説明

トラック用昇降梯子

【課題】ステップ部材の交換が簡単容易に行えるようにしたトラック用昇降梯子を提供する。
【解決手段】左右一対の側枠1,1に横桟2を複数段に横架してなる梯子本体4をトラック荷台部に立て掛けて使用される昇降梯子であって、梯子本体4の横桟2にステップ部材3が取り付けられているトラック用昇降梯子において、ステップ部材3にはその基端部側に、横桟2に対しその上方より着脱可能に嵌合される横桟嵌合部12を設け、横桟嵌合部12を横桟2に嵌合して横桟嵌合部12と横桟2とをボルト17・ナット18により接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックの荷台部の所要箇所に立て掛けて使用されるトラック用昇降梯子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトラック用昇降梯子として、例えば下記の特許文献1に記載されたものがある。この昇降梯子は、図6に示すように、左右一対の側枠1,1に踏み杆(横桟)22を複数段に横架してなる梯子本体4の最上段側の踏み杆22に、踏み杆22よりも幅の広い作業床兼用のステップ部材23を取り付けている。このステップ部材23は、アルミ押出形材からなるもので、角筒状踏み杆22に外嵌可能な踏み杆嵌合用の角筒状中空部24を当該ステップ部材23の基端部側に有し、この角筒状中空部23を最上段側の踏み杆22に外嵌合することによって、踏み杆22に取り付けるようにしたものである。
【特許文献1】特開2007−285054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の昇降梯子のように、ステップ部材23を踏み杆(横桟)22に取り付けるのに、ステップ部材23の基端部側に設けた角筒状中空部24を踏み杆22に外嵌合させるようにすると、ステップ部材23が破損するなどして取替えを必要とする場合には、梯子本体4を分解して踏み杆22を側枠1から取り外さなければならず、取替え作業が非常に面倒になる。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑み、ステップ部材の交換が簡単容易に行えるようにしたトラック用昇降梯子を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、左右一対の側枠1,1に横桟2を複数段に横架してなる梯子本体4をトラック荷台部Fに立て掛けて使用される昇降梯子であって、梯子本体4の横桟2にステップ部材3が取り付けられているトラック用昇降梯子において、
ステップ部材3にはその基端部側に、横桟2に対しその上方より着脱可能に嵌合される横桟嵌合部12を設け、この横桟嵌合部12を横桟2に嵌合して横桟嵌合部12と横桟2とをボルト17・ナット18によって接合してなることを特徴とする。
【0006】
請求項2は、請求項1に記載のトラック用昇降梯子において、前記ステップ部材3の横桟嵌合部12は、横桟2の上面部に当接する上面当接部13と、横桟2の両端面部に夫々当接する一対の端面当接部片14,15とからなり、両端面当接部片14,15と横桟2とをボルト17・ナット18によって接合してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、ステップ部材3の基端部側に、横桟2に対しその上方より着脱可能に嵌合される横桟嵌合部12を設け、この横桟嵌合部12を横桟2に嵌合して横桟嵌合部12と横桟2とをボルト17及びナット18によって接合するようにしたから、梯子Aを使用しているうちに、何れかのステップ部材3が破損などにより取替えを必要とする場合には、ボルト17及びナット18を取り外せば、ステップ部材3の横桟嵌合部12を横桟2から抜き取ることができるため、簡単容易にステップ部材3を取り替えることができる。
【0008】
請求項2に係る発明によれば、ステップ部材3の横桟嵌合部12を、横桟2の上面部に当接する上面当接部13と、横桟2の両端面部に夫々当接する一対の端面当接部片14,15とから構成して、両端面当接部片14,15と横桟2とをボルト17・ナット18によって接合するから、横桟嵌合部12を横桟2に対し安定良く嵌合させて、強固に接合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1はトラックの荷台部に梯子本体を立て掛けて使用している昇降梯子を示す側面図であり、図2の(a) は昇降梯子の正面図、(b) は側面図であり、図3の(a) は図2の(a) の一部拡大図、(b) は図2の(b) の一部拡大図であり、図4は横桟にステップ部材を取り付けた状態の拡大横断面図であり、図5は横桟からステップ部材を取り外した状態の分解図である。
【0010】
これらの図から分かるように、トラック用昇降梯子Aは、両側一対の側枠1,1に横桟2を所要間隔おきに横架すると共に各横桟2にステップ部材3を取り付けてなる梯子本体4と、この梯子本体4をトラックTの荷台Nに取り付けるにあたってその荷台Nの周枠体Fに取り付けられる梯子掛止用の取付金具5と、梯子本体3の片側の側枠1に取り付けられた手摺り6とから構成される。梯子本体3の各側枠1は、アルミ押出形材からなる断面コ字状の側枠本体7と、この側枠本体7の下端部に伸縮調整自在に連結される伸縮部材8とからなるもので、両側一対の側枠本体7,7に横桟2が横架され、この横桟2にステップ部材3が取り付けられる。伸縮部材8の下端部には接地ベース9が枢着されている。
【0011】
