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イメージング検出器は、シンチレータアレイ(202)と、シンチレータアレイ(202)へ光学的に結合される光センサアレイ(204)と、電流−周波数(I/F)変換器(314)と、ロジック(312)とを有する。I/F変換器(314)は、積分器(302)及び比較器(310)を有し、現在の積分期間の間、光センサアレイ(204)によって出力された電荷を該電荷を示す周波数を有するデジタル信号に変換する。ロジック(312)は、現在の積分期間に係るデジタル信号に基づき次の積分期間のための積分器(302)のゲインを設定する。一例において、ゲインは、現在の積分期間に係るゲインと比較して、次の積分期間のために増大する。このことは、放射線がないときに測定可能信号を生成するためにI/F変換器(314)の入力で投ぜられるバイアス電流の量を低減することを可能にし、ショットノイズ、フリッカノイズ、及び/又は他のノイズ等のノイズを低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、概してデータ取得に係り、コンピュータ断層撮影(CT)に対して特定の用途を見出す。しかし、それは、他の医療イメージング応用及び非医療イメージング応用にも適している。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影(CT)スキャナは、長手方向軸又はz軸に関して試験領域の周りを回転する回転式ガントリに取り付けられているX線管を有する。検出器アレイは、X線管から試験領域の反対側に、角度のある円弧の範囲を定める。検出器アレイは、試験領域及びその中の被験者又は対象を横断する放射線を検出して、それを示す信号を発生させる。再構成部は、信号を再構成して、容積画像データを生成する。容積画像データは、1又はそれ以上の画像を生成するよう処理されてよい。
【0003】
検出器アレイは、一般的に、処理電子回路へ電気的に結合されている光センサアレイへ光学的に結合されているシンチレータアレイを有する。シンチレータアレイは、自身に衝突した放射線を示す光を発生させ、光センサアレイは、その光を示す電気信号を生成し、そして、処理電子回路は、検出された放射線を示すデジタルデータを電気信号に基づき生成するアナログ−デジタル(A/D)変換器を有する。デジタルデータは、再構成部によって再構成される信号を発生させるよう処理される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
あいにく、検出技術はより多くのスライス、より小さなスライス幅、より低い信号、及びより速い回転時間へと進化し続けているが、ノイズ及び/又は空間分解能の制約がイメージング性能を制限しうる。
【0005】
本願の態様は、上記の事項及び他に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に従って、イメージング検出器は、シンチレータアレイと、前記シンチレータアレイへ光学的に結合される光センサアレイと、電流−周波数(I/F)変換器と、ロジックとを有する。前記I/F変換器は、積分器及び比較器を有する。前記I/F変換器は、現在の積分期間の間、前記光センサアレイによって出力された電荷を該電荷を示す周波数を有するデジタル信号に変換する。前記ロジックは、前記現在の積分期間に係る前記デジタル信号に基づき次の積分期間のための前記積分器のゲインを設定する。
【0007】
他の実施形態においては、方法は、放射線衝突を示す電荷を、検出器タイルの電流−周波数(I/F)変換器を介して、前記電荷を示す周波数を有するデジタル信号に変換するステップと、前記I/F変換器の出力に基づき前記I/F変換器のゲインを特定するステップとを有する。
【0008】
他の実施形態においては、イメージングシステムは、試験領域を横断する放射線を発する放射線源と、前記試験領域を横断する放射線を検出する検出器アレイとを有する。前記検出器アレイは、シンチレータアレイと、前記シンチレータアレイへ光学的に結合される光センサアレイと、電流−周波数(I/F)変換器とを有する。前記I/F変換器は、積分器及び比較器を有し、現在の積分期間の間、前記光センサアレイによって出力された電荷を該電荷を示す周波数を有するデジタル信号に変換する。ロジックは、前記現在の積分期間に係る前記デジタル信号に基づき次の積分期間のための前記積分器のゲインを設定する。
