説明

データ読出装置

【課題】光ディスク等の着脱可能な記録媒体から読み出したデータを用いたデータ処理の迅速な開始を可能にすることができるデータ読出装置を提供する。
【解決手段】データ処理装置2が内蔵するディスクドライブであるデータ読出装置1は、光ディスク(記録媒体)が最初に装着された場合に、光ディスクが記録しているデータの一部を読み出し、保存用メモリ(記憶部)12に記憶しておく。データを光ディスクDから読み出す際には、データ読出装置1は、実際に光ディスクDからのデータ読出を開始するまでの間の時間に、又は光ディスクDからのデータ読出と並行して、保存用メモリ12に記憶してあるデータを読み出し、読み出したデータをバッファメモリ13経由で出力する。データの出力が迅速となり、データ処理を開始するまでのタイムラグが短縮される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の着脱可能な記録媒体からデータを高速で読み出すことができるデータ読出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、AV(オーディオ・ビジュアル)装置又はPC(パーソナルコンピュータ)等で利用するデータを記録する可搬型の記録媒体として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)又はBD(Blu-ray Disc)等の光ディスクが広く利用されている。光ディスクに記録されたデータを読み出すデータ読出装置は、光ディスクを回転駆動させる駆動部と、光ディスクにレーザー光を照射してデータを読み出すピックアップとを備える。光ディスクからデータを読み出す際、データ読出装置は、まず、光ディスクからデータを読み出すための準備をする処理である光ディスクのローディングを行う。ローディングの処理では、データ読出装置は、駆動部で光ディスクの回転を開始し、ピックアップから光ディスクへのレーザー光の照射を開始し、光ディスクに固有の情報を読み出す等の方法で光ディスクの種類を判定し、レーザー光の焦点を合わせるフォーカシングを行い、光ディスク上のデータトラックにレーザーを追随させるトラッキングを行い、記録容量を示す情報等の光ディスクを管理するための管理情報を読み出す。データ読出装置は、ローディングが終了した後で、データの読み出しを開始し、読み出したデータを出力する。AV装置又はPC等のデータ処理装置は、データ読出装置を内蔵しているか、又はデータ読出装置を接続した構成となっており、データ読出装置が出力したデータに対して音楽再生等のデータ処理を行う。特許文献1には、データ処理の途中で一時的にデータをバッファメモリに記憶する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−282779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ディスクからデータを読み出すためにはデータ読出装置はローディングを必ず行う必要があり、またローディングの処理には十〜数十秒程度の時間を要する。またデータ読出装置による光ディスクからのデータ読出は、半導体メモリからのデータ読出に比べて低速である。AV装置又はPCでデータ処理を開始するためには、ある程度のデータ量のデータがデータ読出装置が出力される必要があるので、使用者がデータ処理の開始を指示してから音楽再生等のデータ処理が実際に開始されるまでに、タイムラグが発生するという問題がある。特に、データ読出装置での光ディスクの装着とデータ処理とを連続的に行う場合は、使用者がデータ読出装置に光ディスクを装着させてから、音楽再生等のデータ処理が実際に開始されるまでに、数十秒〜一分程度の待ち時間が発生するという問題がある。この問題は、特許文献1に記載の技術でも解決することはできない。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、光ディスク等の記録媒体からのデータ読出を開始するまでの時間に、又は記録媒体からのデータ読出と並行して、データの一部の出力を可能にすることにより、データ処理の迅速な開始を可能にすることができるデータ読出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るデータ読出装置は、着脱可能な記録媒体からデータを読み出すデータ読出装置において、不揮発性の記憶部と、記録媒体が装着された場合に、装着された記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶しているか否かを判定する判定手段と、該判定手段が、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していないと判定した場合に、前記記録媒体が記録しているデータの前記記録媒体での記録位置を示す記録位置情報を前記記録媒体から読み出す手段と、前記記録媒体からデータを読み出す手段と、前記記録媒体から読み出したデータの内、前記記録媒体に先頭の記録位置から順に記録されている所定量のデータを、読み出した記録位置情報と関連付けて前記記憶部に記憶させる手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、データ読出装置は、光ディスク等の着脱可能な記録媒体が装着された場合に、記録媒体が記録しているデータの一部を記憶部で記憶しているかを判定し、データを記憶部で記憶していない場合に、記録媒体でのデータの記録位置を示す記録位置情報、及び記録媒体の所定の記録位置に記録されているデータを、記録媒体から読み出して記憶部に記憶する。
【0008】
