説明

データ記憶装置、データ提供システム及びデータ提供方法

【課題】 提供するデータの不正使用を回避すると共に、ユーザが所望するデータを確実に提供する。
【解決手段】 書き込まれたデータの外部装置30によるデータ形式での読み出しを制限された第1の記憶領域17bと、第1の記憶領域17bに書き込まれたデータの読み出しを実行するソフトウェアが格納された第2の記憶領域17aとを有するデータ記憶手段17と、外部装置30からの読み出し要求に応じて、第2の記憶領域17aに格納されたソフトウェアを実行することで、第1の記憶領域17bに書き込まれたデータを読み出し、必ず当該データ記憶装置10に接続された外部装置30の出力形式に応じた信号に変換してから、外部装置30に送信するよう制御する制御手段15とを備えることで実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルデータの提供方法に関するものであり、例えば、映像コンテンツといったデジタルデータの違法な複製を排除しつつ、所望のデジタルデータをユーザに対して自由に提供するデータ記憶装置、データ提供システム及びデータ提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)といったデジタルデータを記憶した情報記憶媒体のレンタルシステムの発展により、高品質なデジタルコンテンツをユーザに容易に提供することができる。例えば、ユーザは、レンタル店へ出かけ、所望のコンテンツが記録された情報記憶媒体を選択し、貸し出し日数に応じて設定された料金を支払うことで、選択した所望の情報記憶媒体をレンタル店から借り受けることができる。返却の際には、再び、レンタル店へ出かけ、直接店員に手渡すか、店頭に設けられた返却ポストなどに投函することになる。
【0003】
いずれの場合も、ユーザは、店舗へ直接赴く必要があるため非常に煩わしく、特に返却時には返却日を忘れることもあり、返却遅延による延滞料の発生など、ユーザにとって利便性の低いシステムであるのが現状である。また、現在では、音楽データを記録したCDは、PC(Personal Computer)によって簡単に複製できるため、オリジナルCDからの違法コピーによる無断使用も考えられ、著作権法に抵触する行為が実行されてしまう可能性も高い。
【0004】
そこで、このような問題を解決するために、書籍や音楽等の内容(通常は、著作物)を電子化知覚情報として頒布することができるレンタルシステム(知覚情報提供システム)が考案されている(特許文献1参照。)。
【0005】
このレンタルシステムは、専用のデータステーションと、専用の携帯型端末装置により構成され、データステーションに格納されたに著作物である知覚データを携帯型端末装置にダウンロードし、ディスプレイやイヤホーンから出力させることでユーザに提供することができる。また、データステーションからダウンロードした知覚データは、携帯型端末装置に搭載されたタイマーによって時間管理され、使用可能期間がくると自動的に消去されるようになっており、既存のレンタルシステムにおける借り受け物の返却といった、ユーザにとって煩わしい作業が解消されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−195407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で開示されているレンタルシステムは、専用のデータステーションと、専用の携帯型端末装置とが必須要件となっており、システムを構築するまでに多くの時間を要し、システムを構築する際のコストも必要となってしまうといった問題がある。
【0008】
また、この携帯型端末装置は、自身に搭載されたディスプレイや、ヘッドホンなどによって知覚データを出力することを前提としているため、ユーザが購入することになる専用の携帯型端末装置のコストが高くなってしまうといった問題もある。この携帯型端末装置には、外部出力端子も備えられているため外部機器、例えば、PCなどとの接続も可能となるが、このような構成にした場合、ダウンロードした知覚データを、簡単且つ不法に第三者に取得されてしまう虞がある。
【0009】
そこで、本発明はこのような問題を解決するために案出されたものであり、例えば、映像コンテンツといったデジタルデータを安全に提供すると共に既存のインフラを利用することで、ユーザがいつでも、どこでも提供されたデジタルデータを利用できるデータ記憶装置、データ提供システム及びデータ提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するために、本発明に係るデータ記憶装置は、所定の接続インターフェースを介して外部装置と接続されるデータ記憶装置であって、当該データ記憶装置に接続された上記外部装置からのデータの書き込みを自在とし、書き込まれた上記データの上記外部装置によるデータ形式での読み出しを制限された第1の記憶領域と、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データの読み出しを実行するソフトウェアが格納された第2の記憶領域とを有するデータ記憶手段と、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データに対する上記外部装置からの読み出し要求に応じて、上記第2の記憶領域に格納された上記ソフトウェアを実行することで、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを読み出し、必ず当該データ記憶装置に接続された上記外部装置の出力形式に応じた信号に変換してから、上記外部装置に送信するよう制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
上述の目的を達成するために、本発明に係るデータ提供システムは、端末装置と、所定の接続インターフェースを介して上記端末装置と接続されるデータ記憶装置とを備えるデータ提供システムであって、上記データ記憶装置は、当該データ記憶装置に接続された上記端末装置からのデータの書き込みを自在とし、書き込まれた上記データの上記端末装置によるデータ形式での読み出しを制限された第1の記憶領域と、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データの読み出しを実行するソフトウェアが格納された第2の記憶領域とを有するデータ記憶手段と、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データに対する上記端末装置からの読み出し要求に応じて、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを読み出し、上記ソフトウェアに添付された暗号キーで、上記データを暗号化する暗号化手段と、上記暗号化手段によって暗号化された暗号化データと、上記暗号キーが添付された上記ソフトウェアとを、上記端末装置に送信する送信手段とを有する。そして、上記端末装置は、上記データ記憶装置から送信された上記ソフトウェアを実行することで、上記暗号化手段による暗号化を実行させ、上記ソフトウェアに添付された上記暗号キーを用いて、上記データ記憶装置から送信された上記暗号化データを復号し、復号された上記データを、必ず当該端末装置の出力形式に応じた信号に変換する制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
上述の目的を達成するために、本発明に係るデータ記憶装置は、所定の接続インターフェースを介して外部装置に接続されるデータ記憶装置であって、当該データ記憶装置に接続された上記外部装置からのデータの書き込みを自在とし、書き込まれた上記データの上記外部装置によるデータ形式での読み出しを制限された第1の記憶領域と、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データの読み出しを実行するソフトウェアが格納された第2の記憶領域とを有するデータ記憶手段と、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データに対する上記外部装置からの読み出し要求に応じて、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを読み出し、上記ソフトウェアに添付された暗号キーで、上記データを暗号化する暗号化手段と、上記暗号化手段によって暗号化された暗号化データと、上記暗号キーが添付された上記ソフトウェアとを、上記端末装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