【0009】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置において、並びに様々なステップ及びステップの配置において具体化してよい。図面は、単に、好ましい実施形態を表すためのものであり、本発明を限定するよう解されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】イメージングシステムの例を表す。
【図2】検出器タイルの例を表す。
【図3】検出器電子回路の例を表す。
【図4】検出器電子回路の例を表す。
【図5】ゲイン曲線の例を表す。
【図6】ゲインステッピング図の例を表す。
【図7】ゲイン切り換えタイミング図の例を表す。
【図8】方法の例を表す。
【図9】複数のキャパシタを備える積分器リセットスイッチを表す。
【図10】16個のキャパシタを備える積分器リセットスイッチを表す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、例えばコンピュータ断層撮影(CT)スキャナのようなイメージングシステム100を表す。イメージングシステム100は、一般的に、固定式ガントリ102及び回転式ガントリ104を有する。回転式ガントリ104は、固定式ガントリ102によって回転可能なように支持されており、長手方向軸又はz軸方向について試験領域106の周りを回転する。例えばx線管のような放射線源108が、回転式ガントリ104によって支持されており、試験領域106を横断する放射線を発する。
【0012】
放射線感受性の検出器アレイ112は、試験領域106を横切って放射線源108の反対側に角度のある円弧の範囲を定め、試験領域106を横断する放射線を検出する。表されている実施形態では、放射線感受性検出器アレイ112は、z軸を横切る方向に沿って互いに対して配置されている複数の検出器モジュール114を有する。検出器モジュール114は、z軸に沿って互いに対して配置されている複数の検出器モザイク又はタイル116を有する。1つの例において、検出器アレイ112は、2001年7月18日付けで出願された米国特許第6510195(B1)号明細書(発明の名称「Solid State X-Radiation Detector Modules and Mosaics thereof, and an Imaging Method and Apparatus Employing the Same」)に記載されている検出器アレイと実質的に同じであり、且つ/あるいは、該検出器アレイに基づく。この特許文献は、その全文を参照により本願に援用される。他の検出器アレイ配置も本願においては考えられている。
【0013】
図2を参照すると、図1の線A−Aに沿った検出器タイル116の断面図が表されている。表されているタイル116は、物理的及び光学的に光センサアレイ204へ結合されているシンチレータアレイ202を有する。光センサアレイ204は、基板204を介して電子回路208へ電気的に結合されている。例えばコネクタピン又は他の電気的な経路のような電気経路212は、電源及びデジタルI/O信号を伝える。そのようなタイルの例は、「A New 2D-Tiled Detector for Multislice CT」、Luhta等、Medical Imaging 2006: Physics of Medical Imaging、Vol.6142、pp.275-286(2006年)に記載されている。他の適切なタイルは、2006年3月30日付けで出願された米国特許出願第60/743976号明細書(発明の名称「Radiation Detector Array」)に記載されている。この特許文献は、その全文を参照により本願に援用される。他の電子回路も考えられている。
【0014】
図3は、電子回路208の例を表す。アナログ−デジタル(A/D)変換器314は、積分器302(増幅器304及び積分キャパシタ306)と、比較器310とを有する。積分器302は、積分期間の間、光センサアレイ204及び、もし用いられるならばバイアス電流300によって出力される電荷を積分する。比較器310は、増幅器304の出力を閾値と比較し、出力が閾値を上回る場合には、そのことを示す信号(例えば、パルス)を発生させる。リセットスイッチ308は、パルスの発生に応答して、積分期間の間に積分器302をリセットする。
【0015】