本発明に係るデータ読出装置は、装着された記録媒体から、該記録媒体を識別するための識別情報を読み出す手段と、読み出した識別情報を、該識別情報が識別する記録媒体から読み出した記録位置情報及びデータに関連付けて前記記憶部に記憶させる手段とを備え、前記判定手段は、装着された記録媒体から読み出した識別情報に一致する識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判定する手段と、前記記録媒体から読み出した識別情報に一致する識別情報が前記記憶部に記憶されている場合に、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していると判定する手段と、前記記録媒体から読み出した識別情報に一致する識別情報が前記記憶部に記憶されていない場合に、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していないと判定する手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また本発明においては、データ読出装置は、記録媒体を識別するための識別情報を記録媒体から読み出し、記録媒体から読み出したデータに関連付けて記憶部に記憶しておき、装着された記録媒体から読み出した識別情報を記憶部に記憶しているかに基づいて、記録媒体が記録しているデータの一部を記憶部で記憶しているかを判定する。
【0010】
本発明に係るデータ読出装置は、装着している記録媒体からデータを読み出すことを指示する読み出し指示を受け付ける手段と、該手段が前記読み出し指示を受け付けた場合に、装着している記録媒体から識別情報を読み出す手段と、前記記憶部で記憶しているデータの中から、前記記録媒体から読み出した識別情報に関連付けられたデータを検索することにより、前記記録媒体が記録しているデータの内で前記記憶部で記憶しているデータを検索する手段と、該手段で検索したデータを前記記憶部から読み出す手段と、前記記憶部からのデータの読出に並行して、前記記録媒体が記録しているデータの内、前記記憶部で記憶しているデータ以外のデータを前記記録媒体から読み出す手段とを更に備えることを特徴とする。
【0011】
また本発明においては、データ読出装置は、データの読み出し指示を受け付けた場合は、装着している記録媒体から読み出した識別情報に関連付けて記憶部に記憶しているデータを検索し、検索したデータを記憶部から読み出し、他のデータを記録媒体から読み出す。
【0012】
本発明に係るデータ読出装置は、装着された記録媒体に先頭の記録位置から順に記録されている所定量のデータの特定部分である特定部分データを、前記記録媒体から読み出す手段と、前記判定手段は、前記記憶部が記憶するデータの中に、装着された記録媒体から読み出した特定部分データと特定部分が一致するデータがあるか否かを判定する手段と、前記記録媒体から読み出した特定部分データと特定部分が一致するデータがある場合に、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していると判定する手段と、前記記録媒体から読み出した特定部分データと特定部分が一致するデータがない場合に、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していないと判定する手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また本発明においては、データ読出装置は、記録媒体に記録しているデータに含まれる特定部分である特定部分データを記録媒体から読み出し、読み出した特定部分データと特定部分が一致するデータを記憶部で記憶しているかに基づいて、記録媒体が記録しているデータの一部を記憶部で記憶しているかを判定する。
【0014】
本発明に係るデータ読出装置は、装着している記録媒体からデータを読み出すことを指示する読み出し指示を受け付ける手段と、該手段が前記読み出し指示を受け付けた場合に、装着している記録媒体に先頭の記録位置から順に記録されている所定量のデータの特定部分である特定部分データを、前記記録媒体から読み出す手段と、前記記憶部で記憶しているデータの中から、前記記録媒体から読み出した特定部分データと特定部分が一致するデータを検索することにより、前記記録媒体が記録しているデータの内で前記記憶部で記憶しているデータを検索する手段と、該手段で検索したデータを前記記憶部から読み出す手段と、前記記憶部からのデータの読出に並行して、前記記録媒体が記録しているデータの内、前記記憶部で記憶しているデータ以外のデータを前記記録媒体から読み出す手段とを更に備えることを特徴とする。
【0015】
また本発明においては、データ読出装置は、データの読み出し指示を受け付けた場合は、装着している記録媒体から読み出した特定部分データと特定部分が一致するデータを記憶部から検索し、検索したデータを記憶部から読み出し、他のデータを記録媒体から読み出す。
【0016】
本発明に係るデータ読出装置は、前記判定手段が、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していると判定した場合に、前記記録媒体が記録しているデータの内で前記記憶部で記憶しているデータを前記記憶部から読み出す手段と、前記記憶部からのデータの読出に並行して、前記記録媒体が記録しているデータの内、前記記憶部で記憶しているデータ以外のデータを前記記録媒体から読み出す手段とを更に備えることを特徴とする。
【0017】
更に本発明においては、データ読出装置は、記録媒体が装着され、記録媒体が記録しているデータの一部を記憶部で記憶している場合には、記録媒体が記録しているデータの内で記憶部に記憶しているデータを記憶部から読み出し、他のデータを記録媒体から読み出す。
【発明の効果】
【0018】
本発明にあっては、データ読出装置は、最初に記録媒体が装着された場合にデータの一部を記憶部に記憶しておき、記録媒体からデータを読み出して出力する際には、記録媒体からのデータ読み出しが完了してデータ読み出しを開始する前に、又は記録媒体からのデータ読み出しと並行して、記憶部からデータを読み出すことができるので、記録媒体が装着されてから又はデータの読み出し指示を受け付けてから迅速にデータを読み出すことができる。特に、データ読出装置からデータを出力して音楽再生等のデータ処理を行う場合は、使用者が記録媒体をデータ読出装置に装着してから又は使用者がデータ処理の開始を指示してから実際に音楽再生等のデータ処理が開始されるまでのタイムラグが短縮される等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のデータ読出装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1における保存用メモリが記憶する情報の内容例を示す概念図である。
