説明

データ処理装置

【課題】データベース構築のために必要な種々のコストを低減する。
【解決手段】任意の記録媒体に記録された会話文からなるデータを表示する表示手段と、上記表示手段によって表示されたデータのうち、ユーザが任意に指定した全部又は一部のデータを取り込み、前記取り込まれた会話文からなるデータの会話の類型を示す属性情報を上記表示手段に表示するとともに、当該表示手段に表示された会話の類型を示す属性情報の中から少なくとも1つの属性情報をユーザが指定して上記取り込まれた会話文からなるデータに付加する付加手段と、上記付加手段によって属性情報が付加されたデータを、当該データに付加された会話の類型を示す属性情報とともに記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶された会話の類型を示す属性情報に基づいて、一連の会話を成立させる会話出力手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の記録媒体に記録されたデータを整理して収集する装置を利用したデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、データベースに記憶されたデータに基づいて種々の情報処理を行う装置が知られている。例えば、コンピュータを用いた学習装置では、多くの問題とその解答とをデータベースに記録し、その中からある問題を出題し、解答の正否を判断するものが知られている。また、コンピュータゲームの一分野である所謂シミュレーション・ロール・プレイング・ゲームでは、プレーヤである主人公とそれ以外の登場人物とが会話をし、ストーリーが展開するものがあるが、その会話は、データベースに記録されたものの中から、その状況に応じて適宜選択されるものが知られている。さらに、新聞や雑誌等の情報を電子化してデータベースに記録させ、種々の条件に適合するものを検索する装置も知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらの装置においては、そのデータベースを構築するのに手間と時間とがかかり、それがデータベースを用いて情報処理を行う装置の大きな問題となっている。例えば、学習装置の場合には問題及びその解答となるデータを作成、入力し、それらに学習分野や難易度、得点等を示す属性情報を付加してデータベースに登録することが必要であるが、良質の問題を作成するのには大変な手間がかかり、開発に時間とコストがかかる。
【0004】
その一方で、今日では光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク等の大容量記録媒体の発達に伴い、電子辞書等のように大量の有用な情報を記録した記録媒体がパッケージメディアとして市場に流通している。また、インタネット等のコンピュータネットワークの発達によって、様々な情報に容易にアクセス可能となっている。
【0005】
本発明は上記問題、状況に鑑みてなされたものであり、その目的とすることろは、容易にアクセス可能な豊富かつ良質のデータを利用し、データベース構築のために必要な種々のコストを低減することができるデータ収集装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そのデータ収集装置を利用したデータ処理装置を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、任意の記録媒体に記録された会話文からなるデータを表示する表示手段と、
上記表示手段によって表示されたデータのうち、ユーザが任意に指定した全部又は一部のデータを取り込み、前記取り込まれた会話文からなるデータの会話の類型を示す属性情報を上記表示手段に表示するとともに、当該表示手段に表示された会話の類型を示す属性情報の中から少なくとも1つの属性情報をユーザが指定して上記取り込まれた会話文からなるデータに付加する付加手段と、
上記付加手段によって属性情報が付加されたデータを、当該データに付加された会話の類型を示す属性情報とともに記憶する記憶手段と、
上記記憶手段に記憶された会話の類型を示す属性情報に基づいて、一連の会話を成立させる会話出力手段とを有する会話生成用データ処理装置である。
【0007】
図1は、本発明の概念を図面を用いて説明するものである。ここで、記録媒体とは、一定の事項のデータを電子的に確実に保存することができるものをいい、図1ではその一例として光ディスクが描かれているが、その他にも光磁気ディスク、磁気ディスク、磁気テープ等の任意の記録媒体を使用することができる。
【0008】
また、表示手段とは、その記録媒体に記録されたデータをユーザが認識できるように表示するものである。例えば、このデータ収集装置が図2(a)に描くようなパーソナルコンピュータ上で実現される場合には、その表示手段とは、CD−ROM中のデータをディスプレイ上に表示するCDビューア等が該当する。その他にも、ハードディスクやフロッピー(登録商標)ディスク等の記憶媒体に記録された文字、記号、文章、静止画像、動画像、音声等のデータを表示するものであれば、エディタ、ワープロ、ペイント、ドロウ、表計算、データベース、オーサリングツール等の各種のソフトウェアが該当する。
【0009】
また、この表示手段が通信回線を介してデータの受信が可能な通信部を有する場合には、このデータ収集装置から物理的に離れた場所にある記録媒体のデータを通信回線の介して表示することができる。例えば、表示手段が通信部を備え、図3(b)に示すようなインタネットを介して得られるデータをディスプレイ上に表示するインタネットブラウザである場合には、図2(b)のようにインタネットに接続されたパーソナルコンピュータ(データ収集装置)は他のWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)サーバのハードディスク(任意の記録媒体)からのデータをディスプレイ画面に表示させることができる。勿論、この通信回線はインタネットの他にも、イントラネット、パソコン通信、及び各種のLAN、WANであってもよい。また、有線の場合でも無線の場合でもよい。
【0010】
また、図2では何れもパーソナルコンピュータをその例として描いているが、本発明にかかるデータ収集装置及びそれを利用したデータ処理装置はワークステーション等の電子計算機、家庭用ゲーム機等で実現してもよいし、専用機で実現するものでもよい。
【0011】
付加手段は、表示手段によって表示されたデータの全部又は一部にその属性を示す属性情報を付加するものである。付加する属性は、そのデータの特徴を表すものであり、後にそのデータを利用しやすくするものである。また、その属性はデータ収集装置において明らかでないもので、ユーザが判断して指定するものである。例えば、ニュース記事のデータにおいて、データ収集装置はそのデータがテキスト形式であることは認識することはできるが、その記事の内容までは認識できない。このような属性(記事の内容)をユーザが指定することによって、データの利用のし易さを飛躍的に高めることができる。
