説明

データ送信装置及びデータ送信方法

【課題】データ送信に際して、個人情報がそのまま表示されないデータ送信装置及びデータ送信方法を提供する。
【解決手段】データ送信装置1は、データの送信先を示す送信先情報A11を記憶する記憶部17と、表示部13aと、通信部14と、表示部13aが送信先情報を表示するときに、送信先情報を示す送信先文字列に置換対象文字列が含まれているか否かを判断し、置換対象文字列が含まれていると判断された場合に、この置換対象文字列を予め決められ他の記号列(文字列)に置き換えて生成された新たな送信先文字列を表示部13aに表示させる表示情報変換部18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶部が記憶している送信先情報に基づく送信先にデータを送信するデータ送信装置及びデータ送信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、データ送信装置であるファクシミリ装置は、情報の表示と利用者による操作とを行うことができる操作パネル部を備えている。データ送信に際しては、操作パネル部に、予め記憶部に記憶されている送信先情報に基づく複数の送信先が表示され、利用者は、操作パネル部を操作して送信先を選択する。送信先情報は、例えば、短縮ダイヤル番号ごとにIPアドレスとポート番号を登録した情報である(例えば、特許文献1参照)。データ送信装置は、例えば、選択された短縮ダイヤル番号に対応するIPアドレスを持つ装置に対して、ファクシミリ送信を行う。
【0003】
また、近年、画像データを蓄積しておく記憶部を備えたサーバ機能付きのファクシミリ装置もある。ネットワークに接続されているPCは、アクセス制限情報であるIPアドレスを指定し、このIPアドレスを持つファクシミリ装置にアクセスし、このファクシミリ装置の記憶部に蓄積されている画像データを利用することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−86314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のファクシミリ装置においては、記憶部に記憶されている送信先情報にIPアドレスなどの個人情報が含まれており、利用者が操作パネル部で送信先を確認するときに、送信先文字列として個人情報がそのまま表示されるというセキュリティ(機密性)上の問題があった。
【0006】
また、上記従来のサーバ機能付きファクシミリ装置においても、ネットワークに接続されているPCに、画像データの送信先IPアドレスなどの個人情報がそのまま表示されるというセキュリティ上の問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、送信対象のデータに関する個人情報がそのまま表示されないデータ送信装置及びデータ送信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るデータ送信装置は、データの送信先を示す送信先情報を記憶する記憶部と、情報を表示する表示部と、外部装置と通信可能に接続される通信部と、前記表示部が前記送信先情報を表示するときに、前記送信先情報に基づく送信先文字列に置換対象文字列が含まれているか否かを判断し、前記置換対象文字列が含まれていると判断された場合に、前記置換対象文字列を予め決められた記号列に置き換えて前記表示部に表示させる表示情報変換部とを備えたことを特徴としている。
【0009】
本発明の他の態様に係るデータ送信方法は、データの送信先を示す送信先情報を記憶する記憶部と、情報を表示する表示部と、外部装置と通信可能に接続される通信部とを備えた装置における、データ送信方法であって、前記送信先情報に基づいて、前記表示部に送信先情報を表示するステップと、前記表示された送信先情報のうちの選択された情報に基づく送信先にデータを送信するステップとを有し、前記送信先情報を表示する前記ステップにおいて、前記送信先情報に基づく送信先文字列に置換対象文字列が含まれているか否かを判断し、前記置換対象文字列が含まれていると判断された場合に、前記置換対象文字列を予め決められた記号列に置き換えて前記表示部に表示させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るデータ送信装置及びデータ送信方法によれば、送信対象のデータに関する個人情報がそのまま表示されないようにしているので、個人情報の漏洩を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1及び第2の実施形態に係るデータ送信装置としての画像処理装置の外観を概略的に斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係るデータ送信装置としての画像処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における送信先情報の一例を示す図である。
【図4】(a)〜(d)は、第1の実施形態における操作パネル部の表示例を示す図である。