【図3】実施の形態1に係るデータ読出装置が光ディスクを装着する際に実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係るデータ読出装置が、光ディスクを装着している状態でデータ出力の指示に従ってデータを出力する処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態2における保存用メモリが記憶する情報の内容例を示す概念図である。
【図6】実施の形態2に係るデータ読出装置が光ディスクを装着する際に実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2に係るデータ読出装置が、光ディスクを装着している状態でデータ出力の指示に従ってデータを出力する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明のデータ読出装置の内部構成を示すブロック図である。本発明のデータ読出装置1は、光ディスクドライブであり、AV装置又はPC等のデータ処理装置2に内蔵された構成となっている。データ読出装置1は、データ読出装置1の動作を制御する制御部11と、本発明における記憶部である保存用メモリ12と、バッファメモリ13と、インタフェース部14と、駆動部15と、ピックアップ16とを備えている。またデータ読出装置1は、図示しない出し入れ可能なトレイ又はスロットインの機構を備え、トレイ又はスロットインの機構を用いて光ディスク(記録媒体)Dを装着されることが可能な構成となっている。制御部11は、演算を行う演算部、演算に伴う一時的な情報を記憶するメモリ、及び制御プログラムを記憶するメモリを含んでなり、データ読出装置1の動作を制御するための演算を実行する。保存用メモリ12は、記憶したデータを保存できるように、不揮発性の半導体メモリで構成されている。なお、本発明における記憶部は、光ディスクDよりもデータの読み出しが高速である不揮発性の記憶部であれば、ハードディスク等、半導体メモリ以外の記憶部であってもよい。バッファメモリ13は、揮発性又は不揮発性のメモリで構成されている。またバッファメモリ13は保存用メモリ12よりもデータの読み出し及び書き込みが高速であることが望ましい。ピックアップ16は、光ディスクDにレーザー光を照射し、反射光の変動を電気信号に変換することにより、光ディスクDからデータを読み出す。駆動部15は、スピンドルモータ等を用いて光ディスクDを駆動する。インタフェース部14は、光ディスクDから読み出したデータを出力する。
【0021】
データ処理装置2は、データ処理装置2全体の動作を制御する上位制御部21と、データ読出装置1に接続されたインタフェース部24と、データ読出装置1から出力されたデータに対して音楽再生等のデータ処理を行うデータ処理部25と、外部からの指示を入力される入力部22と、データ処理の結果を出力する出力部23とを備えている。上位制御部21及びデータ処理部25は、演算部及びメモリを含んでなる。なお、データ処理装置2は、CPUを備え、上位制御部21及びデータ処理部25の機能をソフトウェアを用いて実現する形態であってもよい。インタフェース部24は、データ読出装置1から出力されたデータを受け付ける。入力部22は、使用者の操作によりデータ処理の開始等の各種の指示を受け付ける操作部、使用者が操作する図示しないリモートコントローラ(リモコン)からの信号を受信することにより各種の指示を受け付ける受信部、又は図示しない外部の装置に接続されて外部の装置からの制御信号を入力されるインタフェース等で構成されている。出力部23は、映像を表示するディスプレイ、音声を出力するスピーカ、又は図示しないディスプレイ若しくはスピーカ等の外部の出力機器に対してデータを出力するためのインタフェース等である。
【0022】
図2は、実施の形態1における保存用メモリ12が記憶する情報の内容例を示す概念図である。保存用メモリ12は、データ読出装置1に装着してある光ディスクDのディスク番号と、ディレクトリ情報と、光ディスクDに記録されているデータの一部である先頭データとを互いに関連付けて記憶している。ディスク番号は、個々の光ディスクDを識別するための情報であり、各光ディスクDに付されている固有の番号である。ディスク番号は本発明における識別情報である。ディレクトリ情報は、光ディスクDに記録されたデータファイルの配置を示す情報であり、光ディスクDに記録された各データの光ディスクD上での記録位置を示している。ディレクトリ情報は、本発明における記録位置情報である。先頭データは、光ディスクDの記録領域の内、ディスク番号又はディレクトリ情報等のデータを管理するための情報が記録された管理領域とは別の、実データが記録されている領域の先頭アドレスから順に記録されている所定のデータ量のデータである。光ディスクDが、音楽又は映像等のコンテンツを再生するためのコンテンツデータを記録している光ディスクDである場合は、先頭データは、コンテンツデータの先頭部分となる。例えば、音楽CDに記録された、最初の楽曲を再生するためのデータは、少なくとも一部が先頭データに含まれる。
【0023】
保存用メモリ12は、現在装着している光ディスクDに限らず、過去に装着した光ディスクDの夫々についてデータを記憶している。即ち、保存用メモリ12は、ディスク番号、ディレクトリ情報及び先頭データを互いに関連付けたデータを、複数通り記憶している。データを記憶するための保存用メモリ12の記憶容量が不足した場合は、データ読出装置1は、記憶された日時が古いデータ、又は利用頻度が低いデータ等、過去に記憶したデータを消去する処理を行う。