【0012】
また、記憶手段は一定の事項のデータとその属性情報とを電子的に確実に保存することができるものをいい、図1ではその一例としてハードディスクが描かれているが、その他にも主記憶、光磁気ディスク、磁気ディスク、磁気テープ等の任意の記憶手段を使用することができる。
【0013】
図4は、本発明にかかるデータ収集装置及びそれを利用したデータ処理装置の使用の仕方を説明するフローチャートである。図4のS1〜S4までがデータを収集する工程、S5がそれらのデータを利用する工程である。まず、任意の記録媒体に記録されたデータを表示手段によってユーザに表示する(S1)。表示されたデータのうち、必要な部分ををユーザが指定し(S2)、ユーザが指定したデータにそのデータの特徴を示す属性情報を付加する(S3)。そして、その属性情報が付加されたデータを記憶手段に記憶する(S4)。これでデータの収集は終了する。
【0014】
次に、付加された属性情報に基づいてデータの処理を行うものであるが(S5)、このデータの処理は目的に応じてどのようなものであってもよい。なお、図4のS2の手順は必ずしも必要ではなく、S5の手順はデータ収集装置としては不要である。
【0015】
例えば、第一に上記任意の記録媒体に記録されたデータが学習に関するものであり、上記付加手段は設問を示す属性情報を第一のデータに付加するとともに、その解答を示す属性情報を第二のデータに付加するデータ収集装置を有する場合には、そのデータ処理装置は上記記憶手段に記憶された属性情報に基づいて設問を出題する出題手段を備えることにより、上記データ処理装置は学習用データ処理装置として機能する。すなわち、容易に入手することができる豊富で良質のデータを利用して、そのデータに属性情報を付加して記憶しておくことで設問とその解答とを作成し、それを出題する学習用データ処理装置を提供することができる。
【0016】
さらに、上記付加手段が上記設問の分野及び/又は難易度を示す属性を上記設問のデータに付加することもできる。分野を示す属性を付加する場合には、ユーザの所望する学習分野の設問を出題することができるとともに、択一式の問題では正解と類似した分野の選択肢(解答候補)をユーザに提示することができるので、ユーザの知識をより正確に試すことができる。難易度を示す属性を付加する場合には、ユーザの学習到達度に応じた出題を行うことができる。
【0017】
第二に、上記任意の記録媒体に記録されたデータが過去に出題された試験設問を含むものであり、上記付加手段は試験設問の出題主体及び分野を示す属性情報をそのデータに付加するデータ収集装置を有する場合には、上記記憶手段に記憶された属性情報に基づいて出題傾向を分析する分析手段を備えることにより、上記データ処理装置は学習用データ処理装置として機能する。すなわち、試験設問を利用して、そのデータに属性情報を付加して記憶しておくことで、出題主体毎の、また分野毎の出題傾向を分析し、それをユーザに表示することができる学習用データ処理装置を提供することができる。
【0018】
さらに、上記任意の記録媒体に記録されたデータが過去に出題されていない演習設問を含むものであり、上記付加手段は演習設問の分野を示す属性情報をそのデータに付加し、上記分析手段によって分析された出題傾向とその付加された属性情報とに基づいて演習設問及び/又は試験設問の中から出題予想設問を出題する予想出題手段とを具えることもできる。このような構成とすれば、分析手段によって分析された出題主体毎の出題傾向に沿った分野の設問をユーザに出題することができる。なお、出題主体とは、あらゆる試験設問を出題する主体をいい、例えば試験設問が高校受験の設問である場合には、その高校をいい、試験委員が公表されて明らかな場合は、その試験委員としてもよい。また、出題主体が単一の場合には、その属性情報を省いてもよい。
【0019】
第三に、上記任意の記録媒体に記録されたデータが会話文を含むものであり、上記付加手段は会話の類型を示す属性情報をそのデータに付加するデータ収集装置を有する場合には、上記記憶手段に記録された属性情報に基づいて一連の会話を成立させる会話出力手段を備えることにより、上記データ処理装置は会話生成用データ処理装置として機能する。すなわち、容易に入手することができる豊富で良質の会話文のデータを利用して、そのデータに属性情報を付加して記憶しておくことで、一連の会話を自動的に成立させることができる会話生成用データ処理装置を提供することができる。また、この会話生成用データ処理装置を複数のキャラクターが対話をしながらストーリーが展開するコンピュータゲームの一分野であるシミュレーションン・ロール・プレイング・ゲームに適用すると、非常にバラエティに富んだキャラクタ同士の会話を容易に実現することができる。
【0020】
さらに、上記付加手段が会話主体の特徴を示す属性を上記会話のデータに付加することもできる。このような構成とすれば、より会話主体の特徴に沿った会話を出力することができる。ここで、会話の類型とは、人の発言をその状況毎に分類し、まとめたものである。例えば、平常文、疑問文、感嘆文等、また同じ疑問文でも何を尋ねているかによって分類してまとめたものをいう。また、会話主体の特徴を示す属性とは、同じ類型の会話においても、会話に影響を与える会話主体の特性をいう。例えば、男性と女性とによって、同一の類型の会話でも言い方が異なる場合もあり、その場合には男性か女性かが会話主体の特徴を示す属性となる。この他にも、例えば会話主体の年齢、性格、住んでいる地方(方言)、職業等もこの属性と成り得る。したがって、会話主体の特徴を示す属性を付加することによって、例えば、男性らしい言葉づかい、年配らしい言葉づかいの会話を出力することができる。
【0021】
第四に、上記任意の記録媒体に記録されたデータがニュースに関するものであり、上記付加手段はそのデータの分野を示す属性をそのデータに付加するデータ収集装置を有する場合には、上記記憶手段に記憶された属性情報に基づいてあるニュースを検索する検索手段を備えることによって、上記データ処理装置はニュース検索用データ処理装置として機能する。すなわち、容易に得ることができ豊富で良質のニュースデータを利用して、そのデータに属性情報を付加して記憶しておくことで、高速で、しかも分野毎の検索が可能なニュース検索用データ処理装置を提供することができる。
【0022】
つまり、本発明によれば、後のデータ処理(図4S5)において利用しやすい属性情報を図4S3においてデータに付加することにより、容易に得ることができるデータを飛躍的に利用しやすく有用なものとして記憶することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上詳細に説明したように、請求項1にかかる発明によれば、会話のデータにその類型を示す属性情報を付加して記憶しておくことで、豊富で質の高い会話文をそのまま利用して会話を自動的に成立させることができる。