上記の構成において、A/D変換器314は、それが入力電荷を示すパルス周波数を有するパルス列を生成する点で、電流−周波数(I/F)変換器として用いられる。そのような電子回路の一例は、更に、2001年11月7日付けで出願された米国特許第6671345(B2)号明細書(発明の名称「Data Acquisition for Computed Tomography」)に記載されている。この特許文献は、その全文を参照により本願に援用される。他の適切な電子回路は、1975年11月28日付けで出願された米国特許第4052620号明細書(発明の名称「Data Acquisition for Computed Tomography」)に記載されている。いずれの文献も、その全文を参照により本願に援用される。他の変換器も本願においては考えられている。
【0016】
デジタルロジック312は、比較器310の出力に含まれるパルスの検出に応答して、積分期間の境界において、及び/又は別なふうに、積分器302をリセットするようリセットスイッチ308を閉じることを含め、リセットスイッチ308を制御する。以下でより詳細に記載されるように、リセットスイッチ308は、2又はそれ以上の積分器ゲインに対応する2又はそれ以上のリセットキャパシタンスを有するよう構成されてよく、デジタルロジック312は、2又はそれ以上のリセットキャパシタンスから適切なリセットキャパシタンスを選択するために使用される積分器302のためのゲインを決定するよう構成されてよい。これは、より小さい電荷信号についてはより高いゲインを、より大きい電荷信号についてはより低いゲインを動的に選択すること、又はより小さい及びより大きい電荷信号を測定するためにダイナミックレンジを動的に切り換えることを可能にする。
【0017】
アナログバイアス電流は、実際の検出器信号がないときにデジタル化のための最小限の信号を発生させるために必要とされるので、明らかなように、ゲインを増大させることは、例えばゲイン係数だけ又はゼロへと、バイアス電流300の量を低減させることを可能にし、そして、バイアス電流300を低減させることは、(例えば、バイアス電流減少の平方根だけ)ショットノイズを低減させ、及び/又はバイアス電流減少に比例してフリッカノイズを低減することができる。線形誤差は、一般的に、信号レベル及びゲインとともに増減し、ゲイン値は、線形補正が用いられるならば、それとともに用いられてよい。低い信号レベルは、一般的に、適切な線形性を有しており、従って、そのような補正は、制限又は省略されてよい。電子回路208が対数(log)変換を有する構成においては、ゲイン係数は、対数変換器への入力であって、対数データを利用する再構成サブシステムに対してトランスペアレントであってよい。
【0018】
デジタルロジック312は、また、比較器310の出力を処理する。一例において、この処理は、比較器310からのパスルの数をカウントし、積分期間の最初のパルスから積分期間の最後のパルスまでの時間を決定することを含む。このデータから、デジタルロジックユニット312は、パルスの周波数(例えば、(積分期間におけるパルスの数)/(積分期間における最初と最後のパルスの間の時間))を示す出力信号を生成することができる。この出力信号は、入力された電荷を示す。
【0019】
図1に戻ると、再構成部118は、検出器アレイ112からの信号を再構成し、それを示す容積画像データを生成する。画像プロセッサ等は、画像データに基づき1又はそれ以上の画像を生成することができる。汎用のコンピュータシステムがオペレータ・コンソール120として働く。コンソール120に存在するソフトウェアは、オペレータがシステム100の動作を制御することを可能にする。患者支持台122(例えば、カウチ)は、試験領域106において対象又は被験者(例えば、患者)を支持する。
【0020】
図4は、リセットスイッチ308及びロジック312の実施例を表す。表されているリセットスイッチ308は、第1の積分器ゲインに対応する第1のキャパシタンスを有し、第1のスイッチ404へ結合されている第1のキャパシタ402と、第2の積分器ゲインに対応する第2のキャパシタンスを有し、第2のスイッチ408へ結合されている第2のキャパシタ406とを有する。2つのスイッチ/キャパシタの組が、例示される実施形態において示されているが、他の実施形態では、2よりも多いスイッチ/キャパシタの組が用いられてよい。かかる実施形態では、2又はそれ以上(全てを含む)組は、異なった積分ゲインに対応してよい。
【0021】
スイッチ404及び408の夫々は、独立して、対応するキャパシタ402又は406が基準電圧と電気的に接続する第1の状態と、対応するキャパシタ402又は406が積分器302の入力と電気的に接続する第2の状態との間で切り換わる。スイッチ404及び408は、同時に第1の状態になることができるが、一方のスイッチ404又は408し如何なる時点においても第2の状態にならない。第2の状態にあるとき、夫々のキャパシタは、積分器302をリセットするために使用される。