【0024】
次に、実施の形態1に係る本発明のデータ読出装置1の動作を説明する。図3は、実施の形態1に係るデータ読出装置1が光ディスクDを装着する際に実行する処理の手順を示すフローチャートである。データ読出装置1は、図示しないトレイの出し入れ又はスロットインの機構を用いて光ディスクDを装着される(S101)。制御部11は、装着された光ディスクDを駆動部15に回転させる処理を開始し、光ディスクD上の所定の部位に記録されているデータをピックアップ16に読み取らせることにより、光ディスクDからディスク番号を読み出す(S102)。ディスク番号は、正確なフォーカシング及びトラッキングが完了する前に読み出すことが可能である。制御部11は、次に、読み出したディスク番号を保存用メモリ12で記憶しているか否かを判定する(S103)。
【0025】
ステップS103で、読み出したディスク番号を保存用メモリ12で記憶していない場合は(S103:NO)、制御部11は、光ディスクDに記録している先頭データを保存用メモリ12では記憶していないと判定し、フォーカシング及びトラッキング等を含む光ディスクDのローディングを行うことにより、光ディスクDからデータを読み出すための読み出し準備を行う(S104)。読み出し準備が終了した後は、制御部11は、駆動部15に光ディスクDを駆動させ、ピックアップ16に光ディスクDからディレクトリ情報を読み出させ(S105)、次に、ピックアップ16に光ディスクDからのデータ読み出しを開始させる(S106)。ステップS106では、データ読出装置1は、光ディスクDの記録領域の内、管理領域とは別の実データが記録されている領域の先頭の記録位置を示す予め定められた先頭アドレスからアドレス順にデータの読み出しを開始する。制御部11は、次に、光ディスクDから読み出したデータの内、先頭データを、光ディスクDから読み出したディスク番号及びディレクトリ情報に関連付けて、保存用メモリ12に記憶させる処理を開始する(S107)。保存用メモリ12に記憶させる先頭データは、先頭アドレスからアドレス順に読み出した予め定められた所定のデータ量のデータである。制御部11は、次に、光ディスクDから読み出したデータをバッファメモリ13に記憶させる処理を開始する(S108)。
【0026】
ステップS103で、読み出したディスク番号を保存用メモリ12で記憶している場合は(S103:YES)、制御部11は、光ディスクDに記録している先頭データを保存用メモリ12で記憶していると判定し、読み出したディスク番号に関連付けて保存用メモリ12に記憶してある先頭データを順次読み出す処理を開始する(S109)。ステップS103でYESである状態は、光ディスクDに記録しているデータを保存用メモリ12で記憶している状態である。制御部11は、次に、読み出したデータをバッファメモリ13に記憶させる処理を開始する(S110)。先頭データを全て保存用メモリ12から読み出した後は、制御部11は、保存用メモリ12から先頭データを読み出す処理を終了する。
【0027】
ステップS109及びS110と並行して、制御部11は、光ディスクDのローディングを行うことにより、光ディスクDからデータを読み出すための読み出し準備を行う(S111)。読み出し準備が終了した後は、制御部11は、駆動部15に光ディスクDを駆動させ、ピックアップ16に光ディスクDからのデータ読み出しを開始させる(S112)。ステップS112では、データ読出装置1は、光ディスクDに記録されたデータの内、保存用メモリ12に記憶している先頭データが記憶されているアドレスに後続するアドレスに記録されているデータから読み出しを開始する。制御部11は、次に、光ディスクDから読み出したデータをバッファメモリ13に記憶させる処理を開始する(S113)。
【0028】
ステップS103でNOの場合で光ディスクDからのデータ読み出しが開始された後、又はステップS103でYESの場合で保存用メモリ12若しくは光ディスクDからのデータ読み出しが開始された後、制御部11は、バッファメモリ13に記憶されたデータをインタフェース部14から出力する(S114)。ステップS114では、データ読出装置1は、バッファメモリ13に記憶されたデータを先頭データから順次出力する処理を行う。データ処理装置2の上位制御部21は、データ読出装置1から出力されたデータをインタフェース部24で受け付け、データ処理部25にデコード等のデータ処理を実行させ、出力部23にデータ処理の結果を出力させる。
【0029】
制御部11は、次に、データ出力の中止を指示する制御信号をインタフェース部14で受け付けるか、又は光ディスクDの装着時に出力すべきデータを全て出力したことによる、データ出力の終了のときが来たか否かを判定する(S115)。まだデータ出力の終了のときではない場合は(S115:NO)、制御部11は、ピックアップ16に光ディスクDからデータを読み出させながら、処理をステップS114へ戻す。データ出力の終了のときが来た場合は(S115:YES)、制御部11は、光ディスクDからデータを読み出して出力する処理を終了する。なお、データ読出装置1は、光ディスクDの装着時に自動でデータ出力を行わない形態であってもよく、この形態では、ステップS103でYESの場合は処理を終了し、ステップS103でNOの場合はステップS107までで処理を終了する。
【0030】