【0024】
請求項2にかかる発明によれば、会話のデータにその会話主体の特徴を示す属性情報を付加して記憶しておくことで、性別、年齢等に応じた会話を自動的に成立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を説明する。
参考実施例1
本参考実施例にかかる学習用データ処理装置は、CD−ROM40(任意の記録媒体4)に記録された学習に関するデータを表示する表示手段1と、表示手段1によって表示されたあるデータに設問を示す属性情報、その設問の分野及び難易度を示す属性情報を付加するとともに、他のデータにその解答を示す属性情報を付加する付加手段22と、属性情報が付加されたデータが記憶される磁気ディスク30(記憶手段33)とを備えるデータ収集装置と、上記磁気ディスク30に記憶された属性情報に基づいて設問を出題する出題手段55とを有するものである。
【0026】
図5は、本参考実施例にかかる学習用データ処理装置の構成をブロック図を用いて説明するものである。この学習用データ処理装置は、プログラム領域及び作業領域とからなる主記憶と、各種の演算制御を行うCPUと、プログラム及びデータが格納される磁気ディスクと、学習に関するデータが記録されているCD−ROMと、通信回線を介したデータの送受信を可能とする通信制御装置と、プリンタ、スピーカ、ディスプレイ等の出力装置、キーボード、マウス等の入力装置、これら出力装置及び入力装置を制御するI/O制御回路とからなり、それぞれはバスによって相互に接続されている。
【0027】
磁気ディスクには、表示手段1、付加手段2、出題手段5がそれぞれ制御プログラムとして格納されている。これらの制御プログラムは主記憶のプログラム領域にロードされ、その制御プログラムに応じてCPUは主記憶の作業領域のデータを処理する。また、主記憶の作業領域でデータの処理を行ったのちのデータは最終的にはこの磁気ディスクに格納され、保存される。
【0028】
まず、データ収集の動作について説明する(図4S1〜4参照)。図6は学習に関するデータがディスプレイに表示された状態を示している(図4S1参照)。ウインドウ11Wには表示手段1によってCD−ROMに記録されている学習に関するデータが表示されている。ここでは、著名な作曲家に関するデータが文章、肖像画の静止画像、作品の音声の各データ形式で表示されている。別のウインドウ21Wは指定されたデータを取り込み、また属性情報を付加するためのウインドウである。
【0029】
次に表示されたデータの一部の範囲を指定する(図4S2参照)。ここでは、ユーザがマウスをドラッグ操作することによってウインドウ11W上の一部、すなわち斜線部Aの作曲家名「ショパン」を指定する。そして、ウインドウ21WのAボタンをユーザがマウスによって押すと、ウインドウ21WのフォールドAにテキストデータ「ショパン」が取り込まれ、ウインドウ21Wは図7(a)のような状態となる。
【0030】
同時に、図8(a)に示すような新たなウインドウ22Wが画面上に現れ、指定されたデータ(「ショパン」)に属性情報を付加する(図4S3参照)。ここでは、属性情報として分野と難易度とを入力する。分野の入力は、ユーザがマウスを操作して、ウインドウ22Wの「分野」をプルダウンし、指定したデータ「ショパン」に相応しい分野をその属性として付加する。ここでは、分野を示す属性情報を3桁の数字で表現している。百の位の大分類で「音楽」、十の位の分類で「西洋音楽」、さらに一の位の分類で「ロマン派」をぞれぞれ選択する(図8(b))。次に、難易度としてやや易しいことを示す「2」を選択する。なお、指定したデータの分野は細かく設定すれば後のデータ処理、すなわち出題の段階できめ細かい要望に応じた出題ができる。一方、分野を大まかに設定すれば属性情報を付加する手間が省ける。したがって、これらを比較考慮して分野の細かさを設定することが望ましい。
【0031】
次に、「ショパン」に対してその解答となるデータをウインドウ11Wから指定する。ここでは、ウインドウ11Wの斜線部Bに存在する、彼の有名な作品の名「幻想ポロネ−ズ」をユーザがマウスをドラッグ操作することによって指定する。そして、ウインドウ21WのBボタンを押すと、図7のフォールドBにテキストデータ「ショパン」が取り込まれ、ウインドウ21Wは図7(b)のような状態となる。なお、作曲家名「ショパン」を指定した際にその分類及び難易度を選択したため、今回はこれらを選択する必要はない。
【0032】
ウインドウ22Wのボタン「登録」をユーザが押すことによって、属性情報(「分野」及び「難易度」)が付加されたデータ(「ショパン」,「幻想ポロネ−ズ」)が記憶手段3に記憶される(図4S4参照)。
【0033】
図9は、このようにして記憶手段3に記憶されたデータ群の様子を模式的に示すものである。ここで、先に説明したデータD2i-1「ショパン」及びD2i「幻想ポロネーズ」は属性情報2としてその分野を示す「123」、属性情報3としてその難易度を示す「2」が付加された状態で記憶されていることが分かる。また、この他にも多くのデータ(D1 〜D2n)が属性情報とともに記憶されていることが分かる。
【0034】
次に、属性情報に基づいて出題手段5がデータの処理を行う工程を説明する(図4S5参照)。
【0035】
図10は、本参考実施例にかかるデータ処理の工程を詳細に説明するものである。まず、記憶手段3に記憶されたデータの中から出題する設問を選択する(S510)。この選択は出題手段5がランダムに行ってもよいが、ユーザが指定する分野の問題を出題するものであってもよい。例えば、ユーザが「音楽」の分野の問題を望む場合には、属性情報2の百の位が「1」のものから、また「西洋音楽」の分野の問題を望む場合には、属性情報2の十の位が「2」のものから、さらに「ロマン派」の分野の問題を望む場合には、属性情報2の一の位が「3」のものから選択すればよい。また、最初は難易度(属性情報3)の低い問題を選択し、徐々に難易度の高い問題を選択するものでもよいし、ユーザ自身が指定する難易度の問題を選択するものでもよい。
【0036】
次に出題の形式が択一式か記述式かをユーザが選択する(S511)。ここで択一式、例えば三択問題を選択する場合には、正解の他に2つの解答候補(誤答)を選択する必要がある(S512)。この解答候補は、データ群の中から出題手段5がランダムに選択することもできるが、正解とその分野の近似したものを選択することが望ましい。すなわち、全く異なる分野の解答候補が選択されると、ユーザの知識が曖昧でも正解が得られやすく、学習効果が高まらないためである。例えば、作曲家「ショパン」の曲名を択一形式で答える場合に、音楽とは関係のない著名な絵画名「モナリザ」や著作名「老人と海」が解答候補として選択されると、ユーザは容易にそれが誤答であると見破ってしまい、ほとんど問題演習の意味をなさないため、正解の属性情報2と近似する属性情報2を付加された解答候補を選択することが望ましい。