【図5】第1の実施形態における送信先情報の表示動作を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係るデータ送信装置としての画像処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態における送信先情報の一例を示す図である。
【図8】(a)〜(d)は、第2の実施形態における操作パネル部の表示例を示す図である。
【図9】第2の実施形態における送信先リスト画面の表示動作を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態における送信先情報の表示動作を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施形態に係るデータ生成装置を含むPCの構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
《1》第1の実施形態
《1−1》第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係るデータ送信装置としての画像処理装置1の外観を概略的に斜視図である。図1に示されるように、画像処理装置1は、ファクシミリ機能、複写機能、及びスキャナ機能を備えた複合機(MFP)である。ただし、画像処理装置1は、MFPに限定されず、ファクシミリ装置、複写機、スキャナ装置などのような、通信機能を有する他の情報処理装置であってもよい。
【0013】
図1に示されるように、画像処理装置1は、原稿画像を光学的に読み取る原稿読取部(原稿読取ユニット)11と、記録媒体(例えば、用紙)上に画像を形成する印刷部(画像形成ユニット)12と、利用者によって操作される操作パネル部(操作ユニット)13と、通信回線(例えば、電話回線又はLANなどのネットワーク)を介して外部との通信を行う通信部(通信ユニット)14とを有している。なお、図1において、14aは、電話回線に接続するための電話端子であり、14bは、イーサネット(登録商標)などのネットワークに接続するためのネットワーク端子である。
【0014】
図2は、第1の実施形態に係るデータ送信装置(第1の実施形態に係るデータ送信方法を実行することができる装置)としての画像処理装置1の構成を概略的に示すブロック図である。画像処理装置1は、原稿読取部11と、印刷部12と、操作パネル部13と、通信部14と、装置管理部15と、画像処理部16と、記憶部17と、表示情報変換部18と、これらの各部を接続するためのバス10とを有している。
【0015】
原稿読取部11は、例えば、CCDなどの読み取りセンサを用いたスキャナ部を含み、例えば、プラテンガラス上に載置された原稿又は自動給紙装置(ADF)によって移動する原稿の画像を光学的に読み取って電気信号に変換し、電気信号に基づく画像データを生成する。
【0016】
印刷部12は、例えば、電子写真方式などのプリンタ部であり、原稿読取部11によって生成された画像データ、又は、通信回線を経由して通信部14によって受信されたデータに基づく画像を記録媒体上に形成(印刷)する。
【0017】
操作パネル部13は、利用者による操作が行われる手段の一例であり、例えば、画像処理条件の各種設定又は装置の状態などを表示する表示部13aと、装置への命令を入力するための操作部13bとを備えている。表示部13aは、利用者への指示や情報を出力するための、例えば、LCDを備えるタッチパネルなどの表示デバイスである。操作部13bは、利用者からの指示や情報を入力するためのタッチパネルやキーボードなどの入力デバイスである。
【0018】
通信部14は、外部装置とのデータの送受信を行い、LAN端子やUSBなどのネットワーク端子14bと、アナログ通信回線網などのような電話回線に接続するための電話端子14aとを有している。通信部14はネットワーク端子14bを備えているので、データ送信装置1に記憶されているデータを、ネットワークに接続されたPCとの間で、共有することができ、また、PCからの指示を受け付けることができる。
【0019】
装置管理部15は、画像処理装置1の各部の動作及び画像処理装置1全体の状況を統括管理し、制御信号を出力して画像処理装置1内で発生する各種イベントに対する実行管理を行う。
【0020】
画像処理部16は、原稿読取部11で生成された原稿データ及び上位機器から受信した印刷情報などの画像データを、出力手段に合わせて加工する。例えば、画像処理部16は、出力手段が印刷部12であるならば印刷用データを生成し、出力手段が通信部14であるならばファクシミリ送信用データを生成する。
【0021】
記憶部17は、画像処理装置1に関する各種の情報を保存するメモリブロックであり、記憶されている情報には、データの送信先情報A11及び表示部13a(又は、ネットワークを介して接続されたPCなどの外部装置の表示部)に表示する画面表示情報A12が含まれる。また、記憶部17が、原稿読取部11で読み取った又は受信した画像データを記憶することもできる。
【0022】