図4は、実施の形態1に係るデータ読出装置1が、光ディスクDを装着している状態でデータ出力の指示に従ってデータを出力する処理の手順を示すフローチャートである。データ処理装置2の入力部22は、使用者の操作を受け付けるか、リモコンからの信号を受信するか、又は外部の装置からの制御信号を入力されることにより、音楽再生等のデータ処理の開始指示を受け付ける。入力部22がデータ処理の開始指示を受け付けた場合、上位制御部21は、インタフェース部24からデータ読出装置1へ、データ処理を行うために必要なデータの出力を指示する制御信号を入力する。データの出力を指示する制御信号をインタフェース部14で受け付けることにより、データ読出装置1は、データ出力の指示を受け付ける(S201)。制御部11は、装着している光ディスクDを駆動部15に回転させる処理を開始し、光ディスクDからディスク番号を読み出す(S202)。制御部11は、読み出したディスク番号に関連付けて保存用メモリ12に記憶してある先頭データを検索し(S203)、検索した先頭データを順次読み出し、読み出したデータをバッファメモリ13に記憶させる処理を開始する(S204)。先頭データを全て保存用メモリ12から読み出した後は、制御部11は、保存用メモリ12から先頭データを読み出す処理を終了する。
【0031】
ステップS203及びS204と並行して、制御部11は、光ディスクDのローディングを行うことにより、光ディスクDからデータを読み出すための読み出し準備を行う(S205)。読み出し準備が終了した後は、制御部11は、駆動部15で光ディスクDを駆動し、ピックアップ16で光ディスクDに記録されたデータを順次読み出し、読み出したデータをバッファメモリ13で記憶する処理を開始する(S206)。ステップS206では、データ読出装置1は、光ディスクDに記録されたデータの内、保存用メモリ12に記憶した先頭データが記憶されているアドレスに後続するアドレスに記録されているデータから読み出しを開始し、データを順次読み出し、バッファメモリ13に記憶する。制御部11は、ディレクトリ情報を用いて、ピックアップ16で読み出すべきデータのアドレスを指定する処理を行う。
【0032】
ステップS204で保存用メモリ12からのデータ読み出しが開始された後、又はステップS206で光ディスクDからのデータ読み出しが開始された後、制御部11は、保存用メモリ12又は光ディスクDからのデータ読み出しに並行して、出力すべきデータがバッファメモリ13に記憶されているか否かを判定する(S207)。データ出力の指示によって出力すべきデータが指定されている場合は、制御部11は、ステップS207で、指定されたデータがバッファメモリ13に記憶されているか否かを判定する。データ出力のみが指示されている場合は、制御部11は、ステップS207で、既に出力したデータに後続するデータがバッファメモリ13に記憶されているか否かを判定する。出力すべきデータがバッファメモリ13に記憶されていない場合は(S207:NO)、制御部11は、出力すべきデータが保存用メモリ12又は光ディスクDから読み出されてバッファメモリ13に記憶されるのを待つために、処理を所定時間待機させ(S208)、処理をステップS207へ戻す。なお、ステップS208では、制御部11は、ディスク番号に関連付けられたディレクトリ情報に基づいて、出力すべきデータの光ディスクD上での記録位置を求め、ピックアップ16に、出力すべきデータを光ディスクDから読み出させる処理を行ってもよい。
【0033】
ステップS207で、出力すべきデータがバッファメモリ13に記憶されている場合は(S207:YES)、制御部11は、出力すべきデータをバッファメモリ13から読み出し、読み出したデータをインタフェース部14から出力する(S209)。データ処理装置2の上位制御部21は、データ読出装置1から出力されたデータをインタフェース部24で受け付け、データ処理部25にデコード等のデータ処理を実行させ、出力部23にデータ処理の結果を出力させる。制御部11は、次に、データ出力の中止を指示する制御信号をインタフェース部14で受け付けるか、又は光ディスクDから読み出したデータを全て出力したことによる、データ出力の終了のときが来たか否かを判定する(S210)。まだデータ出力の終了のときではない場合は(S210:NO)、制御部11は、ピックアップ16に光ディスクDからデータを読み出させながら、処理をステップS207へ戻す。データ出力の終了のときが来た場合は(S210:YES)、制御部11は、光ディスクDからデータを読み出して出力する処理を終了する。
【0034】
以上のように、実施の形態1に係るデータ読出装置1は、最初に光ディスクDが装着された場合に、装着された光ディスクDに記録されているデータの一部を読み出し、ディスク番号に関連付けて保存用メモリ12に記憶しておく。光ディスクDに記録されているデータを読み出す際には、データ読出装置1は、光ディスクDからデータを読み出すための処理と並行して、保存用メモリ12に記憶してあるデータを読み出す。これにより、フォーカシング及びトラッキングを含む光ディスクDのローディングを行うことによるデータの読み出し準備が完了した後で光ディスクDからデータの読み出しを開始する前に、光ディスクDに記録されているデータの内で保存用メモリ12に記憶してあるデータを読み出すことになる。光ディスクDが装着されたときに自動でデータを出力する場合、又はデータ出力の指示を受け付けた場合、データ読出装置1は、光ディスクDからのデータ読み出しを開始する前に、保存用メモリ12からデータを読み出して出力するので、光ディスクDが装着されてから又はデータ出力の指示を受け付けてから、迅速にデータが出力される。
【0035】
データ読出装置1から迅速にデータが出力されるので、データ読出装置1を内蔵するAV装置等のデータ処理装置2は、光ディスクDに記録されたデータを用いた音楽再生等のデータ処理を迅速に実行することが可能となる。即ち、データ処理装置2では、使用者が光ディスクDをデータ読出装置1に装着してから又は使用者がデータ処理の開始を指示してから実際に音楽再生等のデータ処理が開始されるまでのタイムラグを短縮することができる。また、音楽再生等のデータ処理では、光ディスクDに記録されたデータに対して先頭から順次データ処理を行うことが多いので、本発明では、保存用メモリ12に記憶するデータを先頭アドレスから所定の容量だけ記録された先頭データとすることにより、迅速なデータ処理が可能となる。
【0036】
(実施の形態2)