【0037】
次に設問を出題する(S513)。図11(a)は択一式の場合の設問のウインドウ51Wを示したものである。設問としては記憶手段3に記憶されているデータD2i-1(ショパン)が、その解答としては対のデータD2i(幻想ポロネーズ)が選択され、解答候補としては同じ属性情報2(123)を有する、すなわち同じ「音楽−西洋音楽−ロマン派」に属する「謝肉際」及び「ワルキューレ」が選択されている。ユーザが答えを入力する場合には、それぞれに割り当てられた数字(1〜3のいずれか)をキーボードから入力するか、マウスによってこれらをクリックすることにより行う(S514)。
【0038】
一方、図11(b)は記述式の場合の設問のウインドウ52Wを示したものである。設問としては記憶手段3に記憶されているデータD2i(幻想ポロネーズ)が選択されている。ユーザはフィールド52Wfにキーボードから文字列を入力することによって答えを入力する(S514)。
【0039】
次に、入力された答えの正否を判断する(S515)。これは設問となっているデータの対のデータがユーザによって選択又は入力されたか否かによって判断する。ここで、対のデータが選択又は入力されなかった場合には誤りである旨を、選択又は入力された場合には正解である旨をそれぞれディスプレイに表示する(S516,S517)。
【0040】
次に出題を続けるか否かをユーザに問い(S519)、続ける場合にはS510へ移り、続けない場合には終了する。なお、本実施例ではデータとして問題とその解答と成りえるものとして、二種類を一組として属性情報を付加し、記憶手段に記憶するものであるが(図9参照)、例えば、3種類以上のデータを一組とするものでもよい。例えば、図9にデータD2i-1、D2i、の隣にショパンのより詳細な説明文のテキストデータをデータD2i+1として記憶するものであってもよい。その場合には、これら三種類の中から問題と解答とを出題手段が適宜選択する。
【0041】
さらに、本参考実施例の変形例1〜3により本発明の他の実施態様を説明する。
【0042】
変形例1
図12は、本変形例にかかる学習用データ処理装置の記憶手段3に記憶されたデータ群の様子を模式的に示すものである。ここで、実施例1とは異なり、図7に示すウインドウ21WのフィールドA及びBから登録したデータがそれぞれ独立に記憶されている。したがって、図4S4において、フィールドBからデータを登録する際にも分野及び難易度を付加することができる。例えば、データDi 「ショパン」とデータDi+1 「幻想ポロネーズ」とにそれぞれ分野及び難易度を設定することができ、ここでは難易度を独立に設定している。
【0043】
これによって、例えば「ショパン」を答えるのは難しいが、「幻想ポロネーズ」を答えるのは容易である等、きめの細かい難易度設定が可能となる。一方、このように独立してデータを保存する場合には、設問とその解答という関係を示すための属性情報1が必要となり、この関係を同じ属性情報1を有することで表している。例えば、「ショパン」と「幻想ポロネーズ」とは同じ属性情報1「k」を有している。なお、この属性情報1はウインドウ21WのフィールドA,Bから登録されるデータに同じ数字等を付することによって実現するとができる。
【0044】
変形例2
図13は、本変形例にかかる学習用データ処理装置の記憶手段3に記憶されたデータ群の様子を模式的に示すものである。ここで、実施例1とは異なり、それぞれのデータにそのデータ形式を示す属性が付加されている。このような属性を付加することによって、図10S510において、出題する設問を選択する際に、例えば、音楽を聴いてそれに関連する事象(例えばその作曲家)を答える問題を出題することもできる。図14はそのような場合の設問のウインドウ53Wを示したものである。ユーザはマウスを操作することにより、音声データを再生させ、その作曲家を3つの選択肢の中から選択する。なお、このようなデータの形式を示す属性を付加することはパーソナルコンピュータ等のファイル整理等に於いて従来から行われている手法を用いることができる。
【0045】
変形例3
図15は、本変形例にかかる学習用データ処理装置の記憶手段3に記憶されたデータ群の様子を模式的に示すものである。ここで、実施例1とは異なり、それぞれのデータにその正答率を示す属性が付加されている。このような属性を付加することによって、図10S510において、出題する設問を選択する際に、例えば、正答率の低い設問を出題することもできる。
【0046】
まず、初期状態のデータ群は図15(a)に示すように、データに付加されている正答率を示す属性はすべて「0/0」である。ユーザがこの学習用データ処理装置を利用する際に、図10S516又はS517のステップの後、S519のステップの前に、ステップS518として正答率を変更するステップを追加して、ユーザがその設問を正解した場合には、正答率の分母及び分子に1を足し、誤答の場合には分母のみに1を足すことによって、ユーザの正答率をデータに付加することができる。そのようにして得られた正答率を図15(b)に示した。例えば、データ「ショパン」の正答率「1/2」は2回出題され、1回正解していることを示している。
【0047】
参考実施例2
本参考実施例にかかる学習用データ処理装置は、CD−ROM(任意の記録媒体4)には、データとして過去に出題された試験設問及び出題されていない演習設問とが記録されており、その記録されたそのデータを表示する表示手段1と、表示手段1によって表示された試験設問のデータには出題校(出題主体)、出題年、分野、難易度を示す属性情報を、演習設問のデータにはその分野、難易度を示す属性情報を付加する付加手段2と、属性情報を付加されたデータが記憶される磁気ディスクとを備えるデータ収集装置と、試験設問に付加された属性情報に基づいて出題傾向を分析する分析手段6と、その分析された出題傾向と演習設問データの属性情報とに基づいて演習設問の中から出題予想設問を出題する予想出題手段7とを有するものである。
【0048】
この学習用データ処理装置の構成は、実施例1において説明したものと略同様であるが、分析手段6及び予想出題手段7を磁気ディスク内に制御プログラムとして格納されている点が異なる。
【0049】
まず、データ収集の動作について説明する(図4S1〜4)。図16は試験設問と演習設問とが混在したデータがディスプレイに表示された状態を示している(図4S1参照)。ウインドウ12Wには表示手段1によってCD−ROMに記録されている試験設問と演習設問とのデータが表示されている。ここでは、中学生レベルの数学の問題が並べて表示されている。別のウインドウ23Wは、指定されたデータを取り込み、また属性情報を付加するためのウインドウである。
【0050】
