説明

データ放送のオブジェクト選択装置

【課題】リモコンに搭載されている単一種類のカーソルキーを操作するだけで全てのデータ放送コンテンツを選択できるオブジェクト選択装置を提供する。
【解決手段】データ放送コンテンツのスクリプトから、オブジェクト情報を抽出し、抽出されたオブジェクト情報から表示画面上のオブジェクトの配置位置を特定し、オブジェクト配置情報を作成する。特定されたオブジェクト配置情報に基づいてフォーカスの遷移経路を決定する。前記フォーカスの遷移経路と前記オブジェクト情報とに基づいて、フォーカスの遷移経路に対応するリモコンコマンドセットを作成する。リモコンから送出されたカーソル信号が入力した際、フォーカスの現在位置を表すフォーカス位置情報と前記リモコンコマンドセットとに基づき、前記フォーカスの遷移経路に沿ってフォーカスを遷移させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ放送のオブジェクト選択装置、特にリモコンから一種類のカーソル信号を受け取るだけで視聴者が希望する全てのオブジェクトを選択することが可能なオブジェクト選択装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送の実用化に伴い、映像及び音声コンテンツにとどまらず、各種テキストや図形等を駆使した多様なコンテンツの放送が可能になり、従来のアナログ放送に比較して高機能な放送サービスが提供されている。一方、放送サービスの多様化に伴い、リモートコントローラ(本明細書において、「リモコン」と称する)の操作が複雑になり、不慣れな視聴者にとって大きな障害となっている。
【0003】
従来、データ放送のリモコン操作においては、上下左右のカーソルと決定の5つのボタンが使用される。しかし、デジタル放送のリモコン操作に不慣れな視聴者にとっては、手元を見ながら操作しなければならず、リモコン操作が煩雑になってしまう。この不都合を解消するため、リモコンのカーソルキーの種類を単純に減らすことが想定される。しかしながら、データ放送の表示画面上に複数のオブジェクトが2次元的に配置されている場合、カーソルキーの種類を単に減らしたのでは、所望のデータ放送を選択できない事態が生じてしまう。
【0004】
また、視聴者がデータ放送コンテンツを確認する際の煩雑性を解消する方法として、データ放送コンテンツの作成者がリモコンの操作手順を作成し、作成した操作手順をコンテンツ内に記述し、リモコン操作手順が記述されたデータ放送コンテンツを送信する方法が既知である(例えば、特許文献1参照)。この既知の方法では、受信機側においてデータ放送コンテンツ内に記述されたリモコン操作手順を解読し、リモコン操作信号を疑似的に生成して全選択項目を順次表示している。
【0005】
【特許文献1】特開2001−358671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献に記載の方法では、全選択項目が自動的に表示される利点があるが、全てのデータ放送コンテンツを改造してリモコン操作手順を記述しなければならず、データ放送コンテンツの作成作業が煩雑になる欠点がある。また、受信機側において、リモコン操作信号を疑似的に作成する必要があり、受信機の構造が複雑化する欠点もある。
【0007】
本発明の目的は、リモコンのカーソルキーの種類を減らしても、データ放送の全てのオブジェクトを選択することが可能なオブジェクト選択装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、リモコンに設定されている単一種類のカーソルキーを用いるだけで、データ放送の全てのオブジェクトを選択することが可能なオブジェクト選択装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるデータ放送のオブジェクト選択装置は、リモコンから送出される単一種類のカーソル信号を受け取り、データ放送の表示画面上の全てのオブジェクトを選択するオブジェクト選択装置であって、
データ放送コンテンツを取得する手段と、
取得したデータ放送コンテンツのスクリプトから、オブジェクトの配置位置を規定するオブジェクト情報を抽出する手段と、
抽出されたオブジェクト情報から表示画面上のオブジェクトの配置位置を特定し、オブジェクト配置情報を作成する手段と、
特定されたオブジェクト配置情報に基づいてフォーカスの遷移経路を決定する手段と、
前記フォーカスの遷移経路と前記オブジェクト情報とに基づいて、フォーカスの遷移経路に対応するリモコンコマンドセットを作成する手段と、
リモコンから送出されたカーソル信号が入力した際、フォーカスの現在位置を表すフォーカス位置情報と前記リモコンコマンドセットとに基づき、前記フォーカスの遷移経路に沿ってフォーカスを遷移させる手段とを具えることを特徴とする。
【0009】