実施の形態2においては、ディスク番号を用いずに光ディスクを管理する形態を示す。実施の形態2に係るデータ読出装置1及びデータ処理装置2の構成は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。図5は、実施の形態2における保存用メモリ12が記憶する情報の内容例を示す概念図である。保存用メモリ12は、データ読出装置1に装着してある光ディスクDに記録されたディレクトリ情報及び先頭データを互いに関連付けて記憶している。保存用メモリ12は、現在装着している光ディスクDに限らず、過去に装着した光ディスクDの夫々についてデータを記憶しており、ディレクトリ情報及び先頭データを互いに関連付けたデータを複数通り記憶している。データを記憶するための保存用メモリ12の記憶容量が不足した場合は、データ読出装置1は、過去に記憶したデータを消去する処理を行う。
【0037】
次に、実施の形態2に係る本発明のデータ読出装置1の動作を説明する。図6は、実施の形態2に係るデータ読出装置1が光ディスクDを装着する際に実行する処理の手順を示すフローチャートである。データ読出装置1は、図示しないトレイの出し入れ又はスロットインの機構を用いて光ディスクDを装着される(S301)。制御部11は、フォーカシング及びトラッキング等を含む光ディスクDのローディングを行うことにより、光ディスクDからデータを読み出すための読み出し準備を行う(S302)。読み出し準備が終了した後は、制御部11は、光ディスクDに記録された先頭データの特定部分である特定部分データを、ピックアップ16に光ディスクDから読み出させる(S303)。特定部分データは、先頭データよりもデータ量が小さく、先頭データに含まれているデータである。例えば、特定部分データは、光ディスクD上で先頭データが記録されている記録領域に含まれる予め定められた特定のアドレスで示される領域に記録されたデータである。また例えば、特定部分データは、光ディスクDに記録されている先頭データ中の先頭部分に含まれるデータである。
【0038】
制御部11は、次に、読み出した特定部分データと特定部分が一致する先頭データが保存用メモリ12に記憶されているか否かを判定する(S304)。ステップS304では、制御部11は、保存用メモリ12に記憶している夫々の先頭データ中で、光ディスクDに記録されている先頭データ中の特定部分データの位置と同じ位置にある特定部分を、読み出した特定部分データと順に比較することにより、読み出した特定部分データと特定部分が一致する先頭データを検索する。例えば、特定部分データが先頭データの先頭部分である場合は、保存用メモリ12に記憶している夫々の先頭データの先頭部分と特定部分データとを比較する。
【0039】
ステップS304で、特定部分データと特定部分が一致する先頭データが保存用メモリ12に記憶されていない場合は(S304:NO)、制御部11は、光ディスクDに記録している先頭データを保存用メモリ12では記憶していないと判定し、駆動部15に光ディスクDを駆動させ、ピックアップ16に光ディスクDからディレクトリ情報を読み出させる(S305)。制御部11は、次に、ピックアップ16に光ディスクDからのデータ読み出しを開始させる(S306)。制御部11は、次に、光ディスクDから読み出したデータの内、先頭データを、光ディスクDから読み出したディレクトリ情報に関連付けて、保存用メモリ12に記憶させる処理を開始する(S307)。制御部11は、次に、光ディスクDから読み出したデータをバッファメモリ13に記憶させる処理を開始する(S308)。
【0040】
ステップS304で、特定部分データと特定部分が一致する先頭データが保存用メモリ12に記憶されている場合は(S304:YES)、制御部11は、光ディスクDに記録している先頭データを保存用メモリ12で記憶していると判定し、特定部分データと特定部分が一致した先頭データを保存用メモリ12から順次読み出す処理を開始する(S309)。制御部11は、次に、読み出したデータをバッファメモリ13に記憶させる処理を開始する(S310)。先頭データを全て保存用メモリ12から読み出した後は、制御部11は、保存用メモリ12から先頭データを読み出す処理を終了する。
【0041】
ステップS309及び310と並行して、制御部11は、駆動部15に光ディスクDを駆動させ、ピックアップ16に光ディスクDからのデータ読み出しを開始させる(S311)。ステップS311では、データ読出装置1は、先頭データが記憶されているアドレスに後続するアドレスに記録されているデータから読み出しを開始する。制御部11は、次に、光ディスクDから読み出したデータをバッファメモリ13に記憶させる処理を開始する(S312)。
【0042】
ステップS304でNOの場合で光ディスクDからのデータ読み出しが開始された後、又はステップS304でYESの場合で保存用メモリ12若しくは光ディスクDからのデータ読み出しが開始された後、制御部11は、バッファメモリ13に記憶されたデータをインタフェース部14から出力する(S313)。ステップS313では、データ読出装置1は、バッファメモリ13に記憶されたデータを先頭データから順次出力する処理を行う。データ処理装置2の上位制御部21は、データ読出装置1から出力されたデータをインタフェース部24で受け付け、データ処理部25にデコード等のデータ処理を実行させ、出力部23にデータ処理の結果を出力させる。
【0043】
制御部11は、次に、データ出力の終了のときが来たか否かを判定する(S314)。まだデータ出力の終了のときではない場合は(S314:NO)、制御部11は、ピックアップ16に光ディスクDからデータを読み出させながら、処理をステップS313へ戻す。データ出力の終了のときが来た場合は(S314:YES)、制御部11は、光ディスクDからデータを読み出して出力する処理を終了する。なお、データ読出装置1は、光ディスクDの装着時に自動でデータ出力を行わない形態であってもよい。
【0044】