上述の目的を達成するために、本発明に係るデータ記憶装置は、第1の外部装置との接続インターフェースである第1の接続インターフェースと、上記第1の接続インターフェースを介して接続された上記第1の外部装置からのデータの書き込みを自在とし、書き込まれた上記データの上記第1の外部装置によるデータ形式での読み出しを制限された第1の記憶領域と、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データの読み出しを実行するソフトウェアが格納された第2の記憶領域とを有する記憶手段と、出力装置である第2の外部装置との接続インターフェースである第2の接続インターフェースと、上記第2の外部装置と、上記第2の接続インターフェースを介して接続されたことに応じて、上記第2の記憶領域に格納された上記ソフトウェアを実行し、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを読み出して、必ず上記第2の外部装置の出力形式に応じた信号に変換してから、上記第2の外部装置に送信するよう制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
上述の目的を達成するために、本発明に係るデータ提供方法は、所定の接続インターフェースを介して外部装置と接続されるデータ記憶装置のデータ提供方法であって、上記データ記憶装置に接続された上記外部装置からのデータ読み出し要求に応じて、上記データ記憶装置が備えるデータ記憶手段の第2の記憶領域に格納されたソフトウェアを実行することで、上記データ記憶手段の第1の記憶領域に書き込まれたデータを読み出し、必ず上記データ記憶装置に接続された上記外部装置の出力形式に応じた信号に変換してから、上記外部装置に送信することで、上記データを提供することを特徴とする。
【0015】
上述の目的を達成するために、本発明に係るデータ提供方法は、端末装置と、所定の接続インターフェースを介して上記端末装置と接続されるデータ記憶装置とを備えるデータ提供システムのデータ提供方法であって、上記データ記憶装置は、データ記憶手段の第2の記憶領域に格納された上記データの読み出しを実行するソフトウェアに添付された暗号キーを取り出し、上記ソフトウェアを上記端末装置に送信し、上記端末装置は、送信された上記ソフトウェアを実行することで、上記データ記憶手段に対して、上記データ記憶手段の第1の記憶領域に書き込まれたデータを読み出すデータ読み出し要求をし、上記データ記憶装置は、上記データ読み出し要求に応じて、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを読み出し、上記暗号キーを用いて暗号化し、暗号化された暗号化データを上記端末装置に送信し、上記端末装置は、送信された上記暗号化データを、上記ソフトウェアに添付された暗号キーで復号し、復号された上記データを、必ず当該端末装置の出力形式に応じた信号に変換して、上記データを提供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、データ記憶装置に接続された外部装置からのデータ読み出し要求に応じて、データ記憶装置が備えるデータ記憶手段の第2の記憶領域に格納されたソフトウェアを実行することで、データ記憶手段の第1の記憶領域に書き込まれたデータを読み出し、必ず、データ記憶装置に接続された外部装置の出力形式に応じた信号に変換してから、外部装置に送信することで、データを提供する。
【0017】
これにより、データ記憶装置からは、データそのものではなく外部装置の出力形式に応じた信号、例えば、モニタに対するピクセルデータとして出力されるため、第三者が外部装置内にトロイジャンホースなどを仕掛け、外部装置へのデータ送信時にデータを不正に盗んだとしても、これを用いることはできず、非常に高いセキュリティを確保することを可能とする。
【0018】
また、本発明は、データ記憶装置が、データ記憶手段の第2の記憶領域に格納されたデータの読み出しを実行するソフトウェアに添付された暗号キーを取り出し、ソフトウェアを端末装置に送信し、端末装置は、送信されたソフトウェアを実行することで、データ記憶手段に対して、データ記憶手段の第1の記憶領域に書き込まれたデータを読み出すデータ読み出し要求をする。そして、データ記憶装置が、データ読み出し要求に応じて、第1の記憶領域に書き込まれたデータを読み出し、暗号キーを用いて暗号化し、暗号化された暗号化データを端末装置に送信し、端末装置が、送信された暗号化データを、ソフトウェアに添付された暗号キーで復号し、復号されたデータを、必ず当該端末装置の出力形式に応じた信号に変換して、データを提供する。
【0019】
これにより、データ記憶装置からは、暗号化された暗号化データが出力されるだけなので、第三者が端末装置へのデータ送信時にデータを不正に盗んだとしても、これを用いることはできず、非常に高いセキュリィティを確保することを可能とする。
【0020】
また、データを暗号化する暗号キーが格納されたソフトウェアに記述される乱数テーブルは、データ記憶装置に電源が投入される度に更新されるため、電源投入毎に異なる暗号キーが生成されることになる。
【0021】
したがって、端末装置に送信されたソフトウェアに記述された乱数テーブルから、暗号キーを不正に取得したとしても、データ記憶装置の電源を再投入した際には、無効となってしまうため、データの不正な利用を防止することを可能とする。
【0022】
また、本発明は、第1の記憶領域に記憶されたデータを、有効期限となるまで何度でも視聴可能とするが、有効期限が経過すると自動的に削除される。したがって、従来までのレンタル店などで必須であったビデオテープ、DVD、CDの返却といった煩わしい行為を一切排除することを可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明をする。なお、本発明は、以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることはいうまでもない。
【0024】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態として示すリムーバルなデータ記憶装置である記憶メディア10の使用形態を示した図である。
【0025】
図1に示すように、記憶メディア10は、外部機器であるPC(Personal Computer)30が備える接続インターフェースであるUSB(Universal Serial Bus)ジャック31に、当該記憶メディア10が備える接続インターフェースであるUSBプラグ11を差し込むことでPC30から電源供給され使用可能となる。記憶メディア10は、PC30のみならず、USBプラグ11に接続可能なUSBジャックを備えている外部機器に接続して、使用することができる。
【0026】
この、記憶メディア10が接続されるPC30は、所定のOS(Operating System)の制御の元に動作する汎用型のPCである。また、PC30は、当該PC30で実行処理した結果などを表示するためのモニタ32を備えている。
【0027】
続いて、図2を用いて、記憶メディア10の構成について説明をする。記憶メディア10は、上述したUSBプラグ11と、USBコントローラ12と、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、CPU(Central Processing Unit)15と、メモリコントローラ16と、フラッシュメモリ17と、タイマー19と、タイマー用バッテリ20とを備えている。
【0028】
USBコントローラ12、ROM13、RAM14と、CPU15と、メモリコントローラ16と、フラッシュメモリ17と、タイマー19とは、バス21を介してそれぞれ接続されている。
【0029】
USBプラグ11は、上述したように、外部機器のUSBインターフェース、例えば、図1に示したPC30のUSBジャック31と接続するためのUSBインターフェースである。USBプラグ11を介して、PC30と接続された当該記憶メディア10は、PC30から電源供給を受けることで動作し、PC30とデータ通信を行う。
【0030】
USBコントローラ12は、USBプラグ11を介して行われるPC30と、当該記憶メディア10とのデータ転送をUSBプロトコルに基づき制御する。
【0031】
なお、記憶メディア10においては、PC30と接続するインターフェースとしてUSBを採用しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、どのようなインターフェースでも用いることができる。