【0022】
ロジック312は、比較器310の出力信号においてパルスを識別して、それに応答してリセット信号を生成するパルス識別器410を有する。リセット信号は、スイッチ404及び408の選択された1つの切り換えを引き起こす情報を含む。例えば、信号は、積分期間の間に積分器302をリセットするためにその期間のためのゲインに対応するスイッチ404(又はスイッチ408)を積分期間の間に切り換えることをもたらす情報を含んでよい。
【0023】
ロジック312は、積分期間の間のパルスカウント及び1又はそれ以上の閾値414に基づきゲイン信号を生成するゲイン信号発生器412を更に有する。カウンタ416は、積分期間の間、識別されたパルスをカウントし、パルスカウント値を発生させる。ゲイン信号は、ゲイン値又はゲイン係数を示す情報を含む(例えば、ゲインの変化を表す。)。それは、スイッチ404又は408のどちらが後の積分期間の間にリセットされるべきかを示す。情報は、2進数又は非2進数データにより表されてよい。
【0024】
上記の実施形態は、現在の積分期間の電荷信号レベルに基づき、後の積分期間のためのゲインを動的に制御することを可能にする。そのようなものとして、入力された電荷信号、従って、パルスカウントが積分期間の間比較的高い場合には、より低いゲイン/より高いキャパシタンスが次の積分期間のために選択される。より低いキャパシタンスを用いることは、より高いゲインキャパシタを用いることと比べて、より高い信号を飽和する前に受け入れるよう増幅器のダイナミックレンジの上限を広げる。
【0025】
入力された電荷信号、従って、パルスカウントが積分期間の間比較的低い場合には、より高いゲイン/より低いキャパシタンスが次の積分期間のために選択される。より低い値のキャパシタを用いることは、より高い値のキャパシタを用いることと比べて、より小さい信号を測定するようダイナミックレンジの下限を広げる。本願で論じられるように、ダイナミックレンジの下限を広げることは、積分器302に投入されるバイアス電流の量を低減することを可能にする。
【0026】
上記の例では、スイッチ404及び408は独立して切り換えられ、積分器302は、第1のゲインに対応する第1のキャパシタ402、又は第2のゲインに対応する第2のキャパシタ406のいずれか一方を積分器302の入力へ電気的に接続することによって、リセットされる。他の実施形態では、スイッチ404及び408は、同時に切り換えられてもよい。そのような実施形態では、より低いリセットゲインが、スイッチ404及び408の両方を同時に閉じることによって設定され得る。このとき、リセットキャパシタンスは、第1及び第2のキャパシタンスの和である。より高いリセットゲインは、上述されたように、スイッチ404(又は代替的にスイッチ408)を閉じて、第1のキャパシタ402(又は第2のキャパシタ406)を積分器302の入力へ電気的に接続することによって、設定され得る。
【0027】
そのようなものとしてキャパシタを共有することは、キャパシタが共有されない実施形態と比べて第2のキャパシタ406(又は第1のキャパシタ402)を小さくすることができるので、リセットスイッチ308のフットプリントを小さくすることを可能にする。更に、集積回路のレイアウトにおいては、所与のサイズのキャパシタは、制御可能な、寄生がないスイッチによって接続されるより小さいキャパシタから作られてよく、このとき、1つの大きなキャパシタンス値は、スイッチを介して接続される複数(例えば、16個)の等しい又は等しくないサイズのより小さいキャパシタから作られてよい。これは、回路のゲイン(リセットキャパシタンス値)が、デジタル2進法で(例えば、1から16まで)選択されることを可能にするとともに、キャパシタの値がプロセス変動を考慮するようそれらのレイアウト位置を介して正確に再現されることを可能にする。これにより、ゲイン切り換えのための正確な線形性を得ることができ、実質的に線形なゲイン変化実施を構成することが可能となる。
【0028】
上記の実施形態に係る1つの限定されない実施が、図9のブロック図において示されている。リセットスイッチ308は、スイッチ904を介して並列に電気的に接続され得る複数のキャパシタ902を有し、特定のキャパシタンス値は、スイッチ904の1又はそれ以上を選択的に閉じることによって設定可能である。他の限定されない実施は、図10のブロック図に示されている。リセットスイッチ308は、特定のリセットキャパシタンス値(例えば、4、16、又は他の数のリセットキャパシタンス値)を提供するよう並列に電気的に接続され得る16個のキャパシタC1,・・・,C16を有する。図9に示されるのと同じ、寄生がないスイッチが、図10に関連して使用されてよい。