図7は、実施の形態2に係るデータ読出装置1が、光ディスクDを装着している状態でデータ出力の指示に従ってデータを出力する処理の手順を示すフローチャートである。データ読出装置1は、データの出力を指示する制御信号をインタフェース部14で受け付けることにより、データ出力の指示を受け付ける(S41)。制御部11は、光ディスクDのローディングを行うことにより、光ディスクDからデータを読み出すための読み出し準備を行う(S42)。読み出し準備が終了した後は、制御部11は、駆動部15で光ディスクDを駆動し、ピックアップ16で光ディスクDに記録されたデータを順次読み出し、読み出したデータをバッファメモリ13で記憶する処理を開始する(S43)。ステップS43では、光ディスクDに記録された先頭データに含まれる特定部分データをまず最初に読み出す処理を行う。光ディスクDからのデータ読み出しと並行して、制御部11は、保存用メモリ12に記憶している先頭データの中から、読み出した特定部分データと特定部分が一致する先頭データを検索する(S44)。制御部11は、次に、検索した先頭データを順次読み出し、読み出したデータをバッファメモリ13に記憶させる処理を開始する(S45)。先頭データを全て保存用メモリ12から読み出した後は、制御部11は、保存用メモリ12から先頭データを読み出す処理を終了する。
【0045】
制御部11は、次に、保存用メモリ12又は光ディスクDからのデータ読み出しに並行して、出力すべきデータがバッファメモリ13に記憶されているか否かを判定する(S46)。出力すべきデータがバッファメモリ13に記憶されていない場合は(S46:NO)、制御部11は、出力すべきデータが保存用メモリ12又は光ディスクDから読み出されてバッファメモリ13に記憶されるのを待つために、処理を所定時間待機させ(S47)、処理をステップS46へ戻す。なお、ステップS47では、制御部11は、検索した先頭データに関連付けられたディレクトリ情報に基づいて、出力すべきデータの光ディスクD上での記録位置を求め、ピックアップ16に、出力すべきデータを光ディスクDから読み出させる処理を行ってもよい。
【0046】
ステップS46で、出力すべきデータがバッファメモリ13に記憶されている場合は(S46:YES)、制御部11は、出力すべきデータをバッファメモリ13から読み出し、読み出したデータをインタフェース部14から出力する(S48)。データ処理装置2の上位制御部21は、データ読出装置1から出力されたデータをインタフェース部24で受け付け、データ処理部25にデコード等のデータ処理を実行させ、出力部23にデータ処理の結果を出力させる。制御部11は、次に、データ出力の終了のときが来たか否かを判定する(S49)。まだデータ出力の終了のときではない場合は(S49:NO)、制御部11は、ピックアップ16に光ディスクDからデータを読み出させながら、処理をステップS46へ戻す。データ出力の終了のときが来た場合は(S49:YES)、制御部11は、光ディスクDからデータを読み出して出力する処理を終了する。
【0047】
以上のように、実施の形態2に係るデータ読出装置1は、最初に光ディスクDが装着された場合に、装着された光ディスクDに記録されているデータの一部を読み出して保存用メモリ12に記憶しておく。光ディスクDに記録されているデータを読み出す際には、データ読出装置1は、最初に光ディスクDから読み出した特定部分データと保存用メモリ12に記憶しているデータの特定部分とを比較し、特定部分が特定部分データと一致したデータを保存用メモリ12から読み出す。これにより、光ディスクDからのデータの読み出しと並行して、光ディスクDに記録されているデータの内で保存用メモリ12に記憶してあるデータを読み出すことになる。光ディスクDからデータを読み出す速度に比べて、半導体メモリである保存用メモリ12からは高速でデータを読み出すことができるので、データ読出装置1を内蔵するAV装置等のデータ処理装置2でデータ処理を開始するために必要なデータ量のデータを短時間で出力することができる。従って、データ処理装置2では、光ディスクDに記録されたデータを用いた音楽再生等のデータ処理を迅速に開始することが可能となり、使用者が光ディスクDをデータ読出装置1に装着してから又は使用者がデータ処理の開始を指示してから実際にデータ処理が開始されるまでのタイムラグを短縮することができる。
【0048】
なお、以上の実施の形態1及び2においては、光ディスクDに記録しているデータの内で先頭データを保存用メモリ12に記憶する形態を示したが、本発明は、光ディスクDに記録している音楽等の複数のコンテンツデータの夫々の先頭部分等、先頭データ以外のデータを保存用メモリ12に記憶する形態であってもよい。また実施の形態1及び2においては、データ読出装置1は保存用メモリ12とバッファメモリ13とを個別に備える形態を示したが、本発明のデータ読出装置1は、バッファメモリ13を備えずに、不揮発性メモリで構成された保存用メモリ12をバッファメモリとしても使用する形態であってもよい。この形態のデータ読出装置1は、保存用メモリ12から読み出したデータをバッファメモリに記憶させずに外部へ出力する処理を行う。
【0049】
また実施の形態1及び2においては、データ読出装置1がAV装置等のデータ処理装置2に内蔵された形態を示したが、本発明のデータ読出装置は、データ処理装置とは独立した形態であってもよい。例えば、データ読出装置は、外部のデータ処理装置に接続されており、光ディスクから読み出したデータを外部のデータ処理装置へ入力する形態であってもよい。また本発明のデータ読出装置は、光ディスクから読み出したデータをそのまま出力する形態に限るものではなく、光ディスクから読み出したデータに対してデコード等のデータ処理を実行する機能を備えた形態、又はデータを光ディスクに記録させる機能を備えた形態であってもよい。また実施の形態1及び2においては、着脱可能な記録媒体として光ディスクを使用する形態を示したが、本発明のデータ読出装置は、磁気ディスク又は光磁気ディスク等の光ディスク以外の記録媒体を使用する形態であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 データ読出装置
11 制御部
12 保存用メモリ(記憶部)
13 バッファメモリ