次に表示されたデータの一部の範囲を指定する(図4S2参照)。図17(a)に示すように、最初はウインドウ23Wのフォールド23Wfには何も取り込まれていない。ここでは、ユーザがマウスをドラッグ操作することによってウインドウ12W上の一部、すなわち斜線部Cの試験設問、例えばA校で1996年の試験に出題された二次関数の問題を指定する。さらに、ウインドウ23Wの登録ボタンをユーザがマウスによって押すと、ウインドウ23Wのフォールド23Wfにテキストデータ「y=x2 +2x−3のグラフを描き……」が取り込まれ、ウインドウ23Wは図17(b)のような状態となる。
【0051】
同時に、図18(a)に示すような新たなウインドウ24Wが画面上に現れ、指定された試験設問のデータに属性情報を付加する(図4S3参照)。ここでは、属性情報として出題校、出題年、分野、難易度を付加する。これは、ユーザがマウスを操作し、ウインドウ24Wの「過去に出題されたか」:はい、「出題校」:A校、「出題年」:96年、「難易度」:3のラジオボタンをクリックして指定する。また、「分野」をプルダウンすると図18(b)のようなメニューが現れるので、指定したデータに相応しい分野をその属性として付加する。ここでは、分野として「10二次関数」を付加する。
【0052】
再びウインドウ23Wのボタン「登録」をユーザが押すことによって、属性情報(「出題校」「出題年」「分野」「難易度」)が付加されたデータ(「y=x2 +2x−3のグラフを……」)が記憶手段3に記憶される(図4S4参照)。
【0053】
また、過去に出題されていない演習問題の属性情報を付加する際には、ウインドウ24Wの「過去に出題されたか」のラジオボタンの「いいえ」をクリックすることにより、「出題校」及び「出題年」のラジオボタンはノンアクティブとなり、選択できなくなる。その場合には「分野」及び「難易度」の属性のみを付加して登録する。
【0054】
図19は、このようにして記憶手段3に記憶されたデータ群の様子を模式的に示すものである。ここで、先に説明したデータ「y=x2 +2x−3のグラフを……」は属性情報1として過去に出題されたことを示す「1」、属性情報2として出題校:A校を示す「1」、属性情報3として出題年:1996年を示す「8」、属性情報4として分野:二次関数を示す「10」、属性情報5として難易度:普通を示す「3」が付加された状態で記憶されていることが分かる。また、この他にも多くの試験設問及び演習設問のデータ(D1〜Dn)が属性情報とともに記憶されていることが分かる。
【0055】
次に、属性情報に基づいて分析手段6及び予想出題手段7がデータの処理を行う工程を説明する(図4S5参照)。
【0056】
図20は、本実施例にかかるデータ処理のうち、分析手段6による工程を詳細に説明するものである。まず、S520において特定の学校の傾向を分析するか否かをユーザが選択する。ここで、特定の学校の傾向を分析する場合には、その学校をユーザーが入力し(S521)、その学校の過去に出題された問題を抽出する(S522)。なお、特定の学校として例えばA校の傾向を分析する場合には、図18の属性情報2がA校を示す「1」のものを抽出すればよい。一方、S520において全体の学校の傾向を分析する場合には、全ての過去に出題された設問を抽出する(S523)。なお、この場合には、図18の属性情報1が過去に出題されたことを示す「1」の設問を抽出するか、属性情報2及び属性情報3に何らかの数値が登録されている設問を抽出すればよい。
【0057】
次に、ユーザの知りたい属性を入力する(S524)。例えば、A校で出題された設問の分野毎の出題数を入力した場合を説明する。すると、磁気ディスクに記憶されたデータの内、ある年に出題された分野毎にその出題数がカウントされる。これは、図18の属性情報2が「1」であるもののうち、属性情報4が「1」〜「16」であるものの数をそれぞれについてカウントすることによって行うことができる。それを数年分、ここでは1994年〜98年にかけて行ない、それをグラフに表示する(S525)。
【0058】
図21は、A校の1994年〜98年に出題された設問の分野毎の出題数を示したグラフである。このようなグラフが表示されることによって、例えば分野「四辺形」は全く出題されていないことや、分野「三角形」は頻繁に出題されていることが容易に分かる。
【0059】
図22は、本参考実施例にかかるデータ処理のうち、予想出題手段7による工程を詳細に説明するものである。まず、S530において、ユーザの志望校を入力する。入力された志望校が複数か否かを判断し(S531)、単数の場合にはその志望校の出題傾向を分析する。これは、前記分性手段によって分野ごと出題数を分析することによって行う。例えば、A校の過去3年分の試験問題の分野別出題数は図23(a)であったとする。また、同様にB校のそれも図23(b)のようにまとめられたとする。一方、志望校が複数、例えばA校とB校とを併願する場合には、A校とB校との過去3年分の試験問題の分野別出題数を平均した図23(c)を前記分析手段6によって分析する(S532)。
【0060】
次に、S534において、その分析結果に基づいて、演習設問から志望校に出題傾向に沿った設問を出題する。例えば、ユーザがA校を志望していいる場合には、図23(a)に示した分析結果に倣った分野の演習設問を出題する。つまり、記憶手段3に記憶された演習設問の中から属性情報4が「1」のものは全く出題せず、逆に属性情報4が「4」のものは8題も出題する。その他の分野も同様である。同様に、ユーザがA校とB校と併願する場合には、図23(c)に示した分析結果に倣って出題する。なお、平均した際の小数点は繰上げ又は繰下げで対応することができる。このように出題される演習設問を演習することによって、ユーザは自己の志望校の出題傾向にあった学習を効率よくすることができる。
【0061】
なお、本参考実施例では併願の場合には分析手段6は、単純に分野別出題数を平均して出題傾向としたが、例えばA校が本命で、B校は滑り止めの場合等、複数の志望校間で志望度合いが異なる場合は、それに応じて重み付き平均演算によって出題傾向としてもよい。また、本実施例では予想出題手段7が出題する問題は演習設問から選択したものであるが、例えば試験設問から選択するものでもよいし、演習設問と試験設問とから選択するものであってもよい。
【0062】
さらに、本参考実施例の変形例1、2により本発明の他の実施態様を説明する。
【0063】
変形例1
実施例2とは異なり、設問の分野を階層的に構成するものであってもよい。図24は、図18(b)において分野を示す属性情報を選択するプルダウンメニューの変形例を示すものである。このプルダウンメニューでは、設問の分野を「式の計算」と「グラフと図形」という大項目、それぞれを構成する小項目(「正負の数」等)とから構成されている。このように、設問の分野を階層的に構成することによって、出題傾向を大局的に分析することができる。例えば、A校は比較的「式の計算」が多く出題され、「グラフと図形」はあまり出題されていない等を容易に知ることができる。また、予想出題にも利用することもできる。例えば、B校は比較的「グラフと図形」とが多く出題されているのに対し、その小項目である「合同」はほとんど出題されていないため、近々「合同」が出題されることが予想され、その分野の問題を予想問題をして出題することもできる。