表示情報変換部18は、表示部13aに表示する情報を、表示条件に従って適切な文字列や画像に変換するブロックである。表示情報変換部18は、表示情報の中から個人情報の有無を判断する個人情報判断部18aと、個人情報部分を特定の記号列又は文字列(「特定文字列」とも言う。)に変換する文字列変換部18bとを有している。
【0023】
図3は、第1の実施形態における送信先情報A11の一例を示す図である。画像処理装置1が、ネットワークに接続されているPC又はサーバ又は多機能装置へアクセスする場合、コンピュータ名及び/又はIPアドレスなどのようなアクセス制限情報が用いられる。IPアドレスは、特定の端末を示す情報であるから、個人情報に属する。コンピュータ名は、DNS(Domain Name System)サーバによってIPアドレスに対応付けられる情報であるから、個人情報に属する。記憶部17に登録されているデータの送信先情報A11は、例えば、コンピュータ名情報及びIPアドレス情報などを含む。コンピュータ名情報は、先頭の2個の記号「¥¥」の後の文字から、次の1個の記号「¥」の前の文字までに記述された情報であり、文字列「PC1234」が該当する。IPアドレス情報も、先頭の2個の記号「¥¥」の後の文字から次の記号「¥」の前の文字までであり、文字列「192.168.0.1」が該当する。これらの文字列を個人情報と判断し、該当する文字列を同一文字数の特定文字列に置き換えて表示する。図3の例では、コンピュータ名情報の文字列「PC1234」を「******」に置き換え、IPアドレス情報の文字列「192.168.0.1」を「***********」に置き換えて、画面表示情報A12として記憶部17に記憶する。
【0024】
図4(a)〜(d)は、第1の実施形態における操作パネル部13の表示例を示す図である。操作パネル部13には、登録されている送信先情報A11が、画面表示情報A12に記憶されている文字列を用いて、図4(a)のように、送信先リスト画面110のように表示される。例えば、送信先番号「001」に登録されている送信先を編集する場合には、該当する送信先情報ボタン111の押下により、図4(b)に示されるアドレス編集画面120が表示される。アドレス編集画面120では、登録されている文字列の最後尾に編集用カーソルが表示され、特定文字列に置き換えられているコンピュータ名情報を編集する場合には、図4(c)のアドレス編集画面130のように、矢印ボタンの押下により文字列「¥¥」の後ろまでカーソルを移動する。その後、削除ボタンの押下により、図4(d)に示されるアドレス編集画面140のように、特定文字列に置き換えられているコンピュータ名情報の全文字列を一括して削除する。本例では、コンピュータ名情報に該当する何れかの文字が削除される操作が行われることにより、コンピュータ名情報の全文字列を一括して削除しているが、コンピュータ名情報の全文字列の内のカーソル位置の1文字のみを削除して、置き換えられているその他の文字を残してもよい。
【0025】
《1−2》第1の実施形態の動作
第1の実施形態においては、表示情報変換部18は、表示部13aが送信先情報を表示するときに、送信先情報に基づく送信先文字列に置換対象文字列が含まれているか否かを判断し、置換対象文字列が含まれていると判断された場合に、置換対象文字列を予め決められた文字列に置き換えて生成された新たな送信先文字列を表示部13aに表示させる。また、表示情報変換部18は、送信先情報を示す送信先文字列に置換対象文字列が含まれているか否かの判断の結果、置換対象文字列が含まれていないと判断された場合に、送信先文字列を表示部13aに表示させる。
【0026】
置換対象文字列は、送信先文字列の中の送信先を特定する文字列(例えば、個人情報)の部分である。置換対象文字列は、例えば、送信先のコンピュータ名及びIPアドレスのうちの少なくとも一方を含む文字列である。置換対象文字列は、例えば、対を成す所定の文字の間(例えば、「¥」と「¥」との間)、対を成す所定の文字列の間(例えば、「¥¥」と「¥¥」との間)、及び所定の文字と所定の文字列との間(例えば、「¥¥」と「¥」との間)、のうちのいずれかに挟まれた文字列である。ただし、置換対象文字列の検出方法は、他の方法(例えば、予め記憶している文字列と一致するかどうか)であってもよい。
【0027】
置換対象文字列は、送信先のコンピュータ名及びIPアドレスのうちの少なくとも一方を含む。表示情報変換部18は、他の文字列の文字数を、置換対象文字列の文字数と同じにする。表示情報変換部18は、予め決められた文字列の文字数を、置換対象文字列の文字数より少なく、又は、多くしてもよい。
【0028】
表示情報変換部18は、送信先文字列における、置換対象文字列以外の文字列は、表示部13aにそのまま表示する。
【0029】