【0032】
ROM13は、CPU15で実行するファームウェアや、ファイルシステムを格納しているメモリである。ROM13には、後述するフラッシュメモリ17のコンテンツエリア17bに記憶されたデジタルコンテンツを完全に削除するためのコンテンツ削除用ファームウェアなどが格納されている。RAM14は、CPU15のワーキング用のメモリである。
【0033】
CPU15は、ROM13に格納されているファームウェアや、ファイルシステムを実行して、当該記憶メディア10の動作を統括的に制御する。
【0034】
メモリコントローラ16は、ROM13からCPU15に読み出されたファイルシステムによって制御され、フラッシュメモリ17に記憶するデータをファイルとして管理しながら、フラッシュメモリ17へのデータの書き込み、フラッシュメモリ17に記憶されたデータの読み出しを制御する。
【0035】
フラッシュメモリ17は、当該記憶メディア10の記憶部であり、ROM13からCPU15に読み出されたファイルシステムによって、メモリコントローラ16でファイルとして管理されるデータを記憶する。フラッシュメモリ17のメモリ領域は、当該記憶メディア10をPC30といった外部機器に接続した場合に、直ちに、何の制限もなしに外部機器からのアクセスが可能なオープンエリア17aと、外部機器からの書き込みを目的としたアクセスは、自在であるが、読み出しを目的としたアクセスが制限されたコンテンツエリア17bとを備えている。
【0036】
フラッシュメモリ17のコンテンツエリア17bは、上述したように、当該記憶メディア10を接続したPC30といった外部機器からの読み出しを目的としたアクセスが制限されたメモリ領域である。このコンテンツエリア17bは、PC30などの外部機器によって書き込まれたデジタルコンテンツ(以下、単にコンテンツと呼ぶ。)を記憶する。コンテンツエリア17bに記憶されるコンテンツとしては、画像(静止画像、動画像)データ、音声データ、テキストデータ、といった各種アプリケーションソフトウェアで作成されたデータであり、具体的には、MPEG(Moving Picture Experts Group)データ、JPEG(Joint Photographic coding Expert Group)データ、WORDデータ(WORD:登録商標)、Excelデータ(Excel:登録商標)、Power Pointデータ(Power Point:登録商標)などである。
【0037】
また、コンテンツエリア17bには、記憶されているコンテンツに関するコンテンツ情報も記憶している。コンテンツ情報は、コンテンツエリア17bに、コンテンツを書き込む際に、当該コンテンツに関連付けられて書き込まれる。具体的な、コンテンツ情報としては、各コンテンツを一意に特定するためのファイル名やタイトル情報、コンテンツの利用可能な期限を示した有効期限情報、コンテンツエリア17bにコンテンツが書き込まれた時点でのタイマー19の値を示すタイマー値情報(時間情報)などがある。有効期限情報、タイマー値情報は、後で説明をするコンテンツの削除処理において用いられる情報である。
【0038】
有効期限情報は、コンテンツエリア17bにコンテンツが書き込まれてから利用可能なコンテンツの寿命を示した情報である。例えば、当該記憶メディア10を介して、コンテンツを購入するシステムを構築する場合などには、支払う代金に比例して利用可能な期限、つまりコンテンツの当該記憶メディア10内での寿命を決定することができる。
【0039】
フラッシュメモリ17のオープンエリア17aは、上述したように、当該記憶メディア10を接続したPC30といった外部機器からのアクセスが自在なメモリ領域である。このオープンエリア17aには、上述したコンテンツエリア17bへアクセスする際に用いられるアプリケーションソフトウェアである変換ソフトウェア(CONTENT_RW.exe)が格納されている。変換ソフトウェアは、コンテンツエリア17bへコンテンツを書き込む際、コンテンツエリア17bに記憶されたコンテンツを開く(再生する)際に用いられる。つまり、コンテンツエリア17bは、オープンエリア17aに格納された変換ソフトウェアを用いることでアクセスが可能となる。
【0040】
タイマー19は、タイマー用バッテリ20によって動作し、記憶メディア10がPC30へ接続されているかどうかに関わらず、常に現在の時間を測定する。
【0041】
{コンテンツの書き込み処理動作}
続いて、図3に示すフローチャートを用いて、フラッシュメモリ17のコンテンツエリア17bへのコンテンツの書き込み処理動作について説明をする。
【0042】
ステップS1において、記憶メディア10のUSBプラグ11を、PC30のUSBジャック31に挿入し、記憶メディア10をPC30に接続する。これにより、記憶メディア10には、PC30から電源が供給されパワーオン状態となる。
【0043】
ステップS2において、ユーザは、PC30から記憶メディア10のフラッシュメモリ17のオープンエリア17aにアクセスをし、オープンエリア17aに格納されている変換ソフトウェアの起動要求をする。
【0044】
ステップS3において、記憶メディア10のCPU15は、オープンエリア17aに格納されている変換ソフトウェアを起動し、実行する。以下の工程において、CPU15の動作は、実行している変換ソフトウェアに基づいた動作となる。
【0045】
ステップS4において、CPU15は、ROM13に格納されているコンテンツ削除用ファームウェアを読み込み、コンテンツエリア17bに格納されているコンテンツのうち有効期限を過ぎたコンテンツの削除処理を実行する。このステップS4におけるコンテンツの削除処理については、後で詳細に説明をする。
【0046】
ステップS5において、CPU15は、コンテンツエリア17bに格納されている全てのコンテンツのコンテンツ情報をPC30に送信する。
【0047】
例えば、PC30に送信されたコンテンツ情報は、図4に示すように、PC30が備えるモニタ32の表示画面32a上のウインドウ(CONTENT TRAY)33内にコンテンツ情報ウインドウ34として表示される。
【0048】
ステップS6において、ユーザは、起動させた変換ソフトウェアを介して、コンテンツエリア17bに対して新しいコンテンツを書き込むための操作を行う。具体的には、ユーザは、図4に示すように、モニタ32の表示画面32a上に表示されたGUI(Graphical user Interface)環境下において、マウスなどの入力インターフェースを用いて、まだPC30の記憶媒体上にある新しいコンテンツをGUI表示したアイコン35をドラッグし、ウインドウ33に上に移動させる。これに応じて、PC30からは、記憶メディア10に新しいコンテンツが送信される。
【0049】
ステップS7において、記憶メディア10のCPU15は、送信された新しいコンテンツをコンテンツエリア17bに書き込む。このとき、CPU15は、新しいコンテンツがコンテンツエリア17bに書き込まれた時点でのタイマー19のタイマー値をタイマー値情報(時間情報)として、書き込まれたコンテンツと関連づけて、コンテンツエリア17bに書き込む。
【0050】
ステップS8において、CPU15は、コンテンツエリア17bに新しいコンテンツを書き込んだことに応じて、書き込んだコンテンツのコンテンツ情報をPC30に送信する。例えば、PC30に送信された新しいコンテンツのコンテンツ情報は、図4に示すように、PC30が備えるモニタ32の表示画面32b上のウインドウ(CONTENT TRAY)33内にコンテンツ情報ウインドウ36として表示される。
【0051】
ステップS9において、ユーザは、さらに新しいコンテンツをコンテンツエリア17bに書き込みたい場合は、工程をステップS6へと戻す。また、これ以上、書き込みを行わない場合は、工程を終了する。
【0052】
{コンテンツの削除処理動作}
続いて、図5に示すフローチャートを用いて、図3に示したステップS4のコンテンツの削除処理動作について説明をする。
【0053】
まず、CPU15は、ROM13に格納されているコンテンツ削除用ファームウェアを読み込んで実行し、コンテンツエリア17bに格納されているコンテンツのうち有効期限を過ぎたコンテンツの削除処理を実行する。
【0054】
このCPU15は、コンテンツ削除用ファームウェアに基づいて、コンテンツエリア17bにコンテンツに関連付けられているコンテンツ情報のうち有効期限情報と、タイマー値情報とを読み出す。そして、タイマー19の現在のタイマー値と、読み出したタイマー値情報との差をとり、有効期限情報と比較する(ステップS11)。
【0055】