【0064】
変形例2
図25は、本変形例にかかる学習用データ処理装置の記憶手段3に記憶されたデータ群の様子を模式的に示すものである。これは、実施例1の変形例2と同様に、それぞれのデータにその正答率を示す属性が付加されている。このような属性を付加することによって、図22S534において、出題する設問を選択する際に、正答率も加味して出題することもできる。
【0065】
実施例1
本実施例にかかる会話生成用データ処理装置は、CD−ROM(任意の記録媒体4)には、データとして会話文が記録されており、その記録されたそのデータを表示する表示手段1と、表示手段1によって表示された会話のデータにはその類型、得点を示す属性情報を付加する付加手段2と、属性情報を付加されたデータが記憶される記憶手段3とを備えるデータ収集装置と、付加された属性情報に基づいて一連の会話を成立させる会話出力手段8とを有するものである。
【0066】
この学習用データ処理装置の構成は、参考実施例1において説明したものと略同様であるが、会話出力手段8が磁気ディスク内に制御プログラムとして格納されている点が異なる。なお、得点を示す属性を付加するのは、この会話生成用データ処理装置が対話式のコンピュータゲームに適用する場合を考慮したものである。
【0067】
まず、データ収集の動作について説明する(図4S1〜S4参照)。図26は会話文を含む文章がディスプレイに表示された状態を示している(図4S1参照)。ウインドウ13Wには表示手段1によってCD−ROMに記録されている会話文を含む文章データが表示されている。ここでは、ある小説の一部が表示されている。別のウインドウ25Wは、指定されたデータを取り込み、属性情報を付加するためのウインドウである。
【0068】
次に表示されたデータの一部の範囲を指定する(図4S2参照)。図27(a)に示すように、最初はウインドウ25Wのフォールド25Wfには何も取り込まれていない。ここでは、ユーザがマウスをドラッグ操作することによってウインドウ13W上の一部、すなわち斜線部Dの会話文、例えば「どこに行きたい?」を指定する。さらに、ウインドウ25Wの登録ボタンをユーザがマウスによって押すと、ウインドウ25Wのフォールド25Wfにそのテキストデータが取り込まれ、ウインドウ25Wは図27(b)のような状態となる。
【0069】
同時に、図28(a)に示すような新たなウインドウ26Wが画面上に現れ、指定された会話文のデータに属性情報を付加する(図4S3参照)。ここでは、属性情報としてその会話の類型及び得点を付加する。類型の入力はユーザがマウスを操作し、「類型」をプルダウンすると図27(b)のようなメニューが現れるので、指定したデータに相応しい類型をその属性として付加する。ここでは、類型として「何かを尋ねる会話」,「行きたい場所を尋ねる会話」を付加する。得点の入力は、ユーザが1〜5の数字と±のラジオボタンをクリックすることによって行う。
【0070】
再びウインドウ25Wのボタン「登録」をユーザが押すことによって、属性情報(「何かを尋ねる会話」,「行きたい場所を尋ねる会話」)が付加されたデータ(「どこに行きたい?」)が記憶手段3に記憶される(図4S4参照)。
【0071】
図29は、このようにして記憶手段3に記憶されたデータ群の様子を模式的に示すものである。ここで、先に説明したデータDi 「どこに行きたい?」は属性情報1として何か(行きたい場所)を尋ねる会話を示す「12」、属性情報2として得点をを示す「4」が付加された状態で記憶されていることが分かる。また、この他にも多くの会話のデータ(D1〜Dn)が属性情報とともに記憶されていることが分かる。例えば、データDi+1 「私、動物園に行きたいわ。」は属性情報1として行きたい場所を尋ねる会話を示す「27」、属性情報2として得点を示す「5」が付加された状態で記憶されている。同様に、データDi+2 「どこにも行きたくない。」には属性情報1として「27」、属性情報2として「−5」が付加された状態で記憶されている。
【0072】
次に、属性情報に基づいて会話出力手段8がデータの処理を行う工程(図4S5参照)を図30を用いて説明する。なお、この会話出力手段8は対話式のコンピュータゲームに適用されるのであり、そのゲームは二人の登場人物A,Bとが対話を行うことによって画面が進行するものである。また、登場人物Aはコンピュータによってその会話が自動的に選択され、登場人物Bはユーザがその会話を選択する。まず、ゲームの場面の状況を分析する(S540)。これは、ゲーム画面が有している属性によって分析する。図31は、この対話式のゲーム画面を示しており、待ち合わせをしていた登場人物AとBとが出会った場面である。この画面には、登場人物Aが何らかの会話のきっかけを作るため、何かを尋ねる会話をする「1」という属性を有している。
【0073】
このゲーム画面が有する属性「1」に基づいて、会話出力手段8は、記憶手段3に記憶された会話のデータの中から何かを尋ねる会話を登場人物Aの会話として画面に表示する(S541)。これは、会話のデータの内、属性情報1が十の位が「1」であるデータの中からランダムに選択することによって行うことができる。ここでは、属性情報1が「12」である会話データ「どこに行きたい?」が選択された。
【0074】
次に、会話出力手段8は、登場人物Bが発言する会話の選択肢を画面に表示する(S542)。これは、登場人物Aの会話が行きたい場所を尋ねるものであるから、その答えとなるような会話を選択することが必要である。したがって、会話のデータの中から行きたい場所を答える会話であることを示す属性情報1が「27」のものの中から選択する。ここでは、そのようなデータとして「どこにも行きたくない。」(Di+2 )、「私、動物園に行きたいわ。」(Di+1 )、「私、遊園地に行きたいわ。」の3つのデータが選択された。
【0075】
これらの3種類の会話の中からユーザが登場人物Bの会話として一つを選択する(S543)。これは、ユーザがキーボードによってそれぞれの会話に対応した番号(1〜3)を入力するか、マウスによって画面上の一つの会話をクリックして行う。
【0076】
次に、選択した会話に応じてユーザの得点を変更する(S544)。例えば、S543において、ユーザが「私、動物園に行きたいわ。」を選択した場合には、それまでのユーザの得点Sに5を足してユーザの得点とする。また、ユーザが「どこにも行きたくない。」を選択した場合には、得点Sから5を引いてユーザの得点とする。そして、その変更後のユーザの得点又はS543においける会話に応じて次の場面に進行する。例えば、S543でユーザが「私、動物園に行きたいわ。」を選択した場合には、動物園の画面に進行する。また、ユーザが「どこにも行きたくない。」を選択した場合には、登場人物A,Bが喧嘩をしている画面に進行する。