データ放送の表示画面上に複数のオブジェクトないしリンクボタンが1次元的に配置されている場合、単一種類のカーソルを用いるだけで全てのオブジェクトを選択することが可能である。しかしながら、複数のオブジェクトが2次元的に配置されている場合、カーソルキーの種類を減らすと、全てのオブジェクトを選択できなくなってしまう。そこで、本発明では、データ放送のBMLを取得してオブジェクトの配置を特定し、閉ループ状のフォーカス遷移経路を決定する。そして、フォーカス遷移経路に対応したリモコンコマンドセットを決定する。この結果、リモコンの1種類のカーソルを押すだけでフォーカスは閉ループ状の遷移経路にそって遷移するため、1種類のカーソルだけで全てのデータ放送コンテンツを選択することが可能になる。これに伴い、リモコンに設定されているカーソルキーを1個のカーソルキーだけに減らすことが可能である。
【0010】
本発明による別のオブジェクト選択装置は、リモコンから送出されるカーソル信号を受け取り、データ放送の表示画面上のオブジェクトを選択するオブジェクト選択装置であって、
データ放送コンテンツを取得する手段と、
取得したデータ放送コンテンツのスクリプトから、オブジェクトの配置位置を規定するオブジェクト情報を抽出する手段と、
抽出されたオブジェクト情報から表示画面上のオブジェクトの配置位置を特定し、オブジェクト配置情報を作成する手段と、
特定されたオブジェクト配置情報に基づいてフォーカスの遷移経路を決定する手段と、
前記フォーカスの遷移経路と前記オブジェクト情報とに基づいて、フォーカスの遷移経路に対応するリモコンコマンドセットを作成する手段と、
フォーカスがオブジェクト間を遷移する時間間隔を規定するタイミング信号を発生する手段と、
リモコンから送出されたカーソル信号が入力した際、フォーカスの現在位置を表すフォーカス位置情報と、前記リモコンコマンドセットと、前記タイミング信号とに基づき、フォーカスを前記フォーカスの遷移経路に沿って所定の時間間隔でオブジェクト上を順次遷移させるフォーカス遷移手段とを具えることを特徴とする。
【0011】
本発明では、タイミング信号発生手段を設け、フォーカスがオブジェクト間を遷移する時間間隔、すなわちフォーカスがオブジェクト上に存在する時間期間を規定し、所定の時間間隔でオブジェクト上を順次遷移させる。この結果、フォーカスは、自動的にフォーカス経路にそって決定された順序にしたがってオブジェクト上を順次遷移するので、視聴者は、フォーカスが所望のオブジェクト上に遷移した際決定ボタンを押すだけで所望のデータ放送を選択することが可能になる。この結果、データ放送の選択操作が一層簡単化される。
【0012】
上記オブジェクト選択装置において、リモコンからから第1のカーソル信号と第2のカーソル信号とを交互に送出させ、第1のカーソル信号によりフォーカスを順次遷移させ、第2のカーソル信号によりフォーカスの遷移を停止させることができる。これら第1カーソル信号及び第2のカーソル信号は、リモコンの同一のカーソルキーを押すことにより交互に送出させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、データ放送のBMLからオブジェクトの配置位置を特定し、全てのオブジェクトを遷移する最短の閉ループ状の遷移経路を決定し、決定された遷移経路に対応するリモコンコンテンツセットを作成しているので、単一種類のカーソルキーを押すだけで全てのデータ放送コンテンツを選択することが可能である。この結果、データ放送を視聴する際のリモコン操作を簡単化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は本発明によるオブジェクト選択装置の一例を示す線図である。本発明によるオブジェクト選択装置は、デジタル放送受信機に設置され、或いはリモコン装置に設置することも可能である。オブジェクト選択装置は、BML取得部1を有し、当該BML取得部1においてデータ放送コンテンツを取得する。取得されたデータ放送コンテンツは、BMLで記述されたスクリプトとモノメディアを有し、BML取得部1は、取得したコンテンツからスクリプトを抽出する。尚、当該オブジェクト選択装置がデジタル放送受信機以外の装置等に設置されている場合、LANのインタフェースを介してBMLを取得することができ、或いは光磁気ディスク等の記録メディアを介して取得することができる。
【0015】
本例では、一例として図2に示すように、データ放送の表示画面上にオブジェクトA〜Eの5個オブジェクトが2次元的にリンクされているものとする。BML取得部1で抽出されたスクリプトは、5個のオブジェクトの配置位置を規定する座標情報と、隣接するオブジェクト間の関係を規定したオブジェクト隣接情報とを含んでいる。解釈部2は、取得したBMLのスクリプトから、座標情報とオブジェクト隣接情報とを含むオブジェクト情報を抽出する。
【0016】
抽出されたオブジェクトA〜Eの5個の座標情報を以下に示す。
オブジェクトA:(X,Y)=(160,110)