【0029】
表1は、キャパシタC1,・・・,C16の限定されない組み合わせを示す。それらは、4つのリセットキャパシタンス値RS1,・・・,RS4を提供するために使用されてよく、それにより、キャパシタンスの2値組み合わせが、トータル値の1/16の増分においてキャパシタンスの値を生成するよう選択され得る。表2は、16個のキャパシタンス値RS1,・・・,RS16を提供するために使用され得るキャパシタC1,・・・,C16の限定されない組み合わせを示す。
【0030】
【表1】

【0031】
【表2】

2つの異なったゲインに係るダイナミックレンジの上限及び下限の例が図5に示されている。y軸はA/D変換器の出力信号を表し、x軸は積分器302の入力における電流を表す。2つのゲイン曲線、すなわち、低位ゲイン曲線504及び高位ゲイン曲線502が図5には示されている。低位ゲイン曲線504は、高位ゲイン曲線502の飽和点508と比べて高い電荷レベル飽和点506を有するが、高位ゲイン曲線502は、低位ゲイン曲線504のノイズフロア512と比べて低いノイズフロア510を有する。そのようなものとして、低位ゲイン曲線504は、より高い電荷レベルに適し、高位ゲイン曲線502は、より低い電荷レベルに適する。線形なゲイン曲線が表されているが、非線形なゲイン曲線も本願では考えられている。
【0032】
図6は、適切なゲインステッピング図の例を表す。y軸は積分期間の間のゲインを表し、x軸は積分期間の間のカウント値を表す。表されている実施形態においては、ゲインは1xと4xとの間で切り換えられる。表されているゲインステップ及びゲイン切り換え位置は、例示のために提供され、本発明を限定しない。他の実施形態では、他のゲイン値(例えば、1、2、4、16、32等、又は非2進ステップ)が使用されてよく、且つ/あるいは、2よりも多いゲイン値が使用されてよい(例えば、4、8、16、・・・、512等、又は非2進値)。
【0033】
表されている実施形態において、ゲインは1xにあるとすると、ゲインは、後の積分期間のパルスカウントが16以上である限り、1xのままである。積分期間のパルスカウントが16を下回る場合には、次の積分期間のためのゲインは、上述されたようにより低いキャパシタンスのキャパシタを選択することにより、4xに切り換えられる。4xのゲインは、後の積分期間のパルスカウントが128よりも小さい限り、4xのままである。後の積分期間のパルスカウントが128を上回る場合には、次の積分期間のためのゲインは、上述されたようにより高いキャパシタンスのキャパシタを選択することにより、1xに切り換えられる。
【0034】
図7は、ゲイン切り換えタイミング図の例を示す。表されている図においては、ゲインは、リセットパルス704の後に702で、サンプルクロックの正の半分706の間に、切り換えられる。一例において、これは、リセット電荷が正確であるように積分器リセットキャパシタを充電するのに十分な時間があることを確かにしうる。他の実施形態では、ゲインは別なふうに切り換えられる。
【0035】
図8は、方法を表す。
【0036】
802で、積分器ゲインが設定される。
【0037】
804で、積分期間のために積分器302がリセットされる。
【0038】
806で、積分期間の間、電荷が累算される。
【0039】
808で、積分期間の間、累算された電荷が所定の電荷閾値を超える場合に、パルスが生成される。
【0040】
810で、積分期間の間、累算された電荷が所定の電荷閾値を超える場合に、積分器302がリセットされる。
【0041】
812で、積分期間のパルスがカウントされる。
【0042】
814で、パルスカウントが所定の範囲外にある場合に、積分器302のゲイン値が変更される。本願で記載されるように、これは、パルスカウントが第1のパルスカウント閾値を下回る場合にゲインを増大させ、パルスカウントが第2のパルスカウント閾値を上回る場合にゲインを減少させることを含んでよい。
【0043】
動作804乃至814は、1又はそれ以上の積分期間について繰り返される。
【0044】