【0077】
さらに、本実施例の変形例により本発明の他の実施態様を説明する。
【0078】
変形例
本変形例では、会話のデータの属性情報として、その会話の類型及び得点の他にも、性別及び世代を示す属性情報を付加する。図32は、会話のデータに属性を付加するためのウインドウ26W’である。ユーザは、類型及び得点を付加するとともに、その会話が男性的であるか女性的であるかどちらでも成り立つか、また、その会話から推し量られる会話主体の世代をラジオボタンをクリックして入力する。
【0079】
図33は、このようにして記憶手段3に記憶されたデータ群の様子を模式的に示すものである。ここで、先に説明したデータDi 「どこに行きたい?」は属性情報1、属性情報2の他、属性情報3として男性的な会話であること示す「0」が、属性情報4として子供及び成人が使用しがちな会話文であることをしめす「1,2」が付加されている。同様に、データDi+1 「私、動物園に行きたいわ。」は属性情報3として女性的な会話であることを示す「2」が、属性情報4として子供及び成人が使用しがちな会話であることをしめす「1,2」が付加されている。
【0080】
また、登場人物に予めその特徴を設定しておく。例えば、登場人物Aは男性で子供、登場人物Bは女性で子供等のように設定しておく。すると、図30のS541やS542において、会話出力手段8は、それぞれの登場人物の特徴に応じて会話を出力することができる。例えば、登場人物Aの場合には、男性であるので会話のデータの内、属性情報3が女性的なことを示す「1」のものは選択しない。このような処理を行うことによって、男性の登場人物が女性的な会話をするといった不自然な現象を防止することができる。さらに、会話主体の年齢、性格、住んでいる地方(方言)、職業等を属性情報として付加すれば、より自然で、現実感のある会話を自動的に生成することができる。
【0081】
参考実施例3(ニュース整理)
本参考実施例にかかる会話生成用データ処理装置は、通信回線を介して接続されているWWWサーバの磁気ディスク(任意の記録媒体4)にはHTML形式のニュースデータが記録されており、通信部を有しその記録されたそのデータを通信回線を介して表示する表示手段1と、表示手段1によって表示されたニュースのデータにはその分野を示す属性情報を付加する付加手段2と、属性情報を付加されたデータが記憶される記憶手段3とを備えるデータ収集装置と、ニュースに付加された属性情報に基づいてある特定のニュースを検索する検索手段9とを有するものである。
【0082】
この学習用データ処理装置の構成は、参考実施例1の図5において説明したものと略同様であるが、検索手段9が磁気ディスク内に制御プログラムとして格納されている点が異なる。
【0083】
まず、データ収集の動作について説明する(図4S1〜S4参照)。図34は文章や画像等を含んだニュースがディスプレイに表示された状態を示している(図4S1参照)。ウインドウ14Wには表示手段1によってWWWサーバに記録されているニュースのデータが表示されている。ここでは、あるスポーツニュースが表示されている。別のウインドウ27Wは、指定されたデータを取り込み、属性情報を付加するためのウインドウである。
【0084】
次に表示されたデータの一部の範囲を指定する(図4S2参照)。図35(a)に示すように、最初はウインドウ27Wのフォールド27Wfには何も取り込まれていない。ここでは、ユーザがマウスをドラッグ操作することによってウインドウ14W上の一部、すなわち斜線部Eのニュース記事、例えば「日本、悲願のW杯初出場!……」を指定する。さらに、ウインドウ27Wの登録ボタンをユーザがマウスによって押すと、ウインドウ27Wのフォールド27Wfそのニュース記事が取り込まれ、ウインドウ27Wは図35(b)のような状態となる。
【0085】
同時に、図36(a)に示すような新たなウインドウ28Wが画面上に現れ、指定されたニュース記事のデータ「日本、悲願のW杯初出場!……」に属性情報を付加する(図4S3参照)。ここでは、属性情報としてそのニュース記事の分類を付加する。分類の入力はユーザがマウスを操作し、「分類」をプルダウンすると図36(b)のようなメニューが現れるので、指定したデータに相応しい分類をその属性として付加する。ここでは、分類として「スポーツ」を付加する。
【0086】
再びウインドウ27Wのボタン「登録」をユーザが押すことによって、属性情報1として「スポーツ」を示す「8」が付加されたデータDi (「日本、悲願のW杯初出場!……」)が記憶手段3に記憶される(図4S4参照)。
【0087】
図37は、このようにして記憶手段3に記憶されたデータ群の様子を模式的に示すものである。ここで、先に説明したデータDi は属性情報1として「8」が付加された状態で記憶されていることが分かる。また、この他にも多くのニュース記事のデータのデータ(D1〜Dn)が属性情報1とともに記憶されていることが分かる。
【0088】
次に、図38のフローチャートを用いて属性情報に基づいて検索手段9がデータの処理を行う工程(図4S5参照)を説明する。まず、ユーザがニュースの検索条件をキーボードから入力する(S550)。本実施例では検索条件としてニュースの分野を指定することができる。ここで、ユーザが分野として「スポーツ」を入力した場合には、その検索条件に基づいてそのニュース記事のデータの一覧を表示する。これは、記憶手段3に記憶されたニュース記事のデータ(D1〜Dn)の中から、属性情報1として「8」が付加されているものを抽出することによって行うことができる。次に、検索を続けるか否かを選択し、続ける場合にはS550へ進み、続けない場合には処理を終了する。
【0089】
このような分類毎の検索が可能になるため、例えばキーワード検索による場合に比べて検索の時間が大幅に短縮されるとともに、所望の記事を効率よく検索することができる。例えば、スポーツ関連のニュース記事自体に「スポーツ」の文字列が含まれていない場合には「スポーツ」というキーワード検索ではその記事を抽出することはできないが、このように分野を示す属性情報を付加することによって、確実にその記事を検索することができる。
【0090】
さらに、本参考実施例の変形例1、2により本発明の他の実施態様を説明する。
【0091】
変形例1
参考実施例3とは異なり、ニュースの分野を階層的に構成するものであってもよい。図39は、図36(b)において分野を示す属性情報を選択するプルダウンメニューの変形例を示すものである。このプルダウンメニューでは、ニュースの分野を国際関係等の大項目、それぞれを構成する小項目(「サッカー」等)とから構成されている。このように、ニュースの分野を階層的に構成することによって、小項目の検索の時間が一層短縮されるとともに、所望の記事を一層効率よく検索することができる。
【0092】
変形例2