オブジェクトB:(X,Y)=(10,50)
オブジェクトC:(X,Y)=(70,110)
オブジェクトD:(X,Y)=(10,80)
オブジェクトE:(X,Y)=(10,110)
【0017】
スクリプトから抽出された5個のオブジェクトの隣接関係を規定したオブジェクト隣接情報を以下に示す。
オブジェクトA:<p style=”nav-index:0;nav-right:1;nav-left:2”/>
オブジェクトB:<p style=”nav-index:1;nav-down:3;nav-up:4”/>
オブジェクトC:<p style=”nav-index:2;nav-right:0;nav-left:3”/>
オブジェクトD:<p style=”nav-index:3;nav-down:4;nav-up:1;nav-right:2;
nav-left:2”/>
オブジェクトE:<p style=”nav-index:4;nav-down:1;nav-up:3;nav-right:0;
nav-left:0”/>
【0018】
解釈部2により抽出されたオブジェクト情報は配置位置特定部3に供給する。配置位置特定部3は、表示画面上の5個のオブジェクトの配置位置を特定し、オブジェクト配置情報を作成する。特定された配置位置は図2に示す配置位置である。
【0019】
作成されたオブジェクト配置情報は、遷移経路決定部4に供給する。遷移経路決定部4は、特定された5個のオブジェクトの配置位置を規定したオブジェクト配置情報に基づいてフォーカスの遷移経路、すなわちリンクされた5個のオブジェクト上をフォーカスが遷移する閉ループ状の経路を決定する。フォーカスの遷移経路は、例えば視聴者の視覚特性を考慮して、表示画面上の左上に位置するオブジェクトを始点として、右下に位置するオブジェクトまでの経路を決定する。遷移経路の決定に際し、座標情報を用いてY軸を第1優先とし、X軸を第2優先として昇順ソートし、昇順ソートの結果に基づいて遷移経路を決定する。図2に示す表示画面上の5個のオブジェクトの遷移経路は以下の通りとなる。
オブジェクトB→オブジェクトD→オブジェクトE→オブジェクトC→オブジェクトA→オブジェクトB
【0020】
決定されたフォーカスの遷移経路情報は、コマンドセット作成部5に供給する。コマンドセット作成部5は、受け取った遷移経路情報について、オブジェクト隣接情報を用いてリモコンのコマンドセットを作成する。コマンドセットに作成に際し、コマンドセット作成部は、オブジェクト隣接情報を参照し、フォーカスが最短の経路にそって指定されたオブジェクトに遷移するようにコマンドセットを決定する。初めに、オブジェクトBからオブジェクトDへ遷移する場合、オブジェクトBのスクリプトに含まれる「nav-down:3」の記述により「downボタン」を押すことによりオブジェクトDに遷移することが判明する。同様に、オブジェクトDからオブジェクトEに遷移する場合、オブジェクトDに含まれる「nav-down:4」の記述より、「downボタン」を押すことによりオブジェクトEに遷移することが判明する。
【0021】
次に、オブジェクトEからオブジェクトCに遷移する場合について説明する。図3は、オブジェクトEからオブジェクトCに遷移する際のコマンドセット決定手法の一例を示す図である。オブジェクトEのスクリプトに含まれるオブジェクト隣接情報は以下の通りである。
オブジェクトE:<p style=”nav-index:4;nav-down:1;nav-up:3;nav-right:0;
nav-left:0”/>
コマンドセット作成部5は、上記オブジェクト隣接情報を参照すると、4つの隣接情報が記述されており、これら4つの隣接情報に基づいて遷移した場合目的とするオブジェクトCに遷移できるか否か確認する。確認結果として、オブジェクトCに遷移できないことが判明する。次に、下位の隣接情報を順次参照し、オブジェクトCに遷移できる経路を見出す。当該処理により、オブジェクトAを経由してオブジェクトCに遷移できることが判明する。当該結果として、オブジェクトEからオブジェクトAを経由してオブジェクトCに遷移する経路を選択する。この場合のコマンドセットは、「rightボタン」+「leftボタン」となる。
【0022】
コマンドセット作成部5は、上述した処理の結果として、以下のリモコンコマンドセットを作成する。
「オブジェクトB→オブジェクトDへの遷移]:downボタン
[オブジェクトD→オブジェクトEへの遷移」:downボタン
[オブジェクトE→オブジェクトCへの遷移] :rightボタン+leftボタン
[オブジェクトC→オブジェクトAへの遷移] :rightボタン
[オブジェクトA→オブジェクトBへの遷移] :rightボタン
【0023】