次に、フローチャートを用いて、動作を詳細に説明する。図5は、第1の実施形態における送信先情報の表示動作を詳細に示すフローチャートである。図5の動作は、登録されている送信先情報を確認、変更、又は削除するような指示が行われたときに実行される。表示情報変換部18は、記憶されている送信先情報A11から一つの送信先情報を取り出し(ステップS11)、個人情報判断部18aが送信先情報の中に個人情報に該当する文字列の有無を判断(ステップS12)する。表示情報変換部18は、例えば、「¥¥」文字列が先頭に定義されている場合には、個人情報に該当する文字列(置換対象文字列)が含まれていると判断する。表示情報変換部18は、該当する文字列が含まれていない場合には、取り出した送信先情報の文字列を、表示部13aのパネルに表示(ステップS15)する。表示情報変換部18は、該当する文字列が含まれている場合には、個人情報判断部18aが個人情報に該当する文字列の文字数を算出(ステップS13)し、算出した文字数分の文字列を文字列変換部18bが特定文字列に置き換える(ステップS14)。続いて、表示情報変換部18は、文字列が置き換えられた送信先情報を、操作パネル部13の表示部13aに表示(ステップS15)する。その後、表示情報変換部18は、表示情報変換部18が操作パネル部13へ表示する次の送信先情報の有無を判断(ステップS16)し、存在する場合には送信先情報を取り出し(ステップS11)、存在しない場合には処理を終了する。
【0030】
《1−3》第1の実施形態の効果
第1の実施形態に係る画像処理装置1又は処理方法によれば、データの送信先として登録されている文字列内の個人情報に該当する文字列部分を特定文字列に置き換えることにより、他の利用者に個人情報が開示及び漏洩されることを防止することができるので、セキュリティ(機密性)が向上する。
【0031】
また、第1の実施形態に係る画像処理装置1又は処理方法によれば、データの送信先として登録されている文字列内の個人情報に該当する文字列部分(置換対象文字列)の文字数と置き換えられた特定文字列の文字数とを同数とすることによって、送信先情報として登録されている文字数が把握でき、編集時における追加可能な文字数を知ることができることから、使い勝手が向上する。
【0032】
《2》第2の実施形態
《2−1》第2の実施形態の構成
第2の実施形態では、送信先情報を表示する目的に応じて、置き換える特定文字列の文字数を切替える手段について説明する。図6は、第2の実施形態に係るデータ送信装置(第2の実施形態に係るデータ送信方法を実行することができる装置)としての画像処理装置2の構成を概略的に示すブロック図である。図6において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。第2の実施形態に係る画像処理装置2は、表示情報変換部28に、個人情報判断部28a及び文字列変換部28bに加えて、置き換え文字数判断部28cを備えている点が、第1の実施形態に係る画像処理装置1と相違する。置き換え文字数判断部28cは、個人情報判断部28aによって算出された個人情報に該当する文字数と、送信先を表示する目的に従って、置き換える特定文字列の文字数を判断する。第2の実施形態に係る画像処理装置2は、記憶部27に記憶されている送信先情報A21と画面表示情報A22の内容の点が、第1の実施形態に係る画像処理装置1と相違する。第2の実施形態のその他の構成及び動作は、第1の実施形態の構成及び動作と同じである。
【0033】
図7は、第2の実施形態における送信先情報A21の一例を示す図である。データの送信先情報A21を表示部13aに表示する目的は、登録内容を確認するための参照と、登録内容を変更するための編集とに大別することができる。送信先情報A21内のコンピュータ名情報やIPアドレス情報に該当する文字列(置換対象文字列)を特定文字列に置き換えるとき、表示目的が参照であれば、置き換えられる文字数より置き換える文字数を少なくし、表示目的が編集であれば、置き換えられる文字数と置き換える文字数を同一にする。本例では、コンピュータ名情報の文字列「PC1234」を、参照時には「**」へ、編集時には「******」へ置き換えている。IPアドレス情報の「192.168.0.1」文字列も、参照時には「**」へ、編集時には「***********」へ置き換えている。
【0034】
《2−2》第2の実施形態の動作
図8(a)〜(d)は、第2の実施形態における操作パネル部13の表示例を示す図である。登録されている送信先情報A11は、画面表示情報A12に記憶されている文字列を用いて、図8(a)に示される送信先リスト画面210のように操作パネル部13に表示する。この場面での表示目的は参照となり、特定文字列に置き換えられている文字数は2文字である。送信先番号「002」に登録されている送信先を編集する場合には、該当する送信先情報ボタン211の押下により、図8(b)に示されるアドレス編集画面220を表示する。この場面での表示目的は編集となり、特定文字列に置き換えられている文字数は、IPアドレス情報の文字列と同じ11文字である。アドレス編集画面では、登録されている文字列の最後尾に編集用カーソルを表示し、特定文字列に置き換えられているIPアドレス情報を編集する場合には、図8(c)に示されるアドレス編集画面230のように、矢印ボタンの押下により「¥¥」文字の後ろまでカーソルを移動する。その後、削除ボタンの押下により、図8(d)に示されるアドレス編集画面240のように、特定文字列に置き換えられているIPアドレス情報の全文字列を一括して削除する。本例では、コンピュータ名情報に該当する何れかの文字が削除される操作が行われることにより、全文字列を一括して削除しているが、カーソル位置の1文字のみを削除して、置き換えられているその他の文字を維持してもよい。