このとき、現在のタイマー値と、読み出したタイマー値情報との差が、有効期限情報を超えていた場合、有効期限を過ぎたと判断され、CPU15は、該当するコンテンツをコンテンツエリア17bから完全に削除する(ステップS12)。コンテンツ削除用ファームウェアは、ディレクトリレベルでのコンテンツの削除を行うのではなく、フラッシュメモリ17上から完全にデータを削除する。
【0056】
また、現在のタイマー値と、読み出したタイマー値情報との差が、有効期限情報以下である場合は、有効期限内であると判断され、工程を、図3に示すステップS5へと進めることになる。
【0057】
このコンテンツ削除用ファームウェアによる、コンテンツの削除処理は、変換ソフトウェアが起動される度に実行される工程であり、後で説明するように、コンテンツエリア17bからコンテンツを読み出すために、変換ソフトウェアを起動する際にも行われる。
【0058】
{コンテンツの読み出し処理動作}
続いて、記憶メディア10が備えるフラッシュメモリ17のコンテンツエリア17bに記憶されたコンテンツを読み出す際の動作について説明をする。コンテンツエリア17bに記憶されたコンテンツを読み出す手法としては、以下に示すような2種類が考えられる。
【0059】
第1の手法は、図6に示すように、記憶メディア10内で、オープンエリア17aに格納された変換ソフトウェア、ROM13に格納されたファームウェアを用いて、コンテンツエリア17bに格納されたコンテンツをモニタ32で扱うことのできるピクセルデータに変換する手法である。
【0060】
第2の手法は、図7に示すように、オープンエリア17aに格納された変換ソフトウェアと、コンテンツエリア17bに格納された所望のコンテンツとをPC30に送信し、PC30にて、変換ソフトウェアがコンテンツをモニタ32で扱うことのできるピクセルデータに変換する手法である。
【0061】
<読み出し処理動作(第1の手法)>
まず、図8に示すフローチャートを用いて、コンテンツエリア17bに記憶されたコンテンツを、オープンエリア17aに格納された変換ソフトウェア、ROM13に格納されたファームウェアを用いて読み出し、記憶メディア10内でモニタ32にて扱うことのできるピクセルデータに変換する読み出し処理について説明をする。
【0062】
ステップS21において、記憶メディア10のUSBプラグ11を、PC30のUSBジャック31に挿入し、記憶メディア10をPC30に接続する。これにより、記憶メディア10には、PC30から電源が供給されパワーオン状態となる。
【0063】
ステップS22において、ユーザは、PC30から記憶メディア10のフラッシュメモリ17のオープンエリア17aにアクセスをし、オープンエリア17aに格納されている変換ソフトウェアの起動要求をする。
【0064】
ステップS23において、記憶メディア10のCPU15は、オープンエリア17aに格納されている変換ソフトウェアを起動し、実行する。以下の工程において、CPU15の動作は、実行している変換ソフトウェアに基づいた動作となる。
【0065】
ステップS24において、CPU15は、ROM13に格納されているコンテンツ削除用ファームウェアを読み込み、コンテンツエリア17bに格納されているコンテンツのうち有効期限を過ぎたコンテンツの削除処理を実行する。このステップS24におけるコンテンツの削除処理については、図5を用いて既に説明をしているので説明を省略する。
【0066】
ステップS25において、CPU15は、コンテンツエリア17bに格納されている全てのコンテンツのコンテンツ情報をPC30に送信する。PC30に送信されたコンテンツ情報は、PC30が備えるモニタ32に表示される。
【0067】
ステップS26において、ユーザは、モニタ32上に表示されたコンテンツ情報を参照し、コンテンツエリア17bから実行するコンテンツ、つまり読み出すコンテンツを選択する。例えば、ユーザは、PC30に備えられた図示しないマウスなどでモニタ32上に表示されたコンテンツ情報又はコンテンツを示したアイコンなどをダブルクリックすることで所望のコンテンツを指定する。
【0068】
ステップS27において、CPU15は、変換ソフトウェアに基づいて、ROM13に格納されているファームウェアを読み出し、コンテンツエリア17bから選択されたコンテンツをモニタ32で扱うことのできるピクセルデータに変換しPC30に送信する。また、復号したコンテンツに音声データが含まれている場合は、音声信号に変換をする。
【0069】
ステップS28において、PC30は、送信されたピクセルデータをアナログ信号に変換してモニタ32に供給し、画像を出力表示させる。なお、モニタ32が、DVI(Digital Visual Interface)コネクタを備えている場合には、ピクセルデータをアナログ信号に変換することなくモニタ32に供給する。また、音声信号は、PC30内に設けられた音声処理ユニットなどで増幅されPC30に備えられた図示しないスピーカから音声として出力される。
【0070】
ステップS29において、ユーザは、さらに新しいコンテンツをコンテンツエリア17bから読み出したい場合は、工程をステップS26へと戻す。また、これ以上、読み出しを行わない場合は、工程を終了する。
【0071】
このようにして、記憶メディア10のCPU15は、ユーザからPC30を介して選択されたコンテンツを、当該記憶メディア10内にて、変換ソフトウェア、ファームウェアを用いてモニタ32にて扱うことのできるピクセルデータに変換し、PC30に送信する。したがって、記憶メディア10のUSBプラグ11からは、コンテンツデータそのものではなく、変換処理が施されたピクセルデータが出力されるだけなので、例えば、第三者がPC30内にトロイジャンホースなどを仕掛け、PC30へのデータ送信時にデータを不正に盗んだとしても、これを用いることはできず、非常に高いセキュリティを確保することができる。
【0072】
<読み出し処理動作(第2の手法)>
続いて、図9に示すフローチャート用いて、コンテンツエリア17bに記憶されたコンテンツと、オープンエリア17aに格納された変換ソフトウェアとをPC30に送信し、PC30内でモニタ32にて扱うことのできるピクセルデータに変換する読み出し処理動作について説明をする。
【0073】
このような読み出し処理が実行される場合には、オープンエリア17aに格納されている変換ソフトウェアは、図10に示すような構成となっている。図10に示すように、変換ソフトウェアは、アプリケーション本体が記述されているアプリケーションソフトウェア保存エリア30Aと、乱数テーブルが記述されている乱数テーブル保存エリア30Bとを備えた構成となっている。この乱数テーブル保存エリア30Bに記述された乱数テーブルは、オープンエリア17aに格納された変換ソフトウェア、コンテンツエリア17bに記憶されたコンテンツをPC30に送信する際の暗号化処理に用いられることになる。
【0074】
そして、記憶メディア10の構成も、図11に示すように、乱数発生器18を付加した構成となっている。乱数発生器18は、後述するように当該記憶メディア10に電源が投入される毎に、乱数テーブル保存エリア30Bに記述された乱数テーブルを書き換えるための乱数を発生する。
【0075】
ステップS31において、記憶メディア10のUSBプラグ11を、PC30のUSBジャック31に挿入し、記憶メディア10をPC30に接続する。これにより、記憶メディア10には、PC30から電源が供給されパワーオン状態となる。
【0076】
ステップS32において、ユーザは、PC30から記憶メディア10のフラッシュメモリ17のオープンエリア17aにアクセスをし、オープンエリア17aに格納されている変換ソフトウェアの起動要求をする。
【0077】
ステップS33において、CPU15は、ROM13に格納されているコンテンツ削除用ファームウェアを読み込み、コンテンツエリア17bに格納されているコンテンツのうち有効期限を過ぎたコンテンツの削除処理を実行する。このステップS24におけるコンテンツの削除処理については、図5を用いて既に説明をしているので説明を省略する。
【0078】
ステップS34において、CPU15は、PC30からの変換ソフトウェア起動要求に応じて、ROM14から所定のファームウェアを読み込んで実行し、乱数発生器18を制御して乱数を発生させる。
【0079】
ステップS35において、CPU15は、実行されたファームウェアに基づいて、乱数発生器18で発生した乱数を用いて、オープンエリア17aに格納されている変換ソフトウェアの乱数テーブル保存エリア30Bに記述された乱数テーブルを書き換える。
【0080】