コマンドセット作成部で作成されたリモコンコマンドセットは、遷移経路選択部6に供給する。遷移経路選択部6には、リモコンから送出されてくる単一種類のカーソル信号及びフォーカスの現在位置を表すフォーカス位置信号が入力する。視聴者は、データ放送の表示画面を視聴しながら、リモコンのカーソルキーを押しながら所望のオブジェクトを選択する。一例として、表示画面上においてオブジェクトBにフォーカスが位置し、視聴者はオブジェクトCの視聴を希望する場合について説明する。視聴者がカーソルキーを1回押すと、遷移経路選択部6は、コマンドセットに基づき、downボタンに相当するコマンドセットを発生し、フォーカスはオブジェクトBからオブジェクトDに遷移する。カーソルキーをさらに1回押すと、遷移経路選択部6は、コマンドセットに基づき、downボタンに相当するコマンドセットを発生し、フォーカスはオブジェクトEに遷移する。カーソルキーをさらに1回押すと、コマンドセットに基づき、フォーカスはオブジェクトAを経てオブジェクトCに遷移する。このように、単一種類のカーソルキーを押すだけで所望のデータ放送コンテンツを選択することが可能になる。尚、上述したフォーカスの遷移操作を図4に要約して示す。
【0024】
本発明では、フォーカスがあるオブジェクトから別のオブジェクトに遷移してから所定の時間期間当該オブジェクトにフォーカスが継続して位置した場合、当該オブジェクトのデータ放送コンテンツを選択項目として決定することも可能である。例えば、上述した実施例において、フォーカスがオブジェクトCに遷移し、継続して一定の時間期間オブジェクトCに位置する場合、決定ボタンを押すことなく、オブジェクトCを選択項目として決定してオブジェクトCのコンテンツを表示する。このように設定することにより、リモコンの決定ボタンを省略することができる。
【0025】
図5は本発明によるオブジェクト選択装置の変形例を示す線図である。図1で用いた構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して説明する。本例では、リモコンから送出されるカーソル信号(リモコン信号)として第1のカーソル信号と第2のカーソル信号との2種類のカーソル信号を交互に発生させる。すなわち、視聴者により選択されたチャンネルのデータ放送画面が表示され、視聴者が単一の設定されたカーソルキーを押すと、第1のカーソル信号が発生して遷移経路選択部6に入力する。遷移経路選択部は、第1のカーソル信号を受け取り、フォーカスを決定された遷移経路にそってオブジェクト上を順次遷移させる。次に、視聴者が同一のカーソルキーを押すと、第2のカーソル信号が発生して遷移経路選択部6に入力する。遷移経路選択部は、第2のカーソル信号を受け取ると、フォーカスの遷移を停止し、その時点のオブジェクト上にフォーカスを停止させる。
【0026】
さらに、本例では、タイミング信号発生部10を設け、フォーカスがオブジェクト上に位置する時間期間を規定するタイミング信号を発生させる。このタイミング信号が発生する時間間隔は、視聴者の操作性を考慮して定められ、例えば3秒間に設定することができる。タイミング信号は遷移経路選択部6に供給され、遷移経路選択部6は、タイミング信号に応じてフォーカスを決定された遷移経路上の次のオブジェクトに遷移させる。従って、第1のカーソル信号が入力すると、フォーカスは、例えば3秒間の時間間隔でオブジェクト間を順次遷移する。この間に、視聴者は、視聴者を希望するオブジェクト上にフォーカスが遷移した際同一のカーソルキーを押すと、フォーカスが希望のオブジェクト上に停止する。そして、決定ボタンを押すことにより、希望するデータ放送を視聴者することができる。このように構成すれば、視聴者は、単一のカーソルキーを押すだけで、フォーカスが閉ループ状の遷移経路上を所定の時間間隔で遷移するので、視聴者は、フォーカスが希望するオブジェクト上に遷移した時同一のカーソルキーを押すだけで希望のオブジェクトを視聴でき、データ放送の操作性が一層改善される。尚、視聴を希望するオブジェクト上にフォーカスが遷移した際、カーソルキーを押すことなく決定ボタンを押すことによりオブジェクトを選択することも可能である。
【0027】
本発明によるオブジェクト選択装置が搭載されたデジタル放送受信機に適合したリモコンは、上下左右にフォーカスを遷移させる4個のカーソルキーを有する必要はなく、1個のカーソルキーだけで全てのデータ放送コンテンツを選択して視聴することが可能である。従って、単一のカーソルを有するリモコンも本発明の範囲内のものと解すべきである。
【0028】
また、上下左右にフォーカスを遷移させる現行のリモコンを用いる場合、4個のカーソルキーのうちの1個のカーソルキーだけ、例えばdownキーだけをデータ放送コンテンツの選択キーとして用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるオブジェクト選択装置の一例を示す線図である。
【図2】表示画面上のオブジェクトの配置例を示す線図である。
【図3】リモコンコマンドセットを決定する処理の一例を示す線図である。
【図4】閉ループ状の遷移経路をフォーカスが遷移する様子を示す線図である。