【0035】
図9は、第2の実施形態における送信先リスト画面の表示動作を示すフローチャートである。表示情報変換部28は、送信先リスト画面210を表示する操作が行なわれた場合、参照目的の全送信先情報を送信先リストとして表示するために、操作部13bにより後述する図10の送信先情報の表示制御を行う(ステップS21)。続いて、表示情報変換部28は、操作情報を取得(ステップS22)して、操作が行なわれていない場合には再び操作情報の取得に遷移し、操作が行われた場合(ステップS23)には操作内容を判断する。表示情報変換部28は、送信先リスト表示の終了操作が行なわれた場合(ステップS24)には、本制御を終了する。何れかの送信先情報ボタンの押下による送信先情報の編集操作が行われた場合(ステップS25)には、表示情報変換部28は、送信先表示領域は空白のまま、該当する送信先のアドレス編集画面252を表示(ステップS26)させる。その後、表示情報変換部28は、送信先表示領域に編集目的の該当送信先情報を表示するために、後述する図10の送信先情報の表示制御を行う(ステップS27)。表示情報変換部28は、他の操作が行なわれた場合には、操作に従った処理を行う(ステップS28)。
【0036】
次に、フローチャートを用いて、動作を詳細に説明する。図10は、第2の実施形態における送信先情報の表示動作を示すフローチャートである。表示情報変換部28は、記憶されている送信先情報A21から一つの送信先情報を取り出し(ステップS31)、個人情報判断部28aが送信先情報中の個人情報に該当する文字列(置換対象文字列)の有無を判断(ステップS32)する。表示情報変換部28は、該当する文字列が含まれていない場合には、取り出した送信先情報の文字列を、表示部13aのパネルに表示(ステップS37)する。表示情報変換部28は、該当する文字列が含まれている場合には、個人情報判断部28aが個人情報に該当する文字列の文字数を算出(ステップS33)し、置き換え文字数判断部28cが表示を行う目的を判断(ステップS34)する。表示情報変換部28は、表示目的が参照の場合(ステップS34)には、置き換えられる文字数より置き換える文字数を少なくするため、文字列変換部28bが、算出した文字数分の文字列を、算出した文字数より少ない文字数の特定文字列に置き換える(ステップS35)。表示情報変換部28は、表示目的が参照ではない場合(ステップS34)には、文字列変換部28bが算出した文字数分の文字列を特定文字列に置き換える(ステップS36)。続いて、文字列が置き換えられた送信先情報を、表示部13aのパネルに表示(ステップS37)する。その後、表示情報変換部28が表示部13aに表示する次の送信先情報の有無を判断(ステップS38)し、存在する場合には送信先情報を取り出し(ステップS31)、存在しない場合には本制御を終了する。
【0037】
《2−3》第2の実施形態の効果
第2の実施形態に係る画像処理装置2又は処理方法によれば、データの送信先として登録されている文字列内の個人情報に該当する文字列部分を特定文字列に置き換えることにより、他の利用者に個人情報が開示及び漏洩を防止することができるので、セキュリティ(機密性)が向上する。
【0038】
また、第2の実施形態に係る画像処理装置2又は処理方法によれば、送信先文字列内の個人情報に該当する文字列部分を特定文字列に置き換えるときに、送信先の表示目的に応じて置き換え文字数を切り替えることにより、編集時における操作性を維持したまま、表示可能領域に多くの情報を表示することができ、限られた表示領域の有効利用が図れる。
【0039】
《3》第3の実施形態
図11は、第1及び第2の実施形態に係る画像処理装置1及び2の一部をコンピュータプログラムで実現する場合の構成を概略的に示す構成図である。図11に示されるホストPCは、CPUを含むプロセッサ101、入出力インタフェース(I/F)102、記録媒体読取部103、RAM(random access memory)104、不揮発性メモリ105、ハードディスクドライブ(HDD)106、及びバス107を備えている。記録媒体読取部103によって読み取られる記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク、又はフラッシュメモリ等がある、第1及び第2の実施形態に係る処理方法を画像処理装置1及び2に実行可能にするプログラムが、入出力インタフェース(I/F)102を経由してダウンロードされ、又は、記録媒体108から記録媒体読取部103によって読み込まれ、例えば、HDD106にインストールされる。プロセッサ101は、不揮発性メモリ105又はHDD106からコンピュータプログラムをロードし、実行することによって、第1又は第2の実施形態に係るデータ生成方法を実行することができる。
【0040】