ステップS36において、CPU15は、実行されたファームウェアに基づいて、書き換えられた乱数テーブルから、PC30に送信するコンテンツを暗号化するためのキーを生成する。ここでは、一例として、コンテンツを暗号化する暗号化アルゴリズムとして、2つの相異なるキーを用いた3DES(Triple Data Encryption Standard)を採用することとし、乱数テーブルから2つのキー、K1,K2を生成する。K1,K2は、乱数テーブルのあらかじめ定められた位置に配列されている数字を抽出し並べることで形成することができる。
【0081】
例えば、CPU15は、図10に示した乱数テーブル保存エリア30Bに記述されている乱数テーブルを用いて、ドットで網掛けされた位置に配列された数字を順番に並べ、以下に示すようなK1を生成し、斜線で網掛けされた位置に配列された数字を順番に並べ、以下に示すようなK2を生成することになる。
【0082】
K1=68 03 31 60 10 31 51 87
K2=01 37 19 80 90 18 24 85
生成されたキー、K1,K2は、一時的にRAM14に書き込まれる。
【0083】
ステップS37において、CPU15は、ファームウェアに基づいて、乱数テーブルが書き換えられた変換ソフトウェアをPC30に送信する。
【0084】
ステップS38において、PC30は、記憶メディア10から送信された変換ソフトウェアを起動し、実行する。以下の工程において、PC30の動作は、実行している変換ソフトウェアに基づいた動作となる。
【0085】
ステップS39において、PC30は、変換ソフトウェアを介して、記憶メディア10のコンテンツエリア17bに格納されている全てのコンテンツのコンテンツ情報を受信し、モニタ32に表示させる。
【0086】
そして、ユーザは、モニタ32上に表示されたコンテンツ情報を参照し、コンテンツエリア17bから実行するコンテンツ、つまり読み出すコンテンツを選択する。例えば、ユーザは、PC30に備えられた図示しないマウスなどでモニタ32上に表示されたコンテンツ情報又はコンテンツを示したアイコンなどをダブルクリックすることで所望のコンテンツを指定する。
【0087】
ステップS40において、記憶メディア10のCPU15は、ファームウェアに基づいて、PC30を介して選択されたコンテンツを、ステップS36で生成したキーを用いて暗号化する。上述したように、暗号化アルゴリズムとして3DESを用いるとすると、CPU15は、まず、選択されたコンテンツを8Byte(64bit)毎にK1で暗号化する。続いて、CPU15は、K1で8Byte毎に暗号化されたコンテンツをK2で復号する。さらに、CPU15は、K2で8Byte毎に復号されたコンテンツをK1で暗号化する。
【0088】
ステップS41において、CPU15は、ファームウェアに基づいて、暗号化したコンテンツである暗号化コンテンツをPC30に送信する。
【0089】
ステップS42において、PC30は、送信された変換ソフトウェアに記述されている乱数テーブルからコンテンツを暗号化するために用いたキーを取り出す。キーの取り出し方は、ステップS36において、キーを生成したのと全く同様であり、乱数テーブルのあらかじめ定められた箇所に記述されている数字を取り出して順に並べることでキー、K1,K2を取り出すことができる。
【0090】
ステップS43において、PC30は、変換ソフトウェアに基づいて、取り出したキーを用い暗号化コンテンツを復号する。上述したように3DESによって暗号化された暗号化コンテンツに対して、暗号化した手順と全く逆の処理をK1,K2を用いて実行することで復号することができる。このとき、復号されたコンテンツは、PC30のHD(Hard Disk)などには記憶されず、直ちにステップS44の工程へと用いられる。
【0091】
ステップS44において、PC30は、変換ソフトウェアに基づいて、復号したコンテンツをモニタ32で扱うことのできるピクセルデータに変換する。また、復号したコンテンツに音声データが含まれている場合は、音声信号に変換をする。
【0092】
ステップS45において、PC30は、変換されたピクセルデータをアナログ信号に変換してモニタ32に供給し、画像を出力表示させる。なお、モニタ32がDVIコネクタを備えている場合には、ピクセルデータをアナログ信号に変換することなくモニタ32に供給する。また、音声信号は、PC30内に設けられた音声処理ユニットなどで増幅されPC30に備えられた図示しないスピーカから音声として出力される。
【0093】
ステップS46において、ユーザは、さらに新しいコンテンツをコンテンツエリア17bから読み出したい場合は、工程をステップS39へと戻す。また、これ以上、読み出しを行わない場合は、工程を終了する。
【0094】
このようにして、記憶メディア10は、変換ソフトウェアをPC30に送信すると共に、ユーザからPC30を介して選択されたコンテンツを、変換ソフトウェアの乱数テーブルから生成したキー、K1,K2で暗号化してPC30に送信する。PC30は、送信された変換ソフトウェアから、共に送信されたキー、K1,K2を取り出し、暗号化されたコンテンツを復号し、モニタ32にて扱うことのできるピクセルデータに変換する。
【0095】
したがって、記憶メディア10のUSBプラグ11からは、暗号化された暗号化コンテンツが出力されるだけなので、第三者がPC30へのデータ送信時にデータを不正に盗んだとしても、これを用いることはできず、非常に高いセキュリィティを確保することができる。
【0096】
また、コンテンツを暗号化するキー、K1,K2が格納された変換ソフトウェアに記述される乱数テーブルは、記憶メディア10に電源が投入される度に更新されるため、電源投入毎に異なるキー、K1,K2が生成されることになる。したがって、例えば、PC30に送信された変換ソフトウェアに記述された乱数テーブルから、K1,K2を不正に取得したとしても、記憶メディア10の電源を再投入した際には、無効となってしまうため、コンテンツの不正な利用を防止することができる。
【0097】
このような第1の実施の形態として示す記憶メディア10を用いれば、例えば、映画などのコンテンツを販売しているレンタル店やコンビニエンスストアなどで、コンテンツを購入すると、図3を用いて説明したようにコンテンツエリア17b内に所望のコンテンツが書き込まれる。コンテンツを購入したユーザは、所有する汎用のPC30に記憶メディア10を接続し、図8及び図9を用いて説明をした読み出し処理動作を実行させる。
【0098】
ユーザには、コンテンツエリア17bから読み出されたコンテンツが、モニタ32に表示される映像、図示しないスピーカから出力される音声として提供されるだけであって、コンテンツをデジタルデータとして所有することは不可能である。したがって、ユーザは、著作権を侵害するような不正行為を決してすることができず、ユーザ以外の第三者による不正なコンテンツの取得も完全に排除することができる。
【0099】
また、記憶メディア10は、コンテンツエリア17bに記憶された復号後のコンテンツを、有効期限となるまで何度でも視聴可能とするが、有効期限が経過するとCPU15によって自動的に削除する。したがって、従来までのレンタル店などで必須であったビデオテープやDVDの返却といった煩わしい行為を一切必要としない。
【0100】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態として示した記憶メディア10は、コンテンツを書き込む際に用いるインターフェースと、コンテンツを読み出す際に用いるインターフェースとが共通となっていたが、第2の実施の形態として示す記憶メディア40は、図12示すように、外部装置からコンテンツを書き込む際に用いるUSBジャック11の他に、記憶されたコンテンツを読み出して、外部装置に出力するビデオ出力インターフェース42を備えている。このビデオ出力インターフェース42からは、アナログ信号に変換されたピクセルデータが出力され、ケーブル51を介してモニタ50に供給される。なお、記憶メディア40のビデオ出力インターフェース42には、ケーブル51の接続インターフェース52が接続されることになる。
【0101】
記憶メディア40は、例えば、図13に示すような構成となっている。なお、図13に示す記憶メディア40において、上述した記憶メディア10と同一の箇所には、同一符号を付し説明を省略する。
【0102】
図13に示すように、記憶メディア40は、図2に示した記憶メディア10に、ビデオ信号変換器41、ビデオ出力インターフェース42を備えた構成となっている。ビデオ信号変換器41は、コンテンツエリア17bから読み出されたコンテンツを、ピクセルデータに変換し、さらにアナログ信号に変換して、ビデオ出力インターフェース42に供給する。