各横桟2は、図4及び図5に示すように、円弧状に膨らんだ上下側壁2a,2aと平坦な前後側壁2b,bとによって断面が太鼓の形を成した中空状のアルミ押出形材からなるもので、図示は省略するが、横桟2の左右両端部は、断面コ字状のアルミ押出形材からなる左右両側枠本体7,7に内嵌合されて、ボルト・ナット又はリベット接合されている。上下側壁2a,2aの夫々外側面には断面三角形の小さな突条部10が横桟2の幅方向に間隔をおいてその長手方向に条設されており、また前後側壁2b,2bには左右両端部とその中間部の3ヶ所にボルト挿通孔11が設けられている。
【0012】
各横桟2に取り付けられるステップ部材3は、図4及び図5に示すように、断面が細長多角形を成す中空枠状のアルミ押出形材からなるもので、このステップ部材3の基端部側には、横桟2に対して上方より着脱可能に嵌合される横桟嵌合部12が設けられている。この横桟嵌合部12は、横桟2の上面部(上側に位置する側壁2aの上面部)に当接する上面当接部13と、横桟の両端面部に夫々当接する前後一対の端面当接部片14,15とにより形成されるもので、前後端面当接部片14,15には横桟2の前後側壁2b,2bに設けてあるボルト挿通孔11と対応する位置にボルト挿通孔16が設けてある。図4及び図5において、17はボルト、18はナットを示す。
【0013】
また、ステップ部材3の傾斜状上面3aには、横桟2に設けられた突条部10と同じようにステップ部材3の長手方向に延びる滑り止め用の突条部19がステップ部材3の幅方向に所定の間隔で、多数条設されている。
【0014】
ステップ部材3を横桟2に取り付けるには、ステップ部材3の横桟嵌合部12を、梯子本体4の左右両側一対の側枠本体7,7に横架された横桟2に対して、図4及び図5に示すように上方より嵌合し、横桟嵌合部12の前後端面当接部片14,15のボルト挿通孔16から横桟2の前後側壁2b,2bのボルト挿通孔11にわたってボルト17を挿通し、その挿通端部にナット18を螺合して締め付けることによって、両端面当接部片14,15と横桟2とを接合することができる。
【0015】
この実施形態のトラック用昇降梯子Aは、最下段の横桟2から最上段の横桟2までの全ての横桟2にステップ部材3が取り付けてあって、その全てのステップ部材3について、上記のような取付構造となっている。
【0016】
上記のようにして横桟2にステップ部材3が取り付けられたトラック用昇降梯子Aにおいて、この梯子Aの使用により、何れかのステップ部材3が破損などにより取替えを必要とする場合には、ボルト17・ナット18を取り外せば、ステップ部材3の横桟嵌合部12を横桟2から抜き取ることができるため、簡単容易にステップ部材3を取り替えることができる。
【0017】
そして、ステップ部材3の横桟嵌合部12を、横桟2の上面部に当接する上面当接部13と、横桟2の両端面部に夫々当接する一対の端面当接部片14,15とから構成して、両端面当接部片14,15と横桟2とをボルト17・ナット18によって接合するから、横桟嵌合部12を横桟2に対し安定良く嵌合させて、強固に接合することができる。
【0018】
図1及び図2に示される手摺り6は、縦杆20a、20b,20cと横杆20d,20eとからなる矩形枠状の手摺り本体部20と、この手摺り本体部20の横杆20d,20eと平行に配設された2つの手摺り支柱部21とによって構成され、しかして図1に示すように梯子本体4に対し垂直に起立した使用姿勢と、図2に示すように、使用姿勢から90°折り畳まれて梯子本体3と平行に重なり合うような収納姿勢とに姿勢変更自在に、各手摺り支柱部21の下端部が側枠1の側枠本体7に枢着されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】トラックの荷台部に梯子本体を立て掛けて使用している昇降梯子を示す側面図である。
【図2】図2の(a) は昇降梯子の正面図、(b) は側面図である。
【図3】図3の(a) は図2の(a) の一部拡大図、(b) は図2の(b) の一部拡大図である。
【図4】図4は横桟にステップ部材を取り付けた状態の拡大横断面図である。
【図5】図5は横桟からステップ部材を取り外した状態の分解図である。
【図6】横桟に対するステップ部材の従来の取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 側枠
2 横桟
3 ステップ部材
4 梯子本体
12 横桟嵌合部
13 上面当接部
14,15 端面当接部片
17 ボルト
18 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の側枠に横桟を複数段に横架してなる梯子本体をトラック荷台部に立て掛けて使用される昇降梯子であって、梯子本体の横桟にステップ部材が取り付けられているトラック用昇降梯子において、
ステップ部材にはその基端部側に、横桟に対しその上方より着脱可能に嵌合される横桟嵌合部を設け、この横桟嵌合部を横桟に嵌合して横桟嵌合部と横桟とをボルト・ナットによって接合してなるトラック用昇降梯子。
【請求項2】
前記ステップ部材の横桟嵌合部は、横桟の上面部に当接する上面当接部と、横桟の両端面部に夫々当接する一対の端面当接部片とからなり、両端面当接部片と横桟とをボルト・ナットによって接合してなる請求項1に記載のトラック用昇降梯子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−84389(P2010−84389A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253582(P2008−253582)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(391004791)カジマメカトロエンジニアリング株式会社 (13)
【出願人】(000101662)アルインコ株式会社 (218)
【Fターム(参考)】