【図5】本発明によるオブジェクト選択装置の変形例を示す線図である。
【符号の説明】
【0030】
1 BML取得部
2 解釈部
3 配置位置特定部
4 遷移経路決定部
5 コマンドセット作成部
6 遷移経路選択部
10 タイミング信号発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモコンから送出される単一種類のカーソル信号を受け取り、データ放送の表示画面上のオブジェクトを選択するオブジェクト選択装置であって、
データ放送コンテンツを取得する手段と、
取得したデータ放送コンテンツのスクリプトから、オブジェクトの配置位置を規定するオブジェクト情報を抽出する手段と、
抽出されたオブジェクト情報から表示画面上のオブジェクトの配置位置を特定し、オブジェクト配置情報を作成する手段と、
特定されたオブジェクト配置情報に基づいてフォーカスの遷移経路を決定する手段と、
前記フォーカスの遷移経路と前記オブジェクト情報とに基づいて、フォーカスの遷移経路に対応するリモコンコマンドセットを作成する手段と、
リモコンから送出されたカーソル信号が入力した際、フォーカスの現在位置を表すフォーカス位置情報と前記リモコンコマンドセットとに基づき、前記フォーカスの遷移経路に沿ってフォーカスを遷移させる手段とを具えることを特徴とするオブジェクト選択装置。
【請求項2】
請求項1に記載のオブジェクト選択装置において、前記データ放送の表示画面上において、複数のオブジェクトが2次元的に配置されていることを特徴とするオブジェクト選択装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のオブジェクト選択装置において、前記フォーカスの遷移経路は、閉ループ状に形成されていることを特徴とするオブジェクト選択装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載のオブジェクト選択装置において、前記オブジェクトの配置位置を規定するオブジェクト情報は、データ放送コンテンツのスクリプトのnav-index、nav-up、nav-down、nav-left、及びnav-rightのパラメータを含み、これらのパラメータを用いてリモコンコマンドセットが決定されることを特徴とするオブジェクト選択装置。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載のオブジェクト選択装置において、前記フォーカスがオブジェクトに遷移した後所定の時間期間が経過した場合、当該オブジェクトのデータ放送コンテンツを選択項目として決定することを特徴とするオブジェクト選択装置。
【請求項6】
リモコンから送出されるカーソル信号を受け取り、データ放送の表示画面上のオブジェクトを選択するオブジェクト選択装置であって、
データ放送コンテンツを取得する手段と、
取得したデータ放送コンテンツのスクリプトから、オブジェクトの配置位置を規定するオブジェクト情報を抽出する手段と、
抽出されたオブジェクト情報から表示画面上のオブジェクトの配置位置を特定し、オブジェクト配置情報を作成する手段と、
特定されたオブジェクト配置情報に基づいてフォーカスの遷移経路を決定する手段と、
前記フォーカスの遷移経路と前記オブジェクト情報とに基づいて、フォーカスの遷移経路に対応するリモコンコマンドセットを作成する手段と、
フォーカスがオブジェクト間を遷移する時間間隔を規定するタイミング信号を発生する手段と、
リモコンから送出されたカーソル信号が入力した際、フォーカスの現在位置を表すフォーカス位置情報と、前記リモコンコマンドセットと、前記タイミング信号とに基づき、フォーカスを前記フォーカスの遷移経路に沿って所定の時間間隔でオブジェクト上を順次遷移させるフォーカス遷移手段とを具えることを特徴とするオブジェクト選択装置。
【請求項7】
請求項6に記載のオブジェクト選択装置において、前記リモコンから第1のカーソル信号と第2のカーソル信号とが交互に送出され、前記フォーカス遷移手段は、第1のカーソル信号が入力した際フォーカスを順次遷移させ、第2のカーソル信号が入力した際フォーカスの遷移を停止させることを特徴とするオブジェクト選択装置。
【請求項8】
請求項7に記載のオブジェクト選択装置において、前記リモコンの同一のカーソルキーを押すことにより、前記第1のカーソル信号と第2のカーソル信号とが交互に送出されることを特徴とするオブジェクト選択装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−265312(P2007−265312A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92647(P2006−92647)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】