【0103】
つまり、この記憶メディア40は、図2で示した記憶メディア10と同様に、オープンエリア17aに格納された変換ソフトウェアを用いて、PC30などの外部装置からコンテンツエリア17bに自在にコンテンツを書き込むことができると共に、コンテンツエリア17bに書き込まれたコンテンツを、ビデオ信号変換器41を用いて、当該記憶メディア40内で、モニタ50で扱うことのできるアナログ信号に変換することができる。
【0104】
したがって、記憶メディア40から、コンテンツをデジタルデータとして読み出すことが全くできないため、コンテンツの不正使用を完全に排除することができる。
【0105】
また、記憶メディア40は、映画などの音声データを含んだコンテンツに対応するために、オーディオ信号変換器43と、オーディオ出力インターフェース44とを備えていてもよい。オーディオ信号変換器43は、コンテンツに含まれるデジタルの音声データを、アナログ信号に変換し、オーディオ出力インターフェース44に供給する。なお、記憶メディア40は、PC30にオーディオ出力機能がない場合には、オーディオ出力インターフェース44、オーディオケーブルを介してオーディオアンプ又は、増幅機能を備えたオーディオ出力装置に接続されることになる。
【0106】
記憶メディア40を、このように音声データを扱える構成とした場合も、コンテンツに含まれる音声データは、デジタルデータとして読み出すことが全くできないため、コンテンツの不正使用を完全に排除することができる。
【0107】
第2の実施の形態として示す記憶メディア40を用いると、図14に示すようなインターネットなどのネットワーク網62を介した、コンテンツ配信システム60を構築することができる。
【0108】
コンテンツ配信業者61は、映画などのコンテンツを配信する配信業者であり、まず、直接或いは販売代理店などを介して、ユーザに記憶メディア40を販売することになる。ユーザに販売される記憶メディア40は、当該記憶メディア40を一意に特定するシリアルナンバを有しており、フラッシュメモリ17のコンテンツエリア17b又はROM13に格納されている。また、記憶メディア40は、暗号キーKも、同じようにコンテンツエリア17b又はROM13に格納している。
【0109】
このような前提を踏まえ、ユーザが、コンテンツ配信業者61からコンテンツを購入する動作について説明する。ユーザは、購入した記憶メディア40をPC30といった外部装置に接続し、オープンエリア17aに格納された変換ソフトウェアを起動させネットワーク網62を介してコンテンツ配信業者61にアクセスをする。
【0110】
ユーザは、事前に登録しているユーザ情報などを入力することでコンテンツ配信業者61のサーバにアクセスすることが可能となる。コンテンツ配信業者61は、アクセスしてきたユーザが正当なユーザであることが認証されると、配信可能なコンテンツのリストを提示する。
【0111】
ユーザは、コンテンツのリストを参照しながら、所望のコンテンツを指定し配信を希望する旨をコンテンツ配信業者61に通知する。このとき、ユーザは、コンテンツを受信してから再生可能な有効期限に応じて決定された料金に応じた代金を、例えば、クレジットカードなどを用いてオンライン上で支払うことになる。
【0112】
これに応じて、コンテンツ配信業者61は、指定されたコンテンツを、ユーザが所有する記憶メディア40に格納されている暗号キーKと、シリアルナンバとで暗号化し、暗号化した暗号化コンテンツKCを、ネットワーク網62を介してPC30に送信する。PC30に送信された暗号化コンテンツKCは、暗号キーKと、シリアルナンバとで元のコンテンツに復号され、コンテンツエリア17bに書き込まれる。
【0113】
購入したコンテンツが、コンテンツエリア17bに書き込まれると、コンテンツを読み出して、ビデオ信号変換器41、ビデオ出力インターフェース42、オーディオ信号変換器43、オーディオ出力インターフェース44を介してコンテンツを出力させることができるようになる。
【0114】
記憶メディア40は、コンテンツエリア17bに記憶された復号後のコンテンツを、有効期限となるまで何度でも視聴可能とするが、有効期限が経過するとCPU15によって自動的に削除される。したがって、図14に示すようなコンテンツ配信システム60を構築した場合、従来までのレンタル店などで必須であったビデオテープやDVDの返却といった煩わしい行為を一切必要としない。
【0115】
また、図14に示したコンテンツ配信システム60以外でも、例えば、コンビニエンスストアなどに、コンテンツ配信業者とネットワーク網で接続されたPC30を用意しておくことで、買い物をしにきたついでに、コンテンツを簡単に購入することができる。もちろん、購入したコンテンツの返却は、一切必要としない。
【0116】
[第3の実施の形態]
図15に第3の実施の形態として示す記憶メディア70は、第2の実施の形態として示した記憶メディア40から、オーディオ信号変換器43と、オーディオ出力インターフェース44とを残し、ビデオ信号変換器41と、ビデオ出力インターフェース42とを除去した構成となっている。記憶メディア70は、オーディオ出力インターフェース44を介して、例えば、携帯型の音楽再生装置などに接続され音声コンテンツを再生させることができる。
【0117】
記憶メディア70は、オープンエリア17aに格納された変換ソフトウェアを用いて、PC30などの外部装置からコンテンツエリア17bに自在に音声コンテンツを書き込むことができると共に、コンテンツエリア17bに書き込まれた音声コンテンツを、オーディオ信号変換器43を用いて、当該記憶メディア70内でアナログ信号に変換することができる。
【0118】
したがって、記憶メディア70から、音声コンテンツをデジタルデータとして読み出すことが全くできないため、音声コンテンツの不正使用を完全に排除することができる。
【0119】
記憶メディア70も、図14で示したコンテンツ配信システム60に用いることができる。音声コンテンツは、映像などのコンテンツと比較して、通常、長期的且つ頻繁に再生して利用することが考えられるため、第2の実施の形態で示したように、有効期限が経過したら単純にコンテンツエリア17bから削除されてしまうと、ユーザの要求を十分満たすことはできない。そこで、例えば、記憶メディア70を用いて、レンタル店などのCDレンタル料よりも安い値段で、音声コンテンツを提供し、CDそのものの販売を促進するために利用することが考えられる。音声コンテンツは、図14に示したようにユーザが個人でネットワーク網62を介して取得するようにしてもよいし、例えば、コンビニエンスストアなどに、直接赴いて取得するようにしてもよい。いずれの場合も、ユーザは、音声コンテンツを期限つきで利用することができるため、商品であるCDを購入するために十分考慮することができる。
【0120】
CDを販売する販売業者は、コンテンツ配信業者と提携し、販売促進用の音声コンテンツを購入したユーザがCDを購入する際には、販売料金の値下げ、限定グッズの優先的な付与など、なんらかの付加価値的なサービスを与えることで、ユーザの購買意欲をさらに高めるといったことも可能である。
【0121】
上述したように、記憶メディア10,40,70が備える、コンテンツエリア17bに記憶されたコンテンツの自動削除機能は、コンテンツ配信だけではなく、アプリケーションソフトウェアを販売する際の促進にも利用することができる。高価なアプリケーションソフトウェアの場合、実際に操作などしてみないと購入を検討するのが難しいことがある。そこで、上述した有効期限を“お試し期間”として設定し、有効期限がくるまでコンテンツエリア17bに格納されたアプリケーションソフトウェアを利用可能とすることで、販売を促進することができる。
【0122】
また、ナビゲーションソフトウェアなどで使用する地図データを購入する場合なども、“お試し期間”において、地図データが古すぎて地図データと、実際の街の様子とに大きな隔たりがないかどうかを検証してから購入を検討するといった利用方法も考えられる。これは、購入するユーザにとっては、不必要なコンテンツを購入することがないといった利点などがある。また、販売する側にとっては、常に新しい情報を提供していく必要があることから、それを達成することで、ユーザからの信頼が得られると共に、市場に良質なコンテンツを提供できるといった利点などがある。
【0123】
なお、記憶メディア10,40,70が備えるフラッシュメモリ17は、他の記憶手段、例えば、磁気ディスクであるHD(Hard Disk)を記憶媒体としたHDD(HD Drive)などであってもよく、本発明は、記憶手段の種類に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明を実施するための第1の実施の形態として示す記憶メディアの使用形態について説明するための図である。
