可能なプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−93718(P2012−93718A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199409(P2011−199409)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】