なお、上記各実施形態において、所定個数の「*」の列を表示させる例を示したが、「*」の代わりに、「X」などのような文字や記号を所定個数並べて表示してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1,2 画像処理装置(データ送信装置)、 10 バス、 11 原稿読取部(原稿読取ユニット)、 12 印刷部(画像形成ユニット)、 13 操作パネル部(操作ユニット)、 13a 表示部、 13b 操作部、 14 通信部(通信ユニット)、 15 装置管理部、 16 画像処理部、 17,27 記憶部、 18,28 表示情報変換部、 18a,28a 個人情報判断部、 18b,28b 文字列変換部、 29c 置き換え文字数判断部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの送信先を示す送信先情報を記憶する記憶部と、
情報を表示する表示部と、
外部装置と通信可能に接続される通信部と、
前記表示部が前記送信先情報を表示するときに、前記送信先情報に基づく送信先文字列に置換対象文字列が含まれているか否かを判断し、前記置換対象文字列が含まれていると判断された場合に、前記置換対象文字列を予め決められた記号列に置き換えて前記表示部に表示させる表示情報変換部と
を備えたことを特徴とするデータ送信装置。
【請求項2】
前記記号列は、前記置換対象文字列とは異なる予め定められた新たな文字列であることを特徴とする請求項1に記載のデータ送信装置。
【請求項3】
前記表示情報変換部は、前記送信先情報を示す送信先文字列に置換対象文字列が含まれているか否かの判断の結果、前記置換対象文字列が含まれていないと判断された場合に、前記送信先文字列を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ送信装置。
【請求項4】
前記置換対象文字列は、前記送信先文字列の中の送信先を特定する文字列の部分であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のデータ送信装置。
【請求項5】
前記置換対象文字列は、対を成す所定の文字の間、対を成す所定の文字列の間、及び所定の文字と所定の文字列との間、のうちのいずれかに挟まれた文字列であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のデータ送信装置。
【請求項6】
前記置換対象文字列は、前記送信先のコンピュータ名及びIPアドレスのうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のデータ送信装置。
【請求項7】
前記表示情報変換部は、前記予め決められた記号列の文字数を、前記置換対象文字列の文字数と同じにすることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のデータ送信装置。
【請求項8】
前記表示情報変換部は、前記予め決められた記号列の文字数を、前記置換対象文字列の文字数より少なくすることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のデータ送信装置。
【請求項9】
前記表示情報変換部は、前記送信先文字列における、前記置換対象文字列以外の文字列は、前記表示部にそのまま表示することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載のデータ送信装置。
【請求項10】
前記送信先を選択する操作を行う操作部を含む操作パネル部をさらに備え、
前記表示部は、前記操作パネル部に備えられている
ことを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載のデータ送信装置。
【請求項11】
データの送信先を示す送信先情報を記憶する記憶部と、情報を表示する表示部と、外部装置と通信可能に接続される通信部とを備えた装置における、データ送信方法であって、
前記送信先情報に基づいて、前記表示部に送信先情報を表示するステップと、
前記表示された送信先情報のうちの選択された情報に基づく送信先にデータを送信するステップと
を有し、
前記送信先情報を表示する前記ステップにおいて、前記送信先情報に基づく送信先文字列に置換対象文字列が含まれているか否かを判断し、前記置換対象文字列が含まれていると判断された場合に、前記置換対象文字列を予め決められた記号列に置き換えて前記表示部に表示させることを特徴とするデータ送信方法。
【請求項12】
前記記号列は、前記置換対象文字列とは異なる予め定められた新たな文字列であることを特徴とする請求項11に記載のデータ送信方法。
【請求項13】
前記送信先情報を示す送信先文字列に置換対象文字列が含まれているか否かの判断の結果、前記置換対象文字列が含まれていないと判断された場合に、前記送信先文字列を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項11又は12に記載のデータ送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−178650(P2012−178650A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39545(P2011−39545)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】