【図2】同記憶メディアの構成について説明するための図である。
【図3】同記憶メディアにおいて、コンテンツエリアへのコンテンツ書き込み処理動作について説明するためのフローチャートである。
【図4】同記憶メディアの書き込み処理動作時において、モニタに表示される画面上の様子の一例を示した図である。
【図5】同記憶メディアにおいて、コンテンツエリアからのコンテンツ削除処理動作について説明するためのフローチャートである。
【図6】同記憶メディアにおいて、コンテンツエリアからコンテンツを読み出す際の第1の手法について説明するための図である。
【図7】同記憶メディアにおいて、コンテンツエリアからコンテンツを読み出す際の第2の手法について説明するための図である。
【図8】同記憶メディアにおいて、第1の手法にて、コンテンツエリアからコンテンツ読み出す際の読み出し処理動作について説明するためのフローチャートである。
【図9】同記憶メディアにおいて、第2の手法にて、コンテンツエリアからコンテンツを読み出す際の読み出し処理動作について説明するためのフローチャートである。
【図10】乱数テーブルが記述された変換ソフトウェアの構成について説明するための図である。
【図11】同記憶メディアに乱数発生器を付加した構成について説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態として示す記憶メディアの使用形態について説明するための図である。
【図13】同記憶メディアの構成について説明するための図である。
【図14】同記憶メディアを用いたコンテンツ配信システムについて説明するための図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態として示す記憶メディアの構成について説明するための図である。
【符号の説明】
【0125】
10,40,70 記憶メディア、11 USB(Universal Serial Bus)ジャック、14 RAM(Random Access Memory)、15 CPU(Central Processing Unit)、17 フラッシュメモリ、17a オープンエリア、17b コンテンツエリア、18 乱数発生器、19 タイマー、20 タイマー用バッテリ、30 PC(Personal Computer)、31 USBプラグ、41 ビデオ信号変換器、42 ビデオ出力インターフェース、43 オーディオ信号変換器、44 オーディオ出力インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の接続インターフェースを介して外部装置と接続されるデータ記憶装置であって、
当該データ記憶装置に接続された上記外部装置からのデータの書き込みを自在とし、書き込まれた上記データの上記外部装置によるデータ形式での読み出しを制限された第1の記憶領域と、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データの読み出しを実行するソフトウェアが格納された第2の記憶領域とを有するデータ記憶手段と、
上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データに対する上記外部装置からの読み出し要求に応じて、上記第2の記憶領域に格納された上記ソフトウェアを実行することで、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを読み出し、必ず当該データ記憶装置に接続された上記外部装置の出力形式に応じた信号に変換してから、上記外部装置に送信するよう制御する制御手段とを備えること
を特徴とするデータ記憶装置。
【請求項2】
現在の時間を測定するタイマーを備え、
上記制御手段は、上記タイマーによって測定される現在の時間と、上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に上記タイマーによって与えられる時間情報との差を、同じく上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に与えられる上記データの寿命を示した有効期限情報と比較し、上記差が上記有効期限情報を超えた場合には、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを削除すること
を特徴とする請求項1記載のデータ記憶装置。
【請求項3】
上記データ記憶手段は、不揮発性の半導体メモリであること
を特徴とする請求項1記載のデータ記憶装置。
【請求項4】
上記データ記憶手段は、磁気ディスクを記憶媒体とする磁気ディスクドライブであること
を特徴とする請求項1記載のデータ記憶装置。
【請求項5】
端末装置と、所定の接続インターフェースを介して上記端末装置と接続されるデータ記憶装置とを備えるデータ提供システムであって、
上記データ記憶装置は、当該データ記憶装置に接続された上記端末装置からのデータの書き込みを自在とし、書き込まれた上記データの上記端末装置によるデータ形式での読み出しを制限された第1の記憶領域と、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データの読み出しを実行するソフトウェアが格納された第2の記憶領域とを有するデータ記憶手段と、
上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データに対する上記端末装置からの読み出し要求に応じて、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを読み出し、上記ソフトウェアに添付された暗号キーで、上記データを暗号化する暗号化手段と、
上記暗号化手段によって暗号化された暗号化データと、上記暗号キーが添付された上記ソフトウェアとを、上記端末装置に送信する送信手段とを有し、
上記端末装置は、上記データ記憶装置から送信された上記ソフトウェアを実行することで、上記暗号化手段による暗号化を実行させ、上記ソフトウェアに添付された上記暗号キーを用いて、上記データ記憶装置から送信された上記暗号化データを復号し、復号された上記データを、必ず当該端末装置の出力形式に応じた信号に変換する制御手段とを有すること
を特徴とするデータ提供システム。
【請求項6】
上記データ記憶装置は、現在の時間を測定するタイマーを備え、
上記制御手段は、上記タイマーによって測定される現在の時間と、上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に上記タイマーによって与えられる時間情報との差を、同じく上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に与えられる上記データの寿命を示した有効期限情報と比較し、上記差が上記有効期限情報を超えた場合には、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを削除すること
を特徴とする請求項5記載のデータ提供システム。
【請求項7】
上記データ記憶装置が有する上記暗号化手段は、上記ソフトウェアに添付された乱数テーブルから上記暗号キーを生成し、生成した暗号キーを用いて、上記第1の記憶領域から読み出した上記データを暗号化し、
上記端末装置が有する制御手段は、上記データ記憶装置から送信されたソフトウェアに添付された乱数テーブルから上記暗号キーを生成し、生成した暗号キーを用いて、送信された上記暗号化データを復号すること
を特徴とする請求項5記載のデータ提供システム。
【請求項8】
上記データ記憶装置は、上記ソフトウェアに添付された上記乱数テーブルを更新するための乱数を、当該データ記憶装置に電源投入される度に発生する乱数発生器を有すること
を特徴とする請求項7記載のデータ提供システム。
【請求項9】
上記データ記憶装置が有する上記データ記憶手段は、不揮発性の半導体メモリであること
を特徴とする請求項5記載のデータ提供システム。
【請求項10】
上記データ記憶装置が有する上記データ記憶手段は、磁気ディスクを記憶媒体とする磁気ディスクドライブであること
を特徴とする請求項5記載のデータ提供システム。
【請求項11】
所定の接続インターフェースを介して外部装置に接続されるデータ記憶装置であって、