本発明は、様々な実施形態を参照して本願において記載されてきた。変形及び代替は、本願の記載を読むことで当業者に想到可能である。本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等の適用範囲内にある限り、そのような変形及び代替の全てを包含すると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンチレータアレイ;
前記シンチレータアレイへ光学的に結合される光センサアレイ;
積分器及び比較器を有し、現在の積分期間の間、前記光センサアレイによって出力された電荷を該電荷を示す周波数を有するデジタル信号に変換する電流−周波数変換器;及び
前記現在の積分期間に係る前記デジタル信号に基づき次の積分期間のための前記積分器のゲインを設定するロジック
を有するイメージング検出器。
【請求項2】
前記積分器は、前記電荷を累算し、
前記比較器は、累算された電荷が所定の閾値を超える場合にパルスを生成し、
前記ロジックは、パルスが生成される場合に前記積分器をリセットし、前記現在の積分期間に係るパルスカウントに基づき前記ゲインを設定する、
請求項1に記載のイメージング検出器。
【請求項3】
前記ロジックは、前記パルスカウントが第1のカウント閾値を下回ることに応答して前記ゲインを増大させる、
請求項2に記載のイメージング検出器。
【請求項4】
前記ゲインを増大させることで前記電流−周波数変換器のノイズフロアが低減され、比較的小さい電荷が前記電流−周波数変換器によって測定可能となる、
請求項3に記載のイメージング検出器。
【請求項5】
前記ロジックは、前記パルスカウントが第2のカウント閾値を上回ることに応答して前記ゲインを減少させる、
請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載のイメージング検出器。
【請求項6】
前記ゲインを減少させることで前記電流−周波数変換器の飽和レベルが増大し、比較的高い電荷が前記電流−周波数変換器によって飽和の前に測定可能となる、
請求項5に記載のイメージング検出器。
【請求項7】
前記ロジックによって設定される前記ゲインに基づき前記積分器をリセットするリセットスイッチ
を更に有する請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のイメージング検出器。
【請求項8】
前記リセットスイッチは、少なくとも、第1のキャパシタンスを有する第1のリセットキャパシタと、異なる第2のキャパシタンスを有する第2のリセットキャパシタとを有する、
請求項7に記載のイメージング検出器。
【請求項9】
前記第1のキャパシタンス及び前記第2のキャパシタンスは、第1のリセットゲイン及び第2のリセットゲインに対応し、
前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタは、前記積分器をリセットするために選択的に代替的に用いられる、
請求項8に記載のイメージング検出器。
【請求項10】
前記第1のキャパシタンス又は前記第2のキャパシタンスは第1のリセットゲインに対応し、前記第1のキャパシタンス及び前記第2のキャパシタンスの和は第2のリセットゲインに対応し、
代替的に、前記第1のキャパシタ又は前記第2のキャパシタは、前記積分器をリセットするために用いられ、前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタは、前記積分器をリセットするために同時に用いられる、
請求項8に記載のイメージング検出器。
【請求項11】
前記ロジックは:
前記比較器の出力におけるパルスをカウントするカウンタ;
1又はそれ以上のカウント閾値;及び
前記カウント及び前記1又はそれ以上のカウント閾値に基づき前記ゲインを示すゲイン信号を生成するゲイン信号発生器
を有する、
請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載のイメージング検出器。
【請求項12】
前記ロジックは:
前記比較器の前記出力におけるパルスを識別するパルス識別器
を更に有し、
前記カウンタは、識別されたパルスをカウントし、前記ゲイン信号発生器は、前記識別されたパルスのカウントに基づき前記ゲイン信号を生成する、
請求項11に記載のイメージング検出器。
【請求項13】
前記ロジックは、前記パルス識別器が前記比較器の前記出力におけるパルスを識別したことに応答して前記現在の積分期間の間前記リセットスイッチをリセットする、
請求項11又は12に記載のイメージング検出器。
【請求項14】
放射線衝突を示す電荷を、検出器タイルの電流−周波数変換器を介して、前記電荷を示す周波数を有するデジタル信号に変換するステップ;及び