16 ピックアップ
2 データ処理装置
22 入力部
23 出力部
D 光ディスク(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能な記録媒体からデータを読み出すデータ読出装置において、
不揮発性の記憶部と、
記録媒体が装着された場合に、装着された記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶しているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段が、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していないと判定した場合に、前記記録媒体が記録しているデータの前記記録媒体での記録位置を示す記録位置情報を前記記録媒体から読み出す手段と、
前記記録媒体からデータを読み出す手段と、
前記記録媒体から読み出したデータの内、前記記録媒体に先頭の記録位置から順に記録されている所定量のデータを、読み出した記録位置情報と関連付けて前記記憶部に記憶させる手段と
を備えることを特徴とするデータ読出装置。
【請求項2】
装着された記録媒体から、該記録媒体を識別するための識別情報を読み出す手段と、
読み出した識別情報を、該識別情報が識別する記録媒体から読み出した記録位置情報及びデータに関連付けて前記記憶部に記憶させる手段とを備え、
前記判定手段は、
装着された記録媒体から読み出した識別情報に一致する識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判定する手段と、
前記記録媒体から読み出した識別情報に一致する識別情報が前記記憶部に記憶されている場合に、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していると判定する手段と、
前記記録媒体から読み出した識別情報に一致する識別情報が前記記憶部に記憶されていない場合に、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していないと判定する手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載のデータ読出装置。
【請求項3】
装着している記録媒体からデータを読み出すことを指示する読み出し指示を受け付ける手段と、
該手段が前記読み出し指示を受け付けた場合に、装着している記録媒体から識別情報を読み出す手段と、
前記記憶部で記憶しているデータの中から、前記記録媒体から読み出した識別情報に関連付けられたデータを検索することにより、前記記録媒体が記録しているデータの内で前記記憶部で記憶しているデータを検索する手段と、
該手段で検索したデータを前記記憶部から読み出す手段と、
前記記憶部からのデータの読出に並行して、前記記録媒体が記録しているデータの内、前記記憶部で記憶しているデータ以外のデータを前記記録媒体から読み出す手段と
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載のデータ読出装置。
【請求項4】
装着された記録媒体に先頭の記録位置から順に記録されている所定量のデータの特定部分である特定部分データを、前記記録媒体から読み出す手段と、
前記判定手段は、
前記記憶部が記憶するデータの中に、装着された記録媒体から読み出した特定部分データと特定部分が一致するデータがあるか否かを判定する手段と、
前記記録媒体から読み出した特定部分データと特定部分が一致するデータがある場合に、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していると判定する手段と、
前記記録媒体から読み出した特定部分データと特定部分が一致するデータがない場合に、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していないと判定する手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載のデータ読出装置。
【請求項5】
装着している記録媒体からデータを読み出すことを指示する読み出し指示を受け付ける手段と、
該手段が前記読み出し指示を受け付けた場合に、装着している記録媒体に先頭の記録位置から順に記録されている所定量のデータの特定部分である特定部分データを、前記記録媒体から読み出す手段と、
前記記憶部で記憶しているデータの中から、前記記録媒体から読み出した特定部分データと特定部分が一致するデータを検索することにより、前記記録媒体が記録しているデータの内で前記記憶部で記憶しているデータを検索する手段と、
該手段で検索したデータを前記記憶部から読み出す手段と、
前記記憶部からのデータの読出に並行して、前記記録媒体が記録しているデータの内、前記記憶部で記憶しているデータ以外のデータを前記記録媒体から読み出す手段と
を更に備えることを特徴とする請求項4に記載のデータ読出装置。
【請求項6】
前記判定手段が、前記記録媒体が記録しているデータの一部を前記記憶部で記憶していると判定した場合に、前記記録媒体が記録しているデータの内で前記記憶部で記憶しているデータを前記記憶部から読み出す手段と、
前記記憶部からのデータの読出に並行して、前記記録媒体が記録しているデータの内、前記記憶部で記憶しているデータ以外のデータを前記記録媒体から読み出す手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載のデータ読出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−108348(P2011−108348A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265388(P2009−265388)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】