当該データ記憶装置に接続された上記外部装置からのデータの書き込みを自在とし、書き込まれた上記データの上記外部装置によるデータ形式での読み出しを制限された第1の記憶領域と、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データの読み出しを実行するソフトウェアが格納された第2の記憶領域とを有するデータ記憶手段と、
上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データに対する上記外部装置からの読み出し要求に応じて、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを読み出し、上記ソフトウェアに添付された暗号キーで、上記データを暗号化する暗号化手段と、
上記暗号化手段によって暗号化された暗号化データと、上記暗号キーが添付された上記ソフトウェアとを、上記端末装置に送信する送信手段とを備えること
を特徴とするデータ記憶装置。
【請求項12】
現在の時間を測定するタイマーを備え、
上記制御手段は、上記タイマーによって測定される現在の時間と、上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に上記タイマーによって与えられる時間情報との差を、同じく上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に与えられる上記データの寿命を示した有効期限情報と比較し、上記差が上記有効期限情報を超えた場合には、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを削除すること
を特徴とする請求項11記載のデータ記憶装置。
【請求項13】
上記暗号化手段は、上記ソフトウェアに添付された乱数テーブルから上記暗号キーを生成し、生成した暗号キーを用いて、上記第1の記憶領域から読み出した上記データを暗号化すること
を特徴とする請求項11記載のデータ記憶装置。
【請求項14】
上記ソフトウェアに添付された上記乱数テーブルを更新するための乱数を、当該データ記憶装置に電源投入される度に発生する乱数発生器を有すること
を特徴とする請求項13記載のデータ記憶装置。
【請求項15】
上記データ記憶手段は、不揮発性の半導体メモリであること
を特徴とする請求項11記載のデータ記憶装置。
【請求項16】
上記データ記憶手段は、磁気ディスクを記憶媒体とする磁気ディスクドライブであること
を特徴とする請求項11記載のデータ記憶装置。
【請求項17】
第1の外部装置との接続インターフェースである第1の接続インターフェースと、
上記第1の接続インターフェースを介して接続された上記第1の外部装置からのデータの書き込みを自在とし、書き込まれた上記データの上記第1の外部装置によるデータ形式での読み出しを制限された第1の記憶領域と、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データの読み出しを実行するソフトウェアが格納された第2の記憶領域とを有する記憶手段と、
出力装置である第2の外部装置との接続インターフェースである第2の接続インターフェースと、
上記第2の外部装置と、上記第2の接続インターフェースを介して接続されたことに応じて、上記第2の記憶領域に格納された上記ソフトウェアを実行し、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを読み出して、必ず上記第2の外部装置の出力形式に応じた信号に変換してから、上記第2の外部装置に送信するよう制御する制御手段とを備えること
を特徴とするデータ記憶装置。
【請求項18】
現在の時間を測定するタイマーを備え、
上記制御手段は、上記タイマーによって測定される現在の時間と、上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に上記タイマーによって与えられる時間情報との差を、同じく上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に与えられる上記データの寿命を示した有効期限情報と比較し、上記差が上記有効期限情報を超えた場合には、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを削除すること
を特徴とする請求項17記載のデータ記憶装置。
【請求項19】
上記データ記憶手段は、不揮発性の半導体メモリであること
を特徴とする請求項17記載のデータ記憶装置。
【請求項20】
上記データ記憶手段は、磁気ディスクを記憶媒体とする磁気ディスクドライブであること
を特徴とする請求項17記載のデータ記憶装置。
【請求項21】
所定の接続インターフェースを介して外部装置と接続されるデータ記憶装置のデータ提供方法であって、
上記データ記憶装置に接続された上記外部装置からのデータ読み出し要求に応じて、
上記データ記憶装置が備えるデータ記憶手段の第2の記憶領域に格納されたソフトウェアを実行することで、上記データ記憶手段の第1の記憶領域に書き込まれたデータを読み出し、
必ず、上記データ記憶装置に接続された上記外部装置の出力形式に応じた信号に変換してから、上記外部装置に送信することで、上記データを提供すること
を特徴とするデータ提供方法。
【請求項22】
タイマーによって測定される現在の時間と、上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に上記タイマーによって与えられる時間情報との差を、同じく上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に与えられる上記データの寿命を示した有効期限情報と比較し、
上記差が上記有効期限情報を超えた場合には、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを削除すること
を特徴とする請求項21記載のデータ提供方法。
【請求項23】
端末装置と、所定の接続インターフェースを介して上記端末装置と接続されるデータ記憶装置とを備えるデータ提供システムのデータ提供方法であって、
上記データ記憶装置は、データ記憶手段の第2の記憶領域に格納された上記データの読み出しを実行するソフトウェアに添付された暗号キーを取り出し、
上記ソフトウェアを上記端末装置に送信し、
上記端末装置は、送信された上記ソフトウェアを実行することで、上記データ記憶手段に対して、上記データ記憶手段の第1の記憶領域に書き込まれたデータを読み出すデータ読み出し要求をし、
上記データ記憶装置は、上記データ読み出し要求に応じて、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを読み出し、上記暗号キーを用いて暗号化し、
暗号化された暗号化データを上記端末装置に送信し、
上記端末装置は、送信された上記暗号化データを、上記ソフトウェアに添付された暗号キーで復号し、
復号された上記データを、必ず当該端末装置の出力形式に応じた信号に変換して、上記データを提供すること
を特徴とするデータ提供方法。
【請求項24】
上記データ記憶装置は、タイマーによって測定される現在の時間と、上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に上記タイマーによって与えられる時間情報との差を、同じく上記第1の記憶領域に上記データが書き込まれる際に与えられる上記データの寿命を示した有効期限情報と比較し、上記差が上記有効期限情報を超えた場合には、上記第1の記憶領域に書き込まれた上記データを削除すること
を特徴とする請求項23記載のデータ提供方法。
【請求項25】
上記データ記憶装置は、上記ソフトウェアに添付された乱数テーブルから上記暗号キーを生成し、
生成した暗号キーを用いて、上記第1の記憶領域から読み出した上記データを暗号化し、
上記端末装置は、上記データ記憶装置から送信されたソフトウェアに添付された乱数テーブルから上記暗号キーを生成し、
生成した暗号キーを用いて、送信された上記暗号化データを復号すること
を特徴とする請求項23記載のデータ提供方法。
【請求項26】
上記データ記憶装置は、当該データ記憶装置に電源投入される度に発生する乱数を用いて、上記ソフトウェアに添付された上記乱数テーブルを更新すること
を特徴とする請求項25記載のデータ提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−18499(P2006−18499A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194648(P2004−194648)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】