この変形例は、ニュースのデータにそのデータを記憶した年月日を示す属性を付加して記憶するものである。図40は、このようにして記憶手段3に記憶されたデータ群の様子を模式的に示すものである。データを記憶した年月日を示す属性をデータに付加することによって、ユーザは年月日の範囲を指定してニュースの検索を行うことができる。また、その年月日を表示されることもできる。なお、このように年月日をデータ(ファイル)に付加すること自体は従来から知られている手法により実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】図1は、本発明の概念を説明するものである。
【図2】図2は、本発明が適用可能なコンピュータシステムの一例を示したものである。
【図3】図3は、表示手段1の例を示したものである。
【図4】図4は、本発明の作業手順を示したフローチャートである。
【図5】図5は、本発明が適用可能なコンピュータシステムの一例の構成をブロック図をにより説明するものである。
【図6】図6は、参考実施例1における画面表示を示したものである。
【図7】図7は、参考実施例1におけるデータを取り込むためのウインドウを示したものである。
【図8】図8は、参考実施例1における属性情報を付加するためのウインドウを示したものである。
【図9】図9は、参考実施例1における取り込んだデータ及び属性情報が記憶手段に記憶されている状態を模式的に示したものである。
【図10】図10は、参考実施例1におけるデータ処理の手順を示したフローチャートである。
【図11】図11は、参考実施例1における出題のためのウインドウを示したものである。
【図12】図12は、参考実施例1(変形例1)における取り込んだデータ及び属性情報が記憶手段に記憶されている状態を模式的に示したものである。
【図13】図13は、参考実施例1(変形例2)における取り込んだデータ及び属性情報が記憶手段に記憶されている状態を模式的に示したものである。
【図14】図14は、参考実施例1(変形例2)における出題のためのウインドウを示したものである。
【図15】図15は、参考実施例1(変形例3)における取り込んだデータ及び属性情報が記憶手段に記憶されている状態を模式的に示したものである。
【図16】図16は、参考実施例2における画面表示を示したものである。
【図17】図17は、参考実施例2におけるデータを取り込むためのウインドウを示したものである。
【図18】図18は、参考実施例2における属性情報を付加するためのウインドウを示したものである。
【図19】図19は、参考実施例2における取り込んだデータ及び属性情報が記憶手段に記憶されている状態を模式的に示したものである。
【図20】図20は、参考実施例2における分析手段6のデータ処理の手順を示したフローチャートである。
【図21】図21は、参考実施例2における分析手段6により描かれた出題傾向を示すグラフである。
【図22】図22は、参考実施例2における予想出題手段のデータ処理の手順を示したフローチャートである。
【図23】図23は、参考実施例2におけるA校、B校と分野別出題数と、その平均を示した表図である。
【図24】図24は、参考実施例2(変形例1)における属性情報を付加するためのウインドウを示したものである。
【図25】図25は、参考実施例2(変形例2)における取り込んだデータ及び属性情報が記憶手段に記憶されている状態を模式的に示したものである。
【図26】図26は、実施例1における画面表示を示したものである。
【図27】図27は、実施例1におけるデータを取り込むためのウインドウを示したものである。
【図28】図28は、実施例1における属性情報を付加するためのウインドウを示したものである。
【図29】図29は、実施例1における取り込んだデータ及び属性情報が記憶手段に記憶されている状態を模式的に示したものである。
【図30】図30は、実施例1における分析手段6のデータ処理の手順を示したフローチャートである。
【図31】図31は、実施例1にかかる会話生成用データ処理装置を対話式のコンピュータゲームに適用した際のゲーム画面を示したものである。
【図32】図32は、実施例1(変形例)における属性情報を付加するためのウインドウを示したものである。
【図33】図33は、実施例1(変形例)における取り込んだデータ及び属性情報が記憶手段に記憶されている状態を模式的に示したものである。
【図34】図34は、参考実施例3における画面表示を示したものである。
【図35】図35は、参考実施例3におけるデータを取り込むためのウインドウを示したものである。
【図36】図36は、参考実施例3における属性情報を付加するためのウインドウを示したものである。
【図37】図37は、参考実施例3における取り込んだデータ及び属性情報が記憶手段に記憶されている状態を模式的に示したものである。
【図38】図38は、参考実施例3におけるデータ処理の手順を示したフローチャートである。
【図39】図39は、参考実施例3(変形例1)における属性情報を付加するためのウインドウを示したものである。
【図40】図40は、参考実施例3(変形例2)における取り込んだデータ及び属性情報が記憶手段に記憶されている状態を模式的に示したものである。
【符号の説明】
【0094】
1…表示手段、2…付加手段、3…記憶手段、4…任意の記録媒体、5…出題手段、6…分析手段、7…予想出題手段、8…会話出力手段、9…検索手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の記録媒体に記録された会話文からなるデータを表示する表示手段と、
上記表示手段によって表示されたデータのうち、ユーザが任意に指定した全部又は一部のデータを取り込み、前記取り込まれた会話文からなるデータの会話の類型を示す属性情報を上記表示手段に表示するとともに、当該表示手段に表示された会話の類型を示す属性情報の中から少なくとも1つの属性情報をユーザが指定して上記取り込まれた会話文からなるデータに付加する付加手段と、
上記付加手段によって属性情報が付加されたデータを、当該データに付加された会話の類型を示す属性情報とともに記憶する記憶手段と、
上記記憶手段に記憶された会話の類型を示す属性情報に基づいて、一連の会話を成立させる会話出力手段とを有する会話生成用データ処理装置。
【請求項2】
上記付加手段が会話主体の特徴を示す属性を上記会話のデータに付加する請求項1に記載の対話式生成用データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2009−9579(P2009−9579A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171782(P2008−171782)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【分割の表示】特願平10−149697の分割
【原出願日】平成10年5月29日(1998.5.29)
【出願人】(395023808)株式会社メディア・ファイブ (1)
【Fターム(参考)】