前記電流−周波数変換器の出力に基づき前記電流−周波数変換器のゲインを特定するステップ
を有する方法。
【請求項15】
前記電流−周波数変換器のゲインを特定するステップは、現在の積分期間に係る前記電流−周波数変換器の出力に基づき次の積分期間のためのゲインを特定するステップを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも2つの異なった積分期間に係る少なくとも2つの異なったゲイン値の間で前記ゲインを切り換えるステップ
を更に有する請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記デジタル信号におけるパルスをカウントするステップ;及び
パルスカウントが第1の所定の閾値を下回ることに応答して前記ゲインを増大させるステップ
を更に有する請求項14乃至16のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記パルスカウントが第2の所定の閾値を上回ることに応答して前記ゲインを減少させるステップ
を更に有する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の所定の閾値及び前記第2の所定の閾値は異なる、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ゲインを切り換えるステップは、第1のキャパシタンスと第2のキャパシタンスとの間で積分器のリセットキャパシタンスを切り換えるステップを含む、
請求項16乃至19のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記リセットキャパシタンスを切り換えるステップは、夫々異なるキャパシタンスを有する第1のリセットキャパシタと第2のリセットキャパシタとの間で切り換えるステップを含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記リセットキャパシタンスを切り換えるステップは、第1の組のリセットキャパシタと第2の組のリセットキャパシタとの間で切り換えるステップを含み、
前記第2の組のリセットキャパシタは、少なくとも1つの更なるリセットキャパシタと電気的に並列な前記第1の組のリセットキャパシタを含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記ゲインを切り換えるステップは、積分器の所定のリセットキャパシタンスに基づき、スイッチを介して、デジタル2進法において並列に積分器リセットスイッチの複数のキャパシタの1又はそれ以上を選択的に電気的に接続するステップを含む、
請求項16乃至19のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
比較的小さい電荷信号に対し前記ゲインを増大させるステップ
を更に有する請求項14乃至23のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
比較的大きい電荷信号に対し前記ゲインを減少させるステップ
を更に有する請求項14乃至24のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
試験領域を横断する放射線を発する放射線源;及び
前記試験領域を横断する放射線を検出する検出器アレイ
を有し、
前記検出器アレイは:
シンチレータアレイ;
前記シンチレータアレイへ光学的に結合される光センサアレイ;
積分器及び比較器を有し、現在の積分期間の間、前記光センサアレイによって出力された電荷を該電荷を示す周波数を有するデジタル信号に変換する電流−周波数変換器;及び
前記現在の積分期間に係る前記デジタル信号に基づき次の積分期間のための前記積分器のゲインを設定するロジック
を有する、イメージングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−521555(P2012−521555A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501424(P2012−501424)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050724
【国際公開番号】WO2010/109354
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】